復号情報提供システム、復号情報提供方法、媒体
【課題】視覚復号型秘密分散法における復号情報を可変とするとともに、ユーザが復号情報を容易に閲覧できる復号情報提供システム等を提供する。
【解決手段】媒体2の本体部20には、背面側が透明的に視認可能になされ、第1シェア画像を表示するディスプレイ21が設けられている。また本体部20の裏面には、ディスプレイ21を囲む矩形領域の四隅のうちのいずれか三隅に、静電式タッチパネルに反応する位置決め部材23A〜23Cが設けられている。媒体2が端末に重ね合わせられたとき、端末の静電式タッチパネルが、媒体2のディスプレイ21に表示された第1シェア画像の位置、大きさ、向きを検知し、第2シェア画像の位置、大きさ、および向きを合わせて表示することができる。
【解決手段】媒体2の本体部20には、背面側が透明的に視認可能になされ、第1シェア画像を表示するディスプレイ21が設けられている。また本体部20の裏面には、ディスプレイ21を囲む矩形領域の四隅のうちのいずれか三隅に、静電式タッチパネルに反応する位置決め部材23A〜23Cが設けられている。媒体2が端末に重ね合わせられたとき、端末の静電式タッチパネルが、媒体2のディスプレイ21に表示された第1シェア画像の位置、大きさ、向きを検知し、第2シェア画像の位置、大きさ、および向きを合わせて表示することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、視覚復号型秘密分散法における復号情報を提供する復号情報提供システム等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
銀行のATM(Automatic Teller Machine)やオンラインネットバンキングなどにおける認証システムとして、カード型乱数表やワンタイムパスワードを表示する媒体(デバイス)を利用した認証システムが広く利用されている。
【0003】
カード型乱数表は、本人認証手段のひとつであり、利用者に対してキャッシュカードとは別に、個別に発行される。利用例としては、預金の振込みやパスワードの変更等、特に本人認証が必要とされる場合において、カード型乱数表内の一部の値がシステムから問われ、利用者がカード型乱数表内を見て正しく答えることで本人と認証される仕組みとなっている。
【0004】
また、ワンタイムパスワードも、本人認証手段に用いられるものであり、媒体に表示された値を入力することで本人と認証される仕組みとなっている。なお、媒体に表示されるワンタイムパスワードは、時間毎、あるいは表示用のボタンを押した回数等により毎回更新されるパスワードである。
【0005】
ところで、悪意を持った第三者が、カード型乱数表やワンタイムパスワードを盗み見て、本人になりすまして不正に認証を受けることが可能となってしまうといった不都合がある。
【0006】
そこで、通常の状態では記録された画像を目視認識することができないようにする技術のひとつとして、視覚復号型秘密分散法(VSSS:Visual Secret Sharing Scheme)が知られている。
【0007】
視覚復号型秘密分散法とは、秘密情報である乱数表やワンタイムパスワードを、通常の状態では目視認識することができないような不規則なパターンに暗号化して媒体に記録し、復号時、復号用のパターンが記録された媒体を物理的に重ね合わせることで、人間の目が復号器の役割を果たし、秘密情報を復号(可視化)することができるものである。
【0008】
例えば、この視覚復号型秘密分散法に基づいて、カード型乱数表やワンタイムパスワードの表示内容を2つに分散し、一方の絵柄(以下、第1シェア画像と称する)をディスプレイカードにて表示し、もう一方の絵柄(以下、第2シェア画像と称する)をスマートフォン(登録商標)やタブレットパーソナルコンピュータなどのタッチパネル機能を持ったディスプレイにて表示する。そして、これらの絵柄を重ね合わせることで、乱数表あるいはワンタイムパスワードを視覚的に復号(再生)させる、といった利用を行うことができる。
【0009】
例えば、特許文献1には、視覚復号型秘密分散法に基づいて、隠蔽情報を2つに分散し、第1シェア画像及び第2シェア画像の両方を媒体に印刷することによって、乱数表を再現する技術が提案されている。
【0010】
また例えば、非特許文献1には、第1シェア画像を媒体に印刷し、第2シェア画像を端末のディスプレイに表示することによって、セグメント数字(0〜9)を再現する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2011−37045号公報
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】「Pass Window - ONLINEAUTHENTICATION」、[2011年4月21日検索]インターネット<URL:http://www.passwindow.com/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
特許文献1の技術では、第1シェア画像及び第2シェア画像が印刷される為、復号情報が不変である。従って、復号情報が限られてしまい、悪意を持った第三者に推測されてしまう恐れがあった。
【0014】
非特許文献1の技術では、ユーザが端末に表示される第2シェア画像の位置、および大きさを変更することによって、手動で位置合わせをしている。そのため、スマートフォンなどのタッチパネルディスプレイでは、媒体を端末にかざしながら、第2シェア画像の位置および大きさを、タッチパネルを介して変更することが困難である課題があった。
【0015】
また、第三者に容易に推測されないように、多くのセグメント数字の一部を第1シェア画像として印刷しておき、復号情報としては、数字を1つずつ再現している。例えば、「1234」という4桁の暗証番号が復号情報であった場合、「1」を再現する為の第2シェア画像を数秒表示、次に「2」を再現する為の第2シェア画像を数秒表示、次に「3」を再現する為の第2シェア画像を数秒表示、次に「4」を再現する為の第2シェア画像を数秒表示、としている。このような表示方法では、ユーザにとって非常に不便である課題があった。
【0016】
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたもので、その目的とすることは、視覚復号型秘密分散法における復号情報を可変とするとともに、ユーザが復号情報を容易に閲覧できる復号情報提供システム等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前述した目的を達成するために、第1の発明は、視覚復号型秘密分散法により秘密情報を第1シェア画像と第2シェア画像に分散し、分散された前記第1シェア画像を表示する媒体と、前記第2シェア画像を生成するサーバと、前記第2シェア画像を表示する端末と、からなる復号情報提供システムにおいて、前記媒体は、前記第1シェア画像を生成する制御部と、前記第1シェア画像を表示するものであって、本体部の背面側が透過的に視認可能な第1ディスプレイと、を有し、前記端末は、ネットワークを介して前記サーバから前記第2シェア画像を取得する制御部と、前記第2シェア画像を表示する第2ディスプレイと、を有し、前記第1ディスプレイと前記第2ディスプレイとが重ねられることによって、前記秘密情報が復号されることを特徴とする復号情報提供システムである。
第1の発明によって、視覚復号型秘密分散法における復号情報を可変とし、ユーザは復号情報を容易に閲覧できる。
【0018】
前記媒体が前記端末にかざされた場合、前記端末は、前記媒体の第1ディスプレイに表示された前記第1シェア画像の位置、大きさ、および向きを検知し、前記第2シェア画像の位置、大きさ、および向きを合わせて表示する。
これにより、媒体を端末に重ね合わせるだけで、第2シェア画像の位置、大きさ、および向きの調整がなされ、容易に秘密情報を再生することが可能となる。
【0019】
前記第2ディスプレイは、静電式タッチパネルであり、前記媒体の所定位置には、前記第2ディスプレイの静電式タッチパネルに反応する材質の位置決め部材が3つ設けられている。
これにより、端末は、静電式タッチパネルに媒体の位置決め部材が触れると、触れた領域を検出することができる。
【0020】
前記位置決め部材と同一の材質であって、前記位置決め部材の少なくとも1つと連接する放電部材が設けられている。
これにより、第2ディスプレイ(静電式タッチパネル)表面の電解を放電することが可能となる。
【0021】
前記位置決め部材は、前記第1ディスプレイを囲む矩形領域の四隅のうちのいずれか三隅に配置されている。
これにより、端末は、第1ディスプレイの向きを正しく検知することができる。
【0022】
前記位置決め部材が配置されていない残りの1つの角には、静電式タッチパネルに反応しない材質の部材が設けられる。
これにより、媒体を端末に置いた際のがたつきを抑えることができる。
【0023】
第2の発明は、視覚復号型秘密分散法により秘密情報を第1シェア画像と第2シェア画像に分散し、分散された前記第1シェア画像を媒体の第1ディスプレイに表示し、サーバによって生成される前記第2シェア画像を端末の第2ディスプレイに表示する復号情報提供方法において、前記媒体が、前記第1シェア画像を生成し、前記第1シェア画像を前記第1ディスプレイに表示するステップと、前記端末が、ネットワークを介して前記サーバから前記第2シェア画像を取得し、前記第2シェア画像を前記第2ディスプレイに表示するステップと、を含み、前記第1ディスプレイと前記第2ディスプレイとが重ねられることによって、前記秘密情報が復号されることを特徴とする復号情報提供方法である。
第2の発明によって、視覚復号型秘密分散法における復号情報を可変とし、ユーザは復号情報を容易に閲覧できる。
【0024】
第3の発明は、視覚復号型秘密分散法により秘密情報を第1シェア画像と第2シェア画像に分散し、分散された前記第1シェア画像を表示する媒体において、前記第1シェア画像を生成する制御部と、前記第1シェア画像を表示するものであって、本体部の背面側が透過的に視認可能な第1ディスプレイと、を有し、前記媒体の所定位置には、前記第2シェア画像を表示する静電式タッチパネルに反応する材質の位置決め部材が3つ設けられていることを特徴とする媒体である。
第3の発明によって、視覚復号型秘密分散法における復号情報を可変とし、ユーザは復号情報を容易に閲覧できる。特に、端末は、静電式タッチパネルに媒体の位置決め部材が触れると、触れた領域を検出し、位置合わせを行うことができる。
【0025】
第3の発明の媒体には、前記位置決め部材と同一の材質であって、前記位置決め部材の少なくとも1つと連接する放電部材が設けられている。
また、前記位置決め部材は、前記第1ディスプレイを囲む矩形領域の四隅のうちのいずれか三隅に配置されている。
【発明の効果】
【0026】
本発明により、視覚復号型秘密分散法における復号情報を可変とするとともに、ユーザが復号情報を容易に閲覧できる復号情報提供システム等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施の形態としての復号情報提供システムの構成例を示す図である。
【図2】媒体の外観構成例を示す図である。
【図3】媒体の裏面(背面)図である。
【図4】図2のA−A線の断面図である。
【図5】ユーザが媒体2を端末3にかざすことで秘密情報を復号する一連の処理について説明するフローチャートである。
【図6】第1シェア画像の表示例を示す図である。
【図7】媒体を端末にかざす様子を示す図である。
【図8】第2シェア画像の表示例を示す図である。
【図9】復号情報の表示例を示す図である。
【図10】第1シェア画像と第2シェア画像の一部のセグメント領域が重複する様子を説明するための図である。
【図11】位置決め部材を本体部の角部に配置した例を示す図である。
【図12】位置決め部材を本体部に埋め込んだ場合の図2のA−A線の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0029】
[本発明の実施の形態]
図1は、本発明の実施の形態としての復号情報提供システムの構成例を示す図である。
【0030】
図1に示すように、復号情報提供システム1は、視覚復号型秘密分散法により、秘密情報(可変情報)を2つに分散し、分散された一方の画像(以下、第1シェア画像と称する)を表示する媒体2、他方の画像(以下、第2シェア画像と称する)を表示する端末3、およびサーバ4を有し、端末3とサーバ4がネットワーク5を介して接続されることで構成される。
【0031】
ここで、本発明で用いる視覚復号型秘密分散法を用いた暗号方法について簡単に説明する。この手法は、秘密情報である乱数表やワンタイムパスワードを2つに分散し、分散された第1シェア画像を媒体2にて表示させるとともに、第2シェア画像を端末3に表示させる。そして、これらの画像を重ね合わせることによって、乱数表やワンタイムパスワードが視覚的に復号され、再生される。本発明は、この視覚復号型秘密分散法を用いて秘密情報を暗号化し、容易に復号できるようにするものである。
【0032】
次に、第1シェア画像と第2シェア画像について説明する。ワンタイムパスワードの場合、媒体2とサーバ4とが、表示回数や出荷時点からの経過時間などによって同期が取れたパスワードを生成する。例えば、以下のように、毎回異なるパスワードが生成される。
1回目のパスワード・・・1234
2回目のパスワード・・・2345
3回目のパスワード・・・3456
【0033】
ユーザが媒体2のスイッチを押下すると、媒体2の制御部は、ワンタイムパスワードを生成する。次に、媒体2の制御部は、視覚復号型秘密分散法を用いて、媒体2に表示されるセグメント領域を示す画像(第1シェア画像)を生成する。そして、媒体2の制御部は、第1シェア画像を表示する。
これに対して、ユーザが端末3に対して第2シェア画像の生成を指示すると、端末3の制御部は、サーバ4に第2シェア画像の生成処理を依頼する。サーバ4の制御部は、ワンタイムパスワードを生成し、視覚復号型秘密分散法を用いて、端末3に表示されるセグメント領域を示す画像(第2シェア画像)を生成し、第2シェア画像を端末3に送信する。端末3の制御部は、サーバ4から受信する第2シェア画像を表示する。
尚、媒体2とサーバ4は、上述したように表示回数または時間の同期により同一のパスワードを生成しており、媒体2で生成した第1シェア画像とサーバ4で生成した第2シェア画像を重ねることにより、パスワードを復号することができる。
【0034】
例えば、インターネットバンキングなどにログインする場合、ユーザは、視覚的に復号されるパスワードを端末3に入力する。端末3は、入力されたパスワードをサーバ4に送信する。サーバ4は、端末3から受信するパスワードを照合し、ログインの可否を判定する。
【0035】
図1の説明に戻る。媒体2は、紙、プラスチックなどの素材であって、シート状、カード状の形状である。媒体2は、内部にCPU(Central Processing Unit)(制御部)、RAM(Random
Access Memory)、メモリなどを実装するとともに、本体の背面側が透明的に視認可能なディスプレイ21を有する。
【0036】
媒体2は、サーバ4と同期が取られたワンタイムパスワードが視覚復号型秘密分散法により分散された第1シェア画像をメモリに記憶し、メモリから読み出した第1シェア画像をディスプレイ21に表示させる。ディスプレイ21には、静電式タッチパネルに反応する位置決め部材23A〜23C(図3、図4)が設けられている。
【0037】
端末3は、ディスプレイ(映像表示装置)31を有する携帯端末、スマートフォン、パーソナルコンピュータなどである。端末3は、媒体2がかざされたことを検知すると、サーバ4からネットワーク5を介して、予め定められた第1シェア画像に対応する第2シェア画像を取得し、ディスプレイ31に表示させる。ディスプレイ31には、静電式タッチパネルが用いられる。
【0038】
例えば、ユーザは、第1シェア画像が表示されている媒体2を、図中矢印Aで示す方向に端末3上に位置合わせして重ねることにより、端末3が静電式タッチパネル(ディスプレイ31)に触れた媒体2を検知し、サーバ4から取得した第2シェア画像をディスプレイ31に表示させる。これにより、ユーザの目が復号器の役割を果たし、秘密情報(可変情報)を復号(可視化)することができる。そして、ユーザは、2つのシェア画像を重ね合わせることによって視認できる文字や数字(以下、復号情報と称する)を正しく入力し、その入力情報を、ネットワーク5を介してサーバ4に送信し、本人認証を依頼する。
【0039】
サーバ4は、CPU(制御部)、ROM(Read Only memory)、RAM、およびHDDなどを実装したコンピュータシステムである。サーバ4は、媒体2と同期が取られたワンタイムパスワードが視覚復号型秘密分散法により分散された第2シェア画像をHDDに記憶し、端末3からの要求に応じて、予め定められた第1シェア画像に対応する第2シェア画像を、ネットワーク5を介して端末3に送信する。またサーバ4は、端末3から送信されてきた入力情報に基づいて、端末3を操作しているユーザの本人認証を行い、認証結果を、ネットワーク5を介して端末3に送信する。
【0040】
ネットワーク5は、公衆回線網、ローカルエリアネットワーク、またはインターネットなどのネットワーク、デジタル衛星放送といった、有線または無線のいずれのものでもよい。
【0041】
図2〜4は、本発明に係る媒体の構成例を示す図である。図2は、媒体2の外観構成例を示す図であり、図3は、図2の媒体2を正面とした場合の裏面(背面)図であり、図4は、図2のA−A線の断面図である。
【0042】
媒体2の本体部20には、正面(図2)から見て、右上方にディスプレイ21が設けられており、右下方にスイッチ22が設けられている。また本体部20には、裏面(図3)から見て、左上方に配置されるディスプレイ21を囲む矩形領域の四隅のうちのいずれか三隅に位置決め部材23A〜23Cが設けられている。図3の例では、ディスプレイ21の左上隅、右上隅、および右下隅に位置決め部材23A〜23Cが設けられている。また媒体2の本体部20の内部には、放電部材24が設けられている。
【0043】
ディスプレイ21は、透明液晶を用いることにより、背面側が透明的(透過的)に視認可能になされており、第1シェア画像を表示する。スイッチ22は、ディスプレイ21に第1シェア画像を表示する場合に操作される。
【0044】
なお、ディスプレイ21は、スイッチ22が押下された場合にのみ第1シェア画像を所定時間表示し、通常時は非表示となっている。つまり、ディスプレイ21に、常時、第1シェア画像が表示されていると、悪意を持った第三者によって盗み見られてしまう恐れがある。そこでスイッチ22を設けることにより、スイッチ22がユーザによって押下(操作)された場合にのみ、ディスプレイ21に第1シェア画像を表示させ、所定時間経過後には、再び非表示に切り替わるようになされている。
【0045】
位置決め部材23A〜23Cは、図4の断面図に示すように、裏面側に突起物を有しており、静電式タッチパネルに反応する材質(導電性物質)で形成されている。ただし、位置決め部材の数は、2つまたは4つにしてしまうと、ディスプレイ21の向きが不明になるため、3つ設ける必要がある。また、位置決め部材23A〜23Cの突起物の高さは、媒体2を端末3に置いた際に、がたつかない程度(数ミリ程度)である。
【0046】
このような静電式タッチパネルに反応する材質で形成される位置決め部材23A〜23Cが媒体2の本体部20の裏面に設けられることにより、端末3のディスプレイ31(静電式タッチパネル)が、媒体2のディスプレイ21に表示された第1シェア画像の位置、大きさ、向きを検知し、第2シェア画像の位置、大きさ、および向きを合わせて表示することができる。
【0047】
放電部材24は、位置決め部材23A〜23Cと同じ材質(導電性物質)で形成されており、例えば、位置決め部材23A〜23Cの3つ全てと連接し、枠体として成形されている。放電部材24は、端末3の第2ディスプレイ31(静電式タッチパネル)表面の電解を放電する。枠体として成形する理由は、ディスプレイ21の背面側が視認可能となるように、放電部材24がディスプレイ21の背面を覆わないようにする為である。
【0048】
放電部材24は、位置決め部材23A〜23Cと静電式タッチパネルとの接触点の電界の放電に必要な表面積を有している。つまり、位置決め部材23A〜23Cと放電部材24の関係は、人間の指が静電式タッチパネルに触れた時の指先と指全体の関係と同様である。
また、結果として、発熱体であるCPU等の熱を外部に逃がす(放熱を行う)ことも可能となる。
尚、放電部材24は、位置決め部材23A〜23Cの3つ全てと連接する必要はなく、いずれか1つ又は2つと連接するだけでも良い。また、放電部材24の形状は、枠体に限らず、ディスプレイ21の背面を覆わない形状であれば良い。但し、カード内の限られたスペースで効率良く放電する必要があるため、位置決め部材23A〜23Cの3つ全てに連接するような構成が望ましい。
【0049】
次に、図5のフローチャートを参照して、ユーザが媒体2を端末3にかざすことで秘密情報を復号する一連の処理について説明する。図5の説明に当たり、図6〜図9を参照し、具体的な表示内容も説明する。図6〜9は、媒体2のディスプレイ21または端末3のディスプレイ31の表示例を説明する図である。
【0050】
ステップS1において、ユーザは、媒体2のスイッチ22を押下する。ステップS2において、媒体2のCPUは、スイッチ22が押下されたことをトリガにして、第1シェア画像を生成し、ディスプレイ21に表示させる。これにより、媒体2のディスプレイ21には、例えば、図6に示すような第1シェア画像が表示される。図6の例では、「6324」が分散された第1シェア画像がセグメント形式で表示されている。
【0051】
ステップS3において、ユーザは、第1シェア画像がディスプレイ21に表示されている状態(図6)で、図7に示すようにして、媒体2を端末3にかざす。
【0052】
ステップS4において、端末3のCPU(制御部)は、媒体2の位置、大きさ、および向きを検出する。具体的には、端末3は、静電式タッチパネル(ディスプレイ31)に媒体2の位置決め部材23A〜23Cが触れると、触れた領域(図3の例では円)を検出する。次に、触れた領域毎に重心を算出し、位置決め部材23A〜23Cの位置を画素レベルで特定する。次に、特定された3つの位置決め部材23A〜23Cの位置に基づいて、媒体2の位置、大きさ、および向きを算出する。
【0053】
ステップS5において、端末3のCPUは、サーバ4から取得した第2シェア画像をディスプレイ31に表示させる。具体的には、端末3は、タッチパネルに表示されているボタンをユーザが押下すると、サーバ4に第2シェア画像の生成処理を依頼する。端末3は、サーバ4からネットワーク5を介して、第1シェア画像に対応する第2シェア画像を取得する。次に、ステップS4の処理で検出した媒体2の大きさに合わせて、第2シェア画像を拡大又は縮小する。次に、ステップS4の処理で検出した媒体2の位置および向きに合わせて、第2シェア画像の表示位置を決定する。次に、決定した表示位置に第2シェア画像を表示する。
【0054】
ステップS5の処理により、媒体3のディスプレイ31には、例えば、図8に示すような第2シェア画像がセグメント形式で表示される。図8の例では、「6324」が分散された第2シェア画像が表示されている。なお、説明を分かりやすくするために、図8には端末3のみが図示されているが、実際には、端末2がかざされた状態となっている。
【0055】
ステップS6において、ユーザは、2つのシェア画像を重ね合わせることによって復号情報を確認する。これにより、媒体2のディスプレイ21には、例えば、図9に示すような復号情報が表示される。図9の例では、第1シェア画像(図7)と第2シェア画像(図8)が重畳し、「6324」がセグメント形式で表示されている。
【0056】
なお、図10に示すように、第1シェア画像と第2シェア画像は、一部のセグメント領域が重複するように分散されている。図10の例では、第1シェア画像のセグメントSEG1〜SEG5が、第2シェア画像のセグメントSEG11〜SEG15とそれぞれ重複している。これにより、第三者が復号情報を容易に推測することが困難になる。
【0057】
[発明の実施の形態における効果]
1.視覚復号型秘密分散法により分散された秘密情報を再生する際に、2つのシェア画像の重ね合わせを容易に行うことができるため、秘密情報を確実に再生することが可能となる。
【0058】
2.端末3は、媒体2に応じて、第2シェア画像の位置、大きさ、および向きを調整してディスプレイ31に表示させることができるため、いかなる大きさの媒体2を用いても秘密情報の再生を行うことが可能となる。つまり、媒体2のディスプレイ21の大きさや解像度が変化しても、媒体2を端末3に重ね合わせるだけで、自動的に、第2シェア画像の位置、大きさ、および向きの調整がなされ、容易に秘密情報を再生することが可能となる。
【0059】
[変形例]
1.位置決め部材23A〜23Cは、図3に示したように、ディスプレイ21を囲む矩形領域の四隅に配置されるようにしたが、これに限らず、例えば、本体部20の角部に配置したり、あるいは、本体部20に埋め込んだりすることも勿論可能である。
【0060】
図11は、位置決め部材を本体部の角部に配置した例を示す図である。図11の例では、位置決め部材23A〜23Cが、本体部20の角部に配置されている。また位置決め部材が配置されない残り1つの角には、静電式タッチパネルに反応しない材質の非反応部材25が設けられる。また、媒体2を端末3に置いた際のがたつきを抑えるため、位置決め部材23A〜23C、および非反応部材25の高さを合わせるようにする。
【0061】
このように、位置決め部材23A〜23Cの配置場所は、媒体2のディスプレイ21の近傍だけではなく、媒体2自体の角のように、想定される端末3のディスプレイ31(静電式タッチパネル)の領域を囲むように配置されればよい。
【0062】
図12は、位置決め部材を本体部に埋め込んだ場合の図2のA−A線の断面図である。図12に示すように、位置決め部材23A〜23C(位置決め部材23Aは不図示)を埋め込むことにより、端末3に安定して置くことができ、また、ATMや駅券売機などに挿入して使用することも可能となる。
【0063】
2.位置決め部材23A〜23Cの配置位置を変えたり、埋め込んだりするだけでなく、本体部20の裏面の所定の位置に、静電式タッチパネルに反応する材料を塗布するだけでも勿論良い。
【0064】
以上、添付図面を参照しながら、本発明に係る復号情報提供システム等の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0065】
1………復号情報提供システム
2………媒体
3………端末
4………サーバ
21………ディスプレイ
23A〜23C………位置決め部材
31………ディスプレイ
【技術分野】
【0001】
本発明は、視覚復号型秘密分散法における復号情報を提供する復号情報提供システム等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
銀行のATM(Automatic Teller Machine)やオンラインネットバンキングなどにおける認証システムとして、カード型乱数表やワンタイムパスワードを表示する媒体(デバイス)を利用した認証システムが広く利用されている。
【0003】
カード型乱数表は、本人認証手段のひとつであり、利用者に対してキャッシュカードとは別に、個別に発行される。利用例としては、預金の振込みやパスワードの変更等、特に本人認証が必要とされる場合において、カード型乱数表内の一部の値がシステムから問われ、利用者がカード型乱数表内を見て正しく答えることで本人と認証される仕組みとなっている。
【0004】
また、ワンタイムパスワードも、本人認証手段に用いられるものであり、媒体に表示された値を入力することで本人と認証される仕組みとなっている。なお、媒体に表示されるワンタイムパスワードは、時間毎、あるいは表示用のボタンを押した回数等により毎回更新されるパスワードである。
【0005】
ところで、悪意を持った第三者が、カード型乱数表やワンタイムパスワードを盗み見て、本人になりすまして不正に認証を受けることが可能となってしまうといった不都合がある。
【0006】
そこで、通常の状態では記録された画像を目視認識することができないようにする技術のひとつとして、視覚復号型秘密分散法(VSSS:Visual Secret Sharing Scheme)が知られている。
【0007】
視覚復号型秘密分散法とは、秘密情報である乱数表やワンタイムパスワードを、通常の状態では目視認識することができないような不規則なパターンに暗号化して媒体に記録し、復号時、復号用のパターンが記録された媒体を物理的に重ね合わせることで、人間の目が復号器の役割を果たし、秘密情報を復号(可視化)することができるものである。
【0008】
例えば、この視覚復号型秘密分散法に基づいて、カード型乱数表やワンタイムパスワードの表示内容を2つに分散し、一方の絵柄(以下、第1シェア画像と称する)をディスプレイカードにて表示し、もう一方の絵柄(以下、第2シェア画像と称する)をスマートフォン(登録商標)やタブレットパーソナルコンピュータなどのタッチパネル機能を持ったディスプレイにて表示する。そして、これらの絵柄を重ね合わせることで、乱数表あるいはワンタイムパスワードを視覚的に復号(再生)させる、といった利用を行うことができる。
【0009】
例えば、特許文献1には、視覚復号型秘密分散法に基づいて、隠蔽情報を2つに分散し、第1シェア画像及び第2シェア画像の両方を媒体に印刷することによって、乱数表を再現する技術が提案されている。
【0010】
また例えば、非特許文献1には、第1シェア画像を媒体に印刷し、第2シェア画像を端末のディスプレイに表示することによって、セグメント数字(0〜9)を再現する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2011−37045号公報
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】「Pass Window - ONLINEAUTHENTICATION」、[2011年4月21日検索]インターネット<URL:http://www.passwindow.com/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
特許文献1の技術では、第1シェア画像及び第2シェア画像が印刷される為、復号情報が不変である。従って、復号情報が限られてしまい、悪意を持った第三者に推測されてしまう恐れがあった。
【0014】
非特許文献1の技術では、ユーザが端末に表示される第2シェア画像の位置、および大きさを変更することによって、手動で位置合わせをしている。そのため、スマートフォンなどのタッチパネルディスプレイでは、媒体を端末にかざしながら、第2シェア画像の位置および大きさを、タッチパネルを介して変更することが困難である課題があった。
【0015】
また、第三者に容易に推測されないように、多くのセグメント数字の一部を第1シェア画像として印刷しておき、復号情報としては、数字を1つずつ再現している。例えば、「1234」という4桁の暗証番号が復号情報であった場合、「1」を再現する為の第2シェア画像を数秒表示、次に「2」を再現する為の第2シェア画像を数秒表示、次に「3」を再現する為の第2シェア画像を数秒表示、次に「4」を再現する為の第2シェア画像を数秒表示、としている。このような表示方法では、ユーザにとって非常に不便である課題があった。
【0016】
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたもので、その目的とすることは、視覚復号型秘密分散法における復号情報を可変とするとともに、ユーザが復号情報を容易に閲覧できる復号情報提供システム等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前述した目的を達成するために、第1の発明は、視覚復号型秘密分散法により秘密情報を第1シェア画像と第2シェア画像に分散し、分散された前記第1シェア画像を表示する媒体と、前記第2シェア画像を生成するサーバと、前記第2シェア画像を表示する端末と、からなる復号情報提供システムにおいて、前記媒体は、前記第1シェア画像を生成する制御部と、前記第1シェア画像を表示するものであって、本体部の背面側が透過的に視認可能な第1ディスプレイと、を有し、前記端末は、ネットワークを介して前記サーバから前記第2シェア画像を取得する制御部と、前記第2シェア画像を表示する第2ディスプレイと、を有し、前記第1ディスプレイと前記第2ディスプレイとが重ねられることによって、前記秘密情報が復号されることを特徴とする復号情報提供システムである。
第1の発明によって、視覚復号型秘密分散法における復号情報を可変とし、ユーザは復号情報を容易に閲覧できる。
【0018】
前記媒体が前記端末にかざされた場合、前記端末は、前記媒体の第1ディスプレイに表示された前記第1シェア画像の位置、大きさ、および向きを検知し、前記第2シェア画像の位置、大きさ、および向きを合わせて表示する。
これにより、媒体を端末に重ね合わせるだけで、第2シェア画像の位置、大きさ、および向きの調整がなされ、容易に秘密情報を再生することが可能となる。
【0019】
前記第2ディスプレイは、静電式タッチパネルであり、前記媒体の所定位置には、前記第2ディスプレイの静電式タッチパネルに反応する材質の位置決め部材が3つ設けられている。
これにより、端末は、静電式タッチパネルに媒体の位置決め部材が触れると、触れた領域を検出することができる。
【0020】
前記位置決め部材と同一の材質であって、前記位置決め部材の少なくとも1つと連接する放電部材が設けられている。
これにより、第2ディスプレイ(静電式タッチパネル)表面の電解を放電することが可能となる。
【0021】
前記位置決め部材は、前記第1ディスプレイを囲む矩形領域の四隅のうちのいずれか三隅に配置されている。
これにより、端末は、第1ディスプレイの向きを正しく検知することができる。
【0022】
前記位置決め部材が配置されていない残りの1つの角には、静電式タッチパネルに反応しない材質の部材が設けられる。
これにより、媒体を端末に置いた際のがたつきを抑えることができる。
【0023】
第2の発明は、視覚復号型秘密分散法により秘密情報を第1シェア画像と第2シェア画像に分散し、分散された前記第1シェア画像を媒体の第1ディスプレイに表示し、サーバによって生成される前記第2シェア画像を端末の第2ディスプレイに表示する復号情報提供方法において、前記媒体が、前記第1シェア画像を生成し、前記第1シェア画像を前記第1ディスプレイに表示するステップと、前記端末が、ネットワークを介して前記サーバから前記第2シェア画像を取得し、前記第2シェア画像を前記第2ディスプレイに表示するステップと、を含み、前記第1ディスプレイと前記第2ディスプレイとが重ねられることによって、前記秘密情報が復号されることを特徴とする復号情報提供方法である。
第2の発明によって、視覚復号型秘密分散法における復号情報を可変とし、ユーザは復号情報を容易に閲覧できる。
【0024】
第3の発明は、視覚復号型秘密分散法により秘密情報を第1シェア画像と第2シェア画像に分散し、分散された前記第1シェア画像を表示する媒体において、前記第1シェア画像を生成する制御部と、前記第1シェア画像を表示するものであって、本体部の背面側が透過的に視認可能な第1ディスプレイと、を有し、前記媒体の所定位置には、前記第2シェア画像を表示する静電式タッチパネルに反応する材質の位置決め部材が3つ設けられていることを特徴とする媒体である。
第3の発明によって、視覚復号型秘密分散法における復号情報を可変とし、ユーザは復号情報を容易に閲覧できる。特に、端末は、静電式タッチパネルに媒体の位置決め部材が触れると、触れた領域を検出し、位置合わせを行うことができる。
【0025】
第3の発明の媒体には、前記位置決め部材と同一の材質であって、前記位置決め部材の少なくとも1つと連接する放電部材が設けられている。
また、前記位置決め部材は、前記第1ディスプレイを囲む矩形領域の四隅のうちのいずれか三隅に配置されている。
【発明の効果】
【0026】
本発明により、視覚復号型秘密分散法における復号情報を可変とするとともに、ユーザが復号情報を容易に閲覧できる復号情報提供システム等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施の形態としての復号情報提供システムの構成例を示す図である。
【図2】媒体の外観構成例を示す図である。
【図3】媒体の裏面(背面)図である。
【図4】図2のA−A線の断面図である。
【図5】ユーザが媒体2を端末3にかざすことで秘密情報を復号する一連の処理について説明するフローチャートである。
【図6】第1シェア画像の表示例を示す図である。
【図7】媒体を端末にかざす様子を示す図である。
【図8】第2シェア画像の表示例を示す図である。
【図9】復号情報の表示例を示す図である。
【図10】第1シェア画像と第2シェア画像の一部のセグメント領域が重複する様子を説明するための図である。
【図11】位置決め部材を本体部の角部に配置した例を示す図である。
【図12】位置決め部材を本体部に埋め込んだ場合の図2のA−A線の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0029】
[本発明の実施の形態]
図1は、本発明の実施の形態としての復号情報提供システムの構成例を示す図である。
【0030】
図1に示すように、復号情報提供システム1は、視覚復号型秘密分散法により、秘密情報(可変情報)を2つに分散し、分散された一方の画像(以下、第1シェア画像と称する)を表示する媒体2、他方の画像(以下、第2シェア画像と称する)を表示する端末3、およびサーバ4を有し、端末3とサーバ4がネットワーク5を介して接続されることで構成される。
【0031】
ここで、本発明で用いる視覚復号型秘密分散法を用いた暗号方法について簡単に説明する。この手法は、秘密情報である乱数表やワンタイムパスワードを2つに分散し、分散された第1シェア画像を媒体2にて表示させるとともに、第2シェア画像を端末3に表示させる。そして、これらの画像を重ね合わせることによって、乱数表やワンタイムパスワードが視覚的に復号され、再生される。本発明は、この視覚復号型秘密分散法を用いて秘密情報を暗号化し、容易に復号できるようにするものである。
【0032】
次に、第1シェア画像と第2シェア画像について説明する。ワンタイムパスワードの場合、媒体2とサーバ4とが、表示回数や出荷時点からの経過時間などによって同期が取れたパスワードを生成する。例えば、以下のように、毎回異なるパスワードが生成される。
1回目のパスワード・・・1234
2回目のパスワード・・・2345
3回目のパスワード・・・3456
【0033】
ユーザが媒体2のスイッチを押下すると、媒体2の制御部は、ワンタイムパスワードを生成する。次に、媒体2の制御部は、視覚復号型秘密分散法を用いて、媒体2に表示されるセグメント領域を示す画像(第1シェア画像)を生成する。そして、媒体2の制御部は、第1シェア画像を表示する。
これに対して、ユーザが端末3に対して第2シェア画像の生成を指示すると、端末3の制御部は、サーバ4に第2シェア画像の生成処理を依頼する。サーバ4の制御部は、ワンタイムパスワードを生成し、視覚復号型秘密分散法を用いて、端末3に表示されるセグメント領域を示す画像(第2シェア画像)を生成し、第2シェア画像を端末3に送信する。端末3の制御部は、サーバ4から受信する第2シェア画像を表示する。
尚、媒体2とサーバ4は、上述したように表示回数または時間の同期により同一のパスワードを生成しており、媒体2で生成した第1シェア画像とサーバ4で生成した第2シェア画像を重ねることにより、パスワードを復号することができる。
【0034】
例えば、インターネットバンキングなどにログインする場合、ユーザは、視覚的に復号されるパスワードを端末3に入力する。端末3は、入力されたパスワードをサーバ4に送信する。サーバ4は、端末3から受信するパスワードを照合し、ログインの可否を判定する。
【0035】
図1の説明に戻る。媒体2は、紙、プラスチックなどの素材であって、シート状、カード状の形状である。媒体2は、内部にCPU(Central Processing Unit)(制御部)、RAM(Random
Access Memory)、メモリなどを実装するとともに、本体の背面側が透明的に視認可能なディスプレイ21を有する。
【0036】
媒体2は、サーバ4と同期が取られたワンタイムパスワードが視覚復号型秘密分散法により分散された第1シェア画像をメモリに記憶し、メモリから読み出した第1シェア画像をディスプレイ21に表示させる。ディスプレイ21には、静電式タッチパネルに反応する位置決め部材23A〜23C(図3、図4)が設けられている。
【0037】
端末3は、ディスプレイ(映像表示装置)31を有する携帯端末、スマートフォン、パーソナルコンピュータなどである。端末3は、媒体2がかざされたことを検知すると、サーバ4からネットワーク5を介して、予め定められた第1シェア画像に対応する第2シェア画像を取得し、ディスプレイ31に表示させる。ディスプレイ31には、静電式タッチパネルが用いられる。
【0038】
例えば、ユーザは、第1シェア画像が表示されている媒体2を、図中矢印Aで示す方向に端末3上に位置合わせして重ねることにより、端末3が静電式タッチパネル(ディスプレイ31)に触れた媒体2を検知し、サーバ4から取得した第2シェア画像をディスプレイ31に表示させる。これにより、ユーザの目が復号器の役割を果たし、秘密情報(可変情報)を復号(可視化)することができる。そして、ユーザは、2つのシェア画像を重ね合わせることによって視認できる文字や数字(以下、復号情報と称する)を正しく入力し、その入力情報を、ネットワーク5を介してサーバ4に送信し、本人認証を依頼する。
【0039】
サーバ4は、CPU(制御部)、ROM(Read Only memory)、RAM、およびHDDなどを実装したコンピュータシステムである。サーバ4は、媒体2と同期が取られたワンタイムパスワードが視覚復号型秘密分散法により分散された第2シェア画像をHDDに記憶し、端末3からの要求に応じて、予め定められた第1シェア画像に対応する第2シェア画像を、ネットワーク5を介して端末3に送信する。またサーバ4は、端末3から送信されてきた入力情報に基づいて、端末3を操作しているユーザの本人認証を行い、認証結果を、ネットワーク5を介して端末3に送信する。
【0040】
ネットワーク5は、公衆回線網、ローカルエリアネットワーク、またはインターネットなどのネットワーク、デジタル衛星放送といった、有線または無線のいずれのものでもよい。
【0041】
図2〜4は、本発明に係る媒体の構成例を示す図である。図2は、媒体2の外観構成例を示す図であり、図3は、図2の媒体2を正面とした場合の裏面(背面)図であり、図4は、図2のA−A線の断面図である。
【0042】
媒体2の本体部20には、正面(図2)から見て、右上方にディスプレイ21が設けられており、右下方にスイッチ22が設けられている。また本体部20には、裏面(図3)から見て、左上方に配置されるディスプレイ21を囲む矩形領域の四隅のうちのいずれか三隅に位置決め部材23A〜23Cが設けられている。図3の例では、ディスプレイ21の左上隅、右上隅、および右下隅に位置決め部材23A〜23Cが設けられている。また媒体2の本体部20の内部には、放電部材24が設けられている。
【0043】
ディスプレイ21は、透明液晶を用いることにより、背面側が透明的(透過的)に視認可能になされており、第1シェア画像を表示する。スイッチ22は、ディスプレイ21に第1シェア画像を表示する場合に操作される。
【0044】
なお、ディスプレイ21は、スイッチ22が押下された場合にのみ第1シェア画像を所定時間表示し、通常時は非表示となっている。つまり、ディスプレイ21に、常時、第1シェア画像が表示されていると、悪意を持った第三者によって盗み見られてしまう恐れがある。そこでスイッチ22を設けることにより、スイッチ22がユーザによって押下(操作)された場合にのみ、ディスプレイ21に第1シェア画像を表示させ、所定時間経過後には、再び非表示に切り替わるようになされている。
【0045】
位置決め部材23A〜23Cは、図4の断面図に示すように、裏面側に突起物を有しており、静電式タッチパネルに反応する材質(導電性物質)で形成されている。ただし、位置決め部材の数は、2つまたは4つにしてしまうと、ディスプレイ21の向きが不明になるため、3つ設ける必要がある。また、位置決め部材23A〜23Cの突起物の高さは、媒体2を端末3に置いた際に、がたつかない程度(数ミリ程度)である。
【0046】
このような静電式タッチパネルに反応する材質で形成される位置決め部材23A〜23Cが媒体2の本体部20の裏面に設けられることにより、端末3のディスプレイ31(静電式タッチパネル)が、媒体2のディスプレイ21に表示された第1シェア画像の位置、大きさ、向きを検知し、第2シェア画像の位置、大きさ、および向きを合わせて表示することができる。
【0047】
放電部材24は、位置決め部材23A〜23Cと同じ材質(導電性物質)で形成されており、例えば、位置決め部材23A〜23Cの3つ全てと連接し、枠体として成形されている。放電部材24は、端末3の第2ディスプレイ31(静電式タッチパネル)表面の電解を放電する。枠体として成形する理由は、ディスプレイ21の背面側が視認可能となるように、放電部材24がディスプレイ21の背面を覆わないようにする為である。
【0048】
放電部材24は、位置決め部材23A〜23Cと静電式タッチパネルとの接触点の電界の放電に必要な表面積を有している。つまり、位置決め部材23A〜23Cと放電部材24の関係は、人間の指が静電式タッチパネルに触れた時の指先と指全体の関係と同様である。
また、結果として、発熱体であるCPU等の熱を外部に逃がす(放熱を行う)ことも可能となる。
尚、放電部材24は、位置決め部材23A〜23Cの3つ全てと連接する必要はなく、いずれか1つ又は2つと連接するだけでも良い。また、放電部材24の形状は、枠体に限らず、ディスプレイ21の背面を覆わない形状であれば良い。但し、カード内の限られたスペースで効率良く放電する必要があるため、位置決め部材23A〜23Cの3つ全てに連接するような構成が望ましい。
【0049】
次に、図5のフローチャートを参照して、ユーザが媒体2を端末3にかざすことで秘密情報を復号する一連の処理について説明する。図5の説明に当たり、図6〜図9を参照し、具体的な表示内容も説明する。図6〜9は、媒体2のディスプレイ21または端末3のディスプレイ31の表示例を説明する図である。
【0050】
ステップS1において、ユーザは、媒体2のスイッチ22を押下する。ステップS2において、媒体2のCPUは、スイッチ22が押下されたことをトリガにして、第1シェア画像を生成し、ディスプレイ21に表示させる。これにより、媒体2のディスプレイ21には、例えば、図6に示すような第1シェア画像が表示される。図6の例では、「6324」が分散された第1シェア画像がセグメント形式で表示されている。
【0051】
ステップS3において、ユーザは、第1シェア画像がディスプレイ21に表示されている状態(図6)で、図7に示すようにして、媒体2を端末3にかざす。
【0052】
ステップS4において、端末3のCPU(制御部)は、媒体2の位置、大きさ、および向きを検出する。具体的には、端末3は、静電式タッチパネル(ディスプレイ31)に媒体2の位置決め部材23A〜23Cが触れると、触れた領域(図3の例では円)を検出する。次に、触れた領域毎に重心を算出し、位置決め部材23A〜23Cの位置を画素レベルで特定する。次に、特定された3つの位置決め部材23A〜23Cの位置に基づいて、媒体2の位置、大きさ、および向きを算出する。
【0053】
ステップS5において、端末3のCPUは、サーバ4から取得した第2シェア画像をディスプレイ31に表示させる。具体的には、端末3は、タッチパネルに表示されているボタンをユーザが押下すると、サーバ4に第2シェア画像の生成処理を依頼する。端末3は、サーバ4からネットワーク5を介して、第1シェア画像に対応する第2シェア画像を取得する。次に、ステップS4の処理で検出した媒体2の大きさに合わせて、第2シェア画像を拡大又は縮小する。次に、ステップS4の処理で検出した媒体2の位置および向きに合わせて、第2シェア画像の表示位置を決定する。次に、決定した表示位置に第2シェア画像を表示する。
【0054】
ステップS5の処理により、媒体3のディスプレイ31には、例えば、図8に示すような第2シェア画像がセグメント形式で表示される。図8の例では、「6324」が分散された第2シェア画像が表示されている。なお、説明を分かりやすくするために、図8には端末3のみが図示されているが、実際には、端末2がかざされた状態となっている。
【0055】
ステップS6において、ユーザは、2つのシェア画像を重ね合わせることによって復号情報を確認する。これにより、媒体2のディスプレイ21には、例えば、図9に示すような復号情報が表示される。図9の例では、第1シェア画像(図7)と第2シェア画像(図8)が重畳し、「6324」がセグメント形式で表示されている。
【0056】
なお、図10に示すように、第1シェア画像と第2シェア画像は、一部のセグメント領域が重複するように分散されている。図10の例では、第1シェア画像のセグメントSEG1〜SEG5が、第2シェア画像のセグメントSEG11〜SEG15とそれぞれ重複している。これにより、第三者が復号情報を容易に推測することが困難になる。
【0057】
[発明の実施の形態における効果]
1.視覚復号型秘密分散法により分散された秘密情報を再生する際に、2つのシェア画像の重ね合わせを容易に行うことができるため、秘密情報を確実に再生することが可能となる。
【0058】
2.端末3は、媒体2に応じて、第2シェア画像の位置、大きさ、および向きを調整してディスプレイ31に表示させることができるため、いかなる大きさの媒体2を用いても秘密情報の再生を行うことが可能となる。つまり、媒体2のディスプレイ21の大きさや解像度が変化しても、媒体2を端末3に重ね合わせるだけで、自動的に、第2シェア画像の位置、大きさ、および向きの調整がなされ、容易に秘密情報を再生することが可能となる。
【0059】
[変形例]
1.位置決め部材23A〜23Cは、図3に示したように、ディスプレイ21を囲む矩形領域の四隅に配置されるようにしたが、これに限らず、例えば、本体部20の角部に配置したり、あるいは、本体部20に埋め込んだりすることも勿論可能である。
【0060】
図11は、位置決め部材を本体部の角部に配置した例を示す図である。図11の例では、位置決め部材23A〜23Cが、本体部20の角部に配置されている。また位置決め部材が配置されない残り1つの角には、静電式タッチパネルに反応しない材質の非反応部材25が設けられる。また、媒体2を端末3に置いた際のがたつきを抑えるため、位置決め部材23A〜23C、および非反応部材25の高さを合わせるようにする。
【0061】
このように、位置決め部材23A〜23Cの配置場所は、媒体2のディスプレイ21の近傍だけではなく、媒体2自体の角のように、想定される端末3のディスプレイ31(静電式タッチパネル)の領域を囲むように配置されればよい。
【0062】
図12は、位置決め部材を本体部に埋め込んだ場合の図2のA−A線の断面図である。図12に示すように、位置決め部材23A〜23C(位置決め部材23Aは不図示)を埋め込むことにより、端末3に安定して置くことができ、また、ATMや駅券売機などに挿入して使用することも可能となる。
【0063】
2.位置決め部材23A〜23Cの配置位置を変えたり、埋め込んだりするだけでなく、本体部20の裏面の所定の位置に、静電式タッチパネルに反応する材料を塗布するだけでも勿論良い。
【0064】
以上、添付図面を参照しながら、本発明に係る復号情報提供システム等の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0065】
1………復号情報提供システム
2………媒体
3………端末
4………サーバ
21………ディスプレイ
23A〜23C………位置決め部材
31………ディスプレイ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
視覚復号型秘密分散法により秘密情報を第1シェア画像と第2シェア画像に分散し、分散された前記第1シェア画像を表示する媒体と、前記第2シェア画像を生成するサーバと、前記第2シェア画像を表示する端末と、からなる復号情報提供システムにおいて、
前記媒体は、
前記第1シェア画像を生成する制御部と、
前記第1シェア画像を表示するものであって、本体部の背面側が透過的に視認可能な第1ディスプレイと、
を有し、
前記端末は、
ネットワークを介して前記サーバから前記第2シェア画像を取得する制御部と、
前記第2シェア画像を表示する第2ディスプレイと、
を有し、
前記第1ディスプレイと前記第2ディスプレイとが重ねられることによって、前記秘密情報が復号される
ことを特徴とする復号情報提供システム。
【請求項2】
前記媒体が前記端末にかざされた場合、前記端末は、前記媒体の第1ディスプレイに表示された前記第1シェア画像の位置、大きさ、および向きを検知し、前記第2シェア画像の位置、大きさ、および向きを合わせて表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の復号情報提供システム。
【請求項3】
前記第2ディスプレイは、静電式タッチパネルであり、
前記媒体の所定位置には、前記第2ディスプレイの静電式タッチパネルに反応する材質の位置決め部材が3つ設けられている
ことを特徴とする請求項2に記載の復号情報提供システム。
【請求項4】
前記位置決め部材と同一の材質であって、前記位置決め部材の少なくとも1つと連接する放電部材が設けられている
ことを特徴とする請求項3に記載の復号情報提供システム。
【請求項5】
前記位置決め部材は、前記第1ディスプレイを囲む矩形領域の四隅のうちのいずれか三隅に配置されている
ことを特徴とする請求項3に記載の復号情報提供システム。
【請求項6】
前記位置決め部材が配置されていない残りの1つの角には、静電式タッチパネルに反応しない材質の部材が設けられる
ことを特徴とする請求項5に記載の復号情報提供システム。
【請求項7】
視覚復号型秘密分散法により秘密情報を第1シェア画像と第2シェア画像に分散し、分散された前記第1シェア画像を媒体の第1ディスプレイに表示し、サーバによって生成される前記第2シェア画像を端末の第2ディスプレイに表示する復号情報提供方法において、
前記媒体が、前記第1シェア画像を生成し、前記第1シェア画像を前記第1ディスプレイに表示するステップと、
前記端末が、ネットワークを介して前記サーバから前記第2シェア画像を取得し、前記第2シェア画像を前記第2ディスプレイに表示するステップと、
を含み、
前記第1ディスプレイと前記第2ディスプレイとが重ねられることによって、前記秘密情報が復号される
ことを特徴とする復号情報提供方法。
【請求項8】
視覚復号型秘密分散法により秘密情報を第1シェア画像と第2シェア画像に分散し、分散された前記第1シェア画像を表示する媒体において、
前記第1シェア画像を生成する制御部と、
前記第1シェア画像を表示するものであって、本体部の背面側が透過的に視認可能な第1ディスプレイと、
を有し、
前記媒体の所定位置には、前記第2シェア画像を表示する静電式タッチパネルに反応する材質の位置決め部材が3つ設けられている
ことを特徴とする媒体。
【請求項9】
前記位置決め部材と同一の材質であって、前記位置決め部材の少なくとも1つと連接する放電部材が設けられている
ことを特徴とする請求項8に記載の媒体。
【請求項10】
前記位置決め部材は、前記第1ディスプレイを囲む矩形領域の四隅のうちのいずれか三隅に配置されている
ことを特徴とする請求項8に記載の媒体。
【請求項1】
視覚復号型秘密分散法により秘密情報を第1シェア画像と第2シェア画像に分散し、分散された前記第1シェア画像を表示する媒体と、前記第2シェア画像を生成するサーバと、前記第2シェア画像を表示する端末と、からなる復号情報提供システムにおいて、
前記媒体は、
前記第1シェア画像を生成する制御部と、
前記第1シェア画像を表示するものであって、本体部の背面側が透過的に視認可能な第1ディスプレイと、
を有し、
前記端末は、
ネットワークを介して前記サーバから前記第2シェア画像を取得する制御部と、
前記第2シェア画像を表示する第2ディスプレイと、
を有し、
前記第1ディスプレイと前記第2ディスプレイとが重ねられることによって、前記秘密情報が復号される
ことを特徴とする復号情報提供システム。
【請求項2】
前記媒体が前記端末にかざされた場合、前記端末は、前記媒体の第1ディスプレイに表示された前記第1シェア画像の位置、大きさ、および向きを検知し、前記第2シェア画像の位置、大きさ、および向きを合わせて表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の復号情報提供システム。
【請求項3】
前記第2ディスプレイは、静電式タッチパネルであり、
前記媒体の所定位置には、前記第2ディスプレイの静電式タッチパネルに反応する材質の位置決め部材が3つ設けられている
ことを特徴とする請求項2に記載の復号情報提供システム。
【請求項4】
前記位置決め部材と同一の材質であって、前記位置決め部材の少なくとも1つと連接する放電部材が設けられている
ことを特徴とする請求項3に記載の復号情報提供システム。
【請求項5】
前記位置決め部材は、前記第1ディスプレイを囲む矩形領域の四隅のうちのいずれか三隅に配置されている
ことを特徴とする請求項3に記載の復号情報提供システム。
【請求項6】
前記位置決め部材が配置されていない残りの1つの角には、静電式タッチパネルに反応しない材質の部材が設けられる
ことを特徴とする請求項5に記載の復号情報提供システム。
【請求項7】
視覚復号型秘密分散法により秘密情報を第1シェア画像と第2シェア画像に分散し、分散された前記第1シェア画像を媒体の第1ディスプレイに表示し、サーバによって生成される前記第2シェア画像を端末の第2ディスプレイに表示する復号情報提供方法において、
前記媒体が、前記第1シェア画像を生成し、前記第1シェア画像を前記第1ディスプレイに表示するステップと、
前記端末が、ネットワークを介して前記サーバから前記第2シェア画像を取得し、前記第2シェア画像を前記第2ディスプレイに表示するステップと、
を含み、
前記第1ディスプレイと前記第2ディスプレイとが重ねられることによって、前記秘密情報が復号される
ことを特徴とする復号情報提供方法。
【請求項8】
視覚復号型秘密分散法により秘密情報を第1シェア画像と第2シェア画像に分散し、分散された前記第1シェア画像を表示する媒体において、
前記第1シェア画像を生成する制御部と、
前記第1シェア画像を表示するものであって、本体部の背面側が透過的に視認可能な第1ディスプレイと、
を有し、
前記媒体の所定位置には、前記第2シェア画像を表示する静電式タッチパネルに反応する材質の位置決め部材が3つ設けられている
ことを特徴とする媒体。
【請求項9】
前記位置決め部材と同一の材質であって、前記位置決め部材の少なくとも1つと連接する放電部材が設けられている
ことを特徴とする請求項8に記載の媒体。
【請求項10】
前記位置決め部材は、前記第1ディスプレイを囲む矩形領域の四隅のうちのいずれか三隅に配置されている
ことを特徴とする請求項8に記載の媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−242572(P2012−242572A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−112015(P2011−112015)
【出願日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
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