説明

循環器系疾患のためのレニン阻害剤を含む相乗的組合せ剤

【課題】 式(I)のレニン阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩を含む、組合せ剤を提供すること。
【解決手段】 本発明は、式(I)


のレニン阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩を含む、組合せ剤に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式(I)
【化1】

のレニン阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩をそれぞれ含む、組合せ製剤もしくは医薬組成物のような、組合せ剤に関する。
【0002】
本発明は特に、式(I)を持つレニン阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩、ならびに、
(i)AT−受容体アンタゴニストもしくはその薬学的に許容される塩、
(ii)HMG−Co−A還元酵素阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩、
(iii)アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩、
(iv)カルシウムチャネル遮断薬もしくはその薬学的に許容される塩、
(v)アルドステロン合成酵素阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩、
(vi)アルドステロンアンタゴニストもしくはその薬学的に許容される塩、
(vii)デュアル(dual)アンジオテンシン変換酵素/中性エンドペプチダーゼ(ACE/NEP)阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩、
(viii)エンドセリンアンタゴニストもしくはその薬学的に許容される塩、および
(ix)利尿剤もしくはその薬学的に許容される塩、
からなる群から選択される少なくとも一つの治療剤をそれぞれ含む、組合せ製剤もしくは医薬組成物のような、組合せ剤に関する。
【0003】
用語“少なくとも一つの治療剤”は、式(I)の化合物に加えて、本発明にしたがって特定される一つもしくはそれ以上、例えば二つ、さらには三つ、の活性成分を組合わすことができることを意味する。
【背景技術】
【0004】
レニン阻害剤は、天然酵素のレニンの作用を阻害する。後者は腎臓から血液中へ移行して、そこでアンジオテンシノーゲンの切断を引き起し、デカペプチドのアンジオテンシンIを放出し、それはそれから、肺、腎臓および他の臓器で切断されて、オクタペプチドのアンジオテンシンIIを形成する。このオクタペプチドは、直接的に動脈性血管収縮によりおよび間接的に、細胞外液容量の増加を伴って、副腎からナトリウムイオン貯留ホルモンのアルドステロンを遊離させることの両者により、血圧を上昇させる。この上昇は、アンジオテンシンIIの作用に帰着され得る。レニンの酵素活性の阻害剤は、アンジオテンシンIの形成の低減を惹起する。結果として、より少量のアンジオテンシンIIが生成される。この活性ペプチドホルモンの濃度の低減が、例えばレニン阻害剤の血圧低下作用の直接的な原因である。
【発明の概要】
【0005】
2(S),4(S),5(S),7(S)−N−(3−アミノ−2,2−ジメチル−3−オキソプロピル)−2,7−ジ(1−メチルエチル)−4−ヒドロキシ−5−アミノ−8−[4−メトキシ−3−(3−メトキシプロポキシ)フェニル]−オクタンアミドとして化学的に定義される式(I)のレニン阻害剤は特に、EP 678503 Aで開示されている。そのヘミフマル酸塩は、特に好ましい。
【0006】
AT−受容体アンタゴニスト(またアンジオテンシンII受容体アンタゴニストとも呼ばれる)は、アンジオテンシンII受容体のAT−受容体サブタイプに結合するが受容体の活性化をもたらさないそれらの活性成分であると理解される。AT−受容体を阻害する結果として、これらのアンタゴニストを、例えば、降圧剤としてもしくはうっ血性心不全を処置するために使用することができる。
【0007】
AT−受容体アンタゴニストのクラスは、異なる構造的特徴を有する化合物を含み、非ペプチド性のものが本質的に好ましい。例えば、バルサルタン(EP 443983参照)、ロサルタン(EP 253310参照)、カンデサルタン(EP 459136参照)、エプロサルタン(EP 403159参照)、イルベサルタン(EP454511参照)、オルメサルタン(EP 503785参照)、タソサルタン(EP 539086参照)、テルミサルタン(EP 522314参照)、次式
【化2】

を持つ略号E−1477を有する化合物、
次式
【化3】

を持つ略号SC−52458を有する化合物、および
次式
【化4】

を持つ略号ZD−8731を有する化合物
もしくは、それぞれの場合において、その薬学的に許容される塩、からなる群から選択される化合物が挙げられる。
【0008】
好ましいAT−受容体アンタゴニストは市販されているそれらの薬剤であり、最も好ましいものはバルサルタンもしくはその薬学的に許容される塩である。
【0009】
HMG−CoA還元酵素阻害剤(またはβ−ヒドロキシ−β−メチルグルタリル−補酵素−A還元酵素阻害剤とも呼ばれる)は、血中コレステロールを含む脂質レベルを低下させるために使用され得るそれらの活性成分であると理解される。
【0010】
HMG−CoA還元酵素阻害剤のクラスは、異なる構造的な特徴を有する化合物を含む。例えば、アトルバスタチン、セリバスタチン、コンパクチン、ダルバスタチン、ジヒドロコンパクチン、フルインドスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、ピタバスタチンン、メバスタチン、プラバスタチン、リバスタチン、シンバスタチンおよびベロスタチン、もしくはそれぞれの場合において、その薬学的に許容される塩、からなる群から選択される化合物が挙げられる。
好ましいHMG−CoA還元酵素阻害剤は、市販されているそれらの薬剤であり、最も好ましいものは、フルバスタチンおよびピタバスタチンンならびにまたアトルバスタチン、もしくはそれぞれの場合において、その薬学的に許容される塩である。
【0011】
いわゆるACE−阻害剤(またアンジオテンシン変換酵素阻害剤とも呼ばれる)によるアンジオテンシンIからアンジオテンシンIIへの酵素的分解の妨害は、血圧を調節するための成功を収めた変法であり、かくしてまたうっ血性心不全の処置のための治療法にも役立つ。
【0012】
ACE阻害剤のクラスは、異なる構造的特徴を有する化合物を含む。例えば、アラセプリル、ベナゼプリル、ベナゼプリラート、カプトプリル、セロナプリル、シラザプリル、デラプリル、エナラプリル、エナラプリラート、フォシノプリル、イミダプリル、リシノプリル、モベルトプリル、ペリンドプリル、キナプリル、ラミプリル、スピラプリル、テモカプリルおよびトランドラプリル、もしくはそれぞれの場合において、その薬学的に許容される塩、からなる群から選択される化合物が挙げられる。
好ましいACE阻害剤は、市販されているそれらの薬剤であり、最も好ましいものはベナゼプリルおよびエナラプリルである。
【0013】
CCBのクラスは本質的には、ジヒドロピリジン(DHP)、ならびにジルチアゼム型およびベラパミル型CCBのような非DHPを含む。
【0014】
該組合せ剤において有用なCCBは好ましくは、アムロジピン、フェロジピン、ライオシジン、イスラジピン、ラシジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニグルジピン、ニルジピン、ニモジピン、ニソルジピン、ニトレンジピンおよびニバルジピンからなる群から選択されるDHPの代表であり、そして好ましくはフルナリジン、プレニルアミン、ジルチアゼム、フェンジリン、ガロパミル、ミベフラジル、アニパミル、チアパミルおよびベラパミル、ならびにそれぞれの場合において、その薬学的に許容される塩、からなる群から選択される非−DHPの代表である。これらすべてのCCBは、例えば、抗−高血圧剤、抗−狭心症薬、もしくは抗−不整脈薬剤として、治療的に用いられる。好ましいCCBは、アムロジピン、ジルチアゼム、イスラジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニモジピン、ニソルジピン、ニトレンジピンおよびベラパミル、もしくは、例えば特異的なCCBによっては、その薬学的に許容される塩、を含む。DHPとして特に好ましいものは、アムロジピンもしくはその薬学的に許容される塩、特にベシル酸塩である。特に好ましい非−DHPの代表は、ベラパミルもしくはその薬学的に許容される塩、特に塩酸塩、である。
【0015】
アルドステロン合成酵素阻害剤は、コルチコステロンを水酸化することにより18−OH−コルチコステロンを形成し、そして18−OH−コルチコステロンをアルドステロンに酸化することにより、コルチコステロンをアルドステロンに変換する酵素である。アルドステロン合成酵素阻害剤のクラスは、高血圧および原発性アルドステロン症の処置のために適用されることが公知であり、ステロイド性および非ステロイド性のアルドステロン合成酵素阻害剤を含み、後者が最も好ましい。
市販で入手できるアルドステロン合成酵素阻害剤もしくは保健当局によって承認されているそれらのアルドステロン合成酵素阻害剤が好ましい。
【0016】
アルドステロン合成酵素阻害剤のクラスは、異なる構造的特徴を有する化合物を含む。例えば、非ステロイド性アロマターゼ阻害剤のアナストロゾール、ファドロゾール(その(+)対掌体を含む)ならびにステロイド性アロマターゼ阻害剤のエクセメスタン、もしくは、該当する場合にはそれぞれの場合において、その薬学的に許容される塩、からなる群から選択される化合物が挙げられる。
【0017】
最も好ましい非ステロイド性アルドステロン合成酵素阻害剤は、式
【化5】

を持つファドロゾールの塩酸塩の(+)対掌体(米国特許4617307および4889861)である。
【0018】
好ましいステロイド性アルドステロン合成酵素アンタゴニストは、式
【化6】

を持つエプレレノン(EP 122232 A参照)もしくはスピロノラクトンである。
【0019】
アンジオテンシン変換酵素および中性エンドペプチダーゼ両者において阻害作用を有する化合物、所謂デュアルACE/NEP阻害剤を、循環系病変の処置のために用いることができる。
【0020】
好ましいデュアルアンジオテンシン変換酵素/中性エンドペプチダーゼ(ACE/NEP)阻害剤は、例えば、オマパトリラート(EP 629627参照)、ファシドトリルもしくはファシドトリラート、またはZ13752A(WO 97/24342参照)、または適切ならば、その薬学的に許容される塩、である。
【0021】
エンドセリン(ET)は、血管内皮によって合成されそして放出される強力な血管収縮性ペプチドである。エンドセリンは、三つのアイソフォーム(ET−1、ET−2およびET−3)で存在している。(ETは、ETのいずれかのもしくは他のすべてのアイソフォームを意味するものとする)。ETのレベルの上昇は、例えば本態性高血圧を有する患者からの血漿中で報告されている。エンドセリン受容体アンタゴニストを用いて、ETによって誘発される血管収縮作用を阻害することができる。
【0022】
好ましいエンドセリンアンタゴニストは、例えば、ボセンタン(EP 526708 A参照)、エンラセンタン(WO 94/25013参照)、アトラセンタン(WO 96/06095参照)、特にアトラセンタン塩酸塩、ダルセンタン(EP 785926 A参照)、BMS 193884(EP 702012 A参照)、シタキセンタン(US 5594021参照)、特にシタキセンタンナトリウム、YM 598(EP 882719 A参照)、S 0139(WO 97/27314参照)、J 104132(EP 714897 Aもしくは WO 97/37665参照)、さらに、テゾセンタン(WO 96/19459参照)、もしくはそれぞれの場合において、その薬学的に許容される塩である。
【0023】
利尿薬は、例えば、クロロサイアザイド、ヒドロクロロサイアザイド、メチルクロロサイアザイドおよびクロロサリドンからなる群から選択されるサイアザイド誘導体である。ヒドロクロロサイアザイドが最も好ましい。
【0024】
好ましいものは、式(I)のレニン阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩ならびに第二の活性薬剤としてバルサルタン、フルバスタチン、アトルバスタチン、ピタバスタチン、ベンゼプリル、エナラプリル、アムロジピン、特にそのベシル酸塩、ファドロゾールの(+)対掌体、エプレレノン、オマパトリレート、Z 13752A、シタキセンタン、特にシタキセンタンナトリウム、ダルセンタンおよびヒドロクロロサイアザイドからなる群から選択される活性薬剤をそれぞれ含む、組合せ製剤もしくは医薬組成物のような組合せ剤である。
【0025】
さらに好ましいものは、式(I)のレニン阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩ならびにバルサルタン、フルバスタチン、アトルバスタチン、ピタバスタチン、ベンゼプリル、エナラプリル、アムロジピン、特にそのベシル酸塩、ファドロゾールの(+)対掌体、エプレレノン、オマパトリレート、Z 13752A、シタキセンタン、特にシタキセンタンナトリウム、ダルセンタンからなる群から選択される一つの活性薬剤をそれぞれ含み、さらに第三の活性薬剤としてヒドロクロロサイアザイドを含む、組合せ製剤もしくは医薬組成物のような組合せ剤である
【0026】
一般名もしくは商標名によって確認される活性薬剤の構造は、標準概説“The Merck Index”の現行版もしくはデータベース、例えば、Patent International(例えば、IMS World Publications)から取得され得る。対応するその内容は、出典明示により本明細書の一部とする。いずれの当業者も、十分に活性薬剤を確認することができ、そして、これらの参照文献に基づいて同様に生産することならびに標準試験モデルにおいて医薬的適用および性質を、インビボおよびインビトロの両方で、試験することができる。
【0027】
対応する活性成分もしくはその薬学的に許容される塩はまた、水和物のようなもしくは結晶化のために使用される他の溶媒を含む、溶媒和物の形で使用され得る。
【0028】
組合される化合物は、薬学的に許容される塩として存在し得る。もしこれらの化合物が、例えば少なくとも一つの塩基性中心を有するならば、それらは酸付加塩を形成することができる。また、所望により、さらに別に存在する塩基性中心を有する、対応する酸付加塩を形成することができる。酸性基(例えば、COOH)を有する化合物はまた、塩基との塩を形成することができる。
【0029】
なおさら驚異的なことは、式(I)のレニン阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩と(i)〜(ix)からなる群から選択される治療剤との組合せ投与が、本明細書で開示される組合せ剤で用いられる医薬的な活性成分のただ一つを適用する単一治療と比較して、有益な、特に相乗的な治療効果、だけでなくまた、組合せ処置から生じる付加的な利点およびさらに驚くべき有益な効果をもたらすという実験的な知見である。
【0030】
特に、なおさら驚異的なことは、本発明の組合せ剤が、有益な、特に、相乗的な治療効果だけでなくまた、驚くべき効果の延長、より広い種類の治療処置ならびに後で特定される疾患および異常に対する驚くべき有益な効果のような、組合せ処置から生じる付加的な利点をもたらすという実験的な知見である。
【0031】
式(I)のレニン阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩と(i)〜(ix)からなる群から選択される治療剤との組合せ剤が、以下で特定される疾患のさらに効果的な予防もしくは好ましくは処置をもたらすということを、確立された試験モデルおよび特に本明細書で説明される試験モデルによって示すことができる。特に、本発明の組合せ剤が、以後で特定される疾患のより効果的な予防もしくは好ましくは処置をもたらすということを、確立された試験モデルおよび特に本明細書で説明される試験モデルによって示すことができる。
【0032】
もし同時に服用されるならば、これはさらに増加した有益な、特に相乗的な治療効果だけでなく、本明細書で説明される多数の組合せについて、糖尿病に関連する疾患および異常に対して、また驚くべき効果の延長、広い種類の治療処置および驚くべき有益な効果、例えばより少ない体重の増加、のような同時的な処置から生じる付加的な利点をもたらす。さらに、ヒト患者、特に年長者、に対しては、二つの錠剤を同時に、例えば食後に、服用することは、時間をずらせる、即ちより複雑な処置スケジュールにしたがうよりはより便利でありかつ記憶し易い。より好ましくは、両方の活性成分は、本明細書で説明されるすべての場合において、固定した組合せ剤として、即ち単一錠剤として投与される。単一錠剤を服用することは、同時に二つの錠剤を服用することよりもさらにより容易である。さらに、包装はより少ない労力で達成され得る。
【0033】
ここで用いる限りでは、用語“相乗的な”は、本発明の方法および組合せ剤によって達成される効果が、本発明の活性成分を別々に含む方法および組合せ剤から生じる効果の和よりも大きいことを意味する。
【0034】
関係する当業者は、適切なかつ標準的な動物試験モデルを選択して、これ以前および以後で提示される治療適用および有益な効果を十分証明することができる。
【0035】
AT−受容体アンタゴニストもしくはACE阻害剤のクラスの代表的なものをそれぞれ、または本発明にしたがって用いられる活性薬剤の組合せ剤を投与することによって達成されるような医薬的活性を、例えば関係技術において公知の対応する薬理学的モデルを使用することにより実証することができる。関係する当業者は、適切な動物試験モデルを選択して、これ以前および以後で提示される治療適用および有益な効果を十分に証明することができる。
【0036】
血圧に対する有益な効果を、例えば、R.L. Webb et al., in J. Hypertension, 16:843-852, 1998、で開示されるような試験モデルで実証することができる。
方法:
式(I)を持つ化合物もしくはその薬学的に許容される塩を含む本発明にしたがう組合せ剤を、種々の投与経路によって投与することができるが、この実施例においては皮下的に埋め込まれた浸透ミニポンプを経由する連続注入を用いて試験される。それぞれの薬剤を広い投与量の範囲にわたって試験して、組合せ剤のそれぞれの薬剤が最大の応答を惹起するための最適薬剤レベルを決定することができる。これらの試験に対しては、群当たり少なくとも6匹の動物からなる処置群を用いることが好ましい。それぞれの試験は、個別の成分を評価すると同時に組合せ剤処置群の作用を測定すると、最も良好に実施される。薬剤作用は、急性投与(1日のような)により観測され得るけれども、実験が二週間から三週間の観察期間にわたって行われるところの以下に示されるような慢性的な設定で応答を観測することが好ましい。長期試験は、補償的応答の完全な進展が起こることを許容するに十分な継続期間を持ち、それ故に、観測された作用は、徐放性もしくは持続的効果を表す試験システムの実際の応答を最大限に叙述しそうである。以下に叙述される血圧における作用は、二つの薬剤が組合せで用いられるときの相乗的な抗高血圧作用を表す。
【0037】
統計的解析:
併用療法を、処置群のそれぞれにおいて血圧における最大変化もしくは経時的な血圧変化について曲線下面積(AUC)を測定することによって、単一治療群のそれと比較することができる。すべての値は、群平均±SEMとして表される。統計的な有意性は、P<0.05のとき、得られる。処置群のそれぞれについてのAUC値を、一元ANOVAを用い、次いで適切な事後分析により、例えばTukey分析を行うことにより、統計的に比較することができる。
【0038】
結果:
血圧は、個別の単一治療剤が投与されるときよりも組合せで与えられるときにはそれぞれの成分のより低い投与量を用いて、同程度に下げられ得る。予期しない追加的な知見は、組合せ剤では、式(I)を持つ個別の化合物もしくはその薬学的に許容される塩が単独でより高い投与量で与えられるときよりも、血圧がより大きな度合いで低下させられ得るということである。
【0039】
これらの有益な効果を、例えば、G. Jeremic et al. in J. Cardovasc. Pharmacol. 27:347-354, 1996、によって開示されるような試験モデルで実証することができる。
例えば、心筋梗塞(うっ血性心不全への進行を遅延させるための心筋梗塞後適用を含む)の予防および処置に対する本発明の組合せ剤の貴重な潜在能力を、以下の試験モデルを用いて見出すことができる。
【0040】
試験デザイン
実施される試験において、ラットにおける永続性冠動脈閉塞(CAO)を急性心筋梗塞モデルとして使用する。実験を以下の要点を特徴とする5つの処置群について行う:
・CAO+ビークル
・CAO+式(1)を持つ化合物もしくはその薬学的に許容される塩、特にヘミフマル酸塩
・CAO+アルドステロン合成酵素阻害剤
・CAO+式(1)を持つ化合物もしくはその薬学的に許容される塩、特にそのヘミフマル酸塩、+アルドステロン合成酵素阻害剤
【0041】
以下の投与の用量および経路を使用することができる:
ファドロゾール塩酸塩の(+)エナンチオマーについては、Alza浸透圧ミニポンプで0.4mg/kg/日。
【0042】
試験中、以下の変数を測定する:
・梗塞サイズ
・LV室容積
・LVの無傷害心筋の間質性および血管周囲のコラーゲン密度
・ウエスタンブロットによる、障害を受けていないLV心筋中のCOL-IおよびCOL-IIIタンパク質含量
・LV心筋切片中の心筋細胞断面積および長さ
・レニンおよびアルドステロンの血漿中濃度
・ナトリウム、カリウムおよびアルドステロンの尿中濃度
・覚醒動物の血圧
・麻酔動物のLVおよび頚動脈血圧。
【0043】
方法論
梗塞サイズ:左心室の6μm厚の組織横断面をニトロブルーテトラゾリウムで染色してB/W XC-77CE CCDビデオカメラ(ソニー)でデータを取り込む。ここで得られるイメージを特別に開発したソフトウエア(Porzio et al., 1995)を用いてKS 300イメージ分析システム(Carl Zeiss Vision)でプロセッシングを行う。処置を知らされていない一人のオペレーターが心室中隔の双方向性に境界を定め、そしてそれぞれの切片上の梗塞部位を染色されていない心室組織として半自動的に確認する。心室、中隔、梗塞部位、梗塞LV壁、および生存LV壁として定められた心室切片のそれぞれの成分について、ソフトウエアが幾何学的パラメータのセットを自動的に計算する(Porzio et al., 1995)。
【0044】
組織学:0.5M KClの静脈注射により拡張期で停止させた後、緩衝化した4%ホルムアルデヒドで逆方向潅流することにより心臓をインシチュー(in situ)で固定する。固定後、左心室(LV)および右心室自由壁を別々に秤量する;LVの長径をノギスで測定する。LVの組織切片をヘマトキシリンおよびエオシンで染色して定性的検討を行い、そして半自動イメージ分析ルーチンを用いて心筋細胞の横断面積を定量する。LVの間質へのコラーゲン沈着をシリウスレッドで染色した切片上で半自動イメージ分析ルーチン(Masson et al., 1998)により評価する。
【0045】
LVの無傷害心筋中のコラーゲン含量:無傷害心筋中のLV組織をホモジナイズしてPAGE−SDS電気泳動にかけ、ニトロセルロース膜上にエレクトロブロッティングする。ブロットを第1次抗体即ちウサギ抗ラットタイプIもしくはタイプIIIコラーゲン抗血清(Chemicon)に曝露する。第1次抗体をアルカリホスファターゼ(タイプIコラーゲン用)もしくはペルオキシダーゼ(タイプIIIコラーゲン用)にコンジュゲートした第2次抗体で認識させる。
【0046】
左心室容積:拡張期で停止させ(KCl)、拡張末期圧測定値と同等の静水圧下でホルマリン固定した心臓中でLVの容積を測定する。計測用の棒をLV内に挿入してLVの内側の長さを測定する。心室の基部と心尖近くの二つの1mm厚の横断面でLV室の横径を測定する(Jeremic et al., 1996)。横径と内長を積分する公式から心室容積を算出する。
【0047】
全身および左室血行動態:レコーダー(Windograf, Gould electronics)に連結したマイクロチップ圧トランスデューサ(Millar SPC-320)を右頚動脈に挿入して収縮期および拡張期の血圧を記録する。圧トランスデューサをLV内に進めてLVの収縮期圧(LVSP)および拡張終期圧、LV圧の時間に関する1次導関数(+dP/dt)および心拍数を測定する。
【0048】
非侵襲的血圧:覚醒ラットについてテイルカフ法(Letica LE 5002)で収縮期血圧と心拍数を測定する。
【0049】
尿中電解質、ホルモン:ラットを個別にメタボリックケージに入れて24時間尿を1mlの6N HClに集める。水摂取量を測定する。尿中カテコラミンをBondelut C18カラム(Varian)で抽出し、HPLC(Apex-II C18、3μm、50×4.5mm分析カラム、Jones Chromatography)で分離し、そして電気化学的検出器(Coulochem II、ESA)で定量する(Goldstein et al., 1981)。血漿および尿中アルドステロン、および血漿アンジオテンシンIIを特異的ラジオイムノアッセイ(Aldoctk-2、DiaSorin and Angiotension II、Nichols Diagnostics)で測定する。尿中ナトリウムおよびカリウムは炎光光度法で測定する。
【0050】
試料サイズ
それぞれの処置群あたり分析可能な動物が10匹あれば生物学的有意さを十分検出できる。LV切片の面積の少なくとも10%の梗塞サイズを持つラットのみを最終分析に含める。
【0051】
内皮機能障害が血管系疾患における重要な要因であると認められている。内皮は、種々のホルモンおよび逆の作用を有する副生物の供給源として二様式の役割を演じている:即ち血管拡張と血管収縮、増殖の阻害もしくは促進、線溶もしくは血栓形成、抗酸化物質もしくは酸化剤の生成である。遺伝的に高血圧の素因を有して内皮機能障害のある動物は、心血管系の治療有効性の評価に有効なモデルを構成する。
【0052】
内皮機能障害は、例えば、一酸化窒素の減少を引き起こす酸化的ストレスの増加、プラスミノーゲン活性化阻害因子−1(PAI−1)、組織因子(TF)、組織プラスミノーゲン活性化因子(tPA)のような凝固もしくは線溶に関与する因子の増加、ICAMおよびVCAMのような接着分子の増加、bFGF、TGFb、PDGF、VEGFのようないずれも細胞増殖、炎症および線維症を引き起こす増殖因子の増加を特徴とする。
【0053】
例えば内皮機能障害の処置を以下の薬理学的試験で実証することができる。
材料および方法
RCC Ldt(Fullingsdorf, Switerland)から購入した20〜24週令の雄性SHRを温度および照明を調節した室内に維持して、ラット用固形飼料(Nafag 9331, Gossau, Switerland)および水道水を自由に摂取させる。実験をNIHガイドラインにしたがって行い、そしてCanton Veterinary Office(Bew 161, Kantonales Veterinaramt, Liestal, Switerland)の承認を受ける。全てのラットを飲料水中に投与したNO合成酵素阻害剤L-NAME(Sigma Chemicals)(50mg/l)で12週間処置する。摂取された水から計算したL-NAMEの平均1日用量は2.5mg/kg/日(範囲2.1〜2.7)であった。
【0054】
ラットを5群に分けることができる:1群、コントロール(n=40);2群、ヘミフマル酸塩の形の式(1)を持つ化合物(ren1;n=40);3群、エナラプリル(ena1;n=30);4群、エナラプリルとヘミフマル酸塩の形の式(1)を持つ化合物との組合せ剤(ena1ren1)(n=30);および5群、ヘミフマル酸塩の形の式(1)を持つ化合物(ren2−高用量、n=30)である。薬剤は飲料液中で投与される。エナラプリルの用量は心筋梗塞が治癒してラットの生存率が有意に増加したことを示すSweet et al.(1987)の研究から選択する。コントロールの正常血圧のラットで得られた1mg/kgのAngIIの昇圧作用を、ヘミフマル酸塩の形の式(1)を持つ化合物での処置後に抑えることができる(Gervais et al. 1999)。
【0055】
体重を毎週測定する。収縮期血圧と心拍数を、試験開始3および2週間前および薬剤投与後2週間目にテイルカフプレチスモグラフィで記録する。処置開始1週間前ならびに第4および12週に個別の(メタボリック)ケージに維持しているラットから24時間尿を採取して、液量を測定しそしてタンパク質、クレアチニン、ナトリウムおよびカリウムを標準的な臨床検査法を用いて測定する。同時点で、血液試料(最大1ml)を眼窩後方の静脈叢からクレアチニン、NaおよびKの定量のために採取する。
【0056】
それぞれの群10匹のラットを4週目に屠殺して、形態学的分析のために腎臓および心臓を集める。残りのラットは12週目に屠殺する。心臓および腎臓の重量を記録する。4週目(形態学的研究)および12週目(試験終了時)に終末時の血液を5%EDTA中に採取し、DPC coat-a-countアルドステロン−RIAキット(Buhlmann, Switzerland)を用いてラジオイムノアッセイでアルドステロンを測定する。
【0057】
統計解析:
全てのデータを平均±SEMで表す。統計解析は1元配置ANOVAで行い、次いでDuncanの多重範囲検定およびNewman-Keuls検定により群間比較を行う。0.05未満の確率値を有する結果を統計的に有意と見なす。
【0058】
結果:
血圧を降下させない用量においても、ヘミフマル酸塩の形の式(1)を持つ化合物およびエナラプリル両方の処置は生存率の有意な改善に至る。
【0059】
驚くべき観察は、このモデルにおいて、低用量の式(1)のレニン阻害剤および、例えば、エナラプリルによるRASのブロックが、永続的腎機能不全および高血圧にも拘わらず生存率を改善したことである。蛋白尿の減少および腎病変の軽減は何もない。腎臓と心臓の切片は糸球体硬化症、類繊維素壊死および線維症を示す。これらの結果は、内皮機能障害を持つSHRの生存が処置の血圧降下作用とは独立しておりかつ内皮に対する直接的作用と関連するであろうことを明確に実証する。
【0060】
血清脂質レベルに影響することのないアテローム性動脈硬化症の退縮の改善を、例えば、H. Kano et al. in Biochemical and Biophysical Research Communications 259, 414-419 (1999)、により開示されるような動物モデルを用いて実証することができる。
【0061】
本発明にしたがう化合物もしくは組合せ剤をコレステロール含有食事で誘発されるアテローム性動脈硬化症の退縮に用いることができることは、例えば、C. Jiang et al. in Br. J. Pharmacol. (1991), 104, 1033-1037、に記載されている試験モデルを用いて実証することができる。
【0062】
本発明にしたがう化合物もしくは組合せ剤が腎不全、特に慢性腎不全の処置に用いることができることは、例えば、D. Cohen et al. in Journal of Cardiovascular Pharmacology, 32: 87-95 (1998)、に記載されている試験モデルを用いて実証することができる。
【0063】
本発明の組合せ剤を適用するときのさらなる利点は、本発明にしたがって組合されるより低い用量の個別の薬剤を使用して、投与量を減少させることができることであり、例えば、投与量がしばしばより少なく必要であるだけでなく、またより少ない頻度で投与できること、即ち副作用の発生率を軽減するように使用できることである。これは処置される患者の要望と要求に一致する。
【0064】
好ましくは、本発明の組合せ剤にしたがう活性薬剤の共同で治療的な有効量を、いずれの順番において同時にもしくは逐次的に、別々にまたは固定の組合せで投与することができる。
【0065】
これ以前および以後に説明されるような本発明にしたがう医薬組成物を、いずれの順番においての同時的使用もしくは逐次的使用のために、別々の使用のためにまたは固定された組合せ剤として使用することができる。
【0066】
したがって、さらに本発明は、
(a)高血圧、うっ血性心不全、腎不全、特に慢性腎不全、経皮経管的血管形成術後の再狭窄、および冠動脈バイパス術後の再狭窄;
(b)アテローム性動脈硬化症、インスリン抵抗性およびシンドロームX、2型糖尿病、肥満、ネフロパシー、腎不全、例えば慢性腎不全、甲状腺機能低下症、心筋梗塞(MI)後の生存、冠動脈性心疾患(coronary heart diseases)、高齢者の高血圧、家族性異脂肪性高血圧、コラーゲン形成過多、線維症、および高血圧後のリモデリング(組合せ剤の抗増殖作用)、高血圧に関連するか関連しない全てのこれらの疾患もしくは異常;
(c)高血圧を伴うか伴わない内皮機能障害(endothelial dysfunction)
(d)高脂血症、高リポ蛋白血症、アテローム性動脈硬化症および高コレステロール血症;
(e)緑内障;さらに
(f)孤立性収縮期高血圧(ISH)、
(g)糖尿病性ネフロパシー、および
(h)末梢血管病;
からなる群から選択される疾患もしくは異常の予防、進行の遅延、処置のために;
式(1)のレニン阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩と、
(i)AT−受容体アンタゴニストもしくはその薬学的に許容される塩、
(ii)HMG−Co−A還元酵素阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩、
(iii)アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩、
(iv)カルシウムチャネル遮断薬もしくはその薬学的に許容される塩、
(v)アルドステロン合成酵素阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩、
(vi)アルドステロンアンタゴニストもしくはその薬学的に許容される塩、
(vii)デュアルアンジオテンシン変換酵素/中性エンドペプチダーゼ(ACE/NEP)阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩、
(viii)エンドセリンアンタゴニストもしくはその薬学的に許容される塩、および
(ix)利尿剤もしくはその薬学的に許容される塩、
からなる群から選択される少なくとも一つの治療剤との組合せ剤の共同で有効な量を、これを必要とするヒトを含む温血動物に投与することを含む、方法に関する。
【0067】
さらに、本発明は式(1)のレニン阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩と、
(i)AT−受容体アンタゴニストもしくはその薬学的に許容される塩、
(ii)HMG−Co−A還元酵素阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩、
(iii)アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩、
(iv)カルシウムチャネル遮断薬もしくはその薬学的に許容される塩、
(v)アルドステロン合成酵素阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩、
(vi)アルドステロンアンタゴニストもしくはその薬学的に許容される塩、
(vii)デュアルアンジオテンシン変換酵素/中性エンドペプチダーゼ(ACE/NEP)阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩、
(viii)エンドセリンアンタゴニストもしくはその薬学的に許容される塩、および
(ix)利尿剤もしくはその薬学的に許容される塩、
からなる群から選択される少なくとも一つの治療剤との組合せ剤を;
(a)高血圧、うっ血性心不全、腎不全、特に慢性腎不全、経皮経管的血管形成術後の再狭窄、および冠動脈バイパス術後の再狭窄;
(b)アテローム性動脈硬化症、インスリン抵抗性およびシンドロームX、2型糖尿病、肥満、ネフロパシー、腎不全、例えば慢性腎不全、甲状腺機能低下症、心筋梗塞(MI)後の生存、冠動脈性心疾患、高齢者の高血圧、家族性異脂肪性高血圧、コラーゲン形成過多、線維症、および高血圧後のリモデリング(組合せ剤の抗増殖作用)、高血圧に関連するか関連しない全てのこれらの疾患もしくは異常;
(c)本発明の医薬組成物の投与より成る高血圧を伴うか伴わない内皮機能障害
(d)高脂血症、高リポ蛋白血症、アテローム性動脈硬化症および高コレステロール血症;
(e)緑内障;さらに
(f)孤立性収縮期高血圧(ISH)、
(g)糖尿病性ネフロパシー、および
(h)末梢血管病;
からなる群から選択される疾患もしくは異常の予防、進行の遅延もしくは処置のための医薬品の製造のための使用に関する。
【0068】
さらに本発明は、
(a)高血圧、うっ血性心不全、腎不全、特に慢性腎不全、経皮経管的血管形成術後の再狭窄、および冠動脈バイパス術後の再狭窄;
(b)アテローム性動脈硬化症、インスリン抵抗性およびシンドロームX、2型糖尿病、肥満、ネフロパシー、腎不全、例えば慢性腎不全、甲状腺機能低下症、心筋梗塞(MI)後の生存、冠動脈性心疾患、高齢者の高血圧、家族性異脂肪性高血圧、コラーゲン形成過多、線維症、および高血圧後のリモデリング(組合せ剤の抗増殖作用)、高血圧に関連するか関連しない全てのこれらの疾患もしくは異常;
(c)本発明の医薬組成物の投与より成る高血圧を伴うか伴わない内皮機能障害
(d)高脂血症、高リポ蛋白血症、アテローム性動脈硬化症および高コレステロール血症;
(e)緑内障;さらに
(f)孤立性収縮期高血圧(ISH)、
(g)糖尿病性ネフロパシー、および
(h)末梢血管病;
からなる群から選択される疾患もしくは異常の予防、進行の遅延、処置のために;
式(1)のレニン阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩と、
(i)AT−受容体アンタゴニストもしくはその薬学的に許容される塩、
(ii)HMG−Co−A還元酵素阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩、
(iii)アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩、
(iv)カルシウムチャネル遮断薬もしくはその薬学的に許容される塩、
(v)アルドステロン合成酵素阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩、
(vi)アルドステロンアンタゴニストもしくはその薬学的に許容される塩、
(vii)デュアルアンジオテンシン変換酵素/中性エンドペプチダーゼ(ACE/NEP)阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩、
(viii)エンドセリンアンタゴニストもしくはその薬学的に許容される塩、および
(ix)利尿剤もしくはその薬学的に許容される塩;
ならびに薬学的に許容される担体、
からなる群から選択される少なくとも一つの治療剤との組合せ剤を含む医薬組成物に関する。
【0069】
本発明の組合せ剤を適用するときのさらなる利点は、本発明にしたがって組合されるより低い用量の個別の薬剤を使用して、投与量を減少させることができることであり、例えば、投与量がしばしばより少なく必要であるだけでなく、またより少ない頻度で投与できること、即ち副作用の発生率を軽減するように使用できることである。これは処置される患者の要望と要求に一致する。
【0070】
好ましくは、本発明の組合せ剤にしたがう活性薬剤の共同で治療的な有効量を、いずれの順番において同時にもしくは逐次的に、別々にまたは固定の組合せで投与することができる。
【0071】
これ以前および以後に説明されるような本発明にしたがう医薬組成物を、いずれの順番においての同時的使用もしくは逐次的使用のために、別々の使用のためにまたは固定された組合せ剤として使用することができる。
【0072】
本発明のさらなる態様は、
(a)単位投与形態の式(I)のレニン阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩;
(b)単位投与形態における成分(i)〜(ix)、もしくは、その薬学的に許容される塩からなる群から選択される少なくとも一つの治療剤;および
(c)(a)および(b)の単位投与形態を含むための容器、
を含む、本発明にしたがう疾患もしくは異常の予防、進行の遅延、もしくは処置のためのキットである。
【0073】
その変形においては、本発明は同様に、例えば、本発明にしたがって組合される成分を独立してもしくは区別された量の成分を有する、異なる固定化した組合せ剤を使用して、即ち同時にもしくは異なる時点で、投与することができるという意味で“部分のキット”に関する。その際、部分のキットの部分を、例えば、キットの部分のいずれかの部分について同時にもしくは時間的にずらせて、即ち異なる時点でかつ等しいか異なる時間間隔で投与することができる。好ましくは、時間間隔は、部分の併用使用で処置される疾患もしくは異常に対する効果が、成分のいずれか一つのみを用いて得られるであろう効果よりもより大きくなるように、選択される。
【0074】
さらに、本発明は、本発明にしたがう組合せ剤を、同時に、別々にもしくは逐次的に使用するための指示書と一緒に、含む市販用包装品に関する。
【0075】
これらの医薬製剤は、薬理学的活性化合物を単独もしくは慣習的な薬学的補助物質と一緒に含む製剤によって、定温動物へ経口のような経腸的、およびまた経直腸的もしくは非経口的に投与するためのものである。例えば、医薬製剤は、約0.1%〜90%、好ましくは約1%〜約80%の活性化合物からなる。経腸的もしくは非経口的に、およびまた眼に投与するための医薬製剤は、例えば、糖衣錠、錠剤、カプセル剤、もしくは坐剤、およびさらにアンプル剤のような単位投与形態にある。これらはそれ自体公知の様式、例えば従来の混合、造粒、糖衣、溶解もしくは凍結乾燥のプロセスによって作製される。かくして、経口用の医薬製剤を、活性化合物を固体添加物と組合せ、所望により得られた混合物を造粒し、そして、要求されるかもしくは必要ならば、混合物もしくは顆粒を適当な補助物質を添加した後、錠剤もしくは糖衣錠の芯へ加工することにより得ることができる。
【0076】
活性化合物の投与量は、投与の方式、定温動物種、年齢および/もしくは個別の状態のような種々の因子に依存し得る。
本発明にしたがう医薬組合せ剤の活性成分の好ましい投与量は、治療的に有効な投与量、特に市販で入手可能であるものである。
【0077】
通常では、経口投与の場合、約1mg〜約360mgの適切な一日用量が、例えば体重約75kgの患者に対して見積もられるべきである。
活性化合物の投与量は、投与の方式、定温動物種、年齢および/もしくは個別の状態のような種々の因子に依存し得る。
【0078】
医薬製剤は、適当な単位投与形態、例えばカプセルもしくは錠剤の形状で供給され、そして共同で有効であるさらなる成分、例えば、と一緒に、一定量を含むであろう。
【0079】
温血動物、例えば、例えば体重約70kgの人類、に投与される式(I)のレニン阻害剤の用量、特に、例えば血圧の低下におけるおよび/もしくは緑内障の症状の改善における、酵素レニンの阻害で有効な用量、は1日1人当たり約3mg〜約3g、好ましくは約10mg〜約1g、例えば約20mg〜200mgであり、好ましくは、例えば同一サイズであってもよいところの1〜4回の単一用量に分割される。通常、子供は成人用量の約半分を服用する。それぞれの個人に対して必要な用量を、例えば活性成分の血清濃度を測定することによりモニターし、そして最適レベルに調整することができる。単一用量は、例えば成人患者当たり10、40もしくは100mgを含む。
【0080】
AT−受容体アンタゴニストのクラスの代表として、バルサルタンは、適当な単位投与形態、例えばカプセルもしくは錠剤の形で提供され、そして治療的に有効な量、例えば患者に適用され得るところのバルサルタンの約20mg〜320mgを含むであろう。活性成分の適用は、1日3回まで行ってもよく、例えばバルサルタンの一日用量20mgもしくは40mgで始めて、1日80mgを経由して、さらに1日160mgから1日320mgまで増加させる。好ましくは、バルサルタンは、1日2回、それぞれについてそれぞれ80mgもしくは160mgの用量で適用される。対応する用量を、例えば、朝に、日中でもしくは夕方に服用してもよい。一日二回投与が好ましい。
【0081】
HMG−Co−A還元酵素阻害剤の場合には、HMG−Co−A還元酵素阻害剤の好ましい単位投与形態は、例えば約5mg〜約120mg、好ましくは、フルバスタチンを用いるとき、例えばフルバスタチンの20mg、40mgもしくは80mg(遊離酸に相当して)を含む、例えば1日1回投与される、錠剤もしくはカプセルである。
【0082】
ACE阻害剤の場合には、ACE阻害剤の好ましい単位投与形態は、例えば、ベナゼプリルの約5mg〜約20mg、好ましくは5mg、10mg、20mgもしくは40mg;カプトリルの約6.5mg〜約100mg、好ましくは6.25mg、12.5mg、25mg、50mg、75mgもしくは100mg;エナラプリルの約2.5mg〜約20mg、好ましくは2.5mg、5mg、10mgもしくは20mg;フォシノプリルの約10mg〜約20mg、好ましくは10mgもしくは20mg;ペリンドプリルの約2.5mg〜約4mg、好ましくは2mgもしくは4mg;キナプリルの約5mg〜約20mg、好ましくは5mg、10mgもしくは20mg;またはラミプリルの約1.25mg〜約5mg、好ましくは1.25mg、2.5mgもしくは5mg、を含む錠剤もしくはカプセルである。一日三回投与が好ましい。
低用量の組合せ剤が、特に好ましい。
【0083】
以下の実施例は、上記の発明を例示する;しかしながら、それは、本発明の範囲を何ら限定することを意図するものではない。
【実施例】
【0084】
製剤実施例1:
フィルムコート錠:
【表1】

【0085】
フィルムコート錠は、例えば以下のように製造される:
バルサルタン、結晶セルロース、クロスポビドン、コロイド状無水シリカ/コロイド状二酸化ケイ素/エーロジル200の一部分、二酸化ケイ素およびステアリン酸マグネシウムの混合物を拡散混合機で予混合し、それから選別粉砕機を通して篩い分けする。ここで得られる混合物を再び拡散混合機で予混合し、回転圧縮機で圧縮し、そしてそれから選別粉砕機を通して篩い分けする。ここで得られる混合物に、残りのコロイド状無水シリカ/コロイド状二酸化ケイ素/エーロジル200を加え、そして最終混合を拡散混合機で行う。全体の混合物を回転打錠機で打錠し、そしてDiolack微赤色を用いて錠剤を穴あき平鍋中でフィルムコートする。
【0086】
製剤実施例2:
フィルムコート錠:
【表2】

【0087】
製剤実施例3:
フィルムコート錠:
【表3】

【0088】
Opadry[登録商標]組成:
【表4】

【0089】
製剤実施例4:
カプセル:
【表5】

【0090】
このカプセル剤を、以下のように製造する。
造粒/乾燥
流動層造粒機中で、精製水に溶解したポビドンおよびラウリル硫酸ナトリウムからなる造粒溶液で、バルサルタンおよび結晶セルロースを噴霧造粒する。
粉砕/混合
クロスポビドンおよびステアリン酸マグネシウムと一緒に、乾燥された顆粒を粉砕する。それから、円錐スクリュー型混合機中で、集合体を約10分間混合する。
カプセル充てん
制御された温度および湿度条件下で、混合されたバルク顆粒を空の硬質ゼラチンカプセルに充填する。充填されたカプセルを除塵し、目視検査し、重量確認をし、そして品質保証部によるまで隔離保管する。
【0091】
製剤実施例5:
カプセル:
【表6】

この製剤は、例えば、製剤実施例4に記載されたように製造される。
【0092】
製剤実施例6:
硬質ゼラチンカプセル
【表7】

【0093】
実施例7〜11
【表8】

【0094】
実施例12:
硬質ゼラチンカプセル:
【表9】

【0095】
実施例13:
硬質ゼラチンカプセル:
【表10】

【0096】
実施例14:
斜縁を有する丸型の、僅かに双凸した(bi-convex)フィルムコート錠:
【表11】

【0097】
実施例15:
丸型の、双凸した、斜縁されたフィルムコート錠
【表12】

【0098】
実施例16
フィルムコート錠
活性成分100mgをそれぞれ含む10000個の錠剤を作製するために、以下の成分を加工する:
式(I)を持つ化合物のヘミフマル酸塩 1000g
トウモロコシデンプン 680g
コロイド状ケイ酸 200g
ステアリン酸マグネシウム 20g
ステアリン酸 50g
カルボキシメチルデンプンナトリウム 250g
水 十分な量
【0099】
活性成分として先の実施例で述べた式Iの化合物の一つ、トウモロコシデンプン50gおよびコロイド状ケイ酸の混合物を、トウモロコシデンプン250gおよび脱塩水2.2kgから作製されたデンプンペーストとともに湿潤塊に加工する。この塊を、メッシュサイズ3mmを有する篩いに強制通過させ、そして流動層乾燥器中で45°で30分間乾燥する。乾燥した顆粒を、メッシュサイズ1mmを有する篩いに圧迫通過させ、前もって篩い分け(1mm篩い)したトウモロコシデンプン330g、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸およびカルボキシメチルデンプンナトリウムの混合物と混合し、そして打錠して僅かに双凸した錠剤を形成する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

を持つレニン阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩ならびに、
(i)AT−受容体アンタゴニストもしくはその薬学的に許容される塩、
(ii)HMG−Co−A還元酵素阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩、
(iii)アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩、
(iv)カルシウムチャネル遮断薬もしくはその薬学的に許容される塩、
(v)アルドステロン合成酵素阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩、
(vi)アルドステロンアンタゴニストもしくはその薬学的に許容される塩、
(vii)デュアルアンジオテンシン変換酵素/中性エンドペプチダーゼ(ACE/NEP)阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩、
(viii)エンドセリンアンタゴニストもしくはその薬学的に許容される塩、および
(ix)利尿剤もしくはその薬学的に許容される塩、
からなる群から選択される少なくとも一つの治療剤;ならびに担体を含む、医薬組成物。
【請求項2】
レニン阻害剤がヘミフマル酸塩の形で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
互いに独立して、
−該AT−受容体アンタゴニストがバルサルタンもしくはその薬学的に許容される塩であり;
−該HMG−Co−A還元酵素阻害剤がフルバスタチンもしくはピタバスタチンンまたはその薬学的に許容される塩であり;
−該アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤がベナゼプリルもしくはエナラプリルまたはその薬学的に許容される塩であり;
−該カルシウムチャネル遮断薬がアムロジピンもしくはその薬学的に許容される塩であり;
−該アルドステロン合成酵素阻害剤がファドロゾール(その(+)対掌体を含む)もしくはその薬学的に許容される塩であり;
−該アルドステロンアンタゴニストがエプレレノンであり;
−該デュアルアンジオテンシン変換酵素/中性エンドペプチダーゼ(ACE/NEP)阻害剤がオマパトリラートもしくはその薬学的に許容される塩であり;
−該エンドセリンアンタゴニストがボセンタンもしくはその薬学的に許容される塩であり;そして
−該利尿剤がヒドロクロロサイアザイドである、
請求項1もしくは2に記載の組成物。
【請求項4】
(a)高血圧、うっ血性心不全、腎不全、特に慢性腎不全、経皮経管的血管形成術後の再狭窄、および冠動脈バイパス術後の再狭窄;
(b)アテローム性動脈硬化症、インスリン抵抗性およびシンドロームX、2型糖尿病、肥満、ネフロパシー、腎不全、例えば慢性腎不全、甲状腺機能低下症、心筋梗塞(MI)後の生存、冠動脈性心疾患(coronary heart diseases)、高齢者の高血圧、家族性異脂肪性高血圧、コラーゲン形成過多、線維症、および高血圧後のリモデリング(組合せ剤の抗増殖作用)、高血圧に関連するか関連しない全てのこれらの疾患もしくは異常;ならびに
(c)高血圧を伴うか伴わない内皮機能障害(endothelial dysfunction)
(d)高脂血症、高リポ蛋白血症、アテローム性動脈硬化症および高コレステロール血症;ならびに
(e)緑内障、
からなる群から選択される疾患もしくは異常の予防、進行の遅延、もしくは処置のための請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
(f)孤立性収縮期高血圧(ISH)、
(g)糖尿病性ネフロパシー、および
(h)末梢血管病、
からなる群から選択される疾患もしくは異常の予防、進行の遅延、もしくは処置のための請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
同時的、別々のもしくは逐次的使用のための、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
(a)単位投与形態の式(I)のレニン阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩;
(b)単位投与形態の成分(i)〜(ix)、もしくは、その薬学的に許容される塩からなる群から選択される少なくとも一つの治療剤;および
(c)(a)および(b)の単位投与形態を含むための容器、
を含む、請求項4に記載の予防、進行の遅延、もしくは処置のためのキット。
【請求項8】
式(I)のレニン阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩と、
(i)AT−受容体アンタゴニストもしくはその薬学的に許容される塩、
(ii)HMG−Co−A還元酵素阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩、
(iii)アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩、
(iv)カルシウムチャネル遮断薬もしくはその薬学的に許容される塩、
(v)アルドステロン合成酵素阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩、
(vi)アルドステロンアンタゴニストもしくはその薬学的に許容される塩、
(vii)デュアルアンジオテンシン変換酵素/中性エンドペプチダーゼ(ACE/NEP)阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩、
(viii)エンドセリンアンタゴニストもしくはその薬学的に許容される塩、および
(ix)利尿剤もしくはその薬学的に許容される塩、
からなる群から選択される少なくとも一つの治療剤との組合せ剤を;
(a)高血圧、うっ血性心不全、腎不全、特に慢性腎不全、経皮経管的血管形成術後の再狭窄、および冠動脈バイパス術後の再狭窄;
(b)アテローム性動脈硬化症、インスリン抵抗性およびシンドロームX、2型糖尿病、肥満、ネフロパシー、腎不全、例えば慢性腎不全、甲状腺機能低下症、心筋梗塞(MI)後の生存、冠動脈性心疾患、高齢者の高血圧、家族性異脂肪性高血圧、コラーゲン形成過多、線維症、および高血圧後のリモデリング(組合せ剤の抗増殖作用)、高血圧に関連するか関連しない全てのこれらの疾患もしくは異常;
(c)本発明の医薬組成物の投与より成る高血圧を伴うか伴わない内皮機能障害;ならびに
(d)高脂血症、高リポ蛋白血症、アテローム性動脈硬化症および高コレステロール血症;ならびに
(e)緑内障、
からなる群から選択される疾患もしくは異常の予防、進行の遅延もしくは処置のための医薬品の製造のための使用。
【請求項9】
式(I)のレニン阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩と、
(i)AT−受容体アンタゴニストもしくはその薬学的に許容される塩、
(ii)HMG−Co−A還元酵素阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩、
(iii)アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩、
(iv)カルシウムチャネル遮断薬もしくはその薬学的に許容される塩、
(v)アルドステロン合成酵素阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩、
(vi)アルドステロンアンタゴニストもしくはその薬学的に許容される塩、
(vii)デュアルアンジオテンシン変換酵素/中性エンドペプチダーゼ(ACE/NEP)阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩、
(viii)エンドセリンアンタゴニストもしくはその薬学的に許容される塩、および
(ix)利尿剤もしくはその薬学的に許容される塩、
からなる群から選択される少なくとも一つの治療剤との組合せ剤を;
(f)孤立性収縮期高血圧(ISH)、
(g)糖尿病性ネフロパシー、および
(h)末梢血管病、
からなる群から選択される疾患もしくは異常の予防、進行の遅延もしくは処置のための医薬品の製造のための使用。
【請求項10】
(a)高血圧、うっ血性心不全、腎不全、特に慢性腎不全、経皮経管的血管形成術後の再狭窄、および冠動脈バイパス術後の再狭窄;
(b)アテローム性動脈硬化症、インスリン抵抗性およびシンドロームX、2型糖尿病、肥満、ネフロパシー、腎不全、例えば慢性腎不全、甲状腺機能低下症、心筋梗塞(MI)後の生存、冠動脈性心疾患、高齢者の高血圧、家族性異脂肪性高血圧、コラーゲン形成過多、線維症、および高血圧後のリモデリング(組合せ剤の抗増殖作用)、高血圧に関連するか関連しない全てのこれらの疾患もしくは異常;
(c)高血圧を伴うか伴わない内皮機能障害
(d)高脂血症、高リポ蛋白血症、アテローム性動脈硬化症および高コレステロール血症;
(e)緑内障;さらに
(f)孤立性収縮期高血圧(ISH)、
(g)糖尿病性ネフロパシー、および
(h)末梢血管病;
からなる群から選択される疾患もしくは異常の予防、進行の遅延、処置のために;
式(I)のレニン阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩と、
(i)AT−受容体アンタゴニストもしくはその薬学的に許容される塩、
(ii)HMG−Co−A還元酵素阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩、
(iii)アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩、
(iv)カルシウムチャネル遮断薬もしくはその薬学的に許容される塩、
(v)アルドステロン合成酵素阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩、
(vi)アルドステロンアンタゴニストもしくはその薬学的に許容される塩、
(vii)デュアルアンジオテンシン変換酵素/中性エンドペプチダーゼ(ACE/NEP)阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩、
(viii)エンドセリンアンタゴニストもしくはその薬学的に許容される塩、および
(ix)利尿剤もしくはその薬学的に許容される塩、
からなる群から選択される少なくとも一つの治療剤との組合せ剤の共同で有効な量を、これを必要とするヒトを含む温血動物に投与することを含む、方法。

【公開番号】特開2009−235107(P2009−235107A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−171142(P2009−171142)
【出願日】平成21年7月22日(2009.7.22)
【分割の表示】特願2002−542381(P2002−542381)の分割
【原出願日】平成13年11月15日(2001.11.15)
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】