説明

循環型バイオ農薬生産施設

【課題】バイオ農薬の生産には、微生物培養が不可欠であるが、培地にはグルコースが糖分として用いられている。グルコースは食料やバイオ燃料の原料であるため、世界的に供給が逼迫しており、グルコースに代わる培地成分を用いるバイオ農薬生産プロセスが求められていた。
【解決手段】木質バイオマスの高温・高圧水処理により得られるヘミセルロース分解産物及びセルロース分解産物を微生物培地に用い、かつ、再生可能な有機物資源の廃棄物またはその廃棄処理物を培地の窒素源として用いることにより、バイオ農薬生産の全体プロセスを資源循環型生産プロセスとすることを可能とした。さらに、バイオ農薬生産施設と木質バイオマスを原料とする電気・熱コジェネレーション施設とを連繋することにより、施設内で生成される熱エネルギーと化学物質を同一施設内で有効利用可能な循環型バイオ農薬生産施設を実現することができた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は再生可能な資源である木質バイオマスを原料として用いる循環型バイオ農薬生産施設に関わる。
【背景技術】
【0002】
従来の代表的なバイオ農薬の生産方法としては、枯草菌をポリペプトンとグルコースを主要成分とする栄養培地で培養し、枯草菌の二次代謝物質として抗菌性リポペプチドを得て抗菌性リポペプチドと枯草菌の混合物をバイオ農薬として利用するというものであった。
(たとえば、特許文献1、特許文献2参照)
【0003】
また、従来の木質バイオマスを利用した木質バイオマス利用施設としては、バイオマス発電施設やバイオエタノール生産のための木質バイオマスリファイナリー施設などがあったが、それぞれ特定の目的に特化した施設であった。例えば、バイオマス発電では電力や熱の生産、木質バイオマスリファイナリー施設では化学物質の生産を目的としたものであった。
【0004】
木質バイオマスリファイナリー施設においては、原料である木質バイオマスから化学物質を抽出するための過程で、原材料を温浴蒸留処理したり、高温・高圧水処理する必要があり、ここでは多量の熱エネルギーが必要であった。一方、電気・熱コジェネレーション施設では、多量の熱エネルギーが生産されるが、その熱エネルギーの有効利用は十分になされておらず、そのために、電気・熱コジェネレーション施設の木質バイオマスからの有効利用エネルギー効率は低く、経済合理性に適う施設には遠いものであった。
【0005】
従来の工業生産システムは、目的とする特定の製品を効率良く生産することを目指して生産システムが最適化されてきた。
【0006】
そこでは、目的とする生産物を生産するために使われる原料や生産工程で使われるエネルギー源となる資源が枯渇する問題や生産工程における環境負荷の問題、原料から有用物質を取り出した残りの廃棄物の問題は生産システムとは別枠で考えられ、生産システム自体における生産効率の最適化が行われてきた。
【0007】
以上のように従来型の工業生産システムは、言わば、「原料」と「エネルギー」を消費する大量消費、大量生産の「消費型工業生産システム」ということができる。
【0008】
今後の工業生産システムとしては、「生産物」にのみ価値を置くのではなく、「生産物」、および、その生産過程における「原料」と生産のための「エネルギー」の消費、並びに、生産プロセスが及ぼす「環境負荷」(「環境負荷」の因子としては、CO2排出および産業廃棄物の排出などがあげられる)を含めた生産システムの価値向上が求められている。

【特許文献1】特開平7-203975
【特許文献2】特開平6-135811
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来のバイオ農薬の生産には枯草菌が用いられ、枯草菌の培養の原料には、グルコースやポリペプトンが用いられており、バイオ農薬の原料が、人間の食料やバイオ燃料と競合する物質であるために、食糧危機やエネルギー危機と関係し、さらに、原料の生産のために貴重な資源や多大なエネルギーを必要とし生産コストが高いという問題があった。
さらにまた、特定の生産物の生産に必要な特定の物質を原料から分離抽出する過程で、多量の不要な物質が産業廃棄物として産出され、この産業廃棄物処理による環境負荷を引き起こすという問題があった。
【0010】
そこで本発明は上記課題を解決するもので、バイオ農薬生産のための出発原料として循環型資源である木質バイオマスを用い、木質バイオマスのリファイナリー処理により得られる化学物質をバイオ農薬生産の主要な工程である枯草菌培養の培地成分として用い、枯草菌培養の二次代謝物質として抗菌性リポペプチドを生産するという,資源循環型の原料を用いてバイオ農薬生産を可能とすることを第1の目的とするものである。
【0011】
さらにまた、本発明は上記課題を解決するもので、前記循環型バイオ農薬生産施設において、枯草菌培養の主要な培地成分原料として、前記木質バイオマスリファイナリー施設から生産される化学物質を用いるとともに、培地の窒素源成分として食品廃棄物等の再生可能な有機物資源の廃棄物またはその廃棄処理物を用いることにより、バイオ農薬生産の全体プロセスを再生可能な有機物資源を原料とする資源循環型生産プロセスとすることを第2の目的とするものである。
【0012】
さらにまた、本発明は上記課題を解決するもので、循環型バイオ農薬生産施設と隣接する場所に木質バイオマスを原料として用いた電気・熱エネルギーコジェネレーション施設を設け、木質バイオマスからのバイオ農薬生産の主要工程である枯草菌培養の培地成分となる化学物質の分離抽出を行う工程に要する熱エネルギーを前記電気・熱エネルギーコジェネレーション施設において発生する熱を有効利用することを可能とするとともに、木質バイオマスから分離抽出された各々の物質を廃棄することなく、有用な各種化学物質の生産の原料として有効活用することを可能とすることを第3の目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は上記の第1の目的を以下のように達成する。請求項1記載の発明は、バイオ農薬として抗菌性テルペン類および抗菌性リポペプチドを生産する施設を備え、前記施設の生産原料に木質バイオマスを用いることを特徴とするものである。
【0014】
本発明は上記構成により、原料を木質バイオマスとして、抗菌性テルペン類の生産工程の後工程で、木質バイオマスから分離抽出されるヘミセルロース分解産物およびセルロース分解産物を抗菌性リポペプチドを生産する工程における枯草菌培養の培地成分として用いることにより資源循環型の原料を用いるバイオ農薬生産を可能とした。
【0015】
また、本発明は上記の第2の目的を以下のように達成する。請求項2記載発明は、請求項1記載の循環型バイオ農薬生産施設において、前記リポペプチド生産のための窒素源として食品廃棄物等の再生可能な有機物資源の廃棄物またはその廃棄処理物を用いたことを特徴とするものである。
【0016】
本発明は上記構成によって、前記循環型バイオ農薬生産施設におけるバイオ農薬生産のための主要な原料を木質バイオマスと食品廃棄物等の再生可能な有機物資源の廃棄物またはその廃棄処理物から供することにより、バイオ農薬生産施設に供される原料の生産から循環型バイオ農薬生産施設の生産物に至るまでの全工程を資源循環型プロセスにすることを可能とした。
【0017】
また、本発明は上記の第3の目的を以下のように達成する。請求項3記載の発明は、循環型バイオ農薬生産施設において、木質バイオマスから、電気・熱エネルギーを生産する電気・熱エネルギーコジェネレーション施設、抗菌性テルぺン類および抗菌性リポペプチドを生産するバイオ農薬生産施設を設け、前記施設間で熱エネルギーの有効利用及び生成物の有効利用を可能とすることを特徴とするものである。
【0018】
さらにまた、請求項4記載の発明は、循環型バイオ農薬生産施設において、請求項3記載の循環型バイオ農薬生産施設に加えて、バイオ農薬以外の化学物質を生成する化学物質生産施設を設け、前記施設間で熱エネルギーの有効利用及び生成物の有効利用を可能とすることを特徴とするものである。
【0019】
本発明は上記構成によって、木質バイオマスからバイオ農薬を生産する工程の熱エネルギーを電気・熱エネルギーコジェネレーション施設から供給し、且つ、木質バイオマスから分離抽出される物質の利用率を高め、さらに、バイオ農薬生産プロセスで生成される残留物を他の化学物質生産を目的とする化学物質生産施設の原料として用い、原料処理のプロセスで必要となる熱エネルギーを電気・熱エネルギーコジェネレーション施設から供給することにより、バイオ農薬の生産に用いられる原料および生産過程に必要な熱エネルギー源に循環型資源を用いたバイオ農薬生産を可能とした。
【発明の効果】
【0020】
上記のように本発明にあっては、バイオ農薬生産プロセスを再生可能な有機物資源である間伐材を出発原料とする資源循環型生産プロセスにすることにより、生産原料消費に伴う食糧危機やエネルギー危機問題を回避できるいう効果がある。
【0021】
さらにまた、原料から分離抽出されるそれぞれの物質を生産原料として多面的に利用することにより、原料からの農薬生産の収率を高めるという効果がある。さらにまた、生産工程から排出される不要物質量を軽減することが可能となり、生産工程から排出する廃棄物処理による環境負荷を軽減できるという効果がある。
【0022】
さらにまた、リポペプチドのバイオ農薬生産の工程中で従来用いられており、また、食品生産の原料として用いられていたグルコースの替りに前記資源循環型生産プロセスから分離抽出される物質や、食品廃棄物等の再生可能な有機物資源の廃棄物またはその廃棄処理物を用いることにより、生産原料消費に伴う食糧危機やエネルギー危機問題を回避できるという効果、原料からの農薬生産の収率を高めるという効果、および、生産工程から排出される廃棄物による環境負荷を軽減できるという効果がある。
【0023】
さらにまた、木質バイオマス資源を用いる電気・熱コジェネレーション施設と木質バイオマス資源を原料とする循環型バイオ農薬生産施設を統合し、統合された施設における木質バイオマス原料は、森林保全計画に基づいて伐採される同一種類の間伐材を用いることで、間伐材を集荷する物流コストを低減することができるという効果がある。
【0024】
さらにまた、木質バイオマス電気・熱エネルギーコジェネレーション施設から生成される熱エネルギーを循環型バイオ農薬生産施設の各プロセスで必要な温度の水の熱源として利用することにより、熱エネルギーを有効に利用できるという効果がある。
【0025】
さらにまた、木質バイオマス電気・熱エネルギーコジェネレーション施設から生成される熱エネルギーをバイオ農薬生産施設以外の他の化学物質生産施設の各プロセスで必要な温度の水の熱源として利用することにより、熱エネルギーを有効に利用できるという効果がある。
【0026】
さらにまた、バイオ農薬生産施設で生成された生成物を他の化学物質生産施設の原料として有効に利用できるという効果がある。

【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の構成について図面を参照して説明する。
[実施例1]
図1は、循環型バイオ農薬生産施設の抗菌性テルペン及び抗菌性リポペプチドの生産工程を表したものである。
【0028】
循環型バイオ農薬生産施設における枯草菌培地の主成分は高温・高圧水処理1により生成されるヘミセルロース分解産物であり主成分はキシロースである。培地調製器で他の成分と調整されて枯草菌の培養リアクタの培地として用いられる。枯草菌培養の二次代謝物質として生産されるリポペプチドは、培養液から分離回収器により分離回収されバイオ農薬としての抗菌性リポペプチドが生産される。バイオ農薬の形態としては、抗菌性リポペプチドとしての形態だけでなく培養後の枯草菌と抗菌性リポペプチドを混在した混合物として用いることも出来る。この場合、混合物はバイオ農薬としての効能に留まらず、肥料や土壌改良材としての効能も併せ持つ。
【0029】
循環型バイオ農薬生産施設における枯草菌培地の主成分は木質バイオマスリファイナリー施設において生成されるヘミセルロース分解産物であるが、循環型バイオ農薬生産施設においてセルロースからエタノールを生産することを目的としない場合には、高温・高圧水処理2から生成されるセルロース分解産物をヘミセルロース分解産物に加えて培地として用いることができる。ここでセルロース分解産物の主成分はグルコースであり、培地調製器で他の成分と調整されて枯草菌の培養リアクタの培地として用いられる。
【0030】
循環型バイオ農薬生産施設における枯草菌培地の主成分は木質バイオマスリファイナリー施設において生成されるヘミセルロース分解産物とセルロース分解産物であるが、枯草菌培養における枯草菌の増殖・生育を一層促進させるために、窒素源培地成分として食品廃棄物等の再生可能な有機物資源の廃棄物またはその廃棄処理物をさらに加えて培地として用いることができる。
【0031】
ここで、食品廃棄物等の再生可能な有機物資源の廃棄物またはその廃棄処理物としては、生ごみ処理残渣、米ぬか、及び、おからが代表的な物質として用いられる。
【0032】
生ごみ処理残渣とは、微生物分解型生ごみ処理機の分解残渣のことであり、アミノ酸と脂肪酸が主成分であることが明らかにされている。
【0033】
高温・高圧水処理1は、140〜230℃、0.1〜10MPaの温度・圧力条件であり、高温・高圧水処理2は、230〜270℃、0.1〜10MPaの温度・圧力条件である。高温・高圧水条件設定時間は2〜60分の範囲である。
【0034】
以上、図1の循環型バイオ農薬生産施設における最適な生産工程としては、高温・高圧水処理から生成されるヘミセルロース分解産物とセルロース分解産物及び生ごみ処理残渣を培地成分として用い、他の成分を含めて培地調製器で培地を調製し、枯草菌培養リアクタの培地として用いる生産方法が用いられる。
【0035】
[実施例2]
図2は、循環型バイオ農薬生産施設の工程フロー(白抜き矢印)と熱エネルギーフロー(黒矢印)を示したものである。
【0036】
高温・高圧水処理2は、不溶成分1から生成される生成物の種類によっては、不要の場合がある。例えば、不溶成分1の主たる成分であるセルロースからセルラーゼ可溶化処理と酵母アルコール発酵からエタノールを製造する場合、或いは、セルロースから溶剤処理によりセルロースエアロゲルを製造する場合には高温・高圧水処理2は不要となり、不溶成分1がエタノール生産、或いは、セルロースエアロゲル生産の原料として用いられる。
【0037】
このように、循環型バイオ農薬生産施設では、原材料を温浴蒸留処理したり、高温・高圧水処理する工程があり、多量の熱エネルギーが必要である。この熱エネルギーは、図の黒矢印で示す熱交換器AおよびBからの高温水のフローによって供給される。循環型バイオ農薬生産施設のそれぞれの工程では、必要とする温度条件が異なるため、高温水のフローは、図中には示していないが、温度調節器によってそれぞれの工程で必要とされる所定の温度に調節して供給される。
【0038】
図中、抽出成分は木質組織含有低分子量成分のことであり、可溶成分1は主としてヘミセルロース分解産物のことであり、不溶成分1は主として、セルロース及びリグニンのことであり、可溶成分2は主としてセルロース分解産物のことであり、不溶成分2は主としてセルロースとリグニンのことである。
【0039】
図は、循環型バイオ農薬生産施設内の木質バイオマスの処理プロセスの内、電気・熱コジェネレーション施設との熱連携に大きく関わるプロセスを記しているが、循環型バイオ農薬生産施設には、それ以外の施設として、枯草菌培養と抗菌性リポペプチドの分離回収に関わる施設とテルペン分離回収施設があり、これらの施設において必要とされる熱エネルギーは、図中の黒矢印で示される高温水によって供給される。このように供給される高温水は、温度調節器により予め所定の温度に調節され用いられる。
【0040】
次に、循環型バイオ農薬生産施設の全体の構成について図面を参照して説明する。
【0041】
[実施例3]
図3は、バイオ農薬生産とバイオ農薬以外の化学物質生産を目的とする化学物質生産施設を有するリファイナリー施設と電気・熱コジェネレーション施設との全体の統合構成を表したものである。
【0042】
出発原料として、ヒノキ間伐材を循環型バイオ農薬生産施設の共通の原料3として用い、電気・熱コジェネレーション施設1には原料4としてチップを用い、リファイナリー施設2には原料12として粉砕した粉体を用いた。
【0043】
電気・熱コジェネレーション施設1では、チップ4を乾燥機5を通して乾燥後、ガス化炉6に導入し、650〜1150℃の範囲の高温燃焼により高温ガス(水素、メタン)を発生させる。高温ガスは熱交換器7を経由して冷却されガスエンジン8に導入され、高温排気ガスは熱交換器9を経由して冷却され排気ガス10として排出される。
【0044】
電気・熱コジェネレーション施設1とリファイナリー施設2との熱交換は電気・熱コジェネレーション施設の熱交換器7、9とリファイナリー施設の温度調節器11と高温水をリファイナリー施設で熱エネルギーとして利用した後の低温処理水の貯留槽30との間で行われる。
【0045】
リファイナリー施設2では、木質紛体12をフィーダーにより温浴蒸留槽13に供給し、温浴処理により木質組織内低沸点含有成分を抽出し、テルペン生成施設19により抗菌性テルペン25として分離生成される。温浴蒸留槽13により処理後のスラリーは高温・高圧水処理槽14に導入され処理される。処理条件は140〜230℃、0.1〜10MPaの温度・圧力条件で、滞留時間は5〜60分の範囲で設定した。処理されたスラリーはフィルター15により水可溶成分と水不溶成分に分離される。水可溶成分は主としてヘミセルロース分解産物であり、リポペプチド生成施設20により抗菌性リポペプチド26として分離生成される。水不溶成分は、高温・高圧水処理槽17に導入され処理される。処理条件は230〜270℃、0.1〜10MPaの温度・圧力条件で、滞留時間は5〜60分の範囲で設定した。処理されたスラリーはフィルター18により水可溶成分と水不溶成分に分離される。水可溶成分は主としてセルロース分解産物であり、リポペプチド生成施設20により抗菌性リポペプチド26として分離生成される。水不溶成分はセルラーゼ可溶化槽23に導入され処理される。フィルター24により分離される水可溶成分は主としてグルコースでありアルコール発酵槽22に導入されエタノール28が生成される。フィルター24により分離される水不溶成分は主としてリグニン29であり、フェノール系高分子の原料として用いることができる。
【0046】
前記の説明では、フィルター15後の水不溶成分を処理槽17に導入するとしたが、この水不溶成分は、高温・高圧水処理槽を経由せず、直接、セルラーゼ可溶化槽23に導入処理後、アルコール発酵槽22に導入してエタノールの原料とすることも出来る。
【0047】
また、フィルター15後の水不溶成分は、セルロースエアロゲル生成施設21に導入し、溶剤可溶化処理することによりセルロースエアロゲル27を生成することも出来る。
【0048】
前記の説明では、フィルター18後の水可溶成分を処理槽20に導入し抗菌性リポペプチドを生成するとしたが、この水可溶成分は、アルコール発酵槽22に導入してエタノールの原料とすることも出来る。


【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施形態を示す循環型バイオ農薬生産施設における抗菌性テルペンおよび抗菌性リポペプチドの生産工程
【図2】本発明の実施形態を示す循環型バイオ農薬生産施設の工程フロー(白抜き矢印)と熱エネルギーフロー(黒矢印)
【図3】本発明の実施形態を示す循環型バイオ農薬生産施設における電気・熱コジェネレーション施設とリファイナリー施設の全体統合構成図
【符号の説明】
【0050】
1 電気・熱コジェネレーション施設
2 バイオ農薬生産施設を含むリファイナリー施設
3 持続型農林再生資源生産施設の共通原料:ヒノキ間伐材
4 電気・熱コジェネレーション施設の原料:木材チップ
5 乾燥機
6 ガス化炉
7 熱交換器
8 ガスエンジン
9 熱交換器
10 排気ガス
11 温度調節器
12 リファイナリー施設の原料:木粉
13 温浴蒸留槽
14 高温・高圧水処理槽
15 フィルタ
16 三方コック
17 高温・高圧水処理槽
18 フィルタ
19 テルペン生成施設
20 リポペプチド生成施設
21 セルロースエアロゲル生成施設
22 アルコール発酵槽
23 セルラーゼ可溶化槽
24 フィルタ
25 抗菌性テルペン
26 抗菌性リポペプチド
27 セルロースエアロゲル
28 エタノール
29 リグニン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイオ農薬として抗菌性テルペン類および抗菌性リポペプチドを生産する施設を備え、前記施設の生産原料に木質バイオマスを用いることを特徴とする循環型バイオ農薬生産施設。
【請求項2】
請求項1記載の循環型バイオ農薬生産施設において、前記リポペプチド生産のための窒素源として食品廃棄物等の再生可能な有機物資源の廃棄物またはその廃棄処理物を用いることを特徴とする循環型バイオ農薬生産施設。
【請求項3】
木質バイオマスを原料とする請求項1乃至2記載の循環型バイオ農薬生産施設と隣接する場所に木質バイオマスから電気・熱エネルギーを生産する電気・熱エネルギーコジェネレーション施設を設け、前記施設間で原料の共通利用及び熱エネルギーの有効利用を可能とすることを特徴とする循環型バイオ農薬生産施設。
【請求項4】
請求項3記載の循環型バイオ農薬生産施設において、さらにエタノール等の化学物質を生産する化学物質生産施設を設け、前記施設間で熱エネルギーの有効利用を可能とし、また、前記循環型バイオ農薬生産施設の生産工程で生成される残留物を前記化学物質生産施設の原料として有効利用することを可能とし、前記バイオ農薬生産施設および前記化学物質生産施設から排出される産業廃棄物量を低減することを可能とすることを特徴とする循環型バイオ農薬生産施設。

























【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−228187(P2012−228187A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−96731(P2011−96731)
【出願日】平成23年4月25日(2011.4.25)
【出願人】(305006521)
【Fターム(参考)】