説明

循環式パチンコ遊技機

【課題】遊技盤の筐体に対する組み付け構成に工夫を凝らし、筐体の水平面に対する傾斜角度とはかかわりなく、遊技盤をその盤面にて水平面に対し所定の傾斜角度を維持すべく筐体に組み付けるようにするとともに、前扉を開いた状態における不正行為を未然に防止するようにした循環式パチンコ遊技機を提供する。
【解決手段】中扉IDが、遊技盤本体PBと前扉FDとの間にて前後方向に開閉可能に筐体B1に支持されており、当該中扉IDのガラス板52は、遊技盤12に球噛みを生じない間隙にて平行に位置するようになっている。遊技機本体の組み付け枠11は、その上縁部にて、骨格構造部B1内においてその前側上壁部B1aに、傾動支持機構を介し前後方向に傾動可能に支持されている。また、組み付け枠11は、その下縁部にて、傾動調整機構により前後方向に傾動調整可能に骨格構造部B1の前側下壁部に連結されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発射装置から発射される遊技球を筐体内の通路を経て発射装置に戻すことが可能な循環式パチンコ遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の循環式パチンコ遊技機の例としては、下記特許文献1に記載のパチンコ遊技機が提案されている。当該パチンコ遊技機は、筐体と、この筐体に組み付けられる枠体と、この枠体に組み付けられる遊技盤と、枠体に開閉可能に支持される前扉とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−192481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、一般的に、パチンコ遊技機は、通常、遊技球を遊技盤の盤面に沿うように良好に転動させるために、遊技盤をその盤面にて水平面に対し所定の傾斜角度を維持するように配設される。従って、循環式パチンコ遊技機においても、遊技盤はその盤面にて水平面に対し上記所定の傾斜角度を維持するように筐体に組み付けられることが要求される。
【0005】
しかしながら、上記構成において、筐体の設置面が水平面ではなく傾斜面であると、当該筐体は、上記所定の傾斜角度とは異なる角度にて設置されることとなる。従って、遊技盤を、単に、筐体内に組み付けるのみでは、遊技盤がその盤面にて水平面に対し上記所定の傾斜角度とは異なる角度に維持されることとなる。これでは、上述した遊技球の良好な転動は得られない。
【0006】
また、前扉を開いた状態では、遊技盤に設けた遊技釘や各種の盤面部品に直接触れ易く、不正行為を誘発するおそれがある。これに対しては、遊技盤の盤面を、前扉とは別の扉でもって覆うことが考えられる。この場合、当該別の扉が遊技盤の盤面との間で球噛みを招くおそれがある。
【0007】
そこで、本発明は、以上のようなことに対処するため、遊技盤の筐体に対する組み付け構成に工夫を凝らし、筐体の水平面に対する傾斜角度とはかかわりなく、遊技盤をその盤面にて水平面に対し所定の傾斜角度を維持すべく筐体に組み付けるようにするとともに、前扉を開いた状態における不正行為を未然に防止するようにした循環式パチンコ遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題の解決にあたり、本発明に係る循環式パチンコ遊技機は、請求項1の記載によれば、
筐体(B1、PN)と、
この筐体内に収容される組み付け枠(11)とこの組み付け枠に組み付けられる遊技盤(12)とからなる遊技機本体(PB)と、
筐体にその前側から開閉可能に支持される前扉(FD)とを備える。
【0009】
当該循環式パチンコ遊技機において、
前扉と遊技機本体との間にて組み付け枠に支持される中扉であって中枠(51)と遊技盤に対し遊技球の外径よりも少なくとも広い間隙をおいて平行に位置するように中枠に組み付けられる透明板(52)とを有する中扉(ID)と、
組み付け枠をその上部にて筐体の上部に前後方向に傾動可能に支持する傾動支持手段(20)と、
組み付け枠をその下部にて筐体の下部に連結手段(23)を介し前後方向に傾動調整可能に支持する傾斜角度調整手段(40)とを備えることを特徴とする。
【0010】
これにより、当該循環式パチンコ遊技機を設置面上に立設した状態において、組み付け枠の下部に対する傾斜角度調整手段による支持を緩めて、組み付け枠を、その上部にて、傾動支持手段でもって、連結手段を介し筐体の上部に前後方向に傾動可能に支持するようにした状態にすれば、遊技盤の盤面が、その下縁部から上縁部にかけて後方へ水平方向に対し所定の傾斜角度を維持するように、傾斜角度調整手段でもって組み付け枠の下部を前後方向に容易に移動調整することができる。
【0011】
従って、上記設置面が当該循環式パチンコ遊技機の前方或いは後方に傾斜していても、上述のような移動調整でもって、遊技盤の盤面を所定の傾斜角度を維持するように容易にしかも精度よく調整し得るとともに、このような調整の後に傾斜角度調整手段でもって組み付け枠の下部を筐体の下部にしっかりと支持することで、遊技盤は、その盤面にて上記所定の傾斜角度に維持することができる。
【0012】
また、上述のごとく、中扉が、前扉と遊技機本体との間にて組み付け枠に支持されているから、中扉は遊技盤をその盤面側から覆っている。このため、前扉を開いても、盤面に設けられる遊技釘や各種の盤面部品に直接触れることができない。従って、前扉を開いても、遊技釘や盤面部品に対する不正行為を未然に防止することができる。
【0013】
さらに、上述のごとく、中扉がその透明板にて遊技盤に対し遊技球の外径よりも少なくとも広い間隙をおいて平行に位置するように組み付け枠に支持されている。従って、上述のように、組み付け枠をその上部にて筐体の上部に前後方向に傾動可能に支持した状態で、遊技盤の傾きを調整するにあたり、遊技盤が前後方向に傾動しても、中扉の透明板は遊技盤に対し常に遊技球の外径よりも少なくとも広い間隙をおいて平行に維持され得る。
【0014】
このため、中扉の透明板の遊技盤との間が、球噛みを生じないように維持されることとなり、その結果、遊技球は、中扉の透明板と遊技盤との間において遊技盤の盤面に沿い円滑に転動することができる。
【0015】
以上によれば、遊技盤の筐体に対する組み付け構成に工夫を凝らし、筐体の水平面に対する傾斜角度とはかかわりなく、遊技盤をその盤面にて水平面に対し所定の傾斜角度を維持すべく筐体に組み付けるようにするとともに、前扉を開いた状態における不正行為を未然に防止するようにした循環式パチンコ遊技機を提供することが可能となる。
【0016】
また、本発明は、請求項2の記載によれば、請求項1に記載の循環式パチンコ遊技機において、
中扉は、前扉と遊技盤との間で開閉可能に組み付け枠に支持されていることを特徴とする。
【0017】
これにより、必要に応じて中扉を開いて遊技盤の盤面を開放し得るから、遊技盤の盤面上のメンテナンスその他各種の対策を容易に施すことができる。
【0018】
なお、本発明において、傾動支持手段は、
筐体の上壁部(B1a)にその下方から設けられる上側共通部材(24)と、
組み付け枠の上縁部(11a)にその上方から左右方向に間隙をおいて設けられる左右両下側支持部材(21、22)とを具備し、
連結手段は、
左側支持部材を上側共通部材の左側部位に対し同軸的に回動可能に連結する左側連結部材(27、33)と、
右側支持部材を上側共通部材の右側部位に対し同軸的に回動可能に連結する右側連結部材(28、34)とを具備するようにしてもよい。
【0019】
ここで、傾斜角度調整手段は、
組み付け枠の下縁部(11b)にその下方へ延出するように設けられる上側部材(41)と、
当該上側部材の直下にて筐体の下壁部(B1c)から上方へ延出されて上側部材に対し前後方向に移動調整可能に連結される下側部材(42、43、44)とを具備するようにしてもよい。
【0020】
また、このような本発明において、
筐体の底壁の設置面からの高さを調整する高さ調整手段(B4)を備えており、
傾動支持手段において、
上側共通部材は、
筐体の上記上壁部に沿いその下方から装着される上板(24b)と、
この上板にその下面に沿い左右方向に間隔をおいて装着される左右下側支持具であってそれぞれ左右に間隔をおいて左右両側突出片部(25b、25c、26b、26c)を下方へ突出させてなる左右下側支持具(25、26)とを具備しており、
左下側支持部材は、組み付け枠の上縁部のうち左側部位に沿いその上方から装着される左側基板部(21b)と、この左側基板部から左下側支持具の上記左右両側突出片部(25b、25c)の間に向け突出する連結軸孔部(21a)とを具備しており、
右下側支持部材は、組み付け枠の上縁部のうち右側部位に沿いその上方から装着される右側基板部(22b)と、この右側基板部から右下側支持具の上記左右両側突出片部(26b、26c)の間に向け突出する連結軸孔部(22a)とを具備しており、
連結手段において、
左側連結部材は、左下側支持具の上記左右両側突出片部の一方、左下側支持部材の上記連結軸孔部及び左下側支持具の上記左右両側突出片部の他方に同軸的にかつ相対回動可能に挿通される左側連結ボルト(27)と、この左側連結ボルトの挿通端部に螺脱可能に締着されて当該左側連結ボルトの頭部との間に左下側支持具の上記左右両側突出片部を挟持する左側ナット(33)とを具備しており、
右側連結部材は、右下側支持具の上記左右両側突出片部の一方、右下側支持部材の上記連結軸孔部及び右下側支持具の上記左右両側突出片部の他方に同軸的にかつ相対回動可能に挿通される右側連結ボルト(28)と、この右側連結ボルトの挿通端部に螺脱可能に締着されて当該右側連結ボルトの頭部との間に右下側支持具の上記左右両側突出片部を挟持する右側ナット(34)とを具備しており、
傾斜角度調整手段において、
上側部材は、組み付け枠の下縁部から下方へ左右に間隔をおいて延出する左右両側板部(41b、41c)からなり、
下側部材は、筐体の下縁部から上記左右両側板部に向けて延出する延出板部(42b)と、この延出板部から上記左右両側板部に沿い前後方向に延出する左右両側腕部であってそれぞれ前後方向に長穴状に長穴部(42e、42f)を形成してなる左右両側腕部(42c、42d)と、左右両側ねじ(43、44)とを具備してなり、
上記左側腕部は、その長穴部を通して左側ねじを上記左側板部に形成した雌ねじ孔部(41d)に対し前後方向に移動調整可能に締着することで、左側ねじの頭部と上記左側板部との間に挟持され、
上記右側腕部は、その長穴部を通して右側ねじを上記右側板部に形成した雌ねじ孔部(41e)に対し前後方向に移動調整可能に締着することで、右側ねじの頭部と上記右側板部との間に挟持されるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、筐体の設置面が前方或いは後方に傾斜していても、遊技機本体の組み付け枠を筐体の上部から前後方向に傾動可能に支持した状態にすれば、遊技盤の盤面が所定の傾斜角度を維持するように、組み付け枠の下部を前後方向に容易に精度よく移動調整することができる。
【0022】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る循環式パチンコ遊技機を適用してなるパチンコ遊技ユニットの一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1のパチンコ遊技ユニットを、そのパネルを除いた状態にて示す斜視図である。
【図3】図2のパチンコ遊技ユニットの分解斜視図である。
【図4】図2のパチンコ遊技ユニットを、循環式パチンコ遊技機の前扉を開けた状態にて示す斜視図である。
【図5】図2のパチンコ遊技ユニットを、循環式パチンコ遊技機の前扉及び中扉を開けた状態にて示す斜視図である。
【図6】図2のパチンコ遊技ユニットを、前扉を省略した状態で示す斜視図である。
【図7】図1のパチンコ遊技ユニットにおける循環式パチンコ遊技機の側面図である。
【図8】上記実施形態における傾動支持機構を循環式パチンコ遊技機側の骨格構造部及び遊技機本体の組み付け枠との関係にて示す分解斜視図である。遊技機本体の上端部に上側連結部材を取付けた状態を示す要部縦断面図である。
【図9】図8の傾動支持機構の部分破断縦断面図である。
【図10】図9の10−10線に沿う断面図である。
【図11】図7の傾動調整機構を、組み付け枠及び循環式パチンコ遊技機側骨格構造部との関係にて示す部分破断斜視図である。
【図12】図7の傾動調整機構を、組み付け枠及び循環式パチンコ遊技機側骨格構造部との関係にて示す部分破断斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一実施形態を図面により説明する。
【0025】
図1は、本発明に係る循環式パチンコ遊技機Pがパチンコ遊技ユニットに適用されてなる一実施形態を示している。当該パチンコ遊技ユニットは、イベント会場などに設置されて用いられる。なお、図1において、図示左右両側は、当該パチンコ遊技ユニットの左右両側に対応し、図示上下両側は、当該パチンコ遊技ユニットの上下両側に対応する。また、図1において、図示手前及び奥側は、当該パチンコ遊技ユニットの前側及び後側に対応する。
【0026】
また、当該パチンコ遊技ユニットは、図2或いは図3にて示すごとく、循環式パチンコ遊技機P及び演出装置Sにおいて共通な骨格構造Bを備えており、当該骨格構造Bは、循環式パチンコ遊技機Pのための骨格構造部B1及び演出装置Sのための骨格構造部B2でもって構成されている。
【0027】
ここで、骨格構造部B2は、図2或いは図3にて示すごとく、骨格構造部B1に対し所定の交差角度をなすように当該骨格構造部B1と一体的に構成されている。詳細には、骨格構造部B2は、その右側前部にて、上記所定の交差角でもって、骨格構造部B1の左側前部と一体的となるように構成されている。これにより、骨格構造部B2は、その前面にて、図2にて示すごとく、骨格構造部B1の前側を右斜め方向に臨むように、骨格構造部B1と共に設置面上に立設されている(図2参照)。
【0028】
本実施形態では、両骨格構造部B1、B2は、その各底壁にて、同一面内に位置するように形成されている。また、骨格構造Bは、骨格構造部B1の右壁、両骨格構造部B1、B2の各上壁、各後壁及び骨格構造部B2の左壁、骨格構造部B1の前壁下部並びに骨格構造部B2の前壁にて、パネルPNにより覆われている。
【0029】
これにより、骨格構造部B1は、パネルPNのうち骨格構造部B1に対する対応パネル部位と共に、循環式パチンコ遊技機Pの筐体を構成し、また、骨格構造部B2は、パネルPNのうち骨格構造部B2に対する対応パネル部位と共に、演出装置Sの筐体を構成する。このことは、当該パチンコ遊技ユニットの筐体は、設置面上に立設される循環式パチンコ遊技機P及び演出装置Sの双方の筐体で構成されることを意味する。
【0030】
また、当該パチンコ遊技ユニットは、例えば、図2、図4、図5及び図6のいずれかにて示すごとく、前後左右各側のキャスターB3と、前後左右各側の高さ調整素子B4を備えている。前左側キャスターB3は、骨格構造部B2の底壁の左前側隅角部にその下方から組み付けられている。右前側キャスターB3は、骨格構造部B1の前面右縁下部に設けた直角三角枠状ステイST1の突出端部にその下方から組み付けられている。
【0031】
ここで、直角三角枠状ステイST1は、図2にて例示するごとく、骨格構造部B1の前面右縁下部と、当該骨格構造部B1の前面右縁下側中間部位部から前側下方へ向け傾斜状に突出する傾斜板部と、骨格構造部B1の前面右縁下端部から前方へ直線状に突出する直線板部とでもって、直角三角枠状に形成されている。そして、右前側キャスターB3は、直角三角枠状ステイST1の突出端部に相当する上記傾斜板部及び上記直線板部との連結部にその下方から組み付けられている。
【0032】
左後側キャスターB3は、図5にて示すごとく、骨格構造部B2の底壁の左後側隅角部にその下方から組み付けられている。また、右後側キャスターB3は、図2にて例示するごとく、骨格構造部B1の右壁後側下端部位から右側へ直線状に突出する板状ステイST2にその下方から組み付けられている。
【0033】
このように組み付けられた前後左右各側キャスターB3は、その各ローラにて、骨格構造Bをその下方から上記設置面に沿い移動可能に支持する。
【0034】
前後左右各側高さ調整素子B4のうち、前左側高さ調整素子B4は、前左側キャスターB3に隣接して、骨格構造部B2の底壁の左前側隅角部にその下方から高さ調整可能に組み付けられている。前右側高さ調整素子B4は、右前側キャスターB3に隣接して、骨格構造部B1の前面右縁下部に設けた直角三角枠状ステイST1の突出端部に高さ調整可能に組み付けられている。
【0035】
左後側高さ調整素子B4は、左後側キャスターB3に隣接して、骨格構造部B2の底壁の左後側隅角部にその下方から高さ調整可能に組み付けられている。また、右後側高さ調整素子B4は、右後側キャスターB3に隣接して、骨格構造部B1の右壁後縁下端部から右側へ直線状に突出する板状ステイST2にその下方から高さ調整可能に組み付けられている。
【0036】
このように組み付けられた前後左右各側高さ調整素子B4は、その各高さ方向調整部の調整により、前後左右各側のキャスターB3のローラを上記設置面上に回動可能に当接させた状態で、各骨格構造部B1、B2の底壁を水平になるように調整する。
【0037】
循環式パチンコ遊技機Pは、図2〜図7のいずれかにて示すごとく、骨格構造Bのうち骨格構造部B1及びその上記対応パネル部位からなる筐体と、遊技機本体PB(図3参照)と、中扉IDと、前扉FDとにより構成されている。
【0038】
遊技機本体PBは、図3にて示すごとく、組み付け枠11と、遊技盤12と、傾動支持機構20と、傾斜角度調整機構40とを備えている。
【0039】
組み付け枠11は、後述のごとく、その上縁部にて、傾動支持機構20を介し、骨格構造部B1の前側上壁部B1a(図3参照)に前後方向へ傾動可能に支持されている。
【0040】
傾動支持機構20は、図8〜図10のいずれかにて示すごとく、左右下側支持部材21、22と、上側共通支持部材24と、連結具23とを備えている。
【0041】
左右下側支持部材21、22のうち、左下側支持部材21は、連結軸孔部21aを長手状基板部21bの長手方向中央部から上方へ突出させて構成されており、当該左下側支持部材21は、長手状基板部21bにて、組み付け枠11の後方枠部の上縁部11a(図8参照)のうちその左側部位上に左右方向に沿うように装着されている。
【0042】
また、右下側支持部材22は、連結軸孔部22aを長手状基板部22bの長手方向中央部から上方へ突出させて構成されており、当該右下側支持部材22は、長手状基板部22bにて、組み付け枠11の後方枠部の上縁部11aのうちその右側部位上に左右方向に沿うように装着されている。これにより、左右下側支持部材21、22は、図8にて示すごとく、組み付け枠11の後方枠部の上縁部11a上に左右に並んで位置する。
【0043】
上側共通支持部材24は、図8にて示すごとく、複数のねじ孔部24aを有する上板24bと、左右上側支持具25、26とを備えている。
【0044】
上側共通支持部材24は、各ボルト37を、骨格構造部B1の前側上壁部B1aに形成した各挿通孔部B1bを上方から通して上板24bの各ねじ孔部24aに締着することで、骨格構造部B1の前側上壁部B1aにその下方から組み付けられている(図8参照)。
【0045】
左右上側支持具25、26のうち、左上側支持具25は、長手状基板部25aと、この基板部25aの長手方向中間部位から左右方向に間隔をおいて下方へ突出する両突出片部25b、25cとにより構成されている。しかして、左上側支持具25においては、基板部25aが、上板24bの左側部位にその下方から左右方向に沿うように装着されている。
【0046】
また、右上側支持具26は、長手状基板部26aと、この基板部26aの長手方向中間部位から左右方向に間隔をおいて下方へ突出する両突出片部26b、26cとにより構成されている。しかして、右上側支持具26においては、基板部26aが、上板24bの右側部位にその下方から左右方向に沿うように装着されている。
【0047】
連結具23は、図8にて示すごとく、両連結ボルト27、28と、各両軸受け29、30;31、32と、両ナット33、34と、両ワッシャ35、36とを備えている。
【0048】
連結ボルト27は、ナット33との締着でもって、左上側支持具25の両突出片部25b、25cを左下側支持部材21にその連結軸孔部21aを介し相対回動可能に連結している。
【0049】
ここで、この連結は、連結ボルト27を、左上側支持具25の突出片部25bに形成した挿通孔部25d、軸受け29の軸孔部29a、左下側支持部材21の連結軸孔部21a、軸受け30の軸孔部30a、左上側支持具25の突出片部25cに形成した挿通孔部25e及びワッシャ35に挿通してナット33と締着することでなされている。
【0050】
なお、両軸受け29、30は、左下側支持部材21の連結軸孔部21aの軸方向両端部に形成した筒状凹部内に同軸的に嵌装されている。
【0051】
また、連結ボルト28は、図9にて示すごとく、ナット34との締着でもって、右上側支持具26の両突出片部26b、26cを右下側支持部材22にその連結軸孔部22aを介し相対回動可能に連結している。
【0052】
ここで、この連結は、連結ボルト28を、右上側支持具26の突出片部26bに形成した挿通孔部26d、軸受け31の軸孔部31a、右下側支持部材22の連結軸孔部22a、軸受け32の軸孔部32a、右上側支持具26の突出片部26cに形成した挿通孔部26e及びワッシャ36に挿通してナット34と締着することでなされている(図9及び図10参照)。
【0053】
なお、両軸受け31、32は、右下側支持部材22の連結軸孔部22aの軸方向両端部に形成した筒状凹部内に同軸的に嵌装されている。
【0054】
以上のように構成することで、組み付け枠11は、傾動支持機構20により骨格構造部B1内にてその前側上壁部B1aに前後方向に傾動可能に支持されている。
【0055】
傾斜角度調整機構40は、図7、図11及び図12のいずれかにて示すごとく、組み付け枠11の後方枠部の下縁部11b(図11参照)にその右側部位から下方へ延出するように組み付けられている。
【0056】
当該傾斜角度調整機構40は、上側板部材41と、下側板部材42とを備えており、上側板部材41は、基板部41aと、左右両側板部41b、41cとによって、コ字状に構成されている。しかして、上側板部材41は、左右両側板部41b、41cを基板部41aの左右方向両端部から前方に向けL字状に延出させるようにして、上側板部材41及び左右両側板部41b、41cにて組み付け枠11の下縁部11bの右側部位から下方へ延出されている。
【0057】
下側板部材42は、図12にて示すごとく、固定板部42aと、中間板部42bと、左右両側腕板部42c、42dとを備えている。しかして、固定板部42aは、中間板部42bの下端部から前方へL字状に前方へ折れ曲がって延出されており、一方、左右両側腕板部42c、42dは、中間板部42bの上側左右両側端部から互いに対向するように前方へL字状に折れ曲がって延出されている(図12参照)。
【0058】
ここで、左右両側腕板部42c、42dのうち、左側腕板部42cは、長穴部42eを有しており、この長穴部42eは、左側腕板部42cの上下方向中間部位に前後方向に長楕円形状に形成されている。また、右側腕板部42dは、長穴部42fを有しており、この長穴部42fは、右側腕板部42dの上下方向中間部位に、長穴部42eに対向するように、前後方向に長楕円形状に形成されている。なお、両長穴部42e、42fは、同一の長楕円形状に形成されている。
【0059】
このように構成した下側板部材42においては、左側腕板部42cが、調整ねじ43を介して上側板部材41の左側板部41bに前後方向に移動可能に連結されている。詳細には、この連結は、調整ねじ43を、左側腕板部42cの長穴部42eを通して、左側板部41bに形成した雌ねじ孔部41dに螺合するとともに、調整ねじ43の頭部と左側腕板部42cとの間にその長穴部42eの外周部を挟持することで、なされている。
【0060】
また、右側腕板部42dが、調整ねじ44を介して上側板部材41の右側板部41cに前後方向に移動可能に連結されている。詳細には、この連結は、調整ねじ44を、右側腕板部42dの長穴部42fを通して、右側板部41cに形成した雌ねじ孔部41eに螺合するとともに、調整ねじ44の頭部と右側腕板部42dとの間にその長穴部42fの外周部を挟持することで、なされている。なお、下側板部材42の中間板部42bは、その上部にて、上側板部材41の基板部41aにその後面に沿うように位置している。
【0061】
以上のように構成した傾斜角度調整機構40は、組み付け枠11の下縁部11bの右側部位から下方へ突設してなる上側板部材41に、下側板部材42をその左右両側腕板部42c、42dにて両調整ねじ43、44により前後方向に移動調整可能に組み付けて構成されている。
【0062】
ここで、下側板部材42は、その下面にて、骨格構造部B1の前側下壁部B1c(図11参照)の上面に沿い前後方向に移動不能に、両ねじ45(図11参照)の締着でもって、前側下壁部B1cに支持されている。なお、両ねじ45(図11参照)は、下側板部材42に形成した両貫通孔部h(図12参照)に挿通されて、前側下壁部B1cに形成した両雌ねじ孔部(図示しない)に螺脱可能に締着されている。
【0063】
遊技盤12は、組み付け枠11に前面側から嵌装されている(図5参照)。当該遊技盤12の盤面12aには、ガイドレール12bが、図3或いは図5にて示すごとく、設けられており、このガイドレール12bは、その内周面側にて、盤面12a上に遊技領域12cを特定する(図12参照)。
【0064】
中扉IDは、その右側縁部にて、遊技機本体PBの組み付け枠11の右側縁部に前後方向に回動可能に支持されて、遊技盤12を介し前後方向に開閉可能となっている。これにより、この中扉IDは、その閉成により、遊技盤12を覆い、その開成により、遊技盤12を前方に開放する。
【0065】
当該中扉IDは、中枠51と、この中枠51に嵌装してなる透明のガラス板52と、中枠51の上部にその後方から装着してなる装飾板53とを備えている(図3参照)。ここで、中枠51は、その右側縁部(中扉IDの右側縁部に相当)にて、組み付け枠11の右側縁部に前後方向に回動可能に支持されている。本実施形態では、中扉IDが閉じたとき、当該中扉IDのガラス板52は、その後面にて、遊技盤12の盤面12aに平行となっている。このことは、ガラス板52の後面と盤面12aとの間の間隙は、一様であることを意味する。但し、ガラス板52の後面と盤面12aとの間の間隙は、球噛みを生じない間隙、例えば、少なくとも遊技球の外径よりも広い間隙に設定されている。
【0066】
前扉FDは、その右側縁部にて、中扉IDを介し、骨格構造部B1(換言すれば骨格構造部B1及びパネルPNのうち骨格構造部B1に対する対応パネル部位からなる筐体)の右側縁部に対し前後方向に回動可能に支持されている。当該前扉FDは、前枠61と、この前枠61の中空部にその後方から嵌装してなる透明のガラス板62とにより構成されている(図1参照)。
【0067】
ここで、前枠61は、その右側縁部(前扉FDの右側縁部に相当)にて、骨格構造部B1(換言すれば骨格構造部B1及びパネルPNのうち骨格構造部B1に対する対応パネル部位からなる筐体)の右側縁部に前後方向に回動可能に支持されている。しかして、前扉FDは、閉じたとき、中扉IDを覆うとともに、ガラス板62にて、ガラス板52に対向して位置する。また、前扉FDは、開いたとき、中扉IDを前方へ開放する。
【0068】
また、前枠61は、図1〜図5のいずれかにて例示するごとく、その下部内にて、球貯留部61aを有しており、この球貯留部61aは、その内部に、所定個数の遊技球を貯留することで封入する。しかして、当該球貯留部61a内に貯留された各遊技球は、操作ハンドルHの回動操作に伴い、組み付け枠11の下部に組み付けた球発射機構13(図5参照)に順次送られて当該球発射機構13の打球槌(図示しない)により打たれて発射レール(図示しない)及びガイドレール12bを介し遊技領域12a内に発射される。
【0069】
そして、このように遊技領域12a内に発射された遊技球は、遊技盤12の盤面12aに沿い下方へ転動してスタートチャッカーその他の各種盤面部品のいずれかに入球するか、或いはアウト口(図示しない)から排出されると、当該遊技球は、再び、球貯留部61a内に戻って貯留される。
【0070】
このことは、球貯留部61a内の各遊技球が、球発射機構13、ガイドレール12b、盤面部品やアウト口を通り、再び球貯留部61a内に戻るように循環することを意味する。なお、球貯留部61a内の各遊技球は、前枠61の下部の傾斜状の透明前面を通して視認可能となっている。なお、操作ハンドルHは、前枠61の右下隅角部に支持されている。また、施錠装置Kは、骨格構造部B1(換言すれば、骨格構造部B1及びパネルPNのうち骨格構造部B1に対する対応パネル部位からなる筐体)の左縁部のうち上下方向中間部位に形成した鍵穴部(図示しない)にキー(図示しない)を挿入操作して、前扉FDを、中扉IDを介し、骨格構造部B1及びパネルPNのうち骨格構造部B1に対する対応パネル部位からなる筐体に施錠し或いはこの施錠を解錠するように構成されている。
【0071】
演出装置Sは、図1或いは図2にて示すごとく、骨格構造部B2及びその上記対応パネル部位からなる筐体と、音声発生器Sと、演出表示器S2とを備えている。
【0072】
音声発生器S1は、図2にて示すごとく、骨格構造部B2の下部内に配設されている。また、演出表示器S2は、骨格構造部B2の上部に組み付けられており、この演出表示器S2は、その液晶パネルS3(図1参照)にて、演出装置Sの前方を臨んでいる。
【0073】
しかして、当該演出装置Sは、循環式パチンコ遊技機Pにおいて、例えば、遊技球のスタートチャッカーへの入賞に伴いなされる大当たり抽選や大当たりの際の遊技球の払い出しに代わる演出表示や音声表示等を、演出表示器S2や音声発生器S1により行う。
【0074】
これにより、循環式パチンコ遊技機Pによる遊技では、大当たり抽選や大当たりに伴う払い出し等に対する各種演出が行われずに、上述のごとく単に封入遊技球を循環させるにすぎなくても、演出装置Sでもって、上記各種演出を行うことで、循環式パチンコ遊技機による遊技性を高めることができる。
【0075】
以上のように構成した本実施形態において、当該パチンコ遊技ユニットを、例えば、イベント会場にて設置するにあたっては、次のようにして行う。
【0076】
ここで、当該パチンコ遊技ユニットは、上記イベント会場に搬入されるものとする。但し、遊技盤12はその盤面にてその下縁部から上縁部にかけて骨格構造部B1の底壁に対し所定の傾斜角度だけ後方へ傾斜するように組み付け枠11が骨格構造部B1に組み付けられているものとする。
【0077】
本実施形態では、上記遊技盤12の盤面の上記所定の傾斜角度は、次のような根拠により導入されている。
【0078】
通常、パチンコ遊技機においては、遊技球の転動が遊技盤の盤面に沿い確実になされるためには、遊技盤の盤面が、その下縁部から上縁部にかけて、設置面に対し後方へ傾斜していることが望ましい。
【0079】
そこで、本実施形態でも、設置面が水平面であるものと仮定した上で、当該設置面上に立設する骨格構造部B1の底壁が、設置面に平行に位置することを前提として、上記所定の傾斜角度が、遊技球の転動が遊技盤の盤面に沿い確実になされるに要する小角度でもって設定されている。
【0080】
まず、このようにして搬入された当該パチンコ遊技ユニットを、上記イベント会場の設置面上に運搬して立設する。
【0081】
現段階において、上記設置面が当該パチンコ遊技ユニットの後方から前方にかけて傾斜しているものとする。
【0082】
この場合には、当該パチンコ遊技ユニットが上記設置面の前方への傾斜度合いに応じて前方へ傾いた状態で上記設置面上に立設することとなる。これに伴い、骨格構造Bも同様に前方に傾いた状態で上記設置面上に立設することとなる。
【0083】
このような立設状態においては、骨格構造部B1の前方への傾きを解消するように、前後左右各側の高さ調整素子B4により、上記設置面の傾斜度合いに応じて、骨格構造Bの前後左右隅角部の上記設置面からの各高さを調整する。これにより、骨格構造部Bは、その底壁にて、ほぼ水平となるように高さ調整され得る。
【0084】
しかしながら、上述のように、遊技盤12がその盤面にてその下縁部から上縁部にかけて骨格構造部B1の底壁に対し所定の傾斜角度だけ後方へ傾斜するように、組み付け枠11が骨格構造部B1に組み付けられていても、遊技盤12の盤面の上記所定の角度は、上述のごとく、小さな角度であるため、上述のような前後左右各側の高さ調整素子B4による高さ調整に依ってのみでは、遊技盤12の盤面を、上述のように前方に傾斜する設置面を前提に、水平方向に対し上記所定の傾斜角度に精度よく調整することが困難である。
【0085】
このため、次のようにして、遊技盤12の盤面の傾斜角度を水平方向に対し上記所定の傾斜角度となるように微調整する。
【0086】
まず、前扉FDを開く。そして、傾斜角度調整機構40において、両調整ねじ43、44の左右両側腕板部42c、42dに対する締着を緩めると、組み付け枠11が、その下部にて、傾斜角度調整機構40の左右両側腕板部42c、42dに対し前後方向に移動可能となる。これに伴い、組み付け枠11は、骨格構造部B1に対し傾動支持機構20により前後方向へ傾動自在に支持される。なお、傾斜角度調整機構40の下側板部材42は、前側下壁部B1cに移動不能に支持されたままである。
【0087】
このような状態において、遊技盤12の盤面が水平方向に対し上記所定の傾斜角度を維持するように、組み付け枠11の下部を、傾斜角度調整機構40の左右両側腕板部42c、42dに対し前後方向に移動調整する。この移動調整は、両調整ねじ43、44を左右両側腕板部42c、42dの各長穴部42e、42f内にて前後方向に移動調整することで行われる(図7にて図示実線及び図示破線参照)。
【0088】
しかして、遊技盤12の盤面が水平方向に対し上記所定の傾斜角度に維持されたとき、両調整ねじ43、44を左右両側腕板部42c、42dに対し再び締着する。これにより、上記設置面が上述のように後方から前方へ傾斜しているために、骨格構造部B1が、前方へ傾斜していても、遊技盤12の盤面が水平方向に対し上記所定の傾斜角度を維持するように精度よく調整され得る。
【0089】
また、上述のように当該パチンコ遊技ユニットを上記イベント会場内にて上記設置面上に立設したとき、循環式パチンコ遊技機Pの遊技盤12が、その盤面にて、その下縁部から上縁部にかけて骨格構造部B1の底壁に対し上記所定の傾斜角度だけ後方へ傾斜するように組み付け枠11を介し骨格構造部B1に組み付けられていない場合であっても、骨格構造Bの前後左右隅角部の上記設置面からの各高さを、上述と同様にして、前後左右各側の高さ調整素子B4により、上記設置面の傾斜度合いに応じて調整することで、骨格構造Bの前方への傾斜を解消するように調整する。
【0090】
然る後、上述と同様にして、遊技盤12の盤面が、水平方向に対し上記所定の傾斜角度を維持するように、傾斜角度調整機構40によって、遊技盤12の盤面の傾きを調整する。これによっても、上記設置面が上述のように後方から前方へ傾斜しているために、骨格構造部B1が、前方へ傾斜していても、遊技盤12の盤面が水平方向に対し上記所定の傾斜角度を維持するように精度よく調整され得る。
【0091】
なお、上記設置面が、上述とは異なり、前方から後方へ傾斜している場合には、当該パチンコ遊技ユニットは、後方へ傾くように上記設置面上に立設されることとなる。このような場合でも、上述と同様にして、遊技盤12の盤面が、水平方向に対し上記所定の傾斜角度を維持するように、傾斜角度調整機構40によって、遊技盤12の盤面の傾きを精度よく調整し得る。
【0092】
以上説明したように、本実施形態によれば、当該パチンコ遊技ユニットを設置面上に立設した状態において、骨格構造部B1の傾きを上記設置面の前方或いは後方への傾きに応じて前後左右各側の高さ調整素子B4によって高さ調整することでほぼ解消し、然る後、組み付け枠11を骨格構造部B1の上部から傾動支持機構20により前後方向に傾動可能に支持した状態において、遊技盤12の盤面が水平方向に対し上記所定の傾斜角度を維持するように、組み付け枠11の下部を傾斜角度調整機構40により前後方向に微調整する。
【0093】
ここで、上述のように、遊技盤12の盤面の角度を微調整するにあたり、組み付け枠11が遊技盤12とともに骨格構造部B1の上部に傾動支持機構20により前後方向に傾動可能に支持されているから、遊技盤12の盤面に対する上述の微調整を容易に行うことができる。
【0094】
以上によれば、上記設置面が当該パチンコ遊技ユニットの循環式パチンコ遊技機Pの前後方向に傾斜していても、遊技盤12の盤面が水平方向に対し上記所定の傾斜角度を維持するように、遊技盤12の盤面の傾斜を精度よく調整し得る。
【0095】
その結果、当該パチンコ遊技機Pによる遊技状態では、遊技球が、遊技盤12の盤面に確実に沿い転動することができる。
【0096】
また、上述のように遊技盤12の盤面が角度調整されても、当該中扉IDは閉じたままに維持されているから、中扉IDは遊技盤12をその盤面12a側から覆っている。このため、前扉FDを開いても、盤面12aに設けられる遊技釘や各種の盤面部品に直接触れることができない。従って、前扉FDを開いても、遊技釘や盤面部品に対する不正行為を未然に防止することができる。
【0097】
また、上述のごとく、中扉IDが、前扉FDと遊技盤12との間にて組み付け枠11に支持されており、かつ、中扉IDが閉じた状態に維持されていれば、当該中扉IDのガラス板52が、その後面にて、遊技盤12の盤面12aとの間にて上述のごとく遊技球の外径よりも少なくとも広い間隙を有するようにして、盤面12aに平行に維持される。
【0098】
このように中扉IDが、前扉FDと遊技盤12との間にて組み付け枠11に支持されており、中扉IDが閉じた状態にて維持されていれば、ガラス板52が、その後面にて、遊技盤12の盤面12aに平行に維持される。
【0099】
従って、上述のように、組み付け枠11を骨格構造部B1の上部から傾動支持機構20により前後方向に傾動可能に支持した状態において、遊技盤12の盤面12aを前後方向に傾動させても、ガラス板52の遊技盤12に対する平行状態は、変動することなく、常に維持され得る。
【0100】
しかも、上述のごとく、上述のごとくガラス板52の後面と遊技盤12の盤面12aとの間に設定されている遊技球の外径よりも少なくとも広い間隙が、遊技盤12の盤面12aを前後方向に傾動させても、変動することなく、維持され得る。
【0101】
その結果、中扉IDのガラス板52の遊技盤12との間隙が、球噛みを生じないように一様に維持されることとなり、遊技球は、ガラス板52と遊技盤12との間において、球噛みを生じることなく、遊技盤12の盤面12aに沿い円滑に転動することができる。
【0102】
なお、中扉IDの遊技盤12に対する対応部位は、透明のガラス板52であることから、前扉FDのガラス板62及びガラス板52を通して遊技盤12の盤面を容易に視認することができる。従って、遊技者が遊技盤12の盤面を容易に視認することができるので、遊技に支障はない。
【0103】
また、上述のごとく、前扉FDが、その右側縁部にて、骨格構造部B1(換言すれば骨格構造部B1及びパネルPNのうち骨格構造部B1に対する対応パネル部位からなる筐体)の右側縁部に前後方向に回動可能に支持されるとともに、中扉IDが、その右側縁部にて、組み付け枠11の右側縁部に前後方向に回動可能に支持されている。
【0104】
換言すれば、前扉FD及び中扉IDは、それぞれ、各右側縁部という同一側縁部にて、骨格構造部B1(換言すれば骨格構造部B1及びパネルPNのうち骨格構造部B1に対する対応パネル部位からなる筐体)の右側縁部及び組み付け枠11の右側縁部に前後方向に回動可能に支持されている。
【0105】
従って、前扉FD及び中扉IDは、その開成の際には、共に、同一方向、即ち、左側から右側に向かう方向へ回動する。このため、前扉FD及び中扉IDは、その閉成の際には、上記同一方向とは逆の同一方向、即ち、右側から左側に向かう方向に回動する。その結果、前扉FD及び中扉IDは、その開閉の際に、干渉しあうことなく、円滑に開閉することができる。
【0106】
また、上述のごとく、前扉FD及び中扉IDは、その開閉の際には、共に、同左側から右側に向け或いは右側から左側に向けて回動する。従って、演出装置Sが循環式パチンコ遊技機Pにその左側にて一体的に設けられていても、前扉FD及び中扉IDは、演出装置Sと干渉することなく、円滑に開閉され得る。
【0107】
また、上述のように、前扉FD及び中扉IDは、その開成の際には、共に、同一方向、即ち、左側から右側に向かう方向へ回動するので、遊技盤12の左上隅角部近辺の空間を広くすることができる。その結果、遊技盤12の左上隅角部にて打ち込まれている遊技釘の調整を容易に行うことができる。
【0108】
ここで、演出装置Sが、その前面にて、循環式パチンコ遊技機Pの右側前方を斜めに臨むように当該循環式パチンコ遊技機Pと一体的に設けられているため、循環式パチンコ遊技機Pの左側前方空間が、演出装置Sのために狭くなる。
【0109】
しかしながら、上述のように、前扉FD及び中扉IDは、その開成の際には、共に、同一方向、即ち、左側から右側に向かう方向へ回動するので、演出装置Sの存在にもかかわらず、遊技盤12の左上隅角部近辺の空間を広くすることができる。その結果、演出装置Sの存在にもかかわらず、遊技盤12の左上隅角部にて打ち込まれている遊技釘の調整を容易に行うことができる。
【0110】
なお、本発明の実施にあたり、上記実施形態に限ることなく、次のような種々の変形例が挙げられる。
(1)本発明の実施にあたり、骨格構造部B1は、骨格構造部B2とは別体に形成されていてもよい。
(2)上記実施形態では、循環式パチンコ遊技機Pにおいて、組み付け枠11は、その上縁部にて、傾動支持機構20を介し、骨格構造部B1の前側上壁部に懸架するように支持されているが、これに代えて、組み付け枠11の上部、例えば、左右両側縁部の各上下方向上側部位に、傾動支持機構20に対応する両傾動支持機構部により、骨格構造部B1の前側上壁部に支持するようにしてもよい。
(3)本発明の実施にあたり、傾斜角度調整機構40は、組み付け枠11の後方枠部の下縁部11bのうちその右側部位に限ることなく、例えば、左右方向中央部位に設けられてもよい。
(4)本発明の実施にあたり、傾斜角度調整機構40において、下側板部材42は、その固定板部42aにて、骨格構造部B1の下縁部上に着脱不能に固定するようにしてもよく、また、固定板部42aを廃止して、中間板部42bを骨格構造部B1の下縁部から上方へ延出させるようにしてもよい。
(5)本発明の実施にあたり、傾斜角度調整機構40のコ字状部材41は、その基板41aを廃止して、左右両側板部41b、41cのみを骨格構造部B1の下縁部から下方へ突出させるように構成してもよい。
(6)本発明の実施にあたり、上記実施形態にて述べた前後左右各側の高さ調整素子B4は、廃止してもよい。この場合には、遊技盤12の盤面は、傾斜角度調整機構40のみによって、水平方向に対し上記所定の傾斜角度を維持するように調整する。この場合、上記所定の傾斜角度は、上記実施形態にて述べたような小さな角度とは限らない。
(7)本発明の実施にあたり、パチンコ遊技ユニットを、演出装置Sを廃止して、循環式パチンコ遊技機Pのみにより構成するようにしてもよい。この場合にて、前後左右の各側のキャスターB3及び高さ調整素子B4は、筐体部B1の底壁に設ければよい。
【符号の説明】
【0111】
B1…骨格構造部、FD…前扉、ID…中扉、PB…遊技機本体、
PN…パネル、11…組み付け枠、12…遊技盤、20…傾動支持機構、
23…連結具、40…傾動調整機構、51…中枠、52…ガラス板。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
この筐体内に収容される組み付け枠とこの組み付け枠に組み付けられる遊技盤とからなる遊技機本体と、
前記筐体にその前側から開閉可能に支持される前扉とを備える循環式パチンコ遊技機において、
前記前扉と前記遊技機本体との間にて前記組み付け枠に支持される中扉であって中枠と前記遊技盤に対し遊技球の外径よりも少なくとも広い間隙をおいて平行に位置するように前記中枠に組み付けられる透明板とを有する中扉と、
前記組み付け枠をその上部にて前記筐体の上部に前後方向に傾動可能に支持する傾動支持手段と、
前記組み付け枠をその下部にて前記筐体の下部に連結手段を介し前後方向に傾動調整可能に支持する傾斜角度調整手段とを備えることを特徴とする循環式パチンコ遊技機。
【請求項2】
前記中扉は、前記前扉と前記遊技盤との間で開閉可能に前記組み付け枠に支持されていることを特徴とする請求項1に記載の循環式パチンコ遊技機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2012−90851(P2012−90851A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−241833(P2010−241833)
【出願日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(000161806)京楽産業.株式会社 (4,820)
【Fターム(参考)】