説明

循環式穀物乾燥機における張込装置

【課題】乾燥機本体部の正面側から張込作業が行える張込装置であって、余分な設置スペースを必要とせず、かつ、安価な装置にする。
【解決手段】本発明の張込装置20は、外部スクリューコンベヤーケース21aに設けた穀物排出口23を、外部搬送ケース16に設けた穀物供給口16aに対して着脱自在にし、かつ、本体連結部19との着脱連結を自在にした張込連結部27aを設けた回転伝達部26によって、本体下部スクリュー13の回転を外部搬送スクリュー軸の搬送始端部に伝達するようにしたので、外部搬送スクリュー21bは前記本体下部スクリュー13の回転によって回転駆動されるとともに、前記乾燥機本体部1a(穀物供給口16a及び本体連結部19)から分離可能となる。このため、常時使用する余分な設置スペースを必要とせず、かつ、専用のモータを必要としない安価な装置となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、循環式の穀物乾燥機に係り、特に、穀物乾燥機の正面側から穀物を張込むための張込装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、循環式穀物乾燥機は、貯留タンク部、乾燥部及び集穀搬出部を上部から順に重設した乾燥機本体部を備えるとともに、前記集穀搬出部から排出された穀物を前記貯留タンク部に還流する昇降機等からなる還流部を備え、また、前記集穀搬出部における乾燥機本体部のいずれかの一側面に、開閉式の穀物張込ホッパーが備えてある。このような循環式穀物乾燥機を設置する場合、設置場所によっては、前記循環式穀物乾燥機の両側面側に前記穀物張込ホッパーを開くだけの開閉スペースがない場合があるので、このような設置場所に対応するために、例えば、特許文献1や特許文献2などのようにして、前記乾燥機本体部の正面側から張込み作業ができるようにした張込装置が知られている。特許文献1の張込装置は、前記集穀搬出部を構成する本体下部スクリューの搬送終端側における軸端(前記乾燥機本体部の正面側)に、搬送方向を反対にした横搬送スクリューの軸端を固定連結し、前記本体下部スクリューの回転に同期して前記横搬送スクリューが回転するようにして、穀物を、前記横搬送スクリューの搬送始端側に設けた供給ホッパーから張込んで前記昇降機の搬送始端側に供給するものである。一方、特許文献2の張込装置は、特許文献1の構成に類似したものであって、前記横搬送スクリューを回転させる専用のモータを備え、当該横搬送スクリューの搬送終端部を、前記乾燥機本体部における集穀搬出部の正面側機壁に設けた開口部に固定的に連通させて、穀物を、前記横搬送スクリューに設けた前記供給ホッパーから張込むようにしたものである。
【0003】
【特許文献1】特開平7−280444号公報
【特許文献2】特開平9−113137号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記の各張込装置には以下の問題点があった。上記各張込装置はいずれも前記乾燥機本体部の正面側から張込作業ができるものであるが、前記特許文献1のものは、常時、前記乾燥機本体部の正面側に張込装置が突出しているため、この突出部分の設置スペースが余分に必要であった。一方、前記特許文献2のものも、前述と同様に余分な設置スペースを必要とし、これに加えて、前記横搬送スクリューを回転させる専用のモータが、前記乾燥機本体部の本機モータとは別に必要なため、コストアップとなっていた。
そこで、本発明は、上記問題点にかんがみ、乾燥機本体部の正面側から張込作業が行えるものであって、余分な設置スペースを必要とせず、かつ、構成が安価な張込装置を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、請求項1により、
穀物を貯留する貯留タンク部、該貯留タンク部から流下した穀物を乾燥する乾燥部及び該乾燥部から繰り出した穀物を集穀して本体下部スクリューによって機外排出する集穀搬出部を順次重設した乾燥機本体部と、
前記本体下部スクリューの搬送終端側を形成する外部搬送ケースと、
該外部搬送ケースを介して接続した昇降機及び上部搬送部からなる穀物還流部と、
前記外部搬送ケースに設けた穀物供給口と、
前記本体下部スクリュー軸における搬送終端部に設けた連結部と、
一端側に前記穀物供給口と連通する穀物排出口を備え、かつ、他端側に供給ホッパーを備えた外部スクリューコンベヤーケースと、前記連結部を介して前記本体下部スクリューと連結し、かつ、穀物の搬送方向を前記本体下部スクリューとは逆方向にして前記外部スクリューコンベヤーケース内に横設した外部搬送スクリューとを備えてなる張込装置と、
を有する循環式穀物乾燥機の張込装置において、
前記本体下部スクリュー軸の搬送終端部は、前記外部搬送ケースから外部に突出して本体連結部が設けられる一方、前記張込装置は、前記穀物供給口との着脱を自在にした前記穀物排出口と、前記本体連結部との着脱連結を自在にした張込連結部を設けて該張込連結部を介して前記本体下部スクリューの回転を前記外部搬送スクリュー軸の搬送始端部に伝達する回転伝達部と、前記スクリューコンベヤーケースを支える脚部とを設けた、という技術的手段を講じた。
【0006】
また、請求項2により、
前記回転伝達部は、一端側に前記張込連結部を設け、他端側に前記外部搬送スクリュー軸の搬送始端部に回転を伝達する伝動部を設けた伝動シャフトからなる、
という技術的手段を講じた。
【0007】
さらに、請求項3により、
前記穀物供給口と前記穀物排出口の互いの周縁部には、前記両者の開口部を重合して連通した状態を保持する着脱式の保持部材を設けた、という技術的手段を講じた。
【0008】
さらに、請求項4により、
前記脚部に脚高さ調節部を設けた、という技術的手段を講じた。
【発明の効果】
【0009】
本発明の張込装置は、外部スクリューコンベヤーケースに設けた穀物排出口を、外部搬送ケースに設けた穀物供給口に対して着脱自在にし、かつ、本体連結部との着脱連結を自在にした張込連結部を設けた回転伝達部によって、本体下部スクリューの回転を外部搬送スクリュー軸の搬送始端部に伝達するようにしたので、外部搬送スクリューは前記本体下部スクリューの回転によって回転駆動されるとともに、前記乾燥機本体部(前記穀物供給口及び本体連結部)から分離可能である。このため、前記外部搬送スクリューを回転駆動させる専用のモータが必要ないので装置が安価になり、また、穀物乾燥機から分離可能なので、他の穀物乾燥機に装着して使用することができ、各穀物乾燥機の正面側に当該張込装置を常時接続しておく余分な設置スペースを必要とせず、収穫シーズンが終了したときや張込装置を使用しないときなどには、適宜邪魔にならない場所に保管できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は本発明における循環式穀物乾燥機1の前方斜視図を示し、図2は同循環式穀物乾燥機1の後方斜視図を示し、図3は同循環式穀物乾燥機1の縦割り正面断面図を示し、図4は同循環式穀物乾燥機1の縦割り側面断面図を示す。
【0011】
本発明における循環式穀物乾燥機1は、上部から、貯留タンク部2、乾燥部3及び集穀搬出部4を順次重設した乾燥機本体部1aを備えるとともに、該乾燥機本体部1aと隣接し、穀物を還流する還流部5を備える。
【0012】
前記貯留タンク部2は、四方の機壁と天井機壁とによって囲んで構成する。
【0013】
前記乾燥部3は、中央に熱風風胴6を横設し、該熱風風胴6の両側には穀物流下層7及び排風風胴8を順次横設する(図3)。前記穀物流下層7は任意の流下間隔幅となるように、一対の通風板7a,7bを対向させて構成する。前記熱風風胴6は、両側の前記通風板7aと該各通風板7aの上部に延設されて交わった各流下板6aとによって囲まれて構成する。前記各排風風胴8は、前記通風板7bとこの上方に延設した流下板8a、前後・側面機壁及び集穀傾斜板(後述)14とで囲んで構成する。左右の前記穀物流下層7は下端部で交わるように互いに傾斜状とし、前記下端部には繰り出しバルブ9を横設する。前記熱風風胴6の一方開口部には熱風発生装置10を設ける。前記熱風発生装置10は灯油燃焼式バーナーとし、図示しない燃料タンクを備える。該バーナーによって生成された熱風は前記一方開口部に供給されるようになっている。一方、前記熱風風胴6の他方端部は機壁によって閉塞する。前記各排風風胴8は、前記熱風発生装置10を設けた側(正面側)の一側を機壁によって閉塞し、他側は排風口8bを設けた機壁で構成する。各排風口8bの外部には、当該各排風口8bを囲み、かつ、機壁に対して密着状に装着したファンボックス11を構成する。該ファンボックス11には排風ファン12を設ける。なお、繰り出しバルブ9における一方側の軸端には、減速ギヤ等を介してバルブモータ9aを接続して設ける。
【0014】
前記集穀搬出部4は、前記繰り出しバルブ9の下方位置に横搬送スクリュー(以下、「本体下部スクリュー」という。)13を横設する(図3及び図4)。該本体下部スクリュー13の両側には、当該本体下部スクリュー13に向かって傾斜する漏斗状の集穀傾斜板(後述)14を配設する。前記本体下部スクリュー13は、本機モータ13aの出力を受けて回転駆動するようにしてある。前記本体下部スクリュー13における、前記前記熱風発生装置10を設けた側(正面側)は、正面側機壁15よりも外部に突出し、その周囲を外部搬送ケース(以下、「アウトレット」という)16で囲んである。該アウトレット16の一側壁には、後述する昇降機5aの搬送始端側と連通して穀物を供給可能にした連絡通路17を設ける。前記本体下部スクリュー13の突出部13bには羽根板13dを構成し、穀物を、前記連絡通路17内を介して昇降機5a側に跳ね飛ばす構成にしてある。前記本体下部スクリュー13は軸方向両端部の各機壁にベアリング18を配設することによって回転する。本発明における特徴部分に関して、前記突出部13bにおける軸端は、前記アウトレット16(ベアリング18)よりも外部に突出し、その端部に、本体連結部19を構成する。該本体連結部19は、後述する張込装置側の張込連結部27aと着脱可能な構成とする。
【0015】
前記還流部5は、前述の昇降機5aと上部搬送スクリュー5bとによって構成する。前記昇降機5aは、前記乾燥機本体部1aに隣接して立設し、複数のバケットを装着した無端ベルトを上下に回転可能に掛け渡し、下部の搬送始端側には前記連絡通路17が連通している。また、上部には昇降機モータ(図示ぜず)を設け、前記無端ベルトを回転させる駆動源とする。前記昇降機モータにより、昇降機5aは、各バケットが、搬送始端側に供給された穀物を掬(すく)って上部に搬送する。前記上部搬送スクリュー5bは、前記昇降機5aの搬送終端部と連通し、供給始端側に供給された穀物を飛散装置を介して前記貯留タンク部2に穀物を飛散して還流する。なお、前記上部搬送スクリュー及び飛散装置も、前記昇降機モータの回転出力の伝達を受けて回転駆動するように構成してある。
【0016】
次に、本発明の特徴部分である、張込装置20を説明する。該張込装置20は、横長で密閉状の外部スクリューコンベヤーケース21a内に、横設した外部搬送スクリュー21bを内蔵した搬送部21を備え、該搬送部21の搬送始端側上部には供給ホッパー22を接続し、また、搬送終端側下部には穀物排出口23を設ける。前記搬送部21の両端部には、前記供給ホッパー22などを支える脚部24c,24dを構成し、この内、前記供給ホッパー22を設けた側の脚部24cの下端部には車輪24a及び車輪軸24bを設けて、作業者によって、当該張込装置20を移動することができるようにしてある。前記循環式穀物乾燥機1は、大型と小型では地面から後述のガイド16c(アウトレット16の上面)までの高さが異なるので、前記脚部24cには、脚高さ調節部32が設けてある。該脚高さ調節部32は、前記脚部24cを上下に二分割にして形成し、下側脚部が上側脚部内に収まって高さがスライド調節できるようにしてある。この上側・下側の脚部は、脚部24が必要な高さになる位置で、孔32aを利用しボルトナット32bで固定し、高さ調整が行えるものである。
【0017】
前記乾燥機本体部1aにおけるアウトレット16の上面には、前記穀物排出口23と連通する穀物供給口16aを設け、前記穀物供給口16aは、前記張込装置20を連結するときに、開閉蓋16bを外して開口させるようにしてある。前記穀物供給口16aの周縁部に一対のガイド16cを設け、該ガイド16cに前記開閉蓋16bの両端部を嵌合・摺動させることによって前記穀物供給口16aを開閉する。また、前記外部スクリューコンベヤーケース21aにおける、前記穀物排出口23の両側周縁部の近傍位置には、前記ガイド16cに差し込んで摺動させる差込フランジ23aを設け、前記穀物排出口23と穀物供給口16aと連通を密着状態に保持することができるようにしてある。さらに、前記外部スクリューコンベヤーケース21aにおける、前記穀物排出口23周縁部の供給ホッパー22側の近傍位置には、ストッパー部材23bを設けて、前記差込フランジ23aをガイド16cに差し込んで摺動させた際に、前記穀物排出口23と穀物供給口16aとが重合したときにストッパー部材23bが前記アウトレット16に当接して止まるようにしてある。本発明における保持部材は、前記ガイド16cと差込フランジ23aのことである。
【0018】
前記搬送部21における外部搬送スクリュー21bの、前記供給ホッパー22側の軸端21cには、前記本体下部スクリュー13の回転を当該外部搬送スクリュー21bに伝達する回転伝達部26が設けてある。該回転伝達部26は、前記搬送部21の下方に横設し、前記本体下部スクリュー13における本体連結部19と連結して当該本体下部スクリュー13の回転を受ける伝動シャフト27を備える。該伝動シャフト27は、前記脚部24dに設けたベアリング(図示せず)と、搬送部21の他方側の下端部に設けた、垂直板27dに設けたベアリング(図示せず)とによって軸支されて回転可能にしてある。前記伝動シャフト27の一方側(前記穀物排出口23側)端部には、前記本体連結部19と連結する張込連結部27aを設ける。該張込連結部27aと前記本体連結部19とは、互いにカップリング状にして、連結させることによって本体下部スクリュー13の回転動力がシャフト27に伝達され、かつ、当該連結の解除ができるように着脱式にしてある。前記伝動シャフト27における他方側(前記供給ホッパー22側)軸端27cと前記軸端21cとは、それぞれプーリー25a,27bが軸挿され、かつ、両者を無端ベルト28で掛け渡した伝動部29によって連結させてある。
【0019】
なお、前記昇降機5aの側面には穀物水分を自動測定する水分計30を設け、また、前記熱風発生装置10の上部には、張込運転や乾燥運転等の実行を制御するコントロールボックス31が設けてある。該コントロールボックス31には張込運転ボタンや乾燥運転ボタンが設けてあり、各ボタンを押すことによって各種の運転が実行されるように実行プログラムが内蔵してある。これらのことは公知技術なので詳細説明は省略する。また、前記本体連結部19の周囲には、安全カバー部材13cを装着可能にして、本発明の張込装置20を装着しないときなどに作業者に危害を与えないようにする。
【0020】
以下、本発明の作用を説明する。
【0021】
まず、本発明の張込装置20を、乾燥機本体部1aの正面部となる前記搬送突出部16に対して装着する。具体的には、前記開閉蓋16bを取り外して穀物供給口16aを開口させた後に、前記差込みフランジ23aを前記ガイド16cに差し込み、前記ストッパー部材23bが搬送突出部(機枠)16に当接するまで摺動させて押し込む。これにより、乾燥機本体部1a側の穀物供給口16aと張込装置20側の穀物排出口23とが密着状態に重合状態で保持される。また、上記穀物供給口16a及び穀物排出口23の装着(重合)に伴って、乾燥機本体部1a側の前記連結部材19と張込装置20の前記張込連結部27aとも連結する。なお、接合前に、前記連結部材19と張込連結部27aとがスムーズに噛み合うように、各カップリングの突出形状は調整しておくとよい。以上で、張込装置20の乾燥機本体部1aへの連結(装着)作業は終了である。
【0022】
次に、環式穀物乾燥機1の張込運転を開始するため、前記コントロールボックス31の張込運転ボタンを押す。該張込運転ボタンを押すと、前記コントロールボックス31内の制御部が張込運転プログラムの実行を開始し、前記本機モータ13aの駆動を開始させて前記本体下部スクリュー13が回転駆動する。また、前記昇降機モータも駆動が開始され、これを受けて前記昇降機5a、上部搬送スクリュー5b及び拡散装置も駆動を開始する。
【0023】
前記本体下部スクリュー13が回転駆動すると、この回転は、前記本体連結部19から前記張込連結部27aに伝動され、さらに、伝動シャフト27と伝動部29とを介して前記搬送部21に内蔵された外部搬送スクリュー21bに伝動され、該外部搬送スクリュー21bの回転駆動が開始される。この状態にした後、穀物を前記供給ホッパー22に任意の搬送装置(バネ式の搬送装置など)を使って投入する。前記供給ホッパー22に投入された穀物は、前記外部搬送スクリュー21bによって搬送されて穀物排出口23から穀物供給口16aに供給される。そして、該穀物供給口16aに供給された穀物は、本体下部スクリュー13における前記羽根板13dの回転作用により、前記連絡通路17を介して昇降機5aの搬送始端側に供給される。次いで、昇降機5aの搬送始端側に供給された穀物は、各バケットに掬われて上部に搬送された後、前記上部搬送スクリュー5bと飛散装置を介して前記貯留タンク部2に張込まれる。
【0024】
前記貯留タンク部2に穀物の張込が終了すると、前記コントロールボックス31の停止ボタンを押し、この後、乾燥運転ボタンを押して乾燥運転を開始する。この乾燥運転は公知の乾燥運転であり、ここでの説明は省略する。なお、張込運転が終了すると、前記張込装置20は前記アウトレット16から切り離し、穀物供給口16aを前記開閉蓋16bで閉じるとともに、前記本体連結部19を隠す安全カバー13cを装着する。
【0025】
以上のように本発明の張込装置20は、穀物排出口23を環式穀物乾燥機1の本体下部スクリュー13におけるアウトレット16の穀物供給口16aに接続し、前記搬送部21における外部搬送スクリュー21bは前記回転伝達部26によって前記本体下部スクリュー13の回転動力を受けて回転するので、専用の駆動モータを必要としないで、環式穀物乾燥機の正面側から張込作業が行える。また、張込装置20における前記穀物排出口23及び回転伝達部26は、環式穀物乾燥機1側に対して着脱自在であるため、張込装置20を取り外してその他の環式穀物乾燥機1に装着して張込作業をすることができるため、常時、張込装置20の設置しておくスペースが必要にならない。さらに、張込装置20は、収穫のシーズンが終了すれば、適宜邪魔にならない場所に移動して保管することもできる。
【0026】
なお、上記実施例では、穀物排出口23b(張込装置側)と穀物供給口16a(環式穀物乾燥機側)を直接重合した例を示したが、これに限ることなく、ジャバラホースなどを用いて両者間を連通するようにしてもよい。また、上記供給ホッパー22の開口部については、搬送部21の長手方向に延長拡大したものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明における循環式穀物乾燥機の前方斜視図
【図2】同循環式穀物乾燥機の後方斜視図
【図3】同循環式穀物乾燥機の縦割り正面断面図
【図4】同循環式穀物乾燥機の縦割り側面断面図
【図5】本発明の張込装置の斜視図(循環式穀物乾燥機への装着前)
【図6】本発明の張込装置の斜視図(循環式穀物乾燥機への装着後)
【図7】本発明の張込装置の単体斜視図
【符号の説明】
【0028】
1 循環式穀物乾燥機
1a 乾燥機本体部
2 貯留タンク部
3 乾燥部
4 穀粒搬出部
5 還流部
5a 昇降機
5b 上部搬送スクリュー
6 熱風風胴
6a 流下板
7 穀物流下層
7a 通風板
7b 通風板
8 排風風胴
8a 流下板
8b 排風口
9 繰り出しバルブ
9a バルブモータ
10 熱風発生装置
11 ファンボックス
12 排風ファン
13 本体下部スクリュー
13a 本機モータ
13b 突出部
13c 安全カバー
13d 羽根板
14 集穀傾斜板
15 正面側機壁
16 アウトレット(外部搬送ケース)
16a 穀物供給口
16b 開閉蓋
16c ガイド
17 連絡通路
18 ベアリング
19 本体連結部
20 張込装置
21 搬送部
21a スクリューコンベヤーケース
21b 外部搬送スクリュー
21c 軸端
22 供給ホッパー
23 穀物排出口
23a 差込みフランジ
23b ストッパー部材
24a 車輪
24b 車輪軸
24c 脚部
24d 脚部
25a プーリー
26 回転伝達部
27 伝動シャフト
27a 張込連結部
27b プーリー
27c 軸端
27d 垂直板
28 無端ベルト
29 伝動部
30 水分計
31 コントロールボックス
32 脚高さ調節部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
穀物を貯留する貯留タンク部、該貯留タンク部から流下した穀物を乾燥する乾燥部及び該乾燥部から繰り出した穀物を集穀して本体下部スクリューによって機外排出する集穀搬出部を順次重設した乾燥機本体部と、
前記本体下部スクリューの搬送終端側を形成する外部搬送ケースと、
該外部搬送ケースを介して接続した昇降機及び上部搬送部からなる穀物還流部と、
前記外部搬送ケースに設けた穀物供給口と、
前記本体下部スクリュー軸における搬送終端部に設けた連結部と、
一端側に前記穀物供給口と連通する穀物排出口を備え、かつ、他端側に供給ホッパーを備えた外部スクリューコンベヤーケースと、前記連結部を介して前記本体下部スクリューと連結し、かつ、穀物の搬送方向を前記本体下部スクリューとは逆方向にして前記外部スクリューコンベヤーケース内に横設した外部搬送スクリューとを備えてなる張込装置と、
を有する循環式穀物乾燥機の張込装置において、
前記本体下部スクリュー軸の搬送終端部は、前記外部搬送ケースから外部に突出して本体連結部が設けられる一方、前記張込装置は、前記穀物供給口との着脱を自在にした前記穀物排出口と、前記本体連結部との着脱連結を自在にした張込連結部を設けて該張込連結部を介して前記本体下部スクリューの回転を前記外部搬送スクリュー軸の搬送始端部に伝達する回転伝達部と、前記スクリューコンベヤーケースを支える脚部とを設けたことを特徴とする循環式穀物乾燥機の張込装置。
【請求項2】
前記回転伝達部は、一端側に前記張込連結部を設け、他端側に前記外部搬送スクリュー軸の搬送始端部に回転を伝達する伝動部を設けた伝動シャフトからなることを特徴とする請求項1に記載の循環式穀物乾燥機の張込装置。
【請求項3】
前記穀物供給口と前記穀物排出口の互いの周縁部には、前記両者の開口部を重合して連通した状態を保持する着脱式の保持部材を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の循環式穀物乾燥機の張込装置。
【請求項4】
前記脚部に脚高さ調節部を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の循環式穀物乾燥機の張込装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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