説明

微多孔性フィルム

本発明は、一般に微多孔性フィルムに関し、特に、優れたインク吸収速度、良好な乾燥特性および高い画像印刷品質を有する写真品質のインクジェット記録媒体において使用可能な微多孔性フィルムに関する。本発明により、(微)多孔性層または水膨張性層が付与された支持体を含むインクジェット記録媒体が提供される。本発明は、さらに、このような媒体を得るための方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に微多孔性フィルムに関し、特に、優れたインク吸収速度、良好な乾燥特性および高い画像印刷品質を有する写真品質のインクジェット記録媒体において使用可能な微多孔性フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
熱可塑性有機ポリマー、大部分を占めるフィラー粒子および大きな空隙体積を含む微多孔性材料は、公知であり、そして多くの貴重な特性を有する。このような微多孔性材料は、耐久性を有し、それらの多くが印刷基材として特に有用である。そして、それらは、例えばインクジェット印刷用途で使用することができる。
【0003】
一般的なインクジェット記録システムまたは印刷システムにおいては、インク液滴は、媒体上に画像を作り出すために、記録エレメントまたは記録媒体に向かって高速でノズルから射出される。インク液滴または記録液は、一般に、染料等の記録剤と、ノズルを詰まらせることを防ぐための比較的大量の溶媒とを含有する。溶媒またはキャリア液は、一般的に、水、および一価アルコール等の有機材料で構成されている。液滴として記録された画像は、記録液がその上で流れたり広がったりすることなく、迅速に乾く受容体を必要とする。インクジェット印刷技法を使って高品質の画像再現を行うには、受容体基材、つまり一般的に、液滴の拡散または移行を防ぐと共に、インク液滴を容易に吸収する紙シートまたは不透明もしくは透明なフィルムを必要とする。インクを良く吸収することで、染料移行を最小にすると共に画像の乾燥を促進させ、それにより記録画像鮮明度が良好となる。
【0004】
一般に、写真品質と良好な乾燥特性を有するインクジェット記録媒体を製造するためには、2つのアプローチがある。
写真品質と良好な乾燥特性を有するインクジェット記録媒体を製造するための1つのアプローチは、欧州特許出願公開第806299号および日本国特許出願公開第2―276670号のようないくつかの特許公開において提案されているように、いわゆる「微多孔性でないフィルムタイプ」である。このタイプのインクジェット記録媒体のためには、少なくとも1つのインクの受容層で、紙または透明フィルムのような支持体を覆う。インクの受容層は、一般的に、種々の割合の水膨張性バインダーおよびフィラーを含有する。これらの成分の割合は、コーティングの特性、特に、インクジェット媒体のインク吸収特性および光沢品質外観に影響を与える。インクジェット記録媒体のこのいわゆる膨張タイプは、染料の褪色を減少させるが、一般に乾燥が遅延する。
【0005】
もう1つのアプローチは、インク受容層として機能する多孔層を基材に設けることである。しかしながら、この周知の技術は、紙の光沢について問題を与え得る。多孔層を設けた基材についての公知の技法の具体的な実施形態においては、多孔層の上部に、光沢を高めるためのインク受容層が設けられる。この微多孔性フィルムタイプにおいては、微多孔性フィルムが、インク溶媒吸収を主要な機能として有する。この目的に適した典型的な微多孔性フィルムは、とりわけ米国特許出願公開第4833172号、第4861644号および第5326391号に記述されている。
【0006】
インクジェット受容コーティング構成の重要な特性の1つは、液体吸収性である。インク溶媒の、全部でないとしても、大部分はコーティング層自身によって吸収されなければならない。紙、布またはセルロースが支持体として使われる場合のみ、若干の割合の溶媒が、支持体によって吸収され得る。
【0007】
上述のように、微多孔性フィルムは、インク溶媒を吸収する主要な機能を有する。このいわゆる「微多孔性フィルムタイプ」は、特に、その高いインク溶媒の吸収速度のために、乾燥時間において非微多孔性タイプより優れている。基材に微多孔性層を適用するには、種々の選択がある。可能な方法の1つは、欧州特許出願公開第0812697号で記述されるように、基材に微多孔性層を直接コートすることである。もう1つの方法は、基材に親水性の微多孔性シートを積層することである。
【0008】
この目的に適した吸湿性で溶媒吸収性の微多孔性シートの1つは、とりわけ米国特許出願公開第4833172号、第4861644号および第5326391号に記述され、そしてTESLIN(登録商標)の名前で市販されている。インクジェット用途においてこのフィルムを使用することで、非常に良好な乾燥速度が得られる。しかしながら、トップコーティングなしでは光沢が低い。米国特許出願公開第5605750号および国際出願公開第99/41086号において、色彩密度、光沢などを高めるために、この微多孔性フィルムの上にインク受容層を適用することが提案されている。
【0009】
このTESLIN(登録商標)フィルムの製造は、ハロゲン化炭化水素を使用するので、あまり環境に好ましいものとは言えない。上記の微多孔性フィルムのもう1つの欠点は、商業的には最小で150μmとされるその厚みである。これでは厚すぎるため、一般に写真工業で使われるベース紙支持体に容易にラミネートすることができない。したがって、このフィルムの使用は、経済的に、技術的に、そして環境上好ましいものではない。
【0010】
この他にも多くの微多孔性フィルムが存在し、それらは、上記の親水性微多孔性フィルムより際立って薄く(厚さ150μm未満)、そして安価である。そのいくつかの例は、国際出願公開第96/19346号、ベルギー特許出願公開第1012087号、欧州特許出願公開第0283200号および米国特許出願公開第4350655号に記述されている。これらの微多孔性フィルムは、重層体(ply)を与える、フィラーを含有する疎水性樹脂の溶融押出を行い、得られた重層体を単軸または二軸で延伸してフィルムを得ることにより製造される。その細孔の量および大きさは、延伸率、使われたフィラーの量、形状および大きさ、ならびに掛けられた延伸の種類に大きく依存している。
【0011】
従来の技術で記述された大部分のフィルムにおいて、その疎水性という性質は重要な特徴である。米国特許出願公開第4318950号には、20重量%未満の無機フィラーを含むベース層を有する防水合成紙が記述されている。英国特許出願公開第2296216号は、フィラーを含まないまたは少量のフィラーしか含まない表面薄層を有する液体不透過性フィルムに関するものである。欧州特許出願公開第0744284号は、疎水性オフセット印刷インクを吸収するのに適した多層フィルムを記述する。これらのフィルムは疎水性であって、したがって元から撥水性であり、そのためインクジェットインクを吸収可能なように親水性化されねばならない。疎水性フィルムを親水性とするための1つの方法は、国際出願公開第02/053391号で記述されるように、押出の後に親水性物質をフィルムに浸透させることによるものである。別の方法は、国際出願公開第03/016068号で記述されるように、フィルムの押出の間に親水性添加物を使うことである。溶融押出成形において多量のフィラーを使う場合、シートは、延伸の間に容易に割れる。これを防ぐために、国際出願公開第00/05295号で記述されるように、被覆顔料が開発された。そのフィラー粒子は、通常、白色で安価な炭酸カルシウムであるが、フィラーを疎水性にし、そして好ましくは65重量%より高いポリマー充填量を得るために、処理する必要がある。さらにより高い量のフィラーが好ましい。なぜなら、延伸の後、細孔容積が高いと、溶媒吸収特性が改善されるからである。経済的な見地からすれば、非修飾のフィラーを使う方が安価であるが、それではウエッブが低いレベルの延伸で容易に破断する。
【0012】
したがって、低コストの樹脂およびフィラーを使って経済的に魅力的であり、十分に薄く、十分な空隙体積があり、そしてインク溶媒を吸収する高い能力を有する、インクジェット媒体用インク溶媒吸収層として使用するのに適した微多孔性フィルムを入手するという要求は、依然残っている。本発明が目指すのは、この要求を満たすことである。
【特許文献1】欧州特許出願公開第806299号
【特許文献2】特許出願公開第2−276670号
【特許文献3】米国特許出願公開第4833172号
【特許文献4】米国特許出願公開第4861644号
【特許文献5】米国特許出願公開第5326391号
【特許文献6】欧州特許出願公開第0812697号
【特許文献7】米国特許出願公開第5605750号
【特許文献8】国際出願公開第99/41086号
【特許文献9】国際出願公開第96/19346号
【特許文献10】ベルギー特許出願公開第1012087号
【特許文献11】欧州特許出願公開第0283200号
【特許文献12】米国特許出願公開第4350655号
【特許文献13】米国特許出願公開第4318950号
【特許文献14】英国特許出願公開第2296216号
【特許文献15】欧州特許出願公開第0744284号
【特許文献16】国際出願公開第02/053391号
【特許文献17】国際出願公開第03/016068号
【特許文献18】国際出願公開第00/05295号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、上記従来技術に付随する前述の問題を少なくとも一部は解決することである。ある実施形態において、本発明は、少なくとも1つの層が50重量%を超える少なくとも1つのフィラーを含み、少なくとも1つの他の層が30重量%を超えるが50重量%以下の量の少なくとも1つのフィラーを含む、疎水性熱可塑性樹脂の多層体を含む微多孔性フィルムに関する。本発明のある実施形態では、上記多層体のうちの1つ以上の層が親水性化されている。この親水性化は、該多層体を親水性液体に含浸し、そして乾燥することにより、適切になされる。多層体を親水性化するための別の可能な方法としては、重層体の溶融押出の間に親水性成分を使うことによるものがあり、該重層体を連続的に延伸して、微多孔性フィルムを得る。少なくとも50%を超えるフィラー含有率を有する層が、親水性成分を含むことが好ましい。本発明の別の実施形態では、当該微多孔性フィルムが、支持体上に適用されて、インクジェット記録媒体が形成される。本発明のさらに別の実施形態では、当該インクジェット記録媒体は、とりわけ光沢を高めるためにトップコーティングでコートされる。トップコーティングの有無にかかわらず、当該記録媒体は、インク吸収速度、湿潤特性および本発明の媒体を写真品質の画像を作り出すことに特に適するようにする画像印刷品質に関する有利な特性を持ち合わせている。多くの本発明の実施形態が本明細書中でインクジェット印刷を具体的な参照としながら記述されるが、本発明の高品質記録媒体がインクジェット記録媒体(つまりインクジェットプリンタを使ってプリントするのに適した媒体)に限定されず、ジークレー(Giclee)印刷、カラーコピー、スクリーン印刷、グラビア印刷、染料昇華、フレキソ印刷などのような、他の技法を使うことによってもまた、高品質画像を作り出すのに適した記録媒体を提供することは本発明の範囲の中にあることは、当業者には明白であろう。
【課題を解決するための手段】
【0014】
したがって、本発明のインクジェット記録媒体は:
支持体、及び該支持体に接着した微多孔性フィルムを含み、ここで該微多孔性フィルムは少なくとも2つの疎水性樹脂層を有し、うち1つの層は50重量%を超える量の少なくとも1つのフィラーを含み、他の1つ以上の層は30重量%を超えかつ50重量%以下の量の少なくとも1つのフィラーを含むことを特徴とする。このインクジェット媒体の微多孔性フィルムは、全体の微多孔性フィルムの25〜80体積%の空隙体積を有し、好ましくはその細孔間に互いに繋がった連絡孔(interconnecting channel)を有する。疎水性フィルムは、そのようなフィルムに親水性コーティングを含浸させるか、または支持体に適用されるときにそれを含浸させることによって親水性化されることにより形成されてもよい。フィルムを親水性にする別の方法としては、溶融押出の間に親水性成分を使用し、押し出された重層体を次に延伸して微多孔性フィルムを得ることによるものがある。この微多孔性フィルムは、当該フィルムを支持体上に接着した後および/または接着する前に、親水性コーティングで当該微多孔性フィルムを処理することにより、さらにより親水性化することができる。
【0015】
本発明の別の態様は、支持体および微多孔性フィルムを含むインクジェット媒体を提供することであり、ここで微多孔性フィルムは、1つ以上の層において少なくとも1つのフィラーの量が50%より多く、他の1つ以上の層において少なくとも1つのフィラーの量が30%より多くかつ50%以下である、多層体であることを特徴とし、ベルギー特許出願公開第1012087号の方法によって得られる。従って、本発明の別の態様は、インクジェット媒体における特定の微多孔性フィルムの使用であり、ここで該微多孔性フィルムは、以下の連続的な工程を含む方法により得られることを特徴とする:
−少なくとも1つのポリマー及び50%より多い量の少なくとも1つの無機フィラーおよび/または有機フィラーを含むポリオレフィンマトリックスを含む少なくとも1つの混合物を調製し、かつ、少なくとも1つのポリマー及び30%より多い量でありかつ50%以下の量の少なくとも1つの無機フィラーおよび/または有機フィラーを含むポリオレフィンマトリックスを含む少なくとも1つの混合物を調製する工程;少なくとも両方の混合物を連続的または同時に1つの重層体に押し出す工程;
−該重層体をドラッグロールでプレ延伸する工程;
−ドラッグロールを使ってプレ延伸された重層体を冷却および固化させる工程;
−微多孔性フィルムを形成するために、十分な温度において固化した重層体を引っ張る工程:
−ここで、ドラッグロールによりプレ延伸された溶融重層体の冷却は、部分的であり、その引張に対して要求される温度の範囲内に、制御された方式で制限されており;かつ
−部分冷却を通して引張に必要な温度にされた重層体の引張は、ドラッグロールからの接線方向への分離の時の牽引により実施され、そのドラッグロールは、引張のための巻き取りローラーとして働くことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の微多孔性フィルムにより、優れたインク吸収速度、良好な乾燥特性および高い画像印刷品質を有する写真品質のインクジェット記録媒体を作成可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明は、層の内の少なくとも1つが50重量%より多い量の少なくとも1つのフィラーを含み、残りの層の少なくとも1つが30重量%より多くかつ50重量%以下の量の少なくとも1つのフィラーを含む疎水性熱可塑性樹脂の多層体を含む微多孔性フィルムに関する。親水性化された疎水性微多孔性薄膜を用いて、優れた乾燥特性を有するインクジェット記録媒体を得るための我々の研究では、微細孔の数を増やすことができなかったという事実に起因して、我々は、ある値を超えて乾燥特性を向上させることができなかった。微細孔の数を増やす方法は、非常に微細なフィラーグレード品を使うこと、または押し出される疎水性熱可塑性樹脂の中のフィラー量を増やすことである。しかしながら、55重量%を超えるフィラーを使った場合、溶融押出後に成形される重層体は、意図される延伸比率に達する前に延伸プロセスにおいて破断する。米国特許出願公開第5993589号には、ウエブ破断が、フィラー充填された樹脂層にポリウレタンのようなフィラー充填されていない柔軟性樹脂を適用することで防止可能であると記述されている。この組成物を延伸する際、柔軟性樹脂が破断の起きることを防ぐので、フィラー充填されたマトリックスは、割れることがないが、インクジェット用途にこのようなフィルムを使うと、該柔軟層が水を通さないので、微多孔性シートの使用による利点を十分に得られない。
【0018】
我々は、驚くべきことに、いくつかの層を押出して、層の内の少なくとも1つが50重量%より多い量の少なくとも1つのフィラーを含み、残りの層の少なくとも1つが30重量%より多くかつ50重量%以下の量の少なくとも1つのフィラーを含む1つの重層体を成形することにより、微細孔の量および体積を増加させることができることを発見した。延伸プロセスにおいて、得られた重層体は、ずっと少ない量のフィラーを含む単一(mono)押出された重層体と同じだけ、破断することなしに延伸することができた。この方法を使えば、従来の方法に比べて、より大きい空隙体積を達成することができる。延伸後の当該重層体を使用して得られた微多孔性フィルムは、インクジェット用途における支持体に適用され、乾燥特性の改善をもたらす。
【0019】
本発明の1つの実施形態において、記録媒体は次のように製造される:
−少なくとも1つのポリマーおよび50%より多い量の少なくとも1つの無機フィラーおよび/または有機フィラーを含むポリオレフィンマトリックスを含む少なくとも1つの混合物を調製する工程;
−少なくとも1つのポリマーおよび30%より多くかつ50%以下の量の少なくとも1つの無機フィラーおよび/または有機フィラーを含むポリオレフィンマトリックスを含む少なくとも1つの混合物を調製する工程;
−少なくとも両方の混合物を連続的または同時に1つの重層体に押し出す工程;
−その重層体をドラッグロールでプレ延伸する工程;
−ドラッグロールを使ってプレ延伸された重層体を冷却および固化させる工程;
−微多孔性フィルムを形成するために、十分な温度において固化した重層体を引っ張る工程:
−ここで、ドラッグロールによりプレ延伸された溶融重層体の冷却は、部分的であり、その引張に対して要求される温度の範囲内に、制御された方式で制限されており;かつ
−部分冷却を通して引張に必要な温度にされた重層体の引張は、ドラッグロールからの接線方向への分離の時の牽引により実施され、そのドラッグロールは、引張のための巻き取りローラーとして働くことを特徴とする。
【0020】
得られた微多孔性フィルムは、フィルムの表面の空隙およびフィルム内部の細孔を含む。本明細書では、「空隙」と「細孔」との間に区別はなされない。従って、本願で使われる用語「細孔」は空隙および細孔の両方を包含する。用語「空隙」に対しても同様である。この方法によって得られた微多孔性フィルムにおいては、100nmより大きい直径を有する細孔の体積が、当該微多孔性フィルムの全細孔体積の少なくとも25体積%であることが好ましい。全細孔体積は、当該微多孔性フィルムの80体積%程度になり得る。
【0021】
微多孔性フィルムを製造するためのこの方法は、所望の厚さを有するフィルムを製造できるので、特に適している。本発明で記載される方法に従って製造された微多孔性フィルムの一般的な厚さは、150μm未満である。好ましい厚さは15〜60μmであり、より好ましくは15〜55μmである。多孔性フィルムが15μm未満である場合は、弱い物理特性、特に引裂強度を有すると考えられている。一方、フィルムの厚さが150μmを超える場合も、高い原料使用量に起因する高い価格が、際立ってより高い品質としてあらわれないため、好ましくない。
【0022】
重層体の延伸は、種々の周知の延伸装置を使うことによって従来の方法で実行することができる。重層体は、少なくともその弾性限界を超えて縦延伸方向へ延伸される。延伸比は、通常1.5〜10の範囲内で選択される。好ましくは、延伸比は2〜6の範囲内である。本明細書で使われる延伸比は、以下の式によって決定される:
S=L2/L1
ここでSは延伸比であり、L1は、中間重層体上に位置し、かつ延伸方向と平行な一線上にある、2つの参照点の間の距離であり、またL2は、延伸された前記微多孔性フィルム上に位置する同じ2つの参照点の間の距離である。
【0023】
延伸を完成させる温度は、広範囲に変化する。多くの場合、延伸の間のフィルム表面温度は、20℃〜220℃の範囲内である。好ましい温度は、40℃〜165°の範囲であり、理想的には55℃〜130℃の間である。
【0024】
微多孔性フィルムは、必要に応じて、縦方向の延伸が完了した後に横方向において延伸することができる。横方向の延伸比は、一般に1.1〜10の間にある。横方向の延伸比は、1.1〜4の間であることが好ましい。一般的に、延伸の程度は、要求される細孔体積および特許請求される細孔サイズ分布が得られるような程度である。
【0025】
本発明によれば、細孔は微多孔性フィルムの体積の25〜80%を構成する。細孔体積は以下のように測定した。
微多孔性フィルムサンプル(サイズ10×10cm)の体積(V)および質量(W1)
を決定した。続いて該サンプルを、50mmol/lのSDBS界面活性剤を加えた水に一分間浸漬した。一分後、余剰の水を上面および裏面からワイパーを使って取り除き、該サンプルの重量(W2)を直ちに測定した。細孔体積を以下のように計算した:
細孔体積=((W2−W1)/V)×100
【0026】
微多孔性フィルムの多孔率が25%未満の場合、該フィルムのインクジェット溶媒吸収容量は一般に低すぎる。特に、このようなフィルムのインクジェット媒体の乾燥速度は、許容できないくらい低くなる。一方、細孔率が80%を超えると、上記の製造方法により製造することは難しい。そして通常このような高い多孔率を有する微多孔性フィルムは、引張強度特性が低い。
【0027】
疎水性熱可塑性樹脂に加えられたフィラーの量および適切なフィラーの大きさは、引裂強度、水蒸気透過率、延伸能力及び細孔体積を含めた細孔フィルムの所望の特性による。微多孔性フィルム内で作り出される細孔を約30重量%未満のフィラー量で十分に得ることは難しい。フィラー量を増加することが可能であればあるほど、細孔体積および多孔率が増加するために、そのフィルムはそれだけ好適となる。本発明において、フィルムの強度は、フィラー量の低い層によって主に決定される。低いとは50重量%以下を意味し、30重量%未満は一般的に好ましくない。というのは、この量での使用は、水透過速度にマイナスの影響を与えるからである。しかし、得たい特性によっては、30〜50重量%の間の顔料重量が使用される。良好な透水性のためには、細孔が実質的に互いに繋がっていることが重要である。実質的にフィラー充填率が30%未満では、該連繋特性は十分な透水率を与えるには不十分であると考えられる。多孔率の増加は、50重量%超のフィラー量を有する少なくとも一層によって主に達成される。適切な構成では、90重量%くらいのフィラー量が達成できる。意図される特性によって、50〜90重量%の間のフィラー量を使うことができる。従来の技術では、良好な分散性と所望の充填度とを共に達成するために、脂肪酸エステル、シリコーン油またはシランのような界面活性剤で無機フィラーをコートすることが必要であったが、本発明ではもう必要ではない。
【0028】
フィラーの平均粒径は、一般的には40μm未満であり、好ましくは0.5〜10μmの範囲である。微多孔性フィルムの所望の細孔分布は、単一の平均粒径を有するフィラーまたは異なる平均粒径を有する少なくとも二種類のフィラーの混合体を使うことによって得ることができる。本発明において、微多孔性フィルムの細孔サイズ分布、多孔率および光沢の間のより良好なバランスは、少なくとも二種類のフィラーを利用することにより達成することが可能であり、ここで最小平均粒径に対する最大平均粒径の比は、少なくとも1.5である。特に、高い光沢値を維持しながら十分な多孔率および連繋細孔体積を得るためにより粒径が大きいことが必要な場合である、より厚い微多孔性フィルムについては、異なる平均粒径を有する二種類以上のフィラーを使用することが非常に有益である。
【0029】
微多孔性フィルムの生産に適した疎水性熱可塑性樹脂としては、莫大な数および種類のものが利用可能である。一般に、重層体、フィルム、シート、細片またはウエッブの形に押出、カレンダー、プレスまたは巻取りをすることができる任意の実質的に水不溶性の熱可塑性ポリマーを使用することができる。
【0030】
前記ポリマーは、単一ポリマーでもポリマー混合物でもよい。ポリマーはホモポリマー、コポリマー、ランダムポリマー、ブロックコポリマー、アタクチックポリマー、アイソタクチックポリマー、シンジオタクチックポリマー、線形ポリマー、または分岐ポリマーであり得る。ポリマー混合物が使われる場合、その混合物は均質であても、2つ以上のポリマー相を含んでいてもよい。好適な熱可塑性ポリマーの種類の例としては、ポリオレフィン、ポリ(ハロ置換ポリオレフィン)、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリウレア、ポリ(ビニルハライド)、ポリ(ビニリデンハライド)、ポリスチレン、ポリ(ビニルエステル)、ポリカーボネート、ポリエーテル、ポリスルフィド、ポリイミド、ポリシラン、ポリシロキサン、ポリカプロラクタム、ポリアクリレートおよびポリメタクリレートが挙げられる。適切な熱可塑性ポリマーの例としては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン(アタクチック、アイソタクチックまたはシンジオタクチック)、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、エチレンとα−オレフィンのコポリマー、エチレンとアクリル酸のコポリマー、エチレンとメタクリル酸のコポリマー、エチレンと酢酸ビニルのコポリマー、プロピレンとα−オレフィンのコポリマー、ポリ(塩化ビニリデン)、塩化ビニリデンと酢酸ビニルのコポリマー、塩化ビニリデンと塩化ビニルのコポリマー、エチレンとプロピレンのコポリマー、エチレンとブテンのコポリマー、ポリ(酢酸ビニル)、ポリ(ω−アミノ−ウンデカン酸)、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)、ポリ(ε−カプロラクタム)が挙げられる。
【0031】
好ましい熱可塑性樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンとα−オレフィンのコポリマー、エチレンとアクリル酸のコポリマー、エチレンとメタクリル酸のコポリマー、エチレンと酢酸ビニルのコポリマー、およびそれらの混合物を含むポリオレフィンである。
【0032】
同時または連続の押出を使えば、種々の層における疎水性熱可塑性樹脂の組成は異なり得る。しかしながら、経済的理由および吸水率の観点からは、同じ熱可塑性樹脂(thermoplast)または熱可塑性樹脂混合物が、押出された重層体の種々の層で使われることが有益であることが見いだされた。例えば、堅さを最適化することを望む場合、種々の層で異なった種類の樹脂を使用することは有利であり得る。また、フィラーについては、種々の押し出された層で同じ種類のフィラーを使うことは有益であるが、この原則から外れることもある場合には有利であり得る。溶融押出法を使うことによって、種々の層の厚さを変え得ることもまた可能である。低フィラー充填層に対する高フィラー層の比率には限界があるのは明白である。というのは、高すぎる比率(>4/1)においては、延伸の間にウェブ破断が起こる領域に再び入るからである。低フィラー充填層に対する高フィラー充填層の比率が1/1より低い場合、一般に、多孔率が低すぎて、発明された構造からの利点が得られない。高フィラー充填層の比率が高いことが、インクジェット用途における乾燥速度を向上させる。一般的に、低フィラー充填層に対する高フィラー充填層の重量比が3対1である場合、非常に良い乾燥特性が得られる。
【0033】
フィラーは、有機体フィラー群および無機フィラー群から選択することができる。有機フィラーの例としては、木材粒子、パルプ粒子、セルロースタイプ粒子、テフロン(登録商標)粒子およびケブラー(商標)粒子のようなポリマー粒子、ポリプロピレン中に分散されたナイロン粒子、ポリプロピレン中のポリブチレンテレフタレート粒子、およびポリエチレンテレフタレート中で分散したポリプロピレンが挙げられる。これらの有機フィラーの重要な特徴は、そのサイズおよび粒子の形状である。球形の形状が好ましく、それらは中空または中身が詰まった状態であり得る。
【0034】
無機フィラーの例としては、炭酸カルシウム、粘土、シリカ、二酸化チタン、タルク、粘土、カオリン、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛およびゼオライトからなる群から選択される1つ以上の成分である。炭酸カルシウム、シリカ、硫酸バリウム、二酸化チタンおよびそれらの混合物から選択されるフィラーが好ましい。
【0035】
印刷の間に射出されるインク溶液の表面張力および量は、インクジェットインクのすべての銘柄において同じではないことが我々の実験の間に見いだされた。インクジェットインクのタイプおよび銘柄名に応じて、本発明の微多孔性フィルムの溶媒吸収速度をさらに改善することが可能である。押出コーティングの前に、疎水性熱可塑性樹脂とフィラーとの混合物に親水性成分を添加することにより、注目に値する溶媒吸収速度の改良がもたらされた。親水性成分は、微多孔性フィルム表面および細孔表面を親水性とする目的で、ポリマー組成物に混合される添加物である。親水性成分は、モノオレイン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタンおよびトリステアリン酸ソルビタンのようなソルビタン脂肪酸エステル;トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンのようなポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル;モノオレイン酸グリセリンおよびモノステアリン酸グリセリンのようなグリセリン脂肪酸エステル;モノオレイン酸ジグリセリン、セスキラウリル酸(sesquilaurate)ジグリセリン、モノオレイン酸テトラグリセリンおよびモノラウリン酸デカグリセリンのようなポリグリセリン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンラウリルエーテルのようなポリオキシアルキレンアルキルエーテル;モノラウリン酸ポリエチレン、トリオレイン酸ポリオキシエチレンのようなポリオキシアルキレン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンドデシルチオエーテルのようなポリオキシエチレンアルキルメルカプタン;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルのようなポリオキシエチレンアルキルフェノール;モノステアリン酸ペンタエリトリトールのようなペンタエリトリトール脂肪酸エステル;ラウリン酸サッカロースのようなサッカロース脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンオレアミドのようなポリオキシエチレン脂肪酸アミド;ラウリルジエタノールアミンのような脂肪族アミン;およびオレアミドのような脂肪酸アミドからなる群より選択される界面活性剤である。特に、前記微多孔性フィルムが水に接触しているときに、該微多孔性フィルムからほとんど抽出されないことから、モノオレイン酸グリセリン、トリグリセロールC12−C18エステルおよびソルビタンC12−C18エステルが好ましい。適切な程度の親水性を獲得するために、これらの化合物は、好ましくは0.5〜5重量%、より好ましくは0.5〜3重量%、さらに好ましくは1〜2重量%の量で添加される。通常は2〜5%の間の添加量で最大度の親水性に達する。含有量が5%を超えても、一般に、際立って親水性をさらに向上させない。
【0036】
本発明によれば、微多孔性フィルムを、接着層を介して支持体に接着してもよい。接着物質は、微多孔性フィルムを支持体に接着するのに良い特性を有し、ガスおよび液体に対して透過性を有する任意の物質であってよい。このような物質の例としては、デンプン、ゼラチン、アラビアゴム、ペクチン、アルブミン、ポリウレタン、ポリアクリレート、および寒天が挙げられる。接着層は、さらに、シリカ、アルミナ、CaCO3、またはそれらの混合物のような無機粒子を含んでもよい。接着特性を向上させるために、接着層を貼付する前に、微多孔性フィルムおよび/または支持体をコロナ処理、プラズマ処理または火炎処理で処理してもよい。
【0037】
国際公開出願公開第02/53391号(本明細書中で参照として援用される)に記述されるように、上記のような支持体に接着している微多孔性フィルムの溶媒吸収速度は、水、水溶性ポリマーおよび界面活性剤を含有する親水性液を該微多孔性フィルムの上部にコートすることによって、該微多孔性フィルムの親水性を高めることにより、さらに向上させることができる。当該微多孔性フィルムは、疎水性熱可塑性樹脂およびフィラーを含有しても、疎水性熱可塑性樹脂、フィラーおよび親水性成分を含有してもよい。支持体に貼付する前に微多孔性フィルムを該含浸処理する場合にも、同様により良い吸水率が得られる。含浸溶液に用いられる界面活性剤の種類として好適なものは、陽イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、非イオン性界面活性剤または両性界面活性剤として分類される任意の界面活性剤から選択することができる。陰イオン界面活性剤の例としては、通常の石鹸のような脂肪酸界面活性剤、リン酸エステル界面活性剤、ドデシル硫酸ナトリウムのような硫酸エステル界面活性剤、硫酸化モノグリセリドおよび他のポリオールのような硫酸化脂肪酸界面活性剤、硫酸化アルカノールアミド、硫酸化エーテル、硫酸化アルキルフェノールエトキシレート、硫酸化カルボン酸アルキルエステル、ドデシルスルホン酸ナトリウムのような脂肪族スルホネート、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムのようなアルキルアリールスルホネート、α−スルホカルボン酸、およびそれらの誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。陽イオン界面活性剤の適切な例としては、少なくとも1つの長鎖アルキル基と1つ以上のアミン水素とを含んでいる単純なアンモニウム塩および全てのアミン水素が有機ラジカル置換によって置換された第四級アンモニウム化合物のようなアルキル窒素化合物を含む群、ならびにN−アルキルピリジニウムハライド、アルキル置換ピリジン塩、モルホリニウム塩およびイミダゾリニウム誘導体によって特徴づけられるヘテロ環物質を含む陽イオン界面活性剤の群が挙げられる。非イオン性界面活性剤としては、一般式RX(CH2CH2O)nHを有するポリオキシ−エチレンが挙げられる。ここで、Rは通常一般的な界面活性剤疎水性基であるが、ポリオキシプロピレンのようなポリエーテルであってもよい。そしてXはO、N、またはポリオキシエチレン鎖を疎水性物質に結合させることができる他の官能基である。「n」は、オキシエチレン単位の平均の数を表し、十分な水溶性を得るためには5より大きい値を有する必要がある。非イオン性界面活性剤の他の例としては、糖類の誘導体、ポリグリセロールおよび他のポリオールの誘導体が挙げられる。両性界面活性剤としては、アミノカルボン酸およびレシチン、ベタインおよびスルホベタインのような両性電解質という範疇に入れられるものが挙げられる。適切な界面活性剤の選択は、微多孔性フィルム自身の表面張力に大きく依存する。微多孔性フィルムの細孔の中への効果的な浸透を得るために、微多孔性フィルムの表面張力値と等しい、より好ましくはその値未満の表面張力値を有する界面活性剤を使うことが好ましい。ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムのようなアルキルアリールスルホネート、ドデシルスルホン酸ナトリウムのような脂肪族スルホネートおよびAerosil OTのような硫酸エステル界面活性剤の群が例として挙げられる陰イオン界面活性剤は、我々が好ましいと考えるものである。好ましい陽イオン界面活性剤の例には、ドデシルトリメチル塩化アンモニウムのような第四級アンモニウム化合物を含む群が包含される。界面活性剤の適切な濃度は、水溶性ポリマーの量および種類に依存する。水溶液中での界面活性剤の量は、界面活性剤/水溶性ポリマー溶液自身の臨界凝集濃度(CAC)値より高く、好ましくは、臨界ミセル濃度(CMC)値より高い。フィルムを親水性化するのに適した界面活性剤の乾燥重量は高々1.5g/m2まで、好ましくは高々0.5g/m2までである。
【0038】
含浸溶液に用いられる水溶性ポリマーは、水溶性であればよく、バイオポリマー、合成ポリマーおよびそれらの混合物として分類されるポリマーの任意のものから選択することができる。バイオポリマーの種類の例としては、ゼラチン、カゼインと他の水溶性のタンパク質のようなタンパク質、デキストリンおよびデンプンが挙げられる。実際には、好適なゼラチンは、特に動物の骨および皮膚から酸処理または石灰処理を通して作り出されたもの、および同じく化学反応、酵素処理または熱処理を通してその後修飾されたものである。適切なゼラチンの例としては、酸処理豚皮ゼラチン、酸処理オセインゼラチン、石灰処理オセインゼラチン、魚皮ゼラチン、およびフタレート基で修飾されたゼラチン、第四級アンモニウム誘導体で修飾されたゼラチン、スクシニル基およびドデシルスクシニル基で修飾されたゼラチン、カルバミル基で修飾されたゼラチン、ラウリル基で修飾されたゼラチン、ビニルアルコール基で修飾されたゼラチン、ビニルピロリドンで修飾されたゼラチン、スチレンスルホネートで修飾されたゼラチンのような化学的に修飾されたゼラチン、加水分解ゼラチンおよび組換ゼラチンが挙げられる。好適なバイオポリマーの例としては他に、デンプンならびに陽イオン性デンプン、両性デンプン、酸化デンプンおよびアラビアゴムのようなデンプン誘導体があげられる。
【0039】
平均分子量が200kDより高いポリマー分子は、分子が効率的に細孔に入り込むことができないため、本発明に適していないと考えられる。一方、平均分子量が1kD未満のポリマーでは、界面活性剤分子との相互作用が少なすぎる。したがって、バイオポリマーにおいて好ましい分子量は、1kD〜200kDの範囲内にあり、より好ましくは5kD〜50kDの範囲内にある。
【0040】
合成水溶性ポリマーの例としては、ポリビニルアルコール(PVA)、カルボキシル化ポリビニルアルコール等のPVA系ポリマー、ポリアクリルアミド−ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシメチルセルロースおよびヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂、アルギン酸塩、スチレンとマレイン酸無水物とのアルカリ溶解性コポリマー、ポリアミノアミド樹脂、ポリエチレンオキシド、ポリエチレンイミン、第四級アンモニウム塩ポリマー、NBRラテックスおよびポリエチレンオキシド(PEO)である。合成ポリマーの好ましい平均分子量は、14kD〜200kDの範囲内にある。
【0041】
処理された微多孔性フィルムの吸収量および湿潤特性の向上に対して顕著な効果を奏するためには、水溶性ポリマーの量は0.01重量%以上であることが好ましい。水溶性ポリマーの好ましい量は、0.1重量%以上である。水溶性ポリマーの乾燥重量に対しての適切な範囲は高々2.0g/m2までであり、好ましくは0.01〜1.0g/m2の範囲内、より好ましくは0.04〜0.5g/m2の範囲内である。
【0042】
湿潤性および/または吸収特性ならびに白色度および光沢のような微多孔性フィルムの外観をさらに改善するために、若干の適切な添加物を親水性液の中に加えることができる。
【0043】
本発明で使われる支持体は、必要に応じて、少なくともポリオレフィン樹脂および帯電防止剤を含有するポリマーマトリックスで裏面がコートされていてよい。さらに、支持体は、紙、写真用原紙、合成紙またはプラスチックフィルムから選択される。プラスチックフィルムの材料の例としては、ポリエチレンおよびポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニルおよびポリスチレン等のビニルコポリマー、6,6−ナイロンおよび6−ナイロン等のポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2および6−ナフタレートおよびポリカーボネート等のポリエステル、ならびにセルローストリアセテートおよびセルロースジアセテート等の酢酸セルロースが挙げられる。本発明の微多孔性フィルムは、使われる構成により、2つの異なる表面を有することができる。使用可能な層の数は、実際、技術的理由によってのみ制限される。連続的または同時に押し出される2、3、4または5層を使うことが可能であり、そこで、高フィラー装填層および低フィラー装填層を対称または非対称で使うことができる。生産の見地からは、共押出として知られている同時押出が好ましい。微多孔性フィルムを対称的に構築しない場合、フィルムの両面をインク受容層として使うことができる。両方とも利点を有する。低フィラー装填層を表層として用いる場合には表層光沢が高められ、インク受容層として高フィラー装填層を用いる場合には吸収速度が増加する。
【0044】
さらに、インク受容層を、支持体に接着している微多孔性フィルムの表面上にコートすることができる。インク受容層は、当該層の吸湿特性および正確なドットサイズで画像を固定し、良好な画像安定性を提供するその高い能力によって特徴づけられる。インク受容層は、バインダー、ならびにベーマイトおよび擬似ベーマイト等のアルミニウム酸化物からなる群、シリカゲル、溶融シリカおよび沈殿シリカ等のシリカからなる群より選択される微細な多孔性顔料粒子、ならびに必要に応じて界面活性剤および媒染剤などの種々の周知の添加物を含有する。
【0045】
あるいは、水溶性バインダーを含有するインク受容層はまた、微多孔性フィルムの表面上にコートするのにも適している。この場合、該インク受容層は、実質的に顔料を含まない。このインク受容構成では、印刷される画像の褪色に対して、前記構成より良好な保護が得られる。バインダーのために適切な材料は、ゼラチンまたはその修飾生成物の1つ、ポリビニルアルコール誘導体、NBRラテックス、セルロース誘導体、第四級アンモニウム塩ポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、ポリアクリル酸、ポリウレタンおよびそれらの組み合わせから選択することができる。
【0046】
必要に応じて、インク受容層は、インクジェット媒体の白色度および光沢外観を改善するために、他の物質を含んでもよい。
【0047】
さらに、光沢外観および他のさらなる特性を改善するために、インク受容層の上面にオーバーコーティング層をコートすることができる。この層は、適切な架橋剤と組み合わせて、ヒドロキシメチルセルロースおよびヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール誘導体、ゼラチンまたは修飾ゼラチンを含んでもよい。このオーバーコーティング層は多孔性ではないが、インク透過性である。
【0048】
本発明は、下記の非制限的な実施例によって詳細に説明される。ここでは、本発明実施例は「E」、そして比較実施例は「C」によって示される。
【実施例1】
【0049】
(実施例E1)
層構造A−Bを有する微多孔性フィルムを、以下の工程に従って製造した。
層構造:
−層Aは、70重量%のCaCO3(平均粒径2μm)および界面活性剤として1%のソルビタンエステルを含むポリオレフィンLLDPEであった。
−層Bに、50重量%のCaCO3(平均粒径2μm);49重量%のポリオレフィンLLDPE;および界面活性剤として1%のソルビタンエステルを含有させた。
−フィルムを以下の製造工程に供した:
−2枚の重なったフィルムを220℃において共押出し、重層体を成形した。
−該重層体を冷却した。
−単軸延伸を延伸比5で70℃において行った。
−厚さは、72μmである。
フィルムの厚さは、Lorentzen&WettreモデルSE051D2によって決定した。測定されたフィルム厚さは、72μmであった。
【実施例2】
【0050】
(実施例E2)
実施例E1の微多孔性フィルムを、166g/m2のベース紙の支持体にラミネートされたサイドB上においてコロナ処理した。フィルムおよび支持体を、石灰骨ゼラチン水溶液(20重量%)およびシリカスラリー(グレード名sylojet703A(水中分散シリカゲル18重量%)供給元:Grace Davison)を比率36/64で混合した組成の接着溶液を用いてラミネートした。
スラリーの全体の乾燥重量は18.7重量%であった。スラリーをKハンドコーターBAR3(湿潤コーティング厚さ24μm)でコートした。乾燥後、コートされた重量は5g/m2であった。
【実施例3】
【0051】
(実施例E3)
実施例E2のラミネートされた微多孔性フィルムを、無機顔料およびバインダーを含有するインク受容層でコートした。顔料(Sasol(ドイツ)から購入したベーマイト構造のアルミニウム水和物HP14の40%懸濁液)およびバインダー(Nippon Gohsei Europe GmbHから購入したポリビニルアルコールZ320の10%溶液)を別個に調製し、その後混合した。PVAおよびHP14の間の乾燥重量比は1:14であった。
KハンドコーターBar5(湿潤コーティング厚さ50μm)でインク受容層をコーティングする前に実施例E2の基材をコロナ処理し、オーブン中で50℃で乾燥した。乾燥後、コートされた重量は20g/m2であった。
【実施例4】
【0052】
(実施例E4)
厚さを36μmとした以外は、実施例E1と同様である微多孔性フィルム。
【実施例5】
【0053】
(実施例E5)
実施例E4の微多孔性フィルムを、166g/m2のベース紙の支持体にラミネートされたサイドB上においてコロナ処理した。フィルムおよび支持体を実施例E2で記載された接着剤(ゼラチン/シリカ混合物)を使ってラミネートした。
【実施例6】
【0054】
(実施例E6)
実施例E5からのラミネートされた微多孔性フィルムを、実施例E3で記載されたのと同じインク受容層でコートした。
【実施例7】
【0055】
(実施例E7)
厚さを43μmとした以外は、実施例E4と同様である微多孔性フィルム。
【実施例8】
【0056】
(実施例E8)
実施例E7からの微多孔性フィルムを、166g/m2のベース紙の支持体にラミネートされたサイドB上においてコロナ処理した。フィルムおよび支持体を実施例E2で記載された接着剤(ゼラチン/シリカ混合物)を使ってラミネートした。
【実施例9】
【0057】
(実施例E9)
実施例E8のラミネートされた微多孔性フィルムを、実施例E3で記載されたのと同じインク受容層でコートした。
【0058】
(比較例C1)
以下の配合で単層(層C)構造を有すること以外、実施例E1で記載されたのと同じ条件において製造された微多孔性フィルム。
層Cは、2μmの平均粒径を有する50重量%のCaCO3を含む。他の成分は、49重量%のポリオレフィンLLDPEおよび界面活性剤として1%のトリグリセロールエステルである。
延伸後の微多孔性フィルムの厚さは、32μmであった。
【0059】
(比較例C2)
比較例C1の微多孔性フィルムを、166g/m2のベース紙の支持体にラミネートされたサイド上においてコロナ処理した。フィルムおよび支持体を実施例E2で記載された接着剤(ゼラチン/シリカ混合物)を使ってラミネートした。
【0060】
(比較例C3)
比較例C2のラミネートされた微多孔性フィルムを、実施例E3で記載されたのと同じインク受容層でコートした。
【0061】
(比較例C4)
厚さを53μmとした以外は、比較例C1と同様である微多孔性フィルム。
【0062】
(比較例C5)
比較例C4の微多孔性フィルムを、166g/m2のベース紙の支持体にラミネートされたサイド上においてコロナ処理した。フィルムおよび支持体を実施例E2で記載された接着剤(ゼラチン/シリカ混合物)を使ってラミネートした。
【0063】
(比較例C6)
比較例C5からのラミネートされた微多孔性フィルムを、実施例E3で記載されたのと同じインク受容層でコートした。
【0064】
(比較例C7)
以下の工程に従って、単層構造を有する微多孔性フィルムを製造することを試みた。
−層Cが、2μmの平均粒径を有する70重量%のCaCO3を含む。
−他の成分は、29重量%のポリオレフィンLLDPEおよび界面活性剤としての1%のトリグリセロールエステルである。
−単層フィルムを220℃において押出して重層体を成形し、
−該重層体を冷却し、
−単軸延伸を延伸比5で70℃において行った。
延伸している間に、フィルムは破断した。
【0065】
上記実施例への印刷のために、エプソン890インクジェットプリンタを使用した。印刷された画像は、種々の色および色密度を有するテストパッチを含む。
【0066】
印刷完了の10秒後、印刷試験物の上に、無地コピー用紙である最上級print‘n copy(80g/m2、供給元:Proost en Brandt)のA4サイズのシートを置き、該A4用紙に均等に500gの重量をかけることにより、印刷物の乾燥速度を決定した。該シートは1分後に外した。無地コピー用紙に移行しているインクの量をチェックすることにより、乾燥速度を定量的に判断した。ほとんどインクが移行していない場合、乾燥が非常に良好である(4)と判断し、原本ではあまり多くのインクが印刷されていない領域であっても非常に多量のインクが無地コピー用紙に移行している場合、この乾燥は不良である(1)と判断した。同様に、良好な乾燥(3)およびやや不良である乾燥(2)も特定した。
【0067】
【表1】

1)層A/層B
2)空気透過率は、Bekk平滑度テスター(供給元:Messmer Buchel)を使って測定した。設定:体積1/10、圧力インターバル50.66−29.33kPa。
3)インク浸透時間は、0.2μlのエプソン770ブラックインクのインク液滴を多孔性フィルムの片面に垂らすことにより測定した。浸透時間は、インクがフィルムの反対面に達するのに必要な時間(秒)である。これは、目視により記録した。
4)インク浸透速度は、単位厚さあたりの浸透時間である。
【0068】
【表2】

順位:1:遅い乾燥 から 最高4:速い乾燥 まで。
【0069】
表1および表2から、本発明の微多孔性シートが非常に良好な空気透過性およびインク浸透速度(それは、親水性液体浸透速度として一般化することができる)を有すると結論付けることができる。インクジェット用途で使われる場合、本発明のフィルムにより、非常に良好な乾燥速度が得られる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1層が少なくとも1つのフィラーを50重量%より多く含有すること、他の少なくとも1層が少なくとも1つのフィラーを30重量%より多く50重量%以下含有することを特徴とする、疎水性熱可塑性樹脂の多層構造を含む微多孔性フィルム。
【請求項2】
>50%のフィラー含有量を有する少なくとも1つの前記層が親水性成分を含む、請求項1に記載の微多孔性フィルム。
【請求項3】
前記熱可塑性樹脂の多層構造を、前記フィルムを親水性液に浸漬し、続いて乾燥することにより、親水性にするまたはより親水性にする、請求項1または2に記載の微多孔性フィルム。
【請求項4】
上記微多孔性フィルムが、以下の工程:
少なくとも1つのポリオレフィン、および>50%の量の1つの無機フィラーおよび/または有機フィラー、および必要に応じて親水性成分を含む少なくとも1つの熱可塑性樹脂を調製する工程;
少なくとも1つのポリオレフィン、および>30%かつ≦50%の量の1つの無機フィラーおよび/または有機フィラー、および必要に応じて親水性成分を含む少なくとも1つの熱可塑性樹脂を調製する工程;
少なくとも両方の樹脂を、それらの重層体を成形するために、高温において連続的または同時に押出する工程;
該重層体をプレ延伸する工程;
該重層体が固化するまで該重層体を冷却する工程;
該微多孔性フィルムを成形するために、冷却された該重層体を延伸する工程;
を含む方法により得られる、前記の請求項のいずれかに記載の微多孔性フィルム。
【請求項5】
Sが延伸比=L2/L1であり、L1が延伸方向に平行な線上にある溶融押出された前記重層体上に位置する2つの参照点の間の距離であり、そしてL2が延伸された前記微多孔性フィルム上に位置する同じ2つの参照点の間の距離である場合に、1.5<S<10、好ましくは2<S<6である、前記の請求項のいずれかに記載の微多孔性フィルム。
【請求項6】
前記微多孔性フィルムが150μm未満、好ましくは15〜100μm、より好ましくは15〜60μmの厚さを有する、前記の請求項のいずれかに記載の微多孔性フィルム。
【請求項7】
前記低フィラー充填層に対する前記高フィラー充填層の比率が1/1〜4/1の間である、前記の請求項のいずれかに記載の微多孔性フィルム。
【請求項8】
前記微多孔性フィルムの全空隙体積が、その微多孔性フィルムの少なくとも25%である、前記の請求項のいずれかに記載の微多孔性フィルム。
【請求項9】
前記疎水性熱可塑性樹脂が、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンとα−オレフィンとのコポリマー、エチレンとアクリル酸とのコポリマー、エチレンとメタクリル酸とのコポリマー、エチレンと酢酸ビニルとのコポリマー、およびそれらの混合物からなる群から選択されるポリオレフィンを含む、前記の請求項1に記載の微多孔性フィルム。
【請求項10】
前記層のうちの少なくとも1つの層の中のフィラーが40μm未満、好ましくは0.5〜10μmの間の平均粒径を有する、前記の請求項のいずれかに記載の微多孔性フィルム。
【請求項11】
前記フィラーが、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、二酸化チタンおよびそれらの混合物からなる群から選択される、前記の請求項のいずれかに記載の微多孔性フィルム。
【請求項12】
前記親水性成分が、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルおよびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項2〜11に記載の微多孔性フィルム。
【請求項13】
前記親水性成分の量が、前記微多孔性フィルムの全重量の5重量%未満、好ましくは0.5〜3重量%の間である、請求項2〜12に記載の微多孔性フィルム。
【請求項14】
前記親水性液が、水溶性ポリマー、ならびにアルキルアリールスルホネート、アルキル硫酸エステル、スルホコハク酸アルキルエステルおよび脂肪族スルホネートを含む陰イオン界面活性剤から、および第四級アンモニウム化合物を含む陽イオン界面活性剤から選択される界面活性剤を含む、請求項3〜13に記載の微多孔性フィルム。
【請求項15】
前記水溶性ポリマーが、ゼラチン、修飾ゼラチン、デンプン、PVA系ポリマー、PVP、PEO、ポリアクリルアミド、ポリアクリレートおよびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項14に記載の微多孔性フィルム。
【請求項16】
前記界面活性剤の乾燥重量が0〜1.5g/m2の間であり、そして前記水溶性ポリマーの乾燥重量が0〜2.0g/m2の間である、請求項14に記載の微多孔性フィルム。
【請求項17】
支持体および前記の請求項のいずれかに記載の微多孔性フィルムを含む記録媒体。
【請求項18】
前記媒体を親水性液に浸漬し、続いて乾燥することにより、その媒体をより親水性にする、請求項17に記載の媒体。
【請求項19】
前記親水性液が、水溶性ポリマー、ならびにアルキルアリールスルホネート、アルキル硫酸エステル、スルホコハク酸アルキルエステルおよび脂肪族スルホネートを含んでいる陰イオン界面活性剤から、および第四級アンモニウム化合物を含んでいる陽イオン界面活性剤から選択される界面活性剤を含む、請求項18に記載の媒体。
【請求項20】
インク受容層を前記微多孔性フィルムの表面上にコートする、請求項17〜19のいずれかに記載の媒体。
【請求項21】
前記インク受容層が、シリカ、ベーマイト、擬似ベーマイトおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される無機粒子を含む、請求項20に記載の媒体。
【請求項22】
前記インク受容層が、ゼラチン、修飾ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、ポリアクリル酸、ポリウレタン、セルロース誘導体およびそれらの混合物からなる群から選択されるバインダーを含む、請求項20または21に記載の媒体。
【請求項23】
インク浸透保護層を前記インク受容層の上面にコートする、請求項17〜22のいずれかに記載の媒体。
【請求項24】
前記保護層が、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール誘導体、ゼラチン、修飾ゼラチンおよびそれらの組み合わせからなる群から選択されるポリマーを含む、請求項23に記載の媒体。
【請求項25】
請求項1〜16に記載の微多孔性フィルムが、接着層を介して支持体に接着している、請求項17〜24の媒体の製造方法。
【請求項26】
前記記録媒体が、インクジェット記録媒体、ジークレー印刷記録媒体、カラーコピー記録媒体、スクリーン印刷記録媒体、グラビア印刷記録媒体、染料昇華記録媒体またはフレキソ印刷記録媒体である、請求項17〜24のいずれかに記載の記録媒体。
【請求項27】
請求項17〜24のいずれかに記載のインクジェット記録媒体を提供する工程、およびインクジェットインクを所望の画像のパターンにおいてその媒体に接触するように導入する工程を含む、恒久的で高精度のインクジェット画像を形成する方法。





【公表番号】特表2007−506587(P2007−506587A)
【公表日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−532122(P2006−532122)
【出願日】平成16年5月14日(2004.5.14)
【国際出願番号】PCT/NL2004/000333
【国際公開番号】WO2004/101659
【国際公開日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(598169815)フジ フォト フィルム ビー.ブイ. (12)
【氏名又は名称原語表記】Fuji Photo Film B.V.
【Fターム(参考)】