説明

微小有機物の同定分析方法

【課題】10μm以下の微小な有機物を確実に採取し、該微小有機物の同定が可能となる微小有機物の同定分析方法を提供する。
【解決手段】微小有機物に近接場赤外光を照射し、該微小有機物の赤外吸収スペクトルを測定する微小有機物の同定分析方法において、
前記微小有機物を、赤外光の反射率の高い材料で形成され又は該反射率の高い材料で被覆された、該微小有機物の採取用プローブに付着させる過程と、
前記微小有機物を、測定用基板に移し変えることなく、微小有機物の採取用プローブに付着させたままで、該微小有機物の赤外吸収スペクトルを測定する過程と、を含む構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微小有機物の同定分析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ピンセットでの採取が困難であるような微小有機物の採取方法として、顕微鏡視野下で試料を採取するためのプローブをマニピュレータによって操作するマイクロマニピュレータシステムが一般的に利用されている。
このマイクロマニピュレータシステムは、2本のプローブで微小有機物を挟んで採取したり、1本のプローブでも静電気力や分子間力などによって微小有機物を付着させることができる。
さらに、このマイクロマニピュレータシステムを利用して、採取した微小有機物を分析用試料台上に置くこともできる。
また、試料台に移し替えることなく、試料採取用プローブのまま、分光分析を行う方法として、特許文献1では、赤外分光測定法および該測定法に用いる冶具が提案されている。
また、特許文献2では、試料の採取方法及びその光学的分析方法、並びにこれらの方法に用いる試料採取具が提案されている。
【0003】
従来において、微小有機物の同定分析方法として、該有機物の赤外吸収スペクトルを測定する方法が最も広く一般的に利用されている。
顕微鏡型の顕微赤外分光装置を利用すると、約10μm以上の大きさを有する微小有機物の赤外吸収スペクトルを測定することができる。
測定試料が吸収する赤外波長は、種々の有機分子構造に由来する固有の情報となるため、試料の赤外吸収スペクトルを測定することによって、有機分子構造を同定することが可能となる。
また、有機物の分析方法としての歴史が長いため、膨大なデータベースが存在し、未知の有機物の分析でも該データベースによって同定解析が可能となっている。
【特許文献1】特開2001−255263号公報
【特許文献2】特開平11−44616号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これら従来の微小有機物の採取方法及び同定分析方法においては、次のような課題を有している。
マイクロマニピュレータを利用した微小有機物の採取方法では、採取すべき微小有機物の大きさが数十μm以下になると、微小有機物に対する重力よりも該プローブとの間に働く静電気力や分子間力の作用の方が大きくなる。
このため、採取した該微小有機物を分光分析用試料台上に置く際、該微小有機物が該プローブから離れなくなるという課題が生じる。
【0005】
これに対し、静電気力を弱める除電装置による処理や、採取した該微小有機物と赤外吸収スペクトル測定用試料台上との間に静電気力を作用させるなどの方法により、採取した該微小有機物を赤外吸収スペクトル測定用試料台上に置くようにすることも考えられる。
しかしながら、これらによっても100%確実に該微小有機物を移し替えることができるとは言えない。
また、無理にプローブを基板に押し付けて移し変えると、該微小有機物をさらに小さく砕いてしまい、同定するに充分なS/N比をもったスペクトルを得ることが出来ない。
以上のように、従来の微小有機物の採取方法では、数十μm以下の微小有機物を採取する場合、該微小有機物を測定用試料台に移し替えることが難しく、同定分析するための赤外吸収スペクトルの測定ができなくなることがあった。
【0006】
微小有機物の同定分析に用いられる赤外分光装置には顕微鏡型の顕微赤外分光装置があり、微小な試料や試料の微小部の分析にも対応できるようになっている。
しかし、これによる場合、光の回折限界により、赤外光波長程度までしか絞れないため、空間分解能は約10μm以上となり、10μm以下の極微小な試料の分析は原理的に困難である。
そのため、試料を上記した特許文献1や特許文献2などの方法により、反射率の高いプローブ上にサンプリングし、分光測定を行っても、試料サイズが10μm以下と極微小である場合は、同定に充分なS/N比を持ったスペクトルを得ることは困難である。
【0007】
近年開発が進み、市販されている近接場赤外光を利用した近接場赤外分光装置を用いることによって、10μm以下の微小な有機物の同定分析が可能となることが見出され始めている。
しかしながら、発明者らの鋭意検討を進めた結果、10μm以下の微小な有機物の同定分析は、どのような状況でも可能となる訳ではない。赤外吸収スペクトルを測定する条件を整えなければ、ほとんどの場合、近接場赤外分光装置を用いても10μm以下の微小な有機物の同定分析は難しい、ということがわかった。
それは、近接場赤外光によって赤外光の照射領域を10μm以下にすることは可能となるが、測定試料の赤外吸収スペクトルは、有機分子構造に由来する特性吸収の合成波形であり、各特性吸収には決まったモル吸光係数εが存在する。
このようなことから、測定試料の赤外吸収光を効率良く検出するための測定光学系を設計しなければ、10μm以下の測定試料の赤外吸収スペクトルを取得することは原理的にも難しい。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑み、10μm以下の微小な有機物を確実に採取し、該微小有機物の同定が可能となる微小有機物の同定分析方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、以下のように構成した微小有機物の同定分析方法を提供するものである。
本発明の微小有機物の同定分析方法は、微小有機物に近接場赤外光を照射し、該微小有機物の赤外吸収スペクトルを測定する微小有機物の同定分析方法において、
前記微小有機物を、赤外光の反射率の高い材料で形成され又は該反射率の高い材料で被覆された、該微小有機物の採取用プローブに付着させる過程と、
前記微小有機物を、測定用基板に移し変えることなく、微小有機物の採取用プローブに付着させたままで、該微小有機物の赤外吸収スペクトルを測定する過程と、を含むことを特徴とする。
また、本発明の微小有機物の同定分析方法は、前記微小有機物の赤外吸収スペクトルを測定する過程において、
前記微小有機物を、近接場赤外光を発生させる部位と、該微小有機物採取用プローブとの間に配置し、
赤外吸収スペクトルを測定することを特徴とする。
また、本発明の微小有機物の同定分析方法は、前記微小有機物の赤外吸収スペクトルを測定する過程において、
前記微小有機物を、微小有機物の採取用プローブに付着させたままで、近接場赤外光を発生させる部位と、赤外光の反射率の高い材料で形成され又は該赤外光の反射率の高い材料で被覆された基板との間に配置し、
赤外吸収スペクトルを測定することを特徴とする。
また、本発明の微小有機物の同定分析方法は、前記微小有機物の採取用プローブが、前記微小有機物を付着させる部分が光学的集光作用のある断面形状を有することを特徴とする。
また、本発明の微小有機物の同定分析方法は、前記微小有機物を付着させる部分の断面形状が、V字形状又は凹面鏡形状を有することを特徴とする。
また、本発明の微小有機物の同定分析方法は、前記微小有機物の採取用プローブが、該プローブから近接場赤外光を発生させるプローブであることを特徴とする。
また、本発明の微小有機物の同定分析方法は、前記プローブから近接場赤外光を発生させるプローブが、該プローブの先端径が2μm以下であることを特徴とする。
また、本発明の微小有機物の同定分析方法は、前記微小有機物の赤外吸収スペクトルを測定する過程において、
前記微小有機物を、微小有機物の採取用プローブに付着させたままで、前記プローブと、赤外光の反射率の高い材料で形成され又は該赤外光の反射率の高い材料で被覆された基板と、の間に配置し、
赤外吸収スペクトルを測定することを特徴とする。
また、本発明の微小有機物の同定分析方法は、前記基板が、前記微小有機物が配置される基板部分が光学的集光作用のある断面形状を有することを特徴とする。また、本発明の微小有機物の同定分析方法は、前記基板部分の断面形状が、V字形状又は凹面鏡形状を有することを特徴とする。
また、本発明の微小有機物の同定分析方法は、前記赤外光の反射率の高い材料として、波長4μmでの反射率が98%以上である材料を用いることを特徴とする。
また、本発明の微小有機物の同定分析方法は、前記波長4μmでの反射率が98%以上である材料として、銀,金,アルミニウム,インジウム,鉛のいずれかを用いることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、10μm以下の微小な有機物を確実に採取し、該微小有機物の同定が可能となる微小有機物の同定分析方法を実現することができる。
また、本発明の上記した微小有機物の採取方法及び同定分析方法によれば、微小有機物を赤外吸収スペクトル測定用試料台上に移し替えることなく、微小有機物採取用プローブに付着させた状態のまま、赤外吸収スペクトルを測定することが可能となる。
そのため、試料である微小有機物の採取から赤外吸収スペクトル測定による同定分析まで時間的な効率の良い分析方法となる。
また、本発明の上記した構成によれば、試料が移し替えることができなかったり、紛失してしまうなどの試料採取上の問題がなくなるため、希少な試料も確実に赤外吸収スペクトルを測定することができる、試料採取の効率の良い同定分析方法となる。
また、本発明の上記した構成によれば、発生した散乱光を多重散乱させ信号を増幅させることで、より良好なS/N比を持った赤外吸収スペクトルを得ることができる。その結果、確実な同定分析が可能となる。
以上のように試料採取の効率が良く、さらに時間的な効率も良い微小有機物の採取方法及び確実な同定分析方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明を実施するための最良の形態を、以下の実施例により説明する。
【実施例】
【0012】
以下に、上記した本発明の構成を適用した実施例における微小有機物に近接場赤外光を照射し、該微小有機物の赤外吸収スペクトルを測定する微小有機物の同定分析方法について説明する。
[実施例1]
実施例1においては、本発明を適用した微小有機物の同定分析方法について説明する。
図1に、本実施例における微小有機物の同定分析方法を説明する図を示す。
図1において、1は照射赤外光、2は検出赤外光、3は近接場光発生用プローブ、4は近接場赤外光発生領域、5は微小有機物の採取用プローブ、6は微小有機物である。
【0013】
本実施例において、微小有機物の赤外吸収スペクトルを測定するに際し、
まず、微小有機物の採取用プローブに付着させる過程において、微小有機物6の採取は、微小有機物の採取用プローブ5を取り付けたマニピュレータにより採取する。
微小有機物採取用プローブ5は、赤外光の反射率の高い材料である金を蒸着したものが用いられる。
但し、このように金蒸着により被覆されたものに限らず、金で形成されたものを用いるようにしてもよい。
ここで、赤外光の反射率の高い材料として、波長4μmでの反射率が98%以上である材料から選択することができる。
例えば、銀,金,アルミニウム,インジウム,鉛のいずれかを用いることができる。
【0014】
次に、微小有機物の赤外吸収スペクトルを測定する過程において、前記微小有機物を、測定用基板に移し変えることなく、微小有機物の採取用プローブに付着させたままで、近接場赤外光を発生させる部位と、該微小有機物採取用プローブとの間に配置する。
具体的には、マニピュレータにより微小有機物6を採取した後、微小有機物の採取用プローブ5はマニピュレータから外し、近接場赤外分光装置の試料ステージに設置する。
この近接場赤外分光装置には、近接場光発生用プローブ3、赤外光1の焦点位置を近づけて設置するための補助手段となる実体顕微鏡および観察のためのカメラを備えられている。
その際、微小有機物の採取用プローブ5は、前記微小有機物を付着させる部分が光学的集光作用のある断面形状とするため、図2(a)に示すように凹面鏡形状とし、又は図2(b)に示すようにV字形状にすることができる。
これにより、散乱光を多重散乱させ、より良好なスペクトルを得ることができる。
【0015】
[実施例2]
実施例2においては、実施例1よりも、より一層赤外吸収光の検出効率が上がるようにした構成例について説明する。
図3に、微小有機物を、微小有機物の採取用プローブに付着させたままで、近接場赤外光を発生させる部位と、赤外光の反射率の高い材料である金で蒸着された基板との間に配置した構成例を説明する図を示す。
図3には図1の実施例1と同じ構成に同一の符号が付されているので、共通する部分の説明は省略する。
図3において、7は金で蒸着された基板である。
【0016】
本実施例においては、試料である微小有機物を、上記した赤外光の反射率の高い材料の一つである金を蒸着したシリコン基板との間に配置して、赤外吸収光を測定するようにされている。
これによると、無蒸着のシリコン基板との間に配置して、赤外吸収光を測定する場合に比べ、赤外吸収光の検出効率を向上させることが可能となる。
なお、上記構成例では、基板を金蒸着により被覆するようにしたが、このような構成に限らず、金で形成されたものを用いるようにしてもよい。
その際、基板は微小有機物が配置される基板部分を、図3に示すように光学的集光作用のある断面形状のV字形状とすることができる。
このようにV字形状又は凹面鏡形状にすることで散乱光を多重散乱させ、より良好なスペクトルを得ることができる。
このようにして、φ10μm、厚さ5μmの柱状のポリメタクリル酸メチル(PMMA)樹脂を日本分光製近接場赤外分光装置NFIR−200によって赤外吸収スペクトルを計測した。
その結果、図6のようにS/Nの高いデータベースによる同定解析可能なスペクトルを得ることができた。
【0017】
[実施例3]
実施例3においては、微小有機物の採取用プローブを、近接場赤外光を発生させるプローブで構成した構成例について説明する。
図4に、微小有機物の採取用プローブを、近接場赤外光を発生させるプローブで構成した構成例を説明する図を示す。
図4には図1の実施例1と同じ構成に同一の符号が付されているので、共通する部分の説明は省略する。
図4において、8は微小有機物の採取用プローブが近接場赤外光を発生させるプローブで構成された試料採取兼近接場光発生源用プローブである。
【0018】
本実施例においては、前記微小有機物を、微小有機物の採取用プローブに付着させたままで、前記試料採取兼近接場光発生源用プローブと、赤外光の反射率の高い材料で形成され又は該赤外光の反射率の高い材料で被覆された基板と、の間に配置する。
ここで用いられるブローブは、先端径が2μm以下であることが望ましい。
このような構成により、赤外吸収スペクトルを測定することで、効率よく赤外吸収スペクトルを測定することが可能となる。
さらに、図5に示すように、微小有機物が配置される基板部分が光学的集光作用のある断面形状のV字形状とすることができる。
このようにV字形状又は凹面鏡形状にすることで散乱光を多重散乱させ、より良好なスペクトルを得ることができる。
【0019】
(比較例)
φ10μm、厚さ5μmの柱状のポリメタクリル酸メチル(PMMA)樹脂を無蒸着のシリコン基板上に付着させ、実施例2と同様に日本分光製近接場赤外分光装置NFIR−200によって赤外吸収スペクトルを計測した。
その結果、図6と同じ吸光度範囲で示すと、図7のようにS/Nの高くないデータベースによる同定解析が困難なスペクトルしか得ることができなかった。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施例1における微小有機物の同定分析方法を説明する図。
【図2】本発明の実施例1における集光作用のあるプローブ形状を説明する図であり、(a)は凹面鏡形状を有するプローブ、(b)はV字形状を有するプローブを示す図。
【図3】本発明の実施例2における微小有機物を、微小有機物の採取用プローブに付着させたままで、近接場赤外光を発生させる部位と、赤外光の反射率の高い材料である金で蒸着された基板との間に配置した構成例を説明する図。
【図4】本発明の実施例3における微小有機物の採取用プローブを、近接場赤外光を発生させるプローブで構成した構成例を説明する図。
【図5】本発明の実施例3における集光作用のあるV字形状とした基板形状を説明する図。
【図6】本発明の実施例における赤外線反射率の高い測定基板を用いて測定した赤外吸収スペクトルを示す図。
【図7】従来の方法により測定した赤外吸収スペクトルを示す図。
【符号の説明】
【0021】
1:照射赤外光
2:検出赤外光
3:近接場光発生用プローブ
4:近接場赤外光発生領域
5:微小有機物の採取用プローブ
6:微小有機物
7:基板
8:試料採取兼近接場光発生源用プローブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
微小有機物に近接場赤外光を照射し、該微小有機物の赤外吸収スペクトルを測定する微小有機物の同定分析方法において、
前記微小有機物を、赤外光の反射率の高い材料で形成され又は該反射率の高い材料で被覆された、該微小有機物の採取用プローブに付着させる過程と、
前記微小有機物を、測定用基板に移し変えることなく、微小有機物の採取用プローブに付着させたままで、該微小有機物の赤外吸収スペクトルを測定する過程と、
を含むことを特徴とする微小有機物の同定分析方法。
【請求項2】
前記微小有機物の赤外吸収スペクトルを測定する過程において、
前記微小有機物を、近接場赤外光を発生させる部位と、該微小有機物採取用プローブとの間に配置し、
赤外吸収スペクトルを測定することを特徴とする請求項1に記載の微小有機物の同定分析方法。
【請求項3】
前記微小有機物の赤外吸収スペクトルを測定する過程において、
前記微小有機物を、微小有機物の採取用プローブに付着させたままで、近接場赤外光を発生させる部位と、赤外光の反射率の高い材料で形成され又は該赤外光の反射率の高い材料で被覆された基板との間に配置し、
赤外吸収スペクトルを測定することを特徴とする請求項1に記載の微小有機物の同定分析方法。
【請求項4】
前記微小有機物の採取用プローブは、前記微小有機物を付着させる部分が光学的集光作用のある断面形状を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の微小有機物の同定分析方法。
【請求項5】
前記微小有機物を付着させる部分の断面形状が、V字形状又は凹面鏡形状を有することを特徴とする請求項4に記載の微小有機物の同定分析方法。
【請求項6】
前記微小有機物の採取用プローブが、該プローブから近接場赤外光を発生させるプローブであることを特徴とする請求項1に記載の微小有機物の同定分析方法。
【請求項7】
前記プローブから近接場赤外光を発生させるプローブは、該プローブの先端径が2μm以下であることを特徴とする請求項6に記載の微小有機物の同定分析方法。
【請求項8】
前記微小有機物の赤外吸収スペクトルを測定する過程において、
前記微小有機物を、微小有機物の採取用プローブに付着させたままで、前記プローブと、赤外光の反射率の高い材料で形成され又は該赤外光の反射率の高い材料で被覆された基板と、の間に配置し、
赤外吸収スペクトルを測定することを特徴とする請求項6または請求項7に記載の微小有機物の同定分析方法。
【請求項9】
前記基板は、前記微小有機物が配置される基板部分が光学的集光作用のある断面形状を有することを特徴とする請求項3または請求項8に記載の微小有機物の同定分析方法。
【請求項10】
前記基板部分の断面形状が、V字形状又は凹面鏡形状を有することを特徴とする請求項9に記載の微小有機物の同定分析方法。
【請求項11】
前記赤外光の反射率の高い材料として、波長4μmでの反射率が98%以上である材料を用いることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の微小有機物の同定分析方法。
【請求項12】
前記波長4μmでの反射率が98%以上である材料として、銀,金,アルミニウム,インジウム,鉛のいずれかを用いることを特徴とする請求項11に記載の微小有機物の同定分析方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−309495(P2008−309495A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−154685(P2007−154685)
【出願日】平成19年6月12日(2007.6.12)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】