説明

微小球感圧接着剤組成物

本開示は、(a)Cアルコール、Cアルコール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1種以上のアルコールであって、そのアルコールの少なくとも1種は非石油源から誘導されるアルコールから誘導される重合性アクリレートと、(b)反応開始剤と、(c)安定剤と、の反応生成物から製造される接着剤を提供し、その反応は、水中で起こって微小球接着剤を生ずる。微小球接着剤は、テープ、メモ、付箋、イーゼル等のような、貼り替え可能な接着剤コーティング物品を製造するために、紙及びポリマーフィルムなどの様々な基材に適用されることができる感圧接着剤組成物中に配合することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2008年4月23日に出願された米国特許仮出願第61/047,208号の優先権を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、感圧接着剤組成物に関し、特に、少なくとも一部が非石油源から誘導される1種以上の重合モノマーを含む感圧接着剤組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
特定の感圧接着剤(「PSA」)は、次の特性、(1)強力かつ恒久的粘着性、(2)指圧以下での粘着性、(3)基材上への十分な保持力、及び(4)基材からきれいに除去するための十分な凝集強さ、を有することが知られている。PSAとして良好に機能することが分かっている材料としては、必須の粘弾性特性を示し、粘着、剥離接着、並びに剪断保持力の所望のバランスをもたらすように設計及び処方されたポリマーが挙げられる。PSAは通常、室温(例えば、20℃)で粘着性があることを特徴とする。
【0004】
微小球接着剤は、PSAを有する物品を貼り替え可能にすることができる、即ち、異なる表面に複数回付着及び再付着させることができるので、PSAで使用するのに極めて有用であることが証明されている。したがって、微小球接着剤は、貼り替え可能なメモ、貼り替え可能な付箋又は見出し、及び貼り替え可能なイーゼルパッド等であるが、これらに限定されない、消耗品において使用されてきた。微小球PSAの重要な特徴には、例えば、コスト、製造容易性、環境影響、毒性、及び、言うまでもなく、上記接着特性が挙げられる。典型的には、このような接着剤は、(a)石油系供給源、例えば、C〜C14のアルキル(メタ)アクリレートから誘導される重合性モノマー、任意にコモノマーと、(b)反応開始剤と、(c)安定剤と、の反応生成物を含み、ここで、その反応は水中で起こって微小球接着剤を生ずる。このような接着剤の代表的な例は、米国特許第5,571,617号(コープライダー(Cooprider)ら)及び同第5,714,237号(コープライダーら)に開示されている。典型的には、このようなモノマーは石油系の供給源から誘導されてきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
再生可能な原材料から製造される、新規な接着剤組成物及び他の製品が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
非石油源から誘導されるモノマーを使用することにより、非常に望ましい微小球PSAを製造することができることが今では判明している。PSAで使用される微小球は、この数十年間は石油由来のモノマーに依存してきたが、非石油由来のモノマーから作製される微小球が、優れたPSAをもたらすことが見い出された。具体的には、非石油由来の微小球、及びこの微小球から作られるPSAは、費用効率が良く、製造性が高く、環境に優しく(石油系原料の使用の軽減、及び温室効果ガスの排出削減を可能とする)、紙への経時的な接着性構築が少なく、又は垂直貼付特性が良好である。したがって、本発明の接着剤組成物によってもたらされる利点のいくつかには、石油由来の材料の使用の削減、温室効果ガスの排出削減、及び優れた又は改善された接着性能が挙げられる。
【0007】
本開示は、いくつかある構成成分の中でも特に、モノマーの少なくとも一部分が、非石油源から誘導される少なくとも1種の重合性モノマーの反応生成物から誘導される微小球接着剤を製造するための溶液を提供する。重合性モノマーのための非石油源の非限定例としては、フーゼル油から得られるアルコールが挙げられる。微小球接着剤を他の構成成分と混合して微小球PSA組成物を形成することができ、続いてこの微小球PSA組成物を、様々な基材又は裏材に適用して、テープ、ラベル、接着剤でコーティングされたメモ及び付箋等のような物品を得ることができる。有利には、本明細書に開示されている微小球PSA組成物を含有する物品は、貼り替え可能なものである。
【0008】
一態様において、本開示は、
(a)少なくとも一部が、Cアルコール、Cアルコール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1種以上のアルコールであって、そのアルコールの少なくとも1種は非石油源から誘導されるアルコールから誘導される重合性モノマーと、
(b)反応開始剤と、
(c)安定剤と、
を含む、又はいくつかの実施形態ではそれらから本質的になる、反応生成物から製造される接着剤組成物を提供し、
ここで、その反応は水中で起こり、かつその接着剤は微小球接着剤である。安定剤としては、高分子安定剤、界面活性剤、及びこれらの組み合わせを挙げてよい。
【0009】
別の態様において、本開示は、
(a)約92〜99.9重量%(wt%)の、(i)Cアルコール、Cアルコール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1種以上のアルコールと、(ii)(メタ)アクリル酸と、のエステル化により誘導される少なくとも1種の重合性アクリレートであって、前記アルコールの少なくとも1種及び前記(メタ)アクリル酸は、非石油源から誘導されるものと、
(b)約0.01〜4wt%の安定剤と、
(c)約0.01〜4.0wt%の反応開始剤と、
の反応生成物を含む、又はいくつかの実施形態ではそれらから本質的になる、接着剤組成物に関し、
ここで、各構成成分のwt%は、構成成分(a)〜(c)の総重量に基づき、及び反応は水中で起こって微小球接着剤を生ずる。安定剤としては、高分子安定剤、界面活性剤、及びこれらの組み合わせを挙げてよい。
【0010】
更に別の態様において、本開示は、
(a)約87〜99.9wt%の、(i)Cアルコール、Cアルコール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1種以上のアルコールと、(ii)(メタ)アクリル酸と、のエステル化により誘導される少なくとも1種の重合性アクリレートであって、前記アルコールの少なくとも1種及び前記(メタ)アクリル酸は非石油源から誘導されるものと、
(b)約0.01〜5wt%の、少なくとも1種の界面活性剤と、
(c)約0.01〜4wt%の、少なくとも1種の高分子安定剤と、
(d)約0.01〜4wt%の、少なくとも1種の反応開始剤と、
(ここで、各構成成分のwt%は構成成分(a)〜(d)の合計に基づく、)
(e)構成成分(a)に基づき最大約75wt%の、約1〜14個の炭素原子を有する少なくとも1種のアルキル(メタ)アクリレートコモノマーと、
(f)構成成分(a)に基づき約5wt%未満の、少なくとも1種の極性コモノマーと、
(g)構成成分(a)に基づき最大約10wt%の、少なくとも1種のアミドコモノマーと、
(h)構成成分(a)に基づき最大約10wt%の、少なくとも1種のポリエチレンオキシド(メタ)アクリレートと、
(i)構成成分(a)に基づき最大約0.2wt%の、少なくとも1種の連鎖移動剤と、
(j)構成成分(a)に基づき最大約1wt%の、少なくとも1種の架橋剤と、
(k)構成成分(a)に基づき最大約30wt%の、少なくとも1種の溶質ポリマーと、
(l)構成成分(a)に基づき最大約5wt%の、少なくとも1種のアミノコポリマーと、
(m)構成成分(a)に基づき最大約5wt%の、少なくとも1種のイオン性モノマーと、
(n)構成成分(a)に基づき最大約20wt%の、少なくとも1種のビニル又はビニルエステルコモノマーと、
の反応生成物を含むか、又はいくつかの実施形態においてはそれらから本質的になる、接着剤組成物に関し、
ここで、その反応は水中で起こって微小球接着剤を生ずる
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書中の全ての数字は、必要に応じて用語「約(about)」によって修飾されているものとする。終端点による数値範囲の列挙には、その範囲内に含まれる全ての数値が包含される(例えば、1〜5には、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、及び5が包含される)。
【0012】
本明細書で使用するとき、用語「非石油」は、通常、原油又はその誘導体がその根本の原材料(即ち、出発原料)でない化合物を指す。代表的な非石油源としては、植物から誘導されるものなどのバイオ源が挙げられるが、これに限定されない。本明細書で使用するとき、物品が、意図する表示面に損傷を与えずに、またその表示面上に接着剤の残渣を残さずに、表示面に複数回貼り付けられ、そこから取り外されることができるならば、物品は「貼り替え可能」である。本明細書で使用するとき、用語「(メタ)アクリレート」は、アクリレートとメタクリレートとを包含する。
【0013】
重合性モノマーが非石油系であるとみなされるようにバイオベース含量を含有しているかどうかを決定するために、ASTM D 6866−06a、放射性炭素及び同位体比質量分析を用いた自然領域の材料のバイオベース含量を決定するための標準試験法(Standard Test Methods for Determining the Biobased Content ofNatural Range Materials Using Radiocarbon and Isotope Ratio Mass SpectrometryAnalysis)を用いることができる。本明細書に記載されるように、このASTMに準拠して測定されたバイオベース炭素含有量が少なくとも約30%、好ましくは少なくとも約40%、最も好ましくは少なくとも約50%、いくつかの実施形態では少なくとも約60%である、本発明の接着剤組成物を作製することができる。「バイオベース炭素含有量」は、石油源から誘導されるアルキル(メタ)アクリレートなどの石油源材料から誘導されるのとは対照的に、生物的に生成された原料、例えば、植物の発酵から誘導される又は植物から直接抽出されるモノマー材料の使用に由来する組成物中の全炭素の割合を指す。
【0014】
重合性モノマー
ここで、微小球接着剤の反応混合物に使用される種々の構成成分に注目すると、代表的な重合性モノマーは、フーゼル油から、例えば、フーゼル油中のアルコール類を(メタ)アクリル酸によりエステル化して対応する(メタ)アクリレートを形成させることにより、誘導することができる。
【0015】
フーゼル油は、フーゼルアルコールと呼ばれることもあり、エタノール蒸留からの副生成物流として入手可能な非石油材料又は非石油源である。フーゼル油は、多くの異なる糖供給源から得ることができ、代表的な例としては、トウモロコシ、サトウキビ、グラス等を挙げることができる。フーゼル油は典型的に、ブタノール及びアミルアルコールなどのC及びCアルコールと、少量のより小さな、例えばC及びCアルコールとの混合物を含有する。代表的な市販のフーゼル油は、以下のメーカー規格を有する。最大10wt%のエタノール、10〜17wt%の水、40〜70wt%のCアルコール類、7〜14wt%のイソブタノール、2〜7wt%の1−プロパノール、及び最大3wt%の他のアルコール類(例えば、ブタノール、メタノール等)。1つの代表的な市販のフーゼル油は、3.8wt%の1ープロパノール、6.9wt%のイソブタノール、1.0wt%の1−ブタノール、11.2wt%の2−メチル−1−ブタノール、及び77.2wt%の3−メチル−1−ブタノール(アルコール構成成分に関して正規化)を含有する。所望ならば、Cアルコール、主には、3−メチルー1−ブタノール及び幾らかの2−メチルー1−ブタノール、を主成分として含有する精製フーゼル油を本発明で使用することができる。
【0016】
(メタ)アクリル酸は、石油系供給源から誘導することができるモノマー化合物であるか、又は、通常好ましいように、非石油源から複数の好適な経路を介して誘導することもできる。こうした経路の例を下記に示す。
【0017】
非石油系材料から(例えば、大豆油及び他のトリグリセリド油の加水分解を介して)誘導されるグリセロールを、2工程プロセスによって(メタ)アクリル酸へと転換してもよい。第1の工程では、グリセロールを脱水してアクロレインを生ずる。好適な転換プロセスは、ガス状グリセロールを、酸化アルミニウム担体上でHPOなどの酸性固体触媒に曝露して、アクロレインを生ずることを伴う。アクロレインを生ずるためのグリセロールの脱水に関する詳細は、例えば、米国特許第2,042,224号、及び同第5,387,720号に開示されている。第2の工程では、アクロレインを酸化してアクリル酸を形成する。特に好適なプロセスは、酸化モリブデン及び酸化バナジウム触媒などの、金属酸化物触媒の存在下でのアクロレインと酸素とのガス相相互作用を伴う。(メタ)アクリル酸を生ずるためのアクロレインの酸化に関する詳細は、例えば、米国特許第4,092,354号に開示されている。
【0018】
非石油系材料から(例えば、トウモロコシデンプンの酵素による加水分解を介して)誘導されるグルコースを、2工程プロセスを介して、乳酸を中間生成物として(メタ)アクリル酸へと転換してもよい。第1の工程では、グルコースをバイオ発酵させて乳酸を生ずる。ラクトバチルス・ラクチスなどのラクトバチルス属に属するもの、並びに米国特許第5,464,760号及び同第5,252,473号中で特定されているものを包含する、グルコースを発酵して乳酸を生ずることのできるあらゆる好適な微生物を使用してよい。第2の工程では、リン酸塩を含浸された不活性金属酸化物担体のような酸性脱水触媒を使用することによって、乳酸を脱水して(メタ)アクリル酸を生成する。この酸性脱水触媒法は、米国特許第4,729,978号に更に詳細に記載されている。別の好適な第2の工程では、乳酸は、米国特許第4,786,756号に更に詳細に記載されているように、固体リン酸アルミニウムを含む触媒との反応によって(メタ)アクリル酸へと転換される。
【0019】
グルコースを(メタ)アクリル酸へと転換するための別の好適な反応経路は、3−ヒドロキシプロピオン酸を中間体化合物とする2工程プロセスを伴う。第1工程では、グルコースをバイオ発酵させて3−ヒドロキシプロピオン酸を生ずる。グルコースを発酵して3−ヒドロキシプロピオン酸を生ずることのできる微生物は、転換のための必須酵素を発現するように遺伝子組み換えされたものである。例えば、クレブシェラ・ニューモニエからのdhaB遺伝子、及びアルデヒド・デヒドロゲナーゼのための遺伝子を発現する組み換え微生物は、グルコースを3−ヒドロキシプロピオン酸へと転換できることが示されている。組み換え生物の生成に関する詳細は、米国特許第6,852,517号中に見出し得る。第2工程では、3−ヒドロキシプロピオン酸を脱水して(メタ)アクリル酸を生成する。
【0020】
非石油系材料から(例えば、トウモロコシのバイオ源から得られるトウモロコシデンプンの酵素加水分解を介して)誘導されるグルコースを、多段階反応経路によって(メタ)アクリル酸へと転換してもよい。グルコースは発酵されてエタノールを生ずる。エタノールは脱水されてエチレンを生ずることがある。この時点で、エチレンは重合されてポリエチレンを形成することができる。しかしながら、エチレンはまた、コバルトオクタカルボニル又はロジウム錯体などの触媒の存在下での一酸化炭素と水素とを用いたエチレンのヒドロホルミル化により、プロピオンアルデヒドへと転換することもできる。プロピオンアルデヒドを水素化ホウ素ナトリウム及び水素化アルミニウムリチウムなどの触媒の存在下で触媒水素化することによって、プロパン−1−オールを形成することができる。プロパン−1−オールは、酸触媒反応において脱水されてプロピレンを生ずる。この時点で、プロピレンは重合されてポリプロピレンを形成することができる。しかしながら、ブロピレンはまた、触媒による蒸気相酸化によってアクロレインへと転換することもできる。次いでアクロレインを、モリブデン−バナジウム触媒の存在下で触媒酸化して(メタ)アクリル酸を形成してよい。
【0021】
高分子安定剤
微小球接着剤を調製するために、1種以上の高分子安定剤を反応混合物中で使用する。有利には、安定剤が存在することにより、界面活性剤の使用量が比較的少量でも微小球を得ることができる。
【0022】
最終重合液滴の十分な安定性を与えるのに効果的であり、かつ懸濁重合プロセス内のアグロメレーションを防ぐようなあらゆる高分子安定剤が、本開示において有用である。使用する場合、高分子安定剤構成成分は典型的には、反応混合物中に重合性モノマー100部当たり0.01〜4重量部の重量で存在し、より好ましくは、重合性モノマー100部当たり0.04〜2重量部の重量で存在する。
【0023】
好適な高分子安定剤には、重量平均分子量が5000より大きいポリアクリル酸の塩(例えば、アンモニウム、ナトリウム、リチウム、及びカリウム塩)、カルボキシ変性ポリアクリルアミド(例えば、アメリカン・サイアナミド(American Cyanamid)のサイアナマー(CYANAMER)(登録商標)A−370)、アクリル酸とジメチルアミノエチルメタクリレート等のコポリマー、ポリマー第四級アミン(例えば、ジェネラル・アラニン・アンド・フィルム(General Alanine and Film)のガフクァット(GAFQUAT)(登録商標)755、四級化されたポリビニル−ピロリドン(pyrollidone)コポリマー、又はユニオン・カーバイド(Union Carbide)の「JR−400」、四級化されたアミン置換セルロース誘導体)、セルロース誘導体、及びカルボキシ変性セルロース誘導体(例えば、ハーキュレス(Hercules)のナトロゾル(NATROSOL)(登録商標)CMCタイプ7L、ナトリウムカルボキシメチルセルロース)、並びにポリアクリルアミド(例えば、サイテック(Cytek)からのサイアナマー(CYANAMER)(商標)N300)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0024】
反応開始剤
微小球接着剤を調製するために1種以上の反応開始剤を反応混合物中で使用する。重合に影響を及ぼす反応開始剤は、通常重合性モノマーのフリーラジカル重合に好適なものである。好適な反応開始剤としては、アゾ化合物、ヒドロペルオキシド、ペルオキシド等の熱活性化反応開始剤が挙げられるが、それらに限定されない。好適な光開始剤には、ベンゾフェノン、ベンゾインエチルエーテル、及び2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンが挙げられるが、これらに限定されない。その他の好適な反応開始剤には、ラウロイルペルオキシド及びビス(t−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネートが挙げられる。
【0025】
反応開始剤は、所定の期間及び温度領域で高いモノマー転化率をもたらすのに十分な、触媒的に有効な量で存在する。典型的には、反応開始剤構成成分は、重合性モノマー100重量部当たり0.01〜およそ4重量部の範囲の量で存在する。使用する反応開始剤の濃度に影響を及ぼすパラメータには、反応開始剤の種類、及び関連する特定のモノマーが挙げられる。実施形態によっては、触媒的に有効な全反応開始剤濃度は、典型的には、重合性モノマー100部当たり約0.03〜約2重量部の範囲であり、より好ましくは、約0.05〜約0.50重量部である。
【0026】
界面活性剤
微小球接着剤を調製するために、例えば、所望の粒径を得るのを容易にするために、1種以上の界面活性剤を反応混合物中で使用してもよい。当業者には理解されるように、界面活性剤は、典型的には、重合性モノマー含有量100重量部当たり総量で最大約5重量部、場合によっては最大約3重量部、いくつかの実施形態では、重合性モノマー100重量部当たり0.2〜2重量部の範囲内で、反応混合物中に存在させる。
【0027】
有用な界面活性剤には、アニオン性、カチオン性、非イオン性、又は両性の界面活性剤が挙げられる。有用なアニオン性界面活性剤には、アルキルアリールスルホン酸塩、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム及びデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルサルフェートのナトリウム及びアンモニウム塩、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、及びラウリル硫酸アンモニウムが挙げられるが、これらに限定されない。有用な非イオン性界面活性剤には、エトキシル化オレオイルアルコール及びポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルが挙げられるが、これらに限定されない。有用なカチオン性界面活性剤には、アルキル鎖が10〜18個の炭素原子を含有する、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライドの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。有用な両性界面活性剤には、スルホベタイン、N−アルキルアミノプロピオン酸、及びN−アルキルベタイン(N-alkybetaines)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0028】
連鎖移動剤
所望の用途に応じて、微小球の溶剤溶性部分(抽出可能率)を調節するために、1種以上の変性剤を使用してもよい。当業者には理解されるように、使用する場合、このような薬剤は多くの場合10〜98%の範囲内、好ましくは15〜80%の範囲内の溶剤溶性部分をもたらすのに十分な量で反応混合物に添加される。様々な変性剤を使用してよい。使用量は、溶剤溶性部分を有する微小球をもたらすのに十分な量である。
【0029】
特に有用な変性剤は連鎖移動剤である。微小球に形成されるポリマーの分子量を制御するために、連鎖移動剤を使用するのが望ましい。多くのハロゲン含有及びイオウ含有有機化合物は、フリーラジカル重合の際の連鎖移動剤として良好に作用する。このような薬剤の非限定例は、四臭化炭素、四塩化炭素、ドデカンチオール、イソオクチルチオグリコレート、ブチルメルカプタン、及び三級ドデシルメルカプタンである。これら微小球重合に適した連鎖移動剤の量は、全重合性モノマーの含有量に対する重量基準で計算される。使用される場合、連鎖移動剤は典型的には、重合性モノマーの含有量の総量に基づき、総量で最大約0.2wt%の量で、いくつかの実施形態では、総量で最大約0.12wt%、及び更に他の実施形態では総量で最大約0.08wt%の量で添加される。これらのレベルは微小球中の可溶性ポリマー含有量が最大約98%となるに十分なものである。
【0030】
架橋剤
当業者には理解されるように、所望であれば、得られる接着剤の特性を変更するために1種以上の架橋剤を反応混合物中で使用してもよい。好適な架橋剤の非限定例としては、多官能性(メタ)アクリレート及び多官能性ビニルが挙げられる。好適な多官能性架橋剤としては、ジ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリレート、テトラ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。多官能性架橋剤の非限定例としては、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、ポリブタンジエンジ(メタ)アクリレート、ポリウレタンジ(メタ)アクリレート、プロポキシル化グリセリントリ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。使用される場合、架橋剤は、反応混合物中で使用される重合性モノマー含有量の、約1wt%、好ましくは最大約0.5wt%の濃度で添加される。架橋剤及び変性剤の濃度の組み合わせは、10〜98%の溶媒溶性部分を有する微小球が得られるように選択される。
【0031】
重合性コモノマー
反応混合物は、次のような1種類以上の重合性コモノマーを更に含むことができる:アルキル基が1〜14個の炭素原子を含むアルキル(メタ)アクリレート、ビニルエステルモノマー、イオン性モノマー、極性モノマー、アミノ官能性モノマー、アミド官能性モノマー、及び核又は核の一部を有するモノマー。石油又は非石油源から誘導されるかどうかを問わず、各種重合性コモノマーが更に以下に詳細に記載される。
【0032】
所望の結果に応じて、フーゼル油(メタ)アクリレート含有量に基づいて最大20wt%、いくつかの実施形態では最大50wt%、更に他の実施形態では最大75wt%のアルキル(メタ)アクリレートを使用することができる。好適なアルキル(メタ)アクリレートとしては、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−オクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、4−メチル−2−ペンチル(メタ)アクリレート、2−メチルブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0033】
微小球接着剤を生成するために反応混合物中で使用する場合、所望の特性に応じて、フーゼル油(メタ)アクリレート含有量に基づいて最大5wt%、好ましくは最大2wt%、より好ましくは最大0.5wt%の極性コモノマーを使用することができる。極性コモノマーは解離性水素を含有していてもよいし、していなくてもよい。極性コモノマーの非限定例には、3〜約12個の炭素原子を有し、一般に1〜約4個のカルボン酸部分を持つ有機カルボン酸、及びヒドロキシル(アルキル)(メタ)アクリレートが挙げられる。このようなコモノマーの非限定例には、イタコン酸、フマル酸、クロトン酸、マレイン酸、β−カルボキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、及びグリセロールモノ(メタ)アクリレートが挙げられる。極性コモノマーとして(メタ)アクリル酸を使用することができるが、反応生成物中に0.5%未満で使用する。0.5%を超える(メタ)アクリル酸を反応混合物中で使用する場合、凝固問題が起きる場合がある。
【0034】
微小球接着剤を生成するために反応混合物中で使用する場合、フーゼル油(メタ)アクリレート含有量に基づいて、最大20wt%のビニル又はビニルエステルコモノマーを使用することができる。ビニルエステルコモノマーの非限定例には、2−エチルヘキサン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ペラルゴン酸ビニル、ヘキサン酸ビニル、プロピオン酸ビニル、デカン酸ビニル、オクタン酸ビニル(vinyl actanoate)、酢酸ビニル、及びその他の1〜14個の炭素原子を含む直鎖状又は分岐状のカルボン酸の単官能性不飽和ビニルエステルが挙げられる。ビニルコモノマーの非限定例には、スチレン及びα−メチルスチレンが挙げられる。
【0035】
微小球接着剤を生成するために反応混合物中で使用する場合、所望の特性に応じて、フーゼル油(メタ)アクリレート含有量に基づいて最大1wt%、いくつかの実施形態では最大2wt%、いくつかの他の実施形態では最大5wt%のイオン性コモノマーを使用することができる。イオン性コモノマーの非限定例には、スチレンスルホン酸ナトリウム、(メタ)アクリル酸ナトリウム、(メタ)アクリル酸アンモニウム、トリメチルアミンp−ビニルベンズイミド、4,4,9−トリメチル−4−アゾニア−7−オキソ−8−オキサ−デセ−9−エンー1−スルホネート、N,N−ジメチル−N−(β−メタクリルオキシエチル)アンモニウムプロピオネートベタイン、トリメチルアミンメタクリルイミド、1,1−ジメチル−1(2,3−ジヒドロキシプロピル)アミンメタクリルイミド、いずれかの双性イオン性モノマー等が挙げられる。
【0036】
微小球接着剤を生成するために反応混合物中で使用する場合、フーゼル油(メタ)アクリレート含有量に基づいて、最大5wt%のアミノ官能性コモノマーを使用することができる。アミノ官能性コモノマーは核又は核の一部を有することができる。アミノ官能性コモノマーの非限定例には、N,N−ジメチル−アミノエチル(メチル)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチル(メチル)アクリレート、及びN,N−ジエチルアミノ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0037】
微小球接着剤を生成するために反応混合物中で使用する場合、所望の特性に応じて、フーゼル油(メタ)アクリレート含有量に基づいて最大5wt%、いくつかの実施形態では最大8wt%、及びいくつかの他の実施形態では最大10wt%のアミド官能性コモノマーを使用することができる。アミド官能性コモノマーは核又は核の一部を有することができる。アミド官能性コモノマーの非限定例としては、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム(caprolactom)、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0038】
微小球接着剤を生成するための反応混合物中で使用する場合、フーゼル油(メタ)アクリレート含有量に基づいて最大5wt%、いくつかの実施形態では最大8wt%、いくつかの他の実施形態では最大10wt%の以下の重合性コモノマーのうちの1種を使用できる。2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、及び
4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリレート終端ポリ(エチレンオキシド)、(メタ)アクリレート終端ポリ(エチレングリコール)、メトキシポリ(エチレンオキシド)メタクリレート、ブトキシポリ(エチレンオキシド)メタクリレート、及びこれらの組み合わせ。
【0039】
典型的には、重合性コモノマーが反応混合物中に存在する場合、フーゼル油(メタ)アクリレートモノマーと重合性コモノマーとの重量比は、約99.5/0.5〜25/75の範囲内、好ましくは98/2〜50/50の範囲内である。
【0040】
溶質ポリマー
微小球接着剤を調製するために反応生成物に添加してもよい別の構成成分は、米国特許第5,824,748号(ケスティ(Kesti)ら)に詳細に記載されているような溶質ポリマーである。
【0041】
溶質ポリマーは本質的に非水溶性であり、重合すると、フーゼル油(メタ)アクリレートモノマー又はフーゼル油(メタ)アクリレートモノマーと上記の重合性コモノマーとの混合物に溶解可能なポリマーとなる、あらゆるモノマー又はモノマーの混合物から構成されてよい。典型的には、溶質ポリマーは少なくとも2000の数平均分子量を有する。
【0042】
溶質構成成分は種々の部類のポリマーから構成される。例えば、溶質ポリマーは分枝されていても、又は変性されていてもよい。溶質ポリマーは、水反応性又は水溶性のモノマー、フリーラジカル重合しないモノマー、及びこれらの組み合わせを使用して調製されてもよい。更に、当業者には周知であり得、かつ、一般に、「Principles of Polymerization」Ordian,3rd ed.,Wiley Interscienceなどの種々の文献中に見出すことのできる任意の重合法に従って溶質ポリマーを調製してもよい。
【0043】
有用な溶質ポリマーの非限定例としては、ポリ(アクリレート)、ポリ(メタクリレート)、ポリ(スチレン)、ゴム(天然及び又は合成)又はスチレン−ブタジエンブロックコポリマーなどのエラストマー、ポリウレタン、ポリウレア、ポリエステル、結晶性及び非晶性のポリマー、例えば、結晶性及び非晶性のポリ−α−オレフィン、結晶性ポリ(メタクリレート)、及び結晶性ポリ(アクリレート)、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0044】
有利なことに、本開示は、モノマーの形態で使用した場合に、こうしたモノマーの懸濁重合を行う前に、通常は水相中で反応する部分を取り込むことのできる、複合微小球PSAを提供する。このような水反応性部分から構成される溶質ポリマーの非限定例には、無水マレイン酸、無水イタコン酸、2−ビニル−4,4−ジメチル−2−オキサゾリン−5−オン(VDM)、及び2−(イソシアナト)エチルメタクリレートを含有するポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。
【0045】
更に、高水溶性部分、例えば、(メタ)アクリル酸、N−ビニルピロリドン、(メタ)アクリルアミド、ポリ(エチレン)オキシドマクロモノマー、1,1−ジメチル−1(2−ヒドロキシルプロピル)アミンメタクリルイミド、1,1,1−トリメチルアミンメタクリルイミド、1,1−ジメチル−1(2,3−ジヒドロキシプロピル)アミンメタクリルイミド、及び他の水溶性部分、例えば、N,N−ジメチル−N−(β−メタクリルオキシエチル)アンモニウムプロピオネートベタイン、4,4,9−トリメチル−4−アゾニア−7−オキソ−8−オキサ−デセ−9−エン−1スルホネート、(メタ)アクリル酸ナトリウム、アクリル酸アンモニウム、及びマレイン酸無水物もまた、その溶質ポリマーが本質的に水不溶性であれば、複合感圧接着剤微小球の調製に使用される溶質ポリマーに組み込むことができる。
【0046】
懸濁重合プロセス
本開示の微小球接着剤は懸濁重合によって調製される。懸濁重合は、モノマーを、それが溶解しない媒体(通常水性)に分散させて行う方法である。重合は各モノマー液滴内で進行される。モノマー可溶性フリーラジカル反応開始剤が好ましく用いられる。動力学及び機構は、同様の温度及び反応開始剤濃度の条件のもとで行われるこれに相当するバルク重合のものと同じである。
【0047】
重合反応を開始するには、十分な数のフリーラジカルを存在させる。これは熱又は放射線フリーラジカル開始反応などのいくつかの手段により達成されてよい。例えば、熱あるいは放射線を加えて、発熱反応を生ずるモノマーの重合を開始させることができる。但し、反応開始剤の熱分解によって反応を開始するのに十分な数のフリーラジカルが生じるまで熱を加えることが好ましい。これが起こる温度は、使用する反応開始剤に大きく依存して異なる。
【0048】
更に、重合反応混合物を脱酸素することが多くの場合望ましい。反応混合物に溶解している酸素が重合を抑制でき、この溶存酸素を追い出すことが望ましい。不活性ガスを反応容器中に吹き込む、又は反応混合物を通して吹き込むことが脱酸素の有効な手段であるが、懸濁重合と適合性のあるその他の脱酸素技術を使用することができる。典型的には、脱酸素には窒素を使用するが、VIIIA(CAS版)属のあらゆる不活性ガスもまた適している。
【0049】
特定の時間及び攪拌速度は、モノマーと反応開始剤に依存するパラメータであるが、反応混合物が、平均モノマー液滴径が約1〜300マイクロメートル、好ましくは20〜75マイクロメートルの間の状態になるまで、反応混合物を予備分散することが望ましい場合がある。反応混合物を更にかつ長く攪拌するにつれ、平均粒径は小さくなる傾向がある。
【0050】
好ましくは、攪拌と窒素パージとを反応時間中維持する。反応混合物を加熱することによって反応が開始する。重合の後、反応混合物を冷却する。
【0051】
1工程プロセスにおいては、フーゼル油(メタ)アクリレートモノマー、及びあらゆる任意のその他の重合性コモノマーの両方を、重合開始時に懸濁物中に加えておく。その他の構成成分、例えば、反応開始剤、安定剤、界面活性剤(使用する場合)及び変性剤を反応混合物中に加えておく。
【0052】
重合後、室温で安定な微小球の水性懸濁物が得られる。この懸濁物の非揮発性の固形分含有量は、約10〜約70重量パーセントであってもよい。微小球懸濁液は、特にアグロメレーション又は凝固に対して安定であるので、微小球の水性懸濁液は重合後直ちに使用されてよい。スロット・ダイ・コーティングなどの従来のコーティング技術により微小球を水溶液からコーティングして、接着剤コーティングを設けることができる。
【0053】
微小球は、様々なレオロジー変性剤及び/又はラテックス接着剤、あるいは「結合剤」と配合され得る。典型的には、接着剤コーティングは、乾燥すると、0.09平方メートル(1平方フィート)あたり0.2〜2グラムの範囲内の乾燥被覆重量を呈して、接着剤コーティングが重合体微小球、高分子安定剤、界面活性剤、任意にレオロジー変性剤及び/又はラテックス結合剤を含む、接着剤コーティングシート材料が得られる。
【0054】
本開示の微小球PSAの特性は、重合の後に粘着付与樹脂及び/又は可塑剤を添加することによって変えることができる。本明細書で使用するための好ましい粘着付与剤及び/又は可塑剤としては、ハーキュレス(Hercules, Inc.)などの企業からフォーラル(FORAL)(登録商標)、リーガルレッツ(REGALREZ)(登録商標)、及びペンタリン(PENTALYN)(登録商標)の商標名で市販されている水素化ロジンエステルが挙げられる。粘着付与樹脂としてはまた、t−ブチルスチレン系のものも挙げられる。有用な可塑剤には、ジオクチルフタレート、2−エチルヘキシルホスフェート、トリクレジルホスフェート等が挙げられるが、これらに限定されない。このような粘着付与剤及び/又は可塑剤を使用する場合、接着剤混合物中での使用量は、このような添加剤の公知の使用のために有効な量である。
【0055】
所望により、レオロジー変性剤、着色剤、充填剤、安定剤、感圧ラテックス結合剤、及び様々な他の重合体添加物のような変性剤を使用することが可能である。このような変性剤を使用する場合、接着剤混合物中での使用量は、このような変性剤の公知の使用のために有効な量である。
【0056】
基材
本発明で使用する好適な裏材又は基材の材料には、紙、プラスチックフィルム、酢酸セルロース、エチルセルロース、合成又は天然材料で構成される織布又は不織布、金属、金属化ポリマーフィルム、セラミックシート材料等が挙げられるが、これらに限定されない。一般には、裏材又は基材の材料は、厚さ10〜155マイクロメートルであるが、より厚い、及びより薄い裏材又は基材の材料も排除されない。典型的には、微小球PSA組成物は、基材の第1の面の少なくとも一部分に塗布又はコーティングされる。いくつかの実施形態では、通常は微小球PSAが塗布されたのと反対の領域にある基材の第2の面に、剥離コーティングを塗布する。
【0057】
応用例
本発明の微小球接着剤を用いて作られる特に有用な物品としては、貼り替え可能なメモ及び紙製品、貼り替え可能なテープ及びテープ付箋、イーゼルシート、貼り替え可能なスティックのり等などの貼り替え可能な接着剤製品が挙げられるが、その他の貼り替え可能なでない産業用、商業用及び医療用の接着剤製品を包含してもよい。
【実施例】
【0058】
以下の代表的な発明を用いて、本発明を更に説明する。
【0059】
試験方法
次の試験方法を用いて実施例1、2及び比較例C1の微小球PSAの性能を評価した。
【0060】
ボンド紙に対する接着力
剥離接着は、特定の角度及び引き離し速度で、コーティングされたシートをボンド紙基材から引き離すのに要する力である。実施例において、この力は、コーティングされたシートの幅2.54cm(1インチ)当たりのグラム数で表わされている。手順は次の通りである。
【0061】
コーティングされたシートの幅2.54cm(1インチ)のストリップを、9.1kg(20ポンド)のボンド紙の水平面に接合する。2.0kg(4.5ポンド)の硬質ゴムローラを使用して、ストリップをボンド紙にしっかりと接合させる。コーティングされたシートの自由端を接着試験機のロードセルに、引き離しの角度が90°となるように取り付ける。次いで、毎分30.5cm(12インチ)の一定速度でプレートを、ロードセルから離れるように移動させることのできる張力試験機のつかみ具に試験プレートをはさむ。ロードセルの読みをコーティングシート2.54cm(1インチ)当たりのグラム数で記録する。試験を繰り返し、3回の実験の平均としてデータを報告する。
【0062】
ボンド紙に対する経時接着力
2.54cm(1インチ)幅のコーティングシートのストリップを、9.1kg(20ポンド)のボンド紙の水平面に接合させる。2kg(4.5ポンド)の硬質ゴムローラを使用して、ストリップをボンド紙にしっかりと接合させる。この積層体は、21℃(70°F)、相対湿度80%で72時間経時処理を行った。経時処理後、上記のボンド紙に対する接着力の試験方法に従って、試料の剥離接着を実施した。
【0063】
粘着
粘着性測定には、テクスチャー・テクノロジーズ・コーポレイション(Texture Technologies Corp.)製のTA−XT2iテクスチャーアナライザーを使用する。試料を接着面を上にして真ちゅうの試験装置で保持する。通常は100gである特定の力に達するまで、7mmのステンレススチールプローブを試料に接触させる。接触時間1秒後、プローブを速度0.5mm/秒で上昇させ、接着力を試料からのプローブの距離の関数として測定した。粘着性はピーク除去力である。
【0064】
静止角度試験(SAT)
SATは、一定の負荷状態下において特定の剥離角度で除去圧力を受けながら、試料が標準テストパネルに付着しとどまる能力を測定する。静止角度試験は、試料の脱離抵抗を測定する1つの定量的な手順である。
【0065】
静止角度試験を行うにあたって、以下の代表的なプロセスを使用して6個の試料を準備することができる。各試料は、幅18mm、長さ33mmの接着剤ストライプを含む。
【0066】
テストパネルは、塗装された表面を有するスチールパネルである。接着剤ストライプの長辺を水平に配向し写真媒体試料の上部に位置決めした状態で、塗装されたスチールパネルに各試料を貼り付ける。その後、10.3kPa(1平方インチ当たり1.5ポンド(77.6mm Hg))の印加圧力でアプリケーションローラーを2回通過させることにより、試料を塗装されたスチールの表面に圧着する。
【0067】
実装された試料を、地面に対してほぼ直角に垂直配向された保持フレーム内に配置する。塗装されたスチールパネルは、垂直配向されたフレームに対して下方30°の角度で保持される。100グラムの負荷を、保持フレームの下部末端部に近いコーティングされたシート試料の下部末端部に加える。100グラムの負荷を加えると同時にタイマーをスタートし、コーティングされたシート試料がスチールパネルから脱離するまでに、試料が塗装されたスチールの表面に付着しとどまる時間を測定する。SATは、通常、破壊、即ち試料が実際にスチールパネルから脱離するまで実施される。脱離時間は、通常6個の結果の平均として秒単位で測定される。
【0068】
表1:実施例1、2、及び比較例C1の重合処方
【表1】

【0069】
N KエステルM90G:共に日本からの新中村化学工業(Shin Nakamura Chemical Company, Ltd.)及び東和(Towa.Inc.)からのポリエチレンオキシドメタクリレート
ペルコドックス(PERKODOX)(登録商標)16:アクゾ・ノーベル(Akzo Nobel)(オランダ、アムステルダム(Amsterdam))からのジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート
ルペロックス(LUPEROX)(登録商標)A75:アルケマ(Arkema)(ペンシルバニア州フィラデルフィア(Philadephia))からの過酸化ベンゾイル
ステパノール(STEPANOL)(登録商標)AMV:ステパン(Stepan Co.)(イリノイ州ノースフィールド(Northfield))からのラウリル硫酸アンモニウム
ハイテノール(HITENOL)(登録商標)BC−1025:モンテロ(Montello Inc.)(オクラホマ州タルサ(Tulsa))からのポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルアンモニウムサルフェート
サイアナマー(CYANAMER)(登録商標)N−300:サイテック(Cytek)からのポリアクリルアミド
【0070】
実施例1−微小球接着剤重合プロセス
フーゼル油アクリレート微小球接着剤を、懸濁重合プロセスによって水中で調製した。実施例1のフーゼル油アクリレート微小球接着剤を調製するために、表1に示される構成成分を、還流冷却器、温度計、攪拌機、及び窒素ガス入口を備える4つ口フラスコの中に投入した。次に、混合物を、毎分350回転で30分間混合して、約50マイクロメートルの所望のモノマー液滴径を得た。光学顕微鏡法で決定したモノマー液滴径が規格内になった時点で、懸濁液を窒素雰囲気下で開始温度45℃に加熱して、重合を開始した。反応は発熱して進行した。重合の後、バッチを室温まで冷却し、チーズクロスでろ過して凝塊を除去した。ホリバ(Horiba)LA910粒径分析器で測定した微小球の粒径は、46マイクロメートルであった。抽出可能率、即ち微小球接着剤中の溶質ポリマーの割合は52%であった。
【0071】
(実施例2)
精製フーゼル油アクリレート微小球を、表1に示された構成成分を使用したこと以外は、実施例1と同様に調製した。ホリバ(Horiba)LA910粒径分析器で測定した微小球の粒径は、46マイクロメートルであった。この実施例の抽出可能率は35%であった。
【0072】
比較例C1
この実施例の微小球接着剤は、表1に示した構成成分を4つ口フラスコに投入することによって、実施例1の微小球接着剤と同様の懸濁重合によって水中で調製された。用いた2−エチルヘキシルアクリレートはアルドリッチ・ケミカルズ社(Aldrich Chemicals)から市販されており、石油源から誘導されたものであった。ホリバ(Horiba)LA910粒径分析器で測定した微小球の粒径は、47マイクロメートルであった。この実施例の抽出可能率は42%であった。
【0073】
微小球PSA組成物
次に、実施例1、2、及び比較例C1の微小球接着剤を、表2に従い、ラテックス結合剤のカーボタック(CARBOTAC)(登録商標)26222、及び増粘剤のケルザン(KELZAN)(登録商標)S及びアクリゾル(ACRYSOL)(登録商標)TT935と配合した。微小球PSA組成物の粘度を、ブルックフィールド粘度計によって30rpmで測定して950cps付近になるように、これら増粘剤で調整した。評価するために、配合された微小球PSA組成物を、0.09平方メートル(1平方フィート)あたり0.35グラムの被覆重量で、紙の上にコーティングした。
【0074】
表2:実施例1、2、及び比較例C1の配合処方
【表2】

【0075】
表3:0.09平方メートル(1平方フィート)あたり0.350グラムの接着剤
乾燥被覆重量における実施例1、2、及びC1の接着性能
【表3】

【0076】
紙上に構築された接着%は、(紙への経時接着−紙への初期接着)/紙への初期接着の%として定義される。計算された数値が0又はマイナスの場合、その接着剤は接着性構築がなかったとみなされる。比較例C1の接着剤は、高い経時的な接着性構築を示した。多くの用途において、接着性構築の増加は、試料が付着している表面から試料を除去するためにより大きな剥離力を必要とするので、望ましくない。
【0077】
微小球接着剤が本発明の非石油接着剤とみなされるようにバイオベース材料を含有しているかどうかを決定するために、ASTM D 6866−06a(放射性炭素及び同位体比質量分析を用いた自然領域の材料のバイオベース含量を決定するための標準試験法(Standard Test Methods for Determining the Biobased Content ofNatural Range Materials Using Radiocarbon and Isotope Ratio Mass SpectrometryAnalysis))を使用して、実施例1、2、及びC1のバイオベース含量を決定した。実施例1、2、及び石油系2EHAモノマーから調製されたC1の再生可能な微小球接着剤を、ASTM D 6866−06aによるバイオベース含量の決定のために、ジョージア大学(University of Georgia)、応用同位体研究センター(Centerfor Applied Isotope Studies)に提出した。試験結果は、比較例C1の石油系接着剤は0%のバイオベース材料を含有し、及び実施例E1及びE2の再生可能微小球接着剤は61%のバイオベース材料を含有するということを示している。
【0078】
表3のデータが示すように、実施例1及び2は、比較例C1と同等の、及びいくつかの場合では、比較例C1を上回る、性能を示す。例えば、実施例1及び2のSATデータは、比較例C1のデータをはるかに上回る性能を示し、このことは、実施例1及び2の微小球PSAが壁のような垂直面に適用された場合に、はるかに長い貼付時間を示すということを意味している。
【0079】
本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく、本発明の様々な修正及び変更が、当業者には自明であろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)Cアルコール、Cアルコール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1種以上のアルコールであって、該アルコールの少なくとも1種は非石油源から誘導されるアルコールから誘導される少なくとも1種の重合性アクリレートを含む重合性組成物と、
(b)少なくとも1種の反応開始剤と、
(c)少なくとも1種の安定剤と、
の反応生成物を含む接着剤であって、
該反応は水中で起こって微小球接着剤を生ずる、接着剤。
【請求項2】
前記重合性組成物は、前記重合性組成物100重量部当たり、60〜100重量部のアミルアクリレート類と、0〜20重量部のイソブチルアクリレートと、0〜10重量部のプロピルアクリレートと、を含む、請求項1に記載の接着剤。
【請求項3】
前記重合性組成物は、アミルアルコール、ブタノール、又はこれらの組み合わせからなる群から選択される1種以上のアルコールから誘導される重合性アクリレートを含む、請求項1に記載の接着剤。
【請求項4】
前記アルコールはフーゼル油から誘導される、請求項3に記載の接着剤。
【請求項5】
前記接着剤が少なくとも約30%のバイオベース炭素含有量を有する、請求項1に記載の接着剤。
【請求項6】
前記接着剤が少なくとも約40%のバイオベース炭素含有量を有する、請求項1に記載の接着剤。
【請求項7】
前記接着剤が少なくとも約50%のバイオベース炭素含有量を有する、請求項1に記載の接着剤。
【請求項8】
前記接着剤が少なくとも約60%のバイオベース炭素含有量を有する、請求項1に記載の接着剤。
【請求項9】
前記反応生成物が界面活性剤を更に含む、請求項1に記載の接着剤。
【請求項10】
約92.0〜99.9wt%の構成成分(a)と、約0.01〜4.0wt%の構成成分(b)と、約0.01〜4wt%の構成成分(c)と、を含み、ここで、各構成成分のwt%は全構成成分の総重量に基づく、請求項1に記載の接着剤。
【請求項11】
(a)(i)Cアルコール、Cアルコール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1種以上のアルコールであって、該アルコールの少なくとも1種は非石油源から誘導されるアルコールから誘導される少なくとも1種の重合性アクリレートと、(ii)少なくとも1種の反応開始剤と、(iii)少なくとも1種の安定剤と、の反応生成物を含み、該反応は水中で起こる、微小球接着剤と、
(b)少なくとも1種の感圧接着剤結合剤と、
(c)少なくとも1種の増粘剤と、を含む、感圧接着剤組成物。
【請求項12】
約90〜98wt%の構成成分(a)と、約1〜10wt%の構成成分(b)と、約0.1〜3.0wt%の構成成分(c)と、を含む、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
紙、ポリマーフィルム、織布、合成又は天然材料の不織布、金属、金属化ポリマーフィルム、及びセラミックシートからなる群から選択される裏材の第1の面の少なくとも一部分上に配置された、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
(a)約92.0〜99.9wt%の、(i)Cアルコール、Cアルコール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1種以上のアルコールと、(ii)(メタ)アクリル酸と、のエステル化により誘導される少なくとも1種の重合性アクリレートであって、前記アルコールの少なくとも1種及び前記(メタ)アクリル酸は、非石油源から誘導される重合性アクリレートと、
(b)約0.01〜4wt%の、少なくとも1種の安定剤と、
(c)約0.01〜4.0wt%の、少なくとも1種の反応開始剤と、
の反応生成物を含む接着剤であって、
ここで、各構成成分のwt%は、構成成分(a)〜(c)の合計に基づき、及び該反応は水中で起こって微小球接着剤を生ずる、接着剤。
【請求項15】
(1)最大約75wt%の、約1〜14個の炭素原子を有する少なくとも1種のアルキル(メタ)アクリレートコモノマーと、
(2)最大約30wt%の、少なくとも1種の溶質ポリマーと、
(3)約5wt%未満の、少なくとも1種の極性コモノマーと、
(4)最大約10wt%の、少なくとも1種のアミドコモノマーと、
(5)最大約10wt%の、少なくとも1種のポリエチレンオキシドメタクリレートコモノマーと、
(6)最大約5wt%の、少なくとも1種のイオン性コモノマーと、
(7)最大約1wt%の、少なくとも1種の架橋剤と、
(8)これらの組み合わせと、からなる群から選択される重合性コモノマーを更に含み、
ここで、前記wt%は前記重合性モノマー含有量に基づく、請求項14に記載の接着剤。
【請求項16】
前記重合性モノマー含有量に基づき、最大約0.2wt%の連鎖移動剤及び架橋剤からなる群から選択される少なくとも1種の構成成分を更に含む、請求項14に記載の接着剤。
【請求項17】
(a)約90〜98wt%の、請求項14に記載の微小球接着剤と、
(b)約1〜10wt%の、少なくとも1種の結合剤と、
(c)約0.1〜3.0wt%の、少なくとも1種の増粘剤と、を含む、微小球接着剤組成物。
【請求項18】
紙、ポリマーフィルム、織布、合成又は天然材料の不織布、金属、金属化ポリマーフィルム、及びセラミックシートからなる群から選択される裏材の第1の面の少なくとも一部分上に配置された請求項14に記載の微小球接着剤を含む、接着剤物品。
【請求項19】
剥離コーティングが前記接着剤組成物の実質的に反対側に位置するように、前記裏材の第2の面の少なくとも一部分上に配置された該剥離コーティングを更に含む、請求項18に記載の物品。
【請求項20】
(a)約87〜99.9wt%の、(i)Cアルコール、Cアルコール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1種以上のアルコールと、(ii)(メタ)アクリル酸と、のエステル化反応により誘導される少なくとも1種の重合性アクリレートであって、前記アルコールの少なくとも1種及び前記(メタ)アクリル酸は非石油源から誘導される、重合性アクリレートと、
(b)約0.01〜5wt%の、少なくとも1種の界面活性剤と、
(c)約0.01〜4wt%の、少なくとも1種の高分子安定剤と、
(d)約0.01〜4.0wt%の、少なくとも1種の反応開始剤と、
(ここで、各構成成分のwt%は構成成分(a)〜(d)の合計に基づく、)
(e)構成成分(a)に基づき最大約75wt%の、約1〜14個の炭素原子を有する少なくとも1種のアルキル(メタ)アクリレートコモノマーと、
(f)構成成分(a)に基づき約5wt%未満の、少なくとも1種の極性コモノマーと、
(g)構成成分(a)に基づき最大約10wt%の、少なくとも1種のアミドコモノマーと、
(h)構成成分(a)に基づき最大約10wt%の、少なくとも1種のポリエチレンオキシド(メタ)アクリレートと、
(i)構成成分(a)に基づき最大約30wt%の、少なくとも1種の溶質ポリマーと、
(j)構成成分(a)に基づき最大約0.2wt%の、少なくとも1種の連鎖移動剤と、(k)構成成分(a)に基づき最大約1wt%の、少なくとも1種の架橋剤と、
(k)構成成分(a)に基づき最大約5wt%の、少なくとも1種のアミノコポリマーと、
(l)構成成分(a)に基づき最大約5wt%の、少なくとも1種のイオン性モノマーと、
(m)構成成分(a)に基づき最大約20wt%の、少なくとも1種のビニル又はビニルエステルコモノマーと、
の反応生成物からなる接着剤であって、
該反応は水中で起こって微小球接着剤を生ずる、接着剤。
【請求項21】
前記アルキル(メタ)アクリレートコモノマーは、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−オクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、4−メチル−2−ペンチル(メタ)アクリレート、2−メチルブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項20に記載の接着剤。
【請求項22】
前記極性コモノマーが、(メタ)アクリル酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項20に記載の接着剤。
【請求項23】
前記アミドコモノマーが、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項20に記載の接着剤。
【請求項24】
(a)約90〜98wt%の、請求項23に記載の微小球接着剤と、
(b)約1〜10wt%の、少なくとも1種の結合剤と、
(c)約0.1〜3.0wt%の、少なくとも1種の増粘剤と、を含む、微小球接着剤組成物。
【請求項25】
紙、ポリマーフィルム、織布、合成又は天然材料の不織布、金属、金属化ポリマーフィルム、及びセラミックシートからなる群から選択される裏材の第1の面の少なくとも一部分上に配置された請求項24に記載の微小球接着剤を含む、接着剤物品。
【請求項26】
剥離コーティングが前記接着剤組成物の実質的に反対側に位置するように、前記裏材の第2の面の少なくとも一部分上に配置された該剥離コーティングを更に含む、請求項25に記載の物品。

【公表番号】特表2011−518921(P2011−518921A)
【公表日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−506418(P2011−506418)
【出願日】平成21年4月22日(2009.4.22)
【国際出願番号】PCT/US2009/041399
【国際公開番号】WO2009/132098
【国際公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】