説明

微小粒子構造体およびそれを用いた微小粒子の製造方法

【課題】微小流路を用いて非常に均一な粒径を有する、20〜30μm程度より小さい微小粒子を生成することできる微小粒子製造方法及びそのための微小流路構造体を提供する。
【解決の手段】微小粒子を含有する流体を流すための微小流路及びこれに連通する排出流路を備え、かつ前記微小流路に連通する1以上の流体の導入口と前記排出流路に連通する1以上の流体の排出口とを有した構造体であって、微小流路から排出流路への分岐部において、流体が流れる方向に沿って、微小流路の深さと実質的に等しい高さの複数の仕切り壁により複数の微小空間に分割されている微小流路構造体及びそれを用いた微小粒子の製造方法を用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微小な液滴などの微小粒子を生成するために好適な微小流路構造体及びこれを用いた微小粒子の製造方法に関し、さらに詳しくは、分取、分離用カラム充填剤用のゲル状の微小粒子や、マイクロカプセル等に用いられる微小粒子や微小な液滴などの製造用として好適に用いられる微小流路構造体及びこれを用いた微小粒子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、数cm角のガラス基板あるいは樹脂製基板上に長さが数cm程度で、幅及び深さがサブμmから数百μmの微小流路を有する微小流路構造体を用いて、液体の送液による微小粒子の生成を行う研究が注目されている。(例えば、非特許文献1、2参照)
上記微小粒子の生成に用いる微小流路構造体の微小流路は、図1(a)および(b)に示すように、微小流路基板(1)の上に、連続相導入口(2)、連続相導入流路(3)、分散相導入口(4)、分散相導入流路(5)、排出流路(16)及び排出口(18)を有したT字型あるいはY字型の形状が用いられており、導入された連続相と分散相とが合流する部分に合流部(6)が存在する。たとえば、図1(a)に示すT字型の微小流路流路の深さは100μmであり、分散相を導入する導入流路の幅が100μm、連続相を導入する導入流路の幅は300〜500μmである。このT字型微小流路を用いて送液を行うと、分散相と連続相が流路を通じて合流する地点、すなわち合流部において、連続相の流体が分散相の流体をせん断することで、極めて均一な微小粒子の生成が可能となり、その粒径は分散相と連続相の流れの速さを変化させることで制御することができる。また、図1(b)に示すY字型の微小流路の深さは50μmであり、分散相導入流路(5)の幅、連続相導入流路(3)の幅および排出流路(16)の幅は140μmである。また、分散相導入流路と連続相導入流路は44度の角度で合流している。このY字型微小流路を用いて送液を行うと、分散相と連続相が導入流路を通じて合流する地点、すなわち合流部において、連続相の流体が分散相の流体をせん断することで、極めて均一な微小粒子の生成が可能となり、その粒径は分散相と連続相の流れの速さを変化させること及び、分散相導入流路と連続相導入流路の合流角度を変化させることで制御することができる。
【0003】
しかしながら、これらの方法で制御できる微小粒子の粒径の最小値は、微小流路の幅あるいは深さのうち最小の大きさにほぼ等しくなる。従って、微小流路の幅、深さを小さくすれば理論上は微小粒子の粒径を小さくすることが可能であるが、実際には微小流路の幅、深さを小さくすると、通常1以下のレイノルズ数を有する上記微小流路のレイノルズ数がさらに小さくなり、より層流が安定して形成されるため、連続相の流体が分散相の流体をせん断することが非常に困難となり、一般的に20〜30μm程度より小さい粒径の微小粒子を生成することは、非常に難しいという課題があり、更なる改善が求められていた。
【0004】
【非特許文献1】T.NISISAKOら著、「DROPLET FORMATION IN A MICROCHANNEL ON PMMA PLATE」,Micro Total Analysis System 2001年発行,137〜138頁
【非特許文献2】A.KAWAIら著、「MASS−PRODUCTION SYSTEM OF NEARLY MONODISPERSE DIAMETER GEL PARTICLES USING DROPLETS FORMATION INA MICROCHANNEL」,Micro Total Analysis System 2002年発行,368〜370頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、微小流路を用いて非常に均一な粒径を有する、20〜30μm程度より小さい微小粒子を生成できる微小流路構造体及びこれを用いた微小粒子の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記課題を解決するものとして、微小流路を有する微小流路構造体において、前記微小流路を流れる媒体中に含有する微小粒子を、前記微小流路の断面積より小さい断面積を有し、かつ複数に分岐した微小空間を通過させることにより、前記微小粒子より体積の小さな微小粒子に、前記複数に分岐した微小空間の数と同数に分割することを特徴とする微小粒子製造方法および微小流路構造体を提供することで、上記の従来技術による課題を解決することができ、遂に本発明を完成するに至った。
尚、本明細書において「微小粒子」とは、固体状に硬化した微小粒子だけでなく、液状の微小粒子すなわち微小液滴も意味する。
【0007】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】
本発明における微小粒子の製造方法は、微小粒子を含有する流体を流すための微小流路及びこれに連通する排出流路を備え、かつ前記微小流路に連通する1以上の流体の導入口と前記排出流路に連通する1以上の流体の排出口とを有した構造体を用いて微小粒子を製造する方法であって、前記微小流路を移動する流体中の微小粒子を、前記微小流路の断面積より小さい断面積を有しかつ複数に分岐した微小空間を通過させることにより、前記微小粒子を前記複数に分岐した微小空間の数と同数に分割することを特徴とする微小粒子の製造方法である。このようにすることで、せん断等により生成した、例えば粒径50μm程度以上の微小粒子を、その粒径より小さい断面積を有する複数の微小空間に通過させることで、1つの微小粒子をいくつかの微小粒子に分割することができる。ここで、分割された微小粒子は、分割前の微小粒子の体積より小さくなり、より小さな微小粒子を生成することができるようになる。
【0009】
また本発明における微小粒子の製造方法は、上述した微小粒子の分割を2回以上繰り返すことを特徴とする微小粒子製造方法である。このようにすることで、段階的にさらに小さな微小粒子を生成することができる。
【0010】
さらに、本発明の微小粒子の製造方法は、前記分割されたすべての微小粒子の体積あるいは微小粒子の粒子径、さらにはその両者が実質的にほぼ等しくなるように微小粒子を形成する要件を備えた微小粒子の製造方法である。
【0011】
一般に、上述した分割を一度に多数行うことで、小さな微小粒子を一度に分割した数だけ生成することができるが、一度に微小粒子を多数に分割する方法では、分割した微小粒子の体積や粒径を正確に制御するための設計や微小流路の製作、およびそれを用いて均一な粒径の微小粒子を生成することが比較的に難しい。分割された微小粒子の体積や粒径をより正確により容易に制御するためには、一度の分割数は2分割であることが最も好ましい。この場合にも2分割を1回以上繰り返すことにより、段階的にさらに小さな粒径とすることができ、かつ粒径の均一な微小粒子を生成することができる。
【0012】
ここで、微小粒子の体積あるいは微小粒子の粒子径、さらにはその両者が実質的にほぼ等しいとは微小粒子の分散度が20%未満、好ましくは10%未満であることを意味する。なお、微小粒子の分散度は、例えば得られた微小粒子の適当量の粒子径分布を測定し、統計的手法により標準偏差として求める方法が挙げられる。
【0013】
さらに、より微小粒子を正確に分割するには、分割される微小粒子の最も小さい方向の径の大きさが、微小流路の幅あるいは深さのうちいずれか小さい方の大きさに実質的に等しいことがより好ましい。これは、分割する前の微小粒子が微小流路の幅あるいは深さのうちいずれか小さい方の大きさより小さい場合は、微小流路の中で微小粒子が上下左右に動いてしまい、微小粒子を分割する分岐部において微小粒子を正確に分割することが難しくなる。すなわち、本発明の微小粒子製造方法は、微小粒子の最も小さい方向の径の大きさが、微小流路の幅あるいは深さのうちいずれか小さい方の大きさに実質的に等しいことを特徴とする微小粒子製造方法である。ここで、微小粒子の最も小さい方向の径の大きさが、微小流路の幅あるいは深さのうちいずれか小さい方の大きさに実質的に等しいとは、微小粒子の最も小さい方向の径の大きさが、微小流路の幅あるいは深さのうちいずれか小さい方の大きさに対し等しいか5%以内の範囲で小さいことを意味する。
【0014】
上述したように微小粒子を分割するために微小流路の空間を小さくする構造としては、微小流路の特定の箇所に多孔質膜を設置する方法などが考えられるが、分割した微小粒子の粒径をより正確に均一に制御するには、多孔質膜の孔の大きさをより正確に等しくする必要がある。しかしながら、現時点で多孔質膜の孔の大きさをすべて等しくすることは非常に困難であり、さらに、たとえ多孔質膜の孔の大きさをすべて等しくできたとしても、微小粒子が球形をしている以上、1つの微小粒子の分割部位によっては、異なる大きさに分割されてしまう。すなわち、多孔質膜の孔の大きさがすべて等しいとした場合、微小粒子の周辺部で分割された微小粒子の粒径は、微小粒子の中央部で分割された微小粒子の粒径よりも小さくなってしまい、上記のような多孔質膜を備えた微小流路構造体は、より均一な粒径の微小粒子に分割する方法には適していない。
【0015】
そこで、本発明の微小流路構造体は、微小粒子を含有する流体を流すための微小流路及びこれに連通する排出流路を備え、かつ前記微小流路に連通する1以上の流体の導入口と前記排出流路に連通する1以上の流体の排出口とを有した構造体であって、微小流路から排出流路への分岐部において、流体が流れる方向に沿って、微小流路の深さと実質的に等しい高さの複数の仕切り壁により複数の微小空間に分割されていることを特徴とする、微小流路構造体である。このようにすることで、流体を分割する大きさを、設計・加工した流路構造により正確に制御することができるようになる。
【0016】
また、本発明の微小流路構造体は、複数の仕切り壁の微小流路の幅方向の間隔が、各仕切り壁で分割される複数の微小粒子をすべて等しい体積で分割する間隔で配置させて設計・加工することを特徴とする微小流路構造体である。すなわち、微小粒子の中央部の仕切り壁の間隔よりも微小粒子の周辺部の仕切り壁の間隔を広くすることで分割後の微小粒子の体積あるいは微小粒子の粒子径、さらにはその両者を均一に分割することが可能となる。ここで仕切り壁の間隔の設計は、球体の体積を仕切り壁の数だけ等しい体積で分割するように簡単な積分方程式を解けば設計可能である。
【0017】
図9と式(1)に後述する微小粒子を均等に4分割する場合の積分方程式を例を示した。球の体積を4分割する位置Aについて式(1)を解けば、微小流路内に形成する仕切り壁のおおよその位置を計算して設計することができる。
【0018】
すなわち、図9から、球の中心をとおるx軸を設定し、球のx軸に直角に横切る円の面積を積分することで、球の体積は求まる。円の半径は、x軸の変数xと球の半径rから三平方の定理で求まる。いま、図9の半径rの球が、幅2r、深さ2rの微小流路の中を通過すると仮定する。半球の部分の体積を2等分するxの座標をAとすると、座標Aは式(1)で求めることができる。すなわち、式(1)は球の中心からAまでの座標の球の体積と、座標Aから球の端rまでの球の体積が等しいこと示す式である。球の半径を1で正規化して解くと、Aは約0.34(34%)となる。例えば、流路幅が100μmの場合、球の半径は50μmに相当するので、50μmの34%の位置、すなわち微小流路の中心から17μmの位置で流路を仕切れば、球の片側半分の体積は、仕切り壁により半分に分割することができる、ということになる。
【0019】
また、前述したように微小粒子を2分割して粒径を小さくする方がより正確に容易に均一な粒径の微小粒子に分割することができることから、上記流体が流れる方向に沿って微小流路の深さと実質的に等しい高さの複数の仕切り壁は、微小流路の中央に1つ存在することがより好ましい。この構造を2回以上繰り返す構造にすれば、さらに小さな均一な粒径の微小粒子を生成することが可能となる。
【0020】
また、上述した仕切り壁の厚さは流体進行方向と逆方向に鋭い鋭角状になっていることがより好ましい。このような構造にすることで、微小粒子をナイフで切断するような効果を得ることができ、より均一な粒径の微小粒子に分割することが可能となる。
【0021】
仕切り壁(9)の形態としては、図2(a)に示すように、微小流路の中に形成した壁状のようなものであってもよいし、図2(b)に示すように、微小流路を枝状に分岐したような形状であってもよく、とくに制限はない。
【0022】
また本発明の微小流路構造体は、前述した複数に分割された微小粒子が合一することなく、分岐した微小空間が再び合流するような構造にしてもよい。このようにすることで、分割した微小粒子を1本の流路で回収することが容易となる。ただし、図3(a)に示すような構造で微小流路(11)が分岐部(10)で枝分かれした微小流路を再び合流部(6)で合流させると、分割した微小粒子が合流部で衝突し微小粒子が合一してしまう可能性が高くなる。そこで、図3(b)に示すように微小流路(11)が分岐部(10)で枝分かれした微小流路の流路長をそれぞれ変えることで微小流路を再び合流部(6)で合流させても微小粒子の合流地点での衝突を避けることが可能となる。
【0023】
また、本発明の微小流路構造体は、前記複数の仕切り壁が形成される直前近傍の前記微小流路の幅あるいは深さが、前記微小流路の他の部分より狭いことを特徴とする微小流路構造体である。この様態の一例を図4に示す。このようにすることで、分割直前の微小粒子の上下左右の振動を可能な限り抑えることができるため、仕切り壁の部分でより正確に微小粒子を均等に分割することが可能となる。
【0024】
なお、本発明における分割前の微小粒子の製造方法は特に制限はない。例えば、非特許文献1や非特許文献2にあるような、2相の流体が合流する部分で連続相の流体で分散相の流体をせん断することで微小粒子を形成してもよいし、あらかじめ2相を懸濁させて微小粒子を形成してから本発明の微小流路構造体に導入してもよい。また、1本の導入流路に有機相と水相を時分割で交互に送液することで、有機相あるいは水相をセグメント状にして送液してもよい。しかしながら、分割する前の微小粒子の粒径が均一であったほうがより均一な微小粒子に分割することができること、微小流路で粒子を形成すれば、その微小流路の下流で本発明の微小流路構造体の構造を付与することにより容易に微小粒子のさらなる小径化が実現可能であることを考慮すると、分割前の微小粒子の生成方法は図1(a)及び(b)に示したような非特許文献1や非特許文献2にあるような方法であることがより好ましい。この場合、一例として図5のような微小流路構造体の様態が考えられるが、当然のことながら本発明の要旨を逸脱しない範囲であればこの様態に限定されるものではない。
【0025】
本発明の微小流路構造体は、以上に述べた構造、性能を有しているが、図6に示すように、仕切り壁で仕切られた微小流路を微小流路基板上に形成した基板と、前記微小流路が形成された基板面を覆うように、微小流路の所定の位置に、微小流路と微小流路構造体外部とを連通するための少なくとも2以上の小穴が配置されたカバー体とが積層一体化されていてもよい。これにより、微小流路構造体外部から微小流路へ粒子を含む流体を導入し、微小流路構造体を通過後分割された粒子を含む液体を再び微小流路構造体外部へ排出することができ、粒子を含む液体を安定して微小流路内を通過させることが可能となる。粒子を含む液体の送液は、プランジャーポンプや圧送ポンプなどの機械的手段等を用いればよく、その手段は特に限定されない。
【0026】
微小流路が形成された基板及びカバー体の材質としては、微小流路の形成加工が可能であって、耐薬品性に優れ、適度な剛性を備えたものが望ましい。例えば、ガラス、石英、セラミック、シリコン、あるいは金属や樹脂等であっても良い。基板やカバー体の大きさや形状については特に限定はないが、厚みは数mm以下程度とすることが望ましい。カバー体に配置された小穴は、微小流路と微小流路構造体外部とを連通し、流体の導入口または排出口として用いる場合には、その径が例えば数mm以下である事が望ましい。カバー体の小穴の加工には、化学的に、機械的に、あるいはレーザー照射やイオンエッチングなどの各種の手段によって可能とされる。
【0027】
また本発明の微小流路構造体は、微小流路が形成された基板とカバー体は、熱処理接合あるいは光硬化樹脂や熱硬化樹脂などの接着剤を用いた接着等の手段により積層一体化することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明は以下の効果を奏する。
本発明における微小粒子製造方法により、微小流路を有する微小流路構造体において、前記微小流路を流れる媒体中に含有する微小粒子を、前記微小流路の断面積より小さい断面積を有し、かつ複数に分岐した微小空間を通過させることにより、前記微小粒子より体積の小さな微小粒子に、前記複数に分岐した微小空間の数と同数に分割することが可能となり、このようにすることで、せん断等により生成した、例えば粒径50μm程度以上の微小粒子を、その粒径より小さい断面積を有する複数の微小空間に通過させることで、1つの微小粒子をいくつかの微小粒子に分割し、分割された微小粒子は、分割前の微小粒子の体積より小さくなり、より小さな微小粒子を生成することができるようになる。
【0029】
また本発明における微小粒子製造方法により、上述した微小粒子の分割を2回以上繰り返すことで、段階的にさらに小さな微小粒子を生成することができる。
【0030】
さらに、本発明の微小粒子製造方法により、一度の分割数を2分割とし、この2分割を2回以上繰り返すことにより、段階的にさらに小さな粒径とすることで、分割されたすべての微小粒子の体積、かつ/または微小粒子の粒子径が実質的にほぼ等しくなるように微小粒子を形成することが可能となる。
【0031】
さらに、本発明の微小粒子製造方法により、分割される微小粒子の最も小さい方向の径の大きさが、微小流路の幅あるいは深さのうちいずれか小さい方の大きさに実質的に等しくすることで、分割前の微小粒子の上下左右の動きを抑えることで、より微小粒子を正確に均等に分割することが可能となる。
【0032】
また流体が流れる方向に沿って、微小流路の深さと実質的に等しい高さの複数の仕切り壁を微細加工により形成し、微小流路の内部を複数の微小空間に分割した微小流路構造体を用いることで、流体を分割する大きさを、設計・加工した流路構造により正確に制御することができるようになる。
【0033】
また、各仕切り壁で分割される複数の微小粒子を、実質的にすべて等しい体積かつ/または粒径に分割することができるように、微小粒子の中央部の仕切り壁の間隔よりも微小粒子の周辺部の仕切り壁の間隔を広くするように配置させて設計・加工した微小流路構造体を用いることで、微小粒子の体積かつ/または粒径を実質的に等しく均一に分割することが可能となる。
【0034】
また、複数の仕切り壁が形成される直前近傍の前記微小流路の幅あるいは深さが、前記微小流路の他の部分より狭い微小流路構造体を用いることで、分割直前の微小粒子の上下左右の振動を可能な限り抑えることができるため、仕切り壁の部分でより正確に微小粒子を均等に分割することが可能となる。
【0035】
また、本発明の微小粒子生成方法及びそのための微小流路構造体を用いることで、微小流路内で微小流路の流路幅より小さい粒径の微小粒子を生成させることができることから、本発明の波及効果として、その微小粒子が液滴である場合などは、その液滴の周囲の媒体との比表面積が、微小流路内で2液の層流が形成されるときの比表面積よりも大きくなるため、この微小液滴を利用して液滴内に含有される反応基質とその周囲の媒質に含有される反応基質との反応速度の向上や、液滴とその周囲の媒質との溶媒抽出における抽出速度の向上の効果を期待することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下では、本発明の実施例を示し、更に詳しく発明の実施の形態について説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更可能であることは言うまでもない。
【実施例1】
【0037】
本発明の第1の実施例に使用した微小流路構造体を図4(a)に示した。微小流路は、70mm×38mm×1mm(厚さ)のパイレックス(登録商標)製の微小流路基板(1)に一般的なフォトリソグラフィーとウエットエッチングにより形成し、1つの導入口(17)と2つの排出口(18)に相当する位置に、直径0.6mmの貫通した小穴(12)を機械的加工手段により設けた同サイズのパイレックス(登録商標)基板をカバー体(17)として熱融着により接合することで微小流路を密閉した。形成した微小流路は、深さが20μm、導入口から連通する導入流路(14)の幅が100μm、導入流路から分岐部(10)において2本に分岐した排出流路(16)の幅がそれぞれ50μmである。また図6(b)に示すように分岐部直前の50μmの部分の流路幅を90μmに両側から絞った形状とした。分岐部における排出流路の分岐の形態は、図4(b)に示すように曲率半径20mmの曲線状とし、分岐部から緩やかに徐々に分岐していくように加工した。また、このように分岐させることで、分岐部の先端は、流体の進行方向と逆向きにナイフ状に鋭角に形成することができた。
【0038】
この微小流路の導入口(17)から平均粒径が約100μm、分散度9.6%の微小粒子を含有する流体を導入した。微小粒子を含有する流体の導入方法として、図4(a)に示すように微小流路構造体(24)を流体が送液可能なようにホルダー(20)などで保持すると共に、テフロン(登録商標)チューブ(22)及びフィレットジョイント(21)をホルダーに固定した。導入口に接続したテフロン(登録商標)チューブのもう一方はマイクロシリンジポンプ(23)に接続し、このマイクロシリンジポンプにより微小粒子を含有する流体を微小流路に導入した。実際に使用した微小粒子を含有する流体は、ジビニルベンゼンと酢酸ブチルからなる100μmの微小粒子を含有するポリビニルアルコール3%水溶液の流体である。送液速度は10μl/分とした。安定した送液流速状態で導入流路(14)を経て微小粒子は分岐部(10)で2つに分割され、排出流路(16)を経由して2つの排出口(18)に固定されたフィレットジョイントとテフロン(登録商標)チューブを通してビーカ(27)に回収された。
【0039】
分割された微小粒子を観察するとほぼ球形の粒子であった。また、この微小粒子を100個とり、その粒径を測定したところ、平均粒子径52μm、分散度9.8%であり、非常に均一な粒径分布の微小粒子であった。
【0040】
(比較例1)
本発明の第1の実施例に対する第1の比較例に使用した微小流路構造体を図8(a)に示した。微小流路構造体は実施例1と同様な手法で製作した。形成した微小流路は、深さが20μm、導入口から連通する導入流路(14)の幅が120μm、導入流路から分岐部(10)において2本に分岐した排出流路(16)の幅がそれぞれ50μmである。分岐部における排出流路の分岐の形態は、図8(b)に示すように曲率半径20mmの曲線状とし、分岐部から緩やかに徐々に分岐していくように加工した。また、このように分岐させることで、分岐部の先端は、流体の進行方向と逆向きにナイフ状に鋭角に形成することができた。
【0041】
この微小流路の導入口(17)から平均粒径が約100μm、分散度9.6%の微小粒子を含有する流体を導入した。微小粒子を含有する流体の成分とその導入方法は実施例1と同様に行った。安定した送液流速状態で導入流路(14)を経て粒子は分岐部(10)で2つに分割され、排出流路(16)を経由して2つの排出口(18)に固定されたフィレットジョイントとテフロン(登録商標)チューブを通してビーカ(27)に回収された。
【0042】
分割された微小粒子を100個とり、その粒径を測定したところ、平均粒子径51μm、分散度30%となり、分散度20%以下の均一な粒径の微小粒子を得ることができなかった。
【実施例2】
【0043】
本発明の第2の実施例に使用した微小流路構造体を図6(a)に示した。微小流路構造体は実施例1と同様な手法で製作した。微小流路の深さは5μmとし、導入口(17)から連通する導入流路(14)の流路幅は約150μm、導入流路から第1の分岐部(13)で2つに分岐した第1の分岐流路(15)の流路幅が約75μm、第1の分岐流路から第2の分岐部(26)でさらに各々が2つに分岐した第2の分岐流路(28)の流路幅が約35μm、第2の分岐流路から第3の分岐部(29)でさらに各々が2つに分岐した第3の分岐流路A(30)、B(31)、C(32)、D(33)、E(34)、F(35)、G(36)、H(37)の流路幅を約18μmに設計した。なお、各分岐部における排出流路の分岐の形態は、図6(b)に示すように曲率半径20mmの曲線状とし、分岐部から緩やかに徐々に分岐していくように加工し、分岐部の先端は、流体の進行方向と逆向きにナイフ状に鋭角に形成した。また、実施例1と同様に分岐部直前の流路幅を両側から流路は幅の約5%程度づつ絞った形状とした。
【0044】
最終的に8本に分割した第3の分岐流路は、排出口(18)で1箇所に合流させた。合流させる際、合流部での微小粒子の衝突を避けるために、第3の分岐部(29)から排出口(18)にいたるまでの流路長を1000μmずつ変えて排出口に合流させた。すなわち第3の分岐流路の長さは、図6(a)の手前の第3の分岐流路A(30)の長さが250mm、その隣の第3の分岐流路B(31)の長さが249mm、その隣の第3の分岐流路C(32)の長さが248mm、その隣の第3の分岐流路D(33)の長さが247mm、その隣の第3の分岐流路E(34)の長さが246mm、その隣の第3の分岐流路F(35)の長さが245mm、その隣の第3の分岐流路G(36)の長さが244mm、その隣の第3の分岐流路H(37)の長さが243mmとした。、微小粒子を含有した流体は実施例1と同様にジビニルベンゼンと酢酸ブチルからなる150μmの微小粒子を含有するポリビニルアルコール3%水溶液の流体を用い、実施例1と同様な方法により微小流路構造体の微小流路に導入した。送液速度は5μl/分で送液した。安定した送液流速状態で導入流路(38)を経て第1の分岐部で2分割された微小粒子は、第2の分岐部で再度2分割され、第3の分岐部でさらに2分割された。
【0045】
以上の通り、8本に分岐した第3の分岐部(10)から排出流路(16)を経由して排出口(18)を経由して得られた微小粒子を観察したところ球形の粒子であった。この微小粒子を100個とり、その粒径を測定したところ、平均粒子径は約17μmであり、分散度は9.6%であり、極めて均一な粒径分布の微小粒子であった。
【実施例3】
【0046】
本発明の第3の実施例使用した微小流路構造体を図5(a)に示した。微小流路は、70mm×38mm×1mm(厚さ)のパイレックス(登録商標)製の微小流路基板(1)に一般的なフォトリソグラフィーとウエットエッチングにより、2つの導入口と2つの排出口を有するダブルY字型の微小流路を形成した。2つの導入口(17)と2つの排出口(18)に相当する位置に、直径0.6mmの貫通した小穴(12)を機械的加工手段により設けた同サイズのパイレックス(登録商標)基板をカバー体(19)として熱融着により接合することで微小流路を密閉した。形成した微小流路は、深さが20μm、2つの導入口から連通する導入流路(14)の幅が120μm、導入流路は合流部(6)において流路幅100μmの微小流路(11)と各々の導入流路が微小流路に対して22度の角度で合流する。また、微小流路から分岐部(10)において2本に分岐した排出流路(16)の幅はそれぞれ50μmである。分岐部における排出流路の分岐の形態は、実施例1と同様に図5(b)に示すように曲率半径20mmの曲線状とし、分岐部から緩やかに徐々に分岐していくように加工し、分岐部の先端は流体の進行方向と逆向きにナイフ状に鋭角に形成した。また図5(b)に示すように、実施例1と同様に分岐部直前の50μmの部分の流路幅を90μmに両側から絞った形状とした。
【0047】
この微小流路の2つの導入口(17)のうち一方の導入口から、連続相である水相としてポリビニルアルコール3%水溶液を微小流路に導入し、もう一方の導入口から分散相である有機相としてジビニルベンゼンと酢酸ブチルの混合溶液を導入した。流体の導入方法としては、実施例1および実施例2と同様に、図5(a)に示すように微小流路構造体(24)を流体が送液可能なようにホルダー(20)などで保持すると共に、テフロン(登録商標)チューブ(22)及びフィレットジョイント(21)をホルダーに固定し、導入口に接続したテフロン(登録商標)チューブのもう一方はマイクロシリンジポンプ(23)に接続し、このマイクロシリンジポンプにより流体を微小流路構造体中の微小流路に導入した。送液速度は分散相及び連続相は共に20μl/分で送液した。送液速度が安定した状態で、分散相を導入した導入流路と連続相を導入した導入流路が微小流路の合流部にて合流し、連続相である水相が分散相である有機相をせん断することで液状の微小粒子(以下、液滴と称する。)の生成が観察された。この液滴はそのまま微小流路を流れ、分岐部に達すると2つに分割され、排出流路(16)を経由して2つの排出口(18)に固定されたフィレットジョイントとテフロン(登録商標)チューブを通してビーカ(27)に回収された。
【0048】
分割された微小粒子を観察したところ球形の粒子であった。この微小粒子を100個とり、その粒径を測定したところ、平均粒子径55μm、分散度9.0%であり、極非常に均一な粒径分布の微小粒子であった。
【実施例4】
【0049】
本発明の第4の実施例に用いた微小流路構造体を図7(a)に示した。微小流路構造体は実施例1と同様な手法で製作した。微小流路の深さは20μmとし、導入口(17)から連通する導入流路(14)の流路幅は約100μm、分岐部(10)において、導入流路から4つに排出流路(16)を分岐した。排出流路の幅は、それぞれ外側に2本の排出流路の幅を約32μm、内側2本の排出流路の幅を約18μmとし図7(b)に示すように内側2本の排出流路は曲率半径20mm、外側2本の排出流路は曲率半径15mmの曲線状とし、分岐部から緩やかに徐々に分岐していくように加工し、分岐部の先端は、流体の進行方向と逆向きにナイフ状に鋭角に形成した。また図7(b)に示すように、実施例1と同様に分岐部直前の50μmの部分の流路幅を90μmに両側から絞った形状とした。排出流路のそれぞれの幅は、液滴を完全球体とした場合の球体の体積を4等分に分割するように図9に示した図と下に示す式(1)から、式(1)のAの値について解いて計算した。
【0050】
【化1】

【0051】
すなわち、図9から、球の中心をとおるx軸を設定し、球のx軸に直角に横切る円の面積を積分することで、球の体積は求まる。円の半径は、x軸の変数xと球の半径rから三平方の定理で求まる。いま、図9の半径rの球が、幅2r、深さ2rの微小流路の中を通過すると仮定する。半球の部分の体積を2等分するxの座標をAとすると、座標Aは式(1)で求めることができる。すなわち、式(1)は球の中心からAまでの座標の球の体積と、座標Aから球の端rまでの球の体積が等しいこと示す式である。球の半径を1で正規化して解くと、Aは約0.34(34%)となる。例えば、流路幅が100μmの場合、球の半径は50μmに相当するので、50μmの34%の位置、すなわち微小流路の中心から17μmの位置で流路を仕切れば、球の片側半分の体積は、仕切り壁により半分に分割することができる、ということになる。
【0052】
微小粒子を含有した流体は実施例1と同様にジビニルベンゼンと酢酸ブチルからなる100μmの微小粒子を含有するポリビニルアルコール3%水溶液の流体を用い、実施例1と同様な方法により微小流路構造体の微小流路に導入した。送液速度は10μl/分で送液した。微小粒子は、安定した送液速度で導入流路(14)を経て分岐部で4分割された。
【0053】
得られた微小粒子を観察したところ球形の粒子であった。この微小粒子を100個とり、その粒径を測定したところ、平均粒子径約26μm、分散度は約9.2%であり、非常に均一な粒径分布の微小粒子であった。
【0054】
(比較例2)
本発明の第4の実施例に対する第2の比較例に用いた微小流路構造体を図10(a)に示した。流路構造体は実施例1と同様な手法で製作した。微小流路の深さは20μmとし、導入口(17)から連通する導入流路(14)の流路幅は約100μm、分岐部(10)において、導入流路から4つに排出流路(16)を分岐した。基本的には実施例4と同様な微小流路構造体であるが、排出流路の幅はすべて25μmとした。また、図10(b)に示すように内側2本の排出流路は曲率半径20mm、外側2本の排出流路は曲率半径15mmの曲線状とし、分岐部から緩やかに徐々に分岐していくように加工し、分岐部の先端は、流体の進行方向と逆向きにナイフ状に鋭角に形成した。また図10(b)に示すように、実施例1と同様に分岐部直前の50μmの部分の流路幅を90μmに両側から絞った形状とした。
【0055】
微小粒子を含有した流体は実施例1と同様にジビニルベンゼンと酢酸ブチルからなる100μmの微小粒子を含有するポリビニルアルコール3%水溶液の流体を用い、実施例1と同様な方法により微小流路構造体の微小流路に導入した。送液速度は10μl/分で送液した。安定した送液流速状態で導入流路(14)を経て分岐部で4分割された微小粒子を100個とり、その粒径を測定したところ、微小粒子の平均粒径は約26μmであったが、粒径分布を示すピークが約35μm近傍と約15μm近傍に存在し、分散度は約38%となり、分散度20%以下の非常に均一な粒径分布の微小粒子を得ることはできなかった。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】従来の微小流路構造体を用いた微小粒子生成方法の概念図を示した図であり、(a)はT字型の微小流路を用いた微小粒子生成方法の概念図を示し、(b)はY字型の微小流路を用いた微小粒子生成方法の概念図を示したずである。
【図2】本発明における微小流路内に形成する仕切り壁の態様の代表的な形状の概念図である。(a)は板状の仕切り壁の概念図であり、(b)は排出流路を枝状に分岐させた時の仕切り壁の概念図である。
【図3】分岐部において微小粒子を分割した後、再度微小流路を合流させる時の態様をしました図であり、(a)微小流路の合流部において分割した微小粒子が衝突して合一てしまう可能性が高い微小流路の概念図であり、(b)は、枝分かれした微小流路の流路長をそれぞれ変えることで微小流路の合流部で微小粒子の衝突を避けることが可能となる微小流路の概念図である。
【図4】本発明の第1の実施例に使用した微小流路構造体を示す概略図である。(a)は使用した微小流路構造体と微小流路への送液方法を示した図であり、(b)は微小流路の分岐部における平面図の概略図である。
【図5】本発明の第3の実施例に使用した微小流路構造体を示す概略図である。(a)は使用した微小流路構造体と微小流路への送液方法を示した図であり、(b)は微小流路の分岐部における平面図の概略図である。
【図6】本発明の第2の実施例に使用した微小流路構造体を示す概略図である。(a)は使用した微小流路構造体と微小流路への送液方法を示した図であり、(b)は微小流路の分岐部における平面図の概略図である。
【図7】本発明の第4の実施例に使用した微小流路構造体を示す概略図である。(a)は使用した微小流路構造体と微小流路への送液方法を示した図であり、(b)は微小流路の分岐部における平面図の概略図である。
【図8】本発明の第1の比較例に使用した微小流路構造体を示す概略図である。(a)は使用した微小流路構造体と微小流路への送液方法を示した図であり、(b)は微小流路の分岐部における平面図の概略図である。
【図9】球体の体積を仕切り壁の数だけ等しい体積で分割するための仕切り壁の微小流路内の位置を計算して設計するための積分方程式を導くための図である。
【図10】本発明の第2の比較例に使用した微小流路構造体を示す概略図である。(a)は使用した微小流路構造体と微小流路への送液方法を示した図であり、(b)は微小流路の分岐部における平面図の概略図である。
【符号の説明】
【0057】
1:微小流路基板
2:連続相導入口
3:連続相導入流路
4:分散相導入口
5:分散相導入流路
6:合流部
7:分割前の微小粒子を示す理想球体
8:理想球体をY軸方向に均等の体積に4分割するための仕切り壁の位置
9:仕切り壁
10:分岐部
11:微小流路
12:小穴
13:第1の分岐部
14:導入流路
15:第1の分岐流路
16:排出流路
17:導入口
18:排出口
19:カバー体
20:ホルダー
21:フィレットジョイント
22:テフロン(登録商標)チューブ
23:マイクロシリンジポンプ
24:微小流路構造体
25:マイクロシリンジポンプドライバ
26:第2の分岐部
27:ビーカー
28:第2の分岐流路
29:第3の分岐部
30:第3の分岐流路A
31:第3の分岐流路B
32:第3の分岐流路C
33:第3の分岐流路D
34:第3の分岐流路E
35:第3の分岐流路F
36:第3の分岐流路G
37:第3の分岐流路H

【特許請求の範囲】
【請求項1】
微小粒子を含有する流体を流すための微小流路及びこれに連通する排出流路を備え、かつ前記微小流路に連通する1以上の流体の導入口と前記排出流路に連通する1以上の流体の排出口とを有した構造体を用いて微小粒子を製造する方法であって、前記微小流路を移動する流体中の液状の小粒子を、前記微小流路の断面積より小さい断面積を有しかつ複数に分岐した微小空間を通過させて通過後の液状の微小粒子の粒子径の分散度が20%未満となるように分割することを特徴とする微小粒子の製造方法。
【請求項2】
前記分割を2回以上繰り返すことを特徴とする請求項1記載の微小粒子の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−58119(P2010−58119A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−277899(P2009−277899)
【出願日】平成21年12月7日(2009.12.7)
【分割の表示】特願2003−160744(P2003−160744)の分割
【原出願日】平成15年6月5日(2003.6.5)
【出願人】(000003300)東ソー株式会社 (1,901)
【Fターム(参考)】