説明

微小金属粒子含有組成物

【課題】銀粒子2の凝集が生じにくく、取り扱いが容易である微小銀粒子含有組成物の提供。
【解決手段】微小銀粒子含有組成物は、多数の微小銀粒子2と、それぞれの銀粒子2の表面を覆うコーティング層4とからなる。この銀粒子2は、いわゆるナノ粒子である。この銀粒子2は、鱗片状である。コーティング層4は、有機化合物からなる。この有機化合物は、銀粒子2に付着している。この有機化合物は、銀粒子2の凝集を抑制する。この組成物は、ケーキ状を呈する。組成物の全量に対する有機化合物の質量比率は、2%以上15%以下である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微小金属粒子含有組成物並びにその製造方法及び使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器のプリント基板の製造では、素子を連結するパターンが印刷される。この印刷には、導電性ペーストが用いられる。導電性ペーストは、微小金属粒子、バインダー及び液状有機化合物(溶剤)を含んでいる。導電性ペーストには、優れた印刷特性が必要である。導電性ペーストには、優れた導電性も必要である。これらの特性を得るべく、導電性ペーストには、極めて小さな粒子(いわゆるナノ粒子)が用いられている。
【0003】
典型的な金属粒子は、銀粒子である。特表2008−517153公報には、シュウ酸銀から微小銀粒子を得る製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2008−517153公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
金属粒子は、微小であるが故に、取り扱いが難しい。導電性ペーストの生産性は、十分ではない。
【0006】
微小金属粒子は、凝集しやすい。凝集後の金属粒子は、ペースト製造時に再分散させる必要がある。この再分散は、容易にはなされ得ない。凝集は、導電性ペーストの品質を損なう。
【0007】
本発明の目的は、微小金属粒子の取り扱い性の改善にある。本発明の他の目的は、微小金属粒子の凝集の防止にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る微小金属粒子含有組成物は、多数の微小金属粒子と、それぞれの粒子の表面にコートされた有機化合物とを含む。この組成物の全量に対する、有機化合物の質量比率は、2%以上15%以下である。
【0009】
好ましくは、粒子の材質は、銀である。好ましくは、有機化合物は、粒子の表面に結合している。好ましくは、粒子は鱗片状である。
【0010】
本発明に係る微小銀粒子含有組成物の製造方法は、
液体であるキャリヤーに銀化合物を分散させて分散液を得る工程、
上記分散液の中に、第一有機化合物がその表面に結合した微小な銀粒子を析出させる工程、
上記銀粒子をキャリヤーと分離する工程、
上記銀粒子を第二有機化合物の液に投入し、この第二有機化合物を銀粒子の表面に付着させる工程、
及び
上記銀粒子を第二有機化合物の液と分離する工程
を含む。
【0011】
本発明に係る微小粒子含有組成物の使用方法は、
多数の微小粒子と、それぞれの粒子の表面にコートされた有機化合物とを含んでおり、全量に対する有機化合物の質量比率が2%以上15%以下である微小粒子含有組成物を準備する工程
及び
上記有機化合物との親和力が高い溶剤を上記組成物と混合し、ペーストを得る工程
を含む。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る組成物では、有機化合物のマトリクス中に金属粒子が分散している。従って、金属粒子が微小であるにも関わらず、その組成物は、取り扱い性に優れる。有機化合物はさらに、粒子の凝集を抑制する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る組成物に含まれる銀粒子と有機化合物とが示された断面図である。
【図2】図2は、図1の銀粒子が示された斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
【0015】
図1には、微小銀粒子2が示されている。図2に示されるように、この銀粒子2は、鱗片状である。この銀粒子2のサイズは、200nm以上10μm以下である。この銀粒子2は、いわゆるナノ粒子である。
【0016】
図1には、銀粒子2とともに、コーティング層4も示されている。銀粒子2は、コーティング層4で覆われている。コーティング層4は、有機化合物からなる。この有機化合物は、単体では、常温常圧下にて液体である。
【0017】
多数の銀粒子2と有機化合物とを含む組成物は、好ましくは、ケーキ状を呈する。ここでケーキ状とは、ペーストとパウダーとの間の状態を意味する。従ってこの組成物の流動性は、ペーストの流動性よりも低い。この組成物は、パウダーのように飛散することがない。この組成物は、銀粒子2が微小であるにも関わらず、取り扱い性に優れる。なお、この組成物がペーストの状態を呈していてもよい。
【0018】
銀粒子2と他の銀粒子2との間には、有機化合物が存在する。この有機化合物は、銀粒子2の凝集を抑制する。
【0019】
この組成物の典型的な用途は、導電性ペーストの材料である。この組成物に、溶剤、バインダー、分散剤等が添加され、導電性ペーストが得られる。組成物において銀粒子2が凝集していないので、導電性ペーストにおいても、銀粒子2が十分に分散する。従って、このペーストは、導電性及び印刷特性に優れる。導電性ペーストの製造にあたり、凝集粒子を再分散させるための特殊な装置は、不要である。
【0020】
この組成物の全量に対する有機化合物の質量比率は、2%以上である。この組成物では、凝集が生じにくい。この観点から、この比率は4%以上がより好ましく、5%以上が特に好ましい。有機化合物が過剰であると、導電性ペーストの成分調整の自由度が阻害される。この観点から、この比率は15%以下が好ましい。
【0021】
以下、この組成物の製造方法の一例が説明される。この製造方法では、液体であるキャリヤーに、銀化合物が分散させられる。典型的な銀化合物は、シュウ酸銀である。シュウ酸銀は、銀化合物の水溶液と、シュウ酸化合物(oxalate compound)との反応によって得られる。典型的な銀化合物は、硝酸銀(AgNO)である。シュウ酸化合物としては、シュウ酸及びシュウ酸ナトリウムが例示される。反応によって得られた沈殿物から不純物が除去されて、シュウ酸銀の粉末が得られる。
【0022】
キャリヤーとして、親水性の液体が用いられる。キャリヤーの具体例としては、水及びアルコールが挙げられる。好ましいアルコールは、エチルアルコール、メチルアルコール及びプロピルアルコールである。キャリヤーに2種以上の液が併用されてもよい。
【0023】
シュウ酸銀は、実質的には、キャリヤーに溶解しない。シュウ酸銀は、キャリヤーに分散させられる。超音波処理により、分散が促進されうる。
【0024】
この分散液が、加熱される。加熱により、下記式に示された反応が起こる。換言すれば、シュウ酸銀が熱で分解する。
Ag = 2Ag + 2CO
この分散液の中に、銀が微小粒子として析出する。
【0025】
この銀粒子2の表面には、シュウ酸銀又はキャリヤーに由来する有機化合物(以下「第一有機化合物」と称される)が付着する。この第一有機化合物は、化学的に銀粒子2と結合している。
【0026】
この銀粒子2が、遠心分離器に投入される。遠心分離器により、銀粒子2からキャリヤーが除去される。必要に応じ、他の液体に銀粒子2が投入され、再度遠心分離器に投入されてもよい。他の液体が用いられることで、銀粒子2からキャリヤーがほぼ完全に除去されうる。
【0027】
この銀粒子2が、他の有機化合物(以下「第二有機化合物」と称される)の液に投入される。投入により、第二有機化合物が、表面張力等によって第一有機化合物に付着する。換言すれば、第二有機化合物が、第一有機化合物を介して銀粒子2の表面に付着する。第二有機化合物には、脂肪族アルコール類、脂環族アルコール類、芳香脂肪族アルコール類及び多価アルコール類のようなアルコール類;(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル及び(ポリ)アルキレングリコールモノアリールエーテルのようなグリコールエーテル類;(ポリ)アルキレングリコールアセテートのようなグリコールエステル類;(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテートのようなグリコールエーテルエステル類;脂肪族炭化水素及び芳香族炭化水素のような炭化水素類;エステル類;テトラヒドロフラン及びジエチルエーテルのようなエーテル類;並びにジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAC)及びN−メチル−2−ピロリドン(NMP)のようなアミド類が含まれる。2種以上の第二有機化合物が併用されてもよい。
【0028】
脂肪族アルコール類としては、ヘプタノール;1−オクタノール、2−オクタノール及びテルピネオールのようなオクタノール;1−デカノールのようなデカノール;ラウリルアルコール;テトラデシルアルコール;セチルアルコール;2−エチル−1−ヘキサノール;オクタデシルアルコール;ヘキサデセノール;並びにオレイルアルコールが例示される。炭素数が6以上30以下の、飽和脂肪族アルコール又は不飽和脂肪族アルコールが好ましい。炭素数が8以上24以下の、飽和脂肪族アルコール又は不飽和脂肪族アルコールが、特に好ましい。
【0029】
脂環族アルコール類としては、シクロヘキサノールのようなシクロアルカノール類;並びにテルピネオール及びジヒドロテルピネオールのようなテルペンアルコール類が例示される。
【0030】
芳香脂肪族アルコール類としては、ベンジルアルコール及びフェネチルアルコールが例示される。
【0031】
多価アルコール類としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール及びジプロピレングリコールのようなグリコール類が例示される。炭素数が2以上4以下のアルキレングリコールが好ましい。グリセリンのような、3以上のヒドロキシル基を有するアルコールも好ましい。
【0032】
(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルとしては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル及びトリプロピレングリコールブチルエーテルが例示される。(ポリ)アルキレングリコールモノアリールエーテルとしては、2−フェノキシエタノールが例示される。
【0033】
(ポリ)アルキレングリコールアセテートとしては、酢酸カルビトールが例示される。
【0034】
(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテートとしては、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが例示される。
【0035】
脂肪族炭化水素としては、テトラデカン、オクタデカン、ヘプタメチルノナン及びテトラメチルペンタデカンが例示される、飽和脂肪族炭化水素及び不飽和脂肪族炭化水素が用いられうる。
【0036】
芳香族炭化水素としては、トルエン及びキシレンが例示される。
【0037】
エステル類としては、酢酸ベンジル、酢酸イソボルネオール、安息香酸メチル及び安息香酸エチルが例示される。
【0038】
この銀粒子2が、遠心分離器に投入される。遠心分離器により、銀粒子2から余剰の第二有機化合物が除去される。除去されない第二有機化合物は、図1に示されたコーティング層4を形成する。遠心分離器による除去の後、この組成物に対する乾燥は必要ない。乾燥がなされないことにより、組成物のウエット状態が保たれる。必要に応じ、この組成物に適度な乾燥がなされてもよい。
【0039】
前述の通り、この組成物に溶剤等が添加され、導電性ペーストが得られる。第二有機化合物に関して例示された前述の有機化合物が、溶剤として用いられうる。第二有機化合物との親和力が高い溶剤が用いられることで、高品質なペーストが得られる。品質の観点から、導電性ペーストに用いられるであろう溶剤の性質が考慮され、適切な第二有機化合物が選択されることが好ましい。第二有機化合物と同一の溶剤が添加されてもよい。
【0040】
この組成物には、銀以外の金属の粒子が用いられうる。銀以外の金属としては、金、銅、酸化亜鉛及び酸化チタンが例示される。
【実施例】
【0041】
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
【0042】
[実施例1]
300cmの蒸留水に2.8gのシュウ酸銀粉末を投入した。超音波処理を10分間施し、シュウ酸銀粉末を蒸留水に分散させた。この分散液を130℃に加熱し、15分間反応させて沈殿物を得た。この沈殿物を取り出して、遠心分離器にて水を除去した。この沈殿物をメタノールに投入し、攪拌した。沈殿物を取り出して、遠心分離器にてメタノールを除去した。この沈殿物をエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(ECA)に投入し、攪拌した。沈殿物を取り出して、遠心分離器にて余剰のエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートを除去した。この沈殿物に所定時間の熱乾燥を施し、図1に示される微小銀粒子含有組成物を得た。この組成物は、銀粒子とコーティング層とからなる。銀粒子は、鱗片状である。銀粒子の粒子径は、約1μmである。この組成物は、97.9質量%の銀粒子と、2.04質量%のエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートとを含んでいる。組成物は、ケーキ状である。
【0043】
[実施例2−3及び比較例1−2]
遠心分離の時間を変更した他は実施例1と同様にして、実施例2−3及び比較例1−2の微小銀粒子含有組成物を得た。各組成物における酢酸2−エトキシエチルの量が、下記の表1に示されている。
【0044】
[参考例]
パウダー状の銀粒子を準備した。
【0045】
[実施例4−6及び比較例3−4]
エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(ECA)をカルビトールアセテート(CA)に変更するとともに、遠心分離の時間を変更し各組成物におけるカルビトールアセテート(CA)の量を下記の表2に示された通りとした他は実施例1と同様にして、実施例4−6及び比較例3−4の微小銀粒子含有組成物を得た。
【0046】
[実施例7−9及び比較例5−6]
エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(ECA)をメタノールに変更するとともに、遠心分離の時間を変更し各組成物におけるメタノールの量を下記の表3に示された通りとした他は実施例1と同様にして、実施例7−9及び比較例5−6の微小銀粒子含有組成物を得た。
【0047】
[実施例10−12及び比較例7−8]
エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(ECA)をジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)に変更するとともに、遠心分離の時間を変更し各組成物におけるジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)の量を下記の表4に示された通りとした他は実施例1と同様にして、実施例10−12及び比較例7−8の微小銀粒子含有組成物を得た。実施例12及び比較例8の組成物は、ペースト状である。
【0048】
[実施例13−15及び比較例9−10]
エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(ECA)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に変更するとともに、遠心分離の時間を変更し各組成物におけるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)の量を下記の表5に示された通りとした他は実施例1と同様にして、実施例13−15及び比較例9−10の微小銀粒子含有組成物を得た。実施例13−15及び比較例10の各組成物は、ペースト状である。
【0049】
[実施例16−18及び比較例11−12]
エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(ECA)をテルピネオールに変更するとともに、遠心分離の時間を変更し各組成物におけるテルピネオールの量を下記の表6に示された通りとした他は実施例1と同様にして、実施例16−18及び比較例11−12の微小銀粒子含有組成物を得た。
【0050】
[実施例19−21及び比較例13−14]
エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(ECA)をイソプロピルアルコール(IPA)に変更するとともに、遠心分離の時間を変更し各組成物におけるイソプロピルアルコール(IPA)の量を下記の表7に示された通りとした他は実施例1と同様にして、実施例19−21及び比較例13−14の微小銀粒子含有組成物を得た。
【0051】
[実施例22−24及び比較例15−16]
エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(ECA)をエチレングリコールモノフェニルエーテルに変更するとともに、遠心分離の時間を変更し各組成物におけるエチレングリコールモノフェニルエーテルの量を下記の表8に示された通りとした他は実施例1と同様にして、実施例22−24及び比較例15−16の微小銀粒子含有組成物を得た。
【0052】
[導電性の評価]
微小銀粒子含有組成物に溶剤、バインダー及び分散剤を添加し、攪拌して、導電性ペーストを得た。この導電性ペーストを用い、配線を印刷した。この配線を焼結させた。この配線の電気伝導度を測定した。この結果が、指数として、下記の表1から表8に示されている。
【0053】
【表1】

【0054】
【表2】

【0055】
【表3】

【0056】
【表4】

【0057】
【表5】

【0058】
【表6】

【0059】
【表7】

【0060】
【表8】

【0061】
表1から表8に示されるように、実施例の微小銀粒子含有組成物から得られた配線は、導電性に優れる。これは、銀粒子の凝集が少ないからである。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明に係る微小金属粒子含有組成物は、印刷回路用ペースト、電磁波シールドフィルム用ペースト、導電性接着剤用ペースト、ダイボンディング用ペースト等の用途に用いられうる。
【符号の説明】
【0063】
2・・・銀粒子
4・・・コーティング層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の微小金属粒子と、それぞれの粒子の表面に結合している第一有機化合物と、その表面に付着した第二有機化合物とを含んでおり、全量に対する第二有機化合物の質量比率が2%以上15%以下であり、
上記粒子の材質が、銀であり、
この粒子が、鱗片状であり、
この粒子のサイズが、200nm以上であり、
上記第二有機化合物が、アルコール類、グリコールエーテル類、グリコールエーテルエステル類、炭化水素類及びアミド類からなる群より選択される少なくとも1種である微小金属粒子含有組成物。
【請求項2】
上記全量に対する第二有機化合物の質量比率が2.04%以上15.0%以下である請求項1に記載の微小金属粒子含有組成物。
【請求項3】
上記第二有機化合物が、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート、メタノール、ジプロピレングリコールメチルエーテル、N−メチル−2−ピロリドン、テルピネオール、イソプロピルアルコール及びエチレングリコールモノフェニルエーテルからなる群より選択される少なくとも1種である請求項1又は2に記載の微小金属粒子含有組成物。
【請求項4】
液体であるキャリヤーに銀化合物を分散させて分散液を得る工程、
上記分散液の中に、第一有機化合物がその表面に結合した微小な銀粒子を析出させる工程、
上記銀粒子をキャリヤーと分離する工程、
上記銀粒子を第二有機化合物の液に投入し、この第二有機化合物を銀粒子の表面に付着させる工程、
及び
上記銀粒子を第二有機化合物の液と分離する工程
を含んでおり、
この銀粒子が、鱗片状であり、
この銀粒子のサイズが、200nm以上であり、
この銀粒子の表面に付着した第二有機化合物の、全量に対する質量比率が、2%以上15%以下であり、
上記第二有機化合物が、アルコール類、グリコールエーテル類、グリコールエーテルエステル類、炭化水素類及びアミド類からなる群より選択される少なくとも1種である、微小銀粒子含有組成物の製造方法。
【請求項5】
上記全量に対する第二有機化合物の質量比率が2.04%以上15.0%以下である請求項4に記載の微小金属粒子含有組成物の製造方法。
【請求項6】
上記第二有機化合物が、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート、メタノール、ジプロピレングリコールメチルエーテル、N−メチル−2−ピロリドン、テルピネオール、イソプロピルアルコール及びエチレングリコールモノフェニルエーテルからなる群より選択される少なくとも1種である請求項4又は5に記載の微小金属粒子含有組成物の製造方法。
【請求項7】
多数の微小金属粒子と、それぞれの粒子の表面に結合している第一有機化合物と、その表面に付着した第二有機化合物とを含んでおり、全量に対する第二有機化合物の質量比率が2%以上15%以下であり、この粒子の材質が銀であり、この粒子が鱗片状であり、この粒子のサイズが200nm以上であり、上記第二有機化合物がアルコール類、グリコールエーテル類、グリコールエーテルエステル類、炭化水素類及びアミド類からなる群より選択される少なくとも1種である微小粒子含有組成物を準備する工程
及び
上記有機化合物との親和力が高い溶剤を上記組成物と混合し、ペーストを得る工程
を含む、微小粒子含有組成物の使用方法。
【請求項8】
上記全量に対する第二有機化合物の質量比率が2.04%以上15.0%以下である請求項7に記載の微小金属粒子含有組成物の使用方法。
【請求項9】
上記第二有機化合物が、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート、メタノール、ジプロピレングリコールメチルエーテル、N−メチル−2−ピロリドン、テルピネオール、イソプロピルアルコール及びエチレングリコールモノフェニルエーテルからなる群より選択される少なくとも1種である請求項7又は8に記載の微小金属粒子含有組成物の使用方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−167378(P2012−167378A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−100930(P2012−100930)
【出願日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【分割の表示】特願2010−230275(P2010−230275)の分割
【原出願日】平成22年10月13日(2010.10.13)
【出願人】(000110147)トクセン工業株式会社 (44)
【Fターム(参考)】