微生物の培養方法

本発明は、エタノールの製造に好適な好熱性微生物の生産方法であって、以下のステップ:(i)好適な培養基中、好気又は嫌気条件下で好熱性微生物を培養し、そして(ii)上記培養基中に一定量のエタノールを取り込んでエタノール耐性を誘導する、を含む前記生産方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野
本発明は、細菌発酵の産物としてのエタノールの製造に好適な微生物の生産に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の背景
細菌の代謝は、細菌の種及び環境条件に従ってさまざまな異なるメカニズムを通じて生じうる。全ての病原体を含む有機従属栄養細菌は、有機化合物の酸化からエネルギーを獲得し、ここで、炭水化物(特にグルコース)、脂質、及びタンパク質は、最も一般的な酸化される化合物である。細菌によるこれらの有機化合物の生物学的酸化は、化学的エネルギー源としてATPの合成をもたらす。このプロセスは、生合成反応のために細菌細胞により要求されるより単純な有機化合物(前駆体分子)の生成をも許容する。細菌が好適な基質を代謝するところの一般的なプロセスは解糖であり、これは、ATPの生成を伴ってグルコースをピルビン酸(ピルベート)に変換する一連の反応である。代謝エネルギーの生成におけるピルビン酸(ピルベート)の運命は、微生物及び環境条件に依存して変化する。3つの基本的なピルベートの反応が在る。
【0003】
第1に、好気条件下、多くの微生物は、クエン酸回路、及びピルベート・デヒドロゲナーゼ(PDH)により触媒される、ピルベートからアセチル・コエンザイムAへの変換を用いてエネルギーを生成するであろう。
【0004】
第2に、嫌気条件下、特定のエタノール産生生物は、ピルベート・デヒドロゲナーゼ(PDH)により触媒される、ピルベートからアセトアルデヒドへの脱炭酸、及びその後の、アルコール・デヒドロゲナーゼ(ADH)により触媒される、NADHによる、アセトアルデヒドからエタノールへの反応により、アルコール発酵を行うことができる。
【0005】
第3のプロセスは、乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)による触媒を通じて生じる、ピルベートからラクテートへの変換である。
【0006】
天然に嫌気発酵を経験する微生物の使用によるか又はエタノールの製造に関係する遺伝子を取り込んだ組換え微生物の使用を通じてのいずれかによる、エタノールの製造のための微生物の使用は高い関心を集めている。これらの微生物を使用することによるエタノールの製造におけるいくつかの成功があるけれども、特に、微生物が低いレベルのエタノール耐性を有する場合には、エタノールの濃度が上昇することにより、発酵はしばしば傷つけられる。
【0007】
好熱性細菌は、エタノールの製造のために提案されており、そしてそれらの使用は、50℃を超える温度で蒸気として製造されたエタノールが除去されることを可能にする高温で発酵が実施されうるという利点を有し;これは、高い糖濃度を用いて発酵が実施されることをも可能にする。しかしながら、エタノールを効率的に製造しうる好適な好熱性細菌を発見することはやっかいである。
【0008】
WO01/49865は、エタノールの製造のための、ピルベート・デカルボキシラーゼをコードする外来遺伝子で形質転換されており、そして天然のアルコール・デヒドロゲナーゼ機能を有しているグラム陽性バクテリアを開示する。この細菌は、好熱性バチルス(Bacillus)であり、そしてこの細菌は、トランスポゾン挿入を用いた乳酸デヒドロゲナーゼ遺伝子の不活性化により、修飾されうる。WO01/49865中に開示される細菌は全て、バチルス株LLD−R、すなわち、培養から自然に生じる胞子形成欠陥株であって、ldh遺伝子が、自然突然変異又は化学的突然変異誘発により失活されているものに由来する。株LN及びTNは、株LLD−Rの改良された誘導体として開示されている。しかしながら、全ての株が、プラスミドの形質転換を妨げるHaeIIIタイプの制限酵素系を含み、そしてそれゆえ、非メチル化DNA内の形質転換を妨害する。
【0009】
WO01/85966は、上記の制限問題を克服するためにインビボにおけるメチルにより調製される微生物を開示する。これは、ヘモフィラス・エージプティアス(Haemophilus aegyptius)からのHaeIIIメチルトランスフェラーゼを用いた、株LLD−R、LN、及びTNへの形質転換を要求する。しかしながら、株LLD−R、LN、及びTNは、不安定な突然変異体であり、そして特に、低いpHで、及び高い糖濃度で、乳酸を生産する野生型の株へ自然に戻ってしまう。これは、エタノールからラクテートへの発酵産物の変化をもたらし、エタノール生産に適していない株を作り出してしまう。
【0010】
WO02/29030は、株LLD−R及びその誘導体が、ldh遺伝子のコーディング領域内に天然の挿入要素(IE)を含むことを開示している。これのldh遺伝子内への(及びldh遺伝子からのこれの)トランスポジション、並びにその後の遺伝子の不活性化は不安定であり、リバーションをもたらしてしまう。これに対する提案された解決策は、プラスミドDNAをIE配列内に組み込むことであった。
【0011】
それゆえ、エタノール製造のための微生物の生産は、実験室で生産された化学的に突然変異されたバチルス微生物を修飾すること、これらを、インビボにおけるメチル化手順で処理すること、そしてさらに、プラスミドDNAをIE配列内に組み込むように、当該微生物をさらに修飾することに頼っている。この手順は、複雑、かつ、確実ではなく、そして当該株がどのように使用されうるかについての調節上の問題もある。
それゆえ、エタノール製造のための改良された微生物の必要性が在る。
【発明の開示】
【0012】
本発明の概要
本発明の第1の局面によれば、エタノールの製造に好適な好熱性微生物の生産方法であって、以下のステップ:
(i)好適な培養基中で好気又は嫌気条件下で好熱性微生物を培養し;そして
(ii)エタノールの上昇する量を上記培養基中に取り込んで、エタノール耐性を誘導する、
を含む前記生産方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の説明
本発明は、エタノールに対してより抵抗(耐)性であり、そしてそれゆえ、エタノールをより良好に製造しうる微生物を作り出すための好熱性微生物の処理に基づく。微生物のエタノール耐性を高めることは、それらの発酵の間に製造されたエタノールに対して、当該微生物がより耐性になることを可能にする。これは、発酵の改良につながる。
【0014】
上記好熱性微生物の生産方法は、好適な培養基中、好気又は嫌気条件下、当該好熱性微生物を培養し、そして上記培養基中にエタノールの一定量を取り込んでエタノール耐性を誘導することを含む。1の態様においては、培養基中のエタノールを高めることは、時間の経過に従って、そして通常、増分(段階的増加)において実施されて、当該微生物は、当該培地中の高められたエタノールに馴れるようになる。3%w/vの最終濃度までエタノールを取り込み、そしてその後、培地中のエタノールの濃度が少なくとも6%w/v、より好ましくは少なくとも7.5%w/vになるまで、0.5%w/v以下毎にエタノール濃度を上昇させることが好ましい。1の態様においては、開始時の培養基は3%w/vのエタノールを含み、そしてこれは、その後0.5%増分で6%w/vまで、そしてその後、0.25%増分で7.5%w/vまで高められる。
【0015】
この手順の間(最中)、細胞密度はモニターされて、細胞(成長)増殖が継続していることが保証される。好ましくは、(OD600nmにより測定される)細胞密度が、エタノール濃度が上昇するに従って、25%超で低下し、そして低下し続ける場合、エタノールの濃度は、以前の最も高いレベルまで低下するように放置され、そして培養は、エタノール処理を続ける前に、再樹立される。
【0016】
より高いエタノール耐性をもつ好熱性生物の生産のための代替方法は、適当な培養基中、好気又は嫌気条件下、好熱性微生物を連続的に培養することを含む。一旦、培養基が、定常状態、すなわち、当該生物の成長が、(OD600nmにより測定されるとき)一定速度に達したら、エタノールの一定量が、1回の添加で、培養基に添加されて、特定の所望濃度まで、例えば、培養の設定作業容量の10又は20%w/vまで、エタノールをもっていく。連続培養は、低い希釈率、好ましくは0.08〜0.15h-1で続けられ、好熱生物の元の成長率が(OD600nmにより測定したとき)回復されるまで、エタノール濃度のゆっくりとした低下を許容する。この時点で、エタノールの2回目の量が、1回目の量と同じで、かつ、1回の添加で、培養基に添加されて、再び、エタノールが、特定の所望濃度にもっていかれる。培養を、元の成長率まで回復せしめるプロセスは、繰り返され、そしてさらに、培養が、速く回復することが見つかるまで、エタノールのさらなるバッチが添加され、これは、24時間未満として行われる。この時点で、2つの結果の内の1つが生じるであろう。エタノール耐性株が、所望のエタノール濃度、好ましくは、7.5%w/v超でサブ培養することにより、この培養から選択されるか、又はより多量のエタノールが培養に添加され、そしてエタノールの添加、そしてその後の成長率の回復というプロセスが繰り返される。
【0017】
微生物は、0.08〜0.5の希釈率で、炭素制限基質とともに55〜65℃で、かつ、6.0〜7.5(好ましくは6.3〜7.2)のpHで、所定の培地中で、培養されうる。
【0018】
バッチ培養においては、前記したプロセスに類似するプロセスが、行われ、過剰の炭素を含む好適な培地中で培養され、そしてエタノールが初期対数増殖期に添加される。次いで、この初期培養からの細胞が、対数増殖期の終わりに、新鮮フラスコを接種するために使用されることができ、ここで、増分量のエタノールが再び初期対数増殖期に添加される。この手順が繰り返されて、エタノールの増分量が、初期対数増殖期に培養基に添加される。
【0019】
本発明において使用される好熱性微生物は、エタノール生合成のための関連の生化学経路に関連する遺伝子の発現を破壊し又は強化するように、例えば、乳酸デヒドロゲナーゼ遺伝子を破壊するように、修飾されうる。これは、ラクテート生産から遠ざかり、かつ、エタノール生産に向かってピルベート代謝が攻撃されることをもたらし、ラクテート陰性突然変異体において強化されたエタノール・レベルが観察される。
【0020】
乳酸デヒドロゲナーゼ遺伝子の不活性化は、ピルベートからラクテートへの分解を防止するのを助け、そしてそれゆえ、ピルベート・デカルボキシラーゼ及びアルコール・デヒドロゲナーゼを用いたピルベートからエタノールへの分解を(適当な条件下で)促進する。
【0021】
野生型微生物は、いずれかの好熱性微生物でありうるが、微生物がバチルス種である場合が、好ましい。特に、微生物が、ゲオバチルス種(Geobacillus species)、特に、ゲオバチルス・サーモグルコシダシウス(Geobacillus thermoglucosidasius)である場合が好ましい。
【0022】
微生物は、「野生型」であることができ、すなわち、それらは、実験室で作られた突然変異体ではない。微生物は、好熱菌を含むことが疑われる環境サンプルから単離されうる。単離された野生型微生物は、エタノールを作り出す能力を有するであろうが、修飾されていない場合には、ラクテートが、主要な発酵産物であろう。単離物は、好熱温度においてヘキソース及び/又はペントース上で成長しうる能力についても選択される。非野生型の、突然変異体の、微生物も使用されうる。
【0023】
本発明に係る微生物は、発酵プロセスにおいて微生物が使用されることを可能にする一定の所望の特性を有する。微生物は、好ましくは、制限系を有するべきではなく、それにより、インビボにおけるメチル化の必要性を回避すべきである。さらに、微生物は、セルビオース及びデンプンを含む、基質としてC5及びC6糖を利用する能力を有すべきである。微生物は高頻度で形質転換されうる場合が好ましい。さらに、微生物は、0.3hr-1超の、連続培養における成長率を有すべきである。
【0024】
微生物は、好熱性であり、そして40〜85℃の温度範囲で成長するであろう。好ましくは、微生物は、50〜70℃の温度範囲内で成長(増殖)するであろう。さらに、微生物は、pH6.5以下の、特にpH6.5〜pH4.5の条件で成長することが望ましい。
【0025】
乳酸デヒドロゲナーゼの核酸配列は、現在、知られている。この配列を用いて、当業者は、乳酸デヒドロゲナーゼ遺伝子を標的として、様々なメカニズムを通して当該遺伝子の不活性化を達成することができる。乳酸デヒドロゲナーゼ遺伝子は、トランスポゾンの挿入、又は好ましくは、当該遺伝子配列又はその部分の欠失により、不活性化される。欠失が好ましい。なぜなら、これは、トランスポゾンによる不活性化が使用されるときにしばしば経験される遺伝子配列の再活性化の困難さを回避するからである。好ましい態様においては、乳酸デヒドロゲナーゼ遺伝子は、温度感受性プラスミド(プラスミドpUB190−ldh)の組み込みにより不活性され、これにより、プラスミドと微生物の染色体の間の天然の相同的組換え又は組み込みが達成される。染色体の組み込み物は、抗菌剤(カナマイシン)に対する耐性に基づき、選択されうる。乳酸デヒドロゲナーゼ遺伝子内への組み込みは、単一の交差組換え事件により、又は2重(それ以上の)交差組換え事件により、生じうる。
【0026】
好ましい態様においては、微生物は、外来(異種)アルコール・デヒドロゲナーゼ遺伝子と異種ピルベート・デカルボキシラーゼ遺伝子を含む。これらの異種遺伝子の発現は、エタノールが主要な発酵産物であるような代謝を指令する(redirect)酵素の製造をもたらす。これらの遺伝子は、ザイモモナス(zymomonas)種、例えば、ザイモモナス・モビリス(zymomonas mobilis)を含む、好気発酵を典型的に経験する微生物から取得されうる。
【0027】
上記遺伝子の調製及び上記遺伝子の微生物内への取り込みのための方法は、例えば、Ingram et al.,Biotech & BioEng,1998;58(2+3):204−214、及び米国特許第5,916,787号(これらの各々の内容を、本明細書中に援用する)中に知られている。当業者により理解されるように、遺伝子は、プラスミド内に導入され又は染色体内に組み込まれうる。
【0028】
本発明に係る微生物は、選択される好熱性微生物に依存して、慣用の培養条件下で培養されうる。基質、温度、pH、その他の培養条件の選択は、知られた培養の要求に基づき選択されうる。例えば、WO01/49865及びWO01/85966を参照のこと。好適な培養及び発酵条件を以下の表1,2、及び3に示す。
【0029】
【表1】

【0030】
【表2】

【0031】
【表3】

【0032】
本発明を、添付図面を参照して、以下の実施例中に説明する。
【実施例】
【0033】
実施例
以下の培地を調製した:
SAM2−L当り
酵母エキス 1.0g
トリプトン 0.5g
NH4Cl 1.0g
NaH2PO4 0.5g
MgSO4・7H2O 0.2g
KCl 0.2g
MnCl2・4H2O 3mg(30mg/mLストックの100μLを添加)
CaCl2・2H2O 5mg(50mg/mLストックの100μLを添加)
PIPESバッファー 12.096g
【0034】
希釈水中の合計体積:950mL、NaOH又はH2SO4でpH7.0に調整し、オートクレーブ処理した。
冷却後、2.5mLのスルフェート微量元素保存溶液を、50mLの20%濾過滅菌糖溶液とともに、添加した(表2参照)。
【0035】
修正US(尿素塩)培地(USM)
グルコース 10.0g/L
酵母エキス 0.8g/L
クエン酸 0.42g/L
MgSO4 0.31g/L
NaH2PO4 3.1g/L
2SO4 3.5g/L
尿素 3.0g/L
CaCl2 2mg/L
Na2MoO4 4mg/L
微量元素溶液(表2) 5.0ml/L
【0036】
固体培地のためには、20.0g/Lのバクト−アガーを添加した。3M NaOHで、滅菌前にpH7.0に調整した。
【0037】
TGP培地
バクト・トリプトン 17.0g/L
大豆ペプトン 3.0g/L
NaCl 5.0g/L
2HPO4 2.5g/L
ピルビン酸ナトリウム 4.0g/L
グリセロール 4.0mL/L
【0038】
固体培地のためには、20.0g/Lのバクト−アガーを添加した。培地を、3M NaOHで、滅菌前にpH7に調整した。
野生型生物(NCIMB 11955)のエタノール耐性を、出発点を決定するために、試験した。この生物を、一夜培養し(LB寒天プレート、60℃)、そしてコロニーを、一夜培養物(100mL USM、1%グルコース、60℃、250rpm)を接種するために使用した。次いで、この培養物を、0,1,2,3、又は4%エタノールを含む3連の、1シリーズのフラスコを接種するために使用し、そしてこれらをその後、成長が計測されるまで36時間培養した(50mL USM、1%グルコース、60℃、250rpm)。結果を図1に示す。図1は、NCIMB 11955が4%超のエタノールに耐性でないことを示唆する。
【0039】
比較のための基準として上記結果を用いて、突然変異体TM89のエタノール耐性を、8%v/vエタノールまで高めるための実験を行った。
【0040】
発酵方法
微生物: Gt TM−89
接種物: 50ml 2×YT培養物(7%v/v)
装置: LHガラス発酵槽(700ml実効容量)
Anglicon制御システムにより温度pH制御マグ
ネチック・スターラーで混合
設定値: 温度:60℃
pH:6.80
空気:0.2〜0.4vvm
撹拌速度:225rpm
Watson Marlow Pumpによりフロー
レート制御(0〜100ml/hr)
培地: SAM2 2%グルコース、0.05%有機消泡剤(
培地シート参照)10% NaOHを用いてpH制御
エタノール・スパイク(添加) 75ml又は150mlエタノール(10〜20%スパイ
ク)
【0041】
採用した戦略を以下に示す:
1)一定状態を達成し、そして生成物の収率/糖の利用を計測すること;及び
2)エタノールで培養物をスパイクし、培養を回復せしめ(時間の経過とともにエタノールを消失させ)、サンプルを取り出し、そしてグリセロール・ストックを調製し、必要なとき、ステップ(2)を繰り返すこと。
【0042】
エタノール耐性を評価するために、以下のプロトコールを開発した。
1.2つの滅菌ユニバーサルにTGPブロス5mlを添加する。
2.各管に、TM−89とTM89−1グリセロール・ストック100μlをそれぞれ添加する。
3.振とうしながら60℃で5〜6時間培養する(それゆえ、活性細胞であり、それらは対数増殖期にあるべきである)。
4.各ブロスのOD600を計測する(それゆえ、0D600の出発点を知る)。
5.0%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%(v/v)を含有する10ml TGPブロスの最終容量を含む11本の滅菌ユニバーサル管を調製する。
6.ステージ1+2からの対応の5ml TGPブロスからの細胞100μlを各管に接種する。
7.振とうしながら60℃で一夜培養する。
8.各管から1ml取り出し、1:5に希釈し、そしてH2Oブランクに対してOD600を計測する。
【0043】
結果を以下のように分析した:
(1)Jenons Spectrophotometerを用いて培養物の光学密度(吸光度)を計測した〔細胞濃度(g/L)はA600×0.3から計算された〕。
(2)グルコース濃度を、血液グルコース・メーター(Roche)を用いて計測した。
(3)エタノール濃度を、(R−Biopharmにより供給された)酵素ベースのアッセイ・キットを用いて計測した。
【0044】
結果を図2に示す。発酵の終りに単離された株は、TGP中、及び一定範囲のエタノールの濃度のTGP中で、出発TM89株よりも、一貫して高いOD値を示した。5%エタノールでの成長において有意差が存在し、これは、改良されたエタノール耐性を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0045】
原文に記載なし。
【図1】

【図2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
エタノールの製造に好適な好熱性微生物の生産方法であって、以下のステップ:
(i)好適な培養基中、好気又は嫌気条件下で好熱性微生物を培養し;及び
(ii)一定量のエタノールを上記培養基中に取り込んで、エタノール耐性を誘導する、
を含む前記生産方法。
【請求項2】
増加量のエタノールが前記培養基中に添加され、ここで、当該微生物が、エタノールの次の増分添加に先立って、上記添加されたエタノールに馴される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記エタノールが、少なくとも3%w/vの最終濃度まで取り込まれる、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記エタノールが、少なくとも6%w/vの最終濃度まで取り込まれる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記エタノールが、少なくとも7.5%w/vの最終濃度まで取り込まれる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記エタノールが、0.5%w/v以下の増加で取り込まれる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記エタノールが、初期対数増殖期に前記培養基に取り込まれる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記微生物が、失活した乳酸デヒドロゲナーゼ遺伝子を有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記微生物が制限系を含まない、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記微生物が、ゲオバチルス・サーモグルコシダシウス(geobacillus thermoglucosidasius)である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記微生物が非天然pdc遺伝子を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記微生物が、非天然adh遺伝子を含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。

【公表番号】特表2009−509520(P2009−509520A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−532880(P2008−532880)
【出願日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際出願番号】PCT/GB2006/003719
【国際公開番号】WO2007/039753
【国際公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願人】(507364137)ティーエムオー リニューアブルズ リミティド (7)
【Fターム(参考)】