説明

微生物を軽減する建築用バリア、そのようなバリアを形成するための組成物、および関連する方法

本発明は、バリア形成材料および少なくとも1つの殺生物剤を含む、微生物を軽減する建築用バリアを含む。上記バリア(harrier)形成材料は、ビチューメン生成物、エラストマーのポリマー、およびそれらの組み合わせであり得る。上記微生物を軽減する建築用バリアは、エマルジョン組成物を直接的に建築表面に塗布することによって形成され得るか、またはそれは、シートもしくはフィルムの形態で上記建築表面に前もって形成され、接着されるか、もしくは別の方法で固定され得る。本発明はまた、上記微生物を軽減するバリアを含む、建築用アセンブリーおよび/または建築物エンベロープを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本特許出願は、米国特許法§119(e)の下で、2010年2月17日に出願された米国仮特許出願第61/305,402号の利益を主張し、その開示の全体が本明細書中に参考として組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
建築物の壁または建築用エレメントは、しばしば水分に曝される。水分および水または水蒸気は、表面に集まり得る。このような水分は、いくつかの起源(例えば、内部または外部からの水蒸気拡散および空気漏れなど)を有する。壁内または他のエレメント内に閉じ込められるか、または集まった水分は、有害作用(上記エレメントもしくは近くの構造の腐食、構造の完全性の浸食、ならびに/またはカビもしくは他の微生物の成長が挙げられる)をもたらし得る。建築産業は、水分の集まりを低減する1つの手段が、空気漏れを制御すること、すなわち建築物エンベロープ(building envelope)を通る空気および水蒸気の動きを制御することであることを認識している。普通の状況下では、建築物に入る空気の動き(透気(infiltration))および建築物から出る空気の動き(逸出(exfiltration))は、風、スタック、または煙突効果、およびファンの加圧によって生じる圧力の違いによって引き起こされ得る。空気漏れは、上記エンベロープ(envelope)を通る(例えば、充填構成要素(infill componentと構造エレメントとの間の裂け目もしくは接合部)か、または有孔性材料(例えば、コンクリートブロックおよび有孔性絶縁材料)を通る、穴もしくは開口部のような通り道をたどり得る。空気の流れを制御するのに役立つバリアおよびフィルムのための種々の処方物が開発され、水分の集まりおよび関連する問題をある程度低減する助けとなっている。
【0003】
それにもかかわらず、カビまたは他の微生物の成長は、特に湿度の高い地域において、依然として問題のままである。しかし、従来の建築用バリアはどれも、この問題を扱うように処方されていない。従って、当該分野において、空気の流れを制御し、同時にカビおよび/または他の微生物の成長を低減するように機能する建築用バリアの必要性が依然として存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
発明の簡単な概要
本発明は、バリア形成材料および少なくとも1つの殺生物剤を含む、微生物を軽減する建築用バリアを含む。上記バリア形成材料は、ビチューメン生成物、エラストマーのポリマー、およびそれらの組み合わせであり得る。上記微生物を軽減する建築用バリアは、エマルジョン組成物を直接的に建築表面に塗布することによって形成され得るか、またはそれは、シートもしくはフィルムの形態で上記建築表面に前もって形成され、付着されるか、もしくは別の方法で固定され得る。
【0005】
本発明はまた、上記微生物を軽減するバリアを含む、建築用アセンブリーおよび/または建築物エンベロープを含む。関連する方法は、本発明の範囲内に包含される。このような方法は、(a)ビチューメン生成物、エラストマーのポリマー、およびそれらの組み合わせから選択されるバリア形成材料、および少なくとも1つの殺生物剤を含むエマルジョンを調製する工程、(b)少なくとも1つの建築表面に上記エマルジョンを塗布する工程、ならびに(c)上記エマルジョンを乾燥および/および、または硬化させてバリアを形成する工程を含む、建築用バリアを調製する方法を含む。
【0006】
また、本発明のバリアでコーティングされる建築用エレメントを含む建築用アセンブリーを調製する方法が含まれる。
【0007】
本発明は、水、バリア形成材料、および少なくとも1つの殺生物剤を含む、微生物を軽減する建築用バリアの調製において使用するためのエマルジョンをさらに提供する。上記エマルジョンにおいて、上記バリア形成材料は、ビチューメン生成物、エラストマーのポリマー、およびそれらの組み合わせであり得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
前述の概要ならびに以下の、発明の詳細な説明は、添付の図面と組み合わせて読まれるときに、より良好に理解され得る。本発明は、示される正確な構成(arrangement)および手段に限定されないことが理解されるべきである。図面において、
【図1】図1は、実施例1において記載されるように評価された組成物1〜30の組成物のそれぞれを示している表である。
【図2】図2は、図1に示される組成物1〜30の評価試験において収集されたデータを示している表である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
発明の詳細な説明
本明細書中に記載される発明は、建築構造上もしくは建築構造内(例えば、ウォールボード、壁、ジョイスト、もしくは他の構造物)での微生物の成長を軽減および/または実質的に妨げるように処方される、建築用空気バリアを含む。本発明はまた、本明細書中に記載される空気バリアを含む建築物エンベロープおよび建築物アセンブリー、このようなバリアを調製および使用する方法、ならびに上記バリアを調製するために使用されるエマルジョンを含む。
【0010】
「微生物を軽減する」とは、エマルジョンおよび/または空気バリアが、直接的な殺作用(cidal action)によって、細胞分裂もしくは細胞呼吸の実質的な停止および/または作用の任意の他のメカニズムによって、微生物集団を低減すること;微生物集団の増殖の速度を低減すること;ならびに/あるいは同じ作用(複数可)または本発明のエマルジョンもしくはバリアを有さない表面と比較して、上記バリアもしくはエマルジョンが塗布される表面上での、微生物集団の確立を実質的に妨げることを意味する。
【0011】
「微生物」とは、1つまたはそれより多くの、原核または真核の、単細胞生物または多細胞生物(例えば、細菌類、カビ類、地衣類、藻類、真菌類界の生物(酵母が挙げられる)、慣習的に原生生物と見なされる生物、以前はモネラとして公知の界の生物、ウイルス、およびアメーバが挙げられる)のうちのいずれかを意味する。
【0012】
「有効な量」とは、表面上での微生物集団の成長を妨げる、除く、および/または低減するのに十分な量を意味する。
【0013】
本発明のバリアおよびエマルジョンは、バリア形成材料を含む。表面に塗布して(浸透性または不浸透性の、連続または不連続の)バリアを形成する(a form a barrier)ことができる任意の材料が使用され得る。上記バリア形成材料が、ポリマー(このような用語は、本明細書中で用いられる場合、均質なモノマーおよび不均質なモノマーの両方のポリマー(後者はしばしば「コポリマー」と称される)を含む)、ビチューメン生成物、ポリマー改変ビチューメン(例えば、ビチューメンであって、ポリマーがその中に分散して、そのビチューメンマトリックス内に存在する、ビチューメン)、および/またはその両方の組み合わせであることが好ましい場合がある。
【0014】
選択されるバリア形成材料が、ポリマーを含む場合、そのようなポリマーは、任意の、当該分野において公知のもの、または開発されたものであり得る。適切な例としては、任意のエラストマーのポリマーが挙げられ得る。他の例としては、アクリレート、メタクリレート、アクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、スチレン−ブタジエン−スチレン、およびそれらの混合物のポリマーおよび/またはコポリマーが挙げられ得る。いくつかの実施形態において、ポリマーが少なくとも1つの官能基(例えば、限定することなく、ビニル基、スチレン基、および/またはウレタン、オレフィン、ヒドロキシル、カルボキシル、およびアクリル)を含むことが好ましい場合がある。
【0015】
ビチューメン生成物としては、例えば、アスファルト、タール、ポリマー改変ビチューメン、およびその同じものの混合物が挙げられ得る。アスファルトが、本発明のバリアまたはエマルジョンに含まれる場合に、上記アスファルトが、ASTM方法D5に従って試験されるとき、25℃で、約0.5〜約30、あるいは約1〜約20、または約3〜約15(全て25℃で)の針入度(「ペングレード(pen grade))」)を有することが好ましい場合がある。同様に、選択されるアスファルトが、約62℃〜約95℃の軟化点を有することが望ましい場合がある。
【0016】
適切なポリマー改変ビチューメンとしては、限定することなく、SBS改変ビチューメン、および他のポリマー改変ビチューメン(例えば、SIS、SEBS、SP、およびPBによって改変されたもの)が挙げられ得る。
【0017】
本発明のエマルジョンおよび/またはバリアは、少なくとも1つの殺生物剤をさらに含む。このような殺生物剤は、任意の、当該分野において公知のもの、または開発されたものであり得、任意の機械的メカニズムおよび/または細胞メカニズムを介して、その殺活性(cidal activity)を達成し得る。例えば、選択される殺生物剤は、機械的または生化学的に、微生物の細胞膜またはタンパク質コーティングを破壊し、それによりそれを死滅させるか、または再生するためのその能力を制限し得る。あるいは、選択される上記殺生物剤(複数可)は、標的微生物のうちの1つまたはそれより多くのものの細胞呼吸を阻害し得る。
【0018】
例示的な殺生物剤としては、限定することなく、銀含有材料、金含有材料、アルミニウム含有材料、銅含有材料、殺真菌薬、抗真菌薬、殺菌剤、殺ウイルス剤(viricide)、カルバメート、トリクロサン、またはその同じものの混合物が挙げられ得る。市販の殺真菌薬としては、Troy Chemical Corporation,Newark,New JerseyからのPOLYPHASE(登録商標)シリーズ;およびInternational Specialty Products,Cranbury,New Jerseyから入手可能であるNUOCIDE(登録商標)シリーズが挙げられる。
【0019】
上記バリアおよび/またはエマルジョンの最終用途に依存して、使用される具体的な殺生物剤は、最終用途の環境において遭遇しそうな生物に標的化され得る。例えば、上記バリアが、居住用または商業用の建物において、建築用バリアとして、または建築物エンベロープの一部において使用されるべき場合、選択される殺生物剤(複数可)は、殺真菌薬、または他の抗真菌薬を含み得る。上記バリアが、食品加工もしくは保存施設、または医療施設を入れている建物において使用されるべき場合、選択される殺生物剤(複数可)は、殺菌剤、および/または殺ウイルス剤を含み得る。
【0020】
所定のバリアまたはエマルジョンにおいて使用される具体的なバリア形成材料(複数可)および殺生物剤(複数可)にかかわらず、このようなエマルジョンが空気バリアへと形成されるとき、上記殺生物剤は、微生物を軽減する活性のレベルを示すのに十分な量で上記エマルジョン中に存在すべきである。当業者に認識されるように、このような量は、数多くの要因(例えば、上記エマルジョン中に存在する他の構成要素の性質および数、使用される具体的な殺生物剤(複数可)、および最終生成物において所望される、微生物を軽減する活性のレベル)に依存して、必然的に変動可能であり得る。
【0021】
しかし、いくつかの状況において、上記バリアにおける、上記バリア形成材料(複数可) 対 上記殺生物剤(複数可)の重量比が、約30重量部:約1重量部、約40重量部:約1重量部、約50重量部:約1重量部、約60重量部:約1重量部、約70重量部:約1重量部、約80重量部:約1重量部であることが望ましい場合がある。いくつかの実施形態において、上記比は、約1:約200〜約1:約2であることが好ましい場合がある。
【0022】
上記バリアおよびまたはエマルジョンは、1つまたはそれより多くのさらなる添加剤を含み得る。添加剤としては、水、他の溶媒、粒状ゴム、ラテックス、炭酸カルシウム、カーボンブラック、ベントナイト、ラポナイト、粘土、石英、シリカ、二酸化チタン、セルロース、およびそれらの混合物が挙げられ得る。他の例示的な添加剤としては、難燃剤、接着剤、着色料、顔料、臭気剤、石油留出物、スチレン−ブタジエン−スチレン(または他のポリマー)、オルガノチタネート(organotitante)、ろう、安定剤、有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物、およびレオロジー改変剤が挙げられ得る。
【0023】
本発明の、微生物を軽減するバリアを含む建築物エンベロープがまた、本発明の範囲内に含まれる。このようなエンベロープとしては、居住用の構造物、商業用の構造物、工業用の構造物などのためのものが挙げられ得る。
【0024】
本発明の、微生物を軽減するバリアでコーティングされる少なくとも1つの建築用エレメントを含む、建築用アセンブリーも含まれる。建築用エレメントとしては、限定することなく、ウォールボード(内側および/または外側の表面)、石、セメント、フレームウッド(frame wood)構造物、れんがもしくはスラブ、繊維ガラス、絶縁物、配向性ストランドボード、シートロック、複合板、合板、木材、タイル、ポリマーシートもしくはフィルム、ドア、ガラス、およびセラミックが挙げられ得る。
【0025】
微生物を軽減する建築用バリアの調製において使用するためのエマルジョンは、水(または他のキャリア)、上に記載されるバリア形成材料、および少なくとも1つの殺生物剤を含み得る。上に記載されるように、他の添加剤が含まれ得る。これらのエマルジョンは、当該分野において公知である任意の手段によって調製され、所望される量のバリア形成材料(複数可)、殺生物剤(複数可)、キャリア(例えば、水)、および、必要に応じて、任意の他の構成要素を、撹拌または混合によって一緒に組み込む工程を含み得る。
【0026】
上に記載されるバリア、アセンブリー、およびエンベロープは、種々の手順によって調製され得る。例えば、バリアは、上に記載されるように、バリア形成材料と少なくとも1つの殺生物剤を含むエマルジョンを混合することによって調製され得る。上記エマルジョンは、少なくとも1つの建築表面に塗布され、乾燥または硬化してバリアを形成することを可能にする。このような塗布は、任意のメカニズム(吹付け塗り;ワイピング(wiping);塗装;ブロッティング;および/または浸漬(dip);はけ塗り(brushing)、浸漬(immersion);またはフロートコーティング(float coating)が挙げられる)によって達成され得る。例えば、上記エマルジョンは、周囲条件下で乾燥させられて、バリアを形成し得るか、または加熱下(例えば、30℃以上)で、および/もしくは気流(あおぐこと、または吹くこと)の適用によって乾燥させられ得る。建築表面としては、例えば、ウォールボード、支柱、フレーム(fame)、ドア、窓枠、石もしくはコンクリート、ブロック、木材、パイプ、管状材料、ファイバーボード、複合材などのような、建物または構造物の製造に使用される任意の建築用エレメント(外部エレメントおよび内部エレメントが挙げられる)の任意の表面が挙げられる。
【0027】
あるいは、上記バリアは、上記エマルジョンを取りはずし可能なベース基材に(上に記載されるように)塗布することによって調製され得る。このような基材は、上記バリアが一旦硬化または乾燥されると、このバリアがそのものから機械的または化学的に、のいずれかで取りはずされ得る任意の材料であり得る。このような基材の例としては、例えば、プレート、ロール、箔、シート、または繊維ガラスのスラブ、木材、複合材、石、金属、または紙が挙げられる。必要に応じて、上記基材は、パターン(調製される上記バリアが、浮き出したデザイン(例えば、製造業者の商標)を有するように)を有し得、そして/または取りはずしを容易にする材料で、前もってコーティングされ得る。このような材料としては、例えば、油、溶媒、ろう、およびノンスティック(non−stick)ポリマーが挙げられ得る。
【0028】
別の実施形態において、上記エマルジョンは、上記バリアのシートが、上記エマルジョン材料の部分を回転させることによってシートに、および/または上記エマルジョン材料を押し出すことによってシート、ストリップ、またはフィルムに形作られ得るのに十分なレオロジー特性を有するように調製される。
【0029】
一旦上記バリアのシートまたはフィルムが調製されると、それは、任意の手段によって建築表面に塗布され得る。例えば、それは、ステープルで留められ(staple)得、のりづけされ得、熱もしくはエネルギー融合され(fused)得、鋲で留められ(tacked)得、および/または釘で打ちつけられ(nailed)得る。所望される場合、塗布前に、接着層が、上記バリアのシートまたはフィルムの少なくとも1つの表面に塗布され得、その結果、上記バリアは、自己接着性(self−adhering)である。
【実施例】
【0030】
実施例I
本発明の組成物を、3つのタイプの真菌類:
(1)Aspergillus niger、
(2)Penicillium citrinum;および
(3)Averobasidium pullulans
の成長を食い止める、ならびに/または軽減する上記バリアの能力を試験して、評価した。上記評価を、ASTM D3237(2000)「Standard Test Method for the Resistance to Growth of Mold on the Surface of Interior Coatings In an Environmental Chamber,」§§7.1〜7.3を用いて行い、それは本明細書に添付され、その内容は参考として本明細書により援用される。おおよそ3’’×4’’の寸法があるパネルを、表Iに示される構成要素を有する組成物1〜30をはけ塗り(brush coating)することによって調製した。
【0031】
表I(図1に示される)からわかり得るように、3つのタイプの殺生物剤を3つの負荷レベルで試験した:
(i)ARCH Chemicals,Inc.Norwalk,CT USAから入手可能である、ピリチオン(pyrrthione)のGRAS亜鉛複合体であるZinc Omadine(登録商標);
(ii)Troy Corporation,Florham Park,NJ,USAから入手可能である、カルバメート殺真菌薬であるTROYSAR(登録商標)p−20t;
(iii)ISP,Cranbury,NJ USAから入手可能である、テトラクロロイソフタロニトリルの形態であるNuocide(登録商標)。
【0032】
陽性対照標本パネルを、(1)1.0×10cfu/mlのAspergillus niger、(2)1.0×10cfu/mlのPenicillium citrinum、または(3)1.0×10cfu/mlのAverobasidium pullulansで、上記パネルの表面に接種することにより、調製した。
【0033】
カビ胞子を、25%の非イオン性界面活性剤を用いて、斜面上に調製した。胞子を壊して溶液中に置いた。上記溶液を、土壌の上に注ぎ、2週間、上記カビが成長するのを可能にした。カビの成長を確かめるために対照を得た。
【0034】
標本パネルを、試験前に4日間、50%+/−5%の相対湿度で23℃+/−2℃の条件に至らせた。標本パネルを、上記カビ胞子を含む土壌混合物の上に吊るした(hung)。上記陽性および陰性標本もチャンバー内に吊るした。標本パネルおよび対照を、4週間吊るし、インキュベーション期間の間に成長について定期的に調べた。
【0035】
4週間後、ASTM D3237に基づく0〜10の成長評価スケールを得る。「0」は、完全なカビによる被覆(coverage)を示した;「10」は、目に見える成長が実質的にないことを示す。結果を表2に示す(図2)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
微生物を軽減する建築用バリアであって、該バリアは、
a.バリア形成材料、および
b.微生物を軽減するのに有効な量の少なくとも1つの殺生物剤
を含み、
ここで該バリア形成材料は、ビチューメン生成物、エラストマーのポリマー、およびそれらの組み合わせから選択される、
バリア。
【請求項2】
前記ビチューメン生成物が、アスファルト、タール、およびポリマー改変ビチューメンから選択される、請求項1に記載のバリア。
【請求項3】
前記エラストマーのポリマーがアクリルポリマーである、請求項1に記載のバリア。
【請求項4】
前記エラストマーのポリマーが、アクリレート、メタクリレート、アクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、およびそれらの混合物から選択される材料のポリマーから選択される、請求項1に記載のバリア。
【請求項5】
前記エラストマーのポリマーが、ビニル基、スチレン基、およびオレフィンから選択される少なくとも1つの官能基を含む、請求項4に記載のバリア。
【請求項6】
少なくとも1つの前記殺生物剤が、銀含有材料、金含有材料、アルミニウム含有材料、カルバメート、銅含有材料、抗真菌薬、殺菌剤(bacterioside)、殺ウイルス剤(virocide)、トリクロサン、殺真菌薬、および/またはアゾール類から選択される、請求項1に記載のバリア。
【請求項7】
少なくとも1つの前記殺生物剤が、アピリチオン(apyrithione)複合体およびテラクロロ(therachloro)−イソフタロニトリルから選択される、請求項1に記載のバリア。
【請求項8】
前記バリア形成材料 対 前記殺生物剤の重量比が、約1:約200〜約1:約2である、請求項1に記載のバリア。
【請求項9】
粒状ゴム、炭酸カルシウム、カーボンブラック、ベントナイト、ラポナイト、粘土、石英、シリカ、二酸化チタン、セルロース、およびそれらの混合物から選択される構成要素をさらに含む、請求項1に記載のバリア。
【請求項10】
難燃剤、着色料、顔料、臭気剤、石油留出物、およびレオロジー改変剤をさらに含む、請求項1に記載のバリア。
【請求項11】
スチレン−ブタジエン−スチレンをさらに含む、請求項1に記載のバリア。
【請求項12】
前記バリアが、建築表面への塗布前にフィルムまたはシートに前もって形成される、請求項1に記載のバリア。
【請求項13】
前記バリアフィルムまたはシートが接着層をさらに含む、請求項12に記載のバリア。
【請求項14】
前記バリアが、前記建築表面へのエマルジョンの塗布によって形成され、硬化および/または乾燥される、請求項1のうちのいずれかに記載のバリア。
【請求項15】
前記バリアが浸透性である、請求項1に記載のバリア。
【請求項16】
前記バリアが不浸透性である、請求項1に記載のバリア。
【請求項17】
請求項1に記載の建築用バリアを含む建築物エンベロープ。
【請求項18】
請求項1に記載の建築用バリアでコーティングされる建築用エレメントを含む建築用アセンブリー。
【請求項19】
前記アセンブリーがウォールボードである、請求項18に記載のアセンブリー。
【請求項20】
前記ウォールボードが、シートロック、配向性ストランドボード、および複合板から選択される、請求項20に記載のアセンブリー。
【請求項21】
建築用バリアを調製する方法であって、該方法は、
a.ビチューメン生成物、エラストマーのポリマー、およびそれらの組み合わせから選択されるバリア形成材料、ならびに少なくとも1つの殺生物剤を含むエマルジョンを調製する工程、
b.少なくとも1つの建築表面に該エマルジョンを塗布する工程、ならびに
c.該エマルジョンを乾燥および/および、または硬化させてバリアを形成する工程
を含む、方法。
【請求項22】
建築用バリアを調製する方法であって、該方法は、
a.ビチューメン生成物、エラストマーのポリマー、およびそれらの組み合わせから選択されるバリア形成材料、ならびに少なくとも1つの殺生物剤を含むエマルジョンを調製する工程、
b.基材に該エマルジョンを塗布する工程
を含む、方法。
【請求項23】
前記基材が建築表面である、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記基材が、取りはずし可能なベース基材であり、前記方法が、該取りはずし可能なベース基材に前記エマルジョンを塗布して、建築表面への塗布のためのフィルムまたはシートを形成する工程、および該基材から該フィルムまたはシートを取りはずす工程をさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記フィルムまたはシートに接着層を塗布する工程をさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記ビチューメン生成物が、アスファルト、タール、およびポリマー改変ビチューメンから選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項27】
前記エラストマーのポリマーがアクリルポリマーである、請求項22に記載の方法。
【請求項28】
前記エラストマーのポリマーが、アクリレート、メタクリレート、アクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、およびそれらの混合物から選択される材料のポリマーから選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項29】
前記エラストマーのポリマーが、ビニル基、スチレン基、およびオレフィンから選択される少なくとも1つの官能基を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項30】
少なくとも1つの前記殺生物剤が、銀含有材料、金含有材料、アルミニウム含有材料、カルバメート、銅含有材料、抗真菌薬、殺菌剤、殺ウイルス剤、トリクロサン、殺真菌薬から選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項31】
BFM 対 前記殺生物剤の重量比が、約1:約200〜約1:約2である、請求項22に記載の方法。
【請求項32】
前記エマルジョンが、粒状ゴム、炭酸カルシウム、カーボンブラック、ベントナイト、ラポナイト、粘土、石英、シリカ、二酸化チタン、セルロース、およびそれらの混合物から選択される構成要素をさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項33】
前記エマルジョンが、難燃剤、着色料、顔料、臭気剤、石油留出物、およびレオロジー改変剤をさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項34】
前記エマルジョンが、SBSをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項35】
微生物を軽減する建築用バリアの調製において使用するためのエマルジョンであって、該エマルジョンは、
a.水、
b.バリア形成材料、および
c.少なくとも1つの殺生物剤
を含み、
ここで該バリア形成材料は、ビチューメン生成物、エラストマーのポリマー、およびそれらの組み合わせから選択される、
エマルジョン。
【請求項36】
水が約50%以下の量で存在し、前記バリア形成材料が約20%〜約90%の量で存在し、そして殺生物剤が約0.01%〜約1%の量で存在する、請求項35に記載のエマルジョン。
【請求項37】
前記ビチューメン生成物が、アスファルト、タール、およびポリマー改変ビチューメンから選択される、請求項35に記載のエマルジョン。
【請求項38】
前記エラストマーのポリマーがアクリルポリマーである、請求項35に記載のエマルジョン。
【請求項39】
前記エラストマーのポリマーが、アクリレート、メタクリレート、アクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、およびそれらの混合物から選択される材料のポリマーから選択される、請求項35に記載のエマルジョン。
【請求項40】
前記エラストマーのポリマーが、ビニル基、スチレン基、およびオレフィンから選択される少なくとも1つの官能基を含む、請求項35に記載のエマルジョン。
【請求項41】
少なくとも1つの前記殺生物剤が、銀含有材料、金含有材料、アルミニウム含有材料、カルバメート、銅含有材料、抗真菌薬、殺菌剤、殺ウイルス剤、トリクロサン、殺真菌薬、および/またはアゾール類から選択される、請求項35に記載のエマルジョン。
【請求項42】
粒状ゴム、炭酸カルシウム、カーボンブラック、ベントナイト、ラポナイト、粘土、石英、シリカ、二酸化チタン、セルロース、およびそれらの混合物から選択される構成要素をさらに含む、請求項35に記載のエマルジョン。
【請求項43】
難燃剤、着色料、顔料、臭気剤、石油留出物、およびレオロジー改変剤をさらに含む、請求項35に記載のエマルジョン。
【請求項44】
SBSをさらに含む、請求項35に記載のエマルジョン。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2013−519785(P2013−519785A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−553979(P2012−553979)
【出願日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【国際出願番号】PCT/US2011/024990
【国際公開番号】WO2011/103124
【国際公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(511110430)ヘンリー カンパニー エルエルシー (2)
【Fターム(参考)】