説明

微生物分析システム

【課題】担体と、分析装置とを備える微生物分析システムを提供すること。
【解決手段】担体6は、平面24の近くに微生物を保持するようになされ、特定の配置判断基準が関連する所定のタイプに属する。分析装置は、マグネトロンと、上述のマグネトロンに接続され、共振モードで作動するために備えられたマイクロ波空洞100と、上述の担体6を受け入れるためのレセプタクル30と、上述の空洞100の中に部分的に入り空洞100の共振モードを同調させるための障害物137であって、上述の所定のタイプに応じて所定の位置を占有する障害物137と、上述の特定の配置判断基準を識別するための手段と、上述のマグネトロンおよび上述の識別する手段に接続され、特定の配置判断基準が満たされているかどうか上述の担体6を検証し、満たされていなければ分析サイクルを開始することを拒否するようになされた制御ユニット12とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メンブレンの平面の上の微生物の存在または不在を検出するために微孔性メンブレンフィルタユニットなど担体の分析のために意図された微生物分析システムに関する。
【背景技術】
【0002】
このような担体を分析する1つの方法は、これら担体が含む微生物の生物学的材料をこれらの外皮が破壊される溶解の温度に加熱することによってアクセス可能にするこれら担体に作用する第1の段階にある。
【0003】
次いで、このようにアクセス可能な状態にされた微生物によって含まれる成分と反応する試剤がこれら担体の上に付着される。
【0004】
例えば、ルミネセンス(「バイオルミネセンス試薬」と呼ばれる)によってアデノシン三リン酸(ATP)の存在を明らかにする試薬とAPAを接触させることによって微生物の中に含まれている一般的な代謝マーカー、最も通例のATPを検出することが可能であり、このルミネセンスは、コロニーがゲル成長培地の上に形成し、裸眼で見ることができるようになることを待つことを必要とすることなしに、微生物の存在が認められることを可能にする。
【0005】
放射された光の量は、ATPの質量、したがって微生物の数の関数である。
【0006】
具体的には、含む微生物の溶解を実行するために加熱すべき担体が受け入れられるマイクロ波空洞を備える装置が、EP1826548から既に知られている。
【特許文献1】欧州特許出願公開第1826548号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2002/027135号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第0350271号明細書
【特許文献4】国際公開第97/13136号パンフレット
【特許文献5】米国特許第4681740号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2002/101310号明細書
【特許文献7】米国特許第5782897号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、同一のタイプの装置を備えるが、同時により良い性能をもたらし、より信頼性が高く、多価の装置を備える分析システムを提供することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このためには、本発明は、微生物分析のためのシステムにおいて、平面の近くに微生物を保持するようになされた担体であって、特定の配置判断基準が関連する所定のタイプである担体と、マグネトロン、前記マグネトロンに接続され、共振モードで作動するために備えられたマイクロ波空洞、前記平面の少なくとも近くに前記位置で前記担体を加熱するために前記空洞の中の所定の位置で前記担体を受け入れるために備えられた前記担体を受け入れるためのレセプタクル、前記空洞の中に部分的に入る空洞の共振モードを同調させるための障害物であって、前記所定のタイプに応じて所定の位置を占有する障害物、前記特定の配置判断基準を識別するための手段、ならびに前記マグネトロンおよび前記識別する手段に接続され、特定の配置判断基準が満たされているかどうか前記担体を検証し、満たされていなければ分析サイクルを開始することを拒否するようになされた制御ユニットを備える分析装置とを備えることを特徴とするシステムを提供する。
【0009】
マイクロ波空洞で分析するための担体の存在は、波の伝播に影響を及ぼし、したがって、この空洞での共振モードの確立は分析すべき担体のタイプに依存する。
【0010】
したがって、共振モードを同調させるための障害物は、分析すべき担体のタイプに応じて空洞で共振モードの同調を実行するために備えられ、例えば、所与のタイプの担体のためのこの障害物の位置は、担体があるとき、空洞の較正によって予め確立される。
【0011】
したがって、本発明によるシステムでは、識別する手段によって、制御ユニットは、分析される用意がある担体が、効果的に前記担体の加熱を確実にするために確かに分析されるように意図されているタイプのものであるかを検証する。これが異なる場合、制御ユニットは、分析サイクルを開始せず、つまり誤った否定の危険性を回避する。
【0012】
したがって、本発明によるシステムは、担体の加熱のための特に良い性能および信頼性の高い分析を確実にする。
【0013】
好ましい特徴によると、製造および使用の両方のための簡素さおよび利便さの理由のために、前記分析装置はまた、前記空洞で前記障害物を移動させるための手段を備え、前記制御ユニットはまた、前記移動させる手段に接続され、前記担体の加熱の間、前記空洞で前記障害物の位置を変更するように前記移動させる手段に命令するようになされている。
【0014】
加熱中の障害物の移動は、蒸発が、そうでなければ特定の場合、空洞を離調させる危険性にさらすことになるので(この空洞は、次いで、もはや共振領域で作動しないことになる)、担体に存在する水の蒸発を補償することを可能にする。
【0015】
上述の理由と同じ理由に対して好ましい他の特徴によると、前記識別する手段は、それぞれが、それぞれの所定のタイプの担体と関連するいくつかの特定の配置判断基準を識別するようになされており、前記分析装置が前記空洞で前記障害物を移動させるための手段をさらに備え、前記ユニットが所定の各タイプに対し前記障害物の所定の位置が記録されるメモリを備え、前記ユニットがまた、前記移動させる手段に接続され、前記配置判断基準の1つが満たされるかどうかについて分析すべき担体を検証し、満たされていなければ分析サイクルを開始することを拒否し、満たされている場合は、前記障害物が前記位置をまだ占有していない場合、前記配置判断基準が満たされている所定のタイプの担体に関連する前記メモリに記録された前記空洞の中の所定の位置にあると前記障害物を仮定させるために移動させる手段に命令するようになされている。
【0016】
したがって、装置がいくつかの相異なったタイプの担体の分析を対象とするとき、制御ユニットは、識別する手段および移動させる手段とともに空洞が識別された所定のタイプの担体による障害物の位置を適合させることによって共振モードで作動することを確実にすることができる。
【0017】
さらに別の好ましい特徴によると、前記制御ユニットはまた、前記担体の加熱の間、前記空洞で前記障害物の位置を変更するように前記移動させる手段に命令するようになされ、各配置判断基準は、対応するタイプの前記担体の配置パラメータの所定の範囲に属する判断基準であり、前記配置パラメータは前記担体の高さであり、前記識別する手段は超音波センサを備え、前記担体を受け入れるための前記レセプタクルは、前記所定の位置に前記担体を移動させるようになされた前記担体のコンベヤに属し、前記コンベヤは、前記担体を受け入れるための前記レセプタクルの並進移動のための機構を備え、前記空洞は、2つの反射部材と、前記反射部材間に延在する長方形の断面の案内部とを有し、前記案内部は、前記断面の長い辺に沿って2つの広い表面と、前記断面の短い辺に沿って2つの小さい表面とを有し、前記所定の位置で、前記担体の前記平面は、前記案内部の前記広い表面および前記小さい表面に直角であり、前記案内部は、前記小さい表面の1つに前記担体の通路のための窓を有し、前記窓は長方形であり、前記窓の長い辺は前記広い表面と直角であり、装置はまた前記窓の長い辺のそれぞれに沿って金属製プレートを備え、前記空洞と前記マグネトロンの間に位置している前記反射部材は中央開口部を備え、前記開口部は長方形であり、前記開口部はマイクロ波透過性薄膜によって覆われ、互いに隣接する少なくとも1組の湿気排出開口は、前記空洞を区切る壁の1つに形成され、障害物を移動させる手段は前記障害物の並進移動のための機構を備え、前記障害物はテフロン(登録商標)からでき、装置はまた、前記空洞を区切る壁の1つの中に形成された開口を通って前記平面の温度を計測するように配置された赤外線センサを備え、前記センサは、前記計測した温度に応じてマグネトロンの作動を調節するために前記制御ユニットに接続され、前記開口は、空洞とマグネトロンの間に位置している1つの反射部材の反対側の前記反射部材に形成され、および/または前記担体は、微孔性メンブレンと、前記メンブレンを囲む管状壁とを備える。
【0018】
本発明の特徴および利点は、以下の説明から、好ましいが非限定の実施例を用いて与えられ、添付図面を参照にして明らかである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1から図12に示される装置1は、噴霧ステーション2と、ルミネセンス計測用ステーション3と、順々に配置された加熱ステーション4と、1つのステーションから他のステーションにユニットを通過させるためのフィルタユニット6用のコンベヤダクト5とを備える。
【0020】
装置1はまた、ダクトの中にこのユニット用のコンベヤ10(図15)と、このダクトと接続された空気圧回路11(図6)と、論理制御ユニット12(図24)と、ユーザインターフェース13と、これら品目のすべてを保護するケーシング14(図1)とを備える。
【0021】
図1でケーシング14は、3つの取外し可能なアクセスドア15、16および17、ならびにコンベヤダクトの密閉カバー18を有する。
【0022】
示した実施例では、この装置は、図18で拡大して示される、第1の環状部20と、第2の環状部21と、これら部分の接合壁22と、この壁22にある微孔性メンブレン23とを有するユニットなどフィルタユニット6を分析するために備える。メンブレン23は、メンブレンを通って液体または気体をろ過するステップで、あるいは固形物をこのメンブレンと接触させることによって微生物を保持するようになされている。
【0023】
図15および図16に具体的に示される装置のコンベヤ10は、コンベヤダクト5で移動可能なシャットル30と、このシャットル用のコンベヤ機構31とを有する。
【0024】
フィルタユニット6を受け入れるために備えられるシャットル30は、カラー35および円形開口32ならびにこの開口を囲む環状溝33を有し、光に対するシール34が受け入れられる。
【0025】
コンベヤ機構31は、2つのベルト36と、ダクトの各端部にある1組の歯車37と、歯車を回転させ、ベルトおよびシャットルの移動を駆動するためのモータ38とを有する。
【0026】
シャットル30は、そのエッジによってベルト36に取り付けられ、したがって、シャットルが装置のダクトから突出する受入位置(図8)と、噴霧ステーションの下に位置している噴霧位置(図9)と、計測ステーションの下の計側位置(図10)と、加熱位置(図11)との間で可動な状態にされる。
【0027】
図5に示されるダクト5は、互いに平行に配置された2つのプレート41および42によって区切られ、図2の左側に見ることができる端部を除いて周辺の周り全体でダクトを閉める長方形フランジ43によってともに接続され、この図2では、端部が窓40を有し、この窓40によってフィルタユニット6を受け入れるための位置を占有するためにシャットルを通過させる。
【0028】
ケーシング14のカバー18は、シャットル30が受入位置にないとき、カバー18が、シャットルがないとこの窓の上に弾性的復帰作用によって閉まることが可能になるばね(図示せず)によってこの窓40を密閉する。
【0029】
図13から図17に示される噴霧ステーション2は、プレート41に固定されたベース45と、噴霧デバイス7を受け入れるようになされた回転式クレードル46と、このデバイス用アクチュエータ47と、クレードルを囲む保護スカート48(図2)と、バーコードリーダ49とを備える。
【0030】
クレードル46は、ベース45のハウジングに受け入れられた受入レセプタクル52と、モータ53(図3)とベルト54とを備える。
【0031】
レセプタクル52は、内面56が口広げ加工され、環状エッジ57がダクト5に最も近い部分の端部で部分55の内側に突出する状態で実質的に円筒形の部分55(図15)を有する。部分55には、環状溝58が備えられる。
【0032】
ベルト54は、モータの軸に接続され、モータが作動するとベルトを回転させるためにレセプタクル52の溝58に受け入れられる。
【0033】
アクチュエータ47は、フィルタユニット6のメンブレン23の上にある試薬の液滴の排出を可能にするためにデバイス7に作用する2つの可動アーム61、ならびにパルスモータ64(図15)、および移動可能な作動アームを回転的に移動させるようになされたベルト60を備える。各アームは中央本体62を備え、この中央本体62の端部には、デバイスに対して支えるようになる作動フィンガ63が取り付けられる。
【0034】
レセプタクル52は、すべて同一のタイプの複数の噴霧デバイスから選択された噴霧デバイス7を受け入れるために備えられる。
【0035】
示した実施例では、このようなデバイスは、環部66と、噴霧ベル67と、吸収性パッド68(図8)と、リザーバ71と、ノズル72と、ポンプ73と、識別体74とを備える。
【0036】
パッド68は、ベル67と環部66の間に配置され、中央に開口部65を有する。
【0037】
リザーバ71は、通風孔を形成する空気フィルタ69および液体フィルタ70を通って外部と連通する(このフィルタによって試薬で再充填することによってデバイスを再使用することができるために)。
【0038】
リザーバ71は、軸受カラー75およびベル67ならびに軸受カラー76を有する。
【0039】
示した実施例では、リザーバ71はルミネセンスによってATPの存在を明らかにする試薬を含む。
【0040】
ポンプ73は、リザーバ71の中に出る入口開口77と、ノズル72の中に出る送出開口78とを有し、このノズルから液滴の噴射を噴出するためにそれぞれに向かい移動するリザーバ71およびノズル72(図16)によって作動させるようになされている。
【0041】
識別体74(図15および図16)は、ここではリザーバ71の壁に接着され、バーコードマーキングを持つ自己粘着性ラベルである。
【0042】
リーダ49はリザーバ71に向かうように配置される。
【0043】
図2から図12に示される計測ステーション3は、光電子増倍管80と、ダクトの各側面の上にあるベース81、82と、光電子増倍管の側面に位置している密封デバイス83と、光電子増倍管から反対側に位置している密封デバイス84とを備える。
【0044】
密封デバイス83は、ベース81と光電子増倍管80の間の円筒形の密封カラー85と、並進移動を可能にするためにモータならびに1組のプーリおよびベルトを備える光電子増倍管に平行なこのカラーの並進移動のための機構86とを有する。
【0045】
密封デバイス84は、ピストン88と、ピストンへ並進移動を付与するようになされたモータ89とを備える。ピストンは、ヘッド90と、軸91と、ピストンヘッドに接着された発泡円板92とを備える(図3)。
【0046】
図18から図20に示される加熱ステーション4は、平行六面体の概略形状のマイクロ波空洞100、マグネトロン101、およびマグネトロンに空洞を接続する導波部102、ならびに空洞の共振モードを調整するためのデバイス109を有する。
【0047】
空洞100およびダクト5は処理用筐体を形成する。
【0048】
加熱ステーション4は、マグネトロン101の適切な作動のために図20に示されるように、マグネトロンのフィラメントを加熱するために高圧変圧器103と、回路遮断器104と、直列フィルタ105と、高圧整流回路106と、接触器107と、変圧器108とを備える。
【0049】
空洞100は、電磁波を反射する2つの部材110および111、ならびに前記反射する部材の間に延在する長方形断面の案内部119をともに画定する上部本体112および下部本体113を備え、案内部119は、横断面の大きな辺に沿って2つの大きな内面114および115ならびに横断面の小さな辺に沿って2つの小さな内面116および117を有する。
【0050】
コンベヤダクトでは、内面116はシャットル30の通過を可能にする長方形の外形の窓118を有する。
【0051】
本体112(または113)は、フランジ120(または121)を介してダクトに固定され、フランジ122(または123)を介して反射部材110(または111)に固定される。
【0052】
反射部材111は、絞りと呼ばれる中央の長方形の開口部125が備えられたプレートから形成され、プラスチック材料126(ここではMylar(商標登録))によって覆われる。
【0053】
フランジ120、121と同一のレベルにある、光電子増倍管80と空洞100の間に位置しているダクトでは、これらフランジは、波の漏れを最小限に抑えるためにダクトのプレート40、41に対して配置されたプレート127によって延ばされる。
【0054】
反射部材110には、開口130が備えられ、この開口130の周りには、この空洞の中央に向かって僅かに傾き向けられた赤外線センサ132が受け入れられるベース131が固定される。
【0055】
上部本体112および下部本体113はそれぞれ、空洞100が多すぎる波の漏れを引き起こすことなしに空気圧回路11の湿気排出管と連通するように表面115の側に互いに隣接した1組の開口135を有する。
【0056】
上部本体112にはまた、開口136が表面114の側に形成される。
【0057】
デバイス109は、並進移動によって空洞100の中に存在するテフロン(登録商標)の容積を変更することができるように開口136および表面114、115に横方向の並進移動のための機構138(モータおよび1組のプーリが備えられる)によって上部本体112の中を通る円筒形の概略形状のテフロン(登録商標)の障害物137を備える。
【0058】
マグネトロン101は、2.45GHzの周波数で空洞の中に導波部102を経由して案内される進行波を放射するために備えられ、この進行波は絞り125を通って空洞100に入る。
【0059】
進行波は、電場が筐体の小さい表面116、117に平行な力線を与える状態で空洞100の中に共振定常波領域を構成するように反射部材110および111に対して反射する。この共振場は図23に概略的に示されるように振幅の波節および波腹の連続を与える。以下で分かるように、加熱すべき品目が振幅の波腹に位置していると、この領域はこの品目を加熱することを極めて効率的に急速に可能にする。
【0060】
装置はまた、受入位置でシャットル30に向かって超音波を送り、論理制御ユニット12にこのセンサによって伝えられる反射波を分析することによって、受入位置でシャットルの上に配置されたフィルタユニット6が装置によって分析されるよう意図されたユニットのタイプの1つのタイプに実際に整合することを確実にすることが可能になる超音波センサ19(図24に概略的に示される)を有し、このセンサは、検証するために制御ユニット12にフィルタユニット6の配置パラメータ(その高さまたは外径、空間的構造など)を伝え、フィルタユニット6のタイプを識別することを可能にする。
【0061】
各装置に対しては、装置が単一のタイプのフィルタユニットに対して備えられる場合、障害物137の位置は予め固定される(工場での試験の後、フィルタユニット6がある下で空洞100に共振領域を確立するためにネットワーク分析器を用いて)。
【0062】
次いで、センサ19は、分析するためにこのタイプの担体と関連する配置判断基準が満たされること、すなわち、実際に受入位置でシャットル30に配置され分析されるように意図されたタイプのユニット6であることを確実にすることを可能にする。
【0063】
このセンサは、フィルタユニット6の高さの値を制御ユニット12に供給し、このユニット12は、1つのユニットから別のユニットの寸法的変化による誤差の限度の可能な違いを用いてこの高さが実際に分析されるように意図されたユニットの高さかどうかを検証する。
【0064】
この高さが値の範囲のセットに予め属する場合(例えば12mm高さのユニットに対して[11mm;13mm])、制御ユニット12はサイクルの開始を命令し、この高さが一致していない場合(範囲外)、制御ユニット12は、分析サイクルを開始することを拒否し、オペレータに警告する(このオペレータは、例えば、装置によって分析されるように意図されるタイプでないフィルタユニットを定位置に置いたか、またはこのユニットのカバーを取り外すことを忘れたかであり、この場合はまた、カバーの有無にかかわらずユニットの高さの違いによりセンサ12によって検出される)。
【0065】
装置が相異なったタイプ、すなわち、相異なった寸法および構造の担体を分析することを対象とするとき、特定の識別判断基準(例えば、所定の値の範囲に属する)およびメモリ171に当初記録された障害物138の所定の位置(ネットワーク分析器によってこれらの位置の工場での決定の後)が担体の各タイプと関連付けられている。
【0066】
したがって、分析すべき新しい各フィルタユニット6に対して、制御ユニット12は、センサ19によって伝えられた配置パラメータに基づき装置の中に導入される担体のタイプを識別し、障害物137を識別された担体のタイプに関連するメモリ171に記録されている空洞100での所定の位置を取らせるように移動のための手段138に命令する。
【0067】
具体的には、共振領域は、不安定な多数の源、具体的には、ユニット6など空洞100の中への品目の導入に敏感であり、障害物137は、空洞の中にユニット6があるとき、この領域を得る条件を最適化するために空洞100の微調整を可能にする。
【0068】
図6から図12に示される空気圧回路11は、空気入口開口および出口開口を有するブレード付きタービン150と、タービンに対して配置されたペルチエ効果温度調節デバイス151と、温度調節システムのための冷却用ファン152と、消音器153と、空気フィルタ154と、微生物フィルタ155と、弁156とを備える。
【0069】
空気フィルタ154は、タービン150の入口開口にそれ自体が接続された消音器153に管によって接続され、タービン150の出口開口は、コンベヤダクトの横方向フランジ43に形成され、計測ステーション3と噴霧ステーション2との間に計測ステーションの近くに位置している開口157(図8)でこのコンベヤダクトの中に管を経由して出ることによってシャットル30のためのコンベヤダクト5にそれ自体が接続された微生物フィルタ155に接続される。
【0070】
タービンに並置された温度調節デバイス151は、コンベヤダクトの中で温度調節された空気(実質的に一定の温度で)を得ることを可能にし、デバイス自体は、デバイスの冷却用ラジエータの近くに配置されたファン152によって冷却される。
【0071】
空気圧回路11は、オリフィス135を経由して空洞の内部と連通する2つの管から形成された排気通気管159によってマイクロ波空洞100の向こう側に続き、これら管は弁156の入口開口を得るためにT形接続部158でともに接続され、この弁の出口開口は筐体の外部に接続される管によって出る。
【0072】
フィルタ153および154は、ドア17を開けることによってそこにアクセスするオペレータによって容易に交換できるように配置される。
【0073】
ユーザインターフェース13は、利用者が情報を読み、指示を与え、またはサイクルを開始するために装置をパラメータ化することなどを可能にするために制御ユニット12に接続されたタッチスクリーンを有する。
【0074】
図24に示されるように、相異なって作動させられるモータ、光電子増倍管、マグネトロン、ユーザインターフェース、相異なった処理ステーションおよび相異なったセンサは、論理制御ユニット12に接続され、このユニットは、マイクロカリキュレータ170と、関連したメモリ171とを備える。
【0075】
上述のいくつかのセンサ以外のセンサは、相異なった処理ステーションに配置され、デバイス、具体的には、噴霧デバイス7のそばのカバー18が開いたことを検出するためのセンサ、およびいくつかのシャットル位置センサの作動の状態を調査するためにユニット12に接続される。
【0076】
具体的には、ユニット12は、分析サイクルを開始するかまたは停止するための命令を管理するようになされていて、インターフェース13から来るオペレータからの命令を受け入れ、あるいはメモリの中に、例えば、光電子増倍管から、バーコードリーダから、またはアクチュエータのモータから来るデータを記録する。
【0077】
ここでこの装置の運転が説明される。
【0078】
2つの予備運転、すなわち、シャットル30が運搬される筐体を殺菌するための除染運転、およびレセプタクルに配置された噴霧デバイス7の最適な噴霧を得るためのアクチュエータの較正運転が、装置によって実行されることが必要である。
【0079】
除染ステップでは、オペレータはメンブレンの上にある従来のフィルタユニット6を把握し、このフィルタユニット6からオペレータは、多量の液体殺菌性試剤、例えば、35%濃度で過酸化水素(H)を500マイクロリットル付着させ、この容積はメンブレンによって吸収される。
【0080】
次いで、このフィルタユニット6は、シャットル30に、次いで受入位置に配置され、マイクロ波空洞100に設計速度で持って来られる。マグネトロン101は、マイクロ波空洞で液体過酸化水素を加熱して蒸発させるためにこの空洞の中に上述の共振定常波の領域を確立するようにユニット12によって制御される。
【0081】
この加熱ステップが実行されると、シャットル30は、過酸化水素蒸気がダクト5全体の中に散布されることを可能にし、したがってダクト5の表面に存在し得る病原菌を破壊することを可能にするためにダクト5の中で噴霧ステーション2に向かって低速(設計速度の約8%)で移動させられる。シャットルが噴霧デバイス7の下に到着すると、気体の過酸化水素が15分間作用するように放置され、次いで、このシャットルの戻りが、同一のタイプ(加熱、次いで低速でシャットルの噴霧デバイスへの移動および気体の作用)の第2のサイクルを実行するために設計速度で空洞100へと命令される。
【0082】
これら2つのサイクルが実行されると、弁156は開けられ、空気圧回路のタービン151は、蒸気化された過酸化水素を乾燥し不活性化するためにおよび蒸気化された過酸化水素を排気するために送風するように命令される。
【0083】
装置の中に配置された電子ボードは、過酸化水素による電子回路の時期尚早の酸化を回避するように配置される。
【0084】
他の事前のステップは、最良で可能な噴霧を得るためにクレードル46に配置されたデバイス7に対するアクチュエータのアーム61の移動角度位置の最適な終りを各噴霧デバイス7に対して決定するために噴霧ステーション2のアクチュエータ47を較正することからなる。
【0085】
具体的には、消耗品の成形時のデバイスの寸法の変化は、各デバイス7に対してこの較正ステップを実行することが必要であることを意味する。
【0086】
第1の段階では、オペレータは装置の中にデバイス7を装着することによって始める。このために、オペレータは、回転式クレードル46のレセプタクル52に複数の同一のデバイスから選択された噴霧デバイス7を配置するためにドア15を開け、このデバイスのカラー76はレセプタクルの縁57にもたれるようになる。
【0087】
次いで、リーダ49は、必要ならばデバイスを回転させてラベル74のバーコードを配置してリーダに向かい合うためにレセプタクル52の回転を命令することによって、デバイスのリザーバ71の上に存在するラベル74を読むようにユニット12によって命令される(図15)。
【0088】
したがって、制御ユニット12にリーダによってこのように伝えられたデータがユニット(新しい消耗品)についてのメモリにまだ記録されていない場合、このユニットは、メモリが有していないこのデバイスに対する新しい較正段階を開始する。このユニットは、ラベル74の上でリーダ49に読まれたこの新しい消耗品の確認データをメモリ171に記録し、低速(デバイスの設計作動速度より遅い)でカラー75において消耗品と接触するまでアーム61を回転駆動するようにモータ64に命令する。同時に、ユニット12は、デバイスにアームによって及ぼされる力を表すパラメータ、ここではモータによって消費される電流、およびこれらアームの角度位置を表すパラメータ、ここではモータパルス数をモータ64から受け入れ、処理する。
【0089】
ユニット12は、計測した力のパラメータがこのデバイスのポンプを作動させるのに必要な力に対応する所定の閾値を得るまで、すなわちリザーバ71およびノズル72を互いに向かって移動させる(図16に示されるように)までモータを制御する。このパラメータがこの閾値に到達すると、ユニットは、アームの位置パラメータをメモリに記録し(モータパルス数として)、アクチュエータのアームの上昇を命令する。
【0090】
較正ステップによって、制御ユニット12は、所与のバーコードに対してアクチュエータのアームの移動位置の最適な終りを関連付ける。
【0091】
この段階の間に噴霧された液体は、予め利用者によってシャットル30に配置されたカップに回収され、次いで、このシャットル30は噴霧ステーション2の下に配置される。
【0092】
デバイス7は、ユニット12に既に知られている場合(消耗品が既に較正された場合)、上述のステップを再び実行する必要なしに、このメモリでこの消耗品に関連するアームの移動位置の終りの角度値を検索する。
【0093】
装置は、ここで、以下で説明されるフィルタユニット6の分析の完全なサイクルを実行するためにこの時tから開始する用意があり、制御ユニット12はオペレータからの命令に待機している。
【0094】
オペレータからの命令がない状態で、弁156およびカバー18は閉められ、次いで、タービン150は、塵または病原菌のダクト5の中および空洞100の中への導入を回避するために僅かな加圧(無菌室に関しては、大気圧の上約20パスカル)を維持するように命令された第1のモードにより作動するようにユニット12によって命令される。
【0095】
このモードの運転では、カバーおよび弁は、低く、タービン150の処理量がダクト5および空洞100に沿って存在し得る僅かな漏れを補うのに低くちょうど十分なように慎重に選択されるように閉められる。
【0096】
オペレータは、サイクルの実行を望むと、インターフェース13のタッチスクリーンを介してユニット12にこれを指示する。
【0097】
次いで、ユニット12は、受入位置へシャットル30を移動し、窓40から突出するように命令する。この移動の間、シャットルは、カバー18と接触し、時間tにこのカバーを開く状態へと押しやる。
【0098】
この時間tからカバー18が開いている限り、タービン150は、病原菌が、カバーが開いている間、この窓から入ることがあり得ることを回避するために開口157から装置の窓40に向かう方向に空気の層流を引き起こす空気処理量を送風する第2の運転モードにより作動するように命令される。
【0099】
次いで、オペレータは、移動可能なシャットル30で分析するようにより適当なユニット6を配置する。
【0100】
次いで、超音波センサ19によって前に設定したように、装置は、フィルタユニット6がシャットル30に実際に正確に配置されていること、およびこのユニットの寸法が分析される対象の寸法と実際に合致することを検出する。
【0101】
この消耗品が合致する場合、ユニット12は、モータ38が、受入位置から計測ステーション3の下にある計側位置にシャットル30を移動させるためにバンド36を作動させるように命令する。
【0102】
この移動の間、シャットル30が窓40を完全に通過すると、装置1のカバー18は、以下のステップが閉環境で実行されるために弾性復帰作用によって閉まる。
【0103】
カバー18が時間tにシャットル30の引き込みによって閉められると、次いで、タービン150は、上述の第1のモードにより作動するように制御ユニット12によって命令され、僅かな加圧を維持するように指示される。
【0104】
メンブレン23が計測ステーション3の下に配置されると、ルミネセンスの第1の計測が、フィルタユニット6のプラスチック材料およびメンブレン23によって放射された燐光の中の自然の減少(対照試験に対する第1の曲線)を測定するために光電子増倍管80によって実行される。
【0105】
次いで、シャットル30は噴霧デバイス2の下に戻るように命令され、次いで、モータ64は、ユニット12によって較正段階の間アームを降下させるために設計速度で予め記録された位置にアーム61を移動させるように命令される。次に、アーム61は、特定の継続期間、適所に保持され、次いで、アームを上昇させるための設計速度で再び上昇させられる。
【0106】
アームの移動位置の終り、降下および上昇の速度、ならびに適所での保持の継続期間は、可能な限り均一に再現可能な噴霧の状態にさせるためにこのポンプの最適な作動および再び呼び水を差すことを確実にするために製造者によって供給されたデバイス7のポンプ73の特性により決定される。
【0107】
ノズル72、噴霧ベル67、吸収性パッド68およびこのパッドの開口部65の直径が、噴霧が可能な限り均一であることを確実にするように意図され、すなわち、最も均一な噴射の部分だけ(噴射の周辺部はパッドにさえぎられる)を通過させ、一方、液滴が跳ね返ることを防止する(これら液滴はパッドによって吸収される)ようになされていることがまた留意されよう。したがって、噴射のこの選択された部分は、メンブレンの全体の有効な表面の上に付着する。
【0108】
液滴によって噴霧は、希釈の危険性を回避するために付着した液体を十分に分配することを可能にする。液滴は、噴射に対して十分に小さい、したがって、噴霧を形成するために噴霧される滴を意味するものと理解される。
【0109】
したがって、試薬は、保持する微生物からでなく、例えば、搬送またはろ過ステップで外部汚染物から生じるメンブレンに存在する外来のATPと接触させられる。
【0110】
外来のATPがあると、試薬を置くことにより、光を生成し、外来のATPを消費する化学反応を引き起こす。そのように消費された外来のATPは、分析サイクルの以下のステップの過程を妨げない。試薬は、サイクルのこの段階でATPが微生物の外皮によって試薬からさらに保護されているので、微生物のATPと相互作用しない。
【0111】
液滴の付着の均一性を最適にするためには、モータ53は、ベルト54を駆動し、したがって、デバイス7からユニット6に向かう噴霧の一般的方向で、レセプタクル52をその平面で中心に対して半回転(180°)するように命令し、シャットル30は、この回転の間、静止してレセプタクル52の下にあるままである。このように、レセプタクル52およびシャットル30は、レセプタクル52の回転の前にこれらが占有していた位置と相異なった相対角度位置になる。次いで、ユニット12は、メンブレンに液滴の噴射の第2の噴霧運転を実行するようにアクチュエータ47のアーム61に2度命令する。
【0112】
次いで、シャットル30は、試薬および外来のATPの接触から生じるルミネセンスを計測するための第2の基準曲線(対照試験のための第2の曲線)を確立するために再度光電子増倍管80の下に配置される。
【0113】
次に、シャットル30は、振幅の波腹でメンブレン23を加熱するためにマイクロ波空洞100の所定の位置に移動させられ、このメンブレンの平面24は、案内部119の広い表面114、115および小さい表面116、117に直角である(図18、図19および図21)。
【0114】
このために上述のように、ユニット12は、共振領域が空洞100に確立されるように時間tにマグネトロン101に命令し、次いで、ユニット12が、このとき始動し、メンブレン23の加熱の間、メンブレンに含まれた水の蒸発によって生成された空洞100の中の停滞した湿気を排出するために空気圧回路11の弁156を開けることおよび最大処理量をもたらすさらに第3のモードによりタービン150の運転を命令し、この湿気は、空洞の共振モードを混乱させるばかりでなく、この空洞の壁に沿って凝固することがある。
【0115】
コンベヤ10および空洞100は、シャットル30が、メンブレン23が、このメンブレンの加熱の実施のために最適な所定の位置、すなわち、図21および図23に示されるように電場の線と平行に振幅の波腹で案内部の広いおよび小さい表面(図21および図23)に直角な位置で空洞の中に配置されることを可能にするように配置される。
【0116】
図22に示されるように、開口部118が、シャットルの通路のためのこの開口部によって生成される共振領域への混乱を可能な限り最小限に抑えるために空洞の流れ140の線の切断を引き起こさないように配置されることにまた留意されたい。
【0117】
このように、共振領域は、空洞100の中に確立されると、メンブレン23の極めて早い加熱が得られることが可能になり、この加熱は、数秒で約100℃の温度に到達する。
【0118】
ユニット12は、赤外線センサ132によって計測され、ユニット12に伝えられたメンブレンの表面24の温度が温度設定値に到達するように(ここでは100℃)およびこの値ぐらいで調節されるようにマグネトロン101に命令する。したがって、センサは、テフロン(登録商標)障害物137によって妨げられることなしにフィルタユニット6のメンブレンの上部表面の中央の温度を計測するように向きが付けられる。メンブレン23の厚さは極めて薄いので、この表面で計測された温度は、メンブレンが相対的に均一に加熱されるようにこの中の温度に実質的に対応する。このメンブレンはまた、共振領域(定常波の波長で)が表面全体にわたって均一にメンブレンを加熱することを可能にするように配置される。
【0119】
温度設定値までの温度の上昇の間、予め付着した試薬は、微生物の溶解が、微生物の溶解が起きると、すべての試薬がメンブレンの加熱によって除去されているので、この試薬と微生物のATPの間で相互作用がないように微生物の溶解が始まる前に加熱によって除去される。
【0120】
したがって、大部分の微生物の外皮は、微生物のATPの大部分がこの試薬によって消費されないように予め付着された試薬が除去されるとただ破壊されるだけである(したがって、微生物のATPはアクセス可能な状態にされる)。
【0121】
さらに、試薬の除去は、温度の上昇が、試薬の除去の際、加熱をより効率的な状態にするメンブレンの部分的乾燥を引き起こすことによって加速される。
【0122】
マイクロ波によって加熱は、この方法の以下のステップを混乱させ得る残余の加熱を生成することなしにメンブレンに存在する水の量に基づいて投与される必要なエネルギーの量だけ供給することを可能にする。
【0123】
さらに、メンブレンによって吸収されるマイクロ波力は、メンブレンによって吸収される力が自己調節されるように加熱する水の容積に比例し、この力は水の容積がより大きい領域で大部分自然に分布される。
【0124】
この加熱ステップの後、溶解を受けた微生物のATPは、分析されるためにアクセス可能な状態にされる。ユニット12は、時間tにマグネトロンを停止し、弁156を閉め、タービン150を第1のモードに戻るように命令する。
【0125】
分析サイクルが予め確立された時間ダイアグラムにより起こるので、時間tからtは、センサがtからtの間のタービンの運転モードの変化を命令する必要がないようにユニット12に知られている(装置の中に存在するセンサ、具体的には、カバー18の開口部のためのセンサが、サイクルが適切に進行することを確実にするために唯一存在する)。
【0126】
タービンの第2および第3の運転モードでたとえ高い処理量が求められても、このタービンが、それでもなお微生物を保持するために極めて小さい直径の孔を有するフィルタ155の中を通過するのに十分な加圧を実現することが可能であるままであり、この孔が高い圧力損失を引き起こすことに留意されたい。
【0127】
ダクトに出る開口157が、層流が窓40で確立することが可能であるために窓40から十分に遠くにあり(すなわち、特定の距離を超える)、さらに窓40の方向に生成された空気の層流の中に引き入れられないようにマイクロ波空洞10から十分に離れたままであり、残余の湿気の一部がこの空洞の中に停滞している(したがって、汚染の危険性を最小限に抑える)ことにまた留意されたい。
【0128】
次いで、シャットル30は、メンブレンの加熱に応答して放射された光を測定するために新しい較正曲線(対照試験に対する第3の曲線)を確立するように光電子増倍管80の下に再び配置されるために移動させられる。
【0129】
次に、シャットル30は、可能な限り均一なメンブレンの上の試薬の付着を得るために、上述のように、2つの噴霧運転の間でレセプタクル52の180°の回転で、噴霧の一般的方向に2つの連続する噴霧運転を受けるために噴霧ステーション2の噴霧デバイス7の下に配置される。
【0130】
次いで、シャットル30は、試薬の微生物のATPとの接触からこのとき生じるルミネセンスを計測するために再び光電子増倍管80の下に配置される。
【0131】
上述のこれらの光計測のそれぞれのときに、密封カラー85は図12に示されるように降下させられ、「O」リングシール34に対してシャットルの溝33の中に収容できるようになり、ピストン88は光電子増倍管80によって計測の間、すべての外来の光から光電子増倍管80およびフィルタユニット6を完全に遮断するために上昇させられる(このピストンの発泡円板92はシャットル30に対して当接する)。
【0132】
このようにして得られたルミネセンス曲線は、メンブレンの上にある微生物ATPの存在から生じ放射された光の量を演繹するために予め得られた相異なった較正曲線(対照試験に対する曲線)と比較される。このために、ユニット12は、互いに、具体的には、これら曲線の振幅および整数値を比較し、したがって、微生物のATPによって放射された光が他の現象(材料の自然の蛍光、フィルタユニットの加熱、または外来のATPの除去のための光の残量など)によって放射された光と区別されることが可能である。したがって、高い感度でメンブレンの上に存在し微生物から生じるATPの質量をそれによって演繹することが可能である。
【0133】
変形態様では、ユニット12は、担体のタイプに応じて必要ならば、担体の加熱の間、メンブレン23の上に存在する水の蒸発を補償するためにtとtの間に障害物137の移動によって障害物137の位置を変更するように移動させる手段138に命令し、これにより、空洞を離調させる危険性にさらすことになる(次いで、これにより、共振領域の下でもはや作動しないことになる)。
【0134】
別の変態態様では、空洞100の中の障害物137の位置は、このユニットのメンブレン23の上に存在する推定チャージにより設定される(すなわち、メンブレンの上に保持されたろ液の性質に応じて)。
【0135】
別の変態態様では、制御ユニット12は、温度によってではなく電力によって加熱を調節する。
【0136】
本発明は、説明され示された実施形態に限定されるものではなく、これら実施形態のどのような変形形態をも含有するものである。
【図面の簡単な説明】
【0137】
【図1】本発明による斜視図である。
【図2】図1と同様であるが、装置の保護カバーが示されない図である。
【図3】装置のコンベヤのシャットルの経路に中心がある垂直面における装置の斜視断面図である。
【図4】図3と同様であるが、装置のマイクロ波空洞の対称の中心面に対応する図3の断面平面と交差する断面平面における図である。
【図5】1つの角度からの斜視図であって、分析すべきフィルタユニットを搬送するシャットルが移動する装置のコンベヤダクトと、このコンベヤダクトと接続された空気圧回路と、左から右に順に、このユニットの上にある噴霧ステーションと、このユニットによって放射された輝度を計測するためのステーションと、このユニットを加熱するためのステーションとを示す斜視図である。
【図6】図5とは異なった角度からの斜視図である。
【図7】図5の上方からの平面図である。
【図8】図6と同様であるが、通路の窓のそばで導管から突出する分析すべきフィルタユニットを受け入れるための位置にあるシャットルを示すダクトの対称の中心面に沿った斜視断面図である。
【図9】図6と同様であるが、噴霧ステーションを受け入れるためのレセプタクルに受け入れられた噴霧デバイスの下に位置している噴霧位置にあるシャットルを示すダクトの対称の中心面に沿った斜視断面図である。
【図10】図6と同様であるが、輝度計測ステーションの光電子増倍管の下に位置している計側位置にあるシャットルを示すダクトの対称の中心面に沿った斜視断面図である。
【図11】図6と同様であるが、加熱ステーションのマイクロ波空洞に位置している加熱位置にあるシャットルを示すダクトの対称の中心面に沿った斜視断面図である。
【図12】図10と同様であるが、計測ステーションの光に対する保護のための部材が光からフィルタユニットを遮断するために移動した位置にある図である。
【図13】アクチュエータのアームがデバイスから離れた位置に示される噴霧デバイスのアクチュエータを示す噴霧ステーションの部分拡大図である。
【図14】これらアームがデバイスと接触している位置に示される噴霧デバイスのアクチュエータを示す噴霧ステーションの部分拡大図である。
【図15】図14と同様であるが、正面断面図である。
【図16】図15と同様であるが、液滴の噴射を噴出するようにデバイスのポンプの作動のためにこれらの位置にアクチュエータのアームを示す図である。
【図17】図13と同様であるが、デバイスおよびこのデバイスを受け入れるためのレセプタクルを半回転した後で示す図である。
【図18】図3と同様であるが、横断面で加熱ステーションのマイクロ波空洞を分離し拡大して示す図である。
【図19】図4と同様であるが、横断面で加熱ステーションのマイクロ波空洞を分離し拡大して示す図である。
【図20】図2の中の右側に見ることができる側面からの装置の斜視図である。
【図21】フィルタユニットが加熱時、空洞で占有する位置を示すマイクロ波空洞の概略図である。
【図22】この空洞の流れの線の分布を示すマイクロ波空洞の概略図である。
【図23】図21に示す面XXIIIに沿ったこの空洞の断面を示し、マイクロ波空洞を構成する定常波の共振領域の場合の電磁場の振幅を示す概略図である。
【図24】この装置が備える論理制御ユニット、およびこの論理制御ユニットが命令し、および/または論理制御ユニットがデータをこれらから受け入れるこの装置の様々な要素の概略図である。
【符号の説明】
【0138】
1 分析装置
2 噴霧ステーション
3 ルミネセンス計測用ステーション
4 加熱ステーション
5 コンベヤダクト
6 担体、フィルタユニット
7 噴霧デバイス
10 コンベヤ
11 空気圧回路
12 論理制御ユニット
13 ユーザインターフェース
14 ケーシング
15、16、17 アクセスドア
18 密閉カバー
19 識別する手段、超音波センサ
20 第1の環状部
21 第2の環状部
22 接合壁
23 メンブレン
24 平面
30 レセプタクル、シャットル
31 コンベヤ機構
32 円形開口
33、58 環状溝
34 シール
35、75、76 カラー
36、54、60 ベルト
37 歯車
38、53、89 モータ
40 窓
41、42、127 プレート
43、120、121、122、123 フランジ
45、81、82 ベース
46 クレードル
47 アクチュエータ
48 保護スカート
49 バーコードリーダ
52 受入レセプタクル
55 部分
56 内面
57 環状エッジ
61 可動アーム
62 中央本体
63 作動フィンガ
64 パルスモータ
65、125 開口部
66 環部
67 噴霧ベル
68 吸収性パッド
69、154 空気フィルタ
70 液体フィルタ
71 リザーバ
72 ノズル
73 ポンプ
74 識別体、ラベル
77 入口開口
78 送出開口
80 光電子増倍管
83、84 密封デバイス
85 密封カラー
86 機構
88 ピストン
90 ヘッド
91 軸
92 発泡円板
100 マイクロ波空洞
101 マグネトロン
102 導波部
103 高圧変圧器
104 回路遮断器
105 直列フィルタ
106 高圧整流回路
107 接触器
108 変圧器
109 デバイス
110、111 反射部材
112 上部本体
113 下部本体
114、115、116、117 表面、内面
118 窓
119 案内部
126 薄膜、プラスチック材料
130、135、136、157 開口
131 ベース
132 赤外線センサ
137 障害物
138 移動させる手段、機構
140 流れ
150 タービン
151 ペルチエ効果温度調節デバイス
152 冷却用ファン
153 消音器
155 微生物フィルタ
156 弁
158 T形接続部
159 排気通気管
170 マイクロカリキュレータ
171 メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
微生物分析システムにおいて、
平面(24)の近くに微生物を保持するようになされた担体(6)であって、特定の配置判断基準が関連する所定のタイプである担体(6)と、
マグネトロン(101)、
前記マグネトロン(101)に接続され、共振モードで作動するために備えられたマイクロ波空洞(100)、
前記平面(24)の少なくとも近くの前記位置で前記担体(6)を加熱するように前記空洞(100)の中の所定の位置で前記担体(6)を受け入れるために備えられた前記担体(6)を受け入れるためのレセプタクル(30)、
前記空洞(100)の中に部分的に入る空洞(100)の共振モードを同調させるための障害物(137)であって、前記所定のタイプに応じて所定の位置を占有する障害物(137)、
前記特定の配置判断基準を識別するための手段(19)、ならびに
前記マグネトロン(101)および前記識別する手段(19)に接続され、特定の配置判断基準が満たされているかどうか前記担体(6)を検証し、満たされていなければ分析サイクルを開始することを拒否するようになされた制御ユニット(12)を備える分析装置(1)と
を備えることを特徴とする、微生物分析システム。
【請求項2】
前記分析装置がまた、前記空洞(100)で前記障害物(137)を移動させるための手段(138)を備え、前記制御ユニット(12)がまた、前記移動させる手段(138)に接続され、前記担体(6)の加熱の間、前記空洞(100)で前記障害物(137)の位置を変更するように前記移動させる手段(138)に命令するようになされていることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記識別する手段(19)が、それぞれが、それぞれの所定のタイプの担体と関連するいくつかの特定の配置判断基準を識別するようになされていること、および前記分析装置が、前記空洞(100)で前記障害物(137)を移動させるための手段(138)をさらに備え、前記ユニット(12)が所定の各タイプに対し前記障害物(137)の所定の位置が記録されるメモリ(171)を備え、前記ユニット(12)がまた、前記移動させる手段(138)に接続され、
前記配置判断基準の1つが満たされるかどうかについて分析すべき担体を検証し、
満たされていなければ分析サイクルを開始することを拒否し、
満たされている場合は、前記障害物が前記位置をまだ占有していない場合、前記配置判断基準が満たされている所定のタイプの担体に関連する前記メモリ(171)に記録された前記空洞(100)の中の所定の位置にあると前記障害物(137)を仮定させるために移動させる手段(138)に命令するようになされていることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記制御ユニット(12)がまた、前記担体(6)の加熱の間、前記空洞(100)で前記障害物(137)の位置を変更するように前記移動させる手段(138)に命令するようになされていることを特徴とする、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
各配置判断基準が、対応するタイプの前記担体(6)の配置パラメータの所定の範囲に属する判断基準であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記配置パラメータが前記担体(6)の高さであることを特徴とする、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記識別する手段が超音波センサ(19)を備えることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記担体(6)を受け入れるための前記レセプタクル(30)が、前記所定の位置に前記担体(6)を移動させるようになされた前記担体(6)のコンベヤ(10)に属することを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記コンベヤ(10)が、前記担体(6)を受け入れるための前記レセプタクル(30)の並進移動のための機構(36、37、38)を備えることを特徴とする、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記空洞(100)が、2つの反射部材(110、111)と、前記反射部材(110、111)間に延在する長方形の断面の案内部(119)とを有することを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記案内部(119)が、前記断面の長い辺に沿って2つの広い表面(114、115)と、前記断面の短い辺に沿って2つの小さい表面(116、117)とを有すること、および前記所定の位置で、前記担体(6)の前記平面(24)が、前記案内部(119)の前記広い表面(114、115)および前記小さい表面(116、117)に直角であることを特徴とする、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記案内部(119)が、前記小さい表面(116)の1つに前記担体(6)の通路のための窓(118)を有することを特徴とする、請求項10または11に記載のシステム。
【請求項13】
前記窓(118)が長方形であることを特徴とする、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記窓(118)の長い辺が、前記広い表面(114、115)と直角であることを特徴とする、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
装置(1)がまた、前記窓(118)の長い辺のそれぞれに沿って金属製プレート(127)を備えることを特徴とする、請求項13または14に記載のシステム。
【請求項16】
前記空洞(100)と前記マグネトロン(101)の間に位置している前記反射部材(111)が、中央開口部(125)を備えることを特徴とする、請求項10から15のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
前記開口部(125)が長方形であることを特徴とする、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記開口部(125)がマイクロ波透過性薄膜(126)によって覆われることを特徴とする、請求項16または17に記載のシステム。
【請求項19】
互いに隣接する少なくとも1組の湿気排出開口(135)が、前記空洞(100)を区切る壁の1つに形成されることを特徴とする、請求項1から18のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項20】
障害物(137)を移動させる手段(138)が、前記障害物(137)の並進移動のための機構を備えることを特徴とする、請求項2から19のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項21】
前記障害物(137)がテフロン(登録商標)からできていることを特徴とする、請求項1から20のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項22】
装置(1)がまた、前記空洞(100)を区切る壁(110)の1つの中に形成された開口(130)を通って前記平面(24)の温度を計測するように配置された赤外線センサ(132)を備え、前記センサ(132)が、前記計測した温度に応じてマグネトロンの作動を調節するために前記制御ユニット(12)に接続されることを特徴とする、請求項1から21のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項23】
前記開口(130)が空洞(100)とマグネトロン(101)の間に位置している1つの反射部材(111)の反対側の前記反射部材(110)に形成されることを特徴とする、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記担体(6)が、微孔性メンブレン(23)と、前記メンブレン(23)を囲む管状壁(20、21、22)とを備えることを特徴とする、請求項1から23のいずれか一項に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2009−98144(P2009−98144A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−257064(P2008−257064)
【出願日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【出願人】(390019585)ミリポア・コーポレイション (212)
【氏名又は名称原語表記】MILLIPORE CORPORATION
【Fターム(参考)】