微生物系及び流体試料分析の方法
液体試料内の標的微生物の存在を検出するための方法及びシステムを提供する。諸方法は、液体試料を表面フィルタに通過させる工程と、表面フィルタを培養デバイスと接触させる工程と、培養デバイスを一定期間培養する工程と、標的微生物の存在を検出する工程と、を含む。諸方法は、自動検出システムと併用されてもよい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、米国仮出願第61/016,265号(2007年12月21出願)の利益を請求するものである。
【背景技術】
【0002】
大腸菌又は他の指示菌の存在は、食料及び水質の重要証拠である。飲料水又は特定の食料、例えば乳製品において見出される大腸菌の許容される量は、多くの国及び/又は自治体において規制されている。大腸菌群は、土壌に見られるもの等の自然界から生じる細菌を含む。大腸菌群は、エシェリキアコリ等の糞便性大腸菌も含む。試料内の糞便性大腸菌の存在は、食料又は水の最近の糞便汚染、及び可能性のある病原菌の存在の主な指標である。
【0003】
水試料内の微生物を数えるための方法は、例えば、アメリカ公衆保健協会、米国水道協会、及び水環境連盟の共同出版である、抄録「Standard Methods for the Examination of Water and Wastewater」(SMEWW)、21st Editionにおいて見ることができる。SMEWWは、水中の微生物を直接数えるための膜濾過技法を記載する。膜濾過技法は、飲料水を生成することを意図したプロセスからの試料、加えて様々な天然の未処理水源からの試料の微生物学的品質を観察するのに有用である。
【0004】
食料試料内の微生物を数えるための方法は、食料の特性、及び試料内に見られる傾向のある有機体の種類によって異なることが多い。食料試料を試験するための方法のいくつかの抄録には、アメリカ公衆保健協会、Washington、D.C.によって出版された「Standard Methods for the Examination of Dairy Products」、27th Edition、及び米国食品医薬品局、Washington、D.C.によって出版されたBacteriological Analytical Manual(「BAM」)が挙げられる。固形食料は、定量的微生物分析の方法において使用することができる、食品材料の液体ホモジネートを得るために、通常、水媒体中で懸濁され、混合及び/又は粉砕される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述の方法のそれぞれは、典型的には、試験結果を観察し、解釈するために非常に熟練した技術者を必要とする。液体試料内の微生物の数を決定するための簡単かつ正確な方法の必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態では、本発明は、試料内の標的微生物の存在を検出する方法を含む。該方法は、標的微生物を含有する疑いがある試料、表面フィルタ、及び培地を含む培養デバイスを提供する工程を含むことができる。該方法は、フィルタ上に標的微生物を収集する工程と、表面フィルタを培地と接触させる工程と、培養デバイスを一定期間培養する工程と、標的微生物の存在を検出する工程と、を更に含むことができる。標的微生物は、任意に、自動検出システムにより検出することができる。
【0007】
別の実施形態では、本発明は、液体試料内の標的微生物の存在を検出する方法を含む。該方法は、標的微生物を含有する疑いがある液体試料、培地を含む培養デバイス、及び培養デバイス内の水和培地と接触する時に実質的に透明であるフィルタを提供する工程を含むことができる。該方法は、フィルタ上に標的微生物を収集する工程と、フィルタを培地と接触させる工程と、培養デバイスを一定期間培養する工程と、標的微生物の存在を検出する工程と、を更に含むことができる。標的微生物は、任意に、自動検出システムにより検出することができる。
【0008】
別の実施形態では、本発明は、ガス産生微生物を検出するための方法を含む。該方法は、ガス産生微生物を含有する疑いがある試料、表面フィルタ、及び発酵性栄養素を含む培地を含有する平坦フィルム培養デバイスを提供する工程を含むことができる。該方法は、試料からのガス産生微生物を表面フィルタ上に収集する工程と、表面フィルタを培地と接触させる工程と、培地と接触している表面フィルタを一定期間培養する工程と、ガス産生微生物の存在を検出する工程と、を更に含むことができる。標的微生物は、任意に、自動検出システムにより検出することができる。
【0009】
別の実施形態では、本発明は、ガス産生微生物を検出するための方法を含む。該方法は、ガス産生微生物を含有する疑いがある試料、発酵性栄養素を含有する培地を含む培養デバイス、培養デバイス内の水和培地と接触する時に実質的に透明であるフィルタ、及び自動検出システムを提供する工程を含むことができる。該方法は、試料からのガス産生微生物をフィルタ上に収集する工程と、フィルタを培地と接触させる工程と、培地と接触している表面フィルタを一定期間培養する工程と、ガス産生微生物の存在を検出する工程と、を更に含むことができる。標的微生物は、任意に、自動検出システムにより検出することができる。
【0010】
「培養デバイス」という用語は、少なくとも1つの細胞分裂が生じることを可能にする条件下で微生物を繁殖するために使用されるデバイスを指す。培養デバイスは、偶発的な汚染の可能性を最小化するためのハウジング(例えば、カバー付きペトリ皿)、及び微生物の成長を支持するための栄養素源を含む。
【0011】
「フィルタ」という用語は、上下の主表面からなる、比較的に平面的な膜フィルタを指す。膜フィルタは、上下の主表面、並びに流体及び微粒子がフィルタの上面から下面へ通過することができる、孔、流路、又は通路からなる。本明細書において使用される時、「上主表面」は、液状試料(例えば、浮遊粒子を伴う液体又はガス)が通ってフィルタに入る、フィルタの主表面を指す。「下主表面」という用語は、濾液が通ってフィルタから出る、フィルタの主表面を指す。
【0012】
本明細書において使用される時、「表面フィルタ」又は「表面型フィルタ」は、フィルタの一種を指し、フィルタの表面における個々の通路の開口部の断面積が、概して、フィルタ内の任意の他の点におけるその通路の断面積とほぼ同じ大きさである。表面フィルタは、個々の通路の開口部より大きい粒子がフィルタを通って入ること、又は通過することを排除するため、粒子は、典型的には、フィルタの表面上に残る。
【0013】
用語「好ましい」及び「好ましくは」は、特定の状況下で、特定の利点をもたらし得る本発明の実施形態を指す。しかしながら、同じ又は他の状況下において、他の実施形態もまた好ましい可能性がある。更に、1つ以上の好ましい実施形態の詳細説明は、他の実施形態が有用でないことを示すものではなく、本発明の範囲内から他の実施形態を排除することを意図するものではない。
【0014】
用語「含む」及びこの変形は、これらの用語が明細書及び特許請求の範囲中に現れる場合、制限する意味を有さない。
【0015】
本明細書で使用する時、「a」、「an」、「the」、「少なくとも1つの」及び「1つ以上の」は、同じ意味で使用される。そのため、例えば、「1つの(a)」標的微生物を含有する疑いがある液体試料は、液体試料が「1つ以上の」標的微生物を含み得ることを意味すると解釈することができる。
【0016】
用語「及び/又は」は、列記されている要素の1つ若しくは全て、又は列記されている要素の任意の2つ以上の組み合わせを意味する。
【0017】
また本明細書において、端点による数の範囲の列挙には、その範囲内に包含される全ての数(例えば、1〜5には、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5等)が包含される。
【0018】
本発明の上記の「課題を解決するための手段」は、本発明が開示する各実施形態又はあらゆる実施例を説明することを意図したものではない。以下の説明により、例示的な実施形態をより具体的に例示する。本明細書にわたっていくつかの箇所で、実施例の一覧を通して指導を提供するが、実施例は様々な組み合わせにおいて使用できる。それぞれの事例において、列挙された一覧は、代表的な群としてのみ役目を果たすのであって、排他的な一覧として解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明は、以下に列挙される図面を参照して更に説明され、類似構造は、いくつかの図にわたって、類似番号によって参照される。
【図1】本発明の一実施形態による、その中にフィルタ膜が挿入された開口を伴うスペーサを含む、開いた平坦フィルム培養デバイスの斜視図。
【図2】本発明の一実施形態による、その中にフィルタ膜が挿入された開いた平坦フィルム培養デバイスの斜視図。
【図3】本発明の実施形態による、その上にフィルタ膜が配置された半固体培地が入ったペトリ皿の斜視図。
【図4】本発明の実施形態による、その上にフィルタ膜が配置された多孔性支持体が入ったペトリ皿の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、液体試料内の微生物の検出及び/又は計数のための方法に関する。本発明は、更に、液体試料内の微生物を検出し、及び/又は数えるための、培養デバイスと併せた膜フィルタの使用に関する。3M PETRIFILMプレート(3M Company、St.Paul、MN)等の培養デバイスは、微生物の繁殖及び検出のために使用することができる、試料が準備されたデバイスである。更に、PETRIFILMプレートは、特定の標的微生物の検出及び計数を容易にするインジケータを含む。
【0021】
図1は、本発明に従って使用され得る平坦フィルム培養デバイス10を示す。培養デバイス10は、上面14及び下面16を有する自己支持基材12を含む本体部材11を含む。基材12は、その上面14上を、接着剤組成物18の層でコーティングされる。1つ以上のゲル化剤及び1つ以上の栄養素からなる群より選択される少なくとも1つの成分を含有する、冷水で再構成可能な乾燥培地20は、薄い、比較的均一な層で接着剤組成物18に付着される。スペーサ23は、基材12、及び乾燥培地20の表面を部分的に覆い、乾燥培地20の一部を曝露する開口24を含む。カバーシート22は、スペーサ23及び開口24を覆う。カバーシート22を持ち上げて乾燥培地20を曝露すると、液体試料が通過した膜フィルタ26を、開口24内の曝露された乾燥培地20上に設置することができる。膜フィルタ26は、いずれの配向(即ち、膜フィルタ26の上主表面が乾燥培地20を向いた状態、又は膜フィルタ26の上主表面がカバーシート22を向いた状態)で乾燥培地20上に設置することもできる。膜フィルタ26を乾燥培地20上に設置した後、好適な体積の水性溶媒(例えば、滅菌水)を開口24の中へ堆積させることができ、カバーシート22を膜フィルタ26及び/又はスペーサ23上に下げることができる。カバーシート22は、米国特許第5,089,413号の図2に示されるように、接着層及び乾燥培地層を更に含んでもよい。溶質を含み得る水性溶媒(図示せず)で水和されると、冷水で再構成可能な乾燥培地20の層は、再構成培地(図示せず)を迅速に形成し、それは次に、膜フィルタ26の表面上に存在する微生物を成長させることが可能である。代替の実施形態では、乾燥培地20は、膜フィルタ26を培養デバイスの中へ挿入する前に、水性溶媒で水和して再構成培地を形成することができる。
【0022】
図2は、本発明に従って使用され得る平坦フィルム培養デバイス110を示す。培養デバイス110は、上面114及び下面116を有する自己支持基材112を含む本体部材111を含む。基材112は、その上面114上を、接着剤組成物118の層でコーティングされる。1つ以上のゲル化剤及び1つ以上の栄養素からなる群より選択される少なくとも1つの成分を含有する、冷水で再構成可能な乾燥粉末121は、薄い、比較的均一な層で接着剤組成物118に付着される。カバーシート122は、乾燥粉末121を覆う。カバーシート122を持ち上げると、液体試料が通過した膜フィルタ126を、乾燥粉末121上に設置することができる。膜フィルタ126は、いずれの配向(即ち、膜フィルタ126の上主表面が乾燥粉末121を向いた状態、又は膜フィルタ126の上主表面がカバーシート122を向いた状態)で乾燥粉末121上に設置することもできる。膜フィルタ126を乾燥粉末121上に設置した後、好適な体積の水性溶媒(例えば、滅菌水)を膜フィルタ126上に堆積させることができ、カバーシート122を膜フィルタ126上に下げることができる。水性溶媒(図示せず)で水和されると、冷水で再構成可能な乾燥粉末121の層は、再構成培地(図示せず)を迅速に形成し、それは次に、膜フィルタ126の表面上に存在する微生物を成長させることが可能である。代替の実施形態では、乾燥粉末121は、膜フィルタ126を培養デバイスの中へ挿入する前に、水性溶媒で水和して再構成培地を形成することができる。
【0023】
図3は、本発明に従って使用することができる代替の培養デバイス210を示す。培養デバイス210は、半固体培地230が入った器260からなる。当該技術分野において既知である多数の好適な器260が存在する。好適な器260としては、ペトリ皿、フラスコ、瓶、管、ビーカー等が挙げられる。好ましくは、器は、試料又は培地230の汚染を防止するために、無菌であるか、又は滅菌することができる。器260は、汚染を防止し、及び/又は試料若しくは培地230の乾燥を防止するために、蓋、キャップ等で覆われてもよい(図示せず)。液体試料が通過した膜フィルタ226は、培地230上に設置することができる。膜フィルタ226は、いずれの配向(即ち、膜フィルタ226の上主表面が培地230を向いた状態、又は膜フィルタ226の下主表面が培地230を向いた状態)で培地230上に設置することもできる。図3は、好適な条件下での培養後に膜フィルタ226上で観察することができる微生物コロニー250を示す。
【0024】
図4は、本発明に従って使用することができる培養デバイス310を示す。培養デバイス310は、器360及びフィルタ支持体340からなる。当該技術分野において既知である多数の好適な器360が存在する。好適な器360としては、ペトリ皿、フラスコ、瓶、管、ビーカー等が挙げられる。好ましくは、器は、試料又は多孔性支持体340の汚染を防止するために、無菌であるか、又は滅菌することができる。好ましくは、器360は、汚染を防止し、及び/又は試料若しくは多孔性支持体340の乾燥を防止するために、蓋、キャップ等で覆うことができる(図示せず)。多孔性支持体340は、多孔性支持体340が水性溶媒で飽和される時に、多孔性支持体340が膜フィルタ326の下面の少なくとも一部と水性溶媒との間の接触を提供するように、膜フィルタ326を支持することが可能である材料から作製することができる。いくつかの実施形態では、多孔性支持体340は、膜フィルタ326の下面全体と水性溶媒との間の接触を提供する。水性溶媒は、標的微生物の成長を支持するための栄養素を含有する溶液を含んでもよく、及び/又は標的微生物を検出するための試薬を含有する溶液を含んでもよい。あるいは、多孔性支持体は、標的微生物の成長を支持するための栄養素を含有する粉末、及び/又は標的微生物の存在を検出するための試薬を含有する粉末を含んでもよい。当業者は、標的微生物を成長させ、及び/又は検出するための適切な栄養素及び試薬に精通している。多孔性支持体340のための好適な材料の非限定的な例としては、セルロース系材料、例えば濾紙、発泡体、例えばポリウレタン発泡体、ヒドロゲル、焼結ガラス等が挙げられる。液体試料が膜フィルタ326を通過した後、膜フィルタ326は、いずれかの配向で多孔性支持体340上に設置することができる。好ましくは、膜フィルタ326は、膜フィルタ326の上主表面が多孔性支持体を向いた状態で多孔性支持体340上に設置される。
【0025】
試料及び標的微生物
本発明の方法において使用される試料は、液体培地内に懸濁される液体試料又は固体試料であり得る。好ましくは、固体試料は、物理的に(例えば、均質化)及び/又は化学的に(例えば、界面活性剤と混合することによって)のいずれかで処理して、液体培地内に標的微生物を懸濁することができる。液体試料は、浮遊固体の濃度又は大きさが、試料が表面型膜フィルタを通って濾過されるのを防止しないという条件で、浮遊固体を含有してもよい。液体又は浮遊固体試料は、濾過の前に好適な溶媒(例えば、滅菌水又は緩衝液)中で希釈されてもよい。
【0026】
水性試料は、水性試料が膜フィルタを分解しないか、又は標的微生物の検出に干渉する(例えば、微生物の成長を阻害する)残基をフィルタ上に残さないという条件で、本発明の方法における使用に好適であり得る。非水性試料も、非水性試料が、膜フィルタが培養デバイスと接触するように設置された時に透明になることを妨げないか、膜フィルタを分解しないか、又は標的微生物の検出に干渉する残基をフィルタ上に残さない(例えば、残基が微生物の成長に干渉しないか、又は微生物を検出するために使用することができる酵素活性に干渉しない)という条件で、使用されてよい。本発明の方法における使用に好適であり得る液体試料の非限定的な例としては、地表水、飲用又は飼料用の水、生物薬剤学的製剤用の水、水性溶媒中に懸濁される食料又は乳製品、飲料、果汁、プロセス水、冷却水、循環水、ボイラー水、ボイラー給水、地下水、レクリエーション水、処理済み水、及び廃水が挙げられる。
【0027】
本発明の方法は、様々な標的微生物を検出するか、又は特定するのに好適である。該方法は、培養デバイス内で成長し、及び/又は繁殖することができる標的微生物に好適である。標的微生物は、細菌、酵母、かび、又はウイルスであり得る。該方法は、好気性又は嫌気性細菌を検出するのに使用されてもよい。例示的な標的微生物としては、エンテロバクター、シトロバクター、セラシア、エルシニア、エシェリキア、ハフニア、サルモネラ、カンピロバクター、リステリア、スタヒロコッカス、エンテロコッカス、及びチオスピリルムの属からの種、腸内細菌科の族からの種、大腸菌群、糞便性大腸菌、糞便性連鎖球菌種、エシェリキアコリ、ハフニアアルベイ、エンテロバクターアムニゲナス、シクロスポラ、又はクリプトスポリジウム種、ロタウイルス、及びA型肝炎ウイルスが挙げられる。
【0028】
膜フィルタ及び濾過ユニット
標的微生物は、液体若しくは固体試料をフィルタの表面上に移動させることによって、又は膜フィルタを通して液体試料を濾過することによって、膜フィルタ上に収集することができる。試料を膜フィルタ上に収集した後、フィルタは、培養デバイスに移動させることができる。膜フィルタは、標的微生物の成長又は代謝活性に対して抑制的ではない、表面型微多孔性膜フィルタであり得る。膜フィルタは、例えば、セラミック酸化アルミニウム、トラックエッチポリカーボネート、又はトラックエッチポリエステルから作製されてよい。好適な膜フィルタは、培養デバイス内の水和培地等の水和培地と接触している時に実質的に透明であるフィルタをも含む。本明細書において使用される時、「実質的に透明な」膜フィルタは、培養デバイス内の微生物成長の観測結果又は兆候の画像化(例えば、コロニー、pHインジケータ、気泡、酵素反応の生成物又は中間体)を顕著に歪ませないか、又は損なわない膜フィルタを指す。好適な膜フィルタの非限定的な例としては、約60μmの厚さ、約25〜50%の多孔性、及び約1.6の屈折率を有する、商標名ANOPOREでWhatman Inc.(Florham Park、NJ)によって販売されるセラミック膜フィルタ、並びに約10〜20μmの厚さ、約15%の多孔性、及び約1.6の屈折率を有する、商標名NUCLEOPOREでWhatman Inc.によって販売されるトラックエッチポリカーボネートフィルタが挙げられる。
【0029】
膜フィルタの孔径は、概して、標的微生物が孔を通過せず、それによって試料内の実質的に全ての標的微生物がフィルタ上に収集されることが確実になるように選択される。典型的な細菌は、長さ約0.5〜5.0μmである。マイコプラズマ等の特定のより小さい細菌は、直径およそ0.3μmである。酵母細胞は、概して、細菌より大きい。典型的な酵母細胞は、直径およそ3〜4μmであるが、直径約40μmもの大きさのものもある。かびは、単一細胞、胞子、又は糸状菌糸として存在し得る。典型的には細菌より大きいが、かび細胞の平均の大きさは、種によって異なる。ウイルスは、典型的には細菌より小さい。例えば、ロタウイルスは、直径約0.07μmであり、A型肝炎ウイルスは、直径約0.027μmであり、カリシウイルス(例えば、ノロウイルス)は、直径約0.027〜0.040μmであり、ピコルナウイルス(例えば、ポリオウイルス)は、直径約0.03μmであり、腸管アデノウイルスは、直径約0.07μmである。したがって、好適な孔径を有する膜フィルタの選択は、標的微生物に依存し得る。例えば、1.0μm以下、0.8μm以下、0.6μm以下、0.4μm以下、0.2μm以下、0.1μm以下、0.05μm以下、0.03μm以下、0.02μm以下、又は0.01μm以下の孔径を有する膜フィルタは、標的細菌を捕獲し検出するのに好適であり得る。標的酵母又はかびの捕獲及び検出のためには、12μm以下、8μm以下、5μm以下、3μm以下、2μm以下、1μm以下、0.8μm以下、0.6μm以下、0.4μm以下、0.2μm以下、又は0.1μm以下の孔径を有する膜フィルタが好適であり得る。標的ウイルスの捕獲及び検出のためには、0.05μm以下、0.03μm以下、0.02μm以下、又は0.01μm以下の孔径を有する膜フィルタが好適であり得る。
【0030】
膜フィルタは、好適な濾過培地より手で調製されてもよいし、又は代替として、事前にカットされた大きさ及び形状で購入されてもよい。膜フィルタの大きさ及び形状は、試料体積、及び試料内の微粒子材料の予期される負荷に基づいて選択することができる。一般的に、より大きい表面積を有する膜フィルタは、より小さい表面積を有する膜フィルタより高い濾過率を可能にする。13mm、25mm、又は47mmの直径を有する円形膜フィルタは、多数の商業的供給源から容易に入手可能であり、対応する濾過デバイスとの併用に特に好適である。膜フィルタは、他の濾過培地(例えば、試料内のより大きいくずを捕捉するための前置フィルタ)又は他の膜フィルタと組み合わせて使用されてもよい。例えば、膜フィルタは、より小さい微生物(例えば、細菌又はウイルス)からより大きい微生物(例えば、酵母及びかび)を分離するために、孔径が減少する順に積み重ねてもよく、膜フィルタが別々に分析されて、異なる微生物を検出することを可能にする。
【0031】
膜フィルタは、濾過ユニットと併せて使用することができる。濾過ユニットは、液体試料が膜フィルタを通過している間に、膜フィルタを保持するために使用することができる。液体試料が膜フィルタを通過した後、膜フィルタは、濾過ユニットから取り外し、培養デバイスに移動させることができる。好ましい濾過ユニットには、膜フィルタの容易な取り外し及び培養デバイスの中への膜フィルタの設置のために構成されるものが挙げられる。
【0032】
濾過デバイスは、商標名SWINNEXでMillipore Corporationによって販売されるフィルタホルダ等、注射器への取り付け、及びそれとの併用のために設計することができる。あるいは、より大きい体積に対して、濾過デバイスは、フラスコへの取り付け用に設計することができる。好ましくは、膜フィルタ及び濾過デバイスは、試料をフィルタに通過させる前に滅菌されてもよい。
【0033】
本明細書において開示される膜フィルタ及び方法が組み込まれ得る、例示的なシステムとしては、2007年5月31日出願、名称「Devices and Processes for Collecting and Concentrating Samples for Microbiological Analysis」の米国特許出願第60/941,145号、2007年11月20日出願、名称「System and Method for Preparing and Analyzing Samples」の米国特許出願第60/989,180号、2007年11月20日出願、名称「System and Method for Preparing and Delivering Samples」の米国特許出願第60/989,175号、2007年11月20日出願、名称「System and Method for Preparing and Collecting Samples」の米国特許出願第60/989,170号、及び2007年11月20日出願、名称「System and Method for Environmental Sampling」の米国特許出願第60/989,180号に記載されるものが挙げられる。
【0034】
培養デバイス
様々な培養デバイスが、本発明の方法において使用できる。いくつかの実施形態では、培養デバイスは、細菌の存在を検出することができる。代替の実施形態では、培養デバイスは、酵母及び/又はかびの存在を検出することができる。ある実施形態では、培養デバイスは、ウイルスの存在を検出することができる。
【0035】
細菌、酵母、又はかびを検出するために使用されるいくつかの実施形態では、培養デバイスは、標的微生物の成長を支持する栄養素を含む事前形成されたヒドロゲルマトリックス(例えば、寒天、アガロース、ペクチン酸カルシウム)、及び任意に、標的微生物の検出を容易にする少なくとも1つのインジケータを含むことができる。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、試料に存在する可能性がある非標的微生物よりも標的微生物の成長又は検出を好む環境を提供する少なくとも1つの選択剤(塩、界面活性剤、又は抗生物質等)を更に含む。事前形成されたヒドロゲルマトリックスは、ペトリ皿、ビーカー、又はフラスコ等の任意の好適な容器の中に設置することができる。好ましくは、ヒドロゲル及び容器は、膜フィルタがヒドロゲルと接触するように設置される前に滅菌することができる。
【0036】
他の実施形態では、培養デバイスは、標的微生物の成長を支持する栄養素を含む乾燥した再水和可能な培養デバイス、及び任意に、標的微生物の検出を容易にする少なくとも1つのインジケータを含むことができる。そのようなデバイスの非限定的な例は、米国特許第4,476,226号、同第5,089,413号、同第5,232,838号、同第6,331,429号、及び同第6,638,755号に記載される。乾燥した再水和可能な培養デバイスは、ゲル化剤を含むことができる。好適なゲル化剤は、冷水溶性の天然及び合成ゲル化剤を含む。そのようなゲル化剤の非限定的な例としては、グアーガム、キサンタンガム、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミド、イナゴマメゴム、アルギン、及び前述の2つ又はそれ以上の組み合わせが挙げられる。そのようなデバイスは、微生物の成長又は代謝を支持する栄養素も含むことができる。様々な微生物の成長を支持する栄養素の非限定的な例としては、ペプトン、酵母抽出物、ブドウ糖等が挙げられる。特定の有機体又は有機体の群を成長させ、及び/又は特定するために必要な特定の栄養素又は栄養素の組み合わせは、当該技術分野において既知である。いくつかの実施形態では、乾燥した再水和可能な培養デバイスは、試料に存在する可能性がある非標的微生物よりも標的微生物の成長又は検出を好む環境を提供する少なくとも1つの選択剤(塩、界面活性剤、又は抗生物質等)を更に含む。
【0037】
他の実施形態では、培養デバイスは、標的微生物の成長を支持する栄養素を含む水性混合物と流体連結している多孔性支持体、及び任意に、標的微生物の検出を容易にする少なくとも1つのインジケータを含むことができる。いくつかの実施形態では、水性混合物は、試料に存在する可能性がある非標的微生物よりも標的微生物の成長又は検出を好む環境を提供する少なくとも1つの選択剤(塩、界面活性剤、又は抗生物質等)を更に含む。
【0038】
多孔性支持体は、水性溶媒を通って運搬されることができ標的微生物の検出を妨げる材料を含有しないことが好ましい。多孔性支持体は、例えば、布地、不織布、ゲル、発泡体、メッシュ、スクリム、ガラス原料、マイクロ複写膜等の様々な物理的形態のうちの1つであり得る。ある多孔性支持体は、濾紙又はガラス繊維フィルタ等の親水性材料から構築される。あるいは、支持体は、材料を親水性にするように処理された疎水性材料から構築されてもよいし、又は疎水性材料は、例えば、毛管現象によって、水性溶媒又は溶液を運搬することが可能であってもよい。
【0039】
多孔性支持体は、ペトリ皿、ビーカー、又はフラスコ等の任意の好適な容器の中に設置することができる。好ましくは、多孔性支持体及び容器は、膜フィルタが多孔性支持体と接触するように設置される前に滅菌することができる。
【0040】
ある実施形態では、培養デバイスは、中に宿主細胞株の入ったハウジングを含む。特定のウイルスは、ウイルス粒子が培養細胞株(組織培養)を感染させる時に、それらが引き起こす細胞変性効果(CPE)を観察することによって、培養デバイス内で検出することができる。組織培養技法及びそれらの対応する培養デバイスは、当該技術分野において既知である。これらの実施形態では、液体試料が通過した膜フィルタは、細胞株の入った培養デバイスの中へ移動されてもよい。あるいは、ウイルスは、フィルタから少量の滅菌水、緩衝剤、又は組織培地の中へ洗浄されてもよく、得られた懸濁液は、培養デバイスに添加することができる。好適な期間の培養後、組織培養は、例えば、プラーク形成等のCPEの表示に対して観察することができる。プラークは、視覚的に、あるいは顕微鏡及び/又は撮像装置の援助を伴ってのいずれかで観察することができる。プラークの視覚的検出は、クリスタルバイオレット等の染色、又は例えば、蛍光標識抗体等の免疫試薬を使用して改善されてもよい。
【0041】
試料調製システム
表面フィルタ、濾過ユニット、及び培養デバイスは、梱包材料と組み合わせ、試料内の微生物を検出するための試料調製システム(キット)として販売することができる。例えば、試料調製システムは、併せてパッケージ化された、2つ以上の構成要素(例えば、表面フィルタ及び培養デバイス)、又は3つ以上の構成要素(例えば、表面フィルタ、濾過ユニット、及び培養デバイス)を含んでもよい。ある実施形態では、濾過ユニットは、表面フィルタの取り外し用に構成されることができる。
【0042】
試料調製システムは、試料懸濁培地(例えば、水、緩衝剤、成長培地)、試薬(例えば、染料、インジケータ、酵素、酵素基質、溶解剤、溶出を容易にするための試薬)、ピペット、ラベル、ピンセット、試料キャリア、及び/又は手袋等の、サンプル用及び試験付属品を更に含んでもよい。ある実施形態では、試料調製システムの個々の構成要素は、滅菌することができる。ある実施形態では、試料調製システムの構成要素は、個別包装された一次包装であり得る。
【0043】
自動検出システム
培養デバイス内の微生物コロニーを数えるための自動システムは、当該技術分野において既知である。そのような自動システムは、概して、撮像システム、コロニー数を決定する画像分析アルゴリズム、並びにコロニー数データ及び画像を表示し、任意に、格納し、操作するためのデータ管理システムを含む。寒天平板上のコロニーを数えるための例示的なシステムは、商標名PROTOCOLで、Synbiosis(Cambridge、UK)によって販売され、米国特許第6,002,789号に見られる。PETRIFILMプレート上のコロニーを数えるためのシステムは、米国特許第5,403,722号、同第7,298,885号、及び同第7,298,886号に記載される。
【0044】
典型的には、微生物コロニーを数えるための自動システムは、光を吸収するか、反射するか、放出するか、又は散乱するかのいずれかのコロニー又はそれに由来する代謝産物の能力によって、標的微生物の存在を検出する。そのため、コロニーは、例えば、比色分析により、蛍光定量的に、又は発光定量的に(lumimetrically)(例えば、化学発光又は生物発光)等の手段によって光学的に検出することができる。
【0045】
大腸菌群のための試験等の特定の試験において、微生物が乳糖からガス(即ち、二酸化炭素)を産生するかどうかを判断することが望ましい。3M PETRIFILM大腸菌群カウントプレート及びE.coliカウントプレートは、栄養素を含む成長培地に乳糖を組み込む。これらの試験において、大腸菌コロニーは、成長培地におけるpHインジケータの変色によって暫定的に特定されることができる。pH変化は、コロニーが乳糖から酸性最終生成物を産生した可能性があることを示し、コロニーが大腸菌コロニーであることが推定される。推定された大腸菌コロニーは、コロニーに隣接した1つ以上の気泡の存在を観察することによって、大腸菌微生物として確認されることができる。気泡は、可視的手段によって、又は米国特許第7,298,886号に記載される自動コロニー計測システム等の自動システムによってのいずれかで、光学的に観察され得る。水和され閉じた時に、成長培地の片側上の自己支持基材と連続的に接触する半固体成長培地、及び成長培地の他側上にカバーシートを含む(図1及び2を参照)、PETRIFILM E.coli/大腸菌群カウントプレート等の平坦フィルム培養デバイスは、乳糖発酵性大腸菌微生物によって産生される気泡を捕捉するために特に好適である。
【0046】
確証特定試験
本開示のいくつかの培養デバイスは、培養デバイス内に存在する微生物を明確に特定するための、選択的及び/又は分化試薬等の手段を提供する。他の培養デバイスは、培養デバイス内に存在する微生物の暫定的特定を提供することができる。そのような暫定的特定が行われる時、時折、付加的な試験を行うことによって、微生物の同一性を確認することが望ましい。本開示の方法は、確証試験を提供する。
【0047】
培養デバイスが培養され、有機体の存在が観察されると(視覚的に、又は自動検出システムによってのいずれかで)、標的有機体は、更なる分析のために培養デバイスから取り外されてもよいし、又は特定の遺伝学的若しくは免疫学的試験の場合においては、分析は、培養デバイス内で(即ち、その場で)行われてもよい。更なる分析には、化学分析(例えば、クロマトグラフィ、分光法、分光分析)、遺伝分析(例えば、ハイブリダイゼーション、核酸増幅)、及び免疫学的分析(例えば、ELISA、免疫クロマトグラフィ、凝集、放射免疫測定法)を挙げることができる。
【0048】
分析方法は、例えば、膜フィルタ及び培地全体から微生物又はその構成要素を除去するか又は抽出することによって、培養デバイス内の試料全体を使用して行うことができる。あるいは、培養デバイスのより小さい領域又は個々のコロニーは、分析方法を行うために単離及び/又は抽出されてもよい。いくつかの実施形態では、ニトロセルロース又はナイロン膜を使用して、微生物又はその構成要素を「持ち上げ」、続いて遺伝学的、生化学的、又は免疫学的試験を行ってもよい。具体的な分析方法は、Molecular Cloning、A Laboratory Manual、3rd Edition(Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、NY)に見ることができ、この内容は、参照することにより、その全体が本明細書に組み込まれる。
【実施例】
【0049】
(実施例1)
Petrifilm E.coli/大腸菌群カウントプレート内の大腸菌群の視覚的検出。
【0050】
Petrifilm E.coli/大腸菌群カウント(EC)プレートは、3M Company(St.Paul、MN)から得た。混合セルロースエステル(MCE)膜フィルタ(直径47mm、公称孔径0.45μm)は、Millipore Corporation(Billerica、MA)から得た。アルミナマトリックスセラミック膜フィルタ(直径47mm、公称孔径0.2μm)は、Whatman(Florham Park、NJ)から得た。エンテロバクターアムニゲナスATCC 51818は、American Type Culture Collection(Manassas、VA)から得た。
【0051】
一夜細菌培養物は、35℃でトリプチケースソイブロス内で成長させた。一夜培養物は、1ミリリットル当たりおよそ0.5〜1.0コロニー形成単位(CFU/mL)の最終濃度まで、1.5リットルの未処理の(例えば、水は、塩素化、フッ素化、又は軟化されなかった)井戸水で希釈した。100ミリリットルの体積の希釈培養物は、無菌濾過装置(Microfil V、Millipore Corporation、Billerica、MA)内の膜フィルタを通して濾過した。無菌ピンセットを使用して、膜を濾過装置から無菌で取り外し、Petrifilm ECプレート内の乾燥円形培地上に設置した。1ミリリットルの無菌Butterfieldリン酸希釈剤を膜上に分注し、Petrifilmプレートを閉じ、メーカーの使用説明書に従って希釈剤をプレート全体に均一に分配した。この工程は、植菌の間、プレートの中への気泡の導入を回避するように注意して行われた。プレートは、35℃で24±2時間培養した。プレートは、メーカーの使用説明書に従って手動で数えた。結果を表1に示す。
【表1】
【0052】
(実施例2)
Petrifilm E.coli/大腸菌群カウントプレート内の大腸菌群の自動検出。
【0053】
エンテロバクターアムニゲナスの一夜培養物を、実施例1に記載されるように成長させ、希釈し、濾過した。フィルタは、Petrifilm ECプレートの中に設置し、実施例1に記載されるように培養した。培養されたプレートは、Petrifilm Plate Reader(3M Company、St.Paul、MN)の中に設置し、大腸菌コロニーの数を、メーカーの使用説明書に従ってリーダによって決定した。結果を表2に示す。
【表2】
【0054】
プレートリーダは、MCEフィルタ膜上に1つのコロニーのみを検出した。そのコロニーは、気泡に関連したため、大腸菌として数えた。プレートの可視的調査は、プレートリーダによって検出されなかった少なくとも数十の小さい拡散した赤色のコロニーが存在したことを示した。対照的に、プレートリーダは、セラミックフィルタ膜上に51のコロニーを検出した。これらのコロニーのうち、リーダは、気泡に関連した4つを検出した。
【0055】
ここで、本発明は、記述を可能にすることができる、発明者によって予測される、いくつかの特定の実施形態を参照して記載されている。現在予測されていない修正を含む、本発明の実体のない修正は、それでもなお、それらと同等であると定めることができる。したがって、本発明の範囲は、本明細書において説明した詳細及び構造に限定されるべきではなく、むしろ、以下の特許請求の範囲、及びそれらと同等のものによってのみ限定されるべきである。
【0056】
(実施例3)
Petrifilm E.coli/大腸菌群カウントプレートを使用した、細菌の混合懸濁液の自動検出及び特定。
【0057】
細菌培養物は、実施例1に記載されるように調製した。本実施例において使用された細菌は、ハフニアアルベイATCC 51815(大腸菌群の種)及びエシェリキアコリATCC 11229であり、両方とも、American Type Culture Collectionから得た。培養物は、実施例1に記載されるように希釈し、100ミリリットルの水に対しておよそ50〜100CFUの各有機体の懸濁液を得るように混合した。実施例1に記載されるように、100mLの懸濁液を濾過し、Petrifilm E.coli/大腸菌群カウントプレートの中に設置した。プレートは、35℃で24時間培養した。培養されたプレートをPetrifilm Plate Readerに通過させ、各プレート内のコロニーの存在及び種類に関して画像を分析した。データを表3に示す。大腸菌及びE.coliコロニーは、セラミック膜フィルタを使用した実験において未修正プレートリーダスキャナ及びソフトウェアシステムによって検出された。MCE膜フィルタ上で成長していた、いくつかの青色のコロニーは、自動リーダによって認識されず数えられなかった。
【表3】
【0058】
ここで、本発明は、記述を可能にすることができる、発明者によって予測される、いくつかの特定の実施形態を参照して記載されている。現在予測されていない修正を含む、本発明の実体のない修正は、それでもなお、それらと同等であると定めることができる。したがって、本発明の範囲は、本明細書において説明した詳細及び構造に限定されるべきではなく、むしろ、以下の特許請求の範囲、及びそれらと同等のものによってのみ限定されるべきである。
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、米国仮出願第61/016,265号(2007年12月21出願)の利益を請求するものである。
【背景技術】
【0002】
大腸菌又は他の指示菌の存在は、食料及び水質の重要証拠である。飲料水又は特定の食料、例えば乳製品において見出される大腸菌の許容される量は、多くの国及び/又は自治体において規制されている。大腸菌群は、土壌に見られるもの等の自然界から生じる細菌を含む。大腸菌群は、エシェリキアコリ等の糞便性大腸菌も含む。試料内の糞便性大腸菌の存在は、食料又は水の最近の糞便汚染、及び可能性のある病原菌の存在の主な指標である。
【0003】
水試料内の微生物を数えるための方法は、例えば、アメリカ公衆保健協会、米国水道協会、及び水環境連盟の共同出版である、抄録「Standard Methods for the Examination of Water and Wastewater」(SMEWW)、21st Editionにおいて見ることができる。SMEWWは、水中の微生物を直接数えるための膜濾過技法を記載する。膜濾過技法は、飲料水を生成することを意図したプロセスからの試料、加えて様々な天然の未処理水源からの試料の微生物学的品質を観察するのに有用である。
【0004】
食料試料内の微生物を数えるための方法は、食料の特性、及び試料内に見られる傾向のある有機体の種類によって異なることが多い。食料試料を試験するための方法のいくつかの抄録には、アメリカ公衆保健協会、Washington、D.C.によって出版された「Standard Methods for the Examination of Dairy Products」、27th Edition、及び米国食品医薬品局、Washington、D.C.によって出版されたBacteriological Analytical Manual(「BAM」)が挙げられる。固形食料は、定量的微生物分析の方法において使用することができる、食品材料の液体ホモジネートを得るために、通常、水媒体中で懸濁され、混合及び/又は粉砕される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述の方法のそれぞれは、典型的には、試験結果を観察し、解釈するために非常に熟練した技術者を必要とする。液体試料内の微生物の数を決定するための簡単かつ正確な方法の必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態では、本発明は、試料内の標的微生物の存在を検出する方法を含む。該方法は、標的微生物を含有する疑いがある試料、表面フィルタ、及び培地を含む培養デバイスを提供する工程を含むことができる。該方法は、フィルタ上に標的微生物を収集する工程と、表面フィルタを培地と接触させる工程と、培養デバイスを一定期間培養する工程と、標的微生物の存在を検出する工程と、を更に含むことができる。標的微生物は、任意に、自動検出システムにより検出することができる。
【0007】
別の実施形態では、本発明は、液体試料内の標的微生物の存在を検出する方法を含む。該方法は、標的微生物を含有する疑いがある液体試料、培地を含む培養デバイス、及び培養デバイス内の水和培地と接触する時に実質的に透明であるフィルタを提供する工程を含むことができる。該方法は、フィルタ上に標的微生物を収集する工程と、フィルタを培地と接触させる工程と、培養デバイスを一定期間培養する工程と、標的微生物の存在を検出する工程と、を更に含むことができる。標的微生物は、任意に、自動検出システムにより検出することができる。
【0008】
別の実施形態では、本発明は、ガス産生微生物を検出するための方法を含む。該方法は、ガス産生微生物を含有する疑いがある試料、表面フィルタ、及び発酵性栄養素を含む培地を含有する平坦フィルム培養デバイスを提供する工程を含むことができる。該方法は、試料からのガス産生微生物を表面フィルタ上に収集する工程と、表面フィルタを培地と接触させる工程と、培地と接触している表面フィルタを一定期間培養する工程と、ガス産生微生物の存在を検出する工程と、を更に含むことができる。標的微生物は、任意に、自動検出システムにより検出することができる。
【0009】
別の実施形態では、本発明は、ガス産生微生物を検出するための方法を含む。該方法は、ガス産生微生物を含有する疑いがある試料、発酵性栄養素を含有する培地を含む培養デバイス、培養デバイス内の水和培地と接触する時に実質的に透明であるフィルタ、及び自動検出システムを提供する工程を含むことができる。該方法は、試料からのガス産生微生物をフィルタ上に収集する工程と、フィルタを培地と接触させる工程と、培地と接触している表面フィルタを一定期間培養する工程と、ガス産生微生物の存在を検出する工程と、を更に含むことができる。標的微生物は、任意に、自動検出システムにより検出することができる。
【0010】
「培養デバイス」という用語は、少なくとも1つの細胞分裂が生じることを可能にする条件下で微生物を繁殖するために使用されるデバイスを指す。培養デバイスは、偶発的な汚染の可能性を最小化するためのハウジング(例えば、カバー付きペトリ皿)、及び微生物の成長を支持するための栄養素源を含む。
【0011】
「フィルタ」という用語は、上下の主表面からなる、比較的に平面的な膜フィルタを指す。膜フィルタは、上下の主表面、並びに流体及び微粒子がフィルタの上面から下面へ通過することができる、孔、流路、又は通路からなる。本明細書において使用される時、「上主表面」は、液状試料(例えば、浮遊粒子を伴う液体又はガス)が通ってフィルタに入る、フィルタの主表面を指す。「下主表面」という用語は、濾液が通ってフィルタから出る、フィルタの主表面を指す。
【0012】
本明細書において使用される時、「表面フィルタ」又は「表面型フィルタ」は、フィルタの一種を指し、フィルタの表面における個々の通路の開口部の断面積が、概して、フィルタ内の任意の他の点におけるその通路の断面積とほぼ同じ大きさである。表面フィルタは、個々の通路の開口部より大きい粒子がフィルタを通って入ること、又は通過することを排除するため、粒子は、典型的には、フィルタの表面上に残る。
【0013】
用語「好ましい」及び「好ましくは」は、特定の状況下で、特定の利点をもたらし得る本発明の実施形態を指す。しかしながら、同じ又は他の状況下において、他の実施形態もまた好ましい可能性がある。更に、1つ以上の好ましい実施形態の詳細説明は、他の実施形態が有用でないことを示すものではなく、本発明の範囲内から他の実施形態を排除することを意図するものではない。
【0014】
用語「含む」及びこの変形は、これらの用語が明細書及び特許請求の範囲中に現れる場合、制限する意味を有さない。
【0015】
本明細書で使用する時、「a」、「an」、「the」、「少なくとも1つの」及び「1つ以上の」は、同じ意味で使用される。そのため、例えば、「1つの(a)」標的微生物を含有する疑いがある液体試料は、液体試料が「1つ以上の」標的微生物を含み得ることを意味すると解釈することができる。
【0016】
用語「及び/又は」は、列記されている要素の1つ若しくは全て、又は列記されている要素の任意の2つ以上の組み合わせを意味する。
【0017】
また本明細書において、端点による数の範囲の列挙には、その範囲内に包含される全ての数(例えば、1〜5には、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5等)が包含される。
【0018】
本発明の上記の「課題を解決するための手段」は、本発明が開示する各実施形態又はあらゆる実施例を説明することを意図したものではない。以下の説明により、例示的な実施形態をより具体的に例示する。本明細書にわたっていくつかの箇所で、実施例の一覧を通して指導を提供するが、実施例は様々な組み合わせにおいて使用できる。それぞれの事例において、列挙された一覧は、代表的な群としてのみ役目を果たすのであって、排他的な一覧として解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明は、以下に列挙される図面を参照して更に説明され、類似構造は、いくつかの図にわたって、類似番号によって参照される。
【図1】本発明の一実施形態による、その中にフィルタ膜が挿入された開口を伴うスペーサを含む、開いた平坦フィルム培養デバイスの斜視図。
【図2】本発明の一実施形態による、その中にフィルタ膜が挿入された開いた平坦フィルム培養デバイスの斜視図。
【図3】本発明の実施形態による、その上にフィルタ膜が配置された半固体培地が入ったペトリ皿の斜視図。
【図4】本発明の実施形態による、その上にフィルタ膜が配置された多孔性支持体が入ったペトリ皿の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、液体試料内の微生物の検出及び/又は計数のための方法に関する。本発明は、更に、液体試料内の微生物を検出し、及び/又は数えるための、培養デバイスと併せた膜フィルタの使用に関する。3M PETRIFILMプレート(3M Company、St.Paul、MN)等の培養デバイスは、微生物の繁殖及び検出のために使用することができる、試料が準備されたデバイスである。更に、PETRIFILMプレートは、特定の標的微生物の検出及び計数を容易にするインジケータを含む。
【0021】
図1は、本発明に従って使用され得る平坦フィルム培養デバイス10を示す。培養デバイス10は、上面14及び下面16を有する自己支持基材12を含む本体部材11を含む。基材12は、その上面14上を、接着剤組成物18の層でコーティングされる。1つ以上のゲル化剤及び1つ以上の栄養素からなる群より選択される少なくとも1つの成分を含有する、冷水で再構成可能な乾燥培地20は、薄い、比較的均一な層で接着剤組成物18に付着される。スペーサ23は、基材12、及び乾燥培地20の表面を部分的に覆い、乾燥培地20の一部を曝露する開口24を含む。カバーシート22は、スペーサ23及び開口24を覆う。カバーシート22を持ち上げて乾燥培地20を曝露すると、液体試料が通過した膜フィルタ26を、開口24内の曝露された乾燥培地20上に設置することができる。膜フィルタ26は、いずれの配向(即ち、膜フィルタ26の上主表面が乾燥培地20を向いた状態、又は膜フィルタ26の上主表面がカバーシート22を向いた状態)で乾燥培地20上に設置することもできる。膜フィルタ26を乾燥培地20上に設置した後、好適な体積の水性溶媒(例えば、滅菌水)を開口24の中へ堆積させることができ、カバーシート22を膜フィルタ26及び/又はスペーサ23上に下げることができる。カバーシート22は、米国特許第5,089,413号の図2に示されるように、接着層及び乾燥培地層を更に含んでもよい。溶質を含み得る水性溶媒(図示せず)で水和されると、冷水で再構成可能な乾燥培地20の層は、再構成培地(図示せず)を迅速に形成し、それは次に、膜フィルタ26の表面上に存在する微生物を成長させることが可能である。代替の実施形態では、乾燥培地20は、膜フィルタ26を培養デバイスの中へ挿入する前に、水性溶媒で水和して再構成培地を形成することができる。
【0022】
図2は、本発明に従って使用され得る平坦フィルム培養デバイス110を示す。培養デバイス110は、上面114及び下面116を有する自己支持基材112を含む本体部材111を含む。基材112は、その上面114上を、接着剤組成物118の層でコーティングされる。1つ以上のゲル化剤及び1つ以上の栄養素からなる群より選択される少なくとも1つの成分を含有する、冷水で再構成可能な乾燥粉末121は、薄い、比較的均一な層で接着剤組成物118に付着される。カバーシート122は、乾燥粉末121を覆う。カバーシート122を持ち上げると、液体試料が通過した膜フィルタ126を、乾燥粉末121上に設置することができる。膜フィルタ126は、いずれの配向(即ち、膜フィルタ126の上主表面が乾燥粉末121を向いた状態、又は膜フィルタ126の上主表面がカバーシート122を向いた状態)で乾燥粉末121上に設置することもできる。膜フィルタ126を乾燥粉末121上に設置した後、好適な体積の水性溶媒(例えば、滅菌水)を膜フィルタ126上に堆積させることができ、カバーシート122を膜フィルタ126上に下げることができる。水性溶媒(図示せず)で水和されると、冷水で再構成可能な乾燥粉末121の層は、再構成培地(図示せず)を迅速に形成し、それは次に、膜フィルタ126の表面上に存在する微生物を成長させることが可能である。代替の実施形態では、乾燥粉末121は、膜フィルタ126を培養デバイスの中へ挿入する前に、水性溶媒で水和して再構成培地を形成することができる。
【0023】
図3は、本発明に従って使用することができる代替の培養デバイス210を示す。培養デバイス210は、半固体培地230が入った器260からなる。当該技術分野において既知である多数の好適な器260が存在する。好適な器260としては、ペトリ皿、フラスコ、瓶、管、ビーカー等が挙げられる。好ましくは、器は、試料又は培地230の汚染を防止するために、無菌であるか、又は滅菌することができる。器260は、汚染を防止し、及び/又は試料若しくは培地230の乾燥を防止するために、蓋、キャップ等で覆われてもよい(図示せず)。液体試料が通過した膜フィルタ226は、培地230上に設置することができる。膜フィルタ226は、いずれの配向(即ち、膜フィルタ226の上主表面が培地230を向いた状態、又は膜フィルタ226の下主表面が培地230を向いた状態)で培地230上に設置することもできる。図3は、好適な条件下での培養後に膜フィルタ226上で観察することができる微生物コロニー250を示す。
【0024】
図4は、本発明に従って使用することができる培養デバイス310を示す。培養デバイス310は、器360及びフィルタ支持体340からなる。当該技術分野において既知である多数の好適な器360が存在する。好適な器360としては、ペトリ皿、フラスコ、瓶、管、ビーカー等が挙げられる。好ましくは、器は、試料又は多孔性支持体340の汚染を防止するために、無菌であるか、又は滅菌することができる。好ましくは、器360は、汚染を防止し、及び/又は試料若しくは多孔性支持体340の乾燥を防止するために、蓋、キャップ等で覆うことができる(図示せず)。多孔性支持体340は、多孔性支持体340が水性溶媒で飽和される時に、多孔性支持体340が膜フィルタ326の下面の少なくとも一部と水性溶媒との間の接触を提供するように、膜フィルタ326を支持することが可能である材料から作製することができる。いくつかの実施形態では、多孔性支持体340は、膜フィルタ326の下面全体と水性溶媒との間の接触を提供する。水性溶媒は、標的微生物の成長を支持するための栄養素を含有する溶液を含んでもよく、及び/又は標的微生物を検出するための試薬を含有する溶液を含んでもよい。あるいは、多孔性支持体は、標的微生物の成長を支持するための栄養素を含有する粉末、及び/又は標的微生物の存在を検出するための試薬を含有する粉末を含んでもよい。当業者は、標的微生物を成長させ、及び/又は検出するための適切な栄養素及び試薬に精通している。多孔性支持体340のための好適な材料の非限定的な例としては、セルロース系材料、例えば濾紙、発泡体、例えばポリウレタン発泡体、ヒドロゲル、焼結ガラス等が挙げられる。液体試料が膜フィルタ326を通過した後、膜フィルタ326は、いずれかの配向で多孔性支持体340上に設置することができる。好ましくは、膜フィルタ326は、膜フィルタ326の上主表面が多孔性支持体を向いた状態で多孔性支持体340上に設置される。
【0025】
試料及び標的微生物
本発明の方法において使用される試料は、液体培地内に懸濁される液体試料又は固体試料であり得る。好ましくは、固体試料は、物理的に(例えば、均質化)及び/又は化学的に(例えば、界面活性剤と混合することによって)のいずれかで処理して、液体培地内に標的微生物を懸濁することができる。液体試料は、浮遊固体の濃度又は大きさが、試料が表面型膜フィルタを通って濾過されるのを防止しないという条件で、浮遊固体を含有してもよい。液体又は浮遊固体試料は、濾過の前に好適な溶媒(例えば、滅菌水又は緩衝液)中で希釈されてもよい。
【0026】
水性試料は、水性試料が膜フィルタを分解しないか、又は標的微生物の検出に干渉する(例えば、微生物の成長を阻害する)残基をフィルタ上に残さないという条件で、本発明の方法における使用に好適であり得る。非水性試料も、非水性試料が、膜フィルタが培養デバイスと接触するように設置された時に透明になることを妨げないか、膜フィルタを分解しないか、又は標的微生物の検出に干渉する残基をフィルタ上に残さない(例えば、残基が微生物の成長に干渉しないか、又は微生物を検出するために使用することができる酵素活性に干渉しない)という条件で、使用されてよい。本発明の方法における使用に好適であり得る液体試料の非限定的な例としては、地表水、飲用又は飼料用の水、生物薬剤学的製剤用の水、水性溶媒中に懸濁される食料又は乳製品、飲料、果汁、プロセス水、冷却水、循環水、ボイラー水、ボイラー給水、地下水、レクリエーション水、処理済み水、及び廃水が挙げられる。
【0027】
本発明の方法は、様々な標的微生物を検出するか、又は特定するのに好適である。該方法は、培養デバイス内で成長し、及び/又は繁殖することができる標的微生物に好適である。標的微生物は、細菌、酵母、かび、又はウイルスであり得る。該方法は、好気性又は嫌気性細菌を検出するのに使用されてもよい。例示的な標的微生物としては、エンテロバクター、シトロバクター、セラシア、エルシニア、エシェリキア、ハフニア、サルモネラ、カンピロバクター、リステリア、スタヒロコッカス、エンテロコッカス、及びチオスピリルムの属からの種、腸内細菌科の族からの種、大腸菌群、糞便性大腸菌、糞便性連鎖球菌種、エシェリキアコリ、ハフニアアルベイ、エンテロバクターアムニゲナス、シクロスポラ、又はクリプトスポリジウム種、ロタウイルス、及びA型肝炎ウイルスが挙げられる。
【0028】
膜フィルタ及び濾過ユニット
標的微生物は、液体若しくは固体試料をフィルタの表面上に移動させることによって、又は膜フィルタを通して液体試料を濾過することによって、膜フィルタ上に収集することができる。試料を膜フィルタ上に収集した後、フィルタは、培養デバイスに移動させることができる。膜フィルタは、標的微生物の成長又は代謝活性に対して抑制的ではない、表面型微多孔性膜フィルタであり得る。膜フィルタは、例えば、セラミック酸化アルミニウム、トラックエッチポリカーボネート、又はトラックエッチポリエステルから作製されてよい。好適な膜フィルタは、培養デバイス内の水和培地等の水和培地と接触している時に実質的に透明であるフィルタをも含む。本明細書において使用される時、「実質的に透明な」膜フィルタは、培養デバイス内の微生物成長の観測結果又は兆候の画像化(例えば、コロニー、pHインジケータ、気泡、酵素反応の生成物又は中間体)を顕著に歪ませないか、又は損なわない膜フィルタを指す。好適な膜フィルタの非限定的な例としては、約60μmの厚さ、約25〜50%の多孔性、及び約1.6の屈折率を有する、商標名ANOPOREでWhatman Inc.(Florham Park、NJ)によって販売されるセラミック膜フィルタ、並びに約10〜20μmの厚さ、約15%の多孔性、及び約1.6の屈折率を有する、商標名NUCLEOPOREでWhatman Inc.によって販売されるトラックエッチポリカーボネートフィルタが挙げられる。
【0029】
膜フィルタの孔径は、概して、標的微生物が孔を通過せず、それによって試料内の実質的に全ての標的微生物がフィルタ上に収集されることが確実になるように選択される。典型的な細菌は、長さ約0.5〜5.0μmである。マイコプラズマ等の特定のより小さい細菌は、直径およそ0.3μmである。酵母細胞は、概して、細菌より大きい。典型的な酵母細胞は、直径およそ3〜4μmであるが、直径約40μmもの大きさのものもある。かびは、単一細胞、胞子、又は糸状菌糸として存在し得る。典型的には細菌より大きいが、かび細胞の平均の大きさは、種によって異なる。ウイルスは、典型的には細菌より小さい。例えば、ロタウイルスは、直径約0.07μmであり、A型肝炎ウイルスは、直径約0.027μmであり、カリシウイルス(例えば、ノロウイルス)は、直径約0.027〜0.040μmであり、ピコルナウイルス(例えば、ポリオウイルス)は、直径約0.03μmであり、腸管アデノウイルスは、直径約0.07μmである。したがって、好適な孔径を有する膜フィルタの選択は、標的微生物に依存し得る。例えば、1.0μm以下、0.8μm以下、0.6μm以下、0.4μm以下、0.2μm以下、0.1μm以下、0.05μm以下、0.03μm以下、0.02μm以下、又は0.01μm以下の孔径を有する膜フィルタは、標的細菌を捕獲し検出するのに好適であり得る。標的酵母又はかびの捕獲及び検出のためには、12μm以下、8μm以下、5μm以下、3μm以下、2μm以下、1μm以下、0.8μm以下、0.6μm以下、0.4μm以下、0.2μm以下、又は0.1μm以下の孔径を有する膜フィルタが好適であり得る。標的ウイルスの捕獲及び検出のためには、0.05μm以下、0.03μm以下、0.02μm以下、又は0.01μm以下の孔径を有する膜フィルタが好適であり得る。
【0030】
膜フィルタは、好適な濾過培地より手で調製されてもよいし、又は代替として、事前にカットされた大きさ及び形状で購入されてもよい。膜フィルタの大きさ及び形状は、試料体積、及び試料内の微粒子材料の予期される負荷に基づいて選択することができる。一般的に、より大きい表面積を有する膜フィルタは、より小さい表面積を有する膜フィルタより高い濾過率を可能にする。13mm、25mm、又は47mmの直径を有する円形膜フィルタは、多数の商業的供給源から容易に入手可能であり、対応する濾過デバイスとの併用に特に好適である。膜フィルタは、他の濾過培地(例えば、試料内のより大きいくずを捕捉するための前置フィルタ)又は他の膜フィルタと組み合わせて使用されてもよい。例えば、膜フィルタは、より小さい微生物(例えば、細菌又はウイルス)からより大きい微生物(例えば、酵母及びかび)を分離するために、孔径が減少する順に積み重ねてもよく、膜フィルタが別々に分析されて、異なる微生物を検出することを可能にする。
【0031】
膜フィルタは、濾過ユニットと併せて使用することができる。濾過ユニットは、液体試料が膜フィルタを通過している間に、膜フィルタを保持するために使用することができる。液体試料が膜フィルタを通過した後、膜フィルタは、濾過ユニットから取り外し、培養デバイスに移動させることができる。好ましい濾過ユニットには、膜フィルタの容易な取り外し及び培養デバイスの中への膜フィルタの設置のために構成されるものが挙げられる。
【0032】
濾過デバイスは、商標名SWINNEXでMillipore Corporationによって販売されるフィルタホルダ等、注射器への取り付け、及びそれとの併用のために設計することができる。あるいは、より大きい体積に対して、濾過デバイスは、フラスコへの取り付け用に設計することができる。好ましくは、膜フィルタ及び濾過デバイスは、試料をフィルタに通過させる前に滅菌されてもよい。
【0033】
本明細書において開示される膜フィルタ及び方法が組み込まれ得る、例示的なシステムとしては、2007年5月31日出願、名称「Devices and Processes for Collecting and Concentrating Samples for Microbiological Analysis」の米国特許出願第60/941,145号、2007年11月20日出願、名称「System and Method for Preparing and Analyzing Samples」の米国特許出願第60/989,180号、2007年11月20日出願、名称「System and Method for Preparing and Delivering Samples」の米国特許出願第60/989,175号、2007年11月20日出願、名称「System and Method for Preparing and Collecting Samples」の米国特許出願第60/989,170号、及び2007年11月20日出願、名称「System and Method for Environmental Sampling」の米国特許出願第60/989,180号に記載されるものが挙げられる。
【0034】
培養デバイス
様々な培養デバイスが、本発明の方法において使用できる。いくつかの実施形態では、培養デバイスは、細菌の存在を検出することができる。代替の実施形態では、培養デバイスは、酵母及び/又はかびの存在を検出することができる。ある実施形態では、培養デバイスは、ウイルスの存在を検出することができる。
【0035】
細菌、酵母、又はかびを検出するために使用されるいくつかの実施形態では、培養デバイスは、標的微生物の成長を支持する栄養素を含む事前形成されたヒドロゲルマトリックス(例えば、寒天、アガロース、ペクチン酸カルシウム)、及び任意に、標的微生物の検出を容易にする少なくとも1つのインジケータを含むことができる。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、試料に存在する可能性がある非標的微生物よりも標的微生物の成長又は検出を好む環境を提供する少なくとも1つの選択剤(塩、界面活性剤、又は抗生物質等)を更に含む。事前形成されたヒドロゲルマトリックスは、ペトリ皿、ビーカー、又はフラスコ等の任意の好適な容器の中に設置することができる。好ましくは、ヒドロゲル及び容器は、膜フィルタがヒドロゲルと接触するように設置される前に滅菌することができる。
【0036】
他の実施形態では、培養デバイスは、標的微生物の成長を支持する栄養素を含む乾燥した再水和可能な培養デバイス、及び任意に、標的微生物の検出を容易にする少なくとも1つのインジケータを含むことができる。そのようなデバイスの非限定的な例は、米国特許第4,476,226号、同第5,089,413号、同第5,232,838号、同第6,331,429号、及び同第6,638,755号に記載される。乾燥した再水和可能な培養デバイスは、ゲル化剤を含むことができる。好適なゲル化剤は、冷水溶性の天然及び合成ゲル化剤を含む。そのようなゲル化剤の非限定的な例としては、グアーガム、キサンタンガム、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミド、イナゴマメゴム、アルギン、及び前述の2つ又はそれ以上の組み合わせが挙げられる。そのようなデバイスは、微生物の成長又は代謝を支持する栄養素も含むことができる。様々な微生物の成長を支持する栄養素の非限定的な例としては、ペプトン、酵母抽出物、ブドウ糖等が挙げられる。特定の有機体又は有機体の群を成長させ、及び/又は特定するために必要な特定の栄養素又は栄養素の組み合わせは、当該技術分野において既知である。いくつかの実施形態では、乾燥した再水和可能な培養デバイスは、試料に存在する可能性がある非標的微生物よりも標的微生物の成長又は検出を好む環境を提供する少なくとも1つの選択剤(塩、界面活性剤、又は抗生物質等)を更に含む。
【0037】
他の実施形態では、培養デバイスは、標的微生物の成長を支持する栄養素を含む水性混合物と流体連結している多孔性支持体、及び任意に、標的微生物の検出を容易にする少なくとも1つのインジケータを含むことができる。いくつかの実施形態では、水性混合物は、試料に存在する可能性がある非標的微生物よりも標的微生物の成長又は検出を好む環境を提供する少なくとも1つの選択剤(塩、界面活性剤、又は抗生物質等)を更に含む。
【0038】
多孔性支持体は、水性溶媒を通って運搬されることができ標的微生物の検出を妨げる材料を含有しないことが好ましい。多孔性支持体は、例えば、布地、不織布、ゲル、発泡体、メッシュ、スクリム、ガラス原料、マイクロ複写膜等の様々な物理的形態のうちの1つであり得る。ある多孔性支持体は、濾紙又はガラス繊維フィルタ等の親水性材料から構築される。あるいは、支持体は、材料を親水性にするように処理された疎水性材料から構築されてもよいし、又は疎水性材料は、例えば、毛管現象によって、水性溶媒又は溶液を運搬することが可能であってもよい。
【0039】
多孔性支持体は、ペトリ皿、ビーカー、又はフラスコ等の任意の好適な容器の中に設置することができる。好ましくは、多孔性支持体及び容器は、膜フィルタが多孔性支持体と接触するように設置される前に滅菌することができる。
【0040】
ある実施形態では、培養デバイスは、中に宿主細胞株の入ったハウジングを含む。特定のウイルスは、ウイルス粒子が培養細胞株(組織培養)を感染させる時に、それらが引き起こす細胞変性効果(CPE)を観察することによって、培養デバイス内で検出することができる。組織培養技法及びそれらの対応する培養デバイスは、当該技術分野において既知である。これらの実施形態では、液体試料が通過した膜フィルタは、細胞株の入った培養デバイスの中へ移動されてもよい。あるいは、ウイルスは、フィルタから少量の滅菌水、緩衝剤、又は組織培地の中へ洗浄されてもよく、得られた懸濁液は、培養デバイスに添加することができる。好適な期間の培養後、組織培養は、例えば、プラーク形成等のCPEの表示に対して観察することができる。プラークは、視覚的に、あるいは顕微鏡及び/又は撮像装置の援助を伴ってのいずれかで観察することができる。プラークの視覚的検出は、クリスタルバイオレット等の染色、又は例えば、蛍光標識抗体等の免疫試薬を使用して改善されてもよい。
【0041】
試料調製システム
表面フィルタ、濾過ユニット、及び培養デバイスは、梱包材料と組み合わせ、試料内の微生物を検出するための試料調製システム(キット)として販売することができる。例えば、試料調製システムは、併せてパッケージ化された、2つ以上の構成要素(例えば、表面フィルタ及び培養デバイス)、又は3つ以上の構成要素(例えば、表面フィルタ、濾過ユニット、及び培養デバイス)を含んでもよい。ある実施形態では、濾過ユニットは、表面フィルタの取り外し用に構成されることができる。
【0042】
試料調製システムは、試料懸濁培地(例えば、水、緩衝剤、成長培地)、試薬(例えば、染料、インジケータ、酵素、酵素基質、溶解剤、溶出を容易にするための試薬)、ピペット、ラベル、ピンセット、試料キャリア、及び/又は手袋等の、サンプル用及び試験付属品を更に含んでもよい。ある実施形態では、試料調製システムの個々の構成要素は、滅菌することができる。ある実施形態では、試料調製システムの構成要素は、個別包装された一次包装であり得る。
【0043】
自動検出システム
培養デバイス内の微生物コロニーを数えるための自動システムは、当該技術分野において既知である。そのような自動システムは、概して、撮像システム、コロニー数を決定する画像分析アルゴリズム、並びにコロニー数データ及び画像を表示し、任意に、格納し、操作するためのデータ管理システムを含む。寒天平板上のコロニーを数えるための例示的なシステムは、商標名PROTOCOLで、Synbiosis(Cambridge、UK)によって販売され、米国特許第6,002,789号に見られる。PETRIFILMプレート上のコロニーを数えるためのシステムは、米国特許第5,403,722号、同第7,298,885号、及び同第7,298,886号に記載される。
【0044】
典型的には、微生物コロニーを数えるための自動システムは、光を吸収するか、反射するか、放出するか、又は散乱するかのいずれかのコロニー又はそれに由来する代謝産物の能力によって、標的微生物の存在を検出する。そのため、コロニーは、例えば、比色分析により、蛍光定量的に、又は発光定量的に(lumimetrically)(例えば、化学発光又は生物発光)等の手段によって光学的に検出することができる。
【0045】
大腸菌群のための試験等の特定の試験において、微生物が乳糖からガス(即ち、二酸化炭素)を産生するかどうかを判断することが望ましい。3M PETRIFILM大腸菌群カウントプレート及びE.coliカウントプレートは、栄養素を含む成長培地に乳糖を組み込む。これらの試験において、大腸菌コロニーは、成長培地におけるpHインジケータの変色によって暫定的に特定されることができる。pH変化は、コロニーが乳糖から酸性最終生成物を産生した可能性があることを示し、コロニーが大腸菌コロニーであることが推定される。推定された大腸菌コロニーは、コロニーに隣接した1つ以上の気泡の存在を観察することによって、大腸菌微生物として確認されることができる。気泡は、可視的手段によって、又は米国特許第7,298,886号に記載される自動コロニー計測システム等の自動システムによってのいずれかで、光学的に観察され得る。水和され閉じた時に、成長培地の片側上の自己支持基材と連続的に接触する半固体成長培地、及び成長培地の他側上にカバーシートを含む(図1及び2を参照)、PETRIFILM E.coli/大腸菌群カウントプレート等の平坦フィルム培養デバイスは、乳糖発酵性大腸菌微生物によって産生される気泡を捕捉するために特に好適である。
【0046】
確証特定試験
本開示のいくつかの培養デバイスは、培養デバイス内に存在する微生物を明確に特定するための、選択的及び/又は分化試薬等の手段を提供する。他の培養デバイスは、培養デバイス内に存在する微生物の暫定的特定を提供することができる。そのような暫定的特定が行われる時、時折、付加的な試験を行うことによって、微生物の同一性を確認することが望ましい。本開示の方法は、確証試験を提供する。
【0047】
培養デバイスが培養され、有機体の存在が観察されると(視覚的に、又は自動検出システムによってのいずれかで)、標的有機体は、更なる分析のために培養デバイスから取り外されてもよいし、又は特定の遺伝学的若しくは免疫学的試験の場合においては、分析は、培養デバイス内で(即ち、その場で)行われてもよい。更なる分析には、化学分析(例えば、クロマトグラフィ、分光法、分光分析)、遺伝分析(例えば、ハイブリダイゼーション、核酸増幅)、及び免疫学的分析(例えば、ELISA、免疫クロマトグラフィ、凝集、放射免疫測定法)を挙げることができる。
【0048】
分析方法は、例えば、膜フィルタ及び培地全体から微生物又はその構成要素を除去するか又は抽出することによって、培養デバイス内の試料全体を使用して行うことができる。あるいは、培養デバイスのより小さい領域又は個々のコロニーは、分析方法を行うために単離及び/又は抽出されてもよい。いくつかの実施形態では、ニトロセルロース又はナイロン膜を使用して、微生物又はその構成要素を「持ち上げ」、続いて遺伝学的、生化学的、又は免疫学的試験を行ってもよい。具体的な分析方法は、Molecular Cloning、A Laboratory Manual、3rd Edition(Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、NY)に見ることができ、この内容は、参照することにより、その全体が本明細書に組み込まれる。
【実施例】
【0049】
(実施例1)
Petrifilm E.coli/大腸菌群カウントプレート内の大腸菌群の視覚的検出。
【0050】
Petrifilm E.coli/大腸菌群カウント(EC)プレートは、3M Company(St.Paul、MN)から得た。混合セルロースエステル(MCE)膜フィルタ(直径47mm、公称孔径0.45μm)は、Millipore Corporation(Billerica、MA)から得た。アルミナマトリックスセラミック膜フィルタ(直径47mm、公称孔径0.2μm)は、Whatman(Florham Park、NJ)から得た。エンテロバクターアムニゲナスATCC 51818は、American Type Culture Collection(Manassas、VA)から得た。
【0051】
一夜細菌培養物は、35℃でトリプチケースソイブロス内で成長させた。一夜培養物は、1ミリリットル当たりおよそ0.5〜1.0コロニー形成単位(CFU/mL)の最終濃度まで、1.5リットルの未処理の(例えば、水は、塩素化、フッ素化、又は軟化されなかった)井戸水で希釈した。100ミリリットルの体積の希釈培養物は、無菌濾過装置(Microfil V、Millipore Corporation、Billerica、MA)内の膜フィルタを通して濾過した。無菌ピンセットを使用して、膜を濾過装置から無菌で取り外し、Petrifilm ECプレート内の乾燥円形培地上に設置した。1ミリリットルの無菌Butterfieldリン酸希釈剤を膜上に分注し、Petrifilmプレートを閉じ、メーカーの使用説明書に従って希釈剤をプレート全体に均一に分配した。この工程は、植菌の間、プレートの中への気泡の導入を回避するように注意して行われた。プレートは、35℃で24±2時間培養した。プレートは、メーカーの使用説明書に従って手動で数えた。結果を表1に示す。
【表1】
【0052】
(実施例2)
Petrifilm E.coli/大腸菌群カウントプレート内の大腸菌群の自動検出。
【0053】
エンテロバクターアムニゲナスの一夜培養物を、実施例1に記載されるように成長させ、希釈し、濾過した。フィルタは、Petrifilm ECプレートの中に設置し、実施例1に記載されるように培養した。培養されたプレートは、Petrifilm Plate Reader(3M Company、St.Paul、MN)の中に設置し、大腸菌コロニーの数を、メーカーの使用説明書に従ってリーダによって決定した。結果を表2に示す。
【表2】
【0054】
プレートリーダは、MCEフィルタ膜上に1つのコロニーのみを検出した。そのコロニーは、気泡に関連したため、大腸菌として数えた。プレートの可視的調査は、プレートリーダによって検出されなかった少なくとも数十の小さい拡散した赤色のコロニーが存在したことを示した。対照的に、プレートリーダは、セラミックフィルタ膜上に51のコロニーを検出した。これらのコロニーのうち、リーダは、気泡に関連した4つを検出した。
【0055】
ここで、本発明は、記述を可能にすることができる、発明者によって予測される、いくつかの特定の実施形態を参照して記載されている。現在予測されていない修正を含む、本発明の実体のない修正は、それでもなお、それらと同等であると定めることができる。したがって、本発明の範囲は、本明細書において説明した詳細及び構造に限定されるべきではなく、むしろ、以下の特許請求の範囲、及びそれらと同等のものによってのみ限定されるべきである。
【0056】
(実施例3)
Petrifilm E.coli/大腸菌群カウントプレートを使用した、細菌の混合懸濁液の自動検出及び特定。
【0057】
細菌培養物は、実施例1に記載されるように調製した。本実施例において使用された細菌は、ハフニアアルベイATCC 51815(大腸菌群の種)及びエシェリキアコリATCC 11229であり、両方とも、American Type Culture Collectionから得た。培養物は、実施例1に記載されるように希釈し、100ミリリットルの水に対しておよそ50〜100CFUの各有機体の懸濁液を得るように混合した。実施例1に記載されるように、100mLの懸濁液を濾過し、Petrifilm E.coli/大腸菌群カウントプレートの中に設置した。プレートは、35℃で24時間培養した。培養されたプレートをPetrifilm Plate Readerに通過させ、各プレート内のコロニーの存在及び種類に関して画像を分析した。データを表3に示す。大腸菌及びE.coliコロニーは、セラミック膜フィルタを使用した実験において未修正プレートリーダスキャナ及びソフトウェアシステムによって検出された。MCE膜フィルタ上で成長していた、いくつかの青色のコロニーは、自動リーダによって認識されず数えられなかった。
【表3】
【0058】
ここで、本発明は、記述を可能にすることができる、発明者によって予測される、いくつかの特定の実施形態を参照して記載されている。現在予測されていない修正を含む、本発明の実体のない修正は、それでもなお、それらと同等であると定めることができる。したがって、本発明の範囲は、本明細書において説明した詳細及び構造に限定されるべきではなく、むしろ、以下の特許請求の範囲、及びそれらと同等のものによってのみ限定されるべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料内の標的微生物の存在を検出する方法であって、
標的微生物を含有する疑いがある試料、表面フィルタ、及び培地を含む培養デバイスを提供する工程と、
前記表面フィルタ上に前記標的微生物を収集する工程と、
前記表面フィルタを前記培地と接触させる工程と、
前記培養デバイスを一定期間培養する工程と、
前記標的微生物の存在を検出する工程と、
を含む、方法。
【請求項2】
標的微生物の存在を検出する工程が、自動検出システムにより前記標的微生物の存在を検出する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記培養デバイスが、寒天培養デバイス、乾燥した再水和可能な培養デバイス、又は栄養素を含む多孔性基材からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記培養デバイスが、前記表面フィルタを前記培養デバイスと接触させる前に、水性溶媒で水和される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
液体試料内の標的微生物を数える工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記培養デバイスを一定期間培養する工程が、少なくとも1つの細胞分裂を生じさせるための条件下で培養する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
標的微生物の存在を検出する工程が、前記標的微生物を光学的に検出する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記液体試料が、地表水、飲用又は飼料用の水、生物薬剤学的製剤用の水、飲料、水性溶媒中に懸濁される食料又は乳製品、果汁、プロセス水、冷却水、循環水、ボイラー水、ボイラー給水、地下水、レクリエーション水、処理済み水、及び廃水からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記標的微生物が、細菌、ウイルス、酵母、又はかびである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記標的微生物が、エンテロコッカス種、チオスピリルム種、腸内細菌科種、大腸菌、糞便性連鎖球菌、エシェリキアコリ、ハフニアアルベイ、エンテロバクターアムニゲナス、クリプトスポリジウム種、シクロスポラ種、ロタウイルス、A型肝炎ウイルスからなる群より選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記表面フィルタが、セラミック酸化アルミニウム、ポリカーボネート、又はポリエステルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
確証試験を使用して前記標的微生物を特定する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
液体試料内の標的微生物の存在を検出する方法であって、
標的微生物を含有する疑いがある液体試料、培地を含む培養デバイス、及び前記培養デバイス内の水和培地と接触する時に実質的に透明であるフィルタを提供する工程と、
前記フィルタ上に前記標的微生物を収集する工程と、
前記フィルタを前記培地と接触させる工程と、
前記培養デバイスを一定期間培養する工程と、
標的微生物の存在を検出する工程と、
を含む、方法。
【請求項14】
標的微生物の存在を検出する工程が、自動検出システムにより前記標的微生物の存在を検出する工程を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記培養デバイスが、寒天培養デバイス、乾燥した再水和可能な培養デバイス、又は栄養素を含む多孔性基材からなる群より選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記培養デバイスが、前記表面フィルタを前記培養デバイスと接触させる前に、水性溶媒で水和される、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記液体試料内の標的微生物を数える工程を更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記培養デバイスを一定期間培養する工程が、少なくとも1つの細胞分裂を生じさせるための条件下で培養する工程を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
標的微生物の存在を検出する工程が、前記標的微生物を光学的に検出する工程を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記液体試料が、地表水、飲用又は飼料用の水、生物薬剤学的製剤用の水、飲料、水性溶媒中に懸濁される食料又は乳製品、果汁、プロセス水、冷却水、循環水、ボイラー水、ボイラー給水、地下水、レクリエーション水、処理済み水、及び廃水からなる群より選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項21】
前記標的微生物が、細菌、ウイルス、酵母、又はかびである、請求項14に記載の方法。
【請求項22】
前記標的微生物が、エンテロコッカス種、チオスピリルム種、腸内細菌科種、大腸菌、糞便性連鎖球菌、エシェリキアコリ、ハフニアアルベイ、エンテロバクターアムニゲナス、クリプトスポリジウム種、シクロスポラ種、ロタウイルス、A型肝炎ウイルスからなる群より選択される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記表面フィルタが、セラミック酸化アルミニウム、ポリカーボネート、又はポリエステルを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項24】
確証試験を使用して前記標的微生物を特定する工程を更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項25】
ガス産生微生物を検出するための方法であって、
ガス産生微生物を含有する疑いがある試料、表面フィルタ、及び発酵性栄養素を含む培地を含有する平坦フィルム培養デバイスを提供する工程と、
前記試料からのガス産生微生物を前記表面フィルタ上に収集する工程と、
前記表面フィルタを前記培地と接触させる工程と、
前記培地と接触している前記表面フィルタを一定期間培養する工程と、
ガス産生微生物の存在を検出する工程と、
を含む、方法。
【請求項26】
自動検出システムを提供する工程を更に含み、前記ガス産生微生物の存在を検出する工程が、前記自動検出システムにより前記ガス産生微生物を検出する工程を含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記ガス産生微生物の存在を検出する工程が、コロニーを検出する工程を含む、請求項25又は請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記コロニーが、光学的に検出される、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記ガス産生微生物の存在を検出する工程が、前記コロニーに隣接した気泡を検出する工程を更に含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記気泡が、光学的に検出される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
ガス産生微生物を検出するための方法であって、
ガス産生微生物を含有する疑いがある試料、発酵性栄養素を含有する培地を含む培養デバイス、及び前記培養デバイス内の水和培地と接触する時に実質的に透明であるフィルタを提供する工程と、
前記試料からのガス産生微生物を前記フィルタ上に収集する工程と、
前記フィルタを前記培地と接触させる工程と、
前記培地と接触している前記フィルタを一定期間培養する工程と、
ガス産生微生物の存在を検出する工程と、
を含む、方法。
【請求項32】
自動検出システムを提供する工程を更に含み、前記ガス産生微生物の存在を検出する工程が、前記自動検出システムにより前記ガス産生微生物を検出する工程を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記ガス産生微生物の存在を検出する工程が、コロニーを検出する工程を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記コロニーが、光学的に検出される、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記ガス産生微生物の存在を検出する工程が、前記コロニーに隣接した気泡を検出する工程を更に含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記気泡が、光学的に検出される、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
濾過ユニットと、水性溶媒で水和した時に実質的に透明であるフィルタと、を含む試料調製システムであって、前記濾過ユニットが、前記表面フィルタの取り外しのために構成される、試料調製システム。
【請求項38】
培養デバイスを更に含む、請求項37に記載の試料調製システム。
【請求項39】
前記培養デバイスが、平坦フィルム培養デバイスである、請求項38に記載の試料調製システム。
【請求項40】
試料検出システムであって、
培養デバイス内の水和培地と接触する時に実質的に透明であるフィルタと、
培養デバイスと、
を含む、試料検出システム。
【請求項41】
試料調製システムを更に含む、請求項40に記載の試料検出システム。
【請求項42】
自動検出システムを更に含む、請求項41に記載の試料検出システム。
【請求項1】
試料内の標的微生物の存在を検出する方法であって、
標的微生物を含有する疑いがある試料、表面フィルタ、及び培地を含む培養デバイスを提供する工程と、
前記表面フィルタ上に前記標的微生物を収集する工程と、
前記表面フィルタを前記培地と接触させる工程と、
前記培養デバイスを一定期間培養する工程と、
前記標的微生物の存在を検出する工程と、
を含む、方法。
【請求項2】
標的微生物の存在を検出する工程が、自動検出システムにより前記標的微生物の存在を検出する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記培養デバイスが、寒天培養デバイス、乾燥した再水和可能な培養デバイス、又は栄養素を含む多孔性基材からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記培養デバイスが、前記表面フィルタを前記培養デバイスと接触させる前に、水性溶媒で水和される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
液体試料内の標的微生物を数える工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記培養デバイスを一定期間培養する工程が、少なくとも1つの細胞分裂を生じさせるための条件下で培養する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
標的微生物の存在を検出する工程が、前記標的微生物を光学的に検出する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記液体試料が、地表水、飲用又は飼料用の水、生物薬剤学的製剤用の水、飲料、水性溶媒中に懸濁される食料又は乳製品、果汁、プロセス水、冷却水、循環水、ボイラー水、ボイラー給水、地下水、レクリエーション水、処理済み水、及び廃水からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記標的微生物が、細菌、ウイルス、酵母、又はかびである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記標的微生物が、エンテロコッカス種、チオスピリルム種、腸内細菌科種、大腸菌、糞便性連鎖球菌、エシェリキアコリ、ハフニアアルベイ、エンテロバクターアムニゲナス、クリプトスポリジウム種、シクロスポラ種、ロタウイルス、A型肝炎ウイルスからなる群より選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記表面フィルタが、セラミック酸化アルミニウム、ポリカーボネート、又はポリエステルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
確証試験を使用して前記標的微生物を特定する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
液体試料内の標的微生物の存在を検出する方法であって、
標的微生物を含有する疑いがある液体試料、培地を含む培養デバイス、及び前記培養デバイス内の水和培地と接触する時に実質的に透明であるフィルタを提供する工程と、
前記フィルタ上に前記標的微生物を収集する工程と、
前記フィルタを前記培地と接触させる工程と、
前記培養デバイスを一定期間培養する工程と、
標的微生物の存在を検出する工程と、
を含む、方法。
【請求項14】
標的微生物の存在を検出する工程が、自動検出システムにより前記標的微生物の存在を検出する工程を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記培養デバイスが、寒天培養デバイス、乾燥した再水和可能な培養デバイス、又は栄養素を含む多孔性基材からなる群より選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記培養デバイスが、前記表面フィルタを前記培養デバイスと接触させる前に、水性溶媒で水和される、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記液体試料内の標的微生物を数える工程を更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記培養デバイスを一定期間培養する工程が、少なくとも1つの細胞分裂を生じさせるための条件下で培養する工程を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
標的微生物の存在を検出する工程が、前記標的微生物を光学的に検出する工程を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記液体試料が、地表水、飲用又は飼料用の水、生物薬剤学的製剤用の水、飲料、水性溶媒中に懸濁される食料又は乳製品、果汁、プロセス水、冷却水、循環水、ボイラー水、ボイラー給水、地下水、レクリエーション水、処理済み水、及び廃水からなる群より選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項21】
前記標的微生物が、細菌、ウイルス、酵母、又はかびである、請求項14に記載の方法。
【請求項22】
前記標的微生物が、エンテロコッカス種、チオスピリルム種、腸内細菌科種、大腸菌、糞便性連鎖球菌、エシェリキアコリ、ハフニアアルベイ、エンテロバクターアムニゲナス、クリプトスポリジウム種、シクロスポラ種、ロタウイルス、A型肝炎ウイルスからなる群より選択される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記表面フィルタが、セラミック酸化アルミニウム、ポリカーボネート、又はポリエステルを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項24】
確証試験を使用して前記標的微生物を特定する工程を更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項25】
ガス産生微生物を検出するための方法であって、
ガス産生微生物を含有する疑いがある試料、表面フィルタ、及び発酵性栄養素を含む培地を含有する平坦フィルム培養デバイスを提供する工程と、
前記試料からのガス産生微生物を前記表面フィルタ上に収集する工程と、
前記表面フィルタを前記培地と接触させる工程と、
前記培地と接触している前記表面フィルタを一定期間培養する工程と、
ガス産生微生物の存在を検出する工程と、
を含む、方法。
【請求項26】
自動検出システムを提供する工程を更に含み、前記ガス産生微生物の存在を検出する工程が、前記自動検出システムにより前記ガス産生微生物を検出する工程を含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記ガス産生微生物の存在を検出する工程が、コロニーを検出する工程を含む、請求項25又は請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記コロニーが、光学的に検出される、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記ガス産生微生物の存在を検出する工程が、前記コロニーに隣接した気泡を検出する工程を更に含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記気泡が、光学的に検出される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
ガス産生微生物を検出するための方法であって、
ガス産生微生物を含有する疑いがある試料、発酵性栄養素を含有する培地を含む培養デバイス、及び前記培養デバイス内の水和培地と接触する時に実質的に透明であるフィルタを提供する工程と、
前記試料からのガス産生微生物を前記フィルタ上に収集する工程と、
前記フィルタを前記培地と接触させる工程と、
前記培地と接触している前記フィルタを一定期間培養する工程と、
ガス産生微生物の存在を検出する工程と、
を含む、方法。
【請求項32】
自動検出システムを提供する工程を更に含み、前記ガス産生微生物の存在を検出する工程が、前記自動検出システムにより前記ガス産生微生物を検出する工程を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記ガス産生微生物の存在を検出する工程が、コロニーを検出する工程を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記コロニーが、光学的に検出される、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記ガス産生微生物の存在を検出する工程が、前記コロニーに隣接した気泡を検出する工程を更に含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記気泡が、光学的に検出される、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
濾過ユニットと、水性溶媒で水和した時に実質的に透明であるフィルタと、を含む試料調製システムであって、前記濾過ユニットが、前記表面フィルタの取り外しのために構成される、試料調製システム。
【請求項38】
培養デバイスを更に含む、請求項37に記載の試料調製システム。
【請求項39】
前記培養デバイスが、平坦フィルム培養デバイスである、請求項38に記載の試料調製システム。
【請求項40】
試料検出システムであって、
培養デバイス内の水和培地と接触する時に実質的に透明であるフィルタと、
培養デバイスと、
を含む、試料検出システム。
【請求項41】
試料調製システムを更に含む、請求項40に記載の試料検出システム。
【請求項42】
自動検出システムを更に含む、請求項41に記載の試料検出システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図2】
【図3】
【図4】
【公表番号】特表2011−507524(P2011−507524A)
【公表日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−539793(P2010−539793)
【出願日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際出願番号】PCT/US2008/087399
【国際公開番号】WO2009/082667
【国際公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際出願番号】PCT/US2008/087399
【国際公開番号】WO2009/082667
【国際公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】
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