説明

微生物防除剤および安定化方法

【課題】N,N’−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウムブロマイド)1重量%以上10重量%未満を含有する微生物防除剤において、低温における貯蔵安定性に優れながら、高温における分解安定性にも優れる微生物防除剤、および、N,N’−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウムブロマイド)の安定化方法を提供すること。
【解決手段】
N,N’−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウムブロマイド)1重量%以上10重量%未満、炭素数が2および3の少なくともいずかのアルコール35重量%以上60重量%未満、水、および、酸を配合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微生物防除剤およびビス四級アンモニウム塩の安定化方法、詳しくは、細菌、かび、酵母、藻の防除剤として用いられる微生物防除剤、および、N,N’−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウムブロマイド)の安定化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、各種の工業製品には、細菌、かび、酵母、藻などの有害な微生物が繁殖しやすく、生産性や品質の低下、悪臭の発生などの原因となっている。そのため、このような有害微生物の繁殖を防除するために、抗菌、防かび、防腐、防藻効果を発現する種々の微生物防除剤が広く使用されている。
【0003】
このような微生物防除剤の有効成分として、N,N’−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウムブロマイド)(以下、HMDP−Brという場合がある。)などのビス四級アンモニウム塩が、広い抗菌スペクトルを有し、優れた防除効果を発現することが、報告されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
また、HMDP−Brを有効成分とする微生物防除剤は、通常、HMDP−Brの水への溶解性が低いため、HMDP−Brを高濃度で溶解可能な有機溶媒で溶解した溶液剤として調製されている。
【特許文献1】特開2004−143061号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記のように調製された微生物防除剤では、冬季または寒冷地における運搬時や貯蔵時に、HMDP−Brが析出するという不具合がある。
【0006】
また一方で、上記のように調製された微生物防除剤では、使用時において、これを用いる前に微生物防除剤を加熱したり、加熱された状態でそのまま保温する場合には、HMDP−Brが分解するという不具合がある。
【0007】
本発明の目的は、N,N’−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウムブロマイド)1重量%以上10重量%未満を含有する微生物防除剤において、低温における貯蔵安定性に優れながら、高温における分解安定性にも優れる微生物防除剤、および、N,N’−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウムブロマイド)の安定化方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明者らは、HMDP−Br1重量%以上10重量%未満のHMDP−Brを、水およびアルコールの混合溶媒によって溶解し、かつ、酸を配合して調製することにより、微生物防除剤が、低温における貯蔵安定性に優れるとともに、高温における分解安定性にも優れるという知見を見出し、さらに研究を進めた結果、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、
(1) N,N’−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウムブロマイド)1重量%以上10重量%未満、炭素数が2および3の少なくともいずれかのアルコール35重量%以上60重量%未満、水、および、酸を含有することを特徴とする、微生物防除剤、
(2) 前記酸が、可食性の有機酸であることを特徴とする、前記(1)に記載の微生物防除剤、
(3) 前記可食性の有機酸が、クエン酸であることを特徴とする、前記(2)に記載の微生物防除剤、
(4) 前記酸の含有割合が、N,N’−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウムブロマイド)1モルに対して、0.1〜40モルであることを特徴とする、前記(1)〜前記(3)のいずれかに記載の微生物防除剤、
(5) 前記酸の含有割合が、N,N’−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウムブロマイド)1モルに対して、0.1〜10モルであることを特徴とする、前記(4)に記載の微生物防除剤、
(6) N,N’−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウムブロマイド)1重量%以上10重量%未満、炭素数が2および3の少なくともいずかのアルコール35重量%以上60重量%未満、水、および、酸を配合することを特徴とする、N,N’−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウムブロマイド)の安定化方法
を提供するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の微生物防除剤では、酸を含有しているため、N,N’−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウムブロマイド)が安定化されている。具体的には、低温における貯蔵安定性に優れながら、高温における分解安定性にも優れている。そのため、低温における安定した運搬や貯蔵を確実に実施できながら、高温における安定した使用を確実に確保することができる。
【0011】
また、本発明のN,N’−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウムブロマイド)の安定化方法によれば、N,N’−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウムブロマイド)の低温における貯蔵安定性を向上させながら、高温における分解安定性をも向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の微生物防除剤は、N,N’−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウムブロマイド)、炭素数が2および3の少なくともいずかのアルコール、水、および、酸を含有している。
【0013】
本発明において、N,N’−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウムブロマイド)(以下、HMDP−Brという。)は、微生物防除剤の有効成分であって、下記式(1)で示されるビス四級アンモニウム塩である。
【0014】
【化1】

このHMDP−Brは、公知の方法(例えば、特開平9−110692号公報、特開平10−95773号公報に記載の方法)または、これに準じた方法により製造することができ、また、市販品を用いることもできる。市販品としては、例えば、ダイマー38(商品名、イヌイ株式会社製)などが挙げられる。
【0015】
本発明において、炭素数が2および3の少なくともいずれかのアルコール(以下、C2−3アルコールという。)としては、例えば、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールなどの1価のアルコールなどが挙げられる。これらC2−3アルコールは、単独または2種以上併用することができる。安全性の観点から、好ましくは、エタノールが挙げられる。
【0016】
本発明において、酸としては、水およびC2−3アルコールの混合溶媒に可溶な酸であれば特に限定されず、有機酸、無機酸などが挙げられる。
【0017】
有機酸としては、例えば、クエン酸、乳酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、コハク酸、アジピン酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸、シュウ酸、フマル酸、ソルビン酸、安息香酸、マロン酸、p−オキシ安息香酸などの可食性の有機酸、例えば、ギ酸、トリフルオロ酢酸、マレイン酸などの不可食性の有機酸などが挙げられる。
【0018】
無機酸としては、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸などが挙げられる。
【0019】
これら酸のうち、金属に対する腐食性の観点から、好ましくは、有機酸が挙げられ、安全性の観点から、さらに好ましくは、可食性の有機酸が挙げられ、とりわけ好ましくは、クエン酸が挙げられる。
【0020】
本発明の微生物防除剤において、HMDP−Brの含有割合は、例えば、10重量%以上でも使用できるが、好ましくは、1重量%以上10重量%未満である。HMDP−Brの含有割合が10重量%以上である場合には、法律(例えば、消防法など。)の規定によって、微生物防除剤の使用(貯蔵や取扱い)が制限されて不便となる。また、1重量%に満たない場合には、HMDP−Brの防除効力を十分に発現させることができない。
【0021】
また、C2−3アルコールの含有割合は、例えば、30重量%以上80重量%以下でも使用できるが、好ましくは、35重量%以上60重量%未満で使用する。C2−3アルコールの含有割合が60重量%を超える場合には、法律(例えば、消防法など。)の規定によって、微生物防除剤の使用(貯蔵や取扱い)が制限されて不便となる。また、35重量%に満たない場合には、低温における貯蔵安定性が低下する。
【0022】
酸の含有割合は、HMDP−Br(分子量:768.76)1モルに対して、0.1〜40モル、好ましくは、0.1〜10モル、さらに好ましくは、0.1〜5モルである。酸の含有割合が上記した範囲を超える場合には、コストの観点から不利となる場合があり、また、微生物防除剤が高粘度になって取扱いが困難となる場合がある。また、上記した範囲に満たない場合には、高温における分解安定性が低下する場合がある。
【0023】
また、水の含有割合は、上記した各成分の残余の含有割合となる。
【0024】
また、本発明の微生物防除剤には、本発明の優れた効果を阻害しない範囲において、公知の添加剤、例えば、他の有効成分、界面活性剤、酸化防止剤、光安定剤などを添加することもできる。
【0025】
なお、水およびC2−C3アルコール以外の成分の総量の含有割合、すなわち、HMDP−Br、酸および添加剤の総量の含有割合が、10重量%以上である場合には、法律(例えば、消防法。)の規定によって、微生物防除剤の使用(貯蔵や取扱い)が制限されて不便となる。
【0026】
本発明の微生物防除剤は、上記したように、液剤として調製されるが、その後、懸濁剤、ペースト剤、粉剤、粒剤、マイクロカプセルなどの種々の剤型に製剤化することもできる。また、包接として調製してもよく、さらに、層状ケイ酸塩などのモンモリロナイト(スメクタイト類など)などに担持させ、あるいは、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルクなどに吸着させることにより、製剤化することもできる
そして、本発明の微生物防除剤を調製するには、上記した含有割合で、HMDP−Br、C2−3アルコールおよび水を含有するアルコール水溶液に、酸を配合する。なお、上記した酸の配合と同時に、またはその前後に、公知の添加剤を配合することもできる。
【0027】
このような微生物防除剤の調製によって、HMDP−Brを安定化することができる。
【0028】
そして、本発明の微生物防除剤は、例えば、製紙パルプ工場、冷却水循環工程などの種々の産業用水や、切削油などの金属加工用油剤、カゼイン、澱粉糊、にかわ、塗工紙、紙用塗工液、表面サイズ剤、塗料、接着剤、合成ゴムラテックス、インキ、ポリビニルアルコールフィルム、塩化ビニルフィルム、樹脂製品、セメント混和剤、シーリング剤、目地剤などの各種工業製品などの有害微生物の防除の用途において、有効に用いることができる。
【0029】
より具体的には、例えば、製紙パルプ工場などのスライムコントロール剤、金属加工用油剤の防腐剤、塗料の防腐防かび剤、樹脂エマルションの防腐防かび剤、セメント混和剤の防腐剤、インキの防腐防かび剤、湿し水の防腐防かび剤、セメント減水剤の防腐防かび剤、植物の延命剤などの工業用の有害微生物防除剤として好適に用いられる。
【0030】
とりわけ、本発明の微生物防除剤では、上記したHMDP−Brが安定化されており、具体的には、HMDP−Brの低温における貯蔵安定性を向上させながら、高温における分解安定性をも向上させることができる。
【0031】
そのため、このようにHMDP−Brが安定化された微生物防除剤では、冬季または寒冷地での低温における安定した運搬や貯蔵を確実に実施できる。
【0032】
しかも、高温における安定した使用を、確実に確保することができる。
【0033】
なお、本発明の微生物防除剤は、その適用対象に応じて添加量を適宜決定すればよいが、例えば、防腐剤、防かび剤または防藻剤として用いる場合には、10〜5000mg(全有効成分)/kg(製品)、好ましくは、100〜4000mg(全有効成分)/kg(製品)の濃度に希釈することができ、あるいは、例えば、殺菌剤(抗菌剤)として用いる場合には、10〜5000mg(全有効成分)/kg(希釈溶媒(例えば、水など))、好ましくは、100〜4000mg(全有効成分)/kg(希釈用溶媒)の濃度に希釈することができる。
【実施例】
【0034】
以下に実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に説明する。
【0035】
(微生物防除剤の調製)
実施例1
N,N’−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウムブロマイド)(HMDP−Br、ダイマー38、イヌイ株式会社製)40g(52ミリモル)、エタノール540gおよび水410gを配合して、攪拌することにより溶解させて溶液を調製し、これに、クエン酸10g(52ミリモル)を配合して、攪拌することにより溶解させて、微生物防除剤1000gを調製した。
【0036】
実施例2
クエン酸10g(52ミリモル)に代えて、乳酸4.7g(52ミリモル)を用い、水410gに代えて、水415.3gを用いた以外は、実施例1と同様にして、微生物防除剤1000gを調製した。
【0037】
実施例3
クエン酸10g(52ミリモル)に代えて、酢酸3.1g(52ミリモル)を用い、水410gに代えて、水416.9gを用いた以外は、実施例1と同様にして、微生物防除剤1000gを調製した。
【0038】
実施例4
クエン酸10g(52ミリモル)に代えて、フマル酸6.0g(52ミリモル)を用い、水410gに代えて、水414gを用いた以外は、実施例1と同様にして、微生物防除剤1000gを調製した。
【0039】
実施例5
クエン酸10g(52ミリモル)に代えて、マレイン酸6.0g(52ミリモル)を用い、水410gに代えて、水414gを用いた以外は、実施例1と同様にして、微生物防除剤1000gを調製した。
【0040】
実施例6
クエン酸10g(52ミリモル)に代えて、塩酸1.9g(52ミリモル)を用い、水410gに代えて、水418.1gを用いた以外は、実施例1と同様にして、微生物防除剤1000gを調製した。
【0041】
比較例1
クエン酸を配合せず、水410gに代えて、水420gを用いた以外は、実施例1と同様にして、微生物防除剤1000gを調製した。
【0042】
実施例7
エタノール540gに代えて、1−プロパノール540gを用いた以外は、実施例1と同様にして、微生物防除剤1000gを調製した。
【0043】
実施例8
エタノール540gに代えて、2−プロパノール540gを用いた以外は、実施例1と同様にして、微生物防除剤1000gを調製した。
【0044】
比較例2
エタノール540gに代えて、メタノール540gを用いた以外は、実施例1と同様にして、微生物防除剤1000gを調製した。
【0045】
実施例9
N,N’−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウムブロマイド)(HMDP−Br、ダイマー38、イヌイ株式会社製)10g(13.0ミリモル)、エタノール540gおよび水447.5gを配合して、攪拌することにより溶解させて溶液を調製し、これに、クエン酸2.5g(13.0ミリモル)を配合して、攪拌することにより溶解させて、微生物防除剤1000gを調製した。
【0046】
実施例10
エタノール540gに代えて、エタノール590gを用い、水447.5gに代えて、水397.5gを用いた以外は、実施例9と同様にして、微生物防除剤1000gを調製した。
【0047】
実施例11
エタノール540gに代えて、エタノール350gを用い、水447.5gに代えて、水637.5gを用いた以外は、実施例9と同様にして、微生物防除剤1000gを調製した。
【0048】
比較例3
エタノール540gに代えて、エタノール300gを用い、水447.5gに代えて、水687.5gを用いた以外は、実施例9と同様にして、微生物防除剤1000gを調製した。
【0049】
実施例12
クエン酸10g(52ミリモル)に代えて、クエン酸50g(260ミリモル)を用い、水410gに代えて、水370gを用いた以外は、実施例1と同様にして、微生物防除剤1000gを調製した。
【0050】
実施例13
クエン酸10g(52ミリモル)に代えて、クエン酸1g(5.2ミリモル)を用い、水410gに代えて、水419gを用いた以外は、実施例1と同様にして、微生物防除剤1000gを調製した。
【0051】
実施例14
クエン酸2.5g(13.0ミリモル)に代えて、乳酸46.8g(520ミリモル)を用い、水447.5gに代えて、水403.2gを用いた以外は、実施例9と同様にして、微生物防除剤1000gを調製した。
【0052】
実施例15
クエン酸10g(52ミリモル)に代えて、クエン酸0.1g(0.52ミリモル)を用い、水410gに代えて、水419.9gを用いた以外は、実施例1と同様にして、微生物防除剤1000gを調製した。
【0053】
実施例16
HMDP−Br40g(52ミリモル)に代えて、HMDP−Br95g(124ミリモル)を用い、水410gに代えて、水362.6gを用い、クエン酸10g(52ミリモル)に代えて、クエン酸2.4g(12.4ミリモル)を用いた以外は、実施例1と同様にして、微生物防除剤1000gを調製した。
【0054】
(微生物防除剤の評価)
(1) 低温における貯蔵安定性
各実施例および各比較例において調製した微生物防除剤を、密閉容器に投入して、10℃で、1月間、貯蔵した。貯蔵後の微生物防除剤を目視により観察して、HMDP−Brの析出の有無を確認することによって、低温における貯蔵安定性を評価した。その結果を表1に示す。表1中、「○」はHMDP−Brの析出がなかったことを示し、「×」はHMDP−Brの析出があったことを示す。
【0055】
(2) 高温における分解安定性
各実施例および各比較例において調製した微生物防除剤を、水で、HMDP−Brの濃度が1000ppmとなるように希釈した後、これを密閉容器に投入して、80℃で、1月間、貯蔵した。貯蔵後のHMDP−Brの残存率を、高速液体クロマトグラフィーにて測定して、高温における分解安定性を評価した。その結果を表1に示す。
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明の微生物防除剤は、例えば、冬季または寒冷地での低温における安定した運搬や貯蔵においても、優れた貯蔵安定性を有するとともに、高温における安定した使用においても、優れた分解安定性を有する剤として、使用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
N,N’−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウムブロマイド)1重量%以上10重量%未満、炭素数が2および3の少なくともいずかのアルコール35重量%以上60重量%未満、水、および、酸を含有することを特徴とする、微生物防除剤。
【請求項2】
前記酸が、可食性の有機酸であることを特徴とする、請求項1に記載の微生物防除剤。
【請求項3】
前記可食性の有機酸が、クエン酸であることを特徴とする、請求項2に記載の微生物防除剤。
【請求項4】
前記酸の含有割合が、N,N’−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウムブロマイド)1モルに対して、0.1〜40モルであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の微生物防除剤。
【請求項5】
前記酸の含有割合が、N,N’−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウムブロマイド)1モルに対して、0.1〜10モルであることを特徴とする、請求項4に記載の微生物防除剤。
【請求項6】
N,N’−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウムブロマイド)1重量%以上10重量%未満、炭素数が2および3の少なくともいずれかのアルコール35重量%以上60重量%未満、水、および、酸を配合することを特徴とする、N,N’−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウムブロマイド)の安定化方法。

【公開番号】特開2008−137924(P2008−137924A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−324308(P2006−324308)
【出願日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(503140056)日本エンバイロケミカルズ株式会社 (95)
【Fターム(参考)】