説明

微生物防除剤

【課題】一層優れた微生物防除効果を発現することのできる微生物防除剤を提供すること。
【解決手段】微生物防除剤は、トリアジン化合物と、イソチアゾリン化合物と、ハロアセチレン化合物と、一般式(4)で表されるポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル化合物とを含有する。
一般式(4):


(一般式(4)中、Rは同一または相異なって水素原子またはメチル基を示し、mは2以上の整数であり、nは、2より大きく、かつ、mより大きい整数である。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微生物防除剤、詳しくは、各種産業に用いられる微生物防除剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、製紙パルプ工場、冷却水循環工程などの種々の産業用水や、切削油などの金属加工用油剤、カゼイン、澱粉糊、にかわ、エマルション、塗工紙、紙用塗工液、表面サイズ剤、塗料、接着剤、合成ゴムラテックス、印刷インキ、ポリビニルアルコールフィルム、塩化ビニルフィルム、プラスチック製品、セメント混和剤、建材、シーリング材、目地材、消臭剤、繊維・皮革製品、フィルターなどの各種産業製品には、カビや藻類などの有害な微生物が繁殖しやすく、生産性や品質の低下、悪臭の発生などの原因となっている。
【0003】
そのため、このような微生物の繁殖を防除するために、微生物防除効果を発現する微生物防除剤が広く使用されている。
【0004】
例えば、2−メチルチオ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミノ−s−トリアジン(トリアジン化合物)、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン(イソチアゾリン化合物)、3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメート(ハロアセチレン化合物)およびキシレン(芳香族化合物)を配合し、室温で撹拌して調製した防藻剤が提案されている(例えば、下記特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−316903号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、特許文献1の防藻剤を含む微生物防除剤には、微生物防除効果のさらなる向上が要求されている。
【0007】
本発明の目的は、一層優れた微生物防除効果を発現することのできる微生物防除剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記目的の微生物防除剤について鋭意検討したところ、特定のトリアジン化合物と、特定のイソチアゾリン化合物と、特定のハロアセチレン化合物と、特定のポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル化合物とを含有させることにより、一層優れた微生物防除効果を発現することができるという知見を見出し、さらに研究を進めた結果、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、
(1) 一般式(1)で表されるトリアジン化合物と、
【0010】
【化1】

(一般式(1)中、R、R、RおよびRは同一または相異なって水素原子または置換基を有していてもよい炭化水素基を、Xはハロゲン原子またはアルキルチオ基を示す。)
一般式(2)で表されるイソチアゾリン化合物と、
【0011】
【化2】

(一般式(2)中、Yは水素原子または置換基を有していてもよい炭化水素基を、XおよびXは同一または相異なって水素原子、ハロゲン原子または置換基を有していてもよい炭化水素基を示す。)
一般式(3)で表されるハロアセチレン化合物と、
【0012】
【化3】

(一般式(3)中、Xはハロゲン原子を、RおよびRは同一または相異なって水素原子または置換基を有していてもよい炭化水素基を示し、Zは0または1である。)
一般式(4)で表されるポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル化合物と
【0013】
【化4】

(一般式(4)中、Rは同一または相異なって水素原子またはメチル基を示し、mは2以上の整数であり、nは、2より大きく、かつ、mより大きい整数である。)
を含有することを特徴とする、微生物防除剤、
(2) 一般式(4)中、Rは水素原子を示し、mは10以下の整数であり、nは12以下の整数であることを特徴とする、前記(1)に記載の微生物防除剤、
(3) ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル化合物が、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテルおよびトリエチレングリコールモノブチルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、前記(1)または(2)に記載の微生物防除剤、
(4) エポキシ化合物をさらに含有することを特徴とする、前記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の微生物防除剤、
(5) 一般式(1)中、RおよびRが同一または相異なって水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり、RおよびRが同一または相異なって炭素数1〜5のアルキル基または炭素数3〜6のシクロアルキル基であり、Xがハロゲン原子または炭素数1〜4のアルキルチオ基であることを特徴とする、前記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の微生物防除剤、
(6) 一般式(2)中、Yが水素原子または炭素数1〜8のアルキル基であり、XおよびXがともに水素原子、一方が水素原子で他方が塩素原子またはともに塩素原子であることを特徴とする、前記(1)〜(5)のいずれか一項に記載の微生物防除剤、
(7) 一般式(3)中、Xがヨウ素原子であり、RおよびRは、一方が水素原子で他方が炭素数1〜8のアルキル基であり、Zが1であることを特徴とする、前記(1)〜(6)のいずれか一項に記載の微生物防除剤、
(8) エポキシ化合物が、一般式(5)で表わされる
【0014】
【化5】

(一般式(5)中、Rは1〜4価の炭化水素基を示し、aは1〜4の整数である。)
ことを特徴とする、前記(4)に記載の微生物防除剤、
(9) トリアジン化合物が、2−メチルチオ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミノ−s−トリアジン、2−メチルチオ−4−t−ブチルアミノ−6−エチルアミノ−s−トリアジン、2−クロロ−4,6−ジエチルアミノ−s−トリアジン、2−クロロ−4−エチルアミノ−6−イソプロピルアミノ−s−トリアジンおよび2−メチルチオ−4−エチルアミノ−6−(1,2−ジメチルプロピルアミノ)−s−トリアジンからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、前記(1)〜(8)のいずれか一項に記載の微生物防除剤、
(10) イソチアゾリン化合物が、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4−クロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンおよび2−メチル−4,5−トリメチレン−4−イソチアゾリン−3−オンからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、前記(1)〜(9)のいずれか一項に記載の微生物防除剤、
(11) ハロアセチレン化合物が、3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメートであることを特徴とする、前記(1)〜(10)のいずれか一項に記載の微生物防除剤、
(12) エポキシ化合物が、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルであることを特徴とする、前記(4)または(8)に記載の微生物防除剤
である。
【発明の効果】
【0015】
本発明の微生物防除剤は、特定のトリアジン化合物と、特定のイソチアゾリン化合物と、特定のハロアセチレン化合物と、特定のポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル化合物とを含有するので、一層優れた微生物防除効果を発現することができる。
【0016】
そのため、本発明の微生物防除剤を種々の産業用水および各種産業製品に配合すれば、それらに一層優れた微生物防除効果を付与することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の微生物防除剤は、トリアジン化合物と、イソチアゾリン化合物と、ハロアセチレン化合物と、ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル化合物とを含有している。
【0018】
本発明において、トリアジン化合物は、下記一般式(1)で表される。
【0019】
【化6】

(一般式(1)中、R、R、RおよびRは同一または相異なって水素原子または置換基を有していてもよい炭化水素基を、Xはハロゲン原子またはアルキルチオ基を示す。)
一般式(1)中、R、R、RおよびRで示される置換基を有していてもよい炭化水素基の炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜20、好ましくは、炭素数1〜14の炭化水素基が挙げられ、具体的には、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基およびアリール基などが挙げられる。
【0020】
アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、sec−オクチル、tert−オクチル、ノニル、デシルなどの炭素数1〜10のアルキル基が挙げられる。
【0021】
アルケニル基としては、例えば、ビニル、アリル、イソプロペニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニルなどの炭素数2〜4のアルケニル基が挙げられる。
【0022】
アルキニル基としては、例えば、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、ブチニル、ペンチニルなどの炭素数2〜5のアルキニル基が挙げられる。
【0023】
シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどの炭素数3〜8のシクロアルキル基が挙げられる。
【0024】
アリール基としては、例えば、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリルなどの炭素数6〜14のアリール基が挙げられる。
【0025】
、R、RおよびRで示される置換基を有していてもよい炭化水素基の置換基としては、例えば、ヒドロキシル基、ハロゲン原子(例えば、塩素、フッ素、臭素およびヨウ素など)、シアノ基、アミノ基、カルボキシル基、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシなどの炭素数1〜4のアルコキシ基など)、炭素数6〜20のアリールオキシ基(例えば、フェノキシ基など)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオなどの炭素数1〜4のアルキルチオ基など)および炭素数6〜20のアリールチオ基(例えば、フェニルチオ基など)などが挙げられる。これらの置換基は同一または相異なって、例えば、1〜5個、好ましくは、1〜3個置換していてもよい。
【0026】
およびRで示される置換基を有していてもよい炭化水素基としては、好ましくは、置換基を有していない炭化水素基、その中でも、さらに好ましくは、アルキル基が挙げられる。そのようなアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどの炭素数1〜4のアルキル基が挙げられる。
【0027】
およびRで示される置換基を有していてもよい炭化水素基としては、好ましくは、置換基を有していない炭化水素基、さらに好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基が挙げられる。アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチルなどの炭素数1〜5のアルキル基が挙げられる。シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどの炭素数3〜6のシクロアルキル基が挙げられる。置換基を有していない炭化水素基として、とりわけ好ましくは、炭素数3〜6のシクロアルキル基が挙げられる。
【0028】
で示されるハロゲン原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などが挙げられる。また、Xで示されるアルキルチオ基としては、例えば、メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオ、イソブチルチオなどの炭素数1〜4のアルキルチオ基が挙げられる。
【0029】
一般式(1)の好ましい態様としては、RおよびRが、同一または相異なって、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり、RおよびRが、同一または相異なって、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数3〜6のシクロアルキル基であり、Xが、ハロゲン原子または炭素数1〜4のアルキルチオ基である態様が挙げられる。
【0030】
このうち、とりわけ好ましい態様として、RおよびRがともに水素原子であって、RおよびRのうち、いずれか一方が炭素数1〜5のアルキル基であって、他方が炭素数1〜5のアルキル基または炭素数3〜6のシクロアルキル基であり、Xが炭素数1〜4のアルキルチオ基である態様が挙げられる。
【0031】
このようなトリアジン化合物として、具体的には、例えば、2−メチルチオ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミノ−s−トリアジン(MBACT)、2−メチルチオ−4−t−ブチルアミノ−6−エチルアミノ−s−トリアジン、2−クロロ−4,6−ジエチルアミノ−s−トリアジン、2−クロロ−4−エチルアミノ−6−イソプロピルアミノ−s−トリアジン、2−メチルチオ−4−エチルアミノ−6−(1,2−ジメチルプロピルアミノ)−s−トリアジンなどが挙げられる。
【0032】
これらトリアジン化合物は、単独または2種以上併用することができる。
【0033】
トリアジン化合物は、塩基のまま使用してもよく、また、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸との塩、あるいは、例えば、酢酸、プロピオン酸、パラトルエンスルホン酸などの有機酸との塩として使用することもできる。
【0034】
トリアジン化合物の配合割合は、微生物防除剤に対して、例えば、0.1〜25質量%、好ましくは、0.3〜15質量%である。
【0035】
本発明において、イソチアゾリン化合物は、下記一般式(2)で表される。
【0036】
【化7】

(一般式(2)中、Yは水素原子または置換基を有していてもよい炭化水素基を、XおよびXは同一または相異なって水素原子、ハロゲン原子または置換基を有していてもよい炭化水素基を示す。)
一般式(2)中、Yで示される置換基を有していてもよい炭化水素基としては、例えば、上記したR、R、RおよびRで示される置換基を有していてもよい炭化水素基の炭化水素基と同様のものが挙げられ、好ましくは、置換基を有していない炭化水素基が挙げられ、さらに好ましくは、アルキル基が挙げられる。
【0037】
アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、sec−オクチル、tert−オクチル、ノニル、デシルなどの炭素数1〜10のアルキル基が挙げられる。好ましくは、炭素数が1〜8のアルキル基が挙げられ、さらに好ましくは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどの炭素数1〜4のアルキル基およびn−オクチル、イソオクチル、sec−オクチル、tert−オクチルなどの炭素数8のアルキル基が挙げられる。
【0038】
Yとしては、さらに好ましくは、メチル、n−オクチルが挙げられる。
【0039】
一般式(2)で表わされるイソチアゾリン化合物において、XおよびXで示されるハロゲン原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。好ましくは、塩素が挙げられる。
【0040】
およびXで示される置換基を有していてもよい炭化水素基としては、上記したR、R、RおよびRで示される置換基を有していてもよい炭化水素基の炭化水素基と同様のものが挙げられ、好ましくは、置換基を有していない炭化水素基が挙げられ、その中でも、アルキル基が好ましい。アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどの炭素数1〜4のアルキル基が挙げられる。
【0041】
また、XおよびXは、2価の炭化水素基で環形成されていてもよく、このような2価の炭化水素基としては、例えば、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレンなどの炭素数1〜4の2価の炭化水素基が挙げられる。好ましくは、トリメチレンが挙げられる。
【0042】
およびXとしては、好ましくは、ハロゲン原子、水素原子が挙げられ、具体的には、そのような態様として、例えば、XおよびXがともに水素原子である態様、XおよびXのうち、いずれか一方が水素原子であって他方がハロゲン原子(好ましくは、塩素原子)である態様、XおよびXがともにハロゲン原子(好ましくは、塩素原子)である態様が挙げられる。また、トリメチレンで環形成されているものも、好ましい態様の1つである。
【0043】
このようなイソチアゾリン化合物として、具体的には、例えば、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン(OIT)、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−エチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4−クロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−シクロヘキシル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4,5−トリメチレン−4−イソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。
【0044】
これらのうち、好ましくは、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン(OIT)、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4−クロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4,5−トリメチレン−4−イソチアゾリン−3−オンが挙げられる。
【0045】
これらイソチアゾリン化合物は、単独または2種以上併用することができる。
【0046】
イソチアゾリン化合物の配合割合は、微生物防除剤に対して、例えば、0.1〜25質量%、好ましくは、0.3〜15質量%である。
【0047】
また、イソチアゾリン化合物の配合割合は、トリアジン化合物100質量部に対して、例えば、20〜500質量部、好ましくは、50〜250質量部でもある。
【0048】
本発明において、ハロアセチレン化合物は、下記一般式(3)で表される。
【0049】
【化8】

(一般式(3)中、Xはハロゲン原子を、RおよびRは同一または相異なって水素原子または置換基を有していてもよい炭化水素基を示し、Zは0または1である。)
一般式(3)中、Xで示されるハロゲン原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられ、好ましくは、ヨウ素が挙げられる。
【0050】
およびRで示される置換基を有していてもよい炭化水素基としては、上記したR、R、RおよびRで示される置換基を有していてもよい炭化水素基と同様のものが挙げられ、好ましくは、置換基を有していない炭化水素基が挙げられ、その中でも、さらに好ましくは、アルキル基が挙げられる。アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソアミル、sec−アミル、tert−アミル、n−ヘキシル、イソヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチルなどの直鎖状または分岐状の炭素数1〜8のアルキル基が挙げられ、さらに、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどの炭素数3〜8の環状のアルキル基が挙げられる。好ましくは、直鎖状の炭素数1〜8のアルキル基が挙げられ、さらに好ましくは、n−ブチルが挙げられる。
【0051】
およびRの態様としては、例えば、RおよびRがともに水素原子である態様、RおよびRのいずれか一方が水素原子であり、他方が炭素数1〜8のアルキル基である態様、RおよびRがともに炭素数1〜8のアルキル基である態様などが挙げられる。好ましくは、RおよびRのいずれか一方が水素原子であり、他方が炭素数1〜8のアルキル基である態様が挙げられる。
【0052】
Zが0のときは、ハロアセチレン化合物は酸アミド誘導体となり、Zが1のときは、ハロアセチレン化合物はカーバメート誘導体となる。これらのうち、ハロアセチレン化合物として、好ましくは、Zが1であるカーバメート誘導体が挙げられる。
【0053】
ハロアセチレン化合物として、具体例には、Zが0のときのハロアセチレン化合物の酸アミド誘導体として、例えば、3−クロロプロピオール酸アミド、N−メチル−3−クロロプロピオール酸アミド、N−エチル−3−クロロプロピオール酸アミド、N−プロピル−3−クロロプロピオール酸アミド、N−ブチル−3−クロロプロピオール酸アミド、N−ヘキシル−3−クロロプロピオール酸アミド、N−オクチル−3−クロロプロピオール酸アミド、N−シクロヘキシル−3−クロロプロピオール酸アミドなどの(N−置換−)3−クロロプロピオール酸アミド、例えば、3−ブロモプロピオール酸アミド、N−メチル−3−ブロモプロピオール酸アミド、N−エチル−3−ブロモプロピオール酸アミド、N−プロピル−3−ブロモプロピオール酸アミド、N−ブチル−3−ブロモプロピオール酸アミド、N−ヘキシル−3−ブロモプロピオール酸アミド、N−オクチル−3−ブロモプロピオール酸アミド、N−シクロヘキシル−3−ブロモプロピオール酸アミドなどの(N−置換−)3−ブロモプロピオール酸アミド、例えば、3−ヨードプロピオール酸アミド、N−メチル−3−ヨードプロピオール酸アミド、N−エチル−3−ヨードプロピオール酸アミド、N−プロピル−3−ヨードプロピオール酸アミド、N−ブチル−3−ヨードプロピオール酸アミド、N−ヘキシル−3−ヨードプロピオール酸アミド、N−オクチル−3−ヨードプロピオール酸アミド、N−シクロヘキシル−3−ヨードプロピオール酸アミドなどの(N−置換−)3−ヨードプロピオール酸アミドなどが挙げられる。
【0054】
また、Zが1のときのハロアセチレン化合物のカーバメート誘導体の具体例として、例えば、3−ヨード−2−プロピニルメチルカーバメート、3−ヨード−2−プロピニルエチルカーバメート、3−ヨード−2−プロピニルプロピルカーバメート、3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメート(IPBC)、3−ヨード−2−プロピニルヘキシルカーバメート、3−ヨード−2−プロピニルオクチルカーバメート、3−ヨード−2−プロピニルシクロヘキシルカーバメートなどの3−ヨード−2−プロピニルアルキルカーバメートなどが挙げられる。好ましくは、3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメート(IPBC)が挙げられる。
【0055】
これらハロアセチレン化合物は、単独または2種以上併用することができる。
【0056】
ハロアセチレン化合物の配合割合は、微生物防除剤に対して、例えば、0.1〜25質量%、好ましくは、0.3〜15質量%である。
【0057】
また、ハロアセチレン化合物の配合割合は、トリアジン化合物100質量部に対して、例えば、20〜500質量部、好ましくは、50〜250質量部である。
【0058】
本発明において、ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル化合物は、下記一般式(4)で表される。
【0059】
【化9】

(一般式(4)中、Rは同一または相異なって水素原子またはメチル基を示し、mは2以上の整数であり、nは、2より大きく、かつ、mより大きい整数である。)
一般式(4)中、−OCHCHR−は、アルキレンオキサイドを示し、具体的には、Rが水素原子のときは、エチレンオキサイド(−OCHCH−)を示し、Rがメチル基のときは、プロピレンオキサイド(−OCHCH(CH)−)を示す。
【0060】
としては、好ましくは、水素原子が挙げられる。つまり、一般式(4)中、アルキレンオキサイド(−OCHCHR−)として、好ましくは、エチレンオキサイド(−OCHCH−)が挙げられる。
【0061】
また、一般式(4)中、−(OCHCHR−は、ポリアルキレンオキサイドを示し、mは、アルキレンオキサイドの重合度(繰り返し単位の数)を示す。
【0062】
mは、好ましくは、10以下の整数であり、さらに好ましくは、2〜10の整数、とりわけ好ましくは、2〜6の整数である。
【0063】
一般式(4)中、ポリアルキレンオキサイドとしては、具体的には、Rがすべて水素原子のときは、ジエチレンオキサイド(m=2)、トリエチレンオキサイド(m=3)、テトラエチレンオキサイド(m=4)、ペンタエチレンオキサイド(m=5)、ヘキサエチレンオキサイド(m=6)などのポリエチレンオキサイド(m≧2)が挙げられ、また、Rがすべてメチル基のときは、ジプロピレンオキサイド(m=2)、トリプロピレンオキサイド(m=3)、テトラプロピレンオキサイド(m=4)などのポリプロピレンオキサイド(m≧2)が挙げられる。
【0064】
また、一般式(4)中、Rが相異なって水素原子およびメチル基であってもよく、その場合には、ポリアルキレンオキサイドとしては、例えば、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイドのブロックまたはランダム共重合体が挙げられる。
【0065】
nは、一端のアルキレンオキサイドの酸素原子に結合する炭化水素基(C2n+1−)の炭素数を示す。nは、好ましくは、12以下の整数であり、具体的には、好ましくは、3〜12の整数、さらに好ましくは、4〜10の整数、とりわけ好ましくは、4〜8の整数である。
【0066】
また、nは、mより大きい整数である。換言すれば、nのmに対する比(n/m)が、1より大きく、好ましくは、1.2以上、さらに好ましくは、1.25以上、とりわけ好ましくは、1.3以上であり、また、12以下、好ましくは、10以下、さらに好ましくは、6以下でもある。
【0067】
また、nからmを差し引いた値(n−m)は、例えば、0を超過し、好ましくは、1以上であり、また、例えば、10以下、好ましくは、6以下でもある。
【0068】
上記した炭化水素基(C2n+1−)としては、例えば、直鎖状または分岐状の1価の炭化水素基が挙げられる。そのような1価の炭化水素基として、例えば、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシルなどの直鎖状の炭素数3〜12のアルキル基、例えば、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソペンチル、イソヘキシル、イソヘプチル、イソオクチル、イソノニル、イソデシル、イソドデシルなどの分岐状の炭素数3〜12のアルキル基が挙げられる。
【0069】
好ましくは、直鎖状の炭素数3〜12のアルキル基、さらに好ましくは、直鎖状の炭素数4〜8のアルキル基が挙げられ、とりわけ好ましくは、ブチル、ヘキシルが挙げられる。
【0070】
一般式(4)の好ましい態様としては、ポリアルキレンオキサイド(−(OCHCHR−)がジエチレンオキサイド(Rがすべて水素原子、mが2)で、炭化水素基(C2n+1−)が炭素数3〜12のアルキル基である態様、ポリアルキレンオキサイド(−(OCHCHR−)がトリエチレンオキサイド(Rがすべて水素原子、mが3)で、炭化水素基(C2n+1−)が炭素数4〜12のアルキル基である態様などが挙げられる。
【0071】
ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル化合物としては、Rがすべて水素原子である場合で、具体的には、例えば、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノsec−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノtert−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノペンチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘプチルエーテル、ジエチレングリコールモノオクチルエーテル、ジエチレングリコールモノノニルエーテル、ジエチレングリコールモノデシルエーテル、ジエチレングリコールモノウンデシルエーテル、ジエチレングリコールモノドデシルエーテルなどのジエチレングリコールモノアルキル(炭素数3〜12)エーテルなどが挙げられ、例えば、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノイソブチルエーテル、トリエチレングリコールモノsec−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノtert−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノペンチルエーテル、トリエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノヘプチルエーテル、トリエチレングリコールモノオクチルエーテル、トリエチレングリコールモノノニルエーテル、トリエチレングリコールモノデシルエーテル、トリエチレングリコールモノウンデシルエーテル、トリエチレングリコールモノドデシルエーテルなどのトリエチレングリコールモノアルキル(炭素数4〜12)エーテルなどが挙げられ、例えば、テトラエチレングリコールモノペンチルエーテル、テトラエチレングリコールモノヘキシルエーテル、テトラエチレングリコールモノヘプチルエーテル、テトラエチレングリコールモノオクチルエーテル、テトラエチレングリコールモノノニルエーテル、テトラエチレングリコールモノデシルエーテル、テトラエチレングリコールモノウンデシルエーテル、テトラエチレングリコールモノドデシルエーテルなどのテトラエチレングリコールモノアルキル(炭素数5〜12)エーテルなどの、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテルなどが挙げられる。
【0072】
また、ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル化合物として、Rがすべてメチル基である場合で、具体的には、例えば、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノsec−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノtert−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノペンチルエーテル、ジプロピレングリコールモノヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールモノヘプチルエーテル、ジプロピレングリコールモノオクチルエーテル、ジプロピレングリコールモノノニルエーテル、ジプロピレングリコールモノデシルエーテル、ジプロピレングリコールモノウンデシルエーテル、ジプロピレングリコールモノドデシルエーテルなどのジプロピレングリコールモノアルキル(炭素数3〜12)エーテルなどの、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテルなども挙げられる。
【0073】
さらに、ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル化合物として、Rが水素原子およびメチル基である場合では、具体的には、例えば、1−メチル−3,6−ジオキサ−ノナン−1−オール(CHCHCHOCHCHOCHCH(CH)OH:一般式(4)中、nが3、mが2に相当)、1−メチル−3,6−ジオキサ−デカン−1−オール(CHCHCHCHOCHCHOCHCH(CH)OH:一般式(4)中、nが4、mが2に相当)、1−メチル−3,6,9−トリオキサ−トリデカン−1−オール(CHCHCHCH(OCHCHOCHCH(CH)OH:一般式(4)中、nが4、mが3に相当)などの1−メチル−ジオキサまたはトリオキサ−アルカン−1−オール、例えば、4−メチル−3,6−ジオキサ−ノナン−1−オール(CHCHCHOCHCH(CH)OCHCHOH:一般式(4)中、nが3、mが2に相当)、4−メチル−3,6−ジオキサ−デカン−1−オール(CHCHCHCHOCHCH(CH)OCHCHOH:一般式(4)中、nが4、mが2に相当)などの4−メチル−ジオキサ−アルカン−1−オール、例えば、7−メチル−3,6,9−トリオキサ−トリデカン−1−オール(CHCHCHCHOCHCH(CH)(OCHCHOH:一般式(4)中、nが4、mが3に相当)などの7−メチル−トリオキサ−アルカン−1−オールなどが挙げられる。
【0074】
ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル化合物として、好ましくは、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル(Rが水素原子)が挙げられ、さらに好ましくは、ジエチレングリコールモノアルキル(炭素数3〜12、好ましくは、炭素数4〜8)エーテルが挙げられ、とりわけ好ましくは、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(別称:ブチルジグリコール、BDG)、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(別称:ヘキシルジグリコール、HeDG)が挙げられる。また、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテルとして、好ましくは、トリエチレングリコールモノアルキル(炭素数4〜12、好ましくは、炭素数4〜8)エーテルも挙げられ、さらに好ましくは、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(別称:ブチルトリグリコール、BTG)が挙げられる。
【0075】
このようなポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル化合物は、例えば、常温(25℃)で液体である。
【0076】
これらポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル化合物は、単独または2種以上併用することができる。
【0077】
ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル化合物の配合割合は、微生物防除剤に対して、例えば、25〜99.5質量%、好ましくは、55〜99質量%である。
【0078】
また、ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル化合物の配合割合は、トリアジン化合物100質量部に対して、例えば、100〜10000質量部、好ましくは、200〜5000質量部、さらに好ましくは、500〜2500質量部でもある。
【0079】
また、本発明の微生物防除剤には、エポキシ化合物を含有させることもできる。
【0080】
エポキシ化合物は、トリアジン化合物、イソチアゾリン化合物、ハロアセチレン化合物およびポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル化合物の安定性を向上させるために、微生物防除剤に必要により配合され、分子内にエポキシ基を有する化合物であって、一般式(5)で表わされる。
【0081】
【化10】

(一般式(5)中、Rは1〜4価の炭化水素基を示す、aは1〜4の整数である。)
一般式(5)中、Rで示される1〜4価の炭化水素基としては、aに対応する1価、2価、3価または4価の炭素数4〜14の炭化水素基が挙げられる。
【0082】
1価の炭化水素基としては、例えば、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、sec−ペンチル、tert−ペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、2−エチルブチル、n−ヘプチル、イソヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、sec−オクチル、tert−オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシルなどの炭素数4〜14のアルキル基、例えば、1−ブテニル、3−ブテニルなどの炭素数4〜10のアルケニル基が挙げられる。
【0083】
2価の炭化水素基としては、例えば、テトラメチレン、エチルエチレン、ペンタメチレン、2,2−ジメチルトリメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、デカメチレンなどの炭素数4〜10のアルキレン基、例えば、4−プロピル−2−ペンテニレンなどの炭素数4〜10のアルケニレン基、および、下記一般式(6)で表わされる2価の炭化水素基が挙げられる。
【0084】
【化11】

(一般式(6)中、Rは水素原子またはアルキル基を示し、bは1〜6の整数(但し、Rがメチル基の場合は1〜3の整数)である。)
2価の炭化水素基として、好ましくは、炭素数4〜10のアルキレン基、さらに好ましくは、炭素数5〜8のアルキレン基、とりわけ好ましくは、2,2−ジメチルトリメチレンが挙げられる。
【0085】
3価の炭化水素基としては、例えば、下記一般式(7)で表わされる3価の炭化水素基が挙げられる。
【0086】
【化12】

(一般式(7)中、R10は水素原子またはアルキル基を示し、cは0または1(但し、R10が水素原子の場合は1)である。)
上記一般式(6)および(7)中、RおよびR10のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどの炭素数1〜8のアルキル基が挙げられ、好ましくは、メチルが挙げられる。
【0087】
4価の炭化水素基としては、例えば、下記一般式(8)で表わされる4価の炭化水素基が挙げられる。
【0088】
【化13】

上記した1価、2価、3価または4価の炭素数4〜14の炭化水素基のうち、好ましくは、炭素数5〜10の2価の炭化水素基、さらに好ましくは、2,2−ジメチルトリメチレンなどの炭素数5〜8のアルキレン基が挙げられる。
【0089】
従って、一般式(5)において、aは、好ましくは、2である。
【0090】
このようなエポキシ化合物として、具体的には、例えば、ブチルグリシジルエーテル、ペンチルグリシジルエーテル、ヘキシルグリシジルエーテル、ヘプチルグリシジルエーテル、オクチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、ノニルグリシジルエーテル、デシルグリシジルエーテル、ドデシルグリシジルエーテル、トリデシルグリシジルエーテル、テトラデシルグリシジルエーテルなどのモノグリシジルエーテル、例えば、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテルなどのジグリシジルエーテル、例えば、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルなどのトリグリシジルエーテル、例えば、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテルなどのテトラグリシジルエーテルなどが挙げられる。
【0091】
これらエポキシ化合物は、単独または2種以上併用することができる。
【0092】
これらのエポキシ化合物のうち、好ましくは、ジグリシジルエーテル、さらに好ましくは、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルが挙げられる。
【0093】
エポキシ化合物の配合割合は、微生物防除剤に対して、例えば、0.01〜5質量%、好ましくは、0.1〜1質量%である。また、エポキシ化合物の配合割合は、トリアジン化合物100質量部に対して、例えば、0.5〜30質量部、さらには、2.5〜15質量部でもある。
【0094】
そして、本発明の微生物防除剤を調製するには、トリアジン化合物と、イソチアゾリン化合物と、ハロアセチレン化合物と、ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル化合物と、必要によりエポキシ化合物とを上記した割合で配合し、例えば、5〜80℃、好ましくは、10〜70℃で撹拌する。これにより、微生物防除剤は、液剤(具体的には、油剤)として調製される。つまり、上記した各成分が、互いに相溶して、液状となる。
【0095】
なお、微生物防除剤を、例えば、ペースト剤、粉剤、粒剤、マイクロカプセルなどの公知の剤型に製剤化して使用することもできる。
【0096】
さらに、微生物防除剤には、その目的および用途によって、上記した各化合物に加え、例えば、その他の微生物防除化合物、例えば、溶剤、例えば、光安定剤などの添加剤を添加することもできる。
【0097】
その他の微生物防除化合物は、上記した各化合物を除く微生物防除化合物であって、例えば、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンなどのベンゾイソチアゾリン化合物、例えば、ジヨードメチル−p−トルイルスルホンなどの有機ヨウ素化合物、例えば、4,5−ジクロロ−1,2−ジチオール−3−オンなどのジチオール化合物、例えば、3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシドなどのチオフェン化合物、例えば、テトラメチルチウラムジスルフィドなどのチオカーバメート化合物、例えば、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリルなどのニトリル化合物、例えば、N−(フルオロジクロロメチルチオ)−フタルイミドなどのハロアルキルチオ化合物、例えば、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジンなどのピジリン化合物、例えば、ジンクピリチオンなどのピリチオン化合物、例えば、2−(4−チオシアノメチルチオ)ベンゾチアゾールなどのベンゾチアゾール化合物、例えば、メチル−2−ベンズイミダゾールカーバメートなどのベンズイミダゾール化合物、例えば、3−ベンゾ[b]チエン−2−イル−5,6−ジヒドロ−1,4,2−オキサチアジン−4−オキシドなどのオキサチアジン化合物、例えば、プロピコナゾールなどのトリアゾール化合物、例えば、2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノールなどのニトロアルコール化合物、例えば、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレアなどの尿素化合物、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロパンアミドなどのアミド化合物などが挙げられる。
【0098】
その他の微生物防除化合物は、単独または併用することができ、これらの配合割合は、その剤型および目的ならびに用途によって適宜決定される。
【0099】
溶剤は、上記した各化合物を溶解する化合物であって、例えば、水、例えば、メタノール、エタノールなどの1価のアルコール溶剤(上記したポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル化合物を除く)、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオールなどの2価のアルコール、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールモノエーテル溶剤(上記したポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル化合物を除く。具体的には、上記一般式(4)中、Rが水素原子またはメチル基を示し、mが2以下の整数、nが2以下で、かつ、m以下の整数である。)、例えば、アセトンなどのケトン溶剤、例えば、テトラヒドロフランなどの環状エーテル溶剤、例えば、酢酸エチルなどのエステル溶剤、例えば、トルエンなどの芳香族溶剤、例えば、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素溶剤、例えば、N−メチルピロリドンなどの極性溶剤などが挙げられる。これら溶剤は、単独または併用することができ、これらの配合割合は、その剤型および目的ならびに用途によって適宜決定される。
【0100】
光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン化合物などが挙げられ、その配合割りは、適宜決定される。
【0101】
このようにして調製される微生物防除剤は、特定のトリアジン化合物と、特定のイソチアゾリン化合物と、特定のハロアセチレン化合物と、特定のポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル化合物とを含有するので、一層優れた微生物防除効果を発現することができる。
【0102】
より具体的には、微生物防除剤は、一層優れた防カビ効果および防藻効果を発現する防カビ防藻剤として、また、一層優れた防カビ効果を発現する防カビ剤として、さらに、一層優れた防藻効果を発現する防藻剤として使用することができる。
【0103】
なお、微生物防除剤の防除対象となるカビは、特に限定されず、例えば、アブシジア(Absidia)属、ムーコル(Mucor)属、リゾプス(Rhizopus)属などの接合菌類、例えば、ケトミウム(Chaetomium)属、ユーロチウム(Eurotium)属、ニューロスポラ(Neurospora)属、サッカロミセス(Saccharomyces)属などの子のう菌類、例えば、アクレモニウム(Acremonium)属、アルタナリア(Alternaria)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、オーレオバシジウム(Aureobasidium)属、クラドスポリウム(Cladosporium)属、フザリウム(Fusarium)属、ペニシリウム(Penicillium)属、フォーマ(Phoma)属、トリコデルマ(Trichoderma)属、ロドトルラ(Rhodotorula)属、カンジダ(Candida)属、トリコフィートン(Trichophyton)属などの不完全菌類などが含まれる。
【0104】
また、微生物防除剤の防除対象となる藻類は、水中や陸上に生育し同化色素を持ち独立して栄養生活をする植物であって、例えば、藍藻類、灰青藻類、紅藻類、黄色鞭毛藻類、黄緑色藻類、珪藻類、褐色鞭毛藻類、渦鞭毛藻類、緑色鞭毛藻類、褐藻類、緑虫藻類、緑藻類、車軸藻類などが含まれる。微生物防除剤は、とりわけ、藍藻類、緑藻類の防除に優れた防藻効果を発現する。
【0105】
そして、本発明の微生物防除剤は、例えば、製紙パルプ工場、冷却水循環工程などの種々の産業用水や、切削油などの金属加工用油剤、カゼイン、澱粉糊、にかわ、エマルション、塗工紙、紙用塗工液、表面サイズ剤、塗料、接着剤、合成ゴムラテックス、印刷インキ、ポリビニルアルコールフィルム、塩化ビニルフィルム、プラスチック製品、セメント混和剤、建材、シーリング材、目地材、消臭剤、繊維・皮革製品、フィルターなどの各種産業製品などの用途において有効に使用することができる。
【0106】
なお、本発明の微生物防除剤は、その適用対象に応じて添加量を適宜決定すればよいが、例えば、10mg〜200g(各化合物の総量)/kg(製品)、好ましくは、500mg〜10g(各化合物の総量)/kg(製品)の濃度として使用する。
【0107】
また、本発明の微生物防除剤は、その目的および用途によっては、各化合物を個別または分割して予め調製し、それらを適用対象に対してそれぞれ直接添加して、適用対象物中において作用させてもよい。
【実施例】
【0108】
以下に、実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は、それらに何ら限定されるものではない。
1. 微生物防除剤の調製
実施例1
2−メチルチオ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミノ−s−トリアジン(MBACT)10g、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン(OIT)6g、3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメート(IPBC)10g、および、ジエチレングリコールモノブチルエーテル78gを常温(25℃)で配合して、攪拌混合することにより、微生物防除剤を調製した。
【0109】
実施例2〜11および比較例1〜4
各化合物の配合処方を、表1〜表3に記載に従って変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜11および比較例1〜4の微生物防除剤をそれぞれ調製した。
2. 防カビ防藻性評価(最小発育阻止濃度の測定)
(1)防カビ性評価
各実施例1〜11および各比較例1〜4の微生物防除剤を、ぞれぞれ、グルコースブイヨン寒天培地(pH6.0)に添加し、その後、ミクロプランター(佐久間製作所社製)を用いて、表1〜表3に記載のカビ懸濁液を接種して、28℃で、3日間培養した。
【0110】
その後、培養後のカビ菌糸の生育を観察して、最小発育阻止濃度(MIC:μg/mL)をそれぞれ算出した。
【0111】
その結果を表1〜表3に示す。
(2)防藻性評価
各実施例1〜11および各比較例1〜4の微生物防除剤を、ぞれぞれ、MDM寒天培地(pH8.0)に添加し、その後、ミクロプランター(佐久間製作所社製)を用いて、表1〜表3に記載の藻類懸濁液を接種して、照度2500Lxで、1日当たり16時間の照射条件下、23℃で、4週間培養した。
【0112】
その後、培養後の藻類の生育を観察して、最小発育阻止濃度(MIC:μg/mL)をそれぞれ算出した。
【0113】
その結果を表1〜表3に示す。
【0114】
【表1】

【0115】
【表2】

【0116】
【表3】

なお、表中、微生物防除剤の配合処方欄の数値は、配合質量部数を示す。また、表中、微生物防除剤に配合される化合物と、防カビ性評価および防藻性評価で用いたカビおよび藻類との詳細を以下で説明する。
<化合物>
MBACT:2−メチルチオ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミノ−s−トリアジン
OIT:2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン
IPBC:3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメート
<カビ>
アスペルギルス・ブラシリエンシス:Aspergillus brasiliensis (NBRC-6341)
ペニシリウム・シトリナム:Penicillium citrinum (NBRC-6352)
ペニシリウム・ピノフィラム:Penicillium pinophilum (NBRC-6345)
クラドスポリウム・クラドスポリオイデス:Cladosporium cladosporioides (NBRC-6348)
オーレオバシジウム・プルランス:Aureobasidium pullulans (NBRC-6353)
アルタナリア・スピーシーズ:Alternaria sp.
ムーコル・スピネッセンス:Mucor spinescens (IAM6071)
トリコデルマ・ヴィレンス: Trichoderma virens (NBRC-6355)
リゾプス・オリザエ:Rhizopus oryzae (NBRC-6154)
<藻類>
アナバエナ・ヴァリアビリス:Anabaena variabilis (NIES-23)
オスシラトリア・ネグラクタ:Oscillatoria neglecta (NIES-2116)
フォルミジウム・ラモスム:Phormidium ramosum (NIES-305)
クロロコックム・エチノジゴツム:Chlorococcum echinozygotum (NIES-2249)
クロレラ・ブルガリス:Chlorella vulgaris (NIES-227)
デスモデスムス・スピーシーズ:Desmodesmus sp. (NIES-96)
クレボソルミジウム・フラシズム:Klebosormidium flaccidum (NIES-2285)
プレウロコックス・スピーシーズ:Pleurococcus sp. (CCAP-446/1)
【産業上の利用可能性】
【0117】
本発明の微生物防除剤は、例えば、製紙パルプ工場、冷却水循環工程などの種々の産業用水や、切削油などの金属加工用油剤、カゼイン、澱粉糊、にかわ、エマルション、塗工紙、紙用塗工液、表面サイズ剤、塗料、接着剤、合成ゴムラテックス、印刷インキ、ポリビニルアルコールフィルム、塩化ビニルフィルム、プラスチック製品、セメント混和剤、建材、シーリング材、目地材、消臭剤、繊維・皮革製品、フィルターなどの各種産業製品などに使用する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)で表されるトリアジン化合物と、
【化1】

(一般式(1)中、R、R、RおよびRは同一または相異なって水素原子または置換基を有していてもよい炭化水素基を、Xはハロゲン原子またはアルキルチオ基を示す。)
一般式(2)で表されるイソチアゾリン化合物と、
【化2】

(一般式(2)中、Yは水素原子または置換基を有していてもよい炭化水素基を、XおよびXは同一または相異なって水素原子、ハロゲン原子または置換基を有していてもよい炭化水素基を示す。)
一般式(3)で表されるハロアセチレン化合物と、
【化3】

(一般式(3)中、Xはハロゲン原子を、RおよびRは同一または相異なって水素原子または置換基を有していてもよい炭化水素基を示し、Zは0または1である。)
一般式(4)で表されるポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル化合物と
【化4】

(一般式(4)中、Rは同一または相異なって水素原子またはメチル基を示し、mは2以上の整数であり、nは、2より大きく、かつ、mより大きい整数である。)
を含有することを特徴とする、微生物防除剤。
【請求項2】
一般式(4)中、Rは水素原子を示し、mは10以下の整数であり、nは12以下の整数であることを特徴とする、請求項1に記載の微生物防除剤。
【請求項3】
ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル化合物が、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテルおよびトリエチレングリコールモノブチルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1または2に記載の微生物防除剤。
【請求項4】
エポキシ化合物をさらに含有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の微生物防除剤。
【請求項5】
一般式(1)中、RおよびRが同一または相異なって水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり、RおよびRが同一または相異なって炭素数1〜5のアルキル基または炭素数3〜6のシクロアルキル基であり、Xがハロゲン原子または炭素数1〜4のアルキルチオ基であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の微生物防除剤。
【請求項6】
一般式(2)中、Yが水素原子または炭素数1〜8のアルキル基であり、XおよびXがともに水素原子、一方が水素原子で他方が塩素原子またはともに塩素原子であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の微生物防除剤。
【請求項7】
一般式(3)中、Xがヨウ素原子であり、RおよびRは、一方が水素原子で他方が炭素数1〜8のアルキル基であり、Zが1であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の微生物防除剤。
【請求項8】
エポキシ化合物が、一般式(5)で表わされる
【化5】

(一般式(5)中、Rは1〜4価の炭化水素基を示し、aは1〜4の整数である。)
ことを特徴とする、請求項4に記載の微生物防除剤。
【請求項9】
トリアジン化合物が、2−メチルチオ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミノ−s−トリアジン、2−メチルチオ−4−t−ブチルアミノ−6−エチルアミノ−s−トリアジン、2−クロロ−4,6−ジエチルアミノ−s−トリアジン、2−クロロ−4−エチルアミノ−6−イソプロピルアミノ−s−トリアジンおよび2−メチルチオ−4−エチルアミノ−6−(1,2−ジメチルプロピルアミノ)−s−トリアジンからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の微生物防除剤。
【請求項10】
イソチアゾリン化合物が、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4−クロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンおよび2−メチル−4,5−トリメチレン−4−イソチアゾリン−3−オンからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の微生物防除剤。
【請求項11】
ハロアセチレン化合物が、3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメートであることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の微生物防除剤。
【請求項12】
エポキシ化合物が、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルであることを特徴とする、請求項4または8に記載の微生物防除剤。

【公開番号】特開2013−35790(P2013−35790A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−174094(P2011−174094)
【出願日】平成23年8月9日(2011.8.9)
【出願人】(503140056)日本エンバイロケミカルズ株式会社 (95)
【Fターム(参考)】