説明

微粒子の配列方法、排気ガス浄化触媒、電極触媒、及び磁性体

【課題】微粒子を設計通りに配列させる。
【解決手段】少なくとも1種類の元素の金属粒子,酸化物,又は複合体粒子を互いに親和性を有する保護材5,8によって保護することにより2種類以上のコロイド1,2を調製し、これらコロイド1,2を溶液中に分散させ、保護材5,8間に働く親和力によってコロイド1,2が寄り集まる現象を利用して金属粒子,酸化物,又は複合体粒子を配列する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排気ガス浄化触媒,電極触媒,及び磁性体の製造工程に適用して好適な微粒子の配列方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、内燃機関から排出される排出ガス中に含まれる炭化水素系化合物(HC),一酸化炭素(CO),窒素酸化物(NOx)等の物質を除去するために、アルミナ(Al)等の金属酸化物担体に白金(Pt)等の貴金属を担持した排気ガス浄化触媒が広く利用されるようになっている。ところで、従来の排気ガス浄化触媒では、貴金属の耐久性を向上(シンタリング抑制)させるために、貴金属が多量に用いられている。しかしながら、貴金属を多量に用いることは地球資源保護の観点から見ると望ましくない。
【0003】
このような背景から、最近では、OSC(Oxygen Storage Component:酸素吸蔵物質)材として機能するセリウム(Ce)やマンガン(Mn)等の遷移元素を含浸法によって貴金属近傍に配置し、貴金属周囲の雰囲気変動をOSC材によって抑制することにより、貴金属の耐久性を向上させる試みがなされている(例えば、特許文献1を参照)。また、このような方法によれば、貴金属に遷移元素を接触させることにより、貴金属の耐久性向上に加えて、貴金属の活性向上も期待することができる。
【特許文献1】特開2004−82000号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、貴金属の耐久性向上を図る場合、貴金属の粒径は2[nm]以上、さらに貴金属の活性向上を図る場合には、貴金属の粒径は5[nm]以下にすることが必要であるが、含浸法を用いた場合、貴金属の粒径は1[nm]以下になってしまうために、貴金属近傍に遷移元素を配置,接触させたとしても、貴金属の大幅な耐久性向上及び活性向上を期待することはできない。また一般に、貴金属の耐久性及び活性を向上させるためには貴金属の近傍に遷移元素をある必要量配置,接触させる必要があることから、従来までは、溶液のpH値や塩を変える等して必要量の遷移元素を配置,接触させるようにしているが、従来までの方法によれば、必ずしも必要量の遷移元素を配置,接触させることができないために、貴金属の大幅な耐久性向上及び活性向上を期待することはできない。このような背景から、期待する耐久性及び触媒活性点、換言すれば、設計通りに、貴金属微粒子と遷移元素微粒子を配列可能な処理方法の提供が急務になっている。
【0005】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、微粒子を設計通りに配列させることが可能な微粒子の配列方法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、少ない貴金属量で耐久性を向上し、且つ、目的の触媒活性点を得ることが可能な排気ガス浄化触媒を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するために、本発明に係る微粒子の配列方法においては、少なくとも1種類の金属粒子,酸化物,又は複合体粒子が保護材によって保護された2種類以上のコロイドを調製し、各コロイドの保護材は種類が異なるコロイドの保護材と親和性を有する分子を含み、2種類以上のコロイドを溶液中に分散させ、保護材間に働く親和力によって異なるコロイド同士が寄り集まる現象を利用して金属粒子,酸化物,又は複合体粒子を配列する。また、本発明に係る排気ガス浄化触媒は、本発明に係る微粒子の配列方法を用いて貴金属と遷移元素を配列することにより製造される。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る微粒子の配列方法によれば、保護材間に働く親和力を利用して金属粒子,酸化物,又は複合体粒子を配列するので、金属粒子,酸化物,又は複合体粒子を設計通りに配列させることができる。また、本発明に係る排気ガス浄化触媒によれば、貴金属の周囲に遷移元素を設計通りに接触,配列させることができるので、少ない貴金属量で耐久性を向上し、且つ、目的の触媒活性点を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
〔微粒子の配列方法〕
本発明に係る微粒子の配列方法においては、図1(a)に示すように、少なくとも1種類の元素の金属粒子,酸化物,又は複合体粒子を互いに親和性を有する保護材5,8によって保護することにより2種類以上のコロイド1,2を調製し、これらコロイド1,2を溶液中に分散させ、図1(b)に示すように保護材5,8間に働く親和力によってコロイド1,2が寄り集まる現象を利用して、金属粒子,酸化物,又は複合体粒子を配列する。すなわち、本発明に係る微粒子の配列方法では、保護材間に働く親和力を利用して金属粒子,酸化物,又は複合体粒子を配列する。
【0009】
そして、このような微粒子の配列方法によれば、配列された金属粒子,酸化物,又は複合体粒子を焼成することにより、図1(c)に示すように、従来までは安価に製造することが困難であった複雑な元素の組み合わせを実現し、排気ガス浄化触媒,電極触媒,磁性体等の様々な化合物を製造することができる。
【0010】
なお、本発明に係る微粒子の配列方法において、互いに親和性を有する保護材としては、酸性を示す保護材とアルカリ性を示す保護材、正の電荷を有する保護材と負の電荷を有する保護材、より具体的には、カルボキシル基(−COOH)を有する保護材とアミン基(−NH,−NH)を有する保護材を例示することができる。
【0011】
また、本発明に係る微粒子の配列方法において、親和力によって寄り集まったコロイドを少なくとも1種類の元素の金属粒子、酸化物、又は複合体粒子によって被覆してもよい。具体的には、寄り集まった貴金属コロイドと遷移元素コロイドをアルミナ(Al)で被覆するようにすれば、本発明に係る微粒子の配列方法を利用して排気ガス浄化触媒を製造することができる。また、寄り集まったコロイドをカーボンで被覆するようにすれば、本発明に係る微粒子の配列方法を利用して電極触媒を製造することができる。
【0012】
また一般に、貴金属粒子の融点は図2に示すように粒子径の減少に伴って低下し、この結果、貴金属粒子は凝集しやすくなる(熱耐久性が低下する)ことが知られている。一方、本願発明の発明者らは、触媒の活性は図3に示すように貴金属粒子の増加に伴って低下する(反応性が低下する)ことを実験により知見した。従って、本発明に係る微粒子の配列方法を利用して排気ガス浄化触媒を製造する場合には、貴金属粒子の熱耐久性及び活性点を考慮して、金属粒子,酸化物,又は複合体粒子の粒子径を2[nm]以上10[nm]以下にすることが望ましい。
【0013】
また、本発明に係る微粒子の配列方法のその他の形態として、{Pt(白金),Pd(パラジウム),Rh(ロジウム)}の中から選ばれる少なくとも1種類の貴金属を含みポリアクリル酸で保護された貴金属コロイドと、{Ce(セリウム),La(ランタン),Zr(ジルコニウム),Mn(マンガン),Fe(鉄),Co(コバルト),Ni(ニッケル)}の中から選ばれる少なくとも1種類の元素の酸化物を含みポリエチレンイミンで保護された酸化物コロイドを調製し、貴金属コロイドと酸化物コロイドを溶液中に分散させ、貴金属コロイドの周囲に酸化物コロイドを配列させることにより、{Pt,Pd,Rh}の中から選ばれる少なくとも1種類の貴金属の周囲に{Ce,La,Zr,Mn,Fe,Co,Ni}の中から選ばれる少なくとも1種類の元素の酸化物を配列してもよい。なお、貴金属コロイド及び酸化物コロイドをそれぞれポリエチレンイミン及びポリアクリル酸で保護するようにしてもよい。
【0014】
また、本発明に係る微粒子の配列方法のその他の形態として、{Pt,Pd,Rh}の中から選ばれる少なくとも1種類の貴金属と{Mn,Fe,Co,Ni}の中から選ばれる少なくとも1種類の元素とを含みポリアクリル酸で保護された貴金属コロイドと、{Ce,La,Zr}の中から選ばれる少なくとも1種類の元素の酸化物を含みポリエチレンイミンで保護された酸化物コロイドを調製し、貴金属コロイドと酸化物コロイドを溶液中に分散させ、貴金属コロイドの周囲に酸化物コロイドを配列させることにより、{Pt,Pd,Rh}の中から選ばれる少なくとも1種類の貴金属と{Mn,Fe,Co,Ni}の中から選ばれる少なくとも1種類の元素の周囲に{Ce,La,Zr}の中から選ばれる少なくとも1種類の元素の酸化物を配列してもよい。このような配列方法によれば、接触頻度が高い状態で貴金属と遷移元素を配列し、配列された貴金属と遷移元素を焼成した際に、貴金属と遷移元素の合金を形成することができる。
【0015】
なお、貴金属コロイドは、{Pt,Pd,Rh}の中から選ばれる少なくとも1種類の貴金属がコア、{Mn,Fe,Co,Ni}の中から選ばれる少なくとも1種類の元素がシェルのコアシェル構造を有するようにしてもよい(図1(a)参照)。このような配列方法によれば、配列された金属粒子,酸化物,又は複合体粒子を焼成した際、貴金属の周囲部分のみを遷移元素の合金にすることができる。また、貴金属コロイドの周囲に配列された酸化物コロイドの周囲に{Al(アルミニウム),Ce,Zr,Si(シリコン),Ti(チタン)}の中から選ばれる少なくとも1種類の元素の酸化物を配列してもよい。このような配列方法によれば、{Al,Ce,Zr,Si,Ti}の中から選ばれる少なくとも1種類の元素の酸化物中にコロイド粒子を均一に分散させることができる。
【0016】
〔排気ガス浄化触媒〕
一般に、排気ガス浄化触媒の耐久性を向上させるためには、貴金属にCeを接触させる必要がある。さらに、Ceの耐熱性を維持するためにはCeにZrを接触させ、またCeとZrの土台となるAlの耐熱性を維持するためにはLaが必要になる。すなわち、排気ガス浄化触媒の耐久性及び耐熱性を向上させるためには、これらの元素を貴金属1モルに対して5〜20モルの割合で貴金属周辺に配置する必要がある。また、貴金属の活性を向上させるためには、貴金属1モルに対して5〜20モルの割合で貴金属に遷移元素を接触させる必要がある。
【0017】
このことから、本発明に係る排気ガス浄化触媒では、貴金属の粒子径は2[nm]乃至10nmであり、貴金属と{Ce,La,Zr}の中から選ばれる少なくとも1種類の元素の一部と{Mn,Fe,Co,Ni}の中から選ばれる少なくとも1種類の元素の一部とが接し、貴金属の中心点から半径50[nm]の範囲内に、{Ce,La,Zr}の中から選ばれる少なくとも1種類の元素及び{Mn,Fe,Co,Ni}の中から選ばれる少なくとも1種類の元素が貴金属の5倍モル以上存在する。そして、このような排気ガス浄化触媒によれば、少ない貴金属量で耐久性を向上し、且つ、目的の触媒活性点を得ることができる。
【0018】
なお、本発明に係る排気ガス浄化触媒において、貴金属の一部は{Al,Ce,Zr,Si,Ti}の中から選ばれる少なくとも1種類の元素の酸化物中に埋没していることが望ましい(図1(c)参照)。貴金属の一部が酸化物中に埋没することにより、貴金属を物理的に拘束し、排気ガス浄化触媒の耐熱性を向上させることができる。
【0019】
また、本発明に係る排気ガス浄化触媒のその他の好適形態として、PtとMnとを含みポリアクリル酸で保護された貴金属コロイドとCeとZrの酸化物を含みポリエチレンイミンで保護された酸化物コロイドを調製し、貴金属コロイドと酸化物コロイドを含む水溶液をアルミニウムイソプロポキシド(AIP)を含むアルコール溶液中に入れて加水分解することにより、Ptの粒子径が2[nm]以上10[nm]以下であり、Ptの中心点から半径50[nm]以内に、MnがPtの5倍モル以上、CeとZrがPtの5倍モル以上存在し、Mn,Ce,Zrの少なくとも一部がPtと接し、且つ、Ptの一部がAl、又はCe,Zrのうちの少なくとも一つの元素を含む酸化物に埋没するようにしてもよい。
【0020】
また、本発明に係る排気ガス浄化触媒のその他の好適形態として、PtとMnとを含みポリアクリル酸で保護された貴金属コロイドとCeの酸化物を含みポリエチレンイミンで保護された酸化物コロイドを調製し、貴金属コロイドと酸化物コロイドを含む水溶液を水酸化ジルコニウムを含む水溶液中に入れて共沈することにより、Ptの粒子径が2[nm]以上10[nm]以下であり、Ptの中心点から半径50[nm]以内に、MnがPtの5倍モル以上、CeがPtの5倍モル以上存在し、MnとCeの少なくとも一部がPtと接し、且つ、Ptの一部がZrO、又はCe,Zrのうちの少なくとも一つの元素を含む酸化物に埋没するようにしてもよい。
【0021】
また、本発明に係る排気ガス浄化触媒のその他の好適形態として、PtとMnとを含みポリアクリル酸で保護された貴金属コロイドとLaの酸化物を含みポリエチレンイミンで保護された酸化物コロイドを調製し、貴金属コロイドと酸化物コロイドを含む水溶液を水酸化ジルコニウムを含む水溶液中に入れて共沈することにより、Ptの粒子径が2[nm]以上10[nm]以下であり、Ptの中心点から半径50[nm]以内に、MnがPtの5倍モル以上、LaがPtの5倍モル以上存在し、MnとLaの少なくとも一部がPtと接し、且つ、Ptの一部がZrOに埋没するようにしてもよい。
【0022】
また、本発明に係る排気ガス浄化触媒のその他の好適形態として、PdとMnとを含みポリアクリル酸で保護された貴金属コロイドとCeとZrの酸化物を含みポリエチレンイミンで保護された酸化物コロイドを調製し、貴金属コロイドと酸化物コロイドを含む水溶液をアルミニウムイソプロポキシドを含むアルコール溶液中に入れて加水分解することにより、Pdの粒子径が2[nm]以上10[nm]以下であり、Pdの中心点から半径50[nm]以内に、MnがPdの5倍モル以上、CeとZrがPdの5倍モル以上存在し、Mn,Ce,Zrの少なくとも一部がPdと接し、且つ、Pdの一部がAl、又はCe,Zrのうちの少なくとも一つの元素を含む酸化物に埋没するようにしてもよい。
【0023】
また、本発明に係る排気ガス浄化触媒のその他の好適形態として、PdとMnとを含みポリアクリル酸で保護された貴金属コロイドとCeの酸化物を含みポリエチレンイミンで保護された酸化物コロイドを調製し、貴金属コロイドと酸化物コロイドを含む水溶液を水酸化ジルコニウムを含む水溶液中に入れて共沈することにより、Pdの粒子径が2[nm]以上10[nm]以下であり、Pdの中心点から半径50[nm]以内に、MnがPdの5倍モル以上、CeがPdの5倍モル以上存在し、MnとCeの少なくとも一部がPdと接し、且つ、Pdの一部がZrO、又はCe,Zrのうちの少なくとも一つの元素を含む酸化物に埋没するようにしてもよい。
【0024】
また、本発明に係る排気ガス浄化触媒のその他の好適形態として、Rhを含みポリアクリル酸で保護された貴金属コロイドとLaの酸化物を含みポリエチレンイミンで保護された酸化物コロイドを調製し、貴金属コロイドと酸化物コロイドを含む水溶液を水酸化ジルコニウムを含む水溶液中に入れて共沈することにより、Rhの粒子径が2[nm]以上10[nm]以下であり、Rhの中心点から半径50[nm]以内に、MnがRhの5倍モル以上、LaがRhの5倍モル以上存在し、MnとLaの少なくとも一部がRhと接し、且つ、Rhの一部がZrOに埋没するようにしてもよい。
【実施例】
【0025】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
【0026】
〔実施例1〕
実施例1では、始めに、(1)水/エタノール比=1の混合溶液中に界面活性剤であるポリアクリル酸を界面活性剤/溶媒比=0.15[mol/L]となるように混合して攪拌し、(2)攪拌後、ジニトロジアミン白金水溶液を加えて攪拌し、(3)攪拌後、水素化ホウ素ナトリウムを投入して2時間攪拌することにより、Ptコロイド溶液を調製した。なお、このPtコロイド溶液を乾燥し、Ptの粒子径をTEM(透過電子顕微鏡)により観察したところ、Ptの平均粒子径は2.5[nm]であった。
【0027】
次に、(1)水/エタノール比=1の混合溶液中に界面活性剤であるポリエチレンイミンを界面活性剤/溶媒比=0.15[mol/L]となるように混合して攪拌し、(2)攪拌後、酢酸Ceを加えて攪拌し、(3)攪拌後、アンモニアを投入して2時間攪拌することにより、Ceコロイド溶液を調製した。そして、Ptコロイド溶液とCeコロイド溶液を液量比(Ceコロイド溶液/Ptコロイド溶液)=10となるように混合して2時間攪拌した。
【0028】
〔実施例2〕
実施例2では、実施例1における酢酸Ceを酢酸Zrに変えることにより、Zrコロイド溶液を調製し、Ptコロイド溶液とZrコロイド溶液を同様の条件で混合,攪拌した。
【0029】
〔実施例3〕
実施例3では、実施例1におけるジニトロジアミン白金水溶液を硝酸Pdに変えることにより、Pdコロイド溶液を調製し、Pdコロイド溶液とCeコロイド溶液を同様の条件で混合,攪拌した。なお、Pdコロイド溶液を乾燥し、Pdの粒子径をTEMにより観察したところ、Pdの平均粒子径は6.5[nm]であった。
【0030】
〔実施例4〕
実施例4では、実施例3における酢酸Ceを酢酸Zrに変えることにより、Zrコロイド溶液を調製し、Pdコロイド溶液とZrコロイド溶液を同様の条件で混合,攪拌した。
【0031】
〔実施例5〕
実施例5では、実施例2におけるジニトロジアミン白金水溶液を硝酸Rhに変えることにより、Rhコロイド溶液を調製し、Rhコロイド溶液とZrコロイド溶液を同様の条件で混合,攪拌した。なお、Rhコロイド溶液を乾燥し、Rhの粒子径をTEMにより観察したところ、Rhの平均粒子径は3.2[nm]であった。
【0032】
〔実施例6〕
実施例6では、始めに、(1)水/エタノール比=1の混合溶液中に界面活性剤であるポリアクリル酸を界面活性剤/溶媒比=0.15[mol/L]となるように混合して攪拌し、(2)攪拌後、ジニトロジアミン白金水溶液を加えて攪拌し、(3)攪拌後、水素化ホウ素ナトリウムを投入して2時間攪拌することにより、Ptコロイド溶液を調製した。なお、このPtコロイド溶液を乾燥し、Ptの粒子径をTEMにより観察したところ、Ptの平均粒子径は2.5[nm]であった。
【0033】
次に、(1)水/エタノール比=1の混合溶液中に界面活性剤であるポリエチレンイミンを界面活性剤/溶媒比=0.15[mol/L]となるように混合して攪拌し、(2)攪拌後、酢酸Mnを加えて攪拌し、(3)攪拌後、アンモニアを投入して2時間攪拌することにより、Mnコロイド溶液を調製した。そして、Ptコロイド溶液とMnコロイド溶液を液量比(Mnコロイド溶液/Ptコロイド溶液)=10となるように混合して2時間攪拌した。
【0034】
〔実施例7〕
実施例7では、実施例6における酢酸Mnを硝酸Feに変えることにより、Feコロイド溶液を調製し、Ptコロイド溶液とFeコロイド溶液を同様の条件で混合,攪拌した。
【0035】
〔実施例8〕
実施例8では、実施例6における酢酸Mnを硝酸Coに変えることにより、Coコロイド溶液を調製し、Ptコロイド溶液とCoコロイド溶液を同様の条件で混合,攪拌した。
【0036】
〔実施例9〕
実施例9では、実施例6における酢酸Mnを硝酸Niに変えることにより、Niコロイド溶液を調製し、Ptコロイド溶液とNiコロイド溶液を同様の条件で混合,攪拌した。
【0037】
〔実施例10〕
実施例10では、始めに、(1)水/エタノール比=1の混合溶液中に界面活性剤であるポリアクリル酸を界面活性剤/溶媒比=0.15[mol/L]となるように混合して攪拌し、(2)攪拌後、ジニトロジアミン白金水溶液と硝酸Mnをモル比(Mn/Pt)=15となるように混合して攪拌し、(3)攪拌後、水素化ホウ素ナトリウムを投入して2時間攪拌することにより、Pt−Mnコロイド溶液を調製した。
【0038】
次に、(1)水/エタノール比=1の混合溶液中に界面活性剤であるポリエチレンイミンを界面活性剤/溶媒比=0.15[mol/L]となるように混合して攪拌し、(2)攪拌後、酢酸Ceと酢酸Zrをモル比(Ce/Zr)=3となるように混合して攪拌し、(3)攪拌後、アンモニアを投入して2時間攪拌することにより、Ce−Zrコロイド溶液を調製した。そして、Pt−Mnコロイド溶液とCe−Zrコロイド溶液を液量比(Pt−Mnコロイド溶液/Ce−Zrコロイド溶液)=10となるように混合して2時間攪拌した。
【0039】
〔実施例11〕
実施例11では、実施例10における硝酸Mnを硝酸Feに変えることにより、Pt−Feコロイド溶液を調製し、Pt−Feコロイド溶液とCe−Zrコロイド溶液を同様の条件で混合,攪拌した。
【0040】
〔実施例12〕
実施例12では、実施例10における硝酸Mnを硝酸Coに変えることにより、Pt−Coコロイド溶液を調製し、Pt−Coコロイド溶液とCe−Zrコロイド溶液を同様の条件で混合,攪拌した。
【0041】
〔実施例13〕
実施例13では、実施例10における硝酸Mnを硝酸Niに変えることにより、Pt−Niコロイド溶液を調製し、Pt−Niコロイド溶液とCe−Zrコロイド溶液を同様の条件で混合,攪拌した。
【0042】
〔実施例14〕
実施例14では、実施例10における酢酸Ceを酢酸Laに変え、モル比(Zr/La)=9となるように酢酸Zrと酢酸Laを混合して攪拌することにより、Zr−Laコロイド溶液を調製し、Pt−Mnコロイド溶液とZr−Laコロイド溶液を同様の条件で混合,攪拌した。
【0043】
〔実施例15〕
実施例15では、実施例10における酢酸Ceを酢酸Ceと酢酸Laに変え、モル比(Ce/Zr/La)=3:1:0.1となるように酢酸Ce,酢酸Zr,及び酢酸Laを混合して攪拌することにより、Ce−Zr−Laコロイド溶液を調製し、Pt−Mnコロイド溶液とCe−Zr−Laコロイド溶液を同様の条件で混合,攪拌した。
【0044】
〔実施例16〕
実施例16では、実施例10におけるジニトロジアミン白金水溶液を硝酸Pdに変えることにより、Pd−Mnコロイド溶液を調製し、Pd−Mnコロイド溶液とCe−Zrコロイド溶液を同様の条件で混合,攪拌した。
【0045】
〔実施例17〕
実施例17では、実施例10におけるジニトロジアミン白金水溶液と硝酸Mnを硝酸Rhに変えることにより、Rhコロイド溶液を調製し、Rhコロイド溶液とCe−Zrコロイド溶液を同様の条件で混合,攪拌した。
【0046】
〔実施例18〕
実施例18では、始めに、(1)ポリアクリル酸とジニトロジアミン白金水溶液をエチレングリコール中に投入し、攪拌しながらpH=10になるようにNaOH水溶液を滴下し、160[℃]で3時間加熱することにより平均粒子径2.3[nm]のPt微粒子を生成し、(2)Pt微粒子をメンブランフィルターで洗浄した後、水:エチレングリコール:エタノール=1:1:1の溶液中にPt微粒子を投入し、(3)溶液中に水素ガスを2時間バブリングすることによりPt微粒子表面に水素を吸着させ、(4)溶液中に硝酸Coを投入して5時間攪することにより、最終的にCoによって被覆されたPt微粒子のコロイド溶液(Pt−Coコアシェルコロイド溶液)を調製した。なお、得られたCo被覆微粒子の平均粒子径は3.4[nm]であった。
【0047】
次に、(1)水/エタノール比=1の混合溶液中に界面活性剤であるポリエチレンイミンを界面活性剤/溶媒比=0.15[mol/L]となるように混合して攪拌し、(2)攪拌後、酢酸Ceと酢酸Zrをモル比(Ce/Zr)=3となるように混合して攪拌し、(3)攪拌後、アンモニアを投入して2時間攪拌することにより、Ce−Zrコロイド溶液を調製した。そして、Pt−Coコアシェルコロイド溶液とCe−Zrコロイド溶液を液量比(Ce−Zrコロイド溶液/Pt−Coコアシェルコロイド溶液)=10となるように混合して2時間攪拌した。
【0048】
〔実施例19〕
実施例19では、(1)アルミニウムイソプロポキシドを2−メチル−2,4−ペンタンジオールに溶解し、(2)溶液を120[℃]に加熱,攪拌し、(3)溶液に実施例10において作製した混合コロイド溶液を加えて加水分解を行い、(4)加水分解の結果得られたゲルを150[℃]で減圧乾燥した後、300[℃]及び400[℃]で1時間ずつ焼成した。
【0049】
〔実施例20〕
実施例20では、始めに、(1)水/エタノール比=1の混合溶液中に界面活性剤であるポリアクリル酸を界面活性剤/溶媒比=0.15[mol/L]となるように混合して攪拌し、(2)攪拌後、ジニトロジアミン白金水溶液と硝酸Mnをモル比(Mn/Pt)=15となるように混合して攪拌し、(3)攪拌後、水素化ホウ素ナトリウムを投入して2時間攪拌することにより、Pt−Mnコロイド溶液を調製した。
【0050】
次に、(1)水/エタノール比=1の混合溶液中に界面活性剤であるポリエチレンイミンを界面活性剤/溶媒比=0.15[mol/L]となるように混合して攪拌し、(2)攪拌後、酢酸Ceを加えて攪拌し、(3)攪拌後、アンモニアを投入して2時間攪拌することにより、Ceコロイド溶液を調製した。そして、Pt−Mnコロイド溶液とCeコロイド溶液を液量比(Ceコロイド溶液/Pt−Mnコロイド溶液)=10となるように混合して2時間攪拌した。
【0051】
次に、(1)水に硝酸Zrを溶解させて攪拌し、(2)Pt−Mnコロイド溶液とCeコロイド溶液の混合コロイド溶液を溶液に加えた後、アンモニアを加えて攪拌し、(3)溶液中の沈殿物を水洗いした後に、150[℃]で乾燥、400[℃]で1時間焼成した。
【0052】
〔実施例21〕
実施例21では、実施例20における酢酸Ceを酢酸Laに変えることにより、Laコロイド溶液を調製し、以下実施例20と同様の処理を行った。
【0053】
〔実施例22〕
実施例22では、実施例19における処理(3)において実施例10の混合コロイド溶液を使用した。
【0054】
〔実施例23〕
実施例23では、実施例20のジニトロジアミン白金水溶液を硝酸Pdに変えることにより、Pd−Mnコロイド溶液を調製し、以下実施例20と同様の処理を行った。
【0055】
〔実施例24〕
実施例24では、始めに、(1)水/エタノール比=1の混合溶液中に界面活性剤であるポリアクリル酸を界面活性剤/溶媒比=0.15[mol/L]となるように混合して攪拌し、(2)攪拌後、硝酸Rh水溶液を混合して攪拌し、(3)攪拌後、水素化ホウ素ナトリウムを投入して2時間攪拌することにより、Rhコロイド溶液を調製した。
【0056】
次に、(1)水/エタノール比=1の混合溶液中に界面活性剤であるポリエチレンイミンを界面活性剤/溶媒比=0.15[mol/L]となるように混合して攪拌し、(2)攪拌後、酢酸Laを加えて攪拌し、(3)攪拌後、アンモニアを投入して2時間攪拌することにより、Laコロイド溶液を調製した。そして、Rhコロイド溶液とLaコロイド溶液を液量比(Laコロイド溶液/Rhコロイド溶液)=10となるように混合して2時間攪拌した。
【0057】
次に、(1)水に硝酸Zrを溶解させて攪拌し、(2)Rhコロイド溶液とLaコロイド溶液の混合液を溶液に加えた後、アンモニアを加えて攪拌し、(3)溶液中の沈殿物を水洗いした後に、150[℃]で乾燥、400[℃]で1時間焼成した。
【0058】
〔実施例25〕
実施例25では、実施例19における処理(3)において実施例18の混合コロイド溶液を使用した。
【0059】
〔比較例1〕
比較例1では、(1)比表面積が200[mm/g]のアルミナに酢酸Ceと酢酸Zrを同時に含浸して攪拌し、(2)150[℃]で乾燥後、400[℃]で1時間焼成することによりCe,Zr含浸アルミナを調製し、(3)Ce,Zr含浸アルミナにジニトロジアミンPtと硝酸Mnを同時に含浸し、(4)150[℃]で乾燥した後、400[℃]で1時間焼成することにより、Pt,Mn/Ce−Zr−アルミナを調製した。なお、Pt,Mn,Ce,Zrの量は実施例19における量と同じである。
【0060】
〔比較例2〕
比較例2では、(1)比表面積が70[mm/g]のジルコニアに酢酸Ceを含浸して攪拌し、(2)150[℃]で乾燥後、400[℃]で1時間焼成することによりCe含浸ジルコニアを調製し、(3)Ce含浸ジルコニアにジニトロジアミンPtと硝酸Mnを同時に含浸し、(4)150[℃]で乾燥した後、400[℃]で1時間焼成することにより、Pt,Mn/Ce−ジルコニアを調製した。なお、Pt,Mn,Ceの量は実施例20における量と同じである。
【0061】
〔比較例3〕
比較例2では、(1)比表面積が70[mm/g]のジルコニアに酢酸Laを含浸して攪拌し、(2)150[℃]で乾燥後、400[℃]で1時間焼成することによりLa含浸ジルコニアを調製し、(3)La含浸ジルコニアにジニトロジアミンPtと硝酸Mnを同時に含浸し、(4)150[℃]で乾燥した後、400[℃]で1時間焼成することにより、Pt,Mn/La−ジルコニアを調製した。なお、Pt,Mn,Laの量は実施例21における量と同じである。
【0062】
〔比較例4〕
比較例4では、(1)比表面積が200[mm/g]のアルミナに酢酸Ceと酢酸Zrを同時に含浸して攪拌し、(2)150[℃]で乾燥後、400[℃]で1時間焼成することによりCe,Zr含浸アルミナを調製し、(3)Ce,Zr含浸アルミナに硝酸Pdと硝酸Mnを同時に含浸し、(4)150[℃]で乾燥した後、400[℃]で1時間焼成することにより、Pd,Mn/Ce−Zr−アルミナを調製した。なお、Pt,Mn,Ce,Zrの量は実施例22における量と同じである。
【0063】
〔比較例5〕
比較例5では、(1)比表面積が70[mm/g]のジルコニアに酢酸Ceを含浸して攪拌し、(2)150[℃]で乾燥後、400[℃]で1時間焼成することによりCe含浸アルミナを調製し、(3)Ce含浸アルミナに硝酸Pdと硝酸Mnを同時に含浸し、(4)150[℃]で乾燥した後、400[℃]で1時間焼成することにより、Pd,Mn/Ce−ジルコニアを調製した。なお、Pd,Mn,Ceの量は実施例23における量と同じである。
【0064】
〔比較例6〕
比較例6では、(1)比表面積が70[mm/g]のジルコニアに酢酸Laを含浸して攪拌し、(2)150[℃]で乾燥後、400[℃]で1時間焼成することによりLa含浸アルミナを調製し、(3)La含浸アルミナに硝酸Rhを同時に含浸し、(4)150[℃]で乾燥した後、400[℃]で1時間焼成することにより、Rh/La−ジルコニアを調製した。なお、Rh,Laの量は実施例24における量と同じである。
【0065】
〔試験結果〕
以下の表1に示すモデルガスを用いて、実施例19〜25及び比較例1〜6の排ガス浄化触媒それぞれについて、10[℃/分]の昇温速度で室温から400[℃]まで昇温した時の50%転化率温度(耐久後HC温度,耐久後CO温度,耐久後NOx温度)を測定した。この結果、以下の表2に示すように、実施例19〜25の排ガス浄化触媒の50%転化率温度は、比較例1〜6の排ガス浄化触媒の50%転化率温度よりも低く、実施例19〜25の排ガス浄化触媒の排ガス浄化能力が、比較例1〜6の排ガス浄化触媒の排ガス浄化能力よりも高いことがわかる。従って、実施例19〜25の排ガス浄化触媒によれば、少ない貴金属量で耐久性を向上し、且つ、目的の触媒活性点を得ることができる。
【表1】

【表2】

【0066】
以上、本発明者らによってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、この実施の形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、上記実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の一実施形態となる微粒子の配列方法を説明するための模式図である。
【図2】粒子径の変化に伴う貴金属粒子の融点の変化を示す図である。
【図3】粒子径の変化に伴う白金粒子のNOx転化率の変化を示す図である。
【符号の説明】
【0068】
1:貴金属コロイド
2:酸化物コロイド
3:Mn
4:Pt
5:ポリマー(保護材)A
6:Zr
7:Ce
8:ポリマー(保護材)B
9:コロイド複合体
10:Ce−Zr−Ox

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種類の元素の金属粒子,酸化物,又は複合体粒子が保護材によって保護された2種類以上のコロイドを調製し、各コロイドの保護材は種類が異なるコロイドの保護材と親和性を有する分子を含み、前記2種類以上のコロイドを溶液中に分散させ、保護材間に働く親和力によって異なるコロイド同士が寄り集まる現象を利用して金属粒子,酸化物,又は複合体粒子を配列することを特徴とする微粒子の配列方法。
【請求項2】
請求項1に記載の微粒子の配列方法であって、
前記親和力によって寄り集まった複数のコロイドを少なくとも1種類の元素の金属,酸化物,又は複合体粒子によって被覆することを特徴とする微粒子の配列方法。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の微粒子の配列方法であって、
前記分子は、カルボキシル基を有するポリマー又はアミン基を有するポリマーであることを特徴とする微粒子の配列方法。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のうち、いずれか1項に記載の微粒子の配列方法であって、
前記金属粒子,酸化物,又は複合体粒子の粒子径は2[nm]以上10[nm]以下であることを特徴とする微粒子の配列方法。
【請求項5】
{Pt,Pd,Rh}の中から選ばれる少なくとも1種類の貴金属を含みポリアクリル酸で保護された貴金属コロイドと、{Ce,La,Zr,Mn,Fe,Co,Ni}の中から選ばれる少なくとも1種類の元素の酸化物を含みポリエチレンイミンで保護された酸化物コロイドを調製し、ポリアクリル酸とポリエチレンイミン間に働く親和力によって貴金属コロイドと酸化物コロイドを溶液中に分散させ、貴金属コロイドの周囲に酸化物コロイドを配列させることにより、{Pt,Pd,Rh}の中から選ばれる少なくとも1種類の貴金属の周囲に{Ce,La,Zr,Mn,Fe,Co,Ni}の中から選ばれる少なくとも1種類の元素の酸化物を配列することを特徴とする微粒子の配列方法。
【請求項6】
{Pt,Pd,Rh}の中から選ばれる少なくとも1種類の貴金属と{Mn,Fe,Co,Ni}の中から選ばれる少なくとも1種類の元素とを含みポリアクリル酸で保護された貴金属コロイドと、{Ce,LA,Zr}の中から選ばれる少なくとも1種類の元素の酸化物を含みポリエチレンイミンで保護された酸化物コロイドを調製し、貴金属コロイドと酸化物コロイドを溶液中に分散させ、ポリアクリル酸とポリエチレンイミン間に働く親和力によって貴金属コロイドの周囲に酸化物コロイドを配列させることにより、{Pt,Pd,Rh}の中から選ばれる少なくとも1種類の貴金属と{Mn,Fe,Co,Ni}の中から選ばれる少なくとも1種類の元素の周囲に{Ce,La,Zr}の中から選ばれる少なくとも1種類の元素の酸化物を配列することを特徴とする微粒子の配列方法。
【請求項7】
請求項6に記載の微粒子の配列方法であって、
前記貴金属コロイドは、{Pt,Pd,Rh}の中から選ばれる少なくとも1種類の貴金属がコア、{Mn,Fe,Co,Ni}の中から選ばれる少なくとも1種類の元素がシェルのコアシェル構造を有することを特徴とする微粒子の配列方法。
【請求項8】
請求項5乃至請求項7のうち、いずれか1項に記載の微粒子の配列方法であって、
前記貴金属コロイドの周囲に配列された前記酸化物コロイドの周囲に{Al,Ce,Zr,Si,Ti}の中から選ばれる少なくとも1種類の元素の酸化物を配列することを特徴とする微粒子の配列方法。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のうち、いずれか1項に記載の微粒子の配列方法を利用して形成されたことを特徴とする排気ガス浄化触媒。
【請求項10】
請求項9に記載の排気ガス浄化触媒であって、
前記貴金属の粒子径は2[nm]以上10[nm]以下であり、当該貴金属と{Ce,La,Zr}の中から選ばれる少なくとも1種類の元素の一部と{Mn,Fe,Co,Ni}の中から選ばれる少なくとも1種類の元素の一部とが接し、貴金属の中心点から半径50[nm]の範囲内に、{Ce,La,Zr}の中から選ばれる少なくとも1種類の元素及び{Mn,Fe,Co,Ni}の中から選ばれる少なくとも1種類の元素が貴金属の5倍モル以上存在することを特徴とする排気ガス浄化触媒。
【請求項11】
請求項10に記載の排気ガス浄化触媒であって、
前記貴金属の一部が、{Al,Ce,Zr,Si,Ti}の中から選ばれる少なくとも1種類の元素の酸化物中に埋没していることを特徴とする排気ガス浄化触媒。
【請求項12】
PtとMnとを含みポリアクリル酸で保護された貴金属コロイドとCeとZrの酸化物を含みポリエチレンイミンで保護された酸化物コロイドを調製し、貴金属コロイドと酸化物コロイドを含む水溶液をアルミニウムイソプロポキシドを含むアルコール溶液中に入れて加水分解することにより形成された、Ptの粒子径が2[nm]以上10[nm]以下であり、Ptの中心点から半径50[nm]以内に、MnがPtの5倍モル以上、CeとZrがPtの5倍モル以上存在し、Mn,Ce,Zrの少なくとも一部がPtと接し、且つ、Ptの一部がAl、又はCe,Zrのうちの少なくとも一つの元素を含む酸化物に埋没していることを特徴とする排気ガス浄化触媒。
【請求項13】
PtとMnとを含みポリアクリル酸で保護された貴金属コロイドとCeの酸化物を含みポリエチレンイミンで保護された酸化物コロイドを調製し、貴金属コロイドと酸化物コロイドを含む水溶液を水酸化ジルコニウムを含む水溶液中に入れて共沈することにより形成された、Ptの粒子径が2[nm]以上10[nm]以下であり、Ptの中心点から半径50[nm]以内に、MnがPtの5倍モル以上、CeがPtの5倍モル以上存在し、MnとCeの少なくとも一部がPtと接し、且つ、Ptの一部がZrO、又はCe,Zrのうちの少なくとも一つの元素を含む酸化物に埋没していることを特徴とする排気ガス浄化触媒。
【請求項14】
PtとMnとを含みポリアクリル酸で保護された貴金属コロイドとLaの酸化物を含みポリエチレンイミンで保護された酸化物コロイドを調製し、貴金属コロイドと酸化物コロイドを含む水溶液を水酸化ジルコニウムを含む水溶液中に入れて共沈することにより形成された、Ptの粒子径が2[nm]以上10[nm]以下であり、Ptの中心点から半径50[nm]以内に、MnがPtの5倍モル以上、LaがPtの5倍モル以上存在し、MnとLaの少なくとも一部がPtと接し、且つ、Ptの一部がZrOに埋没していることを特徴とする排気ガス浄化触媒。
【請求項15】
PdとMnとを含みポリアクリル酸で保護された貴金属コロイドとCeとZrの酸化物を含みポリエチレンイミンで保護された酸化物コロイドを調製し、貴金属コロイドと酸化物コロイドを含む水溶液をアルミニウムイソプロポキシドを含むアルコール溶液中に入れて加水分解することにより形成された、Pdの粒子径が2[nm]以上10[nm]以下であり、Pdの中心点から半径50[nm]以内に、MnがPdの5倍モル以上、CeとZrがPdの5倍モル以上存在し、Mn,Ce,Zrの少なくとも一部がPdと接し、且つ、Pdの一部がAl、又はCe,Zrのうちの少なくとも一つの元素を含む酸化物に埋没していることを特徴とする排気ガス浄化触媒。
【請求項16】
PdとMnとを含みポリアクリル酸で保護された貴金属コロイドとCeの酸化物を含みポリエチレンイミンで保護された酸化物コロイドを調製し、貴金属コロイドと酸化物コロイドを含む水溶液を水酸化ジルコニウムを含む水溶液中に入れて共沈することにより形成された、Pdの粒子径が2[nm]以上10[nm]以下であり、Pdの中心点から半径50[nm]以内に、MnがPdの5倍モル以上、CeがPdの5倍モル以上存在し、MnとCeの少なくとも一部がPdと接し、且つ、Pdの一部がZrO、又はCe,Zrのうちの少なくとも一つの元素を含む酸化物に埋没していることを特徴とする排気ガス浄化触媒。
【請求項17】
Rhを含みポリアクリル酸で保護された貴金属コロイドとLaの酸化物を含みポリエチレンイミンで保護された酸化物コロイドを調製し、貴金属コロイドと酸化物コロイドを含む水溶液を水酸化ジルコニウムを含む水溶液中に入れて共沈することにより形成された、Rhの粒子径が2[nm]以上10[nm]以下であり、Rhの中心点から半径50[nm]以内に、MnがRhの5倍モル以上、LaがRhの5倍モル以上存在し、MnとLaの少なくとも一部がRhと接し、且つ、Rhの一部がZrOに埋没していることを特徴とする排気ガス浄化触媒。
【請求項18】
請求項1乃至請求項9のうち、いずれか1項に記載の微粒子の配列方法を利用して形成されたことを特徴とする電極触媒。
【請求項19】
請求項1乃至請求項9のうち、いずれか1項に記載の微粒子の配列方法を利用して形成されたことを特徴とする磁性体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−272250(P2006−272250A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−98610(P2005−98610)
【出願日】平成17年3月30日(2005.3.30)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】