説明

微粒子を処理する方法

多相分散系を処理する方法が提供される。該方法は、分散相および連続相を含む多相分散系を用意する工程、該多相分散系を、加圧することができるチャンバー内に置く工程、該チャンバーを第1のガスで該ガスの超臨界圧未満の圧力に加圧する工程、ならびに該多相分散系を該第1のガスと接触させる工程を含む。該多相分散系を該チャンバー内に置く工程は、該分散系を抽出バスケットにロードする工程を含む。該チャンバーは10バールを超える圧力に加圧される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、微粒子、微粒子を含む組成物および製剤、より詳細にはこのような組成物および製剤を処理するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書で「微粒子」と総称して言及される微粒子、ミクロスフェア、およびマイクロカプセルは、1ミリメートル未満、より好ましくは100ミクロン未満の直径を有する固体または半固体であり、種々のポリマーおよびタンパク質(これらに限定されない)を含む種々の物質から形成することができる。微粒子は、様々な用途、主に分離、診断、および薬物送達において用いられてきた。
【0003】
分離技術で用いられる微粒子の最も周知な例は、ポリアクリルアミド、ヒドロキシアパタイト、またはアガロースなどの合成またはタンパク質起源のポリマーから形成されるものである。これらのポリマー微粒子は一般に、分子量および/またはイオン電荷に基づいて、あるいは微粒子に化学的に結合させた分子との相互作用によってタンパク質などの分子を分離するために用いられている。
【0004】
診断分野において、球形ビーズまたは粒子は、多年にわたって生化学者のための手段として市販されてきた。例えば、微粒子は、酵素、酵素に対する基質、または標識抗体で誘導体化され、次いで、分子と相互作用して、直接または間接に検出される。いくつかの誘導体化ビーズが市販されており、様々な構成要素および大きさを有する。
【0005】
制御された薬物送達分野では、分子は、微粒子内に被包され、またはマトリックス中に取り込まれて、その分子の制御された放出を提供してきた。相分離、溶媒蒸発、乳化、およびスプレー乾燥を含めて、多くの種々の技術が、様々なポリマーからこのような微粒子を作製するために用いられてきた。一般に、ポリマーは微粒子の支持構造を形成し、問題の薬物または分子は、その支持構造に取り込まれる。微粒子を形成するために用いられる例示的なポリマーには、乳酸およびグリコール酸のホモポリマーおよびコポリマー(PLGA)、ブロックコポリマー、ならびにポリホスファゼンが含まれる。
【0006】
特許文献1には、溶解させた相分離向上剤(複数可)を含む水性および/または水混和性溶媒(複数可)に活性剤を溶解させて、単一液相の溶液を形成する工程を含む、微粒子を形成するための相分離方法が開示されている。次いで、この溶液を、液−固相分離にかけ、該相分離向上剤(複数可)および溶媒(複数可)が該液相を含みながら、該活性剤によって、固体球状小粒子(すなわち、固相)を形成する。この‘005公開には、微粒子を含む溶液および/または濃縮微粒子を、該活性剤が不溶性であり、かつ望まれていない相分離向上剤が可溶性である液体媒体で洗浄する工程を含む、微粒子を得る方法が開示されている。開示されている液体媒体は、有機溶媒および超臨界流体を含む。代表的な洗浄方法には、透析ろ過および遠心分離が含まれる。次いで、残存する液相は通常、凍結乾燥または蒸発によって除去される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公開第2005/0170005号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態において、多相分散系を処理する方法は、分散相および連続相を含み、固体微粒子、ならびに不揮発性物質および溶媒の少なくとも一方を含む多相分散系を用意する工程、該多相分散系を、加圧することができるチャンバー内に置く工程、該チャンバーを第1のガスで10バールを超えるが該ガスの超臨界圧未満の圧力に加圧する工程、ならびに該多相分散系を該第1のガスと接触させ、それにより、該分散系から該不揮発性物質および/または該溶媒の少なくとも一部を分離する工程を含む。
【0009】
さらなる実施形態において、多相分散系を処理する方法は、分散相および連続相を含み、固体微粒子、ならびに不揮発性物質および溶媒の少なくとも一方を含む多相分散系を用意する工程、該多相分散系を抽出バスケット内に置く工程、該抽出バスケットを、加圧することができるチャンバー内に置く工程、該チャンバーを第1のガスで該ガスの超臨界圧未満の圧力に加圧する工程、該多相分散系を該第1のガスと接触させ、それにより、該不揮発性物質および/または該溶媒の少なくとも一部を、該抽出バスケットを通って流出させる工程、該チャンバーを第2のガスで該第2のガスの超臨界圧を超えるかまたはそれに等しい圧力に加圧し、および該第2のガスを加熱して、それにより、該チャンバー内に超臨界流体または臨界未満流体を得る工程、ならびに該多相分散系を該流体と接触させ、それにより、該多相分散系から残留不揮発性物質および/または溶媒を分離して、該不揮発性物質および/または該溶媒を実質的に含まない微粒子を得る工程を含む。
【0010】
さらに別の実施形態において、多相分散系を処理する方法は、(i)超臨界流体または臨界未満流体と(ii)多相分散系との組合せを、加圧することができるチャンバーの抽出バスケット中にスプレーし、それにより、固体微粒子から不揮発性物質および溶媒の少なくとも一方の少なくとも一部を分離させる工程を含み、該多相分散系は、分散相および連続相を含み、かつ該固体微粒子、ならびに該不揮発性物質および該溶媒の少なくとも一方を含む。
【0011】
本開示による例示的な態様および特徴は、唯一の図を用いて以下により詳細に記載および説明される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本開示に従って本方法を実施するための好適な装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示は、微粒子を含む組成物および製剤、ならびにこのような組成物および製剤を処理する方法に関する。本方法によれば、微粒子を反応/インキュベーション媒体から分離することができ、その結果、微粒子を収集し、ならびに/または薬剤送達、診断、分離、および他の用途に適した組成物および製剤中に取り込むことができる。
【0014】
開示される方法は、(1)不連続相または分散相(例えば、微粒子)を単一の処理で得ながら、連続相内に通常含まれる種々の成分が除去されるように、多相分散系を処理することができる、(2)微粒子からポリマー(複数可)、塩(複数可)、溶媒(複数可)、および/または賦形剤(複数可)を除去するために有機溶媒を必要としない、(3)微粒子から残留溶媒または凍結乾燥可能な溶質を除去するために、凍結乾燥および蒸発(例えば、減圧および高温下)などの費用と時間がかかるさらなる乾燥工程が必要でない、および(4)遠心分離および透析ろ過などの濃縮工程を場合によって回避することができること(これらに限定されない)を含めて、いくつかの理由について有利である。有利には、得られた微粒子は、残留ポリマー(複数可)、塩(複数可)、溶媒(複数可)、および/または賦形剤(複数可)(微粒子形成の間に添加される)を実質的に含まないことができる。したがって、開示される方法により、残留ポリマー(複数可)、塩(複数可)、溶媒(複数可)、および/または賦形剤(複数可)を実質的に含まない、実質的に100重量%の活性剤(複数可)および/または巨大分子担体(複数可)を含む微粒子の製造が容易になる。
【0015】
一実施形態において、多相分散系を処理する方法は、分散相および連続相を含み、固体微粒子、ならびに不揮発性物質および溶媒の少なくとも一方を含む多相分散系を用意する工程、該多相分散系を、加圧することができるチャンバー内に置く工程、該チャンバーを第1のガスで10バールを超えるが該ガスの超臨界圧未満の圧力に加圧する工程、ならびに該多相分散系を該第1のガスと接触させ、それにより、該分散系から該不揮発性物質および/または該溶媒の少なくも一部を分離する工程を含む。
【0016】
さらなる実施形態において、多相分散系を処理する方法は、分散相および連続相を含み、固体微粒子、ならびに不揮発性物質および溶媒の少なくとも一方を含む多相分散系を用意する工程、該多相分散系を抽出バスケット内に置く工程、該抽出バスケットを、加圧することができるチャンバー内に置く工程、該チャンバーを第1のガスで該ガスの超臨界圧未満の圧力に加圧する工程、該多相分散系を該第1のガスと接触させ、それにより、該不揮発性物質および/または該溶媒の少なくとも一部を該抽出バスケットを通して流出させる工程、該チャンバーを第2のガスで該第2のガスの超臨界圧を超えるかまたはそれに等しい圧力に加圧し、および該第2のガスを加熱し、それにより、該チャンバー内に超臨界流体または臨界未満流体を得る工程、ならびに該多相分散系を該流体と接触させ、それにより、該多相分散系から残留不揮発性物質および/または溶媒を分離して、該不揮発性物質および/または該溶媒を実質的に含まない微粒子を得る工程を含む。
【0017】
さらに別の実施形態において、多相分散系を処理する方法は、(i)超臨界流体または臨界未満流体と(ii)多相分散系との組合せを、加圧することができるチャンバーの抽出バスケット中にスプレーし、それにより、固体微粒子から不揮発性物質および溶媒の少なくとも一方の少なくとも一部を分離する工程を含み、該多相分散系は、分散相および連続相を含み、かつ該固体微粒子、ならびに該不揮発性物質および該溶媒の少なくとも一方を含む。
【0018】
本明細書で別に規定されない限り、本開示で用いられる科学および技術用語は、当業者によって一般に理解され、および用いられている意味を有するものとする。文脈により別に必要とされない限り、単数形の用語はその同一物の複数形を含むものとし、複数形の用語は、その単数形を含むものとする。具体的には、本明細書および特許請求の範囲で用いられる場合、単数形「1つ(a)」および「1つ(an)」は、文脈が明確に別に示さない限り、複数形の言及を含む。したがって、例えば、微粒子への言及は、当業者に公知のそれらの均等物も含めて、1個のこのような微粒子または複数のこのような微粒子への言及である。また、本明細書および特許請求の範囲で用いられる場合、「少なくとも1つ」および「1つまたは複数」という用語は、同じ意味を有し、1つ、2つ、3つまたはそれ以上を含む。別に示されない限り、以下の用語は、本開示の文脈で用いられる場合、以下の意味を有すると理解されるものとする。
【0019】
「分散系」は、固体または非固体連続相(例えば、流体、液体、水、有機、気体の)中に存在する少なくとも1つの分散相または不連続相(場合によって、例えば、固体微粒子の形態におけるように、細かく分けられている)を有する物質の混合物を指す。本開示による分散系の代表的な例には、固体中固体、液体中固体、気体中固体などが含まれる。分散系は、実質的に均一または非均一であり得る。懸濁液は、分散された固相(微粒子など)が、長期間(例えば、少なくとも5秒間、10秒間もしくは30秒間、例えば、数分間、数時間、数日間、数週間、数カ月間、もしくはさらに1年間またはそれ以上)連続相中に安定的に懸濁したままで(実質的に沈殿なしに)あり得る特定の分散系である。「多相分散系」は、少なくとも2相、例えば、3相またはそれ以上の相を有する分散系である。一例では、このような分散系は、1つの分散相に加えて、2種の不混和性流体(例えば、その中に溶解または分散した他の成分を場合によって含む溶媒または溶媒系)を含み得る。
【0020】
「微粒子」は、約1mm未満、例えば、約200ミクロン未満、約100ミクロン未満、約10ミクロン未満、約1ミクロン未満、約100nm未満、約10nm未満、約0.1nm超、約1nm超、およびこれらの値の間の範囲の平均幾何粒径(直径と称されることもある)を有する固体微粒子(実質的に固体または半固体を含むが、ゲル、液体および気体は除く)を指す。したがって、平均幾何粒径の適切は範囲には、約0.1nmから約1mm、約1nmから約1mm、約10nmから約1mm、約100nmから約1mm、約1ミクロンから約1mm、約10ミクロンから約1mm、約100ミクロンから約1mm、約200ミクロンから約1mm、約0.1nmから約200ミクロン、約1nmから約200ミクロン、約10nmから約200ミクロン、約100nmから約200ミクロン、約1ミクロンから約200ミクロン、約10ミクロンから約200ミクロン、約100ミクロンから約200ミクロン、約0.1nmから約100ミクロン、約1nmから約100ミクロン、約10nmから約100ミクロン、約100nmから約100ミクロン、約1ミクロンから約100ミクロン、約10ミクロンから約100ミクロン、約0.1nmから約10ミクロン、約1nmから約10ミクロン、約10nmから約10ミクロン、約100nmから約10ミクロン、約1ミクロンから約10ミクロン、約0.1nmから約1ミクロン、約1nmから約1ミクロン、約10nmから約1ミクロン、約100nmから約1ミクロン、約0.1nmから約100nm、約1nmから約100nm、約10nmから約100nm、約0.1nmから約10nm、約1nmから約10nm、および/または約0.1nmから約1nmが含まれる。平均幾何粒径は、動的光散乱法(例えば、光相関分光法、レーザ回折法、低角レーザ光散乱法(LALLS)、中角レーザ光散乱法(MALLS)、光遮蔽法(コールター分析法など)、または他の方法(レオロジー、光または電子顕微鏡など))によって測定され得る。肺送達のための微粒子は、飛行時間測定値またはアンダーセンカスケードインパクタ測定値によって決定した空気力学的粒径を有する。球形を有する微粒子は、ときに、ミクロスフェアおよびナノスフェアと称される。カプセル化構造を有する微粒子は、マイクロカプセルおよびナノカプセルと称されることもある。微粒子は、多孔性であり得、例えば、1つまたは複数の内部空隙および/または空洞を有する。他の微粒子は、非多孔性であり、および/またはこのような空隙または空洞を含まない。微粒子は、限定されないが、活性剤、担体、ポリマー、錯化剤、安定剤、賦形剤、イオン、水分、残留溶媒、不純物、副生成物、および/または製造関連化合物を含む1種または複数の物質から、部分的または全体的に形成される。微粒子は、結晶性、非晶性、微結晶性、ナノ結晶性、またはそれらの組合せであり得る。
【0021】
「活性剤」は、インビトロおよび/またはインビボで1つまたは複数の物理的、化学的、および/または生物学的作用を直接または間接に引き出すことができる天然に存在する物質、組換え物質、合成物質、または半合成物質(例えば、化合物、発酵物、抽出物、細胞構造物)を指す。活性剤は、例えば、寄生生物を破壊する、または宿主もしくは寄生生物の生理機能を実質的に変えることにより疾患もしくは異常の作用を制限するなどによって生体の異常および/または病的状態を予防し、緩和し、治療し、および/または治癒させることができる。活性剤は、生理学的身体機能を維持し、増大させ、低下させ、制限し、または破壊することができる。活性剤は、インビトロおよび/またはインビボでの試験によって生理学的状況または状態を診断することができる。活性剤は、動物または微生物を誘引し、不能にさせ、阻害し、殺し、変性し、撃退しおよび/または遅延させることによって、環境または生体を制御または保護することができる。活性剤は、身体を別の方法で治療する(脱臭、保護、装飾、手入れするなど)ことができる。その作用および/または用途に依存して、活性剤はさらに、生物活性剤、薬剤(予防薬、治療剤など)、診断薬、栄養剤、および/または化粧剤と称することができ、限定なしに、プロドッグ、アフィニティー分子、合成有機分子、ポリマー、2kD以下の分子量を有する分子(約1.5kD未満または約1kD未満の分子量を有するものなど)、巨大分子(約2kDより大きい、例えば、約5kDより大きいか、または約2kDから約5kDの分子量を有するものなど)、タンパク質様化合物、ペプチド、ビタミン、ステロイド、ステロイド類似体、脂質、核酸、炭水化物、それらの前駆体、およびそれらの誘導体を含む。活性剤は、イオン性または非イオン性であることができ、中性、正に帯電、負に帯電、または双性であることができ、単独で用いても、それらの2つ以上を組み合わせて用いてもよい。活性剤は、水不溶性または水溶性であることができる。活性剤は、7.0以上、または7.0未満の等電点をもつことができる。
【0022】
「タンパク質様化合物」は、タンパク質またはそれに構造的および/もしくは機能的に関連した天然、合成、半合成、もしくは組換え化合物、例えば、ペプチド結合を介して共有結合されたα−アミノ酸を含むまたはそれから本質的になるものなどを指す。非限定的なタンパク質様化合物には、球状タンパク質(例えば、アルブミン、グロブリン、ヒストン)、繊維状タンパク質(例えば、コラーゲン、エラスチン、ケラチン)、化合物タンパク質(1つまたは複数の非ペプチド成分を含むもの、例えば、糖タンパク質、核タンパク質、ムコタンパク質、リポタンパク質、金属タンパク質を含む)、治療用タンパク質、融合タンパク質、受容体、抗原(合成または組換え抗原など)、ウイルス表面タンパク質、ホルモンおよびホルモン類似体、抗体(モノクローナルまたはポリクローナル抗体など)、酵素、Fabフラグメント、環状ペプチド、線状ペプチドなどが含まれる。非限定的な治療用タンパク質には、骨形成タンパク質、薬物耐性タンパク質、トキソイド、エリスロポエチン、血液凝固カスケードのタンパク質(例えば、第VII因子、第VIII因子、第IX因子など)、サブチリシン、オボアルブミン、アルファ−1−アンチトリプシン(AAT)、DNase、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)、リゾチーム、リボヌクレアーゼ、ヒアルロニダーゼ、コラゲナーゼ、ヒト成長ホルモン(hGH)、エリスロポエチン、インスリン、インスリン様成長因子、インターフェロン、グラチラマー、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、顆粒球コロニー刺激因子、デスモプレシン、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)アゴニスト(例えば、ロイプロリド、ゴセレリン、ブセレリン、ゴナドレリン、ヒストレリン、ナファレリン、デスロレリン、フェルチレリン、トリプトレリン)、LHRHアンタゴニスト、バソプレシン、シクロスポリン、カルシトニン、副甲状腺ホルモン、副甲状腺ホルモンペプチド、グルコゲン様ペプチド、およびそれらの類似体が含まれる。タンパク質様化合物は、中性、正に帯電、負に帯電、または双性であってもよく、単独で用いても、それらの2種以上を組み合せて用いてもよい。
【0023】
「核酸」は、2つ以上の同じまたは異なるヌクレオチドから少なくとも部分的に形成された天然、合成、半合成、または組換え化合物を指し、単鎖または二本鎖であり得る。核酸の非限定的な例には、オリゴヌクレオチド(20以下の塩基対を有するもの、例えば、センス、アンチセンス、またはミスセンスなど)、アプタマー、ポリヌクレオチド(例えば、センス、アンチセンス、またはミスセンス)、DNA(例えば、センス、アンチセンス、またはミスセンス)、RNA(例えば、センス、アンチセンス、またはミスセンス)、siRNA、ヌクレオチド酸構築物、それらの単鎖または二本鎖セグメント、ならびにそれらの前駆体および誘導体(例えば、糖化、過剰糖化、PEG化、FITC標識された、ヌクレオシド、それらの塩)が含まれる。核酸は、中性、正に帯電、負に帯電、または双性であってもよく、単独で用いても、それらの2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0024】
「巨大分子」は、三次元(例えば、三次および/または四次の)構造を与えることができる物質を指し、担体および本開示のある種の活性剤を含む。巨大分子は通常、2kD以上、例えば、5kD超または2kDと5kDの間の分子量を有する。微粒子を形成するために用いられる非限定的な巨大分子には、とりわけ、ポリマー、コポリマー、タンパク質(例えば、酵素、組換えタンパク質、ヒト血清アルブミンなどのアルブミン、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、タンパク質様化合物)、ペプチド、脂質、炭水化物(例えば、単糖、二糖、多糖)、核酸、ベクター(例えば、ウイルス、ウイルス粒子)、ならびにそれらの複合体および結合体(例えば、2つの巨大分子間(例えば、炭水化物−タンパク質複合体もしくは結合体)の、または活性剤と巨大分子(例えば、ハプテン−タンパク質複合体もしくは結合体)との間の共有結合および/または非共有結合)が含まれる。巨大分子は、中性、正に帯電、負に帯電、または双性であってもよく、単独で用いてもそれらの2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0025】
「担体」は、ミクロスフェアに三次元構造(三次および/または四次構造を含む)を与える主な機能を有する化合物(通常巨大分子)を指す。担体は、上に記載されたとおりの微粒子を形成する際に活性剤と会合していなくても、または会合していてもよい(その結合体または複合体など)。担体はさらに、例えば、活性剤である、微粒子からのその活性剤の放出プロファイルを変更する、そして/または微粒子に1つもしくは複数の特定の性質を付与する(正味の表面電荷に少なくとも部分的に寄与するなど)などの他の機能を与え得る。一例では、担体は、1,500ダルトン以上の分子量を有するタンパク質(例えば、ヒト血清アルブミンなどのアルブミン)である。
【0026】
「ポリマー」または「ポリマーの」は、少なくとも1つの主鎖、分岐、または環状構造中に2つ以上の繰返しモノマー単位を有する天然、組換え、合成または半合成分子を指す。ポリマーには広く、二量体、三量体、四量体、オリゴマー、高分子量ポリマー、付加体、ホモポリマー、ランダムコポリマー、擬コポリマー、統計コポリマー、交互コポリマー、周期コポリマー、二元重合体、三元重合体、四元重合体、コポリマーの他の形態、それらの置換誘導体、およびそれらの混合物が含まれる。一態様において、ポリマーおよびポリマーのという用語は、10以上の繰返しモノマー単位を有する分子を指す。ポリマーは、線状、分岐、ブロック、グラフト、単分散、多分散、規則性、不規則性、タクチック、イソタクチック、シンジオタクチック、立体規則性、アタクチック、立体障害、単鎖、二本鎖、星形、櫛形、樹状、および/またはイオノマーであることができ、イオン性または非イオン性であることができ、中性、正に帯電、負に帯電、または双性であることができ、単独で用いてもそれらの2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0027】
「球状の」は、少なくとも「実質的に球状」である幾何学的形状を指す。「実質的に球状の」は、幾何中心を通る任意の断面上の最長長さ(すなわち、外周上の2点間の1つで、その形状の幾何中心を通る)対最短長さの比が、約1.5未満、例えば、約1.33未満、または約1.25未満であることを意味する。したがって、球状は、対称線を必要としない。さらに、微粒子は、表面組織性(微粒子の全体の大きさと比較した場合、一定の割合で小さい連続または不連続の線、島、格子、くぼみ、溝開口、隆起など)を有することができ、なお球状と考えることができる。微粒子が球状である場合、微粒子間の表面接触は最小化され、したがって、微粒子の望ましくない集塊は通常最小化される。相対的に、非球状結晶または薄片である微粒子は通常、相対的に大きな平面におけるイオン性および/または非イオン性相互作用を介して観測可能な集塊を示す。
【0028】
「固体」は、少なくとも実質的な固体および/または半固体を含むが、液体および気体を除く状態を指す。
【0029】
「周囲温度」は、室温付近の、通常約20℃から約40℃、例えば、約20℃から約25℃の範囲の温度を指す。
【0030】
「から形成される(formed from)」および「から形成される(formed of)」は、オープンランゲージを意味する。したがって、列挙された成分のリストから形成される(formed from;formed of)組成物は、少なくともこれらの列挙された成分を含む組成物であり、該組成物の配合の間におよび/または最終の得られた生成物において他の列挙されていない成分をさらに含むことができることが意図される。
【0031】
「超臨界流体」は、その臨界圧力を超える圧力およびその臨界温度を超える温度を有する(すなわち、温度および圧力の両方が、その流体の臨界点を超えている)流体を指す。
【0032】
「臨界未満流体」は、約0.95と約1.0との間の臨界未満温度比を有する流体または凝縮相を指し、ここで、該臨界未満温度比は、実際の温度を臨界温度で除した値(TR臨界未満=T実際/T)に等しい。あるいは、「臨界未満流体」は、約0.95と約1.0との間の臨界未満圧力比を有する流体または凝縮相を指し、ここで、該臨界未満圧力比は、実際の圧力を臨界温度で除した値(PR臨界未満=P実際/P)に等しい。
【0033】
別に明示的に断らない限り、物質の量、時間、温度、反応条件、量の比、分子量の値(数平均分子量Mか重量平均分子量Mにかかわらず)および本明細書で開示されるその他のものについてなどの数値範囲、量、値およびパーセンテージのすべては、「約」が本明細書における前記範囲、量、値、およびパーセンテージと組み合わせて明示的に用いられないとしても、「約」という用語によってすべての場合に修飾されていると理解されるべきである。したがって、特に断らない限り、本開示および添付の特許請求の範囲で示される数値パラメータは、変わり得る近似値である。最低限でも、各数値パラメータは少なくとも、報告された有効数字に照らして、および通常の四捨五入の技法を適用することによって解釈されるべきである。
【0034】
本開示の広い範囲を示す数値範囲およびパラメータが近似値であるにもかかわらず、具体的な実施例で示される数値は、可能な限り正確に報告される。しかし、そのそれぞれの試験測定において見られる標準偏差のために、任意の数値は本質的にいくらか不確かである。さらに、様々な範囲の数値範囲が本明細書で示される場合、列挙された値を含むこれらの値の任意の組合せは、本開示の教示に従って用いることができることが企図される。
【0035】
「例えば、〜など(such as)」および「例えば(e.g.)」に続くものを含めて、本明細書で与えられる例は、本開示およびその実施形態の様々な態様および特徴の単に説明的なものと考えられ、したがって、言及される用語または語句のいずれの範囲も変更するものではない。当業者に公知のおよび/または入手できるそれらのいずれの適当な均等、変更、および修正(物質(material)、物質(substance)、構築物、組成物、製剤、手段、方法、条件などを含む)も本明細書で開示されるものの代わりに、またはそれと組み合わせて使用または実施することができ、本開示の範囲内であると考えられる。その全体で本開示を通して、「例」、「例(複数)」、「例えば、〜など」、「例えば」、およびそれらの同様のものに続く、本明細書で開示される1つ、2つ、またはそれ以上の特徴および態様のいずれもおよびすべては、明示的または暗示的に、当業者によって理解されて適切な場合はいつでもどこでも、それらの2つ、3つ、またはそれ以上の任意の組合せ(それらの均等、変更、および修正を含む)で実施され得る。したがって、本明細書で開示される具体的な詳細は、限定的ではなく、単に特許請求の範囲に対する根拠として、および当業者によって理解されるような実質的に任意の適当な仕方で本開示の態様および特徴を様々に用いるために当業者に教示するための典型的な根拠として解釈されるべきである。
【0036】
微粒子
非限定的な微粒子、微粒子を作製するための物質および方法、微粒子を含む組成物および製剤、ならびにこのような微粒子、組成物、および製剤の有用性は、それらの開示がそれらの全体で参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,525,519号、同第5,554,730号、同第5,578,709号、同第5,599,719号、同第5.981,719号、同第6,090,925号、同第6,268,053号、および同第6,458,387号、米国特許出願公開第20030059474号、同第20030064033号、同第20040043077号、同第20050048127号、同第20050142201号、同第20050142205号、同第20050142206号、同第20050147687号、同第20050170005号、同第20050233945号、同第20060018971号、同第20060024240号、同第20060024379号、同第20060260777号、同第20070092452号、同第20070207210号、および同第20070281031号に開示されているものが含まれる。微粒子は、一般に、単分散サイズ分布または多分散サイズ分布などの均一なサイズ分布、および一般に、実質的に球状であるなどの均一な形状を有し得る。成分またはそれらの組合せの選択、種々の成分の濃度、反応温度、反応時間、および/またはpH(反応が水溶液で行われる場合)など(これらに限定されない)の1つまたは複数の可変要素を操作することによって、微粒子の1つまたは複数の特性は作製の間に調整され得る。
【0037】
微粒子は、1種の活性剤または2種以上の活性剤の組合せを急速および/または制御された放出プロファイルで、インビボ、エキソビボ、および/またはインビトロで送達するために適切であり、薬物送達、ワクチン接種、遺伝子治療、および組織病理学的またはインビボでの組織または腫瘍の画像化などの多種多様な治療、製薬、診断、医学、薬剤、化粧、栄養、殺生物、分離、工業、商業、および研究用途に有用である。微粒子は、対象への経口、非経口、粘膜、眼、静脈内、皮下(subcutaneous)、皮下(subdermal)、皮内、関節内、筋内、肺(経口および鼻孔吸入を含む)、および/または局所投与のために製剤化され得る。静脈内投与には、カテーテル法および血管形成術が含まれる。
【0038】
微粒子は通常、1種または複数の巨大分子を含む。1種または複数の巨大分子(通常、1種もしくは複数の生物活性巨大分子および/または1種もしくは複数の担体巨大分子)は、微粒子の重量および/または体積で少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、もしくは98%、および最大100%、または100%未満を含み得るか、あるいはこのような値の任意の2つの間の範囲で存在し得る。微粒子は、別のより大きな巨大分子の一部(例えば、フラグメント、セグメント、サブユニット)であり得ることが当業者に理解される。巨大分子が、例えば、受容体−リガンド相互作用の受容体またはリガンド部分であり得るアフィニティー分子を含むことがさらに理解される。リガンドの非限定的な例には、ウイルス、細菌、多糖、または動物に投与される場合免疫応答を生じる抗原として作用し、抗体の産生を引き起こす毒素が含まれる。
【0039】
ポリマー、錯化剤、安定剤、賦形剤、イオン、水分、残留溶媒、不純物、副生成物(これに限定されない)を含む、上に記載された巨大分子および下に記載される活性剤以外の1種または複数の成分は、微粒子中に微粒子の重量および/または体積で50%以下、30%以下、20%以下、10%以下、5%以下、もしくは2%以下、または0%超の、あるいはこのような値の任意の2つの間の範囲の量で存在し得る。さらに、微粒子の形成の間に反応/インキュベーション媒体中に存在する任意の成分(例えば、不揮発性物質など)は、得られた微粒子から実質的に除去することができ、したがって、この得られた微粒子の中に不存在であり得る。それらの形成(インサイチュであってもそうでなくてもよい)に続いて直ちにまたはその後の段階で、微粒子は、連続固相(例えば、その分散系を含む凍結固体)または非固相(例えば、反応/インキュベーション媒体(微粒子がその中で形成される)などの流動性媒体、または洗浄媒体)中に分散され得る(例えば、コロイドまたは懸濁液として)。
【0040】
微粒子は、連続相と実質的に同じまたは異なる(より大きいまたはより小さいなど)密度を有し得る(同じ温度、例えば、周囲温度で測定して)。微粒子、および連続相の密度は、それぞれの重量を体積で除したものに等しい。微粒子は、0.8g/cm、0.95g/cm、1.0g/cm、1.05g/cm、1.1g/cm、1.3g/cm、1.35g/cm、1.5g/cm、および1.9g/cmなどの値未満の、それらに等しい、もしくはそれらより大きい、またはこのような値の任意の2つの間、例えば、1.0g/cmと1.5g/cmの間、もしくは1.2g/cmと1.5g/cmの間の範囲の密度を有し得る。微粒子の密度は、適当な勾配媒体(例えば、アルカリ金属の塩、例えば、NaCl、NaBr、NaI、KBr、CsF、CsCl、CsBr、硫酸セシウム、酢酸セシウム、トリフルオロ酢酸セシウム、RbCl、および酒石酸カリウムなど;中性水溶性分子、例えば、(ブドウ糖、グリセロール、または鉱油を場合によって添加した)ショ糖など;親水性巨大分子、例えば、デキストラン、ショ糖−エピクロロヒドリンコポリマー、およびウシ血清アルブミンなど;他の合成分子、例えば、トリヨード安息香酸のナトリウム塩またはメチルグルカミン塩、およびメトリゾ酸のナトリウム塩またはメチルグルカミン塩、ならびにメトリザミドなど)を用いて密度−勾配法(例えば、遠心分離または超遠心分離を用いて)および他の公知の方法によって、周囲温度でヘリウム比重瓶法によって測定され得る。密度−勾配法に関連する標準法には、ASTM D1505−03、ASTM D1505−98、およびISO1183−2が含まれる。
【0041】
活性剤
1つまたは複数の活性剤は通常、微粒子の少なくとも一部(例えば、中心またはコア部、1つまたは複数の特異的またはランダムに分布した区画、内面および/または外面)と共有結合的および/または非共有結合的に結合しており、ならびに/あるいはそれらによって取り込まれている。例えば、1種または複数の活性剤は、1種もしくは複数の巨大分子(例えば、生物活性巨大分子および/または担体巨大分子)および/または1種もしくは複数の他の成分(例えば、その複合体または結合体として、1種または複数のポリマーと一緒に)の、少なくとも一部または実質的にすべてと、共有結合および/または非共有結合的に結合していてもよく、ならびに/あるいはそれらによって取り込まれていてもよい。
【0042】
活性剤は、製剤であることができる。その作用および/または用途に依存して、製剤には、アジュバント、アドレナリン作用薬、アドレナリン遮断薬、アドレノコルチコイド、抗アドレナリン薬、アドレナリン作動薬、アルカロイド、アルキル化剤、アロステリック阻害剤、アナボリックステロイド、蘇生薬、鎮痛剤、麻酔薬、食欲抑制剤、制酸剤、抗アレルギー剤、抗血管新生剤、抗不整脈剤、抗菌剤、抗生物質、抗体、抗癌剤(例えば、パクリタクセルおよび誘導体化合物など)、抗コリン剤、抗コリンエステラーゼ、抗凝血剤、抗けいれん薬、抗痴呆薬、抗うつ剤、抗糖尿病薬、下痢止め薬、解毒剤、抗てんかん薬、抗葉酸剤、抗真菌剤、抗原、駆虫薬(antihelmintics)、抗ヒスタミン薬、抗高脂血症薬、降圧剤、抗感染薬、抗炎症薬、抗マラリア薬、代謝拮抗剤、抗ムスカリン剤、抗マイコバクテリア剤、抗新生物薬、抗骨粗しょう剤、抗病原薬、抗原虫薬、接着分子、解熱薬、抗リウマチ剤、防腐剤、抗甲状腺薬、抗潰瘍薬、抗ウイルス薬、抗不安鎮静薬、アストリンゼン、ベータ−アドレナリン受容体遮断薬、殺生剤、血液凝固因子、カルシトニン、強心剤、化学療法薬、コレステロール低下薬、補因子、コルチコステロイド、鎮咳剤、サイトカイン、利尿薬、ドーパミン作用薬、エストロゲン受容体調節剤、酵素およびその補因子、酵素阻害剤、増殖分化因子、増殖因子、血液系作用薬、造血薬、ヘモグロビン調整剤、止血薬、ホルモンおよびホルモン類似体、催眠薬、降圧利尿薬、免疫学的因子、免疫賦活薬、免疫抑制剤、阻害剤、リガンド、脂質調節剤、リンホカイン、ムスカリン作用薬、筋弛緩薬、神経遮断薬、向神経薬、副交感神経様作用薬、副甲状腺ホルモン、促進剤、プロスタグランジン、精神治療薬、向精神薬、放射性医薬品、受容体、鎮静剤、性ホルモン、滅菌剤、刺激剤、血小板新生剤、栄養因子、交感神経様作用薬、甲状腺薬、ワクチン、血管拡張薬、ビタミン、キサンチン、ならびにそれらの結合体、複合体、前駆体、および代謝産物が含まれるが、これらに限定されない。活性剤は、個々にまたはそれらの2種以上を組み合わせて用いることができる。一例では、活性剤は、ペプチド、炭水化物、核酸、他の化合物、それらの前駆体および誘導体、ならびにそれらの2種以上の組合せ(これらに限定されない)を含む予防薬および/または治療薬である。一態様において、活性剤は、従来小分子と称される薬剤である。
【0043】
活性剤は、生物活性剤、例えば、生物活性巨大分子、例えば、タンパク質(上に記載されたタンパク質様化合物を含む)、ポリペプチド、炭水化物、ポリヌクレオチド、ベクター(例えば、ウイルスまたはウイルス粒子)、もしくは核酸、またはそれらの2種以上の組合せであり得る。巨大分子は、天然であっても合成であってもよい。例示的なタンパク質には、モノクローナル抗体、およびポリクローナル抗体が含まれる。タンパク質は、天然源から単離されたまたは合成もしくは組換え法によって製造された任意の公知の治療用タンパク質であることもできる。治療用タンパク質の例には、血液凝固カスケードのタンパク質(例えば、第VII因子、第VIII因子、第IX因子など)、サブチリシン、オボアルブミン、アルファ−1−アンチトリプシン(AAT)、DNase、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)、リゾチーム、リボヌクレアーゼ、ヒアルロニダーゼ、コラゲナーゼ、成長ホルモン、エリスロポエチン、インスリン様成長因子またはそれらの類似体、インターフェロン、グラチラマー、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、顆粒球コロニー刺激因子、抗体、PEG化タンパク質、グリコシル化または過剰グリコシル化タンパク質、デスモプレシン、LHRHアゴニスト(例えば:ロイプロリド、ゴセレリン、ナファレリン、ブセレリンなど)、LHRHアンタゴニスト、バソプレシン、シクロスポリン、カルシトニン、副甲状腺ホルモン、副甲状腺ホルモンペプチドおよびインスリンが含まれるが、これらに限定されない。
【0044】
活性剤は、化粧剤であり得る。化粧剤の非限定的な例には、エモリエント、保湿剤、フリーラジカル阻害剤、抗炎症薬、ビタミン、脱色剤、抗ざ瘡薬、抗脂漏薬、角質溶解薬、痩せ薬、皮膚着色剤、および日焼け防止剤が含まれる。化粧剤として有用な非限定的な化合物には、リノール酸、レチノール、レチノイン酸、アスコルビン酸のアルキルエステル、多価不飽和脂肪酸、ニコチン酸エステル、ニコチン酸トコフェノール、(米、大豆またはシアバターノキの)不けん化物、セラミド、ヒドロキシ酸(グリコール酸など)、セレン誘導体、酸化防止剤、ベータ−カロチン、ガンマ−オリザノール、およびグリセリン酸ステアリルが含まれる。化粧剤は、市販されているか、および/または公知の技術によって調製され得る。上記のように、様々な活性剤は、個々にまたはそれらの2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0045】
活性剤は、栄養補助剤であり得る。栄養補助剤の非限定的な例には、タンパク質、炭水化物、水溶性ビタミン(例えば、ビタミンC、ビタミンB複合体など)、脂溶性ビタミン(例えば、ビタミンA、D、E、Kなど)、およびハーブ抽出物が含まれる。栄養補助剤は、市販されているか、および/または公知の技術によって調製され得る。上記のように、様々な活性剤は、個々にまたはそれらの2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0046】
活性剤は、2kD以下の分子量を有する化合物であり得る。このような化合物の非限定的な例には、ステロイド、ベータ−アゴニスト、抗菌剤、抗真菌剤、タキサン(抗有糸分裂剤および微小管阻害薬)、アミノ酸、脂肪族化合物、芳香族化合物、および尿素化合物が含まれる。小分子(または小有機分子)として従来公知の活性剤は、2kD以下の分子量を有する代表的な活性剤である。
【0047】
活性剤は、診断薬でもあり得る。非限定的な診断薬には、X線画像化剤および造影剤が含まれる。X線画像化剤の非限定的な例には、3,5−ジアセトアミド−2,4,6−トリヨード安息香酸エチル(WIN−8883、ジアトラゾ酸(diatrazoic acid)のエチルエステル);6−エトキシ−6−オキソヘキシル−3,5−ビス(アセトアミド)−2,4,6−トリヨードベンゾエート(WIN67722);エチル−2−(3,5−ビス(アセトアミド)−2,4,6−トリヨードベンゾイルオキシ)−ブチレート(WIN16318);エチルジアトリゾキシアセテート(WIN12901);2−(3,5−ビス(アセトアミド)−2,4,6−トリヨードベンゾイルオキシ)プロピオン酸エチル−(WIN16923);N−エチル2−(3,5−ビス(アセトアミド)−2,4,6−トリヨードベンゾイルオキシ)アセトアミド(WIN65312);イソプロピル2−(3,5−ビス(アセトアミド)−2,4,6−トリヨードベンゾイルオキシ)アセトアミド(WIN12855);ジエチル2−(3,5−ビス(アセトアミド)−2,4,6−トリヨードベンゾイルオキシ)マロネート(WIN67721);エチル2−(3,5−ビス(アセトアミド)−2,4,6−トリヨードベンゾイルオキシ)フェニル−アセテート(WIN67585);プロパン二酸,[[3,5−ビス(アセチルアミノ)−2,4,5−トリヨードベンゾイル]オキシ]ビス(1−メチル)エステル(WIN68165);および安息香酸,3,5−ビス(アセチルアミノ)−2,4,6−トリヨード−4−(エチル−3−エトキシ−2−ブテノエート)エステル(WIN68209)が含まれる。造影剤は、望ましくは、生理学的条件下で比較的迅速に崩壊し、したがって、いずれの粒子関連炎症反応も最小化することが好ましい。崩壊は、酵素的加水分解、生理学的pHでのカルボン酸の可溶化、または他の機構から生じ得る。したがって、加水分解的に不安定なヨウ素処理した化学種(例えば、WIN67721、WIN12901、WIN68165、およびWIN68209など)とともに、難溶性のヨウ素処理したカルボン酸(例えば、ヨージパミド、ジアトリゾ酸、およびメトリゾ酸など)などが好まれ得る。
【0048】
具体的な一実施形態において、活性剤は、肺疾患の予防および/または治療のための治療薬であり得る。このような薬剤の非限定的な例には、ステロイド、ベータ−作動薬、抗真菌薬、抗菌化合物、気管支拡張薬、抗喘息薬、非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDS)、AAT、および嚢胞性線維症を治療するための薬剤が含まれる。肺疾患の予防および/または治療のためのステロイドの非限定的な例には、ベクロメタゾン(例えば、ジプロピオン酸ベクロメタゾンなど)、フルチカゾン(例えば、プロピオン酸フルチカゾンなど)、ブデソニド、エストラジオール、フルドロコルチゾン、フルシノニド、トリアムシノロン(トリアムシノロンアセトニドなど)、フルニソリド、およびそれらの塩が含まれるが、これらに限定されない。肺疾患の予防および/または治療のためのベータ作動薬の非限定的な例には、キシナホ酸サルメテロール、フマル酸ホルモテロール、レバルブテロール(levoalbuterol)、バンブテロール、トロブテロール、およびそれらの塩が含まれる。肺疾患の予防および/または治療のための抗真菌薬の非限定的な例には、イトラコナゾール、フルコナゾール、アンホテリシンB、およびそれらの塩が含まれる。
【0049】
活性剤は、それらの2種以上を組み合わせて用いることができる。非限定的な例示的組合せには、ステロイドとベータ−作動薬、例えば、プロピオン酸フルチカゾンとサルメテロール、ブデソニドとホルモテロールなどが含まれる。多くの他の実行可能な治療的活性剤の組合せは、当業者に周知である。
【0050】
連続相
多相分散系の連続相は、非固体、例えば、1種の溶媒、もしくは2種以上の溶媒の均一混合物(ここで、少なくとも第1の溶媒は、少なくとも第2の溶媒に可溶性かまたはそれと混和性である)を含む液相、または少なくとも2種の不混和性溶媒を含む多相系であり得る。溶媒の非限定的な例には、水性流体(例えば、水HO、DO、水性緩衝液、および他の水溶液)、非水性流体(例えば、有機溶媒、有機緩衝液)、および前述の2種以上の組合せが含まれる。一態様において、非固体連続相は、実質的に水性であってもよく、例えば、容積で10%超、例えば、25%以上、50%以上、もしくは75%、またはそれ以上の水を含んでいてもよい。連続相は、部分的または完全に水性もしくは水混和性、水不混和性、水溶性、または水不溶性であってもよい。
【0051】
連続相またはその液相(複数可)は、周囲温度で、例えば、1.10g/cm、1.05g/cm、1.0g/cm、0.95g/cm、0.9g/cm、0.8g/cm、0.7g/cm、0.6g/cmなどの値未満のもしくはそれらに等しいか、またはこのような値の任意の2つの間の範囲の密度を有し得る。同じ周囲温度、例えば、20℃または25℃で測定した場合、連続相または液相(複数可)は通常、分散相またはその中の微粒子の密度と同様のもしくは等しいか、またはそれ未満の密度を有する。最も典型的には、連続相または液相(複数可)は、微粒子の密度未満の密度を有する。
【0052】
連続相は、イオン性および/または非イオン性ポリマー、塩、イオン、過剰試薬、賦形剤(例えば、糖、ポリオール、表面活性剤)、ならびに/あるいは製造関連化合物(これらに限定されない)を含めて、その中に溶解および/または分散した1種または複数の成分をさらに含み得る。塩の非限定的な例には、酢酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、および当業者に公知の他の緩衝塩が含まれる。糖の非限定的な例には、トレハロース、ショ糖、乳糖、および当業者に公知の他の炭水化物が含まれる。ポリオールの非限定的な例には、マンニトールおよび当業者に公知の他の糖アルコールが含まれる。連続相の1種または複数の流体および/または溶質は、独立して、部分的または完全に水混和性、水不混和性、水溶性、および/または水不溶性であり得る。
【0053】
連続相は通常、その中に可溶化した少なくとも1種の不揮発性物質を含む。連続相、例えば、その溶媒および/またはその中の不揮発性物質は、超臨界流体または臨界未満流体に可溶性および/またはそれらに混和性であることができ、例えば、周囲温度で重量で10%以上、例えば、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%などの値に等しいかもしくはそれらを超える、またはこのような値の任意の2つの間の範囲のそれらにおける溶解度を有し得る。さらに、連続相、その溶媒および/またはその中の不揮発性物質は、超臨界流体または臨界未満流体と完全に混和性であり得る。超臨界流体または臨界未満流体における連続相および/またはその成分についてのより大きな溶解度値は一般に、このようなより大きい溶解度により、開示される方法による分散系からの連続相の除去が容易になるので好ましい。
【0054】
不揮発性物質
前に示されたように、少なくとも連続相は通常、その中に可溶化した非イオン性ポリマーなどの少なくとも1種の不揮発性物質を含み、該1種または複数の不揮発性物質は、それらの化学構造および/または組成において、微粒子を形成する1種または複数の巨大分子のものと異なる。不揮発性物質は、分散相の上/中に存在していてもよく、例えば、不揮発性物質は、微粒子の孔内に捕捉されていても、および/または、そうでなければ微粒子と結合していてもよいことが留意されるべきである。
【0055】
一般に、不揮発性物質は、約100℃超、約150℃超、および/または約200℃超の沸点および/または引火点を有する。不揮発性物質は、天然、合成、半合成、または組換えであり得る。1種または複数の不揮発性物質は通常、独立して、親水性、両親媒性、水溶性(aqueous−soluble)(例えば、水溶性(water−soluble))、および/または水混和性(aqueous−miscible)(例えば、水混和性(water−miscible))であり得る非イオン性ポリマーであるが、当然、イオン性ポリマーおよび非イオン性物質の塩を含む他の不揮発性物質も用いることができる。1種または複数の不揮発性物質は有利には、連続相中またはその中の1種もしくは複数の溶媒中の1種もしくは複数の巨大分子の(およびしたがってそれから形成される微粒子の)溶解度を独立してまたは集合的に低下させ得る。連続相中に存在する場合、1種または複数の不揮発性物質は通常、微粒子中の1種もしくは複数の巨大分子と共有結合的および/もしくはイオン的に相互作用しないか、またはそれらを変性しない。さらに、連続相中に存在する場合、1種または複数の不揮発性物質は通常、互いと複合体を形成、結合、凝集、および/または集塊しないか、またはそうでなければ、例えば、共有結合、イオン、および/または他の相互作用などを介して集まらない。さらに、連続相中の1種または複数の不揮発性物質は通常、それら自体で、または連続相中に存在する他の成分とゲル化を起こさない(例えば、ヒドロゲルを形成しない)。1種または複数の不揮発性物質は、独立して一般に、200ダルトン、300ダルトン、400ダルトン、600ダルトン、800ダルトン、1,000ダルトン、1,500ダルトン、2,000ダルトン、2,500ダルトン、3,000ダルトン、3,500ダルトン、4,000ダルトン、5,000ダルトン、8,000ダルトン、および10,000ダルトン、もしくは最大約3,000キロダルトン(kd)などの値を超えるかもしくはそれらに等しい、またはこのような値の任意の2つの間、例えば、1,000ダルトンと1,500ダルトンの間、1,000ダルトンと2,000ダルトンの間、1,000ダルトンと2,500ダルトンの間、1,000ダルトンと3,000ダルトンの間、1,000ダルトンと3,500ダルトンの間、1,000ダルトンと4,000ダルトンの間、1,000ダルトンと5,000ダルトンの間、1,000ダルトンと8,000ダルトンの間、1,000ダルトンと10,000ダルトンの間、1,500ダルトンと2,000ダルトンの間、1,500ダルトンと2,500ダルトンの間、1,500ダルトンと3,000ダルトンの間、1,500ダルトンと3,500ダルトンの間、1,500ダルトンと4,000ダルトンの間、1,500ダルトンと5,000ダルトンの間、1,500ダルトンと8,000ダルトンの間、1,500ダルトンと10,000ダルトンの間、2,000ダルトンと2,500ダルトンの間、2,000ダルトンと3,000ダルトンの間、2,000ダルトンと3,500ダルトンの間、2,000ダルトンと4,000ダルトンの間、2,000ダルトンと5,000ダルトンの間、2,000ダルトンと8,000ダルトンの間、2,000ダルトンと10,000ダルトンの間の範囲の分子量を有する。
【0056】
連続相のための不揮発性物質の非限定的な例には、それらの開示がそれらの全体で参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,525,519号、同第5,554,730号、同第5,578,709号、同第5,599,719号、同第5,918、719号、同第6,090,925号、同第6,268、053号、および同第6,458,387号、米国特許出願公開第20030059474号、同第20030064033号、同第20040043077号、同第20050048127号、同第20050142201号、同第20050142205号、同第20050142206号、同第20050147687号、同第20050170005号、同第20050233945号、同第20060018971号、同第20060024240号、同第20060024379号、同第20060260777号、同第20070092452号、同第20070207210号、および同第20070281031号に開示されている非イオン性の水溶性および/または水混和性ポリマーが含まれる。不揮発性物質(複数可)は通常、非イオン性であり、親水性、両親媒性、水溶性、水混和性、および/または40℃以下の温度で水溶性もしくは水混和性流体に可溶性もしくは混和性であり得る。適切な不揮発性物質の非限定的な例は、直鎖、分岐、または環状であり得、非イオン性ポリエーテル、非イオン性コポリエーテル、非イオン性ポリエステル、非イオン性コポリエステル、非イオン性ポリエーテル−ポリエステルコポリマー、非イオン性ビニルポリマー、非イオン性ピロリドン含有ポリマー、非イオン性ポリマー炭水化物、それらの誘導体および塩、ならびにそれらの2種以上の組合せを含む。非イオン性ポリエーテルおよび非イオン性コポリエーテル(コポリマーおよびターポリマーを含む)の非限定的な例には、ヒドロキシ末端ポリエーテル(例えば、ポリエーテルアルコール、ポリエーテルポリオール、ポリエチレングリコール以外のエチレンオキシド末端封止ポリエーテル)およびそれらのアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチルなど)末端封止誘導体、例えば、ポリアルキレングリコール(例えば、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールのようなポリオキシ−1,2−アルキレングリコール、ならびにポリトリメチレンエーテルグリコールおよびポリテトラメチレンエーテルグリコール)、ヒドロキシ末端コポリエーテル(例えば、コポリエーテルアルコール、コポリエーテルポリオール、エチレンオキシド末端封止コポリエーテル)およびそれらのアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチルなど)末端封止誘導体、例えば、2種以上の異なる1,2−アルキレンオキシドのブロックコポリエーテル(例えば、ポロキサマーのようなポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンコポリマー)ならびに1種または複数の1,2−アルキレンオキシドと、1種または複数のテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、および1,3−プロパンジオールとのコポリエーテル(例えば、(ポリエチレングリコール)−(ポリトリメチレンエーテルグリコール)コポリマー、(ポリエチレングリコール)−(ポリテトラメチレンエーテルグリコール)コポリマー)が含まれるが、これらに限定されない。非イオン性ポリエステルおよび非イオン性コポリエステル(コポリマーおよびターポリマーを含む)の非限定的な例には、ヒドロキシ末端ポリエステル(例えば、ポリエステルポリオール、コポリエステルポリオール、エチレンオキシド末端封止またはポリオキシエチレン末端ポリエステル)、およびある種のシリコーンポリエステル、例えば、ポリオキシエチレングリセリンジカルボン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトールジカルボン酸エステル、ポリオキシエチレングリコールジカルボン酸エステル、およびポリオキシエチレンアルキルエステルのようなものなどが含まれる。非イオン性ポリエーテル−ポリエステルコポリマー(ターポリマーを含む)の非限定的な例には、1種または複数のラクトンおよび/またはジカルボン酸と1種または複数の1,2−アルキレンオキシドとのブロックコポリマー、本明細書で開示される非イオン性ポリエーテルおよび非イオン性コポリエーテルのエステル化誘導体、ならびに本明細書で開示される非イオン性ポリエステルおよび非イオン性コポリエステルのエステル化誘導体、例えば、(ポリエチレングリコール)−ポリカプロラクトンブロックコポリマーなどが含まれるが、これらに限定されない。非イオン性ビニルポリマー(コポリマーおよびターポリマーを含む)およびピロリドン含有非イオン性ポリマー(コポリマーおよびターポリマーを含む)の非限定的な例には、ポリビニルアルコール、ヒドロキシアルキル(アルク)アクリレート(例えば、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート)のホモポリマーおよびコポリマー(ターポリマーを含む)、オリゴ−オキシアルキレン(アルク)アクリレート(例えば、オリゴ−オキシエチレンアクリレート、オリゴ−オキシエチレンメタクリレート)、および/またはアルキル末端封止オリゴ−オキシアルキレン(アルク)アクリレート(例えば、メチル封止)、ポリビニルピロリドン、ならびに(アルケニルピロリドン)含有ホモポリマーおよびコポリマーが含まれるが、これらに限定されない。
【0057】
非イオン性ポリマー(オリゴマーを含む)炭水化物(200ダルトンから5,000,000ダルトン、例えば、500ダルトン、1,000ダルトン、3,000ダルトン、5,000ダルトン、10,000ダルトン、30,000ダルトン、50,000ダルトン、100、000ダルトン、300,000ダルトン、500,000ダルトン、1,000,000ダルトン、もしくは3,000,000ダルトンなど、またはこのような値の任意の2つの間の範囲の分子量を有する)およびその誘導体の非限定的な例には、デンプン、アミロペクチン(分岐多糖)、アミロース(線状多糖)、セルロース、グアールガム、グアール多糖、キサンタンガム、デキストリン(例えば、シクロデキストリン、マルトデキストリン)、デキストラン、ポリデキストロース、ゲランガム、プルラン、セロデキストリン、ベータ−グルカン、およびそれらの誘導体、例えば、エステル化によって形成された非イオン性エステル(安息香酸エステル、およびアルカン酸エステル、例えば、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、酪酸エステル、およびヘキサン酸エステルなどを含むがこれらに限定されない);またはエーテル化によって形成された非イオン性エーテル、例えば、非イオン性デンプンエーテル、非イオン性アミロペクチンエーテル、非イオン性アミロースエーテル、非イオン性セルロースエーテル、非イオン性グアールエーテル、非イオン性デンプンエステル、非イオン性アミロペクチンエステル、非イオン性アミロースエステル、非イオン性セルロースエステル、非イオン性デンプンエーテルエステル、非イオン性デンプンエステルエーテル、非イオン性セルロースエーテルエステル、および非イオン性セルロースエステルエーテルが含まれるが、これらに限定されない。非イオン性デンプンエーテルの非限定的な例には、アルキルデンプン、例えば、メチルデンプン、エチルデンプン、プロピルデンプン、およびブチルデンプンなど;ヒドロキシアルキルデンプン、例えば、ヒドロキシエチルデンプン(例えば、テトラデンプン、ペンタデンプン、ヘキサデンプン(hetastarch))、ヒドロキシプロピルデンプン、ヒドロキシブチルデンプン、およびヒドロキシペンチルデンプンなど;ならびにアルキルヒドロキシアルキルデンプン、例えば、メチルヒドロキシエチルデンプン、メチルヒドロキシプロプルデンプン、およびエチルヒドロキシプロピルデンプンが含まれる。非イオン性アミロペクチンエーテルおよび非イオン性アミロースエーテルの非限定的な例には、ヒドロキシエチルアミロペクチン、ヒドロキシプロピルアミロペクチン、ヒドロキシエチルアミロース、およびヒドロキシプロピルアミロースが含まれる。非イオン性セルロースエーテルの非限定的な例には、アルキルセルロース、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、イソプロピルセルロース、およびブチルセルロースなど;ヒドロキシアルキルセルロース、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシイソプロピルセルロース、ヒドロキシブチルセルロース、およびヒドロキシペンチルセルロースなど;ならびにアルキルヒドロキシアルキルセルロース、例えば、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、メチルヒドロキシブチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシプロピルセルロース、プロピルヒドロキシエチルセルロース、プロピルヒドロキシプロピルセルロース、イソプロピルヒドロキシプロピルセルロース、ブチルヒドロキシプロピルセルロース、ペンチルヒドロキシプロピルセルロース、およびヘキシルヒドロキシプロピルセルロースが含まれる。非イオン性グアールエーテルの非限定的な例には、アルキルグアール多糖、例えば、メチルグアール多糖、エチルグアール多糖、プロピルグアール多糖、およびブチルグアール多糖など;ヒドロキシアルキルグアール多糖、例えば、ヒドロキシエチルグアール多糖、およびヒドロキシプロピルグアール多糖など;ならびにアルキルヒドロキシルアルキルグアール多糖、例えば、メチルヒドロキシエチルグアール多糖、メチルヒドロキシプロピルグアール多糖、エチルヒドロキシプロピルグアール多糖などが含まれる。他の非イオン性ポリマー炭水化物には、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、メチルエチルヒドロキシエチルセルロース、ブチルグリシジルエーテルヒドロキシエチルセルロース、ラウリルグリシジルエーテルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルヒドロキシエチルセルロース、ブチルグリシジルエーテル変性ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、デンプンエステル(例えば、アルキルコハク酸無水物変性デンプン、酢酸デンプン、およびアルケニルコハク酸デンプン)、セルロースエステル(モノ酪酸セルロースおよびモノプロピオン酸セルロース)、セルロースエーテルエステル(ヒドロキシアルキルセルロース−2−ヒドロシキカルボン酸エステル)、ポリ(3−ヒドロキシオキセタン)が含まれる。非イオン性ポリマー炭水化物エステルの非限定的な例は、0.5から1.0、例えば、0.7から0.9の範囲の置換度を有するものを含み、水溶性である。作製されることができれば、前述の非イオン性物質のイオン塩も用いることができる。例えば、多糖の塩、例えば、硫酸デキストラン、硫酸デキストリン、およびアルギン酸ナトリウムも用いることができる。
【0058】
分散相
多相分散系の分散相は、固体微粒子を含み得る。通常、該微粒子は、超臨界流体または臨界未満流体に実質的に不溶性および/またはそれらと実質的に不混和性であり、例えば、周囲温度で、重量で10%未満、例えば、5重量%以下、3重量%以下、1重量%以下、0.5重量%以下、0.1重量%以下、0.05重量%以下、0.01重量%以下、またはこのような値の任意の2つの間の範囲のそれらにおける溶解度を有することが好ましい。
【0059】
分散相は、固体微粒子と結合している他の物質、例えば、微粒子形成の間に添加される不揮発性物質、塩、または賦形剤をさらに含み得る。一般に、このような物質は、単離された微粒子中に望まれておらず、したがって、分散系から除去されることが望ましい。したがって、このような物質が、連続相の項において上記したとおりの超臨界流体または臨界未満流体においてより大きい溶解度を有することが望ましい。
【0060】
微粒子を分離するための装置
図1に示されるとおり、分散相および連続相を含む多相分散系を、該分散系(またはその中の微粒子)から連続相の分離を可能および/または容易にするためにガスおよび/または流体と接触させ得るように、加圧することができるチャンバーまたは容器10内に置いて、不揮発性物質および/または溶媒を実質的に含まない微粒子を得ることができる。通常、分散系は、抽出バスケット20(または不揮発性物質ならびに/または溶媒、賦形剤、塩、および他の溶質などの他の望ましくない成分を含む任意の液体を微粒子から分離させながら、微粒子を保持することができる同様の構造物)内に置き、ガスおよび/または流体との接触を容易にさせる。抽出バスケット20は通常、ステンレススチールなどの不活性材料から形成される。代表的な抽出バスケット構造物20は、固体の細孔のない側壁を有する中空スリーブシリンダー、ならびにガスおよび/または流体の入りと出を可能にする、抽出バスケットの両端に結合された(例えば、ステンレススチール製キャップもしくはプレートまたはクランプおよびボルトで取り付けられた)2つの同じステンレススチール製円板ふるい(例えば、0.2ミクロンと0.5ミクロンとの間、またはそれを超える、例えば、1、2、3、4、または5ミクロンの孔径を有する)を含む。あるいは、抽出バスケット20は、2つのシリンダーカップの底部に取り付けられた適当な円板ふるい30で閉じられたシリンダーを形成するために一緒になる(例えば、ネジ山および相補溝によって)ことができる開放端部を有する該2つのシリンダーカップから構成することができる。バスケット20の大きさと容積は、実際的に容器10の大きさのみによって制限される。しかし、円板ふるい30の細孔の大きさは、この接触工程(複数可)の間に分散系の微粒子を適切に保持するために十分小さくなければならない。
【0061】
連続相を加圧ガスに接触させる工程
多相分散系は通常、高圧のガスと最初に接触させ、その結果、分散相に付随した任意の液体の少なくとも一部は、ふるい30を押し通され、それにより、分散系から不揮発性物質および溶媒の少なくとも一部を分離して、ふるい30によって保持される微粒子を濃縮することができる。多相分散系は、元の分散系に対する透析ろ過または遠心分離などの濃縮工程を行うことによって、チャンバー内に置かれる前に比較的高い粘性の分散系に濃縮され得るが、このような濃縮工程を行うことは必須ではない。
【0062】
加圧ガスは、ガス入口バルブ40を介してチャンバー中に導入される。好適なガスには、二酸化炭素、窒素、圧縮空気、およびそれらの混合物が含まれる。種々のガスをオフラインで混合し、混合物として系中に導入し得るか、または適当な装置(図示せず)を介してオンラインで混合し得る。
【0063】
容器10内の加圧ガス(複数可)の圧力は、通常10バールより大きいかまたはそれに等しいが、該ガスの超臨界圧未満でもある。ガスの超臨界圧は、組成と共に変わるので、接触工程に好適な圧力の上限は変わり得る。多くのガスおよびそれらの混合物の超臨界圧は、周知であるか、または公知の方法を用いて合理的に決定または推定され得る[例えば、Kroschwitz, J.、編集主幹、KirkOthmer Encyclopedia of Chemical Technology、452〜477頁、第23巻、第4版、John Wiley and Sons、New York(1997年)を参照されたい]。通常、チャンバー10は、10バール、15バール、20バール、25バール、30バール、35バール、40バール、45バール、50バール、55バール、および/もしくは60バールを超えるかもしくはそれらに等しい、またはこれらの開示された値の間、例えば、10バールと60バールの間、10バールと55バールの間、10バールと50バールの間、10バールと45バールの間、10バールと40バールの間、10バールと30バールの間、10バールと25バールの間、10バールと20バールの間、および/もしくは10バールと15バールの間、または15バールと60バールの間、15バールと55バールの間などの任意の範囲の圧力に加圧される。圧力計50を用いて、チャンバー10の圧力をモニターする。ガス圧は、少なくとも2秒間、5秒間、10秒間、15秒間、20秒間、30秒間、45秒間、1分間、2分間、5分間、10分間および/もしくは最大1時間、2時間、またはこれらの開示された値の間、例えば、2秒間と2時間の間および/もしくは5秒間と2分間の間の任意の範囲の間維持される。
【0064】
選択された加圧ガス(複数可)は、必要に応じて適当な熱交換器(図示せず)で加熱(または冷却)され、およびその超臨界温度未満の温度でチャンバー10中に流入され得る。超臨界温度は、周知であるか、または公知の技術を用いて合理的に推定もしくは決定され得る[例えば、Kroschwitz, J.、編集主幹、KirkOthmer Encyclopedia of Chemical Technology、452〜477頁、第23巻、第4版、John Wiley and Sons、New York(1997年)を参照されたい]。温度計および制御器60を用いて、チャンバー10内の温度をモニターすることができる。通常、加圧ガスの温度は、0℃、5℃、10℃、15℃、20℃、25℃、30℃を超えるかもしくはそれらに等しい、またはこれらの開示された値の間、例えば、0℃と30℃の間、0℃と25℃の間、0℃と20℃の間、0℃と15℃の間、0℃と10℃の間、0℃と5℃の間、5℃と30℃の間、5℃と25℃の間、5℃と20℃の間、5℃と15℃の間、5℃と10℃の間などの任意の範囲である。
【0065】
多相分散系を加圧ガスと接触させたときに、分散系の任意の液体の少なくとも一部は、正のガス圧でふるい30を押し通され、それにより、ふるい30によって保持される分散系から不揮発性物質および/または溶媒の少なくとも一部を分離することができる。したがって、接触が終了した後に、ガス入口バルブ40は遮断することができ、チャンバー10の底部のバルブ70、例えば、ボールバルブを開き、系を少なくとも部分的に減圧し、その中で収集された液体をすべて排出させることができる。バルブ70を開けた後にバルブ70からさらに液体が流出しなくなる(「実質的になくなる」を含む)まで、ガスを、例えば、10バールを超えるかまたはそれに等しいが、ガスの超臨界圧未満である圧力に加圧するさらなる接触工程を行うことができる。さらなる接触工程で用いられる加圧ガス(複数可)は、最初の接触工程で用いた加圧ガス(複数可)と同じかまたは異なっていることができる。
【0066】
分散系を抽出流体と接触させる工程
バルブ70から実質的にさらに液体が流出しなくなったときに、その前の接触工程(加圧ガスを用いる)で用いたガスと同じかまたは異なっていてもよい第2のガスでその臨界圧を超えるかまたはそれに等しい圧力にチャンバーを場合によって再加圧して、臨界流体または臨界未満流体の形態で抽出流体を得る。例えば、チャンバー10は通常、70バール、80バール、90バール、100バール、150バール、200バール、225バール、250バール、275バール、および/もしくは300バールを超えるかもしくはそれらに等しい、またはこれらの開示された値の間、例えば、70バールと300バールの間、70バールと275バールの間、70バールと250バールの間、70バールと225バールの間、70バールと200バールの間、70バールと150バールの間などの任意の範囲の圧力に加圧される。このガス圧は、少なくとも2秒間、少なくとも5秒間、少なくとも10秒間、少なくとも15秒間、少なくとも20秒間、少なくとも30秒間、少なくとも45秒間、少なくとも1分間、少なくとも2分間、少なくとも5分間、および/もしくは最大10分間、最大1時間、最大2時間、またはこれらの開示された値の間、例えば、2秒間と2時間の間、2秒間と1時間の間、2秒間と10分間の間、2秒間と2分間の間などの任意の範囲の間維持される。
【0067】
用いられるガスは、(それが超臨界または臨界未満の流体の形態を取るために通常必要であるように)加熱することもできる。例えば、ガスは、その超臨界温度を超える温度に加熱され得る。意外なことに、活性剤(例えば、生物活性巨大分子)を含む微粒子を超臨界または臨界未満の流体と接触させることにより、活性剤の認め得る分解は生じない。このような分解は、系の温度を制御することによって防止され、ガスは形成された流体(超臨界または臨界未満の)がミクロスフェア中の活性剤を分解および/または変性させる温度に加熱されるべきでない。このような分解温度は、ミクロスフェア中の選択される活性剤(複数可)、および超臨界または臨界未満流体を与えるために用いるガス(複数可)に依存して変わるが、日常的な実験で当業者によって容易に確かめることができる。通常、ガス温度は、20℃、22.5℃、25℃、27.5℃、30℃、32.5℃、35℃、37.5℃、40℃を超えるかもしくはそれらに等しい、またはこれらの開示された値の間、例えば、20℃と37.5℃の間、20℃と25℃の間などの任意の範囲である。当然、ガスの超臨界温度は、その組成と共に変わり、したがって、他の値も適切であり得る。
【0068】
上記加圧ガスと同様に、超臨界または臨界未満の流体を形成するガス(複数可)は、ガス入口バルブ40を介してチャンバー中に導入される。ガスは、単一ガス、または2種以上のガスの混合物であってもよい。代表的なガスには、二酸化炭素、イソプロパノール、メタノール、エタノール、水、トルエン、エチレン、キセノン、エタン、ジメチルエーテル、亜酸化窒素、プロパン、アンモニア、ブタン、ペンタン、およびそれらの混合物が含まれる。好ましいガスは、その双極子モーメントのためにジメチルエーテルである。ジメチルエーテルは通常、その比較的高い超臨界温度(127℃)のためにミクロスフェア内の活性剤の分解に関連する上記理由のために臨界未満流体として提供される。好ましい混合物は、二酸化炭素と、エタノールまたはイソプロパノールなどの第2の共溶媒成分とを、体積または重量比1:99と99:1の間、5:95と95:5の間、例えば、70:30二酸化炭素/エタノールで含む。種々のガスをオフラインで混合し、混合物として系中に導入し得るか、または適切な装置(上記のとおりの)を介してオンラインで混合し得る。
【0069】
この工程を行うとき、超臨界または臨界未満の流体を、多相分散系の残存する部分と接触させるためにチャンバー内に供給し、それにより、多相分散系から残存もしくは残留する不揮発性物質および/または溶媒ならびに他の成分の実質的にすべてを分離し、不揮発性物質、塩、賦形剤、および/または他の溶質を実質的に含まない微粒子を与える。例えば、得られた微粒子は、5重量%未満の不揮発性物質、4重量%未満の不揮発性物質、3重量%未満の不揮発性物質、2重量%未満の不揮発性物質、1重量%未満の不揮発性物質、0.5重量%未満の不揮発性物質、0.25重量%未満の不揮発性物質、またはこれらの開示された値の間の任意の範囲、例えば、0.25重量%と5重量%の間の不揮発性物質、0.25重量%と4重量%の間の不揮発性物質、0.25重量%と3重量%の間の不揮発性物質、0.25重量%と2重量%の間の不揮発性物質、0.25重量%と1重量%の間の不揮発性物質、0.25重量%と0.5重量%の間の不揮発性物質、0.5重量%と5重量%の間の不揮発性物質、0.5重量%と4重量%の間の不揮発性物質、0.5重量%と3重量%の間の不揮発性物質、0.5重量%と2重量%の間の不揮発性物質、0.5重量%と1重量%の間の不揮発性物質などを含み得る。同様に、得られた微粒子は、5重量%未満の溶媒、4重量%未満の溶媒、3重量%未満の溶媒、2重量%未満の溶媒、1重量%未満の溶媒、0.5重量%未満の溶媒、0.25重量%未満の溶媒、またはこれらの開示された値の間の任意の範囲、例えば、0.25重量%と5重量%の間の溶媒、0.25重量%と4重量%の間の溶媒、0.25重量%と3重量%の間の溶媒、0.25重量%と2重量%の間の溶媒、0.25重量%と1重量%の間の溶媒、0.25重量%と0.5重量%の間の溶媒、0.5重量%と5重量%の間の溶媒、0.5重量%と4重量%の間の溶媒、0.5重量%と3重量%の間の溶媒、0.5重量%と2重量%の間の溶媒、0.5重量%と1重量%の間の溶媒などを含む。
【0070】
接触工程が行われた後、第3のガス、例えば、加湿窒素、加湿空気、または加湿希ガスなどの加湿ガスを場合によって、得られた微粒子に向けてまたは得られた微粒子の上を通過させて、その中のいずれかの残存する残留溶媒を水と有利に交換することができる。具体的には、微粒子を支持部材(例えば、バイアル、トレー、パン、ディッシュ)に入れ、これをその次に、加湿ガスの流れ下でチャンバー(例えば、乾燥箱、凍結乾燥器)に入れる。微粒子を、25%から100%、例えば、30%から95%、40%から90%、または50%から80%の相対湿度を有する加湿ガスと接触させることにより、微粒子からの残留溶媒の蒸発が容易になる。微粒子組成物の体積または重量に依存して数時間(例えば、10、12、20時間)から数日間続き得る高湿度蒸発処理の後、その中の残留溶媒含有量をさらに減少させることができる。残留溶媒が水混和性でない場合、ほとんど乃至まったく湿気を含まないガスを用いて、同様の利益を得ることができる。
【0071】
上に検討されたように、好ましくは、分散相またはその中の少なくとも微粒子は、超臨界または臨界未満の流体に不溶性であり、かつ連続相またはその中の少なくとも1種の溶媒もしくは不揮発性物質は、超臨界流体に可溶性またはそれと混和性である。全体としての分散系の連続相、またはその中の1種もしくは複数の連続相成分(例えば、水のような液体、および/またはポリマーのような溶質など)は、したがって、好ましくは微粒子よりも超臨界流体に可溶性および/またはそれと混和性である。したがって、1種または複数の超臨界流体は、微粒子から連続相またはその中の少なくとも1種もしくは複数の成分を分離(例えば、抽出、洗浄、排除、置換、除去)するための分別溶解度系として好適であり得る。一例では、水性、有機、および/または多成分(例えば、二元、三元)であり得る連続相は、超臨界流体と部分的または完全に混和性である。別の例では、連続相中の1種または複数の溶質(例えば、1種または複数の非イオン性ポリマー)は、重量で10%以上、例えば、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%などの値未満の、もしくはそれらに等しい、もしくはそれらを超える、またはこのような値の任意の2つの間の範囲の超臨界流体における溶解度を有する。
【0072】
以下の実施例は、本発明を説明するために与えられるが、その範囲を限定することは意図されない。
【実施例】
【0073】
(実施例1)
この実施例では、単一処理で微粒子を含む分散系から不揮発性物質および/または溶媒の少なくとも一部を除去し、それにより、不揮発性物質および/または溶媒を実質的に含まない微粒子を得る処理が開示される。
【0074】
具体的には、不揮発性物質(PEG300)を含む連続相中にIGIV微粒子の分散相を含む分散系をステンレススチール製抽出バスケット中にロードし、超臨界流体容器チャンバー中に入れた。次いで、SCFチャンバーを密閉し、二酸化炭素で40バールに加圧した。CO供給を止め、SCFチャンバーを部分的に減圧し(圧力を20〜30バールに降下させた)、SCFチャンバーの底部のボールバルブをわずかに開けた。この時点で、一般に不揮発性物質を含む液体は、チャンバーの増加したガス圧下で抽出バスケットを通って染み出て、開けたボールバルブを通して系から除去された。ボールバルブを開けた際に系からさらに液体が排出しなくなるまで、臨界未満ガスの加圧およびその後の液体排出を繰り返した。次いで、SCFチャンバーを密閉し、SCF/共溶媒抽出処理を開始して、以下の条件で任意の残留連続相を除去した:50g/分の流速(上昇流)、250バール、および35℃において2重量%のエタノールと一緒の98重量%のCO
【0075】
この実施例において、不揮発性物質を実質的に含まないIGIVミクロスフェアが得られた。
【0076】
(実施例2)
この実施例でも、単一処理で微粒子を含む分散系から不揮発性物質および/または溶媒の少なくとも一部を除去し、それにより、不揮発性物質および/または溶媒を実質的に含まない微粒子を得る処理が開示される。
【0077】
不揮発性物質(PEG3350)および水を含む連続相中にIGIV微粒子の分散相を含む分散系をステンレススチール製抽出バスケット中にロードし、超臨界流体容器チャンバーに入れた。次いで、SCFチャンバーを密閉し、二酸化炭素で40バールに加圧した。CO供給を止めて、SCFチャンバーを部分的に減圧し(圧力を20〜30バールに降下させた)、SCFチャンバーの底部のボールバルブをわずかに開けた。この時点で、一般に不揮発性物質および水を含む液体は、チャンバーの増加したガス圧下で抽出バスケットを通って染み出て、開けたボールバルブを通して系から除去された。ボールバルブを開けた際に系からさらに液体が排出しなくなるまで、臨界未満ガスの加圧およびその後の液体排出を繰り返した。次いで、SCFチャンバーを密閉し、SCF/共溶媒抽出処理を開始して、以下の条件で任意の残留連続相および/または溶媒を除去した:100g/分の総流速(上昇流)、250バール、および20℃において30重量%のエタノールと一緒の70重量%のCO
【0078】
この実施例において、溶媒および不揮発性物質を実質的に含まないIGIVミクロスフェアが得られた。
【0079】
(実施例3)
この予言的実施例では、単一処理で微粒子を含む分散系から不揮発性物質および/または溶媒の少なくとも一部を除去し、それにより、不揮発性物質および/または溶媒を実質的に含まない微粒子を得る処理が開示される。
【0080】
不揮発性物質(ポロキサマー188またはPEG300またはテトラグリコール)および水を含む連続相中にインスリン微粒子の分散相を含む分散系をステンレススチール製抽出バスケット中にロードし、超臨界流体容器チャンバーに入れる。次いで、SCFチャンバーを密閉し、二酸化炭素で30バールに加圧する。CO供給を止め、SCFチャンバーを部分的に減圧し(圧力を10〜20バールに降下させる)、SCFチャンバーの底部のボールバルブをわずかに開ける。この時点で、一般に不揮発性物質および水を含む液体は、チャンバーの増加したガス圧下で抽出バスケットを通って染み出て、開けたボールバルブを通して系から除去される。ボールバルブを開けた際に系からさらに液体が排出しなくなるまで、臨界未満ガスの加圧およびその後の液体排出を繰り返す。次いで、SCFチャンバーを密閉し、SCF抽出処理を開始して、以下の条件で任意の残留連続相を除去する:100g/分の総流速(上昇流)、200バール、および35℃において10重量%のエタノールと一緒の90重量%のCO
【0081】
この予言的実施例において、溶媒および不揮発性物質を実質的に含まないインスリンミクロスフェアが得られる。
【0082】
(実施例4)
この予言的実施例でも、単一処理で微粒子を含む分散系から不揮発性物質および/または溶媒の少なくとも一部を除去し、それにより、不揮発性物質および/または溶媒を実質的に含まない微粒子を得る処理が開示される。
【0083】
不揮発性物質(PEG3350)およびポリビニルピロリドンを含む連続相中にプラスミドDNA(pCMV、Promega、WI)含む微粒子の分散相を含む分散系をステンレススチール製抽出バスケット中にロードし、超臨界流体容器チャンバーに入れる。次いで、SCFチャンバーを密閉し、二酸化炭素で40バールに加圧する。CO供給を止め、SCFチャンバーを部分的に減圧し(圧力を約5バールに降下させた)、SCFチャンバーの底部のボールバルブをわずかに開けた。この時点で、一般に不揮発性物質および溶媒を含む液体は、チャンバーの増加したガス圧下で抽出バスケットを通って染み出て、開いたボールバルブを通して系から除去される。ボールバルブを開けた際に系からさらに液体が排出しなくなるまで、臨界未満ガスの加圧およびその後の液体排出を繰り返す。次いで、SCFチャンバーを密閉し、SCF/共溶媒抽出処理を開始して、以下の条件で任意の残留連続相および/または溶媒を除去する:100g/分の総流速(上昇流)、250バール、および20℃において10重量%のエタノールと一緒の90重量%のCO
【0084】
この予言的実施例において、溶媒および不揮発性物質を実質的に含まないDNA含有ミクロスフェアが得られる。
【0085】
(実施例5)
この実施例では、超臨界または臨界未満流体を用いる種々の不揮発性物質の成功裏の除去が実証される。
【0086】
約20グラムの1種もしくは複数の液体不揮発性物質(PEG200、PEG300、テトラグリコール、プロピレングリコール、またはプロピレングリコール対PLURONIC(登録商標)L10を1:1比で含む組合せ)を含む試料をそれぞれ個々に、ステンレススチール製抽出バスケット中にロードし、超臨界流体容器チャンバーに入れた。次いで、SCFチャンバーを密閉し、SCF抽出処理を開始して、以下の条件でバスケットから不揮発性物質を抽出した:50g/分の総流速(上昇流)、250バール、および35℃において100重量%のCO。チャンバーを1分間当たり1バールで減圧した。それぞれの場合に、20グラムの不揮発性物質が1時間以内に抽出された。
【0087】
具体的には、SCF処理60分間後に残存する不揮発性物質の重さを量り、抽出チャンバー中に最初にロードしたポリマーの量と比較した。以下の表は、元のポリマー重量と比べてSCFを用いるポリマー除去の量を示す。
【0088】
【表1】

したがって、この実施例により、超臨界または臨界未満流体を用いる種々の不揮発性物質の成功裏の除去(およびほぼそれぞれの場合に実質的に完全な除去)が実証される。
【0089】
添付の開示を考慮すると、本発明の多くの修正および変形を当業者が考え付くと思われる。したがって、添付の特許請求の範囲に見られるような限定のみが本発明に置かれるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多相分散系を処理する方法であって、
分散相および連続相を含み、固体微粒子、ならびに不揮発性物質および溶媒の少なくとも一方を含む多相分散系を用意する工程、
前記分散系を、加圧することができるチャンバー内に置く工程、
前記チャンバーを第1のガスで前記ガスの超臨界圧未満の圧力に加圧する工程、ならびに
前記分散系を前記第1のガスと接触させ、それにより、前記分散系から前記不揮発性物質および/または前記溶媒の少なくとも一部を分離する工程
を含む、方法。
【請求項2】
前記多相分散系を前記チャンバー内に置く工程が、前記分散系を抽出バスケットにロードする工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記チャンバーが10バールを超える圧力に加圧される、請求項1および2のいずれかに記載の方法。
【請求項4】
前記固体微粒子が、少なくとも1種の活性剤を含む、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記活性剤が、生物活性剤、薬剤、診断薬、栄養補助剤、および化粧剤からなる群より選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記活性剤が、炭水化物、ペプチド、タンパク質、ベクター、核酸、それらの複合体、それらの結合体、およびそれらの組合せからなる群より選択される少なくとも1種の生物活性巨大分子を含む生物活性剤である、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記活性剤が、アジュバント、アドレナリン作用薬、アドレナリン遮断薬、アドレノコルチコイド、抗アドレナリン薬、アドレナリン作動薬、アルカロイド、アルキル化剤、アロステリック阻害剤、アナボリックステロイド、蘇生薬、鎮痛剤、麻酔薬、食欲抑制剤、制酸剤、抗アレルギー剤、抗血管形成剤、抗不整脈剤、抗菌剤、抗生物質、抗体、抗癌剤、抗コリン剤、抗コリンエステラーゼ、抗凝血剤、抗けいれん薬、抗痴呆薬、抗うつ剤、抗糖尿病薬、下痢止め薬、解毒剤、抗てんかん薬、抗葉酸剤、抗真菌剤、抗原、駆虫薬、抗ヒスタミン、抗高脂血症薬、降圧剤、抗感染薬、抗炎症薬、抗マラリア薬、代謝拮抗剤、抗ムスカリン剤、抗マイコバクテリア剤、抗新生物薬、抗骨粗しょう剤、抗病原薬、抗原虫薬、接着分子、解熱薬、抗リウマチ剤、防腐剤、抗甲状腺薬、抗潰瘍薬、抗ウイルス薬、抗不安鎮静薬、アストリンゼン、ベータ−アドレナリン受容体遮断薬、殺生剤、血液凝固因子、カルシトニン、強心剤、化学療法薬、コレステロール低下薬、補因子、コルチコステロイド、鎮咳剤、サイトカイン、利尿薬、ドーパミン作用薬、エストロゲン受容体調節剤、酵素およびその補因子、酵素阻害剤、増殖分化因子、増殖因子、血液系作用薬、造血薬、ヘモグロビン調整剤、止血薬、ホルモンおよびホルモン類似体、催眠薬、降圧利尿薬、免疫学的因子、免疫賦活薬、免疫抑制剤、阻害剤、リガンド、脂質調節剤、リンホカイン、ムスカリン作用薬、筋弛緩薬、神経遮断薬、向神経薬、パクリタクセルおよび誘導体化合物、副交感神経様作用薬、副甲状腺ホルモン、促進剤、プロスタグランジン、精神治療薬、向精神薬、放射性医薬品、受容体、鎮静剤、性ホルモン、滅菌剤、刺激剤、血小板新生剤、栄養因子、交感神経様作用薬、甲状腺薬、ワクチン、血管拡張薬、ビタミン、キサンチン、ならびにそれらの結合体、複合体、前駆体、代謝産物、および混合物からなる群より選択される薬剤である、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
それぞれの微粒子が、担体巨大分子を含む、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記連続相が、水を含む、請求項1から8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記連続相が、緩衝剤および塩の少なくとも一方を含む溶液を含む、請求項1から9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
少なくとも前記連続相が、前記不揮発性物質を含む、請求項1から10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記不揮発性物質が、非イオン性ポリエーテル、非イオン性コポリエーテル、非イオン性ポリエステル、非イオン性コポリエステル、非イオン性ポリエーテル−ポリエステルコポリマー、非イオン性ビニルポリマー、非イオン性ピロリドン含有ポリマー、非イオン性ポリマー炭水化物、前述の物質の誘導体および塩、ならびにそれらの組合せからなる群より選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記微粒子が、非晶質、球状、または両方である、請求項1から12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記第1のガスが、二酸化炭素、窒素、圧縮空気、およびそれらの混合物から選択される、請求項1から13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記第1のガスが、前記ガスの超臨界温度未満の温度に加熱される、請求項1から14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
前記第1のガスが二酸化炭素を含み、および前記チャンバーが、25バールと65バールとの間の圧力に加圧される、請求項1から15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
前記チャンバーを減圧する工程、および前記多相分散系から分離した液体を排出させる工程をさらに含む、請求項1から16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
前記チャンバーを減圧した後に、前記チャンバーを第2のガスで10バールより高く前記第2のガスの超臨界圧未満の圧力に再加圧する工程、ならびに前記多相分散系を前記第2のガスと接触させる工程をさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記チャンバーを再加圧した後に、前記チャンバーを減圧する工程、および前記多相分散系から分離した任意の液体を排出させる工程をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
減圧に際し実質的に液体が認められなくなるまで、前記再加圧する工程、前記減圧する工程、および前記排出させる工程を繰り返す工程をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記チャンバーを第2のガスで、前記第2のガスの超臨界圧を超えるかまたはそれに等しい圧力に加圧する工程、前記第2のガスを加熱して、前記チャンバー内に超臨界流体または臨界未満流体を得る工程、ならびに前記多相分散系を前記流体と接触させ、それにより、前記多相分散系から残留不揮発性物質および/または溶媒を除去して、前記不揮発性物質および/または前記溶媒を実質的に含まない微粒子を得る工程をさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記第2のガスが、二酸化炭素、イソプロパノール、メタノール、エタノール、水、トルエン、エチレン、キセノン、エタン、ジメチルエーテル、亜酸化窒素、プロパン、アンモニア、ブタン、ペンタン、およびそれらの混合物からなる群より選択されるガスを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記第2のガスが二酸化炭素を含み、前記チャンバーが100バールを超える圧力に加圧される、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記第2のガスが二酸化炭素を含み、前記チャンバーが150バールを超える圧力に加圧される、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
さらなる乾燥処理が行われない、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
多相分散系を処理する方法であって、
分散相および連続相を含み、固体微粒子、ならびに不揮発性物質および溶媒の少なくとも一方を含む多相分散系を用意する工程、
前記多相分散系を抽出バスケット内に置く工程、
前記抽出バスケットを、加圧することができるチャンバー内に置く工程、
前記チャンバーを第1のガスで前記第1のガスの超臨界圧未満の圧力に加圧する工程、
前記多相分散系を前記第1のガスと接触させ、それにより、前記不揮発性物質および/または前記溶媒の少なくとも一部を、前記抽出バスケットを通して流出させる工程、
前記チャンバーを第2のガスで前記第2のガスの超臨界圧を超えるかまたはそれに等しい圧力に加圧し、および前記第2のガスを加熱し、それにより、前記チャンバー内に超臨界流体または臨界未満流体を得る工程、ならびに
前記多相分散系を前記流体と接触させ、それにより、前記多相分散系から残留不揮発性物質および/または溶媒を分離させて、前記不揮発性物質および/または前記溶媒を実質的に含まない微粒子を得る工程
を含む、方法。
【請求項27】
前記多相分散系を前記第1のガスに接触させた後に、前記チャンバーを減圧する工程、および前記多相分散系から分離した任意の液体を排出させる工程をさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記減圧する工程が、前記チャンバーを前記第2のガスで加圧する前に行われる、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記流体が、少なくとも水および前記不揮発性物質のための溶媒であるが、前記微粒子のための溶媒ではない、請求項26から28のいずれかに記載の方法。
【請求項30】
前記微粒子を前記流体と接触させた後に、前記粒子を単離する工程、前記粒子を支持部材内に置く工程、およびガスを前記微粒子の上を通過させる工程をさらに含む、請求項26から29のいずれかに記載の方法。
【請求項31】
前記チャンバーを加圧する前に前記チャンバーを密閉する工程をさらに含む、請求項26から30のいずれかに記載の方法。
【請求項32】
前記多相分散系を前記抽出バスケット内に置く前に前記多相分散系を濃縮する工程をさらに含む、請求項26から31のいずれかに記載の方法。
【請求項33】
前記濃縮する工程が、凍結乾燥および遠心分離の1種または複数を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
多相分散系を処理する方法であって、
超臨界流体または臨界未満流体と多相分散系との組合せを、加圧することができるチャンバーの抽出バスケット中にスプレーし、それにより、固体微粒子から不揮発性物質の少なくとも一部を分離する工程を含み、前記多相分散系は、分散相および連続相を含み、および少なくとも前記固体微粒子および前記不揮発性物質を含む、方法。

【図1】
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【公表番号】特表2012−500798(P2012−500798A)
【公表日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−524010(P2011−524010)
【出願日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際出願番号】PCT/US2009/054534
【国際公開番号】WO2010/022282
【国際公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(591013229)バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド (448)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
【出願人】(501453189)バクスター・ヘルスケヤー・ソシエテ・アノニム (289)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER HEALTHCARE S.A.
【Fターム(参考)】