説明

微粒子膜とその製造方法

【課題】被膜の形成に際しバインダー樹脂を必要とせず、且つ高い耐剥離強度が得られる微粒子膜およびその製造方法の提供。
【解決手段】第1の反応性を備えた微粒子11と第2の反応性を備えた微粒子12を有機溶媒中で混合してペースト化する工程と、基材13表面に塗布する工程と、硬化製膜する工程とにより、表面が第1の反応性を有する有機膜で被われた微粒子11と表面が第2の反応性を有する有機膜で被われた微粒子12が混合し基材表面で硬化製膜されている微粒子膜16を提供するものである。さらに、塗布前の基材表面に、第1の反応性を備えた微粒子あるいは第2の反応性を備えた微粒子と反応する官能基を備えた有機膜15を形成しておくと、微粒子膜の耐剥離強度を向上できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微粒子を用いて作成した被膜とその製造方法に関するものである。さらに詳しくは、表面を安定化させるか、表面に熱反応性または光反応性、あるいはラジカル反応性またはイオン反応性を付与した微粒子を用い作成した耐剥離強度の高い被膜とその製造方法に関するものである。
【0002】
本発明において、「無機微粒子」には、導体微粒子、半導体微粒子、絶縁体微粒子、磁気微粒子、蛍光体微粒子、光吸収微粒子、光透過微粒子、顔料微粒子が含まれている。「有機微粒子」には、有機蛍光体微粒子、有機光吸収微粒子、有機光透過微粒子、有機顔料微粒子、薬物微粒子が含まれている。「有機−無機ハイブリッド微粒子」には、DDS(Drug Delivery System)用薬物微粒子、化粧用微粒子、有機−無機ハイブリッド顔料微粒子が含まれる。
【背景技術】
【0003】
従来から、微粒子を用いた被膜の作成方法は、いろいろ行われているが、何れもバインダー樹脂中に微粒子を分散させて塗布し、バインダー樹脂を硬化することで微粒子を含む被膜を作製していた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、バインダーを含んでいるため、微粒子が持つ本来の物性や機能が大部分損なわれるという大きな課題があった。また、作成された被膜は、基材とは何ら結合してないので、耐剥離強度が弱いという課題があった。
【0005】
本発明は、前記課題に鑑み、バインダー樹脂を全く含まないで且つ耐剥離強度が高い微粒子膜およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するための手段として提供される第一の発明は、表面が第1の反応性を有する有機膜で被われた微粒子と表面が第2の反応性を有する有機膜で被われた微粒子が混合し基材表面で硬化製膜されていることを特徴とする微粒子膜である。
【0007】
第二の発明は第一の発明において、基材表面に、あらかじめ第1の反応性を有する有機膜で被われた微粒子または第2の反応性を有する有機膜で被われた微粒子と反応する第3の反応性を有する有機膜が形成されており、少なくとも、第1の反応性を有する有機膜、あるいは第2の反応性を有する有機膜と基材表面の第3の反応性を有する有機膜の結合により硬化製膜されていることを特徴とする微粒子膜である。このようにすれば、耐剥離強度を向上できて都合がよい。
【0008】
第三の発明は第二の発明において、第1の反応性を有する有機膜と第3の反応性を有する有機膜、あるいは第2の反応性を有する有機膜と第3の反応性を有する有機膜とが同じ被膜であることを特徴とする微粒子膜である。このようにすれば、工程を合理化できて都合がよい。
【0009】
第四の発明は、第一乃至第三の発明において、反応性を有する有機膜が、熱反応性または光反応性、あるいはラジカル反応性またはイオン反応性であることを特徴とする微粒子膜である。このようにすれば、耐剥離強度を向上できて都合がよい。
【0010】
第五の発明は、第二の発明及び第三の発明において、反応性の官能基としてエポキシ基あるいはイミノ基を含む有機膜を用いることを特徴とする微粒子膜である。このようにすれば、耐剥離強度を向上できて都合がよい。
第六の発明は、第1の反応性を備えた微粒子と第2の反応性を備えた微粒子を有機溶媒中で混合してペースト化する工程と、基材表面に塗布する工程と、硬化製膜する工程を含むことを特徴とする微粒子膜の製造方法である。
第七の発明は第六の発明において、あらかじめ、塗布前の基材表面に、第1の反応性を備えた微粒子、あるいは第2の反応性を備えた微粒子と反応する官能基を備えた有機膜を形成しておくことを特徴とする微粒子膜の製造方法である。
このようにすれば、耐剥離強度を向上できて都合がよい。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したとおり、本発明によれば、バインダー樹脂を全く含まないで且つ耐剥離強度が高い微粒子膜およびその製造方法を提供できる格別の効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、第1の反応性を備えた微粒子と第2の反応性を備えた微粒子を有機溶媒中で混合してペースト化する工程と、基材表面に塗布する工程と、硬化製膜する工程とにより、表面が第1の反応性を有する有機膜で被われた微粒子と表面が第2の反応性を有する有機膜で被われた微粒子が混合し基材表面で硬化製膜されている微粒子膜を提供するものである。
【0013】
したがって、本発明には、バインダー樹脂を全く含まないで且つ耐剥離強度が高い微粒子膜を提供でき作用がある。
【0014】
以下、本願発明の詳細を実施例を用いて説明するが、本願発明は、これら実施例によって何ら限定されるものではない。
【0015】
なお、本発明に関する微粒子には、主として「無機微粒子」である、導体微粒子、半導体微粒子、絶縁体微粒子、磁気微粒子、蛍光体微粒子、光吸収微粒子、光透過微粒子、顔料微粒子が含まれる。また、「有機微粒子」である、有機蛍光体微粒子、有機光吸収微粒子、有機光透過微粒子、有機顔料微粒子、薬物微粒子が含まれる。さらにまた、「有機−無機ハイブリッド微粒子」である、DDS(Drug Delivery System)用薬物微粒子、化粧用微粒子、有機−無機ハイブリッド顔料微粒子が含まれるが、まず、代表例としてシリカの微粒子を取り上げて説明する。
【実施例1】
【0016】
まず、シリカ微粒子1を用意し、よく乾燥した。次に、化学吸着剤として機能部位に反応性の官能基、例えば、エポキシ基あるいはイミノ基と他端にアルコキシシリル基を含む薬剤、例えば、下記式(化1)あるいは(化2)に示す薬剤を99重量%、シラノール縮合触媒として、例えば、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、あるいは有機酸である酢酸を1重量%となるようそれぞれ秤量し、シリコーンとジメチルホルムアミドを同量混合した溶媒、例えば、ヘキサメチルジシロキサン50%とジメチルホルムアミド50%の溶液に1重量%程度の濃度(好ましくい化学吸着剤の濃度は、0.5〜3%程度)になるように溶かして化学吸着液を調製した。
【0017】
【化1】

【0018】
【化2】

【0019】
この吸着液にシリカ微粒子を混入撹拌して普通の空気中で(相対湿度45%)で2時間程度反応させた。このとき、シリカ微粒子表面のダングリングボンドには水酸基2が多数結合しているの(図1a)で、前記化学吸着剤の−Si(OCH)基と前記水酸基がシラノール縮合触媒あるいは有機酸存在下で脱アルコール(この場合は、脱CHOH)反応し、下記式(化3)あるいは(化4)に示したような結合を形成し、微粒子表面全面に亘り表面と化学結合したエポキシ基を含む化学吸着単分子膜3あるいはアミノ基を含む化学吸着膜4が約1ナノメートル程度の膜厚で形成された(図1b、1c)。
【0020】
なお、ここで、アミノ基を含む吸着剤を使用する場合には、スズ系の触媒では沈殿が生成するので、酢酸等の有機酸を用いた方がよかった。また、アミノ基はイミノ基を含んでいるが、アミノ基以外にイミノ基を含む物質には、ピロール誘導体や、イミダゾール誘導体等がある。さらに、ケチミン誘導体を用いれば、被膜形成後、加水分解により容易にアミノ基を導入できた。
その後、塩素系溶媒であるクロロホルムを添加して撹拌洗浄すると、表面に反応性の官能基、例えばエポキシ基あるいはアミノ基を有する化学吸着単分子膜で被われたシリカの微粒子を作製できた。
【0021】
【化3】

【0022】
【化4】

【0023】
なお、この処理では、被膜がナノメートルレベルの膜厚で極めて薄いため、粒子径を損なうことはなかった。
また、洗浄せずに空気中に取り出すと、反応性はほぼ変わらないが、溶媒が蒸発し粒子表面に残った化学吸着剤が粒子表面で空気中の水分と反応して、粒子表面に前記化学吸着剤よりなる極薄のポリマー膜が形成された微粒子が得られた。
【0024】
次に、前記エポキシ基あるいはアミノ基を有する化学吸着単分子膜で被われたシリカ微粒子1112をそれぞれ同量取りイソプロピルアルコール中で十分混合してペースト化し、基材13表面に塗布し50〜100度程度に加熱すると、下記式(化5)に示したような反応でエポキシ基とアミノ基が付加して微粒子は結合固化し、バインダーを含まなくても微粒子の塗膜14を作成できた。(図2(a))
【0025】
【化5】

【実施例2】
【0026】
実施例1に於いて、あらかじめ同様の方法で基材13表面にも反応性の官能基を持つ有機膜、例えばエポキシ基を有する化学吸着単分子膜15を形成しておくと、アミノ基を有する化学吸着単分子膜で被われたシリカ微粒子12の表面のアミノ基は、エポキシ基を有する化学吸着単分子膜で被われたシリカ微粒子11の表面のエポキシ基と反応すると同時に、基材表面のエポキシ基を含む単分子膜15のエポキシ基とも反応して、基材表面に共有結合し、耐剥離強度の高い微粒子の塗膜16を製造できた。(図2(b))
【0027】
なお、同様の方法で、酸化鉛等の微粒子を用い、亜鉛鋼板等の表面に前記単分子膜を介して塗布すると、バインダー樹脂を含んでなくて、しかも被膜は基材表面とも共有結合するため、極めて耐剥離性が高く、耐久性に優れた塗装を実現できた。
【0028】
なお、上記実施例1では、熱反応性、あるいはイオン反応性の反応性基を含む化学吸着剤として式(化1)あるいは(化2)に示した物質を用いたが、上記のもの以外にも、下記(1)〜(16)に示した物質が利用できた。
【0029】
(1) (CHOCH)CH2O(CH2)Si(OCH)3
(2) (CHOCH)CH2O(CH2)11Si(OCH)3
(3) (CHCHOCH(CH)CH(CH2)Si(OCH)3
(4) (CHCHOCH(CH)CH(CH2)Si(OCH)3
(5) (CHCHOCH(CH)CH(CH2)Si(OCH)3
(6) (CH2OCH)CH2O(CH2)Si(OC)3
(7) (CHOCH)CH2O(CH2)11Si(OC)3
(8) (CHCHOCH(CH)CH(CH2)Si(OC)3
(9) (CHCHOCH(CH)CH(CH2)Si(OC)3
(10) (CHCHOCH(CH)CH(CH2)Si(OC)3
(11) H2N (CH2)Si(OCH)3
(12) H2N (CH2)Si(OCH)3
(13) H2N (CH2)Si(OCH)3
(14) H2N (CH2)Si(OC)3
(15) H2N (CH2)Si(OC)3
(16) H2N (CH2)Si(OC)3
ここで、(CHOCH)−基は、下記式(化7)で表される官能基を表し、(CHCHOCH(CH)CH−基は、下記式(化8)で表される官能基を表す。
【0030】
【化6】

【0031】
【化7】

【0032】
さらに、光または電子線等のエネルギービームでラジカル反応する反応性官能基を含む化学吸着剤として、下記(21)〜(26)に示した物質が利用できた。この場合は、硬化には、当然光や電子線等のエネルギービームを照射すればよい。
(21) CH≡C−C≡C−(CH2)15SiCl3
(22) CH≡C−C≡C−(CH2)2Si(CH3)2(CH2)15SiCl3
(23) CH≡C−C≡C−(CH2)2Si(CH3)2(CH2)9SiCl3
(24) (C) (CH)2CO(C)O(CH2)OSi(OCH)3
(25) (C) (CH)2CO(C)O(CH2)OSi(OC)3
(26) (C) CO(CH)2 (C)O(CH2)OSi(OCH)3
ここで、(C) CO(CH)2 (C)はカルコニル基を表す。
【0033】
なお、実施例1に置いて、シラノール縮合触媒には、カルボン酸金属塩、カルボン酸エステル金属塩、カルボン酸金属塩ポリマー、カルボン酸金属塩キレート、チタン酸エステル及びチタン酸エステルキレート類が利用可能である。さらに具体的には、酢酸第1錫、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジオクテート、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクタン酸第1錫、ナフテン酸鉛、ナフテン酸コバルト、2−エチルヘキセン酸鉄、ジオクチル錫ビスオクチリチオグリコール酸エステル塩、ジオクチル錫マレイン酸エステル塩、ジブチル錫マレイン酸塩ポリマー、ジメチル錫メルカプトプロピオン酸塩ポリマー、ジブチル錫ビスアセチルアセテート、ジオクチル錫ビスアセチルラウレート、テトラブチルチタネート、テトラノニルチタネート及びビス(アセチルアセトニル)ジプロピルチタネートを用いることが可能であった。
【0034】
また、膜形成溶液の溶媒としては、化学吸着剤がアルコキシシラン系、クロロシラン系、何れの場合も水を含まない有機塩素系溶媒、炭化水素系溶媒、あるいはフッ化炭素系溶媒やシリコーン系溶媒、あるいはそれら混合物を用いることが可能であった。なお、洗浄を行わず、溶媒を蒸発させて粒子濃度を上げようとする場合には、溶媒の沸点は50〜250℃程度がよい。
【0035】
具体的に使用可能なものは、有機塩素系溶媒、非水系の石油ナフサ、ソルベントナフサ、石油エーテル、石油ベンジン、イソパラフィン、ノルマルパラフィン、デカリン、工業ガソリン、ノナン、デカン、灯油、ジメチルシリコーン、フェニルシリコーン、アルキル変性シリコーン、ポリエーテルシリコーン、ジメチルホルムアミド等を挙げることができる。さらに、吸着剤がアルコキシシラン系の場合で且つ溶媒を蒸発させて有機被膜を形成する場合には、前記溶媒に加え、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系溶媒、あるいはそれら混合物が使用できた。
【0036】
また、フッ化炭素系溶媒には、フロン系溶媒や、フロリナート(3M社製品)、アフルード(旭ガラス社製品)等がある。なお、これらは1種単独で用いても良いし、良く混ざるものなら2種以上を組み合わせてもよい。さらに、クロロホルム等有機塩素系の溶媒を添加しても良い。
【0037】
一方、上述のシラノール縮合触媒の代わりに、ケチミン化合物又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物を用いた場合、同じ濃度でも処理時間を半分〜2/3程度まで短縮できた。
【0038】
さらに、シラノール縮合触媒とケチミン化合物、又は有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物を混合(1:9〜9:1範囲で使用可能だが、通常1:1前後が好ましい。)して用いると、処理時間をさらに数倍早く(30分程度まで)でき、製膜時間を数分の一まで短縮できる。
【0039】
例えば、シラノール触媒であるジブチル錫オキサイドをケチミン化合物であるジャパンエポキシレジン社のH3に置き換え、その他の条件は同一にしてみたが、反応時間を1時間程度にまで短縮できた他は、ほぼ同様の結果が得られた。
【0040】
さらに、シラノール触媒を、ケチミン化合物であるジャパンエポキシレジン社のH3と、シラノール触媒であるジブチル錫ビスアセチルアセトネートの混合物(混合比は1:1)に置き換え、その他の条件は同一にしてみたが、反応時間を30分程度に短縮できた他は、ほぼ同様の結果が得られた。
【0041】
したがって、以上の結果から、ケチミン化合物や有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物がシラノール縮合触媒より活性が高いことが明らかとなった。
【0042】
さらにまた、ケチミン化合物や有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物の内の1つとシラノール縮合触媒を混合して用いると、さらに活性が高くなることが確認された。
【0043】
なお、ここで、利用できるケチミン化合物は特に限定されるものではないが、例えば、2,5,8−トリアザ−1,8−ノナジエン、3,11−ジメチル−4,7,10−トリアザ−3,10−トリデカジエン、2,10−ジメチル−3,6,9−トリアザ−2,9−ウンデカジエン、2,4,12,14−テトラメチル−5,8,11−トリアザ−4,11−ペンタデカジエン、2,4,15,17−テトラメチル−5,8,11,14−テトラアザ−4,14−オクタデカジエン、2,4,20,22−テトラメチル−5,12,19−トリアザ−4,19−トリエイコサジエン等がある。
【0044】
また、利用できる有機酸としても特に限定されるものではないが、例えば、ギ酸、あるいは酢酸、プロピオン酸、ラク酸、マロン酸等があり、ほぼ同様の効果があった。
【産業上の利用可能性】
【0045】
また、上記2つの実施例では、シリカの微粒子を例として説明したが、本発明は、表面に水酸基の水素のような活性水素を含んだ微粒子で有れば、どのような微粒子にでも適用可能である。
【0046】
具体的には、無機微粒子では、導体微粒子、半導体微粒子、絶縁体微粒子、磁気微粒子、蛍光体微粒子、光吸収微粒子、光透過微粒子、顔料微粒子がある。また、有機微粒子では、有機蛍光体微粒子、有機光吸収微粒子、有機光透過微粒子、有機顔料微粒子、薬物微粒子がある。さらにまた、有機−無機ハイブリッド微粒子では、DDS(Drug Delivery System)用薬物微粒子、化粧用微粒子、有機−無機ハイブリッド顔料等の微粒子がある。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第1の実施例における微粒子の反応を分子レベルまで拡大した断面概念図であり、(a)は反応前の微粒子表面の図、(b)は、エポキシ基を含む単分子膜が形成された後の図、(c)は、アミノ基を含む単分子膜が形成された後の図を示す。
【図2】本発明の第2の実施例における微粒子膜を分子レベルまで拡大した断面概念図であり、(a)は基材表面が未処理の微粒子膜の図、(b)は、基材表面にエポキシ基を含む単分子膜が形成された微粒子膜の図を示す。
【符号の説明】
【0048】
1 シリカ微粒子
2 水酸基
3 エポキシ基を含む単分子膜
4 アミノ基を含む単分子膜
11 エポキシ基を含む単分子膜で被われたシリカ微粒子
12 アミノ基を含む単分子膜で被われたシリカ微粒子
13 基材
14 微粒子の塗膜
15 エポキシ基を含む化学吸着単分子膜
16 微粒子の塗膜


【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面が第1の反応性を有する有機膜で被われた微粒子と表面が第2の反応性を有する有機膜で被われた微粒子が混合し基材表面で硬化製膜されていることを特徴とする微粒子膜。
【請求項2】
基材表面に、あらかじめ第1の反応性を有する有機膜で被われた微粒子または第2の反応性を有する有機膜で被われた微粒子と反応する第3の反応性を有する有機膜が形成されており、少なくとも、第1の反応性を有する有機膜、あるいは第2の反応性を有する有機膜と基材表面の第3の反応性を有する有機膜の結合により硬化製膜されていることを特徴とする請求項1記載の微粒子膜。
【請求項3】
第1の反応性を有する有機膜と第3の反応性を有する有機膜、あるいは第2の反応性を有する有機膜と第3の反応性を有する有機膜とが同じ被膜であることを特徴とする請求項2記載の微粒子膜。
【請求項4】
反応性を有する有機膜が、熱反応性または光反応性、あるいはラジカル反応性またはイオン反応性であることを特徴とする請求項1乃至3記載の微粒子膜。
【請求項5】
反応性の官能基としてエポキシ基あるいはイミノ基を含む有機膜を用いることを特徴とする請求項2および3記載の微粒子膜。
【請求項6】
第1の反応性を備えた微粒子と第2の反応性を備えた微粒子を有機溶媒中で混合してペースト化する工程と、基材表面に塗布する工程と、硬化製膜する工程を含むことを特徴とする微粒子膜の製造方法。
【請求項7】
あらかじめ、塗布前の基材表面に、第1の反応性を備えた微粒子、あるいは第2の反応性を備えた微粒子と反応する官能基を備えた有機膜を形成しておくことを特徴とする請求項6記載の微粒子膜の製造方法。




【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−119545(P2007−119545A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−311034(P2005−311034)
【出願日】平成17年10月26日(2005.10.26)
【出願人】(304028346)国立大学法人 香川大学 (285)
【Fターム(参考)】