説明

微粒物質を計量する方法および装置ならびに複数のこのような装置からなる器械

【課題】所定量の微粒物質を壊さない方法で計量する。
【解決手段】計量室9と第一チャネル10及び第二チャネル12を有している流入路と出口8を有し計量室9から通じている流出路とを包含している計量装置を用意する段階と、溜め30内に微粒物質を提供する段階と、回転軸線4のまわりに流入路と溜め30とを回転することにより計量室9を充填する段階と、充填する段階の間に重力で誘導される微粒物質の計量室9からの流れを阻止する段階と、流入路を軸線4のまわりに回転し第二チャネル12を上向きに傾け計量室9内への微粒物質の更なる流れを阻止するための重力による入口のロックを提供する段階と、重力による入口のロックが計量室9への微粒物質の更なる流入を阻止している間に計量室9を空にする段階と、重力による入口のロックが解除され充填が繰り返されるように回転軸線4のまわりに流入路を回転する段階、からなる所定量の微粒物質を計量する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定量の微粒物質を計量する方法および装置、そして、このような計量装置のうちの少なくとも2つを包含する計量器械に関する。更に詳しくは、本発明は、流動性に乏しい粒状あるいは球状化された物質の計量あるいは投与に向けたものである。本発明は、特に(これに限らないが)乾式粉末吸入器で用いられる所定量の微粒子状薬物のような感圧性微粒物質を計量するのに適用されるものである。
【背景技術】
【0002】
非常に小さい粒度を有する粉末(微粉化粉末)が、普通、吸入療法で用いられている。このような粉末は軽くてほこりっぽいので、取り扱い上の問題を引き起こす。更に、このような粉末は、自由流れ特性に乏しく、しばしば取り扱い時、精密計量時に問題を引き起こす。
【0003】
このような粉末をより大きい粒子(凝集塊)に形成して流動性を改良することは公知である。WO-A-95/09615が、吸入中に壊すことができる球状化凝集塊を形成して微細な粉末薬物を得る方法の一例を開示している。このような凝集塊はより稠密でコンパクトな粒子からなるが、かかる凝集塊は比較的感圧性であるという別の欠点がある。この場合、凝集塊を壊したり、より大きな凝集塊を発生させたりすることなく凝集塊を計量することが難しく、それ故に流動性が低下し、正確な計量のための必須条件を悪くしてしまうのである。
【0004】
したがって、微粒物質(特に、凝集塊)をより正確に計量できる技術が必要である。正確な計量は、規定された体積または重量の許容度に従わなければならない粉末医薬品を取り扱い、配布する場合に特に重要である。一つの例は、EP-B-0237507に開示されている種類の吸入器のような乾式の粉末吸入器の充填である。
【0005】
GB-A-2113182は、粒状材料を計量するための計量装置を開示している。しかしながら、この開示された装置は、粒状の肥料のような自由流動性粒状材料を計量するようにはなっているが、非常に小さい粒度を持ち、流動性が劣る微粉を計量するようにはなっていない。この開示された計量装置は、細長いチューブの形をした溜めを包含し、計量機構への自由流動性粒状材料の送出しには適しているが、計量機構への微粉を送出しには信頼性をもって使用することができない。その理由は、計量機構上方溜め内の粉末の頂部が溜め内に粉末の物理的なブリッジを形成することになり、計量機構への粉末の自由な流れを妨げるのである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、信頼できる正確なやり方で微粒物質を計量する装置および方法を提供することが本発明の全般的な目的である。
【0007】
本発明のさらなる目的は、感圧性微粒物質(たとえば、凝集塊)を壊さないやり方で微粒物質を計量する装置および方法を提供することである。
【0008】
本発明の別の目的は、高速で実施することができる微粒物質計量装置および方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
したがって本発明は、所定量の微粒物質を計量する計量装置であって、計量室を構成しているボデー部材と、入口を有し、計量室に通じている流入路とを包含し、この流入路が途切れておらず、水平面に対して傾いた軸線のまわりに回転可能であり、回転軸線と同軸である第1部分と、回転軸線に対して傾いており、装填状態では下向きに傾斜し、空にする状態では上向きに傾斜する第2部分とを包含し、それによって、流入路が、使用時に充填状態において計量室への重力で誘導された微粒物質の流れを案内し、空にする状態で計量室への微粒物質の流れを阻止する重力による入口のロックを提供するようになっており、また、出口を有し、計量室から通じている流出路を包含し、この流出路が充填状態において計量室からの微粒物質の流れを阻止するが、空にする状態においては計量室からの微粒物質の流れを許容する流れ制御手段を包含し、更に、流入路の入口に通じる溜めを包含し、この溜めが回転可能であり、使用時に流入路と共に回転し、流入路へ微粉物質を供給するようになっている計量装置において、溜めが、更に回転時に流入路の入口のところで、流入路に含まれ得る微粒物質のすべての容積に対して混転効果を達成するようになっていることを特徴とする計量装置を提供する。
【0010】
この計量装置は、所定量の微粒物質(所定の容積または所定の重量のどちらか)を計量するようになっている。本発明において「状態移行」という用語は、充填状態から空にする状態への移行および空にする状態から充填状態への移行の両方を包含することを理解されたい。
【0011】
計量装置の重要な特徴は、計量室への流入路が途切れないということである。本発明において、「途切れない」という用語がなんら機械的な弁部材などを流入路に配置していないことを意味するために使用されていることを理解されたい。したがって、流入路に存在する微粒物質へ破壊を避けることができるのであり、この計量装置は、粉末凝集塊のような感圧性の微粒物質の計量に特に適している。しかしながら、機械的な弁部材が流出路を閉塞したり、妨害したりしない限り、計量室の下流側で機械的な弁部材を使用する分にはそれを妨げるものではない。その一例を以下に説明する。
【0012】
計量装置の別の重要な特徴は、計量室の上流側に重力による入口のロック、すなわち、流入路に存在する微粒物質に作用する重力から生じるロッキング機能を設けたことである。その結果、計量室の充填が完了した後でさえ、微粒物質の流入路に存在する微粒物質と計量室内に存在する計量した量の微粒物質との途切れない接触を維持することが可能である。したがって、充填完了後に微粒物質のさらなる流入を防ぐように計量室への入口のところに機械的な弁部材などを設けることはまったく不要である。
【0013】
上述の重力による入口のロックに加えて、流出路も、充填状態において計量室からの微粒物質の流れを阻止するが、空にする状態ではこのような流出を許容する流れ制御手段を包含する。計量室および計量室下流側の流出路が充填段階中に通常空であるという事実の結果として、計量室下流側の流れ制御手段は、入口ロックとは対照的に、可動式機械的弁部材などの形となっていてもよい。この弁部材は各状態移行に対応して適当なやり方で制御される。しかしながら、好ましい実施態様においては、本発明の計量装置は計量室の下流側に重力による出口のロックを包含する。この重力出口ロックを提供するために、状態移行は更に流出路の回転を伴い、充填状態において計量室からの微粒物質の流れを阻止するが、空にする状態ではこのような流出を許容するようになっている。
【0014】
これらの流路は、ボデー部材を貫いて延びているチャネルを構成すると好ましい。しかしながら、流路はまた、重力によるロックを達成するように傾斜変位することができる場合には、微粒物質を支持し、案内する非閉鎖表面の形をしていてもよい。
【0015】
本発明はまた、所定量の微粒物質を計量する方法であって、所定量の微粒物質を計量するための計量装置であり、計量室を構成するボデー部材と、入口を有し、計量室に通じている流入路とを包含し、この流入路が途切れておらず、水平面に対して傾斜した軸線のまわりに回転可能であり、回転軸線と同軸である第一部分と、回転軸線に対して傾斜しており、充填状態において下向きに傾斜し、空にする状態において上向きに傾斜するようになっており、更に、出口を有し、計量室から通じている流出路と、流入路の入口に通じ、回転軸線のまわりに回転可能であり、使用時に流入路と共に回転して流入路へ微粒物質を与える溜めとを包含する計量装置を用意する段階と、溜めに微粒物質を与える段階と、流入路を回転させてその第二部分を下向きに傾斜させ、そこを通して微粉物質の重力で誘導された流れを案内して計量室を満たす段階と、充填段階中に計量室からの微粒物質の重力で誘導された流れを阻止する段階と、流入室を回転させてその第二部分を上向きに傾斜させ、計量室への微粒物質のさらなる流れを阻止する重力による入口のロックを提供する段階と、微分物質が計量室へ流れのを阻止されている間に計量室を空にする段階とを包含する方法において、溜めが更に回転時にそこに含まれ得る微粉物質のすべての容積に対して流入路の入口のところで混転効果を達成するように構成されていることを特徴とする方法を提供する。
【0016】
本発明は更に、所定量の微粒物質を計量するための計量器械であり、少なくとも一つの計量装置を包含し、この計量装置が、計量室を構するボデー部材と、入口を有し、計量室に通じている流入路とを包含し、流入路が途切れておらず、水平面に対して傾斜した軸線のまわりに回転可能であり、回転軸線のまわりに回転できる第一部分と、充填状態においては下向きに傾き、空にする状態においては上向きに傾くように回転軸線に対して傾斜している第二部分とを包含し、それによって、流入路が、使用時に、充填状態において重力で誘導された微粒物質の流れを計量室内へ案内し、空にする状態において計量室内への微粒物質の流れを阻止する重力による入口のロックを提供するようになっており、更に出口を有し、充填状態において計量室からの微粒物質の流れを阻止するが、空にする状態において計量室からの微粒物質の流れを許容する流れ制御手段を包含する流出路を包含する計量器械において、更に、共通軸線を持つ周方向に隔たった位置で2つまたはそれ以上の計量装置を装着した回転可能なホイールを包含することを特徴とする計量器械を提供する。
【0017】
回転可能なホイール上に複数の計量装置を配置することの利点は、一つの計量装置が充填ステーションで充填されている間、別の先に充填された計量装置が空にするステーションで空にされ得るということである。好ましい実施態様において、計量器械は回転ホイール上で互いに直径方向に対向して配置した少なくとも二つの計量装置を包含し、少なくとも二つの計量装置の一つが充填状態にあるときに別の計量装置が空にする状態にあるようにしてある。
【0018】
計量装置を一つだけ使用するときには、その出口は状態移行中に水平面内のほぼ固定された位置に保持することができる。その結果、装置からの微粒物質の流れがまとまっている。対照的に、円形の経路に配置された複数の計量装置を備えている回転ホイールの場合、各計量装置の出口は状態移行中移動する。充填状態から空にする状態への回転中に出口からの早期の微粒物質の流れを避けるために、各計量装置が個別に制御可能な弁部材を包含すると好ましい。この弁部材は、充填状態において計量装置の出口を閉じる閉位置と空にする状態において計量装置の出口を開く開位置との間で移動可能である。このような弁部材の動作は、回転可能なホイールの回転に対応して作動するように構成したカム式装置によって制御することができる。
【0019】
以下、本発明の好ましい実施態様を添付図面を参照しながら説明する。図面において:
図1は、本発明の好ましい実施態様による計量装置を充填状態で示す垂直断面図である。
図2は、図1の計量装置を空にする状態で示す垂直断面図である。
図3は、本発明の別の実施態様による計量器械の垂直断面の略図であり、一つの計量装置を充填状態で示し、もう一つの計量装置を空にする状態で示す図である。
【実施例】
【0020】
図1および2は、本発明の好ましい実施態様による計量装置を示している。この計量装置は、代表的には、乾式粉末吸入器に粒状あるいは球状化された形態の薬物を所定量(以下「投与量」と呼ぶ)充填するのに使用される。計量装置は好ましくはステンレス鋼で作られる。
【0021】
計量装置は、使用時に、図1に示すような充填状態と図2に示すような空にする状態との間で傾斜した回転軸線4のまわりに180度にわたって往復回転させられるボデー部材2を包含する。回転軸線4は、垂線Vに対して約45度の角度αで傾斜しているが、他の傾斜も使用可能であることを理解されたい。この好ましい実施態様ではボデー部材2が往復回転されるけれども、計量装置がボデー部材2を単一方向に回転させることによっても同等に作動され得ることを理解されたい。
【0022】
ボデー部材2は、それを貫いて入口6から出口8まで延びている流路と、この流路に連通する計量室9を包含する。この流路は三つの穿孔したチャネル、すなわち、第一のチャネル10、第二の中間チャネル12、第三のチャネル14によって形成されている。3つのチャネル10、12、14は常に相互に接続している。すなわち、流路内部で案内される微粒物質を阻止する弁部材などは一切ない。
【0023】
第一、第二のチャネル10、12は入口6から計量室9に通じる流入路を共に形成しており、第三のチャネル14は計量室9から出口8へ通じる流出路を形成している。本実施態様においては、計量室9は第三のチャネル14の一部をなしている。
【0024】
第一のチャネル10は、入口6から下方に延びており、回転軸線4と同軸である。したがって、第一のチャネル10の傾斜は時間内で一定であり、状態移行には影響されない。
【0025】
第二のチャネル12は、計量室9の上流に重力によるロックを形成し、第一チャネル10の下方部分16から計量室9に通じる開口18まで延びている。第二のチャネル12は、回転軸線4に対して角度βで延びている。角度αおよびβは、第二のチャネル12が図1、2に示すように充填状態、空にする状態のいずれでも水平面に向かないように選択される。更に詳しくは、第二のチャネル12は、充填状態において下向きに傾き、計量室9への重力での流れを許容するようになり、空にする状態において上向きに傾いて計量室9への重力による流れを阻止するようになる。参照符号22は第二のチャネル12の外端部に挿入したシールを示す。
【0026】
第三のチャネル14は、計量室9の下流に重力によるロックを形成し、計量室9から出口8まで延びている。第三のチャネル14は、回転軸線4に対して角度φで延びている。角度αおよびφは、図1に示す充填状態において、第三のチャネル14の構成する流出路が上向きになり、計量室9の充填中に計量室9からの重力による流れを阻止し、図2に示すような空にする状態において、第三のチャネル14の構成す流出路が下向きなって微粒物質の投与量分の、計量室9からの重力による流れを支援している。
【0027】
ボデー部材2は更に調整可能なプランジャ24を包含し、このプランジャは、第三のチャネル14内で、計量室9の出口8から離れる方に向いている側に配置してあり、計量室9の容積調整を行うようになっている。プランジャ24は、調整手段26によって長手方向に位置決め可能であり、計量室9の内部容積、したがって充填状態で充填されるべき容積を設定することができる。プランジャ24の位置は、図1、2に示すようなナット・ねじ構造によって手動調節したり、あるいは、オプションとしてステッパモータ等(図示せず)によって調整することができる。好ましい実施態様において、フィードバック式制御装置を組み込み、出口8から分配される投与量分の重量を測定し、対応する信号をフィードバック信号として使用して計量室9の内部容積を所望の値に設定することができる。
【0028】
使用時、図1に示す充填状態において、微粒物質は、重力の作用の下に、第一、第二のチャネル10、12によって形成される流入路を通って流れ、計量室9の容積を満たす。充填段階中に第三のチャネル14が満たされる程度は、第三のチャネル14の傾斜、長さ、微粒物質の流動性および計量室9の上流側の流路内に存在する微粒物質の重量から生じる圧力に依存する。好ましくは、これらのパラメータは、充填段階中に出口8からのオーバフローが生じることがないように選択される。
【0029】
ボデー部材2を、その後、図2に示すような空にする状態において180度にわたって回転させると、計量室9内および下向きに傾斜した第三チャネル14内に存在する投与量分が重力の作用の下に出口8を通って流出する。空にする段階中、微粒物質は計量室9に流入するのを阻止される。これは、第二のチャネル12が空にする状態において上向きに傾斜している、すなわち、流入路が重力でロックされているからである。微粒物質を壊すような弁部材などが流路をなんら塞がないことに注目することが重要である。
【0030】
図1、2からわかるように、水平面における出口8の位置は状態移行によってほとんど影響されることがない。これは、出口8が回転軸線4と同軸であるという事実による。流出流をほぼ垂直方向に、たとえば出口8の下方に位置した吸入器(図示せず)内へ案内するために、ボデー部材2は出張り形状のガイド部材28を備えている。
【0031】
計量装置は更に、流入路の入口6のところに流れ案内表面32を有する溜め30を包含する。本実施態様においては、この溜め30は中空の切頭円錐形となっており、回転軸線4と同軸であり、一緒に回転するようにボデー部材2に固着してある。計量しようとしている微粒物質は、溜め30に供給される。好ましくは、間欠的に供給され、溜め30内に所定のレベルを維持するようになっている。溜め30の回転は、その中の微粒物質を混転する効果、すなわち並進運動を行い、それによって、微粒物質が計量室9内への流れを妨害あるいは阻止する可能性のある物理的なブリッジを形成するのを防いでいる。
【0032】
図3は、図1、2に示すような種類の複数の計量装置A、Bを備えた計量器械を示している。図1、2の計量装置と関連してすでに説明した計量装置A、Bの構成要素は同じ参照符号で示し、その構造、動作についての説明はここでは繰り返さない。
【0033】
この計量器械は回転可能なホイール50を包含する。このホイールはハブ52で支持されており、回転軸線54まわりに段階的に一方向回転運動を行うように配置してある。回転軸線54は、垂線Vに対して約45度の角度φで傾斜しているが、他の傾斜角度も使用可能であることを理解されたい。回転可能なホイール50は、2つの対向する主壁56、58と、これらを相互連結する周壁60とを包含する。壁56、58、60は微粒物質Sを受け入れる内部容積62を構成する。この物質Sは上方の主壁56に設けた開口64を通して供給される。
【0034】
計量器械は、図1、2に関連して説明した種類の第1、第2の計量装置A、Bを更に包含し、これらの計量装置は、直径方向に対向した位置において回転可能なホイール50上に装着されている。図3において、回転可能なホイール50は第1の計量装置Aが充填状態にあり、第2の計量装置Bが空にする状態にある位置で示してある。計量装置A、Bの動作は、本質的に図1、2に関して説明した計量装置の動作と同じものである。したがって、計量装置A、Bは、計量装置内の微粒物質を壊す可能性のあるいかなる弁部材も必要とすることなく、繰り返し充填状態と空にする状態の間で変位させることができる。しかしながら、図1、2の計量装置において回転軸線4が計量装置を通って延び、第一のチャネル10と同軸であるのに対して、計量器械の計量装置A、Bは共通の回転軸線、すなわち回転可能なホイール50の回転軸線54を有する。
【0035】
この実施態様の計量器械は2つの計量装置A、Bだけを包含しているが、回転可能なホイール50が付加的な計量装置を支持し得ることを理解されたい。代表的には、回転可能なホイール50は、周方向に対称的に隔たった6つの計量装置を支持し、回転可能なホイール50の所与の回転の際に、第一の装置が充填ステーションで充填状態にあり、第二、第三の充填済みの装置が空にするステーションに向かって回転している途中にあり、第四の装置が空にするステーションで空にする状態にあり、第五、第六の装置が充填ステーションに向かって回転している途中にある。
【0036】
計量装置間のさらなる差異が、図1、2に示すような計量装置と図3に示したような計量器械の計量装置A、Bとの間にある。前者においては、出口8の位置は状態移行中にほぼ影響されないが、後者においては、出口8は状態移行中円形の経路に沿って移動する。したがって、充填ステーションを出る計量装置A、Bのうちの一方の充填済みの計量室9内に存在する微粒物質は、この計量装置が空にする状態に達する前に、一部あるいは完全に出口8を通って流出する可能性がある。計量装置A、Bがこのように早期に空になることを防ぐために、計量装置A、Bは、各々、制御可能な弁装置の形態をした機械的な出口ロック部材を備えている。各弁装置は回動可能なアーム66を包含し、このアームは一端に弁部材70を、反対端にローラの形をしたカム・フォロワー72を有する。アーム66のピボット軸線が参照符号68で示してある。各カム・フォロワー72は、静止リング76に形成された円周方向の溝74に沿って案内され、カム・フォロワー72のための案内カム表面を提供する。図3に示すように、円周方向の溝74の半径は、空にする状態におけるよりも充填状態においていくぶん大きくなっている。その結果、アーム66の角度位置は状態移行中に変えられることになる。更に詳しくは、カム溝74の半径は、弁部材70が充填状態において、また、空にする状態に向かう経路に沿って閉鎖位置にあり、計量装置Aで示すように出口8を閉じるように選択される。空にする状態において、弁部材70は開放位置にあり、計量装置Bで示すように、出口8からの微粒物質の流れを許容することになる。
【0037】
ここで、機械的な弁部材を図1、2の計量装置で使用してもよいことを理解されたい。事実、図1、2の計量装置において第三のチャネル14によって形成された重力による出口のロックの代わりに、出口8を繰り返し開閉する機械的な弁機構を使用してもよいことは明らかであろう。
【0038】
最後に、本発明がここに説明した実施態様に限定されるものではなく、請求の範囲に定義したような発明の範囲内で多くの異なったやり方で変更することができることは当業者には明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の好ましい実施態様による計量装置を充填状態で示す垂直断面図である。
【図2】図1の計量装置を空にする状態で示す垂直断面図である。
【図3】本発明の別の実施態様による計量器械の垂直断面の略図であり、一つの計量装置を充填状態で示し、もう一つの計量装置を空にする状態で示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定量の微粒物質を計量する方法であって、
所定量の微粒物質を計量するための計量装置であり、計量室(9)と、入口(6)において溜め(30)を計量室(9)と接続している、途切れていない流入路であって、水平面に対して傾斜した回転軸線(4)のまわりに回転可能であり、入口(6)から下方へ延び回転軸線(4)と同軸をなしている第一チャネル(10)及び回転軸線(4)に対してβの角度で延びている第二チャネル(12)を有している流入路と、出口(8)を有し、計量室(9)から通じている流出路と、を包含している計量装置を用意する段階と、
溜め(30)に微粒物質を与える段階と、
回転軸線(4)のまわりに流入路と溜め(30)とを回転することにより計量室(9)を充填する段階であって、流入路を介して重力で誘導される微粒物質の流れを案内するように下方へ傾斜した位置へ第二チャネル(12)を位置づけかつ入口(6)において微粒物質へ混転効果を提供しそれにより計量室(9)へ微粒物質の流れを確実に行うための計量室(9)を充填する段階と、
充填段階中、重力で誘導される微粒物質の計量室(9)からの流れを阻止する段階と、
流入路を軸線(4)のまわりに回転し、第二チャネル(12)を上向きに傾け、計量室(9)内への微粒物質の更なる流れを阻止するための重力による入口のロックを提供する段階と、
重力による入口のロックが計量室(9)への微粒物質の更なる流入を阻止している間に計量室(9)を空にする段階と、
重力による入口のロックが解除され充填が繰り返されるように回転軸線(4)のまわりに流入路を回転する段階と、
の諸段階からなる所定量の微粒物質を計量する方法。
【請求項2】
溜め(30)に微粒物質を提供する段階が、溜め(30)内に所定レベルを維持するように溜め(30)へ微粒物質を供給する段階を包含することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
溜め(30)に微粒物質を提供する段階が、溜め(30)へ間欠的に微粒物質を供給する段階を包含することを特徴とする請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
更に、空にする段階で計量室(9)からの計量済みの量の微粒物質の重量を決定し、必要に応じて、それに対応して計量室(9)の内部容積を変更する段階を包含することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
水平面に対して傾斜している共通の回転軸線(54)を有し周方向に隔たった位置に装着した2つまたはそれ以上の計量装置(A、B)を有している回転可能なホイール(50)を包含している所定量の微粒物質を計量するための計量器械であって、
各計量装置が、
計量室(9)を構成するボデー部材(2)と、
入口(6)を有し、計量室(9)に通じている、途切れていない流入路であって、前記回転軸線(54)のまわりに回転可能で、入口(6)から下方へ延びかつ前記回転軸線(54)に平行となっている第一チャネル(10)と、前記回転軸線(54)に対してβの角度で延びている第二チャネル(12)であって充填状態において下方へそして空の状態において上方へ傾斜している第二チャネル(12)と、を有している流入路であり、これにより該流入路が充填状態において計量室(9)内へ微粒物質の重力で誘導された流れを案内しかつ空の状態において計量室(9)内へ微粒物質の流れを阻止する重力による入口のロックを提供している流入路と、
出口(8)を有し、かつ計量室(9)から通じている流出路であり、充填状態において計量室(9)からの微粒物質の流れを阻止する機械的出口ロック部材を含んでいる流出路と、
流入路へ接続されており使用時に前記軸線(54)まわりに一緒に回転する溜め(30)であって、微粒物質が幾らかでも含まれているときには回転により微粒物質の混転効果を提供し、これにより計量室(9)へ微粒物質の流れを確実に行う溜め(30)と、
を有している、
所定量の微粒物質を計量するための計量器械。
【請求項6】
回転可能なホイール(50)上に互いに直径方向に対向して配置した少なくとも2つの計量装置(A、B)を包含し、少なくとも2つの計量装置(A、B)のうちの1つの計量装置が 充填状態にあり、別の計量装置が空にする状態にあることを特徴とする請求項5記載の計量器械。
【請求項7】
計量装置(A、B)の各々が、それぞれの計量装置(A、B)の流出路の出口(8)を開閉する弁機構を包含し、各弁機構が弁部材(70)を包含し、この弁部材が、充填状態においてそれぞれの計量装置(A、B)の出口(8)を閉じる閉位置と、空にする状態においてそれぞれの計量装置(A、B)の出口(8)を開く開位置との間で移動できるようになっており、回転可能なホイール(50)の回転中に弁部材(70)を機械的に作動させるカム式装置(72、74)を包含することを特徴する請求項5または6に記載の計量器械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−75114(P2009−75114A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−243724(P2008−243724)
【出願日】平成20年9月24日(2008.9.24)
【分割の表示】特願平10−510650の分割
【原出願日】平成9年8月14日(1997.8.14)
【出願人】(391008951)アストラゼネカ・アクチエボラーグ (625)
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
【Fターム(参考)】