説明

微細パターン形成用樹脂組成物および微細パターン形成方法、ならびに重合体

【課題】熱処理により、レジストパターンを円滑により安定して収縮させることができると共に、その後のアルカリ水溶液処理により容易に除去し得る。
【解決手段】樹脂と、この樹脂を架橋させる架橋剤と、溶媒とを含み、レジストパターンを微細化するための樹脂組成物であって、上記樹脂が下記式(1−4)で表される繰り返し単位を含む。


1は水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を表し、R2は−CH(CH3)−を表し、R3はトリフルオロメチル基を表し、R4は水素原子を表す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフォトレジストを用いた微細加工技術に関して、パターニング後に熱処理によりパターンを収縮させる際に用いられる微細パターン形成用樹脂組成物および微細パターン形成方法、ならびに重合体に関する。さらに詳細には、特定の構造の繰り返し単位を有する重合体を樹脂として溶媒に溶解することにより、直径60nm以下のパターンを、気泡を巻き込むことなく容易に被覆でき、かつ、該微細パターン形成用樹脂組成物を塗布するに際し、新たに水系の塗布カップや廃液処理設備を導入することなく、下層膜やフォトレジストを塗布時に使用しているカップや廃液処理設備をそのまま使用できる微細パターン形成用樹脂組成物およびこの組成物を用いる微細パターン形成方法、ならびに微細パターン形成用樹脂組成物の樹脂として使用できる重合体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体素子の微細化が進むに伴い、その製造方法におけるリソグラフィ工程において、いっそうの微細化が要求されるようになってきている。すなわち、リソグラフィ工程では、現在60nm以下の微細加工が必要になってきており、ArFエキシマレーザー光、F2エキシマレーザー光などの短波長の照射光に対応したフォトレジスト材料を用いて、微細なパターンを形成させる方法が種々検討されている。
このようなリソグラフィ技術においては、露光波長の制約から、微細化に限界は生じているのを免れないので、これまで、この波長限界をこえる微細パターンの形成を可能にするための研究が行なわれてきた。
【0003】
例えば、フォトレジストを用いて形成されたレジストパターンを熱収縮させて、微細レジストパターンを形成する際に、レジストパターン上に被覆形成剤を設け、熱処理により、レジストパターンを熱収縮させ、水洗により除去し得るレジストパターン微細化用被覆形成剤、およびこのものを用いて効率よく微細レジストパターンを形成させる方法(特許文献1)が提案されているが、この方法ではレジストパターン微細化用被覆形成剤は水系であり、直径60nm以下のコンタクトホール等の微細なパターンへの被覆性が不十分であり、かつ水系であるため塗布時に専用のカップが必要になるためコストアップとなり、さらに、輸送などで低温となる場合、凍結・析出が生じるという問題がある。
【0004】
一方、液浸露光時の媒体に溶出することなく安定な被膜を維持し、アルカリ現像液に容易に溶解する上層膜を形成するための上層膜樹脂組成物に用いられる重合体として、−NH−SO2−Rf(Rfはフッ素原子含有1価の有機基を表す)で表される基をその側鎖に有する繰り返し単位が全体の繰り返し単位の30〜100モル%含まれており、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ法により測定される重量平均分子量が2,000〜100,000である液浸上層膜用重合体が知られている(特許文献2)。しかし、この重合体と架橋剤との反応は検討されておらず、微細パターン形成用樹脂組成物への適用は知られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−195527号公報
【特許文献2】特開2006−243309号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような問題に対処するためになされたもので、フォトレジストを用いて形成されたレジストパターンを熱処理することにより微細パターンを形成するに際し、該レジストパターン上に塗布され、熱処理により、レジストパターンを円滑により安定して収縮させることができると共に、その後のアルカリ水溶液処理により容易に除去し得る樹脂組成物、およびこれを用いて効率よく微細レジストパターンを形成できる微細パターン形成方法、ならびに樹脂として使用できる重合体の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の微細パターン形成用樹脂組成物は、樹脂と、この樹脂を架橋させる架橋剤と、溶媒とを含み、レジストパターンを微細化するための微細パターン形成用樹脂組成物であって、上記樹脂が下記式(1−1)ないし式(1−3)で表される繰り返し単位から選ばれる少なくとも1つの繰り返し単位と、下記式(2)ないし式(5)で表される繰り返し単位から選ばれる少なくとも1つの繰り返し単位とを含有することを特徴とする。
【化1】

【0008】
式(1−1)ないし式(1−3)において、R1は水素原子、フッ素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を表し、Xは単結合、酸素原子(−O−)、カルボニルオキシ基(−(C=O)O−)、またはメチレンオキシ基(−CH2O−)を表し、R2はメチレジン基(−CH=)、メチルメチレン基(−CH(CH3)−)、またはヒドロキシ基もしくはハロゲン原子で一部の水素原子が置換されていてもよい、シクロヘキシル基、フェニル基、アダマンタン基、ノルボルネン基、もしくは環状エーテル基を表し、R3は、相互に独立にメチル基またはトリフルオロメチル基を表し、R4は相互に独立に水素原子、または酸の作用により水素原子を生成する基を表し、該基はフッ素で置換されていてもよく、R5は脂肪族環またはフェニル環を表し、nは0、1または2、mは0または1を表す。
【0009】
式(2)において、R6は水素原子、炭素数1〜8の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、または炭素数1〜8の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシル基を表し、
式(3)において、R7は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、ヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基、またはフェニル基を表し、Aは、単結合、酸素原子、カルボニル基、カルボニルオキシ基もしくはオキシカルボニル基、炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数3〜8の2価の単環式炭化水素環基、または炭素数7〜10の2価の多環式炭化水素環基を表し、R8は少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数1〜8の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基を表し、
式(4)および式(5)において、R9およびR12は、水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を表し、
式(4)において、R10はメチレン基、エチレン基またはプロピレン基を表し、R11は下記式(6)または下記式(7)でそれぞれ表される基であり、
式(5)において、R13はメチレン基または炭素数2〜6のアルキレン基を表し、R14は、水素原子、メチル基またはエチル基を表し、rは0または1である。
【化2】

式(6)または式(7)において、R15は相互に独立に水素原子、または炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基を表す。
【0010】
また、微細パターン形成用樹脂組成物に用いられる樹脂を架橋させる架橋剤は、下記式(8)で表される化合物および下記式(9)で表される化合物から選ばれる少なくとも1つの化合物を含むことを特徴とする。
【化3】

式(8)において、BおよびDは相互に独立に、単結合、メチレン基、炭素数2〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、または、炭素数3〜20の2価の脂環式炭化水素基を表し、Eは炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基を表し、pは2〜4の整数、qは0または1を表し、
式(9)において、Zは炭素数3〜20の脂環式炭化水素基を表し、酸素原子、窒素原子および硫黄原子を含んでいてもよく、p’は1〜6の整数を表し、R16およびR17は、水素原子、または下記式(9−1)で表される基を表し、R16およびR17の少なくとも1つは下記式(9−1)で表される基であり、
【化4】

式(9−1)において、R18およびR19は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシアルキル基、またはR18とR19とが互いに連結した炭素数2〜10の環を表し、R20は、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表す。
【0011】
本発明の微細パターン形成方法は、基板上にレジストパターンを形成するパターン形成工程と、このレジストパターン上に上記本発明の微細パターン形成用樹脂組成物を被覆する被覆工程と、この被膜工程後の基板を加熱処理する工程と、アルカリ水溶液により現像する工程とを含むことを特徴とする。
【0012】
本発明の重合体は、上記本発明の微細パターン形成用樹脂組成物の樹脂として用いられる。この重合体は、上記式(1−1)ないし式(1−3)で表される繰り返し単位から選ばれる少なくとも1つの繰り返し単位と、下記式(2)ないし式(5)で表される繰り返し単位から選ばれる少なくとも1つの繰り返し単位とを含み、重量平均分子量が1,000〜50,000であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の微細パターン形成用樹脂組成物は、フッ素化炭化水素アルコール基を有する樹脂、特に上記式(1−1)ないし式(1−3)で表される繰り返し単位から選ばれる少なくとも1つの繰り返し単位を含む重合体からなる樹脂を用いることにより、レジストパターンへの塗布特性に優れ、また硬化膜の寸法制御性にも優れている。このため、基板の表面状態の如何にかかわらず、レジストパターンのパターン間隙を実効的に、精度よく微細化することができ、波長限界をこえるパターンを良好かつ経済的に低コストでパターン欠陥の少ない状態で形成することができる。
特に、本発明の微細パターン形成用樹脂組成物は、架橋成分との組み合わせにより該樹脂の収縮量が大きく、収縮時の温度依存性が低く、収縮後の微細スペースパターン形成に優れ、ピッチ依存性が低いため、プロセス変動に対するパターン形成マージンであるプロセスウィンドウが広い。
さらに、このようにして形成された微細レジストパターンをマスクとしてドライエッチングすることにより、半導体基板上に精度よくトレンチパターンやホールを形成することができ、微細トレンチパターンやホールを有する半導体装置等を簡単にかつ歩留まりよく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】ホールパターンの断面形状
【図2】ホールパターンの断面形状
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明者らは、熱処理によりレジストパターンを円滑に収縮させることができると共に、その後のアルカリ水溶液処理により容易に除去し得る樹脂組成物について、鋭意研究を重ねた結果、特に式(1−1)ないし式(1−3)で表される繰り返し単位から選ばれる少なくとも1つの繰り返し単位(以下、繰り返し単位(1)ともいう)を含むアルコール可溶性な樹脂と架橋剤と、溶媒とを含有する樹脂組成物を用いることにより、効率よく微細パターンを形成し得ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
本発明の微細パターン形成用樹脂組成物は、樹脂と架橋剤と溶媒とからなる組成物である。
【0016】
繰り返し単位(1)
本発明で使用できる樹脂は、式(1−1)ないし式(1−3)で表される繰り返し単位から選ばれる少なくとも1つの繰り返し単位を含む樹脂である。この樹脂は、フッ素化炭化水素アルコール基、および、酸の作用によりフッ素化炭化水素アルコール基を生成する基から選ばれる少なくとも1つの基を含む繰り返し単位である。
【0017】
式(1−1)、式(1−2)、または式(1−3)の中で、好ましい例は、式(1−1)である。式(1−1)の中でも、特にnが0であり、Xがカルボニルオキシ基(−(C=O)O−)である下記式(1−4)で表される繰り返し単位が好ましい。式(1−4)におけるR1〜R4は、式(1−1)におけるR1〜R4とそれぞれ同一である。
【化5】

【0018】
繰り返し単位(1−4)は、(メタ)アクリル酸誘導体を単量体として重合させることにより得られる。繰り返し単位(1−4)を生成する単量体(以下、「単量体(1)」ともいう)としては、1,1,1−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(トリフルオロメチル)ペント−4−イル(メタ)アクリレート、1,1,1−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(トリフルオロメチル)ヘキサ−5−イル(メタ)アクリレート、1,1,1−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(トリフルオロメチル)ヘプタ−6−イル(メタ)アクリレート、1,1,1−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(トリフルオロメチル)ヘプタ−5−イル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸2−((5−(1',1',1'−トリフルオロ−2'−トリフルオロメチル−2'−ヒドロキシ)プロピル)ビシクロ[2.2.1]ヘプチル)エステル、(メタ)アクリル酸3−((8−(1',1',1'−トリフルオロ−2'−トリフルオロメチル−2'−ヒドロキシ)プロピル)テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデシル)エステル等を挙げることができる。なかでも、1,1,1−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(トリフルオロメチル)ペント−4−イルメタクリレートが好ましい。
なお、樹脂には、繰り返し単位(1)が1種類のみ含まれていてもよく、2種類以上の繰り返し単位(1)が含まれていてもよい。
【0019】
本発明に使用できる樹脂は、繰り返し単位(1)と共に、上記式(2)で表される繰り返し単位(以下、繰り返し単位(2)ともいう)、上記式(3)で表される繰り返し単位(以下、繰り返し単位(3)ともいう)、上記式(4)で表される繰り返し単位(以下、繰り返し単位(4)ともいう)、および上記式(5)で表される繰り返し単位(以下、繰り返し単位(5)ともいう)から選ばれる少なくとも1つの繰り返し単位(以下、他の繰り返し単位ともいう)を含む共重合体であることが好ましい。
好ましい樹脂は、繰り返し単位(1)と他の繰り返し単位との共重合体である。この共重合体における単量体の配合割合は、他の繰り返し単位を生成する単量体を下記範囲内で含み、残りの単量体が繰り返し単位(1)を生成する単量体であることが好ましい。
【0020】
繰り返し単位(2)
式(2)におけるR6の炭素数1〜8の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、または炭素数1〜8の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシル基としては、t−ブチル基、アセトキシ基、1−エトキシエトキシ基、t−ブトキシル基が好ましく、最も好ましくはt−ブトキシル基である。
繰り返し単位(2)は、スチレン酸誘導体を単量体として重合させることにより得られる。繰り返し単位(2)を生成する好ましい単量体としては、p−t−ブトキシスチレンが挙げられる。
繰り返し単位(2)を生成する単量体の割合は、共重合体を構成する全単量体に対して、通常10〜60モル%、好ましくは20〜50モル%である。10モル%未満では収縮寸法が増加しない場合があり、60モル%をこえると現像液に対する溶解性が悪くなる。
【0021】
繰り返し単位(3)
式(3)におけるR7の炭素数1〜10のアルキル基としては、メチル基が挙げられる。好ましいR7は、水素原子またはメチル基である。
Aとして表される炭素数1〜20のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、1,3−プロピレン基もしくは1,2−プロピレン基などのプロピレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基、トリデカメチレン基、テトラデカメチレン基、ペンタデカメチレン基、ヘキサデカメチレン基、ヘプタデカメチレン基、オクタデカメチレン基、ノナデカメチレン基、エイコサメチレン基、1−メチル−1,3−プロピレン基、2−メチル−1,3−プロピレン基、2−メチル−1,2−プロピレン基、1−メチル−1,4−ブチレン基、2−メチル−1,4−ブチレン基等が挙げられる。
また、炭素数3〜8の2価の単環式炭化水素環基としては、1,3−シクロブチレン基などのシクロブチレン基、1,3−シクロペンチレン基などのシクロペンチレン基、1,4−シクロヘキシレン基などのシクロヘキシレン基、1,5−シクロオクチレン基などのシクロオクチレン基等が挙げられる。
また、炭素数7〜10の2価の多環式炭化水素環基としては、1,4−ノルボルニレン基もしくは2,5−ノルボルニレン基などのノルボルニレン基、1,5−アダマンチレン基、2,6−アダマンチレン基などのアダマンチレン基等が挙げられる。
【0022】
式(3)におけるR8として表される少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数1〜8の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基としては、ジフルオロメチル基、パーフルオロメチル基、1,1−ジフルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、パーフルオロエチル基、1,1,2,2−テトラフルオロプロピル基、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロピル基、パーフルオロエチルメチル基、1−(トリフルオロメチル)−1,2,2,2−テトラフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、1,1,2,2−テトラフルオロブチル基、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロブチル基、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブチル基、パーフルオロブチル基、1,1−ビス(トリフルオロ)メチル−2,2,2−トリフルオロエチル基、2−(パーフルオロプロピル)エチル基、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロペンチル基、パーフルオロペンチル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5−デカフルオロペンチル基、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、パーフルオロペンチル基、2−(パーフルオロブチル)エチル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5−デカフルオロヘキシル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−ドデカフルオロヘキシル基、パーフルオロペンチルメチル基、パーフルオロヘキシル基、2−(パーフルオロペンチル)エチル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−ドデカフルオロヘプチル基、パーフルオロヘキシルメチル基、パーフルオロヘプチル基、2−(パーフルオロヘキシル)エチル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−テトラデカフルオロオクチル基、パーフルオロヘプチルメチル基、パーフルオロオクチル基、2−(パーフルオロヘプチル)エチル基、を挙げることができる。
なかでも、フルオロアルキル基の炭素数が大きくなりすぎるとアルカリ水溶液への溶解性が低くなるため、パーフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基が好ましい。
【0023】
式(3)で表される繰り返し単位(3)を生成する単量体の好ましい例としては、2−(((トリフルオロメチル)スルホニル)アミノ)エチル−1−メタクリレート、2−(((トリフルオロメチル)スルホニル)アミノ)エチル−1−アクリレート、ならびに下記の化合物が挙げられる。
【化6】

【0024】
繰り返し単位(3)を生成する単量体の割合は、共重合体を構成する全単量体に対して、3〜30モル%、好ましくは5〜12モル%含まれることが好ましい。3モル%未満であると、該樹脂の収縮後の微細スペースパターン形成が困難である場合があり、30モル%をこえると該樹脂の収縮量が減少する。
【0025】
繰り返し単位(4)
式(4)で表される繰り返し単位(4)におけるR9としてはメチル基が、R10としてはエチレン基が、R11としては式(6)または式(7)で表される基がそれぞれ好ましい。
式(6)または式(7)において、R15として表される炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、1,3−プロピル基もしくは1,2−プロピル基などのプロピル基、テトラメチル基、ペンタメチル基、ヘキサメチル基、ヘプタメチル基、オクタメチル基、ノナメチル基、デカメチル基、1−メチル−1,3−プロピル基、2−メチル−1,3−プロピル基、2−メチル−1,2−プロピル基、1−メチル−1,4−ブチル基、2−メチル−1,4−ブチル基等が挙げられる。
繰り返し単位(4)を生成する単量体の割合は、共重合体を構成する全単量体に対して、5〜40モル%、好ましくは10〜20モル%である。5モル%未満では収縮寸法が増加しない場合があり、40モル%をこえると現像液に対する溶解性が悪くなる。
【0026】
繰り返し単位(5)
式(5)で表される繰り返し単位(5)におけるR12としてはメチル基が、R13としてはメチレン基が、R14としては水素原子がそれぞれ好ましい。
繰り返し単位(5)を生成する単量体の割合は、共重合体を構成する全単量体に対して、5〜40モル%、好ましくは10〜20モル%である。5モル%未満では収縮寸法が増加しない場合があり、40モル%をこえると現像液に対する溶解性が悪くなる。
【0027】
上記共重合体は、例えば、各単量体の混合物を、ヒドロパーオキシド類、ジアルキルパーオキシド類、ジアシルパーオキシド類、アゾ化合物等のラジカル重合開始剤を使用し、必要に応じて連鎖移動剤の存在下、適当な溶媒中で重合することにより製造することができる。
上記重合に使用される溶媒としては、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等のアルカン類;シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナン等のシクロアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素類;クロロブタン類、ブロモヘキサン類、ジクロロエタン類、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、プロピオン酸メチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の飽和カルボン酸エステル類;γ−ブチロラクトン等のアルキルラクトン類;テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン類、ジエトキシエタン類等のエーテル類;2−ブタノン、2−ヘプタノン、メチルイソブチルケトン等のアルキルケトン類;シクロヘキサノン等のシクロアルキルケトン類;2−プロパノール、1−ブタノール、4−メチル−2−ペンタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール類等が挙げられる。これらの溶媒は、単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0028】
また、上記重合における反応温度は、通常、40〜120℃、好ましくは50〜100℃であり、反応時間は、通常、1〜48時間、好ましくは1〜24時間である。
【0029】
共重合体は、純度が高いことが好ましく、ハロゲン、金属等の不純物の含有量が少ないだけでなく、残留する単量体やオリゴマー成分が既定値以下、例えばHPLCによる分析で0.1質量%以下等であることが好ましい。これによって、共重合体を樹脂として含有する本発明の微細パターン形成用樹脂組成物としてのプロセス安定性、パターン形状等をさらに改善することができるだけでなく、液中異物や感度等の経時変化がない微細パターン形成用樹脂組成物を提供することができる。
上記のような方法で得られた共重合体の精製方法として、以下の方法が挙げられる。金属等の不純物を除去する方法としては、ゼータ電位フィルターを用いて重合溶液中の金属を吸着させる方法、蓚酸、スルホン酸等の酸性水溶液で重合溶液を洗浄することで金属をキレート状態にして除去する方法等が挙げられる。また、残留する単量体やオリゴマー成分を規定値以下に除去する方法としては、水洗や適切な溶媒を組み合わせることにより残留する単量体やオリゴマー成分を除去する液々抽出法、特定の分子量以下のもののみを抽出除去する限外濾過等の溶液状態での精製方法、重合溶液を貧溶媒へ滴下することで樹脂を貧溶媒中に凝固させることにより残留する単量体等を除去する再沈澱法、濾別した樹脂スラリー貧溶媒で洗浄する等の固体状態での精製方法等が挙げられる。また、これらの方法を組み合わせてもよい。
【0030】
このようにして得られる共重合体の重量平均分子量Mwはゲルパーミエーションクロマト法ポリスチレン換算で通常1,000〜500,000、好ましくは1,000〜50,000、特に好ましくは1,000〜20,000である。分子量が大きすぎると、熱硬化後に現像液で除去することができなくなるおそれがあり、小さすぎると塗布後に均一な塗膜を形成できないおそれがある。
【0031】
本発明の微細パターン形成用樹脂組成物に用いられる樹脂を架橋させる架橋剤は、上記式(8)で表される2つ以上の環状エーテルを有する化合物(以下、「架橋剤I」という)および上記式(9)で表される化合物から選ばれた少なくとも1つの化合物(以下、「架橋剤II」という)を含む。
架橋剤Iの式(8)におけるBおよびDで表される炭素数2〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基としては、エチレン基、1,3−プロピレン基もしくは1,2−プロピレン基などのプロピレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基等が挙げられる。
また、炭素数3〜20の2価の脂環式炭化水素基としては、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロヘプチレン基、シクロオクチレン基、1,4−ノルボルニレン基もしくは2,5−ノルボルニレン基などのノルボルニレン基、1,5−アダマンチレン基、2,6−アダマンチレン基などのアダマンチレン基等が挙げられる。
式(8)におけるEで表される炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、へキシル基、イソプロピル基、イソブチル基等が挙げられる。
pは2〜4の整数、好ましくは2であり、qは0または1、好ましくは1である。
好ましい架橋成分Iとしては、1,2−ベンゼンジカルボン酸ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メチル]エステル、1,4−ベンゼンジカルボン酸ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メチル]エステル、イソフタル酸ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メチル]エステルが挙げられる。
架橋剤Iは、単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0032】
架橋剤IIの式(9)における、Zは炭素数3〜20の脂環式炭化水素基を表し、酸素原子、窒素原子および硫黄原子を含んでいてもよく、p’は1〜6の整数を表す。炭素数3〜20の脂環式炭化水素基としては、シクロブチル環、シクロペンチル環、シクロヘキシル環、シクロオクチル環、ノルボルニル環、アダマンチル環に由来する脂環式炭化水素基が挙げられる。
また、R16およびR17は、水素原子、または上記式(9−1)で表される基を表し、R16およびR17の少なくとも1つは上記式(9−1)で表される基である。
式(9−1)において、R18およびR19は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシアルキル基、またはR18とR19とが互いに連結した炭素数2〜10の環を表し、R20は、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表す。
【0033】
式(9)で表される化合物(架橋剤II)は、分子内に官能基としてイミノ基、メチロール基およびメトキシメチル基等を有する化合物であり、(ポリ)メチロール化メラミン、(ポリ)メチロール化グリコールウリル、(ポリ)メチロール化ベンゾグアナミン、(ポリ)メチロール化ウレアなどの活性メチロール基の全部または一部をアルキルエーテル化した含窒素化合物を挙げることができる。ここで、アルキル基としてはメチル基、エチル基、ブチル基、またはこれらを混合したものを挙げることができ、一部自己縮合してなるオリゴマー成分を含有していてもよい。具体的にはヘキサメトキシメチル化メラミン、ヘキサブトキシメチル化メラミン、テトラメトキシメチル化グリコールウリル、テトラブトキシメチル化グリコールウリルなどを例示できる。
市販されている化合物としては、サイメル300、同301、同303、同350、同232、同235、同236、同238、同266、同267、同285、同1123、同1123−10、同1170、同370、同771、同272、同1172、同325、同327、同703、同712、同254、同253、同212、同1128、同701、同202、同207(以上、日本サイテック社製)、ニカラックE−6401、ニカラックMW−30M、同30、同22、同24X、ニカラックMS−21、同11、同001、ニカラックMX−002、同730、同750、同708、同706、同042、同035、同45、同410、同302、同202、ニカラックSM−651、同652、同653、同551、同451、ニカラックSB−401、同355、同303、同301、同255、同203、同201、ニカラックBX−4000、同37、同55H、ニカラックBL−60(以上、三和ケミカル社製)などを挙げることができる。好ましくは、式4におけるR16、R17のどちらか1つが水素原子であり、すなわち、イミノ基を含有する架橋成分であるサイメル325、同327、同703、同712、同254、同253、同212、同1128、同701、同202、同207が好ましい。
【0034】
本発明に用いる架橋剤は、架橋剤Iおよび架橋剤II以外に、他の架橋剤を用いることができる。他の架橋剤としては、分子末端に重合性2重結合を有する化合物が好ましく、例えば、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、等を挙げることができる。なかでもペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートが熱硬化性が良好である点から好ましい。
【0035】
上記架橋剤は上述した樹脂および/または架橋成分が相互に酸および熱の作用により反応する架橋成分(硬化成分)として作用するものである。
本発明における架橋剤の配合量は、樹脂100質量部に対して、1〜100質量部、好ましくは5〜70質量部である。配合量が1質量部未満では硬化が不十分になり、パターンの収縮が起こらないおそれがあり、100質量部をこえると硬化が進みすぎ、パターンが埋まってしまうおそれがある。また、全架橋剤のうち架橋剤Iが1〜100質量%、好ましくは5〜90質量%であり、架橋剤IIが1〜80質量%、好ましくは5〜60質量%であり、その他の架橋剤が1〜50質量%、好ましくは5〜40質量%である。
また、樹脂および架橋剤の合計量は、後述するアルコール溶媒を含めた樹脂組成物全体に対して、0.1〜30質量%、好ましくは1〜20質量%である。樹脂および架橋成分の合計量が、0.1質量%未満では塗膜が薄くなりすぎパターンエッチ部に膜切れを起こすおそれがあり、30質量%をこえると粘度が高くなりすぎ微細なパターンへ埋め込むことができないおそれがある。
【0036】
本発明に使用できる溶媒はアルコール溶媒が好ましく、特にアルコール溶媒は、樹脂および架橋剤を十分に溶解し、かつフォトレジスト膜上に塗布するに際し、フォトレジスト膜とインターミキシングを起こさない溶媒であれば使用できる。
そのような溶媒としては、炭素数1〜8の1価アルコールであることが好ましい。例えば、1−プロパノール、イソプロバノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、3−メチル−2−ブタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−2−ペンタノール、2−メチル−3−ペンタノール、3−メチル−1−ペンタノール、3−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−3−ペンタノール、4−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、2−メチル−2−ヘプタノール、2−メチル−3−ヘプタノールなどが挙げられ、1−ブタノール、2−ブタノール、4−メチル−2−ペンタノールが好ましい。これらのアルコール溶媒は、単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、アルコール溶媒は、全溶媒に対して10質量%以下、好ましくは1質量%以下の水を含むことができる。10質量%をこえると樹脂の溶解性が低下する。より好ましくは、水を含有しない無水アルコール溶媒である。
【0037】
本発明の微細パターン形成用樹脂組成物は、フォトレジスト膜上に塗布するに際し、塗布性を調整する目的で、他の溶媒を混合することもできる。他の溶媒は、フォトレジスト膜を浸食せずに、かつ微細パターン形成用樹脂組成物を均一に塗布する作用がある。
他の溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどの多価アルコールのアルキルエーテル類;エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどの多価アルコールのアルキルエーテルアセテート類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、ジアセトンアルコールなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、水が挙げられる。これらのうち、環状エーテル類、多価アルコールのアルキルエーテル類、多価アルコールのアルキルエーテルアセテート類、ケトン類、エステル類、水が好ましい。
【0038】
上記、他の溶媒の配合割合は、全溶媒中の30質量%以下であり、好ましくは20質量%以下である。30質量%をこえると、フォトレジスト膜を浸食し、微細パターン形成用樹脂組成物との間にインターミキシングを起こすなどの不具合を発生し、レジストパターンを埋めてしまうおそれがある。なお、水が混合される場合、10質量%以下である。
【0039】
本発明の微細パターン形成用樹脂組成物には、塗布性、消泡性、レベリング性などを向上させる目的で界面活性剤を配合することもできる。
そのような界面活性剤としては、例えばBM−1000、BM−1100(以上、BMケミー社製)、メガファックF142D、同F172、同F173、同F183(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、フロラードFC−135、同FC−170C、同FC−430、同FC−431(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−112、同S−113、同S−131、同S−141、同S−145(以上、旭硝子(株)製)、SH−28PA、同−190、同−193、SZ−6032、SF−8428(以上、東レダウコーニングシリコーン(株)製)などの商品名で市販されているフッ素系界面活性剤を使用することができる。
これらの界面活性剤の配合量は、樹脂100質量部に対して好ましくは5質量%以下である。
【0040】
上記微細パターン形成用樹脂組成物を用いて、次の方法で微細パターンが形成される。
(1)レジストパターンの形成
スピンコートなどの従来公知の方法により8インチあるいは12インチのシリコンウエハ基板上に反射防止膜(有機膜あるいは無機膜)を形成する。次いで、スピンコートなどの従来公知の方法によりフォトレジストを塗布し、例えば、80℃〜140℃程度、60〜120秒程度の条件でプリベーク(PB)を行なう。その後、g線、i線などの紫外線、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレーザー光、X線、電子線などで露光をし、例えば、80℃〜140℃程度の条件でポストイクスポージャーベーク(PEB)を行なった後、現像し、レジストパターンを形成する。
(2)微細パターンの形成
上記レジストパターンが形成された基板に、スピンコートなどの従来公知の方法により上記本発明の微細パターン形成用樹脂組成物を塗布する。スピンコートのみで溶剤が揮散し被覆膜を形成する場合がある。また、必要に応じて、例えば、80℃〜110℃程度、60〜120秒程度のプリベーク(PB)し、微細パターン形成用樹脂組成物の被覆膜を形成する。
次いで、このレジストパターンを微細パターン形成用樹脂組成物により被覆した基板を熱処理する。熱処理により、フォトレジスト由来の酸がフォトレジストとの界面から微細パターン形成用樹脂組成物層中に拡散し、微細パターン形成用樹脂組成物は架橋反応を起こす。フォトレジスト界面からの架橋反応状態は、微細パターン形成用樹脂組成物の材料、使用されるフォトレジスト、ベーク処理温度およびベーク処理時間により決定される。熱処理温度および熱処理時間は、通常90℃〜160℃程度の温度で、60〜120秒程度で行なわれる。
次いで、微細パターン形成用樹脂組成物の被覆膜を、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)などのアルカリ水溶液などにより現像処理(例えば、60〜120秒程度)して、未架橋の微細パターン形成用樹脂組成物の被覆膜を溶解させて除去する。最後に水で洗浄処理することにより、ホールパターンや楕円パターン、トレンチパターンなどを微細化することができる。
(3)エッチング処理によるレジストパターンの除去
レジストパターンの側壁として形成された微細パターン形成用樹脂組成物に対してエッチング処理を施すことにより、レジストパターンを先行して除去し、側壁の微細パターン形成用樹脂組成物を残存させることにより、微細な回路パターンを転写する。
【実施例】
【0041】
以下に本発明をその実施例をもって説明するが、本発明の態様はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
実施例1
【化7】

上記式(m−1)で表される1,1,1−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(トリフルオロメチル)ペント−4−イルメタクリレート(以下、「単量体(m−1)」ともいう)39.78g(70モル%)およびp−t−ブトキシスチレン(以下、「単量体(m−2)」ともいう)10.22g(30モル%)、およびアゾビスイソブチロニトリル1.27gを67gのメチルエチルケトン(MEK)に溶解して溶液を調製した。調製した溶液を33gのMEKが入った反応容器内へ還流条件下(82℃)1時間かけて滴下した後、3時間重合反応を行なった。反応容器を流水で冷却した後、メタノール150gとヘキサン375gを加えて洗浄し、メタノール層を回収した。回収したメタノール層にMEKを30g加えると共に、メタノール150gとヘキサン375gを更に加えて洗浄した。メタノール層を4−メチル−2−ペンタノール(MIBC)で溶剤置換し、得られたMIBC溶液から重合体を得た(収率70%)。この重合体のMwは10,000であり、Mw/Mnは1.52であった。重合体のMwおよびMnの測定は、東ソー(株)社製GPCカラム(G2000HXL2本、G3000HXL1本、G4000HXL1本)を用い、流量1.0ミリリットル/分、溶出溶剤テトラヒドロフラン、カラム温度40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定した。
実施例1で得られた重合体を樹脂(B−1)とする。
【0042】
実施例2
【化8】

単量体(m−1)を35.13g(60モル%)、単量体(m−2)を12.28g(35モル%)および上記式(m−3)で表される単量体を2.60g(5モル%)、およびアゾビスイソブチロニトリル1.31gを67gのメチルエチルケトン(MEK)に溶解して溶液を調製した。調製した溶液を33gのMEKが入った反応容器内へ還流条件下(82℃)1時間かけて滴下した後、3時間重合反応を行なった。反応容器を流水で冷却した後、メタノール150gとヘキサン375gを加えて洗浄し、メタノール層を回収した。回収したメタノール層にMEKを30g加えると共に、メタノール150gとヘキサン375gを更に加えて洗浄した。メタノール層を4−メチル−2−ペンタノール(MIBC)で溶剤置換し、得られたMIBC溶液から重合体を得た(収率65%)。得られた重合体を実施例1と同一の方法で測定したMwは11,000であり、Mw/Mnは1.52であった。
実施例2で得られた重合体を樹脂(B−2)とする。
【0043】
実施例3
【化9】

単量体(m−1)を41.42g(70モル%)および上記式(m−4)で表される単量体を8.58g(30モル%)、およびアゾビスイソブチロニトリル0.66gを67gのメチルエチルケトン(MEK)に溶解して溶液を調製した。調製した溶液を33gのMEKが入った反応容器内へ還流条件下(82℃)1時間かけて滴下した後、3時間重合反応を行なった。反応容器を流水で冷却した後、メタノール150gとヘキサン375gを加えて洗浄し、メタノール層を回収した。回収したメタノール層にMEKを30g加えると共に、メタノール150gとヘキサン375gを更に加えて洗浄した。メタノール層を4−メチル−2−ペンタノール(MIBC)で溶剤置換し、得られたMIBC溶液から重合体を得た(収率71%)。実施例1と同一の方法で測定した重合体のMwは19,000であり、Mw/Mnは1.51であった。
実施例3で得られた重合体を樹脂(B−3)とする。
【0044】
実施例4
【化10】

単量体(m−1)を45.67g(90モル%)および上記式(m−5)で表される単量体を4.33g(10モル%)、およびアゾビスイソブチロニトリル1.13gを67gのメチルエチルケトン(MEK)に溶解して溶液を調製した。調製した溶液を33gのMEKが入った反応容器内へ還流条件下(82℃)1時間かけて滴下した後、3時間重合反応を行なった。反応容器を流水で冷却した後、メタノール150gとヘキサン375gを加えて洗浄し、メタノール層を回収した。回収したメタノール層にMEKを30g加えると共に、メタノール150gとヘキサン375gを更に加えて洗浄した。メタノール層を4−メチル−2−ペンタノール(MIBC)で溶剤置換し、得られたMIBC溶液から重合体を得た(収率65%)。実施例1と同一の方法で測定した重合体のMwは18,000であり、Mw/Mnは1.50であった。
実施例4で得られた重合体を樹脂(B−4)とする。
【0045】
実施例5
【化11】

単量体(m−1)を39.42g(66.5モル%)および上記式(m−6)で表される単量体を10.58g(33.5モル%)、およびアゾビスイソブチロニトリル1.26gを67gのメチルエチルケトン(MEK)に溶解して溶液を調製した。調製した溶液を33gのMEKが入った反応容器内へ還流条件下(82℃)1時間かけて滴下した後、3時間重合反応を行なった。反応容器を流水で冷却した後、メタノール150gとヘキサン375gを加えて洗浄し、メタノール層を回収した。回収したメタノール層にMEKを30g加えると共に、メタノール150gとヘキサン375gを更に加えて洗浄した。メタノール層を4−メチル−2−ペンタノール(MIBC)で溶剤置換し、得られたMIBC溶液から重合体を得た(収率70%)。実施例1と同一の方法で測定した重合体のMwは17,000であり、Mw/Mnは1.50であった。
実施例5で得られた重合体を樹脂(B−5)とする。
【0046】
実施例6
【化12】

単量体(m−1)を45.81g(90モル%)および上記式(m−7)で表される単量体を4.19g(10モル%)、およびアゾビスイソブチロニトリル1.14gを67gのメチルエチルケトン(MEK)に溶解して溶液を調製した。調製した溶液を33gのMEKが入った反応容器内へ還流条件下(82℃)1時間かけて滴下した後、3時間重合反応を行なった。反応容器を流水で冷却した後、メタノール150gとヘキサン375gを加えて洗浄し、メタノール層を回収した。回収したメタノール層にMEKを30g加えると共に、メタノール150gとヘキサン375gを更に加えて洗浄した。メタノール層を4−メチル−2−ペンタノール(MIBC)で溶剤置換し、得られたMIBC溶液から重合体を得た(収率72%)。実施例1と同一の方法で測定した重合体のMwは16,500であり、Mw/Mnは1.51であった。
実施例6で得られた重合体を樹脂(B−6)とする。
【0047】
実施例7〜実施例18および比較例1〜2
表1に示す割合で、容器内に、樹脂、架橋剤、アルコール溶剤を加え、3時間攪拌した後、孔径0.03μmのフィルターを使用して濾過して、微細パターン形成用樹脂組成物を得た。
各実施例および比較例に用いた架橋剤およびアルコール溶剤を以下に示す。
架橋剤
C−1:1,3−ベンゼンジカルボン酸ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メチル]エステル
C−2:ニカラックE−6401[メラミン樹脂](日本カーバイド社製、商品名)
C−3:ペンタエリスリトールテトラアクリレート
アルコール溶剤
S−1:1−ブタノール
S−2:4−メチル−2−ペンタノール
【0048】
得られた微細パターン形成用樹脂組成物を評価するために、レジストパターン付きの評価用基板を以下の方法で作製した。
8インチシリコンウェハ上に下層反射防止膜ARC29A(ブルワーサイエンス社製)をCLEAN TRACK ACT8(東京エレクトロン(株))でスピンコートにより膜厚77nm(PB205℃、60秒)で塗膜を形成した後、JSR ArF AR2676J(JSR株式会社製、脂環族系感放射線性樹脂組成物)のパターニングを実施する。AR2676Jは、同CLEAN TRACK ACT8にてスピンコート、PB(115℃、60秒)、冷却(23℃、30秒)により膜厚150nmの塗布膜を形成し、ArF投影露光装置S306C(ニコン(株))で、NA:0.78、シグマ:0.85、Quadrupoleの光学条件にて露光(露光量30mJ/cm2)を行ない、同CLEAN TRACK ACT8ホットプレートにてPEB(115℃、60秒)、冷却(23℃、30秒)後、現像カップのLDノズルにて2.38質量%TMAH水溶液を現像液としてパドル現像(60秒間)、超純水にてリンス、次いで4000rpmで15秒間振り切りによりスピンドライし、評価用基板を得た。この工程で得られた基板を評価用基板Aとする。同一条件で作製した評価用基板Aを複数枚準備した。
得られた評価用基板を走査型電子顕微鏡(日立計測器(株)製S−9380)で90nm径ホールパターン、90nmスペースのマスクパターン(バイアス+30nm/マスク上は120nm径パターン/60nmスペース)に該当するパターンを観察し、レジストパターンのホール径を測定した。
【0049】
レジストパターン付き評価基板を用いて、表1記載の各実施例における微細パターン形成用樹脂組成物を以下の方法で評価した。各評価結果をそれぞれ表2に示す。
(1)収縮寸法およびベーク温度依存性の評価
上記評価用基板A上に、表1記載の微細パターン形成用樹脂組成物をCLEAN TRACK ACT8にてスピンコートにて膜厚150nmで塗布した後、レジストパターンと微細パターン形成用樹脂組成物を反応させるため、表1記載の収縮評価ベーク条件でベークを行なった。ついで同CLEAN TRACK ACT8で23℃、30秒の冷却プレートで冷却後、現像カップでLDノズルにて2.38質量%TMAH水溶液を現像液としてパドル現像(60秒間)、超純水にてリンス、次いで4000rpmで15秒間振り切りによりスピンドライした。この工程で得られた基板を評価用基板Bとする。パターン寸法の収縮測定は、走査型電子顕微鏡(日立計測器(株)製S−9380)で約60〜90nm径ホールパターン、90〜120nmスペースのマスクパターン(バイアス+30nm/マスク上は120nm径パターン/60nmスペース)に該当するパターンを観察し、パターンのホール径を測定した。
収縮寸法(nm)=φ1−φ2
φ1:評価用基板Aのレジストパターンホール径(nm)
φ2:評価用基板Bのレジストパターンホール径(nm)
収縮の判定として、収縮が確認され、収縮寸法が10nm以上のときを「〇」、収縮が確認されないもしくはパターンがつぶれてしまっているとき、もしくは収縮寸法が10nm未満のものを「×」とした。
【0050】
(2)不溶物の確認評価
評価用基板Bを走査型電子顕微鏡(日立計測器(株)製S−4800)で60〜90m径ホールパターン、90〜120nmスペースのマスクパターン(バイアス+30nm/マスク上は120nm径パターン/60nmスペース)に該当するパターンの断面を観察し、開口部底部に不溶物がないとき「〇」、不溶物が観察されたとき「×」とした。
(3)パターン収縮後形状評価
評価用基板Aにおいて、走査型電子顕微鏡(日立計測器(株)製S−4800)で60〜90nm径ホールパターン、90〜120nmスペースのマスクパターン(バイアス+30nm/マスク上は120nmパターン/60nmスペース)に該当し、かつ同位置に存在するパターンの断面をそれぞれ観察する。断面形状を図1および図2に示す。
基板1に対するホールパターン2の側壁2aの角度がパターン収縮前の角度θ(図1(a))とパターン収縮後の角度θ'(図1(b))で3度以下の差であること(図1参照)、かつ評価用基板A(図2(a))におけるレジストの膜厚tを100として、基板1からレジストの膜厚t−t'が80をこえる部分でのみ評価用基板B上のパターンに劣化部分t'が認められるものを良好とし(図2(b))、その他は不良とした(図2参照)。
【0051】
【表1】

【表2】

【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明の微細パターン形成用樹脂組成物は、レジストパターンのパターン間隙を実効的に、精度よく微細化することができ、波長限界をこえるパターンを良好かつ経済的に形成できるので、今後ますます微細化が進行するとみられる集積回路素子の製造に代表される微細加工の分野で極めて好適に使用することができる。
【符号の説明】
【0053】
1 基板
2 ホールパターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂と、この樹脂を架橋させる架橋剤と、溶媒とを含み、レジストパターンを微細化するための微細パターン形成用樹脂組成物であって、
前記樹脂が下記式(1−1)ないし式(1−3)で表される繰り返し単位から選ばれる少なくとも1つの繰り返し単位と、下記式(2)ないし式(5)で表される繰り返し単位から選ばれる少なくとも1つの繰り返し単位とを含有することを特徴とする微細パターン形成用樹脂組成物。
【化13】

(式(1−1)ないし式(1−3)において、R1は水素原子、フッ素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を表し、Xは単結合、酸素原子、カルボニルオキシ基、またはメチレンオキシ基を表し、R2はメチレジン基、メチルメチレン基、またはヒドロキシ基もしくはハロゲン原子で一部の水素原子が置換されていてもよい、シクロヘキシル基、フェニル基、アダマンタン基、ノルボルネン基、もしくは環状エーテル基を表し、R3は、相互に独立にメチル基またはトリフルオロメチル基を表し、R4は相互に独立に水素原子、または酸の作用により水素原子を生成する基を表し、該基はフッ素で置換されていてもよく、R5は脂肪族環またはフェニル環を表し、nは0、1または2、mは0または1を表し、
式(2)において、R6は水素原子、炭素数1〜8の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、または炭素数1〜8の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシル基を表し、
式(3)において、R7は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、ヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基、またはフェニル基を表し、Aは、単結合、酸素原子、カルボニル基、カルボニルオキシ基もしくはオキシカルボニル基、炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数3〜8の2価の単環式炭化水素環基、または炭素数7〜10の2価の多環式炭化水素環基を表し、R8は少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数1〜8の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基を表し、
式(4)および式(5)において、R9およびR12は、水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を表し、
式(4)において、R10はメチレン基、エチレン基またはプロピレン基を表し、R11は下記式(6)または下記式(7)でそれぞれ表される基であり、
式(5)において、R13はメチレン基または炭素数2〜6のアルキレン基を表し、R14は、水素原子、メチル基またはエチル基を表し、rは0または1である。
【化14】

式(6)または式(7)において、R15は相互に独立に水素原子、または炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基を表す。)
【請求項2】
前記架橋剤は、下記式(8)で表される化合物および下記式(9)で表される化合物から選ばれる少なくとも1つの化合物を含むことを特徴とする請求項1記載の微細パターン形成用樹脂組成物。
【化15】

(式(8)において、BおよびDは相互に独立に、単結合、メチレン基、炭素数2〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、または、炭素数3〜20の2価の脂環式炭化水素基を表し、Eは炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基を表し、pは2〜4の整数、qは0または1を表し、
式(9)において、Zは炭素数3〜20の脂環式炭化水素基を表し、酸素原子、窒素原子および硫黄原子を含んでいてもよく、p’は1〜6の整数を表し、R16およびR17は、水素原子、または下記式(9−1)で表される基を表し、R16およびR17の少なくとも1つは下記式(9−1)で表される基であり、
【化16】

式(9−1)において、R18およびR19は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシアルキル基、またはR18とR19とが互いに連結した炭素数2〜10の環を表し、R20は、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表す。)
【請求項3】
基板上にレジストパターンを形成するパターン形成工程と、このレジストパターン上に請求項1または請求項2記載の微細パターン形成用樹脂組成物を被覆する被覆工程と、前記被膜工程後の基板を加熱処理する工程と、アルカリ水溶液により現像する工程とを含む微細パターン形成方法。
【請求項4】
下記式(1−1)ないし式(1−3)で表される繰り返し単位から選ばれる少なくとも1つの繰り返し単位と、下記式(2)ないし式(5)で表される繰り返し単位から選ばれる少なくとも1つの繰り返し単位とを含み、重量平均分子量が1,000〜50,000であることを特徴とする重合体。
【化17】

(式(1−1)ないし式(1−3)において、R1は水素原子、フッ素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を表し、Xは単結合、酸素原子、カルボニルオキシ基、またはメチレンオキシ基を表し、R2はメチレジン基、メチルメチレン基、またはヒドロキシ基もしくはハロゲン原子で一部の水素原子が置換されていてもよい、シクロヘキシル基、フェニル基、アダマンタン基、ノルボルネン基、もしくは環状エーテル基を表し、R3は、相互に独立にメチル基またはトリフルオロメチル基を表し、R4は相互に独立に水素原子、または酸の作用により水素原子を生成する基を表し、該基はフッ素で置換されていてもよく、R5は脂肪族環またはフェニル環を表し、nは0、1または2、mは0または1を表し、
式(2)において、R6は水素原子、炭素数1〜8の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、または炭素数1〜8の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシル基を表し、
式(3)において、R7は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、ヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基、またはフェニル基を表し、Aは、単結合、酸素原子、カルボニル基、カルボニルオキシ基もしくはオキシカルボニル基、炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数3〜8の2価の単環式炭化水素環基、または炭素数7〜10の2価の多環式炭化水素環基を表し、R8は少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数1〜8の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基を表し、
式(4)および式(5)において、R9およびR12は、水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を表し、
式(4)において、R10はメチレン基、エチレン基またはプロピレン基を表し、R11は下記式(6)または下記式(7)でそれぞれ表される基であり、
式(5)において、R13はメチレン基または炭素数2〜6のアルキレン基を表し、R14は、水素原子、メチル基またはエチル基を表し、rは0または1である。
【化18】

式(6)または式(7)において、R15は相互に独立に水素原子、または炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基を表す。)

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−59583(P2011−59583A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−211916(P2009−211916)
【出願日】平成21年9月14日(2009.9.14)
【出願人】(000004178)JSR株式会社 (3,320)
【Fターム(参考)】