説明

微細パターン形成用組成物およびそれを用いた微細化されたパターン形成方法

【課題】高いエッチング耐性を有するレジストパターンを形成させることのできる微細パターン形成用組成物、およびそれを用いたレジストパターンの形成方法の提供。
【解決手段】側鎖に芳香族含有置換基を有する水溶性樹脂と純水とを含む微細パターン形成用組成物。この組成物は、水溶性樹脂に結合した酸基を含むか、または組成物中に遊離の酸を含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微細パターン形成用組成物に関するものである。さらに詳細には、本発明は、半導体デバイス、液晶表示素子などのフラットパネルディスプレー(FPD)、電荷結合素子(CCD)、カラーフィルター、磁気ヘッド等の製造に用いられる感光性樹脂組成物の現像工程で好適に用いられる微細パターン形成用組成物に関するものである。また、本発明はその微細パターン形成用組成物を用いたレジストパターンの形成方法にも関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、LSIの高集積化と高速度化に伴い、半導体デバイスの製造過程におけるレジストパターンの微細化が求められている。この微細化のデザインルールは、ハーフミクロンからクォーターミクロンへ、そしてさらにそれ以下のより高度な微細化を要求している。このような高度な微細化に対応するために、露光光源や感光性樹脂の検討が進められている。例えば、露光光源として従来使用されてきた可視光線あるいは近紫外線(波長400〜300nm)などでは微細化の限界があり、より短波長のKrFエキシマレーザー(248nm)やArFエキシマレーザー(193nm)等の遠紫外線、X線、電子線などの実用化が検討されている。また、感光性樹脂組成物についても各種のものが検討されているが、露光光源と露光方法とに依存する部分が大きく、感光性樹脂組成物の改良だけでは十分な効果が得られていない。
【0003】
このため、まったく別の観点からレジストパターンを微細化させる方法も検討されている。具体的には、従来の方法によってレジストパターンを形成させた後に、その表面を均一の厚さの被覆層で被覆することによって、レジストパターンを太らせ、その結果パターン間のライン幅やコンタクトホール径を小さくする方法が検討されている(特許文献1および2)。しかしながら、これまでに報告されている方法では、被覆層に改良の余地があった。すなわち、被覆層を形成させた後にレジストパターンをもとにエッチング処理がなされるが、その際に被覆層も浸蝕されることがあり、結果的に転写された実際のライン幅やコンタクトホール径がさほど微細化されていないといった問題が起こることがあった。それを解決するために、この被覆層にエッチング耐性を持たせることが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−275995号
【特許文献2】特開2008−102348号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記したような課題に鑑みて、高いエッチング耐性を有するレジストパターンを、製造コストや製造効率を損なうことなく形成させることのできる微細パターン形成用組成物、およびそれを用いたレジストパターンの形成方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による第一の微細パターン形成用組成物は、純水と、下記一般式(1)で表される水溶性樹脂:
−X−Y−Z− (1)
(式中、
【化1】

であり、
p、q、およびrはそれぞれ繰り返し単位X、Y、およびZの重合比であって、
0.60≦p+r≦0.95、かつ
0.05≦q≦0.40
であり、各繰り返し単位はブロックを構成しても、ランダムに結合していてもよく、
aは0または1の整数であり、
Lは、
−N=CH−、
−NH−CHR−、
−NH−CH−CHR−、および
−NH−CHR−CH
(ここで、Rは、−H、−CH、−COOH、−CHCOOH、−CH(CH、および−COOCからなる群から選ばれるものである)
からなる群から選ばれる2価の連結基であり、
Arは、下記一般式:
【化2】

(ここで、
bは0以上5以下の整数であり、
cは0以上5−b以下の整数であり、
は、炭素、窒素、酸素、およびフッ素からなる群から選択される元素からなる有機基であり、bが2以上のときには二つのRが結合して環状構造を形成していてもよく、
は、−COOH、−CHCOOH、−CH(CH)COOH、−OCHCOOH、−SOH、および−OHからなる群から選択される酸基である)
で表されるものであり、
繰り返し単位Yが少なくともひとつの酸基を含み、
繰り返し単位XおよびYは、それぞれが構造が異なった繰り返し単位の組み合わせであってもよい)
とを含むことを特徴とするものである。
【0007】
本発明による第二の微細パターン形成用組成物は、純水と、酸と、下記一般式(1’)で表される水溶性樹脂:
−X−Y’−Z− (1’)
(式中、
【化3】

であり、
p、q、およびrはそれぞれ繰り返し単位X、Y’、およびZの重合比であって、
0.60≦p+r≦0.95、かつ
0.05≦q≦0.40
であり、各繰り返し単位はブロックを構成しても、ランダムに結合していてもよく、
aは0または1の整数であり、
L‘は、
−N=CH−、
−NH−CHR’−、
−NH−CH−CHR’−、および
−NH−CHR’−CH
(ここで、R’は、−H、−CH、−CH(CH、および−COOCからなる群から選ばれるものである)
からなる群から選ばれる2価の連結基であり、
Arは、下記一般式:
【化4】

(ここで、
bは0以上5以下の整数であり、
は、炭素、窒素、酸素、およびフッ素からなる群から選択される元素からなる有機基であり、bが2以上のときには二つのRが結合して環状構造を形成していてもよい)
で表されるものであり、
繰り返し単位XおよびY’は、それぞれが構造の異なった繰り返し単位の組み合わせであってもよい)
とを含むことを特徴とするものである。
【0008】
本発明による第三の微細パターン形成用組成物は、純水と、水溶性樹脂とを含むものであって、前記水溶性樹脂が、下記一般式(2)で表される主鎖ポリマー:
−Xp0−Zr0− (2)
(式中、
【化5】

であり、
p0およびr0はそれぞれ繰り返し単位XおよびZの重合比であって、
0.05≦p0≦1、かつ
0≦r0≦0.95
であり、各繰り返し単位はブロックを構成しても、ランダムに結合していてもよく、
a0は0または1の整数であり、
繰り返し単位Xは、a0が異なった構造を有するものの組み合わせであってもよい)
に、下記一般式(3A)または(3B)で表される、少なくとも一種の側鎖形成化合物:
【化6】

(式中、
bは0以上5以下の整数であり、
cは0以上5−b以下の整数であり、
Wは、
単結合、
−CHR−、および
−CHR−CH
(ここで、Rは、−H、−CH、−CH(CH、−COOH、−CHCOOH、および−COOCからなる群から選ばれるものである)
からなる群から選ばれる2価の連結基であり、
は、炭素、窒素、酸素、およびフッ素からなる群から選択される元素からなる有機基であり、bが2以上のときには二つのRが結合して環状構造を形成していてもよく、
は、−COOH、−CH−COOH、−CH(CH)−COOH、−O−CH−COOH、−SOH、および−OHからなる群から選択される酸基であり、
LまたはRが少なくともひとつの酸基を含む)
とを反応させたものであり、主鎖ポリマーに含まれる窒素原子の5〜40%に側鎖形成化合物に由来する芳香族含有置換基が結合したものであることを特徴とするものである。
【0009】
本発明による第四の微細パターン形成用組成物は、純水と、酸と、水溶性樹脂とを含むものであって、前記水溶性樹脂が、下記一般式(2)で表される主鎖ポリマー:
−Xp0−Zr0− (2)
(式中、
【化7】

であり、
p0およびr0はそれぞれ繰り返し単位XおよびZの重合比であって、
0.05≦p0≦1、かつ
0≦r0≦0.95
であり、各繰り返し単位はブロックを構成しても、ランダムに結合していてもよく、
a0は0または1の整数であり、
繰り返し単位Xは、a0が異なった構造を有するものの組み合わせであってもよい)
に、下記一般式(3A’)または(3B’)で表される少なくとも一種の側鎖形成化合物:
【化8】

(式中、
bは0以上5以下の整数であり、
W’は、
単結合、
−CHR0’−、および
−CHR0’−CH
(ここで、R0’は、−H、−CH、および−COOCからなる群から選ばれるものである)
からなる群から選ばれる2価の連結基であり、
は、炭素、窒素、酸素、およびフッ素からなる群から選択される元素からなる有機基であり、bが2以上のときには二つのRが結合して環状構造を形成していてもよい)
とを反応させたものであり、主鎖ポリマーに含まれる窒素原子の5〜40%に側鎖形成化合物に由来する芳香族含有置換基が結合したものであることを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明による微細なレジストパターンの形成方法は、現像処理後のレジストパターンを、前記のいずれかの微細パターン形成用組成物により処理することにより、前記現像処理後のレジストパターンの実効サイズを縮小する工程を含んでなることを特徴とするものである。
【0011】
さらに本発明による微細なレジストパターンは、像様露光されたレジスト基板を現像液により現像し、さらに前記のいずれかの微細パターン形成用組成物により処理することにより形成されたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明による微細パターン形成用組成物を用いることにより、製造コストや製造効率を損なうことなく、微細なパターンを形成することができる。この微細なパターンは、従来の方法により得られた微細化されたレジストパターンに比べてエッチング耐性が高く、実用性のより高いものである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施の形態について詳細に説明すると以下の通りである。
【0014】
微細パターン形成用組成物
本発明による微細パターン形成用組成物は、純水と特定の水溶性樹脂を含んでなる。そして、さらに前記水溶性樹脂に特定の酸基が含まれるか、組成物中に酸が含まれることを特徴のひとつとしている。
【0015】
(1)第一の微細パターン形成用組成物
本発明による第一の微細パターン形成用組成物は、純水と下記一般式(1)で表される水溶性樹脂を含む。
−X−Y−Z− (1)
(式中、
【化9】

であり、
p、q、およびrはそれぞれ繰り返し単位X、Y、およびZの重合比であって、
0.60≦p+r≦0.95、好ましくは0.80≦p+r≦0.95かつ
0.05≦q≦0.40、好ましくは0.05≦q≦0.20、
であり、各繰り返し単位はブロックを構成しても、ランダムに結合していてもよく、
aは0または1の整数であり、
Lは、
−N=CH−、
−NH−CHR−、
−NH−CH−CHR−、および
−NH−CHR−CH
(ここで、Rは、−H、−CH、−COOH、−CHCOOH、−CH(CH、および−COOCからなる群から選ばれるものである)
からなる群から選ばれる2価の連結基であり、
Arは、下記一般式:
【化10】

(ここで、
bは0以上5以下、好ましくは0以上1以下の整数であり、
cは0以上5−b以下、好ましくは1以上2以下の整数であり
は、炭素、窒素、酸素、およびフッ素からなる群から選択される元素からなる有機基であり、bが2以上のときには二つのRが結合して環状構造を形成していてもよく、
は、−COOH、−CHCOOH、−CH(CH)COOH、−OCHCOOH、−SOH、および−OHからなる群から選択される酸基、好ましくは−COOHまたは−SOHである)
で表されるものであり、
繰り返し単位Yが少なくともひとつの酸基を含み、
繰り返し単位XおよびYは、それぞれが構造の異なった繰り返し単位の組み合わせであってもよい)
【0016】
この第1の微細パターン形成用組成物は、水溶性樹脂中に酸基を含むことを特徴としている。すなわち、繰り返し単位Yに含まれる連結基Lまたは置換基Arの少なくとも一方に酸基、すなわち−COOH、−SOH、またはフェノール性−OHを含んでいる。
【0017】
一般式(1)において、繰り返し単位XおよびYは、a、L、またはArの異なった2種類以上のものを含むことができるが、Yが2種類以上の組み合わせである場合には、そのうちの少なくともひとつが酸基を含んでいればよい。また、一般式(1)において、繰り返し単位Yは必ず含まれるが、XおよびZのいずれか一方は含まれていなくてもよい。すなわち、pまたはrのいずれか一方が0であってもよい。ただし、rがゼロで無い場合にエッチング耐性がさらに改良される傾向にあり、繰り返し単位Zが含まれることが好ましい。
【0018】
置換基Arは、置換基を有してもよい芳香族基である。置換基Arは、酸基であるRを有することができ、またそれとは独立に、それ以外の有機基Rを有することができる。Rは炭素、窒素、酸素、およびフッ素からなる群から選択される元素からなる有機基である。Rが炭素を含む場合には、炭素数が1〜10であることが好ましい。また、炭素を含まない場合には、フッ素原子、アミノ基などであっても、また酸素と窒素だけからなる基であってもよい。具体的には、Rはアルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシアルキル基、置換アミノ基、非置換アミノ基、アルキルエーテル基、アルキルエステル基、アルキルアミド基、フッ素原子、フッ化アルコキシ基からなる群から選ばれるものであることが好ましく、特に好ましいのはジメチルアミノ基である。より具体的には、置換基Arは下記のものから選ばれることが好ましい。
【0019】
【化11】

【0020】
【化12】

【0021】
【化13】

【0022】
第一の微細パターン形成用組成物において、水溶性樹脂は前記したように繰り返し単位X,Y,およびZからなるものであるが、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の繰り返し単位を含んでもよい。例えば、繰り返し単位Yに対して、酸基を含まないもの(後述するY’に対応するもの)を繰り返し単位として含んでもよい。
【0023】
また、水溶性樹脂の分子量は特に限定されないが、重量平均分子量が一般に3,000〜100,000、好ましくは5,000〜20,000の範囲から選択される。なお、本発明において重量平均分子量とは、ゲル透過クロマトグラフィを用いて測定した、ポリスチレン換算平均重量分子量をいう。
【0024】
本発明による第一の微細パターン形成用組成物は、純水と前記の一般式(1)で表される水溶性樹脂を含むものであるが、水溶性樹脂の濃度は対象となるレジストパターンの種類やサイズ、目的とするパターンサイズなどに応じて任意に選択することができる。しかし、水溶性樹脂の濃度は組成物の全重量を基準として、一般に0.1〜10重量%、好ましくは1.0〜7.0重量%とされる。
【0025】
また、本発明による第一の微細パターン形成用組成物は、水溶性樹脂に酸基が含まれるが、それとは別に酸を更に含んでもよい。酸の種類はレジストパターンに悪影響を与えないものであれば特に限定されないが、硝酸、硫酸、酢酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、1,3−ベンゼンジスルホン酸、1,5−ナフタレンジスルホン酸、および2,7−ナフタレンジスルホン酸からなる群から選択されるものが好ましい。なお、これらの化合物に対して置換基の位置が異なる異性体も同様に扱うことができる。酸の添加量は、組成物の全重量を基準として、一般に40重量%以下、好ましくは20重量%以下とされる。
【0026】
本発明による第一の微細パターン形成用組成物は、必要に応じてその他の添加剤を含むこともできる。このような添加剤としては、界面活性剤、有機溶剤、殺菌剤、抗菌剤、防腐剤、および防カビ剤が挙げられる。これらの添加剤は原則的に微細パターン形成用組成物の性能には影響を与えないものであり、通常組成物の全重量を基準として1%以下、好ましくは0.1%以下、また好ましくは0.001%以下の含有量とされる。
【0027】
(2)第二の微細パターン形成用組成物
本発明による第二の微細パターン形成用組成物は、純水と、酸と、下記一般式(1’)で表される水溶性樹脂とを含む。
−X−Y’−Z− (1’)
(式中、
【化14】

であり、
p、q、およびrはそれぞれ繰り返し単位X、Y’、およびZの重合比であって、
0.60≦p+r≦0.95、好ましくは0.80≦p+r≦0.95かつ
0.05≦q≦0.40、好ましくは0.05≦q≦0.20、
であり、各繰り返し単位はブロックを構成しても、ランダムに結合していてもよく、
aは0または1の整数であり、
L‘は、
−N=CH−、
−NH−CHR’−、
−NH−CH−CHR’−、および
−NH−CHR’−CH
(ここで、R’は、−H、−CH、−CH(CH、および−COOCからなる群から選ばれるものである)
からなる群から選ばれる2価の連結基であり、
Arは、下記一般式:
【化15】

(ここで、
bは0以上5以下、好ましくは0以上1以下の整数であり、
は、炭素、窒素、酸素、およびフッ素からなる群から選択される元素からなる有機基であり、bが2以上のときには二つのRが結合して環状構造を形成していてもよい)
で表されるものであり、
繰り返し単位XおよびY’は、それぞれが構造の異なった繰り返し単位の組み合わせであってもよい)
【0028】
一般式(1’)において、繰り返し単位XおよびY’は、a、L’、またはAr’の異なった2種類以上のものを含むことができる。また、一般式(1’)において、繰り返し単位Yは必ず含まれるが、XおよびZのいずれか一方は含まれていなくてもよい。すなわち、pまたはrのいずれか一方が0であってもよい。ただし、rがゼロで無い場合にエッチング耐性がさらに改良される傾向にあり、繰り返し単位Zが含まれることが好ましい。
【0029】
置換基Ar’は、置換基Rを有してもよい芳香族基である。Rは炭素、窒素、酸素、およびフッ素からなる群から選択される元素からなる有機基である。Rが炭素を含む場合には、炭素数が1〜10であることが好ましい。また、炭素を含まない場合には、フッ素原子、アミノ基などであっても、また酸素と窒素だけからなる基であってもよい。具体的には、Rは、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシアルキル基、置換アミノ基、非置換アミノ基、アルキルエーテル基、アルキルエステル基、アルキルアミド基、フッ素原子、フッ化アルコキシ基からなる群から選ばれるものであることが好ましく、特に好ましいのはジメチルアミノ基である。より具体的には、置換基Ar’は下記のものから選ばれることが好ましい。
【0030】
【化16】

【0031】
【化17】

【0032】
また、第二の微細パターン形成用組成物に用いられる水溶性樹脂の分子量は特に限定されないが、重量平均分子量が一般に3,000〜100,000、好ましくは5,000〜20,000の範囲から選択される。
【0033】
本発明による第二の微細パターン形成用組成物は、純水と酸と前記の一般式(1’)で表される水溶性樹脂を含むものであるが、水溶性樹脂の濃度は対象となるレジストパターンの種類やサイズ、目的とするパターンサイズなどに応じて任意に選択することができる。しかし、水溶性樹脂の濃度は組成物の全重量を基準として、一般に0.1〜10重量%、好ましくは1.0〜7.0重量%とされる。
【0034】
また、本発明による第二の微細パターン形成用組成物は、必須成分として酸を更に含んでなる。酸の種類はレジストパターンに悪影響を与えないものであれば特に限定されないが、硝酸、硫酸、酢酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、1,3−ベンゼンジスルホン酸、1,5−ナフタレンジスルホン酸、および2,7−ナフタレンジスルホン酸からなる群から選択されるものが好ましい。酸の添加量は、組成物の全重量を基準として、一般に40重量%以下、好ましくは30重量%以下とされる。
【0035】
本発明による第二の微細パターン形成用組成物は、必要に応じてその他の添加剤を含むこともできる。用いることのできる添加剤の種類や含有量は、前記した第一の微細パターン形成用組成物と同様である。
【0036】
以上、第二の微細パターン形成用組成物について説明したが、簡単には、第二の微細パターン形成用組成物は、水溶性樹脂には酸基が含まれておらず、また組成物に酸が含まれている点が第一の微細パターン形成用組成物と異なっている。
【0037】
(3)第三の微細パターン形成用組成物
第三の微細パターン形成用組成物は、純水と特定の水溶性樹脂とを含むものであり、その水溶性樹脂は、特定の主鎖ポリマーと特定の側鎖形成化合物とを反応させて形成させたものである。
【0038】
まず、主鎖ポリマーは、下記一般式(2)で表されるものである。
−Xp0−Zr0− (2)
(式中、
【化18】

であり、
p0およびr0はそれぞれ繰り返し単位XおよびZの重合比であって、
0.05≦p0≦1、かつ
0≦r0≦0.95
であり、各繰り返し単位はブロックを構成しても、ランダムに結合していてもよく、
a0は0または1の整数であり、
繰り返し単位Xは、a0が異なった構造を有するものの組み合わせであってもよい)
【0039】
そして、この主鎖ポリマーの−NHまたは−NH−基に、下記一般式(3A)または(3B)で表される側鎖形成化合物を反応させて、側鎖に芳香族含有置換基を有する水溶性樹脂を形成させる。
【化19】

(式中、
bは0以上5以下、好ましくは0以上1以下の整数であり、
cは0以上5−b以下、好ましくは1以上2以下の整数であり、
Wは、
単結合、
−CHR−、および
−CHR−CH
(ここで、Rは、−H、−CH、−CH(CH、−COOH、−CHCOOH、および−COOCからなる群から選ばれるものである)
からなる群から選ばれる2価の連結基であり、
は、炭素、窒素、酸素、およびフッ素からなる群から選択される元素からなる有機基であり、bが2以上のときには二つのRが結合して環状構造を形成していてもよく、
は、−COOH、−CHCOOH、−CH(CH)COOH、−OCHCOOH、−SOH、および−OHからなる群から選択される酸基、好ましくは−COOHまたは−SOHであり、
WまたはRが少なくともひとつの酸基を含む)
【0040】
この側鎖形成用化合物は、2種類以上を組み合わせて用いることもできる。
【0041】
ここで、連結基WまたはRに酸基が含まれるので、酸基を含んだ水溶性樹脂が得られる。ここで、側鎖形成化合物は主鎖ポリマーに含まれる−NH基または−NH−基に対して置換反応を起こし、窒素原子に芳香族含有置換基が結合する。このとき、主鎖ポリマーに含まれるすべての窒素原子に対して置換基が結合する必要はない。本発明の第三の微細パターン形成用組成物は水溶性樹脂を含み、その主鎖ポリマーに含まれる窒素原子の5〜40%、好ましくは5〜20%に側鎖形成化合物に由来する芳香族含有置換基が結合している。
【0042】
この第三の微細パターン形成用組成物に含まれる水溶性樹脂を形成させるのに用いることができる側鎖形成化合物のうち、好ましいものは以下のものである。
【化20】

【0043】
このようにして形成される水溶性樹脂は、前記した第一の微細パターン形成用組成物に含まれる水溶性樹脂として用いることもできる。したがって、水溶性樹脂の分子量、含有量、用いることのできる添加剤やその含有量などは、前記した第一の微細パターン形成用組成物と同様である。
【0044】
(4)第四の微細パターン形成用組成物
第四の微細パターン形成用組成物は、純水と酸と特定の水溶性樹脂とを含むものであり、その水溶性樹脂は、特定の主鎖ポリマーと特定の側鎖形成化合物とを反応させて形成させたものである。
【0045】
まず、主鎖ポリマーは、第三の微細パターン形成用組成物の項で述べた、一般式(2)で表されるものと同じものである。ただし、これに反応させる側鎖形成化合物が第三の微細パターン形成用組成物と異なる。第四の微細パターン形成用組成物において用いられる側鎖形成化合物は、下記一般式(3A’)または(3B’)で表されるものである。
【化21】

(式中、
bは0以上5以下、好ましくは0以上1以下の整数であり、
W’は、
単結合、
−CHR0’−、および
−CHR0’−CH
(ここで、R0’は、−H、−CH、および−COOCからなる群から選ばれるものである)
からなる群から選ばれる2価の連結基であり、
は、炭素、窒素、酸素、およびフッ素からなる群から選択される元素からなる有機基であり、bが2以上のときには二つのRが結合して環状構造を形成していてもよい)
【0046】
この側鎖形成用化合物(3A’)および(3B’)は、前記の側鎖形成用化合物(3A)および(3B)に対して、酸基を含まない点で異なる。この側鎖形成用化合物は、2種類以上を組み合わせて用いることもできる。
【0047】
ここで、側鎖形成化合物は主鎖ポリマーに含まれる−NH基または−NH−基に対して置換反応を起こし、窒素原子に芳香族含有置換基が結合する。このとき、主鎖ポリマーに含まれるすべての窒素原子に対して置換基が結合する必要はない。本発明の第四の微細パターン形成用組成物は水溶性樹脂を含み、その主鎖ポリマーに含まれる窒素原子の5〜40%、好ましくは5〜15%に側鎖形成化合物に由来する芳香族含有置換基が結合している。
【0048】
この第四の微細パターン形成用組成物に含まれる水溶性樹脂を形成させるのに用いることができる側鎖形成化合物のうち、好ましいものは以下のものである。
【化22】

【化23】

【0049】
このようにして形成される水溶性樹脂は、前記した第二の微細パターン形成用組成物に含まれる水溶性樹脂として用いることもできる。したがって、水溶性樹脂の分子量、含有量、用いることのできる添加剤やその含有量などは、前記した第二の微細パターン形成用組成物と同様である。
【0050】
パターン形成方法
次に、本発明による微細なレジストパターンの形成方法について説明する。本発明の微細パターン形成用組成物が適用される代表的なパターン形成方法をあげると、次のような方法が挙げられる。
【0051】
まず、必要に応じて前処理された、シリコン基板、ガラス基板等の基板の表面に、感光性樹脂組成物をスピンコート法など従来から公知の塗布法により塗布して、感光性樹脂組成物層を形成させる。感光性樹脂組成物の塗布に先立ち、反射防止膜を基板表面に形成させてもよい。このような反射防止膜により断面形状および露光マージンを改善することができる。
【0052】
本発明のパターン形成方法には、従来知られている何れの感光性樹脂組成物を用いることもできる。本発明のパターン形成方法に用いることができる感光性樹脂組成物の代表的なものを例示すると、ポジ型では、例えば、キノンジアジド系感光剤とアルカリ可溶性樹脂とからなるもの、化学増幅型感光性樹脂組成物などが、ネガ型では、例えば、ポリケイ皮酸ビニル等の感光性基を有する高分子化合物を含むもの、芳香族アジド化合物を含有するもの或いは環化ゴムとビスアジド化合物からなるようなアジド化合物を含有するもの、ジアゾ樹脂を含むもの、付加重合性不飽和化合物を含む光重合性組成物、化学増幅型ネガ型感光性樹脂組成物などが挙げられる。
【0053】
ここでキノンジアジド系感光剤とアルカリ可溶性樹脂とからなるポジ型感光性樹脂組成物において用いられるキノンジアジド系感光剤の例としては、1,2−ベンゾキノンジアジド−4−スルホン酸、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸、これらのスルホン酸のエステル或いはアミドなどが、またアルカリ可溶性樹脂の例としては、ノボラック樹脂、ポリビニルフェノール、ポリビニルアルコール、アクリル酸或はメタクリル酸の共重合体などが挙げられる。ノボラック樹脂としては、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、キシレノール等のフェノール類の1種又は2種以上と、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド等のアルデヒド類の1種以上から製造されるものが好ましいものとして挙げられる。
【0054】
また、化学増幅型の感光性樹脂組成物は、ポジ型およびネガ型のいずれであっても本発明のパターン形成方法に用いることができる。化学増幅型レジストは、紫外線照射により酸を発生させ、この酸の触媒作用による化学変化により紫外線照射部分の現像液に対する溶解性を変化させてパターンを形成するもので、例えば、紫外線照射により酸を発生させる酸発生化合物と、酸の存在下に分解しフェノール性水酸基或いはカルボキシル基のようなアルカリ可溶性基が生成される酸感応性基含有樹脂からなるもの、アルカリ可溶樹脂と架橋剤、酸発生剤からなるものが挙げられる。
【0055】
基板上に形成された感光性樹脂組成物層は、例えばホットプレート上でプリベークされて感光性樹脂組成物中の溶剤が除去され、厚さが通常0.1〜2.5ミクロン程度のフォトレジスト膜とされる。プリベーク温度は、用いる溶剤或いは感光性樹脂組成物により異なるが、通常20〜200℃、好ましくは50〜150℃程度の温度で行われる。
【0056】
フォトレジスト膜はその後、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、超高圧水銀ランプ、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、軟X線照射装置、電子線描画装置など公知の照射装置を用い、必要に応じマスクを介して露光が行われる。
【0057】
露光後、必要に応じベーキングを行った後、例えばパドル現像などの方法で現像が行われ、レジストパターンが形成される。レジストの現像は、通常アルカリ性現像液を用いて行われる。アルカリ性現像液としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)、水酸化テトラブチルアンモニウム(TBAH)などの水溶液或いは水性溶液が用いられる。現像処理後、リンス液を用いてレジストパターンのリンス(洗浄)が行われる。なお、形成されたレジストパターンは、エッチング、メッキ、イオン拡散、染色処理などのレジストとして用いられ、その後必要に応じ剥離される。
【0058】
本発明によるパターン形成方法は、特に、微細で、アスペクト比の高いレジストパターンに対しても有効にパターンの微細化が可能なものである。ここで、アスペクト比とはレジストパターンの幅に対する高さの比である。したがって、本発明によるパターン形成方法は、このような微細なレジストパターンが形成されるリソグラフィー工程、すなわち、露光光源として、KrFエキシマレーザーやArFエキシマレーザー、更にはX線、電子線などを用いる、250nm以下の露光波長での露光を含むリソグラフィー工程を組み合わせることが好ましい。さらに、レジストパターンのパターン寸法でみると、ライン・アンド・スペース・パターンにおける線幅、またはコンタクトホール・パターンにおける孔径が300nm以下、特に50nm以下のレジストパターンを形成するリソグラフィー工程を含むものが好ましい。
【0059】
次いで、このレジストパターンを覆うように本発明による微細パターン形成用組成物を塗布し、被覆層を形成させる。なお、微細パターン形成用組成物の塗布に先立って、現像後のレジストパターンを純水などにより洗浄することが好ましい。
【0060】
被覆層が形成されたレジストを加熱することにより、被覆層成分のレジストへの浸透、フォトレジスト樹脂層に近接した被覆層において反応が起こり、レジストパターン表面を硬化した被覆層、すなわち不溶化層に覆われる。そして、最後に未反応の微細パターン形成用組成物を、水や溶剤によりリンス処理して除去し、実効サイズが縮小された、微細化されたパターンを得ることができる。
【0061】
すなわちレジストパターンの表面のうち、パターン内壁に不溶化層が形成されることにより、レジストパターン間の幅が狭まり、レジストパターンのピッチサイズまたはホール開口サイズを実効的に限界解像以下に微細化することが可能となる。
【0062】
本発明によるパターン形成方法において、微細パターン形成用組成物を塗布する方法は、例えばフォトレジスト樹脂組成物を塗布する際に従来から使用されている、スピンコート法、スリットコート法、スプレーコート法、浸漬塗布法、ローラーコート法などの任意の方法を用いることができる。塗布された被覆層は、必要に応じプリベークされて、さらに加熱される。
【0063】
被覆層の加熱処理の条件は、例えば40〜200℃、好ましくは80〜160℃、の温度、10〜300秒、好ましくは30〜120秒程度である。形成される不溶化層の膜厚は、加熱処理の温度と時間、使用するフォトレジスト樹脂組成物の種類などに応じて適宜調整することができる。したがって、レジストパターンをどの程度まで微細化させるか、言い換えればレジストパターンの幅をどの程度広げることが必要とされるかにより、これら諸条件を設定すればよい。しかし、不溶化層の厚さはレジストパターンの表面からの厚さで、一般に0.01〜100μmとするのが一般的である。
【0064】
さらに、加熱により形成された不溶化層を残し、微細パターン形成用組成物層を除去する洗浄処理のために用いられる溶剤としては、不溶化層に対しては溶解性が低く、微細パターン形成用組成物に対しては溶解性が高いものが選択される。より好ましいのは、微細パターン形成用組成物に用いられている溶剤、特に純水を洗浄処理に用いることが好ましい。
【0065】
このようにして得られたレジストパターンは、現像直後のレジストパターンが不溶化された被覆層に覆われており、実質的に微細化されている。そして、本発明によるレジストパターンはエッチング耐性が高く、半導体素子の製造に当たって、より微細なパターンを有する半導体素子等の製造に有用なものである。
【0066】
本発明を諸例を用いて説明すると以下の通りである。
【0067】
レジストパターン形成例1
シリコン基板にレジスト組成物AX2050P(商品名、AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製ポジ型フォトレジスト)をスピンコートにより塗布し、120℃で90秒間加熱して、膜厚0.16μmのフォトレジスト膜を得た。このレジスト塗膜にArF露光装置(ニコン株式会社製NSR−S306C型ステッパー)を用いて、140nm幅の1:1ホールパターンを露光した。次いで、110℃で90秒ポストエクスポージャーベーク(PEB)した後、2.38%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液で60秒パドル現像し、純水で15秒間リンス処理を行った。このようにしてレジストパターン1を得た。
【0068】
レジストパターン形成例2
シリコン基板にレジスト組成物AX1120P(商品名、AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製ポジ型フォトレジスト)をスピンコートにより塗布し、100℃で90秒間加熱して、膜厚0.20μmのフォトレジスト膜を得た。このレジスト塗膜にArF露光装置(ニコン株式会社製NSR−S306C型ステッパー)を用いて、120nm幅の1:1トレンチパターンを露光した。次いで、120℃で90秒ポストエクスポージャーベーク(PEB)した後、2.38%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液で60秒パドル現像し、純水で15秒間リンス処理を行った。このようにしてレジストパターン2を得た。
【0069】
ポリアリルアミンポリマー
基準となるポリアリルアミンとして、重量平均分子量が12,000、26,000、および7,800のポリアリルアミンを準備した。これらのポリアリルアミンはいずれも日東紡株式会社から市販されている。以下、これらを便宜的にPA100、PA200、およびPA300という。
【0070】
アリルアミン−ジアリルアミンコポリマー
撹拌機、温度計、ジムロート冷却管を備えた3リットルの4つ口丸底セパラブルフラスコに、ジアリルアミン類塩酸塩(3.0モル)とモノアリルアミン塩酸塩(3.0モル)を含むモノマー濃度の50重量%のメタノール溶液を仕込み、恒温槽中で55℃に保った。それに、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)17.23g(モノマーに対して2.5モル%)を添加した。さらに、重合を開始してから24時間、48時間、72時間経過した後にもジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)を同量ずつ添加し、合計120時間、重合反応させた。
【0071】
重合終了後、得られた混合物をイソプロパノール(2リットル)に添加し、析出する結晶を濾別し、イソプロパノールで洗浄した後、50℃で24時間、真空乾燥することにより、無水のジアリルアミン類塩酸塩とモノアリルアミン塩酸塩の共重合体を得た。その共重合体をイオン交換樹脂アンバーライトIRA400J(商品名、オルガノ株式会社より入手)を用いて陰イオン交換を行い、モノアリルアミンに由来する単位とジアリルアミンに由来する単位(ピロリジン環含有単位)との重合比が50:50であるコポリマー(重量平均分子量7,000)を得た。以下、このコポリマーをPAP400という。
【0072】
また、モノマーの配合比を変更したほかは同様にして、モノアリルアミンに由来する単位とジアリルアミンに由来する単位(ピロリジン環含有単位)との重合比が20:80であるコポリマー(重量平均分子量7,000)を得た。以下、このコポリマーをPAP500という。
【0073】
ポリビニルアミンポリマー
攪拌機、冷却管、温度計、滴下ロートおよび窒素導入管を備えた3リットルのジャケット付きセパラブルフラスコに脱塩水1,592gを加え、70℃に昇温した。次に、窒素雰囲気下、アゾ系重合開始剤V−50(商品名、和光純薬株式会社製)の10重量%水溶液50gを加え、ただちに60重量%N−ビニルホルムアミド水溶液833g(7.03モル)の滴下を開始した。滴下は2時間かけて行い、滴下開始1時間後にV−50の10%重量水溶液25gを追加した。滴下終了後、70℃で3時間熟成した後、温度を下げ反応を停止し、N−ビニルホルムアミド重合体の20%水溶液(以下、ポリマー水溶液Aという)を得た。
【0074】
攪拌機、冷却管、温度計および窒素導入管を備えた200mlのジャケット付きセパラブルフラスコに、ポリマー水溶液A100g(ポリマー純分20g)、塩酸ヒドロキシルアミン1.95gを加え、窒素雰囲気下50℃で1時間反応させた。35重量%水酸化ナトリウム水溶液46.8g(重合体中のホルムアミド基に対して1.4当量)を加えた後、昇温し80℃で5時間加水分解を行った。得られた溶液の一部を取り、過剰量の10重量%HCl(35%)/メタノールにあけて重合体を塩酸塩として析出させた。そののちイオン交換樹脂アンバーライトIRA400J(商品名、オルガノ株式会社製)を用いて陰イオン交換を行い、目的のMw=76,391のポリビニルアミン(以下、PV600という)を得た。
【0075】
4−カルボキシベンズイミノ基置換ポリアリルアミンの合成
PA100の15重量%水溶液50.0gを三口丸底フラスコの中に投入し、撹拌して24℃に調温した。これに4−カルボキシベンズアルデヒド(東京化成工業株式会社製)0.98710gを投入し、12時間撹拌をして、目的のポリマーPA101を得た。このポリマーをNMRによって分析したところ、反応前のPA100中に含まれる全アミノ基に対して5mol%が4−カルボキシベンズイミノ基で置換されていることが確認できた。すなわち、式(1)における繰り返し単位Yまたは式(1‘)における繰り返し単位Y’の重合比q(以下、簡単のために単に重合比qということがある)が5mol%であるポリマーPA101を得た。
【0076】
また、4−カルボキシベンズアルデヒドの添加量を変えただけで、ほかは同様にして、重合比qが10mol%であるポリマーPA102を得た。
【0077】
また、PA100に代えてPA200を用いて、重合比qが5mol%および10mol%であるポリマーPA201およびPA202を得た。
【0078】
さらにPA100に代えてPA300を用いて、重合比qが5mol%および10mol%であるポリマーPA301およびPA302を得た。
【0079】
2−カルボキシベンズイミノ基置換ポリアリルアミンの合成
PA100の15重量%水溶液50.0gを三口丸底フラスコの中に投入し、撹拌して24℃に調温した。これに2−カルボキシベンズアルデヒド(東京化成工業株式会社製)0.98770gを投入し、12時間撹拌をして、目的のポリマーPA111を得た。このポリマーをNMRによって分析したところ、反応前のPA100中に含まれる全アミノ基に対しての5mol%が2−カルボキシベンズイミノ基で置換されていることが確認できた。
【0080】
また、2−カルボキシベンズアルデヒドの添加量を変えただけで、ほかは同様にして、重合比qが10mol%、および15mol%であるポリマーPA112およびPA113を得た。
【0081】
また、PA100に代えてPA200を用いて、重合比qが5mol%および10mol%であるポリマーPA211およびPA212を得た。
【0082】
2−スルホベンズイミノ基置換ポリアリルアミンの合成
2−スルホベンズアルデヒドナトリウム(東京化成工業株式会社製)をイオン交換樹脂15JWET(商品名、オルガノ株式会社製)を用いてイオン交換を行い、ナトリウムイオンを除去して、2−スルホベンズアルデヒドを得た。PA100の15重量%水溶液50.0gを三口丸底フラスコの中に投入、撹拌して24℃に調温した。これに2−スルホベンズアルデヒド1.2241gを投入し12時間撹拌して、目的のポリマーPA121を得た。このポリマーをNMRによって分析したところ、反応前のPA100中に含まれる全アミノ基に対して5mol%が2−スルホベンズイミノ基で置換されていることが確認できた。
【0083】
また、2−スルホベンズアルデヒドの添加量を変えただけで、ほかは同様にして、重合比qが10mol%、および20mol%であるポリマーPA122およびPA123を得た。
【0084】
また、PA100に代えてPA200を用いて、重合比qが5mol%、10mol%および15mol%であるポリマーPA221、PA222およびPA223を得た。
【0085】
N−(4−カルボキシベンジル)アミノ基置換ポリアリルアミンの合成
PA100の15重量%水溶液50.0gを三口丸底フラスコの中に投入し、これに4−ブロモメチル安息香酸(東京化成工業株式会社製)1.41226gを投入し、95℃にて撹拌しながら4時間反応させた。反応完了後、イオン交換樹脂アンバーライトIRA400J(商品名、オルガノ株式会社製)を用いて陰イオン交換を行い副生成物である集荷水素を除去して、目的のポリマーPA−131を得た。このポリマーをNMRによって分析したところ、反応前のPA100中に含まれる全アミノ基に対して5mol%がN−(4−カルボキシベンジル)アミン基で置換されていることが確認できた。また、4−ブロモメチル安息香酸の添加量を変えただけで、ほかは同様にして、重合比qが10mol%であるポリマーPA132を得た。
【0086】
4−ヒドロキシベンズイミノ基置換ポリアリルアミンの合成
PA100の15重量%水溶液50.0gを三口丸底フラスコの中に投入し、撹拌して24℃に調温した。これに4−ヒドロキシベンズアルデヒド(東京化成工業株式会社製)0.7980gを投入し、12時間撹拌をして、目的のポリマーPA141を得た。このポリマーをNMRによって分析したところ、置換前のPA100中に含まれる全アミノ基に対して5mol%が4−ヒドロキシベンズイミノ基で置換されていることが確認できた。
【0087】
4−ジメチルアミノベンズイミノ基置換ポリアリルアミンの合成
PA100の15重量%水溶液50.0gを三口丸底フラスコの中に投入し、撹拌して24℃に調温した。これに4−ジメチルアミノベンズアルデヒド(東京化成工業株式会社製)0.9798gを投入し、12時間撹拌をして、目的のポリマーPA151を得た。このポリマーをNMRによって分析したところ、反応前のPA100中に含まれる全アミノ基に対して5mol%が4−ジメチルアミノベンズイミノ基で置換されていることが確認できた。
【0088】
また、4−ジメチルアミノベンズアルデヒドの添加量を変えただけで、ほかは同様にして、重合比qが10mol%であるポリマーPA152を得た。
【0089】
4−メトキシベンズイミノ基置換ポリアリルアミンの合成
PA100の15重量%水溶液50.0gを三口丸底フラスコの中に投入し、撹拌して24℃に調温した。これに4−メトキシベンズアルデヒド(東京化成工業株式会社製)0.8952gを投入し、12時間撹拌をして、目的のポリマーPA161を得た。このポリマーをNMRによって分析したところ、反応前のPA100中に含まれる全アミノ基の5mol%が4−メトキシベンズイミノ基で置換されていることが確認できた。
【0090】
また、4−メトキシベンズアルデヒドの添加量を変えただけで、ほかは同様にして、重合比qが10%であるポリマーPA162を得た。
【0091】
4−アセトアミドベンズイミノ基置換ポリアリルアミンの合成
PA100の15重量%水溶液50.0gを三口丸底フラスコの中に投入し、撹拌して24℃に調温した。これに4−アセトアミドベンズアルデヒド(東京化成工業株式会社製)1.0728gを投入し、12時間撹拌をして、目的のポリマーPA170を得た。このポリマーをNMRによって分析したところ、反応前のPA100中に含まれる全アミノ基の5mol%が4−アセトアミドベンズイミノ基で置換されていることが確認できた。
【0092】
置換アリルアミン−ジアリルアミンコポリマーの合成
PAP400の15重量%水溶液50.0gを三口丸底フラスコの中に投入し、撹拌して24℃に調温した。これに4−カルボキシベンズアルデヒド(東京化成工業株式会社製)0.8818gを投入し、12時間撹拌をして、目的のポリマーPAP411を得た。このポリマーをNMRによって分析したところ、反応前のPAP400中に含まれる全モノマー単位に対して10mol%が4−カルボキシベンズイミノ基で置換されていることが確認できた。
【0093】
また、PAP411の合成方法に対して、4−カルボキシベンズアルデヒドの添加量を変えただけで、ほかは同様にして、重合比qが15mol%であるポリマーPAP412を得た。
【0094】
さらに、PAP411の合成方法に対して、PAP400に代えてPAP500を用いて、重合比qが、5mol%、および10mol%であるポリマーPAP511およびPAP512を得た。
【0095】
さらに、PAP411の合成方法に対して、4−カルボキシベンズアルデヒドに変えて、4−ジエチルアミノベンズアルデヒドを用いて、重合比qが、5mol%であるポリマーPAP420を得た。
【0096】
さらに、PAP411の合成方法に対して、4−カルボキシベンズアルデヒドに変えて、4−ジメチルアミノベンズアルデヒドを用いて、重合比qが5mol%、および10mol%であるポリマーPAP430およびPAP440を得た。
【0097】
さらに、PAP411の合成方法に対して、4−カルボキシベンズアルデヒドに変えて、4−アセトアミドベンズアルデヒドを用いて、重合比qが、5mol%であるポリマーPAP450を得た。
【0098】
置換ポリビニルアミンの合成
PV600と、4−カルボキシベンズアルデヒド、2−カルボキシベンズアルデヒド、または4−スルホベンズアルデヒドを用いて、置換ポリアリルアミンと同様の方法により、下記の置換ポリビニアルアミンを得た。
PV601: 4−カルボキシベンズイミノ基置換ポリビニルアミン(重合比q 5mol%)
PV602: 4−カルボキシベンズイミノ基置換ポリビニルアミン(重合比q 10mol%)
PV611: 2−カルボキシベンズイミノ基置換ポリビニルアミン(重合比q 5mol%)
PV612: 2−カルボキシベンズイミノ基置換ポリビニルアミン(重合比q 10mol%)
PV621: 4−スルホベンズイミノ基置換ポリビニルアミン(重合比q 5mol%)
PV622: 4−スルホベンズイミノ基置換ポリビニルアミン(重合比q 10mol%)
PV623: 4−スルホベンズイミノ基置換ポリビニルアミン(重合比q 20mol%)
【0099】
製造されたポリマーは、以下の表1に示す通りであった。
【表1】

【0100】
表中、繰り返し単位の記号は下記のものを示す。
【化24】

【0101】
実施例および比較例
調製されたポリマーを用いて、微細化組成物を調製し、その特性を評価した。評価方法は以下の通りであった。
【0102】
寸法縮小量の評価
前記の各ポリマーを純水に6.5重量%の濃度となるように溶解させて、微細化組成物を調製した。なお、必要に応じて、添加剤として酸類を添加した。これらの微細化組成物を、前記のレジストパターン1および2にそれぞれスピンコートしてから140℃で90秒間加熱した。その後、純水で60秒間パドル現像をし、さらに純水で15秒間リンス処理をした。
【0103】
微細化処理後のレジストパターンをS−9200型走査型電子顕微鏡(商品名、株式会社日立製作所製)を用いて観察し、レジストパターンのサイズを測定した。別途、微細化処理前のレジストパターンのサイズについても同様に測定し、それらを比較することによりレジストの寸法縮小量を算出した。得られた結果は表2〜4に示すとおりであった。
【0104】
エッチング耐性の評価
前記と同様に調製した微細化組成物を、平坦な基材上にそれぞれスピンコートしてから140℃で90秒間加熱した。その後、純水で60秒間パドル現像をし、さらに純水で15秒間リンス処理をして被膜を形成させた。
【0105】
被膜形成後の基板をドライエッチング装置NE−5000N(商品名、株式会社アルバック製)を用いて、エッチングした。エッチング条件はエッチングガスとしてAr(10cc/分)、CHF(50cc/分)を用いて、エッチング時間を20秒とした。エッチング前後の膜厚を測定し、下記の式によりエッチング耐性を評価した。
エッチング耐性(Å/分)=(エッチング前膜厚−エッチング後膜厚)/20
得られた結果は表2〜4に示すとおりであった。
【0106】
【表2】

【0107】
【表3】

表中:
測定不可: パターンが埋め込まれてしまい測定不可
SA: 硫酸
AA: 酢酸
TSA: p−トルエンスルホン酸
BDSA: 1,3−ベンゼンジスルホン酸
NSA: 2−ナフタレンスルホン酸
15NDSA: 1,5−ナフタレンジスルホン酸
27NDSA: 2,7−ナフタレンジスルホン酸
【0108】
【表4】

表中:
測定不可: パターンが埋め込まれてしまい測定不可

【特許請求の範囲】
【請求項1】
純水と、下記一般式(1)で表される水溶性樹脂:
−X−Y−Z− (1)
(式中、
【化1】

であり、
p、q、およびrはそれぞれ繰り返し単位X、Y、およびZの重合比であって、
0.60≦p+r≦0.95、かつ
0.05≦q≦0.40
であり、各繰り返し単位はブロックを構成しても、ランダムに結合していてもよく、
aは0または1の整数であり、
Lは、
−N=CH−、
−NH−CHR−、
−NH−CH−CHR−、および
−NH−CHR−CH
(ここで、Rは、−H、−CH、−COOH、−CHCOOH、−CH(CH、および−COOCからなる群から選ばれるものである)
からなる群から選ばれる2価の連結基であり、
Arは、下記一般式:
【化2】

(ここで、
bは0以上5以下の整数であり、
cは0以上5−b以下の整数であり、
は、炭素、窒素、酸素、およびフッ素からなる群から選択される元素からなる有機基であり、bが2以上のときには二つのRが結合して環状構造を形成していてもよく、
は、−COOH、−CHCOOH、−CH(CH)COOH、−OCHCOOH、−SOH、および−OHからなる群から選択される酸基である)
で表されるものであり、
繰り返し単位Yが少なくともひとつの酸基を含み、
繰り返し単位XおよびYは、それぞれが構造の異なった繰り返し単位の組み合わせであってもよい)
とを含むことを特徴とする微細パターン形成用組成物。
【請求項2】
が、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシアルキル基、置換アミノ基、非置換アミノ基、アルキルエーテル基、アルキルエステル基、アルキルアミド基、フッ素原子、フッ化アルコキシ基からなる群から選ばれる、請求項1に記載の微細パターン形成用組成物。
【請求項3】
Arが、下記のものから選ばれる、請求項1に記載の微細パターン形成用組成物。
【化3】

【化4】

【化5】

【請求項4】
純水と、酸と、下記一般式(1’)で表される水溶性樹脂:
−X−Y’−Z− (1’)
(式中、
【化6】

であり、
p、q、およびrはそれぞれ繰り返し単位X、Y’、およびZの重合比であって、
0.60≦p+r≦0.95、かつ
0.05≦q≦0.40
であり、各繰り返し単位はブロックを構成しても、ランダムに結合していてもよく、
aは0または1の整数であり、
L‘は、
−N=CH−、
−NH−CHR’−、
−NH−CH−CHR’−、および
−NH−CHR’−CH
(ここで、R’は、−H、−CH、−CH(CH、および−COOCからなる群から選ばれるものである)
からなる群から選ばれる2価の連結基であり、
Arは、下記一般式:
【化7】

(ここで、
bは0以上5以下の整数であり、
は、炭素、窒素、酸素、およびフッ素からなる群から選択される元素からなる有機基であり、bが2以上のときには二つのRが結合して環状構造を形成していてもよい)
で表されるものであり、
繰り返し単位XおよびYは、それぞれが構造の異なった繰り返し単位の組み合わせであってもよい)
とを含むことを特徴とする微細パターン形成用組成物。
【請求項5】
が、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシアルキル基、置換アミノ基、非置換アミノ基、アルキルエーテル基、アルキルエステル基、アルキルアミド基、フッ素原子、フッ化アルコキシ基からなる群から選ばれる、請求項4に記載の微細パターン形成用組成物。
【請求項6】
Ar’が、下記のものから選ばれる、請求項4に記載の微細パターン形成用組成物。
【化8】

【化9】

【請求項7】
前記酸が、硝酸、硫酸、酢酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、1,3−ベンゼンジスルホン酸、1,5−ナフタレンジスルホン酸、および2,7−ナフタレンジスルホン酸からなる群から選択される、請求項4〜6のいずれか1項に記載の微細パターン形成用組成物。
【請求項8】
純水と、水溶性樹脂とを含む微細パターン形成用組成物であって、前記水溶性樹脂が、下記一般式(2)で表される主鎖ポリマー:
−Xp0−Zr0− (2)
(式中、
【化10】

であり、
p0およびr0はそれぞれ繰り返し単位XおよびZの重合比であって、
0.05≦p0≦1、かつ
0≦r0≦0.95
であり、各繰り返し単位はブロックを構成しても、ランダムに結合していてもよく、
a0は0または1の整数であり、
繰り返し単位Xは、a0が異なった構造を有するものの組み合わせであってもよい)
に、下記一般式(3A)または(3B)で表される、少なくとも一種の側鎖形成化合物:
【化11】

(式中、
bは0以上5以下の整数であり、
cは0以上5−b以下の整数であり、
Wは、
単結合、
−CHR−、および
−CHR−CH
(ここで、Rは、−H、−CH、−CH(CH、−COOH、−CHCOOH、および−COOCからなる群から選ばれるものである)
からなる群から選ばれる2価の連結基であり、
は、炭素、窒素、酸素、およびフッ素からなる群から選択される元素からなる有機基であり、bが2以上のときには二つのRが結合して環状構造を形成していてもよく、
は、−COOH、−CHCOOH、−CH(CH)COOH、−OCHCOOH、−SOH、および−OHからなる群から選択される酸基であり、
WまたはRが少なくともひとつの酸基を含む)
とを反応させたものであり、主鎖ポリマーに含まれる窒素原子の5〜40%に側鎖形成化合物に由来する芳香族含有置換基が結合したものであることを特徴とする微細パターン形成用組成物。
【請求項9】
前記側鎖形成化合物が、下記の群から選択される、請求項8に記載の微細パターン形成用化合物。
【化12】

【請求項10】
純水と、酸と、水溶性樹脂とを含む微細パターン形成用組成物であって、前記水溶性樹脂が、下記一般式(2)で表される主鎖ポリマー:
−Xp0−Zr0− (2)
(式中、
【化13】

であり、
p0およびr0はそれぞれ繰り返し単位XおよびZの重合比であって、
0.05≦p0≦1、かつ
0≦r0≦0.95
であり、各繰り返し単位はブロックを構成しても、ランダムに結合していてもよく、
a0は0または1の整数であり、
繰り返し単位Xは、a0が異なった構造を有するものの組み合わせであってもよい)
に、下記一般式(3A’)または(3B’)で表される少なくとも一種の側鎖形成化合物:
【化14】

(式中、
bは0以上5以下の整数であり、
W’は、
単結合、
−CHR0’−、および
−CHR0’−CH
(ここで、R0’は、−H、−CH、および−COOCからなる群から選ばれるものである)
からなる群から選ばれる2価の連結基であり、
は、炭素、窒素、酸素、およびフッ素からなる群から選択される元素からなる有機基であり、bが2以上のときには二つのRが結合して環状構造を形成していてもよい)
とを反応させたものであり、主鎖ポリマーに含まれる窒素原子の5〜40%に側鎖形成化合物に由来する芳香族含有置換基が結合したものであることを特徴とする微細パターン形成用組成物。
【請求項11】
前記側鎖形成化合物が、下記の群から選択される、請求項10に記載の微細パターン形成用化合物。
【化15】

【化16】

【請求項12】
前記酸が、硝酸、硫酸、酢酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、1,3−ベンゼンジスルホン酸、1,5−ナフタレンジスルホン酸、および2,7−ナフタレンジスルホン酸からなる群から選択される、請求項10または11に記載の微細パターン形成用組成物。
【請求項13】
前記水溶性樹脂の重量平均分子量が、3,000〜100,000である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の微細パターン形成用組成物。
【請求項14】
前記水溶性樹脂の含有量が、組成物の全重量を基準として0.1〜10重量%である、請求項1〜13のいずれか1項に記載の微細パターン形成用組成物。
【請求項15】
現像処理後のレジストパターンを、請求項1〜14のいずれか1項に記載の微細パターン形成用組成物により処理することにより、前記現像処理後のレジストパターンの実効サイズを縮小する工程を含んでなることを特徴とする、微細なレジストパターンの形成方法。
【請求項16】
前記微細パターン形成用組成物による処理の直前または直後に、純水により洗浄を行うことをさらに含んでなる、請求項15に記載の微細なレジストパターンの形成方法。
【請求項17】
像様露光されたレジスト基板を現像液により現像し、さらに請求項1〜14のいずれか1項に記載の微細パターン形成用組成物により処理することにより形成されたことを特徴とする、微細なレジストパターン。

【公開番号】特開2013−20211(P2013−20211A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−155822(P2011−155822)
【出願日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(312001188)AZエレクトロニックマテリアルズIP株式会社 (14)
【Fターム(参考)】