説明

微細制御式皮膚剥離用ハンドピース

【課題】安全性、効率、および自分で使用する快適さに配慮された皮膚剥離用器具を提供する。
【解決手段】微細制御式皮膚剥離ハンドピース100であって、ユーザがハンドピースを保持するためのハンドピース本体10と、処置組織に陰圧を提供するための処置ヘッド14と、ハンドピース本体を通じて処置ヘッドに陰圧を提供するための真空チューブ12とを備え、ハンドピース本体が処置ヘッドへの陰圧の供給を制御するための少なくとも1個の開口部16を備え、少なくとも1個の開口部は前記ユーザがハンドピースを保持することによって閉塞可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微細制御式皮膚剥離用ハンドピースに関する。
【背景技術】
【0002】
美顔用皮膚剥離は急速に成長している分野であり、多くの皮膚剥離用器具は専門家による皮膚の処置を想定している。中には、一般家庭のユーザによる使用を想定した皮膚剥離用器具もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし一般家庭のユーザ用の皮膚剥離用器具は通常、医学的観察を受けずに使用されるため、その設計において安全性、効率、および自分で使用する快適さに対してさらなる配慮が払われるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明と見なされる対象は、明細書の結びの部分で特に指摘され、明確に請求されている。しかし本発明は、添付図面と共に読まれる時、以下の詳細な記載を参照することによって、その目的、機能、および利点と共に、構造および操作方法の両方に関して最も良く理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1A】本発明のいくつかの実施形態による皮膚剥離用ハンドピースの、非透視図および部分透視図である。
【図1B】本発明のいくつかの実施形態による皮膚剥離用ハンドピースの、非透視図および部分透視図である。
【図2A】本発明の実施形態による可撓性弾性リムを有する処置ヘッドの概略図である。
【図2B】本発明の実施形態による可撓性弾性リムを有する処置ヘッドの概略図である。
【図2C】本発明の実施形態による可撓性弾性リムを有する処置ヘッドの概略図である。
【図3A】本発明の2つの異なる実施形態による、曲げ可能な関節部を有する処置ハンドピースの概略断面図である。
【図3B】本発明の2つの異なる実施形態による、曲げ可能な関節部を有する処置ハンドピースの概略断面図である。
【0006】
図解を簡略化および明瞭化するために、図に示した要素は必ずしも縮尺通りに描かれていないことを理解されたい。たとえばいくつかの要素の寸法は、明瞭化のために他の要素と比較して誇張され得る。さらに適切であると考慮される場合、参照数字は、対応するまたは類似の要素を指摘するために、図の間で反復され得る。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の詳細な記載では、本発明の十分な理解を提供するために、多くの具体的な詳細事項が示される。しかし、本発明はこれらの具体的な詳細事項を用いずに実施され得ることが、当業者によって理解されるであろう。他の例では、本発明を不明瞭にしないために、周知の方法、手順、および構成要素が詳細に記載されていない。
【0008】
本発明のいくつかの実施形態による皮膚剥離用ハンドピース100の非透視図および部分透視図である、図1Aおよび1Bがここで参照される。皮膚剥離用ハンドピース100は、ハンドピース本体10、真空チューブ12、処置ヘッド14および処置剥離層19を含み得る。本体10は、たとえばハンドピースの本体10を保持して、ユーザ自身または他の人の処置される皮膚部位上で処置ヘッド14を操縦することのような、ユーザによるハンドピースの取扱いのために設計され得る。処置ヘッド14は、本体10の末端部に、たとえば着脱自在に設置され得る。真空チューブ12は、真空源から本体10を通じて処置ヘッド14に陰圧を提供し得る。処置ヘッド14は開口部16を含み得て、開口部16を通じて陰圧が処置組織に提供され得る。剥離層19は、処置ヘッド14内で開口部16に近接して、たとえば着脱自在に設置され得るので、組織に陰圧が印加されたときに、組織が開口部16の中に吸引され、組織において剥離層19によって皮膚剥離が行われ得る。たとえば剥離層19は処置ヘッド14内に設置され得るので、ヘッドの内周14とヘッドの外周19との間の剥離層19の周囲に間隙が画成され得て、そのためたとえば、陰圧が周囲の剥離層19から処置組織に提供され得る。しかし、本発明はこの点で制限されておらず、陰圧は剥離層を通じて、または他のいずれかの好適な配置で処置組織に提供され得る。剥離層19は、たとえば好適な数のリブ19aによって、または他のいずれかの好適な方式によって、処置ヘッド14に設置され得る。
【0009】
図1Bに示すように、本体10は、陰圧の供給のために真空チューブ12の一端に続けて連結可能な内部チューブ10aを含み得る。内部チューブ10aは、開口部16を通じて処置ヘッド14の内部空間中におよび処置組織に向けて、たとえば剥離層19周囲から陰圧を供給するための開口部15で終結し得る。開口部15は、大型の廃棄粒子の内部チューブ10aおよび/またはチューブ12への進入および/または閉塞を防止するためのフィルタ15aを含み得る。フィルタは交換自在または着脱自在であり得る。
【0010】
本発明のいくつかの実施形態において、本体10は開口部18で終結するチャネル17を含み得る。開口部18が閉塞されていないとき、提供された陰圧は開口部18から排出され得て、したがって処置組織には印加され得ない。真空チューブ12から処置ヘッド14への陰圧の供給は、ユーザがたとえばユーザの手および/または指で開口部18を閉塞および/または開放することにより制御され得る。これにより、印加される圧力の容易かつ迅速な、そして直観的な制御を可能にし得る。開口部18は処置の間に安全機構として動作し得て、陰圧に処置表面以外の代替排出経路を与える。ユーザによる直観的および通常の取扱いの間に開口部18が閉塞されているときのみに、代替経路が遮断されて、たとえば陰圧が処置表面に作用し得る。したがって処置ヘッド14への陰圧供給の制御は、ユーザが開口部18を選択的に閉塞することによって実行され得る。図面は2個の開口部18を表示しているが、本発明はこの点で制限されるものではなく、ハンドピース100は任意の好適な形状およびサイズの、1個または他の任意の好適な数の開口部18を含み得ることが認識されるであろう。
【0011】
図2Aを参照すると、処置ヘッド14は、たとえばシリコーン化合物、ゴム、エラストマー、ポリマー、ポリウレタンおよび/または他のいずれかの好適な弾性材料などの、1つ以上の弾性材料から形成されるかまたは1つ以上の弾性材料を含み得る。処置ヘッド14は、弾性ラッピングスリーブ14aおよび/または可撓性リム14bを含み得る。ラッピングスリーブ14aは、本体10の一部、たとえば本体10のおよび/または内部チューブ10aの端部を包囲し得て、そのためたとえば処置ヘッド14は弾性ラッピングスリーブ14aによって、本体10に設置および/または固く把持され得る。処置ヘッド14と本体10との間の他の連結方式も可能である。可撓性リム14bは、図2A、2Bおよび2Cを参照して本明細書に詳細に記載されるように、処置表面の形状に弾性的に適合可能であり得る。
【0012】
剛性処置ヘッドは通常、湾曲した処置表面に気密的に付着することができず、したがって陰圧が組織に効率的に印加できないため、たとえば顎、鼻および他の部位などのいくつかの湾曲した体の部位は、剛性処置ヘッドによって処置することが困難である。リム14bまたは処置ヘッド全体14の処置表面の形状への弾性的適合によって、処置表面と処置ヘッド14との間のより良好な気密状態が達成され、そのためたとえば、印加された陰圧のたとえばより良好な有効性および/または効率が達成され得る。本発明の実施形態による可撓性弾性リム14bを備えた処置ヘッド14の概略図である図2A、2Bおよび2Cがここで参照される。図2Aに示すように、圧力はたとえば矢印Aの方向でリム14bに印加され得る。圧力はたとえば、処置ヘッド14が処置を提供するために押し付けられ得る体の処置部分によって印加され得る。リム14bに印加された圧力は、可撓性リム14bの弾性変形を引き起こし得て、そのためたとえば点線で示すように、たとえばリム14bの形状を処置表面の形状に適合させ得る。たとえば図2Bに示すように、処置ヘッド14の形状は、処置ヘッド14が処置される湾曲部位に押し付けられているときに、処置される湾曲表面によって可撓性リム14bに(矢印Dによって示される方向に)印加された圧力の結果として、たとえば鼻部位における処置表面の形状に適合され得る。同様に図2Cに示すように、処置ヘッド14の形状は、処置ヘッド14が処置される湾曲部位に押し付けられているときに、湾曲した顎表面によって可撓性リム14bに印加された圧力の結果として、たとえば顎部位の形状に適合され得る。いくつかの実施形態において、剥離層19も可撓性であり得て、回転可能であり得て、および/またはばね操縦式であり得て、そのためたとえばハンドピース100に必要以上の可撓性を提供して、処置表面の形状に対する最大限の調整を可能にする。
【0013】
当然ながら、体のある部分は異なる角度および湾曲を有し、このことは単方向ハンドピースによる処置がより困難となり得る。人間工学的には、ユーザが他の角度よりも、ある角度でハンドルを保持することがより快適である。したがって、本発明のいくつかの実施形態は、たとえば本体10に含まれる曲げ可能な関節部を含み得る。曲げ可能な部分は、たとえば処置ヘッド14と処置表面との接触をより良好にすることによって、ハンドピース100でのさらなる快適性を実現し得る、ならびに/または湾曲した体の部位および/もしくはアクセスされることが不快な体の部位の処置を容易にし得る。
【0014】
本発明の2つの異なる実施形態による曲げ可能な関節部を備えた処置ハンドピース110aおよび110bの概略断面図である、図3Aおよび3Bがここで参照される。図3Aおよび3Bにおいて、本明細書で詳細に記載されたハンドピース100の要素に類似した要素は、同じ参照番号が付されている。ハンドピース110aおよび110bは、処置ヘッド14、真空チューブ12、本体10および内部チューブ10aを含む。本発明のいくつかの実施形態によると、本体10は関節部30を含み得る。関節部30は曲げ可能および/または操縦可能、たとえば塑性的に曲げ可能であり得るので、本体10にてある角度が生成される。曲げ/操縦の程度、したがってたとえば生成される角度は、ハンドピース110aまたは110bのユーザによって制御され得る。図3Aおよび3Bに示すように、関節部30はたとえば、本体10のあらゆる方向への曲げを可能にし得る、周縁蛇腹継手または環状蛇腹継手であり得るか、または周縁蛇腹継手または環状蛇腹継手を含み得る。関節部30は、関節部30の曲げおよび/または操縦を可能にする波形パターンを形成し得る、交互になった周縁剛性ノードまたは環状剛性ノード32および環状可撓性溝34を、本体10の周囲を囲むように含み得る。たとえば各剛性ノード32は、2つの可撓性溝34の間に位置し得る。溝34は、関節部30の曲げを可能にし得る。しかし溝34の可撓性は、たとえば部分30の曲げ性、すなわち部分30が曲がり得る程度を制限するために制限され得る。加えて、または代わりに部分30の曲げ性は剛性ノード32によって制限され得て、剛性ノード32はある曲げ角を超えると、相互に接触し、および/または相互に押し合って、そのため部分30のさらなる望ましくない曲げを防止し得る。内部チューブ10aは、部分30の曲げに従って曲がり得る/操縦され得る、曲げ可能または操縦可能部36(図3A)または38(図3B)を含み得る。曲げ可能部30および36は、円Bにより詳細に示されている。曲げ可能部30および38は、円Cにより詳細に示されている。
【0015】
図3Aに示すように、内部チューブ10は、本発明のいくつかの実施形態において、内部チューブ10aを通じた陰圧の連続通過を可能にする中空コアを有する曲げ可能部36を含み得る。曲げ可能部36はたとえば、内部チューブ10aを通じた陰圧の通過を閉塞することなく、部分36の曲げを可能にする溝36aの環状波形パターンを含み得る環状蛇腹継手であり得るか、または環状蛇腹継手を含み得る。部分36が曲がり得る程度は、環状溝36aの可撓性によって制限され得る。本発明の他の実施形態によれば、内部チューブ10a、特に部分36に関しては、可撓性チューブとして実装され得る。
【0016】
図3Bに示すように、内部チューブ10aは、本発明のいくつかの実施形態において、内部チューブ10aを通じた陰圧の連続通過を可能にする中空コアを有する操縦可能部38を含み得る。操縦可能部38は、あらゆる方向への操縦を可能にする。たとえば操縦可能部38は、たとえば回転楕円状継手38aおよびソケット継手38bを含み得て、回転楕円状継手38aがソケット継手38bに嵌合する、ボールソケット形軸(回転楕円状)継手であり得る、またはボールソケット形軸(回転楕円状)継手を含み得る。両方の継手38aおよび38bが、内部チューブ10aの中空内部/コアに連続的につながる中空コアを含み得るので、内部チューブ10aを通じた陰圧の連続通過を可能にする。回転楕円状継手38aは、一端では内部チューブ10との接合によって、他端ではソケット継手38bおよび/または内部チューブ10aの中空コアに向かう開口部40によって境界画成されたおよび/または遮断された回転楕円表面39を含み得る。ソケット継手38bは、回転楕円状継手38aを含有および/または保持するソケット端部41を含み得る。ソケット端部41は、操縦がある角度に達したときにチューブ10aと衝突し得て、そのためたとえば操縦角は制限され得る。操縦が制限され得るので、たとえば内部チューブ10aを通じたならびに継手36および38を通じた陰圧の通過は閉塞されないであろう。本発明の他の実施形態により、本体10の可撓性角は、各種の関節部品の間の一定量の摩擦によっても制御および/または制限され得る。
【0017】
本発明のある特色が本明細書で例証および記載されてきたが、当業者はここで多くの修正、置換、変更、および均等物を思いつくであろう。したがって、添付請求項がこのようなすべての修正および変更を、本発明の真の精神の範囲内にあるとして含むものとすることが理解されるはずである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
微細制御式皮膚剥離ハンドピースであって、
ユーザが該ハンドピースを保持するためのハンドピース本体と、
処置組織に陰圧を提供するための処置ヘッドと、
前記ハンドピース本体を通じて前記処置ヘッドに陰圧を提供するための真空チューブと、
を備え、
前記ハンドピース本体が前記処置ヘッドへの陰圧の供給を制御するための少なくとも1個の開口部を備え、前記少なくとも1個の開口部は前記ユーザが前記ハンドピースを保持することによって閉塞可能である、
ハンドピース。
【請求項2】
前記処置ヘッドが剥離層を備える、請求項1に記載のハンドピース。
【請求項3】
前記処置ヘッドは中を通じて処置組織に陰圧を提供可能である間隙を備え、該間隙は前記ヘッドの内周と前記剥離層の外周との間において前記剥離層を囲んでいる、請求項2に記載のハンドピース。
【請求項4】
前記処置ヘッドが処置表面の形状に適合可能な可撓性リムを備える、請求項1に記載のハンドピース。
【請求項5】
前記ハンドピース本体が曲げ可能な関節部を備える、請求項1に記載のハンドピース。
【請求項6】
前記関節部が周縁蛇腹継手または環状蛇腹継手を備える、請求項5に記載のハンドピース。
【請求項7】
前記蛇腹継手が前記関節部の曲げを可能にする波形パターンを備える、請求項6に記載のハンドピース。
【請求項8】
前記蛇腹継手が、交互に配置された環状剛性ノードおよび環状可撓性溝を備える、請求項7に記載のハンドピース。
【請求項9】
前記ハンドピース本体は中を通じて陰圧が通過可能な内部チューブを備え、前記内部チューブが前記ハンドピース本体の曲げ可能関節部の曲げに従って前記内部チューブを操縦するための操縦可能部を備える、請求項5に記載のハンドピース。
【請求項10】
前記内部チューブの前記操縦可能部が環状蛇腹継手を備えた曲げ可能部である、請求項9に記載のハンドピース。
【請求項11】
前記内部チューブの前記操縦可能部が回転楕円状継手およびソケット継手を備える、請求項9に記載のハンドピース。
【請求項12】
皮膚剥離ハンドピースを微細制御する方法において、
前記皮膚剥離ハンドピースの処置ヘッドへの陰圧の供給を制御する工程であって、前記皮膚剥離ハンドピースは、ユーザが該ハンドピースを保持するためのハンドピース本体と、処置組織に陰圧を提供するための処置ヘッドと、前記ハンドピース本体を通じて前記処置ヘッドに陰圧を提供するための真空チューブと、を備え、前記ハンドピース本体が前記処置ヘッドへの陰圧の供給を制御するための少なくとも1個の開口部を備え、前記少なくとも1個の開口部は前記ユーザが該ハンドピースを保持することによって閉塞可能である、工程を含み、
前記処置ヘッドへの陰圧の供給の前記制御は、前記少なくとも1個の開口部を選択的に閉塞することによって実行される、方法。
【請求項13】
前記処置ヘッドが処置表面の形状に適合可能な可撓性リムを備え、
前記方法は前記処置ヘッドの形状を処置表面の形状に適合させることを備える、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ハンドピース本体が曲げ可能な関節部を備え、
前記方法は前記関節部によって生成された角度を制御することを備える、請求項12に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【公開番号】特開2013−111451(P2013−111451A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−263915(P2011−263915)
【出願日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【出願人】(511292426)ダーマ ドリーム グループ リミテッド (1)
【Fターム(参考)】