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微細化顔料の製造方法および顔料着色剤
説明

微細化顔料の製造方法および顔料着色剤

【課題】顔料着色剤、例えば、CFカラーもしくはIJカラーに使用される微細化顔料として、よりコントラストが高く、より鮮明な画像が得られる、その一次粒子サイズが10nm〜50nmである、これまでにない微細化顔料の製造方法を提供する。
【解決手段】その一次粒子サイズが80nm〜200nmのα型銅フタロシアニンブルー顔料、その平均粒子径が10μm以下の水溶性の無機塩、顔料分散剤、及び水溶性の有機溶剤を含む混練物を、混練機を使用して加圧下及び冷却下で湿式磨砕して、微細化されたβ型銅フタロシアニンブルー顔料を得る工程を含むことを特徴とする微細化顔料の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微細化顔料の製造方法および顔料着色剤に関し、顔料と水溶性の無機塩と水溶性の有機溶剤との混練物を混練機で湿式磨砕する製造方法であるが、水溶性の無機塩として平均粒子径10μm以下の塩化ナトリウムなどの水溶性無機塩を使用することにより微細化顔料を提供するものである。また、このようにして製造された顔料は、各種の用途、例えば、グラビア、オフセット、フレキソなどのインキ用顔料、筆記具用インキ用顔料、プラスチック着色剤用顔料、顔料捺染用顔料、塗料用顔料、画像記録剤用顔料、画像表示用顔料などとして有用である。本発明は特に従来の製造法では得られなかった性能の顔料着色剤を提供することを目的とする。
【背景技術】
【0002】
従来、顔料は塗料や印刷インキ、プラスチックの着色剤として使用されてきた。製品となる顔料は、一般的にその二次粒子径が10μm〜20μm前後であり、そのままでは、特に塗料や印刷インキの着色剤として使用することはできない。そのため、ボールミル、サンドミル、アトライター、横型ビーズミル、ニーダー、三本ロールなどの機械的分散を行い、0.1μm前後の粒子径になるまで分散して使用されている。
【0003】
近年、これまで着色剤として染料が用いられていた用途に耐光性や耐水性などの面で優れている顔料が多く用いられるようになってきた。例えば、筆記具用のインキ、透明性が要求されるプラスチックの着色などがある。最近では、画像記録用顔料を用いたインクジェットインキ(IJインキ)、電子写真方式現像剤(カラートナー)、画像表示用顔料を用いた液晶ディスプレー用のカラーフィルターの着色剤(CFカラー)などへの需要が伸びている。
【0004】
特に、IJインキ、CFカラーに用いられる顔料は一部のアゾ顔料を除いては、汎用顔料レベルに顔料化された顔料をボールミル、ニーダーなどの磨砕機で磨砕することにより、0.01μm(10nm)以下になるように加工されている。IJインキ、CFカラーでの顔料の分散安定性の面から、顔料および必要に応じて加えられる結晶成長抑制剤あるいは結晶転移防止剤としての顔料誘導体を含む顔料組成物と水溶性の無機塩と水溶性の有機溶剤とを混合して湿式磨砕する所謂ソルベントソルトミリング法が主流であり、これらの方式では主にニーダーや連続式の混練機が使用されている。
【0005】
ソルベントソルトミリングに使用される水溶性の無機塩としては、塩化ナトリウムが代表的である。通常、代表粒径400μm〜450μmの塩化ナトリウム(並塩)を乾式磨砕によって平均粒子径を50μm〜60μmにして使用されている。この程度の粒子径の塩化ナトリウムでは、50nm以下の一次粒子サイズの顔料を得るには、顔料に対する塩化ナトリウムの量をかなり多くするなどの工夫がなされているが、十分ではないのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−89756号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、顔料着色剤、例えば、CFカラーもしくはIJカラーに使用される微細化顔料として、よりコントラストが高く、より鮮明な画像が得られる顔料として、顔料の一次粒子サイズが10nm〜50nmである、これまでにない微細化顔料の製造およびそれを使用した着色剤を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、顔料をソルベントソルトミリングにより微細化する方法として、ニーダーもしくは連続式1軸混練機で混練する際に、顔料および必要に応じて加えられる結晶成長抑制剤あるいは結晶転移防止剤としての顔料誘導体を含む顔料組成物と水溶性の無機塩と水溶性の有機溶剤との混練物を混練機で湿式磨砕する製造方法において、該水溶性の無機塩として、例えば、平均粒子径10μm以下の微粒塩化ナトリウム、好ましくは、平均
粒子径3〜7μmの微粒塩化ナトリウムを使用することで解決できることを見出した。
【0009】
即ち、本発明の構成は以下の通りである。
1.その一次粒子サイズが80nm〜200nmのα型銅フタロシアニンブルー顔料、その平均粒子径が10μm以下の水溶性の無機塩、顔料分散剤、及び水溶性の有機溶剤を含む混練物を、混練機を使用して加圧下及び冷却下で湿式磨砕して、微細化されたβ型銅フタロシアニンブルー顔料を得る工程を含むことを特徴とする微細化顔料の製造方法。
2.前記水溶性の無機塩が、塩化ナトリウムおよび/またはボウ硝である前記1に記載の微細化顔料の製造方法。
3.前記顔料分散剤が、モノスルホン化銅フタロシアニン誘導体である前記1又は2に記載の微細化顔料の製造方法。
4.製造される前記β型銅フタロシアニンブルー顔料の一次粒子サイズが、10nm〜50nmである前記1〜3のいずれかに記載の微細化顔料の製造方法。
5.前記1〜4のいずれかに記載の微細化顔料の製造方法によって製造された微細化されたβ型銅フタロシアニンブルー顔料と、皮膜形成材料とを含有してなることを特徴とする顔料着色剤。
6.印刷インキ用着色剤、筆記用インキ用着色剤、プラスチック用着色剤、顔料捺染用着色剤、塗料用着色剤、画像記録用着色剤あるいは画像表示用着色剤である前記5に記載の顔料着色剤。
7.前記画像記録用着色剤が、インクジェットインキ用着色剤あるいは電子写真方式現像剤用着色剤である前記6に記載の顔料着色剤。
8.前記画像表示用着色剤が、カラーフィルター用着色剤である前記6に記載の顔料着色剤。
【発明の効果】
【0010】
上記本発明の製造方法は、下記の効果を有する。
(1)混練機を用いた湿式磨砕において磨砕助剤である水溶性無機塩として平均粒子径が、10μm以下、好ましくは3〜7μmのものを使用することで、これまで微細化が困難であった一次粒子サイズが10nm〜50nmの顔料を容易に得ることができる。
(2)粒径の大きい無機塩を使用する従来方法に比べて、顔料粒子数に対する磨砕助剤としての水溶性無機塩の個数割合が多くなり、よりマイルドな条件での顔料の磨砕が可能となる。従って、無機塩による顔料に対する衝撃が小さくなり、顔料粒子表面の活性化を抑えられ、得られた微細化顔料をCFカラーなどの着色剤として使用した時の顔料の分散安定性が良くなる。
(3)磨砕助剤としての水溶性無機塩の粒子径が小さいことで、顔料の磨砕効率が向上し、混練物の流動性が高い顔料の磨砕が可能となり、特に連続式の混練機においては微細化顔料の生産性が高かくなる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に発明を実施するための最良の形態を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
本発明は、母体顔料と水溶性の無機塩と水溶性の有機溶剤とを混練機で湿式磨砕する微細化顔料の製造方法であるが、その特徴は、平均粒子径が10μm以下、好ましく3〜7μmである水溶性無機塩を使用してニーダーもしくは連続式の混練機で微細化顔料を製造することである。
【0012】
本発明で用いる母体顔料(微細化前顔料)は、溶性・不溶性アゾ顔料、高分子量アゾ顔料、キナクリドン顔料、アントラキノン顔料、ジケトピロロピロール顔料、キノフタロン顔料、メチン・アゾメチン顔料、アゾメチンアゾ顔料、フタロシアニン顔料、サブフタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、イソインドリノン顔料、イソインドリン顔料、ジオキサジン顔料、金属錯体顔料などが挙げられる。
【0013】
より具体的には、黄色顔料として、PY−74、PY−83、PY−93、PY−94、PY−95、PY−97、PY−109、PY−110、PY−120、PY−128、PY−138、PY−139、PY−147、PY−150、PY−151、PY−154、PY−155、PY−166、PY−175、PY−180、PY−181、PY−185、PY−191であり、赤色顔料として、PR−4、PR−5、PR−23、PR−48:2、PR−48:4、PR−57:1、PR−112、PR−122、PR−144、PR−146、PR−147、PR−150、PR−166、PR−170、PR−177、PR−184、PR−185、PR−202、PR−207、PR−214、PR−220、PR−221、PR−242、PR−254、PR−255、PR−264、PR−272であり、青色顔料として、PB−15:1、PB−15:2、PB−15:3、PB−15:4、PB−15:5、PB−15:6、PB−16、PB−17:1、PB−60、アルミニウムフタロシアニンブルー、緑色顔料として、PG−7、PG−36であり、紫色顔料として、PV−19、PV−23、PV−37、サブフタロシアニンなどが挙げられる。
【0014】
また、本発明によって製造される微細化顔料は、その一次粒子サイズが10nm〜50nmであり、さらに好ましくは10nm〜30nmのものである。本発明の微細化顔料は、CFカラー用着色剤に使用する場合、分散安定性に優れ、透過率が高く、コントラスト値が高い方が良いので、その一次粒子サイズとしては10nm〜20nmのものがより一層好ましい。
【0015】
本発明の微細化顔料を製造するには、汎用顔料レベルに顔料化された顔料(母体顔料、すなわち微細化前顔料)をそのまま使用しても構わないが、前処理(比較的緩やかな磨砕)などによりその粒子サイズが80nm〜200nmにされたものが好ましい。
【0016】
母体顔料100質量部当たり水溶性無機塩50〜1,500質量部、さらには有機溶剤15〜350質量部を予備混合した混合物を加圧式もしくはオープンのニーダー、連続式の混練機で湿式磨砕することによって、微細化顔料を製造する方法において、水溶性無機塩としては、本発明においては主に塩化ナトリウム(食塩)を使用するが、硫酸ナトリウム(ボウ硝)なども使用することができる。上記無機塩の使用量が少な過ぎると、顔料の微細化が不十分となり、一方、上記無機塩の使用量が多過ぎると不経済である。また、上記有機溶剤の使用量が少な過ぎると機械的な負荷が大きくなり摩砕が困難であり、一方、上記有機溶剤の使用量が多過ぎると負荷が殆どかからず、微細化が不十分である。
【0017】
さらに、水溶性の有機溶剤としては、一価アルコール、多価アルコールおよび多価アルコールの誘導体が使用できる。例えば、プロピルアルコール、2−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコールなどのアルコール系溶剤、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのアルキレングリコール系溶剤、およびそれらの誘導体であるエチレングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテルなどのグリコールモノエーテル系溶剤、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリンなどのグリセリン系溶剤、およびその誘導体であるグリセリンエーテルなどの水溶性有機溶剤などを挙げることができる。尚、アルコールは上記のものに限定されるものではない。
【0018】
次に、本発明の微細化顔料の製造方法について例を挙げて説明する。本発明においては、加圧式もしくはオープンのニーダー、連続式の混練機で湿式磨砕する場合も、顔料を塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールとともに温度コントロールしながら、一定時間摩砕処理する所謂ソルベントソルトミリングを行い、目的の粒子サイズに微細化し、得られた内容物を加温した硫酸水溶液中に投入し攪拌した後、濾過、水洗を行い塩化ナトリウムとジエチレングリコールを除去し、さらに温風で乾燥して微細化顔料を得ることができる。
【0019】
本発明の微細化顔料を用いた顔料着色剤は、上記の微細化顔料および皮膜形成材料としての重合体、オリゴマーおよび/またはモノマーを含有してなり、印刷インキ用着色剤、筆記用インキ用着色剤、プラスチック用着色剤、顔料捺染用着色剤、塗料用着色剤に使用されるほか、特に画像表示材料としてカラーフィルター用着色剤などの画像表示方法に使用され、また、画像記録剤、例えば、インクジェットインキあるいは電着記録液、電子写真方式現像剤として、それぞれインクジェット記録方法あるいは電着記録方式、電子写真方式などの画像記録方法に使用される。
まず、水性の分散カラーの代表例としてインクジェットインキについてさらに詳細に述べる。インクジェットインキは、顔料、水の他に水溶性樹脂分散剤や界面活性剤、水性樹脂固着剤および有機溶剤などから適切に選び、インキの保存性、吐出安定性などを向上させる目的で、表面張力調整剤、粘度調整剤、比抵抗調整剤、消泡剤、防黴剤などを加えることもできる。この場合に用いられる水は、イオン交換水または蒸留水が用いられる。
【0020】
水溶性樹脂分散剤としては、例えば、アクリル系、アクリル−スチレン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリウレタン系などの樹脂が単独または混合して用いられる。アクリル系、アクリル−スチレン系樹脂分散剤としては、例えば(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸系重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル系重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸系重合体、スチレン−マレイン酸エステル−マレイン酸系重合体、イソブチレン−マレイン酸エステル−マレイン酸系重合体などである。これらの水溶性樹脂分散剤は、インキ中の顔料の質量に対し、通常5〜100質量%、インキの保存性、吐出安定性などの低下を考慮し、好ましくは10〜50質量%の範囲で用いられる。また、これらの樹脂に対してpH調整剤として、無機アルカリやアンモニア、アミン類を適宜使用することができる。
【0021】
インクジェットインキには、さらに、顔料の分散性、分散安定性、経時でのインキの保存安定性を向上させるために、あるいは表面張力を調整するために界面活性剤を加えることができる。例えば、アニオン系界面活性剤(アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物など)、非イオン系界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミンエーテル、アセチレンアルコール類、アセチレングリコール類などを使用することができる。
【0022】
また、インクジェットインキには、インキやプリントヘッドのノズル部分の乾燥防止や吐出安定性の向上などを図るために、通常、水とともに水溶性有機溶剤が用いられる。水溶性有機溶剤としては、例えば、多価アルコール類(エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリンなど)、多価アルコールエーテル類(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルなど)、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなど)、アミン類(ジエタノールアミン、エタノールアミンなど)、複素環類(N−メチル−2−ピロリドンなど)、スルホランなどが挙げられる。
【0023】
次に、画像表示材料の例としてカラーフィルター(CF)用顔料分散液について述べる。該顔料分散液を調製する場合、本発明の微細化された顔料および顔料のスルホン酸誘導体からなる顔料組成物を、適当な皮膜形成樹脂を含む有機溶剤溶液と分散剤を添加してプレミキシングし、分散処理する。例えば、上記顔料組成物と分散剤とを縦型媒体分散機、横型媒体分散機、ボールミルなどの分散機械で均一に混合磨砕し、これを皮膜形成性重合体を含む液中に添加混合する方法、硫酸などに顔料および顔料のスルホン酸誘導体とを溶解した後に、該硫酸溶液を水中に析出させ、両者を固溶体ないし共析体として分離し、得られた顔料組成物を上記と同様に皮膜形成性重合体、分散剤などを含む液中に添加混合し、ダイノミルなどの横型湿式媒体分散機(ビーズミル)にて磨砕分散する方法などが挙げられる。
【0024】
本発明において微細化顔料および顔料分散剤としてのスルホン化顔料誘導体を分散させて顔料分散液にするための皮膜形成性材料を含む液としては、従来公知のCF用顔料分散液に使用される皮膜形成性重合体が用いられる。また、液媒体として有機溶剤、水、有機溶剤と水の混合物が使用される。また、必要に応じて従来公知の添加剤、例えば、分散助剤、平滑化剤、密着化剤などの添加剤を顔料分散液に添加することができる。
【0025】
上記皮膜形成材料を含む液中の皮膜形成材料に対する微細化顔料あるいは上記の顔料組成物の添加質量割合は、皮膜形成材料100質量部に対し、5質量部乃至500質量部の範囲が好ましい。皮膜形成材料を含む液としては、感光性の皮膜形成材料を含む液または非感光性皮膜形成材料を含む液が使用される。感光性の皮膜形成材料を含む液としては、例えば、紫外線硬化性インキ、電子線硬化インキなどに用いられる感光性の皮膜形成材料を含む液が挙げられ、非感光性皮膜形成材料を含む液としては、例えば、凸版インキ、平版インキ、グラビアインキ、スクリーンインキなどの印刷インキに使用するワニス、常温乾燥および焼き付け塗料に使用するワニス、電着塗装に使用するワニス、熱転写リボンに使用するワニスなどが挙げられる。
【0026】
感光性皮膜形成材料としては、感光性環化ゴム系樹脂、感光性フェノール系樹脂、感光性ポリアクリレート系樹脂、感光性ポリアミド系樹脂、感光性ポリイミド系樹脂など、および不飽和ポリエステル系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂、ポリエポキシアクリレート系樹脂、ポリウレタンアクリレート系樹脂、ポリエーテルアクリレート系樹脂、ポリオールアクリレート系樹脂などが挙げられ、さらに反応性希釈剤として各種のモノマーを加えることができる。
【0027】
また、感光性樹脂を含む顔料分散液にベンゾインエーテル、ベンゾフェノンなどの光重合開始剤を加え、従来公知の方法により練肉することにより、光硬化性の感光性顔料分散液とすることができる。また、上記の光重合開始剤に代えて熱重合開始剤を使用して熱硬化性顔料分散液とすることができる。
【0028】
非感光性の皮膜形成材料の例としては、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル系(共)重合体、可溶性ポリアミド系樹脂、可溶性ポリイミド系樹脂、可溶性ポリアミドイミド系樹脂、可溶性ポリエステルイミド系樹脂、スチレン−マレイン酸エステル系共重合体の水溶性塩、(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸系共重合体の水溶性塩、水溶性アミノポリエステル系樹脂などが挙げられる。
【実施例】
【0029】
次に実施例、参考例、および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。尚、文中、部または%とあるのは特に断らない限り質量基準である。
参考例1(PG−36の磨砕)
銅フタロシアニングリーン(PG−36)(母体顔料;粒径0.07〜0.15μm)100部、平均粒子径5μmの塩化ナトリウム600部およびジエチレングリコール150部を、加圧蓋を装着しているニーダーに仕込み、ニーダー内に均一湿潤された塊ができるまで予備混練をし、次いで加圧蓋を閉じて圧力6kg/cm2で内容物を押さえ込みながら混練磨砕を開始した。内容物温度が40〜45℃になるように冷却温度および冷却水量を管理しながら4時間混練磨砕処理を行った。
【0030】
得られた磨砕物を80℃に加温した3,000部の2%硫酸水溶液中に投入して1時間攪拌処理を行った後、濾過および水洗して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除去し、次いで濾過残を80℃の熱風乾燥機中で24時間乾燥して微細化緑色顔料(G−1)を得た。
【0031】
参考例2(PG−36の磨砕)
参考例1と同様に、PG−36の母体顔料500部、平均粒子径5μmの塩化ナトリウム3,000部をヘンシェルミキサーに入れ、回転しながらジエチレングリコール750部を少しずつ添加して、予備混合品を調製した。
【0032】
連続式1軸混練機の投入部、磨砕部、押出部の6箇所の温度を10℃に設定し、上記予備混合品を軸回転数40rpmで投入した。この時、電流値(負荷)は約39.3Aで、吐出量は422部/分、吐出物の温度は38.7℃であった。
【0033】
こうして得られた混練物1,420部を80℃に加温した5,000部の2%硫酸水溶液中に投入して1時間の攪拌処理を行った後、濾過、水洗をして塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除去し、さらに80℃の熱風乾燥機中で24時間乾燥処理を加えることで微細化緑色顔料(G−2)を得た。
【0034】
参考例3(PY−138の磨砕)
参考例2において母体顔料をPY−138(母体顔料;平均粒子径0.7μm)に代えて母体顔料500部と平均粒子径5μmの塩化ナトリウム3,000部とをヘンシェルミキサーで混合し、回転させながらジエチレングリコール800部を投入して予備混合品を調製し、連続式1軸混練機の投入部、磨砕部、押出部の6箇所の温度を10℃に設定し、上記予備混合品を軸回転数40rpmで投入した。この時、電流値(負荷)は約41.3Aで、吐出量は242部/分、吐出物の温度は40.7℃であった。
【0035】
こうして得られた混練物1,380部を80℃に加温した5,000部の2%硫酸水溶液中に投入して1時間の攪拌処理を行った後、濾過、水洗をして塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除去し、さらに80℃の熱風乾燥機中で24時間乾燥処理を加えることで微細化黄色顔料(Y−1)を得た。
【0036】
比較例1(PG−36の磨砕)
銅フタロシアニングリーン(PG−36)(母体顔料;粒径0.07〜0.15μm)100部、平均粒子径50μmの塩化ナトリウム600部およびジエチレングリコール100部を、加圧蓋を装着しているニーダーに仕込み、ニーダー内に均一湿潤された塊ができるまで予備混練をし、次いで加圧蓋を閉じて圧力6kg/cm2で内容物を押さえ込みながら混練磨砕を開始した。内容物温度が40〜45℃になるように冷却温度および冷却水量を管理しながら4時間混練磨砕処理を行った。
【0037】
得られた磨砕物を80℃に加温した3,000部の2%硫酸水溶液中に投入して1時間攪拌処理を行った後、濾過および水洗して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除去し、次いで濾過残を80℃の熱風乾燥機中で24時間乾燥して微細化緑色顔料(比較G−1)を得た。
【0038】
比較例2(PY−138の磨砕)
参考例2において母体顔料をPY−138(母体顔料;平均粒子径0.7μm)に代えて母体顔料500部と平均粒子径50μmの塩化ナトリウム3,000部とをヘンシェルミキサーで混合し、回転させながらジエチレングリコール600部を投入して予備混合品を調製し、連続式1軸混練機の投入部、磨砕部、押出部の6箇所の温度を10℃に設定し、上記予備混合品を軸回転数40rpmで投入した。この時、電流値(負荷)は約37.3Aで、吐出量は225部/分、吐出物の温度は39.7℃であった。
【0039】
こうして得られた混練物1,380部を80℃に加温した5,000部の2%硫酸水溶液中に投入して1時間の攪拌処理を行った後、濾過、水洗をして塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除去し、さらに80℃の熱風乾燥機中で24時間乾燥処理を加えることで微細化黄色顔料(比較Y−1)を得た。
【0040】
(CFカラーの分散処方)
・参考例1の顔料(G−1) 100部
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸
/2−ヒドロキシエチルメタクリレート
(60/20/20モル比、重量平均分子量;30,000) 100部
・シクロヘキサン 140部
・プロピレングリコールモノメチルエーテル
アセテート 160部
をペイントコンディショナーでプレミキシングの後、顔料濃度が15%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加え、顔料分散剤としてディスパービック163(ビックケミー社製顔料分散剤)を顔料に対して20%添加し、ダイノミル(シンマルエンタープライズ社製分散機)で分散した。
ここで得られた分散物の平均粒径、さらに分散物をガラス基板に塗布しピークトップにおける透過率、コントラスト比を評価した結果、いずれの物性も優れた緑色のカラーフィルター用顔料として好適であった。
【0041】
同様に、参考例2および3で得た緑色の顔料(G−2)および黄色の顔料(Y−1)、比較例1および2で得られた緑色の顔料(比較G−1)および黄色顔料(比較Y−1)を分散した分散物の結果を表1に示す。
【0042】

【0043】
実施例4(インクジェットインキ用フタロシアニンブルーの磨砕)
α型銅フタロシアニンブルー顔料(母体顔料)100部とソルスパース12000(ループリゾール社製モノスルホン化銅フタロシアニン誘導体;顔料分散剤)3部、平均粒子径5μmの塩化ナトリウム400部およびジエチレングリコール150部を加圧蓋を装着しているニーダーに仕込み、ニーダー内に均一湿潤された塊ができるまで予備混練をし、次いで加圧蓋を閉じて圧力6kg/cm2で内容物を押さえ込みながら混練磨砕を開始した。内容物温度が90〜95℃になるように冷却温度および冷却水量を管理しながら4時間混練磨砕処理を行った。
【0044】
こうして得られた混練物1,200部を80℃に加温した5,000部の2%硫酸水溶液中に投入して1時間の攪拌処理を行った後、濾過、水洗をして塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除去し、さらに80℃の熱風乾燥機中で24時間乾燥処理を加えることで青色顔料(B−1)を得た。X線回折を測定すると、磨砕する前は、α型の特徴を表すピークパターンであったものが、磨砕後には完全にβ型の特徴を表すピークパターンであった。
【0045】
(インクジェットインキでの評価)
実施例4で得た青色顔料5部、スチレン−ブチルアクリレート−メタクリル酸ジエタノールアミン塩共重合体3部、エチレングリコール22部、グリセリン8部および水62部からなる水性顔料分散液を作り、分散しなかった顔料の粗粒子を超遠心分離機で除去し、インクジェット用水性シアンインキを得た。コールター社製パーティクルアナライザーコールターN4を用いて、常法に従って、その平均粒子径を測定すると、87nmであった。さらに、オンデマンド型のインクジェットプリンターで、上記シアンインキを用いて画像情報をプリントし、鮮明な青色画像を得た。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、顔料着色剤、特にIJインキ、CFカラー用に使用できる粒径の微細化顔料の製造を目的とする製造方法であるが、まず、平均粒子径10μm以下の微粒塩、好ましくは、5μm以下の塩化ナトリウムを使用して湿式磨砕(ソルベントソルトミリング)することで、これまで微細化が困難であった一次粒子サイズが10nm〜50nmの顔料を得る方法である。磨砕に使用する機械としては、加圧もしくはオープン式のニーダー、連続式1軸混練機などが使用できる。
【0047】
また、10μm以下の水溶性無機塩を使用することで、よりマイルドな条件での磨砕が可能となり、顔料に対する衝撃を小さくすることができる。従って、顔料表面の活性化を抑えることが可能となり、CFカラーなどの分散液にした時の分散安定性が優れ、よりコントラストの高いCFの製造ができる。さらに、磨砕助剤としての水溶性無機塩の粒子径が小さいことで磨砕効率が向上し、混練物の流動性が高い磨砕が可能となり、特に連続式の混練機においては生産性が高くなる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
その一次粒子サイズが80nm〜200nmのα型銅フタロシアニンブルー顔料、その平均粒子径が10μm以下の水溶性の無機塩、顔料分散剤、及び水溶性の有機溶剤を含む混練物を、混練機を使用して加圧下及び冷却下で湿式磨砕して、微細化されたβ型銅フタロシアニンブルー顔料を得る工程を含むことを特徴とする微細化顔料の製造方法。
【請求項2】
前記水溶性の無機塩が、塩化ナトリウムおよび/またはボウ硝である請求項1に記載の微細化顔料の製造方法。
【請求項3】
前記顔料分散剤が、モノスルホン化銅フタロシアニン誘導体である請求項1又は2に記載の微細化顔料の製造方法。
【請求項4】
製造される前記β型銅フタロシアニンブルー顔料の一次粒子サイズが、10nm〜50nmである請求項1〜3のいずれか1項に記載の微細化顔料の製造方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の微細化顔料の製造方法によって製造された微細化されたβ型銅フタロシアニンブルー顔料と、皮膜形成材料とを含有してなることを特徴とする顔料着色剤。
【請求項6】
印刷インキ用着色剤、筆記用インキ用着色剤、プラスチック用着色剤、顔料捺染用着色剤、塗料用着色剤、画像記録用着色剤あるいは画像表示用着色剤である請求項5に記載の顔料着色剤。
【請求項7】
前記画像記録用着色剤が、インクジェットインキ用着色剤あるいは電子写真方式現像剤用着色剤である請求項6に記載の顔料着色剤。
【請求項8】
前記画像表示用着色剤が、カラーフィルター用着色剤である請求項6に記載の顔料着色剤。

【公開番号】特開2013−79399(P2013−79399A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−9068(P2013−9068)
【出願日】平成25年1月22日(2013.1.22)
【分割の表示】特願2007−192507(P2007−192507)の分割
【原出願日】平成19年7月24日(2007.7.24)
【出願人】(000002820)大日精化工業株式会社 (387)
【Fターム(参考)】