説明

微細構造化ツール及びレーザーアブレーションを用いたその製法

本明細書では、ポリマーおよび微細化表面を有する微細構造化層を有する微細構造化ツールが開示され、ニッケル層は前記微細構造化表面の反対側にある微細構造化層に隣接して配置され、前記基材層は微細構造化層の反対側にあるニッケル層に隣接して配置される。その微細構造化表面は約1000μmまでに至る最高深さを有する少なくとも1つの形状を有してよい。また、レーザーアブレーションを用いた微細構造化ツールの製造方法が、本明細書で開示される。微細構造化ツールは光学的用途に好適に使用される物品の製造に使用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、同一出願人による、同時係属中の米国特許出願シリアル番号11,278,290号、ハンパル(Humpal)等による、発明の名称「微細構造化ツールおよびレーザーアブレーションを用いた製造方法」に関し、また本出願人の同日出願である(ドケット61177US002)。
【0002】
(発明の分野)
本発明は微細構造化ツールに関し、基材層と微細構造化層との間にニッケル層を含む微細構造化ツールに関する。その微細構造化ツールはレーザーアブレーションを使用して製造される。
【背景技術】
【0003】
数マイクロメータ未満の形状を含む微細構造化ツールは、特別の機能を発揮できる微細構造化レプリカを形成する複製プロセスに使用される。レプリカは微細構造化ツールから、またはその微細構造化ツールから形成された金属ツールから直接に製造できる。微細構造化レプリカは、プリズム、レンズ等として機能する光学的用途を包含する用途に使用される。そのような用途では、これらの微細光学要素、従ってその要素が製造される微細構造化ツールは欠陥、例えば、望ましくない光学的人為現象を発生させる可能性のある表面粗さ等がないことが非常に重要であることが多い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
レーザーアブレーションは、支持基材の上に微細構造化ポリマー層を有する微細構造化ツールを形成するために使用される方法である。微細構造化ポリマー層は、その表面に選択領域のポリマーを除去して形成された1つ以上の凹部形状を有するポリマー層を含む。ポリマーの除去はレーザー照射の吸収に続く分解の結果である。増大する微細光学要素の需要を満たすために上記の厳格な基準を満たす微細構造化ツールを形成するためにレーザーアブレーションの使用が望ましい。従って、レーザーアブレーション・プロセスに使用できる新材料に対するニーズがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書の開示はポリマーを含み微細構造化表面を有する微細構造化層と、ニッケルを含むニッケル層と、金属、ポリマー、セラミック、またはガラスを含む基材層と、を含む微細構造化ツールであって、前記微細構造化表面は1つ以上の形状を含み、前記ニッケル層は前記微細構造化表面の反対側にある微細構造化層と隣接して配置され、また、前記基材層は微細構造化層の反対側にあるニッケル層に隣接して配置される。
【0006】
同様に本明細書の開示はレーザーアブレーションを使用する微細構造化ツールの製造方法である。ポリマーを含むレーザーアブレーション可能層と、ニッケルを含むニッケル層と、金属、ポリマー、セラミックまたはガラスを含む基材層と、を含むレーザーアブレーション可能物品であって、前記ニッケル層は前記レーザーアブレーション可能層の反対側に隣接して配置され、前記基材層は前記レーザーアブレーション可能層の反対側にある前記ニッケル層に隣接して配置されたレーザーアブレーション可能物品を準備することと、レーザーを有するレーザーアブレーション装置を準備することと、前記レーザーからの照射を用いて前記レーザーアブレーション可能層をアブレーションして、1つ以上の形状を有する微細構造化表面を形成することと、を含む微細構造化ツールを製造する方法を含む。
【0007】
本明細書に開示される微細構造化ツールは微細構造化レプリカを製造するために使用できる。そのような微細構造化レプリカを製造する1つの方法は、微細構造化ツールを準備することと、前記微細構造化表面の上に液状組成物を塗布すること、前記液状組成物を固化させて固化層を形成することと、前記微細構造化ツールから前記固化層を分離することと、を含む。本明細書に開示される微細構造化ツールは、微細構造化金属ツールの製造にも使用できる。そのような微細構造化金属ツールを製造する1つの方法は、前記微細構造化ツールを準備することと、前記微細構造化表面の上に金属を付着させ金属層を形成することと、続いて前記2つの層を分離することと、を含む。前記金属層は、微細構造化レプリカを製造できる前記微細構造化金属ツールになる。
【0008】
本明細書で開示される微細構造化物品は、例えば、プラズマディスプレイ装置、コンピュータモニター、および携帯型装置等の光学用途、マイクロ流体チップのようなチャネル形状、メカニカル品用途等に使用できる。
【0009】
上記の要約は本発明の個々の開示した実施形態または全ての実施の記述を意図しない。より具体的にたどる図および発明の詳細説明により例示的実施形態が説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
上記のように、レーザーアブレーションは支持基材の上に微細構造化ポリマー層を創製するために使用される方法である。この方法では、レーザーによって放出される照射が、ポリマー層の選択領域に入射するように行われる。照射はポリマーに吸収され、光熱的および光化学的メカニズムの部分的混合に起因する気化によってポリマー除去が発生する。前記混合は典型的には、選択されたポリマーの特性、例えば、融点、照射波長における吸収係数、比熱、および屈折率、並びにレーザーフルエンス、波長、およびパルス持続時間のようなレーザーアブレーション条件に依存する。
【0011】
本明細書に開示されるような光学用途に用いるために好適な微細構造化ツールは、1つ以上のレーザーショットが各形状が形成するため使用されるレーザーによるマルチ−ショット・レーザーアブレーション・プロセスを使用して製造できる。この方法により、形状の側壁角度を制御でき、同様にポリマーを基材の表面に至るまで、またはニッケル層に至るまで除去できる。マルチ−ショット・レーザーアブレーションはまた、例えば、15μmより厚い、厚いポリマー層の微細構造化にも使用できる。
【0012】
マルチ−ショット・レーザーアブレーション・プロセス用には、多くのタイプのシステムが利用でき、例えば、投影、スポット書き込み、シャドーマスキング、ホログラフィック等のシステムが挙げられる。シャドー・マスキング・アブレーション・システムでは、例えば、必要なパターンを有するマスクが、ポリマー層を有するレーザーアブレーション可能物品と近接近してまたは接触して定置される。マスクは選択された領域だけを照射可能にするので、ポリマー層の表面にそのパターンが形成される。好適には、レーザーアブレーション・システムは、波長400nm以下の放射線を放出するレーザー、例えば、KrF、F、ArF、KrCl、XeF、またはXeClのようなエキシマーレーザー、あるいはより長波長の放射線を放出するが非線形結晶の使用によって400nm以下に転換されるレーザーを利用する。有用なレーザーアブレーション・システムおよび方法は、例えば、米国特許第6,285,001B1に記載される。
【0013】
図1の実施例に示されるように、本明細書に開示される微細構造化ツール10は、ポリマーを含む微細構造化層14、微細構造化表面16を有する微細構造化層、微細構造化表面の反対側にある微細構造化層に隣接して配置されたニッケルを含むニッケル層12、および微細構造化層の反対側にあるニッケル層に隣接して配置される基材層18を含む。
【0014】
基材層に使用される具体的材料は具体的用途次第であろうが、一般的には、軽量で、耐久性のある、高価でない、さらにニッケル層と適合性のある材料である必要がある。同様に、基材層は通常の実験室の保管条件の下で、温度、湿度、および光に対して、並びにクリーニング溶液、微細構造化層のポリマー、および微細構造化レプリカを形成するために使用される材料のような基材が接触する可能性のあるあらゆる材料に対して、安定していることが望ましい。
【0015】
基材層は金属、ポリマー、セラミック、またはガラスを含んでもよい。好適な材料には、アルミニウムおよびアルミ合金、鋼鉄および鋼鉄合金、特にステンレススチール、銅、真鍮、または錫のような金属類;ポリカーボネート類、ポリイミド類、ポリエステル類、ポリスチレン類、またはポリ(メタ)アクリルのようなポリマー類;シリコン、アルミナ、および窒化珪素のようなセラミックス;溶融シリカ、光学ガラス、またはフロートガラスのようなガラス類、あるいはガラス繊維を含有する複合材、が挙げられる。基材層はまた、ニッケル層と基材層が同一物であるようなニッケルを含んでよい。好適には、アルミニウムが高価でなく、実こぼれがなく、および様々な面積および厚さで入手可能であるので、基材層はアルミニウムを含む。
【0016】
基材層の、ニッケル層に隣接した側に関して、表面粗さは必要とする微細構造化ツールおよびレプリカを得るのに重要である可能性がある。ニッケル層が基材層上にコンフォーマルコーティングである場合、基材層は、基材層を有する微細構造化ツールから製造される予定の微細構造化レプリカにおいて要求されるものと、少なくとも同じ位に良好である粗さを有する必要がある。一方、ニッケル層がコンフォーマルコーティングではなく基材層上のあらゆる凹凸を塗りつぶしできる場合、基材層の粗さは微細構造化ツールおよび物品において必要とされるものよりも大であってよい。
【0017】
基材層の厚さはまた、具体的用途並びに使用される材料の性質次第であろう。一般に、基材層はハンドリングでき、自己支持性であり、且つ日常のハンドリングの下でクラック、ねじれ、および破断等の損傷に耐久性を有するに十分な厚さである必要がある。基材層の剛性は、特別に制限されないが、一般的に、より大きな面積であるほど、より剛性のある基材層を有することがより望ましい。剛性およびハンドリング性のために、微細構造化ツールは、少なくとも約0.005N−m(0.05in−lb)という、弾性係数と厚さの3乗とを乗算した積を有してもよい。例えば、51μm(2ミル)厚さのアルミニウム(弾性率71×10N/m(10.3×10lb/in))を含む基材層は、弾性係数と厚さの3乗とを乗算した積が約0.009(N−m(0.08lb−in)であるので有用である可能性がある。254μm(10ミル)までの厚さを有するアルミニウムも同様に有用である可能性がある。別の例に対しては、6.4mm(250ミル)厚さの鋼鉄(弾性率207×10N/m(30×10lb/inn))を含む基材層は、その積が約54264N−m(468750lb−in)であるので有用である可能性がある。
【0018】
プラズマディスプレイに使用されるバリアリブの製造におけるような一部の場合では、基材層は、例えば、約100cmより大、または約1000cmより大、である十分大きな面積を有することが望ましい。基材層が十分に厚く測定可能な平坦度を有する場合、100cm当たり約10μmより良好な、または1000cm当たり約10μmより良好な、平坦度を有することが望ましい可能性がある。基材層が余りに薄くて測定可能な平坦度を有さない場合、基材層はアブレーションの間、支持テーブルまたは真空テーブルのような別の平坦物体によって支持され、基材層は100cm当たり約10μmより良好な、または1000cm当たり約10μmより良好な、平行度を有することが望ましい可能性がある。
【0019】
一般的に、ニッケル層は図1に示されるように微細構造化層の微細構造化表面16を形成するために使用されるレーザー光に対するストップ層として作用する。ニッケル層はニッケルを含み、およびニッケルベース合金の層であってよく、またはニッケル層は本質的にニッケルからなり、即ち、それは固形ニッケルの層であってもよい。ニッケル層は同様に、通常の実験室保管条件の下で、温度、湿度、および光に対して、並びにクリーニング溶液、ポリマー、および微細構造化レプリカを形成するために使用される材料のような基材が接触する可能性のあるあらゆる材料に対して、安定であることが望ましい。ニッケル層は基材層の上に電気化学的プロセス、スパッタリング、化学気相成膜法、または物理気相成膜法によって形成できる。これらの方法の組み合わせも使用できる。所望により、ニッケル層とレーザーアブレーション層を含む構成は基材層に積層されてもよい。
【0020】
本明細書で第1表面を指す、微細構造化層14に隣接しているニッケル層12の表面は、ニッケル層を有する微細構造化ツールから製造されるであろう微細構造化レプリカの表面において必要とされるものと少なくとも同じ位良好な粗さを有する必要がある。一般的に、ニッケル層のこの表面は1μm以下の算術平均粗さ(Ra)を有してよく、また大抵の光学用途に対するRaは100nm以下である。アブレーション後の第1表面粗さは、同様にこれらの制限以下である必要がある。
【0021】
ニッケル層の厚さもまた具体的な用途に依存し、一般的には、レーザーアブレーション可能層を完全にアブレーションする光強度の少なくとも4倍の光強度において、検出可能な損傷無しに耐えるように十分な厚さである必要がある。有用な厚さは少なくとも約0.5μmであり、例えば、約0.5μm〜約2cmである。
【0022】
レーザーアブレーション可能層即ちアブレーションされる前の微細構造化層、および微細構造化層自体は、ポリマーを含む。好適なポリマーには、例えば、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリスルホン、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、(メタ)アクリル樹脂、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0023】
ポリマーの具体的選定は、様々な因子により影響される可能性がある。1つには、ポリマーは、レーザーアブレーション可能層および微細構造化層が、実験室保管条件の下で、温度、湿度、および光に対して、並びにクリーニング溶液、ニッケル層、離型剤、および微細構造化レプリカを形成するために使用される材料のようなポリマーが接触する可能性のあるあらゆる材料に対して、安定であるように選択される必要がある。同様に、以下に記述されるように、ポリマーは、レーザーによってもたらされる照射波長において、cm当たり1×10より大の吸収係数を有することが理想的である。
【0024】
レーザーアブレーション可能層は様々な方法で形成できる。例えば、レーザーアブレーション層はフィルムの形で形成され、その上にニッケル層が施されるか、またはその2つが共に提供され積層される。或いは、レーザーアブレーション可能層はニッケル層の上に溶融したポリマーを流延し、次いで冷却固化し、必要に応じて硬化し、層を形成する。別の選択では、1つ以上のモノマー、オリゴマー、および/またはポリマーを含む溶液をニッケル層の上に流延し、続いて硬化し層を形成する。好適なポリマーは、同一出願人による、同時係属中の米国特許出願シリアル番号11,278,290号、ハンパル(Humpal)等、題名「微細構造化ツールおよびレーザーアブレーションを用いて製造する方法」、また本出願人の同日出願である(ドケット61177US002)に記載される。その開示を、それに包含される全てに対して参照として本明細書に組み入れる。好ましくは、レーザーアブレーション層は架橋され、アブレーション領域におけるリフローを最少化する。
【0025】
通例の硬化方法には、熱、時間、および照射、例えば、UV照射、および電子ビーム照射が挙げられる。硬化前には、硬化されるコーティング材料が流動せず、コーティング厚さの変更を生じないように留意する必要がある。UV硬化が好適であり、UV硬化性のモノマー、オリゴマーおよび/またはポリマーが好まれる。それらは迅速に硬化し、コーティングした材料の移行する時間の量を削減し、また室温または室温近くで硬化でき、以下に述べる応力の可能性を削減するからである。加熱と組み合わせたUV照射を採用してもよい。
【0026】
ポリマー層に含まれてよいその他の成分には、染料、UV吸収剤、可塑剤、および酸化防止剤のような安定剤が挙げられる。
【0027】
ポリマーは、様々な精度の様々な技法を用いてコーティングでき、それらの多くは当技術分野で周知であり、例えば、ナイフコーティング、グラビアコーティング、スライドコーティング、スピンコーティング、カーテンコーティング、スプレイコーティング、ダイコーティング等である。以下に述べるようにあらゆる所望の厚さでコーティング可能でなければならないため、ポリマーの粘度は重要である。即ち、薄い層に対しては低粘度のポリマー溶液が要求され、厚い層に対しては高粘度溶液が要求される。コーティング性に関するその他の因子はハンパル(Humpal)等に開示される。
【0028】
レーザーアブレーション層は応力がほとんど無いかまたはゼロであることが望ましく、応力があるとアブレーションの間に好ましくない形状または寸法が変化する可能性がある。従って、ポリマーがコーティングされ、固化される場合、液体または前駆体形状におけるその材料の特性は重要である。硬化または架橋の間におけるいかなる収縮もレーザーアブレーション物品の残部にマッチングさせるのが好ましい。これらの留意点によりレーザーアブレーション層の厚さが決定されてもよい。50μm以上の厚さを有する層に対する溶剤コーティングおよび硬化の間に、応力は集中するからである。同様に、レーザーアブレーション層は、煤の発生が僅かであるかまたは無く、クリーンにアブレーション可能であり、大気圧下で溶融せず、加熱下で膨潤が無いことが望ましい。
【0029】
微細構造化表面になるレーザーアブレーション可能層の表面は、本明細書では第2表面と称し、第2表面は、レーザーアブレーション可能層を有する微細構造化ツールから製造される微細構造化レプリカの底部において要求されるものと少なくとも同じ位に良好な粗さを有する必要がある。一般的に、第2表面は1μm以下の算術平均粗さ(Ra)を有してよく、また大抵の光学用途に対してRaは100nm以下である。アブレーション後の第2表面の粗さは同様にこれらの制限以下であるべきである。
【0030】
レーザーアブレーション可能層の厚さは用途に応じて変化してよく、一般には、その厚さは、微細構造化表面を含む1つ以上の形状の深さに対して便宜的な機械的制限を与える。好適な厚さは約1000μmまで可能性がある。一部の用途には、約1000μmより大の厚さが使用されてもよいが、約1000μmより大の形状深さを有する微細構造化表面は、通常、製造に時間がかかり、また、画像平面とかけはなれて微細構造化表面の形状を制御することが大幅に困難になる。レーザーアブレーション可能層は均一な厚さを有することが好ましく、その厚さの均一性が微細構造化層における形状高さの均一性を確定するからである。レーザーアブレーション可能層が厚すぎたり十分に均一でなかったりする場合、ダイヤモンドカッティングツールを有した研削またはフライカッティングを用いて機械的に機械加工してもよい。
【0031】
アブレーション速度の変動を回避するために、レーザーアブレーション可能層はレーザー照射の吸収性、密度、レーザー波長での屈折率等に関して全体的に均一且つ均質であることが望ましい。同一の、およびアブレーション閾値の少なくとも2倍のレーザーパワーを用いた状態で、ポリマーのアブレーション速度はレーザーアブレーション物品の全域に渡って10%以内の変動である必要がある。以下に述べるように、アブレーション閾値はアブレーションの深さとパルスエネルギーとのグラフを描き、ゼロ深さに外挿して見出される。
【0032】
図2aに見られるように、微細構造化ツール20は、2つの層間の接着性を高めるために、微細構造化層14とニッケル層12との間に配置した連結層22を含んでもよい。連結層における成分の具体的選定は他の層に使用される材料に依存するであろう。好適な材料の例には、(メタ)アクリレート、および3M社から入手可能なスコッチプライム(Scotchprime)(登録商標)のようなセラミック−金属用プライマーが挙げられる。
【0033】
一般的に連結層はできるだけ薄くすべきであり、例えば、1μm未満であり、その結果その機械的特性は実質的にレーザーアブレーション可能層のアブレーション特性に影響せず、またはアブレーションの前後のどちらにもレーザーアブレーション物品の特性に影響しない。上記のようにいずれかの層の粗さが重要である場合は、連結層は粗さを増加させてはならない。
【0034】
同様に、材料が除去されるより以上のレーザーフルエンス、粗化表面、またはゆがみ材料等のような場合、連結層はニッケル層の損傷閾値を、レーザーアブレーション可能層をアブレーションするのに要するフルエンスの4倍以下に押し下げてはならない。即ち、その上に連結層を有するニッケル層の損傷閾値は、レーザーアブレーション可能層をアブレーションするのに必要なフルエンスの少なくとも4倍である必要がある。
【0035】
図2bに見られるように、微細構造化ツール24は、2つの層間の接着性を高めるためにニッケル層12と基材層18との間に配置された接着剤層26を含む。接着剤層の具体的成分の選定はその他の層に使用される材料に依存するであろう。好適な材料の例には、亜鉛またはクロムのような金属、および酸化クロムのような金属酸化物が挙げられる。一具体例では、接着剤層は、無電解メッキのニッケル層とアルミニウム基材層の間に配置された、1μm未満厚さの亜鉛コーティングを含む。ニッケル層を最初にポリマー層に取り付け、次いで基材層に取り付ける場合、接着剤層にはエポキシ、ウレタン、または感圧接着剤のような接着剤を使用することが便利であろう。
【0036】
図1に見られるように、微細構造化層14は微細構造化表面16を含む。微細構造化表面はレーザーアブレーション可能層の部分をレーザーアブレーションを用いて除去して形成した3次元トポグラフィの表面を指す。図1に示した微細構造化表面の断面略図は、例証の目的だけであり、微細構造化表面を制限することを決して意図しない。図3a−3dは追加の代表的微細構造化表面を示す。
【0037】
3次元トポグラフィは形状、大きさ、および表面を横断した分布について変化する1つ以上の形状を含む。形状は凹部、空洞、レリーフ構造、ミクロレンズ、溝、チャネル、等で描かれ、また矩形、六角形、立方形、半球形、円錐形、角錐形、またはこれらの組み合わせを含んでよい。
【0038】
上記のように、1つ以上の形状の深さは、形状がレーザーアブレーション可能層の最大厚さ近くまでの最高深さを有することができるように、レーザーアブレーション可能層の厚さで制約される。従って1つ以上の形状は、約1000μmまでの、例えば、約0.5μm〜約1000μmの最高深さを有してよい。1つ以上の形状は複数の深さを含んでよく、1つ以上の形状が存在する場合、深さは形状ごとに変化してよい。一部の場合では、ニッケル層は少なくとも1つの凹部形状の中で曝露されるかもしれない。深さ以外の寸法は特に制限されない。
【0039】
1つ以上の形状が存在する場合、それらはランダムに、または特定パターンで、若しくはそれらの一部組み合わせで配置してよい。例えば、形状は微細構造化表面内の領域でランダムに配置されてよく、多くの領域はその表面の横断方向に1つのパターンで配置されてよい。変更してよい形状パラメータの例には、深さ、側壁角、直径、アスペクト比(幅に対する深さの比)等が挙げられる。
【0040】
また本明細書では微細構造化ツールの製造方法が開示される。この方法は、ポリマーを含むレーザーアブレーション可能層と、ニッケルを含むニッケル層と、金属、ポリマー、セラミック、またはガラスを含む基材層と、を含むレーザーアブレーション可能物品であって、前記ニッケル層は前記レーザーアブレーション可能層の反対側に隣接して配置され、前記基材層は前記レーザーアブレーション可能層の反対側にある前記ニッケル層に隣接して配置されたレーザーアブレーション可能物品を準備することと、レーザーを有するレーザーアブレーション装置を準備することと、前記レーザーからの照射を用いて前記レーザーアブレーション可能層をアブレーションして、1つ以上の形状を有する微細構造化表面を形成することと、を含む。
【0041】
上記のように好適なレーザーを備え、マルチショットアブレーションが可能であれば、どのタイプのレーザーアブレーション装置またはシステムを使用してよい。変更してよいシステムパラメータには、レーザーによって提供される照射波長が挙げられる。約10μm未満の波長を有する照射を放出するレーザーが好適であり、微細構造化ツールの形状寸法はレーザーの波長で制限されるからである。同様に2μm未満および400nm未満の波長を有する照射を放出するレーザーが好適である。レーザーは解像度制限、即ちアブレーションされる所与形状の最小の寸法の約10倍未満の照射波長が選択されてよく、好ましくは解像度制限の5倍未満、最も好ましくは解像度制限の2倍未満の照射波長である。レーザーアブレーション可能材料は使用される波長で高い吸収を有することがさらに重要である。
【0042】
効率性の点から、レーザーアブレーション可能層の吸収性に応じてレーザーを選択することが望ましい場合が多く、その逆もある。レーザーアブレーション可能層は、レーザーにより提供される照射波長において、cm当たり約1×10より大の吸収係数を有することが理想的である。これにより、アブレーション閾値の最小化が支援され、より低いパワーで構造創製が可能になる。同様に、これによりアブレーション工程の二次的な損傷を抑えるのに役立ち、より小さい形状の製造が可能になる。
【0043】
その他のシステムパラメータはレーザーアブレーション可能層の閾値エネルギー密度の測定により選択でき、閾値エネルギー密度はレーザーアブレーション可能層の最小アブレーションを行うのに必要なレーザーエネルギー量である。アブレーション閾値はアブレーションの深さとパルスエネルギーの曲線を描き、ゼロ深さに外挿して見出される。変更できる1つのパラメータはレーザーパルスのエネルギーである。レーザーパルスエネルギーの変更は各レーザーパルスにおける除去される材料の深さを変更する簡便な方式である。より高いエネルギーはより多くの材料を除去し、生産性を高める。より低いパルスエネルギーはより少ない材料を除去し、加工の制御性を高める。アブレーション材料は加工メモリも持たないこと、即ち、各々のパルスにおいて、同じレーザーパルス・パラメータに対して、直前のパルスがどんなに多くても同じ量の材料が除去されるということが望ましい。その結果、パルス当たりの深さを知り、パルス数を数えることにより、形状の深さを制御できる。レ−ザーの、パルス幅、一時的パルス形状、波長、およびコーヒレンス長さもまたアブレーション加工に影響するが、これらのパラメータは通常各レーザーにおいて固定されるか、または少量を変更できるだけである。レーザーアブレーション層の厚さは考慮すべき別の因子である。上記のように、アブレーション前の厚さは、少なくとも、微細構造化表面の最高高さに要求される厚さであることが必要であり、および多数の深さ、並びにニッケル層に至るレーザーアブレーション可能層の除去も所望される場合がある。
【0044】
十分なパルスが使用されレーザーアブレーション可能層をニッケルの表面に至るまでアブレーションするような一部の場合では、ポリマーはレーザーアブレーション閾値を有し、ニッケル層はレーザー損傷閾値を有することが望ましく、このとき、レーザーアブレーション閾値はレーザー損傷閾値の0.25未満である。この差により、ニッケル層に悪影響することなくクリーンで平坦な微細構造化層底部を確保することが支援される。
【0045】
レーザーアブレーション可能物品およびそれから製造された微細構造化ツールの形状は、レーザーアブレーション・システムがアブレーションの間に画像平面を画定できる必要があること以外は特に制限が無い。アブレーションの前、間、または後のいずれの形状も、同じであっても異なっていても良い。例えば、レーザーアブレーション可能物品および微細構造化ツールの両方とも概して平坦であり、シート状形状であっても良いし、またはレーザーアブレーション可能物品は概して平坦であり、シート状形状であり、およびアブレーション後に円筒またはベルトに形成されても良い。代わりに、レーザーアブレーション可能物品は、アブレーション前において円筒またはベルトの形状であっても良い。
【0046】
微細構造化ツールは、化学的劣化または機械的損傷から保護するため、または表面エネルギーまたは光学特性を変化させるために、微細構造化表面の上に追加の層を含んでもよい。特に、ダイヤモンド・ライク・ガラスが、様々な用途に使用できる微細構造化薄膜を製造するためにプラズマ堆積プロセスを使用して付着できる。ダイヤモンド・ライク・ガラスおよびその用途に関する説明は米国特許第6,696,157B1を参照。
【0047】
微細構造化ツールは更なる加工、包装、一体化を経ても良いし、またはより小部品へカットされてもよい。
【0048】
同様に、本明細書では、微細構造化レプリカの製造方法が開示される。その方法は、微細構造化表面上の全面に液状組成物を塗布することと、液状組成物を固化させ、固化層を形成することと、固化層を微細構造化ツールから分離することとを含む。液状組成物を塗布する前に、微細構造化表面をフッ素化化学物質−、シリコーン−、または炭化水素−含有の材料で処理してもよい。液状組成物は、硬化により固化する1つ以上のモノマー、オリゴマーおよび/またはポリマー、または冷却により固化する溶融ポリマーを含んでよい。どちらの場合でも、微細構造化ツールは繰り返し使用でき、多数の微細構造化レプリカを製造できる。
【0049】
同様に、本明細書では微細構造化金属ツールを製造する方法が開示される。その方法は、上記のような微細構造化ツールを準備することと、微細構造化表面上の全面に金属を付着させ金属層を形成することと、微細構造化ツールから金属層を分離することとを含む。金属は微細構造化表面上に電解メッキで形成されてもよい。金属を付着させる前に、電解メッキプロセスの間の金属堆積のために、微細構造化表面に導電性シード層をコーティングしてもよい。導電性シード層は蒸着プロセスを使用して付着させてよい。図6は、代表的な微細構造化金属ツールの写真である。得られた微細構造化金属ツールは繰り返し使用でき、多数の微細構造化レプリカを製造できる。微細構造化金属ツールは金属レプリカまたは高分子レプリカの製造に使用できる。レプリカまたは微細構造化金属ツールのいずれも物品製造に使用できる。例えば、米国特許第6,802,754号に記載のように、物品はガラス基板上に形成されたフリットの微細構造化を含んでもよく、そのフリットは次いで、加熱されてプラズマディスプレイ用のバリアリブ構造を形成することができ、当該特許は本明細書に参照として組み入れる。
【実施例】
【0050】
(実施例1)
厚さ508μm(0.020インチ)市販のアルミニウムシート材料(ロリン工業社(Lorin Industries)から)をラムダフィジック(Lambda Physik)社レーザーLPX315を含むエキシマー・レーザーアブレーション・システムを用いてアブレーションした。レーザービームは均質化され、ミクロラス(Microlas)による光学システムを用いた5×投射レンズで結像させたマスクを通過させた。862mJ/cmのビームフルエンスおよび毎秒150パルスにおいて全90ショットを使用した。アブレーションの前後で、2乗平均(RMS)粗さおよび算術平均粗さ(Ra)を測定した。結果を表1に報告する。
【0051】
上記のアルミニウムシート材料に膜厚2.5〜7.6μm(0.0001〜0.0003インチ)を有する無電解ニッケル層をメッキした。メッキプロセスは、ミネソタ州ミネアポリスのツイン・シティ・メッキ(Twin City Plating)で行った。サンプルを上記のようにアブレーションした。RMSおよびRaを表1に報告する。図4aおよび4bは、アブレーション後のアルミニウムおよびニッケルメッキ後のアルミニウムをそれぞれ示す。図4aにおける暗領域は粗面アルミニウムを示し、図4bに示されるニッケルメッキされたアルミニウムの鏡面反射表面と比較してかなり光を散乱させている。
【0052】
【表1】

【0053】
(実施例2)
508μm厚さの市販アルミニウムシート材料(ロリン工業社(Lorin Industries)のPREMIRROR 41)に無電解ニッケル層をメッキした。無電解ニッケル層は2.5〜7.6μm(0.0001〜0.0003インチ)の厚さであった。メッキプロセスは、ミネソタ州ミネアポリスのツイン・シティ・メッキ(Twin City Plating)で行った。
【0054】
無電解ニッケル表面をエチルアルコールおよび布拭きで清浄化した。次いで、その表面に3M社から入手可能のスコッチプライム(Scotchprime)(登録商標)399のセラミック−金属用プライマーを塗布した。プライマー溶液をニッケル表面上にスプレイし、拭いて均一なコーティングにし、空気乾燥し、110℃オーブン中で10分間硬化させた。そのパネルを取り出し、室温に冷却させ、EtOHおよび布拭きでいくらか残存する未反応剤を除去した。
【0055】
芳香族ウレタントリアクリレートのプレポリマー成分を、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート(サイテック・サーフェイス・スペシャリティーズ社(Cytec Surface Specialties)からのエベクリル(EBECRYL)6602)82.5重量%、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート(サートマー(Sartomer)社からのサートマーSR454)16.5重量%、および光開始剤(チバスペシャリティ・ケミカルズ社(Ciba Specialty Chemicals)からのイルガキュア(IRGACURE)369)1重量%からなる希釈剤40重量%で混合することによって、ウレタンアクリレート樹脂を調製した。以下の2つの方法の中の1つで前記樹脂をニッケル表面上の全面に厚さ155〜225μmでコーティングした:1)コーティング均一性 ±5μmをもたらす、精密ダイコーターによる加温(即ち65℃)コーティング、2)コーティング均一性±15μmをもたらす、室温でのナイフコーティング。ナイフコーティングを使用した場合、サンプルは次いで例えば、フライカット、研磨、またはラッピングのような通常の機械加工法による硬化後のトップ表面の平面研磨によってより均一化されてよい。
【0056】
コーティングしたパネルを金属フレームで、上部をガラスにした、「不活性化」チャンバーの中に入れた。チャンバーを乾燥窒素で1分間パージして酸素濃度を低下させた。次いでサンプルをUV照射で硬化した(15W、18インチ(46センチ)バックライト−ブル−バルブ、30秒、320〜400nm、約5〜25mW/cm)。
【0057】
得られたレーザーアブレーション可能物品を実施例1に記載のようにアブレーションした。コーティングパネルにアブレーションされるパターンは六角形の六角形配列であった。得られた微細構造化ツールは162μmの厚さを有し、パターンはニッケル層に至るまでアブレーションした。アブレーションくずをエチルアルコールを用い、フロックパッドで軽く拭いて取り除いた。図5aおよび5bはアブレーションしたパネルをそれぞれ約100倍および500倍の倍率での写真を示す。パターンはヘキサ−デルタ・パターンであり、暗領域は非アブレーション領域(ポリマー)に対応し、明領域はアブレーション領域に対応する。図5bに示すように、各六角形は172.1、194.2、および156.3μmの寸法を有し、非アブレーション領域の幅は図5bに示すように20.4μmである。
【0058】
(実施例3)
微細構造化ツールを、六角形の六角形配列の代わりに標準的コーティングパネルを蜂の巣模様にアブレーションしたこと以外は実施例2に記載のように調製した。約1mm(40ミル)厚さのニッケルを含む金属層を、標準的電鋳手順を用いて微細構造化ツールの上に(微細構造化ポリマー層の上に)電鋳した。次いで金属層を微細構造化ツールから分離して微細構造化ツールを調製し、微細構造化金属ツールから90〜99℃で水性塩基(50:50、KOH:水)を用いて残留ポリマーを除去した。
【0059】
微細構造化レプリカ
微細構造化レプリカは実施例2および3に記載のもののようなツールを使用して製造できるであろう。これはツールの微細構造化表面を離型剤で処理し、次いでモノマー、オリゴマー、ポリマー、架橋剤等またはそれらの一部の組み合わせのような1つ以上の硬化性種を含む組成物をコーティングして実施されるであろう。次いで、組成物を硬化させ、硬化層を形成し、硬化層をツールから分離できるであろう。
【0060】
本発明の範囲および精神から乖離することのない、各種の改変および変更が当業者には自明のことであろうし、本発明は本明細書に記載される実施例および実施形態に限定されるものではないと理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】代表的微細構造化ツールの断面図。
【図2a】代表的微細構造化ツールの断面図。
【図2b】代表的微細構造化ツールの断面図。
【図3a】代表的微細構造化表面の断面図。
【図3b】代表的微細構造化表面の断面図。
【図3c】代表的微細構造化表面の断面図。
【図3d】代表的微細構造化表面の断面図。
【図4a】レーザーアブレーション後の基材層の写真。
【図4b】レーザーアブレーション後のニッケル層の写真。
【図5a】細構造化ツールの写真。
【図5b】細構造化ツールの写真。
【図6】代表的微細構造化金属ツールの写真。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマーを含み微細構造化表面を有する微細構造化層と、ニッケルを含むニッケル層と、金属、ポリマー、セラミックまたはガラスを含む基材層と、を含む微細構造化ツールであって、
前記微細構造化表面は1つ以上の形状を含み、
前記ニッケル層は前記微細構造化表面の反対側にある微細構造化層と隣接して配置され、
また、前記基材層は微細構造化層の反対側にあるニッケル層に隣接して配置される、微細構造化ツール。
【請求項2】
前記基材層はアルミニウムを含む、請求項1に記載の微細構造化ツール。
【請求項3】
前記基材層は約100cmより大である面積と、100cm当たり10μmより良好な平坦度とを有する、請求項1に記載の微細構造化ツール。
【請求項4】
前記基材層は約100cmより大である面積と、100cm当たり10μmより良好な平行度とを有する、請求項1に記載の微細構造化ツール。
【請求項5】
前記ニッケル層は本質的にニッケルからなる、請求項1に記載の微細構造化ツール。
【請求項6】
前記ニッケル層は約0.5μm〜約2cmの厚さを有する、請求項1に記載の微細構造化ツール。
【請求項7】
前記ニッケル層は前記微細構造化層に隣接した第1表面を有し、前記第1表面は100nm以下の算術平均粗さ(Ra)を有する、請求項1に記載の微細構造化ツール。
【請求項8】
前記ニッケル層は、電気化学的プロセス、スパッタリング、化学気相成長法、または物理蒸着法によって前記基材層の上に形成される、請求項1に記載の微細構造化ツール。
【請求項9】
前記ポリマーは、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリスルホン、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、(メタ)アクリル樹脂、またはそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の微細構造化ツール。
【請求項10】
前記ポリマーは、UV照射を用いて硬化されている、1つ以上のモノマー、オリゴマー及び/またはポリマーから形成される、請求項1に記載の微細構造化ツール。
【請求項11】
前記1つ以上の形状の中の少なくとも1つは約0.5μm〜約1000μmの最高深さを有する、請求項1に記載の微細構造化ツール。
【請求項12】
前記1つ以上の形状は、矩形、六角形、立方形、半球形、円錐形、角錐形またはそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の微細構造化ツール。
【請求項13】
前記微細構造化層と前記ニッケル層との間に配置された連結層を更に含む、請求項1に記載の微細構造化ツール。
【請求項14】
前記ニッケル層と前記基材層との間に配置された接着剤層を更に含む、請求項1に記載の微細構造化ツール。
【請求項15】
前記微細構造化ツールは円筒、平板、またはベルトの形状である、請求項1に記載の微細構造化ツール。
【請求項16】
ポリマーを含むレーザーアブレーション可能層と、ニッケルを含むニッケル層と、金属、ポリマー、セラミック、またはガラスを含む基材層と、を含むレーザーアブレーション可能物品であって、
前記ニッケル層は前記レーザーアブレーション可能層の反対側に隣接して配置され、
前記基材層は前記レーザーアブレーション可能層の反対側にある前記ニッケル層に隣接して配置されたレーザーアブレーション可能物品を準備することと、
レーザーを有するレーザーアブレーション装置を準備することと、
前記レーザーからの照射を用いて前記レーザーアブレ−ション可能層をアブレーションして、1つ以上の形状を有する微細構造化表面を形成することと、を含む微細構造化ツールを製造する方法。
【請求項17】
前記照射は約2μm未満の波長を有する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記照射は約400nm未満の波長を有する、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記照射は前記1つ以上の形状の最小寸法の約2倍未満の波長を有する、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記基材層はアルミニウムを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記レーザーアブレーション可能層は、前記照射の波長においてcm当たり約1×10より大の吸収係数を有する、請求項16に記載の方法。
【請求項22】
前記ポリマー層はレーザーアブレーション閾値を有し、前記ニッケル層はレーザー損傷閾値を有し、前記レーザーアブレーション閾値は前記レーザー損傷閾値の0.25未満である、請求項16に記載の方法。
【請求項23】
前記レーザーアブレーション可能層は大気圧で溶融可能でない、請求項16に記載の方法。
【請求項24】
前記レーザーアブレーション可能物品は円筒、平板、またはベルトの形状である、請求項16に記載の方法。
【請求項25】
請求項16の方法によって形成された微細構造化ツール。
【請求項26】
請求項1の微細構造化ツールを準備することと、
前記微細構造化表面上の表面に液状組成物を塗布することと、
前記液状組成物を固化させ、固化層を形成することと、
前記固化層を前記微細構造化ツールから分離することと、
を含む、微細構造化レプリカを製造する方法。
【請求項27】
前記液状物は1つ以上のモノマー、オリゴマー及び/またはポリマーを含み、並びに固化することは硬化することを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記液状組成物は1つ以上の溶融したポリマーを含み、および固化することは冷却することを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
請求項27の方法によって調製される微細構造化レプリカ。
【請求項30】
請求項1の微細構造化ツールを準備することと、
前記微細構造化表面上の表面に金属を付着させ、金属層を形成することと、
前記金属層を前記微細構造化ツールから分離することと、
を含む、微細構造化金属ツールを製造する方法。
【請求項31】
請求項30の方法によって調製される微細構造化金属ツール。
【請求項32】
請求項30の前記微細構造化金属ツールから調製されるバリアリブ構造体。
【請求項33】
請求項32のバリアリブ構造体を含むプラズマディスプレイ装置。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−532230(P2009−532230A)
【公表日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−503233(P2009−503233)
【出願日】平成19年3月28日(2007.3.28)
【国際出願番号】PCT/US2007/065330
【国際公開番号】WO2007/115028
【国際公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】