説明

微細気泡発生ノズル及びそれを備えた装置

【課題】簡単な構造で、流速又は衝突力を低下させることなく、微細気泡を含む水流を広い角度範囲で生成できるノズル及びそれを備えた装置を提供する。
【解決手段】気泡発生ノズルは、ベンチュリ管を形成する液体流路(ノズル本体1の上流側から先端部の噴出口6に向かって、流路幅が絞られた最小流路部4と、この最小流路部の下流域で流路幅が拡がる拡大流路部5とで構成された液体流路)と、前記最小流路部と合流する気体流路7,8と、前記ノズル本体1の前方方向に延び、噴出口の中心軸線に向かって放物線状に湾曲して形成され、かつ噴出口からの流体を広角に案内するためのガイド壁9とを備えている。ガイド壁のガイド面10は幅方向に断面U字状に湾曲している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微細気泡を発生させ、被処理体の洗浄処理などに有用なノズル及びそれを備えた装置、並びに前記ノズルを用いた被処理体の処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロバブルは、発生時に気泡の直径が数10μ〜数100μ程度の微細気泡を意味し、通常サイズの気泡に比べてはるかに大きな比表面積を有する。そのため、液体中に多数の微細気泡(マイクロバブル)を含む系は、同じ体積(容積)であっても、通常サイズの気泡に比べて、界面を介して液体/気体への溶解、液体中の不純物の吸着などの効率が著しく大きくなる。そこで、マイクロバブル(MB)を利用した技術は、曝気槽やオゾン浄化槽などに実際に利用され、気体溶解性、攪拌性などに優れた性能を示すことが報告されている。さらに、液体中の溶存酸素量を増大でき、かきやホタテの養殖で実用化されている。このようなマイクロバブルを利用した新しい技術は、環境保全・浄化、洗浄(半導体洗浄など)、ベヒクル(船舶など)の抵抗低減などの様々な分野での応用が期待されている。
【0003】
微細気泡を生成させるため、ベンチュリ管が広く利用されている。例えば、特開2004−188239号公報(特許文献1)には、被処理液が流れる流水管路に、上流側から絞り部、のど部および広がり部が形成されたベンチュリ管が取り付けられた水処理装置において、前記ベンチュリ管よりも上流側に設けられた酸化性溶液(過酸化水素水など)の注入口と、前記ベンチュリ管よりも下流側に設けられ、前記流水管路内を流れる被処理液に超音波を照射する超音波照射手段とを備えた水処理装置が開示されている。この装置では、多数の微細な気泡核を被処理液中に発生させることができるとともに、超音波によりベンチュリ管の広がり部で崩壊したキャビテーション気泡がさらに微細な気泡核となり、処理効率を高めることができる。
【0004】
特開2008−80259号公報(特許文献2)には、長手方向一端から加圧された流体が供給される管体(円管など)と、前記管体内に配置され、供給された前記流体の圧力を低下させて下流側に負圧を発生させる負圧発生体(円管の内径よりも直径の小さな球状体など)と、前記管体の外壁面から内壁面へ貫通すると共に前記負圧発生体の下流側に設けられた流体吸引孔(管体の周方向に形成された複数の吸引孔など)と、前記管体の外壁面の前記流体吸引孔を含む領域に設けられ、各々外部に連通すると共に互いに隔絶された複数の室を有する流体室とを備えた流体混合器が開示されている。この混合器では、前記流体吸引孔を通じて複数種類の流体を吸引させることにより、前記負圧発生体の下流側において、前記加圧された流体と複数種類の流体とが混合されて泡が発生する。
【0005】
しかし、前記装置および混合器では、気泡を含む流体が直進するため、微細気泡を含む水流を広角に拡げることができず、被処理体の処理効率(例えば、洗浄効率)が低下する。そのため、微細気泡を液体の広い範囲で生成させるためには、複数のノズルを必要とするとともに、コスト高となる。
【0006】
なお、特開2003−311189号公報(特許文献3)には、直線状に形成された管状ノズルチップと、この管状ノズルチップの少なくとも一端部から流体を供給する流体供給部と、前記管状ノズルチップの外周面に、前記管状ノズルチップの軸線に沿って形成された多数の噴霧孔(所定のピッチで形成された噴霧孔)とを備えた噴霧ノズルが開示され、前記流体供給部が、液体供給部分と気体供給部分とを有し、前記管状ノズルチップの内部に気液混合空間が形成されることも記載されている。この噴霧ノズルでは、管状ノズルチップの軸線に沿って多数の噴霧孔が所定間隔毎に形成されているため、均一な衝突力が得られる。しかし、このノズルの噴霧孔を被処理体に向けて噴霧しても、水流が直進し、微細気泡を含む水流を実用的なレベルにまで広角に拡げることができない。
【0007】
特開平10−34024号公報(特許文献4)には、ボデイの一端より軸線方向に沿って流入孔を穿設し、該流入孔の先端の噴射口の部分に、一側外周方向よりボデイに切欠をいれて、ボデイ軸線方向と直交して上記噴射口が開口する端面と、該端面の内端より軸線方向に延在する側面と、該側面の先端より径方向へと湾曲させて上記端面と対向させる受液面とを設け、該受液面の上記噴射口と対向する位置に拡散孔を設けると共に、該拡散孔と連続させて上記湾曲させた側面に溝を刻設し、拡散孔で流体を拡散させると共に溝により流体を切欠の前方開口へ拡散させるスプレーノズルが開示されている。このノズルでは、噴射口からの流体は、受液面へと直進して対向する拡散孔へと直進し、広い角度に反射されて拡散するとともに、溝により拡散方向が矯正されるため、低圧でソフトな噴霧を広い角度範囲にわたって行うことができる。
【0008】
しかし、この広角ノズルは、受液面及び拡散孔への衝突により流体のエネルギーが大きく損失し、流体の流速が大きく低下する。また、この広角ノズルでは、流体の流速が小さく、被処理体に向かって噴出させても、高い衝突力で均一に処理できない。
【特許文献1】特開2004−188239号公報(特許請求の範囲,段落[0016][0017])
【特許文献2】特開2008−80259号公報(特許請求の範囲)
【特許文献3】特開2003−311189号公報(特許請求の範囲)
【特許文献4】特開平10−34024号公報(特許請求の範囲,段落[0010])
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、本発明の目的は、流速又は衝突力を低下させることなく、微細気泡を含む流体流(水流など)を広い角度範囲で生成できる微細気泡発生ノズル及びそれを備えた装置(微細気泡発生装置)を提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、簡単な構造であっても、微細気泡を含む流体流を広い角度範囲で発生でき、ノズルの使用個数およびコストを低減できる微細気泡発生ノズル及びそれを備えた装置(微細気泡発生装置)を提供することにある。
【0011】
本発明のさらに他の目的は、衝突力を低下させることなく、前記微細気泡を含む流体流を広角で生成でき、被処理体に対する処理効率の高い処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、ベンチュリ管と広角ノズルとを組み合わせると、流速又は衝突力を低下させることなく、被処理体に対して微細気泡を含む水流を広い角度範囲で生成できることを見いだし、本発明を完成した。
【0013】
すなわち、本発明の気泡発生ノズルは、ノズル本体と;このノズル本体の上流側から先端部の噴出口に向かって延び、かつ流路幅(流路径)が絞られた最小流路部を有する液体流路と;前記ノズル本体に形成され、かつ少なくとも前記最小流路部で合流する少なくとも1つの気体流路と;前記ノズル本体の前方方向に延び、かつ噴出口からの流体を広角に案内(又は流体の噴出方向を広角にする)するためのガイド壁とを備えている。
【0014】
このようなノズルの液体流路では、最小流路部の上流域に比べて最小流路部では液体の流速が増加し、最小流路部の下流域では圧力が低下し、場合によっては負圧が生じる。そのため、少なくとも前記最小流路部で合流した混合流体中の気体は、最小流路部の下流域で潰されて微細化し、微細化された気泡を含む流体は噴出口から噴出される。また、ガイド部で噴出口からの流体を案内しつつ広角に噴出できる。
【0015】
前記液体流路は、前記最小流路部と、この最小流路部の下流部で流路幅(流路径)が拡がる拡大流路部とで構成してもよい。また、気体流路は前記最小流路部に延びる自吸式気体吸引口を形成してもよい。さらに、前記ノズルにおいて、液体流路は、最小流路部と、断面円形状、断面楕円形状又は断面長円状であり、かつ最小流路部から下流方向に向かって拡がって噴出口に至る拡大流路部とで構成されたベンチュリ管を形成してもよい。ガイド壁のガイド面は、噴出口の中心軸線に向かって湾曲していてもよい。このような構造では、最小流路部の下流域での圧力を大きく低下でき、最小流路部の下流域でより効率よく微細化された気泡を生成できる。また、ガイド部のガイド面がノズル本体の噴出口の中心軸線に向かって湾曲しているため、噴出口からの流体をガイド面により案内しつつ広角に噴出できる。その際、ガイド面が湾曲しているため、噴出口からの流体の流速(又は衝突力)を低下させることなく、広角に流体を広い範囲で噴出できる。さらに、湾曲したガイド面により、広角に噴出させる構造を形成できるため、ノズルの構造を簡素化できる。
【0016】
ガイド壁のガイド面は、幅方向に断面U字状に湾曲しているとともに、噴出口に接して前方方向又は下流方向に延び、かつ噴出口の中心軸線に向かって楕円状又は放物線状に湾曲していてもよい。また、ノズル本体から前方方向又は下流方向に延びるガイド面は、噴出口の中心軸線を跨いで(又は越えて)楕円状又は放物線状に湾曲して延びていてもよい。このようなノズルでは、気液混合流体中の気体をより効率よく微細化できるとともに、微細気泡を含む流体を、ガイド面により効率よく広角に噴出できる。
【0017】
前記のように、本発明のノズルでは、衝突力を低下させることなく広角に流体(気液混合流体)を噴出口から噴出でき、被処理体に向けて流体(気液混合流体)を噴出させると、気泡(特に微細気泡)を含む流体を広い角度範囲で均一に生成できる。そのため、微細気泡(例えば、平均径10〜500μm程度の微細気泡)を含む流体を広角に拡げ、被処理体を処理するのに有用である。
【0018】
本発明は、前記気泡発生ノズルと、このノズルに液体を供給するための液体供給手段とを備えた気泡発生装置、並びに気泡発生ノズルの噴出口からの流体を被処理体に向けて噴出させ、被処理体を処理する方法(微細気泡を含む流体で処理する方法)も包含する。
【発明の効果】
【0019】
本発明では、最小流路部の下流域で気泡を微細化し、微細化した気泡を含む流体をガイド面により案内できるため、流速又は衝突力を低下させることなく、微細気泡を含む流体流(水流など)を広い角度範囲で生成できる。また、簡単な構造であっても、微細気泡を含む流体流を広い角度範囲で発生でき、ノズルの使用個数およびコストを低減できる。そのため、被処理体の処理効率(被洗浄体の洗浄効率など)を向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に必要に応じて添付図面を参照しつつ、本発明を詳細に説明する。図1は本発明のノズル本体(二流体ノズル本体)の一例を示す概略図であり、(A)は概略端面図、(B)は概略断面図である。図2は図1のノズルを備えた気泡発生装置を示す概略図である。なお、以下の例では、液体として水(高圧水などの加圧水)を用い、気体として空気を利用している。
【0021】
図示する例において、気泡発生ノズルは、ノズル本体1と、このノズル本体の上流側から先端部の噴出口6に向かって延びる液体流路と、この液体流路で合流する少なくとも1つの気体流路7,8と、前記噴出口6からの噴出流体を広角に案内するためのガイド壁9とを備えている。
【0022】
より詳細には、ノズル本体1の液体流路は、液体供給手段に接続された円筒状液体供給路2と、この液体供給路の下流域において流路幅(流路径)が次第に絞られた傾斜流路3を介して形成された最小流路部4と、この最小流路部の下流域において最小流路部4から先端部の噴出口6に向かって流路幅(流路径)が次第に拡がった円筒状の拡大流路部5とで構成され、拡大流路部5は噴出口6で開口している。すなわち、前記傾斜流路3は絞り部を構成し、最小流路部4はのど部を構成し、拡大流路部5は流路拡大部を構成する。そのため、最小流路部4と、噴出口6に至る拡大流路部5とで構成されたベンチュリ管を形成している。
【0023】
前記ノズル本体1の周壁には、前記最小流路部4の流路と合流する3つの気体流路7,8が等間隔に形成されている。すなわち、前記最小流路部に対応するノズル本体の周壁には、気体流路として、入り口側(外壁側)の径大流路部7を経て前記最小流路部4の液体流路に至る細い流路(気体吸引路)8で構成された複数の気体流路7,8が形成されている。前記細い流路(気体吸引路)8の内径は前記最小流路部4の内径よりも小さく形成されている。
【0024】
このようなノズル構造では、ノズル本体1に液体を供給すると、最小流路部4の上流域では流速が小さく圧力が増大し、最小流路部4では流速が増大し圧力が低下する。そのため、最小流路部4に連通した気体流路から自然と気体が吸引され、液体と気体とが合流する。すなわち、気体流路7,8は自吸式気体吸引口を形成する。そして、最小流路部4の下流域が負圧となるため、合流した流体の気体は潰れて微細化し、噴出口6から直線状に噴出される。
【0025】
そこで、前記噴出口6に接してガイド壁(ガイド部)9が前方方向に延びており、このガイド壁9は噴出口6の中心軸線(又は噴出軸線)に向かって放物線状に湾曲している。すなわち、断面U字状に湾曲したガイド壁9のガイド面(内面)10は、ガイド壁9の先端部に行くにつれて曲率が大きく形成されており、ガイド壁(ガイド部)9のガイド面10の先端部は噴出口の中心軸線に対して交差して(中心軸線を跨いで又は越えて)延び、ガイド壁9と対向する(又は反対側の)噴出口6の対向縁(図中、噴出口6の下端縁)に平行な軸線上に至っている。なお、ガイド壁9のガイド面(内面)10は、両側部方向(幅方向)に湾曲し、かつノズル本体1の前方方向に行くにつれて曲率が大きくなっている。この前方方向の曲率は、ノズル本体1の軸線(中心軸線又は中心軸線と平行な軸線)をX軸方向(長軸)とした楕円又は放物線に近似している。この例では、ノズル本体1の中心軸線に対するガイド面10の先端部の角度(噴出角度)θは、10〜40°(好ましくは25〜35°)程度に設定されている。なお、噴出角度は中心軸線とガイド面先端部の接線との角度を意味する。
【0026】
このようなガイド壁9をノズル本体1の前方方向に形成することにより、噴出口6からの流体をガイド面10により(又はガイド面10に沿って)斜め方向に案内しつつ拡散できるため、噴出口6からの流体を直線状に噴出させることなく、広い角度範囲(例えば、40〜80°程度の角度範囲でガイド面の幅方向に拡大させて)で噴出できる。また、ガイド面10が湾曲しているため、噴出口から噴出する流体の流速および衝突力が低下するのを抑制できる。
【0027】
なお、ノズル本体の上流側の周壁には螺旋溝11が形成されている。そのため、図2に示されるように、液体供給管12が接続された管体13の管壁には、ノズル本体1の螺旋溝を利用して、長手方向に所定間隔をおいてノズル本体1が螺合され、ノズル本体1の液体供給路2と管体13の液体流路とを連通させることにより、気泡発生装置を構成できる。このように気泡発生装置に装着されたノズル本体1の噴出口からの噴出流を被処理体の表面に向けて噴出させると、流速又は衝突力を低下させることなく、広い角度範囲(広角)で微細気泡を含む噴出流を効率よく均一に形成できる。そのため、ノズルの使用個数が少なくても、微細気泡を含む水流で被処理体を広い範囲で効率よく処理できる。例えば、シリコンウエハなどの被洗浄体の表面を効率よく洗浄処理できる。
【0028】
なお、ノズル本体の液体流路は、前記最小流路部(くびれ部)と拡大流路部とで構成すればよく、最小流路部の上流側の液体流路は円筒状であってもよく、楕円形状や長円形状、多角形状であってもよい。また、最小流路部に至る液体流路は段差状に急激に流路幅が狭まっていてもよいが、通常、下流方向に向かって流路幅が次第に狭まる傾斜流路(絞り部)を経て最小流路部(のど部、くびれ部)に至る場合が多い。
【0029】
最小流路部の下流域で気泡を細かくするため、最小流路部の下流端に隣接して最小流路部よりも流路径の大きな流路部を有するのが好ましい。特に、最小流路部の下流域で気泡を効率よく潰すため、最小流路部に隣接して拡大流路部が形成されているのが好ましい。拡大流路部は、最小流路部から下流方向に向かって連続的又は段階的に拡がっていてもよく、傾斜角度の異なる複数の拡大流路部(例えば、下流方向に向かって、中心軸線に対して内壁の傾斜角度が大きくなる複数の拡大流路部又は中心軸線に対して内壁の傾斜角度が小さくなる複数の拡大流路部)で構成してもよい。拡大流路部は、通常、最小流路部から下流方向に向かって連続的に拡がっている場合が多い。また、拡大流路部の下流端は噴出口に至っていてもよく、拡大流路部と噴出口との間には拡大流路部の下流端からはほぼ同じ内径で延びる中間流路部を形成してもよい。
【0030】
最小流路部(くびれ部)および拡大流路部の断面形状は多角形状であってもよいが、通常、楕円形状や長円形状、特に円筒状である場合が多い。最小流路部は、断面円筒状であり、拡大流路部は、断面円形状、断面楕円形状又は断面長円状である場合が多い。
【0031】
さらに、液体流路は、流路幅(流路径)が絞られた絞り流路(又は傾斜流路)と、この絞り流路に隣接する最小流路部(のど部)と、この最小流路部の下流域で流路幅(流路径)が拡がる拡大流路部(又は噴出口に至る拡大流路部)とで構成されたベンチュリ管を形成するのが好ましい。このような液体流路を利用すると、流体中の気泡をより効率よく微細化できる。
【0032】
さらに、液体流路を構成するベンチュリ管の構造は前記例に限定されず、種々の構造が採用できる。図3は本発明の他の例のノズル本体を示す概略図であり、図3(A)は概略端面図、図3(B)は概略断面図である。
【0033】
この例では、ノズル本体21の軸線方向には、上流側から下流側に向かって、図1に示す例の液体供給路2よりも内径が大きな円筒状の液体供給路22と、この液体供給路の下流域において流路幅(流路径)が次第に絞られ、図1に示す例の傾斜流路3よりも長さが大きな傾斜流路23と、傾斜流路の下流端に形成された細長状の最小流路部24と、この最小流路部の下流域において最小流路部24から先端部の噴出口26に向かって流路幅(流路径)が次第に拡がった円筒状の拡大流路部25とが形成されている。また、前記最小流路部24には、ノズル本体の周壁に形成され、最小流路部24に至る気体流路27が通じている。また、ノズル本体21から前方方向に延びるガイド壁29は、噴出口26からの流体をガイドするため、前方方向に行くにつれて放物線状に湾曲し、ガイド面30の先端部は、ノズル本体21(又は噴出口26)の中心軸線に対して交差して(中心軸線を跨いで又は越えて)延び、ガイド壁29と対向する(又は反対側の)噴出口26の対向縁(図中、噴出口26の開口縁のうち下端縁)に平行な軸線上に至っている。
【0034】
なお、最小流路部の下流には、必ずしも拡大流路は必要ではない。図4は本発明のさらに他のノズル本体を示す概略図であり、図4(A)は概略端面図、図4(B)は概略断面図である。
【0035】
この例では、ノズル本体31の軸線方向には、円筒状の液体供給路32と、傾斜流路33と、傾斜流路の下流端に形成された細長状の最小流路部34とが形成され、この最小流路部は噴出口36に至っている。すなわち、最小流路部34とほぼ同じ流路径の流路が噴出口36に延びて形成されている。また、前記最小流路部34には、ノズル本体の周壁に形成された気体吸入口38が通じている。このようなノズルでも、気泡径の微細化の程度は小さいかもしれないが、液体の供給に伴って気体流路37から空気を吸引しながら、噴出口36から噴出流体をガイド壁39のガイド面40に沿って広角に噴出できる。
【0036】
さらに、噴出口の形状も特に制限されず、断面多角形状、断面円形状、楕円形状や長円形状などであってもよい。図5および図6は本発明の別のノズル本体を示す概略図であり、図5(A)および図6(A)はそれぞれ概略端面図、図5(B)および図6(B)はそれぞれ概略断面図である。
【0037】
図5に示す例のノズル本体41は、噴出口46の形状が楕円形状である点を除き、図3と同様の構造を有する。すなわち、最小流路部44の下流端からは、長軸を幅方向(又は横方向)にした断面楕円形状の拡大流路部45が形成され、噴出口46に至っている。
【0038】
また、図6に示す例のノズル本体51は、噴出口56の形状が長円形状である点を除き、図5と同様の構造を有する。すなわち、最小流路部54の下流端からは、長軸を幅方向(又は横方向)にした断面長円形状の拡大流路部55が形成され、噴出口56に至っている。
【0039】
前記ノズル本体の液体流路には、気体流路が少なくとも最小流路部の液体流路で合流していればよく、最小流路部の上流側で気体を供給し、最小流路部に混合物を供給してもよいが、気体供給ユニットを必要とし、自吸式で気体を液体流路内に取り込むことができない。本発明では、構造を簡素化し、自吸式で気体を液体流路内に吸引するため、最小流路部に至る少なくとも1つの気体流路(気体吸引口)を有するのが好ましい。すなわち、気体流路は自吸式気体吸引口を形成するのが好ましい。また、この気体流路(又は気体吸引口)の内径は、通常、最小流路部の内径よりも小さい場合が多い。
【0040】
ノズル本体の周壁には1又は複数(例えば、2〜6、特に2〜4程度)の気体流路(又は気体吸引口)を形成でき、複数の気体流路(又は気体吸引口)は、ノズル本体の周方向に等間隔に形成される場合が多い。
【0041】
さらに、ノズル本体には、軸方向に間隔をおいて、複数の最小流路部を形成し、多段式に気泡径を調整してもよい。また、複数の最小流路部のうち少なくとも上流部に位置する少なくとも1つの最小流路部に気体流路を連通させてもよい。例えば、上流側から下流方向に向かって複数のノズルユニットが連設され、各ユニットが、液体供給路と最小流路部と拡大流路部とで構成された液体流路と、前記最小流路部で気体が合流する気体流路(気体吸引口)とを備えたノズル本体であってもよい。より具体的には、第1のノズルユニットの噴出口と第2のノズルユニットの液体供給路とを、必要により流路径を適合させて形成させて、シール状態で連接し、第1のユニットの上流側から液体を供給すると、第1のノズルユニットの最小流路部で気体流路(気体吸引口)から気体を吸引しつつ最小流路部の下流域で微細な気泡を生成させて噴出口から第2のノズルユニットに供給できる。また、第2のノズルユニットでは最小流路部で気体流路(気体吸引口)から気体を吸引しつつ最小流路部の下流域で微細な気泡を生成させて噴出口から流体を噴出できる。
【0042】
このようなノズル本体において、複数の最小流路部のうち少なくとも上流部に位置する少なくとも1つの最小流路部(例えば、第1のノズルユニットの噴出口と第2のノズルユニットの液体供給路とを接続したノズル本体では、第1のノズルユニットの最小流路部)で合流する気体流路(気体吸引口)を連通させて形成すると、複数の最小流路部の下流域での圧力低下を気泡に順次作用させることができ、気泡径をより精度よく微細化できる。
【0043】
なお、ノズル本体の軸方向に間隔をおいて複数の最小流路部を形成する場合、上流側のノズルユニットの最小流路部の内径は下流側のノズルユニットの最小流路部の内径よりも大きくしてもよい。
【0044】
ガイド面は、前記噴出口からの噴出流体を広角に案内できればよく、先端部方向に向かってガイド面は同じ幅であってもよく、狭まっていてもよく拡がっていてもよい。ガイド面は、幅方向において平坦であってもよいが、噴出流体の両側部が拡散するのを抑制するため、噴出口を中心として両側部が内側に屈曲、特に湾曲しているのが好ましく、噴出口を中心として同心円状に湾曲していてもよく、楕円形状(例えば、両側部方向に行くにつれて湾曲度が大きくなる楕円形状など)に湾曲していてもよい。
【0045】
さらに、ガイド壁のガイド面は、前記噴出口の開口縁に隣接して前方方向に延出しており、前記噴出口の開口縁から半径方向に所定間隔をおいて(又は前記噴出口の開口縁から半径方向に離れた位置から)、前方方向に延出していてもよいが、通常、前記噴出口の開口縁に接して(又は噴出口の内壁に連なって又は沿って)前方方向に延出している場合が多い。また、ガイド壁は、ノズル本体の前方方向に向かって延び、かつ噴出口からの流体を広角に案内(又は噴出方向を広角に)できればよく、通常、ノズル本体の前方方向に行くにつれて湾曲している。より詳細には、ノズル本体の前方方向における前記ガイド面の湾曲度は、円状、X軸方向(長軸)をノズル本体の軸線とした楕円状又は放物線状であってもよい。ガイド面は、通常、噴出口(ノズル本体)の中心軸線に向かって湾曲、特になだらかに湾曲(楕円状又は放物線状に湾曲)している場合が多い。さらに、ガイド面は、延出方向(前方方向)に行くにつれて曲率が大きくなる場合が多く、ノズル本体から前方方向又は下流方向に延びるガイド面の先端部は、噴出口(ノズル本体)の中心軸線上に至っていてもよく、ノズル本体の中心軸線に対して交差して中心軸線を跨いで(越えて)延びていてもよい。これらの場合、X軸方向(長軸)をノズル本体の軸線としたとき、ガイド面を形成する楕円又は放物線の頂点は、噴出口(ノズル本体)の中心軸線に至らない手前側(図中、中心軸線の上方)に位置していてもよいが、通常、少なくとも噴出口(ノズル本体)の中心軸線上、特に中心軸線を越えて又は中心軸線に対して交差して(図中、中心軸線の下方に)位置している場合が多い。
【0046】
噴出口(ノズル本体)の中心軸線を超えてガイド面の先端部が位置する場合、ガイド面の先端部の位置は、噴出流体の広がり角度(幅方向の広がり角度)に応じて選択でき、噴出口を中心とする半径方向において、(1)噴出口のうちガイド壁と対向する噴出口の対向縁の軸線(中心軸線と平行な軸線)上、(2)ガイド壁と対向するノズル本体の反対側の側面の軸線(中心軸線と平行な軸線)上に至っていてもよく、上記軸線(1)と前記ノズル本体の反対側の側面の軸線(2)との間に位置していてもよい。
【0047】
噴出流体の広がり角度(幅方向の広がり角度)は、ガイド部の内面(ガイド面)の幅方向の湾曲度および前方方向の湾曲度などによりコントロール可能である。図7、図8および図9はそれぞれ本発明の他の例のノズル本体を示す概略図であり、図7(A)、図8(A)および図9(A)はそれぞれ概略端面図、図7(B)、図8(B)および図9(B)はそれぞれ概略側面図である。
【0048】
図7に示す例では、ノズル本体61から前方方向に延びるガイド壁69のガイド面(内面)70は幅方向に湾曲しているとともに、前方方向にいくにつれて緩やかに中心軸線方向に向いて湾曲し、中心軸線に対して交差している。この例でも、図7(A)に示すように、ガイド面(内面)70の先端部はガイド壁69と反対側の噴出口66の開口端面(対向面)に平行な軸線上に至っている。また、この例では、前方方向におけるガイド面70の湾曲度は前記図1に示すノズルでの湾曲度よりも大きく形成され、ノズル本体61の中心軸線に対するガイド面70の先端部の角度(噴出角度)θは15°に設定されている。このようなノズルを利用すると、液体の供給に伴って気体吸引口68から空気が吸入され、噴出口66からは幅方向に広角(例えば、70〜90°程度)で噴出流を噴出できる。
【0049】
図8に示す例では、ガイド壁79のガイド面(内面)80は、幅方向に湾曲しているとともに、前方方向にいくにつれて中心軸線方向に向いて大きく湾曲し、中心軸線を交差しガイド壁79と反対側のノズル本体71の側面と平行な線上に至っている。この例では、ノズル本体71の中心軸線に対するガイド面80の先端部の角度(噴出角度)θは80°に設定されている。このようなノズルを利用すると、液体の供給に伴って気体吸引口78から空気が吸入され、噴出口76からは幅方向に広角(例えば、130〜150°程度)で噴出流を噴出できる。
【0050】
図9に示す例では、ノズル本体81の前方方向に延びるガイド壁89のガイド面(内面)90の上流側は軸線方向に沿った直線状であり、下流側(先端部)は大きな曲率で湾曲している。このようなノズルを利用すると、液体の供給に伴って気体吸引口88から空気が吸入され、比較的狭い角度(例えば、20〜50°程度)で噴出流を噴出口86から噴出できる。
【0051】
なお、本発明のノズルにおいて、噴出角度θは、例えば、5〜75°(例えば、10〜60°)、好ましくは5〜60°(例えば、10〜45°)、さらに好ましくは5〜40°(例えば、10〜30°)程度であってもよい。
【0052】
また、噴出流体の広がり(広角度)は、前記のように、ガイド面の形状の他、噴出口の形状などによってもコントロールできる。噴出口からの噴出流体の広がり(広角度)は、例えば、15〜150°(例えば、25〜140°)、好ましくは30〜120°(例えば、40〜100°)、さらに好ましくは45〜90°(例えば、50〜70°)程度であってもよい。
【0053】
本発明の装置は、前記気泡発生ノズル(又はノズル本体)に液体を供給するための液体供給手段を備えており、液体供給手段からの液体はノズルの上流側の液体供給流路に供給される。液体の供給圧は特に制限されず、例えば、0.1〜1MPa(例えば、0.2〜0.7MPa、好ましくは0.3〜0.6MPa)程度であってもよい。
【0054】
また、気泡発生ノズルは前記螺旋溝を利用した螺合手段に限らず種々の装着手段により液体供給管体に装着できる。気泡発生ノズルの間隔(ピッチ)および液面からの距離は、ノズルの噴霧角度などに応じて均一な流速又は衝突力分布が得られる範囲で選択でき、気泡発生ノズルの間隔(ピッチ)は、例えば、10〜200mm(例えば、20〜150mm)、好ましくは25〜100mm(例えば、30〜70mm)程度であってもよい。また、吐出口と被処理体との距離は、例えば、10〜100mm(例えば、25〜75mm)程度であってもよい。
【0055】
本発明では、被処理体の表面に向けてノズルの噴出口から流体を噴出させることにより、微細な気泡を含む流体(噴出流体)を生成でき、被処理体を処理できる。微細気泡の平均径は特に制限されず、生成直後の平均気泡径は、例えば、5〜700μm(例えば、10〜500μm)、好ましくは20〜300μm(例えば、25〜250μm)、さらに好ましくは30〜200μm(例えば、50〜100μm)程度であってもよい。なお、気泡径は、水を収容する透明容器の対向側面にランプ(キセノンランプなど)とCCDカメラとを対峙させて配置し、ノズルの噴出口から流体を噴出させ、噴出流をデジタル画像として撮影し、基準スケールを参照して、気泡径を算出でき、統計的処理により平均気泡径やバラツキの程度を算出することもできる。
【0056】
なお、ベンチュリ管によるマイクロバルブの発生に関し、くびれ部の流速が10m/s以上にすることが有効であることが報告されている。そのため、最小流路部での流速は、10m/s以上(例えば、10〜50m/s、好ましくは15〜40m/s、さらに好ましくは2〜30m/s程度)であってもよい。
【0057】
また、自吸式気体吸引口を形成する場合、気体の流入量は最小流路部の下流域での圧力降下の程度に依存するが、通常、常温常圧において、液体の流量100L/hrに対して、気体の流量2〜15L/hr、好ましくは5〜12L/hr、さらに好ましくは7〜10L/hr程度である。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明のノズルにおいて、液体及び気体の種類は特に制限されず、用途に応じて選択でき、例えば、液体は有機溶媒(アルコール類、炭化水素類など)であってもよく、気体は酸素に限らず窒素ガスや有害ガス(窒素酸化物、一酸化炭素など)などであってもよい。通常、液体としては水を利用し、気体としては酸素又は空気を利用する場合が多い。なお、用途によって必要であれば、気液界面での活性能をコントロールするため、界面活性剤や水溶性物質(水溶性高分子、水溶性アルコール類などの水溶性有機溶媒、表面処理剤など)を用いてもよい。本発明のノズルは、気体と液体とを混合して被処理体を処理する種々の用途に利用でき、被処理体としては、被洗浄体[例えば、基板(ガラス基板、セラミック基板、シリコンウエハ、金属基板など)、電子部品、その他の種々の物品(プラスチック、セラミック、金属製物品など)など]、被処理液[例えば、汚水や上水などの水、海水、有機溶媒など]が例示できる。本発明は、被処理体の洗浄や表面処理、浄化(曝気槽やオゾン浄化槽などによる浄化)、養殖(溶存酸素の増加による養殖環境の改善又は向上)などに利用できる。
【実施例】
【0059】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0060】
実施例1
図1に示すノズル[ガイド部を含めた長さ50mm、液体供給路(内径3mm×長さ5mm)、最小流路部(内径1mm×長さ2mm)および拡大流路部(噴出口の内径2.6mm×長さ15mm、ノズルの中心軸線に対する角度6°、最小流路部で合流する気体吸引口の内径0.6mm)、ガイド部の長さ20mm、噴出角度θ=15°]を用い、ノズルに供給する水の圧力と、噴出口からの噴出流の流量との関係を調べたところ、図10に示す結果を得た。なお、このノズルは、ノズル本体の中心軸線を基準にして全体として幅方向に約60°の広角で噴出流を噴出する。
【0061】
この図10から、気体吸引口から強制的に空気を供給しなくても、自吸式で空気が吸引され、水の供給圧に応じて噴出流量が増加する。
【0062】
上記構造を有する2つのノズルの間隔(ピッチ)を50mmとし、噴射距離50mmに配置し、圧力0.3MPa、0.4MPaおよび0.5MPaで噴出流の衝突力分布を測定したところ、図11に示す結果が得られた。
【0063】
図11に示されるように、ノズルの間に対応する領域に低圧域が認められるものの、噴出流を広角で噴出できた。そのため、被処理体に向けて噴出させたところ、気泡径10〜300μmの微細気泡を含む流体を発生できた。
【0064】
実施例2
実施例1で用いたのと同様のノズル3個を、間隔(ピッチ)30mm、噴射距離30mm、40mm又は50mmに配置し、圧力0.3MPaおよび0.5MPaで噴出流の衝突力分布を測定したところ、図12〜図14に示す結果が得られた。なお、図12は噴射距離30mm、図13は噴射距離40mm、および図14は噴射距離50mmでのデータである。
【0065】
図12〜図14から、被処理体からのノズルの距離(噴射距離)および圧力を調整することにより、衝突力分布をコントロールでき、噴射距離40mmでは比較的均一な衝突力分布が得られる。
【0066】
比較例1
実施例1のノズルにおいて、前記ガイド部を備えていないノズルを調製し、実施例1と同様に2つのノズルの間隔(ピッチ)を50mmとし、噴射距離50mmに配置し、圧力0.3MPa、0.4MPaおよび0.5MPaで噴出流の衝突力分布を測定したところ、図15に示すように、ノズル本体の中心軸線を基準にして全体として約5°の角度で噴出流を噴出した。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】図1は本発明のノズル(二流体ノズル)の一例を示す概略斜視図である。
【図2】図2は図1のノズルを備えた気泡発生装置を示す概略図である。
【図3】図3は本発明の他の例のノズル本体を示す概略図であり、(A)は概略端面図、(B)は概略断面図である。
【図4】図4は本発明のさらに他の例のノズル本体を示す概略図であり、(A)は概略端面図、(B)は概略断面図である。
【図5】図5は本発明の別の例のノズル本体を示す概略図であり、(A)は概略端面図、(B)は概略断面図である。
【図6】図6は本発明の別の例のノズル本体を示す概略図であり、(A)は概略端面図、(B)は概略断面図である。
【図7】図7は本発明の他の例のノズル本体を示す概略図であり、(A)は概略端面図、(B)は概略側面図である。
【図8】図は本発明の他の例のノズル本体を示す概略図であり、(A)は概略端面図、(B)は概略側面図である。
【図9】図9は本発明の他の例のノズル本体を示す概略図であり、(A)は概略端面図、(B)は概略側面図である。
【図10】図10は実施例1の結果(圧力と流量との関係)を示すグラフである。
【図11】図11は実施例1の結果(衝突力分布)を示すグラフである。
【図12】図12は実施例2での衝突力分布(噴射距離30mm)を示すグラフである。
【図13】図13は実施例2での衝突力分布(噴射距離40mm)を示すグラフである。
【図14】図14は実施例2での衝突力分布(噴射距離50mm)を示すグラフである。
【図15】図15は比較例1の結果(衝突力分布)を示すグラフである。
【符号の説明】
【0068】
1,21,31,41,51,61,71,81…ノズル本体
2,22,32,42,52,62,72,82…液体供給路
3,23,33,43,53,63,73,83…傾斜流路
4,24,34,44,54,64,74,84…最小流路部
5,25,35,45,55,65,75,85…拡大流路部
6,26,36,46,56,66,76,86…噴出口
7,27,37,47,57,67,77,87…気体流路
8…気体吸引口
9,29,39,49,59,69,79,89…ガイド壁
10,30,40,50,60,70,80,90…ガイド面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノズル本体と、このノズル本体の上流側から先端部の噴出口に向かって延び、かつ流路幅が絞られた最小流路部を有する液体流路と、前記ノズル本体に形成され、かつ少なくとも前記最小流路部で合流する少なくとも1つの気体流路と、前記ノズル本体の前方方向に延び、かつ噴出口からの流体を広角に案内するためのガイド壁とを備えている気泡発生ノズル。
【請求項2】
液体流路が、最小流路部と、この最小流路部の下流域で流路幅が拡がる拡大流路部とで構成されており、気体流路が前記最小流路部に延びる自吸式気体吸引口を形成しており、ガイド壁のガイド面が噴出口の中心軸線に向かって湾曲している請求項1記載の気泡発生ノズル。
【請求項3】
液体流路が、最小流路部と、断面円形状、断面楕円形状又は断面長円状であり、かつ最小流路部から下流方向に向かって拡がって噴出口に至る拡大流路部とで構成されたベンチュリ管を形成している請求項1又は2記載の気泡発生ノズル。
【請求項4】
ガイド壁のガイド面が、幅方向に断面U字状に湾曲しているとともに、噴出口に接して前方方向又は下流方向に延び、かつ噴出口の中心軸線に向かって楕円状又は放物線状に湾曲している請求項1〜3のいずれかに記載の気泡発生ノズル。
【請求項5】
ノズル本体から前方方向又は下流方向に延びるガイド面が、噴出口の中心軸線を跨いで楕円状又は放物線状に湾曲して延びている請求項1〜4のいずれかに記載の気泡発生ノズル。
【請求項6】
微細気泡を発生させる請求項1〜5のいずれかに記載の気泡発生ノズル。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の気泡発生ノズルと、このノズルに液体を供給するための液体供給手段とを備えている気泡発生装置。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれかに記載の気泡発生ノズルの噴出口からの流体を被処理体に向けて噴出させ、被処理体を処理する方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−273966(P2009−273966A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−125069(P2008−125069)
【出願日】平成20年5月12日(2008.5.12)
【出願人】(000142023)株式会社共立合金製作所 (24)
【出願人】(000245531)野村マイクロ・サイエンス株式会社 (116)
【Fターム(参考)】