説明

微細気泡発生機構および洗浄ガン

【課題】所望の微細な気泡を液体に内包させることのできる微細気泡発生機構を提供する。
【解決手段】液体Lと気体Gとを混合する気液混合通路11と、この気液混合通路11へ液体Lを導入する液体導入通路13と、気液混合通路11からの気液混合体Mを導出する気液混合体導出通路15と、気液混合通路11へ気体Gを導入する気体導入通路17と、気液混合通路11よりも下流に設けられ、気液混合体Mの流量と、気液混合体M内の気泡の直径とを調整する流量および気泡径調整部材21とを備え、液体導入通路13は、気液混合通路11へ向かうにしたがって断面積が徐々に小さくなっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、液体に微細な気泡を内包させる微細気泡発生機構、および、この微細気泡発生機構を備えた洗浄ガンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
微細な気泡によって洗浄効果を増加(増大)させたり、マッサージ効果を増加(増大)させるため、液体(例えば、水)の中に微細な気泡を発生させる微細気泡発生機構が提案されている。
【0003】
その一例として、液体導入通路から気液混合通路へ液体を導入することによって気液混合通路内にキャビテーションを発生させるとともに、気体導入通路から気液混合通路へ気体(例えば、空気)を導入し、気液混合通路内に配置した乱流発生部材によって液体に乱流を発生させることにより、気液混合を起こさせて液体に微細な気泡を内包させた気液混合体を生成するものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−144394号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した微細気泡発生機構は、キャビテーションと、乱流発生部材による液体の乱流とによって液体に微細な気泡を内包させているものの、所望の微細な気泡を液体に内包させることができなかった。
【0006】
この発明は、上記した不都合を解消するためになされたもので、所望の微細な気泡を液体に内包させることのできる微細気泡発生機構、および、この微細気泡発生機構を備えた洗浄ガンを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)この発明の微細気泡発生機構は、液体と気体とを混合する気液混合通路と、この気液混合通路へ前記液体を導入する液体導入通路と、前記気液混合通路からの気液混合体を導出する気液混合体導出通路と、前記液体導入通路または前記気液混合通路へ前記気体を導入する気体導入通路と、前記気液混合通路よりも下流に設けられ、前記気液混合体の流量と、前記気液混合体内の気泡の径とを調整する流量および気泡径調整部材とを備え、前記液体導入通路が、前記気液混合通路へ向かうにしたがって断面積が徐々に小さくなっていることを特徴とする。
【0008】
(2)この発明の微細気泡発生機構は、(1)に記載の微細気泡発生機構において、前記気液混合通路内に、前記液体に乱流を発生させる乱流発生部材を設けたことを特徴とする。
【0009】
(3)この発明の微細気泡発生機構は、(2)に記載の微細気泡発生機構において、前記乱流発生部材が、上流端から下流側へ向かって拡開する円錐台面を上流端部に有する円柱部に、三箇所の平面部を軸方向へ形成する切り欠きを設けた三角柱状部を有することを特徴とする。
【0010】
(4)この発明の微細気泡発生機構は、(3)に記載の微細気泡発生機構において、前記乱流発生部材が、前記三角柱状部の下流に、前記三角柱状部の外周から外側に突出して前記流体が衝突する衝突部を有することを特徴とする。
【0011】
(5)この発明の微細気泡発生機構は、(2)に記載の微細気泡発生機構において、前記乱流発生部材が、上流端から下流側へ向かって拡開する円錐台面を上流端部に有する円柱部に、この円柱部の断面形状が菱形となる切り欠きを軸方向へ設けた菱形柱状部を有することを特徴とする。
【0012】
(6)この発明の微細気泡発生機構は、(5)に記載の微細気泡発生機構において、前記乱流発生部材が、前記菱形柱状部の下流に、前記菱形柱状部の外周から外側に突出して前記流体が衝突する衝突部を有することを特徴とする。
【0013】
(7)この発明の微細気泡発生機構は、(2)から(6)のいずれか1つに記載の微細気泡発生機構において、前記気液混合通路内の前記乱流発生部材の下流に、前記乱流発生部材の外周から外側に突出して前記流体が衝突する衝突部材を設けたことを特徴とする。
【0014】
(8)この発明の微細気泡発生機構は、(1)から(7)のいずれか1つに記載の微細気泡発生機構において、前記気体導入通路に、前記気体の流量を調整する気体流量調整部材を設けたことを特徴とする。
【0015】
(9)この発明の微細気泡発生機構は、(1)から(8)のいずれか1つに記載の微細気泡発生機構において、前記気体導入通路に、前記気液混合通路から前記液体が流出するのを阻止する逆止弁を設けたことを特徴とする。
【0016】
(10)この発明の洗浄ガンは、(1)から(9)のいずれか1つに記載の微細気泡発生機構を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
(1)に記載の発明によれば、気液混合体の流量と、気液混合体内の気泡の径とを調整する流量および気泡径調整部材とを備えているので、流量および気泡径調整部材を調整することにより、気液混合体の流量を調整することができるとともに、所望の微細な気泡を液体に内包させた気液混合体とすることができる。
【0018】
(2)に記載の発明によれば、気液混合通路内に、液体に乱流を発生させる乱流発生部材を設けたので、乱流発生部材によって効率よく液体に乱流を発生させることにより、効率よく気体を微細化し、液体に内包させて気液混合体とすることができる。
【0019】
(3)に記載の発明によれば、乱流発生部材を、三角柱状部としたので、三角柱状部によって効率よく液体に乱流を発生させることにより、効率よく気体を微細化し、液体に内包させて気液混合体とすることができる。
【0020】
(4)に記載の発明によれば、乱流発生部材に衝突部を設けたので、衝突部によって液体にさらに乱流を発生させることにより、一層効率よく気体を微細化し、液体に内包させて気液混合体とすることができる。
【0021】
(5)に記載の発明によれば、乱流発生部材を、菱形柱状部としたので、菱形柱状部によって効率よく液体に乱流を発生させることにより、効率よく気体を微細化し、液体に内包させて気液混合体とすることができる。
【0022】
(6)に記載の発明によれば、乱流発生部材に衝突部を設けたので、衝突部によって液体にさらに乱流を発生させることにより、一層効率よく気体を微細化し、液体に内包させて気液混合体とすることができる。
【0023】
(7)に記載の発明によれば、気液混合通路内の乱流発生部材の下流に衝突部材を設けたので、衝突部材によってさらに液体に乱流を発生させることにより、さらに効率よく気体を微細化し、液体に内包させて気液混合体とすることができる。
【0024】
(8)に記載の発明によれば、気体導入通路に気体流量調整部材を設けたので、気体流量調整部材によって取り込む気体の流量を調整することにより、気泡の割合を調整することができる。
【0025】
(9)に記載の発明によれば、気体導入通路に逆止弁を設けたので、液体導入通路または気液混合通路の液体が高圧になっても、液体が気体導入通路から漏出するのを防止することができる。
【0026】
(10)に記載の発明によれば、(1)から(9)のいずれか1つに記載の微細気泡発生機構を備えているので、気液混合体の吐出量を調整することができるとともに、所望の微細な気泡を効率よく液体に内包させた気液混合体とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】この発明の一実施例である微細気泡発生機構の要部を示す縦断面図である。
【図2】図1に示した流量および気泡径調整部材の拡大断面図である。
【図3】図2に示した流量および気泡発生部材を構成する第1プレートの左側面図である。
【図4】図2に示した流量および気泡発生部材を構成する第2プレートの左側面図である。
【図5】(a)は図1に示した乱流発生部材の斜視図、(b)は図5(a)に示した乱流発生部材の正面図、(c)は図5(b)に示した乱流発生部材の右側面図、(d)は図5(b)に示した乱流発生部材の左側面図である。
【図6】流量および気泡径調整部材の他の例を示す断面図である。
【図7】図6に示した流量および気泡発生部材を構成する第1プレートの左側面図である。
【図8】図6に示した流量および気泡発生部材を構成する第2プレートの左側面図である。
【図9】(a)は乱流発生部材の他の例を示す斜視図、(b)は図9(a)に示した乱流発生部材の正面図、(c)は図9(b)に示した乱流発生部材の右側面図、(d)は図9(b)に示した乱流発生部材の左側面図である。
【図10】この発明の一実施例である洗浄ガンの概略構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、この発明の実施例を図面を参照して説明する。
【0029】
図1はこの発明の一実施例である微細気泡発生機構の要部を示す縦断面図、図2は図1に示した流量および気泡径調整部材の拡大断面図、図3は図2に示した流量および気泡発生部材を構成する第1プレートの左側面図、図4は図2に示した流量および気泡発生部材を構成する第2プレートの左側面図、図5(a)は図1に示した乱流発生部材の斜視図、図5(b)は図5(a)に示した乱流発生部材の正面図、図5(c)は図5(b)に示した乱流発生部材の右側面図、図5(d)は図5(b)に示した乱流発生部材の左側面図である。
【0030】
この発明の微細気泡発生機構Bは、図1に示すように、ベンチュリ管Tによって構成され、液体(例えば、水)Lと、気体(例えば、空気)Gとを混合する気液混合通路11と、この気液混合通路11へ液体Lを導入する液体導入通路13と、気液混合通路11からの気液混合体Mを導出する気液混合体導出通路15と、気液混合通路11へ気体Gを導入する気体導入通路17とが設けられている。
【0031】
そして、ベンチュリ管Tは、気液混合通路11と、気液混合体導出通路15との境目部分で、嵌合可能に軸方向で2分割されて分割管Ta,Tbとされ、液体導入通路13内の入り口側に雌ねじ19Fが設けられるとともに、気液混合体導出通路15の出口側外周に雄ねじ19Mが設けられている。
【0032】
上記した液体導入通路13は、気液混合通路11へ向かうにしたがって断面積が徐々に小さくなる円錐形状とされている。
【0033】
そして、気液混合通路11と、気液混合体導出通路15との境目部分には、分割管Ta,Tbを嵌合させ、所定の締結手段(図示省略)によって分割管Ta,Tbを締結することによって保持される、気液混合体Mの流量と、気液混合体M内の気泡の径(直径)とを調整する流量および気泡径調整部材21が設けられ、この流量および気泡径調整部材21から気液混合通路11内へ突出する状態で乱流発生部材31が設けられている。
【0034】
そして、気体導入通路17には、気体Gの流量を調整する気体流量調整部材としてのオリフィス板41と、気液混合通路11から液体Lが流出するのを阻止する逆止弁51とが設けられている。
【0035】
上記した流量および気泡径調整部材21は、図2〜図4に示すように、第1プレート23と、第2プレート25とによって構成されている。
【0036】
この第1プレート23は、円柱状の軸部23Xの外周に円板23Pが設けられ、軸部23Xの一端(気液混合通路11側の端)の中心に、嵌合取付穴23Eが設けられるとともに、軸部23Xの他端(気液混合導出通路15側の端)の外周に、位置合わせ用目印23Mが設けられている。
【0037】
上記した軸部23Xの一端(気液混合通路11側の端)は、気液混合通路11内の後述する乱流発生部材31の下流に位置し、乱流発生部材31の衝突部35の外周から外側に突出して流体Lが衝突する衝突部材として機能する。
【0038】
そして、円板23Pには、等間隔(120度間隔)で、外周縁に所定の大きさの矩形をした切り欠き23Dが設けられている。
【0039】
上記した第2プレート25は、第1プレート23と同じ外径の円板で、中心に、軸部23Xが回転可能に嵌合する貫通孔25Hが設けられ、3つの切り欠き23Dに重なる複数、例えば3種類の大きさの異なる矩形の貫通孔25H,25H,25H(第1プレート23の切り欠き23D内に収まる大きさの貫通孔)が40度間隔で周方向に交互に設けられるとともに、内周端に、貫通孔25H,25H,25Hを第1プレート23の切り欠き23Dに重ね合わせるための位置合わせ用目印25M,25M,25Mが設けられている。
【0040】
この貫通孔25H,25H,25Hは、貫通孔25Hの断面積が一番大きく、次に貫通孔25Hの断面積が大きく、貫通孔25Hの断面積が一番小さくなっており、図4に示すように、時計回りの円周方向に貫通孔25H、貫通孔25H、貫通孔25Hの順で3組設けられている。
【0041】
したがって、位置合わせ用目印25Mを第1プレート23の位置合わせ用目印23Mに合わせると、3つの貫通孔25Hがそれぞれ第1プレート23の切り欠き23Dに同時に重なり、また、位置合わせ用目印25Mを第1プレート23の位置合わせ用目印23Mに合わせると、3つの貫通孔25Hがそれぞれ第1プレート23の切り欠き23Dに同時に重なり、また、位置合わせ用目印25Mを第1プレート23の位置合わせ用目印23Mに合わせると、3つの貫通孔25Hがそれぞれ第1プレート23の切り欠き23Dに同時に重なる。
【0042】
上記した乱流発生部材31は、図5に示すように、上流端から下流側へ向かって拡開する円錐台面を上流端部に有する円柱部に、周方向へ等間隔に三箇所の平面部を軸方向へ形成する切り欠きを設けた三角柱状部33と、この三角柱状部33の下流に位置し、三角柱状部33の外周から外側に突出して流体Lが衝突する円柱状の衝突部35と、この衝突部35の下流端の中心に設けられ、第1プレート23の嵌合取付穴23Eに嵌合する、円柱状の嵌合突起37とによって構成されている。
【0043】
次に、動作について説明する。
【0044】
図示を省略したポンプなどの加圧機器によって加圧された液体Lが液体導入通路13に供給されると、液体Lは縮流となり、流速が上昇し、静圧が低下した状態(負圧の状態)で気液混合通路11へ到達する。
【0045】
このように、気液混合通路11へ到達した液体Lが負圧となっているので、この負圧を解消するために、気体導入通路17を介して空気(気体G)が気液混合通路11へ導入される。
【0046】
そして、気液混合通路11へ到達した液体Lは乱流発生部材31の三角柱状部33に衝突し、図1に示すように、乱流となり、さらに、乱流発生部材31の衝突部35、第1プレート23の軸部(衝突部材)23Xに衝突してさらなる乱流となる。
【0047】
このように、液体Lに乱流が発生すると、気体導入通路17からの空気(気体G)は微細化された気泡となって液体Lの中に内包され、気液混合体Mとなる。
【0048】
そして、気液混合体Mは、流量および気泡径調整部材21の貫通孔25H,25H,25Hを通過する際、貫通孔25H,25H,25Hの縁(第2プレート25、流量および気泡径調整部材21)に衝突することによって気泡がさらに微細化されるとともに、貫通孔25H,25H,25Hによって流量を調整される。
【0049】
このように、気泡が微細化され、流量を調整された気液混合体Mは、気液混合体導出通路15によって微細気泡発生機構Bの外へと導出される。
【0050】
上述したように、この発明の微細気泡発生機構Bの一実施例によれば、気液混合体Mの流量と、気液混合体M内の気泡の径とを調整する流量および気泡径調整部材21とを備えているので、流量および気泡径調整部材21を調整することにより、気液混合体Mの流量を調整することができるとともに、所望の微細な気泡を液体Lに内包させた気液混合体Mとすることができる。
【0051】
また、気液混合通路11内に、液体Lに乱流を発生させる三角柱状部33を有する乱流発生部材31を設けたので、乱流発生部材31(三角柱部33)によって効率よく液体Lに乱流を発生させることにより、効率よく気体Gを微細化し、液体に内包させて気液混合体Mとすることができる。
【0052】
また、乱流発生部材31に衝突部35を設けたので、衝突部35によって液体Lにさらに乱流を発生させることにより、一層効率よく気体Gを微細化し、液体に内包させて気液混合体Mとすることができる。
【0053】
また、気液混合通路11内の乱流発生部材31の下流に衝突部材(軸部23X)を設けたので、衝突部材(軸部23X)によってさらに液体Lに乱流を発生させることにより、さらに効率よく気体Gを微細化し、液体に内包させて気液混合体Mとすることができる。
【0054】
また、気体導入通路17にオリフィス板(気体流量調整部材)41を設けたので、オリフィス板(気体流量調整部材)41を取り替えることによって取り込む空気(気体G)の流量を調整することにより、気泡の割合を調整することができる。
【0055】
また、気体導入通路17に逆止弁51を設けたので、気液混合通路11の液体Lが高圧になっても、液体Lが気体導入通路17から漏出するのを防止することができる。
【0056】
図6は流量および気泡径調整部材の他の例を示す断面図、図7は図6に示した流量および気泡発生部材を構成する第1プレートの左側面図、図8は図6に示した流量および気泡発生部材を構成する第2プレートの左側面図であり、図1〜図5に示した部分と同一部分に同一符号を付してその説明を省略する場合がある。
【0057】
流量および気泡径調整部材21Aは、図6〜図8に示すように、第1プレート23Aと、第2プレート25Aとによって構成されている。
【0058】
この第1プレート23Aは、円柱状の軸部23Xの外周に円板23Pが設けられ、軸部23Xの一端(気液混合通路11側の端)の中心に、嵌合取付穴23Eが設けられるとともに、軸部23Xの他端(気液混合導出通路15側の端)の外周に、位置合わせ用目印23Mが設けられている。
【0059】
上記した軸部23Xの一端(気液混合通路11側の端)は、気液混合通路11内の後述する乱流発生部材31の下流に位置し、乱流発生部材31の衝突部35の外周から外側に突出して流体Lが衝突する衝突部材として機能する。
【0060】
そして、円板23Pには、等間隔(120度間隔)で、周方向に所定の大きさの円形をした貫通孔23Hが設けられている。
【0061】
上記した第2プレート25Aは、第1プレート23Aと同じ外径の円板で、中心に、軸部23Xが回転可能に嵌合する貫通孔25Hが設けられ、3つの貫通孔23Hに重なる複数、例えば3種類の大きさの異なる円形の貫通孔25H11,25H12,25H13(第1プレート23Aの貫通孔23H内に収まる大きさの貫通孔)が40度間隔で周方向に交互に設けられるとともに、内周端に、貫通孔25H11,25H12,25H13を第1プレート23Aの貫通孔23Hに重ね合わせるための位置合わせ用目印25M,25M,25Mが設けられている。
【0062】
この貫通孔25H11,25H12,25H13は、貫通孔25H11の断面積が一番大きく、次に貫通孔25H12の断面積が大きく、貫通孔25H13の断面積が一番小さくなっており、図8に示すように、反時計回りの円周方向に貫通孔25H11、貫通孔25H12、貫通孔25H13の順で3組設けられている。
【0063】
したがって、位置合わせ用目印25Mを第1プレート23Aの位置合わせ用目印23Mに合わせると、3つの貫通孔25H11がそれぞれ第1プレート23Aの貫通孔23Hに同時に重なり、また、位置合わせ用目印25Mを第1プレート23Aの位置合わせ用目印23Mに合わせると、3つの貫通孔25H12がそれぞれ第1プレート23Aの貫通孔23Hに同時に重なり、また、位置合わせ用目印25Mを第1プレート23Aの位置合わせ用目印23Mに合わせると、3つの貫通孔25H13がそれぞれ第1プレート23Aの貫通孔23Hに同時に重なる。
【0064】
図6〜図8に示す流量および気泡径調整部材21Aを用いても、図2〜図4に示す流量および気泡径調整部材21と同様な効果を得ることができる。
【0065】
図9(a)は乱流発生部材の他の例を示す斜視図、図9(b)は図9(a)に示した乱流発生部材の正面図、図9(c)は図9(b)に示した乱流発生部材の右側面図、図9(d)は図9(b)に示した乱流発生部材の左側面図であり、図5に示した部分と同一部分に同一符号を付してその説明を省略する場合がある。
【0066】
乱流発生部材31Aは、図9に示すように、上流端から下流側へ向かって拡開する円錐台面を上流端部に有する円柱部に、この円柱部の断面形状が菱形となる切り欠きを軸方向へ対向させて設けた菱形柱状部33Aと、この菱形柱状部33Aの下流に、菱形柱状部33Aの外周から外側に突出して流体Lが衝突する円柱状の衝突部35と、この衝突部35の下流端の中心に設けられ、第1プレート23,23Aの嵌合取付穴23Eに嵌合する、円柱状の嵌合突起37とによって構成されている。
【0067】
図9に示す乱流発生部材31Aを用いても、図5に示す乱流発生部材31と同様な効果を得ることができる。
【0068】
図10はこの発明の一実施例である洗浄ガンの概略構成を示す説明図であり、図1〜図9に示した部分と同一部分に同一符号が付してある。
【0069】
この発明の洗浄ガンGNは、図10に実線で示すように、ポンプPからの流体(水)Lを流通させたり、遮断する引き金tの下流に微細気泡発生機構Bが設けらている。
【0070】
したがって、引き金tを引いてポンプPからの水を流通させると、前述したように、気液混合体Mを目標物に当てたり、噴射することができる。
【0071】
なお、微細気泡発生機構Bは、図10に一点鎖線で示すように、引き金tの上流側に設けてもよい。
この場合、微細気泡発生機構Bを、洗浄ガンGN内に配置しても、洗浄ガンGN外に配置してもよい。
【0072】
上記した実施例では、液体Lを水とした例を示したが、液体Lは水以外の、例えば、洗浄液などの液体であってもよい。
また、気体Gを空気とした例で説明したが、気体Gは空気以外の、例えば、炭酸ガス、窒素などの気体であってもよい。
また、気液混合通路11に気体導入通路17を連通させた例を示したが、気液混合通路11を液体導入通路13に連通させても、同様な効果を得ることができる。
また、流量および気泡径調整部材21,21Aと、乱流発生部材31,31Aとの組み合わせは、どの組み合わせであっても、同様な効果を得ることができ、同様に機能する他の構成(部材)であってもよい。
また、気体流量調整部材をオリフィス板41とした例を示したが、同様に機能する他の部材であってもよい。
また、気体流量調整部材(オリフィス板41)と逆止弁41との配置は、いずれが上流側であっても、同様な効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0073】
B 微細気泡発生機構
T ベンチュリ管
Ta 分割管
Tb 分割管
11 気液混合通路
13 液体導入通路
15 気液混合体導出通路
17 気体導入通路
19F 雌ねじ
19M 雄ねじ
21 流量および気泡径調整部材
21A 流量および気泡径調整部材
23 第1プレート
23A 第1プレート
23X 軸部(衝突部材)
23P 円板
23D 切り欠き
23H 貫通孔
23E 嵌合取付穴
23M 位置合わせ用目印
25 第2プレート
25A 第2プレート
25H 貫通孔
25H 貫通孔
25H 貫通孔
25H 貫通孔
25H11 貫通孔
25H12 貫通孔
25H13 貫通孔
25M 貫通孔
25M 貫通孔
25M 貫通孔
31 乱流発生部材
31A 乱流発生部材
33 三角柱状部
33A 菱形柱状部
35 衝突部
37 嵌合突起
41 オリフィス板(気体流量調整部材)
51 逆止弁
GN 洗浄ガン
t 引き金
P ポンプ
L 液体
G 気体
M 気液混合体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体と気体とを混合する気液混合通路と、
この気液混合通路へ前記液体を導入する液体導入通路と、
前記気液混合通路からの気液混合体を導出する気液混合体導出通路と、
前記液体導入通路または前記気液混合通路へ前記気体を導入する気体導入通路と、
前記気液混合通路よりも下流に設けられ、前記気液混合体の流量と、前記気液混合体内の気泡の径とを調整する流量および気泡径調整部材とを備え、
前記液体導入通路は、前記気液混合通路へ向かうにしたがって断面積が徐々に小さくなっている、
ことを特徴とする微細気泡発生機構。
【請求項2】
請求項1に記載の微細気泡発生機構において、
前記気液混合通路内に、前記液体に乱流を発生させる乱流発生部材を設けた、
ことを特徴とする微細気泡発生機構。
【請求項3】
請求項2に記載の微細気泡発生機構において、
前記乱流発生部材は、上流端から下流側へ向かって拡開する円錐台面を上流端部に有する円柱部に、三箇所の平面部を軸方向へ形成する切り欠きを設けた三角柱状部を有する、
ことを特徴とする微細気泡発生機構。
【請求項4】
請求項3に記載の微細気泡発生機構において、
前記乱流発生部材は、前記三角柱状部の下流に、前記三角柱状部の外周から外側に突出して前記流体が衝突する衝突部を有する、
ことを特徴とする微細気泡発生機構。
【請求項5】
請求項2に記載の微細気泡発生機構において、
前記乱流発生部材は、上流端から下流側へ向かって拡開する円錐台面を上流端部に有する円柱部に、この円柱部の断面形状が菱形となる切り欠きを軸方向へ設けた菱形柱状部を有する、
ことを特徴とする微細気泡発生機構。
【請求項6】
請求項5に記載の微細気泡発生機構において、
前記乱流発生部材は、前記菱形柱状部の下流に、前記菱形柱状部の外周から外側に突出して前記流体が衝突する衝突部を有する、
ことを特徴とする微細気泡発生機構。
【請求項7】
請求項2から請求項6のいずれか1項に記載の微細気泡発生機構において、
前記気液混合通路内の前記乱流発生部材の下流に、前記乱流発生部材の外周から外側に突出して前記流体が衝突する衝突部材を設けた、
ことを特徴とする微細気泡発生機構。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の微細気泡発生機構において、
前記気体導入通路に、前記気体の流量を調整する気体流量調整部材を設けた、
ことを特徴とする微細気泡発生機構。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の微細気泡発生機構において、
前記気体導入通路に、前記気液混合通路から前記液体が流出するのを阻止する逆止弁を設けた、
ことを特徴とする微細気泡発生機構。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の微細気泡発生機構を備えている、
ことを特徴とする洗浄ガン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−187505(P2012−187505A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−52765(P2011−52765)
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(511064166)株式会社 コーエイサービス (3)
【Fターム(参考)】