説明

微細気泡発生装置とそれを備えた衛生洗浄装置

【課題】微細気泡発生装置を小型化することにある。
【解決手段】微細気泡発生装置は、少なくとも1対の電極を備え水の電気分解により発生した気泡を流水に加圧混入する気泡混入部6と、気泡の混入した水を噴出する気液噴出部7を備え、水の電気分解により発生した気泡を溶解することで、溶解する気泡の径を電極表面での液体の流速や、気泡成長速度すなわち電流密度によって、コントロールすることができる。そのため、加圧ポンプやタンクが不要となるため、装置を小型化することができ、装置を小型化することで、小型機器への組込も可能とすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水の電気分解により発生した気泡を流水に加圧混入することで、微細気泡を発生させる微細気泡発生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、微細気泡を発生させる方法としては、イジェクタを利用するものや、旋回流により気泡を微細化するもの、加圧溶解によるものが知られている(例えば、特許文献1、特許文献2)。図6に、加圧溶解法による微細気泡発生装置のフローを示す。
【0003】
図6において、加圧溶解方式の微細気泡発生装置は、水の流路100と、流路100に設けた加圧溶解部101と、加圧溶解部101の出口に接続した減圧弁107で構成されている。加圧溶解部101は流路100と接続し、吸気弁103を介して空気を流水に混合する吸込部102、水を搬送するポンプ104、流水に空気を溶解するタンク105、余分な空気を開放する空気抜弁106で構成している。
【0004】
上記構成において、流路100から加圧溶解部101に流入した水は、吸込部102で吸気弁103の吸気口を介して空気を吸い込み、気液を混合する。吸気弁103では、流水に溶解する量以上の空気を吸引し、気液の混合した流水はポンプ104により加圧され、タンク105に送られる。空気はタンク105内で流水に溶解され、未溶解の空気は、タンク105に設けた空気抜弁106から大気へ開放する。空気を溶解した流水は、減圧弁107により、急激に減圧され、それにより加圧され、水に溶解していた気体が、一気に微細気泡として析出するものである。
【特許文献1】特開2002-191949号公報
【特許文献2】特開2004−283810号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来の加圧溶解方式や旋回流方式では、水を加圧するためのポンプや気液を混合するためのタンク等が必要となるため、装置が大型化するという課題があった。
【0006】
風呂装置や給湯機などの比較的に大きな設備機器では、微細気泡水を用いる場合に、上記した加圧溶解方式や旋回流方式を用いて微細気泡を発生させることができるが、温水洗浄便座や洗濯機、食器洗浄器などの小型の機器に用いるには、微細気泡発生装置が大型化しているので、小型機器に組み込むことができないという課題があった。また、イジェクタを利用した場合には、微細気泡発生装置を小型化することはできるが、イジェクタ方式では、混入する気泡径が大きくなるという課題があった。
【0007】
上記従来の課題に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、小型機器にも利用できる小型の微細気泡混入装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の微細気泡発生装置は、少なくとも1対の電極を有し、水の電気分解により発生した気泡を流水に加圧混入する気泡混入部と、気泡の混入した加圧水を噴出する気液噴出部を備えたものである。
【0009】
上記手段とすることにより、微細気泡を生成するために加圧ポンプやタンクが不要とな
り、装置を小型化することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の微細気泡発生装置は、加圧ポンプやタンクが不要となるため、装置を小型化することができるとともに、小型化することで小型機器への組込も可能とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
第1の発明は、少なくとも1対の電極を有し、水の電気分解により発生した気泡を流水に加圧混入する気泡混入部と、気泡の混入した加圧水を噴出する気液噴出部を備えた構成とし、水の電気分解により得られた気泡で微細気泡を生成することができ、気泡混入部で加圧溶解した気泡を、気液噴出部で開放減圧することで微細な気泡を得ることができ、装置を小型化することができる。
【0012】
すなわち、水の電気分解により電極表面で生成する気泡の径は、電解開始直後は極微小であり、電気分解の進行とともに、気泡が成長合体し、その後電極表面から離脱する。この離脱した気泡の径は、電極表面での液体の流速や、気泡成長速度、すなわち電流密度によって決まるため、微細気泡を生成するために加圧ポンプやタンクが不要となるため、装置を小型化することができる。
【0013】
第2の発明は、特に、第1の発明において気泡混入部を小型化すること設置の自由度が向上し、気泡混入部と気液噴出部を隣接して設けることが可能になる。また、これにより気泡の加圧、開放減圧を連続して行なうことでき、溶解した気泡の流路内での合体を防止することができ、微細気泡を混合することができる。
【0014】
第3の発明は、特に、第1の発明または第2の発明の気泡混入部において、入水口と吐水口とを有し、前記入水口より吐水口の断面積が小さくなる構成とすることで、簡易な構成で気泡混入部の内圧を高めることができる。
【0015】
第4の発明は、特に、第1〜第3のいずれかの発明の気泡混入部を、芯電極と、前記芯電極の外周に設けた流路と、流路を囲うケースと、ケース内壁に設けた電極と、流路の流速を変化させる流速可変手段とで構成することにより、芯電極とケース内壁に設けた電極間で水を電気分解することができるとともに、電極を例えば円筒状に形成することで、ノズルやホース内部への組み込みを可能とすることができる。
【0016】
第5の発明は、特に、第4の発明の流速可変手段を、流路の流速を速くする方向に変化させる構成とすることにより、流路の流速が速くなり流路内を加圧するとともに、電極表面の流速を速くすることで、電極面からの気泡の離脱を早めることができ、気泡を小径化することができる。
【0017】
第6の発明は、特に、第5の発明の流速可変手段を、流路の下流側に向かって流速が速くなる構成とすることにより、電気分解による気体混入量の増加する下流側にいくにしたがって、圧力を高くすることで、気泡の微細化および流路内での気泡の合体を防止することができる。
【0018】
第7の発明は、特に、第4〜第6のいずれか1つの発明の流速可変手段を、少なくとも流路の一部を狭くさせる構成としたことにより、簡単な構成で流速を加速することができ、気泡を小径化することができる。
【0019】
第8の発明は、特に、第1〜第3のいずれか1つの発明の気泡混入部において、固体高
分子膜と前記固体高分子膜の両面に形成した電極からなる気泡発生手段を備えた構成とすることにより、電極間の距離を縮めることで、電源の負荷を抑え電気分解による気泡の発生量を増やすことができ、簡易で小型の構成で微細気泡を発生させることができる。
【0020】
第9の発明は、特に、第1〜第8のいずれか1つの発明において、電極は少なくとも陽極を二酸化鉛電極とし、電気分解により前記二酸化鉛電極表面で酸素とともに発生するオゾンを混入することで、オゾンによる殺菌漂白作用を得ることができるとともに、電気分解によりオゾンを発生させるため、放電装置等のオゾン発生装置が不要となり、発生後速やかに溶解させることでオゾンの溶解効率を高めることができる。
【0021】
第10の発明は、第1〜第9のいずれか1つに記載の微細気泡発生装置を備えた衛生洗浄装置としたので、洗浄効率の向上はもちろん、装置の小型化を図ることができる。
【0022】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、本実施の形態の説明において、同一構成および作用効果を奏するところには同一符号を付して重複した説明を行わないものとする。
【0023】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における微細気泡発生装置を示す断面図である。図1において、微細気泡混入装置は、芯電極1と、芯電極1の外周に設けた流路2と、流路2を囲うケース3と、ケース3内壁に設けた電極4と、流路2内の流速を変化させる流速可変手段としてのコイル状バネ5とを有する気泡混入部6と、気液噴出部7とを備えている。コイル状バネ5は、コイル状バネ5のピッチ間を構成する流路断面積が、ケース3と芯電極1との間に構成された流路の断面積より狭くなるようなピッチで旋回させる構成としている。
【0024】
そして、気泡混入部6は、入水口8と、気液噴出部7に通じる吐水口9と、電極端子10、11と、流路2をシールするためのOリング12と、直流電源13を備えている。また、吐水口9はケース3内の内圧を高め、気泡を加圧して水に溶解させるため、吐水口9の断面積を入水口8よりも小さくなるように形成している。気液噴出部7は、気泡混入部6の小型化により、気泡混入部6の吐水口9に隣接して設けられている。
【0025】
以上のように構成された微細気泡混入装置について、以下その動作、作用を説明する。水は、図2に示す図1の側面断面図に記載の矢印のように、ケース3の中心から偏芯した側面位置の入水口8から入水し、芯電極1の外周に形成されている流路2に流れ込み、さらに、芯電極1の外周に沿って流路に螺旋状に配置したコイル状バネ5によって芯電極1の外周を螺旋状に旋回して流れ、この間に直流電源13の印加された芯電極1と電極4による電気分解で生じた気泡が水に加圧溶解され、そしてケース3の中心から偏芯した側面位置の吐出口9より吐出され、気液噴出部で開放減圧することで微細な気泡が得られる。
【0026】
すなわち、螺旋状に配置されたコイル状バネ5は、コイル状バネ5のピッチ間を構成する流路断面積が、ケース3と芯電極1との間に構成された流路2の断面積より狭くなるようなピッチで旋回させる構成としている。したがって、コイル状バネ5に沿って螺旋状に流れる旋回流の流速は、コイル状バネ5がない場合に比べて速くなり、流速が加速されることになる。
【0027】
特に、ケース3と芯電極1の間に形成された円筒状の流路空間は、アスペクト比の大きな流路断面となり、もしコイル状バネ5がない場合、ケース3の中心から偏芯した側面位置に設けた入水口8から入った水は、上流では芯電極1の外周に沿って螺旋状に流れるが
、下流になるにしたがって旋回流が失われ、徐々に円筒状の軸方向の流れ成分が主体となり、下流においては実質上、水の流速が遅くなる。
【0028】
然るに、本実施例ではコイル状バネ5をケース3と芯電極1の間に形成された円筒状の流路空間に備えた構成となっており、流れは旋回流で速い流速状態が継続し、電極4と水の境界層の領域が非常に薄くなる。そして、電極4表面での流速を速めることで、電極4表面からの気泡の離脱を促進し、電極4表面での気泡成長を防止することができ、微細な気泡を水に混入することができる。
【0029】
一方、水の電気分解は直流電源13により、芯電極1と電極4間に直流電圧を印加することで起こり、陽極側では酸素ガスおよび塩素ガスが発生し、陰極側では水素ガスが発生する。電気分解により発生する気体は、初めは電極4表面に付着した状態で小さな核が形成され、電解の進行とともに、徐々に成長し、隣接する気泡と合体しながら、電極表面から離脱する。
【0030】
気泡の成長速度は電気分解の電流密度に依存し、電極4表面から離脱する気泡の径は、電極4の表面平滑度および電極4表面の流速、ケース3内の内圧状態に関係する。そして、吐水口9は、その断面積を入水口8よりも小さくなるように形成しているので、ケース3内の内圧を高めることができ、簡易な構成である電気分解で生成した気泡を加圧溶解することができる。
【0031】
さらに、電極4表面の流速を速めることで、気泡の離脱を速めることができ、気泡を微細化することができる。特に、芯電極1および電極4には、チタンの表面に白金等の貴金属を焼結ないしはメッキにより形成した貴金属電極を用いることができるが、表面平滑度の高いメッキ電極を用いるのが望ましい。
【0032】
続いて、本実施の形態における微細気泡混入装置を温水洗浄装置に組み込んだ場合について説明する。図3に、本実施の形態の微細気泡発生装置を組み込んだ衛生洗浄装置の断面図を示す。
【0033】
図3において、便器14の外周上に環状の暖房便座15と便器14の後端部上に横長の衛生洗浄装置本体16を設置している。そして、衛生洗浄装置本体16の中に、熱交換器17を備え、熱交換された温水が洗浄ノズル18の噴出部19から噴出し用便後の人体20の局部を洗浄するものである。
【0034】
衛生洗浄装置本体16は、その中に主用部品として遮断弁21と流量制御装置22を備えており、その他、制御基板などの部品は図示を省略する。
【0035】
本実施の形態の微細気泡発生装置は、芯電極1と、芯電極1の外周に設けた流路と、流路を囲うケース3と、ケース3内壁に設けた電極4とで構成した気泡混入部6にあって、ケース3とケース3の内周面に設置した電極4を円筒状に形成して、筒状の長い洗浄ノズル18の内部に組み込んでいる。そして、ケース3の入水口8、吐出口9は洗浄ノズル18の内部流路に通じ、さらに気液噴出部7を洗浄ノズル18の洗浄水の吐出する小さな孔である噴出部19で構成したものである。
【0036】
従って、ケース3とケース3の内周面に設置した電極4を円筒状に形成するだけで、本実施の形態における微細気泡発生装置の特長である小型を生かして洗浄ノズル18の内部に組み込むことが可能になり、さらに小型化することで洗浄ノズル18の噴出部19を気液噴出部7とすることができ、気泡の加圧、開放減圧を連続して行なうことができ、洗浄水に溶解した気泡の流路2内での合体を防止することができるため、さらに気泡を微細化
することができる。
【0037】
このように、本実施の形態によると、水の電気分解により発生した気泡を溶解することで、溶解する気泡の径を電極表面での液体の流速や、気泡成長速度、すなわち電流密度によって、コントロールすることができる。そのため、水の電気分解により得られた気泡で微細気泡を生成することができ、気泡混入部で加圧溶解した気泡を、気液噴出部で開放減圧することで微細な気泡を得ることができ、装置を小型化することができる。
【0038】
また、気泡混入部を小型化することで、設置の自由度が向上し、気泡混入部と気液噴出部を隣接して設けることができ、気泡の加圧、開放減圧を連続して行なうことで、溶解した気泡の流路内での合体を防止することができ、さらに気泡を微細化することができる。
【0039】
また、気泡混入部を、芯電極と、芯電極の外周に設けた流路と、流路を囲うケースと、ケース内壁に設けた電極とし、電極を円筒状に形成したため、ノズルやホース内部への組み込みを可能とすることができる。
【0040】
(実施の形態2)
図4は、本発明の第2の実施の形態における微細気泡発生装置の気泡混入部を示す断面図である。本実施の形態は、実施の形態1におけるコイル状バネ5に代えて、ピッチの異なる複数のコイル状バネ23、24を流路2に設けた点が異なり、それ以外の同一構成で作用効果を奏するところには同一符号を付して詳細な説明を省略し、異なるところを中心に説明する。
【0041】
微細気泡混入装置は、芯電極1と、芯電極1の外周に設けた流路2と、流路2を囲うケース3と、ケース3内壁に設けた電極4と、流路2に入れ口側から出口側に渡り直列に配置し、流路2内の流速を変化させる流速可変手段としてのコイル状バネ材23とコイル状バネ24を備えた気泡混入部6と、気液噴出部7で構成されている。そして、螺旋状に配置されたコイル状バネ23、24のピッチ間を構成する流路断面積は、コイル状バネ材23で構成された流路の断面積より、コイル状バネ材24で構成された流路の断面積が狭くなるような構成としている。
【0042】
水は、実施の形態1と同様にケース3の中心から偏芯した側面位置の入水口8から入水し、芯電極1の外周に流れ込み、さらに、芯電極1の外周に沿って螺旋状に配置したコイル状バネ23、コイル状バネ24によって、芯電極1の外周を螺旋状に旋回して流れ、再び側面に設けた吐出口9より吐出される。
【0043】
そして、螺旋状に配置されたコイル状バネ23、24のピッチ間を構成する流路断面積は、コイル状バネ材23で構成された流路の断面積より、コイル状バネ材24で構成された流路の断面積が狭くなるような構成としているので、下流側に向かって流速が速くなる構成となり、電気分解による気体混入量の増加する下流側にいくにしたがって、圧力を高くすることができ、気泡の微細化および流路内での気泡の合体を防止することができる。
【0044】
(実施の形態3)
図5は、本発明の第3の実施の形態における微細気泡発生装置の気泡混入部の構成を示す断面図である。
【0045】
図5において、気泡混入部25は、気泡発生手段を構成する筒状のケース26内の流路27の中心部にあって長手方向に沿い、両面に電極としての多孔質貴金属電極28を締め付け金具29で圧着させた固体高分子膜としての棒状の電解質膜30を設け、さらにケース26の一端部で中心よりずれて側面に設けた入水口31と、ケース26の他端部で中心
よりずれて側面に設けた吐水口32と、電極端子33を備えた構成となっている。気液噴出部34は、気泡混入部25の小型化により、気泡混入部25の吐水口32に隣接して設けられている。
【0046】
以下その動作、作用を説明すると、電極端子33より多孔質貴金属電極28間に直流電圧を印加することで、水が電気分解され微細気泡が発生する。この電気分解で発生する気泡量は流れた電流量に依存し、電流量は電解時間が長く電極間距離が短くなるほど増加する。
【0047】
一般に通常の電気分解で電流量を多く得るために電極間距離を縮めようとしても、電解の時間経過とともに水道水中のカルシウムイオンやマグネシウムイオンなどが電極表面に析出し、電極間を閉塞してしまうため電極間距離は数mm程度離す必要があり、十分な気泡を得るためには電極面積を増やし、印加電圧を高めなければならなかった。
【0048】
然るに本実施の形態では、多孔質貴金属電極28間の距離は電解質膜30の厚みとなるため電極間距離が縮まり、電解電流を大きくすることが可能となり発生させる気泡の量を増やすことができる。
【0049】
また、電解質はカルシウムイオンやマグネシウムイオンを通さないため電極間のスケール析出が防止され、常に安定して高い電流量を得ることができるとともに、電極を多孔質とすることで、電極面積を増やすことができさらに装置を小型化することができる。
【0050】
多孔質貴金属電極28には、チタンの表面に白金等の貴金属を焼結ないしはメッキにより形成した貴金属電極を用いることができるが、多孔質貴金属電極28として二酸化鉛電極を用いた場合には、電極の表面では水の電気分解で生成した酸素がオゾンに酸化され、オゾンガス溶解水を得ることができる。
【0051】
一般的な貴金属電極を陽極として用いた場合でも、陽極表面反応で発生するガスにオゾンはわずかに含まれているが、陽極として二酸化鉛電極を用いることでオゾンの発生効率を高めることができる。
【0052】
オゾンは水に対する溶解効率が悪く、気相放電等によりオゾンガスを発生させてから水に溶解する場合には発生したオゾンガスが水に溶解しきれず放出してしまい高濃度のオゾン溶解水を得ることが困難であったが、電気分解で直接オゾンを生成溶解することで、電気分解で生成したオゾンは、気泡径が小さく高濃度であるため水への溶解効率が高まり高濃度にオゾンが溶解した水を効率よく生成することができる。
【0053】
オゾンの溶解した水を用いることで、オゾンによる殺菌漂白作用を得ることができるとともに、電気分解によりオゾンを発生させるため、放電装置等のオゾン発生装置が不要となり、発生後速やかに溶解させることでオゾンの溶解効率を高めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
以上のように本発明にかかる微細気泡発生装置は、水の電気分解により発生した気泡を溶解することで、溶解する気泡の径を電極表面での液体の流速や、気泡成長速度すなわち電流密度によって、コントロールすることができる。そのため、加圧ポンプやタンクが不要となるため、装置を小型化することができ、装置を小型化することで、小型機器への組込も可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施の形態1における微細気泡発生装置の断面図
【図2】同微細気泡発生装置の側面断面図
【図3】同実施の形態1の微細気泡発生装置を用いた衛生洗浄装置の断面図
【図4】本発明の実施の形態2における微細気泡発生装置の断面図
【図5】本発明の実施の形態3における気泡混入部の断面図
【図6】従来の微細気泡発生装置の構成図
【符号の説明】
【0056】
1 芯電極(電極)
2 流路
3 ケース
4 電極
5、23、24 コイル状バネ(流速可変手段)
6、25 気泡混入部
7 気液噴出部
8 入水口
9 吐水口
16 衛生洗浄装置本体
18 洗浄ノズル
19 噴出部(気液噴出部)
28 多孔質貴金属電極(電極)
30 電解質膜(固体高分子膜)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1対の電極を有し、水の電気分解により発生した気泡を流水に加圧混入する気泡混入部と、気泡の混入した水を噴出する気液噴出部を備えた微細気泡発生装置。
【請求項2】
気泡混入部と気液噴出部を隣接して設けたことを特徴とする請求項1記載の微細気泡混入装置。
【請求項3】
気泡混入部は、入水口と吐水口とを有し、前記入水口より吐水口の断面積が小さくなる構成とした請求項1または2に記載の微細気泡発生装置。
【請求項4】
気泡混入部は、芯電極と、前記芯電極の外周に設けた流路と、前記流路を囲うケースと、前記ケース内壁に設けた電極と、前記流路内の流速を変換する流速可変手段とを備えた請求項1から3のいずれか1項記載の微細気泡混入装置。
【請求項5】
流速可変手段は、流路の流速を速くする方向に変化させる構成とした請求項4記載の微細気泡発生装置。
【請求項6】
流速可変手段は、流路の下流側に向かって流速が速くなるような構成とした請求項5記載の微細気泡発生装置。
【請求項7】
流速可変手段は、少なくとも流路の一部を狭くするように構成した請求項4から6のいずれか1項記載の微細気泡発生装置。
【請求項8】
気泡混入部は、固体高分子膜と前記固体高分子膜の両面に形成した電極からなる気泡発生手段を備えた請求項1から3のいずれか1項記載の微細気泡発生装置。
【請求項9】
電極は少なくとも陽極を二酸化鉛電極とし、電気分解により前記二酸化鉛電極表面で酸素とともに発生するオゾンを混入することを特徴とした請求項1から8のいずれか1項記載の微細気泡発生装置。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の微細気泡発生装置を備えた衛生洗浄装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2007−75674(P2007−75674A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−263379(P2005−263379)
【出願日】平成17年9月12日(2005.9.12)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】