説明

微細糖質針、その製造方法及び製造装置

【課題】 従来の微細糖質針においては、針部と基板部の材質が異なる為に両部の接着が脆弱になり、針部を皮膚に挿入させる際、針部がその脆弱な接着部位近傍で折れて皮膚に刺さらないこと、また、針部上面にのみ薬剤等が搭載される為に薬剤等の大きさが制限され、皮膚への薬剤等の投与量が制約を受けること等、に起因して実用性が極度に落ちるという点が課題である。
【解決手段】 本発明の微細糖質針は、糖質の微細針が微細針取付け代の側面に1個又は櫛形状に複数個配列されて一体化し、その取付け代が異素材の基板上面の側端部又は食い込み部に溶接された構造である為、針部根元近傍は強度が大きく、容易に皮膚に刺さるという効果、更には、針部上面及び取付け代上面の両上面により多量の薬剤等を搭載できるという効果をも提供できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚の治療及び改善、更には生体改質等を目的として、皮膚内に医薬剤、栄養補助剤、化粧材、生体物質等を微細糖質針により挿入する経皮系投薬、投与技術に関し、また、美容のために人の皮膚内に化粧材を微細糖質針の挿入により行う肌修飾技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、経皮系投薬を目的として微細針の研究開発が盛んに行われ、主に微細針の素材として金属やプラスチックのような工業材料を使うものが大半であったが、近年においては実用性が高く、生体に馴染む糖質素材の微細針、すなわち微細糖質針が製品化される段階へと進展しつつある。
【0003】
微細糖質針への薬剤等の保持方法としては、薬剤等を微細針の素材である糖質に混在させる方法や、微細糖質針の表面に薬剤等を付着させる方法が採用されてきた。しかしながら、単一の微細針における上記の混在、付着の方法では、十分な医薬剤投与量を確保することが困難であった。
【0004】
そこで、十分な医薬剤投与量を確保するため、薬材等を混在、付着させた上記微細針をマイクロパイル化した微細針、剣山形状化した微細針、更には一列に微細針を並べて櫛形状化した微細針が採用され、その製法としては射出成形法が適用されてきたが、薬剤等が微細針以外に基板にも含有されるという無駄が発生し、実用上問題であった。
【0005】
上記のマイクロパイル化した皮膚用微細針の開発事例としては、糖質のマルトースが主成分の微細針集合体である、機能性マイクロパイル及びその製造方法(例えば、特許文献1参照)があるが、これは皮膚表面又は皮膚角質層への機能付与の際に、無痛状態にて皮膚機能再生に向けての簡便性、安全性を大きく向上させたものである。
【特許文献1】特開2003−238347号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の薬剤等を混在させる微細糖質針においては、針を設ける基板も糖質で針と連係したものであるため、基板にも薬剤等が無駄に入り込むこととなる。そこで、針と基板を分離すべく、糖質とは異なる素材を基板に使用し、薬剤等が無駄に基板へ混入することを防ぐことができるが、その際、針部と基板の接着が脆弱になり、針部を皮膚に挿入させる際、針部がその脆弱な接着部位近傍で折れて皮膚に刺さらずに実用性が極度に落ちるという点が課題となっていた。このため、最も実用性の高い形状として一列に並んだ櫛形状の微細糖質針においてさえ、皮膚に挿入する時には折れるほど脆く、実用性に耐えるものではなかった。ちなみに、従来の櫛形状の微細糖質針の外形及びその断面を図1及び図2に示すが、ここでは微細糖質針1の材質(糖質)と基板2の材質が異なり、微細糖質針1と基板2とは接着状態にあり、その接着部位3が脆くなり、皮膚挿入時に微細針が接着部位3近傍で非常に折れ易くなるという欠点がある。
【0007】
また、従来の微細糖質針においては、微細針部と基板部を分けて微細糖質針を製作する場合、微細針上面と基板上面とに段差が生じることに起因して、微細針の根元において十分に平滑な面の成形ができないため、微細針の根元の強度が低下し、その脆弱な根元近傍で微細針が非常に折れ易くなり、皮膚に刺さらないという点が課題であった。
【0008】
尚、従来、美容のための微細糖質針を皮膚角質層に限定させて挿入するためには、微細針の長さを角質層の厚さに等しい程度に十分微小にする必要があった。しかしながら、このような微細針では、皮膚の角質層内に挿入できる部分の体積が小さ過ぎるため、糖質からなる針部に混在させた薬剤だけでは、十分な投与量が確保できなかった。そこで、この点を解決するべく、微細針に薬剤や化粧材を混在させた上で、更には薬剤や化粧材を断片(チップ)化し、これを微細針に搭載又は内包させたものが開発されてきたが、微細針が微小のため、上記の薬剤チップや化粧材チップも微小化され、その分だけ薬剤等の皮膚への投与量が制約されるという点が課題となっていた。ちなみに、従来の薬剤チップを搭載した微細糖質針の断面を図3に示すが、ここでは微細糖質針1の上面にのみ薬剤チップ4が搭載されるので、薬剤チップ4の大きさが制限され、これに応じて皮膚への薬剤投与量が制約を受けることとなる。
【0009】
更には、糖質のような加熱溶解を必要とする素材で微細針を成形する際、混在させる薬剤、化粧材等によっては、成形時の加熱に耐えることができない薬剤等もあり、薬剤等の種類が限定されるという点が課題であった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、前述の課題を解決するための手段として、
(1)針先端部から針底面部までの垂線長が100μmから2mm、針底面部横幅が20μmから1mm、針底面部縦幅が20μmから1mmの糖質からなる微細針を、前記糖質とは異なる素材からなる基板の上面側端部に溶接された前記糖質からなる微細針取付け代の側面に、1個又は櫛形状に複数個配列した構造であることを特徴とする微細糖質針、並びに、
(2)針先端部から針底面部までの垂線長が100μmから2mm、針底面部横幅が20μmから1mm、針底面部縦幅が20μmから1mmの糖質からなる微細針を、前記糖質とは異なる素材からなる基板の上面食い込み部に溶接された前記糖質からなる微細針取付け代の側面に、1個又は櫛形状に複数個配列し、かつ前記微細針上面と前記微細針取付け代上面とが連続して平滑した構造であることを特徴とする微細糖質針、並びに、
(3)請求項2記載の微細糖質針において、前記微細針取付け代上面と前記基板上面とが連続して平滑した構造であることを特徴とする微細糖質針、並びに、
(4)前記(2)又は(3)記載の微細糖質針において、前記微細糖質針が同方向を指すように前記基板を複数個重ねた剣山状構造であることを特徴とする微細糖質針、並びに、
(5)前記基板が複数層からなることを特徴とする前記(1)から(4)いずれかの微細糖質針、並びに、
(6)前記基板の素材が、プラスチック、木、金属、紙、多糖材、ゼラチン、蛋白固形物、から選ばれる1又は2以上であることを特徴とする前記(1)から(5)いずれかの微細糖質針、並びに、
(7)前記糖質がマルトースであり、前記基板の素材が紙であることを特徴とする前記(1)から(5)いずれかの微細糖質針、並びに、
(8)前記微細針上面と連続平滑面をなす前記微細針取付け代上面の両上面にグルコースを被覆し、前記グルコース被覆面上に薬剤を搭載したことを特徴とする前記(1)から(7)いずれかの微細糖質針、並びに、
(9)前記微細針内部に薬剤を含有したことを特徴とする前記(1)から(7)いずれかの微細糖質針、並びに、
(10)前記薬剤が、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸マグネシウム、ヒアルロン酸、コラーゲン、ヒトIgG、ヒトIgM、抗体医薬、核酸医薬、色素、ビタミンA、ビタミン類、インスリン、ホルモン、から選ばれる1又は2以上であることを特徴とする前記(8)又は(9)記載の微細糖質針、並びに、
(11)前記微細針上面と連続平滑面をなす前記微細針取付け代上面の両上面にグルコースを被覆し、前記グルコース被覆面上に生体物質を搭載したことを特徴とする前記(1)から(7)いずれかの微細糖質針、並びに、
(12)前記微細針内部に生体物質を内包したことを特徴とする前記(1)から(7)いずれかの微細糖質針、並びに、
(13)前記生体物質が、DNA、アミノ酸、蛋白質、ヒトIgG抗体、ワクチン、細胞内微小体、細胞、微生物、から選ばれる1又は2以上であることを特徴とする前記(11)又は(12)の微細糖質針、並びに、
(14)微細糖質針を製作する際、基板より分離した微細針専用の金型を独立に用いる方法において、金型分離後の前記微細針上面と、前記基板上面側端部又は前記基板上面食い込み部に設けた前記微細針取付け代上面と、前記基板上面とを平滑面とするべく、前記微細針上面と前記微細針取付け代上面と前記基板上面とを加圧して平坦化させる方法を用いることを特徴とする微細糖質針の製造方法、並びに、
(15)微細糖質針を製作する際、基板より分離した微細針専用の金型を独立に用いる方法において、金型分離後の前記微細針上面と、前記基板上面側端部又は前記基板上面食い込み部に設けた前記微細針取付け代上面と、前記基板上面とを平滑面とするべく、前記微細針上面と前記微細針取付け代上面と前記基板上面とを加圧して平坦化させる方法に供する加圧機構を有することを特徴とする微細糖質針の製造装置、並びに、
(16)微細糖質針を製作する際、基板より分離した微細針専用の金型を独立に用いる方法において、金型分離後の前記微細針上面と、前記基板上面側端部又は前記基板上面食い込み部に設けた前記微細針取付け代上面と、前記基板上面とを平滑面とするべく、前記微細針上面と前記微細針取付け代上面と前記基板上面とを掃引して平坦化させる方法を用いることを特徴とする微細糖質針の製造方法、並びに、
(17)微細糖質針を製作する際、基板より分離した微細針専用の金型を独立に用いる方法において、金型分離後の前記微細針上面と、前記基板上面側端部又は前記基板上面食い込み部に設けた前記微細針取付け代上面と、前記基板上面とを平滑面とするべく、前記微細針上面と前記微細針取付け代上面と前記基板上面とを掃引して平坦化させる方法に供する掃引機構を有することを特徴とする微細糖質針の製造装置、並びに、
(18)微細糖質針を製作する際、基板より分離した微細針専用の金型を独立に用いる方法において、金型分離後の前記微細針上面と、前記基板上面側端部又は前記基板上面食い込み部に設けた前記微細針取付け代上面と、前記基板上面とを平滑面とするべく、前記微細針上面と前記微細針取付け代上面と前記基板上面とを回転ローラにより加圧して平坦化させる方法を用いることを特徴とする微細糖質針の製造方法、並びに、
(19)微細糖質針を製作する際、基板より分離した微細針専用の金型を独立に用いる方法において、金型分離後の前記微細針上面と、前記基板上面側端部又は前記基板上面食い込み部に設けた前記微細針取付け代上面と、前記基板上面とを平滑面とするべく、前記微細針上面と前記微細針取付け代上面と前記基板上面とを回転ローラにより加圧して平坦化させる方法に供する回転ローラを有することを特徴とする微細糖質針の製造装置、並びに、
(20)微細糖質針を製作する際、基板より分離した微細針専用の金型を独立に用いる方法において、金型分離後の前記微細針上面と、前記基板上面側端部又は前記基板上面食い込み部に設けた前記微細針取付け代上面と、前記基板上面とを平滑面とするべく、前記微細針上面と前記微細針取付け代上面と前記基板上面とを可動シートにより掃引して平坦化させる方法を用いることを特徴とする微細糖質針の製造方法、並びに、
(21)微細糖質針を製作する際、基板より分離した微細針専用の金型を独立に用いる方法において、金型分離後の前記微細針上面と、前記基板上面側端部又は前記基板上面食い込み部に設けた前記微細針取付け代上面と、前記基板上面とを平滑面とするべく、前記微細針上面と前記微細針取付け代上面と前記基板上面とを可動シートにより掃引して平坦化させる方法に供する可動シートを有することを特徴とする微細糖質針の製造装置、としたものである。
【0011】
本発明の微細糖質針においては、微細針と同素材の糖質からなる微細針取付け代の側面に、1個の微細針を配列し、又はその微細針を櫛形状に複数個配列し、その微細針取付け代が微細針の糖質と異なる素材からなる基板の上面側端部に溶接された構造とすることにより、微細針とこの溶接による微細針取付け代が同素材の糖質からなる一体構造となるために、微細針を皮膚へ挿入させる際、微細針は折れ難く、皮膚へ刺さり易くなることが可能となった。この溶接による取付け代を有する微細糖質針の一例の外形を図4に示すが、ここでは、微細針5と基板2の上面側端部に溶接された微細針取付け代6とが一体構造となっており、微細針を皮膚へ挿入させる際、微細針は折れ難く、皮膚へ刺さり易くなる。その後、皮膚内に刺さった微細針は皮膚内で容易に折れ、皮膚内に残留した微細針自体は溶解するので安全である。ちなみに、図4は、微細針5の上面と微細針取付け代6の上面とが連続した平滑面となっている場合を示すが、これらの広い平滑面上に薬剤、化粧材、生体物質を多量に搭載することが可能である。尚、上記微細糖質針の別例を図5に示すが、ここでは微細針5の上面と微細針取付け代6の上面とは連続した平滑面をなしておらず、この狭い微細針上面に薬剤、栄養補助剤、化粧材、生体物質を多量に搭載することは困難であるが、この場合でも薬剤等を微細針内部に含有させることは可能である。
【0012】
本発明の微細糖質針においては、微細針と同素材の糖質からなる微細針取付け代の側面に1個の微細針を配列し、又はその微細針を櫛形状に複数個配列し、その微細針取付け代が微細針の糖質と異なる素材からなる基板の上面食い込み部に溶接され、かつその微細針上面とこの微細針取付け代上面とが連続して平滑した構造とすることにより、微細針と食い込みによる微細針取付け代が同素材の糖質からなる一体構造となるために微細針を折れ難くすることが可能となった。これにより、微細針を皮膚へ挿入させる際、微細針は折れ難く、皮膚へ刺さり易くなることが可能となった。この食い込みによる取付け代を有する微細糖質針の一例の外形及びその断面を図6、図7に示すが、この図では共通の食い込み代を有する櫛形状の微細糖質針を示す。ここでは、微細針5と基板2の上面食い込み部に溶接された微細針取付け代7とが一体構造となっており、微細針5を皮膚へ挿入させる際、微細針5は折れ難く、皮膚へ刺さり易くなる。その後、皮膚内に刺さった微細針は皮膚内で容易に折れ、皮膚内に残留した微細針自体は溶解するので安全である。また、本発明において、微細針部位とは、図6に示された波線状円内で囲まれた微細針の部位を意味し、本発明の微細糖質針とは、この微細針部位と微細針取付け代部位と基板部位から構成される。尚、共通の食い込み代を有しない微細糖質針の一例の外形を図8、図9に示すが、ここでは微細針5の上面と微細針取付け代7の上面とが連続した平滑面となっているので、これらの広い平滑面上に薬剤、化粧材、生体物質を多量に搭載することが可能である。また、異なる形状の食い込み代を有する微細糖質針の各種一例の断面を図10、図11、図12、図13に示す。これら各種形状の微細糖質針は、微細針の根元近傍や、微細針取付け代と基板との接合部位近傍の強度を高く保持したい場合、製造コストを下げたい場合等の目的に応じて、これらの形状を使い分けすることが可能である。すなわち、例えば図13のような階段状の微細針取付け代の場合、図10に示す場合に比べて、基板との接触面積はさらに増加するため、糖質の溶接による基板との接着強度は大きくなる。
【0013】
また、本発明の微細糖質針においては、更に、微細取付け代上面と基板上面をも共に段差なく一致させるように平坦化して滑らかに繋げば、微細針と取付け代とが一体化してさらに強固になり、ほとんどクラックが入り難く、皮膚挿入の際に微細針が折れず、皮膚に刺さり易くなることが可能となった。
【0014】
本発明の微細糖質針においては、微細糖質針の針部が同方向を指すように、その基板を複数個重ねた剣山状構造の微細糖質針の外形を図14に示すが、この図では上記基板を3個重ねたものを示す。これにより、皮膚に刺さる微細針の数が増加するため、微細糖質針に搭載される薬剤等のチップ数も増加し、また、微細糖質針に含有される薬剤等の重量も増えるため、皮膚に対して多量の薬剤、栄養補助材、化粧材、生体物質を投与することが可能となる。
尚、図15は、基板そのものが複数層からなる微細糖質針の外形を示すが、複数層からなる基板を採用することにより、薄い層であっても複数層化することで、微細糖質針をさらに強固にすることが可能となり、また、基板を複数層とすることにより、既存のプラスチック、木、金属、紙、多糖材、ゼラチン、蛋白固形物を利用して厚さ調整することが可能となる。
【0015】
本発明の微細糖質針においては、微細針上面と微細針取付け代上面に、薬剤や化粧材等をチップ化してグルコースによって接着させる構造とし、更に微細針上面と基板上面が平滑に繋がっておれば、そのチップを基板上面まで覆い被さって延長でき、薬剤等の投与の量的な拡大が可能となる。これと同時に、加熱溶解による成形後に薬剤あるいは化粧材の搭載が容易になるので、薬剤等の加熱劣化をも避けることが可能となった。この薬剤等を搭載した微細糖質針の一例の断面を図16、図17に示すが、図16は基板上面側端部に溶接された微細針取付け代を有する微細糖質針、図17は基板上面食い込み部に溶接された微細針取付け代を有する微細糖質針、を示すものである。
【0016】
本発明の微細糖質針においては、微細針上面と微細針取付け代上面と基板上面とを段差なく一致させて滑らかな平滑面とするための製法として、微細針上面と微細針取付け代上面と基板上面を段差なく一致させて平坦化するために、それらの上面に対して種々の加圧や掃引を行うことにより達成することが可能となった。
【0017】
本発明の微細糖質針における平坦化のための加圧には、微細針上面と微細針取付け代上面と基板上面とを同時に、重石部品あるいは圧力板等によって加圧して面同士を一致させる方法があり、これらの方法を用いることにより、上記の平坦化が可能となった。また、上記の平坦化のための掃引には、微細針上面から基板上面へ、あるいは逆の方向に掃引ヘラで面を擦りながら移動させる方法、微細針上面から基板上面へ、あるいは逆の方向に回転ローラで押えながら移動させる方法、可動シートの面を基板上面から微細針上面に掃引させて面同士を揃える方法、等々のいずれかの方法を用いることにより、上記の平坦化が可能となった。更には、これら上記の平坦化の方法に供する、加圧機構、掃引機構を有する微細針の製造装置を用いることにより、上記の平坦化が成された微細糖質針の製造が可能となった。ちなみに、上記の平坦化の方法の概略を示す模式図を、図18、図19、図20、図21に示す。ここでは、図18には重石部品又は圧力板を用いた加圧による平坦化の方法、図19には掃引ヘラを用いた掃引による平坦化の方法、図20には回転ローラを用いた加圧による平坦化の方法、図21には可動シートとして回転ローラによる巻きシートを用いた掃引による平坦化の方法を示す。これらの方法により、微細針上面と微細針取付け代上面と基板上面とを平坦化させ、連続する滑らかな平滑面とすることができる。更には、これらの平坦化の方法に供する、重石部品又は圧力板を用いた加圧機構、掃引ヘラ、掃引ブラシ、掃引ブレードを用いた掃引機構、回転して加圧するためのローラ、掃引のために用いた回転ローラによる巻きシートである可動シート、を有する製造装置を用いて、本発明の微細糖質針を精緻に、低コストで、効率よく製造することが可能となった。
【発明の効果】
【0018】
本発明の微細糖質針においては、微細針と同素材の糖質からなる微細針取付け代の側面に、1個の微細針を配列し、又はその微細針を櫛形状に複数個配列し、その微細針取付け代が微細針の糖質と異なる素材からなる基板の上面側端部に溶接された構造とすることにより、微細針とこの溶接による微細針取付け代が同素材の糖質からなる一体構造となるために、微細針を皮膚へ挿入させる際、微細針は折れ難く、皮膚へ刺さり易くなるという効果が得られ、これにより微細糖質針の実用性が飛躍的に向上した。
【0019】
本発明の微細糖質針においては、微細針と同素材の糖質からなる微細針取付け代の側面に1個の微細針を配列し、又はその微細針を櫛形状に複数個配列し、その微細針取付け代が微細針の糖質と異なる素材からなる基板の上面食い込み部に溶接され、かつその微細針上面とこの微細針取付け代上面とが連続して平滑した構造とすることにより、微細針とこの食い込みによる微細針取付け代が同素材の糖質からなる一体構造となるために微細針を折れ難く、微細針を皮膚へ挿入させる際、微細針は折れ難く、皮膚へ刺さり易くなるという効果が得られ、これにより微細糖質針の実用性が飛躍的に向上した。
【0020】
本発明の微細糖質針においては、更に、微細取付け代上面と基板上面をも共に段差なく一致させるように平坦化して滑らかに繋げば、微細針と取付け代とが一体化してさらに強固になり、ほとんどクラックが入り難く、皮膚挿入の際に微細針が折れず、皮膚に刺さり易くなるという効果が得られ、これにより微細糖質針の実用性が大きく向上した。そして、本発明の剣山状構造を有する微細糖質針においては、皮膚に刺さる微細針の数が増加するため、微細糖質針に搭載される薬剤等のチップ数も増加し、又は微細糖質針に含有される薬剤等の重量も増えるため、皮膚に対して多量の薬剤、栄養補助材、化粧材、生体物質を投与し易くなるという効果が得られ、これにより微細糖質針の実用性がより大きく向上した。更に、本発明の微細糖質針においては、複数層からなる基板を採用することにより、薄い層であっても複数層化することで、微細糖質針をさらに強固にするという効果が得られ、これにより微細糖質針の実用性がさらに大きく向上した。
【0021】
本発明の微細糖質針においては、微細針上面と微細針取付け代上面に、薬剤や化粧材等をチップ化してグルコースによって接着させる構造とし、更に微細針上面と基板上面が平滑に繋がっておれば、そのチップを基板上面まで覆い被さって延長でき、薬剤等の投与の量的な拡大が可能になるという効果が得られた。この効果ともに、加熱溶解による成形後に薬剤あるいは化粧材の搭載が容易になるので、薬剤等の加熱劣化をも避けることが可能になるという効果が得られ、これらの効果により、微細糖質針の実用性が飛躍的に向上した。
【0022】
本発明の微細糖質針においては、微細針上面と微細針取付け代上面と基板上面とを段差なく一致させて滑らかな平滑面とするための製法として、微細針上面と微細針取付け代上面と基板上面を段差なく一致させて平坦化するために、それらの上面に対して種々の加圧や掃引を行うことにより達成し得るという効果が得られた。また、これらの平坦化の方法に供する、重石部品又は圧力板を用いた加圧機構、掃引ヘラ、掃引ブラシ、掃引ブレードを用いた掃引機構、回転して加圧するためのローラ、掃引のために用いた回転ローラによる巻きシートである可動シート、を有する製造装置を用いて、本発明の微細糖質針を精緻に、低コストで、効率よく製造し得るという効果が得られた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に、本発明における微細糖質針、その製造法及び製造装置の実施形態について説明を行うが、本発明は以下の実施形態に何ら限定されるものではない。
【0024】
本発明において、微細糖質針とは糖質からなる微細針を意味し、微細針の具体的な大きさとしては、針先端部から針底面部までの垂線長が100μmから2mm、針底面部横幅が20μmから1mm、針底面部縦幅が20μmから1mmが好ましい。尚、図22は、図6に示した微細針部位8(波線状円内)を拡大した概略図であるが、針先端部から針底面部までの垂線長19、針底面部横幅20、針底面部縦幅21は図示の通りである。また、針底面部の形状は三角形状、多角形状、半円形状等、様々な形状をとることができ、特に形状は限定されない。ここで、針先端部から針底面部までの垂線長が100μmより小さい場合は、皮膚表面の凹凸による厚さより小さいという理由から、上記の垂線長が2mmより大きい場合は、皮膚への挿入が困難になり痛みが発生するという理由から好ましくない。また、針底面部横幅が20μmより小さい場合は、針が脆弱になるという理由から、上記の針底面部横幅が1mmより大きい場合は、皮膚への挿入が困難になり痛みが発生するという理由から好ましくない。更に、針底面部縦幅が20μmより小さい場合は、針が脆弱になるという理由から、上記の針底面部縦幅が1mmより大きい場合は、皮膚への挿入が困難になり痛みが発生するという理由から好ましくない。
【0025】
本発明における微細糖質針は、微細針と同素材の糖質からなる取付け代の側面に1個の上記微細針を配列し、又はその微細針を櫛形状に複数個配列し、その微細針取付け代が微細針の糖質と異なる素材からなる基板の上面側端部に溶接された構造を有する。尚、ここでいう溶接とは、文字通り、取付け代の素材である糖質が吸湿や熱により溶けた状態で、糖質とは異なる素材である基板と接着することを意味し、この場合、溶けた状態の糖質が接着剤の様な役割を担うことになる。
【0026】
本発明における微細糖質針は、微細針と同素材の糖質からなる微細針取付け代の側面に1個の上記微細針を配列し、又はその微細針を櫛形状に複数個配列し、その微細針取付け代が微細針の糖質と異なる素材からなる基板の上面食い込み部に溶接され、かつその微細針上面とこの微細針取付け代上面とが連続して平滑した構造を有する。更には、その微細糖質針において、微細針取付け代上面と基板上面とが連続して平滑した構造を有する。尚、ここでいう溶接とは、前述の溶接と同様の意味であり、溶けた状態の糖質が接着剤の役割を担うことになる。また、別態様の微細糖質針としては、上記の微細糖質針において、微細糖質針が同方向を指すように基板を複数個重ねた剣山状構造を有する。更には、別態様の微細糖質針としては、上記の微細糖質針の基板が複数層からなる構造を有する。ちなみに、上記基板の上面食い込み部は、二酸化炭素レーザー加工(出力が5Wから100W程度)により作製することができる。
【0027】
本発明における微細糖質針は、その基板の素材が、プラスチック、木、金属、紙、多糖材、ゼラチン、蛋白固形物から選ばれる1又は2以上であることを特徴とする。ここで、プラスチックとしてはポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ乳酸のような生分解性プラスチック、木としては折り詰め弁当の板木、バルサ材、金属としてはスチール、ステンレス、白金、銀、多糖材としてはプルラン、CMC、蛋白固形物としてはコラーゲン、ヒアルロン酸、キトサン、が好適に使用され得る。
【0028】
本発明における微細糖質針は、その糖質がマルトースであり、該基板の素材が紙であることを特徴とする。ここで、マルトースとしては無水非結晶マルトース、紙としては紙コップに使用される食品用衛生紙、が好適に使用され得る。
【0029】
本発明における微細糖質針は、その微細針上面と連続平滑面をなす取付け代上面の両上面にグルコースを被覆し、そのグルコース被覆面上に薬剤を搭載したことを特徴とする。また、本発明における微細糖質針は、その微細針内部に薬剤を含有したことを特徴とする。
【0030】
本発明における微細糖質針は、その薬剤が、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸マグネシウム、ヒアルロン酸、コラーゲン、ヒトIgG、ヒトIgM、抗体医薬、核酸医薬、色素、ビタミンA、ビタミン類、インスリン、ホルモン、から選ばれる1又は2以上であることを特徴とする。ここで、ヒトIgGとしては血液障害のための薬剤等、ヒトIgMとしては異物に対応する消炎薬剤等、抗体医薬としては主に抗癌剤等、核酸医薬としてはDNA治療薬剤等、色素としては藍等の植物性色素、刺青用色素、ビタミン類としてはビタミンB、ビタミンD等があり、これらが好適に使用され得る。
【0031】
本発明における微細糖質針は、その微細針上面と連続平滑面をなす取付け代上面の両上面にグルコースを被覆し、そのグルコース被覆面上に生体物質を搭載したことを特徴とする。本発明における微細糖質針は、その微細針内部に生体物質を内包したことを特徴とする。
【0032】
本発明における微細糖質針は、その生体物質が、DNA、アミノ酸、蛋白質、ヒトIgG抗体、ワクチン、細胞内微小体、細胞、微生物から選ばれる1又は2以上であることを特徴とする。ここで、細胞微小体としてはゴルジ体、ミトコンドリア等、細胞としては皮膚細胞、毛根細胞、幹細胞等、微生物としては乳酸菌、青カビ等、が好適に使用され得る。
【0033】
本発明における微細糖質針は、その製造方法としては、微細糖質針を製作する際、基板より分離した微細針専用の金型を独立に用いる方法において、金型分離後の微細針上面と、基板上面側端部又は基板上面食い込み部に設けた微細針取付け代上面と、基板上面とを平滑面とするべく、微細針上面と微細針取付け代上面と基板上面とを加圧して平坦化させる方法を用いることを特徴とする。また、本発明における微細糖質針は、その製造装置としては、上記の平坦化させる方法に供する加圧機構を有することを特徴とする。ここで、加圧機構としては重石部品又は圧力板が好適に使用され得る。
【0034】
本発明における微細糖質針は、その製造方法としては、微細糖質針を製作する際、基板より分離した微細針専用の金型を独立に用いる方法において、金型分離後の微細針上面と、基板上面側端部又は基板上面食い込み部に設けた微細針取付け代上面と、基板上面とを平滑面とするべく、微細針上面と微細針取付け代上面と基板上面とを掃引して平坦化させる方法を用いることを特徴とする。また、本発明における微細糖質針は、その製造装置としては、上記の平坦化させる方法に供する掃引機構を有することを特徴とする。ここで、掃引機構としては掃引ヘラ、掃引ブラシ、掃引ブレードが好適に使用され得る。
【0035】
本発明における微細糖質針は、その製造方法としては、微細糖質針を製作する際、基板より分離した微細針専用の金型を独立に用いる方法において、金型分離後の微細針上面と、基板上面側端部又は基板上面食い込み部に設けた微細針取付け代上面と、基板上面とを平滑面とするべく、微細針上面と微細針取付け代上面と基板上面とを回転ローラにより加圧して平坦化させる方法を用いることを特徴とする。また、本発明における微細糖質針は、その製造装置としては、上記の平坦化させる方法に供する回転ローラを有することを特徴とする。
【0036】
本発明における微細糖質針は、その製造方法としては、微細糖質針を製作する際、基板より分離した微細針専用の金型を独立に用いる方法において、金型分離後の微細針上面と、基板上面側端部又は基板上面食い込み部に設けた微細針取付け代上面と、基板上面とを平滑面とするべく、微細針上面と微細針取付け代上面と基板上面とを可動シートにより掃引して平坦化させる方法を用いることを特徴とする。また、本発明における微細糖質針は、その製造装置としては、上記の平坦化させる方法に供する可動シートを有することを特徴とする。ここで、可動シートとしては回転ローラによる巻きシートが好適に使用され得る。
【実施例】
【0037】
以下に、本発明について実施例により具体的な説明を行うが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
【実施例1】
【0038】
針先端部から針底面部までの垂線長が500μm、針底面部横幅が100μm、針底面部縦幅が100μmの無水非結晶マルトースからなる微細針30本(針底面部形状は三角形)について、微細針部の成形と基板部の成形を分離して行うため、個別の金型を独立に使う方法による製作において、上記垂線と上記縦幅を通る面で切った際の断面が山形状(上記垂線方向に沿う底辺500μm、上記縦幅方向に沿う高さ100μm)の無水非結晶マルトースからなる微細針取付け代の側面に櫛形状に設け、この微細針取付け代を溶接により、食品用衛生紙からなる基板(上記横幅方向に沿う横長さ10mm、上記底辺方向に沿う縦長さ10mm、厚さ0.5mm)の上面側端部に設けた構造を有する微細針(その外形の概略図は図5の通り)を作製した。この微細糖質針を用いて皮膚挿入試験を行ってみたところ、微細針は十分な強度があり、30本の微細針の全てが折れることなく、更には痛みを伴わずに、安全に皮膚に刺さることが確認された。尚、これらの皮膚内に残留した微細針は全て、糖質であるために挿入後すみやかに皮膚内で溶解することとなった。
【実施例2】
【0039】
針先端部から針底面部までの垂線長が500μm、針底面部横幅が100μm、針底面部縦幅が100μmの無水非結晶マルトースからなる微細針20本(針底面部形状は三角形)について、微細針部の成形と基板部の成形を分離して行うため、個別の金型を独立に使う方法による製作において、上記垂線と上記縦幅を通る面で切った際の断面が長方形状(上記垂線方向に沿う底辺500μm、上記縦幅方向に沿う高さ100μm)の無水非結晶マルトースからなる微細針取付け代の側面に櫛形状に設け、この微細針取付け代を溶接により、食品用衛生紙からなる基板(上記横幅方向に沿う横長さ10mm、上記底辺方向に沿う縦長さ10mm、厚さ0.5mm)の上面食い込み部に設け、かつ微細針上面と微細針取付け代上面とが連続して平滑した構造を有する微細針(その外形の概略図は図6の通り)を作製した。尚、上記の基板上面食い込み部は、二酸化炭素レーザー加工(出力が10W程度)により作製した。更に、上記の平滑構造のために用いた平坦化方法として、圧力板をテフロン板とした加圧機構を有する装置により、微細針上面と微細針取付け代上面とを同時に加圧して行い、これら上面を段差のない平滑面とした。この時、これら上面の粗さを±5μm以内の面精度にすることができた。この微細糖質針を用いて皮膚挿入試験を行ってみたところ、微細針は十分な強度があり、20本の微細針の全てが折れることなく、更には痛みを伴わずに、安全に皮膚に刺さることが確認された。尚、これらの皮膚内に残留した微細針は全て、糖質であるために挿入後すみやかに皮膚内で溶解することとなった。
【実施例3】
【0040】
針先端部から針底面部までの垂線長が500μm、針底面部横幅が100μm、針底面部縦幅が100μmの無水非結晶マルトースからなる微細針20本(針底面部形状は三角形)について、微細針部の成形と基板部の成形を分離して行うため、個別の金型を独立に使う方法による製作において、上記垂線と上記縦幅を通る面で切った際の断面が長方形状(上記垂線方向に沿う底辺500μm、上記縦幅方向に沿う高さ100μm)の無水非結晶マルトースからなる微細針取付け代の側面に櫛形状に設け、この微細針取付け代を溶接により、食品用衛生紙からなる基板(上記横幅方向に沿う横長さ10mm、上記底辺方向に沿う縦長さ10mm、厚さ0.5mm)の上面食い込み部に設け、かつ微細針上面と微細針取付け代上面とが連続して平滑し、更に、微細針取付け代上面と基板上面とが連続して平滑した構造を有する微細針(その外形の概略図は図6の通り)を作製した。尚、上記の基板上面食い込み部は、二酸化炭素レーザー加工(出力が10W程度)により作製した。更に、上記の平滑構造のために用いた平坦化方法として、テフロンからなる掃引ヘラ(厚さ500μm)とした掃引機構を有する装置により、微細針上面と微細針取付け代上面と基板上面とを掃引して行い、これら上面を段差のない平滑面とした。この時、これら上面の粗さを±10μm以内の面精度にすることができた。この微細糖質針を用いて皮膚挿入試験を行ってみたところ、微細針は十分な強度があり、20本の微細針の全てが折れることなく、更には痛みを伴わずに、安全に皮膚に刺さることが確認され、これらの皮膚内に残留した微細針は全て、糖質であるために挿入後すみやかに皮膚内で溶解することとなった。
【実施例4】
【0041】
上記実施例2の微細糖質針を上記実施例2と同様の方法にて3個作製し、微細糖質針が同方向を指すように、これらの基板を3個重ねることにより、剣山状構造を有する微細糖質針(その外形の概略図は図14の通り)を作製した。この微細糖質針を用いて皮膚挿入試験を行ってみたところ、微細針は十分な強度があり、60本の微細針の全てが折れることなく、更には痛みを伴わずに、安全に皮膚に刺さることが確認された。尚、これらの皮膚内に残留した微細針は全て、糖質であるために挿入後すみやかに皮膚内で溶解することとなった。
【実施例5】
【0042】
上記実施例3の微細糖質針を上記実施例3と同様の方法にて3個作製し、微細糖質針が同方向を指すように、これらの基板を3個重ねることにより、剣山状構造を有する微細糖質針(その外形の概略図は図14の通り)を作製した。この微細糖質針を用いて皮膚挿入試験を行ってみたところ、微細針は十分な強度があり、60本の微細針の全てが折れることなく、更には痛みを伴わずに、安全に皮膚に刺さることが確認され、これらの皮膚内に残留した微細針は全て、糖質であるために挿入後すみやかに皮膚内で溶解することとなった。
【実施例6】
【0043】
基板の最下層をポリエチレン(厚さ100μm)として、その上に順番に食品衛生紙(厚さ300μm)、同食品衛生紙(厚さ300μm)、ポリプロピレン(厚さ100μm)を重ねたものを基板に用い、それ以外は全て上記実施例3と同様の方法にて、基板が4層からなる微細糖質針(その断面の概略図は図15の通り)を作製した。これにより、食品衛生紙である基板が直接に指で触れられることなく、プラスチックフィルム被覆による強度の高い基板を有する微細糖質針となった。この微細糖質針を用いて皮膚挿入試験を行ってみたところ、微細針は十分な強度があり、20本の微細針の全てが折れることなく、更には痛みを伴わずに、安全に皮膚に刺さることが確認された。尚、これらの皮膚内に残留した微細針は全て、糖質であるために挿入後すみやかに皮膚内で溶解することとなった。
【実施例7】
【0044】
平滑構造のために用いた平坦化方法として、直径1cmのテフロンシートを巻いたローラを有する装置により、微細針上面と微細針取付け代上面と基板上面とを上記の回転ローラにより加圧して、これら上面を段差のない平滑面とし、それ以外は全て上記実施例3と同様の方法にて、これらの3上面が連続して平滑した構造を有する微細糖質針(その外形の概略図は図6の通り)を作製した。この時、これら上面の粗さを±10μm以内の面精度にすることができた。この微細糖質針を用いて皮膚挿入試験を行ってみたところ、微細針は十分な強度があり、20本の微細針の全てが折れることなく、更には痛みを伴わずに、安全に皮膚に刺さることが確認された。尚、これらの皮膚内に残留した微細針は全て、糖質であるために挿入後すみやかに皮膚内で溶解することとなった。
【実施例8】
【0045】
平滑構造のために用いた平坦化方法として、厚さ50μmのテフロンシートを巻いたステンレスのローラを可動シートとして有する装置により、微細針上面と微細針取付け代上面と基板上面とを上記回転ローラのテフロンシートにより掃引して、これら上面を段差のない平滑面とし、それ以外は全て上記実施例3と同様の方法にて、これらの3上面が連続して平滑した構造を有する微細糖質針(その外形の概略図は図6の通り)を作製した。この時、これら上面の粗さを±3μm以内の面精度にすることができた。この微細糖質針を用いて皮膚挿入試験を行ってみたところ、微細針は十分な強度があり、20本の微細針の全てが折れることなく、更には痛みを伴わずに、安全に皮膚に刺さることが確認された。尚、これらの皮膚内に残留した微細針は全て、糖質であるために挿入後すみやかに皮膚内で溶解することとなった。
【実施例9】
【0046】
加熱溶解法(80℃に一定加熱後、被溶解物を溶解させる)により、無水非結晶マルトースにアスコルビン酸ナトリウムを3重量%含有させたものを原料素材として用い、それ以外は全て上記実施例7と同様の方法にて、アスコルビン酸ナトリウムを含有した微細糖質針(その外形の概略図は図6の通り)を作製した。この微細糖質針について、顔面における肌美白を目的として、50才代の女性被験者の顔の皮膚の一部に1日1回の挿入試験を行ったところ、微細針挿入部位付近における皮膚の写真撮影による比較検討の結果、100日後に美白効果が確認された。
【実施例10】
【0047】
微細針上面と微細針取付け代上面の両上面にグルコースを、塗布用微細ハケを用いて被覆し、その20ヶ所の被覆面上の各々に、アスコルビン酸ナトリウムを円板形状(直径50μm、厚さ20μm)に断片(チップ)化したものを1個ずつ搭載させ、それ以外は全て上記実施例7と同様の方法にて、アスコルビン酸ナトリウムのチップを搭載した微細糖質針(その断面の概略図は図17の通り)を作製した。この微細糖質針について、顔面における肌美白を目的として、女性被験者(実施例9と同様)の顔の皮膚の一部に1日1回の挿入試験を行ったところ、微細針挿入部位付近における皮膚の写真撮影による比較検討の結果、60日後に美白効果が確認された。このことは、アスコルビン酸リン酸ナトリウムのような加熱分解しやすい特性のあるビタミンCは、実施例9による方法ではその一部が加熱により分解し美白効果が多少減少するが、本実施例のようにチップ化して上記グルコース被覆面上に搭載させれば、加熱過程を経ることがないので分解せず、美白効果が十分に発揮し得ることが確認された。
【実施例11】
【0048】
加熱溶解法(80℃に一定加熱後、被溶解物を溶解させる)により、無水非結晶マルトースにアスコルビン酸マグネシウムを2重量%含有させたものを原料素材として用い、それ以外は全て上記実施例7と同様の方法にて、アスコルビン酸マグネシウムを含有した微細糖質針(その外形の概略図は図6の通り)を作製した。この微細糖質針について、顔面におけるしみ取りを目的として、女性被験者(実施例9と同様)の顔の皮膚の一部(しみ部)に1日1回の挿入試験を行ったところ、微細針挿入部位付近における皮膚の写真撮影による比較検討の結果、60日後に顔面の褐色しみが薄まっていることが確認された。
【実施例12】
【0049】
微細針上面と微細針取付け代上面の両上面にグルコースを、塗布用微細ハケを用いて被覆し、その20ヶ所の被覆面上の各々に、マルトースとプルランの混合素材(混合重量比1:1)にヒトIgG抗体を0.25重量%含有させたものを円板形状(直径50μm、厚さ20μm)に断片(チップ)化したものを1個ずつ搭載させ、それ以外は全て上記実施例7と同様の方法にて、IgG抗体含有チップを搭載した微細糖質針(その外形の断面の概略図は図17の通り)を作製した。この微細糖質針を用いて、ラットの皮膚に投与するIn−Vivo実験を行ったところ、皮膚内にヒトIgG抗体が確認された。この方法により、人への適用試験が可能となった。
【実施例13】
【0050】
加熱溶解法(100℃に一定加熱後、被溶解物を溶解させる)により、無水非結晶マルトースにエストロディオール(ホルモンの一種)を10μg含有させたものを原料素材として用い、それ以外は全て上記実施例7と同様の方法にて、エストロディオールを含有した微細糖質針(その外形の概略図は図6の通り)を作製した。これにより、従来の注射ではμgオーダーのホルモン投与が極めて困難であったものが、ホルモンを含有した微細針の本数を調節することで、精度良く人体へ投薬し得ることが確認された。
【実施例14】
【0051】
加熱溶解法(110℃に一定加熱後、被溶解物を溶解させる)により、無水非結晶マルトースに食用製剤赤色を1重量%含有させたものを原料素材として用い、それ以外は全て上記実施例7と同様の方法にて、上記赤色素を含有した微細糖質針(その外形の概略図は図6の通り)を作製した。この微細糖質針について、安全な刺青が可能か否かを目的として、女性被験者(実施例9と同様)の背中の皮膚の一部に挿入したところ、その皮膚角質層に赤色素が残留し得ることが目視により確認できた。これにより、安全で、かつ簡易な刺青が可能となり、色素を選択することにより、皮膚内へ任意の表記をなし得ることが確認された。
【実施例15】
【0052】
微細針上面と微細針取付け代上面の両上面にグルコースを、塗布用微細ハケを用いて被覆し、その20ヶ所の被覆面上の各々に、ヒアルロン酸を円板形状(直径50μm、厚さ20μm)に断片(チップ)化したものを1個ずつ搭載させ、それ以外は全て上記実施例7と同様の方法にて、ヒアルロン酸チップを搭載した微細糖質針(その断面の概略図は図17の通り)を作製した。この微細糖質針について、顔面における美肌を目的として、女性被験者(実施例9と同様)の顔の皮膚の一部に1日1回の挿入試験を行ったところ、微細針挿入部位付近における皮膚の写真撮影による比較検討の結果、60日後に美肌効果(肌の光沢)が確認された。このことは、ヒアルロン酸のような加熱分解しやすいものでも、本実施例のようにチップ化して上記グルコース被覆面上に搭載させれば、加熱過程を経ることがないので分解せず、美肌効果が十分に発揮し得ることが確認された。
【実施例16】
【0053】
微細針上面と微細針取付け代上面の両上面にグルコースを、塗布用微細ハケを用いて被覆し、その20ヶ所の被覆面上の各々に、マルトースにカルテノイド(ビタミンAの一種)を1重量%含有させたものを円板形状(直径50μm、厚さ20μm)に断片(チップ)化したものを1個ずつ搭載させ、それ以外は全て上記実施例7と同様の方法にて、カルテノイドチップを搭載した微細糖質針(その断面の概略図は図17の通り)を作製した。この微細糖質針を用いて、人の上腕の皮膚の一部に投与するIn−Vivo実験を行ったところ、皮膚角質層内に栄養剤であるカルテノイドが残留し得ることが確認された。
【実施例17】
【0054】
微細針上面と微細針取付け代上面の両上面にグルコースを、塗布用微細ハケを用いて被覆し、その20ヶ所の被覆面上の各々に、マルトースにインスリンを20重量%含有させたものを円板形状(直径50μm、厚さ20μm)に断片(チップ)化したものを1個ずつ搭載させ、それ以外は全て上記実施例7と同様の方法にて、インスリン含有チップを搭載した微細糖質針(その断面の概略図は図17の通り)を作製した。この微細糖質針を用いて、ラットの皮膚の一部に投与するIn−Vivo実験を行ったところ、皮膚角質層内にインスリンが残留し得ることが確認された。このことは、インスリンのような加熱分解しやすいものでも、本実施例のようにチップ化して上記グルコース被覆面上に搭載させれば、加熱過程を経ることがないので分解せず、インスリンの薬効が人体内でも十分に発揮し得ることが確認された。
【実施例18】
【0055】
微細針上面と微細針取付け代上面の両上面にグルコースを、塗布用微細ハケを用いて被覆し、その20ヶ所の被覆面上の各々に、コラーゲンを円板形状(直径50μm、厚さ20μm)に断片(チップ)化したものを1個ずつ搭載させ、それ以外は全て上記実施例7と同様の方法にて、コラーゲン含有チップを搭載した微細糖質針(その断面の概略図は図17の通り)を作製した。この微細糖質針を用いて、人の上腕の皮膚の一部に挿入したところ、皮膚角質層内にコラーゲンが残留し得ることが確認された。このことは、蛋白質であるコラーゲンのような加熱分解しやすいものでも、本実施例のようにチップ化して上記グルコース被覆面上に搭載させれば、加熱過程を経ることがないので分解せず、蛋白質を変質させることなく皮膚内に残留させ得ることが確認できた。
【実施例19】
【0056】
微細針上面と微細針取付け代上面の両上面にグルコースを、塗布用微細ハケを用いて被覆し、その20ヶ所の被覆面上の各々に、マルトースにワクチンを3重量%含有させたものを円板形状(直径50μm、厚さ20μm)に断片(チップ)化したものを1個ずつ搭載させ、それ以外は全て上記実施例7と同様の方法にて、ワクチン含有チップを搭載した微細糖質針(その断面の概略図は図17の通り)を作製した。この微細糖質針を用いて、ラットの皮膚の一部に投与するIn−Vivo実験を行ったところ、皮膚角質層内にワクチンが残留し得ることが確認された。このことは、ワクチンのような加熱分解しやすいものでも、本実施例のようにチップ化して上記グルコース被覆面上に搭載させれば、加熱過程を経ることがないので分解せず、ワクチンの活性度を低下させることなく、皮膚角質層内でワクチンを残留させ得ることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明の微細糖質針、その製造方法及び製造装置は前述の種々の特徴的効果を有するが、これらにより、医療分野、美容分野、化粧分野において利用できる。また、本発明の微細糖質針は、本発明の製造法方法及び製造装置により量産が可能であり、産業上利用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】 従来の微細糖質針の外形を示す概略図である。
【図2】 従来の微細糖質針の断面を示す概略図である。
【図3】 従来の薬剤チップを搭載した微細糖質針の断面を示す概略図である。
【図4】 本発明の微細針取付け代を有する微細糖質針の外形を示す概略図である。
【図5】 本発明の微細針取付け代を有する微細糖質針の外形を示す概略図である。
【図6】 本発明の微細針取付け代を有する微細糖質針の外形を示す概略図である。
【図7】 本発明の微細針取付け代を有する微細糖質針の断面を示す概略図である。
【図8】 本発明の微細針取付け代を有する微細糖質針の外形を示す概略図である。
【図9】 本発明の微細針取付け代を有する微細糖質針の外形を示す概略図である。
【図10】 本発明の微細針取付け代を有する微細糖質針の断面を示す概略図である。
【図11】 本発明の微細針取付け代を有する微細糖質針の断面を示す概略図である。
【図12】 本発明の微細針取付け代を有する微細糖質針の断面を示す概略図である。
【図13】 本発明の微細針取付け代を有する微細糖質針の断面を示す概略図である。
【図14】 本発明の剣山状構造を有する微細糖質針の外形を示す概略図である。
【図15】 本発明の複数層からなる基板を有する微細糖質針の断面を示す概略図である。
【図16】 本発明の薬剤チップを搭載した微細糖質針の断面を示す概略図である。
【図17】 本発明の薬剤チップを搭載した微細糖質針の断面を示す概略図である。
【図18】 本発明の加圧による平坦化方法の概略を示す模式図である。
【図19】 本発明の掃引による平坦化方法の概略を示す模式図である。
【図20】 本発明の回転ローラを用いた加圧による平坦化方法の概略を示す模式図である。
【図21】 本発明の可動シートを用いた掃引による平坦化方法の概略を示す模式図である。
【符号の説明】
【0059】
1 微細糖質針
2 基板
3 接着部位
4 薬剤チップ
5 微細針
6 基板上面側端部に溶接された微細針取付け代
7 基板上面食い込み部に溶接された微細針取付け代
8 微細針部位(波線状円内)
9 複数層からなる基板
10 グルコース被覆面
11 重石部品又は圧力板である圧力機構
12 圧力方向を示す矢印
13 掃引ヘラである掃引機構
14 掃引方向を示す矢印
15 回転ローラ
16 回転ローラの移動方向を示す矢印
17 回転ローラによる巻きシート
18 回転ローラの掃引方向を示す矢印
19 針先端部から針底面部までの垂線長
20 針底面部横幅
21 針底面部縦幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
針先端部から針底面部までの垂線長が100μmから2mm、針底面部横幅が20μmから1mm、針底面部縦幅が20μmから1mmの糖質からなる微細針を、該糖質とは異なる素材からなる基板の上面側端部に溶接された該糖質からなる微細針取付け代の側面に、1個又は櫛形状に複数個配列した構造であることを特徴とする微細糖質針。
【請求項2】
針先端部から針底面部までの垂線長が100μmから2mm、針底面部横幅が20μmから1mm、針底面部縦幅が20μmから1mmの糖質からなる微細針を、該糖質とは異なる素材からなる基板の上面食い込み部に溶接された該糖質からなる微細針取付け代の側面に、1個又は櫛形状に複数個配列し、かつ該微細針上面と該微細針取付け代上面とが連続して平滑した構造であることを特徴とする微細糖質針。
【請求項3】
請求項2記載の微細糖質針において、該微細針取付け代上面と該基板上面とが連続して平滑した構造であることを特徴とする微細糖質針。
【請求項4】
請求項2又は3記載の微細糖質針において、該微細糖質針が同方向を指すように該基板を複数個重ねた剣山状構造であることを特徴とする微細糖質針。
【請求項5】
該基板が複数層からなることを特徴とする請求項1から4いずれか一項記載の微細糖質針。
【請求項6】
該基板の素材が、プラスチック、木、金属、紙、多糖材、ゼラチン、蛋白固形物から選ばれる1又は2以上であることを特徴とする請求項1から5いずれか一項記載の微細糖質針。
【請求項7】
該糖質がマルトースであり、該基板の素材が紙であることを特徴とする請求項1から5いずれか一項記載の微細糖質針。
【請求項8】
該微細針上面と連続平滑面をなす該微細針取付け代上面の両上面にグルコースを被覆し、該グルコース被覆面上に薬剤を搭載したことを特徴とする請求項1から7いずれか一項記載の微細糖質針。
【請求項9】
該微細針内部に薬剤を含有したことを特徴とする請求項1から7いずれか一項記載の微細糖質針。
【請求項10】
該薬剤が、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸マグネシウム、ヒアルロン酸、コラーゲン、ヒトIgG、ヒトIgM、抗体医薬、核酸医薬、色素、ビタミンA、ビタミン類、インスリン、ホルモン、から選ばれる1又は2以上であることを特徴とする請求項8又は9記載の微細糖質針。
【請求項11】
該微細針上面と連続平滑面をなす該微細針取付け代上面の両上面にグルコースを被覆し、該グルコース被覆面上に生体物質を搭載したことを特徴とする請求項1から7いずれか一項記載の微細糖質針。
【請求項12】
該微細針内部に生体物質を内包したことを特徴とする請求項1から7いずれか一項記載の微細糖質針。
【請求項13】
該生体物質が、DNA、アミノ酸、蛋白質、ヒトIgG抗体、ワクチン、細胞内微小体、細胞、微生物から選ばれる1又は2以上であることを特徴とする請求項11又は12記載の微細糖質針。
【請求項14】
微細糖質針を製作する際、基板より分離した微細針専用の金型を独立に用いる方法において、金型分離後の該微細針上面と、該基板上面側端部又は該基板上面食い込み部に設けた該微細針取付け代上面と、該基板上面とを平滑面とするべく、該微細針上面と該微細針取付け代上面と該基板上面とを加圧して平坦化させる方法を用いることを特徴とする微細糖質針の製造方法。
【請求項15】
微細糖質針を製作する際、基板より分離した微細針専用の金型を独立に用いる方法において、金型分離後の該微細針上面と、該基板上面側端部又は該基板上面食い込み部に設けた該微細針取付け代上面と、該基板上面とを平滑面とするべく、該微細針上面と該微細針取付け代上面と該基板上面とを加圧して平坦化させる方法に供する加圧機構を有することを特徴とする微細糖質針の製造装置。
【請求項16】
微細糖質針を製作する際、基板より分離した微細針専用の金型を独立に用いる方法において、金型分離後の該微細針上面と、該基板上面側端部又は該基板上面食い込み部に設けた該微細針取付け代上面と、該基板上面とを平滑面とするべく、該微細針上面と該微細針取付け代上面と該基板上面とを掃引して平坦化させる方法を用いることを特徴とする微細糖質針の製造方法。
【請求項17】
微細糖質針を製作する際、基板より分離した微細針専用の金型を独立に用いる方法において、金型分離後の該微細針上面と、該基板上面側端部又は該基板上面食い込み部に設けた該微細針取付け代上面と、該基板上面とを平滑面とするべく、該微細針上面と該微細針取付け代上面と該基板上面とを掃引して平坦化させる方法に供する掃引機構を有することを特徴とする微細糖質針の製造装置。
【請求項18】
微細糖質針を製作する際、基板より分離した微細針専用の金型を独立に用いる方法において、金型分離後の該微細針上面と、該基板上面側端部又は該基板上面食い込み部に設けた該微細針取付け代上面と、該基板上面とを平滑面とするべく、該微細針上面と該微細針取付け代上面と該基板上面とを回転ローラにより加圧して平坦化させる方法を用いることを特徴とする微細糖質針の製造方法。
【請求項19】
微細糖質針を製作する際、基板より分離した微細針専用の金型を独立に用いる方法において、金型分離後の該微細針上面と、該基板上面側端部又は該基板上面食い込み部に設けた該微細針取付け代上面と、該基板上面とを平滑面とするべく、該微細針上面と該微細針取付け代上面と該基板上面とを回転ローラにより加圧して平坦化させる方法に供する回転ローラを有することを特徴とする微細糖質針の製造装置。
【請求項20】
微細糖質針を製作する際、基板より分離した微細針専用の金型を独立に用いる方法において、金型分離後の該微細針上面と、該基板上面側端部又は該基板上面食い込み部に設けた該微細針取付け代上面と、該基板上面とを平滑面とするべく、該微細針上面と該微細針取付け代上面と該基板上面とを可動シートにより掃引して平坦化させる方法を用いることを特徴とする微細糖質針の製造方法。
【請求項21】
微細糖質針を製作する際、基板より分離した微細針専用の金型を独立に用いる方法において、金型分離後の該微細針上面と、該基板上面側端部又は該基板上面食い込み部に設けた該微細針取付け代上面と、該基板上面とを平滑面とするべく、該微細針上面と該微細針取付け代上面と該基板上面とを可動シートにより掃引して平坦化させる方法に供する可動シートを有することを特徴とする微細糖質針の製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2009−178531(P2009−178531A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−48703(P2008−48703)
【出願日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(507192769)
【Fターム(参考)】