説明

微細複製工具を作製するための整列マルチダイヤモンド切削工具組立体及び該切削工具組立体を作製する方法

【課題】微細複製工具に溝を作製する際に用いる切削工具組立体及びその作製方法の提供。
【解決手段】切削工具組立体には、取付け構造体及び10マイクロメートル未満の許容誤差で取付け構造体内で整列している複数のダイヤモンドが備わっている。例えば、第1及び第2のダイヤモンドチップを備えている第1及び第2の工具シャンクは、第1のダイヤモンドチップの切削位置と第2のダイヤモンドチップの切削位置が一致するように、取付け構造体内に位置決めすることができる。しかしながら、第2のダイヤモンドチップは、第1のダイヤモンドチップよりも、さらに取付け構造体から離れた既定の距離に配置してもよく、また第2のダイヤモンドには、第1のダイヤモンドチップとは異なる形状を持たせてよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微細複製構造を作製する際に用いる微細複製工具のダイヤモンド加工に関するものである。
【背景技術】
【0002】
微細複製工具などの多様なワークピースを作製するには、ダイヤモンド加工技術を用いることができる。微細複製工具は、微細複製構造を作製するための押出成形プロセス、射出成形プロセス、エンボス加工プロセス、キャスティングプロセスなどで広く用いられている。微細複製構造には、光学フィルム、研磨フィルム、接着フィルム、自己噛合輪郭を備える機械的留め具、又は、比較的小さい寸法、例えば約1000マイクロメートル未満の寸法の微細複製機構を備える任意の成形又は押出し部品が搭載され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
微細複製工具としては、キャスティングベルト、キャスティングローラ、射出成形金型、押出又はエンボス加工具等が挙げられる。微細複製工具は、切削工具組立体を用いて微細複製工具に溝又はその他の機構を切削するダイヤモンド加工プロセスによって作製することができる。切削工具組立体を用いて微細複製工具を作製する方法は、コストが高く多大な時間を要する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
広くは、本発明は、切削方向に沿って配列されている多数のダイヤモンドを備えている切削工具組立体に関するものである。切削方向に沿って配列されている複数のダイヤモンドを備えている切削工具組立体は、微細複製工具又はその他のワークピースを作製する際に使用することができる。特に、切削工具組立体の複数のダイヤモンドを用いて、組立体の一回の切削動作の間に、微細複製工具内の複数の切削部、複数の機構を備えている溝、又はその他の機構を介して深溝を作製することができる。一回の切削動作で、複数の機構を備えている溝を形成することができる機能があるため、複数のダイヤモンドを備えている切削工具組立体は、製造時間を短縮し、及び/又は、より複雑なパターンを作成することができる。
【0005】
切削工具組立体には、取付け構造体内に取付けられている複数の工具シャンクを搭載してよい。各工具シャンクは、ダイヤモンドチップを切削工具組立体の切削チップとして有することができる。工具シャンクのダイヤモンド切削チップは、微細複製工具内に作製される溝のサブ機構に対応するように、正確に形成させてよい。さらに、工具シャンクは、それぞれの深さ又は機構を微細複製工具に切削できるように、取付け構造体の中に正確に配列させるとともに、異なる高さに位置決めしてよい。したがって、切削工具組立体のさまざまなダイヤモンドチップは、微細複製工具内に作製される異なる溝のサブ機構に対応させてよい。
【0006】
1つの実施形態では、本開示は、取付け構造体、前記取付け構造体内に取付けられている第1の工具シャンク、第1の工具シャンクを形成している、1mm未満の幅を有する第1のダイヤモンドチップ、及び、取付け構造体内に取付けられている第2の工具シャンク、前記第2の工具シャンクを形成する、1mm未満の幅を有する第2のダイヤモンドチップを備えている切削工具組立体であって、第1及び第2のダイヤモンドチップが10マイクロメートル未満の許容誤差内で切削工具組立体の切削方向に整列するように、第1及び第2の工具シャンクが取付け構造体内に位置決めされている切削工具組立体を提供する。
【0007】
別の実施形態では、本開示は、取付け構造体内に、1mm未満の幅を有する第1のダイヤモンドチップを形成する第1の工具シャンクを取付け構造体内に取付けるステップと、前記取付け構造体内に、1mm未満の幅を有する第2のダイヤモンドチップを有する第2の工具シャンクを取付けるステップと、前記第1及び第2のダイヤモンドチップが、10マイクロメートル未満の許容誤差内で前記第1及び第2のダイヤモンドチップの切削方向に整列されるように、前記第1及び第2の工具シャンクを前記取付け構造体内で位置合わせするステップと、を含む方法を提供する。
【0008】
代替的な実施形態では、本開示は、取付け構造体と取付け構造体内に取付けられている工具シャンクとを備えている切削工具組立体であって、前記ツールシャンクが、1mm未満の幅を有する第1のダイヤモンドチップと1mm未満の幅を有する第2のダイヤモンドチップを形成し、第1及び第2のダイヤモンドチップが切削工具組立体の切削方向に整列している切削工具組立体を提供する。
【0009】
同一の組立体中で整列しているダイヤモンド切削チップを複数使用することによって、微細複製工具の作製を改善又は単純化することができる。具体的に言うと、微細複製工具に深溝を切削する際に必要な、ダイヤモンドの切削工具組立体の切削動作数を減少可能で、それによって工作コストを削減することができる。例えば、切削工具組立体に2つのダイヤモンドが含まれている場合、第1のダイヤモンドが溝を作製し、第2のダイヤモンドがその溝を深くすることができる。微細複製工具内に深溝を切削するのに必要な動作回数を半分に削減することができる。
【0010】
さらに、一部の実施形態では、異なるダイヤモンドチップが異なるサブ機構を有して、微細複製工具の複雑な溝を作製させることがある。このケースでは、溝の物理的に別個の機構を2つ以上作製するために、異なる切削工具組立体を使用することが回避され、代わりに、単一の組立体を用いて、微細複製工具中の溝の物理的に別個のサブ機構を2つ以上作製することができる。このような技術は微細複製工具の品質を向上させ、微細複製工具の作製に関わる時間とコストを削減させ、言い換えれば、微細複製構造体の最終的な作製に関わるコストを効果的に削減させることができる。1マイクロメートル未満の許容誤差で各ダイヤモンドチップを整列させることで、整列させたダイヤモンド切削チップによって、目だったばらつきなしに、複数の機構を備えている溝を作製させるのが可能になる。
【0011】
上記及びその他の実施形態の更なる詳細は、添付の図面及び以下の説明に記載されている。他の特徴、目的及び利点は明細書及び図面により、並びに、請求の範囲により明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】フライカット用に構成されているマルチダイヤモンド切削工具組立体の平面図。
【図2】プランジ切削又はねじ切り用に構成されているマルチダイヤモンド切削工具組立体の側面図。
【図3】フライカット用に構成されているマルチダイヤモンド切削工具の1つの実施形態のさらに詳細な上部断面図。
【図4】プランジ切削又はねじ切り用に構成されているマルチダイヤモンド切削工具の1つの実施形態のさらに詳細な側面断面図。
【図5】微細複製工具の作製時に1つの溝を切削するマルチダイヤモンドフライ切削工具組立体の概念斜視図。
【図6】微細複製工具の作製時に1つの溝を切削するマルチダイヤモンドプランジ切削又はねじ切り工具組立体の概念斜視図。
【図7】マルチダイヤモンドプランジ切削又はねじ切り工具組立体の他の側面図。
【図8A】マルチチップの単一ダイヤモンド切削工具組立体の代替的な実施形態である。
【図8B】マルチチップの単一ダイヤモンド切削工具組立体の代替的な実施形態である。
【図9A】ワークピースに深溝を切削している2つの異なるマルチダイヤモンド切削工具組立体、及びそのワークピースに形成することができる得られた溝を示す様々な断面側面図。
【図9B】ワークピースに深溝を切削している2つの異なるマルチダイヤモンド切削工具組立体、及びそのワークピースに形成することができる得られた溝を示す様々な断面側面図。
【図10】ワークピースに溝を切削しているマルチダイヤモンド切削工具組立体、及びワークピースに形成される得られた溝及び突出部を示す断面平面図。
【図11】マルチダイヤモンド切削工具組立体によってワークピースに形成される得られた溝及び突出部を示す断面平面図。
【図12】マルチダイヤモンド切削工具組立体に使用され得るダイヤモンドの斜視図。
【図13】本発明の様々な実施形態によるマルチダイヤモンド切削工具組立体を示す追加の断面平面図。
【図14】本発明の様々な実施形態によるマルチダイヤモンド切削工具組立体を示す追加の断面平面図。
【図15】本発明の様々な実施形態によるマルチダイヤモンド切削工具組立体を示す追加の断面平面図。
【図16】本発明の様々な実施形態によるマルチダイヤモンド切削工具組立体を示す追加の断面平面図。
【図17】本発明の様々な実施形態によるマルチダイヤモンド切削工具組立体を示す追加の断面平面図。
【図18】本発明の様々な実施形態によるマルチダイヤモンド切削工具組立体を示す追加の断面平面図。
【図19】マルチダイヤモンドフライカットローターの概念斜視図。
【図20】マルチダイヤモンドフライカットローターの概念斜視図。
【図21】回転軸に対して平行に取付けられている工具シャンクを備えているフライカット用に構成されているマルチダイヤモンドカッティング工具組立体の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、取付け構造体20に取付けられている2つの工具シャンク12と16とを備えている切削工具組立体10の平面図である。切削工具組立体10はフライカットを行うように構成されており、フライカットの際には、組立体10は軸24を中心に回転する。例えば、組立体10は、組立体10を回転させる工作機械(図示なし)のモーターによって駆動可能なドライブシャフト22に取付け可能にしてよい。取付け構造体20には、ダイヤモンドチップ14を備えている工具シャンク12、及びダイヤモンドチップ18を備えている工具シャンク16を保持する構造が備わっている。シャンク12と16とは、金属物質又は複合物質から形成させてよく、ダイヤモンドは、実質的に永続的な固定メカニズムによってシャンク12に固定することができる。加えて、取付け構造体20には、ドライブシャフト22に取付け可能な機構を搭載してよい。
【0014】
ダイヤモンドを工具シャフト12及び16に固定し、それによってダイヤモンドチップ14と18とを形成させるために、実質的に永続的な固定メカニズムは、ろう付け、半田付け、エポキシなどの接着剤等を使用することができる。続いて、ダイヤモンドチップ14と18とを備えている工具シャンク12と16とを1つ以上のボルト、クランプ又は止めねじのような一時的な固定メカニズムを介して取付け構造体20に取付ける。あるいは、取付け構造体20内の工具シャンク12と16とを固定する際には、ろう付け、半田付け、エポキシなどの接着剤、又は、その他の永続的な固定メカニズムを用いてもよい。いかなる場合も、位置決め制御及び位置決めフィードバックを備えている工作用顕微鏡を用いることによって、ダイヤモンドチップ14と18とが、微細複製工具を効率的に製造するために必要な精度で他方に対して関連した高さに位置決めされるように、工具シャンク12と16とを取付け構造体20内に確実に位置決めするようにできる。一部のケースでは、整列させたチップ14と18とは、同じ高さに位置決めしてよい。チップ14と18との形状が異なるために、第2のチップ18はチップ14とは異なる機構を作製することがある。
【0015】
取付け構造体20には、ダイヤモンド工作機械に挿入される工具組立体10を切削できるようにする形状を持たせてよい。さらに、ダイヤモンド工作機械は、ドライブシャフト22を介して軸を中心に切削工具組立体が回転するフライカットを行うように設計されているダイヤモンド回転機械であってよい。
【0016】
工具シャンク12と16との各ダイヤモンドチップ14と18とはそれぞれ、作製させる微細複製工具などのワークピース内の溝の深さ又は溝の別個の機構の作製を定める別の切削メカニズムを定める。溝は、ワークピース上の同じ直線に位置決めされているチップ14と18とによって作製される機構のいずれかの組み合わせを示す。例えば、第1のダイヤモンドチップ14は溝を作製させ、続いて、ダイヤモンドチップ18が溝を深くするか、又は溝のサブ機構を作製させてもよい。ダイヤモンドチップ18の高さが高くなることで、ワークピースの表面に、より深い切削部又はサブ機構をさらに作製することが可能となる。作製された溝は、本明細書では、複数の機構を備えている溝と呼び、溝には1つ以上の機構を搭載してよい。1つ以上のチップによって達成される深さを有する溝は、深溝という。一部のケースでは、1つの溝は、より深い切削部とサブ機構の組み合わせにしてよい。別の実施形態では、ダイヤモンドチップ18に、ダイヤモンドチップ14によって形成される溝の上を覆うサブ機構を作製させてもよい。いずれのケースでも、複数の機構を備えている溝は、ワークピース内の一続きの縁から構成されなくてはならない。ワークピースは、銅、ニッケル、アルミニウム、アクリル樹脂のようなプラスチック、又は、加工可能な任意の物質によって作製してよい。
【0017】
表1に示されている実施形態では、切削工具組立体10には、1つのダイヤモンドチップ14を備えている工具シャンク12と1つのダイヤモンドチップ16を備えている工具シャンク16という2つの工具シャンクが備わっているが、本発明の原理に従って、ダイヤモンドチップを備えている追加の工具シャンクを用いてもよい。加えて、以下に記載する原理は、1つのダイヤモンドで1つを超える切削チップを形成させるダイヤモンドの使用にまで拡大適用してよい。
【0018】
図1に示すように、工具シャンク12と16とは、ダイヤモンドチップ14とダイヤモンドチップ18とが切削方向に平行な同一平面内で整列するように、取付け構造体20内に位置決めされている。この位置決めでは、チップ14とチップ18とは、ワークピースを通る連続的動作で、同一の溝をもたらす。
【0019】
ダイヤモンドチップ14と18との垂直位置決めは、軸24に応じて異なってよい。取付け構造体20の表面よりも上にあるダイヤモンドチップ14の高さはH1と定義し、取付け構造体の表面よりも上にあるダイヤモンドチップ18の高さはH2と定義する。H1とH2との差は、ダイヤモンドチップ14の深さD1を超えて、ワークピース中をさらに深く切削するダイヤモンドチップ18の深さD2を示す。深さD2は、10マイクロメートル未満であってよい。図1の実施形態では、H2はH1を上回っている。しかしながら、別の実施形態では、H1はH2と同じにしてよい。H1とH2が等しい場合、チップ18には、溝にサブ機構を作製するために、チップ14とは異なる形状を搭載してよい。あるいは、ダイヤモンドチップ18は、単にダイヤモンドチップ14の通り道をたどって、ダイヤモンドチップ14から出た任意の領域を清浄してもよい。
【0020】
図2は、プランジ切削又はねじ切り用に構成されているマルチダイヤモンド切削工具組立体の側面図である。プランジ切削では、様々な溝を切削するための別の位置にワークピースが移動する前の間、規定の位置で、動いているワークピースに切削工具組立体26を突き刺す。ねじ切りは、プランジ切削と同様である。しかしながら、ねじ切りでは、切削工具組立体26は、長いねじ付き溝を切削するための時間を長くするために、動いているワークピースの中に移動させる。切削工具組立体26はまた、スクライビング又はルーリングに使用してよく、この場合、切削工具組立体26はワークピース中に非常にゆっくりと移動させる。
【0021】
図1の組立体10と同様に、図2の切削工具組立体26には、取付け構造体36内に固定されている複数の工具シャンク28と32とが備わっている。ダイヤモンドを工具シャフト28と32とに固定し、それによってダイヤモンドチップ30と34とを形成させるために、実質的に永続的な固定メカニズムは、ろう付け、半田付け、エポキシなどの接着剤等を使用することができる。続いて、ダイヤモンドチップ30と34とを備えている工具シャンク28と32とを1つ以上のボルト、クランプ又は止めねじのような一時的な固定メカニズムを介して取付け構造体36に取付ける。あるいは、取付け構造体36内の工具シャンク28と32とを固定する際には、ろう付け、半田付け、エポキシなどの接着剤、又は他の永続的な固定メカニズムを用いてもよい。
【0022】
位置決めフィードバックを備えている工作用顕微鏡を用いることによって、工具シャンク28と32とのダイヤモンドチップ30と34とが、微細複製工具を効率的に作成するために必要な精度で取付け構造体36内に位置決めされるようにすることができる。取付け構造体36には、プランジ切削、ねじ切り、スクライビング又はルーリング用に構成されているダイヤモンド工作機械に切削工具組立体26を挿入できるようにする形状を持たせてよい。
【0023】
図1と同様に、工具シャンク28と32との各ダイヤモンドチップ30と34とはそれぞれ、作製される微細複製工具などのワークピース内の、より深い溝又は別個のサブ機構の作製を定める別の切削メカニズムを有する。溝は、ワークピース上の同じ直線に位置決めされているチップ30と34とによって作製される溝及びサブ機構のいずれかの組み合わせを示す。例えば、ダイヤモンドチップ30が溝を作製し、続いて、ダイヤモンドチップ34が、溝のサブ機構を作製するか、又は、単にチップ30の溝を深くする可能性がある。ダイヤモンドチップ34の高さが高くなることで、さらにワークピースの表面に溝又はサブ機構を作製することが可能となる。サブ機構を備えている溝は、本明細書では、機構を備えている溝と呼び、複数の深さから作製される溝は深溝である。別の実施形態では、ダイヤモンドチップ34は、ダイヤモンドチップ30によって形成される溝の上を覆うサブ機構を作製させる可能性がある。いずれのケースでも、複数の機構を備えている溝又は深溝は、溝の側面輪郭を作製させるワークピース内の一続きの縁から構成されなければならない。
【0024】
表2に示されている実施形態では、切削工具組立体26には、1つのダイヤモンドチップ30を備えている工具シャンク28と1つのダイヤモンドチップ34を備えている工具シャンク32という2つの工具シャンクが備わっているが、本発明の原理に従って、ダイヤモンドチップを備えている追加の工具シャンクを用いてもよい。加えて、以下に記載する原理は、1つのダイヤモンドで1つ以上の切削チップを形成させるダイヤモンドの使用にまで拡大適用してよい。
【0025】
図2に示すように、工具シャンク28と32とは、ダイヤモンドチップ30とダイヤモンドチップ34とが切削方向に平行な同一平面内で整列するように、取付け構造体36内に位置決めされている。この位置決めでは、チップ30とチップ34とは、ワークピースを通る連続的動作で、同一の溝をもたらす。ワークピースは、銅、ニッケル、アルミニウム、アクリル樹脂のようなプラスチック、又は、加工可能な任意の物質によって作製してよい。
【0026】
ダイヤモンドチップ30と34との垂直位置決めは、取付け構造体36の表面に応じて異なってよい。取付け構造体36の表面よりも上にあるダイヤモンドチップ30の高さはH1と定義し、取付け構造体の表面よりも上にあるダイヤモンドチップ34の高さはH2と定義する。H1とH2との差は、ダイヤモンドチップ30によって作製される深さD1を超えて、ワークピース中をさらに深く切削するダイヤモンドチップ34の深さD2を示す。深さD2は、10マイクロメートル未満であってよい。図1の実施形態では、H2はH1を上回っている。しかしながら、別の実施形態では、H1はH2と同じにしてよい。H1とH2が等しい場合、チップ34には、溝にサブ機構を作製するために、チップ30とは異なる形状を搭載してよい。あるいは、ダイヤモンドチップ34は、単にダイヤモンドチップ30の通り道をたどって、ダイヤモンドチップ30から出た任意の領域を清浄してもよい。
【0027】
図3は、フライカット用に構成されている切削工具組立体10のより詳しい上部断面図である。取付け構造体20には、対応する工具シャンク12と16とを受容する領域38と40とが備わっている。シャンクを定位置に固定させる前にダイヤモンドチップを適切に位置決めするために工具シャンクが領域内を移動できるように、領域38と40とは、対応する工具シャンク12と16よりわずかに大きい。一部の実施形態では、工具シャンク12と16とを正確に位置決めするために、1つ以上のスペーサを領域38と40内に位置決めしてよい。
【0028】
取付け構造体20内に工具シャンク12と16とを位置決めするために、工作用顕微鏡を使用することができる。顕微鏡は、工具シャンクを取付け構造体内に適切に位置決めさせるように、ダイヤモンドチップの位置決めを他方に対して識別及び測定する目的で使用することができる。位置決めフィードバックは、ダイヤモンドチップの位置決めを定量化するために、例えば、デジタル読み出し、アナログ読み出し、グラフィック表示等の形態で提供することができる。フィードバックは、取付け構造体内に、異なる工具シャンクを正確に位置決めする目的で使用することができる。例えば、ミネソタ州エディナのフライヤー社(Fryer Company)から市販されているニコンツールメーカーマイクロスコープ(Nikon Tool Maker’s Microscope)には、工具シャンクのダイヤモンド切削チップの互いの距離をミクロ測定するための制御ダイヤルが備わっている。さらに、ダイヤモンドチップ14と18とを、微細複製工具を効果的に作製するのに必要な精度内で適切な高さに整列及び位置決めさせるように、位置決めのフィードバックは、ニューハンプシャー州マンチェスターのメトロニクス社(Metronics Inc.)から市販されているクアドラチェック(Quadra Chex)2000というデジタル読み出し装置によって提供及び定量化することができる。ニコンツールメーカーマイクロスコープ(Nikon Tool Maker’s Microscope)及びクアドラチェック(Quadra Chex)2000デジタル読み出し装置を使用することで、工具シャンクに付随するダイヤモンドチップが、約0.5マイクロメートルの許容誤差内で他方に対して位置決めされるように、取付け構造体内の工具シャンク12と16との正確な位置合わせを測定することができる。
【0029】
特に、10マイクロメートル未満、より好ましくは1マイクロメートル未満の許容誤差でダイヤモンドチップを位置合わせすることは、光学フィルム、機械的留め具、接着フィルム等を作製する際に用いられる微細複製工具を効果的に作製するために望ましい。このミクロ位置決めは、1つの溝を作製するために、ダイヤモンドチップが他方に対して正確に整列するように横方向及び縦方向の双方で、及びそれぞれのチップにおいて所望の切削高でダイヤモンドチップが正確な溝の深さを作製できるようにする他方に対して縦方向で実現させることができる。横方向及び縦方向の双方における位置決めは、本明細書に記載の許容誤差内で実現させることができる。工具シャンク12と16とは、デジタル読み出しを使用する顕微鏡の下に適切に位置決めしたら、1つ以上のボルト、クランプ、又は止めねじを介して取付け構造体に固定する。あるいは、ろう付け、半田付け、エポキシなどの接着剤、又は他の固定メカニズムを使用することができる。
【0030】
図4は、プランジ切削又はねじ切り用に構成されている切削工具組立体26のより詳細な側面断面図である。取付け構造体36には、工具シャンク28と32とを受容する領域42が備わっている。シャンクを定位置に固定させる前にダイヤモンドチップを適切に位置決めするために工具シャンクが領域内を移動できるように、領域42は工具シャンク28と32よりわずかに大きい。工具シャンク12と16とを正確に位置決めするために、1つ以上のスペーサ44を領域42に位置決めしてもよい。
【0031】
一部の実施形態では、取付け構造体36には、工具シャンクを受容するための1つを超える領域42を搭載してよい。例えば、各工具シャンクに付随する溝又はサブ機構を切削するために、各工具シャンクを対応する領域に位置決めするか、又は、任意の数の領域に複数の工具シャンクを受容させてよい。
【0032】
工具シャンク28と32とを取付け構造体36内に位置決めするために、図3の顕微鏡と同様の工作用顕微鏡を使用することができる。例えば、ミネソタ州エディナのフライヤー社(Fryer Company)から市販されているニコンツールメーカーマイクロスコープ(Nikon Tool Maker’s Microscope)には、工具シャンクのダイヤモンド切削チップの互いの距離をミクロ測定するための制御ダイヤルが備わっている。さらに、ダイヤモンドチップ30と34とを、微細複製工具を効果的に作製するのに必要な精度内で適切な高さに整列及び位置決めさせるように、位置決めのフィードバックは、ニューハンプシャー州マンチェスターのメトロニクス社(Metronics Inc.)から市販されているクアドラチェック(Quadra Chex)2000というデジタル読み出し装置によって提供及び定量化することができる。ニコンツールメーカーマイクロスコープ(Nikon Tool Maker’s Microscope)及びクアドラチェック(Quadra Chex)2000デジタル読み出し装置を使用することで、工具シャンクに付随するダイヤモンドチップが、約0.5マイクロメートルの許容誤差内で他方に対して位置決めされるように、取付け構造体内の工具シャンク28と32との正確な位置合わせを測定することができる。
【0033】
特に、10マイクロメートル未満、より好ましくは1マイクロメートル未満の許容誤差でダイヤモンドチップを位置合わせすることは、光学フィルム、機械的留め具、接着フィルム等を作製する際に用いられる微細複製工具を効果的に作製するために望ましい。このミクロ位置決めは、1つの溝を作製するために、ダイヤモンドチップが他方に対して正確に整列するように横方向及び縦方向の双方で、及びそれぞれのチップにおいて所望の切削高でダイヤモンドチップが正確な溝の深さを作製できるようにする他方に対して縦方向で実現させることができる。横方向及び縦方向の双方における位置決めは、本明細書に記載の許容誤差内で実現させることができる。工具シャンク28と32とは、デジタル読み出しを使用する顕微鏡の下に適切に位置決めしたら、1つ以上のボルト、クランプ、又は止めねじを介して取付け構造体に固定する。あるいは、ろう付け、半田付け、エポキシなどの接着剤、又は他の固定メカニズムを使用することができる。
【0034】
図5は、微細複製工具46の作製時に溝を切削するマルチダイヤモンドフライ切削工具組立体10の概念斜視図である。図5の例では、対応する微細複製工具72にはキャスティングロールが備わっているが、切削工具組立体10を使用して、キャスティングベルト、射出成形、押出成形、エンボス加工工具のような他の微細複製工具、又は他のワークピースを作製することもできる。切削工具組立体10は、軸24を中心に切削工具組立体10を回転させるモーター(図示なし)に取付けられているドライブシャフト22に固定してよい。切削工具組立体10はまた、横方向(水平矢印によって図示されている)で微細複製工具46に対して移動させてよい。同時に、微細複製工具46は軸24を中心に回転させてよい。切削工具組立体10が回転する際、ダイヤモンドチップ14と18とは、交互に微細複製工具46を切削する。したがって、溝は、微細複製工具46に沿って、切削工具組立体10の単一の切削動作で形成される。別の実施形態では、微細複製工具46は平面又は他の非円筒形ワークピースであってよい。加えて、微細複製工具46は、工具46のみ又は工具46及び切削工具組立体10の双方を移動させることによって作製してよい。
【0035】
切削工具組立体は複数の工具シャンク12と16、つまり複数のダイヤモンドチップ14と18とを装備しているため、微細複製工具46上の溝を切削する際に必要な、切削工具組立体10の動作数が減る。溝は、深溝又は複数特徴溝であってよい。切削工具組立体10の一部の実施形態には、2つ超の工具シャンク及び2つのダイヤモンドチップを搭載してよい。マルチプルダイヤモンドチップは、微細複製工具の作製に付随する製造コストを削減するとともに、製造サイクルを高速化する可能性がある。ワークピースの作製には、数日とまではいかなくても場合によっては時間がかかることがある。溝を切削するために、2つ以上のダイヤモンド切削チップを切削工具組立体10に組み込むことで、製造サイクルの時間の一部を削減することができる。加えて、ワークピースを作製する際に複数のチップを使用することで、各チップの熱安定性に対する要件が緩和される。チップがワークピースを通過すると、チップは加熱され形状が変化する。これが起きると、後で切削した各チップの寸法が、先に切削したものとは異なるものとなる。複数のチップを備えていると、各チップは、温度が上昇したり、形状が変化したり、異なる寸法の溝を切削したりしないだろう。あるいは、チップの寸法によって形状が変化する時間を与えないように、複数のチップによって十分迅速に切削を行うことが可能になる。
【0036】
例えば、切削工具組立体に、それぞれがダイヤモンドチップを形成させる2つの工具シャンクが備わっている場合(図5に示されている)、微細複製工具46の溝を切削するのに必要な動作回数は、単一の工具シャンクを備えている組立体と比べて、半分まで削減することができる。工具シャンクを追加することで、同じように、さらなる利益が加わるだろう。また、複数のチップは1つのダイヤモンド又は双方のダイヤモンド上に形成させてよく、これによって、同様に製造上の利点が付加されるだろう。微細複製工具46の作製に付随するコストの削減は、同様に、微細複製構造の最終的作製に付随するコストを効果的に削減させるだろう。
【0037】
図6は、微細複製工具の作製時に、複数の機構を備えている溝を切削するマルチダイヤモンドプランジ切削又はねじ切り工具組立体26の概念斜視図である。図示するために、ダイヤモンドチップ30は微細複製工具48と接触しない状態で示してある。動作時は、ダイヤモンドチップ30とダイヤモンドチップ34とは、記載されているように、微細複製工具48と接触する。図6に示すように、切削工具組立体26は、微細複製工具48に対して切削工具組立体26を位置決めするダイヤモンド工作機械50に固定してよく、切削工具組立体26を、例えば、微細複製工具48に対して横方向(水平矢印で示されている)に移動させる。同時に、微細複製工具48は軸を中心に回転させてよい。ダイヤモンド工作機械50は、微細複製工具48に溝を切削するために、プランジ切削又はねじ切りを介して、切削工具組立体26を、回転する微細複製工具48の中に通すように構成させてよい。あるいは、ダイヤモンド工作機械50は、スクライビング又はルーリング用に構成させてよく、この場合、切削工具組立体26はワークピース中に非常にゆっくり移動させる。いずれのケースでも、深溝又は複数の機構を備えている溝を切削し、ワークピース上に突出部を形成させることができる。別の実施形態では、微細複製工具48は平面又は他の非円筒形ワークピースであってよい。加えて、微細複製工具48は、工具48のみ又は工具48及び切削工具組立体26の双方を移動させることによって作製してよい。
【0038】
溝及び突出部は、例えば押出成形プロセス中に微細複製工具32を用いて作製した微細複製構造の最終形状を形成してよい。あるいは、形成された溝及び突出部は、微細複製工具以外のワークピース内の材料の移動によって他の機構を形成させてもよい。加えて、切削工具組立体26と切削工具組立体を受容する工作機械50の間に高速工具サーボの使用を採用することができる。例えば、高速工具サーボは、微細複製工具48内に特定のミクロ構造を作製するために切削工具組立体26を振動させることができる。
【0039】
図6に示すように、切削工具組立体は複数の工具シャンク28と32、つまり複数のダイヤモンドチップ30と34とを装備しているため、微細複製工具48内の深溝又は複数の機構を備えている溝を切削するために必要な、切削工具組立体26の動作数が減少する。切削工具組立体26の一部の実施形態には、2つ超の工具シャンク及び2つのダイヤモンドチップを搭載してよい。マルチプルダイヤモンドチップは、微細複製工具の作製に付随する製造コストを削減するとともに、製造サイクルを高速化するだろう。ワークピースの製作には、場合によっては数日とまではいかなくても時間がかかることがある。溝を切削するために、2つ以上のダイヤモンド切削チップを切削工具組立体26に組み込むことで、製造サイクルの時間の一部を削減することができる。加えて、ワークピースを作製する際に複数のチップを使用することで、各チップの熱安定性に対する要件が緩和される。チップがワークピースを通過すると、チッブは加熱され形状が変化する。これが起きると、後で切削した各チップの寸法が、先に切削したものとは異なるものとなる。複数のチップを備えていると、各チップは、温度が上昇したり、形状が変化したり、異なる寸法の溝を切削したりしないだろう。あるいは、複数のチップのおかげで、チップの寸法によって形状が変化する時間を与えないように、十分迅速に切削を行うことが可能になる。
【0040】
例えば、切削工具組立体に、それぞれがダイヤモンドチップを形成させる2つの工具シャンクが備わっている場合(図6に示されている)、微細複製工具48の溝を切削するのに必要な動作回数は、単一の工具シャンクを備えている組立体と比べて、半分まで削減することができる。工具シャンクを追加することで、同じように、さらなる利点が加わるだろう。また、複数のチップは1つのダイヤモンド又は双方のダイヤモンド上に形成させてよく、これにより、同様に製造上の利点が加わるだろう(図8A及び8Bを参照のこと)。微細複製工具48の作製に付随するコストの削減は、同様に、微細複製構造の最終的作製に付随するコストを効果的に削減させるだろう。
【0041】
図7は、マルチダイヤモンドプランジ切削又はねじ切り工具組立体の別の側面図である。工具シャンク28と32、ダイヤモンドチップ30と34とに関して記載されている寸法は、工具シャンク12と16、ダイヤモンドチップ14と18に関する組立体10の説明の範囲内で切削工具組立体10に使用してよい。図7の例では、工具シャンク28と32のダイヤモンドチップ30と34とには、さまざまな寸法を持たせてもよい。チップの寸法は、図7に示すように、切削高(H)、切削幅(W)、及び高差(D)などの1つ以上の変数によって定めてよい。切削高(H)は、ダイヤモンドがワークピースを切削できる最大深さを定義し、切削深さとも呼んでもよい。切削幅(W)は、平均切削幅として定義するか、又は、図7に示されているように、チップの最大切削幅として定義してよい。変数(D)は、ダイヤモンドチップ34によって切削される次の機構の深さを表す。切削チップの寸法を定める際に用いることができる他の数量はアスペクト比と呼ばれている。アスペクト比は幅(W)対高さ(H)の比である。集束イオンビームミリングプロセスによって作製したダイヤモンドチップは、さまざまな高さ、幅、ピッチ、及びアスペクト比を実現させることができる。
【0042】
例えば高さ(H)及び/又は幅(W)は、約1000マイクロメートル未満、約500マイクロメートル未満、約200マイクロメートル未満、約100マイクロメートル未満、約50マイクロメートル未満、10マイクロメートル未満、約1.0マイクロメートル未満、又は約0.1マイクロメートル未満に形成することが可能である。加えて、変数(D)は、約1000マイクロメートル未満、約500マイクロメートル未満、約200マイクロメートル未満、約100マイクロメートル未満、約50マイクロメートル未満、10マイクロメートル未満、約5未満、約1.0マイクロメートル未満と定義して良く、又は、0.5マイクロメートルの許容誤差に近づけてよい。一部のケースでは、距離(D)はダイヤモンドチップの高さ(H)より小さくしてよい。
【0043】
アスペクト比は、約1:5超、約1:2超、約1:1超、約2:1超、又は約5:1超になるように定めてよい。アスペクト比の増大又は減少も、集束イオンビームミリングを使用して実現させてよい。これらの異なる形状及び大きさは様々な用途にとって有利である。
【0044】
集束イオンビームミリングは、ガリウムイオンなどのイオンをダイヤモンドの方に加速させてダイヤモンドの原子を粉砕除去する(アブレーションという場合もある)プロセスを指す。ガリウムイオンの加速により、ダイヤモンドから原子が原子ごとに除去されるだろう。水蒸気を用いる蒸気強化技術を用いて、集束イオンビームミリングプロセスを向上させてもよい。1つの好適な集束イオンビームミリング機は、オレゴン州、ポートランドのFEIイン社(FEI Inc.)から入手可能なミクリオン(Micrion)モデル9500である。一般的に、集束イオンビームミリングは、作製させる深さ又は機構に対応する正確なチップ状ダイヤモンドを作製する目的で行うことができる。イオンビームミリングしたダイヤモンドを1つ以上作製するのに利用し得る集束イオンビームミリングサービスの1つの代表的な供給会社は、ノースカロライナ州、ローリーのマテリアルズ・アナリティカル・サービス(Materials Analytical Services)である。
【0045】
集束イオンビームミリングは一般に非常に高価である。したがって、マルチチップダイヤモンドの作製に付随するコストを削減するために、集束イオンビームミリングにかける前に、イオンビームミリングするダイヤモンドチップに初期処理を施すことが望ましい。例えばラッピング又はグラインディングなどの安価な技術を用いてダイヤモンドチップを除去してよい。集束イオンビームミリングプロセスは、上に列記した寸法又は特徴のうちの1つ以上を実現させるようにする。さらに、集束イオンビームミリングの前にダイヤモンドに初期処理を施すことにより、イオンビームミリングした最終的なダイヤモンドチップを作製するのに必要な集束イオンビームミリング時間の量を削減することができる。ラッピングは遊離砥粒を用いてダイヤモンドから材料を除去するプロセスを指し、一方グラインディングは媒体又は基体に固定した研磨剤を用いてダイヤモンドから材料を除去するプロセスを指す。
【0046】
図8A及び8Bは、マルチチップの単一ダイヤモンド切削工具組立体の代替的な実施形態である。図8Aの例では、切削工具組立体52は切削工具組立体26と実質的に同じである。しかしながら、切削工具組立体では、2つの工具シャンクと2つの単一チップダイヤモンドとの代わりに、マルチチップダイヤモンド56と工具シャンク54とを使用する。工具シャンク54は、本明細書に記載の技術を用いて取付け構造体60に取付けられている。切削工具組立体52は、矢印の方向に移動することで、ワークピース内に、複数の機構を備えている溝を作製する。
【0047】
マルチチップダイヤモンド56には、2つの機構を作製する目的で、平坦な第1のチップとそれより高い第2のチップとが備わっている。第1のチップと第2のチップとの間に空隙はない。ダイヤモンド56は、2つの個別のダイヤモンドチップに関して本明細書に記載されているように、異なる形状及び寸法で形成してよい。
【0048】
代替的なマルチチップダイヤモンドが図8Bに示されている。切削工具組立体62には、取付け構造体70と工具シャンク64とマルチチップダイヤモンド66とが備わっている。ダイヤモンド66には、第1の低チップと第2の高チップとが備わっており、その中間には空隙がある。中間の空隙は、ダイヤモンドの熱を減少させ、又は、材料が第1の低チップを清浄できるようにするのに有益である。ダイヤモンド66の他の形状は、本発明の範囲内にある。
【0049】
マルチチップダイヤモンド56(図8A)又は66(図8B)のようなマルチチップダイヤモンドは、深溝又は複数の機構を備えている溝の作製に有益である。工具シャンクの削減は、複数のダイヤモンドチップを保持するために必要であり、これによって微細複製工具の作製における時間、コスト、及び位置決めの誤りがなくなるだろう。加えて、チップは、組立体の組み立ての際に人的ミスの影響を受けることなく、非常に低い許容誤差で整列することができる。特定の微細複製構造で必要な、複数の機構を備えている正確な溝では、マルチチップダイヤモンドは、整列している個別のダイヤモンドチップ上にあることが望ましい場合もある。
【0050】
マルチチップダイヤモンド56と66との製造は、本明細書に記載の技術によって実現させてよい。この技術としては、集束イオンビームミリング、ラッピング又はグラインディングが挙げられるが、これらに限らない。別の実施形態では、複数の個別のダイヤモンドに関して記載されているように、溝を作製する際に、2つ超のチップ、わずかにずれたチップ、及び不規則な形状のチップ備えているマルチチップダイヤモンドを用いてよい。
【0051】
図9A及び9Bは、ワークピースに溝を切削している、2つの異なるマルチダイヤモンド切削工具組立体、及び、前記ワークピース内に形成させることができる、得られた溝を示している様々な断面側面図である。図9Aは、微細複製工具72に深溝71を切削するためのダイヤモンドチップ30と34とを使用する切削工具組立体26を示している。ダイヤモンドチップ30と34とは、微細複製工具を矢印の方向に移動させ、溝71は最終深さDに形成される。深さDは、微細複製工具72から除去される材料の累積深さである。溝71はまた、複数の機構を備えている溝であってよい。
【0052】
切削工具組立体10をフライカットプロセスで使用する場合、同様の溝を作製してよい。組立体10がワークピースに接触しながら回転する際、ダイヤモンドチップ14はダイヤモンドチップ30と同様の機能を果たし、ダイヤモンドチップ18はダイヤモンドチップ34と同様の機能を果たす。図9Bの溝のように、多くの機構を備えている溝を作製する際に、多くのチップを用いてよい。
【0053】
図9Bは、微細複製工具92の深溝91を作製するプロセスを示している。切削工具組立体73には、整列しているダイヤモンドチップ76を備えている工具シャンク74、整列しているダイヤモンドチップ80を備えている工具シャンク78、整列しているダイヤモンドチップ84工具シャンク82及び整列しているダイヤモンドチップ88を備えている工具シャンク86がある。各工具シャンク74、78、82及び86は、組立体10又は26と同様の取付け構造体90に取付けられている。組立体73は、切削中、矢印の方向に移動する。切削工具組立体73は、最終深さがDである4つの機構を備えている溝91を作製させる。一定程度に整列しているダイヤモンドチップを用いて、微細複製工具92に一定程度の機構を製造してよい。別の実施形態では、組立体73で、異なる形状のダイヤモンドチップが使用するか、又は1つ以上のマルチチップダイヤモンドを使用してよい。溝91は、複数の機構を備えている溝であってよい。
【0054】
図10は、ワークピースに溝を切削しているマルチダイヤモンド切削工具組立体、及びワークピースに形成される溝及び突出部を示す断面平面図である。図10は、フライカット、プランジ切削又はねじ切りなどの任意の技術によって作製した、複数の機構を備えている溝の典型としてよい。図10の視点は、微細複製工具96に対する切削工具組立体94の切削方向に直交する代表図を示している。
【0055】
切削工具組立体94が微細複製工具96を通過すると、深溝98が組立体の1つの経路に形成される。溝98は、溝98の各深さの尺度を表示しないが、第1のダイヤモンドチップが微細複製工具96を切削した後の溝の形状を点線で示す。
【0056】
一部の実施形態では、組立体94のチップは同じ形状ではない。例えば、第2のチップは溝98の片側のみを変化させるサブ機構を切削してよい。この場合、溝98の片側はすでに第1のチップから形成されているだろうが、溝98のもう一方の側は第2のチップに付随するサブ機構に合うように変化するであろう。点線の少なくともある部分は、1つの溝98の縁部を構成するであろう。図11に示すように、より多くの機構を作製させてもよい。
【0057】
図11は、マルチダイヤモンド切削工具組立体によってワークピースに形成されている溝102と104、及び突出部を示す断面平面図である。複数特徴溝102と104の双方は、微細複製工具100に切削されている。溝102は、点線で描かれているチップに対応する各深さを示している。点線は、当該切削工具組立体の1回の動作で、4つのダイヤモンドチップが作製させた溝102を示している。溝104はまた、溝102と同様に作製されており、溝の各機構を示すために、点線を用いずに最終溝を示している。程度に差はあるが、ダイヤモンドチップは、溝を作製する際に用いるダイヤモンドチップに応じて異なる深さ及び形状の溝を作製することができる。
【0058】
図12は、工具シャンクに固定してから、切削工具組立体で用いることができるダイヤモンド106の斜視図である。ダイヤモンド106は、上述したように、ダイヤモンドチップ14、18、30又は34のいずれかに対応させてよい。図12に示すように、ダイヤモンド106は、少なくとも3つの表面(S1〜S3)によって定められている切削チップ108を有してもよい。表面S1、S2及びS3はグラインディング又はラッピング技術により作製してよく、集束イオンビームミリング技術によって行ってもよい。
【0059】
図13〜20は、本発明の様々な実施形態によるマルチダイヤモンド切削工具組立体を示す追加の平面図である。図13、15、17及び19は、プランジ切削、ねじ切り、スクライビング又はルーリング用に構成されている組立体を示している一方、図14、16、18及び20はフライカット用に構成されている組立体を示している。図13〜20の実施形態によって評価されているように、当該工具シャンクのダイヤモンドのチップは、幅広い形状及び寸法のうちのいずれかを備えるように形成させてよい。
【0060】
例えば、図13及び14に示されているように、工具シャンク110、114、120及び124のダイヤモンドチップ112、116、122及び126は、実質的に矩形の形状を形成させてよい。チップ112と122とはD1の深さまで溝を切削し、チップ116と126とはそれぞれ、続けてD2の深さまで溝を深める。図15及び16に示すように、工具シャンク150、154、160及び164のダイヤモンドチップ152、156、162及び166は、複雑な溝又は複数の機構を備えている溝を作製するために異なるチップ形状を形成させている。チップ152と162とは深さD1の正方形溝を作製し、チップ156と166とは続いて深さD2の溝に逆円錐形状のサブ機構を作製する。上述のように、サブ機構の深さD2は、深さD1と等しいかD1未満にしてよい。他の形状によって、複数の機構を備えている溝を作製してもよい。例えば、チップ156と166とでは、最初の正方形溝の1つの側面にサブ機構を作製するために、1つの側面に鈍角を持たせてよい。
【0061】
図17及び18に示すように、工具シャンク170と174(図17)、及び180と184(図18)の異なるダイヤモンドチップ172、176、182及び186は、異なる形状及び寸法を形成させてよい。換言すれば、第1の工具シャンク170と180とによって形成される第1のダイヤモンドチップ172と182とのそれぞれの形状は、第2の工具シャンク174と184とによって形成される第2のダイヤモンドチップ176と186とのそれぞれと実質的に異なってよい。このような構成は、光学フィルムの作製において特に有用だろう。このケースでは、微細複製工具で得られる、複数の機構を備えている溝は、光学フィルムで作製される複雑な機構を有する光学特性を形成できる。様々な他の形状を呈する追加のダイヤモンドによって、同様の効果が加わるだろう。例えば、第1のダイヤモンドチップは、微細複製工具の所望の溝を仕上げるサブ機構を作製するために、第2のダイヤモンドチップが進入できるようにする溝を切削してもよい。チップ172と182とは、斜めの側壁を備えている溝を切削し、チップ176と186とは、斜めの側壁の中に段差のサブ機構を切削する。
【0062】
図19及び図20は、マルチダイヤモンドフライカットローターの概念斜視図である。図19の例では、フライカットシステム190には、微細複製工具を作製するための機械装置が備わっている。底部206は、移動ステージ198、モーター192及びフライカットローター200を支持する。工具シャンク202には、微細複製工具を切削するためのダイヤモンドチップが備わっている。顕微鏡194には、工具シャンク202を正確に取付け、ローター200に加えられる別の工具シャンクと正確に整列させるための対物レンズが備わっている。ローター200は、ローターの中心を通る軸を中心に回転する。
【0063】
ローター200及び軸204の中心は、ローター200に取付けらていれる位置決め球体(図示なし)によって底部206に対して保持されている。位置決め球体は、ローター200に取付けられている工具シャンクの切削を操作するために、ユーザーが底部204上の軸204の位置決めを定められるようにする。顕微鏡を調節せずに、工具シャンクをゆっくりと顕微鏡の視野内に移動させることで、ローター200上で精密な回転調節が実現する。ゴニオメーターステージを用いて、各工具シャンクをローター200に対して正確な角度位置まで回転させる。加えて、ローター200に各工具シャンクを正確に位置決めするために、1つのX−Y平面において、2つの自由度を有する各工具シャンクを移動させるために精密屈曲ステージを実施させてよい。このプロセスは、移動ステージ198の移動なしに、各工具シャンク202をローターに位置決めできるようにするだろう。
【0064】
位置決めが完了すると、顕微鏡194はローター200の順路から取り外してよい。一部の実施形態では、工具シャンク202はローター200に直交するか、又は軸204に平行であるように取付けてよい。各工具シャンクは、接着剤、止めねじ、又は他の固定方法でローター200に取付けてよい。平面上の各工具シャンクを保持するために、安全ピン(図20に示されている)を搭載してもよい。
【0065】
所望の数の工具シャンクをローター200に取付けたら、高速で回転するローターのバランスをとるために、さらに粗調整及び微調整釣合い重りをローターに追加してよい。6個未満の工具シャンクが必要な際は、工具シャンク202の代わりにダミーの重りを搭載してよい。ダミーの重りは、精密なバランス調整も提供するだろう。続いて、微細複製工具を作製するために、ローターを適切に位置決めしてよい。工具シャンク202には、本明細書に記載の任意のダイヤモンドシャンク又はマルチダイヤモンドチップを搭載してよい。
【0066】
図20に示すように、ローター200には6個の工具シャンクカートリッジ206が備わっている。ローター200は、切削工具組立体10と概念的に同様である。各工具シャンクカートリッジには、工具シャンク208、ダイヤモンドチップ210、後側支持体212、前側支持体214、及び安全ピン216が備わっている。ねじ218は、ローター200をモーター192に取付ける(図19)。
【0067】
後側支持体212と前側支持体214とは、ねじによって所定の場所に保持されているが、いかなる固定デバイスであっても適合できる。安全ピン216は、作動中にローター200の工具シャンク208への固定を維持させる目的で、工具シャンク208の凹部内にある。後側支持体212は、切削中に屈曲する工具シャンク208を支持するために、工具シャンク208のより大きい領域と接触することが示されている。ダイヤモンドチップ210は、ローターの他の全てのダイヤモンドチップと同じに見えるが、各ダイヤモンドの形状は異なっていてよい。加えて、ローター200の中心からのダイヤモンドチップの高さは、微細複製工具上の溝に異なる機構を切削する目的で、異なっていてよい。
【0068】
別の実施形態では、図20に記載されているように、ローター200には、1つのみのマルチチップダイヤモンド又は6個超の整列しているダイヤモンドチップが備わっている。ローター200は、微細複製工具を作製するために、必要に応じて、より多くの又はより少ない工具シャンクカートリッジを保持可能である。あるいは、ローター200は、工具シャンクを備えている各箇所を埋めることなく使用してよい。この場合、空のカートリッジを用いて、ローター200のバランスを取ってよい。奇数又は偶数の工具シャンク数の任意の組み合わせを使用してよい。一部の実施形態では、ある工具シャンクに、1つのダイヤモンドチップを搭載してよい一方で、同じローター上の他の工具シャンクにマルチチップダイヤモンドを搭載してよい。バランスの取れたローター回転をもたらすために、釣合い重りねじをローター200に追加するか、ローター200から取り除くかしてよい。
【0069】
ローター200は、様々な材料から構成させてよい。材料は、高剛性及び高疲労抵抗のものにできるようにすべきである。このような材料としては、アルミニウム、鋼、ステンレス鋼、チタン、又はローター200が記載するような機能を果たすことが可能であり得る任意の合金が挙げられるが、これらに限らない。代替的な実施形態では、高密度プラスチック又は合成物もローター200の構造内に用いてよい。工具シャンク208、後側支持体212及び前側支持体214のようなローター200で用いられる構成要素も、ローター200と同様の材料で構成させてよい。
【0070】
図21は、フライカット工具220の代替的な実施形態の平面図である。図1の切削工具組立体10と同様に、図21の切削工具組立体220には、例えば、工具シャンク222と226とのそれぞれのダイヤモンドチップ224と228のようなダイヤモンドチップが少なくとも2つ備わっている。工具シャンク222と226とは、軸232に対して平行か、又は取付け表面230に対して直交するように取付けられている。加えて、ダイヤモンドチップ224と228とは、各ダイヤモンドチップが軸232の回転と共に同じ放射状経路に続くように放射状に整列している。得られた深溝又は複数の機構を備えている溝は、微細複製工具中で環状であってよい。
【0071】
ダイヤモンドチップ224と228とは、深溝を作製するために異なる高さで取付けてよく、複数の機構を備えている溝を作製するために異なる形状を持たせてもよい。得られた環状溝は、任意のワークピース内に作製してよい。一部の実施形態では、各工具シャンク222と226とは、深溝又は複数の機構を備えている溝を作製するために、ダイヤモンド内に2つ以上のチップを形成させてよい。フライカット工具220には、本明細書に記載されている任意の他の機構を搭載してよい。
【0072】
多くの実施形態を説明してきた。例えば、整列しているマルチダイヤモンド切削工具組立体をダイヤモンド工作機械に用いることを説明してきた。それにもかかわらず、以下の請求項の範囲から逸脱することなく様々な変更を上述の実施形態に対して行うことが可能である。例えば切削工具組立体は、例えば微細複製工具以外のワークピースのような他の型のワークピースに溝又は他の機構を切削するのに使用してよい。したがって他の実施及び実施形態は、特許請求の範囲内にある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付け構造体と、
該取付け構造体内に取付けられるとともに、1mm未満の幅を有する第1のダイヤモンドチップを形成する第1の工具シャンクと、
前記取付け構造体内に取付けられるとともに、1mm未満の幅を有する第2のダイヤモンドチップを形成する第2の工具シャンクと、
を備える切削工具組立体であって、
前記第1及び第2のダイヤモンドチップが、10マイクロメートル未満の許容誤差内で切削工具組立体の切削方向に整列されるように、前記第1及び第2の工具シャンクが、取付け構造体内で位置決めされている切削工具組立体。
【請求項2】
前記第1のダイヤモンドチップが、ワークピース中に深さD1の溝を作製し、前記第2のダイヤモンドが、深さD2のより深い溝を作製する請求項1に記載の切削工具組立体。
【請求項3】
前記第1のダイヤモンドチップが、ワークピース中に深さD1の溝を作製し、前記第2のダイヤモンドが、深さD2の溝内にサブ機構を作製する請求項1に記載の切削工具組立体。
【請求項4】
前記深さD2が、深さD1未満であるか、深さD1と等しい請求項3に記載の切削工具組立体。
【請求項5】
前記第1のダイヤモンドチップ及び前記第2のダイヤモンドチップのうちの少なくとも1つが、100マイクロメートル未満の幅を有する請求項1に記載の切削工具組立体。
【請求項6】
前記第1のダイヤモンドチップの切削幅に対する前記第1のダイヤモンドチップの切削高さのアスペクト比が、1対1を超える請求項1に記載の切削工具組立体。
【請求項7】
前記切削工具組立体が、前記第1及び第2のダイヤモンドチップの切削方向に対して垂直な軸を中心に回転するように構成されたフライカット組立体である請求項1に記載の切削工具組立体。
【請求項8】
前記第1及び第2の工具シャンクが、前記第1及び第2のダイヤモンドチップの前記切削方向に対して前記垂直な軸と平行に伸びる請求項7に記載の切削工具組立体。
【請求項9】
前記フライカット組立体が、複数のスロットを備え、該スロットが、前記第1及び第2の工具シャンクを受容する請求項7に記載の切削工具組立体。
【請求項10】
取付け構造体内に、1mm未満の幅を有する第1のダイヤモンドチップを形成する第1の工具シャンクを取付け構造体内に取付けるステップと、
前記取付け構造体内に、1mm未満の幅を有する第2のダイヤモンドチップを有する第2の工具シャンクを取付けるステップと、
前記第1及び第2のダイヤモンドチップが、10マイクロメートル未満の許容誤差内で前記第1及び第2のダイヤモンドチップの切削方向に整列されるように、前記第1及び第2の工具シャンクを前記取付け構造体内で位置合わせするステップと、
を含む方法。
【請求項11】
さらに、前記第1のダイヤモンドチップを前記取付け構造体の上方の高さH1に設置し、前記第2のダイヤモンドチップを前記取付け構造体の上方の高さH2に設置するステップを含む請求項10に記載の方法。
【請求項12】
高さH1と高さH2との差が、100マイクロメートル未満である請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のダイヤモンドチップが、ワークピース中に深さD1の溝を作製し、前記第2のダイヤモンドチップが、深さD2のより深い溝を作製する請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記第1のダイヤモンドチップが、ワークピース中に深さD1の溝を作製し、前記第2のダイヤモンドチップが、深さD2の溝内にサブ機構を作製する請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記取付け構造体が、前記第1及び第2のダイヤモンドチップの切削方向に対して垂直な軸を中心に回転するように構成されたフライカット組立体である請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記フライカット組立体の複数のスロットのうちの1つの中に、それぞれがダイヤモンドチップを形成する複数の工具シャンクをそれぞれ取付けるステップをさらに含む請求項15に記載の方法。
【請求項17】
工具顕微鏡の下で位置決めフィードバックに応じて、前記第1及び第2の工具シャンクの少なくとも1つの位置を他方に対して調節するステップをさらに含む請求項10に記載の方法。
【請求項18】
前記取付け構造体に対して前記工具シャンクを角度を有して整列させるために、ゴニオメーターを使用して前記第1及び第2の工具シャンクの少なくとも1つを回転させるステップと、
前記取付け構造体に対して前記工具シャンクを位置決めするために、精密な屈曲ステージを用いて1つの平面中で前記第1及び第2の工具シャンクの少なくとも1つを移動させるステップとをさらに含む請求項10に記載の方法。
【請求項19】
取付け構造体と、
該取付け構造体内に取付けられるとともに、1mm未満の幅を有する第1のダイヤモンドチップと、1mm未満の幅を有する前記第2のダイヤモンドチップを形成する工具シャンクと、
を備え、
前記第1及び第2のダイヤモンドチップが、前記切削工具組立体の切削方向に整列されている切削工具組立体。
【請求項20】
前記第1のダイヤモンドチップは、ワークピース中に深さD1の溝を作製し、前記第2のダイヤモンドが、深さD2の溝内にサブ機構を作製する請求項19に記載の切削工具組立体。
【請求項21】
前記第1のダイヤモンドチップ及び前記第2のダイヤモンドチップの少なくとも1つが、100マイクロメートル未満の幅を有する請求項19に記載の切削工具組立体。
【請求項22】
前記第1及び第2のダイヤモンドチップが、10マイクロメートル未満の許容誤差内で整列されている請求項19に記載の切削工具組立体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2013−63508(P2013−63508A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−269551(P2012−269551)
【出願日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【分割の表示】特願2008−536715(P2008−536715)の分割
【原出願日】平成18年10月13日(2006.10.13)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】