説明

微量成分試料採取

【解決手段】微量成分試料採取検出システムは、ハンドルバーとゲートと空気流採取器の内の2つ又はそれ以上を通して粒子を集めるように構成されている採取装置を含んでいる。ハンドルバーは、使用者がハンドルバーを握ったときに、使用者の手に隣接する位置に来るように配置されている収集孔を含んでおり、ゲートは、使用者がゲートを横切るときに、使用者の衣服に隣接する位置に来るように配置されている一連の収集孔を含んでいる。空気流採取器は、外向き通気孔と吸込み通気孔を含んでおり、両通気孔は、その間に対象物を置くことができるように配置されている。分析装置は、採取装置から集められた粒子を、爆発性物質の粒子の存在を示す特性を求めて分析するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、爆発物の様な物質を検出するための微量成分試料採取(trace sampling)に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2005年6月20日出願の米国仮特許出願第60/691,778号「簡略化した人からの爆発物微量成分試料採取」、2005年7月18日出願の同第60/700,039号「簡略化した人からの爆発物微量成分試料採取」、2005年7月27日出願の同第60/702,616号「発熱分解の検出に基づく微量爆発物成分検出器」、2005年12月29日出願の同第60/743,083号「微量爆発物成分検出のためのエネルギー物質検出器」、及び2006年3月3日出願の同第60/743,402号「微量爆発物成分検出のためのエネルギー物質検出器」に関する優先権を主張する。上記各出願を参考文献として援用する。
【0003】
爆発物の様な物質の存在を検出することを目的に、当該物質の粒子が収集され分析されている。
【0004】
【特許文献1】米国仮特許出願第60/691,778号
【特許文献2】米国仮特許出願第60/700,039号
【特許文献3】米国仮特許出願第60/702,616号
【特許文献4】米国仮特許出願第60/743,083号
【特許文献5】米国仮特許出願第60/743,402号
【非特許文献1】www.theleeco.com、LEE小型可変容積ポンプ型番LPVX0502600B及びLEE型番INKX05440AA
【非特許文献2】www.knf.com、小型KNF型式UNMP830
【発明の開示】
【0005】
1つの一般的な態様では、微量成分試料採取検出システムは、幾つかの構成要素のそれぞれを介して粒子を集めるように構成されている採取装置を含んでいる。ハンドルバーは、使用者がハンドルバーを握ったときに、使用者に隣接した位置に来るように配置されている収集孔を含んでいる。ハンドルバーは、使用者がハンドルバーを握って動かすと、使用者の手から粒子を払い落として捕捉するように構成されている。一連の収集孔を含んでいるゲートは、使用者がゲートを横切るときに、使用者の衣服に隣接した位置に来るように配置されている。ゲートは、使用者の圧力が掛かると反応して、使用者の衣服から粒子を払い落として捕捉するように構成されている。外向き通気孔と吸込み通気孔を含んでいる空気流採取器は、使用者の足の様な対象物を外向き通気孔と吸込み通気孔の間に置くことができるように配置されている。空気流は、外向き通気孔と吸込み通気孔の間で空気流を遮断する使用者の足の様な対象物から粒子を払い落として捕捉するように構成されている。収集管は、採取装置により集められた粒子を試料媒体の一部の上に堆積させるように構成されている。試料媒体を含んでいるカルーセルホイールは、集められた粒子を含んでいる試料媒体の部分が発熱分解検出器に差し出されるように、試料ホイールを回転させるように構成されている。発熱分解検出器は、集められた粒子の分解を、赤外線センサによって検出するように構成されている。
【0006】
実施例は、以下の特徴の1つ又はそれ以上を含んでいる。例えば、収集孔は先細になっており、接触する面を掻き取るように構成されている鋭利な縁を有している。
【0007】
ハンドルバーは、半径方向運動(radial motion)をするように構成されている。ハンドルバーは、皮膚の存在を検出することができるように構成されている導電率センサを含んでいる。導電率センサは、両の手がハンドルバーを握るのに使われているか否かを判定することができるように構成されている。
【0008】
更に、ゲートは、人体の部分の形状に合致するように設計されている曲線を有する形状に作られている。ゲートは、ハンドルバーが動いたときだけ弧を描いて開く。ゲートが動くと、又はゲートとハンドルバーが同時に動くと、使用者が横切る経路が提供される。ゲートとハンドルバーの何れか又は両者共に、早い動きよりも遅い動きに対しての方が、動きに対する抵抗が小さくなるようになっている。
【0009】
分析システムは、爆発性の粒子以外の粒子を検出することができるように構成されている。
【0010】
システムは、更に、収集孔と吸込み通気孔に負圧を、そして外向き通気孔では空気圧を作り出すための送風器を含んでいる。ハンドルバーとゲートの収集孔用及び吸込み通気孔用に1つの送風器が使用され、外向き通気孔用に第2の送風器が使用されている。
【0011】
別の一般的な態様では、微量成分試料採取検出システムは、ハンドルバー、ゲート及び空気流採取器の内の少なくとも2つ又はそれ以上を通して、粒子を集めるように構成されている採取装置を含んでいる。ハンドルバーは、使用者がハンドルバーを握ったときに、使用者の手に隣接する位置に来るように配置されている収集孔を含んでおり、ゲートは、使用者がゲートを横切ったときに、使用者の衣服に隣接する位置に来るように配置されている一連の収集孔を含んでいる。空気流採取器は、外向き通気孔と吸込み通気孔を含んでおり、両通気孔は、間に対象物を置くことができるように配置されている。分析装置は、採取装置から集められた粒子を、爆発性物質の存在を示す特性を求めて分析するように構成されている。
【0012】
実施例は、上で指摘した特徴の1つ又はそれ以上を含んでいる。
【0013】
別の一般的な態様では、微量成分試料採取検出は、ハンドルバー、ゲート、及び空気流採取器の内の2つ又はそれ以上を通して粒子を集める段階と、集められた粒子を、爆発性物質の粒子の存在を示す特性を求めて分析する段階を含んでいる。
【0014】
別の一般的な態様では、微量成分試料採取検出システムは、1つ又はそれ以上の収集孔を通して粒子を集めるように構成されている採取装置と、集められた粒子を試料媒体の一部の上に堆積させるように構成されている衝突式収集器を含んでいる。システムは、更に、試料媒体を含んでいるカルーセルホイールを含んでいる。カルーセルホイールは、集められた粒子を堆積させた試料媒体の部分が発熱分解検出器に差し出されるよう、試料ホイールを回転させるように構成されている。システムは、加熱された物質の分解を、赤外線センサを通して検出するように構成されている発熱分解検出器を更に含んでいる。
【0015】
実施例は、以下の特徴の1つ又はそれ以上を含んでいる。例えば、カルーセルホイールは、試料媒体を抵抗加熱するように作られている。試料媒体は、試料媒体に電流を流すことにより抵抗加熱されるように構成されている。試料媒体は、試料媒体の同一部分が衝突式収集器及び発熱分解検出器に複数回曝露されることを通して再使用されるように構成されている。発熱分解検出器は、試料媒体を抵抗加熱するように構成されている。カルーセルホイールは、オープンリール機構に置き換えてもよい。
【0016】
別の一般的な態様では、採取装置と、集められた粒子を堆積させるように構成されている衝突式収集器と、堆積させた物質の分解を検出するように構成されている発熱分解検出器を含んでいる粒子検出システムのための搬送機構は、衝突式収集器から物質の堆積物を受け取るように構成されている試料媒体を含んでいるカルーセルホイールを含んでいる。カルーセルホイールは、集められた粒子を堆積させた試料媒体の部分が発熱分解検出器に差し出されるように、試料ホイールを回転させるように構成されている。
【0017】
1つ又はそれ以上の実施例について、添付図面と以下の詳細な説明で詳しく説明する。この他の特徴及び利点は、説明、図面、及び特許請求の範囲から明らかとなるであろう。
【0018】
各図を通して、同じ符号は同じ要素を示している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
爆発物、薬物、又は他の物質を取り扱ったりそれらを使って作業をしている人々は、一般に、前記物質の微量成分残留物によって汚染される。例えば、爆弾又は爆発性物質を製造し及び/又は取り扱った後、爆発性物質が手に残り、それら粒子の一部が、その人のズボンの前ポケットや前ファスナー領域の様な、その人の衣服に移ることがある。その様な微量成分残留物は、財布、眼鏡、鍵、小銭入れ、及びドアノブの様な物品に移ることもあり、そうなると、それらを洗っても、その人が服を着替えても、手が再度汚染されることになる。
【0020】
ボタン若しくはチケットを押す様な試料収集法、又は雰囲気試験を妨害するために、汚染された人は、安全点検地点に進入する直前に手を洗うなどの予防措置を講じるかもしれない。粒子を放出させるために剪断力を加えながら、個人の身体の複数の場所から物質の試料採取を行えば、その様な検出の試みを妨害するのは一層難しくなる。
【0021】
本文書に説明されている試料採取技法は、様々な状況及び場所で効果を発揮する。例えば、この試料採取技法は、列車及び航空機の乗客に採用されることができるのみならず、爆発物や他の物質が輸送されるのを防止する必要があるか、誰かが爆発物や他の物質を取り扱ったか否かを判定する必要がある他の場所に採用されることができる。微量成分試料採取技術は、多くの両極端の温度による制限を受けず、屋内屋外を問わず広範な作業環境に設置することができる。
【0022】
以下の議論では、爆発物の検出に着目しているが、他の粒子を検出することもできる。具体的には、下に論じているシステムと方法は、有害化学物質、違法薬物、化学及び/又は生物兵器、又は微量成分粒子を残す可能性のある他の物質を、集め、回収し、検出するために使用されることができる。また、以下の議論は、人に着目しているが、下で説明する技法の多くは、最小限の調整を加えれば他の物体を検出するのにも使用できる。例えば、コンベヤベルト上の手荷物であれば、試料採取器に簡単な変更を加えることで、同様の回転式ゲートシステムを通して送ることができるであろう。
【0023】
図1Aから図1Cを参照すると、収集装置100は、爆発物微量成分試料採取及び検出回転式ゲートシステムの物質収集機構を含むことができる。収集装置100は、柱脚105及び106、入口107、出口109、手部試料採取器110、胴部又は腰部試料採取器120、及び靴周り試料採取器130を含んでおり、それぞれ身体の対応している領域に着目した試料採取技法が採用されている。
【0024】
装置100では、乗客は、柱脚105と106によって画定されている通路を横切る。この通路は、入口107、各試料採取器110〜130を含んでいる通り抜け空間、及び出口109を含んでいる。各種実施例において、入口107又は出口109は、手部及び胴部試料採取器110と120の動きによって出現する。試料採取器110〜130は、それぞれ、爆発性粒子の様な物質を分析するために吸い込む収集孔を含んでいる。試料採取器110〜130は、それぞれ、更に、集められる粒子の個数が増加するように設計されている関係付けられた運動又は動作を含んでいる。十分な圧力と剪断力が加えられると、爆発性粒子が、手、胴、又は靴の領域から抽出される。具体的には、手部及び胴部試料採取器110と120は、接触を通して物質の試料を払い落として集めており、靴周り試料採取器は、ズボン、裾の折り返し、及び靴から粒子を払い落として、それら粒子を靴周り試料採取器130の中に押し流すために指向性空気流を採用している。
【0025】
収集装置100は、図1Aから図1Cに示すように、コンパクトな通り抜け回転式ゲートに一体化されることができる。乗客が回転式ゲートを通り抜ける際に、収集装置100は、乗客の手、胴、及び足を、微量成分爆発物を求めて自動的に検査する。
【0026】
図示の実施例では、乗客は、手部試料採取器110を押し下げ、胴部試料採取130を含んでいる回転式ゲートの係止を解除する。乗客が手部試料採取器110のグリップ115を握ると、管117の内部の吸引によって乗客の手に付いている粒子が落とされ、それら粒子は、手部試料採取器110のグリップ115の収集孔を通して吸い込まれる。一実施例では、手部試料採取器110は、2つの運動で動く。具体的には、第1の運動では、ハンドルバーは、グリップ115の表面域を押し下げている手(両手)の表面域に対して回転させるため、図示の位置から垂直方向下向きに円周の30〜90°だけ旋回することができる。第2の運動では、ハンドル試料採取器110は、図示の位置から水平方向に円周の60〜90°だけ旋回することができる。第1及び第2の運動は、同時に起こっても別々に起こってもよい。
【0027】
乗客が回転式ゲートを通って移動する際、胴部試料採取器120が、乗客の腰部/胴部域にブラシを掛け、管125の内部の吸引によって乗客の腰部から粒子が落とされ、それら粒子は、腰部試料採取器125の収集孔127を通して吸い込まれる。一実施例では、胴部試料採取器120は、手部試料採取器110と同じように、図示の位置から水平方向外向きに円周の60〜90°だけ旋回する。手部及び胴部試料採取器120の動きの組み合わせで、入口107が出現し、乗客が収集装置100を横断できるようになる。
【0028】
乗客が手部及び/又は胴部試料採取器110と120を通過及び/又は横断する間に、靴周り試料採取器130は、空気流を吐出口134(図1Bに図示)から吸気口135へと向かわせる。具体的には、空気の流れは乗客の靴/ズボンの裾の折り返しの領域に向けて動き、粒子を払い落として、払い落とされた粒子は、吸気口135を通って靴周り試料採取器130の中に吸い込まれる。手部試料採取器110と胴部試料採取器120は、共に係止閉鎖されており、或る特定の条件が満たされた場合にのみ係止解除されることができる。一実施例では、吐出口134は、右側の柱脚106に在り、一方、吸気口135は、左側の柱脚105に在る。試料採取器110〜130からの空気流は、「Y字型」接続部によって柱脚105の内部で合流し、3つの試料採取器110〜130が、図3に関して説明しているように、試料媒体上で同時に衝突することができるようにしている。
【0029】
収集装置100は、乗客の存在を検出するために、回転式ゲートへの入口の直ぐ前の床に圧力スイッチを含むか、入口に近接センサを含むことができる。存在が検出されると、システムの構成要素が制御され、例えば、送風器の状態又は手部及び胴部試料採取器110と120の係止又は係止解除の状態が制御されることができる。
【0030】
システムの構成要素は、限定するわけではないが、アルミニウム、鋼、ガラス、プラスチック、又は複合材料の様な様々な材料を使用して構築することができる。アルミニウム又は鋼の様な金属は、収集装置100に密に近接していると、標準的な通り抜け検出器の作動に干渉することもある。その様な干渉を避けるには、複合材料又はプラスチック材料を使用することができる。
【0031】
一実施形態では、目標試料採取率は、時間当たりのシステムを通過する乗客数約360人であり、これは毎分乗客6人に相当する。この率は3大因子で決まる。1つの因子は、乗客が回転式ゲートを通過するのに掛かる時間である。
【0032】
第2の因子は、分析時間であるが、これには、試料を分析器に搬送するのに要する時間、物質の分析に要する時間、及び分析器により生成されたデータを使って結果を算出するのに要する時間が含まれる。実施例の中には、分析機能が、例えば、第2試料が収集され分析器に搬送されている間に第1試料が分析されるという、パイプライン方式で作動するものもある。
【0033】
最後の制御因子は、振り付け法(choreography)の一種である。例えば、回転式ゲートが、5秒毎に乗客を受け入れることができるのであれば、効率を最大限にするためには、乗客はその時間範囲内で回転式ゲートの中に入っている必要がある。
【0034】
具体的には図1B及び図1Cに示すように、収集装置100の内部構成要素には、負圧モードで作動する送風器155、複数域微量成分粒子試料採取及び搬送機構160、収集システム165、検出ユニット又は検出器170、格納式車輪180、コンピュータシステム185、電源装置190、カルーセルホイール195、及び検出ユニット197が含まれている。収集装置100の他の実施例は、例えば、搭乗券読取器、無線リンクユニット、又は空港安全ネットワークに対するTCP/IPインターフェースを含むシステム制御装置の様な他の構成要素を含むことができる。
【0035】
送風器155は、試料採取器110〜130を作動させるのに必要な負圧を提供しており、収集装置100の作動中は継続的にオンにされていてもよいし、或いは、操作者が作動させたとき、又は乗客センサが乗客が回転式ゲートに近づくか進入したことを感知したときに送風器がオンになる「待機」モードを含んでいてもよい。送風器155の具体的な型式は、要求出力、電力消費、又はノイズレベルの様な所望のパラメータに基づいて選択されることができる。送風器155は、例えば、Gast Regenair型番R3105-12の様な高品質再生式送風器である。一実施例では、靴周り試料採取器130のための空気流を生成するのに第2の送風器が使用されている。
【0036】
多領域微量成分粒子試料採取及び搬送機構160は、微量成分爆発性粒子を、配管を通して、且つ配管の内部壁に対する多大な損失無く、収集システム165まで効率的に搬送できるようになっている。爆発物の小粒子は、爆発物の結晶がしばしばオイル、ワックス又はポリマーに覆われているため、異常に「くっつきやすい」ことが知られている。粒子がくっつくのを防止する(又は、少なくともくっつく粒子の数を減らす)1つのやり方は、内部表面に到達する粒子の数を最小限にすることである。このことは、例えば、搬送配管内で適正速度(例えば、10m/s超)を維持すること、緩い曲がり半径(例えば、管の直径の8倍超)を使用すること、及び負圧効果を生み出すことができる大きさに作られている吸込み孔を有すること、の様な設計パラメータによって達成することができる。加えて、内側表面は、滑らかで、急な移行部の無いものでなければならない。上記パラメータを採用した一実施例では、大きさが5乃至300ミクロンの範囲にある粒子が、レイノルズ数10,000から50,000の流れの中に、100%近い輸送効率で同伴されることができる。
【0037】
収集システム165は、物質が検出器170で分析できるように、搬送された物質の粒子を集めるのに使用されている。カルーセルホイール(carousel wheel)又はオープンリールリボンシステムの様な、複数の試料媒体収集ステーション又は部分を有する各種収集器システム165が使用されることができる。収集システム165では、物質は試料媒体上に集められ、それが検出器170に差し出されて分析される。集めている間、収集システム165は、収集物質に対して密封することができる。
【0038】
一実施例は、試料媒体の所与のステーション又は部分が汚染されていると判断された場合、当該ステーション又は部分が当該試料媒体の洗浄又は交換まで抜かされるように、試料媒体の位置決めを制御する汚染制御ソフトウェアを採用している。実施例によっては、試料媒体は、異なる間隔(例えば、毎日又は毎月)で交換又は洗浄される必要がある。
【0039】
先に指摘したように、収集装置100は、格納式車輪180、コンピュータシステム185、及び電源装置190も含んでいる。格納式車輪180は、回転式ゲート175の移送を簡単にするために使用されている。車輪は、ねじジャッキ、カム−レバー、又は六角ボルトの様な幾つかの機構の1つを使用して持ち上げることができる(即ち、装置の壁内部に格納される)。
【0040】
コンピュータシステム185は、単一のCPU又は複数のコンピュータを含むことができる。CPUを2つ含んでいる実施例では、一方のCPUは、回転式ゲートシステム100を制御することに向けられ、第2のCPUは、データの分析に向けられている。コンピュータシステム185には、National Instruments社製の装置の様な、一体型A/D(アナログ/デジタル)及びD/A(デジタル/アナログ)変換機を有するI/O(入力/出力)デジタル制御装置の様な用途特定ボードが含まれている。使用者の入力を受け入れるために、又は点検及び保守のために、モニターとキーボードが含むことができる。一実施例では、タッチスクリーン又はキーボードの何れかを備えた小型LCD VGAモニターが、コンピュータシステム185に永久的に接続され、アクセスパネルの背後に設置されている。
【0041】
様々な供給電圧に適合できるようにするため、電源電圧は電源装置190で変換され、DC成分が送給されることができる。一実施例では、電源装置190は、110/220VAC、50/60Hzを要求される単数又は複数の出力に変換するように働く。電力故障が起こったときに進行中の採取動作又は分析があればそれを完了させることができるように、更に、電力故障が発生した際にはコンピュータシステム185を支障なく終了させることができるように、小型UPS(無停電電源装置)を含むことができる。
【0042】
収集装置100は、更に、カルーセルホイール195と検出ユニット197を含むことができる。カルーセルホイール195は、図4Aに関して説明するように、試料物質を保持するように構成されている試料媒体を含んでいる。検出ユニット197は、図4Bに関して説明するように、試料媒体上の試料物質を分析する。
【0043】
図2に示すように、代表的な手部試料採取器110は、収集孔210と孔輪郭220を含んでいる。手部試料採取器110は、図1Aから図1Cの装置100に使用することができる。手部試料採取器110では、乗客が手部試料採取器110のハンドルバーを動かすと、手(両手)の微量成分試料採取が起こる。
【0044】
手部試料採取器110には、右側と左側の区間があり、それぞれ、試料採取過程の間に手に負圧を掛ける収集孔210を含むことができる。或る特定の実施例では、2つの区間のそれぞれには、乗客が手部試料採取器を保持するのに両手を使っていること及び乗客が手袋をしていないことを判定するための導電率計も設けることができる。ハンドルバーと乗客の手の間に剪断力又は圧力を発生させるには、何らかの拭取り運動が行われるのが望ましいので、設計は、例えば、空港で手荷物カートのブレーキを外す場合に通常使用されるのと同様の運動で、乗客がハンドルバーを押し下げる必要があるという設計になっている。ハンドルバーは、弓状の経路に沿って下向きに動き、ハンドルバーが、下向きに押す手に対して回転するようにすることができる。ハンドルバーが押し下げられる機械的な運動と、皮膚を表す導電率計の示度の両方が、手部試料採取器110と胴部試料採取器120の係止を解除し、それらが回転できるようにし、その結果、乗客が収集装置100を通り抜けることができるようにするために必要であるとすることができる。
【0045】
空気及び空気中に浮遊している粒子は、回収及び分析のために、収集孔210を通して吸い込まれる。爆発性粒子は粗い表面(例えば、皮膚又は衣服)に入り込んでいるかもしれないので、手部試料採取器110は、払い落とされた試料物質を吸い込むのと同時に、押圧力及び剪断力を乗客の手に働かせるように設計することができる。孔輪郭220は、確実に、適切な圧力又は剪断力が、収集孔210の周りに局所的に生成されるような形状に作られている。一実施例では、孔の輪郭220は、有効収集面積が収集孔の直径よりも大きくなるように、フレア形状又は「V字型」の形状になっている。孔輪郭220又は収集孔210の縁は、鋭いか、険しいか、或いは掻き取り運動がやり易くなる他の形状とすることができる。全3つの試料採取器110〜130に当てはまるが、手部試料採取器110の収集孔210の個数は、設計要件であって、所望の特性によって変化することができる。具体的には、収集孔210は多いか又は大きいほど、分析のために集められる物質の量は増えるが、一方で、送風器の大きさ及び電力要求量も増大する。
【0046】
粒子は、払い落とされると、システムに吸い込まれる。ゲートの手動開放機構は、確実に指先が触れるように設計されており、ハンドバーに掛かる下向きの圧力によって、試料採取条件が最適化される。随意的ではあるが、ハンドバー上方の防護パネルは、図1Cに示すUV滅菌器172を収納しており、更に、確実に手でしかバーを押すことができず、肘や手に持った物品ではバーが押されないようにする役目を果たしている。
【0047】
1つの特定の実施例は、手部試料採取器110の内部に少なくとも10m/sの気体線速度が生まれるように、内径6mmの孔を手部試料採取器110の端に含んでいる。試料採取区間には、手毎に流れの方向に対して45°の角度で傾斜している収集孔210がある。実施例にもよるが、グリップは片方又は両方の手で操作される。各収集孔210は、頂点が幅約1cm、長さ約1cmのV字型孔輪郭220である。各孔は、内径が約1.5mm、速度は孔で105乃至110m/sであり、管内の線速度は10乃至15m/秒である。管内の流れは、レイノルズ数15,000乃至22,000の乱流である。
【0048】
腰部/ポケット領域の微量成分試料採取は、乗客が身体で胴部試料採取器120を押して開く際に起こる。胴部試料採取器120は、動き又は手部試料採取器110の導電率示度が係止解除の引き金を引くまで係止することができる。図示のように、胴部試料採取器120は、楕円形状の採取管と平坦な表面を含んでいる。胴部試料採取器120の他の実施例は、異なる形状を採用することができる。例えば、採取管は「U字型」であり、表面は湾曲しているか或いは身体の形状に合致するように付形されることができる。胴部試料採取器は、手部試料採取器110の収集孔210と同じ又は同様の一連の収集孔を含むことができる。胴部試料採取器120は、剪断力を加えながら衣服の表面に密着させて負圧を掛ける方法を使用している。これは、乗客が自身をスイング式管状ドアに押し付けることにより実現され、ドアの垂直方向の管区間は、胴中間部と両腿の間の領域から試料採取できるよう、身体と密に接触するように設計されている。
【0049】
手部試料採取器110と同じように、収集孔210の経路内に入った粒子は、リップ部の縁の剪断力と掛けられる圧力によって機械的に払い落とされ、収集孔に吸い込まれることになる。乗客が動いてゲートを通り越す際、管の垂直部分が身体の中心から側面へと全胴部表面積の約25%に亘って胴部を擦る。
【0050】
1つの特定の実施例では、胴部試料採取器110の垂直区間は、長さが50cmで、18個の収集孔を備えている。各収集孔210は、直径が1.5mmで、1cmの間隔で配置され、各V字部には0.2cmの丸いリップ部が形成されている。各口部は、頂点が、幅1cm、長さ1cmのV字型の窪みである。流れの速度は、各口部で、59乃至110m/秒である。これは、より大きな粒子又は毛髪を同伴することなく、5乃至200ミクロンの粒径範囲内の粒子を同伴するのに十分である。管内部の線速度は10乃至28m/秒である。手部試料採取器と同じように、直径1インチの管内部の流れは、レイノルズ数が14,000乃至41,00の範囲の乱流である。
【0051】
手部及び胴部試料採取器110と120は、共に、乗客に約数ポンドの抵抗を加えるためにばね負荷が掛けられることができる。乗客が試料採取器110〜130をあまりに速く通り越してしまうと、十分な量の試料が収集されなくなる。随意的に、速度に伴って指数関数的に増加する抵抗システムを設計することによって、乗客の速度を遅くしてもよい。具体的には、低速運動では抵抗を小さくし、高速運動では抵抗を大きくするために、油圧又は空気圧システムを含んでいてもよい。また、胴部試料採取器120は、ゲートを押すのに乗客の手ではなく乗客の胴部が使用されるようにするために、何れの速度においても手部試料採取器110に比べ著しく大きな抵抗を含んでいてもよい。
靴周り試料採取器130では、靴及びズボンの裾の折り返しの微量成分試料採取は、乗客が回転式ゲートの入口に立ってゲートを通過し始める際に起こる。試料採取は、回転式ゲートの通路の一方の側の1つ又は複数の孔(例えば、吐出口134)から噴き出され、回転式ゲートの通路の他方の側の1つ又は複数の孔(例えば、吸気口135)を通して吸い込まれる空気流から粒子を集めることにより実施される。一実施例では、乗客が回転式ゲートを歩いて通り抜ける際に、靴、ブーツ、ズボンの裾の折り返しから粒子を払い落とすのに、幅1cm高さ15cm未満、流量毎秒4リットル(l/s)の空気ナイフが使用されている。空気ナイフは、「一吹き」ベースの噴出しシステムに比べ、集塵能力が継続的であり、乗客に取りこぼし領域が発生する余地が少ない点で勝っている。粒子は空気の中に引き込まれ、その後、直径6mmの4つの試料採取口によって、流量6.5l/sで負圧配管に吸い込まれる。回転式ゲートの下側側壁を先細にすることで、空気ナイフと靴/ズボンの裾の折り曲げ部分の間の距離、及び試料採取引き入れ口までの距離を最小限にしている。吸気噴流及び吸気口は、粒子収集効率を最大化するように配置されている。
【0052】
乗客が収集装置100を完全に通過してしまうと、手部試料採取器110と胴部試料採取器120は、元の始動位置に戻る。上記2つの構成要素が乱暴に閉ることの無いようにするために、減衰用のばね負荷が含まれている。試料採取が完了した後、収集装置100は試料を分析し、結果を「疑い無し」又は「警報」の何れかとして操作者に提示する。
【0053】
これまでの説明は、手部試料採取器110、腰部/胴部試料採取器120、及び靴周り試料採取器130を含んでいる検出システム100の代表的な実施例である。他の実施例は、性能が制限されるような孔の閉塞を検知して、その様な閉塞が検知されると同時に洗浄サイクルを自動的に促す圧力センサの様な異なる機構を含むことができる。また、乗客がよじ登ったり、腹ばいで進んだり、或いは試料採取器を避ける動作をしたことを検出するために、センサ(例えば、光学センサ)を採用してもよい。また、乗客全員、又は或る特定の物質について結果が陽性と出た乗客に限定して、写真を撮るカメラを含めてもよい。
【0054】
図3に示すように、衝突式収集器300は、3つの試料採取器の空気流を組み合わせて1つの空気流とし、そこから粒子が試料媒体320上に収集される。臨界流が存在しており、粒子が気流から逸れて配管の壁に当たるのを避けている。粒子が試料の流れから逸れるということの含意の1つは、偽陰性の原因となる試料の損失である。もう1つの含意は、持ち越しである。具体的には、粒子が試料の流れから逸れると、後続の試料内に出現して偽陽性の原因となる虞がある。その様な含意のために、試料採取の結果が陽性と出る度に、その後、洗浄パージサイクルが実行され、システムは追加の試料物質無しに運転される。
【0055】
衝突式収集器300では、試料管の端は、試料媒体320に密に連結されている。試料媒体は、例えば、テフロン(登録商標)、ステンレス鋼メッシュ、炭素繊維、又は不活性化されたグラスウールパッドの様な各種材料で構築されている。抵抗加熱が使用される場合は、試料媒体320は導電性を有する必要がある。放射加熱が採用される場合は、試料媒体320が導電性である必要はない。
【0056】
衝突式収集器300では、空気及び爆発性蒸気は、迂回流対収集流の比に従って分かれる。典型的な収集流は、流れ全体の0乃至10パーセントの範囲にある。しかしながら、粒子は、180°の回転310をすることはできないため、試料媒体320に衝突する。回転式ゲートの配管を清浄に保つため、収集システムの下流に弁が設置され、試料採取時以外は閉じられている。
【0057】
1つの特定の実施例では、衝突式収集器300の内側の内径は約1.5cmである。外側のリングは直径が約3cmである。試料媒体320が回転する場合、衝突式収集器300自体が、試料媒体320の邪魔にならないようにする必要がある。衝突式収集器300は、内側管を試料媒体320から約0.2〜2.0cm離して、外側リングの位置で試料媒体320の部分に対してシールする必要がある。シールを形成するために、外側管にOリングを含むことができる。幾つかの事例では、僅かな漏れは許容される。実施例次第で、衝突式収集器300を下降させてシールを形成するか、試料媒体320自体を持ち上げてシールを形成するか何れかの方法を採る。
【0058】
図4Aは、収集システム400の上面図であり、図3の衝突式収集器300と試料媒体320、及び検出ユニット430を含んでいる。収集システム400では、衝突式収集器300は、集められた物質を試料媒体320上に堆積させるのに使われている。媒体移動機構は、物質を堆積させた試料媒体320が、衝突式収集器に隣接する領域から検出ユニット430内の領域に移動するように、試料媒体を動かす。次いで、堆積している物質が、特定の物質の微量成分を求めて分析される。
【0059】
図4Bは、収集システム400の側面図であり、媒体移動機構440、加熱制御装置450、及び接触部460を含んでいる。下の説明では、抵抗及び放射加熱発熱分解(図4Bには抵抗加熱式を図示)に着目した2つの特定の実施例を述べているが、熱分解を開始させる他の方法も使用することができる。具体的には、電磁放射、レーザー、粒子に当たる暖気による熱の対流、又は粒子への熱の伝導を使用することによって粒子の温度を上昇させることで、熱分解を発生させるには十分であろう。
【0060】
使用される特定の収集システム400は、保守活動の所望の間隔、保守の容易さ、又は費用の様な因子に基づくものとすることができる。図4は、再使用可能な個別の試料媒体320を備えたカルーセルホイール410が関与する実施例を示している。一回限り又は再使用可能な試料媒体320を備えた「オープンリール」システムの様な他の実施例も使用できる。その様なオープンリール機構は、符号400のカルーセル機構に比べ、構築により多くの費用が掛かり、(例えば、磨耗した試料媒体320を交換することによる)保守がより難しい。オープンリール機構は、より多くの試料媒体を保持できるため、交換の間隔はカルーセル方式の実施例よりも長くなるはずである。
【0061】
カルーセルホイール410を有する図示の実施例では、試料媒体320はカルーセルホイール410の中にあって、一連の個別の収集域又は連続する収集域の何れかを含んでいる。一連の段階で、収集システム400は、収集された物質を試料媒体320の或る区域上に集め、次いで検出ユニット430を回転させて、堆積した物質が検出ユニットによって分析され、物質の粒子の存在が検出されるようにしている。
【0062】
カルーセルホイールを採用している様々な実施例によれば、第1ステーションは、衝突式収集器300であり、これがカルーセルホイール410をシールしている。「ステーション」という用語は、カルーセルホイール410の特定の場所又は回転度を指す。ステーションの位置は、カルーセルホイール410の角度位置における、円周に沿った孔の位置によって決定することができる。粒子を衝突式収集器300で試料媒体320の或る区域に堆積させた後、カルーセルホイール410は、検出ユニット430である第2ステーションへと回転する。検出ユニット430の特性は、採用される検出ユニットによって異なる。検出ユニットが熱脱離装置である場合、検出ユニットは、気化する採取物質を上から覆ってクランプする。
【0063】
選定される実際の検出ユニットは、複雑性、費用、又は感度の様な所望の特性によって異なるものとすることができる。イオン移動度検出器(IMS)、化学発光検出器と連結されたガスクロマトグラフィ(GC−CL)、熱離脱装置、抵抗加熱発熱分解検出器、又は放射加熱発熱分解検出器の様な各種検出ユニットを採用することができる。
【0064】
媒体移動機構440は、試料媒体320を回転させるために採用されており、上で論じた実施例では、カルーセルホイール410が採用されている。高精度の位置決めをするため、ステッピングモーターが採用される。ステッピングモーターは高価であり、制御に専用の電子機器が必要であるため、代わりに使用できるより単純なものとして、一方向又は双方向DCモーターがある。媒体移動機構440の位置を判定し制御するのに、LED光学センサが使用される。カルーセルホイール410の保守は、試料媒体の定期交換の間隔を、例えば、1ヶ月に延長するために、自動ディスクローディング・アンローディングステーションを介して行われる。
【0065】
抵抗加熱発熱分解検出器(下で論じる)を含んでいる一実施例では、試料媒体320の面積は3cm2で、試料媒体320の互いに反対側の端に2つの接触部460が設置されている。接触部460は、例えば、隆起した金属突起(例えば、バッテリーの接点の様なもの)、ロッド、又はプレートの様な様々な形状に作ることができる。接続を完璧にするために、ばね負荷接触部を使用してもよい。試料媒体320は、上側半部と下側半部で設計されている。或る組み立て法では、2つの半部を分離し、試料媒体320を下半部に設置し、上半部を試料媒体320の上に取り付け、サンドイッチを形成している。一実施例では、試料媒体320の各部分は、接触点460の一方が、単一の共通接続点(図示せず)に繋がれている電極の形態をしており、他方の接触部460は、(図4Bに示すような)固有の接続部である。この様な実施例では、共通接続点は常に電源装置に接続されており、一方の固有の接続部だけが、或る部分だけを抵抗加熱することができるようにするときに接続される。試料媒体は、光学センサ(又は、カルーセルホイール410の実施例に関して上で説明したLEDセンサ)用の孔を含んでいる。
【0066】
オイルの様な残留物質は、以後の測定で対象物を汚染し又は隠し、或いは再使用可能な試料媒体320の寿命を短縮するかもしれない。試料媒体320を、エネルギー物質の分解の引き金を引くのに必要な温度よりも高い温度まで加熱することにより、その様な残留物質は燃焼し取り除くことができる。随意的に、残留している粒子を熱分解させるため、第2ステーション又は別の第3ステーションで、300℃を越える高温で燃焼し尽くしてもよい。第3ステーションで燃焼し尽くすのは、熱気化を伴うIMS又はGC−CLシステムの様な抵抗又は放射加熱を採用していない実施例で特に有用である。
【0067】
一実施例では、試料媒体320のリアルタイムの温度が高温計で測定され、この測定値はフィードバックループの一部であり、これによって温度を能動的に制御できるようになっている。高温計は、検出ユニット430又は加熱制御装置450に含まれるものとすることができる。加熱中に試料媒体320は僅かに膨張する。歪を防止するために、試料媒体320には僅かに張力が掛かるように設計されている。
【0068】
爆発物の微量成分量を検出するのは、困難を伴う作業であり、しばしば、微量の爆発物に対する感度が悪くスループットが下がるという問題に悩まされる。上記問題は、爆発物の熱分解と関係付けられた高速運動学及び熱力学に頼ることにより解決できる。殆どの分子は、加熱されると雰囲気中の酸素を奪って吸熱分解するが、爆発性化合物は発熱分解して、熱を環境に放出する。放出された熱は、分解している爆発物を取り囲んでいる粒子に瞬時に伝達され、その結果、局所的に温度が上昇するので、爆発性化合物の測定可能な表示となる。
【0069】
特に、爆発性化合物は、嫌気的に熱せられると発熱的に(熱を周囲に放出して)分解する。爆発物の質量が十分に大きければ、温度は上昇し、それによって反応速度が一層加速され、更に多くの熱が放出され、極まって暴走的な熱爆発が起こる結果となる。半臨界質量では、熱が周囲に奪わてしまうため、物質は爆発する前に使い尽くされる。とはいえ、上記半臨界の場合であっても、温度は、減衰して雰囲気温度に戻る前に、その周囲よりも高い温度に上昇する。
【0070】
抵抗加熱発熱分解検出器は、エネルギー物質に特有の熱力学特性である、発熱分解中に放出される熱エネルギーを感知する。この特徴は、ニトロ有機物及びニトロ塩、過酸化物、過塩素酸塩、及び黒色火薬のみならず、まだ知られていない組成の自作爆発物を含む爆発物の検出を可能にする。
【0071】
分解中の少量の爆発物から放出される熱は、この過程から生じる熱の特徴を検出するためのIR検出アレイを使用することによって検出することができる。カメラは、波長3乃至5ミクロンの中波赤外線(MWIR)又は波長8乃至12ミクロンの長波赤外線(LWIR)の領域の熱を検出して、爆発性粒子を取り巻く環境の温度を観測するように構成されている。MWIR領域の検出を採用している熱撮像カメラは、解像度とコントラストに優れていることから有用であり、一方、LWIR領域で検出を行うものは、僅かな温度変動に対する高い感度を提供し、雰囲気条件による影響を受けにくい(例えば、LWIR放射は霧及び煙を通り抜けて伝わることができる)。
【0072】
微量成分爆発分解では、生来的に小さい粒径が検出過程を複雑にする。嫌気性熱分解途中の爆発性化合物では、放出される熱は、爆発物の種類、その質量、加熱速度、及び熱損失率によっても異なるが、200℃の環境での5乃至500ミリ秒の時間枠内における約100℃の温度上昇に匹敵すると予想される。場合によっては、時間枠は5乃至30ミリ秒の場合もある。殆どのMWIR/IWIRカメラは0.05℃近い感度を有することから、爆発物の分解により発生した発熱エネルギーの全てが、IR検出アレイの1瞬間視野(IFOV)を占めれば、これは容易に検出されるであろう。しかしながら、この熱を放出する爆発性粒子の微量成分量は数ナノグラム程度の重さしかなく、それらの放出するエネルギーは、直径で0.1乃至0.01ミリメートルの領域を占めるに過ぎない。典型的なカメラレンズのピクセル当たりIFOVは、近接範囲(ソースから約1フィート離れて)で直径が約2ミリメートルであるため、微量成分爆発物から放出されるエネルギーはIFOV域内では検出不能である。この場合、温度上昇はIFOV全体に亘って希釈され、ナノグラム規模の粒子では0.003℃程度の僅かな温度上昇として現われる。
【0073】
局所的な熱の特徴を検出するために、IR検出アレイは、高速極微小反応を記録することができるように適切に構成されている。上記制約のために、カメラは、画素当たり直径で50乃至150ミクロン範囲未満のIFOVを実現することができるマクロ(クローズアップ)レンズを有している。また、カメラの解像度は、各個別熱検出器として機能し、エネルギー粒子検出の感度を高める役目を果たす複数の個別の画素を提供するに十分である。例えば、熱撮像カメラの解像度を倍増すると、本方法の下検出限界が4倍から8倍の率で下がる。0.05℃の感度を有するカメラを使用すると、微量成分爆発分解は、信号対ノイズが100から200の間の何処かで(信号対ノイズ比40が人間の目の映像閾値である)容易に検出されることができるであろう。最後の技術的課題は、熱分解過程の速度により生じる。フレームの間のカメラ積算時間が、エネルギー放出に比較して長い場合は、エネルギーは時間平均され、カメラに捕らえられない。例えば、反応が5乃至10ミリ秒で、撮像速度60Hz(16ms)を使用した場合、エネルギー粒子から放出されたエネルギーで観測されるものは、3倍未満で縮小される。この結果、信号対ノイズ比は、40から80の範囲内の何処かになる。
【0074】
一実施例では、IR検出器アレイは、7.5から14ミクロンの範囲の感度を有する長波赤外線検出器(LWIR)である。検出器は、画素を約50ミクロンまで解像するために焦点レンズを具備している。システムの再生速度は60Hzである。検出器は、画素数76,800の320x240アレイである。各画素の感度は、中度ピコグラムレベルの感度を得易くする0.05℃に規定されている。粒子質量は、粒径の3乗に反比例するので、感度はより強い焦点レンズを使用することで強化される。
【0075】
結果の分析的解釈は、個々の画素の温度又は幾つかの画素の平均を時間の関数として調べることにより可能になる。結果は、粒子の温度の急激な上昇は、試料媒体320のそれを上回ることを実証することができる。この特徴は、爆発物の存在を自動的に検出するため、アルゴリズムに使用することができる。具体的には、各エネルギー化合物は、定量化できる正の分解熱(H)と定量化できる活性エネルギー(E)を有している。Hは放出される熱の全量に強い影響を与え、Eは熱放出速度である。上記2つの特性は、検出器が爆発性化合物及び/又は化学合成品の分類種を区別するというやり方で相互に作用する。
【0076】
複数の画素を同時に追跡するために、そして、爆発物の固有の特性を自動的に認識するために、自動アルゴリズムに基づく目標認識が使用されている。簡単な強化策には、変化する背景温度を減算して差を表示し、ピーク最大値をより良好に視覚化できるようにすることが含まれている。温度対時間の図の局所最大値は、爆発物の存在を示しており、数学的に、温度の変化の時間速度がゼロに等しい(即ち、dT/dt=0)点と定義される。しかしながら、試料媒体320の温度のばらつきが原因で、両方の局所最大値が提示されることもある。このアーチファクトを補正するために、試料媒体320の温度は、様々な点で記録された温度から減算される。
【0077】
具体的に、一実施例では、試料媒体320上に収集された試料の分析は、1乃至2秒以内に収集区域を雰囲気から約300℃まで加熱することにより実行される。この加熱は、(検出ユニット430に含まれている)IR検出器アレイの前方で行われ、その一実施例では、320x240画素が試料区域に焦点合わせされている。各画素は、合計視認面積約2.5x1.5cmに対し約100μm平方を写し出す。試料媒体320が、検出ユニット430を含んでいる第2ステーションまで回転すると、約10アンペア2ボルトで抵抗加熱が行われる。
【0078】
放射加熱式の実施例では、加熱制御装置にフラッシュランプが含まれている。加熱制御装置450と検出ユニット430は、随意的に、試料媒体320の同じ側に置くことができる。フラッシュランプは、残留爆発性粒子の分解を開始させるのに必要な活性化エネルギーを送り出す。
【0079】
以上は、収集システム400と検出システム450の代表的な実施例を説明したものである。他の実施例は、物質の粒子を成功裏に検出するシステムの能力を試験するために検査溶液が試料媒体320に、希に但し定期的に注入される様な異なる特徴を含むことができる。上記機構は、毎月交換する必要がある貯蔵部を含んでおり、LEE小型可変容積ポンプ型番LPVX0502600B(www.theleeco.com参照)又は小型KNF型式UNMP830(www.knf.com参照)又は同様のポンプ、及びLEE型番INKX05440AAと同様のLEEソレノイド弁の何れかを含むことができる。
【0080】
図5Aは、発熱分解検出のデータ結果500を示している。具体的には、試料媒体の写真であり、4つの異なる時点における分解中の物質を示している。具体的には、60Hzフレーム速度を使用した無煙粉末の粒子のエネルギー検出のデータ結果500を示している。要素(a)は、フレーム110の初期IR画像を示しており、粒子とフィラメントは比較的低温である。次に、要素(b)は、フレーム389のIR画像を示しており、粒子の周りで温度が上昇している、爆発直前の様子を示している。次に、要素(c)は、フレーム390のIR画像であり、粒子爆発を示している。最後に、要素(d)は、フレーム391のIR画像であり、粒子爆発の結果、気体温度が上昇したことを示している。
【0081】
図5Bは、上記分解のデータ結果550を、時間経過と共に無煙粉末を写し出している画素と試料媒体を写し出している画素の観点から示している。結果では、図5Aの結果500から採った4つの時間例を印字している。具体的には、無煙ペレット付近の1画素と試料媒体上の1画素の熱の特徴を二次元でプロットしたものを示している。
【0082】
図6に示すように、粒子を検出する方法は、1つ又はそれ以上の場所から粒子を集める段階と、集めた粒子を試料媒体上に堆積させる段階と、試料媒体を検出システムまで回転させる段階と、集めた粒子を検出システムで分析する段階を含んでいる。
【0083】
粒子は、収集孔を通して集められる(610)。図1に示すように、収集孔は、ハンドルバー、胴部ゲート、靴周り送風器、又は他の装置に亘って分散配置されている。粒子は、複数の装置を通して同時に集められる。一実施例では、乗客はハンドルバーを引き下げてゲートの係止を解き、胴部をゲートに押し付けるが、これら全ての動作が行われている間に、空気ナイフが乗客の靴及びズボンの裾の折り返しから粒子を吹き飛ばす。具体的には、ハンドルバー、胴部ゲートの抵抗、及び空気流によって、摩擦、圧力、及び剪断力が発生し、それらによって粒子が払い落とされ集められる。
【0084】
集められた粒子は、次いで、試料媒体上に堆積させられる(620)。複数の場所から集められた場合、粒子は先ず、単一の粒子流へと組み合わせられ、次いでその単一流を、図2に示すように試料媒体上への堆積に供する。一実施例では、試料媒体は、再使用可能であり、試料媒体の異なる部分を次の堆積に提供することができるように、堆積後に動かされる。
【0085】
集められた粒子は、検出ユニットに差し出される(630)。試料媒体がカルーセルホイール内にある場合、カルーセルホイールを回転させて、試料媒体の集められた粒子を含んでいる部分を検出ユニットに差し出す。一実施例では、毎回堆積後にカルーセルホイールを回転させ、複数の分解の後、試料媒体の一部が再使用される。
【0086】
集められた粒子は、検出ユニットにより分析される(640)。カルーセルホイール又は検出ユニットの何れかが、集められた粒子を加熱し又は放射して分解を促す。一実施例では、試料媒体に電流を通して、集められた粒子を抵抗加熱すると共に、IR検出アレイが粒子分解を監視する。
【0087】
以上、粒子を検出する方法の代表的な実施例について説明した。他の実施例は、例えば、堆積又は分析後に毎回洗浄サイクルを実行するという様な異なる段階を含んでいる。洗浄サイクルは、試料媒体の一部分又は全部を加熱する段階及び/又は前記一部分又は全部を通り抜けるように空気流を流す段階を含んでいてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1A】物質の試料を収集するための代表的な収集装置の図を示している。
【図1B】物質の試料を収集するための代表的な収集装置の図を示している。
【図1C】物質の試料を収集するための代表的な収集装置の図を示している。
【図2】代表的な手部試料収集器を示している。
【図3】代表的な衝突式収集器を示している。
【図4A】代表的な収集器と検出システムの上面図と側面図を示している。
【図4B】代表的な収集器と検出システムの上面図と側面図を示している。
【図5A】粒子検出のデータ結果を示している。
【図5B】粒子検出のデータ結果を示している。
【図6】粒子を検出する方法を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
微量成分試料採取検出システムにおいて、
ハンドルバーとゲートと空気流採取器のそれぞれを通して粒子を集めるように構成されている採取装置であって、
前記ハンドルバーは、使用者が前記ハンドルバーを握ったときに、前記使用者の手に隣接する位置に来るように配置されている収集孔を含み、且つ前記使用者の握りと動きに反応して粒子を放出するように構成されており、
前記ゲートは、前記使用者が前記ゲートを横切るときに、前記使用者の衣服に隣接する位置に来るように配置されている一連の収集孔を含み、且つ前記使用者によって掛けられた圧力に反応して、粒子を放出するように構成されており、
前記空気流採取器は、外向き通気孔と吸込み通気孔を含み、前記両通気孔は、その間に対象物を置くことができるように配置されており、且つ前記空気流は、前記外向き通気孔と前記吸込み通気孔の間で前記空気流を遮断する対象物から粒子を放出するように構成されている、採取装置と、
前記採取装置により集められた粒子を試料媒体の一部分の上に堆積させるように構成されている収集管と、
前記試料媒体を含んでおり、前記集められた粒子を含んでいる前記試料媒体の部分が発熱分解検出器に差し出されるように、試料ホイールを回転させるように構成されているカルーセルホイールと、
前記集められた粒子の分解を、赤外線センサを通して検出するように構成されている発熱分解検出器と、
を備えている微量成分試料採取検出システム。
【請求項2】
前記収集孔は、先細になっている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記収集孔は、接触してくる表面を掻くように作られている縁を有している、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記ハンドルバーは、半径方向運動をするように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記ハンドルバーは、皮膚の存在を検出するように構成されている導電率センサを含んでいる、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記ゲートは、人間の身体の部分の形状に合致するように設計されている曲線を有する形状に作られている、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記ゲートは、前記ハンドルバーが動かされたときにだけ弧を描いて開く、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記ゲートの前記動きによって、前記使用者が横切る経路が提供される、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記採取装置は、前記ハンドルバーと前記ゲートと前記空気流採取器から同時に粒子を集めるように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記分析システムは、爆発性粒子以外の粒子を検出するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記収集孔と前記吸い込み通気孔に負圧を作り出す送風器を更に備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
微量成分試料採取検出システムにおいて、
ハンドルバーとゲートと空気流採取器の内の2つ又はそれ以上を通して粒子を集めるように構成されている採取装置であって、
前記ハンドルバーは、使用者が前記ハンドルバーを握ったときに、前記使用者の手に隣接する位置に来るように配置されている収集孔を含んでおり、
前記ゲートは、前記使用者が前記ゲートを横切るときに、前記使用者の衣服に隣接する位置に来るように配置されている一連の収集孔を含んでおり、
前記空気流採取器は、外向き通気孔と吸込み通気孔を含んでおり、前記両通気孔は、その間に対象物を置くことができるように配置されている、採取装置と、
前記採取装置から集められた粒子を、爆発性物質の粒子の存在を示す特性を求めて分析するように構成されている分析装置と、
を備えている微量成分試料採取検出システム。
【請求項13】
前記収集孔は、先細になっている、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記収集孔は、接触してくる表面を掻くように作られている縁を有している、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記ハンドルバーは、半径方向運動をするように構成されている、請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
前記ハンドルバーは、皮膚の存在を検出するように構成されている導電率センサを含んでいる、請求項12に記載のシステム。
【請求項17】
前記ゲートは、前記ハンドルバーが動かされたときだけ弧を描いて開く、請求項12に記載のシステム。
【請求項18】
前記ゲートの前記動きによって、前記使用者が横切る経路が提供される、請求項12に記載のシステム。
【請求項19】
前記ゲート又は前記ハンドルバーの何れかは、素早い動きよりも遅い動きの方が、動きに対する抵抗が小さくなるようになっている、請求項12に記載のシステム。
【請求項20】
前記採取装置は、前記ハンドルバーと前記ゲートと前記空気流採取器の内の2つ又はそれ以上から同時に粒子を集めるように構成されている、請求項12に記載のシステム。
【請求項21】
前記分析システムは、爆発性粒子以外の粒子を検出するように構成されている、請求項12に記載のシステム。
【請求項22】
微量成分試料採取検出の方法において、
ハンドルバーとゲートと空気流採取器の内の2つ又はそれ以上を通して粒子を集める段階であって、
前記ハンドルバーは、使用者が前記ハンドルバーを握ったときに、前記使用者の手に隣接する位置に来るように配置されている収集孔を含んでおり、
前記ゲートは、前記使用者が前記ゲートを横切るときに、前記使用者の衣服に隣接する位置に来るように配置されている一連の収集孔を含んでおり、
前記空気流採取器は、外向き通気孔と吸込み通気孔を含んでおり、前記両通気孔は、その間に対象物を置くことができるように配置されている、粒子を集める段階と、
前記集められた粒子を、爆発性物質の粒子の存在を示す特性を求めて分析する段階と、から成る方法。
【請求項23】
微量成分試料採取検出システムにおいて、
1つ又はそれ以上の収集孔を通して粒子を集めるように構成されている採取装置と、
集められた粒子を試料媒体の一部分の上に堆積させるように構成されている衝突式収集器と、
前記試料媒体を含んでいるカルーセルホイールであって、前記集められた粒子が堆積されている前記試料媒体の部分が発熱分解検出器に差し出されるように、前記試料ホイールを回転させるように構成されている、カルーセルホイールと、
加熱された粒子の分解を、赤外線センサを通して検出するように構成されている発熱分解検出器と、
を備えている微量成分試料採取検出システム。
【請求項24】
前記カルーセルホイールは、前記試料媒体を抵抗加熱するように構成されている、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記試料媒体は、前記試料媒体に電流を流すことにより抵抗加熱されるように構成されている、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記試料媒体は、前記衝突式収集器と前記発熱分解検出器に複数回曝露される間、前記試料媒体の同じ部分を再使用することができるように構成されている、請求項23に記載のシステム。
【請求項27】
前記発熱分解検出器は、前記試料媒体を放射加熱するように構成されている、請求項23に記載のシステム。
【請求項28】
前記カルーセルホイールは、前記試料媒体を、オープンリール機構を通して送るように構成されている、請求項23に記載のシステム。
【請求項29】
採取装置、集められた粒子を堆積させるように構成されている衝突式収集器、及び堆積させた物質の分解を検出するように構成されている発熱分解検出器を含んでいる微量成分試料採取粒子検出システム用の搬送機構において、
前記衝突式収集器からの物質の堆積を受け容れるように構成されている試料媒体を含んでいるカルーセルホイールを備えており、前記カルーセルホイールは、前記集められた粒子が堆積されている前記試料媒体の部分が前記発熱分解検出器に差し出されるように、前記試料ホイールを回転させるように構成されている、搬送機構。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−547022(P2008−547022A)
【公表日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−518298(P2008−518298)
【出願日】平成18年6月20日(2006.6.20)
【国際出願番号】PCT/US2006/023908
【国際公開番号】WO2007/002037
【国際公開日】平成19年1月4日(2007.1.4)
【出願人】(507394798)エル−3 コミュニケイションズ サイテラ コーポレイション (3)
【Fターム(参考)】