説明

心臓不整脈を治療するためのERGチャネル開口薬

【課題】心臓不整脈を治療するためのERGチャネル開口薬の提供。
【解決手段】ERGチャネル活性化化合物が、式IVのベンズアミド誘導体、或いはそのエナンチオマー若しくはエナンチオマーの混合物、又は薬剤として許容されるその塩である、薬剤組成物。


[式IV中、Aは、1つ又は複数のX、R1、及び/又はR2で任意に置換されている単環式炭素環又は単環式複素環基を表し、単環式炭素環基は、5員及び6員単環式炭素環基であり、「単環式複素環基」は、その環構造に窒素(N)、酸素(O)、及び硫黄(S)から選択される1つ又は複数のヘテロ原子を有する5及び6員単環式複素環基。]

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、心臓不整脈を治療するためのERGチャネル開口薬(ERG channel openers)の使用、及びそのような治療のための特定の化合物の使用に関する。別の態様において、本発明は、ERGチャネル開口薬として有用な新規な化合物を提供する。
【背景技術】
【0002】
心臓は筋肉であり、この筋肉は毎秒1〜3回収縮することによって血液循環に血液を送り込む。心拍は、個々の心臓筋肉細胞(心筋細胞)の同時収縮によって起こる。細胞収縮の同期は電気的心刺激(心臓活動電位)に支配され、この電気的心刺激は洞房結節(sine node)のペースメーカー細胞で発生し、特定の伝導系を経て迅速に心臓全体に拡がる。
【0003】
電気的心刺激の発生及び伝達における障害は、疾患、薬物治療、又は電気的不平衡の結果として起こることがある。電気的心刺激のそのような障害は、不整脈又は律動異常と呼ばれ、不安、塞栓、失神、又は突然死に至る可能性がある。
【0004】
イオンチャネルと呼ばれる一群のタンパク質は、細胞膜を貫通して電流を伝えることができるため、分子レベルでは、これらが心臓における電気的事象の根底をなす。このため、様々なタイプのイオンチャネルが、心臓活動電位の発生及び伝達、自律神経系による心拍数の調節、並びに個々の心臓細胞における収縮過程に役立っている。したがって、それらの様々なタイプのイオンチャネルは、抗不整脈心臓薬の良好な標的であり、市販されている多くの抗不整脈薬は、イオンチャネルとの相互作用により効果を発揮する。
【0005】
心臓活動電位の終止に関与するイオンチャネルの1つは、ヒトERG1チャネル(ヒトEther−a−go−go関連遺伝子チャネル、HERG1チャネル)であり、これはカリウムイオンの透過に選択性である。薬剤又は遺伝的機能不全に起因するこのチャネルの遮断は、不整脈に至ることがある。
【0006】
いくつかの薬剤がERGチャネルを遮断することが示されており、それらには抗精神病薬、抗うつ剤、抗ヒスタミン薬、及び抗生剤のような多様な化合物が含まれる。これらの薬剤のいくつかは、催不整脈作用(pro−arrhythmic effects)のために、ここ数年の間に販売が中止されているか、又は処方薬とされている(put on prescription)。HERG1チャネルの薬理学的遮断は、活動電位の再分極及び静止期における心臓活動電位の延長及びカリウムコンダクタンスの低下をもたらす。延長された活動電位は、Q波とT波との距離の増大としてECGに反映され、この状態は後天性QT延長症候群と呼ばれる。HERG1遮断薬による治療を受けている患者は、トルサードドポワントと呼ばれる重篤な心室性頻拍性不整脈を発症することがあり、これは最終的に失神、任意に心停止に至る可能性がある。
【0007】
HERG1チャネルは、遺伝性QT延長症候群を起こすいくつかの遺伝子変異の標的である。これらの患者はまたトルサードドポワント型の重篤な不整脈、並びに徐脈型不整脈を含む他の不整脈を発症する。これらの患者は、現在、多くの場合β−アドレナリン受容体遮断薬、又は任意に心臓内除細動器(ICD)を備えたペースメーカーによる治療を受けている。
【0008】
現存する市販の抗不整脈薬のほとんどは、それらの分子標的が知られる前に開発された。しかしながら、それらの薬剤の多くは、後に分子標的がイオンチャネルであることが示された。
【0009】
抗不整脈薬は通常4つの主なクラスに分類される。
【0010】
クラス1化合物はすべて、心臓電位依存性ナトリウムチャネルを遮断する。一部のクラス1化合物は、心臓活動電位に影響を及ぼす追加的な作用を有し、これはさらに3つのサブクラスに再分類される根拠となる。
【0011】
クラス1A化合物は、キニジン又はジソピラミドなどのナトリウムチャネル遮断薬であり、活動電位を延長する。
【0012】
クラス1B化合物は、リドカイン、メキシレチン、又はフェニトインなどのナトリウムチャネル遮断薬であり、活動電位を短縮する。
【0013】
クラス1C化合物は、フレカイニド又はプロパフェノンなどのナトリウムチャネル遮断薬であり、活動電位持続時間を変えない。
【0014】
クラス1化合物は、開口状態又は不活性状態でナトリウムチャネルと相互作用し、閉鎖状態(拡張期)でチャネルから解離する。それらが頻度依存性チャネル遮断(a frequency-dependent channel block)を示すかどうかは解離速度によって決まる。一部のクラス1化合物はさらに、ナトリウムチャネル遮断作用に加えて、カリウム又はカルシウム透過性チャネルのサブタイプを遮断する。
【0015】
クラス2化合物は、β−アドレナリン受容体遮断薬であり、アテノロール、メトプロロール、チモロール、又はプロプラノロールのような薬剤を含む。β−アドレナリン受容体遮断薬は、心臓β1受容体に選択性であるか、又はβ1及びβ2受容体に親和性を有し得る。これらの一部の化合物は、内因性β刺激作用も有する。
【0016】
クラス3化合物は、アミオダロンなどのカリウムチャネル遮断薬であり、カリウムチャネルの遮断を通じて活動電位の再分極を遅延することにより活性電位を延長する。クラス3化合物は、おそらくは低減されたカリウム電流の不安的化作用のために、多くの患者において効果の不足を示し、さらには催不整脈性である可能性もある。
【0017】
クラス4化合物は、ベラパミルなどのL型カルシウムチャネル遮断薬である。
【0018】
これらの4つのクラスに分類した化合物に加えて、ジゴキシン及びアデノシンも不整脈の治療における使用が見出されている。
【0019】
WO96/28537は、QT延長遺伝子、及びQT延長症候群発生の診断又は予防方法を記載している。WO00/06772は、HERG1、QT延長症候群遺伝子の突然変異及びゲノム構造を記載している。WO02/42417は、新しいヒトERG(HERG2)チャネルを記載している。WO02/42735は、HERGチャネル阻害剤を同定する方法を記載している。しかしながら、心臓不整脈を治療するためのHERG1チャネル開口薬の使用はこれまで示されていない。
【0020】
さらに、WO94/22807、WO96/25157、WO97/45400、WO97/45111、WO98/47879、WO00/24707、及びWO2004/022529は、カリウムチャネル調節剤、又はクロライドチャネル遮断薬として有用な尿素誘導体を記載しているが、それらの化合物のHERG1チャネルに対する作用は報告されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】WO96/28537
【特許文献2】WO00/06772
【特許文献3】WO02/42417
【特許文献4】WO02/42735
【特許文献5】WO94/22807
【特許文献6】WO96/25157
【特許文献7】WO97/45400
【特許文献8】WO97/45111
【特許文献9】WO98/47879
【特許文献10】WO00/24707
【特許文献11】WO2004/022529
【特許文献12】WO2002/064128
【非特許文献】
【0022】
【非特許文献1】Hamill OP、Marty A、Neher E、Sakmann B、及びSigworth FJ、Improved patch−clamp techniques for high resolution current recordings from cells and cell−free membrane patches、Pflugers Arch.1981、391、85〜100
【非特許文献2】Warmke及びGanetzky、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、1994、91、3438〜3442
【非特許文献3】Trudeau Mc等、Science、1995、269、92〜95
【非特許文献4】Sanguinetti MC等、Cell、1995、81、299〜307
【非特許文献5】Bauer CK等、Receptors Channels、1998、6、19〜29
【非特許文献6】Titus SA等、J.Neurosci.1997、17、875〜881
【非特許文献7】Zehelein J等、Eur.J.Physiol.2001、442、875〜881
【非特許文献8】Finley MR等、Am.J.Physiol.Heart Circ.Physiol.2002、283、H126〜H138
【非特許文献9】Abbott GW等、Cell、1999、97、175〜187
【非特許文献10】London B等、Circ.Res.1997、81、870〜878
【非特許文献11】Jespersen等、Biotechniques、2002、32、536〜540
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
ヒトERGチャネルの機能不全又は遮断は、心筋細胞を不安定化し、再分極を遅延するのに対し、本出願人等は増大した心臓ERG電流が心筋細胞の再分極を助け、再分極及び静止期に細胞を安定化することを見出し、本発明はその発見に基づいている。増大したERG電流は、早期及び後期後脱分極、並びにリエントリー不整脈機序を阻害するであろう。したがって、ERGチャネル活性化は、すべての主要な心臓不整脈の治療に有用であることが見出されている。
【0024】
上述のとおり、本発明に用いるHERGチャネル開口薬は、知られている抗不整脈薬とは異なり、活動電位の受攻期にカリウム電流を増大し、遅いチャネル閉鎖のためにこの期間後に心筋細胞を安定化するという両方の利点を有する新規な治療原理を示す。
【0025】
次いで、本発明は、ある種の尿素及びベンズアミド誘導体がERGチャネル活性化剤として有用であるという発見に基づいている。
【課題を解決するための手段】
【0026】
したがって、第1の態様において、本発明は、ヒトを含む哺乳動物において心臓疾患、障害又は状態を治療、予防又は緩和するための薬剤組成物であって、
ERGチャネルを活性化することのできる治療上有効量の化合物と、
薬剤として許容される担体又は賦形剤と
を含む、薬剤組成物を提供する。
【0027】
他の態様において、本発明は、ヒトを含む哺乳動物の心臓疾患、障害又は状態を治療、予防又は緩和する薬剤組成物/薬剤を製造するための、ERGチャネルを活性化することのできる化合物又は薬剤として許容されるその付加塩の使用に関する。
【0028】
さらに他の態様において、本発明は、ヒトを含む動物生体のERGチャネルの活性化に反応性である、心臓疾患、障害又は状態を治療、予防又は緩和する方法であって、それを必要としているそのような動物生体に、ERGチャネルを活性化することのできる治療上有効量の化合物、又は薬剤として許容されるその付加塩を投与するステップを含む、方法を提供する。
【0029】
最後の態様において、本発明は、ERGチャネル活性化剤として有用である新規な化合物を提供する。
【0030】
本発明の他の目的は、以下の詳細な説明及び実施例から当分野の技術者に明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】時間(0.0から1.2秒)に対する電流(−6から0nA)の測定値を示す図である。HERG1チャネルを安定に発現する哺乳類HEK293細胞を、図に示したとおり、模擬心臓活動電位でチャレンジする。安定な電流レベルに達したとき、化合物Aを添加した。対照実験及び10μMの化合物Aに対する反応に関して電流トレースを示す。再分極電流の著しい増大が認められる。
【図2】HERG1チャネルを一時的に発現するアフリカツメガエル(Xenopus laevis)卵母細胞から得た結果を示す図である。結果は、−80mVで3秒から+10mVで1秒までのステップ、それに続く−60mVで3秒までのステップの電圧クランピングプロトコルによって得る。対照実験及び30μMの化合物B又は化合物Cに対する反応に関して電流トレースを示す。テール電流は、−60mVの電位で測定された電流を示す。
【図3】モルモット心筋細胞から得た結果を示す図である。心臓活動電位は、電流の注入によって開始される。完全再分極に近い時点で、遅延後脱分極を模倣するために、閾値下電流注入によって細胞をチャレンジする。対照状態で、これらの電流注入の合計は、新しい活動電位を誘発するのに充分である。しかしながら、この実験において、10〜30μMの化合物Dの適用は細胞を安定化し、心臓活動電位の長さを低減し、それによって後の電流注入に抵抗性となる。結果は電流クランプモードで得られ、活動電位は電流注入によって誘発される。対照実験及び30μMの化合物Dに対する反応に関して電流トレースを示す。
【図4】モルモット遠隔測定モデルを用いて覚醒モルモットにおいて遠隔測定法で測定した経時(0〜230分)のQT間隔(QT;ミリ秒)、心拍数に対して補正したQT間隔(QTc;ミリ秒)、心拍数(1分当たり)を示す図であり、このモデルによって50mg/kgの化合物Bの静脈内投与前後に心拍数及びECG測定値を得る。化合物Bの静脈内投与は、補正QT間隔に劇的な影響を及ぼし、対照と比較したとき、長さを23%低減する。
【発明を実施するための形態】
【0032】
ERGチャネル開口化合物
一態様によれば、本発明は、ヒトを含む哺乳動物において心臓疾患、障害、又は状態を治療、予防、又は緩和するためのERGチャネル開口化合物の使用に関する。
【0033】
本発明において、ERGチャネル開口化合物は、電気生理学的方法によって、特にパッチクランプ技法、たとえばHamill OP、Marty A、Neher E、Sakmann B、及びSigworth FJ、「細胞及び無細胞膜パッチの高分解能電流記録のための改善されたパッチクランプ技法(Improved patch−clamp techniques for high resolution current recordings from cells and cell−free membrane patches)」、Pflugers Arch.1981、391、85〜100に記載されている技法によって検出される、30μmol以上、好ましくは10μmol以上、より好ましくは1μmol以上、最も好ましくは0.1μmol以上の濃度で、ERG電流を活性化(増強)することのできる化合物である。
【0034】
好ましい実施形態において、本発明のERGチャネル開口化合物は、好ましくは選択的ERGチャネル開口化合物である。
【0035】
好ましい実施形態において、ERGチャネルは、ERG1チャネルである。より好ましい実施形態において、ERGチャネルは、Warmke及びGanetzky、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、1994、91、3438〜3442によってクローニングされ、Trudeau Mc等、Science、1995、269、92〜95、及びSanguinetti MC等、Cell、1995、81、299〜307に機能的に記載されているもののようなヒトERG1(ヒトEther−a−go−go関連遺伝子チャネル、HERG1チャネル)チャネルである。
【0036】
他の好ましい実施形態において、ERGチャネルは、London B等、Circ.Res.1997、81、870〜878によってクローニングされたもののようなマウス(Mus musculus)ERG1チャネルである。
【0037】
第3の好ましい実施形態において、ERGチャネルは、Bauer CK等、Receptors Channels、1998、6、19〜29によってクローニングされたもののようなラット(Rattus norvegicus)ERG1チャネルである。
【0038】
第4の好ましい実施形態において、ERGチャネルは、Titus SA等、J.Neurosci.1997、17、875〜881によってクローニングされたもののような昆虫(Drosophila melanogaster)ERG1チャネルである。
【0039】
第5の好ましい実施形態において、ERGチャネルは、Zehelein J等、Eur.J.Physiol.2001、442、875〜881によってクローニングされたもののようなイヌ(Canis familiaris)ERG1チャネルである。
【0040】
第6の好ましい実施形態において、ERGチャネルは、Finley MR等、Am.J.Physiol.Heart Circ.Physiol.2002、283、H126〜H138によってクローニングされたもののようなウマ(Equus caballus)ERG1チャネルである。
【0041】
ERGチャネルを活性化する化合物の能力の判定は、ERGチャネル単独、或いはKCNE1、及び/又はKCNE2、及び/又は他のアクセサリータンパク質と複合体を形成するERGチャネルにおいて求めることができる。KCNE1はminKとも称され、KCNE2はmirPとも称され、Abbott GW等、Cell、1999、97、175〜187に記載されている。
【0042】
ERGチャネルを活性化する化合物の能力の判定は、特に任意の通常の電気生理学的方法、好ましくはパッチクランプ技法、たとえば実施例に記載の技法によって達成することができる。
【0043】
心臓疾患
本発明は、心臓疾患、障害又は状態を治療、予防又は緩和するためのERGチャネル開口化合物の使用に関する。本発明において、心臓疾患、障害又は状態は、心臓の律動異常に関連する任意の疾患、障害、又は状態である。
【0044】
より特定の実施形態において、本発明の心臓疾患、障害、又は状態は、心臓不整脈、心房性不整脈、心室性不整脈、心房性細動、心室性細動、頻拍性不整脈、心房性頻拍性不整脈、心室性頻拍性不整脈、徐脈型不整脈、或いはたとえば心筋虚血、心筋梗塞、心臓肥大、心筋症、又は遺伝的疾患に起因する他の任意の律動異常である。
【0045】
他の特定の実施形態において、心臓疾患、障害、又は状態は、心虚血、虚血性心疾患、肥大心、心筋症、又は心不全である。
【0046】
より好ましい実施形態において、本発明の心臓疾患、障害、又は状態は、心臓不整脈、心房性細動、及び/又は心室性頻拍性不整脈である。
【0047】
最も好ましい実施形態において、本発明の心臓疾患、障害、又は状態は、心臓不整脈である。
【0048】
ERGチャネル活性化剤
他の態様によれば、本発明は、ERGチャネル、特にヒトERG1チャネル(ヒトEther−a−go−go関連遺伝子チャネル、HERG1チャネル)を活性化することのできる治療上有効量の化合物の使用に関する。
【0049】
本発明に用いる好ましいERGチャネル活性化化合物は、たとえばWO94/22807、WO96/25157、WO97/45400、WO97/45111、WO98/47879、WO2000/24707、及びWO2004/022529に記載されている尿素誘導体である。
【0050】
より好ましい実施形態において、本発明に用いるERGチャネル活性化化合物は、式Iのジフェニル尿素誘導体、或いはそのエナンチオマー若しくはエナンチオマーの混合物又は薬剤として許容されるその塩である:
【化1】


[式I中、
Xは、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、カルボキシ、アルキル−カルボニル、ヒドロキシアミノカルボニル、スルファモイル、N−アルキル−スルファモイル、N,N−ジ−アルキル−スルファモイル、テトラゾリル、2,4−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−オン、4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン、又は1,2−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−オンを表し、
、R、R、及びRの少なくとも1つは、互いに独立して、ハロ、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、チオアルコキシ、ニトロ、シアノ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アミノ、アシル、アルコキシ−カルボニル、アルコキシ−カルボニル−アルキル、アルコキシ−カルボニル−アルケニル、N−(アルキル−カルボニル)−アミノ、カルバモイル、N−アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル−アルキル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル−アルケニル、N−(カルボキシ−アルキル)−カルバモイル、スルファモイル、N−アルキル−スルファモイル、N,N−ジ−アルキル−スルファモイル、及び/又はフェニル(このフェニルは、ハロ、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ニトロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アシル、アルコキシ−カルボニル、アルコキシ−カルボニル−アルキル、アルコキシ−カルボニル−アルケニル、N−(アルキル−カルボニル)−アミノ、カルバモイル、N−アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル−アルキル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル−アルケニル、N−(カルボキシ−アルキル)−カルバモイル、スルファモイル、N−アルキル−スルファモイル、及びN,N−ジ−アルキル−スルファモイルからなる群から選択される1つ又は2つの置換基で任意に置換されてもよい)を表し、R、R、R、及びRの残りは水素を表す]。
【0051】
さらに好ましい実施形態において、本発明に用いるERGチャネル活性化化合物は、式Iのジフェニル尿素誘導体であって、式I中、
Xは、OH、アルコキシ、カルボキシ、アルキル−カルボニル、又はテトラゾリルを表し、
、R、R、及びRの少なくとも1つは、互いに独立して、ハロ、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、チオアルコキシ、ニトロ、シアノ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アミノ、アシル、アルコキシ−カルボニル、スルファモイル、N−アルキル−スルファモイル、N,N−ジ−アルキル−スルファモイル、及び/又はフェニル(このフェニルは、ハロ、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ニトロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アシル、及びアルコキシ−カルボニルからなる群から選択される1つ又は2つの置換基で任意に置換されてもよい)を表し、R、R、R、及びRの残りは水素を表す、
ジフェニル尿素誘導体である。
【0052】
さらに好ましい実施形態において、本発明に用いるERGチャネル活性化化合物は、式Iのジフェニル尿素誘導体であって、式I中、
Xは、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、ヒドロキシアミノカルボニル、スルファモイル、テトラゾリル、2,4−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−オン、4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン、又は1,2−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−オンを表し、
、R、R、及びRの少なくとも1つは、互いに独立して、ハロ、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ニトロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アミノ、アルコキシ−カルボニル−アルケニル、N−(アルキル−カルボニル)−アミノ、カルバモイル、N−アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル−アルキル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル−アルケニル、N−(カルボキシ−アルキル)−カルバモイル、スルファモイル、N−アルキル−スルファモイル、N,N−ジ−アルキル−スルファモイル、及び/又はフェニル(このフェニルは、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、カルバモイル、N−アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル、スルファモイル、N−アルキル−スルファモイル、及びN,N−ジ−アルキル−スルファモイルからなる群から選択される置換基で任意に置換されてもよい)を表し、R、R、R、及びRの残りは水素を表す、
ジフェニル尿素誘導体である。
【0053】
第2の好ましい実施形態において、本発明に用いるERGチャネル活性化化合物は、式Iのジフェニル尿素誘導体であって、式I中、
Xは、ヒドロキシを表し、R、R、R、及びRの少なくとも1つは、互いに独立して、ハロ、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、チオアルコキシ、ニトロ、シアノ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アミノ、アシル、アルコキシ−カルボニル、アルコキシ−カルボニル−アルキル、アルコキシ−カルボニル−アルケニル、N−(アルキル−カルボニル)−アミノ、カルバモイル、N−アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル−アルキル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル−アルケニル、N−(カルボキシ−アルキル)−カルバモイル、スルファモイル、N−アルキル−スルファモイル、N,N−ジ−アルキル−スルファモイル、及び/又はフェニル(このフェニルは、ハロ、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ニトロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アシル、アルコキシ−カルボニル、アルコキシ−カルボニル−アルキル、アルコキシ−カルボニル−アルケニル、N−(アルキル−カルボニル)−アミノ、カルバモイル、N−アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル−アルキル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル−アルケニル、N−(カルボキシ−アルキル)−カルバモイル、スルファモイル、N−アルキル−スルファモイル、及びN,N−ジ−アルキル−スルファモイルからなる群から選択される1つ又は2つの置換基で任意に置換されてもよい)を表し、R、R、R、及びRの残りは水素を表す、
ジフェニル尿素誘導体である。
【0054】
より好ましい実施形態において、Xは、ヒドロキシを表し、R、R、R、及びRの少なくとも1つは、互いに独立して、ハロ、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ニトロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アシル、アルコキシ−カルボニル、スルファモイル、N−アルキル−スルファモイル、N,N−ジ−アルキルスルファモイル、及び/又はフェニル(このフェニルは、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アシル、アルコキシ−カルボニル、及びハロアルキルからなる群から選択される1つ又は2つの置換基で任意に置換されてもよい)を表し、R、R、R、及びRの残りは水素を表す。
【0055】
最も好ましい実施形態において、本発明に用いるERGチャネル活性化尿素誘導体は、
1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(2−ヒドロキシ−フェニル)−尿素;
1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(2−ヒドロキシ−3−ニトロ−フェニル)−尿素;
1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−尿素;
1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(2−ヒドロキシ−4−メトキシ−フェニル)−尿素;
1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(2−ヒドロキシ−4−メトキシカルボニル−5−クロロフェニル)−尿素;
1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(2−ヒドロキシ−4−メトキシカルボニル−フェニル)−尿素;
1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(2−ヒドロキシ−4−クロロ−フェニル)−尿素;
1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(2,5−ジヒドロキシ−フェニル)−尿素;
1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(2−ヒドロキシ−5−クロロ−フェニル)−尿素;
1−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−3−(2−ヒドロキシ−5−クロロ−フェニル)−尿素;
1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(2−ヒドロキシ−5−メトキシカルボニル−フェニル)−尿素;
1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(2−ヒドロキシ−5−ニトロ−フェニル)−尿素;
1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(2−ヒドロキシ−5−メトキシ−フェニル)−尿素;
1−(3−カルボキシ−フェニル)−3−(2−ヒドロキシ−5−クロロ−フェニル)−尿素;
1−(3−ヒドロキシ−フェニル)−3−(2−ヒドロキシ−5−クロロ−フェニル)−尿素;
1−(3−メトキシカルボニル−フェニル)−3−(2−ヒドロキシ−5−クロロ−フェニル)−尿素;
1−(3−メチル−フェニル)−3−(2−ヒドロキシ−5−クロロ−フェニル)−尿素;
1−(3−ニトロ−フェニル)−3−(2−ヒドロキシ−5−クロロ−フェニル)−尿素;
1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(2−ヒドロキシ−6−ニトロ−フェニル)−尿素;
1−[4−(N−エチル−スルファモイル)−フェニル]−3−(2−ヒドロキシ−5−クロロ−フェニル)−尿素;
1,3−ビス−(2−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−尿素;
1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(2−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−尿素;
1−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(2−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−尿素;
1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(2,6−ジヒドロキシ−フェニル)−尿素;
1−(4−クロロ−フェニル)−3−(2−ヒドロキシ−4−メトキシ−フェニル)−尿素;
1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(2−ヒドロキシ−5−ブロモ−フェニル)−尿素;又は
1−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(2−ヒドロキシ−5−クロロ−フェニル)−尿素;
或いは薬剤として許容されるこれらの塩である。
【0056】
第3の好ましい実施形態において、本発明に用いるERGチャネル活性化化合物は、式Iのジフェニル尿素誘導体であって、式I中、Xは、カルボキシを表し、R、R、R、及びRの少なくとも1つは、互いに独立して、ハロ、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、チオアルコキシ、ニトロ、シアノ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アミノ、アシル、アルコキシ−カルボニル、アルコキシ−カルボニル−アルキル、アルコキシ−カルボニル−アルケニル、N−(アルキル−カルボニル)−アミノ、カルバモイル、N−アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル−アルキル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル−アルケニル、N−(カルボキシ−アルキル)−カルバモイル、スルファモイル、N−アルキル−スルファモイル、N,N−ジ−アルキル−スルファモイル、及び/又はフェニル(このフェニルは、ハロ、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ニトロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アシル、アルコキシ−カルボニル、アルコキシ−カルボニル−アルキル、アルコキシ−カルボニル−アルケニル、N−(アルキル−カルボニル)−アミノ、カルバモイル、N−アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル−アルキル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル−アルケニル、N−(カルボキシ−アルキル)−カルバモイル、スルファモイル、N−アルキル−スルファモイル、及びN,N−ジ−アルキル−スルファモイルからなる群から選択される1つ又は2つの置換基で任意に置換されてもよい)を表し、R、R、R、及びRの残りは水素を表す、ジフェニル尿素誘導体である。
【0057】
より好ましい実施形態において、Xは、カルボキシを表し、R、R、R、及びRの少なくとも1つは、互いに独立して、ハロ、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ニトロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アシル、アルコキシ−カルボニル、スルファモイル、N−アルキル−スルファモイル、N,N−ジ−アルキル−スルファモイル、及び/又はフェニル(このフェニルは、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アシル、アルコキシ−カルボニル、及びハロアルキルからなる群から選択される1つ又は2つの置換基で任意に置換されてもよい)を表し、R、R、R、及びRの残りは水素を表す。
【0058】
さらに好ましい実施形態において、Xは、カルボキシを表し、R、R、R、及びRの少なくとも1つは、互いに独立して、ハロ、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ニトロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、及び/又はフェニルを表す。
【0059】
最も好ましい実施形態において、本発明に用いるERGチャネル活性化尿素誘導体は、
1−フェニル−3−(2−カルボキシ−フェニル)−尿素;
1−(2−メトキシ−フェニル)−3−(2−カルボキシ−フェニル)−尿素;
1−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(2−カルボキシ−フェニル)−尿素;
1−(3−メトキシ−フェニル)−3−(2−カルボキシ−フェニル)−尿素;
1−(3−ニトロ−フェニル)−3−(2−カルボキシ−フェニル)−尿素;
1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(2−カルボキシ−フェニル)−尿素;
1−(4−メトキシ−フェニル)−3−(2−カルボキシ−フェニル)−尿素;
1−(4−ブロモ−フェニル)−3−(2−カルボキシ−フェニル)−尿素;
1−(4−ニトロ−フェニル)−3−(2−カルボキシ−フェニル)−尿素;
1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(2−カルボキシ−3−メチル−フェニル)−尿素;
1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(2−カルボキシ−4−メチル−フェニル)−尿素;
1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(2−カルボキシ−4−ヒドロキシ−フェニル)−尿素;
1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(2−カルボキシ−4−ニトロ−フェニル)−尿素;
1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(2−カルボキシ−4−メトキシ−フェニル)−尿素;
1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(2−カルボキシ−4−ブロモ−フェニル)−尿素;
1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(2−カルボキシ−4−フルオロ−フェニル)−尿素;
1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(2−カルボキシ−4,5−ジメトキシ−フェニル)−尿素;
1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(2−カルボキシ−5−ニトロ−フェニル)−尿素;
1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(2−カルボキシ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−尿素;
1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(2−カルボキシ−6−メチル−フェニル)−尿素;
1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(2−カルボキシ−5−ニトロ−フェニル)−尿素;
1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(2−カルボキシ−5−クロロ−フェニル)−尿素;
1−(4−クロロ−フェニル)−3−(2−カルボキシ−3−ヨード−フェニル)−尿素;
1−(2−フルオロ−フェニル)−3−(2−カルボキシ−5−クロロ−フェニル)−尿素;
1−(4−クロロ−フェニル)−3−(2−カルボキシ−5−クロロ−フェニル)−尿素;
1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(2−カルボキシ−4−メチル−フェニル)−尿素;
1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(2−カルボキシ−4−ブロモ−フェニル)−尿素;
1−(3,5−ジメトキシ−フェニル)−3−(2−カルボキシ−4−ブロモ−フェニル)−尿素;
1−(4−ビフェニル)−3−(2−カルボキシ−フェニル)−尿素;又は
1−(2−メトキシ−フェニル)−3−(2−カルボキシ−5−クロロ−フェニル)−尿素;
或いは薬剤として許容されるこれらの塩である。
【0060】
第4の好ましい実施形態において、本発明に用いるERGチャネル活性化化合物は、式Iのジフェニル尿素誘導体であって、式I中、Xは、テトラゾリルを表し、R、R、R、及びRの少なくとも1つは、互いに独立して、ハロ、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、チオアルコキシ、ニトロ、シアノ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アミノ、アシル、アルコキシ−カルボニル、アルコキシ−カルボニル−アルキル、アルコキシ−カルボニル−アルケニル、N−(アルキル−カルボニル)−アミノ、カルバモイル、N−アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル−アルキル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル−アルケニル、N−(カルボキシ−アルキル)−カルバモイル、スルファモイル、N−アルキル−スルファモイル、N,N−ジ−アルキル−スルファモイル、及び/又はフェニル(このフェニルは、ハロ、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ニトロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アシル、アルコキシ−カルボニル、アルコキシ−カルボニル−アルキル、アルコキシ−カルボニル−アルケニル、N−(アルキル−カルボニル)−アミノ、カルバモイル、N−アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル−アルキル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル−アルケニル、N−(カルボキシ−アルキル)−カルバモイル、スルファモイル、N−アルキル−スルファモイル、及びN,N−ジ−アルキル−スルファモイルからなる群から選択される1つ若しくは2つの置換基で任意に置換されてもよい)を表し、R、R、R、及びRの残りは水素を表す、ジフェニル尿素誘導体である。
【0061】
より好ましい実施形態において、Xは、1H−テトラゾリルを表し、R、R、R、及びRの少なくとも1つは、互いに独立して、ハロ、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ニトロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アシル、アルコキシ−カルボニル、スルファモイル、N−アルキル−スルファモイル、N,N−ジ−アルキル−スルファモイル、及び/又はフェニル(このフェニルは、ハロ、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ニトロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アシル、及びアルコキシ−カルボニルからなる群から選択される1つ又は2つの置換基で任意に置換されてもよい)を表し、R、R、R、及びRの残りは水素を表す。
【0062】
さらに好ましい実施形態において、Xは、1H−テトラゾリルを表し、R、R、R、及びRの少なくとも1つは、互いに独立して、Cl、Br、F、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ニトロ、CF、OCF、アミノ、アルコキシ−カルボニル−アルケニル、N−(アルキル−カルボニル)−アミノ、カルバモイル、N−アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル−アルキル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル−アルケニル、N−(カルボキシ−アルキル)−カルバモイル、スルファモイル、N−アルキル−スルファモイル、N,N−ジ−アルキル−スルファモイル、及び/又はフェニル(このフェニルは、Cl、Br、F、CF、OCF、カルバモイル、N−アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル、スルファモイル、N−アルキル−スルファモイル、及びN,N−ジ−アルキル−スルファモイルからなる群から選択される置換基で任意に置換されてもよい)を表し、R、R、R、及びRの残りは水素を表す。
【0063】
最も好ましい実施形態において、本発明に用いるERGチャネル活性化尿素誘導体は、
1−(3−ビフェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニル]−尿素;
1−(3−アセチル−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニル]−尿素;
1−(4−ビフェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニル]−尿素;
1−(2−ブロモ−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−ブロモ−フェニル]−尿素;
1−(2−クロロ−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−ブロモ−フェニル]−尿素;
1−(2−フルオロ−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−ブロモ−フェニル]−尿素;
1−(2−メチル−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−ブロモ−フェニル]−尿素;
1−(2−エチル−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−ブロモ−フェニル]−尿素;
1−(2−ニトロ−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−ブロモ−フェニル]−尿素;
1−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−ブロモ−フェニル]−尿素;
1−(3−アセチル−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−ブロモ−フェニル]−尿素;
1−(3−ビフェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−ブロモ−フェニル]−尿素;
1−(3−ブロモ−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−ブロモ−フェニル]−尿素;
1−(3−クロロ−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−ブロモ−フェニル]−尿素;
1−(3−フルオロ−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−ブロモ−フェニル]−尿素;
1−(3−メチル−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−ブロモ−フェニル]−尿素;
1−(3−メトキシ−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−ブロモ−フェニル]−尿素;
1−(3−ニトロ−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−ブロモ−フェニル]−尿素;
1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−ブロモ−フェニル]−尿素;
1−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−ブロモ−フェニル]−尿素;
1−(3−ニトロ−4−メチル−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−ブロモ−フェニル]−尿素;
1−(3−トリフルオロメチル−4−クロロ−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−ブロモ−フェニル]−尿素;
1−(3,5−ジクロロ−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−ブロモ−フェニル]−尿素;
1−[3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル]−3−[4−ブロモ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニル]−尿素;
1−(3,5−ジメチル−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−ブロモ−フェニル]−尿素;
1−(4−ブロモ−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−ブロモ−フェニル]−尿素;
1−(4−エトキシ−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−ブロモ−フェニル]−尿素;
1−(4−メトキシ−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−ブロモ−フェニル]−尿素;
1−(4−メチル−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−ブロモ−フェニル)−尿素;
1−(4−ニトロ−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−ブロモ−フェニル]−尿素;
1−(4−トリフルオロメチル−フェニル−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−ブロモ−フェニル]−尿素;
1−[4−(2−プロピル)−フェニル]−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−ブロモ−フェニル]−尿素;
1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−アミノ−フェニル]−尿素;
1−(3−ブロモ−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−ビフェニル]−尿素;
1−(3−ブロモ−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−(3’−ニトロ)−ビフェニル]−尿素;
1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−(3’−ニトロ)−ビフェニル]−尿素;
1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−(4’−トリフルオロメチル)−ビフェニル]−尿素;
1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−(4’−エトキシカルボニル)−ビフェニル]−尿素;
1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−(4’−カルボキシ)−ビフェニル]−尿素;
1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−(4’−N,N−ジメチル−スルファモイル)−ビフェニル]−尿素;
1−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−(4’−N,N−ジメチル−スルファモイル)−ビフェニル]−尿素;
1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−(4’−N,N−ジメチル−カルバモイル)−ビフェニル)−尿素;
1−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−(3’−トリフルオロメチル−ビフェニル]−尿素;
1−(3,5−ジクロロ−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−(4’−N,N−ジメチル−スルファモイル)−ビフェニル)−尿素;
1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4,6−ジクロロ−フェニル]−尿素;
1−(3−クロロ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−(2−N,N−ジメチルカルバモイル−エチル)−フェニル]−尿素;
1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−アミノ−フェニル]−尿素;
1−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−クロロ−フェニル]−尿素;
1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−(N−カルボキシ−メチル)−カルバモイル−フェニル]−尿素;
1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−(2−N,N−ジメチルカルバモイル−エテニル)−フェニル]−尿素;
1−(4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−ブロモ−フェニル]−尿素;
1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−ブロモ−フェニル]−尿素;
1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−クロロ−フェニル]−尿素;
1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−ブロモ−フェニル]−尿素;
1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−(2−メトキシカルボニル−エテニル)−フェニル]−尿素;
1−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−ブロモ−フェニル]−尿素;
1−(3,5−ジクロロ−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−クロロ−フェニル]−尿素;
1−(4−ビフェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−5−クロロ−フェニル]−尿素;
1−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−5−クロロ−フェニル]−尿素;
1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−(メチル−カルボニルアミノ)−フェニル]−尿素;又は
1−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−(4’−クロロ−ビフェニル)]−尿素;
或いは薬剤として許容されるこれらの塩である。
【0064】
第5の好ましい実施形態において、本発明に用いるERGチャネル活性化化合物は、式Iのジフェニル尿素誘導体であって、式I中、Xは、2,4−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−オンを表し、R、R、R、及びRの少なくとも1つは、互いに独立して、ハロ、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、チオアルコキシ、ニトロ、シアノ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アミノ、アシル、アルコキシ−カルボニル、アルコキシ−カルボニル−アルキル、アルコキシ−カルボニル−アルケニル、N−(アルキル−カルボニル)−アミノ、カルバモイル、N−アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル−アルキル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル−アルケニル、N−(カルボキシ−アルキル)−カルバモイル、スルファモイル、N−アルキル−スルファモイル、N,N−ジ−アルキル−スルファモイル、及び/又はフェニル(このフェニルは、ハロ、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ニトロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アシル、アルコキシ−カルボニル、アルコキシ−カルボニル−アルキル、アルコキシ−カルボニル−アルケニル、N−(アルキル−カルボニル)−アミノ、カルバモイル、N−アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル−アルキル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル−アルケニル、N−(カルボキシ−アルキル)−カルバモイル、スルファモイル、N−アルキル−スルファモイル、及びN,N−ジ−アルキル−スルファモイルからなる群から選択される1つ又は2つの置換基で任意に置換されてもよい)を表し、R、R、R、及びRの残りは水素を表す、
ジフェニル尿素誘導体である。
【0065】
より好ましい実施形態において、Xは、2,4−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−オンを表し、R、R、R、及びRの少なくとも1つは、互いに独立して、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、カルバモイル、N−アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル、スルファモイル、N−アルキル−スルファモイル、N,N−ジ−アルキル−スルファモイル、及び/又はフェニル(このフェニルは、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、カルバモイル、N−アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル、スルファモイル、N−アルキル−スルファモイル、及びN,N−ジ−アルキル−スルファモイルからなる群から選択される置換基で任意に置換されてもよい)を表し、R、R、R、及びRの残りは水素を表す。
【0066】
最も好ましい実施形態において、本発明に用いるERGチャネル活性化尿素誘導体は、
1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−[2−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−4−(4’−N,N−ジメチル−カルバモイル)−ビフェニル]−尿素、
又は薬剤として許容されるその塩である。
【0067】
第6の好ましい実施形態において、本発明に用いるERGチャネル活性化化合物は、式Iのジフェニル尿素誘導体であって、式I中、Xは、4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オンを表し、R、R、R、及びRの少なくとも1つは、互いに独立して、ハロ、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、チオアルコキシ、ニトロ、シアノ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アミノ、アシル、アルコキシ−カルボニル、アルコキシ−カルボニル−アルキル、アルコキシ−カルボニル−アルケニル、N−(アルキル−カルボニル)−アミノ、カルバモイル、N−アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル−アルキル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル−アルケニル、N−(カルボキシ−アルキル)−カルバモイル、スルファモイル、N−アルキル−スルファモイル、N,N−ジ−アルキル−スルファモイル、及び/又はフェニル(このフェニルは、ハロ、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ニトロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アシル、アルコキシ−カルボニル、アルコキシ−カルボニル−アルキル、アルコキシ−カルボニル−アルケニル、N−(アルキル−カルボニル)−アミノ、カルバモイル、N−アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル−アルキル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル−アルケニル、N−(カルボキシ−アルキル)−カルバモイル、スルファモイル、N−アルキル−スルファモイル、及びN,N−ジ−アルキル−スルファモイルからなる群から選択される1つ又は2つの置換基で任意に置換されてもよい)を表し、R、R、R、及びRの残りは水素を表す、
ジフェニル尿素誘導体である。
【0068】
より好ましい実施形態において、Xは、4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オンを表し、R、R、R、及びRの少なくとも1つは、互いに独立して、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、カルバモイル、N−アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル、スルファモイル、N−アルキル−スルファモイル、N,N−ジ−アルキル−スルファモイル、及び/又はフェニル(このフェニルは、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、カルバモイル、N−アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル、スルファモイル、N−アルキル−スルファモイル、及びN,N−ジ−アルキル−スルファモイルからなる群から選択される置換基で任意に置換されてもよい)を表し、R、R、R、及びRの残りは水素を表す。
【0069】
最も好ましい実施形態において、本発明に用いるERGチャネル活性化尿素誘導体は、
1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−[2−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−4−(4’−N,N−ジメチル−カルバモイル)−ビフェニル]−尿素、又は
1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−[2−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−5−クロロ−フェニル]−尿素、
或いは薬剤として許容されるこれらの塩である。
【0070】
第7の好ましい実施形態において、本発明に用いるERGチャネル活性化化合物は、式Iのジフェニル尿素誘導体であって、式I中、Xは、1,2−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−オンを表し、R、R、R、及びRの少なくとも1つは、互いに独立して、ハロ、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、チオアルコキシ、ニトロ、シアノ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アミノ、アシル、アルコキシ−カルボニル、アルコキシ−カルボニル−アルキル、アルコキシ−カルボニル−アルケニル、N−(アルキル−カルボニル)−アミノ、カルバモイル、N−アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル−アルキル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル−アルケニル、N−(カルボキシ−アルキル)−カルバモイル、スルファモイル、N−アルキル−スルファモイル、N,N−ジ−アルキル−スルファモイル、及び/又はフェニル(このフェニルは、ハロ、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ニトロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アシル、アルコキシ−カルボニル、アルコキシ−カルボニル−アルキル、アルコキシ−カルボニル−アルケニル、N−(アルキル−カルボニル)−アミノ、カルバモイル、N−アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル−アルキル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル−アルケニル、N−(カルボキシ−アルキル)−カルバモイル、スルファモイル、N−アルキル−スルファモイル、及びN,N−ジ−アルキル−スルファモイルからなる群から選択される1つ又は2つの置換基で任意に置換されてもよい)を表し、R、R、R、及びRの残りは水素を表す、ジフェニル尿素誘導体である。
【0071】
より好ましい実施形態において、Xは、1,2−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−オンを表し、R、R、R、及びRの少なくとも1つは、互いに独立して、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、カルバモイル、N−アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル、スルファモイル、N−アルキル−スルファモイル、N,N−ジ−アルキル−スルファモイル、及び/又はフェニル(このフェニルは、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、カルバモイル、N−アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル、スルファモイル、N−アルキル−スルファモイル、及びN,N−ジ−アルキル−スルファモイルからなる群から選択される置換基で任意に置換されてもよい)を表し、R、R、R、及びRの残りは水素を表す。
【0072】
最も好ましい実施形態において、本発明に用いるERGチャネル活性化尿素誘導体は、
1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−[2−(3−オキソ−2,3−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−フェニル]−尿素、
又は薬剤として許容されるその塩である。
【0073】
第8の好ましい実施形態において、本発明に用いるERGチャネル活性化化合物は、式Iのジフェニル尿素誘導体であって、式I中、Xは、スルファモイル、N−アルキル−スルファモイル、又はN,N−ジ−アルキル−スルファモイルを表し、R、R、R、及びRの少なくとも1つは、互いに独立して、ハロ、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、チオアルコキシ、ニトロ、シアノ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アミノ、アシル、アルコキシ−カルボニル、アルコキシ−カルボニル−アルキル、アルコキシ−カルボニル−アルケニル、N−(アルキル−カルボニル)−アミノ、カルバモイル、N−アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル−アルキル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル−アルケニル、N−(カルボキシ−アルキル)−カルバモイル、スルファモイル、N−アルキル−スルファモイル、N,N−ジ−アルキル−スルファモイル、及び/又はフェニル(このフェニルは、ハロ、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ニトロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アシル、アルコキシ−カルボニル、アルコキシ−カルボニル−アルキル、アルコキシ−カルボニル−アルケニル、N−(アルキル−カルボニル)−アミノ、カルバモイル、N−アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル−アルキル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル−アルケニル、N−(カルボキシ−アルキル)−カルバモイル、スルファモイル、N−アルキル−スルファモイル、及びN,N−ジ−アルキル−スルファモイルからなる群から選択される1つ又は2つの置換基で任意に置換されてもよい)を表し、R、R、R、及びRの残りは水素を表す、ジフェニル尿素誘導体である。
【0074】
より好ましい実施形態において、本発明に用いるERGチャネル活性化化合物は、式Iのジフェニル尿素誘導体であって、式I中、Xは、スルファモイルを表し、R、R、R、及びRの少なくとも1つは、互いに独立して、ハロ、CF、OCFを表し、R、R、R、及びRの残りは水素を表す、ジフェニル尿素誘導体である。
【0075】
最も好ましい実施形態において、本発明に用いるERGチャネル活性化尿素誘導体は、
1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(2−スルファモイル−5−クロロ−フェニル)−尿素、
又は薬剤として許容されるその塩である。
【0076】
第9の好ましい実施形態において、本発明に用いるERGチャネル活性化化合物は、式Iのジフェニル尿素誘導体であって、式I中、Xは、ヒドロキシアミノカルボニルを表し、R、R、R、及びRの少なくとも1つは、互いに独立して、ハロ、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、チオアルコキシ、ニトロ、シアノ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アミノ、アシル、アルコキシ−カルボニル、アルコキシ−カルボニル−アルキル、アルコキシ−カルボニル−アルケニル、N−(アルキル−カルボニル)−アミノ、カルバモイル、N−アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル−アルキル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル−アルケニル、N−(カルボキシ−アルキル)−カルバモイル、スルファモイル、N−アルキル−スルファモイル、N,N−ジ−アルキル−スルファモイル、及び/又はフェニル(このフェニルは、ハロ、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ニトロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アシル、アルコキシ−カルボニル、アルコキシ−カルボニル−アルキル、アルコキシ−カルボニル−アルケニル、N−(アルキル−カルボニル)−アミノ、カルバモイル、N−アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル−アルキル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル−アルケニル、N−(カルボキシ−アルキル)−カルバモイル、スルファモイル、N−アルキル−スルファモイル、及びN,N−ジ−アルキル−スルファモイルからなる群から選択される1つ又は2つの置換基で任意に置換されてもよい)を表し、R、R、R、及びRの残りは水素を表す、ジフェニル尿素誘導体である。
【0077】
より好ましい実施形態において、Xは、ヒドロキシアミノカルボニルを表し、R、R、R、及びRの少なくとも1つは、互いに独立して、ハロ、CF、OCFを表し、R、R、R、及びRの残りは水素を表す。
【0078】
最も好ましい実施形態において、本発明に用いるERGチャネル活性化尿素誘導体は、
1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−[2−(ヒドロキシ−アミノ−カルボニル)−フェニル]−尿素、
又は薬剤として許容されるその塩である。
【0079】
第10の好ましい実施形態において、本発明に用いるERGチャネル活性化化合物は、式Iのジフェニル尿素誘導体であって、式I中、Xは、アミノを表し、R、R、R、及びRの少なくとも1つは、互いに独立して、ハロ、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、チオアルコキシ、ニトロ、シアノ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アミノ、アシル、アルコキシ−カルボニル、アルコキシ−カルボニル−アルキル、アルコキシ−カルボニル−アルケニル、N−(アルキル−カルボニル)−アミノ、カルバモイル、N−アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル−アルキル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル−アルケニル、N−(カルボキシ−アルキル)−カルバモイル、スルファモイル、N−アルキル−スルファモイル、N,N−ジ−アルキル−スルファモイル、及び/又はフェニル(このフェニルは、ハロ、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ニトロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アシル、アルコキシ−カルボニル、アルコキシ−カルボニル−アルキル、アルコキシ−カルボニル−アルケニル、N−(アルキル−カルボニル)−アミノ、カルバモイル、N−アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル−アルキル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル−アルケニル、N−(カルボキシ−アルキル)−カルバモイル、スルファモイル、N−アルキル−スルファモイル、及びN,N−ジ−アルキル−スルファモイルからなる群から選択される1つ又は2つの置換基で任意に置換されてもよい)を表し、R、R、R、及びRの残りは水素を表す、ジフェニル尿素誘導体である。
【0080】
より好ましい実施形態において、Xは、アミノを表し、R、R、R、及びRの少なくとも1つは、互いに独立して、ハロ、CF、OCFを表し、R、R、R、及びRの残りは水素を表す。
【0081】
最も好ましい実施形態において、本発明に用いるERGチャネル活性化尿素誘導体は、
1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(2−アミノ−5−クロロ−フェニル)−尿素、
又は薬剤として許容されるその塩である。
【0082】
第11の好ましい実施形態において、本発明に用いるERGチャネル活性化化合物は、式IIのジフェニル尿素誘導体、或いはそのエナンチオマー若しくはエナンチオマーの混合物又は薬剤として許容されるその塩である:
【化2】


[式II中、Xは、ヒドロキシ、カルボキシ、アミノ、ヒドロキシアミノカルボニル、スルファモイル、又は1H−テトラゾール−5−イルを表し、R、R、R、及びRの少なくとも1つは、互いに独立して、ハロ及び/又はハロアルキルを表し、R、R、R、及びRの残りは水素を表す]。
【0083】
最も好ましい実施形態において、本発明に用いるERGチャネル活性化尿素誘導体は、
1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(2−ヒドロキシ−5−クロロ−フェニル)−尿素;
1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−3−[4−ブロモ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニル−尿素];
1,3−ビス−(2−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−尿素;
1−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−(3’−トリフルオロメチルビフェニル]−尿素;
1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(2−カルボキシ−5−クロロ−フェニル)−尿素;
1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4,6−ジクロロ−フェニル]−尿素;
1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(2−スルファモイル−5−クロロ−フェニル)−尿素;
1−(4−クロロ−フェニル)−3−(2−カルボキシ−3−ヨード−フェニル)−尿素;
1−(2−フルオロ−フェニル)−3−(2−カルボキシ−5−クロロ−フェニル)−尿素;
1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(2−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−尿素;
1−(4−クロロ−フェニル)−3−(2−カルボキシ−5−クロロ−フェニル)−尿素;
1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(2−カルボキシ−4−メチル−フェニル)−尿素;
1−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(2−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−尿素;
1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−[2−(ヒドロキシ−アミノ−カルボニル)−フェニル]−尿素;
1−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−クロロ−フェニル]−尿素;
1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(2−アミノ−5−クロロ−フェニル)−尿素;
1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(2−ヒドロキシ−5−ブロモ−フェニル)−尿素;
1−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(2−ヒドロキシ−5−クロロ−フェニル)−尿素;
1−(4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−ブロモ−フェニル]−尿素;
1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−ブロモ−フェニル]−尿素;
1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−クロロ−フェニル]−尿素;
1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−ブロモ−フェニル]−尿素;
1−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−ブロモ−フェニル]−尿素;
1−(3,5−ジクロロ−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−クロロ−フェニル]−尿素;
1−(3,5−ジクロロ−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−ブロモ−フェニル]−尿素;又は
1−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−5−クロロ−フェニル]−尿素;
或いは薬剤として許容されるこれらの塩である。
【0084】
第12の好ましい実施形態において、本発明に用いるERGチャネル活性化化合物は、式IIのジフェニル尿素誘導体、或いはそのエナンチオマー若しくはエナンチオマーの混合物又は薬剤として許容されるその塩である:
【化3】


[式II中、Xは、ヒドロキシ、カルボキシ、又は1H−テトラゾール−5−イルを表し、R、R、R、及びRの少なくとも1つは、互いに独立して、ハロ及び/又はハロアルキルを表し、R、R、R、及びRの残りは水素を表す]。
【0085】
最も好ましい実施形態において、本発明に用いるERGチャネル活性化尿素誘導体は、
1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(2−ヒドロキシ−5−クロロ−フェニル)−尿素、
1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−3−[4−ブロモ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニル]−尿素、又は
1,3−ビス−(2−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−尿素、
或いは薬剤として許容されるこれらの塩である。
【0086】
第13の好ましい実施形態において、本発明に用いるERGチャネル活性化化合物は、式IIIの尿素誘導体、或いはそのエナンチオマー若しくはエナンチオマーの混合物又は薬剤として許容されるその塩又はそのN酸化物である:
【化4】


[式III中、A及びBは、互いに独立して、1つ若しくは複数のX、R、及び/又はRで任意に置換されている単環式炭素環又は複素環基を表し、
Xは、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、カルボキシ、アルキル−カルボニル、ヒドロキシアミノカルボニル、スルファモイル、N−アルキル−スルファモイル、N,N−ジ−アルキル−スルファモイル、テトラゾリル、2,4−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−オン、4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン、又は1,2−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−オンを表し、
及びRは、互いに独立して、ハロ、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、チオアルコキシ、オキソ、ニトロ、シアノ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アミノ、アシル、アルコキシ−カルボニル、アルコキシ−カルボニル−アルキル、アルコキシ−カルボニル−アルケニル、N−(アルキル−カルボニル)−アミノ、カルバモイル、N−アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル−アルキル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル−アルケニル、N−(カルボキシ−アルキル)−カルバモイル、スルファモイル、N−アルキル−スルファモイル、N,N−ジ−アルキル−スルファモイル、及び/又はフェニル(このフェニルは、ハロ、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ニトロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アシル、アルコキシ−カルボニル、アルコキシ−カルボニル−アルキル、アルコキシ−カルボニル−アルケニル、N−(アルキル−カルボニル)−アミノ、カルバモイル、N−アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル−アルキル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル−アルケニル、N−(カルボキシ−アルキル)−カルバモイル、スルファモイル、N−アルキル−スルファモイル、及びN,N−ジ−アルキル−スルファモイルからなる群から選択される1つ又は2つの置換基で任意に置換されてもよい)を表す]。
【0087】
より好ましい実施形態において、Aは、シクロヘキシル及びフェニルから選択される単環式炭素環基を表し、この単環式炭素環基は、R及び/又はRで任意に置換されており、Bは、フェニル、或いはピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、又はピラジニルから選択される単環式複素環基、或いはそのN酸化物を表し、この炭素環又は複素環基は、1つ又は複数のX、R、及び/又はRで任意に置換されている。
【0088】
さらに好ましい実施形態において、Aは、フェニルを表し、このフェニルは、R及び/又はRで任意に置換されており、Bは、ピリジル又はピリミジニル、或いはそのN酸化物を表し、この炭素環又は複素環基は、1つ又は複数のX、R、及び/又はRで任意に置換されている。
【0089】
他の好ましい実施形態において、Aは、R及び/又はRで任意に置換されているピリジルを表し、Bは、フェニル、或いはピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、又はピラジニルから選択される単環式複素環基、或いはそのN酸化物を表し、この炭素環又は複素環基は、1つ又は複数のX、R、及び/又はRで任意に置換されている。
【0090】
より好ましい実施形態において、Xは、ヒドロキシ、カルボキシ、又はテトラゾリルを表す。
【0091】
さらに好ましい実施形態において、R及びRは、互いに独立して、ハロ、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、チオアルコキシ、オキソ、ニトロ、シアノ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アミノ、カルボキシ、及び/又はアルコキシ−カルボニルを表す。
【0092】
最も好ましい実施形態において、本発明に用いるERGチャネル活性化尿素誘導体は、
1−ピリミジン−2−イル−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−尿素;
1−(2−ヒドロキシ−6−メトキシ−ピリジン−3−イル)−3−(3−フルオロメチル−フェニル)−尿素;
1−(1−オキシ−ピリジン−2−イル)−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−尿素;
1−(3,5−ジヒドロキシ−フェニル)−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−尿素;
1−(1,2,3,6−テトラヒドロ−2,6−ジオキソ−4−カルボキシ−ピリミジン−5−イル)−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−尿素;
1−(2−カルボキシ−ピラジン−3−イル)−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−尿素;
1−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニル]−3−フェニル−尿素;
1−(2−カルボキシ−5−クロロ−フェニル)−3−シクロヘキシル−尿素;
1−(3−カルボキシ−ピリジン−2−イル)−3−(2−クロロ−ピリジン−3−イル)−尿素;
1−(2−クロロ−ピリジン−3−イル)−3−(2−カルボキシ−5−クロロ−フェニル)−尿素;
1−(3−カルボキシ−5−クロロ−ピリジン−2−イル)−3−(3,5−ジクロロ−フェニル)−尿素;
又は薬剤として許容されるこれらの塩である。
【0093】
第14の好ましい実施形態において、本発明に用いるERGチャネル活性化化合物は、式IVのベンズアミド誘導体、或いはそのエナンチオマー若しくはエナンチオマーの混合物又は薬剤として許容されるその塩である:
【化5】


[式中、Aは、1つ又は複数のX、R、及び/又はRで任意に置換されている単環式炭素環又は複素環基を表し、Xは、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、カルボキシ、アルキル−カルボニル、ヒドロキシアミノカルボニル、スルファモイル、N−アルキル−スルファモイル、N,N−ジ−アルキル−スルファモイル、テトラゾリル、2,4−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−オン、4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン、又は1,2−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−オンを表し、
、R、R、及びRは、互いに独立して、ハロ、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、チオアルコキシ、オキソ、ニトロ、シアノ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アミノ、アシル、アルコキシ−カルボニル、アルコキシ−カルボニル−アルキル、アルコキシ−カルボニル−アルケニル、N−(アルキル−カルボニル)−アミノ、カルバモイル、N−アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル−アルキル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル−アルケニル、N−(カルボキシ−アルキル)−カルバモイル、スルファモイル、N−アルキル−スルファモイル、N,N−ジ−アルキル−スルファモイル、フェニル、及び/又はアニリノ(このフェニル又はアニリノは、ハロ、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ニトロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アシル、アルコキシ−カルボニル、アルコキシ−カルボニル−アルキル、アルコキシ−カルボニル−アルケニル、N−(アルキル−カルボニル)−アミノ、カルバモイル、N−アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル−アルキル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル−アルケニル、N−(カルボキシ−アルキル)−カルバモイル、スルファモイル、N−アルキル−スルファモイル、及びN,N−ジ−アルキル−スルファモイルからなる群から選択される1つ又は2つの置換基で任意に置換されてもよい)を表す]。
【0094】
より好ましい実施形態において、Aは、1つ又は複数のX、R、及び/又はRで任意に置換されているフェニル又はピリジニルを表す。
【0095】
さらに好ましい実施形態において、Xは、ヒドロキシ、カルボキシ、又はテトラゾリルを表す。
【0096】
さらに好ましい実施形態において、R、R、R、及びRは、互いに独立して、ハロ、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、チオアルコキシ、オキソ、ニトロ、シアノ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アミノ、カルボキシ及び/又はアルコキシ−カルボニル、フェニル、及び/又はアニリノを表し、このフェニル又はアニリノは、ハロ、ハロアルキル、及びハロアルコキシからなる群から選択される1つ又は2つの置換基で任意に置換されてもよい。
【0097】
さらに好ましい実施形態において、R及びRは、互いに独立して、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、CF、フェニル、及び/又はアニリノを表し、このフェニル及びアニリノは、ハロ及び/又はCFで任意に置換されており、R及びRは、互いに独立して、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、及び/又はCFを表す。
【0098】
最も好ましい実施形態において、本発明に用いるERGチャネル活性化ベンズアミド誘導体は、
N−[3−クロロ−4−(4−クロロ−フェニルアミノ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−5−ニトロ−ベンズアミド、
N−[3−(1H−テトラゾール−5−イル)−ビフェニル−4−イル]−3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンズアミド、
又は薬剤として許容されるこれらの塩である。
【0099】
さらなる態様において、本発明は、ERGチャネル活性化剤として有用である新規な化合物を提供する。
【0100】
好ましい実施形態において、本発明の化合物は、
1−ピリミジン−2−イル−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−尿素;
1−(2−ヒドロキシ−6−メトキシ−ピリジン−3−イル)−3−(3−フルオロメチル−フェニル)−尿素;
1−(1−オキシ−ピリジン−2−イル)−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−尿素;
2,6−ジオキソ−5−[3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ウレイド]−1,2,3,6−テトラヒドロ−ピリミジン−4−カルボン酸;
3−[3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ウレイド]−ピラジン−2−カルボン酸;
1−(2−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−尿素;
1−(5−クロロ−2−ヒドロキシ−フェニル)−3−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−尿素;
1−(3,5−ジヒドロキシ−フェニル)−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−尿素;
4−クロロ−2−[3−(2−フルオロ−フェニル)−ウレイド]−安息香酸;
4−クロロ−2−[3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ウレイド]−ベンゼンスルホンアミド;
1−(3−クロロ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−(2−N,N−ジメチルカルバモイル−エチル)−フェニル]−尿素;
1−[4−クロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニル]−3−(3,5−ジクロロ−フェニル)−尿素;
1−[4−クロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニル]−3−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−尿素;
3’−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−4’−[3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ウレイド]−ビフェニル−4−カルボン酸ジメチルアミド;及び
3’−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−4’−[3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ウレイド]−ビフェニル−4−カルボン酸ジメチルアミド;
からなる群から選択される式IIIの尿素誘導体、又は薬剤として許容されるこれらの塩である。
【0101】
他の好ましい実施形態において、本発明の化合物は、
1−(2−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−尿素;
1−(5−クロロ−2−ヒドロキシ−フェニル)−3−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−尿素;
1−(3,5−ジヒドロキシ−フェニル)−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−尿素;
4−クロロ−2−[3−(2−フルオロ−フェニル)−ウレイド]−安息香酸;
4−クロロ−2−[3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ウレイド]−ベンゼンスルホンアミド;
1−(3−クロロ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−(2−N,N−ジメチルカルバモイル−エチル)−フェニル]−尿素;
1−[4−クロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニル]−3−(3,5−ジクロロ−フェニル)−尿素;
1−[4−クロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニル]−3−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−尿素;
3’−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−4’−[3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ウレイド]−ビフェニル−4−カルボン酸ジメチルアミド;及び
3’−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H,[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−4’−[3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ウレイド]−ビフェニル−4−カルボン酸ジメチルアミド;
からなる群から選択される式Iのジフェニル尿素誘導体、又は薬剤として許容されるその塩である。
【0102】
第3の好ましい実施形態において、本発明の化合物は、
N−[3−クロロ−4−(4−クロロ−フェニルアミノ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−5−ニトロ−ベンズアミド、
N−[3−(1H−テトラゾール−5−イル)−ビフェニル−4−イル]−3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンズアミド、
からなる群から選択される式IVのベンズアミド誘導体、又は薬剤として許容されるこれらの塩である。
【0103】
本発明の化合物は、実施例5に記載するようにして得ることができる。
【0104】
置換基の定義
本発明において、ハロは、フルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨードを表す。したがって、トリハロメチル基は、たとえばトリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、及び類似のトリハロ置換メチル基を表す。
【0105】
本発明において、アルキル基は、1価の飽和直鎖又は分枝鎖の炭化水素鎖を示す。炭化水素鎖は、好ましくは1から18個の炭素原子(C1〜18アルキル)、より好ましくは1から6個の炭素原子(C1〜6アルキル、低級アルキル)を含有し、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t−ペンチル、ヘキシル、及びイソヘキシルを含む。好ましい実施形態において、アルキルは、C1〜4アルキル基を表し、ブチル、イソブチル、s−ブチル、及びt−ブチルを含む。本発明の他の好ましい実施形態において、アルキルは、C1〜3アルキル基を表し、特にメチル、エチル、プロピル、又はイソプロピルであることができる。
【0106】
本発明において、アルコキシ基は、「アルキル−O−」基を示し、式中、アルキルは上に定義したとおりである。本発明の好ましいアルコキシ基の例には、メトキシ及びエトキシが含まれる。
【0107】
本発明において、アルコキシ−カルボニル基は、「アルキル−O−(CO)−」基を示し、式中、アルキルは上に定義したとおりである。本発明の好ましいアルコキシ−カルボニル基の例には、メトキシ−カルボニル及びエトキシ−カルボニルが含まれる。
【0108】
本発明において、アルコキシ−カルボニル−アルキル基は、「アルキル−O−(CO)−アルキル−」基を示し、式中、アルキルは上に定義したとおりである。本発明の好ましいアルコキシ−カルボニル−アルキル基の例には、メトキシ−カルボニル−メチル、及びエトキシ−カルボニル−メチル、メトキシ−カルボニル−エチル、及びエトキシ−カルボニル−エチルが含まれる。
【0109】
本発明において、アルコキシ−カルボニル−アルケニル基は、「アルキル−O−(CO)−アルケニル−」基を示し、式中、アルキル及びアルケニルは上に定義したとおりである。本発明の好ましいアルコキシ−カルボニル−アルケニル基の例には、メトキシ−カルボニル−エテニル、エトキシ−カルボニル−エテニル、メトキシ−カルボニル−プロペニル、及びエトキシ−カルボニル−プロペニルが含まれる。
【0110】
本発明において、チオアルコキシ基は、「アルキル−S−」基を示し、式中、アルキルは上に定義したとおりである。
【0111】
本発明において、ハロアルキル基は、本明細書に定義したとおりのアルキル基を示し、このアルキル基は、ハロゲンで1回又は複数回置換されている。本発明の好ましいハロアルキル基には、トリハロゲンメチル及びトリハロゲンエチルが含まれる。
【0112】
本発明において、ハロアルコキシ基は、本明細書に定義したとおりのアルコキシ基を示し、このアルコキシ基は、ハロゲンで1回又は複数回置換されている。本発明の好ましいハロアルコキシ基には、トリハロゲンメトキシ及びトリハロゲンエトキシが含まれる。
【0113】
本発明において、アシル基は、カルボキシ基(−COOH)又はアルキル−カルボニル基(アルキル−CO−)を示し、式中、アルキルは上に定義したとおりである。本発明の好ましいアシル基の例には、カルボキシ、アセチル、及びプロピオニルが含まれる。
【0114】
本発明において、単環式炭素環基は、環原子として炭素のみを有し、特に芳香族(すなわちアリール基)、或いは飽和又は部分飽和であることができる。本発明の好ましい単環式炭素環基には、5員及び6員単環式炭素環基が含まれる。本発明の最も好ましい単環式炭素環基には、シクロヘキシル及びフェニルが含まれる。
【0115】
本発明において、単環式複素環基は、その環構造に1つ又は複数のヘテロ原子を有する環式化合物である。好ましいヘテロ原子には、窒素(N)、酸素(O)、及び硫黄(S)が含まれる。1つ又は複数の環構造は、特に芳香族、或いは部分飽和(すなわちヘテロアリール)又は完全飽和であることができる。本発明の好ましい単環式複素環基には、5及び6員単環式複素環基が含まれる。
【0116】
本発明の好ましい5〜6員単環式複素環基には、フラニル、特にフラン−2−又は3−イル、チエニル、特にチエン−2−又は3−イル、セレノフェニル、特にセレノフェン−2−又は3−イル、ピロリル(アゾリル)、特にピロール−2−又は3−イル、オキサゾリル、特にオキサゾール−2、4−又は5−イル、チアゾリル、特にチアゾール−2、4−又は5−イル、イミダゾリル、特にイミダゾール−2−又は4−イル、ピラゾリル、特にピラゾール−3−又は4−イル、イソオキサゾリル、特にイソオキサゾール−3、4−又は5−イル、イソチアゾリル、特にイソチアゾール−3−、4−、又は5−イル、オキサジアゾリル、特に1,2,3−オキサジアゾール−4−又は5−イル、又は1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、トリアゾリル、特に1,2,3−トリアゾール−4−イル、又は1,2,4−トリアゾール−3−イル、チアジアゾリル、特に1,2,3−チアジアゾール−4−又は5−イル、又は1,3,4−チアジアゾール−2−イル、ピリジル、特にピリド−2−、3−、又は4−イル、ピリダジニル、特にピリダジン−3−又は4−イル、ピリミジニル、特にピリミジン−2−、4−、又は5−イル、ピラジニル、特にピラジン−2−又は3−イル、及びトリアジニル、特に1,2,4−又は1,3,5−トリアジニルが含まれる。
【0117】
本発明の最も好ましい5〜6員単環式複素環基には、ピリジニル、特にピリジン−2、3、又は4−イル、ピリダジニル、特にピリダジン−3−又は4−イル、ピリミジニル、特にピリミジン−2、4、又は5−イル、及びピラジニル、特にピラジン−2又は3−イルが含まれる。
【0118】
薬剤として許容される塩
本発明に用いる化合物は、意図する投与に適した任意の形態で提供することができる。適切な形態には、本発明に用いる化合物の薬剤として(すなわち生理的に)許容される塩、及びプレドラッグ又はプロドラッグの形態が含まれる。
【0119】
薬剤として許容される付加塩の例には、これに限定されるものではないが、非毒性無機及び有機酸付加塩、たとえば塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、アコン酸塩(aconate)、アスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、ケイ皮酸塩、クエン酸塩、エンボン酸塩、エナンチン酸塩、フマル酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩、フタル酸塩、サリチル酸塩、ソルビン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、トルエン−p−スルホン酸塩などが含まれる。そのような塩は、当分野で記載され、よく知られている手順で形成することができる。
【0120】
本発明に用いる化合物の薬剤として許容されるカチオン塩の例には、これに限定されるものではないが、アニオン基を含有する本発明の化合物のナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リチウム、及びアンモニウム塩などが含まれる。そのようなカチオン塩は、当分野で記載され、よく知られている手順で形成することができる。
【0121】
調製方法
本発明に用いる化合物は、化学合成の通常の方法、たとえばWO94/22807、WO96/25157、WO97/45400、WO97/45111、WO98/47879、WO2000/24707、及びWO2004/022529に記載されている方法で調製することができる。
【0122】
薬剤組成物
他の態様において、本発明は、治療上有効量の本発明に用いる化合物を含む新規な薬剤組成物を提供する。
【0123】
治療に用いる本発明の化合物は、そのままの化合物の形態で投与することもできるが、任意に生理的に許容される塩の形態で、1種又は複数の補助剤、賦形剤、担体、緩衝剤、希釈剤、及び/又は他の通常の医薬助剤と共に薬剤組成物中の活性成分として導入することが好ましい。
【0124】
好ましい実施形態において、本発明は、1種又は複数の薬剤として許容される担体、並びに任意に当分野で知られ、用いられている他の治療及び/又は予防成分と共に、本発明に用いる化合物を含む薬剤組成物を提供する。この担体は、製剤の他の成分と適合し、そのレシピエントに有害でないという意味で「許容され」なければならない。
【0125】
本発明の薬剤組成物は、所望の治療に適する任意の好都合な経路で投与することができる。好ましい投与経路には、経口投与、特に錠剤、カプセル剤、糖衣剤、粉末、又は液体形態、及び非経口投与、特に皮膚、皮下、筋内、又は静脈内注射が含まれる。本発明の薬剤組成物は、所望の製剤に適した標準的な方法及び通常の技法を用いて、当分野の任意の技術者によって製造され得る。所望であれば、活性成分を徐放するように適合させた組成物を用いることができる。
【0126】
製剤及び投与の技法に関するさらに詳細な記述は、レミントンの製薬科学(Remington’s Pharmaceutical Sciences)(Maack Publishing Co.Easton、PA)の最新版に見出すことができる。
【0127】
実際の用量は、治療される疾患の性質及び重篤度によって決まり、医師の裁量の範囲内であり、所望の治療効果を生じさせるために本発明の特定の状況に合わせて用量を漸増させることによって変えることができる。しかしながら、個々の投与量当たり約0.1から約500mg、好ましくは約1から約100mg、最も好ましくは約1から約10mgの活性成分を含有する薬剤組成物が治療処置に適していると現在考えられている。
【0128】
活性成分は、1日当たり1回又は数回の投与量で投与することができる。任意に、0.1μg/kg(静脈内)及び1μg/kg(経口)という低い用量で満足できる結果を得ることができる。用量範囲の上限は、約10mg/kg(静脈内)及び100mg/kg(経口)であると現在考えられている。好ましい範囲は、約0.1μg/kgから約10mg/kg/日(静脈内)及び約1μg/kgから約100mg/kg/日(経口)である。
【0129】
治療法
他の態様において、本発明は、ヒトを含む動物生体の心臓疾患、障害、又は状態を治療、予防、又は緩和する方法を提供し、この障害、疾患、又は状態は、ERGチャネル、特にヒトERG1チャネル(ヒトEther−a−go−go関連遺伝子チャネル、HERG1チャネル)の活性化に反応性であり、この方法は、それを必要としているそのような動物生体に、ERGチャネルを活性化することのできる治療上有効量の化合物、又は薬剤として許容されるその付加塩を投与するステップを含む。
【0130】
好ましい実施形態において、心臓疾患、障害、又は状態は、心臓不整脈、心房性不整脈、心室性不整脈、心房性細動、心室性細動、頻拍性不整脈、心房性頻拍性不整脈、心室性頻拍性不整脈、徐脈型不整脈、或いはたとえば心筋虚血、心筋梗塞、心臓肥大、心筋症、又は遺伝的疾患に起因する他の任意の律動異常である。
【0131】
他の特定の実施形態において、心臓疾患、障害、又は状態は、心虚血、虚血性心疾患、肥大心、心筋症、又は心不全である。
【0132】
最も好ましい実施形態において、本発明の心臓疾患、障害、又は状態は、心臓不整脈である。
【0133】
活性薬剤成分(API)は、1日当たりAPI約0.1から約1000mg、より好ましくは1日当たりAPI約1から約500mg、最も好ましくは1日当たりAPI約1から約100mgの範囲内であると現在考えられている。但し、正確な投与様式、投与形態、考慮される兆候、対象、特に対象の体重、さらに担当する医師又は獣医の選択及び経験による。
【0134】
本発明を添付の図面を参照することによりさらに例示する。
【実施例】
【0135】
以下の実施例を参照することによって本発明をさらに例示するが、これらの実施例は請求する本発明の範囲を何ら限定するものではない。
【0136】
(実施例1)
哺乳類細胞でのHERG1チャネルの発現及び機能的特徴
この実施例では、HERG1チャネルを安定に発現する哺乳類HEK293細胞を用いて、本発明に用いるジフェニル尿素誘導体、1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(2−ヒドロキシ−5−クロロフェニル)−尿素(化合物A)のHERG1チャネル開口活性を求める。
【0137】
クローニング及び発現
HERG1チャネルをHEK293細胞に発現させる。Warmke及びGanetzky、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、1994、91、3438〜3442に記載のとおり、HERG1チャネルをコードする遺伝子をクローニングした。
【0138】
HEK293細胞での機能的発現を確実にするために、Jespersen等、Biotechniques、2002、32、536〜540に記載のとおり、HERG1遺伝子をシャトルベクターpXOOMでサブクローニングした。
【0139】
HEK293細胞での遺伝子コンストラクトの安定なトランスフェクションにより、哺乳類発現を得る。
【0140】
電気生理学的測定
HERG1チャネルを通る電流を、パッチクランプ技法を用いて測定する。模擬心臓活動電位によって、HERG1電流を活性化する。
【0141】
簡潔に述べれば、このプロトコルは、−90mVの静止膜電位から短初期脱分極ステップ+30mVに移行し、0mVのランプ終止が続く。このプラトー期は再分極によって終止し、同様に図1の電圧プロトコルに示したとおり、70ミリ秒で−15mVから−90mVに移行し、静止膜電位に戻る。
【0142】
結果
HERG1チャネルを安定に発現するHEK293細胞を、図1に示したとおり、心臓活動電位プロトコルによってチャレンジした。安定な電流レベルに達したとき、化合物Aを添加した。再分極電流の著しい増大を認めることができた。
【0143】
結果を図1に示す。
【0144】
HEK293細胞で行った実験において、3〜30μMの化合物Aの投与によって、天然心臓活動電位の再分極電流を反映する心筋模擬電圧プロトコルの最終期に電流が増大した。
【0145】
静止期の最初の200ミリ秒でHERG1電流が増大することも認められた。
【0146】
(実施例2)
アフリカツメガエル(Xenopus laevis)卵母細胞でのHERG1チャネルの発現及び機能的特徴
この実施例では、HERG1チャネルを一時的に発現するアフリカツメガエル卵母細胞を用いて、本発明に用いるジフェニル尿素誘導体、WO98/47879、実施例1に記載のとおり得た1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−ブロモ−フェニル]尿素(化合物B)、実施例5に記載のとおり得たN−[3−(1H−テトラゾール−5−イル)−ビフェニル−4−イル]−3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンズアミド(化合物15)のHERG1チャネル開口活性を求める。
【0147】
クローニング及び発現
HERG1チャネルをHEK293細胞に発現させる。Warmke及びGanetzky、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、1994、91、3438〜3442に記載のとおり、HERG1チャネルをコードする遺伝子をクローニングした。
【0148】
HEK293細胞での機能的発現を確実にするために、Jespersen等、Biotechniques、2002、32、536〜540に記載のとおり、HERG1遺伝子をシャトルベクターpXOOMでサブクローニングした。
【0149】
電気生理学的測定
HERG1チャネルを通る電流を、2電極電圧クランプ技法を用いて測定する。ステッププロトコルによって、HERG1電流を活性化する。
【0150】
簡潔に述べれば、このプロトコルは、−80mV(3秒持続)の静止膜電位から1秒の脱分極ステップ+10mVに移行し、−60mVの再分極ステップが続く。このプロトコルを500回まで繰り返す。
【0151】
結果
HERG1チャネルを一時的に発現するアフリカツメガエル卵母細胞を、−80mVから+10mV、−60mVの電圧プロトコルによってチャレンジした。安定な電流レベルが得られるまで、このプロトコルを7秒毎に繰り返した。独立した実験で、化合物B及び化合物15を添加した。−60mVで記録された再分極電流に著しい増大を認めることができた。
【0152】
結果を図2に示す。
【0153】
アフリカツメガエル卵母細胞で行った実験において、1〜30μMの化合物B及び化合物15の投与によって電流が増大した。
【0154】
(実施例3)
天然心筋細胞での活動電位の変調
この実施例では、本発明の代表的化合物、WO2002/064128に記載のとおり得た1,3−ビス−(2−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−尿素(化合物C)のモルモットの天然心筋細胞に対する活性を求める。
【0155】
電気生理学的測定
電流クランプモードでパッチクランプ技法を用いて、天然心筋細胞の膜電位を求めた。実験を開始する前に、膜電位を約−80mVに調節した。20回反復して電流を適用することによって、細胞をチャレンジした。単回の適用は以下のとおりであった。5〜15ミリ秒持続する1nAの単一電流パルスを適用して、活動電位を誘発した。単一パルスに続いて、1〜5ミリ秒持続する30回の繰り返しパルス、電流振幅100〜700pAを適用した。繰り返しパルスは、誘発活動電位の終わりに適用した。これらの実験は化合物Cの存在下又は不在下で行った。
【0156】
結果
天然心筋細胞は、活動電位を誘出することによって、記載の電圧プロトコルに反応した。次の繰り返しパルス(早期及び後期後脱分極を模擬)によって、心筋細胞膜電位が障害され、それによって膜電位の正常な再分極が妨げられた。これは対照実験において20回の電流適用のうち10回で観察された(膜電位障害の代表例を図3に示す)。対照的に、図3に示したように、化合物Cの適用によって、30回繰り返しパルスの存在下では心臓活動電位の短縮及び膜電位の安定がもたらされた。この安定化は20回すべての電流適用で観察された。
【0157】
(実施例4)
モルモットの心電図でのQT間隔の変調
この実験では、本発明による使用が企図される化合物を、ヒトERG遮断薬に関する安全評価に典型的に用いられる覚醒モルモット遠隔測定モデルで検査した。
【0158】
化合物を静脈内投与し、ECG及び心拍数を測定した。QT間隔は、心拍数の任意の変化に対して補正した(QTc)。
【0159】
このモデルでは、HERGチャネルを開口する化合物による用量依存的なQT間隔の低減を得ることができ、このチャネルがモルモット心臓活動電位の終止(再分極)に重要であることを確証する。
【0160】
この実験の結果を図4に示すが、この図は化合物Bの一濃度(50mg/kg)の効果を実証する。
【0161】
(実施例5)
調製例
1−(2−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−尿素(化合物1)
1−(2−メトキシ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−尿素(1g)を乾燥ジクロロメタン(20ml)に溶解し、氷浴で冷却した。1MのBBrのジクロロメタン(4ml)溶液を1滴ずつ加え、その溶液を室温で30分間撹拌した。水を添加し、激しく撹拌した後、混合物をジクロロメタンで抽出した。乾燥(MgSO)、濾過、真空での濃縮、及びフラッシュクロマトグラフィによって生成物を生じ、それをガソリンでスラリーにし、濾過し、ガソリンで洗浄し、乾燥して、1−(2−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−尿素(340mg)を得た。融点=158〜159℃。
【0162】
1−ピリミジン−2−イル−3−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−尿素(化合物2)
2−アミノピリミジン(1g)をトルエン(50ml)に懸濁し、3−トリフルオロメチルフェニルイソシアナート(1.5ml)で処理した。この反応を一晩撹拌し、その後、真空で濃縮して白色の固体を生じ、それを700mlの沸騰メタノールに溶解し、濾過した。濾液を還流して透明の溶液を生じ、それを一晩で3℃にゆっくり冷却した。濾過し、メタノールで洗浄し、風乾して、1−ピリミジン−2−イル−3−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−尿素(2.24g)を得た。融点=224〜225℃。
【0163】
1−(5−クロロ−2−ヒドロキシ−フェニル)−3−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−尿素(化合物3)
5−クロロ−2−ヒドロキシアニリン(1g)をトルエン(50ml)に懸濁し、2−トリフルオロメチルフェニルイソシアナート(1.2ml)で処理した。この反応を一晩撹拌し、その後、濾過した。濾過ケーキをスラリーにし、15mlのトルエンで2回濾過し、さらに1回ガソリンで洗浄した。55℃で乾燥して、1−(5−クロロ−2−ヒドロキシ−フェニル)−3−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−尿素(2.06g)を得た。融点=183〜184℃。
【0164】
1−(2−ヒドロキシ−6−メトキシ−ピリジン−3−イル)−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−尿素(化合物4)
1−(2,6−ジメトキシ−ピリジン−3−イル)−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−尿素(0.5g)を乾燥ジクロロメタン(10ml)に懸濁し、BBr(0.14ml)を添加し、その溶液を室温で撹拌した。5時間後、さらにBBr(50μl)を添加し、さらに1時間後、その反応をさらなるジクロロメタンで希釈し、氷水でクエンチした。混合物を酢酸エチルで抽出し、MgSOで乾燥し、濾過し、濃縮して、薄い紫色の残渣を得た。これをシリカに予め負荷し、クロマトグラフィにかけ、白色の固体(210mg)として1−(2−ヒドロキシ−6−メトキシ−ピリジン−3−イル)−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−尿素を得た。融点=223〜224℃。
【0165】
1−(1−オキシ−ピリジン−2−イル)−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−尿素(化合物5)
1−(ピリジン−2−イル)−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−尿素(1g)のジクロロメタン(50ml)溶液を60%m−CPBA(1g)で処理し、室温で一晩撹拌した。その混合物を濃縮し、EtOAc(60ml)に溶解し、温め、室温に冷却した。濾過し、EtOAcで洗浄し、風乾して、白色の固体(820mg)として1−(1−オキシ−ピリジン−2−イル)−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−尿素を得た。融点=213〜214℃。
【0166】
1−(3,5−ジヒドロキシフェニル)−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−尿素(化合物6)
1−(3,5−ジメトキシフェニル)−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−尿素(1g)のジクロロメタン(25ml)溶液をBBr(1ml)で処理し、室温で3時間撹拌し、その後、水に注ぎ入れ、濾過した。油状の残渣をシリカのクロマトグラフィにかけ、いくらかのモノ脱メチル化生成物と共に、1−(3,5−ジヒドロキシフェニル)−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−尿素(130mg)を得た。融点=174〜175℃。
【0167】
2,6−ジオキソ−5−[3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ウレイド]−1,2,3,6−テトラヒドロ−ピリミジン−4−カルボン酸(化合物7)
5−アミノ−オロチン酸(0.86g)をDMSO(10ml)に溶解し、3−トリフルオロメチルフェニルイソシアナート(0.9ml)で処理し、1時間後、さらに0.5mlで処理した。この反応を室温で3日間撹拌した。水を添加し、混合物を濾過し、水で洗浄した。残渣を水でスラリーにし、NaOHで処理し、塩基性になるまで続けた。濾過し、濾液を酸性化して沈殿物を得て、それを濾過し、水で洗浄し、乾燥した。96%EtOHから再結晶して、2,6−ジオキソ−5−[3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ウレイド]−1,2,3,6−テトラヒドロ−ピリミジン−4−カルボン酸(330mg)を得た。融点>300℃。
【0168】
3−[3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ウレイド]−ピラジン−2−カルボン酸(化合物8)
3−アミノピラジン−2−カルボン酸(0.7g)のDMSO(10ml)溶液を3−トリフルオロメチルフェニルイソシアナート(0.9ml)で処理し、室温で一晩撹拌し、その後、水でクエンチした。ゴム状の残渣を分離した。デカント後、残渣を充分に水で洗浄し、塩基性pHになるまでNaOHと撹拌し、濾過し、CHCl:MeOH:アセトン(4:1:1)を用い、その後、生成物がカラムから溶出し始めたときCHCl:MeOH:NHOH(40:9:1)を用いてシリカのクロマトグラフィにかけた。これにより3−[3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ウレイド]−ピラジン−2−カルボン酸を得た。融点>300℃。
【0169】
4−クロロ−2−[3−(2−フルオロ−フェニル)−ウレイド]−安息香酸(化合物9)
2−アミノ−4−クロロ安息香酸(0.3g)、2−フルオロフェニルイソシアナート(0.2ml)、及びトリエチルアミン(0.24ml)をトルエン(20ml)中で1週間撹拌した。さらに2−フルオロフェニルイソシアナート(0.1ml)を添加し、さらに1週間撹拌を続けた。その混合物をほぼ乾燥するまで濃縮し、水を添加し、希HClを用いてpHを1に調整した。水をデカントし、残渣を96%温EtOHに溶解した。pHを4NのHClを用いて再び1に調整し、固体の沈殿を得て、それを濾過し、乾燥して、4−クロロ−2−[3−(2−フルオロ−フェニル)−ウレイド]−安息香酸(0.25mg)を得た。融点=195〜197℃。
【0170】
4−クロロ−2−[3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ウレイド]−ベンゼンスルホンアミド(化合物10)
この化合物を2−アミノ−4−クロロ−ベンゼンスルホンアミド及び3−トリフルオロメチルフェニルイソシアナートから、1−ピリミジン−2−イル−3−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−尿素(化合物2)と類似の方法で調製し、4−クロロ−2−[3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ウレイド]−ベンゼンスルホンアミド(550mg)を得た。融点=163〜165℃。
【0171】
3−[4−[3−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−ウレイド]−3−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニル]−N,N−ジメチル−プロピオンアミド(化合物11)
Ar下、65℃でアセトニトリルに溶解した3−[4−アミノ−3−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニル]−N,N−ジメチル−プロピオンアミド(90mg)を、4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニルイソシアナート(85.6mg)で処理し、混合物を一晩撹拌した。室温に冷却し、濾過して、3−[4−[3−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−ウレイド]−3−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニル]−N,N−ジメチル−プロピオンアミドを得た。融点=184.5〜189.3℃。
【0172】
1−[4−クロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニル]−3−(3,5−ジクロロ−フェニル)−尿素(化合物12)
トルエン(15ml)に溶解した4−クロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニルアミン(500mg)を、3,5−ジクロロフェニルイソシアナート(500mg)で処理し、1週間撹拌した。沈殿した生成物を濾過し、トルエンで洗浄、アセトンに溶解し、セライトで濾過し、再び水で沈殿させ、濾過し、乾燥した。この残渣を96%EtOHでスラリーにし、10NのNaOHで塩基性pHに調整した。その溶液をセライトで濾過し、4NのHCl及び少量の水で再び酸性化した。沈殿した生成物を濾過し、水で洗浄して、白色固体(720mg)として1−[4−クロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニル]−3−(3,5−ジクロロ−フェニル)−尿素を得た。融点=234〜236℃。
【0173】
1−[4−クロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニル]−3−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−尿素(化合物13)
トルエン(15ml)に溶解した4−クロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニルアミン(500mg)を、4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニルイソシアナート(600mg)で処理し、1週間撹拌した。沈殿した生成物を濾過し、その後、1−[4−クロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニル]−3−(3,5−ジクロロ−フェニル)−尿素(化合物12)に関して記載した方法と類似の方法で酸/塩基抽出し、酸水溶液で再び沈殿させ、白色の固体(850mg)として1−[4−クロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニル]−3−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−尿素を得た。融点=245〜247℃。
【0174】
3’−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−4’−[3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ウレイド]−ビフェニル−4−カルボン酸ジメチルアミド(化合物14)
3’−(N−イソブトキシカルボニルオキシカルバムイミドイル)−4’−[3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ウレイド]−ビフェニル−4−カルボン酸ジメチルアミド(150mg)のジオキサン(6ml)溶液を、1NのNaOHでpH>10に調整し、室温で2.5時間撹拌した。水を添加し、EtOAcで抽出、ブラインで洗浄、乾燥(NaSO)、濾過、濃縮して、薄い黄色の固体(102mg)として3’−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−4’−[3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ウレイド]−ビフェニル−4−カルボン酸ジメチルアミドを得た。融点>165℃(分解)。
【0175】
N−[3−(1H−テトラゾール−5−イル)−ビフェニル−4−イル]−3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンズアミド(化合物15)
N−[3−シアノ−ビフェニル−4−イル]−3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンズアミド(100mg)、アジ化ナトリウム(40mg)、及びトリエチルアミン塩酸塩(103mg)をDMF(3ml)中100℃で20時間撹拌した。反応混合物を5%のKHSO溶液(10ml)に注ぎ入れ、固体を濾別し、乾燥して、白色の固体(120mg)としてN−[3−(1H−テトラゾール−5−イル)−ビフェニル−4−イル]−3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンズアミドを得た。融点=156℃(分解)。
【0176】
3’−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−4’−[3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ウレイド]−ビフェニル−4−カルボン酸ジメチルアミド(化合物16)
−50℃でジクロロメタン(5ml)に溶解した3’−(N−アミノカルバムイミドイル)−4’−[3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ウレイド]−ビフェニル−4−カルボン酸ジメチルアミド(322mg)及びトリエチルアミン(212μl)の溶液を、トリホスゲン(236mg)のジクロロメタン(5ml)溶液で処理した。その混合物を周囲温度で2.5時間撹拌し、水に注ぎ入れた。重炭酸ナトリウム水溶液でpH7に調整した後、混合物をEtOAcで抽出した。有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、濃縮した。シリカのカラムクロマトグラフィによって、白色固体として3’−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−4’−[3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ウレイド]−ビフェニル−4−カルボン酸ジメチルアミドを得た。融点=212℃。
【0177】
N−[3−クロロ−4−(4−クロロ−フェニルアミノ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−5−ニトロ−ベンズアミド(化合物17)
N−[3−クロロ−4−(4−クロロ−フェニルアミノ)−フェニル]−2−アセトキシ−5−ニトロ−ベンズアミド(155mg)を、THFと水(12ml)の1:1の混合物に溶解し、LiOH.HO(64mg)を添加した。室温で2時間撹拌した後、溶媒を蒸発し、残渣に水を添加した。濾過し、濾液を酸性化し、沈殿物を濾過して残渣を得て、それをフラッシュクロマトグラフィ(EtOAc;1:3)に供し、カレー色の粉末(70mg)としてN−[3−クロロ−4−(4−クロロ−フェニルアミノ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−5−ニトロ−ベンズアミドを得た。融点>219℃(分解)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ERGチャネルを活性化する化合物を含む、ヒトを含む哺乳動物の心臓の律動異常を治療、予防、又は緩和するための薬剤組成物であって、
該ERGチャネル活性化化合物が、式IV:
【化1】


[式IV中、
Aは、1つ又は複数のX、R、及び/又はRで任意に置換されている単環式炭素環又は単環式複素環基を表し、
Xは、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、カルボキシ、アルキル−カルボニル、ヒドロキシアミノカルボニル、スルファモイル、N−アルキル−スルファモイル、N,N−ジ−アルキル−スルファモイル、テトラゾリル、2,4−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−オン、4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン、又は1,2−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−オンを表し、
、R、R、及びRは、互いに独立して、ハロ、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、チオアルコキシ、オキソ、ニトロ、シアノ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アミノ、アシル、アルコキシ−カルボニル、アルコキシ−カルボニル−アルキル、アルコキシ−カルボニル−アルケニル、N−(アルキル−カルボニル)−アミノ、カルバモイル、N−アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル−アルキル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル−アルケニル、N−(カルボキシ−アルキル)−カルバモイル、スルファモイル、N−アルキル−スルファモイル、N,N−ジ−アルキル−スルファモイル、フェニル、及び/又はアニリノ(このフェニル又はアニリノは、ハロ、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ニトロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アシル、アルコキシ−カルボニル、アルコキシ−カルボニル−アルキル、アルコキシ−カルボニル−アルケニル、N−(アルキル−カルボニル)−アミノ、カルバモイル、N−アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル−アルキル、N,N−ジ−アルキル−カルバモイル−アルケニル、N−(カルボキシ−アルキル)−カルバモイル、スルファモイル、N−アルキル−スルファモイル、及びN,N−ジ−アルキル−スルファモイルからなる群から選択される1つ又は2つの置換基で任意に置換されてもよい)を表し、
「単環式炭素環基」は、5員及び6員単環式炭素環基であり、「単環式複素環基」は、その環構造に窒素(N)、酸素(O)、及び硫黄(S)から選択される1つ又は複数のヘテロ原子を有する5及び6員単環式複素環基であり、「アルキル」はC1〜18アルキルであり、「アルコキシ」はC1〜18アルキル−O−で表される基であり、「アルコキシ−カルボニル」は、C1〜18アルキル−O−(CO)−で表される基であり、「アルコキシ−カルボニル−アルキル」は、C1〜18アルキル−O−(CO)−C1〜18アルキル−で表される基であり、「アルコキシ−カルボニル−アルケニル」は、C1〜18アルキル−O−(CO)−C1〜18アルケニル−で表される基であり、チオアルコキシ基は、C1〜18アルキル−S−で表される基であり、「ハロアルキル」は、ハロゲンで1回又は複数回置換されているC1〜18アルキルであり、「アシル」は、カルボキシ基(−COOH)又はC1〜18アルキル−CO−で表される基である]
のベンズアミド誘導体、或いはそのエナンチオマー若しくはエナンチオマーの混合物、又は薬剤として許容されるその塩である、薬剤組成物。
【請求項2】
Aが、1つ又は複数のX、R、及び/又はRで任意に置換されているフェニル又はピリジニルを表す、請求項1に記載の薬剤組成物。
【請求項3】
Xが、ヒドロキシ、カルボキシ、又はテトラゾリルを表す、請求項1又は2に記載の薬剤組成物。
【請求項4】
、R、R、及びRが、互いに独立して、ハロ、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、チオアルコキシ、オキソ、ニトロ、シアノ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アミノ、カルボキシ、及び/又はアルコキシ−カルボニル、フェニル、及び/又はアニリノ(このフェニル又はアニリノは、ハロ、ハロアルキル、及びハロアルコキシからなる群から選択される1つ又は2つの置換基で任意に置換されてもよい)を表す請求項1から3のいずれか一項に記載の薬剤組成物。
【請求項5】
及びRが、互いに独立して、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、CF、フェニル、及び/又はアニリノを表し、このフェニル及びアニリノは、ハロ及び/又はCFで任意に置換されており、
及びRは、互いに独立して、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、及び/又はCFを表す、請求項4に記載の薬剤組成物。
【請求項6】
前記ベンズアミド誘導体が、
N−[3−クロロ−4−(4−クロロ−フェニルアミノ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−5−ニトロ−ベンズアミド、
N−[3−(1H−テトラゾール−5−イル)−ビフェニル−4−イル]−3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンズアミド、
又は薬剤として許容されるこれらの塩である、請求項5に記載の薬剤組成物。
【請求項7】
前記心臓の律動異常が、心臓不整脈、心房性不整脈、心室性不整脈、心房性細動、心室性細動、頻拍性不整脈、心房性頻拍性不整脈、心室性頻拍性不整脈、徐脈型不整脈である請求項1から6のいずれか一項に記載の薬剤組成物。
【請求項8】
前記心臓の律動異常が、心虚血、虚血性心疾患、肥大心、心筋症、又は心不全に起因する請求項7に記載の薬剤組成物。
【請求項9】
前記心臓疾患、障害、又は状態が、心臓不整脈、心房性細動、及び/又は心室性頻拍性不整脈である請求項8に記載の薬剤組成物。
【請求項10】
前記ERGチャネルが、ヒトERG1(ヒトEther−a−go−go関連遺伝子チャネル、HERG1チャネル)、マウス(Mus musculus)ERG1チャネル、ラット(Rattus norvegicus)ERG1チャネル、昆虫(Drosophila melanogaster)ERG1チャネル、イヌ(Canis familiaris)ERG1チャネル、又はウマ(Equus caballus)ERG1チャネルである請求項1から9のいずれか一項に記載の薬剤組成物。
【請求項11】
前記化合物が、KCNE1、及び/又はKCNE2、及び/又は他のアクセサリータンパク質と複合体を形成するERGチャネルを選択的に活性化することができる請求項1から10のいずれか一項に記載の薬剤組成物。
【請求項12】
前記化合物が、KCNE1及び/又はKCNE2と複合体を形成するHERG1チャネルを選択的に活性化することができる請求項1から11のいずれか一項に記載の薬剤組成物。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−52004(P2011−52004A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−249966(P2010−249966)
【出願日】平成22年11月8日(2010.11.8)
【分割の表示】特願2006−525152(P2006−525152)の分割
【原出願日】平成16年9月6日(2004.9.6)
【出願人】(505377201)ノイロサーチ アクティーゼルスカブ (135)
【Fターム(参考)】