説明

心電情報通信システム運転監視システム

【課題】従来の心電情報通信システムで情報の伝達はインターネット、テレビ電話等を使っていたが、生死に関わる心臓の異常に対して対処が遅くなりがちで合った。また、心電情報が送信されて状況を見る複数の閲覧者がいた場合について考慮されていなかった。
【解決手段】心電情報通信システムで、心電測定器端末で測定した情報を携帯電話機端末に通信し、その情報を携帯電話機端末からサーバーに送られると、情報を閲覧する閲覧者が複数いる場合に優先度の高い閲覧者にメールで心電情報が送られてきたことを伝えるので指示系統が明確になっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、心電測定器端末より心電情報をサーバーに転送し、サーバーを閲覧した医者が被験者の症状を診断する心電情報通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の血圧、体温情報等をインターネットでサーバーにストアし、担当医がサーバーにアクセスし、担当医に医療アドバイス情報を例は特許文献1に示されている。図において特許文献1について説明する。
【0003】
図12は、血圧、体温等の生体情報を測定する患者端末31と、生体情報を閲覧して診断に供するための医師端末32と、双方の端末から転送された情報を蓄積するセンターサーバー33を介して通信ネットワーク34で接続する健康診断ネットワークシステムを示す。患者端末31は血圧計、体温計など付属のバイタルセンサ35とブラウザ機能を有する通信端末装置36とTV電話装置37とを備える。医師端末32は、通信制御装置38と患者端末31とTV電話装置37と電話で対応するTV電話装置39とを備える。センターサーバー33は、患者端末31、医師端末32のそれぞれのコンテンツ、すなわち各機能を実現するためのソフトウエアが格納されているアプリケーションサーバー40とデータベースサーバー41と管理端末42とを備える。
【0004】
センターサーバー33のデータベースサーバー41には患者端末31から伝送された生体情報や、医師端末から伝送された医療アドバイス情報、医療スケジュール情報及び患者端末31への制御情報や、管理端末32から入力された患者情報、患者端末情報、医師情報、医師端末情報などの各種情報を蓄積している。上記蓄積された情報は、患者ID、患者パスワード、医師ID、医師パスワード等のアクセス権利情報が含まれており、それぞれ登録した患者あるいは医師のみしか生体情報にアクセスできないような構成にしている。
【0005】
【特許文献1】特開2002−83066号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
最近では通信ネットワークとしてインターネット、公衆電話回線網、専用回線網、高速通信網等で通信速度の速いネットワークを使うこともできるようになった。しかしながら、心筋梗塞のような心臓に関する事故に関して通信速度の速いことも必要であるが、高速通信網だけでは緊急性に対応できない欠点を有する。緊急を要するときはすぐ症状を診て医師に専門的な助言を受ける必要がある。
また、症状を伝えて診てもらう医師、家族を含めて関係者が複数いる場合があり、そのとき、誰に最も早く通知することも考慮しなくてはならない。従来例では、関係者が複数ある場合のことが考慮されていなかった。
さらに、従来例では心電測定器端末側で遠方にあるサーバーに通信する機能を有しているが、わざわざ心電測定器端末にそのような機能を持たねばならないのは大掛かりであり、既存の設備、インフラを使うよりコストが高くなると思われる。
【0007】
本発明は、このような従来の構成が有していた問題を解決しようとするものであり、携帯電話を利用した心電情報通信システムを構築することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1は、心電情報を測定する心電測定器端末と、携帯電話機端末と、情報をストアし、管理するサーバーと、少なくとも1人の閲覧者が操作する少なくとも1つの閲覧者端末とからなる心電情報通信システムで、
心電測定器端末は被験者の心電情報を測定する手段と、前記心電情報を前記携帯電話機端末に送信する手段を備え、
前記携帯通信端末は前記心電情報を受信する手段と前記サーバーに前記心電情報と前記被験者または携帯通信所有者の身元を保証するID等情報を送信する手段とを備え、
前記サーバーは前記心電測定器端末からの前記心電情報と前記ID等情報を受信する手段と、前記心電情報と前記ID等情報と前記閲覧者端末が記録したコメントをストアする手段を備え、
前記閲覧者端末は前記サーバーにアクセスし、前記心電情報を閲覧し、前記コメントを記録して前記サーバーに送信する手段を備えた心電情報通信システムを提供することにある。さらに請求項2は前記心電測定器端末から前記携帯電話機端末に送信する手段は赤外線通信手段である請求項1に記載の心電情報通信システムを提供することにある。前記心電測定器端末と前記携帯電話機端末との間は、赤外線通信手段を使い、近距離用の簡単な通信手段で行なうものである。
【0009】
本発明の請求項3は、前記少なくとも1つの閲覧者端末は、優先度の高い第1の閲覧者端末を含み、前記サーバーが前記心電情報を受信すると、第1の閲覧者端末にのみ前記サーバーが前記心電情報を受信した旨のメールを送信するよう制御する制御手段を備えた請求項1に記載の心電情報通信システムを提供することにある。
【発明の効果】
【0010】
上述したように、本発明の心電情報通信システムは、患者側が心電測定器端末の情報を携帯電話端末に送信し、その情報を携帯電話端末からサーバーに送信し、第1の閲覧者、すなわち優先度の高い閲覧許可を持つ医師がその情報をみてコメントを作成してサーバーに送信し、患者側がそのコメントをみて対処するシステムである。サーバーに送信する場合に携帯電話を使うので事故が起きた場合でもすぐに対応できる。
【0011】
また、心電測定器端末として心電情報を通信するのにまず、簡単な送信機能で携帯電話に送信するので、心電測定器端末として大掛かりな送信装置を持たなくてよいし、既存の携帯電話機で持っているシステムを使うので安価にすますことができる。
【0012】
またさらに、閲覧許可を複数のものに与えることができるが、心電情報をサーバーに送信し、サーバーが受信すると自動的に指定した優先度の高い閲覧者に対してのみメールでその旨を送信するので、その指定された閲覧者がコメントを優先して記入できるので閲覧者にも序列が決まっているので患者側から最優先の閲覧者のコメントを重視することができる効果を有する。ただし、コメントを作成するに際して優先度の高い閲覧者が次に優先度の高い閲覧者に任してよい。また、閲覧者が一人しかいない場合は、その一人が優先度が高いのはいうまでもない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図11に基づいて説明する。
【0014】
図1は本発明の心電情報通信システムにおけるブロック図を示す。
1は心電測定器端末、2は携帯電話機端末、3はサーバー、4はネットワーク、5は閲覧者端末群を示し、心電測定器端末1の情報を、携帯電話機端末2に伝送する。携帯電話機端末2は心電測定器端末1で検出した心電情報と携帯電話機端末情報をネットワーク4を介してサーバー3に伝送する。閲覧者端末群5にはドクターと称する主任医師、かかりつけの医師、家族等の第1の閲覧者5A、第2の閲覧者5B、第3の閲覧者5Cがあり、心電情報がサーバー3に伝送されたときに、サーバー3より第1の閲覧者に対して他の閲覧者よりも優先的にメールで心電情報がサーバー3に伝送されたことを通知する。
また、サーバー3は携帯電話機端末2より、心電情報を受信する受信部3Aと、第1の閲覧者にメールを送信する送信部3Bと、心電情報等をストアするストア部3Cと、第1の閲覧者にメールを送信するよう制御する制御部3Dを有する。
【0015】
図2は本発明の心電情報通信システムのユーザー及び閲覧者の登録手続きに関するフローである。
S1で、携帯電話にソフトウエアをダウンロードする、即ちiアプリでダウンロード可能な複数のあるソフトウエアの一覧を出力し、S2でソフトウエア×××を選択し、起動する。そこで図3のような携帯電話機端末2の画面2Aが表示され、はじめにユーザーの氏名とIDとパスワードを入力して登録手続きを行い、次に閲覧者の登録手続きを同じように行う。
【0016】
図4はユーザーがあらかじめ測定していた心電データを登録する手続きを示すフローである。
S11でソフト×××を選択し、起動する。S12でこのソフト×××を使用した複数のユーザーメンバーの中からユーザーを選択し、パスワードを入力してログインすると複数のメニューが表示される。S13でその複数のメニューがある中で、図5に示すように不図示の選択手段により「心電データ登録」を選択する。
【0017】
S14で、携帯電話機端末2を受信状態にして、S15で、心電測定器端末1を測定した心電データを出力する図6に示すように不図示の選択手段により「データ出力」に設定し、赤外線を発光し、その赤外線に乗せて心電データを携帯電話機端末2に送信する。S16で、携帯電話機端末2で受信したデータをサーバー3に転送してストアし、S17で登録終了となる。
【0018】
図7は心電測定器端末1から携帯電話機端末2に測定した心電情報を赤外線に乗せて送信する状態を示している。例えば、近距離通信に用いられるIrDA規格に準拠した方式を使う。
【0019】
図8は本発明の心電情報通信システムの登録したデータを閲覧する手続きを示すフローである。
21で携帯電話機端末2の画面2Aから図5に示すように、不図示の選択手段により「心電データ閲覧」を選択する。22で登録したデータの中からデータを選択する。図9に示すように、データが選択された状態で、波形表示、コメントが表示され、閲覧可能となる。
【0020】
図10は閲覧者の中で、心電データがサーバーに転送されたら自動的にメールが閲覧者の第1の優先の閲覧者に相当するドクターのコメント登録の手続きを示す。
S31で、iアプリの中からドクター用ソフト○○○を選択して起動する。S32でID、パスワードを入力し、ログインする。S33で複数のドクターが登録されたドクター担当グループからそのドクターの担当のグループを選択し、S35でそのグループの中にあるユーザーを選択する。S36でそのユーザーの心電データを閲覧し、S37のように定型のコメントの中から適切なコメントを選択し、もしなければS38のようにコメントを記入してS39に示すようにサーバー3に転送する。
定型のコメントは例えば「心電に異常はみられません」「10分後に測定しなおしてください」「安静にして計りなおしてください」等があらかじめ設けられている。
【0021】
これまで個別の手続きについて述べたが、図11は本発明の心電情報通信システムの全体のフローチャートを示す。
S41で、所定の手続きが完了しているか否かということは、携帯電話機端末2でiアプリをダウンロードし、その中からソフトを選択して起動し、ユーザー、閲覧者のID、パスワード等を入力する。それからS42で心電測定器端末1でユーザーの心電を測定する。測定が終了するとS43で携帯電話機端末2を作動状態にして心電測定器端末1からの赤外線に心電情報を乗せて携帯電話機2に送信する。
【0022】
S44で携帯電話機2からサーバー3に心電情報を送信し、S45で心電情報をサーバーにストアすると共に第1の閲覧者、ここではドクターにメールを送りコメントを登録してもらってサーバー3に心電情報をストアする。ドクターが多忙の場合とか、様々な条件で自らコメントを作成して登録できない場合はドクターが閲覧者の中からコメントを作成する閲覧者を指定してもよいことはいうまでない。
【0023】
実施例では閲覧者端末群が3個の端末からなっていたが、2個の端末でもよい。また高名な医師が担当医の場合もあって1つの端末しかない場合もありうる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の心電情報通信システムにおけるブロック図
【図2】ユーザー及び閲覧者の登録の手続きを示す図
【図3】携帯電話機端末の入力図
【図4】ユーザーのデータ登録の手続きを示す図
【図5】携帯電話機端末のメインメニュー画面
【図6】心電測定器端末のメニュー画面
【図7】心電測定器端末で測定した心電情報を携帯電話機端末に転送する図
【図8】データ閲覧手続きを示す図
【図9】波形表示例及びコメント例
【図10】ドクターのコメント手続きを示す図
【図11】本発明の心電情報通信システムの全体図
【図12】従来例
【符号の説明】
【0025】
1・・・・・・・・・・・・心電測定器端末
2・・・・・・・・・・・・携帯電話機端末
3・・・・・・・・・・・・サーバー
4・・・・・・・・・・・・ネットワーク
5・・・・・・・・・・・・閲覧者端末群

【特許請求の範囲】
【請求項1】
心電情報を測定する心電測定器端末と、携帯電話機端末と、情報をストアし、管理するサーバーと、少なくとも1人の閲覧者が操作する少なくとも1つの閲覧者端末とからなる心電情報通信システムで、
前記心電測定器端末は被験者の心電情報を測定する手段と、前記心電情報を前記携帯電話機端末に送信する手段を備え、
前記携帯電話機端末は前記心電情報を受信する手段と前記サーバーに前記心電情報と前記被験者または携帯電話所有者の身元を保証するID等情報を送信する手段とを備え、
前記サーバーは前記心電測定器端末からの前記心電情報と前記ID等情報を受信する手段と、前記心電情報と前記前記ID等情報と前記閲覧者端末が記録したコメントをストアする手段を備え、
前記閲覧者端末は前記サーバーにアクセスし、前記心電情報を閲覧し、前記コメントを記録して前記サーバーに送信する手段を備えた心電情報通信システム。
【請求項2】
前記心電測定器端末から前記携帯電話機端末に送信する手段は赤外線通信手段である請求項1に記載の心電情報通信システム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの閲覧者端末は、優先度の高い第1の閲覧者端末を含み、前記サーバーが前記心電情報を受信すると、第1の閲覧者端末にのみ前記サーバーが前記心電情報を受信した旨のメールを送信するよう制御する制御手段を備えた請求項1に記載の心電情報通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−154952(P2010−154952A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−334796(P2008−334796)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(592144939)株式会社パラマ・テック (26)
【Fターム(参考)】