説明

応力亀裂/熱亀裂抵抗性ケーブル外装材料

ワイヤー又はケーブルの絶縁又は外装層として有用な、(i)無機難燃剤、例えば、三水酸化アルミニウム(ATH)、(ii)エチレン酢酸エチル(EEA)又はエチレンアクリル酸ブチル(EBA)、(iii)均一ポリエチレン、(iv)有機官能基で変性されたエチレン樹脂、例えば、無水マレイン酸(MAH)グラフトポリエチレン、(v)シリコーンポリマー、及び必要に応じて、(vi)防煙剤を含む組成物。本発明の組成物を含む絶縁又は外装層は、応力亀裂及び/又は熱亀裂に対して良好な抵抗性を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は外被材料に関する。一態様では、本発明はワイヤー及びケーブル用の外被材料に関し、別の態様では、本発明は、とりわけ、ハロゲンフリー難燃剤、エチレン−アクリル酸エチル(EEA)又はエチレン−アクリル酸ブチル(EBA)、及び均一ポリエチレンを含む外被材料に関する。さらに別の態様では、本発明は、応力亀裂及び/又は熱亀裂に対して良好な抵抗性を示す外被材料に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリオレフィン樹脂は、外装層、例えば、ワイヤー及びケーブルの絶縁、外側ジャケットなどのための材料として一般に使用されている。しかし、これらの層に難燃性を与えるためには、多くの場合、添加剤をポリオレフィン樹脂とブレンドしなければならない。これらの添加剤には有機ハロゲン化合物及び難燃助剤、例えば三酸化アンチモンが含まれる。残念なことに、これらの添加剤は、燃焼にさらされると発煙及び/又は有害ガスの排出を引き起こす可能性があり、金属を腐食させる可能性もある。
【0003】
これらの問題に対処するため、ハロゲン化難燃剤を金属水酸化物などの非ハロゲン化難燃剤と置き換えることが多い。しかし、非ハロゲン化難燃剤の使用には、それ自体の問題がある。1つの最も重要な問題は、ハロゲン化難燃剤を用いて達成されるレベルと同レベルの難燃性を達成するためには相当量の非ハロゲン化難燃剤が必要なことである。難燃剤のこの高装填は、押出し性、機械的性質、可撓性、及び低温性能の観点からポリオレフィン樹脂に悪影響を及ぼすのみならず、ワイヤー若しくはケーブルの絶縁材又は外装の形態のポリオレフィン樹脂の、応力亀裂及び熱亀裂に対する感受性をも高める。水酸化マグネシウム(Mg(OH))の場合、亀裂がMg(OH)の大集塊に起因することがある。安価なMg(OH)は典型的に表面コーティングされていないので、相対的に高い表面エネルギーを有し(>90mJ/m)、これは、ワイヤー若しくはケーブルの絶縁材又は外装における高レベルの集塊をもたらし得る。より高価な表面コーティングされたMg(OH)も、EEAを含む絶縁又は外装層内で亀裂が生じることが知られている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施形態では、本発明は、(i)非ハロゲン化難燃剤、例えば、三水酸化アルミニウム(ATH)、(ii)EEA又はエチレン−アクリル酸ブチル(EBA)、(iii)均一ポリエチレン、(iv)無水マレイン酸(MAH)グラフトポリエチレン、(v)シリコーンポリマー、及び(vi)必要に応じて、防煙剤を含む、ワイヤー又はケーブル外装層であり、該絶縁又は外装層は、応力亀裂及び/又は熱亀裂に対して良好な抵抗性を示す。
【0005】
別の実施形態では、本発明は、(i)1つ又は複数の導電体又は通信媒体と、(ii)2つ以上の導電体又は通信媒体の心線との少なくとも1つを含み、導電体、通信媒体、又は心線の少なくとも1つが、
(A)15〜25wt%の、EEAとEBAの少なくとも1つ、
(B)5〜15wt%の均一ポリエチレン、
(C)3〜12wt%の、官能基を含む1つ又は複数の化合物で変性されたエチレン樹脂、
(D)40〜65wt%の非ハロゲン化難燃剤、
(E)1〜8wt%のシリコーンポリマー、及び必要に応じて、
(F)0〜20wt%の防煙剤
を含む外装又は絶縁層で囲まれているケーブルである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
この開示における数値範囲は、いずれの低値といずれの高値との間にも少なくとも2単位の隔たりがあるという条件で、1単位の増分で、低値と高値を含めた全ての値を包含する。一例として、例えば、分子量、粘度、メルトインデックスなどのような組成、物理的又は他の性質が100〜1,000の場合、例えば100、101、102などの全ての個々の値と、例えば100〜144、155〜170、197〜200などの部分範囲を明示的に列挙しているものとする。1未満である値を含むか又は1より大きい端数を含む(例えば、1.1、1.5など)値を含む範囲では、1単位は、それぞれに見合った0.0001、0.001、0.01又は0.1とみなされる。10未満の1桁の数を含む(例えば、1〜5)範囲では、1単位は典型的に0.1とみなされる。これらは具体的に意図している数値の単なる例であり、この開示では、列挙された最低値と最高値の間の数値の全ての考えられる組合せを明示的に述べたものとみなすものとする。この開示内では、とりわけ、メルトインデックス、多分散性又は分子量分布(Mw/Mn)、コモノマーの割合、及びコモノマー中の炭素原子数について数値範囲が与えられる。
【0007】
「ポリマー」は、同一又は異なるタイプのいずれであれ、モノマーを重合することによって調製されたポリマー化合物を意味する。したがって一般用語ポリマーは、1つのタイプだけのモノマーから調製されたポリマーを表すために通常使用される用語ホモポリマー、及び後述する用語インターポリマーを包含する。
【0008】
「インターポリマー」は、少なくとも2種の異なるタイプのモノマーの重合によって調製されたポリマーを意味する。この一般用語は、2種の異なるタイプのモノマーから調製されたポリマー、及び2種より多くの異なるタイプのモノマーから調製されたポリマー、例えば、ターポリマー、テトラポリマーなどを表すために通常使用されるコポリマーを包含する。
【0009】
「ブレンド」、「ポリマーブレンド」及び同様の用語は、2種以上のポリマーの組成物を意味する。該ブレンドは、混和性であっても混和性でなくてもよい。該ブレンドは、相分離していても相分離していなくてもよい。該ブレンドは、透過型電子顕微鏡検査、光散乱、X線散乱、及び当技術分野で既知の他のいずれかの方法によって決定した場合でも、1つ又は複数のドメイン構成を含んでも含まなくてもよい。ブレンドは積層物でない。
【0010】
「ケーブル」及び同様の用語は、保護ジャケット又は外装内の少なくとも1つのワイヤー又は光ファイバーを意味する。典型的に、ケーブルは、典型的には通常の保護ジャケット又は外装内で、一緒に束ねられた2つ以上のワイヤー又は光ファイバーである。ジャケット内の個々のワイヤー又はファイバーは裸であっても、被覆され又は絶縁されていてもよい。組合せケーブルは、電気ワイヤーと光ファイバーの両方を含んでよい。低、中及び高電圧用途に合わせてケーブルなどを設計することができる。典型的なケーブルデザインは、USP5,246,783、5,889,087、6,496,629及び6,714,707に記載されている。
【0011】
「外装」及び同様の用語は、1つ又は複数のワイヤー又は光ファイバーの回りの通常は組成がポリマーの保護包装、コーティング又は他の被覆構造を意味する。絶縁ジャケットは、典型的には水及び静電気からワイヤー及び/又は光ファイバー、或いはワイヤー及び/又は光ファイバーの束を保護するために設計された外装である。絶縁ジャケットは普通は、常にではないが、ケーブルの内部成分である。外側又は保護ジャケットは、典型的には環境及び物理的傷害からケーブルを保護する他成分をもたらすようにケーブルの最外層として設計された外装である。外側ジャケットは静電気に対しても保護をもたらしうる。
【0012】
「心線」及び同様の用語は、単一外装内の1つ又は複数のワイヤー又は光ファイバー、普通はワイヤー及び/又は光ファイバーの束を意味し、ケーブルの中心成分を形成する。心線内の各ワイヤー、光ファイバー及び/又はワイヤー及び/又は光ファイバーの束は、裸であってもそれ自体の外装で被覆されていてもよい。
【0013】
米国材料試験協会(ASTM)手順ASTM D792−00、方法Bに準拠して密度を決定する。
【0014】
ASTM D−1238−04(バージョンC)、条件190C/2.16kgを用いて、g/10分でメルトインデックス(I)を測定する。記号「I10」は、ASTM D−1238−04、条件190C/10.0kgを用いて測定したg/10分のメルトインデックスを表す。記号「I21」は、ASTM D−1238−04、条件190C/21.6kgを用いて測定したg/10分のメルトインデックスを表す。ポリエチレンは典型的に190Cで測定され、一方ポリプロピレンは典型的に230Cで測定される。
【0015】
RCS冷却付属機器とオートサンプラーを備えたTAIモデルQ1000DSCを用いて示差走査熱量測定(DSC)を行う。装置を窒素ガス流(50cc/分)でパージする。試料を圧縮して薄膜にし、圧縮器内で約175Cにて融解させてから室温(25C)に空冷する。次に材料(3〜10mg)を直径3mmの円板に切断し、正確に秤量し、軽アルミニウムパン(約50mg)内に置いてからクリンプして閉じる。以下の温度プロファイルで試料の熱挙動を調査する。試料を急速に180Cに加熱し、3分間等温的に維持して、以前のいずれの熱履歴をも除去する。次に10C/分の冷却速度で試料を−90Cに冷却し、3分間−90Cで維持する。次に10C/分の加熱速度で試料を150Cに加熱する。冷却曲線及び2番目の加熱曲線を記録する。
【0016】
EEA及びEBA、すなわち、ベース樹脂(A)は、通常の高圧法及びフリーラジカル開始剤、例えば、有機ペルオキシドを用いて、150〜350Cの範囲の温度及び100〜300メガパスカル(MPa)の圧力で、エチレン及びアクリル酸エチルとアクリル酸ブチルの一方、又は両方に由来する単位を含むコポリマーである。EEA又はEBA中に存在する、アクリル酸エチル又はアクリル酸ブチル、すなわちコモノマーに由来する単位の量は、該コポリマーの重量に基づいて少なくとも5wt%、好ましくは少なくとも10wt%である。コポリマー中に存在する、アクリル酸エチル又はアクリル酸ブチルに由来する単位の最大量は、該コポリマーの重量に基づいて典型的に40wt%以下、好ましくは35wt%以下である。EEA及びEBAのメルトインデックス(MI)は、典型的に0.5〜50g/10分の範囲である。
【0017】
EEA及び/又はEBAは、組成物の重量に基づいて少なくとも15wt%、好ましくは少なくとも17wt%、さらに好ましくは少なくとも18wt%の量で組成物中に存在する。組成物中に存在するベース樹脂(A)の最大量は、組成物の重量に基づいて典型的に25wt%以下、好ましくは23wt%以下、さらに好ましくは21wt%以下である。
【0018】
ベース樹脂(B)は均一ポリエチレン又は2種以上の均一ポリエチレンのブレンドである。これらの均一ポリエチレンは、エチレンと、1種又は複数のα−オレフィンと、必要に応じてジエンとのコポリマーである。コポリマーは、2種以上のモノマーの重合から形成されたポリマーであり、ターポリマー、テトラマーなどを包含する。α−オレフィンは3〜12個の炭素原子、好ましくは3〜8個の炭素原子を有してよい。
【0019】
本明細書で使用する場合、「均一」インターポリマーは、所定インターポリマー分子内にコモノマーがランダムに分布しており、該インターポリマー分子の実質的に全てが当該インターポリマー内で同一のエチレン/コモノマー比を有するインターポリマーである。対照的に、「不均一」インターポリマーは、該インターポリマー分子のエチレン/コモノマー比が同一でないインターポリマーである。均一ポリエチレンは、単一の比較的低いDSC融点によっても特徴づけられる。均一インターポリマーは、USP3,645,992にさらに記載されている。
【0020】
α−オレフィンコモノマーの例として、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン及び1−オクテンが挙げられる。このコポリマーの多分散性(Mw/Mn)は1.5〜3.5の範囲である。Mwは重量平均分子量として定義され、Mnは数平均分子量として定義される。均一ポリエチレンの密度は0.86〜0.94g/ccの範囲、好ましくは0.90g/cc未満であってよい。
【0021】
本発明の実施で使うのに好ましい均一ポリエチレンの密度は0.90g/cc未満、MIは1〜10g/10分、多分散性は3.3以下である。
【0022】
例えば、USP5,332,793及び5,342,907に記載されているもののようなバナジウムベース触媒系を用いて均一ポリエチレンを調製することができる。USP4,937,299及び5,317,036に記載されているもののようなシングルサイトメタロセン触媒系、及びUSP6,538,070に記載されているもののような拘束幾何触媒を用いて均一ポリエチレンを調製することもできる。
【0023】
均一に分岐した線状エチレン/α−オレフィンインターポリマーの商用例としては、Dow Chemical Companyから入手可能なENGAGE(商標)及びAFFINITY(商標)ポリマー、Mitsui Chemical Companyによって供給されるTAFMER(商標)、並びにExxonMobil Chemical Companyによって供給されるEXACT(商標)ポリマーが挙げられる。
【0024】
均一ポリエチレンは、組成物の重量に基づいて少なくとも5wt%、好ましくは少なくとも7wt%、さらに好ましくは少なくとも8wt%の量で組成物中に存在する。組成物中に存在する均一ポリエチレンの最大量は、組成物の重量に基づいて典型的に15wt%以下、好ましくは13wt%以下、さらに好ましくは12wt%以下である。
【0025】
本発明の、有機官能基で変性されたエチレン樹脂、すなわちベース樹脂(C)は、有機官能基を含む化合物によるエチレン樹脂の変性によって得られる。エチレン樹脂は単純に、主要モノマーがエチレンである樹脂である。有機官能基含有化合物の例は、不飽和カルボン酸、例えばフマル酸、アクリル酸、マレイン酸、クロトン酸及びシトラコン酸;無水不飽和脂肪二酸、例えば無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、無水4−メチルシクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、及び無水4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸;エポキシ化合物、例えばアクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル及びアリルグリシジルエーテル;ヒドロキシ化合物、例えば2−ヒドロキシエチルアクリル酸、2−ヒドロキシエチルメタクリル酸、及びポリエチレングリコールモノアクリラート;金属塩、例えばアクリル酸ナトリウム、メタクリル酸ナトリウム、及びアクリル酸亜鉛;シラン化合物、例えばビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、及びメタクリルオキシプロピルトリメトキシシランである。
【0026】
未変性形態のエチレン樹脂のメルトインデックスは0.1〜50g/10分の範囲、密度は0.86〜0.95g/ccの範囲であり得る。これらの樹脂は、チーグラー・ナッタ触媒系、フィリップス触媒系、又は他の遷移金属触媒系を用いて常法により製造されたいずれのエチレン/α−オレフィンコポリマーであってもよい。したがって、該コポリマーは、密度が0.926〜0.94g/ccの範囲の極低密度ポリエチレン(VLDPE)、超低密度ポリエチレン(ULDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、又は密度が0.94g/ccより大きい高密度ポリエチレン(HDPE)であってよい。これらのエチレン樹脂には、シングルサイトメタロセン触媒又はCGCを利用して製造されたEVA、EEA、高圧低密度ポリエチレン(HP−LDPE、ホモポリマー)、又はエチレン/α−オレフィンコポリマーのような樹脂も含まれる。これらのエチレン樹脂を総称的にポリエチレンと称することができる。
【0027】
エチレン樹脂を変性するために添加すべき上記有機官能基含有化合物の量は、該樹脂の重量に基づいて好ましくは0.05〜10wt%の範囲である。例えば、溶液、懸濁液、又は融解法によって、変性を達成することができる。溶液法は、有機官能基含有化学物質、エチレン樹脂、非極性有機溶媒及びフリーラジカル開始剤、例えば有機ペルオキシドを混合するステップと、次に該混合物を100〜160Cに加熱して変性反応を行うステップとを含む。非極性溶媒の例は、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン及びテトラクロロエタンである。有機ペルオキシドの例は、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、及びベンゾイルペルオキシドである。融解法では、エチレン樹脂、有機官能基含有化合物及びフリーラジカル開始剤を押出機及びBANBURY(商標)ミキサーなどの融解−こねまぜ機に導入して、変性エチレン樹脂を得る。
【0028】
変性ポリマー、例えば、無水グラフトポリマーは、ポリマー100重量部当たり0.05〜5又は10重量部の無水物を含んでよく、好ましくはポリマー100重量部当たり0.1〜2重量部の無水物を含む。
【0029】
例えば、エチレンと、無水マレイン酸と、必要に応じてアクリル酸エチルなどのコモノマーとの共重合によって無水物変性を達成することができる。重合技術は、基礎をなすコモノマーの通常の高圧重合である。Maleic Anhydride、Trivediら、Polonium Press、New York、1982、Chapter 3、セクション3−2を参照することができる。この論文もグラフト化をカバーする。
【0030】
有機官能基で変性されたエチレン樹脂は、組成物の重量に基づいて少なくとも3wt%、好ましくは少なくとも4wt%、さらに好ましくは少なくとも5wt%の量で組成物中に存在する。組成物中に存在するベース樹脂(C)の最大量は、組成物の重量に基づいて典型的に12wt%以下、好ましくは10wt%以下、さらに好ましくは8wt%以下である。
【0031】
本発明で利用する非ハロゲン化難燃剤、すなわち、成分(D)の例としては、ATH、赤リン、シリカ、アルミナ、酸化チタン、カーボンナノチューブ、タルク、クレー、有機変性クレー、炭酸カルシウム、ホウ酸亜鉛、三酸化アンチモン、珪灰石、マイカ、オクタモリブデン酸アンモニウム、フリット、中空ガラスミクロスフェア、膨張化合物及び膨張黒鉛が挙げられる。好ましい非ハロゲン化難燃剤はATHである。
【0032】
非ハロゲン化難燃剤は、組成物の重量に基づいて少なくとも40wt%、好ましくは少なくとも45wt%、さらに好ましくは少なくとも50wt%の量で組成物中に存在する。組成物中に存在する非ハロゲン化難燃剤の最大量は、組成物の重量に基づいて典型的に65wt%以下、好ましくは60wt%以下、さらに好ましくは55wt%以下である。
【0033】
非ハロゲン化難燃剤を、炭素原子数が約8〜約24、好ましくは約12〜約18の飽和若しくは不飽和カルボン酸又は該酸の金属塩で表面処理(コーティング)することができるが、コーティングは任意である。所望により、これらの酸及び/又は塩の混合物を使用することができる。好適なカルボン酸の例はオレイン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、イソステアリン酸、及びラウリン酸であり;これらの酸の塩を形成するために使用できる金属は亜鉛、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、及びバリウムであり;それらの塩自体は、ステアリン酸マグネシウム、オレイン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、オレイン酸マグネシウム、及びステアリン酸アルミニウムである。酸又は塩の量は、金属水和物100部当たり0.1〜5部の範囲の酸及び/又は塩であってよく、好ましくは金属水和物100部当たり0.25〜3部である。表面処理は、USP4,255,303に記載されている。表面処理手順を利用するのではなく、酸又は塩を同様の量で組成物に添加するだけでもよいが、これは好ましくない。シラン、チタナート、ホスファート及びジルコナートを含め、当技術分野で既知の他の表面処理を利用してもよい。
【0034】
本発明で使用するシリコーンポリマー、すなわち、成分(E)は下記式で例示される。
R−Si−O−(RSiO)−R−Si−O−R
式中、各Rは独立に飽和若しくは不飽和アルキル基、アリール基、又は水素原子であり、nは1〜5000である。典型的なR基はメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、フェニル及びビニルである。好ましくはRがメチルである。シリコーンはケイ酸塩、シリコーン油などであってもよく、これらの例としてはグリシジル変性ケイ酸塩、アミノ変性ケイ酸塩、メルカプト変性ケイ酸塩、ポリエーテル変性ケイ酸塩、カルボン酸変性ケイ酸塩、又は高級脂肪酸変性ケイ酸塩が挙げられる。シリコーンポリマーの粘度は、23Cで1,000〜100,000,000センチストークの範囲であってよい。シリコーンの粘度は、室温(23C)で好ましくは5,000,000センチストークより高く、最も好ましくは10,000,000センチストークを超える。
【0035】
シリコーンポリマーは、組成物の重量に基づいて少なくとも1wt%、好ましくは少なくとも2wt%、さらに好ましくは少なくとも3wt%の量で組成物中に存在する。組成物中に存在するシリコーンポリマーの最大量は、組成物の重量に基づいて典型的に8wt%以下、好ましくは7wt%以下、さらに好ましくは6wt%以下である。
【0036】
防煙剤、すなわち任意成分(F)は、火災中に木炭の発生を促進することによって煙として放出される芳香族種の量を効率的に減少させる。市販の防煙剤としては全てGLCC Laurel、LLCから入手可能な種々の形態のホウ酸亜鉛、マグネシウム/亜鉛/アンチモン複合体、マグネシウム/亜鉛複合体及び無水アンチモン酸ナトリウムが挙げられる。防煙剤(F)は、本発明の組成物では任意成分であるが、防煙剤が存在する場合は、組成物の重量に基づいて少なくとも1wt%、好ましくは少なくとも3wt%、さらに好ましくは少なくとも5wt%の量で存在する。組成物中に存在する防煙剤の最大量は、組成物の重量に基づいて典型的に20wt%以下、好ましくは15wt%以下、さらに好ましくは10wt%以下である。好ましい防煙剤は水酸化マグネシウム(燃焼中にMgOを形成する)である。水酸化マグネシウムは難燃剤としても寄与するからである。
【0037】
本発明の樹脂成分、すなわち成分(A)、(B)及び(C)を通常の添加剤と組み合わせることができる。但し、選択した個々の添加剤が組成物に有害な影響を及ぼさないことを条件とする。成分の混合前若しくは混合中、又は押出し前若しくは押出し中に添加剤を樹脂組成物に添加することができる。添加剤としては酸化防止剤、紫外線吸収剤又は安定剤、帯電防止剤、顔料、染料、核形成剤、補強充填材又はポリマー添加剤、抵抗性改良剤、例えばカーボンブラック、スリップ剤、可塑剤、加工助剤、潤滑剤、粘度制御剤、粘着付与剤、ブロッキング防止剤、界面活性剤、エクステンダー油、金属不活性化剤、電圧安定剤、充填材、難燃添加剤、並びに架橋促進剤及び触媒が挙げられる。それぞれ100重量部の樹脂について0.1重量部未満から5重量部超えの範囲の量で添加剤を添加することができる。充填材は、一般的に200重量部まで又はそれより大量に添加される。
【0038】
酸化防止剤の例は、ヒンダード及びセミヒンダードフェノール、例えばテトラキス[メチレン(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナマート)]−メタン、ビス[(β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−メチルカルボキシエチル)]スルフィド、4,4’−チオビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−tert−ブチル−5−メチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、及びチオジエチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ)ヒドロシンナマート;ホスファイト及びホスホナイト、例えばトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト及びジ−tert−ブチルフェニル−ホスホナイト;チオ化合物、例えばジラウリルチオジプロピオナート、ジミリスチルチオジプロピオナート、及びジステアリルチオジプロピオナート;種々のシロキサン;並びに種々のアミン、例えば重合化2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンである。樹脂100重量部当たり0.1〜5重量部の量で酸化防止剤を使用することができる。
【0039】
所望により、常法で種々の樹脂を架橋させることができる。架橋は通常、有機ペルオキシドで達成され、その例はグラフト化に関して言及されている。使用する架橋剤の量は、それぞれ100重量部の樹脂について有機ペルオキシドが0.5〜4重量部の範囲であってよく、好ましくは1〜3重量部の範囲である。既知技術に従い、照射若しくは水分を利用するか、又は型内で架橋を達成することもできる。ペルオキシド架橋温度は、150〜210Cの範囲であってよく、好ましくは170〜210Cの範囲である。
【0040】
樹脂が水分硬化できるように、樹脂を加水分解性にすることもできる。これは、フリーラジカル生成剤として作用する有機ペルオキシド(例は上述されている)の存在下で、例えば、アルケニルトリアルコキシシランによって樹脂をグラフト化することによって達成される。有用なアルケニルトリアルコキシシランとしてはビニルトリアルコキシシラン、例えばビニルトリメトキシシラン及びビニルトリエトキシシランが挙げられる。アルケニル及びアルコキシラジカルは1〜30個の炭素原子を有してよく、好ましくは1〜12個の炭素原子を有する。加水分解性ポリマーは、シラノール縮合触媒、例えばジブチルスズジラウラート、ジオクチルスズマレアート、酢酸第一スズ、オクチル酸第一スズ、ナフテン酸鉛、オクチル酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸鉄、及び他の金属カルボキシラートの存在下で水分硬化される。有機ペルオキシドは架橋について上述したものと同一であってよい。
【0041】
BANBURY(商標)ミキサー、HENSCHEL(商標)ミキサー、ニーダー、多軸スクリュー押出機、又は連続ミキサーを用いて組成物をブレンド及びこねて一様に配合された組成物を得ることもできる。
【0042】
樹脂組成物を混合することができ、該樹脂組成物でコーティングされたケーブルを種々のタイプの押出機で調製することができる。押出機のいくつかはUSP4,814,135、4,857,600、5,076,988及び5,153,382に記載されている。本発明のプロセスを達成する際には、種々のタイプの単軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機及びポリマー融解ポンプ及び押出プロセスが一般的に適切である。一般に製作押出機と称する典型的な押出機には、その上流端に固体供給ホッパーと、その下流端に溶融物形成型とがある。ホッパーは、加工スクリューを含むバレルの供給部中に非流動プラスチックを供給し、加工スクリューが該プラスチック溶融物を流し、究極的には成形型を通じて溶融物を供給する。下流端には、スクリューの端部と型の間に、スクリーンパック及び型プレート又はブレーカープレートがあることが多い。製作押出機は、典型的に固体の運搬と圧縮、プラスチックの流動、溶融物の混合及び溶融物の大量供給の機構を達成するが、2段階構成では、溶融物の大量供給機構のための別個の溶融物供給押出機又は溶融物大量供給装置を使用する場合もある。押出機バレルは、始動及び改良された定常状態の温度制御のためのバレルの加熱及び冷却機能を備える。最近の装置は通常、背後の供給ゾーンで始まり、バレルと下流の成形型を区切る複数の加熱/冷却ゾーンを組み込んでいる。各バレルの長さ対直径の比は、15:1〜30:1の範囲である。
【0043】
本発明の利点は、相対的に低量の無機難燃剤、優れた難燃性と耐熱性、従来製品に勝る機械的性質、良好な成型性、良好な低温性能、良好な加工性と可撓性、ハロゲンなどの有害ガスが本質的に排出しないこと、及び亀裂に対する良好な応力/熱抵抗性にある。
【0044】
述べたように、主題のケーブルは、1つ又は複数の導電体若しくは通信媒体、又は2つ以上の導電体若しくは通信媒体の心線を含み、少なくとも1つ、好ましくはそれぞれの導電体、通信媒体、又は心線が、本発明の組成物を含む外装又は絶縁層で囲まれている。導電体は一般的に銅又はアルミニウムであり、通信媒体は一般的にガラスファイバー製の光ファイバーである。
【0045】
特定の実施形態
いくつかの製剤を調製して、熱衝撃IEC 60811−3−1試験で実証した場合に、EEA/均一ポリエチレン系の充填材のタイプが応力亀裂/熱亀裂の可能性に及ぼす効果を明らかにする。当技術分野で周知の押出手順を用いて、表1に列挙される組成物を14ゲージの固体銅ワイヤー上に押し出す。次に、結果として生じたコーティングワイヤーを該ワイヤー試料を閉らせん様式で3mmの棒の回りに巻きつけることによって、熱衝撃試験に供する。次に、棒を150Cの対流オーブン内に1時間置く。試験が完了した後で試料を取り出し、目に見える亀裂について肉眼で検査する。製剤成分については後述し、製剤及び結果のデータを表1に示す。全てのAMPLIFY、AFFINITY及びENGAGE製品はDow Chemical Companyから入手可能である。
【0046】
AMPLIFY EA 100は、(i)アクリル酸エチルに由来する単位を15wt%含み、(ii)密度が0.932g/cc、メルトマスフローレート(MFR、ASTM D1238、190C/2.16kgで)が1.3g/10分である、エチレンアクリル酸エチルコポリマーである。
【0047】
AMPLIFY GR 208は、ポスト−リアクター(post-reactor)、MAHグラフト化エチレン−ブテンコポリマーである。このコポリマーの密度は0.904g/ccであり、MFRは3.3g/10分である。
【0048】
AFFINITY KC 8852Gは、(i)拘束幾何触媒によって製造され、(ii)密度が0.877g/cc、MFRが3g/10分である、エチレン−オクテンコポリマーである。
【0049】
AFFINITY EG 8100Gは、(i)拘束幾何触媒によって製造され、(ii)密度が0.872g/cc、MFRが1g/10分である、エチレン−オクテンコポリマーである。
【0050】
AFFINITY PL 1850Gは、(i)拘束幾何触媒によって製造され、(ii)密度が0.904g/cc、MFRが3g/10分である、エチレン−α−オレフィンコポリマーである。
【0051】
AFFINITY PL 1880Gは、(i)拘束幾何触媒によって製造され、(ii)密度が0.904g/cc、MFRが1g/10分である、エチレン−α−オレフィンコポリマーである。
【0052】
ENGAGE ENR 7380.00は、密度が0.872、MFRが0.5g/10分である、エチレン−ブテンコポリマーである。
【0053】
ENGAGE ENR 7360.00は、密度が0.875、MFRが1g/10分のエチレン−ブテンコポリマーである。
【0054】
HUBERCARB G3Tは、J.M.Huber Corporationから入手可能な炭酸カルシウム(平均粒径3μm)であり、0.75〜1.5%のステアリン酸の表面処理を含む。
【0055】
ALMATIS HYDRAL PGAは、Mineral and Pigment Solutions,Inc.から入手可能な三水酸化アルミニウム又は(ATH)(平均粒径1.6μm)である。
【0056】
FR−20−S10は、表面積が10m/gであり、Dead Sea Bromine Groupから入手可能な非コーティング水酸化マグネシウムである。
【0057】
VERTEX 60は、平均粒径が1.5μmであり、J.M.Huber Corporationから入手可能な非コーティンググレードの水酸化マグネシウムである。
【0058】
VERTEX 60STは、平均粒径が1.5μmで、J.M.Huber Corporationから入手可能であり、脂肪酸の表面処理を含む非コーティンググレードの水酸化マグネシウムである。
【0059】
KISUMA 5B−1Gは、オレイン酸でコーティングされ、平均粒径が0.65μmの水酸化マグネシウムであり、協和化学工業株式会社から入手可能である。
【0060】
MAGSHIELD UFは、ステアラートコーティングされた水酸化マグネシウムであり、Martin Marietta Magnesia Specialtiesから入手可能である。
【0061】
INDUSTRENE 5016は、Chemturaから入手可能なステアリン酸である。
【0062】
MB50−320マスターバッチは、EVAポリマーに分散した超高分子量シロキサンポリマーを50%含むペレット化製剤である。これはDow Corning Corporationから入手可能である。
【0063】
IRGANOX 1010は、Ciba Specialty Chemicalsから入手可能なヒンダードフェノールベース酸化防止剤である。
【0064】
表1は、EEA/シングルサイトエラストマーマトリックスの充填材としてMg(OH)を用いた製剤は熱/応力亀裂をもたらすが、驚くべきことにCaCO及びATH製剤は両方とも亀裂が生じなかったことを示す。ATH又はATH/CaCOブレンドの使用は、より良好な固有の難燃特性のためCaCOより好ましい。理論に拘泥したくはないが、亀裂は、表1に示すように、ATHに比べて大きいMg(OH)の集塊によるものであり得る。
【0065】
【表1】

【0066】
追加の組成物を試験して、物理的性質に及ぼすシングルサイトエラストマーの密度の効果を特定する。これらの評価では、エチレン−オクテン及びエチレン−ブテンの両シングルサイトコポリマーを表2に示すように検査する。多くの基準を満たすため、顧客は、化合物の最小引張り強度が10MPa、最小引張り伸びが125%であることを要求する。驚くべきことに、共樹脂(co-resin)の最適密度、0.90g/cc未満は許容可能な引張り伸び性能をもたらすことが判明する。さらに、最終化合物の加工性は、メルトインデックスが1g/10分以上のエラストマーによって改善されることが分かる。
【0067】
【表2】

【0068】
機械的性質及び燃焼特性に及ぼす充填材タイプの効果も検査した。それを表3に示す。驚くべきことに、EEA/メタロセンエラストマー系のATH充填材は、Mg(OH)充填材に比べて物理的性質に有意な改善をもたらした(実施例11対実施例9)。しかしながら、ATH充填系では、水酸化マグネシウム充填系より煙の発生が多いことがある。したがって、ASTM E−662試験中に発生する煙を減少させるため、防煙共働剤を添加することが望ましい。有効な防煙剤の例を表3に示す(実施例12及び実施例13)。
【0069】
これらの防煙剤は、驚くべきことに、試験中に発生する煙を減少させながら、機械的性質を有意には低減させない。比較例として、市販材料DFDA−1643 NTのデータを示す。表3に示す防煙剤は、十分な機械的性質を維持しながら、1643より煙が少ない化合物を提供した。高充填ATHと防煙剤の系は、V−0 UL−94性能によって実証されるように、高レベルの難燃性を達成することができる。
【0070】
全ての場合、以下の条件を使用する。当技術分野で周知の方法で実験室スケールのBrabenderミキサーを用いて配合を行う。ASTM D638に準拠して0.075インチのプラーク試験片について引張り特性を試験する。ASTM D470に準拠して0.075インチのプラーク試験片について引裂き強度特性を試験する。ASTM E−662に準拠して0.020インチのプラーク試験片について煙濃度を試験する。UL−1581に準拠して0.125インチのプラーク試料についてUL−94性能を試験する。
【0071】
【表3】

【0072】
本発明を前記実施例でかなり詳細に述べたが、この詳細は説明の目的のためであり、添付の請求項の範囲と精神に対する限定とみなすべきでない。上記で引用した全ての米国特許、許容された米国特許出願及び米国特許出願公開公報は、その内容が参照によって本明細書に組み込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)15〜25wt%の、EEAとEBAの少なくとも1つ、
(B)5〜15wt%の均一ポリエチレン、
(C)3〜12wt%の、官能基を含む1つ又は複数の化合物で変性されたエチレン樹脂、
(D)40〜65wt%の非ハロゲン化難燃剤、
(E)1〜8wt%のシリコーンポリマー、及び必要に応じて、
(F)0〜20wt%の防煙剤
を含む組成物。
【請求項2】
前記EEAとEBAの少なくとも1つのコモノマー含量が該EEA又はEBAの重量に基づいて10〜35wt%であり、MIが0.5〜50g/10分である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記均一ポリエチレンが、C3〜12α−オレフィンに由来する単位を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記均一ポリエチレンのMIが1〜10g/10分であり、密度が0.86〜0.94g/ccであり、多分散性が3.3以下である、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記均一ポリエチレンの密度が0.90g/cc以下である、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記エチレン樹脂(C)の官能基が、無水マレイン酸に由来する単位である、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記非ハロゲン化難燃剤が、ATH、赤リン、シリカ、アルミナ、酸化チタン、カーボンナノチューブ、タルク、クレー、有機変性クレー、炭酸カルシウム、ホウ酸亜鉛、三酸化アンチモン、珪灰石、マイカ、オクタモリブデン酸アンモニウム、フリット、中空ガラスミクロスフェア、膨張化合物及び膨張黒鉛の少なくとも1つである、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記非ハロゲン化難燃剤がATHである、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記ATHが、C8〜24飽和若しくは不飽和カルボン酸又は該カルボン酸の塩で表面処理されている、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記シリコーンポリマーが式:
R−Si−O−(RSiO)−R−Si−O−R
(式中、各Rは、独立に飽和若しくは不飽和アルキル基、アリール基、又は水素原子であり、nは1〜5000の数である)
を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記シリコーンポリマーが、グリシジル変性ケイ酸塩、アミノ変性ケイ酸塩、メルカプト変性ケイ酸塩、ポリエーテル変性ケイ酸塩、カルボン酸変性ケイ酸塩、又は高級脂肪酸変性ケイ酸塩の少なくとも1つである、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
前記シリコーンポリマーの粘度が、23Cで5,000,000センチストークを超える、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
前記シリコーンポリマーが超高分子量ポリジメチルシロキサンである、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
前記防煙剤が存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
前記防煙剤が、水酸化マグネシウム、ホウ酸亜鉛、マグネシウム/亜鉛/アンチモン複合体、マグネシウム/亜鉛複合体及び無水アンチモン酸ナトリウムの少なくとも1つである、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
前記防煙剤が水酸化マグネシウムである、請求項14に記載の組成物。
【請求項17】
前記EEA及び/又はEBAが、該組成物の重量に基づいて18〜21wt%を構成する、請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
前記均一ポリエチレンが、該組成物の重量に基づいて8〜12wt%を構成する、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
前記変性エチレン樹脂(C)が、該組成物の重量に基づいて5〜8wt%を構成する、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
前記非ハロゲン化難燃剤が、該組成物の重量に基づいて50〜55wt%を構成する、請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
前記シリコーンポリマーが、該組成物の重量に基づいて3〜6wt%を構成する、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
前記防煙剤が、該組成物の重量に基づいて5〜10wt%を構成する、請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
請求項1に記載の組成物を含むケーブル絶縁層。
【請求項24】
請求項1に記載の組成物を含むケーブル保護外側ジャケット。
【請求項25】
請求項1に記載の組成物を含むケーブル心線外装。
【請求項26】
1つ若しくは複数の導電体若しくは通信媒体、又は2つ以上の導電体若しくは通信媒体の心線を含み、前記導電体、通信媒体、又は心線の少なくとも1つが、請求項1に記載の組成物を含む外装で囲まれているケーブル。

【公表番号】特表2010−520937(P2010−520937A)
【公表日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−552794(P2009−552794)
【出願日】平成20年2月20日(2008.2.20)
【国際出願番号】PCT/US2008/054398
【国際公開番号】WO2008/112393
【国際公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド (1,383)
【Fターム(参考)】