説明

応対制御装置、映像表示方法及び映像表示処理プログラム

【課題】応対制御装置と当該応対制御装置とは別個の表示装置とを通信のために接続しなくても、表示装置で視聴していた番組の映像を、電話対応中に応対制御装置の表示手段で引き続き見ることができる応対制御装置等を提供する。
【解決手段】複数の番組の放送信号を受信し、表示手段とは別個の表示装置であり、複数の番組のうち少なくとも一つの番組の映像を表示する表示装置のスピーカから出力された音をスピーカ音信号として取得し、電話装置からの電話回線を介しての着信と、来訪者に応対するための応対装置からの当該来訪者の来訪を通知する来訪通知信号の受信と、の少なくとも何れか一方が検出された場合に、スピーカから出力された音と同一の音が放送されている番組を、スピーカ音信号と放送信号に含まれる音信号とに基づいて特定し、特定された番組の映像を、放送信号に含まれる当該番組の映像信号に基づいて表示手段に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送番組の映像を表示可能な応対制御装置、映像表示方法及び映像表示処理プログラムの技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、テレビジョン放送を受信し、内蔵のディスプレイにテレビ番組の映像を表示する電話機が知られている。このような電話機においては、テレビ番組視聴中の着信等によって番組映像の表示から電話に切り替わるので、通話中に放送されていた部分を見逃さないような工夫が求められている。
【0003】
例えば、特許文献1には、通話中は、視聴していた番組を録画し、通話終了後、録画した番組を早送り再生する技術が開示されている。また、特許文献2には、通話中は、テレビ放送の画面に通話相手の情報を合成表示する技術が開示されている。また、特許文献3には、テレビジョン放送視聴中に通話を受信した場合には、放送画像を表示させるとともに、設定に応じて、通話音声と放送音声とをミキシングした音声を出力するか、通話音声をミュートし放送音声のみを出力するか、あるいは、放送音声をミュートし通話音声のみを出力する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−25206号公報
【特許文献2】特開平7−30872号公報
【特許文献3】特開2006−197183号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、電話機単体で番組の視聴が可能だとしても、住宅の中では、電話機とは別に専用のテレビ受像機が備えつけられているのが一般的であり、普通はその専用のテレビ受像機で番組を視聴するものである。しかるに、上述した技術では、そのような態様については考慮されていなかった。また、専用のテレビ受像機で視聴中の番組を、外線からの着信等により電話機で電話する間にその電話機のディスプレイで引き続き視聴するためには、視聴中の番組の情報を取得する必要があるので、電話機とテレビ受像機とをケーブルで接続して両者間で通信を行わなければならない。
【0006】
そこで、本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、応対制御装置と当該応対制御装置とは別個の表示装置とを通信のために接続しなくても、表示装置で視聴していた番組の映像を、電話対応中に応対制御装置の表示手段で引き続き見ることができる応対制御装置、映像表示方法及び映像表示処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、電話装置または来訪者に応対するための応対装置の少なくとも何れか一方との通信を制御する応対制御装置であって、表示手段と、映像及び音として放送される複数の番組の放送信号を受信する受信手段と、前記表示手段とは別個の表示装置であり、前記複数の番組のうち少なくとも一つの番組の映像を表示する表示装置のスピーカから出力された音をスピーカ音信号として取得する取得手段と、前記電話装置からの電話回線を介しての着信と、前記応対装置からの前記来訪者の来訪を通知する来訪通知信号の受信と、の少なくとも何れか一方を検出する検出手段と、前記検出手段により前記着信または前記来訪通知信号の受信が検出された場合に、前記スピーカから出力された音と同一の音が放送されている前記番組を、前記スピーカ音信号と前記放送信号に含まれる音信号とに基づいて特定する特定手段と、前記特定された番組の映像を、前記放送信号に含まれる当該番組の映像信号に基づいて前記表示手段に表示させる表示制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の応対制御装置において、通話する相手の識別情報と、優先度と、を対応付けて記憶する相手優先度記憶手段と、前記電話回線を介して送信されてきた発信者の識別情報または前記応対装置から送信されてきた来訪者の識別情報と、前記相手優先度記憶手段に記憶された前記識別情報と、を照合することにより、前記発信者または前記来訪者を特定する相手特定手段と、前記特定された発信者または来訪者に対応する前記優先度に基づいて、前記特定された番組の映像を表示させるか否か、または、当該映像の表示態様、の少なくとも何れか一方を決定する決定手段と、を更に備え、前記表示制御手段は、前記決定手段による決定に基づいて、前記特定された番組の映像の表示を制御することを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の応対制御装置において、前記決定手段は、前記特定された番組の映像と、前記特定された発信者または来訪者に関する相手情報と、を同時に表示するように決定するとともに、前記特定された相手に対応する前記優先度が低いほど、前記特定された番組の映像の前記表示手段による表示面積が大きくなるように決定することを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項2または請求項3に記載の応対制御装置において、前記決定手段は、前記特定された相手に対応する前記優先度が所定の優先度よりも低い場合には、前記特定された番組の映像を表示するとともに、前記放送信号に含まれる当該番組の字幕情報に基づいて字幕を表示するように決定することを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の応対制御装置において、前記番組または当該番組の種類の識別情報と、優先度と、を対応付けて記憶する番組優先度記憶手段と、前記特定された番組または当該番組の種類の識別情報に対応する前記優先度に基づいて、当該番組の映像を表示させるか否か、または、当該映像の表示態様、の少なくとも何れか一方を決定する決定手段と、を更に備え、前記表示制御手段は、前記決定手段による決定に基づいて、前記特定された番組の映像の表示を制御することを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の応対制御装置において、前記決定手段は、前記特定された番組の映像と、発信者または来訪者に関する相手情報と、を同時に表示するように決定するとともに、前記特定された番組または当該番組の種類の識別情報に対応する前記優先度が高いほど、前記特定された番組の映像の前記表示手段による表示面積が大きくなるように決定することを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項5または請求項6に記載の応対制御装置において、前記決定手段は、前記特定された番組または当該番組の種類の識別情報に対応する前記優先度が所定の優先度よりも高い場合には、前記特定された番組の映像を表示するとともに、前記放送信号に含まれる当該番組の字幕情報に基づいて字幕を表示するように決定することを特徴とする。
【0014】
請求項8に記載の発明は、請求項1に記載の応対制御装置において、通話する相手の識別情報と、第1の優先度と、を対応付けて記憶する相手優先度記憶手段と、前記番組または当該番組の種類の識別情報と、第2の優先度と、を対応付けて記憶する番組優先度記憶手段と、前記電話回線を介して送信されてきた発信者の識別情報または前記応対装置から送信されてきた来訪者の識別情報と、前記相手優先度記憶手段に記憶された前記識別情報と、を照合することにより、前記発信者または前記来訪者を特定する相手特定手段と、前記特定された発信者または来訪者に対応する前記第1の優先度と、前記特定された番組または当該番組の種類の識別情報に対応する前記第2の優先度と、を比較する比較手段と、前記比較手段による比較の結果、前記第1の優先度が前記第2の優先度よりも高い場合には、前記特定された発信者または来訪者に関する相手情報及び前記特定された番組の映像のうち少なくとも前記相手情報を表示するように決定し、前記第1の優先度が前記第2の優先度よりも低い場合には、前記相手情報及び前記番組の映像のうち少なくとも前記番組の映像を表示するように決定する決定手段と、を更に備え、前記表示制御手段は、前記決定手段による決定に基づいて、前記相手情報または前記番組の映像の何れか一方を表示させるように制御することを特徴とする。
【0015】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の応対制御装置において、前記決定手段は、前記第1の優先度と前記第2の優先度とが等しい場合には、前記相手情報及び前記番組の映像のうち前記相手情報を表示するとともに、前記放送信号に含まれる当該番組の字幕情報に基づいて字幕を表示するように決定することを特徴とする。
【0016】
請求項10に記載の発明は、請求項8に記載の応対制御装置において、前記決定手段は、前記第1の優先度が前記第2の優先度よりも低く、且つ、前記第1の優先度と前記第2の優先度との差が所定値以上である場合には、前記相手情報及び前記番組の映像のうち前記番組の映像を表示するとともに、前記放送信号に含まれる当該番組の字幕情報に基づいて字幕を表示するように決定することを特徴とする。
【0017】
請求項11に記載の発明は、請求項2乃至4及び請求項8乃至10の何れか1項に記載の応対制御装置において、前記相手特定手段により特定された発信者または来訪者との当該応対制御装置を用いた通話履歴を示す通話履歴情報を記憶する通話履歴情報記憶手段と、前記記憶された通話履歴情報に基づいて、前記相手優先度記憶手段に記憶される優先度を設定する相手優先度設定手段と、を更に備えることを特徴とする。
【0018】
請求項12に記載の発明は、請求項5乃至10の何れか1項に記載の応対制御装置において、前記特定手段は、前記着信または前記来訪通知信号の受信が検出された場合以外においても、前記スピーカから出力された音と同一の音が放送されている前記番組を特定し、前記特定手段による前記番組の特定の履歴を、ユーザによる番組の視聴履歴を示す視聴履歴情報として記憶する視聴履歴情報記憶手段と、前記記憶された視聴履歴情報に基づいて、前記番組優先度記憶手段に記憶される優先度を設定する番組優先度設定手段と、を更に備えることを特徴とする。
【0019】
請求項13に記載の発明は、請求項1乃至12の何れか1項に記載の応対制御装置において、前記特定手段は、前記取得手段により取得された前記スピーカ音信号と前記受信手段により受信された前記放送信号に含まれる音信号から夫々音の周波数特性を抽出し、前記スピーカ音信号から音の周波数特性を抽出することによって得られた情報と、前記放送信号に含まれる音信号から音の周波数特性を抽出することによって得られた情報と、を照合することによって前記特定することを特徴とする。
【0020】
請求項14に記載の発明は、請求項1乃至13の何れか1項に記載の応対制御装置において、前記取得手段は、当該応対制御装置の外部の音を外部音信号に変換するマイクロホンであり、前記特定手段は、前記外部の音の中に何れかの前記番組の音が含まれているか、前記外部音信号と前記放送信号に含まれる音信号とに基づいて特定することを特徴とする。
【0021】
請求項15に記載の発明は、表示手段を備える応対制御装置における映像表示方法であって、映像及び音として放送される複数の番組の放送信号を受信する受信工程と、前記表示手段とは別個の表示装置であり、前記複数の番組のうち少なくとも一つの番組の映像を表示する表示装置のスピーカから出力された音をスピーカ音信号として取得する取得工程と、他の電話装置からの電話回線を介しての着信と、来訪者に応対するための応対装置からの当該来訪者の来訪を通知する来訪通知信号の受信と、の少なくとも何れか一方を検出する検出工程と、前記検出工程において前記着信または前記来訪通知信号の受信が検出された場合に、前記スピーカから出力された音と同一の音が放送されている前記番組を、前記スピーカ音信号と前記放送信号に含まれる音信号とに基づいて特定する特定工程と、前記特定された番組の映像を、前記放送信号に含まれる当該番組の映像信号に基づいて前記表示手段に表示させる表示制御工程と、を有することを特徴とする。
【0022】
請求項16に記載の発明は、コンピュータを、請求項1乃至15の何れか1項に記載の応対制御装置として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
請求項1、15または16に記載の発明によれば、表示装置が番組の映像を表示しつつ当該表示装置のスピーカにより出力した番組の音がスピーカ音信号として取得され、取得されたスピーカ音信号と受信された放送信号に含まれる音信号とに基づいて、スピーカから出力された音と同一の音が放送されている番組が特定され、特定された番組の映像が表示手段に表示される。従って、応対制御装置と表示装置とを通信ケーブル等で接続しなくても、表示装置が映像を表示していた番組を特定することができる。また、ユーザが表示装置で番組を視聴していた場合には、電話応対する際にもその番組の映像を応対制御装置の表示手段で引き続き見ることができる。
【0024】
請求項2に記載の発明によれば、発信者または来訪者に対する応対の優先度による番組の映像の表示の優先度等に応じた表示を行うことができる。
【0025】
請求項3に記載の発明によれば、発信者または来訪者に対する応対の優先度が低くなるほど番組の映像が大きく表示されるので、優先度の低い発信者または来訪者への応対の際にはユーザに番組を見やすくすることができる。
【0026】
請求項4に記載の発明によれば、発信者または来訪者に対する電話応対の優先度が低くなることにより番組の字幕が表示されるので、優先度の低い発信者または来訪者への応対の際にはユーザに番組の内容をより理解しやすくすることができる。
【0027】
請求項5に記載の発明によれば、番組の映像の表示の優先度等に応じた表示を行うことができる。
【0028】
請求項6に記載の発明によれば、番組または番組の種類に対する優先度に応じて番組の映像の表示面積が大きくなるので、ユーザに番組を理解しやすくさせることができる。
【0029】
請求項7に記載の発明によれば、番組の映像を見る優先度が高くなることによりユーザに番組の内容をより理解させる必要性が生じた場合に対応して番組の字幕を表示させることができる。
【0030】
請求項8に記載の発明によれば、発信者または来訪者に関する情報を表示することの優先度と、番組の映像を表示することの優先度との比較により、優先度が高い方を優先して表示させることができる。
【0031】
請求項9に記載の発明によれば、優先度が等しい場合には、相手情報と番組の字幕との双方が表示されることにより、発信者または来訪者に関する情報と番組に関する情報とを同程度表示させることができる。
【0032】
請求項10に記載の発明によれば、番組の映像を表示することの優先度が、発信者または来訪者に関する情報を表示することの優先度よりも或る程度高くなり、ユーザに番組の内容をより理解させる必要性が生じた場合に対応して番組の字幕を表示させることができる。
【0033】
請求項11に記載の発明によれば、ユーザによる優先度の設定の手間を省くことができるとともに、通話履歴に基づいて優先度を適切に設定することができる。
【0034】
請求項12に記載の発明によれば、ユーザによる優先度の設定の手間を省くことができるとともに、ユーザによる表示装置での番組の視聴履歴に基づいて優先度を適切に設定することができる。
【0035】
請求項13に記載の発明によれば、音の周波数特性に基づいて、表示装置のスピーカから出力された音と同一の音が放送されている番組特定することができる。
【0036】
請求項14に記載の発明によれば、スピーカから出力された音をマイクロホンにより取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】一実施形態に係る応対システムの概要構成例を示す図である。
【図2】(a)は、番組テーブルに登録される情報の内容の一例を示す図であり、(b)は、個人情報テーブルに登録される情報の内容の一例を示す図であり、(c)は、優先度テーブルに登録される情報の内容の一例を示す図である。
【図3】一実施形態において、各画面表示パターンにおける画面表示の一例を示す図である。
【図4】一実施形態に係る親機2における制御部22により実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】一実施形態に係る親機2における制御部22により実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の最良の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、電話機能、インターホン機能及びテレビ番組表示機能を有する応対システムに対して本発明を適用した場合の実施形態である。
【0039】
[1.応対システムの構成及び機能]
始めに、図1等を参照して、本実施形態に係る応対システムの構成及び機能について説明する。
【0040】
図1は、本実施形態に係る応対システムの概要構成例を示す図である。
【0041】
図1に示すように、応対システムSは、例えば建物(住宅やオフィス)の玄関(出入口)の外側に設置される玄関子機1(応対装置の一例)、室内に設置される親機2(応対制御装置の一例)、及び親機2と無線により通信可能な室内子機3等を備えている。また、玄関子機1と親機2とは例えば通信ケーブルKにより接続されている。
【0042】
親機2は、電話回線Cを介して公衆電話網に接続し、電話機器4と通信を行うことが可能になっている。なお、電話機器4としては、据置型電話機、携帯電話機、IP電話機能を有するパソコン等が挙げられる。また、室内には、テレビ受像機6(表示装置の一例)が設置されている。このテレビ受像機6は、地上デジタルテレビジョン放送を受信して、ユーザにより選局されたテレビ番組の音声をスピーカ7により出力しつつ、当該テレビ番組の映像をモニタに表示する。
【0043】
玄関子機1は、照明部10、マイク11、スピーカ12、通話制御部13、カメラ14、カメラ制御部15、画像信号制御部16、人感センサ17、呼出ボタン18、及び通信I/F19等を備えている。
【0044】
通話制御部13は、通信I/F19及び通信ケーブルKを介して親機2との間で通信を行う。即ち、通話制御部13は、マイク11により集音された来訪者の音声を取り込み、その音声信号を通信I/F19及び通信ケーブルKを介して親機2に送信し、また、通話制御部13は、親機2から通信ケーブルKを介して送信されてきた音声信号(在宅者の音声信号)を通信I/F19を介して受信し、当該音声信号をスピーカ12に出力する。
【0045】
カメラ制御部15は、例えば人感センサ17により来訪者が検知された場合に、カメラ14を起動させる。また、このとき、照明部10が点灯される。
【0046】
画像信号制御部16は、カメラ14により撮像された来訪者の画像を取り込み、その画像信号を通信I/F19及び通信ケーブルKを介して親機2に送信する。
【0047】
なお、来訪者により呼出ボタン18が押下されると、呼出信号(来訪通知信号の一例)が通信I/F19及び通信ケーブルKを介して親機2に送信される。
【0048】
一方、親機2は、玄関子機1、室内子機3及び電話機器4等との通話を可能とするとともに、テレビ番組の映像を画面表示する。また、親機2は、ユーザが、テレビ受像機6でテレビ番組を視聴中、玄関子機1からの呼び出しや電話機器4からの着信があったとき、テレビ受像機6で視聴していた番組を、ユーザが電話をしながら引き続き親機2でも見ることができるよう、この視聴していた番組を特定する。この番組の特定は、テレビ受像機6のスピーカ7から出力されたテレビ番組の音声を取得し解析することにより行われる。また、親機2は、通話中における実際の画面の表示態様(視聴していたテレビ番組の映像を表示させるか否か等)を、ユーザと通話している相手の重要度とテレビ番組の重要とに基づいて決定する。
【0049】
このような機能を実現するため、親機2は、送話マイク20、受話スピーカ21、制御部22、電話通信I/F23、インターホン通信I/F24、無線通信I/F25、個人照合処理部26(相手特定手段の一例)、呼出音発生部27、液晶パネル等からなるモニタ28(表示手段の一例)、表示制御部29、記録制御部30、不揮発性半導体メモリやハードディスク等からなる記憶部31、複数の操作ボタンを備える操作部32、内蔵マイク33(取得手段の一例)、内蔵スピーカ34、及びTVチューナ35(受信手段の一例)等を備えている。なお、送話マイク20及び受話スピーカ21は、図示しない送受話器に備えられ、内蔵マイク33及び内蔵スピーカ34は、親機2本体に備えられている。
【0050】
呼出音発生部27は、電話機器4からのダイヤル発信により公衆電話網及び電話回線Cを介して送信されてきた呼出信号、又は玄関子機1から送信された呼出信号を受信すると、制御部22の指示に応じて、呼出音(電話機器4からの呼出信号の場合、電話のベル音、玄関子機1からの呼出信号の場合、インターホンのチャイム音)を内蔵スピーカ34から発生させる。
【0051】
表示制御部29は、制御部22からの指示に基づきモニタ28の表示を制御する。
【0052】
記録制御部30は、制御部22からの指示に応じて、玄関子機1から送信された来訪相手の音声信号及び画像信号をインターホン通信I/F24を介して受信して記憶部31に記録(録画)させたり、或いは、電話機器4から送信された電話相手の音声信号を電話通信I/F23を介して受信して記憶部31に記録(録音)させる。
【0053】
個人照合処理部26は、着信時に電話相手の電話機器4から通知された電話番号と、個人情報テーブルに登録されている電話番号を照合することにより当該電話相手を特定する。
【0054】
また、個人照合処理部26は、玄関子機1から送信された画像信号より来訪相手の顔画像を認識し、当該顔画像と、個人情報テーブルに登録されている画像(顔画像)とを照合することにより来訪相手を特定する。例えば、個人照合処理部26は、認識した顔画像と、個人情報テーブルに登録されている顔画像とを照合して類似性の有無を判断し、当該類似性がある顔画像に対応する登録者が来訪相手として特定される。
【0055】
ここで、類似性有無の判断手法は、公知であるので詳しい説明を省略するが、例えば、上記認識された顔画像から顔の特徴をよく表す顔特徴点(例えば、目、鼻、口等)が抽出され、これらの特徴点を結ぶ顔グラフが作成される。そして、作成された顔グラフと、後述する個人情報テーブルに登録された顔画像に基づき上記と同じように作成された顔グラフとの一致度の割合が算出され、その割合が所定値以上である場合に、類似性有と判断される。
【0056】
なお、上記抽出された顔画像と上記登録されている顔画像の向きが異なると、類似性が失われてしまうだけでなく、顔特徴点の検出もうまく行えなくなるという問題が生じるため、最初に顔の向きを推定(例えば、右目、左目、及び口の3点を頂点とする三角形の形状から顔の向きを推定)し、その向きに応じて顔グラフを変換することで当該問題を解消することができる。
【0057】
また、来訪相手を特定する別の例として、玄関子機1に備えさせたICカードリーダ(読取器)により、来訪者が所持している例えばICカードから読み取られた(ICカードがICカードリーダに翳されることによる)来訪相手のIDにより来訪相手を特定するように構成しても良い。この場合、ICカードリーダにより読み取られたIDは親機2に送信され、個人照合処理部26は、当該IDと、個人情報テーブルに登録されている個人識別用IDとを照合することにより来訪相手を特定する。
【0058】
また、玄関子機1に備えさせた指紋読取器により読み取られた来訪者の指紋により来訪相手を特定するように構成しても良い。この場合、指紋読取器により読み取られた指紋のデータは親機2に送信され、個人照合処理部26は、当該指紋のデータと、個人情報テーブルに登録されている指紋データとを照合することにより来訪相手を特定する。
【0059】
TVチューナ35は、ワンセグチューナであり、TVアンテナ5を介して地上デジタルテレビジョン放送信号を受信して、ワンセグメント放送(ワンセグ放送)の映像信号、音声信号、字幕データ及びEPG(Electric Program Guide)データ等を制御部22に出力する。具体的に、TVチューナ35は、アンテナ4により受信された放送信号のうち、制御部22からの選局信号により指定されたチャンネルの放送信号に同調し、当該放送信号に対して帯域制限、増幅、周波数変換等を施してIF信号を生成する。また、TVチューナ35は、生成したIF信号に対してA/D変換、直交復調処理、高速フーリエ変換、キャリア復調、ビタビ復号、トランスポートストリーム再生、リードソロモン復号等を施してトランスポートストリームを生成し、当該トランスポートストリームからワンセグメント放送用のトランスポートストリームを抽出する。そして、TVチューナ35は、ワンセグメント放送用のトランスポートストリームから映像信号、音声信号、字幕データ及びEPGデータを生成する。
【0060】
記憶部31には、テレビ番組に関する情報が登録される番組テーブル、ユーザの電話相手となったりユーザ宅に来訪することが予想される者(登録者)の情報を登録するための個人情報テーブル、及び電話の着信時及び来訪者の来訪時における画面表示を決定するための優先度テーブルが記憶されている。
【0061】
図2(a)は、番組テーブルに登録される情報の内容の一例を示す図である。図2(a)に示すように、番組テーブルには、テレビ番組毎に、その番組名、番組が属するカテゴリ(例えば、ドラマ、ニュース、スポーツ、教育、映画等)、及び番組重要度(第1の優先度の一例)等が対応付けて登録される。これらのうち番組名及びカテゴリは、例えば、EPGデータから抽出されることによって生成される。
【0062】
番組重要度は、電話着信時や玄関子機1からの呼出時に、ユーザにとって番組の映像を表示することの重要性の程度を示す情報である。そして、番組重要度は、1、2及び3の3段階あり、1が、最も重要度が低く、3が、最も重要度が高い。この番組重要度は、例えば、ユーザが操作部32を操作して設定しても良い。また、番組重要度は、番組の視聴履歴に基づいて設定されても良い。例えば、制御部22(後述する番組特定部22b)が、テレビ受像機6でユーザが視聴しているテレビ番組を後述する方法により特定し、この特定した番組の情報を視聴履歴情報として記憶部31に記録する。そして、制御部22は、TVチューナ35から供給されたEPGデータから、各番組が何曜日に放送されるのかを特定することができるので、番組の放送回数に対する視聴回数の割合から番組重要度を算出する。このとき、放送回数に対する視聴回数の割合が高いほど、番組重要度も高く設定される。なお、重要度は、番組毎にではなく、カテゴリ毎に登録されるようにしても良い。そして、このときの重要度も、ユーザによって設定されても良いし、視聴履歴に基づいて設定されても良い。
【0063】
図2(b)は、個人情報デーブルに登録される情報の内容の一例を示す図である。図2(b)に示すように、個人情報デーブルには、登録者毎に、識別情報としての登録ID、登録者の電話番号、登録者名、登録画像ID、登録者重要度及びその他の情報(例えば、住所、電子メール、プロフィール等)が対応付けて登録される。なお、個人情報デーブルには、未登録者に対して便宜上1レコードが割り当てられている。この未登録者に対しては、例えば、登録ID及び登録者重要度のみが登録される。登録画像IDは、登録者に対応付けて登録された画像(以下、「登録画像」という)のデータの識別情報である。この画像データとしては任意のものを登録することができるが、通常は、登録者の顔画像のデータである。
【0064】
また、登録者重要度は、登録者からの電話があったときや登録者により玄関子機1から呼び出しを受けたときに、ユーザにとって登録者に関する情報(以下、「発信者/来訪者情報」という)を表示することの重要性、あるいは、登録者に対して応対することの重要性の程度を示す情報である。そして、登録者重要度は、1、2及び3の3段階あり、1が、最も重要度が低く、3が、最も重要度が高い。この登録者重要度は、例えば、ユーザが操作部32を操作して設定しても良い。また、登録者重要度は、通話履歴に基づいて設定されても良い(ただし、未登録者は除く)。例えば、制御部22が、親機2や室内子機3を用いて通話が行われるたびに、ユーザがどの登録者と通話したか等の履歴を通話履歴情報として記憶部31に記録する。そして、制御部22は、通話履歴情報を参照し、通話回数や通話時間に基づいて登録者重要度を算出する。このとき、通話回数が多いほどまたは通話時間が長いほど、登録者重要度は高く設定される。なお、未登録者の登録者重要度としては、1が設定される。
【0065】
図2(c)は、優先度テーブルに登録される情報の内容の一例を示す図である。また、図3は、各画面表示パターンにおける画面表示の一例を示す図である。図2(c)に示すように、優先度テーブルには、番組重要度と登録者重要度との組み合わせが規定されているとともに、この組み合わせ毎に画面表示パターンがその番号で規定されている。画面表示パターンとしてはパターン1からパターン4まで、4パターン存在する。
【0066】
パターン1では、発信者/来訪者情報のみが表示される。具体的には、図3(1)に示すように、発信者または来訪者の名前(登録者名)51、登録画像52、電話番号53及びその他の発信者または来訪者に関する情報が、画面の全面に表示される。
【0067】
パターン2では、発信者/来訪者情報が表示されるとともに、テレビ受像機6で視聴中の番組の字幕が表示される。具体的には、図3(2)に示すように、発信者または来訪者の名前51、登録画像52、電話番号53及びその他の発信者または来訪者に関する情報が、図3(1)の場合と同様に表示されるとともに、例えば、画面の下端に字幕55が表示される。
【0068】
パターン3では、テレビ受像機6で視聴中の番組の映像が表示されるとともに、発信者/来訪者情報が表示される。具体的に、図3(3)に示すように、番組の映像56が画面の全面に表示されるとともに、発信者または来訪者の名前51及び登録画像52が画面の一部に小さく表示される。
【0069】
パターン4では、テレビ受像機6で視聴中の番組の映像が表示されるとともに、その字幕が表示される。具体的に、図3(3)に示すように、番組の映像56が画面の全面に表示されるとともに、例えば、画面の下端に字幕55が表示される。
【0070】
優先度テーブルにおいては、番組重要度と登録者重要度との組として、1と2、1と3、及び2と3に対して、画面表示パターンとしてパターン1が規定されている。また、番組重要度と登録者重要度との組として、1と1、2と2、及び3と3に対して、画面表示パターンとしてパターン2が規定されている。また、番組重要度と登録者重要度との組として、2と1、及び3と2に対して、画面表示パターンとしてパターン3が規定されている。また、番組重要度と登録者重要度との組にとして、3と1に対して、画面表示パターンとしてパターン4が規定されている。つまり、番組重要度が登録者重要度よりも低い場合にはパターン1、番組重要度と登録者重要度とが等しい場合にはパターン2、番組重要度が登録者重要度よりも1つだけ高い場合にはパターン3、番組重要度が登録者重要度よりも2つ高い場合にはパターン4となっている。全体的には、番組重要度が高いほどパターンの番号も高くなる傾向にあり、登録者重要度が高いほどパターンの番号は低くなる傾向にある。なお、どの画面表示パターンであっても、テレビ番組の音声は出力されない。
【0071】
また、記憶部21には、画像データ、EPGデータ等の各種データやプログラム等が記憶されている。
【0072】
制御部22は、例えばマイクロコンピュータ等からなり、当該コンピュータにより所定のプログラム(本発明の映像表示処理プログラムを含む)が実行されることにより、通信部22a(検出手段の一例)、番組特定部22b(特定手段の一例)、画面表示パターン決定部22c(比較手段、決定手段)、及びテレビ出力制御部22d(表示制御手段の一例)等として機能する。なお、所定のプログラムは、例えば、メモリカード等の記録媒体に記録され、メモリカードI/F等を介して読み込まれるようにしても良いし、電話回線Cを介してインターネット上のサーバ装置等からダウンロードされるようにしても良い。
【0073】
通信部22aは、電話通信I/F23及び電話回線Cを介して、電話相手の電話機器4との間で通信を行う。例えば、着信時において、通信部22aは、電話通信I/F23を介して呼出信号を受信すると、呼出音を内蔵スピーカ34に出力する。ここで、通信部22aは、呼出信号の前に相手の発信電話番号を受信した場合には、当該発信電話番号を制御部内部のRAM(Random Access Memory)に記憶させる。そして、通信部22aは、ユーザが送受話器を持ち上げると(オフフック)、応答信号を電話通信I/F23を介して送信し、通話状態に移行する。通話状態おいて、通信部22aは、送話マイク20により集音されたユーザの音声を取り込み、その音声信号を電話通信I/F23及び電話回線Cを介して電話機器4に送信する一方、電話機器4から電話回線Cを介して送信されてきた音声信号(電話相手の音声信号)を電話通信I/F23を介して受信し、当該音声信号を受話スピーカ21に出力する。これにより、ユーザは、電話相手と通話することができる。
【0074】
また、通信部22aは、インターホン通信I/F24及び通信ケーブルKを介して、玄関子機1との間で通信を行う。例えば、通信部22aは、インターホン通信I/F24を介して呼出信号を受信すると、チャイム音を内蔵スピーカ34に出力する。そして、通信部22aは、ユーザが送受話器を持ち上げると、応答信号をインターホン通信I/F24を介して送信し、通話状態に移行する。通話状態おいて、通信部22aは、インターホン通信I/F24及び通信ケーブルKを介して、玄関子機1との間で通信を行う。例えば、通信部22aは、送話マイク20により集音された在宅者の音声を取り込み、その音声信号をインターホン通信I/F24及び通信ケーブルKを介して玄関子機1に送信し、また、通信部22aは、玄関子機1から通信ケーブルKを介して送信されてきた音声信号(来訪者の音声信号)をインターホン通信I/F24を介して受信し、当該音声信号を受話スピーカ21に出力する。これにより、在宅者は、来訪相手と通話することができる。
【0075】
なお、ユーザがハンズフリーの操作を行うことにより、送話マイク20及び受話スピーカ21に代えて、内蔵マイク33及び内蔵スピーカ34を用いて送話及び受話を行うこともできる。
【0076】
更に、通信部22aは、無線通信I/F25を介して室内子機3との間で通信を行う。これによって、親機2と室内子機3との間での内線通話が可能であるとともに、親機2を介して、室内子機3と玄関子機1との間での通話、及び室内子機3と電話機器4との間での通話が可能である。
【0077】
番組特定部22bは、通信部22aによって呼出信号の受信が検出されたときに、TVチューナ35から出力された音声信号(以下、「番組音声信号」という)と、内蔵マイク33から入力された音声信号(以下、「入力音声信号」という)と、に基づいて、ユーザがテレビ受像機6で視聴しているテレビ番組を特定する。具体的に、番組特定部22bは、例えば、入力音声信号に対して高速フーリエ変換を用いて離散フーリエ変換を行い、内蔵マイク33よって集音された音声のスペクトル情報を生成する。また、番組特定部22bは、各チャンネルの番組音声信号についても同様にしてスペクトル情報を生成する。そして、番組特定部22bは、内蔵マイク33よって集音された音声のスペクトル情報と、各チャンネルの音声のスペクトル情報とを比較することによって、チャンネル毎に類似度を算出する。そして、番組特定部22bは、類似度が予め設定された閾値よりも高いチャンネルのうち、類似度が最も高いチャンネルを、ユーザが視聴中のチャンネルであると特定する。
【0078】
例えば、ユーザがテレビ受像機6でテレビ番組を視聴している場合には、親機2が適切な場所に設置されていることを条件として、内蔵マイク33により集音される音声には、テレビ受像機6のスピーカ7から出力された音声が含まれているはずである。従って、何れかのチャンネルの類似度は閾値よりも高くなる。ただし、内蔵マイク33により集音される音声には、雑音も含まれている場合があるので、これを考慮した閾値が設定される。また、テレビ受像機6の電源がOFFである(ユーザがテレビ番組を視聴していない)場合には、内蔵マイク33により集音される音声には、当然の如くテレビ受像機6のスピーカ7から出力された音声は含まれていない。従って、どのチャンネルの類似度も閾値よりも低くなる。
【0079】
なお、TVチューナ35の構成によっては、同時に複数のチャンネルを選局することができない場合がある。また、仮に全てのチャンネルを選局するようにTVチューナ35を構成するとTVチューナ35が高価となり、制御部22の負荷も高くなる。そこで、番組特定部22bは、例えば、所定時間毎にチャンネル切り替えを行い(チャンネルの異なる選局信号を次々にTVチューナ35に出力し)ながら、時分割でチャンネル毎にスペクトル情報を生成し、その都度類似度計算を行っても良い。またこのとき、番組特定部22bは、算出した類似度が閾値を超えた時点で処理を終了させ、そのときのチャンネルの番組をユーザが視聴中の番組と特定しても良い。
【0080】
また、番組特定部22bは、音声認識処理を行い、内蔵マイク33よって集音された音声のスペクトル情報から得られる発話内容と、各チャンネルの音声のスペクトル情報から得られる発話内容とを比較することにより類似度を算出しても良い。
【0081】
画面表示パターン決定部22cは、番組特定部22bによりユーザが視聴中のテレビ番組が特定された場合に、呼出音出力時及び通話時における画面表示パターンを決定する。具体的に、画面表示パターン決定部22cは、EPGデータを参照し、番組特定部22bにより特定されたチャンネルと現在時刻とに基づいて、ユーザが視聴中の番組の番組名を取得し、更に番組テーブルを参照して、取得した番組名に対応する番組重要度を取得する。また、画面表示パターン決定部22cは、個人情報テーブルを参照し、個人照合処理部26により特定された発信者または来訪者の登録者重要度を取得する。このとき、個人照合処理部26により発信者及び来訪者を特定することができなかった場合には、未登録者の登録者重要度が取得される。そして、画面表示パターン決定部22cは、優先度テーブルを参照して、取得した番組重要度と登録者重要度との組に対応する画面表示パターンの番号を取得する。
【0082】
テレビ出力制御部22dは、テレビ番組の映像表示及び音声出力を制御する。具体的に、テレビ出力制御部22dは、操作部32の操作によりユーザから選択されたチャンネルを示す選局信号をTVチューナ35に出力し、これに応じてTVチューナ35から出力された映像信号、音声信号及び字幕データ等取得する。そして、テレビ出力制御部22dは、映像信号を表示制御部29に出力することにより、当該映像信号に対応する映像をモニタ28に表示させる。また、テレビ出力制御部22dは、音声信号を内蔵スピーカ34に出力することにより、当該音声信号に対応する音声を内蔵スピーカ34により出力させる。また、制御部22は、ユーザにより字幕の表示が指示された場合には、字幕データに含まれるテキストに基づいて字幕画像を生成し、これを表示制御部29に出力する。そうすると、表示制御部29の合成機能により、モニタ28の画面上には、テレビ番組の映像に重畳して、字幕が所定位置に表示される。
【0083】
また、テレビ出力制御部22dは、画面表示パターン決定部22cにより決定された画面表示パターンに対応した画面表示を行うべく、表示制御部29を制御する。具体的に、テレビ出力制御部22dは、画面表示パターンがパターン1、2または3である場合には、個人情報テーブルから、個人照合処理部26により特定された発信者または来訪者の情報を発信者/来訪者情報として取得する。また、テレビ出力制御部22dは、画面表示パターンがパターン2、3または4である場合には、番組特定部22bにより特定されたチャンネルを示す選局信号をTVチューナ35に出力し、これに応じてTVチューナ35から出力された映像信号、音声信号及び字幕データを取得する。そして、テレビ出力制御部22dは、取得した情報に基づいて制御信号を生成し、当該制御信号を表示制御部29に出力することにより、モニタ28に、図3(1)、(2)、(3)または(4)に示すような画面が表示されるようにする。テレビ出力制御部22dは、このときは、音声信号を内部スピーカ34に出力しない(テレビ番組の音声を出力しない)。
【0084】
[2.応対システムの動作]
次に、図4及び図5を参照して、本実施形態に係る応対システムSの動作について説明する。
【0085】
図4及び図5は、本実施形態に係る親機2における制御部22により実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【0086】
図4に示す処理は、例えば、親機2の電源がオンとされた場合に開始される。先ず、制御部22は、親機2として動作するための各種初期設定を行う(ステップS1)。
【0087】
次いで、番組特定部22bは、内蔵マイク33よって集音された音声のスペクトル情報を生成するとともに、受信されたデジタルテレビジョン放送信号に含まれる各チャンネルの音声信号に基づいて、各チャンネルの番組の音声のスペクトル情報を生成を生成する(ステップS2)。次いで、番組特定部22bは、スペクトル情報の比較を行うことによりチャンネル毎の類似度を算出し、この類似度に基づいてユーザが視聴中の番組を特定する(ステップS3)。
【0088】
次いで、制御部22は、視聴中の番組を特定することができたか否かを判定する(ステップS4)。このとき、制御部22は、視聴中の番組を特定することができた場合には(ステップS4:YES)、特定された番組の視聴回数等の情報を更新することによって記憶部31に記憶されている視聴履歴情報を更新し、更新された視聴履歴情報に基づいて、特定された番組の番組重要度を更新(変更)する(ステップS5)。
【0089】
制御部22は、視聴中の番組を特定することができなかった場合(ステップS4:NO)、または、ステップS5の処理が終わった場合には、公衆電話網から電話回線Cを介して送信されてきた呼出信号、または、玄関子機1からケーブルKを介して送信されてきた呼出信号を受信が通信部22aにより検出されたか否かを判定する(ステップS6)。このとき、制御部22は、呼出信号の受信が検出されなかった場合には(ステップS6:NO)、ステップS2に移行する。
【0090】
一方、制御部22は、呼出信号の受信が検出された場合には(ステップS6:YES)、図5に示すように、個人照合処理部26を制御して、発信者または来訪者を特定させる(ステップS7)。なお、発信者または来訪者の情報が個人情報デーブルに登録されていない(発信者または来訪者を特定することができない)場合には、発信者または来訪者は未登録者とされる。
【0091】
次いで、番組特定部22bは、ステップS2及びS3と同様の処理を行うことにより、着信時または来訪時(呼出信号の受信が検出されたとき)において視聴中の番組を特定する(ステップS8及びS9)。
【0092】
次いで、制御部22は、視聴中の番組を特定することができたか否かを判定する(ステップS10)。このとき、視聴中の番組を特定することができなかった場合には(ステップS10:NO)、テレビ出力制御部22dが、表示制御部29を制御して、発信者/来訪者情報をモニタ28に表示させる(ステップS11)。この場合には、図3(1)に示すような画面表示となる。
【0093】
一方、視聴中の番組を特定することができた場合には(ステップS10:YES)、画面表示パターン決定部22cが、優先度テーブルを参照して、特定された番組の番組重要度と、特定された発信者または来訪者の登録者重要度とに基づいて、画面表示パターンを決定する(ステップS12)。次いで、テレビ出力制御部22dは、決定された画面表示パターンに対応する画面表示を行うべく、表示制御部29を制御する(ステップS13)。この場合には、画面表示パターンによって、図3(1)〜(4)の何れかに示すような画面表示となる。
【0094】
ステップS11またはS13の処理が終わると、通信部22aは、回線が切断された(通話が終了した)か否かを判定する(ステップS14)。つまり、通信部22aは、ユーザによるオンフックを検出したか、または、電話回線Cを通じて切断信号を受信したか否かを判定する。このとき、通信部22aは、回線が切断されていない場合には(ステップS14:NO)、引き続き回線の切断を監視する(ステップS14)。
【0095】
一方、回線が切断された場合には(ステップS14:YES)、制御部22は、特定された発信者または来訪者に関して通話回数や通話時間等の更新することによって記憶部31に記憶されている通話履歴情報を更新し、更新された通話履歴情報に基づいて、特定された発信者または来訪者の登録者重要度を更新(変更)する(ステップS15)。次いで、テレビ出力制御部22dは、これまでの画面表示を終了させ、親機2の動作状態をスタンバイ状態に移行させて(ステップS16)、ステップS2に移行する。
【0096】
以上説明したように、本実施形態によれば、通信部22aが、公衆電話網から電話回線Cを介して送信されてきた呼出信号、または、玄関子機1からケーブルKを介して送信されてきた呼出信号を受信したときに、番組特定部22bが、内蔵マイク33から出力された入力音声信号とTVチューナ35から出力された番組音声信号とに基づいて、テレビ受像機6のスピーカ7から出力された音声と同一の音声が放送されているテレビ番組を特定し、テレビ出力制御部22dが、特定されたテレビ番組の映像をテレビジョン放送信号に含まれる当該テレビ番組の映像信号に基づいて、モニタ28に表示させる。従って、テレビ受像機6のスピーカ7から出力された音声に基づいて、ユーザが視聴していたテレビ番組の映像が特定されるので、応対システムSとテレビ受像機6とを通信ケーブル等で接続しなくとも、ユーザが視聴していたテレビ番組の映像を、親機2で電話応対中にこの親機2のモニタ28で引き続き見ることができる。
【0097】
また、個人照合処理部26が、電話機器4から通知された電話番号と、個人情報テーブルに登録されている電話番号とを照合し、または、玄関子機1から送信された画像信号から認識された顔画像と個人情報テーブルに登録されている画像とを照合することにより、発信者または来訪者を特定し、画面表示パターン決定部22cが、特定された発信者または来訪者の登録者重要度と、特定されたテレビ番組の番組重要度とを比較し、比較の結果、登録者重要度が番組重要度よりも高い場合には、発信者/来訪者情報及び番組映像のうち発信者/来訪者情報を表示し、番組重要度が登録者重要度よりも高い場合には、発信者/来訪者情報及び番組映像のうち少なくとも番組映像を表示するように決定する。従って、ユーザが電話応対中に、電話相手に関する情報と番組の映像とのうちより重要度の高い方を優先して表示することができる。
【0098】
また、画面表示パターン決定部22cが、登録者重要度と番組重要度とが等しい場合には、発信者/来訪者情報及び番組映像のうち発信者/来訪者情報を表示するとともに、番組の字幕を表示するように決定する。従って、登録者の重要度と番組の重要度が同程度の場合に、登録者に関する情報と視聴していた番組の現在進行している内容の双方をユーザに提示することができる。
【0099】
また、画面表示パターン決定部22cが、番組の重要度が登録者の重要度よりも2つ高い場合には、発信者/来訪者情報及び番組映像のうち番組映像のみを表示するとともに、番組の字幕を表示するように決定する。従って、番組の重要度が登録者の重要度に比べて或る程度高くなり、ユーザに番組の内容をより理解させる必要性が生じた場合に、現在進行している番組の内容として番組の字幕を表示させることができる。
【0100】
また、制御部22が、通話履歴に基づいて登録者重要度を設定するようにすれば、ユーザによる登録者重要度の設定の手間を省くことができるとともに、登録者重要度を適切に設定することができる。
【0101】
また、呼出信号が受信された場合以外にも番組特定部22bが常時テレビ番組を特定することによって更新される視聴履歴に基づいて、制御部22が番組重要度を設定するようにすれば、ユーザによる番組重要度の設定の手間を省くことができるとともに、番組重要度を適切に設定することができる。
【0102】
なお、登録者重要度と番組重要度との比較の結果に応じて、発信者/来訪者情報の表示サイズ及び番組映像の表示サイズを変えても良い。例えば、登録者重要度と番組重要度とが等しい場合には、発信者/来訪者情報の表示サイズと番組映像の表示サイズとを同程度とする。また、登録者重要度の方が番組重要度よりも高い場合には、発信者/来訪者情報の表示サイズを番組映像の表示サイズよりも大きくする。また、番組重要度の方が登録者重要度よりも高い場合には、番組映像の表示サイズを発信者/来訪者情報の表示サイズよりも大きくする。つまり、重要度の高い方の表示サイズをより大きくするのである。
【0103】
また、登録者重要度と番組重要度とのうち何れか一方の重要度のみに基づいて、番組映像を表示させるか否か、または、番組映像を表示させる際の表示態様を決定しても良い。
【0104】
例えば、登録者重要度が或る値以上である場合には、番組映像を表示せず、発信者/来訪者情報のみを表示しても良い。また、登録者重要度が低いほど、番組映像の表示サイズが大きくなるようにするとともに発信者/来訪者情報の表示サイズが小さくなるようにしても良い。また、登録者重要度が或る値以下である場合には、番組映像を表示するとともに番組の字幕を表示するようにしても良い。つまり、発信者/来訪者情報を表示する重要度、あるいは、発信者または来訪者に対して電話応対することの重要度に応じて番組映像を表示する重要度が相対的に変化することから、この変化に応じた表示を行うのである。
【0105】
また、番組重要度が或る値以下である場合には、番組映像を表示せず、発信者/来訪者情報のみを表示しても良い。また、番組重要度が高いほど、番組映像の表示サイズが大きくなるようにするとともに発信者/来訪者情報の表示サイズが小さくなるようにしても良い。また、番組重要度が或る値以上である場合には、番組映像を表示するとともに番組の字幕を表示するようにしても良い。
【0106】
また、上記実施形態においては、電話機能及びインターホン機能の双方を有する応対システムに対して本発明を適用したが、双方のうち何れか一方の機能のみを有するシステムに本発明を適用しても良い。また、テレビ会議システム用の端末装置に本発明を適用しても良い。
【0107】
また、上記実施形態においては、番組重要度と登録者重要度とを夫々3段階としていたが、3段階に限る必要はない。
【符号の説明】
【0108】
1 玄関子機
2 親機
3 室内子機
4 電話機器
5 TVアンテナ
6 テレビ受像機
7 スピーカ
20 送話マイク
21 受話スピーカ
22 制御部
22a 通信部
22b 番組特定部
22c 画面表示パターン決定部
22d テレビ出力制御部
23 電話通信I/F
24 インターホン通信I/F
25 無線通信I/F
26 個人照合処理部
27 呼出音発生部
28 モニタ
29 表示制御部
30 記録制御部
31 記憶部
32 操作部
33 内蔵マイク
34 内蔵スピーカ
35 TVチューナ
S 応対システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電話装置または来訪者に応対するための応対装置の少なくとも何れか一方との通信を制御する応対制御装置であって、
表示手段と、
映像及び音として放送される複数の番組の放送信号を受信する受信手段と、
前記表示手段とは別個の表示装置であり、前記複数の番組のうち少なくとも一つの番組の映像を表示する表示装置のスピーカから出力された音をスピーカ音信号として取得する取得手段と、
前記電話装置からの電話回線を介しての着信と、前記応対装置からの前記来訪者の来訪を通知する来訪通知信号の受信と、の少なくとも何れか一方を検出する検出手段と、
前記検出手段により前記着信または前記来訪通知信号の受信が検出された場合に、前記スピーカから出力された音と同一の音が放送されている前記番組を、前記スピーカ音信号と前記放送信号に含まれる音信号とに基づいて特定する特定手段と、
前記特定された番組の映像を、前記放送信号に含まれる当該番組の映像信号に基づいて前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
を備えることを特徴とする応対制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の応対制御装置において、
通話する相手の識別情報と、優先度と、を対応付けて記憶する相手優先度記憶手段と、
前記電話回線を介して送信されてきた発信者の識別情報または前記応対装置から送信されてきた来訪者の識別情報と、前記相手優先度記憶手段に記憶された前記識別情報と、を照合することにより、前記発信者または前記来訪者を特定する相手特定手段と、
前記特定された発信者または来訪者に対応する前記優先度に基づいて、前記特定された番組の映像を表示させるか否か、または、当該映像の表示態様、の少なくとも何れか一方を決定する決定手段と、を更に備え、
前記表示制御手段は、前記決定手段による決定に基づいて、前記特定された番組の映像の表示を制御することを特徴とする応対制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載の応対制御装置において、
前記決定手段は、前記特定された番組の映像と、前記特定された発信者または来訪者に関する相手情報と、を同時に表示するように決定するとともに、前記特定された相手に対応する前記優先度が低いほど、前記特定された番組の映像の前記表示手段による表示面積が大きくなるように決定することを特徴とする応対制御装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の応対制御装置において、
前記決定手段は、前記特定された相手に対応する前記優先度が所定の優先度よりも低い場合には、前記特定された番組の映像を表示するとともに、前記放送信号に含まれる当該番組の字幕情報に基づいて字幕を表示するように決定することを特徴とする応対制御装置。
【請求項5】
請求項1に記載の応対制御装置において、
前記番組または当該番組の種類の識別情報と、優先度と、を対応付けて記憶する番組優先度記憶手段と、
前記特定された番組または当該番組の種類の識別情報に対応する前記優先度に基づいて、当該番組の映像を表示させるか否か、または、当該映像の表示態様、の少なくとも何れか一方を決定する決定手段と、を更に備え、
前記表示制御手段は、前記決定手段による決定に基づいて、前記特定された番組の映像の表示を制御することを特徴とする応対制御装置。
【請求項6】
請求項5に記載の応対制御装置において、
前記決定手段は、前記特定された番組の映像と、発信者または来訪者に関する相手情報と、を同時に表示するように決定するとともに、前記特定された番組または当該番組の種類の識別情報に対応する前記優先度が高いほど、前記特定された番組の映像の前記表示手段による表示面積が大きくなるように決定することを特徴とする応対制御装置。
【請求項7】
請求項5または請求項6に記載の応対制御装置において、
前記決定手段は、前記特定された番組または当該番組の種類の識別情報に対応する前記優先度が所定の優先度よりも高い場合には、前記特定された番組の映像を表示するとともに、前記放送信号に含まれる当該番組の字幕情報に基づいて字幕を表示するように決定することを特徴とする応対制御装置。
【請求項8】
請求項1に記載の応対制御装置において、
通話する相手の識別情報と、第1の優先度と、を対応付けて記憶する相手優先度記憶手段と、
前記番組または当該番組の種類の識別情報と、第2の優先度と、を対応付けて記憶する番組優先度記憶手段と、
前記電話回線を介して送信されてきた発信者の識別情報または前記応対装置から送信されてきた来訪者の識別情報と、前記相手優先度記憶手段に記憶された前記識別情報と、を照合することにより、前記発信者または前記来訪者を特定する相手特定手段と、
前記特定された発信者または来訪者に対応する前記第1の優先度と、前記特定された番組または当該番組の種類の識別情報に対応する前記第2の優先度と、を比較する比較手段と、
前記比較手段による比較の結果、前記第1の優先度が前記第2の優先度よりも高い場合には、前記特定された発信者または来訪者に関する相手情報及び前記特定された番組の映像のうち少なくとも前記相手情報を表示するように決定し、前記第1の優先度が前記第2の優先度よりも低い場合には、前記相手情報及び前記番組の映像のうち少なくとも前記番組の映像を表示するように決定する決定手段と、を更に備え、
前記表示制御手段は、前記決定手段による決定に基づいて、前記相手情報または前記番組の映像の何れか一方を表示させるように制御することを特徴とする応対制御装置。
【請求項9】
請求項8に記載の応対制御装置において、
前記決定手段は、前記第1の優先度と前記第2の優先度とが等しい場合には、前記相手情報及び前記番組の映像のうち前記相手情報を表示するとともに、前記放送信号に含まれる当該番組の字幕情報に基づいて字幕を表示するように決定することを特徴とする応対制御装置。
【請求項10】
請求項8に記載の応対制御装置において、
前記決定手段は、前記第1の優先度が前記第2の優先度よりも低く、且つ、前記第1の優先度と前記第2の優先度との差が所定値以上である場合には、前記相手情報及び前記番組の映像のうち前記番組の映像を表示するとともに、前記放送信号に含まれる当該番組の字幕情報に基づいて字幕を表示するように決定することを特徴とする応対制御装置。
【請求項11】
請求項2乃至4及び請求項8乃至10の何れか1項に記載の応対制御装置において、
前記相手特定手段により特定された発信者または来訪者との当該応対制御装置を用いた通話履歴を示す通話履歴情報を記憶する通話履歴情報記憶手段と、
前記記憶された通話履歴情報に基づいて、前記相手優先度記憶手段に記憶される優先度を設定する相手優先度設定手段と、
を更に備えることを特徴とする応対制御装置。
【請求項12】
請求項5乃至10の何れか1項に記載の応対制御装置において、
前記特定手段は、前記着信または前記来訪通知信号の受信が検出された場合以外においても、前記スピーカから出力された音と同一の音が放送されている前記番組を特定し、
前記特定手段による前記番組の特定の履歴を、ユーザによる番組の視聴履歴を示す視聴履歴情報として記憶する視聴履歴情報記憶手段と、
前記記憶された視聴履歴情報に基づいて、前記番組優先度記憶手段に記憶される優先度を設定する番組優先度設定手段と、
を更に備えることを特徴とする応対制御装置。
【請求項13】
請求項1乃至12の何れか1項に記載の応対制御装置において、
前記特定手段は、前記取得手段により取得された前記スピーカ音信号と前記受信手段により受信された前記放送信号に含まれる音信号から夫々音の周波数特性を抽出し、前記スピーカ音信号から音の周波数特性を抽出することによって得られた情報と、前記放送信号に含まれる音信号から音の周波数特性を抽出することによって得られた情報と、を照合することによって前記特定することを特徴とする応対制御装置。
【請求項14】
請求項1乃至13の何れか1項に記載の応対制御装置において、
前記取得手段は、当該応対制御装置の外部の音を外部音信号に変換するマイクロホンであり、
前記特定手段は、前記外部の音の中に何れかの前記番組の音が含まれているか、前記外部音信号と前記放送信号に含まれる音信号とに基づいて特定することを特徴とする応対制御装置。
【請求項15】
表示手段を備える応対制御装置における映像表示方法であって、
映像及び音として放送される複数の番組の放送信号を受信する受信工程と、
前記表示手段とは別個の表示装置であり、前記複数の番組のうち少なくとも一つの番組の映像を表示する表示装置のスピーカから出力された音をスピーカ音信号として取得する取得工程と、
電話装置からの電話回線を介しての着信と、来訪者に応対するための応対装置からの当該来訪者の来訪を通知する来訪通知信号の受信と、の少なくとも何れか一方を検出する検出工程と、
前記検出工程において前記着信または前記来訪通知信号の受信が検出された場合に、前記スピーカから出力された音と同一の音が放送されている前記番組を、前記スピーカ音信号と前記放送信号に含まれる音信号とに基づいて特定する特定工程と、
前記特定された番組の映像を、前記放送信号に含まれる当該番組の映像信号に基づいて前記表示手段に表示させる表示制御工程と、
を有することを特徴とする映像表示方法。
【請求項16】
コンピュータを、
請求項1乃至15の何れか1項に記載の応対制御装置として機能させることを特徴とする映像表示処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−219923(P2010−219923A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−64813(P2009−64813)
【出願日】平成21年3月17日(2009.3.17)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】