説明

急速交互プロセス(RAP)のリアルタイム制御のためのシステム、方法、及び装置

【課題】急速交互プロセス(RAP)制御技術を提供する。
【解決手段】RAPシステム、及びこれを動作させる方法は、RAPチャンバ(RAPC)と、これに結合され、対応するプロセスガス源流量コントローラを各々が含む、複数のプロセスガス源と、RAPCに結合されたバイアス信号源と、RAPCに結合されたプロセスガス検出器と、RAPC、バイアス信号源、プロセスガス検出器、及び複数のプロセスガス源に結合されたRAPCコントローラとを含み、RAPCコントローラは、第1のRAP段階を開始させるためのロジックを含み、該第1のRAP段階を開始させるためのロジックは、第1のプロセスガスをRAPCに投入するためのロジックと、RAPCの中で第1のプロセスガスを検出するためのロジックと、RAPCの中で第1のプロセスガスが検出された後に、対応する第1の段階バイアス信号をRAPCに印加するためのロジックとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、総じて、半導体プロセス及び処理チャンバに関し、特に、急速交互プロセス(RAP)及びRAPチャンバを制御するためのシステム、方法、及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
急速交互プロセス(RAP)は、通常、チャンバの中にワークピース(加工対象物)を配すること、及び次いで、2つ又は3つ以上のプロセス(例えば段階)からなる交互に繰り返されるサイクルをワークピースに適用することを含む。通常、各プロセス/段階は、ガス圧力、ガス混合物濃度、ガス流量、バイアス電圧、周波数、チャンバの温度、ワークピースの温度、処理信号(例えばRFやマイクロ波など)のそれぞれについての複数の設定点、及びその他のプロセス設定点を有する。したがって、第1の段階は、第1の段階の各種のプロセス設定点が実現されるまで、効果的に開始させることができない。更に、第1の段階から後続の第2の段階への切り替えの際は、第2の段階が最も効果的に開始させられる前に、第2の段階の各種のプロセス設定点が実現されなければならない。
【0003】
プロセス段階変化時間間隔は、第1の段階の終わりから第2の段階の始まりまでの間の時間遅延である。プロセス段階変化時間中は、プロセスパラメータが変化し、特定のプロセス段階のための設定点の実現に要する時間は、パラメータごとに異なる。したがって、このプロセス段階変化時間間隔は、動作時間を減少させ、ゆえに、RAPチャンバの実効スループットを低下させる。
【0004】
通常、プロセス段階変化時間間隔は、ガス混合物濃度及びガス圧力についての設定点によって主に決定される。ガス混合物濃度及びガス圧力は、通常、RAPチャンバへの各種ガスの送達を制御する質量流コントローラ(MFC)によって決定される。
【0005】
通常、設定点は、RAPチャンバ内にガスが到達する推定時間によって決定される。例えば、通常、コントローラがガスを送達するように質量流コントローラに「指示」した後、ガスがRAPチャンバ内に到達するためには、200〜700ミリ秒の送達遅延が必要とされる。この送達遅延は、質量流コントローラ応答、ガス圧力、及び質量流コントローラとRAPチャンバとの間のプロセス配管の長さに少なくとも部分的に起因する。送達遅延には、その他の遅延が加わることもある。
【0006】
あいにく、RAPにおいて、サイクル時間は、最適なアスペクト比(例えば深さ/幅)を得るために可能な限り短いことが望ましく、最適なアスペクト比は、通常、所定のプロセス時間に対して一貫した幅及び長さである。RAPサイクル時間は、各RAPサイクルあたり1秒未満の短さに匹敵する。通常、1つのRAPプロセスにおいて、100〜500又はそれを超えるRAPサイクルが使用される。各RAPサイクルは、通常、エッチングプロセス(又は段階)と、デポジションプロセス(又は段階)とを含む。各RAPサイクルには、追加のプロセスを含めることもできる。したがって、ガス到達時間が推定されなくてはならず、バイアス及びその他のパラメータは、その推定時間に設定される又は開始される。
【0007】
その結果、プロセスパラメータは、各段階にとって最適なパラメータを実現できず、したがって、要望に見合った繰り返し可能性又は一貫性を有さないのが一般的である。更に、ガス濃度の到達及びバイアス電圧の印加のタイミングが最善でないと、結果として、各RAPサイクルにおける対応する段階のエッチング速度及び/又はデポジション速度が最善でなく且つ予測しがたくなる。結果は、各RAPサイクルにおける処理の非一貫性である。以上を考慮すると、RAPサイクル制御の改善が必要である。
【発明の概要】
【0008】
概して、本発明は、RAPサイクル制御を改善するためのシステム、方法、及び装置を提供することによってこれらの必要性を満たす。本発明は、プロセス、装置、システム、コンピュータ可読媒体、又はデバイスなどの数々の形で実現可能であることがわかる。以下では、本発明の幾つかの発明的実施形態が説明される。
【0009】
1つの実施形態は、急速交互プロセス方法であって、第1の急速交互プロセス段階を開始させることを含む方法を提供する。第1の急速交互プロセス段階を開始させることは、第1のプロセスガスを急速交互プロセスチャンバに投入することと、急速交互プロセスチャンバの中で第1のプロセスガスを検出することと、急速交互プロセスチャンバの中で第1のプロセスガスが検出された後に、対応する第1の段階バイアス信号を急速交互プロセスチャンバに印加することとを含む。
【0010】
急速交互プロセスチャンバの中で第1のプロセスガスを検出することは、また、急速交互プロセスチャンバの中で対応する第1のプロセスガスの濃度を検出することを含むことができる。急速交互プロセスチャンバの中で第1のプロセスガスを検出することは、対応する第1のプロセスガスの第1の解離生成物を検出することを含むことができる。急速交互プロセスチャンバの中で第1のプロセスガスを検出することは、また、対応する第1の発光スペクトルを検出することを含むことができる。
【0011】
対応する第1の発光スペクトルを検出することは、検出された対応する第1の発光スペクトルの値を決定することを含むことができる。対応する第1の段階バイアス信号は、検出された対応する第1の発光スペクトルの決定値が事前に選択された値を超えたときに、急速交互プロセスチャンバに印加することができる。
【0012】
対応する第1の発光スペクトルの決定値は、検出された対応する第1の発光スペクトルの、時間についての導関数を含むことができる。
【0013】
方法は、また、第2の急速交互プロセス段階を開始させることを含むことができる。第2の急速交互プロセス段階を開始させることは、第2のプロセスガスを急速交互プロセスチャンバに投入することと、急速交互プロセスチャンバの中で第2のプロセスガスを検出することと、急速交互プロセスチャンバの中で第2のプロセスガスが検出された後に、対応する第2の段階バイアス信号を急速交互プロセスチャンバに印加することとを含む。
【0014】
方法は、また、追加の急速交互プロセスサイクルが必要とされるかどうかを決定することを含むことができる。追加の急速交互プロセスサイクルが必要とされるかどうかを決定することは、もし、追加の急速交互プロセスサイクルが必要とされないならば、方法を終了させることと、もし、追加の急速交互プロセスサイクルが必要とされるならば、第1の急速交互プロセス段階を開始させることとを含む。急速交互プロセスチャンバの中で第1のプロセスガスが検出された後に、対応する第1の段階バイアス信号を急速交互プロセスチャンバに印加することは、基板に印加される第1の段階バイアス信号の、対応するRF信号、電圧、周波数、波形、変調、及び電力の少なくとも1つを印加すること、又は第1のプラズマ源電力の、対応するRF信号、電圧、周波数、波形、変調、及び電力の少なくとも1つを印加することを含むことができる。
【0015】
もう1つの実施形態は、急速交互プロセスシステムを提供する。急速交互プロセスシステムは、急速交互プロセスチャンバと、急速交互プロセスチャンバに結合され、対応するプロセスガス源流量コントローラを各々が含む、複数のプロセスガス源と、急速交互プロセスチャンバに結合されたバイアス信号源と、急速交互プロセスチャンバに結合されたプロセスガス検出器と、急速交互プロセスチャンバ、バイアス信号源、プロセスガス検出器、及び複数のプロセスガス源に結合された急速交互プロセスチャンバコントローラとを含み、急速交互プロセスチャンバコントローラは、第1の急速交互プロセス段階を開始させるためのロジックを含み、第1の急速交互プロセス段階を開始させるためのロジックは、第1のプロセスガスを急速交互プロセスチャンバに投入するためのロジックと、急速交互プロセスチャンバの中で第1のプロセスガスを検出するためのロジックと、急速交互プロセスチャンバの中で第1のプロセスガスが検出された後に、対応する第1の段階バイアス信号を急速交互プロセスチャンバに印加するためのロジックとを含む。
【0016】
急速交互プロセスチャンバの中で第1のプロセスガスを検出するためのロジックは、急速交互プロセスチャンバの中で対応する第1のプロセスガスの濃度を検出するためのロジックを含むことができる。急速交互プロセスチャンバの中で第1のプロセスガスを検出するためのロジックは、対応する第1のプロセスガスの第1の解離生成物を検出するためのロジックを含むことができる。急速交互プロセスチャンバの中で第1のプロセスガスを検出するためのロジックは、また、対応する第1の発光スペクトルをプロセスガス検出器によって検出するためのロジックを含むことができる。
【0017】
対応する第1の発光スペクトルを検出するためのロジックは、検出された対応する第1の発光スペクトルの値を決定するためのロジックを含むことができる。対応する第1の段階バイアス信号は、検出された対応する第1の発光スペクトルの決定値が事前に選択された値を超えたときに、急速交互プロセスチャンバに印加することができる。
【0018】
対応する第1の発光スペクトルの決定値のためのロジックは、検出された対応する第1の発光スペクトルの、時間についての導関数を決定するためのロジックを含むことができる。急速交互プロセスチャンバコントローラは、更に、第2の急速交互プロセス段階を開始させるためのロジックを含むことができる。第2の急速交互プロセス段階を開始させるためのロジックは、第2のプロセスガスを急速交互プロセスチャンバに投入するためのロジックと、急速交互プロセスチャンバの中で第2のプロセスガスを検出するためのロジックと、急速交互プロセスチャンバの中で第2のプロセスガスが検出された後に、対応する第2の段階バイアス信号を急速交互プロセスチャンバに印加するためのロジックとを含む。
【0019】
急速交互プロセスチャンバコントローラは、また、追加の急速交互プロセスサイクルが必要とされるかどうかを決定するためのロジックを含むことができる。追加の急速交互プロセスサイクルが必要とされるかどうかを決定するためのロジックは、もし、追加の急速交互プロセスサイクルが必要とされないならば、方法を終了させるためのロジックと、もし、追加の急速交互プロセスサイクルが必要とされるならば、第1の急速交互プロセス段階を開始させるためのロジックとを含む。
【0020】
更にもう1つの実施形態は、急速交互プロセスシステムを提供する。急速交互プロセスシステムは、急速交互プロセスチャンバと、急速交互プロセスチャンバに結合され、対応するプロセスガス源流量コントローラを各々が含む、複数のプロセスガス源とを含む。急速交互プロセスチャンバに、バイアス信号源が結合される。急速交互プロセスチャンバに、プロセスガス検出器が結合される。急速交互プロセスチャンバ、バイアス信号源、プロセスガス検出器、及び複数のプロセスガス源に、急速交互プロセスチャンバコントローラが結合される。急速交互プロセスチャンバコントローラは、第1の急速交互プロセス段階を開始させるためのロジックと、第2の急速交互プロセス段階を開始させるためのロジックと、追加の急速交互プロセスサイクルが必要とされるかどうかを決定するためのロジックとを含み、第1の急速交互プロセス段階を開始させるためのロジックは、第1のプロセスガスを急速交互プロセスチャンバに投入するためのロジックと、急速交互プロセスチャンバの中で第1のプロセスガスを検出するためのロジックと、急速交互プロセスチャンバの中で第1のプロセスガスが検出された後に、対応する第1の段階バイアス信号を急速交互プロセスチャンバに印加するためのロジックとを含み、急速交互プロセスチャンバの中で第1のプロセスガスを検出するためのロジックは、対応する第1の発光スペクトルをプロセスガス検出器によって検出するためのロジックを含み、対応する第1の発光スペクトルをプロセスガス検出器によって検出するためのロジックは、検出された対応する第1の発光スペクトルの値を決定するためのロジックを含み、検出された対応する第1の発光スペクトルの値を決定するためのロジックは、検出された対応する第1の発光スペクトルの、時間についての導関数を決定するためのロジックを含む。
【0021】
本発明の原理を例として示した添付の図面との関連でなされる以下の詳細な説明から、本発明のその他の態様及び利点が明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明は、添付の図面との関連でなされる以下の詳細な説明によって、容易に理解される。
【0023】
【図1】本発明の一実施形態にしたがった、RAPチャンバシステムを示した概略図である。
【0024】
【図2A】本発明の一実施形態にしたがった、代表的な質量流量コントローラの制御方式を示したグラフである。
【図2B】本発明の一実施形態にしたがった、代表的な質量流量コントローラの制御方式を示したグラフである。
【図2C】本発明の一実施形態にしたがった、代表的な質量流量コントローラの制御方式を示したグラフである。
【0025】
【図2D】本発明の1つの実施形態にしたがった、コントローラからMFCへの制御信号のタイミングを早めるために実施される方法及び動作を示したフローチャートである。
【0026】
【図3A】本発明の一実施形態にしたがった、シリコンエッチング速度を示した図である。
【図3B】本発明の一実施形態にしたがった、シリコンエッチング速度を示した図である。
【0027】
【図4】本発明の一実施形態にしたがった、Si/PR選択性を示した図である。
【0028】
【図5A】本発明の一実施形態にしたがった、エッチング/デポジション段階中におけるガス送達時間のばらつきを示した図である。
【図5B】本発明の一実施形態にしたがった、エッチング/デポジション段階中におけるガス送達時間のばらつきを示した図である。
【0029】
【図6】本発明の一実施形態にしたがった、OES信号の各種性質を示したグラフである。
【0030】
【図7】本発明の1つの実施形態にしたがった、バイアス電圧を制御するためにOESスペクトルを使用するにあたって実施される方法及び動作を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
RAPサイクル制御を改善するためのシステム、方法、及び装置についての幾つかの典型的な実施形態が説明される。当業者ならば、本発明が、本明細書に明記された具体的詳細の一部又は全部を伴わずとも実施されえることが明らかである。
【0032】
急速交互プロセス(RAP)は、シリコン及びその他のタイプの基板、並びにそれらの基板上の層の中に、高アスペクト比の特徴をエッチングするための1つのアプローチである。高アスペクト比の特徴は、幅W以上の深さDを有する。
【0033】
RAP技術は、急速に繰り返されるサイクルを含み、各サイクルは、いずれも1つのチャンバの中で発生する2つ又は3つ以上の段階間における切り替えを含む。典型的なRAPサイクルの各々は、パッシベーションプロセス若しくは段階、又はエッチングプロセス若しくは段階を含むことができる。パッシベーション段階は、デポジション段階を含むこともできる。各エッチング段階及び各パッシベーション段階の持続時間の正確な制御は、高い信頼性で予測可能な高アスペクト比のエッチングプロセスを展開させる。
【0034】
図1は、本発明の一実施形態にしたがった、RAPチャンバシステム100の概略図である。RAPチャンバシステム100は、RAPチャンバ110を含む。RAPチャンバ110の中には、プラズマ108と、基板サポート112によって支えられる基板102とがある。RAPチャンバ110には、プラズマ108の1つ又は2つ以上の性質(例えばスペクトル、温度、光強度など)を監視可能な方式でプロセスガス検出器114が結合される。
【0035】
RAPチャンバ110は、また、プロセスガス吐出器又はノズル104(すなわちシャワーヘッド型又はその他の適切なタイプのガス吐出器)を含む。プロセスガス吐出器又はノズル104に、第1の質量流量コントローラ(MFC)120及び第2のMFC130が結合される。第1のMFC120は、第1のガス源からRAPチャンバ110への流れを制御するために、第1のガス源122にも結合される。第2のMFC130は、第2のガス源からRAPチャンバ110への流れを制御するために、第2のガス源132にも結合される。
【0036】
RAPチャンバシステム100は、また、RAPコントローラ140及びバイアス電圧源150も含む。コントローラ140は、幾つかあるコンポーネントのなかでも特に、ロジック142Aと、メモリ142Bと、オペレーティングシステム及びソフトウェア142Cとを含む。RAPコントローラ140は、任意の標準コンピュータ(例えば、任意のオペレーティングシステムを使用しているパソコンなどの汎用コンピュータ)、又は専用コンピュータ(例えば、カスタムメイドのオペレーティングシステムを使用している専用のコントローラ若しくはコンピュータ)を含むことができる。RAPコントローラ140は、ユーザインターフェース(例えば、ディスプレイ、キーボード、タッチ画面など)、通信インターフェース(例えば、ネットワークプロトコル及びポート)、又は読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、不揮発性メモリの1つ若しくは2つ以上を含むメモリシステム(例えば、フラッシュ、ハードドライブ、光ドライブ、ネットワークストレージ、リモートストレージなど)などの、使用に必要な任意のコンポーネントを含むことができる。RAPコントローラ140は、中央から複数のシステムを動作させる、監視する、調整する、及び制御することができる集中型リモートコントローラ(不図示)に結合することができる。RAPコントローラ140は、バイアス源150、第1のMFC120、第2のMFC130、プロセスガス検出器114、プラズマ源電力生成器160、及びRAPチャンバ110に結合される。
【0037】
バイアス電圧源150は、基板サポート112、プロセスガス吐出器若しくはノズル104、又はRAPチャンバ110の1つ若しくは2つ以上の壁に結合することができる、1つ又は2つ以上のバイアス電圧及び信号源を含むことができる。バイアス電圧源150は、プラズマ108から基板102表面上へのイオン束/エネルギを制御するために使用される信号の、RF信号、電圧、周波数、波形、変調、及び電力を提供する。プラズマ源電力生成器160は、プラズマ108を発生させるために使用される信号の、RF信号、電圧、周波数、波形、変調、及び電力を提供する。プラズマ源電力生成器160は、誘導コイルに結合され、これらのコイルは、LAM SyndionなどのTCP(トランス結合プラズマ)の場合は誘電体窓によってプラズマから隔てられる。二重周波数CCP(容量結合プラズマ)エッチャの場合は、プラズマ源電力生成器160は、上部電極104又は基板サポートに結合することができる。
【0038】
図2A〜2Cは、本発明の一実施形態にしたがった、代表的な質量流量コントローラの制御方式を示したグラフである。図2A及び図2Bは、RAPサイクルの第1の段階及び第2の段階のそれぞれの最中における、代表的なSyndion V2 MFCのSF6 MFC応答時間202、206及びC48 MFC応答時間204、208を示したグラフである。代表的なMFCは、(Syndion V2 MFCに見られるような、)約150ミリ秒から約300ミリ秒までの限られた応答時間を有する。
【0039】
図2Cは、RAPサイクル220を示したグラフである。複数のRAP段階222〜236が示されている。グラフ240は、対応する光波長(例えば、CF2は、対応する波長268nmを有する)における第1の発光強度によって測定される、RAPチャンバ110内における第1のプロセスガス(C48)の解離生成物(例えばCF2)の存在を示している。グラフ241は、対応する光波長(例えば、Fは、対応する波長704nmを有する)における第2の発光強度によって測定される、RAPチャンバ110内における第2のプロセスガス(例えばSF6)の存在を示している。グラフ242は、RAPチャンバ110内における第2の強度対第1の強度の比を示している。
【0040】
グラフ243は、MFCによって測定される、それぞれのMFCを通る第1のプロセスガス(例えばC48)の流量を示している。グラフ244は、MFCによって測定される、それぞれのMFCを通る第2のプロセスガス(例えばSF6)の流量を示している。
【0041】
グラフ245は、RAPチャンバ110に印加されるバイアス信号を示している。グラフ246は、1つの段階から後続の段階への変化を示している。
【0042】
RAPサイクル220の第1の段階222は、パッシベーション段階又はデポジション段階でありえる。先行する段階(例えば段階222)と、後続の段階(例えば段階224)との間の送達時間遅延は、それぞれのMFC120、130からそれぞれのプロセスガス122、132をRAPチャンバ110へ送達するために必要とされる時間である。一例としてSyndion V2 MFCを使用すると、送達時間遅延は、約200ミリ秒から約350ミリ秒までの間である。
【0043】
MFC120、130の各々は、MFCの中のそれぞれのバルブ120B、130Bを操作するためにコントローラ140から制御信号を受信して対応する出力を生成するそれぞれのコントローラ電気回路120A、130Aを含む。各MFC120、130の中のそれぞれのコントローラ電気回路120A、130Aは、受信された制御信号に対するコントローラ切り替え遅延も有することがある。コントローラ切り替え遅延は、それぞれのMFC120、130からのガス122、132の送達に対して更なる遅延を導入することがある。このコントローラ切り替え遅延は、図2A及び図2Bに示されるように、Syndion V2において最大約200ミリ秒に達することがある。
【0044】
次に、「段階3が開始される」と表示されたデータ点について言及する。これは、「段階3」228に先立つ段階226からの変化をRAPコントローラ140がいつ開始させるかを示すグラフ246上のデータ点である。「段階3」228を開始させる一環として、RAPコントローラ140は、SF6 MFCにコマンドを送信する。コントローラ切り替え遅延後、RAPコントローラ140は、対応するデータ点において開き始める。MFC応答遅延後、SF6 MFCは、対応するデータ点において完全に開かれる。プロセスガス送達遅延後、SF6は、対応するデータ点においてRAPチャンバ100に到達する。「段階3が開始される」からSF6がRAPチャンバ100に到達するまでの合計遅延時間は、約700ミリ秒から約850ミリ秒までである。この、約700ミリ秒から約850ミリ秒までの間のばらつきは、処理の非一貫性を招く。
【0045】
RAPサイクルの各エッチング及び/又はデポジション段階の持続時間は、可能な限り短いことが望ましく、ゆえに、これらの3つの要因によって引き起こされる合計遅延時間に匹敵する、又はそれよりも更に短いことが望ましい。その結果、2つの基本的な問題が提示される。1つ目は、各段階中に最適な結果のために特定のバイアス電力/電圧が印加されるべき時間の不確実性である。このパラメータは、図2A〜2Cに示されるように、一部のRAPサイクルにとっては非常に重要である。
【0046】
MFC120、130の限られた応答時間、及びMFC120、130とRAPチャンバ110との間の既知の距離ゆえに、チャンバ内へのガスの送達には、約700ミリ秒から約850ミリ秒までの時間が必要だろう。この遅延のばらつきは、RAPサイクルの各段階のためにそれぞれのバイアス電圧を正確に制御することを困難にする。
【0047】
この合計時間遅延を補償するための1つのアプローチは、コントローラ140からMFC120、130への制御信号のタイミングを早めるやり方である。その結果、MFCの動作が時間的に早められる。図2Dは、本発明の1つの実施形態にしたがった、コントローラ140からMFCへの制御信号のタイミングを早めるために実施される方法及び動作250を示したフローチャートである。本明細書で示される動作は、例示のためであり、場合によっては一動作に複数の小動作が含まれること、及び場合によっては本明細書で説明された特定の動作が例示の動作に含まれないこともあることが理解されるべきである。このことを念頭において、次に、方法及び動作250が説明される。
【0048】
動作252では、RAPチャンバ110に第1のガスが投入され、これは、第1のガスを第1のガス源122から流れさせるために、コントローラ140から第1の質量流量コントローラ120へ第1の命令を送信することを含む。
【0049】
動作254では、その前の繰り返し及び/又はテストデータに基づいて、第1のガスの送達時間が推定される。推定された第1のガスの送達時間に達したときは、動作256において、対応する第1の段階のための対応する第1のプロセスパラメータ設定点272(例えば第1のバイアス電圧、第1のバイアス周波数、及びその他の第1のプロセスパラメータ)がRAPチャンバ110に適用される。
【0050】
動作258では、RAPチャンバ110の中の基板102に、対応する段階(例えばエッチング段階)が適用される。動作260では、RAPチャンバ110に第2のガスが投入され、これは、第2のガスを第2のガス源132から流れさせるために、コントローラ140から第2の質量流量コントローラ130へ第2の命令を送信することを含む。
【0051】
動作262では、その前の繰り返し及び/又はテストデータに基づいて、第2のガスの送達時間が推定される。推定された第2のガスの送達時間に達したときは、動作264において、対応する第2の段階のための対応する第2のプロセスパラメータ設定点282(例えば第2のバイアス電圧、第2のバイアス周波数、及びその他の第2のプロセスパラメータ)がRAPチャンバ110に適用される。
【0052】
動作266では、RAPチャンバ110の中の基板102に、対応する第2の段階(例えばデポジション段階又はパッシベーション段階)が適用される。
【0053】
動作268では、RAPチャンバ110の中の基板102において追加のRAPサイクルが必要であるかどうかを決定するための問い合わせがなされる。もし、RAPチャンバ110の中の基板102において追加のRAPサイクルが必要であるならば、方法動作は、上述のような動作252に続く。もし、基板102において追加のRAPサイクルが必要でないならば、方法動作は、終了することができる。
【0054】
図3A及び図3Bは、本発明の一実施形態にしたがった、シリコンエッチング速度300、310を示した図である。図4は、本発明の一実施形態にしたがった、Si/PR選択性400、410を示した図である。図3及び図4の各々は、各段階が、RAPサイクルの各段階中におけるバイアス電圧/電力タイミングに影響されることを示している。
【0055】
図3Aに示されるように、エッチングバイアス電圧306は、要望どおりに、その大部分をプロセスガス濃度のエッチング段階308中に印加された。その結果得られた各エッチング段階の段階深さD1及び幅Wの一貫性は、波形模様302の一貫した幅W1及び段階深さD1として示されている。
【0056】
図3Bに示されるように、エッチングバイアス電圧306は、その大部分をプロセスガス濃度のパッシベーション段階318中に印加された。その結果得られた各エッチング段階の段階深さD2及び幅の一貫性の無さは、波形模様312の非一貫した幅W2及び段階深さD2として示されている。
【0057】
図4のグラフ400に示されるように、エッチングバイアス電圧は、要望どおりに、その大部分をエッチング段階中に印加され、ゆえに、その結果フォトレジスト404を通じて得られたビア402のエッチングプロフィールは、真直ぐであり、フォトレジストの上面406に対して実質的に垂直である。
【0058】
図4のグラフ410に示されるように、エッチングバイアス電圧は、要望どおりではなく、その大部分をパッシベーション段階中に印加され、ゆえに、その結果フォトレジスト404を通じて得られたビア402Aのエッチングプロフィールは、あまり真直ぐではなく、より角度がついた側面を有し、尚且つフォトレジストの上面406に対してあまり垂直ではない。
【0059】
各RAPエッチング段階中にバイアス電圧が印加されるとき、シリコン(Si)エッチング速度は、時間に依存する。図4に示されるように、フォトレジスト(PR)エッチング速度は、50%以上の割合で変化することがある。その結果、Si/PRエッチング選択性は、値が広範囲にわたる可能性があり、ゆえに、対応するばらつきを結果に生じることがある。
【0060】
エッチングプロセス中におけるアスペクト比関連の影響を最小限に抑える試みとして、ウエハ処理中における各RAP段階の開始のタイミングが早められるときは、これらの非一貫性は、更に深刻になる。
【0061】
図5A及び図5Bは、本発明の一実施形態にしたがった、エッチング/デポジション段階中におけるガス送達時間のばらつきを示した図である。図5Aに示されるような、エッチング段階中における発光スペクトル(OES)信号の[F]/[CF2]、及び図5Bに示されるような、結果得られたビア510の走査型電子顕微鏡断面は、非常に正確な相関を示している。ガス送達時間のばらつきは、「波形模様」502A〜Gの深さにかなりのばらつきを生じさせる。理想を言うと、波形模様502A〜Gは、基板504の中で全て実質的に同じ深さであることが望ましい。ガス送達の遅延によって引き起こされる、RAP段階の各々におけるバイアス電圧印加タイミングの時間推移/遅延の不確実性又は非一貫性は、ビア510の側面に垂直な筋を発生させる。エッチングプロセス中(例えば前のデポジション段階後、CF2がまだ減衰テールを有するとき)におけるOES強度の比[F]/[CF2]は、エッチング及びパッシベーションの両プロセスについて、その持続時間による影響を一体的に反映している。
【0062】
図5Bは、RAPサイクル520を示したグラフも含む。複数のRAP段階が示されている。グラフ522は、対応する光波長(例えば、CF2は、対応する波長268nmを有する)における第1の発光強度によって測定される、RAPチャンバ110内における第1のプロセスガス(C48)の解離生成物(例えばCF2)の存在を示している。グラフ524は、対応する光波長(例えば、Fは、対応する波長704nmを有する)における第2の発光強度によって測定される、RAPチャンバ110内における第2のプロセスガス(例えばSF6)の解離生成物(例えばF)の存在を示している。グラフ526は、RAPチャンバ110内における第2の強度対第1の強度の比を示している。グラフ522は、段階を示している。グラフ524は、RAPチャンバ100内における圧力を示している。
【0063】
アプローチの1つは、各RAPサイクル中にバイアス電圧が印加されるときの非一貫性の問題を解決するために、及び波形模様間の間隔の揺らぎを減少させるために、プラズマからのOES信号を使用してバイアス電力生成器及びMFCを制御することである。図6は、本発明の一実施形態にしたがった、OES信号の各種性質を示したグラフ600である。対応するバイアス電圧がいつ印加されるかのタイミングをトリガ及び制御するための正確な基準信号として、OES信号からのd[F]/dt又はd{[F]/[CF2]}/dtのうちの任意を使用することができる。この目的のためには、[F]/[CF2]を使用することもできるが、導関数d[F]/dt又はd{[F]/[CF2]}/dtを使用するほうが、信号がプロセス変化にあまり影響されないゆえに好ましいとされる。
【0064】
d[F]/dt又はd{[F]/[CF2]}/dtの大きさが、選択された設定点値を超えたときは、直ちにバイアス電圧を印加することが可能である。或いは、d[F]/dt又はd{[F]/[CF2]}/dtの大きさが、選択された設定点値をいつ超えるかは、バイアス電圧の印加のタイミングを計るためのより具体的な遅延時間、及びそのバイアス電圧がどれだけ長く印加されるべきかを定めるために使用することができる。典型的なケースでは、印加されるバイアス電圧を対応値に戻すためのトリガ信号として、OES信号(例えば、導関数の負の値)の立ち下がりエッジを使用することができる。
【0065】
グラフ602は、対応する光波長(例えば、Fは、対応する波長704nmを有する)における第2の発光強度によって測定される、RAPチャンバ110内における第2のプロセスガス(例えばSF6)の解離生成物(例えばF)の存在を示している。グラフ602は、RAPチャンバ110内における第2の強度対第1の強度の比を示している。
【0066】
グラフ606は、第2の強度の、時間についての導関数を示している。グラフ608は、RAPチャンバ110内における第2の強度対第1の強度の比の導関数を示している。
【0067】
このプロセス制御技術は、異なるガス化学剤を使用する任意のタイプのRAPプラズマプロセスに拡張することができる。プロセスガス混合物に、少量の希ガスを追加することができ、特殊なケースでは、これらのガス種の輝線を使用することができる。これらのガス種の発光強度は、プロセスのRAP特性に由来するプラズマ内における電子エネルギ分布の変化ゆえに、たとえ希ガスの流量が一定であっても変化する可能性がある。
【0068】
形成されているデバイスの側壁内の波形模様間における、ガス送達の揺らぎ及びエッチング/パッシベーションプロセスの持続時間によって引き起こされる間隔の揺らぎを減少させるには、上述のような技術を使用して、バイアス電圧を制御することができる。この場合、システム100は、現エッチング段階の持続時間を決定する。例えば、バイアス電圧印加のタイミングをよりいっそう的確にするために、d[F]/dt及びd{[F]/[CF2]}/dt([F]/[CF2])に対し、「又は」及び「及び」などの追加の論理演算を適用することが可能である。
【0069】
この場合、提示された方法は、質量流量コントローラからチャンバへのガス送達時間が{[エッチング段階の持続時間]−[トリガ信号を見つけるために必要とされる時間]}未満であると望ましいことを示唆した。
【0070】
提示された技術は、最適な結果のためにRAPプロセスサイクル中に特定のバイアス電圧がいつ印加されるべきかの時間の不確実性を減少させる。高速に作動する質量流量コントローラの代替制御の適用は、波形模様のサイズのばらつきを更に減少させることができる。
【0071】
上述されたプロセスガス及びそれぞれの解離生成物は、本発明を実例を挙げて説明するために使用されたものであり、しかしながら、RAPチャンバ110内におけるそれぞれのプロセスガスの存在の検出には、追加又は代替として、その他のプロセスガス及び/又は上記プロセスガスのその他の解離生成物も使用されえることが理解されるべきである。例えば、CFは、代替となるC48の解離生成物である。尚も更に、OESによって検出することができる代替のプロセスガスも使用されえる。代替のプロセスのそれぞれの解離生成物は、OESによって検出することができる。
【0072】
図7は、本発明の1つの実施形態にしたがった、バイアス電圧を制御するためにOESスペクトルを使用するにあたって実施される方法及び動作700を示したフローチャートである。本明細書で示される動作は、例示のためであり、場合によっては一動作に複数の小動作が含まれること、及び本明細書で説明された特定の動作が例示の動作に含まれないこともあることが理解されるべきである。このことを念頭において、次に、方法及び動作700が説明される。
【0073】
動作705では、RAPチャンバ110に第1のガスが投入され、これは、第1のガスを第1のガス源122から流れさせるために、コントローラ140から第1の質量流量コントローラ120へ第1の命令を送信することを含む。
【0074】
動作710では、上述のように、OES解析によって第1のプロセスガスの送達が検出される。第1のプロセスガスの送達が検出されたときは、動作715において、対応する第1の段階のための対応する第1のプロセスパラメータ設定点272(例えば、第1のプラズマ源電力RF信号の、第1のバイアス電圧、周波数、波形、変調、及び電力、並びにプラズマ108を発生させるために使用される信号の、電圧、周波数、波形、変調、及び電力、並びにその他の第1のプロセスパラメータ)がRAPチャンバ110に適用される。
【0075】
動作720では、RAPチャンバ110の中の基板102に、対応する段階(例えばエッチング段階)が適用される。
【0076】
動作725では、RAPチャンバ110に第2のガスが投入され、これは、第2のガスを第2のガス源132から流れさせるために、コントローラ140から第2の質量流量コントローラ130へ第2の命令を送信することを含む。
【0077】
動作730では、上述のように、OES解析によって第2のプロセスガスの送達が検出される。第2のプロセスガスの送達が検出されたときは、動作735において、対応する第2の段階のための対応する第2のプロセスパラメータ設定点282(例えば、第2のプラズマ源電力RF信号の、第2のバイアス電圧、周波数、波形、変調、及び電力、並びにプラズマ108を発生させるために使用される信号の、電圧、周波数、波形、変調、及び電力、並びにその他の第2のプロセスパラメータ)がRAPチャンバ110に適用される。
【0078】
動作740では、RAPチャンバ110の中の基板102に、対応する第2の段階(例えばデポジション段階又はパッシベーション段階)が適用される。
【0079】
動作745では、RAPチャンバ110の中の基板102において追加のRAPサイクルが必要であるかどうかを決定するための問い合わせがなされる。もし、RAPチャンバ110の中の基板102において追加のRAPサイクルが必要であるならば、方法動作は、上述のような動作705に続く。もし、基板102において追加のRAPサイクルが必要でないならば、方法動作は、終了することができる。
【0080】
本発明は、コンピュータ可読媒体上のコンピュータ可読コードとして具現化することもできる。コンピュータ可読媒体は、その後コンピュータシステムによって読み出し可能なデータを記憶することができる任意のデータストレージデバイスである。コンピュータ可読媒体の例として、ハードドライブ、ネットワーク接続ストレージ(NAS)、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD、フラッシュ、磁気テープ、並びにその他の光及び非光データストレージデバイスが挙げられる。コンピュータ可読媒体は、また、コンピュータ可読コードが分散方式で記憶及び実行されるように、ネットワークに結合されたコンピュータシステムに分散させることもできる。
【0081】
更に、上記の図面の中で動作によって表されている命令は、例示の順番で実施される必要はないこと、及び動作によって表されている全ての処理が本発明の実行に必要でなくてもよいことがわかる。更に、上記のどの図面で説明されているプロセスも、RAM、ROM、又はハードディスクドライブの任意の1つ又は組み合わせに記憶されたソフトウェアとしても実装することができる。
【0082】
以上の発明は、理解を明瞭にする目的で幾らか詳細に説明されてきたが、添付の特許請求の範囲内で特定の変更及び修正が可能であることが明らかである。したがって、これらの実施形態は、例示的で且つ非限定的であると見なされ、本発明は、本明細書で与えられた詳細に限定されず、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物の範囲内で変更されえる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
急速交互プロセス方法であって、
第1の急速交互プロセス段階を開始させることであって、
第1のプロセスガスを急速交互プロセスチャンバに投入することと、
前記急速交互プロセスチャンバの中で前記第1のプロセスガスを検出することと、
前記急速交互プロセスチャンバの中で前記第1のプロセスガスが検出された後に、対応する第1の段階バイアス信号を前記急速交互プロセスチャンバに印加することと、
を含むことを備える、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記急速交互プロセスチャンバの中で第1のプロセスガスを検出することは、前記急速交互プロセスチャンバの中で対応する前記第1のプロセスガスの濃度を検出することを含む、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
前記急速交互プロセスチャンバの中で前記第1のプロセスガスを検出することは、対応する前記第1のプロセスガスの第1の解離生成物を検出することを含む、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
前記急速交互プロセスチャンバの中で前記第1のプロセスガスを検出することは、対応する第1の発光スペクトルを検出することを含む、方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であって、
前記対応する第1の発光スペクトルを検出することは、前記検出された対応する第1の発光スペクトルの値を決定することを含む、方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法であって、
前記対応する第1の段階バイアス信号は、前記検出された対応する第1の発光スペクトルの前記決定値が事前に選択された値を超えたときに、前記急速交互プロセスチャンバに印加される、方法。
【請求項7】
請求項5に記載の方法であって、
前記対応する第1の発光スペクトルの前記決定値は、前記検出された対応する第1の発光スペクトルの、時間についての導関数を含む、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、更に、
第2の急速交互プロセス段階を開始させることであって、
第2のプロセスガスを前記急速交互プロセスチャンバに投入することと、
前記急速交互プロセスチャンバの中で前記第2のプロセスガスを検出することと、
前記急速交互プロセスチャンバの中で前記第2のプロセスガスが検出された後に、対応する第2の段階バイアス信号を前記急速交互プロセスチャンバに印加することと、
を含むことを備える、方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法であって、更に、
追加の急速交互プロセスサイクルが必要とされるかどうかを決定することであって、
もし、追加の急速交互プロセスサイクルが必要とされないならば、方法を終了させることと、
もし、追加の急速交互プロセスサイクルが必要とされるならば、前記第1の急速交互プロセス段階を開始させることと、
を含むことを備える、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、
前記急速交互プロセスチャンバの中で前記第1のプロセスガスが検出された後に、対応する第1の段階バイアス信号を前記急速交互プロセスチャンバに印加することは、前記基板に印加される前記第1の段階バイアス信号の、対応するRF信号、電圧、周波数、波形、変調、及び電力の少なくとも1つを印加すること、又は前記第1のプラズマ源電力の、対応するRF信号、電圧、周波数、波形、変調、及び電力の少なくとも1つを印加することを含む、方法。
【請求項11】
急速交互プロセスシステムであって、
急速交互プロセスチャンバと、
前記急速交互プロセスチャンバに結合され、対応するプロセスガス源流量コントローラを各々が含む、複数のプロセスガス源と、
前記急速交互プロセスチャンバに結合されたバイアス信号源と、
前記急速交互プロセスチャンバに結合されたプロセスガス検出器と、
前記急速交互プロセスチャンバ、前記バイアス信号源、前記プロセスガス検出器、及び前記複数のプロセスガス源に結合された急速交互プロセスチャンバコントローラと、
を備え、
前記急速交互プロセスチャンバコントローラは、第1の急速交互プロセス段階を開始させるためのロジックであって、
第1のプロセスガスを急速交互プロセスチャンバに投入するためのロジックと、
前記急速交互プロセスチャンバの中で前記第1のプロセスガスを検出するためのロジックと、
前記急速交互プロセスチャンバの中で前記第1のプロセスガスが検出された後に、対応する第1の段階バイアス信号を前記急速交互プロセスチャンバに印加するためのロジックと、
を含むロジックを含む、システム。
【請求項12】
請求項11に記載のシステムであって、
前記急速交互プロセスチャンバの中で前記第1のプロセスガスを検出するためのロジックは、前記急速交互プロセスチャンバの中で対応する前記第1のプロセスガスの濃度を検出するためのロジックを含む、システム。
【請求項13】
請求項11に記載のシステムであって、
前記急速交互プロセスチャンバの中で前記第1のプロセスガスを検出するためのロジックは、対応する前記第1のプロセスガスの第1の解離生成物を検出するためのロジックを含む、システム。
【請求項14】
請求項11に記載のシステムであって、
前記急速交互プロセスチャンバの中で前記第1のプロセスガスを検出するためのロジックは、対応する第1の発光スペクトルを前記プロセスガス検出器によって検出するためのロジックを含む、システム。
【請求項15】
請求項14に記載のシステムであって、
前記対応する第1の発光スペクトルを検出するためのロジックは、前記検出された対応する第1の発光スペクトルの値を決定するためのロジックを含む、システム。
【請求項16】
請求項15に記載のシステムであって、
前記対応する第1の段階バイアス信号は、前記検出された対応する第1の発光スペクトルの前記決定値が事前に選択された値を超えたときに、前記急速交互プロセスチャンバに印加される、システム。
【請求項17】
請求項15に記載のシステムであって、
前記対応する第1の発光スペクトルの決定値のためのロジックは、前記検出された対応する第1の発光スペクトルの、時間についての導関数を決定するためのロジックを含む、システム。
【請求項18】
請求項11に記載のシステムであって、
前記急速交互プロセスチャンバコントローラは、更に、第2の急速交互プロセス段階を開始させるためのロジックであって、
第2のプロセスガスを前記急速交互プロセスチャンバに投入するためのロジックと、
前記急速交互プロセスチャンバの中で前記第2のプロセスガスを検出するためのロジックと、
前記急速交互プロセスチャンバの中で前記第2のプロセスガスが検出された後に、対応する第2の段階バイアス信号を前記急速交互プロセスチャンバに印加するためのロジックと、
を含むロジックを含む、システム。
【請求項19】
請求項18に記載のシステムであって、
前記急速交互プロセスチャンバコントローラは、更に、追加の急速交互プロセスサイクルが必要とされるかどうかを決定するためのロジックであって、
もし、追加の急速交互プロセスサイクルが必要とされないならば、前記方法を終了させるためのロジックと、
もし、追加の急速交互プロセスサイクルが必要とされるならば、前記第1の急速交互プロセス段階を開始させるためのロジックと、
を含むロジックを含む、システム。
【請求項20】
急速交互プロセスシステムであって、
急速交互プロセスチャンバと、
前記急速交互プロセスチャンバに結合され、対応するプロセスガス源流量コントローラを各々が含む、複数のプロセスガス源と、
前記急速交互プロセスチャンバに結合されたバイアス信号源と、
前記急速交互プロセスチャンバに結合されたプロセスガス検出器と、
前記急速交互プロセスチャンバ、前記バイアス信号源、前記プロセスガス検出器、及び前記複数のプロセスガス源に結合された急速交互プロセスチャンバコントローラと、
を備え、
前記急速交互プロセスチャンバコントローラは、
第1の急速交互プロセス段階を開始させるためのロジックであって、
第1のプロセスガスを前記急速交互プロセスチャンバに投入するためのロジックと、
前記急速交互プロセスチャンバの中で前記第1のプロセスガスを検出するためのロジックと、
前記急速交互プロセスチャンバの中で前記第1のプロセスガスが検出された後に、対応する第1の段階バイアス信号を前記急速交互プロセスチャンバに印加するためのロジックと、
を含むロジックと、
第2の急速交互プロセス段階を開始させるためのロジックと、
追加の急速交互プロセスサイクルが必要とされるかどうかを決定するためのロジックと、
を含み、前記急速交互プロセスチャンバの中で前記第1のプロセスガスを検出するためのロジックは、対応する第1の発光スペクトルを前記プロセスガス検出器によって検出するためのロジックを含み、前記対応する第1の発光スペクトルを前記プロセスガス検出器によって検出するためのロジックは、前記検出された対応する第1の発光スペクトルの値を決定するためのロジックを含み、前記検出された対応する第1の発光スペクトルの値を決定するためのロジックは、前記検出された対応する第1の発光スペクトルの、時間についての導関数を決定するためのロジックを含む、システム。

【図1】
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【図2D】
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【図7】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−58749(P2013−58749A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−181990(P2012−181990)
【出願日】平成24年8月21日(2012.8.21)
【出願人】(592010081)ラム リサーチ コーポレーション (467)
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
【Fターム(参考)】