説明

急速分散性医薬固形剤形における食用酸の使用

固形で経口の急速分散性の凍結乾燥された医薬剤形の崩壊時間を短縮するため、医薬活性成分は低い水溶性しか有しない前記剤形を製造するために用いられる組成物中に、クエン酸などの食用酸を含有させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は経口の急速分散性の医薬固形剤形、さらにより具体的には医薬活性成分が低い水溶性しかもたない前記剤形に関する。本発明は特に前記の医薬活性成分の高配合を含む前記固形剤形に関するが、これに限定されない。
【背景技術】
【0002】
固形の急速分散性医薬剤形はそれ自体周知である。例えば、急速分散性剤形は英国特許公開1548022号公報に開示されており、これは医薬活性成分の網目と、活性成分に対して不活性な水溶性又は水に分散性の担体を含む剤形を記載しており、前記網目は固形状態にある組成物から溶媒を昇華させること(すなわち、凍結乾燥)によって得られ、組成物は活性成分と溶媒中の担体の溶液とを含んでいる。
【0003】
急速分散性剤形は、典型的には、口腔内に置くこと1〜10秒以内で崩壊する。「急速分散性」の語は本明細書で用いるように、錠剤のための崩壊試験(Disintegration Test for Tablets, B. P. 1973年)に類似し、上述した英国特許第1548022号公報に記載された方法によって試験した場合に、10秒以内に37℃の水中で崩壊することを意味する。
【0004】
国際公開97/06786号パンフレット(及びそれと同じ欧州特許出願公開第850050号公報)は、アポモルヒネの急速分散性剤形の調製方法を開示しており、そこではゼラチン及びマンニトールが水に分散され、アポモルヒネ塩酸塩が添加され、混合物が均質化されて薬物を溶解させ、これに続けて撹拌しながら徐々にクエン酸が添加されて溶液のpHが3.0に調節され、次にさらに水が加えられ、全体混合物が均質化されて溶解が完全になされる。この分散液の予め定めた量(ときどき「湿式充填単位(ウェット・フィル・ユニット)」とよばれる)が、予備成形されたブリスターポケット中に分けられ、製品は次に凍結乾燥(リオフィライズ)されて、固形の急速分散性剤形が製造される。この方法においては、クエン酸が添加されてアポモルヒネの化学的安定性が最大化される。アポモルヒネは酸性環境中において最大の化学的安定性を示すことが知られる塩基性薬物である。アポモルヒネは、そのような環境中で水溶性でもある。クエン酸を用いる代わりに、酒石酸、リン酸、塩酸、及びマレイン酸の使用が開示されている。
【0005】
国際公開WO98/31368号パンフレット(及びそれと同じ欧州特許出願公開第0954314号公報)は、水溶性アポモルヒネ塩酸塩を含有する剤形において、pHを調節するためにクエン酸を用いることを開示している。
【0006】
同様に、国際公開WO98/42344号パンフレット(及びそれと同じ欧州特許公開第0969842号公報)は、急速分散性固形剤形を開示しており、そこではクエン酸が存在してブスピロン塩酸塩の化学的安定性を提供している。
【0007】
さらに、経口の急速分散性医薬剤形が、国際公開WO96/26714号パンフレット(及びそれに同じ欧州特許出願公開第0814770号公報)において開示され、そこでは抗パーキンソン病薬であるセレギリンが用いられている。セレギリンの遊離塩基は、製造工程で又は完成製品から蒸発しうる揮発性オイルである。したがって、クエン酸、酒石酸、リン酸、塩酸、又はマレイン酸などの酸が添加され、溶液のpHを下げることによってセレゲリンの塩形態に向けて平衡を移動させる。
【0008】
国際公開WO98/35656号パンフレット(及びそれに同じ欧州特許出願公開第0973506号公報)は、ケトプロフェン及びステアリン酸を含む剤形を開示している。ステアリン酸は、不快かつ苦みのある薬物を味覚遮蔽するための甘味料とともに脂質として添加されている。この脂質及び薬物は組み合わせとなって、口の中でその剤形が分散した場合に、薬物が粘膜と接触することを妨げられ、それによって味覚が遮蔽される。
【特許文献1】英国特許公開1548022号公報
【特許文献2】国際公開97/06786号パンフレット
【特許文献3】国際公開98/31368号パンフレット
【特許文献4】国際公開98/42344号パンフレット
【特許文献5】国際公開96/26714号パンフレット
【特許文献6】国際公開98/35656号パンフレット
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
(本発明の簡単な説明)
急速分散性固形剤形における上述した酸の使用とは全く対照的に、我々は、実質的に水に不溶な医薬活性成分を含み、且つ許容不能な長い崩壊時間(典型的には10秒より長い)をもつ剤形の崩壊時間を短縮するために、酸を用いることができることを予期せず発見した。これは全く予期せぬ発見であり、なぜならpH調節及び/又は味覚遮蔽のためのこれまでの酸の使用は、水溶性薬物を含む剤形において及び/又は長い崩壊時間が問題でなかった剤形において用いられてきているからである。
【0010】
本明細書で用いるように「実質的に水に不溶な医薬活性成分」の語は、その水溶性が低く、活性成分の主要部分(50%超)が(溶液中に存在するのではなく)懸濁液(湿式充填単位)中に懸濁され、懸濁液は凍結乾燥されてその剤形を生じる医薬活性成分を意味する。したがって、これは水溶性自体だけでなく、その剤形中に用いられる活性成分の量(又は添加量)にも左右される。
【0011】
したがって、本発明の一つの局面によれば、実質的に水に不溶な医薬活性成分とゼラチン系担体とを含み、固形剤形の崩壊時間を(食用酸なしの同一剤形と比較して)短くするための、経口の急速分散性の凍結乾燥(フリーズ・ドライ)された医薬剤形における食用酸の使用を提供する。
【0012】
本発明の別の局面によれば、実質的に水に不溶な医薬活性成分とゼラチン系の水分散性担体とを含む、経口の急速分散性の凍結乾燥された医薬剤形の崩壊時間を短くするための方法であって、この方法は、前記の実質的に水に不溶な医薬活性成分及び前記ゼラチン系の水分散性担体を含む組成物中に少なくとも1種の食用酸を含ませるステップを、前記組成物から前記固形剤形を形成させる前に含む。
【0013】
上記食用酸は、クエン酸、マレイン酸、酒石酸、又は塩酸などの任意の医薬として許容可能な酸であることができ、クエン酸が好ましい。用いる酸の量は、固形剤形の崩壊時間を10秒未満に短縮する量であり、凍結乾燥されて固形乾燥剤形を生じる上記組成物の重量を基準にして0.01〜10重量%、より好ましくは0.1〜5重量%の範囲であることができるが、典型的には1重量%以下である。
【0014】
本発明のさらなる局面によれば、固形の急速分散性の凍結乾燥された医薬剤形の崩壊時間を短くするための方法が提供され、前記方法は、
(i) 水と、実質的に水に不溶な医薬活性成分と、ゼラチン系の水分散性担体と、クエン酸、マレイン酸、酒石酸、塩酸、及び前記酸類の1種又は2種以上の混合物から選択される少なくとも1種の食用酸とを含む組成物を作るステップ、
(ii) 前記組成物の一部を個別のポケット中に導入するステップ、さらに
(iii) 前記一部を乾燥且つ固化させるために、前記ポケット内の前記一部を凍結乾燥し、それにより、前記の実質的に水に不溶な医薬活性成分と、前記ゼラチン系の水分散性担体と、前記少なくとも1種の食用酸とを含む前記固形剤形を調製するステップ、
を含む。
【0015】
本発明のさらなる局面によれば、固形の急速分散性の凍結乾燥された医薬剤形の製造方法が提供され、前記方法は、
(i) 水と、実質的に水に不溶な医薬活性成分と、ゼラチン系の水分散性担体と、クエン酸、マレイン酸、酒石酸、塩酸、及び前記酸類の1種又は2種以上の混合物から選択される少なくとも1種の食用酸とを含む組成物を作るステップ、
(ii) 前記組成物の一部を個別のポケット中に導入するステップ、さらに
(iii) 前記一部を乾燥且つ固化させるために、前記ポケット内の前記一部を凍結乾燥し、それにより、前記の実質的に水に不溶な医薬活性成分を含む前記固形剤形を作り出し、前記食用酸なしの同じ剤形よりも短い崩壊時間をもたらすステップ、
を含む。
【0016】
本発明の全ての局面は、崩壊時間について許容できない好ましからざる影響を有する量で医薬活性成分を含む剤形に特に適用可能である。そのような医薬活性成分は、不溶性か又はやや溶けにくい鎮痛剤、抗ヒスタミン剤、鎮咳剤、抗生物質、気管支拡張薬、心・血管薬、中枢神経薬、充血除去剤などから選択されうる。
【0017】
これらのいくつかの具体例には、ロフェコキシブ、パラセタモール、及びピロキシカムが含まれる。
【0018】
本発明は、医薬活性成分がかなり多い割合で存在する固形剤形にとって特に適していると考えられる。低い水溶性しかもたない医薬にとって、活性成分を高含有量で配合する場合に、長い崩壊時間は克服しなければならない主要な問題である。長い崩壊時間は、剤形における少ない多孔性の結果として生じうる。したがって、本発明は、この問題を克服又は軽減するために特に適している。本発明により、300〜400mg程度の活性成分を含む1000mgの湿式充填単位(ウェット・フィル・ユニット)から急速分散性剤形を製造することができると考えられる。これにより、凍結乾燥後の剤形における非常に高い活性成分含有量(充填量)がもたらされる。このことによって、本発明はまた、より大きな剤形が便利ではあるが市場性がない可能性のある場合に、剤形の大きさを小さくすることを可能にする。しかし、本発明はまた、固形乾燥剤形の10重量%ほどの低さの薬剤含有量に対しても、崩壊時間の有用な短縮をもたらしうる。
【0019】
好ましくは、ゼラチン系の担体(又はマトリクス形成性賦形剤)は、ゼラチン及びマンニトールから誘導されうる。これらが高い濃度においては、より強度の大きな剤形が作られ、これらの成分がより低い濃度で形成された剤形よりも長い崩壊時間をもつ傾向がある。取り扱い可能であり、且つ包装及び輸送手段の厳しさに耐えるために、固形剤形は充分な強度をもつことを必要とする。ゼラチン/マンニトール濃度を低減することは、より短い崩壊時間をもたらすが、いくつかの場合には、急速な崩壊を与えるために要求されるゼラチン及びマンニトールの濃度は低く、固形剤形が容易に損傷を受けるほど引張強度が低い。
【0020】
剤形の崩壊時間がその剤形を形成する前の組成物保持時間に左右される場合は、実施上制限を受ける。崩壊時間が制限以内であって組成物保持時間に関わりなく許容可能である点まで、ゼラチンレベルは低減されうる。しかし、このことは弱すぎる剤形をもたらす可能性がある。別の選択肢は、組成物保持時間をそのバッチの最後に製造される剤形がなお許容可能な短い崩壊時間を有する時間まで限定することである。しかし、このことは低いバッチ生産量による許容不能なコストをもたらしうる。酸が存在する場合は、1時間の保持時間と25時間の保持時間の後に投与された剤形の崩壊時間の間に顕著な差がないことを発見した。酸がない場合は、24時間の組成物保持時間の後に製造した剤形の崩壊時間には実質的な増加がありえる。
【0021】
上述したマンニトールの使用に代えて、その他の糖類、例えば、デキストロース、ラクトース、ガラクトース、及びトレハロース;環状糖類、例えばシクロデキストリン;無機酸、例えばリン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、及びケイ酸アルミニウム;並びに2〜12の炭素原子を有するアミノ酸類、例えば、グリシン、L−アラニン、L−アスパラギン酸、L−グルタミン酸、L−ヒドロキシプロリン、L−イソロイシン、L−ロイシン、及びL−フェニルアラニン、が用いられうる。
【0022】
ゼラチン及び/又は(用いる場合は)その他の担体形成性成分は、固形化前に組成物中に混合されうる。担体形成剤(類)は界面活性剤に加えて、又は界面活性剤なしに存在しうる。担体を形成することに加えて、担体形成剤(類)は、溶液又は懸濁液中において、かなり不溶性の医薬活性成分の分散を保つことを助けることができる。
【0023】
補助成分、例えば、保存料、抗酸化剤、界面活性剤、増粘剤、着色剤、香味料、甘味料、又は味覚遮断剤もまた、マトリクス中に組み込まれうる。
【0024】
〔本発明の詳細な説明〕
(実施例1及び2、並びに比較例1及び2)
パラセタモール(水への溶解度14mg/ml)又はピロキシカム(水への溶解度<1mg/ml)の300mg投与量を含む固形剤形中に、表1に挙げた成分を配合した。この固形剤形は以下のように調製した。
ゼラチン及びマンニトールを純水に加え、撹拌しながら60℃に加熱してゼラチンを溶解させた。用いる場合にはこの時点でクエン酸を加えた。混合物を次に25℃に冷却し、撹拌しながら25℃で混合物を上記医薬に徐々に加え、滑らかな液体分散液を作成した。この懸濁液の一部1gを予備成形したブリスターポケットに分け入れ、窒素下で急速に凍結した。凍結させた製品は、次に乾燥し、固形剤形を調製した。
【0025】
【表1】

【0026】
これらの例において調製した剤形の崩壊時間及び引張強度(3点曲げ試験)を以下の表2に示す。崩壊時間を得るための試験は、英国特許出願公開第1548022号公報(米国特許第437156号明細書)に述べられている通りである。
【0027】
【表2】

【0028】
クエン酸なしでパラセタモールを含有する剤形についての崩壊時間は、実質的に許容可能な上限の10秒を超えているのに対して、パラセタモールとクエン酸とを含む剤形の崩壊時間は非常に許容可能な時間である3.10秒であり、引張強度の許容できない低下はなかった。ピロキシカムを含有する剤形の崩壊時間は、クエン酸が存在する場合に短くなる一方、クエン酸が存在しない場合の崩壊時間はなお許容可能であることが注目されよう。
【0029】
(比較例3及び実施例3〜6)
前の実施例で説明したものと同様の方法にしたがい、400mgのパラセタモールを含有する固形剤形を、以下の表3に挙げた成分を用いて調製した。
【0030】
【表3】

【0031】
得られた崩壊時間及び引張強度は以下の表4に示す。
【0032】
【表4】

【0033】
表4に示した結果は、400mg投与量のパラセタモールを含有する固形剤形がうまく調製でき、ゼラチン量を1.5重量%から0.75重量%に低下させること及びマンニトール量を1.13重量%(w/w)から0.55重量%へ低下させることは、崩壊時間に顕著な影響を与えないことを示している。
【0034】
(実施例7〜10及び比較例4及び5)
実施例1及び2で説明した方法と同様の方法にしたがい、10重量%のロフェコキシブ(実質的に水に不溶性:0.004mg/ml)固形剤形を、表5に挙げた成分を用いて調製した。試験結果を以下の表5に示した。
【0035】
【表5A】

【表5B】

【0036】
表5から、追加された酸を含有しない剤形と比較して、引張強度への顕著な影響なしに、崩壊時間がかなり短縮されることがわかる。
【0037】
(産業上の利用可能性)
固形の急速分散性医薬剤形は、多くの好ましい特性を有する。しかし、それらはまた多くの欠点をも有する。本発明は、低水溶性医薬を高い含有量で用いた場合に、増大する崩壊時間の問題を解決する生産方法を提供する。この発見は、急速分散性医薬剤形の調製における技術の状態を進歩させる。上記に本発明の好ましい態様の詳細な説明を、説明のための且つ制限しない目的で提供した。当業者には明らかに、この開示に基づいて、全てのその他の変形、派生、及び等価なものは、権利請求したとおりの発明の範囲内であることが意図されていることが理解されよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
実質的に水に不溶性の医薬活性成分とゼラチン系の水分散性担体とを含んだ、固形で急速分散性の凍結乾燥された医薬剤形の崩壊時間を短縮する方法であって、前記方法が、前記実質的に水に不溶性の医薬活性成分と前記ゼラチン系の水分散性担体とを含む組成物中に少なくとも1種の食用酸を含有させるステップを、前記組成物から前記固形剤形を形成させる前に含む方法。
【請求項2】
前記少なくとも1種の食用酸が、クエン酸、マレイン酸、酒石酸、及び塩酸、並びに前記酸類の1種又は2種以上の混合物から選択される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
糖類、環状糖類、無機塩類、及びアミノ酸類から選択される少なくとも1種のさらなる担体形成成分を含ませるステップをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記の少なくとも1種の担体形成成分がマンニトールである、請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記組成物が懸濁液であり、その中で医薬活性成分の50重量%より多くが懸濁された状態にある、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記医薬活性成分が、前記固形剤形の少なくとも10重量%の量で存在する、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記の少なくとも1種の食用酸が10秒未満の崩壊時間をもたらす量で存在する、請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記医薬活性成分が、パラセタモール、ピロキシカム及びロフェコキシブからなる群から選択される、請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記医薬活性成分がロフェコキシブである、請求項1記載の方法。
【請求項10】
実質的に水に不溶な医薬活性成分及びゼラチン系の水分散性担体を含有する、固形で急速分散性の、凍結乾燥された医薬剤形の崩壊時間を短縮する方法であって、水と、前記の実質的に水に不溶な医薬活性成分と、前記ゼラチン系の水分散性担体とを含む組成物中に、前記組成物から前記固形剤形を形成する前に、クエン酸、マレイン酸、酒石酸、及び塩酸、並びに前記酸類の1種又は2種以上の混合物から選択される少なくとも1種の食用酸を含有させるステップを含む方法。
【請求項11】
糖類、環状糖類、無機塩類、及びアミノ酸類から選択される少なくとも1種のさらなる担体形成成分を前記担体組成物に含有させるステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記の少なくとも1種のさらなる担体形成成分がマンニトールである、請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記組成物が懸濁液であり、その中で前記医薬活性成分の50重量%より多くが懸濁された状態にある、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記医薬活性成分が、前記固形剤形の少なくとも10重量%の量で存在する、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記の少なくとも1種の酸が、10秒未満の崩壊時間をもたらす量で存在する、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記医薬活性成分が、パラセタモール、ピロキシカム、及びロフェコキシブからなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記医薬活性成分がロフェコキシブである、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
固形で急速分散性の、凍結乾燥された医薬剤形の崩壊時間を短くする方法であって、
(i) 水と、実質的に水に不溶な医薬活性成分と、ゼラチン系の水分散性担体と、クエン酸、マレイン酸、酒石酸、塩酸、及び前記酸類の1種又は2種以上の混合物、から選択される少なくとも1種の食用酸とを含む組成物を作るステップ、
(ii) 前記組成物の一部を個別のポケット中に導入するステップ、さらに
(iii) 前記一部を乾燥且つ固化させるために、前記ポケット内の前記一部を凍結乾燥し、それにより、前記の実質的に水に不溶な医薬活性成分と、前記ゼラチン系の水分散性担体と、前記少なくとも1種の食用酸とを含む前記固形剤形を調製するステップ
を含む方法。
【請求項19】
固形で急速分散性の、凍結乾燥された医薬剤形の製造方法であって、
(i) 水と、実質的に水に不溶な医薬活性成分と、ゼラチン系の水分散性担体と、クエン酸、マレイン酸、酒石酸、塩酸、及び前記酸類の1種又は2種以上の混合物、から選択される少なくとも1種の食用酸とを含む組成物を作るステップ、
(ii) 前記組成物の一部を個別のポケット中に導入するステップ、さらに
(iii) 前記一部を乾燥且つ固化させるために、前記ポケット内の前記一部を凍結乾燥し、それにより、前記の実質的に水に不溶な医薬活性成分を含む前記固形剤形を作り出し、前記食用酸なしの同じ剤形よりも短い崩壊時間をもたらすステップ、
を含む製造方法。
【請求項20】
固形剤形の崩壊時間を短くするために、実質的に水に不溶な医薬活性成分と、ゼラチン系の水分散性担体とを含む、経口の急速分散性の凍結乾燥された医薬固形剤形における食用酸の使用。
【請求項21】
前記食用酸が、クエン酸、マレイン酸、酒石酸、塩酸、及びそれらのいずれか2種以上の混合物から選択される、医薬として許容可能な酸である、請求項20に記載の使用。
【請求項22】
前記担体が、糖類、環状糖類、無機塩類、及びアミノ酸類、から選択される少なくとも1種のさらなる担体形成成分をさらに含む、請求項20記載の使用。
【請求項23】
前記少なくとも1種のさらなる担体形成成分がマンニトールである、請求項20に記載の使用。
【請求項24】
前記組成物が懸濁液であり、その中で前記医薬活性成分の50重量%より多くが懸濁された状態にある、請求項20に記載の使用。
【請求項25】
前記医薬活性成分が前記固形剤形の少なくとも10重量%の量で存在する、請求項20に記載の使用。
【請求項26】
前記酸が、10秒未満の崩壊時間をもたらす量で存在する、請求項20に記載の使用。
【請求項27】
前記医薬活性成分が、パラセタモール、ピロキシカム、及びロフェコキシブからなる群から選択される、請求項20に記載の使用。
【請求項28】
前記医薬活性成分がロフェコキシブである、請求項20に記載の使用。

【公表番号】特表2006−517236(P2006−517236A)
【公表日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−503502(P2006−503502)
【出願日】平成16年2月9日(2004.2.9)
【国際出願番号】PCT/US2004/004029
【国際公開番号】WO2004/071156
【国際公開日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【出願人】(501477831)アール.ピー. シェーラー テクノロジーズ インコーポレイテッド (23)
【Fターム(参考)】