性行為補助器具

【課題】 これまでに開発されたED障害男性の性行為補助器具は、男性器や女性器に直接接触するため、その使用には心理的な抵抗感があった。そのような心理的負担を軽減して自然な性行為に移行できる補助器具の開拓を目的として、どちらの性器にも直接接触することない方式の性行為補助用品を提供する。
【解決手段】 本発明品は、女性用ベルトと男性用のベルトとを幅広帯で連結して、どちらの性器にも接触することなく、双方の下腹部の密着を強制する用具であり、性器間の接触感覚を持続させることによって性行為達成を介助することができる。図3のように、双方の腰部にベルトを装着すると、幅広帯が両者の股間を一体として包込んで性器間密着を持続できるので、ED障害の男性でも自然な性行為へと誘導される。付属の補助ベルトを用いれば、更に密着度の高い接触が得られ、擬似的な性行為感覚を享受することも可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、男性器の勃起機能低下によって性的交渉不全に陥っている夫婦またはカップルが互いに協力して満足な性交渉達成感を獲得するための性行為補助器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、仕事の重圧など社会的ストレスの増加による心因的要因から、いわゆるED(Erectile Dysfunction)と呼ばれる男性器勃起不全障害に悩む男性の割合が著しく増加している。一説によると、最近の我国の40〜70歳の半数以上の男性が何らかの要因で男性器機能低下に陥っているといわれている。男性器機能低下が原因となって円満な性的関係を維持できない夫婦やカップルの増加は社会的にも大きな課題となっている。
【0003】
男性器機能低下は年齢的要因からも発生するので、加齢による身体と精神の不統一が原因となって性行為不全障害に悩む熟年夫婦の増加も著しい。特に、最近の日本における団塊世代は精神的には壮年時の自意識を維持していることが多いので、肉体的能力低下と自意識との齟齬が要因となった加齢要因型EDが激増している。このような加齢要因型ED対策は、長年連れ添ってきた夫婦が円満な関係を持続するためには極めて重要な課題であり、そのための有効な解決策が必要とされる。
【0004】
従来のED対策は、▲1▼心因性要因のカウンセリングなどによる心理的療法、▲2▼バイアグラに代表される薬品による化学的療法、▲3▼男性器勃起補助器具あるいは挿入補助器具などの物理的手段、に分類される。これらの対策は、それぞれ一定の効果があることは知られているが、心理療法は解決に時間がかかり、必ずしも万能ではない。薬品対処法は、たとえば、高血圧症の男性には極めて危険性が高い手段である。また、補助器具を利用する物理的対策は、逆に使用者の自身喪失を誘発して、心理的要因を増大させるおそれがある。
【0005】
従来の物理的ED対策用品は、たとえば、以下に示す文献等に見られるように、すべて男性器または女性器を単独に補助して、性的交渉に際して男性器を女性器内に挿入することを目的としている(例えば、特許文献1、特許文献2、および、実用新案文献1参照)。一般に、ED男性の性器勃起持続時間は短く、また、いわゆる“芯が入らない”状態に陥りやすい。その場合、挿入補助器具を利用して一旦は挿入できても、女性器の膣圧によって男性器は容易に膣外に排除されて、交接状態を持続することが困難になり、結果的に双方の性交渉満足度が不十分のまま終了することが多い。また、この種の補助器具は、いわゆる“大人のおもちゃ的な”興味の対象になりがちであり、購入や使用に対する抵抗感があることは否定できない。
【特許文献1】特許公開2008−136776
【特許文献2】特許公開2007−244831
【実用新案文献1】
登録実用新案第3144699号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は以上のような物理的ED対策の現状を概念的に打破して、敢えて性器挿入にこだわることなくカップル間における性的満足度を高めるための補助用品として開発したものである。性行為での喜悦感覚は必ずしも性器の挿入・受容によるばかりではなく、両者の性器が密着して十分なスキンシップを獲得することによっても得られることが多い。本発明は、従来のED対策と併用してその治療効果向上に寄与するのみならず、円満な夫婦や親密なカップルが性行為によって官能的感覚を享受するための補助用品を提供する。
【0007】
男性器機能が正常な場合は男性器が女性器に強固に結合するので、性行為時における相互の密着度を維持することが容易であり、したがってその間のスキンシップを十分に享受することが出来る。しかしながら、ED対象者は性行為時における強固な性器間結合を持続するのが困難であるため、接触持続のために肉体的努力を意識的に行う必要があり、それを意識するあまり、満足なスキンシップを得るための心理的身体的余裕がなく、また、その際の焦燥感が更に機能不全を誘発し、心理的要因ED症状の増加をもたらすという悪循環を招くこととなる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記の課題を解決することにあたって、“ED対象者の性行為における満足度やスキンシップの向上には、男性器と女性器の接触を持続させることが望ましい”という新しい発想のもとに、従来のED対策補助用具とは概念的に異なった性行為補助用具を開発した。この新規補助用具は、両者の下腹部を強制的に接近させることによって、両性器間の嵌合結合や密着性を長時間持続させることを可能にするものであり、性行為時におけるED対象男性の精神的身体的緊張から開放することに寄与する。これによって、男性側は性行為持続に対する焦燥感を排除できるので、心理的余裕を持って女性とのスキンシップを享受することが可能となるので、ED対象者であっても性行為の充実感を獲得できる。
【発明の効果】
【0009】
健常な男性であっても、男性器勃起機能は精神状態あるいは脳神経活動状況を敏感に反映するので、性行為中に意識的あるいは無意識的な負担を感じると勃起能力に変調を来すことがある。ED対象者は、その程度が著しいので、性行為時に性器間結合を持続するための身体的心理的負担が少しでも発生すると、直ちに勃起能力不全に陥る結果となる。本発明品はそのような身体的負担を排除することによって、ED対象男性の心理的負担を軽減して性行為の充実感達成を容易にする。また、女性側にとっても、本発明品の装着によって下腹部密着が持続しているため、早々に身体分離することが避けられるので、性行為の余韻を充分に享受できるメリットがある。
【0010】
行為開始時には膣内に男性器挿入ができたが、その後に勃起力が減衰した様な場合でも、本発明品を装着していれば、男性器が膣外に排除されることが押し留められる。たとえ、膣外に排除されても男性器は女性器大陰唇内部に留まって女性器内でクリトリス刺激を継続することが容易となり、双方にとっての性交渉充実感を獲得できるので、十分なスキンシップを得る精神的肉体的な余裕が出来る。
【0011】
本発明品を装着していれば、男性器を膣内に挿入できない状態で行為を開始した場合でも、性器間接触による持続的な局部刺激によって男性器が自発的に勃起する可能性を高め、自然に膣内に挿入される形で正常な性行為に至ることを可能にする。
【0012】
本発明品による両性器の強制的密着は、性器嵌合を伴わない性的快感、すなわち、接触感覚や摩擦刺激などの擬似挿入感の享受を容易にするので、特に、加齢要因ED対象者の性行為継続において有効となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
性行為の成就は微妙な感覚に影響されるので、できる限り双方の性器に直接接触することを避けて、自然のままに性器接合が介助・補助できる用具・器具であることが求められる。そのため、本発明はどちらの性器にも直接接触することなく、また、一時的な器具挿入などの操作も一切必要としない形態を開発した。
【0014】
図1は、本発明品の概要を示している見取り図である。要するに、男性用ベルトと女性用ベルトを幅広帯で連結した形態の用具である。
【0015】
図2は、本発明品の平面図である。図2aは、本体部分を示しているが、中間がくびれた幅広帯10の一方には女性側の背あて部分があり、その両端にはフック11、12が付いている。また、幅広帯10の他方には、男性用ベルト13が付属しており、その両端にはバックル14、15がある。
【0016】
図2bは、女性用ベルトを形成するための腹部パーツ20を示している。その両端のマジックテープ21、22をそれぞれ中央部分へ折返し接合して、両端にスロットを形成し、それぞれのスロットに幅広帯のフック11、12を引掛けることによって女性用ベルトとして機能する。
このようなフック方式を採用しているので、バックル方式のベルト締具などによる女性のウエスト部の違和感がなく、また、事前事後のベルト着脱が簡単で迅速に行える。
【0017】
図2cは、補助ベルト30の概要を示しているが、図1に示すように、女性用ベルトと男性用ベルトを双方の腹部側を連結するためのものである。女性用ベルトの腹部バンド20に付属した2つの連結用リング23と男性ベルトに通した連結用リング33を通した後、補助ベルトのバックル31、32を固定して、ベルトの長さを適宜調節すれば、双方の密着度を補強することができ、より良い接触感覚が得られる。
【0018】
図1の様に組合わされた女性側ベルトは、ウエストサイズに合わせるように腹部パーツのマジックテープ折返しの接合位置を適宜調節して、女性の骨盤上部に締める。男性側ベルトは、バックルの調節部分でベルト長さを調節して男性臀部に締める。
【0019】
双方の密着性を確保するため、幅広帯10の全長(図2aのL1)を適切に調節する必要があるが、その調節は、幅広帯を巻きとるように男性用ベルト13を半回転または1回転することで可能である。
【0020】
図3は、最も装着が容易な体位、“男性が立膝になって身体を起こした正常位”における、本発明品の装着状態の実践例を示している。
まず、仰向けになった女性は、幅広帯10を臀部下に敷いて女性用ベルト20をきっちりと締めた後、男性用ベルト13を自らの股間に広げておく。男性は立膝になって女性の股間に置かれた幅広帯10を跨ぎながら男性器を女性器に近接させ、男性用ベルト13を自らの臀部背後からまわしながらバックル14、15を締める。その際、双方の性器がしっかり密着するように幅広帯の全長や双方のベルトの位置関係を調整する。必要に応じて補助ベルト30を使用し、その長さを調整して双方の性器の密着性を確保する。
このように装着すると、幅広帯が両者の股間を一体として包み込みながら双方の性器を自然に密着させることができる。
【0021】
幅広帯や各ベルトの間隔や長さを調整して、本発明品をしっかりと装着した後は、双方の腰周りは幅広帯と補助ベルトとによって囲まれることになり、双方の腰周りの動きの自由度がしっかりと制限されるため、たとえ互いの性器が結合していなくとも、前後ピストン運動や横ゆすり運動を行う際に双方の局部の密着性が失われることがない。そのため、本発明品を装着していない場合に比べて、密着性を維持するための姿勢を保持するための余分な動作が不要になるので、ED対象者でも局部結合感覚が得られ、ひいては男性器の勃起を促して本来の性行為に到達することが可能になる。
【0022】
また、体位の変更や反転などの大きな動作に際しても、密着性を保つための手足での支持や腰の動作負担が不要になるので、局部感覚に集中度が高まる結果、充実度の高い性行為が達成できる。幅広帯や補助ベルトの長さを適切に調整すれば、正常位以外の座位や屈曲位などにも適用可能であり、騎乗位などにも活用できる。後背位にも応用可能であるが、適合具合の調整は多少難しい。
【0023】
ベルトや幅広帯の材質は、使用時の張力に耐える丈夫な素材で適度な伸縮性を持っているナイロンメッシュ素材などが通気性の面でも適している。また、天然皮革や人工皮革は、感触性に優れた素材として適しているが、使用回数を重ねると必要以上に伸展してしまうので、それを防止するためにはナイロン製の“芯”で補強するなどの工夫が必要である。幅広帚と各ベルトは、激しい運動に耐える必要があるので、しっかりと縫製するかハトメなどで接合する。また、肌に直接触れる部分が多いので、滑らかな感触になることに十分配慮する。バックルやリングは軽量性を考慮してABS樹脂やポリプロピレンなどのプラスチック製が望ましいが、フックは金属製が適している。
【0024】
ベルトや補助ベルト、およびそれらの各パーツは抗菌処理されていることが望ましい。幅広帯部分は、洗浄に耐える素材を用いることが望ましいが、取り外し可能なサテン布地などのカバーをかけて使用すれば、肌触り感触が向上するとともに、使用後の洗濯によって清潔性を保つことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】見取り図
【図2】平面図(a)幅広帯と男性用ベルト (b)女性用ベルト腹部パーツ (c)補助ベルト
【図3】実践例の透視図
【符号の説明】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
性行為を意図する男女が一緒に共同装着する用具であること。
【請求項2】
男女双方の下腹部の密着を強制して、両性器間接触を持続させる用具であること。
【図2】
10 幅広帯本体
11,12 女性用ベルト固定用フック
13 男性用ベルト
14,15 男性ベルトバックル
20 女性用腹部パーツ
21,22 マジックテープ
23 補助ベルト連結用女性側リング
30 補助ベルト
31,32 補助ベルトバックル
33 補助ベルト連結用男性リング
【図1】
【図2】
【図3】
【公開番号】特開2010−142619(P2010−142619A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
生活必需品 | 医学または獣医学;衛生学 | 血管へ埋め込み可能なフィルター;補綴;人体の管状構造を開存させるまたは虚脱を防ぐ装置,例.ステント;整形外科用具,看護用具または避妊用具;温湿布;目または耳の治療または保護;包帯;被覆用品または吸収性パッド;救急箱 | 骨または関節の手術によらない処置のための整形外科的方法または用具 | 陰茎勃起を助長させる用具
生活必需品 | 医学または獣医学;衛生学 | 血管へ埋め込み可能なフィルター;補綴;人体の管状構造を開存させるまたは虚脱を防ぐ装置,例.ステント;整形外科用具,看護用具または避妊用具;温湿布;目または耳の治療または保護;包帯;被覆用品または吸収性パッド;救急箱 | 骨または関節の手術によらない処置のための整形外科的方法または用具 | 身体または身体の一部に対する拘束用具;拘束シャツ
【出願番号】特願2008−336086(P2008−336086)
【出願日】平成20年12月17日(2008.12.17)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.マジックテープ
【出願人】(509019543)
【Fターム(参考)】
整形外科、看護、避妊 | 適用分野 | 生殖
整形外科、看護、避妊 | 適用分野 | 看護機器(排泄物を除く)
整形外科、看護、避妊 | 生殖又は避妊 | 男性生殖器(避妊除く)
整形外科、看護、避妊 | 生殖又は避妊 | 女性生殖器(避妊除く)
整形外科、看護、避妊 | 看護機器(排泄物を除く) | 身体を拘束するもの | 固定手段を有するもの
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