説明

恒温恒湿装置

【課題】エアジャケットとチャンバー間の給排気ができるとともに、温度と湿度の制御ができる恒温恒湿装置を提供する。
【解決手段】密封された槽3と槽内の空気を攪拌するファン10と、冷却器11及び加熱器12と槽内に複数のチャンバー5を多段又は多段多連に配置して設け、各チャンバー相互間及び他側面間に間隙を形成して槽内にエアジャケット8を形成した装置において、第2のファン21と、外周部に開口部を有する仕切板22と、整流板26と、第3のファン27と、排気ダクト28と、第4のファン29とを具え、槽内にエアジャケット温度・湿度検出手段16,17と、加湿器13及び除湿器14を設ける一方、チャンバー温度・湿度検出手段31,32を任意のチャンバーに設け、チャンバー温度・湿度検出手段の出力及びエアジャケット温度・湿度検出手段の出力を入力する温度・湿度制御手段18,19を設けている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、恒温恒湿装置に関する。
【背景技術】
【0002】
バイオテクノロジー及びライフサイエンスの研究をはじめとして、今大きな問題となっている地球温暖化問題に対するエコロジーの研究においても、色々な問題が多様化し、あらゆる角度からスピーディに環境実験を行う必要が生じている。
【0003】
その中で、特に温度、湿度、照度、空気組成、水組成、などを含めた環境実験が必要とされている。こうした環境実験を数多く緻密にスピーディに行うためには精密な環境試験装置を数多く備えなくてはならない。それには装置の設備費用、設置環境の整備、設置スペース、人手、ランニングコストなどの多くの資源を必要とする。
【0004】
こうした問題に対処した装置を選ぶ場合、装置に対しての機能性、共有性、操作性、省力化、省スペース化、省エネルギー化、省コスト化などを考えないと、インフラ整備と機器装置に費用が嵩み肝心の研究目的を十分に果たせないこととなってしまう。こうしたことを考えあわせると、小型で簡便な多段又は多段多連式の恒温恒湿環境試験装置が最適な装置の1つと考えられる。本装置でいう「多段式」又は「多段多連式」とは1槽毎に独立した装置を連設させるのではなく、大型槽を親槽にして多数の小型子供槽を大型槽内に多段(上下方向に複数段の意)又は多段多連(上下方向に複数段かつ左右方向にも複数列の意)に組み込ませたものであり、これにて大型槽の各機能を共用して有効活用することが可能となって、省エネ、省スペース、省コストが実現でき、その目的に適うものになる。
【0005】
本装置のようにすることにより、多段式恒温恒湿装置、多段多連式恒温恒湿装置、この装置に空気組成(CO、O、N、NO)に水組成、そして照度を組み合わせた多段又は多段多連式植物育苗育成装置、多段又は多段多連式動物飼育装置、多段又は多段多連式人工気象装置などとなり、多項目であらゆる環境実験が一度にでき、試験、研究のスピードアップができ、研究時間の短縮による人件費削減(省力化)消費電力削減(省エネ化)などに繋がり、経費節減に役立つ。また、早期に得られた研究成果は大きな価値を生み出し、今後の科学技術の進歩に大きく貢献できるものである。
【0006】
これまでの多段又は多段多連式恒温装置としては、出願人が先に提案した特許文献1に示すようなものがある。この恒温装置1’は、図10に示すように、周囲側面2’に熱絶縁性材料を用いて密封された槽3’を形成し、この槽内の空気を攪拌するファン10’と、冷却器11’及び加熱器12’を設ける一方、槽3’の内部に複数のチャンバー5’を多段又は多段多連に配置して設け、これらチャンバーの前側面には熱絶縁性材で構成された扉6’が開閉又は着脱可能に装着されているとともに、前側面以外の他側面は熱伝導性材で構成されている。また、これらチャンバー相互間及び他側面間に間隙を形成して槽内にエアジャケット8’を形成し、このエアジャケットの温度を検出するエアジャケット温度検出手段16’を設け、前記チャンバー内の温度を検出するチャンバー温度検出手段31’を任意のチャンバーに設け、このチャンバー温度検出手段31’の出力及びエアジャケット温度検出手段16’の出力を入力する温度制御手段18’を設けている。温度制御手段18’は、エアジャケット温度検出手段16’の出力とチャンバー温度検出手段31’の出力との平均値を演算し、演算された平均温度値に対応して、冷却器11’又は加熱器12’を駆動させ、エアジャケット8’の温度を予め設定された所定温度に制御して、各チャンバー5’内の温度をエアジャケット8’によってチャンバーの他側面による熱伝導で前記所定温度にするようにしている。
【0007】
【特許文献1】特許第3202619号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前記特許文献1の技術は、チャンバー5’が密閉式であることと、チャンバー5’がエアジャケット8’と隔離しているため、エアが交流しない。つまり、チャンバーにはエアジャケットからエアの給気ができなかったし、チャンバーからエアジャケット等への排気もできなかった。そのため、チャンバーの熱交換はチャンバーの他側面を利用したエアジャケットからチャンバーへの熱伝導のみとなり、温度順応が遅く、急な環境変化には弱いという問題があった。また、エアジャケット8’とチャンバー5’の温度調整は可能であるが、湿度の調整ができずに成り行きとなる。つまり、温度の制御しかできなかった(湿度の制御はできない)。そのため、チャンバー5’の内部に水分の出るものを入れると高湿度となってしまうが、高湿度となっても除湿ができず、あるいは除湿を取り除くために敢えて化学除湿剤を入れることもあるが、その制御が難しいという問題点があった。
【0009】
そこでこの発明は、上記従来の装置の問題点を解決し、エアジャケットとチャンバー間の給排気ができるとともに、温度だけでなく湿度の制御もできる恒温恒湿装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は前記のような目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、周囲側面に熱絶縁性材料を用いて密封された槽を形成し、この槽内の空気を攪拌するファンと、冷却器及び加熱器を設ける一方、前記槽の内部に複数のチャンバーを多段又は多段多連に配置して設け、これらチャンバーの前側面には熱絶縁性材で構成された扉が開閉又は着脱可能に装着されているとともに、前側面以外の他側面は熱伝導性材で構成されており、またこれらチャンバー相互間及び他側面間に間隙を形成して槽内にエアジャケットを形成した装置において、前記各チャンバーの後壁に設けられて前記エアジャケットのエアをチャンバー内に導入する第2のファンと、前記各チャンバー内に設けられてチャンバー内を前部室と後部室とに仕切り、外周部に開口部を有する仕切板と、この仕切板とチャンバーの後壁の間に設けられて前記第2のファンによってチャンバー内に導入されたエアを前記仕切板の開口部に向けて整流する整流板と、前記仕切板に設けられてチャンバーの前部室から後部室に前記整流板に向けてエアを導入する第3のファンと、前記仕切板とチャンバーの後壁間にわたり設けられてチャンバーの前部室とエアジャケットを連通する排気ダクトと、この排気ダクトに設けられてチャンバーの前部室のエアをエアジャケットに排気する第4のファンとを具え、前記槽内にエアジャケットの温度と湿度を検出するエアジャケット温度・湿度検出手段と、加湿器及び除湿器を設ける一方、前記チャンバー内の温度と湿度を検出するチャンバー温度・湿度検出手段を任意のチャンバーに設け、前記チャンバー温度・湿度検出手段の出力及び前記エアジャケット温度・湿度検出手段の出力を入力する温度・湿度制御手段を設け、この温度・湿度制御手段は、前記エアジャケット温度・湿度検出手段の出力とチャンバー温度・湿度検出手段の出力との平均値を演算し、演算された平均温度に対応して、前記冷却器又は加熱器を駆動させ、あるいは演算された平均湿度に対応して、前記加湿器及び除湿器を駆動させ、エアジャケットの温度・湿度を予め設定された所定温度と所定湿度に制御して、各チャンバー内の温度・湿度をエアジャケットによってチャンバーの他側面による熱伝導、及び第2のファンによってエアジャケットのエアを導入することにより前記所定温度と所定湿度にするようにしていることを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明は、周囲側面に熱絶縁性材料を用いて密封された槽を形成し、この槽内の空気を攪拌するファンと、冷却器及び加熱器を設ける一方、前記槽の内部に複数のチャンバーを多段又は多段多連に配置して設け、これらチャンバーの前側面には熱絶縁性材で構成された扉が開閉又は着脱可能に装着されているとともに、前側面以外の他側面は熱伝導性材で構成されており、またこれらチャンバー相互間及び他側面間に間隙を形成して槽内にエアジャケットを形成した装置において、前記各チャンバーの後壁に設けられて前記エアジャケットのエアをチャンバー内に導入する第2のファンと、前記各チャンバー内に設けられてチャンバー内を前部室と後部室とに仕切り、外周部に開口部を有する仕切板と、この仕切板とチャンバーの後壁の間に設けられて前記第2のファンによってチャンバー内に導入されたエアを前記仕切板の開口部に向けて整流する整流板と、前記仕切板に設けられてチャンバーの前部室から後部室に前記整流板に向けてエアを導入する第3のファンと、前記仕切板とチャンバーの後壁間にわたり設けられてチャンバーの前部室とエアジャケットを連通する排気ダクトと、この排気ダクトに設けられてチャンバーの前部室のエアをエアジャケットに排気する第4のファンとを具え、前記槽内にエアジャケットの温度・湿度検出手段と、除湿器及び加湿器を具え、エアジャケット制御手段に直接繋ぎ、また各チャンバーの前部室にチャンバー温度・湿度検出手段と、後部室に加熱器及び小型加湿器をそれぞれ具え、各個別のチャンバー制御手段に、それぞれを繋ぎ、エアジャケット内、各チャンバー内より出力されたデータを入力し、予め設定された温度、湿度値を個別に演算処理し、個別制御できることで、各チャンバー内の温度、湿度を個別に、勾配的に、またバイオリズム的に制御できることを特徴とする。すなわち、換言すると、前記槽内にエアジャケットの温度と湿度を検出するエアジャケット温度・湿度検出手段と、加湿器及び除湿器を設ける一方、温度・湿度制御手段に入力演算の上、加熱器、冷却器、加湿器、除湿器を駆動させ制御する(エアジャケットの温度・湿度設定制御値は、予め各チャンバー内を個別に設定制御しようとする温度・湿度範囲より低い値に設定しておき、例えば温度では各チャンバーの設定温度が50℃(最高)〜10℃(最低)の範囲内であれば、最低温度より5℃程度の低い温度差をつけ5℃に設定して冷却源になるようにし、また各チャンバーの湿度が90%RH(最高)〜45%RH(最低)の範囲内であれば、最低湿度45%RHより15%RH程度低い湿度差をつけ30%RH程度の湿度値に設定して除湿源になるようにする。このようにして、エアジャケットより各チャンバーの第2ファンにより各チャンバーへ導入するエアが、各チャンバー内を冷却・除湿源になるようにしておく)。そして各チャンバー内に温度・湿度検出手段を設けるとともに、各チャンバー内の後部室内に加熱器と小型加湿器を具え、各チャンバー内の温度・湿度検出手段により検出されたデータを、各個別に設けた温度・湿度制御手段により予め設定された各温度・湿度とを演算して、温度制御において、加熱にはチャンバー内の加熱器を駆動させ、冷却には各チャンバーの他側面の熱伝導と第2のファンによってエアジャケットから冷却エアの導入により行う。湿度制御においては、加湿にはチャンバー内の小型加湿器を駆動させ、除湿には各チャンバーの第2のファンによりエアジャケットから除湿エアの導入により行う。この制御方法により各チャンバーの温度・湿度を個別に任意の温度・湿度に制御でき、しかも各チャンバーを温度・湿度を勾配的に、また朝・昼・夜の温度・湿度をバイオリズムにプログラム制御可能にしていることを特徴とする。
【0012】
そして、これらの請求項1,2以外に記載の発明は、これらの発明の変形に係るものであり、全請求項に記載の発明について、その詳細を以降の実施の形態で明らかにする。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、前記のような構成からなるので、各チャンバーの後壁に設けられた第2のファンによってエアジャケットのエアをチャンバー内に導入することが可能となるとともに、チャンバー内の仕切板とチャンバーの後壁の間に設けられた排気ダクトに設けられた第4のファンによってチャンバー内のエアをエアジャケットに排気することが可能となり、エアジャケットと各チャンバー間でのエアの交流ができるので、温度順応が速くなり、急な環境変化にも十分に対応できるものとなる。また、温度・湿度制御手段によって、エアジャケット温度・湿度検出手段の出力とチャンバー温度・湿度検出手段の出力との平均値を演算し、演算された平均温度に対応して、冷却器又は加熱器を駆動させ、あるいは演算された平均湿度に対応して、加湿器及び除湿器を駆動させ、エアジャケットの温度・湿度を予め設定された所定温度と所定湿度に制御して、各チャンバー内の温度・湿度をエアジャケットによってチャンバーの他側面による熱伝導、及び第2のファンによってエアジャケットのエアを導入することにより前記所定温度と所定湿度にするので、温度の制御だけでなく、湿度の制御もできるようになり、温度と湿度の管理がうまくできる。さらに、各チャンバー内の温度・湿度を個別に勾配的な任意の温度・湿度に制御することもできるという優れた効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
この発明の実施の形態を図面により説明する。
【0015】
[実施の形態1]
図1は、実施の形態1の全体斜視図、図2は、同上の要部拡大の縦断側面図、図3は、同上のチヤンバーの扉が開いた状態の斜視図である。この恒温恒湿装置は、上下方向に3段に配置し、かつ左右方向に2列に配置された多段多連のチャンバーを有しており、これらのチャンバーに試料を収容し、各チャンバーを個別に所定の環境条件に設定した各種の実験ができるようにしている。なお、図3では図2で示す仕切板やファンなど内部に配置した部品を図示省略している。また、図2では最上位のチャンバーには中位・最下位のチャンバーに描いたようなエアの流れを示す細矢印線を図示省略している。
【0016】
すなわち、恒温恒湿装置1は、大型で天井、床、前後左右壁の6つの側面からなる周囲側面2を組立式パネル(熱絶縁性材料を施し)でもって構成し、これにより箱型の密封された槽3を形成し、その槽3の一側壁面を前側面にして、その全面の上下左右(縦、横)に必要数(図1では6個)の開口部を等間隔に設け、その開口部に小さな扉付きチャンバー5を差込み式に装備し、このチャンバー前側面の扉6は透明断熱ガラス又は断熱暗扉より構成されて開閉可能になっている。
【0017】
また装置1は、図示省略しているが、これら各チャンバー5の配置及び扉6の開閉に邪魔にならないような端か、両側面、後部面のいずれかのスペースに人の出入りができる扉(メンテナンス用)、または外部から手が届きサービスのできる扉を必要数取付けたことを主構造体とし、槽3の内部と配列したチャンバー5の外部の間はエアジャケット(空気層)8を形成している。エアジャケット8を形成した槽3の内部には槽内の空気を攪拌するファン10と、冷却器11及び加熱器12を設けているとともに、加熱器12の下方に加湿器13、冷却器11の前方に除湿器14を設けている。16はエアジャケットの温度を検出するエアジャケット温度検出手段、17はエアジャケットの湿度を検出するエアジャケット湿度検出手段であり、これらで検出された温度や湿度の情報がそれぞれ温度制御手段18と湿度制御手段19に送られるようになっている。
【0018】
チャンバー5の構造は、前記のように前側面に断熱性の開閉可能の扉(透視ガラス窓、暗窓のどちらか)6を有し、前側面以外の他側面である胴体外壁部は熱伝導性のよい材料を用いて構成されている。
【0019】
チャンバー5の後壁のほぼ中央部に形成の開口にはエアジャケット8のエアをチャンバー5内に導入するファン21が設けられている。チャンバー5内の後部にはチャンバー5内を前部室と後部室に仕切る仕切板22が設けられている。前部室は試料を収容するところであるため後部室より大きく形成される。仕切板22の外周縁部には前部室と後部室を連通する開口部23が形成されている。開口部23が形成された仕切板22の開口部内縁は前部室側に屈曲した風向案内部25が形成されており、後部室からのエアが該風向案内部に沿って流れ、開口部23から前部室にスムーズにエアが流れるようになっている。なお、開口部23の形状は一例であり、スリット又は穴など任意のものとすることが可能である。また、開口部23は仕切板22の外周縁部に複数個、円周方向に所定の間隔をおいて設けてもよく、個数等も任意である。
【0020】
仕切板22とチャンバー5の後壁の間にはファン21によってチャンバー内に導入されたエアを開口部23に向けて整流する整流板26が設けられている。また、仕切板22のほぼ中央部に形成の開口にはチャンバー5の前部室から後部室に整流板26に向けてエアを導入するファン27が設けられている。また、仕切板22のファン27の上方に隣接した位置とチャンバー5の後壁間にはチャンバー5の前部室とエアジャケット8を連通する排気ダクト28が設けられ、該ダクトのエアジャケットを臨む端部にはチャンバーの前部室からのエアをエアジャケットに吸い込んで排気するファン29が設けられている。排気ダクト28は図示では1個としているが、必要により複数個としてもよい。
【0021】
31はチャンバー内の温度を検出するチャンバー温度検出手段、32はチャンバー内の湿度を検出するチャンバー湿度検出手段である。これらチャンバー温度検出手段31とチャンバー湿度検出手段32は内部装備品により最適な位置に設置する。また、これらチャンバー温度検出手段31とチャンバー湿度検出手段32は任意のチャンバー、この例では1つのチャンバー5にのみ設けられている。そして、これらチャンバー温度検出手段31とチャンバー湿度検出手段32で検出された温度や湿度の情報がそれぞれ温度制御手段18と湿度制御手段19に送られるようになっている。そして、温度制御手段18では、エアジャケット温度検出手段16の出力とチャンバー温度検出手段31の出力との平均値を演算し、演算された平均温度に対応して、冷却器11又は加熱器12を駆動させ、エアジャケット8の温度を予め設定された所定温度に制御する。一方、湿度制御手段19では、エアジャケット湿度検出手段17の出力とチャンバー湿度検出手段32の出力との平均値を演算し、演算された平均湿度に対応して、加湿器13及び除湿器14を駆動させ、エアジャケットの湿度を予め設定された所定湿度に制御する。
【0022】
このようなチャンバー構造により、仕切板22に設けたファン27によってチャンバー5の前部室内を細矢印線で示すように流れるエアを吸い込み後部室に排気し、この排気したエアをファン21によりエアジャケット8から後部室に導入され整流板26により開口部23方向に流れるエアと混合したうえ、再び開口部23から前部室に循環させる一方、前部室の一部のエアを排気ダクト28からファン29によって吸い込みエアジャケット8に排気し、このような給気と排気をしながらエアジャケット8とチャンバー5との間のエアの循環、交流を繰り返し行い、槽3内をクリーンな温度と湿度の環境に制御する。
【0023】
温度制御手段18と湿度制御手段19の操作部は、槽3の前側面に設けられた操作パネル35(図1参照)に設置されていて、外部から操作ノブ又はプログラムチャート等によって所望の温度制御パターンと湿度制御パターンを予め入力しておくことができ、その温度制御範囲はおおよそ−20℃〜+50℃に設定でき、また湿度制御範囲はおおよそ30%RH〜95%RHに設定できるようになっている。
【0024】
動植物の培養、飼育とか化学、薬品、工業製品などにおいても光照射をして検査をする必要があるため、各チャンバー5の天井部には照明装置が必要である。これまでは蛍光ランプ(EL)などで照射していたが、発熱が多く試料を近接させることができず、ランプと離して使用するために、チャンバーを高く、長く、大きく、スぺースを広く取らねばならなかった。そこで、本実施の形態では、各チャンバー5内の天井部に冷陰極蛍光ランプ(CCFL)41をユニットとして取付けている。CCFL41はこれまでのELに比べ直径約3mmとこれまでの約30mmのELよりも極めて細く、取付けスぺースが小さく、12V5Wと消費電力も小さく、発熱も少ないので、近接照明が可能となり、そのためチャンバーのスぺースを小さくすることができる。しかも、光の波長(スペクトル)を試験に必要なスぺクトルに合わせられるし、調光も可能であり、またランプの形状が管状で照射スポットが長くて広く、その上照射寿命が40,000〜50,000時間と寿命が長く、このように省スぺース、省エネ、低コスト化が図れることと、光の調光制御ができることにより温度、湿度、ガス、光を加えたプログラム制御の高度化環境試験ができるなど多くの利点がある。
【0025】
図4は、CCFL41に代えてLEDランプ42をユニットとしてチャンバー5内の天井部に取付けた変形例を示す。LEDランプ42はCCFL41と同じように、これまでのELよりも発熱が少なく、形状が小さくでき、近接照明ができることから、狭い容積での使用に極めて便利である。波長には白、赤、青緑、紫、など色々なスぺクトルの製品が作られており短波長であることを特徴としている。
【0026】
植物などの試料には単色光の光を照射して各波長による特性を検査したり、その効果、影響を検査することが必要であり、植物育成に色々なスペクトル光を照射して、光合成によってどのように同化作用を促進させているか、各植物体の茎、葉、根、花などを形成させたり、また植物の色を作り上げるために、光の役割が大きく、そのためには必要なスぺクトルを混ぜ合わせた混色スペクトルが必要である。そのため、本変形例では、これまでのワンチップLEDランプより小さいスリーインワンチップLEDランプを採用している。すなわち、スリーインワンチップLEDランプは3〜5mm程度と小さくて、R(赤)、G(緑)、B(青)が3個を1つにまとめ反射角も広角に収納した製品で消費電力も少なく、これまでと同じような形状に製作されている。例えば、管状形では約径20mm×L330mm、チップ16ヶで24V3.6W、四角形なれば160mm×160mm、チップ100ヶで24V18Wで色々な形状にユニット化される。R(赤)、G(緑)、B(青)を1つにまとめたチップは個別に配線して各々を電圧ボリュウム、電子パルスなどによって各色を個別に強弱を電子制御して混ぜ合わせすることにより、これまでにないきめ細かい色の調合ができる。また、これまでのワンチップLEDランプに比べ約4分の1と小さいので、数多く配列することにより光量を多くとれ、今までよりチップの数量を減らし、よりきめ細かい照明ができ、3色をランダムに配列する手間が省け、照明ユニットとして標準化と高度化が図られる。このようなスリーインワンチップLEDランプを用いると、例えば1つの組合せ例で、紫外線など色々な組合せを変えたり追加したりすることにより植物などの育成に、動物、昆虫、微生物、土壌、高分子などに必要な色の調合が1つの照明ユニットによりできる。
【0027】
前記のようなものにおいて、エアジャケット8内及び各チャンバー5内の温度と湿度の制御は次のように行われる。すなわち、チャンバー5の温度検出手段31と湿度検出手段32の出力と、エアジャケット8の温度検出手段16と湿度検出手段17の出力とが入力された温度制御手段18と湿度制御手段19が前記入力の平均温度値と、平均湿度値をそれぞれ演算し、演算された前記平均温度値に対応して、冷却器11と加熱器12を、また平均湿度値に対応して、除湿器14と加湿器13を駆動して、エアジャケット8を所定の温度と湿度に制御する一方、エアジャケット8の恒温恒湿エアによって、チャンバー5の他側面である胴体外壁部よりの熱伝導と、他側面胴体に設けたファン21よりエアジャケット8からチャンバー5への一部給気エアの供給と、その給気量にともないファン29により排気ダクト28からエアジャケット8への一部排気エアの置換排出との併用により、前記各チャンバー5を所定の温度と湿度に、すばやく対応制御する。
【0028】
このようにエアジャケット8を全チャンバー5の加熱・冷却用として共通に使えること、チャンバー5を直接的(ファン21により加熱・冷却が可能)、間接的(熱伝導方式)に加熱・冷却ができるので、従来の装置に比べて、チャンバー5内の温度順化が速く、槽3内の温度変化にすばやく対応でき、急な環境変化に強いものとなる。
【0029】
なお、所定温度及び/又は所定湿度の設定を変更する場合は、操作パネル35の操作により前記した温度制御範囲、湿度制御範囲の中から任意の数値を図示しない操作モニタ画面で入力して設定する。
【0030】
[実施の形態2]
図5は、実施の形態2の要部拡大の縦断側面図であり、実施の形態1の図2と対応するものである。この図5で示す実施の形態2において、実施の形態1と同様の部分には同一符号を付して説明を省略し、異なる部分について以下に説明することとする。
【0031】
実施の形態2では、実施の形態1で任意のチャンバー、つまり1つのチャンバーにしか設けなかったチャンバー温度検出手段31とチャンバー湿度検出手段32を全てのチャンバー5に設けている。さらに全てのチャンバー5内には、温度制御手段18で制御される加熱器33と、湿度制御手段19で制御される小型加湿器34がその後部室に設けられている。これにより、チャンバー5内を加熱するには温度制御手段18によって加熱器33を駆動させ、チャンバー5内を加湿するには湿度制御手段19によって小型加湿器34を駆動させる。一方、チャンバー5内を冷却するには加熱器33の駆動を停止、又は比例的に出力を小さくさせた状態で、エアジャケット8によるチャンバーの他側面である胴体外壁部からの熱伝導と、ファン21からの冷却エアの導入により行う。また、除湿するにはエアジャケット8からのファン21による除湿エアの導入により行う。これにより、各チャンバー5内の温度と湿度をエアジャケット8内の所定温度と所定湿度とは別に、個別に勾配的な任意の温度・湿度に制御することが可能となる。その他の作用は前記実施の形態1と同様である。
【0032】
[実施の形態3]
図6は、実施の形態3の要部拡大の縦断側面図であり、実施の形態2の図5と対応するものである。この図6で示す実施の形態3において、実施の形態2と同様の部分には同一符号を付して説明を省略し、異なる部分について以下に説明することとする。
【0033】
51はエアジャケット8に二酸化炭素(以下、「CO」という。)を供給するためのガスボンベからなるCO供給手段であり、そのエアジャケット8内で開口する供給管52の先端には電磁弁53が装着されている。また、54はエアジャケット8及び任意のチャンバー5内のガス濃度を検出するためのガス濃度検出手段であり、それぞれガス濃度検出吸入口管55,56がエアジャケット8とチャンバー5に開口して設けられ、このガス濃度検出手段54により検出したガス濃度によりエアジャケット8及び任意のチャンバー5内のガス濃度を適正の値に制御するガス濃度制御手段57が前記供給管52とも接続して設けられている。
【0034】
このような実施の形態3によれば、CO供給手段51からエアジャケット8内にCOを入れて、前記各チャンバー内各種照明光により、光合成をよくして同化作用を促進させ、成長をよくすることができる。すなわち、ガス濃度検出吸入口管56によりチャンバー5から吸引したガスをガス濃度検出手段54によって検出した出力と、ガス濃度検出吸入口管55によりエアジャケット8から吸引したガスをガス濃度検出手段54によって検出した出力がガス濃度制御手段57に入力され、ガス濃度制御手段57が前記入力の平均ガス濃度値を演算し、演算された前記平均ガス濃度値に対応して、ガス濃度制御手段57により減衰用エア、ガスまたは減衰用化学剤(図示せず)と増濃用ガスボンベ51の電磁弁53の開閉または増濃度(補充)用ガス、エアなど送入装置(図示せず)を駆動させて、エアジャケット8内を所定のガス濃度に制御する。それとともに、各チャンバー5内のガス濃度をファン21よりエアジャケット8からチャンバー5内への一部給気エアの導入と、それにともなってチャンバー5の排気ダクト28よりエアジャケット8への一部排気エアの置換排出により室内圧を調整し、前記各チャンバー5を所定のガス濃度に制御する。これにより、温度、湿度制御とともにガス濃度制御を含めた統合制御が簡便にできる。所定のガス濃度の設定を変更する場合は、前記の温度と湿度のときと同様に操作パネル35の操作により任意の数値を図示しない操作モニタ画面で入力して設定する。
【0035】
前記のような制御により、各チャンバー5内にガス濃度測定センサを設けなくてもガス濃度検出手段54とガス濃度制御手段57により各チャンバー5、エアジャケット8を含めて統合してガス濃度を調節できる。なお、本実施の形態では、ガスとしてCOを供給する例を示したが、COに限るものではなく、他にOやNなどのガスでもよい。
【0036】
[実施形態4]
図7は実施形態4の要部拡大の縦断側面図であり、実施形態3の図6と対応するものである、この図7で示す実施形態4においては実施の形態3と同様の部分には同一符号を付して説明を省略し、異なる部分について以下に説明することにする。
【0037】
実施形態3は、前記の通り、各チャンバー内のガス濃度の制御に、エアジャケットの濃度値と各チャンバー中の1チャンバー内の濃度値の出力の平均値を演算してエアジャケット内のガス濃度を制御して、エアジャケットでガス濃度を調節した、ガス濃度エアの導入により各チャンバー内を同じ濃度に統括制御しようとするものであるが、実施形態4は各チャンバー内にガス濃度検出手段54よりガス濃度検出吸入口管55を配管と、ガス供給装置51よりの供給管52を各チャンバー内に配管し、その各配管途中に電磁弁を装着する。各チャンバー内のガス濃度は、各チャンバー内のガス濃度検出吸入口管55より、ガス濃度検出手段54、1台に吸引集合され、各電磁弁が自動的に切替えられ、分別測定され、測定されたデータはガス濃度制御手段57に送られ、送られたデータに基づき予め設定されている各チャンバーのガス濃度と比較演算されて、ガス導入用電磁弁の制御、あるいは給気ファンによる、エアジャケットよりの、ガス濃度エアの導入によって、各チャンバーが個別に、あるいはガス濃度勾配的に制御ができる。
【0038】
さらに詳述すると、各種空気組成、CO、O、N、NOなどを変えた環境下で実験することが必要である。その中でも特にCO濃度に関する実験は生物実験にとっては大きな要素となる。本目的のCO制御はエアジャケット8にCOガスを導入し、必要な空気組成のCOガス濃度(密度)を一定に調節しておき一括して同じ濃度のガスを各チャンバー5へファン21により導入しようとするものである。本装置は各チャンバー5内の全てにCO測定センサを備えずに、エアジャケット8内の一箇所に装備するか、またはエアジャケット8内の一箇所と多連チャンバー5中の一槽内に装備して、どちらかに切替えて使用するか、2箇所の平均値により制御を行うなど、CO濃度を調節して平均化した同じ濃度のガスを各チャンバー5に供給しようとするものであり、個別にガス濃度調節ができないが、同じガス濃度を平均化して各チャンバー5内に導入し制御する。大気中に含まれているCOガス濃度は約300PPM程度で、実際に植物の実験に供給されるのは、300〜4000PPM程度で(研究においては高い濃度で実験することもあり、動物細胞に供される場合は50,000PPMとなる)一般的には大気中よりも高い濃度で使用するために各チャンバー5内で消費される量を、エアジャケット内などのセンサにより検出し順次電磁弁の開閉により補充調整することにより簡便に低コストの装備で実験目的が行える。
【0039】
したがって、エアジャケット8のCO濃度を実験目的により可変させ濃度調節することにより多連のチャンバー5に同じCOガス濃度を、農作物、園芸作物の種苗とか海藻類に供給して光合成、同化作用の効果にどのような影響をもたらすか、平均的な追及ができ、植物の育苗生産、野菜工場、藻類増産のための基礎実験として、生産の効率化、経費節減という成果を期待できるとともに、温度、湿度、照度、CO供給を組合わせた恒温恒湿装置により植物学並びに生態学などの研究に重要な役割を果たす。その他の作用は前記実施の形態1,2と同様である。
【0040】
[実施の形態5]
図8は、実施の形態5の要部拡大の縦断側面図であり、実施の形態4の図7と対応するものである。この図8で示す実施の形態5において、実施の形態4と同様の部分には同一符号を付して説明を省略し、異なる部分について以下に説明することとする。
【0041】
前記排気ダクト28及びファン29に代えて、仕切板22からチャンバー5の後壁を貫通して前記排気ダクト28よりも長いダクト管58が設けられ、このダクト管58の先端はエアジャケット8を形成する槽3の後壁近くにおいて縦向きに配置された大径の主ダクト管59と連通して接続されている。主ダクト管59の上端は槽3の外部に突出し、突出部には排気ファンニユット60の排気管61が設けられ、各ダクト管58から主ダクト管59に排気されたエアを外部に排気可能になっている。排気管61にはフィルタ62、風量調整ダンパ63、排気ファン64、逆流防止弁65が設けられている。また、排気管61には先端が槽3内を臨む分岐管66が接続され、該管には逆流防止弁67、風量調整ダンパ68が設けられている。さらに、本実施の形態では槽3内の下部に給気ファンユニット70の給気管71が設けられ、エアジャケット8にエアの給気が可能になっている。給気管71には給気ファン72、風量調整ダンパ73、フィルタ74、逆流防止弁75が設けられている。
【0042】
このような実施の形態5によれば、排気ファン64によって排気されるエアがエアジャケット8に入らず、ダクト管58と主ダクト管59を経て排気ファンニユット60により槽外の大気中に放出される。一方、このようなエアの排気によりチャンバー5内ひいてはエアジャケット8内の温度、湿度、ガス濃度の設定した数値に変動をきたすことになるため、補充の給気が必要となる。そのために、チャンバー5内からのエアの排気量とのバランスを考え、排気されたエア量に見合うエアが給気ファンユニット70の給気ファン72によって槽外の大気中から給気される。
【0043】
前記においては給気ファンユニット70と排気ファンニユット60とは別系としているが、必要により排気ファンニユット60の排気管61と給気ファンユニット70の給気管71を連通させ、排気ファンニユット60により排気したエアを給気ファンユニット70から再びエアジャケット内に循環させて給気するようにしてもよい、また必要によりフレッシュエアと混合させてもよい。これにより、省エネ効果が期待できる反面、チャンバー5に動物等を収容している場合はその臭いをそのまま戻すことになってしまうこととなる。そのため、連通させる循環管路には臭い等が戻らないように脱臭装置を設ける等の対策を講じることが好ましい。
【0044】
このように槽外への排気と常時エアジャケット8よりのフレッシュエアの給気とにより他のチャンバー5内とのエアが交流しないため、臭いが混じるとか、感染の恐れが無い。しかも、臭い、感染の恐れが無く、省エネルギーを第1に考える場合には、前記したように排気エアを再びエアジャケット8内に戻すようにすることができるので、エネルギーの消費を抑え節約することができる。その他の作用は前記実施の形態1〜3と同様である。
【0045】
[実施の形態6]
図9は、実施の形態6の要部拡大の縦断側面図であり、実施の形態5の図8と対応するものである。この図9で示す実施の形態6において、実施の形態5と同様の部分には同一符号を付して説明を省略し、異なる部分について以下に説明することとする。
【0046】
任意のチャンバー5には差圧取入口77が、エアジャケット8には差圧取入口78が、さらに槽外にも差圧取入口79がそれぞれ設けられている。チャンバー差圧取入口77と槽外差圧取入口79は管80で連結され、差圧計81でその差圧を検出可能になっている。エアジャケット差圧取入口78と槽外差圧取入口79は管82で連結され、差圧計83でその差圧を検出可能になっている。差圧計81は差圧制御器84に接続され、この差圧制御器84によりチャンバー5よりの集合用ダクト排気流量(圧力)調整ダンパ63を駆動し、差圧計83は差圧制御器85に接続され、この差圧制御器85によりエアジャケット8よりの分岐管66の排気流量(圧力)調整ダンパ68を駆動し、エアジャケット8内の圧力を制御することができる。例えば陰圧制御でチャンバー5を−50Pa、エアジャケット8を−20Pa、槽外を常圧とする場合、差圧制御器84を−50Paに、差圧制御器85を−20Paに差圧値を設定することによりアナログ的にもデジタル的にでも陰圧を自動制御することができ、チャンバー5内のエアを交流させない、操作し易いなど、チャンバー5の圧力制御を確実に行うことができ、装置の機能性、安全性、省力化に優れたものとなる。その他の作用は前記実施の形態1〜5と同様である。
【0047】
前記実施の形態1ではチャンバー温度検出手段31とチャンバー湿度検出手段32を任意のチャンバー、つまり特定の1つのチャンバーにのみ設けているが、必ずしも1つのチャンバーに限らず、2つ以上の任意のチャンバーに設けてもよい。また、各実施の形態では温度制御手段18と湿度制御手段19を別々に設けたが、これらを一体にした温度・湿度制御手段としてもよいことは言うまでもない。また、各実施の形態は好ましい一例を示したにすぎず、チャンバー5の数やチャンバー内の具体的な構造等は図面に示した通りでなくともよく、請求の範囲に記載した範囲内で種々に変更して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】この発明の恒温恒湿装置に係る実施の形態1を示す、その全体斜視図である。
【図2】同上の要部拡大の縦断側面図である。
【図3】同上のチヤンバーの扉が開いた状態の斜視図である。
【図4】チヤンバーの変形例を示す部分図である。
【図5】実施の形態2を示す、要部拡大の縦断側面図である。
【図6】実施の形態3を示す、要部拡大の縦断側面図である。
【図7】実施の形態4を示す、要部拡大の縦断側面図である。
【図8】実施の形態5を示す、要部拡大の縦断側面図である。
【図9】実施の形態6を示す、要部拡大の縦断側面図である。
【図10】従来の装置を示す、縦断側面図である。
【符号の説明】
【0049】
1 恒温恒湿装置 2 周囲側面
3 槽 5 チャンバー
6 扉 8 エアジャケット(空気層)
10 ファン 11 冷却器
12 加熱器 13 加湿器
14 除湿器 16 エアジャケット温度検出手段
17 エアジャケット湿度検出手段 18 温度制御手段
19 湿度制御手段 21 ファン(第2のファン)
22 仕切板 23 開口部
26 整流板 27 ファン(第3のファン)
28 排気ダクト 29 ファン(第4のファン)
31 チャンバー温度検出手段 32 チャンバー湿度検出手段
33 加熱器 34 加湿器
41 冷陰極蛍光ランプ(CCFL) 42 LEDランプ
51 CO供給手段(ガス供給手段) 54 ガス濃度検出手段
57 ガス濃度制御手段 58 ダクト管
60 排気ファンニユット 61 排気管
62 フィルタ 63 風量調節ダンパ
64 排気ファン 65 逆流防止弁
66 分岐管 67 逆流防止弁
68 風量調節ダンパ 70 給気ファンユニット
71 給気管 72 給気ファン
73 風量調節ダンパ 74 フィルタ
75 逆流防止弁 77 差圧取入口
78 差圧取入口 79 差圧取入口
81 差圧計 83 差圧計
84 差圧制御器 85 差圧制御器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周囲側面に熱絶縁性材料を用いて密封された槽を形成し、この槽内の空気を攪拌するファンと、冷却器及び加熱器を設ける一方、前記槽の内部に複数のチャンバーを多段又は多段多連に配置して設け、これらチャンバーの前側面には熱絶縁性材で構成された扉が開閉又は着脱可能に装着されているとともに、前側面以外の他側面は熱伝導性材で構成されており、またこれらチャンバー相互間及び他側面間に間隙を形成して槽内にエアジャケットを形成した装置において、
前記各チャンバーの後壁に設けられて前記エアジャケットのエアをチャンバー内に導入する第2のファンと、前記各チャンバー内に設けられてチャンバー内を前部室と後部室とに仕切り、外周部に開口部を有する仕切板と、この仕切板とチャンバーの後壁の間に設けられて前記第2のファンによってチャンバー内に導入されたエアを前記仕切板の開口部に向けて整流する整流板と、前記仕切板に設けられてチャンバーの前部室から後部室に前記整流板に向けてエアを導入する第3のファンと、前記仕切板とチャンバーの後壁間にわたり設けられてチャンバーの前部室とエアジャケットを連通する排気ダクトと、この排気ダクトに設けられてチャンバーの前部室のエアをエアジャケットに排気する第4のファンとを具え、
前記槽内にエアジャケットの温度と湿度を検出するエアジャケット温度・湿度検出手段と、加湿器及び除湿器を設ける一方、前記チャンバー内の温度と湿度を検出するチャンバー温度・湿度検出手段を任意のチャンバーに設け、前記チャンバー温度・湿度検出手段の出力及び前記エアジャケット温度・湿度検出手段の出力を入力する温度・湿度制御手段を設け、この温度・湿度制御手段は、前記エアジャケット温度・湿度検出手段の出力とチャンバー温度・湿度検出手段の出力との平均値を演算し、演算された平均温度に対応して、前記冷却器又は加熱器を駆動させ、あるいは演算された平均湿度に対応して、前記加湿器及び除湿器を駆動させ、エアジャケットの温度・湿度を予め設定された所定温度と所定湿度に制御して、各チャンバー内の温度・湿度をエアジャケットによってチャンバーの他側面による熱伝導、及び第2のファンによってエアジャケットのエアを導入することにより前記所定温度と所定湿度にするようにしていることを特徴とする恒温恒湿装置。
【請求項2】
周囲側面に熱絶縁性材料を用いて密封された槽を形成し、この槽内の空気を攪拌するファンと、冷却器及び加熱器を設ける一方、前記槽の内部に複数のチャンバーを多段又は多段多連に配置して設け、これらチャンバーの前側面には熱絶縁性材で構成された扉が開閉又は着脱可能に装着されているとともに、前側面以外の他側面は熱伝導性材で構成されており、またこれらチャンバー相互間及び他側面間に間隙を形成して槽内にエアジャケットを形成した装置において、
前記各チャンバーの後壁に設けられて前記エアジャケットのエアをチャンバー内に導入する第2のファンと、前記各チャンバー内に設けられてチャンバー内を前部室と後部室とに仕切り、外周部に開口部を有する仕切板と、この仕切板とチャンバーの後壁の間に設けられて前記第2のファンによってチャンバー内に導入されたエアを前記仕切板の開口部に向けて整流する整流板と、前記仕切板に設けられてチャンバーの前部室から後部室に前記整流板に向けてエアを導入する第3のファンと、前記仕切板とチャンバーの後壁間にわたり設けられてチャンバーの前部室とエアジャケットを連通する排気ダクトと、この排気ダクトに設けられてチャンバーの前部室のエアをエアジャケットに排気する第4のファンとを具え、
前記槽内にエアジャケットの温度・湿度検出手段と、除湿器及び加湿器を具え、エアジャケット制御手段に直接繋ぎ、また各チャンバーの前部室にチャンバー温度・湿度検出手段と、後部室に加熱器及び小型加湿器をそれぞれ具え、各個別のチャンバー制御手段に、それぞれを繋ぎ、エアジャケット内、各チャンバー内より出力されたデータを入力し、予め設定された温度、湿度値を個別に演算処理し、個別制御できることで、各チャンバー内の温度、湿度を個別に、勾配的に、またバイオリズム的に制御できることを特徴とする恒温恒湿装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の恒温恒湿装置において、エアジャケット内にガスを供給するガス供給手段と、エアジャケット内及び任意または各チャンバー内のガス濃度を検出するガス濃度検出手段が設けられていることを特徴とする恒温恒湿装置。
【請求項4】
請求項3に記載の恒温恒湿装置において、エアジャケット内及び任意または各チャンバー内のガス濃度を制御可能なガス濃度制御手段が設けられていることを特徴とする恒温恒湿装置。
【請求項5】
請求項4に記載の恒温恒湿装置において、排気ダクトが槽外に突出し、該ダクトにチャンバーの前部室のエアを槽外に排気する排気ファンユニットが設けられているとともに、槽外に排気されたエア量に見合うエアを槽外からエアジャケット内に給気する給気ファンユニットが設けられていることを特徴とする恒温恒湿装置。
【請求項6】
請求項5に記載の恒温恒湿装置において、排気ファンユニットによって槽外に排気されたエアをそのまま給気ファンユニットによって再びエアジャケット内に給気可能なように両ユニットが連通可能に接続されてチャンバー内の圧力調整ができることを特徴とする恒温恒湿装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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