説明

患者の体液状態及び/又は体液除去に対する感度を評価する方法、コントローラ、及び装置

本発明は、患者の保水状態について、患者の脈管系からの体液除去に対する、又は水分の補給若しくは追加に対する患者の感度を評価する方法に関する。この方法は、患者の体の少なくとも2つの分布空間の間の水分の分布又はその変化を反映する値を、測定若しくは算出された値から判定し、値が少なくとも1つの基準を満たすかどうか評価するステップを含む。本発明は、コントローラ、機器、装置、デジタル格納手段、コンピュータプログラム製品、及びコンピュータプログラムにも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者の保水状態について、患者の体液状態及び/或いは患者の脈管系からの体液除去に対する、又は水分補給若しくは水分追加に対する感度を評価する方法に関する。この方法は、患者の体の少なくとも2つの分布空間の間の水分の分布又はその変化を反映する値を、測定若しくは算出された値から判定し、値が少なくとも1つの基準を満たすかどうか評価するステップを含む。本発明はまた、コントローラ、機器、装置、デジタル格納手段、コンピュータプログラム製品、及びコンピュータプログラムにも関する。
【背景技術】
【0002】
患者は自身の体液平衡に関して治療を受けることが多い。同様に、このような治療は、水分の除去又は水分の補給若しくは追加を対象とする。本発明は、体液平衡又は体液状態の分野又はコンテキストにおいて適用可能な方法及び装置を提供することを目指す。
【発明の概要】
【0003】
本発明によれば、患者の保水状態について、患者の脈管系からの体液除去に対する、又は水分補給若しくは水分追加に対する患者の感度を評価する方法が提案される。また、本発明による方法を実施するコントローラ、並びに機器、コントローラを備える装置、デジタル格納手段、コンピュータプログラム製品、及びコンピュータが提供される。
【0004】
本発明による方法は、請求項1の特徴組合せによって特定される。すなわち、本発明の一態様では、患者の体の少なくとも2つの分布空間(以下では、第1及び第2の分布空間とも呼ばれる)の間の水分の分布を反映する、又は値の変化を反映する、又は分布空間のうち1つ若しくは複数の空間の変化を反映する値を判定するステップを含む評価が提案される。この評価は、値が少なくとも1つの基準を満たすかどうかの評価をさらに含む。
【0005】
患者は、人間でも動物でもよい。患者は、健康でも病気でもよい。患者は、医学的ケアを必要としてもしなくてもよい。患者は、透析患者であってもそうでなくてもよい。
【0006】
本発明によるコントローラは、請求項16によって特定される。すなわち、本発明の別の態様では、コントローラは、本発明による方法を実施するように意図、又は提供、又は使用、又は構成される。
【0007】
本発明による機器は、請求項17の特徴組合せによって特定される。すなわち、本発明のさらに別の態様では機器が提供され、この機器は、患者の少なくとも第1及び第2の分布空間の間の水分の分布を反映し、又は分布に関する値を取得する手段と、本発明による少なくとも1つのコントローラとを備える。
【0008】
本発明によるデジタル格納手段は、請求項24の特徴組合せによって特定される。すなわち、本発明の別の態様では、デジタル格納手段、特にディスク、CD又はDVDは、本発明による方法が実行されるようにプログラム可能コンピュータシステムと対話することが可能な電気的可読制御信号をもつ。
【0009】
本発明によるコンピュータプログラム製品は、請求項25の特徴組合せによって特定される。すなわち、本発明の別の態様では、コンピュータプログラム製品は、コンピュータ上でプログラム製品を実行すると本発明による方法を実行する、マシン可読データ媒体に格納されたプログラムコードを有する。
【0010】
本発明によるコンピュータプログラムは、請求項26の特徴組合せによって特定される。すなわち、本発明の別の態様では、コンピュータプログラムは、コンピュータ上でプログラムを実行するとき、本発明による方法を実行するためのプログラムコードをもつ。
【0011】
実施形態は、以下の特徴の1つ又は複数を含み得る。
【0012】
いくつかの実施形態では、分布又はその変化を反映する値は、1つ又は複数の測定又は算出された値及び/又は数字及び/又は用語から判定され、測定又は算出された値(複数可)、数字(複数可)、及び用語(複数可)は、判定された値とは異なる。
【0013】
一部の実施形態では、測定又は算出された値及び/又は数字及び/又は用語は、患者が存在する状態で得られる。
【0014】
いくつかの実施形態では、測定又は算出された値及び/又は数字及び/又は用語は、患者が不在の状態で(つまり、患者が存在することなく)得られる。たとえば、測定又は算出された値及び/又は数字及び/又は用語は、本発明による方法を実施するとき、既に手元にあり得る。たとえば、一部の実施形態では、測定又は算出された値及び/又は数字及び/又は用語は、本発明による方法を実施するのに先立って収集された。
【0015】
一部の実施形態では、水分は、体内に含まれる血液や水などの体液、たとえば細胞外の水である。いくつかの実施形態では、水分はある1つの水分、特にある1つの体液である。
【0016】
いくつかの実施形態では、水分は、当該分野において公知であるように、たとえば飲用水や補液などとして取り込まれるものであり、又は取り込まれることを意図している。
【0017】
一部の実施形態では、第1又は第2の分布空間は、血液容量(blood volume)として定義される。
【0018】
いくつかの実施形態では、第2の分布空間は細胞外水分容量(extracellular fluid volume)である。
【0019】
一部の実施形態では、第2の分布空間は、それぞれ、間隙(interstices)、間質(interstitium)、又は間隙容量(intersticial volume)である。
【0020】
一部の実施形態では、本方法は、分布空間のうち少なくとも1つの空間の飽和度を判定すること、及び前記飽和度を値として、又は基準として使うことをさらに含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、飽和度は、曲線により判定される。飽和度は、数値パラメータ、「0/1」情報、又は飽和を示す他の任意のタイプの情報、たとえば、2つ以上の分布空間の間での対象水分の分布を示す曲線の勾配や、当業者によって飽和として定義若しくは近似されるものでよい。
【0022】
一部の実施形態では、飽和度は、2つの分布空間の規模の間の比、又は時間経過による2つの分布空間の変化の間の比などである。
【0023】
いくつかの実施形態では、飽和度は、追加水分のどの程度の割合又は部分が第1の分布空間によって取り込まれるか、及びどの程度の割合又は部分が、第1の分布空間とは異なる1つ又は複数の分布空間によって取り込まれるかを示す。
【0024】
いくつかの実施形態では、本方法は、ガイトン曲線に基づいて飽和度を判定することであって、ガイトン曲線は、体外の水(ECW)と血液容量との間の生理学的相互依存を説明する、患者の細胞外水分容量ECWに対する血液容量BVを示す曲線であること、又はガイトン曲線の、人間若しくは各部への適用をさらに含む。
【0025】
一部の実施形態では、本方法は、少なくとも2回の測定にわたる体重、それぞれ、特定の事前体重、すなわち、別の透析治療の開始時の透析患者の体重の変化と、患者の貧血症状態を表す値又はこうした測定時の値の変化との間の相関を算出することをさらに含む。患者は、透析患者でよい。
【0026】
いくつかの実施形態では、患者の貧血症状態は、物質、たとえばヘモグロビン(Hb)の質量、濃度若しくは容量、又はその変化の直接又は間接測定又は算出により定義される。
【0027】
一部の実施形態では、患者の貧血症状態は、ヘマトクリット(Hct)又はその変化の直接又は間接測定又は算出により定義される。
【0028】
いくつかの実施形態では、本方法は、算出された相関を閾値又は範囲と比較することをさらに含む。
【0029】
一部の実施形態では、閾値又は範囲は、所定であり、又は予め設定される。
【0030】
いくつかの実施形態では、閾値は、グラフ図における曲線の勾配又は傾斜である。
【0031】
一部の実施形態では、範囲は、「複数の」閾値の組合せである。
【0032】
いくつかの実施形態では、評価の結果は、値が範囲内であり、又は範囲内ではない所見でよい。たとえば、結果は、値が閾値を上回り、又は下回ることになり得る。
【0033】
一部の実施形態では、本方法は、ヘモグロビン(Hb)状態を反映する、測定された値及び/又は算出の結果に基づいて、少なくとも1つの分布空間の規模を評価することをさらに含む。ヘモグロビン(Hb)状態は、それぞれ、Hb濃度、その総質量、その容量、時間経過によるその変化などによって反映され得る。
【0034】
いくつかの実施形態では、本方法は、ヘマトクリット(Hct)又は時間経過によるその変化を反映する、測定された値及び/又は算出の結果に基づいて、少なくとも1つの分布空間の規模を評価することをさらに含む。
【0035】
当業者には明らかなように、本発明は、ヘモグロビン(Hb)状態若しくはヘマトクリット(Hct)又はその変化を反映する、測定された値及び/又は算出の結果に基づく、少なくとも1つの分布空間の規模の評価に限定されない。本発明は当然ながら、他の適切な任意の物質又はマーカの質量、濃度又は容量(及びその変化)を反映する、測定された値及び/又は算出の結果に基づいても実施され得る。
【0036】
一部の実施形態では、本方法は、適切なモニタによる血液試料の測定からの、及び/又は体外血液線(blood line)に含まれる血液からの結果に基づいて取得された、少なくとも1つの分布空間の規模を使うことをさらに含む。こうした測定は、光学センサにより血液の光学特性を測定することによって、並びに/又は超音波センサにより超音波パルスの伝送時間及び/若しくは伝播速度のような音響特性を評価することによって、本発明による方法を実施する前に行うことができ、又は実際に行われ、若しくは完了された。
【0037】
また、いくつかの実施形態では、測定に使われるどの試料も、本発明による方法を実施する前に取得された。
【0038】
保水状態を判定するために、生体インピーダンスや希釈技法に基づくモニタなど、適切などのモニタを使ってもよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、本方法は、尿試料からの結果に基づいて取得された少なくとも1つの分布空間の規模を使用することをさらに含む。
【0040】
一部の実施形態では、本方法は、組織試料からの結果に基づいて取得された少なくとも1つの分布空間の規模を使用することをさらに含む。
【0041】
いくつかの実施形態では、本方法は、患者の体内で自然に産出される少なくとも何らかの物質、特にヘモグロビン、アルブミン、インスリン、ブドウ糖、C反応性蛋白(CRP)、及び非内在物質、特に医薬的に有効な物質を含む群に含まれる物質の濃度、質量、容量又はその変化の測定から取得された結果に基づいて取得された少なくとも1つの分布空間の規模を使用することをさらに含む。
【0042】
一部の実施形態では、本方法は、患者の透析前の値を評価することをさらに含む。
【0043】
いくつかの実施形態では、透析前の値は、次の透析治療を開始する数秒又は数分(最大で、たとえば、30分、1時間、2時間など)前の患者のコンディション(複数可)を表す。
【0044】
一部の実施形態では、本方法は、患者の透析後の値を評価することをさらに含む。
【0045】
いくつかの実施形態では、透析後の値は、次の透析治療を終了した数秒又は数分(最大で、たとえば、30分、1時間、2時間など)後の患者のコンディション(複数可)を表す。
【0046】
いくつかの実施形態では、本方法は、評価の結果を視覚的評価用にプロットすることをさらに含む。
【0047】
一部の実施形態では、少なくとも1つの基準は、少なくとも1つの閾値若しくは少なくとも1つの範囲であるか、又は少なくとも1つの閾値若しくは少なくとも1つの範囲を含む。
【0048】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの基準は、予め設定され、又は所定である。
【0049】
一部の実施形態では、少なくとも1つの基準は可変である。
【0050】
いくつかの実施形態では、本方法は、基準を決定することをさらに含む。
【0051】
一部の実施形態では、本方法は、患者の分布空間のうち少なくとも1つの空間又はその近似の容量を反映するパラメータを算出及び/又は測定するステップをさらに含む。
【0052】
いくつかの実施形態では、本方法は、算出又は測定された値(複数可)と基準との間の取得された関係に基づいて、患者の貧血症状態を改善するために患者に施されるべき薬剤の投与を判定又は調整することをさらに含む。
【0053】
一部の実施形態では、コントローラは、分布又は分布空間(複数可)に関する情報を取得する手段を備える。いくつかの実施形態では、この手段は、分布に関する情報を取得するモニタ、分布又は分布空間(複数可)に関する情報を入力する入力手段などでよい。
【0054】
いくつかの実施形態では、機器は、分布に関する情報を取得するモニタであり、又はそのモニタを備える。
【0055】
一部の実施形態では、分布に関連したデータを取得し、及び/又は少なくとも2つの分布空間の規模又は容量の間の関係を反映するデータを取得するモニタは、国際公開第2006/002685A1号パンフレットに記載されているモニタである。国際公開第2006/002685A1号パンフレットのそれぞれの開示は、これによって参照により本出願に組み込まれる。当然ながら、本発明は、国際公開第2006/002685A1号パンフレットに記載されているような、生体インピーダンス測定によってデータを取得するモニタに限定されると理解されるべきでない。当該分野において公知である他の生体インピーダンス方法、及び希釈測定など、当該分野において公知である他のどの方法も、また、当業者に公知である他のどの方法もやはり、本発明によって企図され、包含される。
【0056】
いくつかの実施形態では、機器は、それぞれの開示がこれにより参照によって組み込まれる、Drukker、Parson及びMaherによる「Replacement of Renal Function by Dialysis」、Kluwer Academic Publisher、5th edition、2004、Dordrecht、The Netherlands、397〜401ページ(「Hemodialysis machines and monitors」)に記載されているどのモニタを用いてもHb濃度を(たとえば、[g/dl]で)測定し、及び/又は血液容量を判定するモニタを備える。
【0057】
一部の実施形態では、モニタは、電気伝導性の測定により、血液容量及び/又は物質、特にHbの濃度を測定するように構成される。
【0058】
いくつかの実施形態では、モニタは、光学密度の測定により、血液容量及び/又は物質、特にHbの濃度を測定するように構成される。
【0059】
一部の実施形態では、モニタは、粘性の測定により、血液容量及び/又は物質、特にHbの濃度を測定するように構成される。
【0060】
いくつかの実施形態では、モニタは、密度の測定により、血液容量及び/又は物質、特にHbの濃度を測定するように構成される。
【0061】
一部の実施形態では、モニタは、電気伝導性センサ、光学センサ、粘性センサ、密度センサなどのような、測定を実施する1つ若しくは複数の対応するプローブ及び/又は1つ若しくは複数のセンサを備える。
【0062】
いくつかの実施形態では、機器は、コントローラによって与えられた結果を出力する出力装置をさらに備える。
【0063】
一部の実施形態では、出力装置は、ディスプレイ、プロッタ、プリンタ又は出力を与える他の任意の手段を有するモニタである。
【0064】
いくつかの実施形態では、出力装置は、患者への物質の施与を制御するアクチュエータに接続される。
【0065】
いくつかの実施形態では、装置は、透析を利用する患者の治療に使うことができる。
【0066】
他の実施形態では、装置は、血液濾過、限外濾過、血液透析などによる、患者(又は患者の血液)の治療に使うことができる。
【0067】
実施形態は、以下の利点の1つ又は複数をもたらし得る。
【0068】
一部の実施形態では、本発明は、水分、たとえば飲用水や補液が、患者によって摂取されると、どの体区画又は分布空間に入るかという問題についての情報を提供する。特に、本発明のいくつかの実施形態を用いて、摂取した水分が、たとえば、血液容量若しくは間隙又は両方を増大させるかどうかという区別をつけることができる。この区別により、体液除去に対する患者の感度を理解するのが助けられ得る。この区別は、心血管症状及びコンディション、特に心血管応力のより完全な理解に貢献し得る。一部の実施形態では、この区別は、たとえば、体重及びHbの増加を反映する、測定又は算出された値に基づいて容易につけることができる。
【0069】
いくつかの実施形態では、本発明を用いて、たとえば、HAES(登録商標)などのような補給溶液を利用した、患者への容量(すなわち、水分)の施与が、患者に有利かどうか見出すことができる。これは特に、ヘモグロビンなど、対象物質の濃度、又は質量、又は容量が、時間が経過しても一定であり、又は一定となるように近似され得るケースにおいて可能である。
【0070】
一部の実施形態では、本発明により、HAES(登録商標)などの溶液による容量の継続補給又は水分の追加がよりうまく停止されるかどうか判定することができる。
【0071】
さらに、全身水腫又は水腫があるケースでのように、血管外水分が蓄積している透析患者は、本発明のいくつかの実施形態からも恩恵を被り得る。すなわち、このような蓄積した血管外水分の容量を増大させる水分は、本発明による方法を用いて識別することができる。したがって、このような患者は、たとえば、限外濾過中の患者の反応が乾燥状態を示す場合であっても、水分過剰として正しく見なされる。したがって、透析、たとえば限外濾過レートや持続期間は、患者の実際の必要に適応させることができる。同じ利点が、やはり本発明によって企図される利尿薬が採用又は施与された際、当てはまり得る。この利点は、透析患者に限定されない。
【0072】
他の態様、特徴、及び利点が、記述、図面、及び請求項から明らかになるであろう。
【0073】
以下で、図面により、本発明をさらに説明する。ただし、本発明は、図面により説明される例に限定されるものと理解されるべきでない。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】2人の患者の、細胞外容量に対する血液容量を示す2つのガイトン曲線を示す図である。
【図2】日々の事前体重変化[kg]と、ヘモグロビン(Hb)の日々の変化[g/dl]との間の相関を示す図である。
【図3】相対的な観点から示される、図2のデータを示す図である。
【図4】図2のような実例による、別の患者のデータを示す図である。
【図5】1年にわたる、図4の描写にあるスライディング勾配(sliding slope)を示す図である。
【図6】本発明による方法を実施するコントローラを備える第1の機器を示す図である。
【図7】本発明による方法を実施するコントローラを備える第2の機器を示す図である。
【図8】本願明細書において使われる、分布空間に関するいくつかの用語を定義するための、体組織の断面を示す概略図である。
【図9】分布空間に関するいくつかの用語を、本発明に関してどのように理解すればよいか、及びいくつかの分布空間が、一般的概念を用いてどのように相互に関連づけられ得るかという例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0075】
図1は、第1の患者の、リットルでの細胞外水分容量ECWに対する血液容量BVをリットルで示す第1のガイトン曲線1、及び第2の患者の第2のガイトン曲線3を示す。
【0076】
曲線1は、0リットルと約20リットルの細胞外水分容量ECWの間の、おおよそ一定した第1の勾配で、線形範囲13の中を真直ぐに延びる。20リットルと23リットルの細胞外水分容量ECWの間で、曲線1の勾配は、移行領域15内で低下し、23リットルと40リットルの細胞外水分容量ECWの間で、曲線は、いわゆる飽和範囲17内を、おおよそ一定した第2の勾配で、再びおおよそ真直ぐ延びる。
【0077】
曲線3の形状は、曲線1の形状と同様であるが、勾配及び高さが異なる。
【0078】
曲線1は、曲線1の線形範囲13両方において見ることができる「正常範囲」19を通る。正常範囲19は、健康なコンディションにおいて頻繁に見られる、血液と細胞外水分との間の水分の分布を表す。この分布は、血液容量と細胞外水分容量との間の、体に含まれる水の正常分布を示す。対照的に、点21は、血液と細胞外水分との間の水分の不均衡分布を表す。この不均衡分布は、(腎臓又は心臓の不全又は他の理由いずれによるものであっても)強度に水分過剰である人々に頻繁に見られる。
【0079】
曲線1の範囲17は、追加容量(たとえば、留置カテーテルにより施され、又は飲むことによって摂取される)により間質液容量がさらに増大し、血液容量は、もし増大するとしてもそれほどではないことを示す飽和範囲と理解できる。
【0080】
図2は、匿名化された患者「PatID22」)の、日々の事前体重変化(x軸、[リットル])と、日々のヘモグロビン変化(y軸、[g/dl]Hb)との間の相関を示す。図2のプロットは、Hb濃度と同じ機会に測定された、患者の事前体重変化に対する、日々の(或いは治療ごとの)Hb変化を示す。たとえば、患者の事前体重が、治療第1日には70kgであり、治療第2日では事前体重が72kgである場合、患者のデルタ事前体重は+2kgである。患者のHbが、治療第1日には10g/dlであり、治療第2日には9g/dlである場合、患者のデルタHbは−1g/dlである。事前体重の変化が、体の水分変化のみによって、又は主として水分変化によって、及び単に二次的には食物、異なる衣類などによって引き起こされると仮定されるとき、分布空間の修正は、このように反映し、仮定し、又は近似すればよい。
【0081】
公知の方法での対応する測定の結果を反映する値25に基づいて算出される回帰直線23から分かるように、先行治療に比較して、事前体重が高いほどHb濃度は低くなる。したがって、体重は、身体重の変化とは異なり、特に短期間での水の摂取を反映すると仮定される。この患者には多大な相関を見ることができるので、この患者は明らかに、BV対細胞外水(ECW)を示す、図1に示すガイトン曲線の飽和範囲17にはない。すなわち、血液容量の増加(事前体重の増加と一致する)により、Hb濃度が減少している。言い換えると、Hb質量が一定であるという仮定の下では、水の摂取の増大(事前体重の増加)が、Hbを希釈すると思われる(血液区画におけるヘモグロビン濃度の低下)。
【0082】
図3は、細胞外の水(ECW)(x軸を参照)に相対した/ECWを分母とするデルタ事前体重に対する、平均化された、又は平均Hb(y軸を参照)に相対した/Hbを分母とするデルタHbとして示される、相対的な観点から示した図2のデータを示す。回帰直線23の勾配は、ECWが10%増加すると、BVが6.3%増加する(患者の血液中で測定されたHb濃度の6.3%の低下に等しい)ことを反映する。
【0083】
ガイトン曲線の線形範囲に対して、10%のECW増加が、10%のBV増加に対応すること(1:1の比、図1の範囲13を参照)を期待するであろう。図3に示す曲線の勾配は、この患者に関して6.3%しか示さないので、このことは、患者は既に飽和に近づいている(つまり、図1の範囲17にあり、又は近づいている)ことを示し得る。
【0084】
図3を参照して行った(すなわち、先行する2段落における)説明は、液体の摂取に関することに留意されたい。
【0085】
図4は、図2のような実例における別の患者のデータを示す。ただし、図2に示すデータとは対照的に、事前体重の変化は、ヘモグロビンの変化にも反映されない。したがって、ヘモグロビン濃度は不変のままなので、どの追加水分(たとえば、水)も、間質空間に蓄えられるが、少なくとも部分的にではあっても血液区画には蓄えられないように見える。Hbは、追加水分によって(それ以上は)希釈されないと思われる。図4にデータが示されている患者は、図1に示すガイトン曲線の飽和範囲17にあると想定される。
【0086】
図1に示すような、又は必要に応じて適合されたガイトン曲線を使って、患者の保水状態への回復に対する患者のHb感度をおおまかに評価すると、患者のHb濃度に関する体液除去にどの程度強く患者が反応するかについての付加情報が提供され得る。言い換えると、この評価は、造血に影響するEPO(赤血球生成促成因子)などの薬を施すことにより、又は患者の薬(たとえば、EPOなど)投与を強化することにより、どの程度強く患者が恩恵を被り得るかという問題に答えることができる。
【0087】
より具体的な、患者は、図2又は4のデルタHb対デルタ事前体重プロットを使って水分摂取に対するHbの感度を最初に判定することにより、恩恵を被り得る。図4でのように多大な相関を認めることができない場合は、患者が、飽和範囲(たとえば、図1の範囲17を参照)から外れて水の摂取に対してより敏感になり始めたとき、最初に保水を正常化し、EPO(又は貧血に有効な、又は影響する他の薬)の管理のみを開始する。
【0088】
上記考察は主として、いかなる体重増加も、健康なコンディションでは水分の蓄積が起こるはずがない分布容量においては、水(又は一般的には水分)の摂取に完全に起因し得るケースを対象とすることに留意されたい。より一般的な手法では、他のどの要因が体重と水分の平衡に影響するかを、注意深く検討しなければならず、そうすることによって、図1に示す関係の補正につながり、その結果、こうした影響は、13、15又は17などの領域に応じた水分の分布に関するどの結論が導かれる前でも補正することができる。
【0089】
概して述べるならば、体重変化に対する食物の影響力は、以下の式により算出又は推定することができる。
delta_BV=K_Guyton*U*delta_pre−weight (1)
上式で、
U:摂取食物の、又は摂取食物により促進された保水を用いる保水因子(腎機能や、発汗、下痢症、嘔吐、空気湿度などによる水分の損失に依存する。腎機能が既知の場合、特に腎臓の効果が低下しているケースでは、Uを補正してもよい)
K_Guyton:ガイトン曲線の勾配。たとえば、図1を参照(BVとECWとの比)
delta_BV:2回の測定の間の血液容量の差
delta_pre−weight:2回の測定の間の事前体重の差
【0090】
例1(U=0.7であり、K_Guyton=1:3):
患者の体重が1.0kg増加した場合、血液容量は0.23L増加する。
【0091】
U及びK_Guytonは両方とも、個々の値である(K_Guytonの方が、Uよりずっと大きい)ことに留意されたい。正常な食餌に従う場合、食物の含水量は、ほぼ一定であり得る。つまり、Uは、K_Guytonほどは、時間とともに変化しない。K_Guytonは、飽和範囲に近づき、又は達すると著しく変化し始める(図1の範囲17を参照)。通常、飽和範囲では、K_Guytonは0であり、図1で0Lと20LのECWの間に示される線形範囲13では、K_Guytonは概ね1:3である。
【0092】
通常、Uは、固形食物に対する0.5と、より液体状の栄養に対する0.8との間の値をとる。
【0093】
保水因子Uは、図3の曲線23の負の勾配から直接判定することができる。この判定は特に、患者の症状が、図1に示すように曲線1又は3の線形範囲13内である場合に可能である。症状が曲線1又は3の線形範囲にない患者に対しては、以下の手順が有利に適用され得る。すなわち、明確に線形範囲にある患者から取得された値を用いて、未知の保水因子を前もって判定すればよく、この判定結果を、当該患者に対する保水因子Uとして(又はその近似値として)使えばよい。
【0094】
図5は、1年間(月09で9月を、10で10月を、11で11月を示し、以下同様に続く)にわたる図4の描写からの勾配の発展を示す別の曲線27を示し、ここで図2の(絶対)勾配は、4週にわたるスライディングウィンドウを用いて連続して(つまり、ある治療から次の治療まで)算出された。算出された勾配は、ウィンドウの中央にある。たとえば、3月(「03」)には、勾配は概ね0であった。このことは、3月には患者が著しく水分過剰だったことを意味する。言い換えると、患者は、ガイトン曲線の飽和範囲(図1の実例における範囲17を参照)にあると想定された。
【0095】
図5に示すスライディング勾配の説明は、図3に示す値の説明にも使われ得ることに留意されたい。
【0096】
使われるスライディングウィンドウは、概して、概ね50日若しくは20回の治療又は他の適切な任意の日数若しくは治療回数又は範囲をカバーし得る。
【0097】
図6は、本発明による方法を実施するように構成されたコントローラ63を備える機器61を示す。機器61は、測定の結果と、本発明による方法に必要とされるデータとを含む外部データベース65に接続される。データベース65は、機器61の内部手段でもよい。機器61は任意選択で、コントローラ63に、又は機器61自体にデータを入力する手段67を有し得る。このようなデータは、上で説明したような、1つ又は複数の分布空間の規模、物質の質量、容量、濃度など、又はその近似値についての情報でよい。また、入力手段67を用いて基準を入力することができる。ただし、基準は代替的には、データベース65又は他の任意のストレージに格納されてもよい。基準は、コントローラ63、又は機器61によって備えられ、若しくは機器61に相互接続された他の任意の項目によって算出又は決定してもよい。コントローラ63及び/又は機器61によって実施される算定、算出、比較、評価などの結果は、モニタ60に表示され、又は、プロッタを用いてプロットされ、すなわち表示されるわけではないが任意選択で包含され、又はデータベース65若しくは他の任意の格納手段を用いて格納され得る。データベース65は、実行されると本発明による方法を開始するコンピュータプログラムも含み得る。
【0098】
特に、コントローラ63は、水分の分布を反映する値を判定し、その関係が少なくとも1つの基準を満たすかどうか評価するように構成され得る。
【0099】
図7から分かるように、対応する測定のために、機器61は、1つ若しくは複数の分布空間の分布若しくは規模(複数可)又はその近似値若しくは変化を測定又は算出する手段の一例としての生体インピーダンス測定手段69と(ワイヤー又はワイヤレスに)接続することができる。概して、測定又は算出する手段は、測定の結果と、本発明による方法に必要とされるデータとを含む外部データベース65に加えて、又は外部データベース65の代わりに(つまり、代替物として)提供され得る。
【0100】
生体インピーダンス測定手段69は、接触抵抗のようなインピーダンスデータに対する影響を自動補償することが可能であり得る。
【0101】
このような生体インピーダンス測定手段69の例は、その開示内容が参照により本出願に明示的に組み込まれる、国際公開第92/19153号パンフレットにさらに記載されている、Hydra(商標)という商標で流通している、Xitron技術による装置である。
【0102】
生体インピーダンス測定手段69は、様々な電極を備え得る。図7には、生体インピーダンス測定手段69に取り付けられた2つの電極69a、69bのみを示してある。当然ながら、追加電極も企図される。
【0103】
含意される各電極は、2つ以上の(「副」)電極を含み得る。電極は、電流注入(「副」)電極及び電圧測定(「副」)電極を含み得る。つまり、図12に示す電極69a、69bは、2つの注入電極及び2つの電圧測定電極(すなわち、合計で4つの電極)を含み得る。
【0104】
一般的に、本発明による機器には、要求されたデータを入力するための、キーボード、タッチスクリーンなどの計量手段、センサ、研究室との相互接続又は通信リンク、他の任意の入力手段などが設けられ得る。
【0105】
同様に、機器61は、別の分布空間の分布を反映する値を取得し、及び/又は外部データベース65に加えて、又は外部データベース65の代わりに(つまり、代替物として)提供され得る物質の質量、容量若しくは濃度を反映する値を取得するための測定若しくは算出手段のためのさらなる手段71を有し得る。
【0106】
手段71は、要求されたデータを入力するための、キーボード、タッチスクリーンなどの計量手段、センサ、研究室との相互接続又は通信リンク、Hb(又は分布空間の規模の測定、算出若しくは近似に適した他の任意の物質)濃度プローブ、他の任意の入力手段などとして提供され得る。
【0107】
図8は、本願明細書において使われる、分布空間に関するいくつかの用語を定義するための、体組織の断面図を示す。
【0108】
特に、図8は、細胞内水を含む組織細胞83と、細胞外水を含む間質85と、切断された血管壁87a、87bを有する血管87とを含む規定容量81を示す。
【0109】
血管は、血球88(細胞内水を含む)を含む。血球は、血漿89(細胞外水を含む)に取り込まれる。
【0110】
図9は、分布空間に関するいくつかの用語が本発明によってどのように理解され得るかの例を示す。この図は、いくつかの分布空間が一般的概念を用いてどのように相互に関連づけられ得るかも示す。
【0111】
図9から分かるように、たとえば、80.0kgに達し得る全体重91は、血液容量(BV)93、間質(細胞外)の水(ECWinterstit)95、組織の細胞内(細胞内)の水(ICWtissue)97、及び体の固形成分99の合計と理解できる。
【0112】
血液容量は、血管内に、特に血漿中に存在する細胞外の水(ECWblood)と、血管又は(赤)血球内に存在する細胞内水(ICWblood)との合計と理解できる。ある例では、ECWbloodは3.5Lであり、ICWは2.5Lであり、血液容量93は6.0Lであり得る。
【0113】
間質内(細胞外)の水95(ECWinterstit)は、16.5Lを包含し得る。組織の細胞内(細胞内)の水97(ICWtissue)は、27.5Lを包含し得る。
【0114】
体の固形成分99は、3.0kgとすることができるミネラル質量Mmineral、9.0kgとすることができる脂肪質量Mfat、及び21.0kgに達し得る蛋白質質量Mproteinを含む。固形成分99は従って、33.0kgに達し得る。
【0115】
図9から分かるように、血液容量93、間質内(細胞外)の水95、及び組織の細胞中(細胞内)の水97の合計は、体内総水分容量101(TBW)と理解できる。体内総水分容量101は、50.0Lを包含し得る。
【0116】
図9からさらに分かるように、体内総水分容量101と固形成分99の合計は、全体重91に等しくなり得る。
【0117】
当業者には容易に理解されるように、上で挙げた数字及び体重は、ある特定の患者に見られ得る例として理解されるべきであり、他の患者は、異なる体重及び質量寄与を明らかにし得る。ただし、図8、9は、分布空間に関するいくつかの用語がどのように理解され得るか、また、患者の体のいくつかの分布空間が互いにどのように関連するかについての一例を挙げるのに好適である。
【0118】
繰り返しになるが、数字の全部又は少なくとも一部は、本発明によるある特定の実施形態がどのように実施され得るかを示す例による、Hb/貧血症状態及び体重/保水状態に関することに留意されたい。こうした数字は、限定的と理解されるべきでない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の保水状態について、患者の体液状態及び/或いは患者の脈管系からの体液除去又は水分補給若しくは追加に対する感度を評価する方法であって、
前記患者の体の少なくとも第1の分布空間と第2の分布空間との間の水分の分布を反映する、又は少なくとも第1の分布空間と第2の分布空間との間の前記水分の分布の変化を反映する、又は前記分布空間の変化を反映する値を、1つ又は複数の測定又は算出された値、数字又は用語から判定するステップと、
前記値が少なくとも1つの基準を満たすかどうか評価するステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記第1の分布空間又は前記第2の分布空間が血液容量である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の分布空間又は前記第2の分布空間が細胞外水分容量である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の分布空間又は前記第2の分布空間が間質である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の分布空間又は前記第2の分布空間のうち少なくとも1つの空間の飽和度を、前記値として、又は基準として判定するステップをさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
体重の変化を反映する相対又は絶対値と、前記患者の貧血症状態を反映する相対又は絶対値との間の相関を算出するステップをさらに含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記基準が、少なくとも1つの閾値及び/又は少なくとも1つの範囲であるか、或いは少なくとも1つの閾値及び/又は少なくとも1つの範囲を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記値を判定するために、ヘモグロビン(Hb)状態を反映する、又はヘマトクリット(Hct)を反映する、測定された値及び/又は算出の結果に基づいて、少なくとも1つの分布空間の規模が評価される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記値を判定するために、血液試料の測定、尿試料、及び/又は組織試料から取得された結果に基づいて、少なくとも1つの分布空間の規模が取得された、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記値を判定するために、前記患者の体内で自然に産出される少なくとも任意の物質、特にヘモグロビン、アルブミン、インスリン、ブドウ糖、C反応性蛋白(CRP)、及び非内在物質、特に医薬的に有効な物質を含む群に含まれる物質の濃度、質量、容量又はその変化の測定から取得された結果に基づいて、少なくとも1つの分布空間の規模が取得された、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記患者の透析前又は透析後の値又は算出を評価するステップをさらに含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記評価の結果を視覚的評価用にプロットするステップをさらに含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記基準を決定するステップを含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記患者の前記第1の分布空間及び前記第2の分布空間のうち少なくとも1つの空間の容量又はその近似を反映するパラメータを算出及び/又は測定するステップを含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
算出又は測定された値と前記基準との間の取得された関係に基づいて、患者の貧血症状態を改善するために患者に施される薬剤の投与を判定又は調整するステップを含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法を実施するように構成されたコントローラ。
【請求項17】
患者の保水状態について、患者の血液の治療による体液除去に対する患者の感度を評価する機器であって、
少なくとも第1の分布空間と第2の分布空間との間の水分の分布を反映する値を取得する手段と、
請求項16に記載の少なくとも1つのコントローラと
を備える機器。
【請求項18】
前記分布に関する情報を取得する前記手段が、血液容量測定装置であり、又は血液容量測定装置を備える、請求項17に記載の機器。
【請求項19】
前記分布に関する情報を取得する前記手段が、生体インピーダンス測定装置であり、又は生体インピーダンス測定装置を備える、請求項17又は18に記載の機器。
【請求項20】
前記コントローラによって与えられた結果を出力する出力装置をさらに備える、請求項17〜19のいずれか一項に記載の機器。
【請求項21】
請求項16に記載の少なくとも1つのコントローラ又は請求項17〜20のいずれか一項に記載の少なくとも1つの機器を備える、患者の血液を治療する装置。
【請求項22】
透析を用いて患者を治療する装置である、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
血液濾過、限外濾過、及び/又は血液透析によって、患者又は患者の体外に流れる血液を治療する装置である、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法が実行されるように、プログラム可能コンピュータシステムと対話することが可能な電気的可読制御信号を有するデジタル格納手段、特にディスク、CD又はDVD。
【請求項25】
コンピュータプログラム製品であって、
コンピュータ上で当該コンピュータプログラム製品を実行するときに請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法を実行するための、マシン可読データ媒体に格納されたプログラムコードを有する、コンピュータプログラム製品。
【請求項26】
コンピュータプログラムであって、
コンピュータ上で当該コンピュータプログラムを実行するときに請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法を実行するためのプログラムコードを有する、コンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2013−508042(P2013−508042A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−534578(P2012−534578)
【出願日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際出願番号】PCT/EP2010/006433
【国際公開番号】WO2011/047859
【国際公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(597075904)フレゼニウス メディカル ケア ドイッチェランド ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (55)
【Fターム(参考)】