説明

患者データに対する臨床的解釈及び吟味のための方法及びシステム

【課題】監視を受ける患者(34)を処置する際の熟練の医療スタッフ(42)の利用効率を改善させる。
【解決手段】遠隔の慢性疾患監視により効率が改善される。本方法(10)及びシステム(30)は、そのデータを提出していない遠隔患者(34)に連絡をとりかつスクリーニングする電話連絡スクリーニング担当者(36)予備要員を組み入れている。スクリーニングの結果に応じて、その患者(34)は熟練の医療スタッフ(42)からの支援を必要とし、かつ患者(34)はこのスタッフ(42)に引き継がれることがある。代替的な実施形態では、先ず生理学的データを収集することなくすべての遠隔患者(34)をスクリーニングすることがある。好ましい一実施形態は、患者がケースワーカー(38)または熟練の医療スタッフ(42)にフィードバック(32)を提供するための手段を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遠隔患者監視の分野に関する。さらに詳細には本発明は慢性疾患監視の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な理由のために、遠隔の非病院環境におかれた慢性疾患患者を監視することが近い将来さらに一般的になろう。例えば血圧、体重など収集した臨床データが、再入院を防ぐための早期関与を提供できるケースワーカーや臨床医に対して転送される。患者を遠隔で監視することによって、高コストの再入院発生を回避することができ、かつ疾病の管理に関する全体コストを軽減することができる。
【0003】
患者の生理学的状態に関する臨床的監視には、先ずセンサを介して所望の生理学的データを収集することを含む処理フローが必要である。具体的なセンサの設計に応じて、これに熟練の医療スタッフを要することや、熟練医療スタッフを要しないことがある。この臨床的監視は次に、生理学的データに対する機械による収集及び解釈を含む。収集した生理学的データに対する機械解釈は多くの場合、熟練の医療スタッフの介在を低下させようとする試みで収集した生理学的データを「フィルタ処理する(filter)」目的で使用される。この機械解釈はまた、警報の形態をした追加的な臨床データを発生させることがある。この警報の目的は、より早急の処置を取ることが可能となるように臨床スタッフの注目を引くことである。この生理学的データに対する機械による収集及び解釈は熟練の医療スタッフを必要としない。
【0004】
最後に、臨床的監視には、生理学的データに対する臨床的解釈及び吟味を含む。この吟味は、「未処理」データに対して、あるいは医療スタッフによる臨床的吟味の実施を支援する機械ベースのアルゴリズムを用いてある種の方式で処理済みのデータに対して実施されることがある。生理学的データに対する臨床的吟味には熟練の医療スタッフが必要である。この臨床的吟味の最終的成果は、臨床診断及び/または臨床判断である。目下の実践においては、熟練の医療スタッフが必要となるのは臨床的解釈及び吟味工程のみであるが、多くの場合その過程全体で利用されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
その結果、熟練の医療スタッフの利用が非効率的であり、また熟練の医療スタッフの不足と合わさって、これが熟練の医療スタッフによる注目を要するすべての患者を臨床的に監視する能力に影響を与えている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本方法及びシステムによれば、監視する患者の処置に関して熟練の医療スタッフを利用する効率が改善される。具体的には、この効率は遠隔式の慢性疾患監視において改善される。本方法及びシステムは、そのデータの提出がなされていない遠隔患者に接触してスクリーニングするための電話連絡スクリーニング担当者予備要員を取り込んでいる。スクリーニングの結果に応じて、その患者は熟練の医療スタッフによる支援を必要とし、またこうしたスタッフに引き合わされることがある。代替的な実施形態は、初めに生理学的データを収集することなくすべての遠隔患者をスクリーニングすることがある。好ましい一実施形態は、ケースワーカーまたは熟練の医療スタッフに患者がフィードバックを提供するための手段を含むことになる。
【0007】
本発明の一態様は、患者データを臨床的に解釈しかつ吟味する方法であって、該方法は、複数の患者の各々から1組の生理学的データを収集する工程と、該複数の患者のうちの何れかの患者が臨床的注目を要するか及び該複数の患者のうちの何れかの患者の生理学的データ組が未収集であるかを判定するために複数の患者の各々からの該生理学的データ組を優先順位付けする工程と、該複数の患者のうちの生理学的データ組が収集されていない患者をスクリーニングする工程と、スクリーニングデータが複数の患者のうちのある患者が臨床的注目を要することを指摘したときに該スクリーニングデータ組を熟練の医療スタッフに転送する工程と、を含む。該収集工程は生理学的データ組を遠隔検知システムによって検知する工程を含み、また複数の患者の各々は該遠隔検知システムによって検知された生理学的データ組を提出している。該スクリーニング工程は、スクリーニング担当者が生理学的データ組が収集されていない複数の患者に連絡をとる工程を含み、さらにスクリーニング担当者は生理学的データ組が収集されていない患者に1組の定型質問を提出しており、該スクリーニングデータは該定型質問組に対する1組の回答を含むと共にスクリーニングデータが複数の患者のうちのある患者が医学的注目を要しないことを指摘したときにスクリーニング担当者は該複数の患者のうちの該患者を支援する。優先順位付け工程によって複数の患者のうちのある患者の生理学的データが収集されていないと判定された場合に、該患者に対応する空きレコードが待ち行列内に配置されており、複数のスクリーニング担当者は、セキュリティのよいインターネットサイト上に配置されるかデータベース内に配置されることがある該待ち行列内の複数の空きレコードから選択を行う。本発明の方法はさらに、複数の患者のうちの任意の患者が感知したケアレベルに対応する1組のフィードバックを提供する工程を含む。
【0008】
本発明の別の態様は患者データを臨床的に解釈しかつ吟味するためのシステムであり、該システムは、複数の患者から1組の生理学的データを収集するように構成された監視システムと、コンピュータアプリケーションを保存するための記憶媒体と、該監視システム及び記憶媒体と結合させたプロセッサであって、コンピュータアプリケーションを実行するように構成されかつまた監視システムから生理学的データ組を受け取るように構成されたプロセッサと、を備えており、該コンピュータアプリケーションが実行されると、該複数の患者のうちの何れかの患者が臨床的注目を要するか及び該複数の患者のうちの何れかの患者の生理学的データ組が未収集であるかを判定するために生理学的データ組が優先順位付けされており、さらに生理学的データ組が収集されていない複数の患者の各々に関して患者記録を待ち行列内に配置させ、複数のスクリーニング担当者がスクリーニングを実施するために該待ち行列から患者記録を選択できるようにしている。複数のスクリーニング担当者がスクリーニングから得られたスクリーニングデータ組を転送しており、複数の患者の各々は遠隔検知システムが収集した生理学的データ組をプロセッサに提出している。このスクリーニングは、複数のスクリーニング担当者のうちの1人が生理学的データ組が収集されていない複数の患者に連絡をとることを含み、このスクリーニングはスクリーニング担当者が生理学的データ組が収集されていない複数の患者に1組の定型質問を提出することを含み、またさらにこのスクリーニングデータは定型質問の組に対する1組の回答を含むと共に、スクリーニング担当者はスクリーニングデータが複数の患者のうちのある患者が医学的注目を要しないことを指摘したときに複数の患者のうちの該患者を支援する。本システムは、複数の患者のうちの任意の患者から感知したケアレベルに対応する1組のフィードバックを受け取るように構成されており、また本システムはさらに、複数のスクリーニング担当者をプロセッサと結合するように構成されたネットワークを備える。
【0009】
本発明のさらに別の態様は患者データを臨床的に解釈しかつ吟味する方法であって、該方法は、複数の患者の各々から1組の生理学的データを収集する工程と、複数の患者をスクリーニングする工程と、スクリーニングデータが複数の患者のうちのある患者が臨床的注目を要することを指摘したときに該スクリーニングデータ組を熟練の医療スタッフに転送する工程と、を含む。この収集工程は、生理学的データ組を遠隔検知システムによって検知する工程を含んでおり、また複数の患者の各々は該遠隔検知システムによって検知された生理学的データ組を提出している。このスクリーニング工程は、スクリーニング担当者が複数の患者に1組の定型質問を提出する工程を含み、またさらにスクリーニングデータは定型質問の組に対する1組の回答を含み、スクリーニングデータが複数の患者のうちのある患者が医学的注目を要しないことを指摘したときにスクリーニング担当者は該複数の患者のうちの該患者を支援しており、さらに複数の患者のうちの任意の患者が感知したケアレベルに対応する1組のフィードバックを提供する工程を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
生理学的データの収集は必ずしも、すべての場合に患者が熟練の医療スタッフと同じ物理的施設内に居ることが含意されないことを本発明は認識している。実際に、好ましい一実施形態は患者が自分の家庭で監視を受けていることを想定している。本発明はさらに、必ずしも熟練の医療スタッフや患者と同じ物理的施設内に生理学的データに対する機械による収集及び解釈を配置させる必要がないことも認識している。例えば、遠隔に位置する「データセンター」によって生理学的データが電子式医用レコードデータベース内に収集されることがある。
【0011】
本発明は、生理学的データを臨床的に解釈し吟味するために使用される方法に対処している。別のケースワーカーと共通の物理的施設内にいるある1人の指定のケースワーカーに数多くの患者が割り当てられることは臨床的によく行われていることである。例えばある具体的な例では、10,000人の患者が割り当てられている。ある日に、生理学読み値が患者のうちの9,000人から戻されることがある。このデータは優先順位付けアルゴリズムに通されて、9,000人の患者のうちの50人が臨床的介入を要すると分かることがある。この50人の患者の問題は、フォローアップを受けるために熟練度の高い臨床スタッフに転送される。しかし、患者のうちの1,000人はこの日に自身のデータを提出しておらず、この提出は家庭監視デバイスまたはIVRシステムを介してなされる。患者のうちのある患者は単に忘れているだけであるが、別の患者は何らかの指導を必要としており、またさらに別のある患者は意欲が低下していたり、全体的に不従順であることがあり得る。これらの患者すべての原因を確認するには1,000回の電話連絡が必要である。
【0012】
一実施形態では、これらの1,000回の電話連絡は非臨床的タスクと考えることができ、熟練のスクリーニング担当者予備要員がこれらのタスクを任意の数だけ選択できるようにセキュリティのよいインターネットサイト上にこの電話連絡を位置付けることが可能である。この要員はその個人的なスケジュールに応じて、ある者は多くのタスクを選択し、また別の者は少ししか選択しないことがある。スクリーニング担当者はタスクをどれくらい多く完了させたかに基づいて報酬を受けることがある。スクリーニング担当者のシフトが終了すると、すべての通話を実施するように推奨するためにその報酬率が引き上げられることがある。スクリーニング担当者は、電話をかけて例えば「あなたの体重はいくらですか?」、「息切れがありますか?」、「塞ぎ込んでいませんか?」などの台詞を用いることで患者と連絡をとり、例えば「体重を測り忘れました」、「装置の起動の仕方を忘れました」、「すごく疲れています」などスクリーニング担当者は起こりそうな問題点の多くを解決することができる。スクリーニング担当者は定型質問に対する応答に応じて、ケースワーカー、医師、緊急サービス911などの臨床看護提供者に問題点を挙げることが可能である。
【0013】
別の実施形態は、従来の疾病管理方式で実現することも可能である。この従来方式では、ケースワーカー(健康指導員と呼ぶことがある)は、一定の間隔をおいて患者と連絡をとるが、この間隔は多くの要因に応じて異なってくる。例えばケースワーカーは、血圧や体重などの生理学的データを収集するために毎週の間隔で患者と連絡をとることがある。ケースワーカーは臨床的指導及び積極的な支援(例えば、低ナトリウム食とは何か、喫煙をやめる方法など)を提供するために毎月の間隔で患者と連絡をとることがある。こうした電話連絡は、米国や低コストの国々に居る熟練度の低い労働者により実施できるタスクとして処理することが可能である。これらのタスクは、熟練度の低い労働者予備要員に対する支出のためにセキュリティのよいインターネットサイト上に配置することが可能である。これらの労働者では、ウェブサイト上で定型質問を発して応答を記録することになる。定型質問に対する回答が介入を要することを指示した場合、解明のためにより熟練度の高い臨床スタッフに問題が転送される。
【0014】
図1aを参照すると、好ましい実施形態の吟味方法10を表している。工程12では、複数の遠隔患者から1組の生理学的データが収集される。上で述べたように、これらの遠隔患者は多数の生理学的パラメータについてその家庭環境内において監視を受けることが好ましい。ある種の幾遠隔監視システムは、これらの患者からの生理学的データ組を自動的に収集し送信するように構成されており、またある種の遠隔検知システムは、担当医または看護提供者に対する情報のすべてを適正かつ正確に収集して中継するために患者からの支援及び協力を必要とすることがある。工程14では、複数の患者のうちの何れかの患者がそのデータを提出していないか否かを判定するために複数の患者の各々から収集した生理学的データ組が優先順位付けされる。換言すると、患者のうちの何れかが協力をしないか否か、あるいはその個人的な生理学的データを収集し中継することが困難であるか否かが工程14で判定されることになる。工程16では、複数の患者のすべてがそのデータを適正に中継した場合、次いで工程18において、これらの患者の医学的ニーズが従来の方法によって対処される。換言すると、実現させた具体的な看護提供者システムによって、各患者がケースワーカー、看護士、担当医または緊急スタッフからの看護を必要とするか否かが判定される。
【0015】
さらに図1aを参照すると、工程16において複数の患者のうちその生理学的データの提出を成就していない任意の患者を優先順位付け工程14が発見した場合は、工程20において無応答の患者が熟練の医療スタッフによる注目を要するか否かを判定するためのスクリーニングを受ける。これら無応答の患者には、非協力的な患者と、その生理学的データを収集して中継することが困難な患者の両方が含まれる。工程20に戻ると、このスクリーニング工程は一群の未熟練の発話者によって実施し、この発話者が無応答の患者に連絡をとり、無応答の患者の何れかの患者が工程22における熟練の医療専門家による注目を要するか否かを判定するための定型質問を無応答患者に投げかけることが好ましい。スクリーニング工程20は、未熟練の発話者が待ち行列から無応答の患者のレコードを取り出すこと(この待ち行列は、セキュリティのよいインターネットウェブサイト上またはデータベース内に、あるいは当技術分野で周知の別の任意の方式で構成することが可能)によって実現されることになる。上述のように、スクリーニング担当者を生産的にさせるような様々なインセンティブを設けることができる。
【0016】
さらに図1aを参照すると、工程22において無応答の患者は何れも熟練の医療スタッフによる注目を要しないとされた場合、これらの無応答の患者のニーズに対しては工程18で従来方法により対処し、再び工程12で吟味方法10が開始となる。しかし、工程22において無応答の患者の何れかの患者が熟練の医療スタッフによる注目を要するとされた場合、スクリーニング工程20の定型質問を通じて得られたスクリーニングデータが工程24において熟練の医療スタッフに送信されこの無応答患者が注目を受けることになる。
【0017】
吟味方法10の代替的な一実施形態を図1bに表している。本図の工程26では、図1aの工程20に記載したような複数の患者のスクリーニングによって、複数の患者から1組の生理学的データが周期的に収集される。この代替的な実施形態では、生理学的データ組を収集して無応答の患者が存在するか否かを確認するためにデータを優先順位付けするのではなく、各遠隔患者から生理学的データを単に周期的に収集してより監視性のよいシステムを得ている、ただしこのシステムでは追加的なスクリーニング担当者が必要となる。図1bに戻り工程28において複数の患者の何れの患者も熟練の医療スタッフによる注目を要しないとされた場合、これらの患者の医学的ニーズに対しては工程18で従来方法により対処し、再び工程26で吟味方法10が開始となる。しかし工程28において複数の患者のうちの何れかの患者が熟練の医療スタッフによる注目を必要とするとされた場合、工程26で得られたスクリーニングデータが工程24において熟練の医療スタッフに送信され、より高度な看護を要するこの患者はこれに応じた処置を受けることになる。
【0018】
図2は吟味システム30を図示したものである。この吟味システム30では、遠隔患者34がデータベース36に対して1組の生理学的データを提出する。吟味システム30による監視を受けている遠隔患者34のうちの何れかの患者が1組の生理学的データを提出しない場合、ネットワーク40のセキュリティのよい部分内、あるいはデータベース36内に位置させ得る待ち行列内にこの患者34のレコードが配置される。
【0019】
さらに図2を参照すると、未熟練の電話連絡スクリーニング担当者とすることが好ましい多くのケースワーカー38がこの待ち行列から患者34レコードを選択し、かつ患者34に関する定型質問表を完了させるために通信システム32を介して患者34と連絡をとる。ケースワーカー38が定型質問表を通じてその患者34が熟練の医療スタッフ42を必要とすることを示すスクリーニングデータを受け取った場合、ケースワーカー38は、患者34が適当な看護を受けられるようにこのスクリーニングデータを熟練の医療スタッフ42に中継する。ここでも、ケースワーカー38は単に定型質問表を読むだけの未熟練の発話者とすることがあることが想定されるが、ケースワーカー38はある医学的程度までの熟練度とすることがあり得ることも企図される。さらに、通信システム32は単に電話線とすることが好ましいが、インターネットのチャット接続、支援型ウェブサイト接続、あるいはケースワーカー38が患者に関する質問表を完成できるような任意の通信システム32として実現することもできる。
【0020】
吟味システム30についてさらに、図3のブロック図で表している。図3では、患者34が監視システム54を通じて生理学的データを提出し、また監視システム54がこの生理学的データをプロセッサ56に送信する。記憶媒体60は、プロセッサ56によって実行させたときに優先順位付け工程並びに図1a及び1bで検討した方法の残りの工程を実施するための1組のコンピュータコードを記憶している。無応答の患者34に関するレコードは上で述べたようにデータベース36内にまたはネットワーク40上のセキュリティのよいウェブサイト上の何れかにある待ち行列内に保存される(ここでこのネットワークは、当技術分野で周知のインターネットまたは任意の他のネットワーク40とすることができる)。ケースワーカーは、ネットワーク40またはデータベース36内の待ち行列から患者34のレコードを選択すると共に、患者34に関する定型質問表を完成させるように通信システム32を通じてこれらの患者34に連絡をとるために、グラフィカルユーザインタフェース64及び入力デバイス68を備えたケースワーカー・ワークステーション62を利用することがある。吟味システム30はさらに、医用ワークステーション70を含んでおり、この医用ワークステーション70において熟練の医療スタッフは熟練の医療スタッフによる迅速な医学的支援を要するこれらの患者34から得られたスクリーニングデータをネットワーク40を介して受け取ることが可能である。また別の実施形態では、熟練の医療スタッフは医用ワークステーション70または通信システム32を介して患者34と連絡をとることがある。ただしこの構成は図3には図示していない。
【0021】
この好ましい実施形態では、患者自身が受けた看護レベルに関する電子フィードバックを提供することを患者に対して可能とさせることができる。このフィードバックは提供されているサービス品質を吟味するための方法として使用することが可能である。図3を参照すると、患者34はスクリーニング担当者に対してスクリーニング・ワークステーション62や通信システム32を介してフィードバックを提供すること、あるいは医用ワークステーション70の位置にいる担当医に対して通信システム32やネットワーク40を介して、あるいは患者ワークステーション(図示せず)により直接フィードバックを提供することが可能である。
【0022】
記載したシステム及び方法によれば熟練の医療スタッフのより効率のよい利用が可能となる。これによって一方、任意の時点で監視できる患者数の拡大が可能となる。記載したシステム及び方法は、大量の患者データの優先順位付けの目的並びにアーカイブまたは追加的な吟味の何れかのための吟味データの処置の目的で医用ケースワーカーが電子的医用レコードにアクセスするための通信媒体として、インターネットや当技術分野で周知の別の任意のネットワークを利用していると共に、熟練の看護スタッフのより効率のよい利用を可能にしている。
【0023】
本発明について、本発明の構造及び動作の原理の理解を容易にするように詳細内容を組み入れながら特定の実施形態に関して記載してきた。本明細書における特定の実施形態並びにその詳細内容に対する言及は、本明細書に添付した特許請求の範囲の趣旨域を限定することを目的としたものではない。例証のために選択した実施形態に対しては、本発明の精神による趣旨を逸脱することなく修正を実施できることは当業者であれば理解されよう。また、図面の符号に対応する特許請求の範囲中の符号は、単に本願発明の理解をより容易にするために用いられているものであり、本願発明の範囲を狭める意図で用いられたものではない。そして、本願の特許請求の範囲に記載した事項は、明細書に組み込まれ、明細書の記載事項の一部となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1a】本発明の実施形態による方法の流れ図である。
【図1b】本発明の実施形態による方法の流れ図である。
【図2】本発明の一実施形態によるシステムを表した図である。
【図3】本発明の一実施形態によるシステムのブロック図である。
【符号の説明】
【0025】
10 吟味方法(図1a及び1b)
12 工程(図1)
14 工程(図1)
16 選択(図1)
18 工程(図1a及び1b)
20 工程(図1)
22 選択(図1a)
24 工程(図1a及び1b)
26 工程(図1b)
28 選択(図1b)
30 吟味システム(図2及び図3)
32 通信システム(図2及び図3)
34 患者(図2及び図3)
36 データベース(図2及び図3)
38 ケースワーカー(図2)
40 ネットワーク(図2及び図3)
42 熟練の医療スタッフ(図2及び図3)
54 監視システム(図3)
56 プロセッサ(図3)
60 記憶媒体(図3)
62 ケースワーカー・ワークステーション(図3)
64 GUI(図3)
68 入力デバイス(図3)
70 医用ワークステーション(図3)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者データを臨床的に解釈しかつ吟味する方法(10)であって、
複数の患者の各々から1組の生理学的データを収集する工程(12)と、
前記複数の患者のうちの何れかの患者が臨床的注目を要するか及び該複数の患者のうちの何れかの患者の生理学的データ組が未収集であるかを判定するために複数の患者の各々からの前記生理学的データ組を優先順位付けする工程(14)と、
前記複数の患者のうちの生理学的データ組が収集されていない患者をスクリーニングする工程(20)と、
スクリーニングデータが複数の患者のうちのある患者が臨床的注目を要することを指摘したときに該スクリーニングデータ組を熟練の医療スタッフに転送する工程(24)と、
を含む方法(10)。
【請求項2】
前記収集工程(12)は前記生理学的データ組を遠隔検知システムによって検知する工程を含み、かつ前記複数の患者の各々は該遠隔検知システムによって検知された生理学的データ組を提出している、請求項1に記載の方法(10)。
【請求項3】
前記スクリーニング工程(12)は、スクリーニング担当者が生理学的データ組が収集されていない複数の患者に連絡をとる工程を含む、請求項1に記載の方法(10)。
【請求項4】
前記スクリーニング工程(20)は、スクリーニング担当者が生理学的データ組が収集されていない複数の患者に1組の定型質問を提出する工程を含み、さらに前記スクリーニングデータは該定型質問組に対する1組の回答を含む、請求項3に記載の方法(10)。
【請求項5】
スクリーニングデータが複数の患者のうちのある患者が医学的注目を要しないことを指摘したときに、前記スクリーニング担当者が複数の患者のうちの該患者を支援する工程(18)をさらに含む請求項3に記載の方法(10)。
【請求項6】
前記優先順位付け工程(14)によって複数の患者のうちのある患者の生理学的データが収集されていないと判定された場合に、該患者に対応する空きレコードが待ち行列内に配置される、請求項1に記載の方法(10)。
【請求項7】
複数のスクリーニング担当者によって前記待ち行列内の複数の空きレコードから選択がなされる、請求項6に記載の方法(10)。
【請求項8】
複数の患者のうちの任意の患者が感知したケアレベルに対応する1組のフィードバックを提供する工程をさらに含む請求項1に記載の方法(10)。
【請求項9】
患者データを臨床的に解釈しかつ吟味するためのシステムであって、
複数の患者から1組の生理学的データを収集するように構成された監視システムと、
コンピュータアプリケーションを保存するための記憶媒体と、
前記監視システム及び記憶媒体と結合させたプロセッサであって、前記コンピュータアプリケーションを実行するように構成され、かつまた監視システムから生理学的データ組を受け取るように構成されたプロセッサと、を備えており、
該コンピュータアプリケーションを実行させたときに、前記複数の患者のうちの何れかの患者が臨床的注目を要するか及び該複数の患者のうちの何れかの患者の生理学的データ組が未収集であるかを判定するために前記生理学的データ組が優先順位付けされており、かつまた生理学的データ組が収集されていない複数の患者の各々に関して患者記録を待ち行列内に配置させ、複数のスクリーニング担当者がスクリーニングを実施するために該待ち行列から患者記録を選択できるようにしている、システム。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−16021(P2008−16021A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−165818(P2007−165818)
【出願日】平成19年6月25日(2007.6.25)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】