説明

患者内のターゲットを治療するための統合放射線治療システム及び方法

【課題】治療の効率及び効力を高めるために患者評価、治療計画、シミュレーション、設定、治療、及び/又は検証の手順を統合するシステム及び方法を提供する。
【解決手段】統合放射線治療方法は、位置測定モダリティを用いて患者内に位置決めされたマーカの位置を定期的に測定することにより患者内のターゲットのパラメータに関する第1の客観的ターゲットデータを取得する段階を含む。この方法は、定期的にマーカの位置を測定することによりターゲットのパラメータに関する第2の客観的ターゲットデータを取得する段階で継続される。第1の客観的ターゲットデータは、患者を治療するための電離放射線ビームを発生させる放射線送出装置を収容する第2のエリアから離れた第1のエリアで取得することができる。位置測定モダリティは、第1及び第2のエリアの両方で同じとすることができる。他の実施形態では、第1の客観的ターゲットデータは、マーカを識別するために第1のエネルギタイプを使用する第1の位置測定モダリティを用いて取得することができ、第2の客観的ターゲットデータは、マーカを識別するために第1のエネルギタイプとは異なる第2のエネルギタイプを使用する第2の位置測定モダリティを用いて取得することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、全て2004年7月23日出願で本明細書においてその全内容が引用により組み込まれている米国特許出願第60/590,525号、第60/590,873号、及び第60/590,872号の恩典を主張するものである。
【0002】
2002年6月5日出願の米国特許出願第09/877,498号及び2005年6月24日出願の第11/166,801号は、本明細書においてその全内容が引用により組み込まれている。
【0003】
本発明は、一般的に放射線治療に関し、より具体的には、治療の効率及び効力を高めるために患者評価、治療計画、シミュレーション、設定、治療、及び/又は検証の手順を統合するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0004】
癌は、患者の細胞に発症する病気である。癌の典型的な治療法には、手術、放射線治療、及び/又は化学療法がある。癌は、人によって様々であるために、全ての患者に有効な単独の方法はない。癌を治療する典型的な手術には、癌が位置する身体部位全体又は身体部位の一部分のみを切断、切除、又はその他の方法で除去することが含まれる。しかし、手術は、癌の位置及び/又は種類により、多くの患者に対して実行可能な任意選択肢ではない。外科治療は、麻酔又は感染に伴う合併症をもたらす場合もあり、外科治療は、痛みを伴う長い回復期間を有するであろう。化学療法は、化学的に癌を治療することを伴う。化学療法は、いくつかの種類の癌には望ましい任意選択肢ではなく、それはまた、多くの合併症を伴う可能性もある。
【0005】
放射線治療は、前立腺癌、肺癌、脳腫瘍、及び多くの他の種類の限局性癌の治療に有意で大きな成功を収める方法になってきた。放射線治療の手順は、一般的に、(a)放射線処方を判断するために患者を評価する段階、(b)処方された放射線(例えば、線量、ビーム形、ビーム角、パルス幅など)を実行する治療計画を作成する段階、(c)治療計画に従って治療を模擬する段階、(d)ターゲットが放射線ビームに対して望ましい位置になるように患者を放射線室内に位置決めすることにより治療セッションを設定する段階、(e)癌を照射する1つ又はそれよりも多くの放射線セッション(すなわち、放射線画分)で患者を治療する段階、及び(f)放射線セッションを評価して修正するために治療方法を検証し、又はその他の方法で管理する段階を伴う。多くの放射線治療の手順は、約5〜45日の期間にわたるいくつかの放射線画分を必要とする。従って、これらの手順の多くの態様がこの期間にわたって繰り返され、各手順は、有意な量のデータを生成する。
【0006】
放射線治療での限局性癌の治療を更に改善するには、線量が高ければ大部分の癌を消滅させるのにそれだけ有効であるために、一般的に放射線量を増すことが望ましい。しかし、放射線量を増すことにより、健常組織への合併症の可能性も増大する。従って、放射線治療の効力は、腫瘍に送出する放射線の総線量と腫瘍に隣接する健常組織へ送出する放射線の総線量の両方に依存する。腫瘍に隣接する健常組織の損傷を回避するために、放射線は、僅かな容積の健常組織のみが照射されるように、ターゲットの周りの治療マージンを狭く処方すべきである。例えば、前立腺癌の治療マージンは、直腸、膀胱、及び球部尿道の組織を照射するのを回避するように選択されるべきである。同様に、肺癌の治療マージンは、健常な肺の組織を照射するのを回避するように選択されるべきである。従って、腫瘍に送出される放射線量を増すことが望ましいのみならず、健常組織への照射を回避することもまた望ましい。
【0007】
放射線治療の1つの問題点は、放射線セッション中又は放射線セッション間のいずれかでターゲットが患者内で頻繁に移動することである。例えば、前立腺は、腸及び/又は膀胱の状態(例えば、充満しているか又は空いているか)が体内の軟組織構造を転置させるので、放射線治療セッション中に患者内で移動する。呼吸もまた、前立腺の腫瘍を転置させる可能性がある。肺の腫瘍も、呼吸及び心臓機能(例えば、鼓動、及び血管収縮/拡張)のために放射線セッション中に移動する。このような移動を補うために、治療マージンは、一般的に、腫瘍が治療容積内に留まるように望ましいものよりも大きくなる。治療マージンが大きくなれば、一般的に結果として健常組織を照射する容積も大きくなるので、これは望ましい解決法ではない。
【0008】
従来の放射線治療の手順は、ターゲットが移動する問題を広範な治療計画、シミュレーション、設定、及び検証の手順を用いて対処している。従来の治療計画手順は、第1の放射線画分のかなり前に放射線室の外で行われる。例えば、従来の計画手順は、典型的に、腫瘍の大きさ、形状、及び向きを判断するために腫瘍と埋め込まれた金規準点とのCT画像を取得することを伴っている。これらの初期CT画像は、腫瘍の内部運動に対処していないために放射線治療を行うには十分でないことが多い。その結果、患者は、時系列でCT画像を相関させる別のCTスキャナを使用してシミュレーション手順を行い、腫瘍の3次元容積及び移動を再現する場合がある。このデータを用いて、観察された患者内の腫瘍の軌道に基づいて治療マージンを設定することができる。
【0009】
従来の治療計画手順は、比較的高価であり、高性能の機器及び技師を必要とし、患者処置効率を限定する可能性がある。例えば、CTスキャナは、腫瘍及び金規準点を撮像するために電離エネルギを使用するので、専用の部屋を必要とする非常に高価な機械である。更に、初期画像を取得するCTスキャナは、一般的にシミュレーション手順で使用されるCTスキャナとは異なり、そのためにこれらの用途では、非常に高価な機械と共に2つの別々の専用エリアが必要になる。従来の計画手順の別の懸念は、技師が、CT走査からの腫瘍及び金規準点の位置を主観的に補間するということである。これは、熟練した人材に対する更に別の時間と費用を必要とし、また、人為的ミスを免れない。従来の計画手順の更に別の懸念は、患者を1つのエリアから別のエリアへと往復し、情報を正確に管理することが患者処置効率を限定するということである。この結果、高価な機器、施設、及び人材を使用することになるであろう。従って、従来の治療計画手順は、改良する必要がある。
【0010】
腫瘍を放射線ビームのアイソセンターと整列させるための従来の設定手順もまた、時間が掛かって誤差を生じやすい可能性があるために懸念領域である。現在の設定手順は、一般的に、(a)患者上の外部基準マーク、及び/又は(b)患者内の内部金規準点を放射線送出装置の望ましい座標と整列させる。例えば、腫瘍の大体の位置は、患者の外部アラインメント点及び/又は患者内の金規準点に対して判断される。設定中に、外部マーク及び/又は金規準点は、治療ターゲットを放射線ビームのビームアイソセンター(本明細書では機械アイソセンターとも呼ぶ)に位置決めするために、放射線送出装置の基準座標系と整列させられる。
【0011】
外部マークを使用する従来の設定手順は、患者計画手順と治療セッションの間及び/又は治療セッション中にターゲットが外部マークに対して移動する場合があるために不適切であると考えられる。従って、ターゲットは、ターゲットを機械アイソセンターに位置決めするために外部マークが所定の位置にある時でさえ、機械アイソセンターからオフセットしている場合がある。
【0012】
内部の金規準点を使用する従来の設定手順も、不正確な結果をもたらす場合がある時間を要する方法であるために一般的に不適切である。金規準点を使用する典型的な設定手順では、技師が患者を放射線室内の可動台に位置決めする。次に、技師は部屋から出て、ターゲットエリアの定位X線を取得するようにX線機械を作動させる。これらのX線から、患者を移動させるためのオフセット量を判断する。次に、技師は、台をオフセット量ほど移動させ、第2の組の定位X線を取得し、腫瘍の位置が機械アイソセンターにあることを確認する。第1のシーケンスが要求される配置を達成しなかった場合、この方法は、繰り返される必要があることもある。技師は、X線を受けている間は放射線室を出なければならず、この方法は時間が掛かり、患者に不快である場合がある。また、この手順は、定位X線を取得した後に患者がうっかり動いて腫瘍が画像の位置ではなくなることがあるために不適切になる場合がある。一般的に、人が主観的にCT画像を補間することによりオフセットを判断するために、この方法の潜在的な不正確さは増大するであろう。従って、金規準点を使用する従来の設定手順は、患者を治療のために位置決めするためだけに長期間にわたって高価な直線加速器を拘束し、かつ従来の設定手順は、不正確になる場合がある。
【0013】
現在の放射線治療技術の別の態様は、放射線画分の効果を検証し、続いて行う治療画分を管理するために腫瘍の状態を評価することである。従来の検証システムは、放射線セッション中の放射線送出装置のハードウエアの状態を記録する。例えば、従来の検証システムは、放射線画分の間の時間間隔でビーム強度、ビーム位置、及びコリメータ構成を記録する。次に、放射線送出装置からのハードウエア情報を使用して、腫瘍の個別の領域に送出された放射線量を見積もる。しかし、このような従来の検証手順は、腫瘍が放射線画分を通して機械アイソセンターにあるものと仮定されるので誤差を生じやすい。更に、腫瘍は、一般的に、計画手順で判断されたものと同じ大きさ、形状、及び軌道を有すると仮定される。腫瘍が典型的に放射線画分の間に移動するために又は腫瘍が数回の放射線画分の後に放射線の影響により形状又は軌道が変化する場合があるために、腫瘍に送出された実際の線量はかなり異なるであろう。従来の放射線治療システムでは、腫瘍の形状又は軌道の変化は、付加的なCT走査を用いて判断することができるが、これは、付加的な時間と高価なCTスキャナの使用と人材を必要とする。また、CT走査は、患者をより多くの放射線に露出することにもなる。従って、従来の検証手順も改良することができる。
【0014】
放射線治療を提供することの別の問題点は、計画、シミュレーション、設定、治療、及び検証の手順からの情報が、一般的に異なる機器から様々なフォーマットで生成されるということである。方法の各段階は、通常、方法の他の段階で利用されるシステムと通信しない独特なフォーマット/プロトコルを有する独立型のシステムを使用する。これは、異なる手順からのデータを整合性のある統合された方法で管理することが困難である場合があるために非効率的である。例えば、CT走査、治療計画、及び放射線セッションからの情報は、互いに互換性のない異なるフォーマット及び/又はプロトコルを使用する機器から生成される場合がある。従って、情報は、何らかのマニュアル入力又は制御を用いて管理する必要があるであろう。従って、情報が容易に利用できないために、高価な機器及び高度に熟練された技師が利用されることが多い。
【0015】
【特許文献1】米国特許出願第60/590,525号
【特許文献2】米国特許出願第60/590,873号
【特許文献3】米国特許出願第60/590,872号
【特許文献4】米国特許出願第09/877,498号
【特許文献5】米国特許出願第11/166,801号
【特許文献6】米国特許出願第10/344,700号
【特許文献7】米国特許出願第10/027,675号
【特許文献8】米国特許出願第10/213,980号
【特許文献9】米国特許出願第10/679,801号
【特許文献10】米国特許出願第10/382,123号
【特許文献11】米国特許出願第10/746,888号
【特許文献12】米国特許出願第10/749,478号
【発明の開示】
【0016】
A.概要
図1〜6は、本発明による放射線治療の手順を統合するためのシステム及び方法の特定的な実施形態を示している。システム及び方法のこれらの実施形態は、患者の外側の外部規準座標に対して、患者内に位置決めされたマーカの位置を定期的に測定する位置測定ユニットに関して一般的に説明する。例えば、位置測定ユニットは、無線で送信される磁場と、磁場に応答して位置信号を無線で送信するトランスポンダを備えたマーカとを使用することができる。この種類の位置測定ユニットは、マーカの位置を測定するために非電離磁気エネルギを使用するが、状況によっては、他の種類の非電離エネルギ、例えば、超音波、RFなどを使用することができるということは認められるであろう。本発明のいくつかの実施形態はまた、非電離エネルギを使用して定期的にマーカの位置を測定すると共に又はその代わりに、電離エネルギを使用してマーカを撮像するか又はその他の方法で識別することができる。
【0017】
いくつかの実施形態では、統合システムは、治療方法のいくつかの異なる段階中に少なくとも1つの埋め込みマーカの位置を測定し、埋め込み、計画、シミュレーション、設定、治療、及び検証の手順を通して通信及び使用することができる共通フォーマットで客観的ターゲットデータを提供する。客観的ターゲットデータは、これらの手順のいずれかを修正するために使用することができる。統合された方法及びシステムのいくつかの実施形態は、マーカを患者内に埋め込むか又はその他の方法で配置して、定期的にマーカの位置を測定することにより方法の実質的部分を通して非電離エネルギを使用してマーカを追跡する。いくつかのこのようなマーカは、一般的に、患者が放射線室及び/又は施設の他のエリアにいる時、外部基準座標系におけるマーカの位置を定期的に測定する位置測定ユニットによって追跡される。マーカの位置を追跡することにより、施設内に高価な機器及び部屋がなくても、放射線治療方法を通して多くの段階でターゲットの状態を観察し、評価することができる。その結果、統合された方法及びシステムは、高度の効率をもたらし、放射線治療の効力を高めると期待される。
【0018】
患者内のターゲットを治療するための統合された方法の一実施形態は、マーカ位置測定モダリティを用いて患者の外部の基準座標系におけるマーカの位置を測定することにより第1のターゲットデータを取得する段階を含む。マーカは、電離放射線ビームで照射されるか又はその他の方法で治療されるターゲットに対して患者内に位置決めされる。この方法は、患者が電離放射線ビームを発生させる放射線送出装置にいる間にマーカ位置測定モダリティを用いてマーカの位置を測定することにより第2のターゲットデータを取得する段階に続く。この方法の付加的な段階は、患者に電離放射線ビームを照射し、同時にマーカ位置測定モダリティを用いて第2のターゲットデータを取得する段階と、放射線送出装置に関連するハードウエアデータを取得する段階と、第1のターゲットデータ、第2のターゲットデータ、及び/又はハードウエアデータを用いて患者に送出される放射線を評価する段階とを含む。第1のターゲットデータが位置測定される外部基準座標系は、患者の外部のあらゆる基準座標系とすることができる。例えば、外部基準座標系は、外部装置に対するマーカの位置に関する信号又は他の情報を取得する患者の外部に位置決めされたセンサアレイ又は他の種類の装置に基づくことができる。代替的に、外部基準座標系は、部屋の中の基準座標系又は患者の外部の他の固定基準座標系とすることができる。第1のターゲットデータを取得し、かつ第2のターゲットデータを取得するためのマーカ位置測定モダリティは、通常ターゲットデータを取得するために同じ種類のエネルギを用いる。例えば、エネルギは、電離エネルギ(例えば、キロボルト又はメガボルトのX線)又は非電離放射線(磁気、超音波、又は他の好ましい電磁放射線)とすることができる。放射線送出装置に関連するハードウエアデータは、患者を支持している台の位置、存在、又は他の属性、ガントリの位置、放射線ビームに関連するあらゆる態様、患者の上及び/又は周囲で使用される付属品、及び放射線送出装置に関連した放射線室内の他のあらゆる装置に関するデータを含むことができる。
【0019】
統合放射線治療方法の別の実施形態は、第1のエリアにある位置測定モダリティを用いて患者内に位置決めされたマーカの位置を定期的に測定することにより、患者内のターゲットのパラメータに関連する第1の客観的ターゲットデータを取得する段階を含む。例えば、第1のエリアは、患者を治療するために電離放射線ビームを発生する放射線送出装置を含む第2のエリアから離れている。この方法は、第2のエリアで位置測定モダリティを用いてマーカの位置を定期的に測定することにより、ターゲットのパラメータに関する第2の客観的ターゲットデータを取得する段階に続く。
【0020】
統合放射線治療方法の別の実施形態は、第1のエネルギタイプを使用してマーカを識別する第1の位置測定モダリティを用いて患者内に位置決めされたマーカの位置を定期的に測定することにより、患者内のターゲットのパラメータに関連する第1の客観的ターゲットデータを取得する段階を含む。この方法は、第1のエネルギタイプとは異なる第2のエネルギタイプを用いてマーカを識別する第2の位置測定モダリティを用いてターゲットのパラメータに関連する第2の客観的ターゲットデータを取得する段階に続く。例えば、マーカは、CT走査又は他の種類のX線において、電離エネルギを使用してマーカを識別する第1の位置測定モダリティを用いて識別することができる。第2の客観的ターゲットデータは、第1の客観的ターゲットデータを取得すると同時に又は別の時点で、同じマーカを識別するために磁場を使用する第2の位置測定モダリティを使用することにより取得可能である。
【0021】
統合放射線治療の方法の別の実施形態は、位置測定モダリティを用いて患者内に位置決めされたマーカの位置を定期的に測定することにより、患者内のターゲットのパラメータに関連する客観的ターゲットデータを取得する段階を含む。この方法は、患者が電離放射線ビームを発生する放射線送出装置にいる間に位置測定モダリティを用いて定期的にマーカの位置を測定することにより、ターゲットのパラメータに関連する客観的原位置データを取得する段階に続く。この方法は、更に、原位置データを使用して患者に送出される放射線のパラメータを判断する段階を含む。
【0022】
統合放射線治療の方法の別の実施形態は、治療計画手順を行う段階、設定手順を行う段階、及び放射線治療画分を行う段階を含む。治療計画手順は、(a)撮像モダリティを用いて患者内のターゲットの画像、及び患者内にターゲットに隣接して位置決めされたマーカの画像を取得する段階、(b)位置測定モダリティを用いて患者の外部の基準座標系に対してマーカの位置を定期的に測定することにより第1のターゲットデータを取得する段階、及び(c)画像及び第1のターゲットデータを使用して治療計画を作成する段階を含む。マーカは、ターゲット及びマーカの画像を取得する前、取得中、及び/又は取得後に位置測定モダリティを用いて位置を判断することができる。設定手順は、(a)位置測定モダリティを用いて、放射線送出装置を収容する放射線室内のマーカの位置を定期的に測定することにより、放射線送出装置の機械アイソセンターに対するマーカの位置を測定する段階、及び(b)判断されたマーカの位置に基づいて、機械アイソセンターに対してターゲットを整列させるように患者を移動する段階を含む。放射線治療画分は、位置測定モダリティを用いて放射線室内のマーカの位置を定期的に測定しながら、治療計画に従って患者を照射する段階を含む。
【0023】
統合放射線治療の方法の更に別の実施形態は、治療計画エリアで携帯型位置測定システムを用いて患者内に位置決めされたマーカの位置を定期的に測定することにより、患者内のターゲットのパラメータに関連する客観的計画データを取得する段階を含む。この方法は、更に、携帯型位置測定システムを治療計画エリアとは別の放射線送出装置を収容する放射線室へ移動する段階、及び携帯型位置測定システムを用いて放射線室内でのマーカの位置を定期的に測定することにより、放射線送出装置の機械アイソセンターに対するマーカの位置を測定する段階を含む。
【0024】
本発明の更に別の態様は、放射線治療を用いる患者内のターゲットを治療する方法に関する。このような方法の一実施形態は、ターゲットを放射線のビームで治療する放射線送出装置を制御するための治療計画を作成する段階、及び治療計画に従って放射線送出装置を操作してターゲットを照射する段階を含む。この方法は、更に、非電離エネルギを使用する位置測定システムを用いて患者内に位置決めされたマーカの位置を定期的に測定し、患者の外部の基準座標系におけるマーカの位置を測定する段階、及び基準座標系におけるマーカの位置に基づいてターゲットのパラメータを判断する段階を含む。この方法はまた、判断したターゲットのパラメータに少なくとも部分的に基づいて治療計画を適応させる及び/又は確認する段階を含む。
【0025】
本発明の別の態様は、放射線治療のためのシステムを確立する方法に関する。このような方法の一実施形態は、施設の第1のエリアに位置する第1の位置測定ユニットを有する第1のノードを設ける段階、放射線送出装置を収容する放射線室に位置する第2の位置測定ユニットを有する第2のノードを設ける段階、及び第1のノードと第2のノードの間でターゲットデータを転送するためにネットワークにより第1のノードと第2のノードを作動的に連結する段階を含む。例えば、第1のノードの第1の位置測定ユニットは、患者の外部の基準座標系に対して患者内に位置決めされたマーカの位置を測定するように構成されている。第2のノードの第2の位置測定ユニットは、放射線送出装置の基準座標系に対して患者内に位置決めされたマーカの位置を測定するように構成されている。
【0026】
本発明の付加的な態様は、放射線治療のためのシステムに関する。このようなシステムの一実施形態は、施設の第1のエリアに位置決めされた第1の位置測定ユニットを有する第1のノード、放射線送出装置を収容する放射線室に位置決めされた第2の位置測定ユニットを有する第2のノード、及び第1のノードと第2のノードの間でターゲットデータを転送するために第1のノードと第2のノードを作動的に連結するネットワークを含む。第1の位置測定ユニットは、患者の外部の基準座標系に対して患者内に位置決めされたマーカの位置を測定するように構成されている。第2の位置測定ユニットは、放射線送出装置の基準座標系に対して患者内に位置決めされたマーカの位置を測定するように構成されている。
【0027】
統合放射線治療の方法の別の実施形態は、施設の第1のエリアに位置決めされた追跡モダリティを用いて患者に埋め込まれたマーカを追跡することにより、ターゲットのパラメータに関連する第1の客観的ターゲットデータを取得する段階を含む。この方法は、放射線送出装置を収容する施設の第2のエリアで同じ追跡モダリティを用いてマーカを追跡することにより、ターゲットのパラメータに関連する第2の客観的ターゲットデータを取得する段階によって継続することができる。例えば、第1の客観的ターゲットデータは、施設の観測エリアで交番磁場を使用してマーカを追跡することにより取得することができ、第2の客観的ターゲットデータは、放射線室で交番磁場を使用する同じ位置測定ユニット又は同様の位置測定ユニットを用いて取得可能である。客観的ターゲットデータは、マーカ間の相対的位置、及び/又は放射線室の機械アイソセンターに対するマーカの位置を含むことができる。従って、ターゲットの構成、ターゲットの軌道、及び/又は機械アイソセンターに対するターゲットの位置は、施設にわたって及び技師が患者と共に存在しながら判断することができる。
【0028】
統合放射線治療の別の態様は、患者内のターゲットを治療するための治療計画を作成する方法である。この方法の実施形態は、基準座標系におけるマーカの位置を測定するために非電離エネルギを使用する位置測定システムを用いて患者内に埋め込まれたマーカを追跡する段階を含む。この方法は、更に、基準座標系におけるマーカの位置に基づいて患者内のターゲットの物理パラメータを判断する段階を含むことができる。例えば、物理パラメータは、ターゲット構成及び/又はターゲット軌道とすることができる。
【0029】
統合放射線治療の更に別の態様は、計画手順と治療手順を統合する方法である。例えば、一実施形態は、放射線送出機械を収容する放射線室の機械アイソセンターに対してターゲットを位置決めする段階を含む。ターゲットの望ましい位置は、治療計画によって定められる。ターゲットを位置決めた後、この方法は、患者に放射線送出装置から放射線ビームを照射することによって進行する。この方法はまた、患者が放射線室内に位置決めされている及び/又は照射されている間の時間の少なくとも実質的な部分にわたって、患者内に埋め込まれたマーカの位置を追跡する段階を含む。
【0030】
図1〜6を参照して以下に説明する手順のいくつかは、付加的なステップ又は段階を有する場合があり、本発明の他の実施形態は、図1〜6に示す一部のステップ/段階を含まない場合がある。更に、本発明によって放射線治療を統合するためのシステム及び方法の他の実施形態を説明し、及び/又は特許請求するが、必ずしも図1〜6に例示されているわけではない。しかし、当業者は、図1〜6を参照して示して説明した詳細のいくつかがなくても本発明を実行することができること、又は付加的な詳細を本発明に追加することができることを理解するであろう。内容が許す場合には、単数又は複数の用語はまた、それぞれ複数又は単数の用語を含む場合がある。更に、「又は」という語が、少なくとも2つの項目のリストに関して他の項目とは相容れない単一の項目のみを意味するように明示的に限定されない限り、このようなリストでの「又は」の使用は、(a)リスト中のあらゆる単一項目、(b)リスト中の項目の全て、又は(c)リスト中の項目のあらゆる組合せを含むように解釈されるものとする。更に、「を含む」という用語は、他の特徴及び構成要素のいかなるより多くの同じ特徴及び/又は種類も排除されないように、少なくとも列挙した特徴を含むことを意味するように全体を通して使用される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
B.統合された放射線システムの実施形態
図1は、計画/シミュレーションモジュール12と、治療モジュール14と、記録/検証モジュール16とを含む放射線治療のための統合システム10を概略的に示している。図1に示す実施形態では、計画/シミュレーションモジュール12、治療モジュール14、及び記録/検証モジュール16は、施設の別々のエリアに位置する。他の実施形態では、記録/検証モジュール16は、計画/シミュレーションモジュール12又は治療モジュール14と共に配置することができる。計画/シミュレーションモジュール12、治療モジュール14、及び検証モジュール16は、各々コンピュータを有することができ、これらのモジュールは、ネットワーク18により作動的に連結することができる。また、統合システム10は、個々のモジュールの各々にあるコンピュータの代わりに又はそれに加えて、別のコンピュータを含むことができる。例えば、コンピュータ19は、撮像ユニット(CTスキャナ)、位置測定ユニット、放射線送出装置、及び記録/検証機器からのデータを管理する中央情報システムとすることができる。代替的な実施形態では、中央情報システムは、別のコンピュータではなく、モジュール12、14、又は16のうちの1つの一部とすることができる。以下でより詳細に説明するように、統合システム10は、モジュールの少なくとも1つからの客観的ターゲットデータを提供し、これは、記憶され、通信され、及び/又は放射線治療を行うために他のモジュールの少なくとも1つによって利用される。
【0032】
図1に示す実施形態の計画/シミュレーションモジュール12は、撮像ユニット22が入った撮像エリア20と、位置測定ユニット26を含む観察エリア24とを含む。撮像エリア20と観察エリア24は、典型的に施設内の別々の部屋であるが、位置測定ユニット26と撮像ユニット22は、同じ部屋にある場合がある。撮像ユニット22は、患者内の腫瘍、病変、又は他のターゲットを示す画像を提供する撮像モダリティを使用する。例えば、CT画像は、電離エネルギを使用して腫瘍又は他の種類の軟組織の病変の3次元表示を提供し、またCT画像は、患者に埋め込まれた放射線不透過性マーカを識別する。撮像ユニットは、代替的に、X線機械、磁気共鳴画像法(MRI)機械、又は超音波システムとすることができる。従って、撮像ユニット22は、電離放射線又は非電離放射線を使用して、ターゲット及び患者に埋め込まれたマーカの画像を取得することができる。
【0033】
位置測定ユニット26は、位置測定モダリティを用いて患者内に位置決めされた少なくとも1つのマーカを追跡する。位置測定ユニット26の位置測定モダリティは、撮像ユニット22の撮像モダリティとは異なることが多い。例えば、位置測定ユニット26は、位置測定ユニットの外部基準座標系又は患者の外側の別の外部基準座標系に対する埋め込まれたマーカの位置を定期的に測定するために非電離エネルギを使用する位置測定モダリティを有することができる。一方、撮像ユニット22は、X線又はCT走査を行うために電離エネルギを使用する位置測定モダリティを有することができる。位置測定ユニット26は、非電離位置測定モダリティを使用するので、位置測定ユニット26が作動している間、他の人々は患者の非常に近くにいることができる。マーカの位置を測定する外部基準座標系は、患者の外部のあらゆる基準座標系である。例えば、外部基準座標系は、患者の外部のセンサ又は撮像アレイとすることができ、又は外部基準座標系は、部屋又は放射線送出装置により定められる基準座標系とすることができる。
【0034】
更に、撮像エリア20及び/又は観察エリア24でシミュレーション手順を行うために、計画/シミュレーションモジュール12が使用されることも可能である。治療計画は、通常、少なくとも撮像ユニット22で得られる画像から作成されるが、治療計画は、位置測定ユニット26からの情報を含むことができる。例えば、位置測定ユニット26は、マーカの位置に少なくとも部分的に基づいて、患者に処方される放射線をどのように送出するかを判断するための追加情報を提供することができる。一実施形態では、放射線治療は、時系列の一連のCT画像を用いて模擬され、又は別の実施形態では、治療は、CT画像の代わりに又はこれに加えて位置測定ユニットを使用し、患者内のマーカの位置を定期的に測定することにより模擬される。以下に説明するように、シミュレーション手順の結果は、治療計画を見直すために又は放射線治療の追加情報を提供するために使用することができる。
【0035】
一実施形態では、位置測定ユニット26は、その共振周波数で磁気励起場に応答して磁場を作り出すトランスポンダを有する小さいマーカの位置を定期的に測定するか又はその他の方法で追跡する。例えば、位置測定ユニット26は、埋め込まれたマーカまで交番磁気励起場を生成して無線で送る励起源を含むことができる。位置測定ユニット26は、更に、無線で送られる位置信号をマーカから受信するように構成されたセンサアセンブリと、センサアセンブリからの信号を処理する受信機と、基準座標系内のマーカの3次元座標を計算するコンピュータとを含む。磁気位置測定器を備えた特定の位置測定ユニットは、2002年12月30日出願の米国特許出願第10/344,700号、2001年12月20日出願の米国特許出願第10/027,675号、2002年8月7日出願の米国特許出願第10/213,980号、2003年10月6日出願の米国特許出願第10/679,801号、2003年3月4日出願の米国特許出願第10/382,123号、2003年12月24日出願の米国特許出願第10/746,888号、及び2003年12月31日出願の米国特許出願第10/749,478号に説明されており、これらの各々は、本明細書においてその全内容が引用により組み込まれている。
【0036】
治療モジュール14は、通常、放射線送出装置30と位置測定ユニット32とを備えた放射線室である。放射線送出装置30は、電離放射線を使用して腫瘍又は他の種類のターゲットを破壊する直線加速器又は他の種類の装置である。好ましい直線加速器は、カリフォルニア州パロアルト所在の「Varian Medical Systems、Inc.」、ニュージャージー州アイズリン所在の「Siemens Medical Systems、Inc.」、オクラホマ州クローリー所在の「Elekta Instruments,Inc.」、又は日本所在の三菱電機株式会社により製造されている。このような直線加速器は、従来の一門又は多門放射線治療、3D原体放射線治療(3D CRT)、強度変調放射線治療(IMRT)、定位放射線治療、及びトモセラピーを供給することができる。放射線送出装置は、放射線送出装置に対する基準座標系の固定位置で、ゲート制御された、輪郭に合わせた、又は成形された電離放射線のビームを移動可能なガントリからある一定の面積又は容積に送出することができる。電離放射線ビームが向けられる容積は、機械アイソセンターと呼ばれる。
【0037】
位置測定ユニット32は、治療計画及び/又はシミュレーションに使用される位置測定ユニット26と実質的に同じものとすることができる。実際に一部の用途では、ただ1つの位置測定ユニットを統合システム10で使用するように携帯型の位置測定ユニットを計画/シミュレーションモジュール12から治療モジュール14へ移動させることができる。位置測定ユニット32は、患者を放射線送出装置30に固定している間及びターゲットに電離放射線を照射している間に、リアルタイムでマーカの現在位置を判断する。より具体的には、位置測定ユニット32は、患者設定過程の間及び/又は患者を照射している間に、リアルタイムでマーカの3次元座標を定期的に測定する。リアルタイムのマーカ位置は、動的治療に向けてビームを制御するか又は患者を位置決めする客観的ターゲットデータを判断するために使用することができる客観的データである。また、マーカ位置及び/又はマーカ位置から得られる対応するターゲットデータは、放射線治療が治療計画に従って進行されたか否かをその後に評価するために記録されることもある。リアルタイム追跡の特定的な態様は、上述で引用により組み込まれた米国特許出願第11/166,801号により詳細に説明されている。
【0038】
記録/検証モジュール16は、位置測定ユニット32からの客観的ターゲットデータと、放射線送出装置30からのハードウエアデータとを受信する評価ユニット34を含む。評価ユニット34は、治療モジュールからのデータを、治療中にオンラインで又は治療が行われた後にオフラインで受信することができる。また、評価ユニット34は、計画/シミュレーションモジュール12から撮像ユニット22及び位置測定ユニット26のデータも受信することができる。検証モジュール16は、放射線治療の成果を評価して、ターゲットの構成(例えば、大きさ及び/又は形状)、内部のターゲットの運動によって起こる患者内のターゲットの軌道、ターゲットに当てる放射線の線量、及び/又は他のパラメータの変更の早期の指示を提供することができる。統合システム10の一態様は、位置測定ユニット32によって判断されたマーカの位置に関連する客観的ターゲットデータが、(a)放射線送出装置の状態に関するハードウエアデータと相関され、及び/又は(b)位置測定ユニット26からの客観的ターゲットデータと比較され、治療計画を修正するか又はその他の方法で放射線治療方法の効力を高めるための有意な量の情報を提供することができるということである。
【0039】
C.統合放射線治療方法の実施形態
癌を治療する一般的な診療は、治療の種類を定めるために患者を評価することから始まる。例えば、医者は、手術、化学療法、及び/又は放射線治療のいずれが患者に対して最良の種類の臨床治療であるかを判断するために患者を評価し、放射線治療が臨床治療計画の一部として選択される場合には、放射線腫瘍医が患者の放射線処方を判断する。例えば、放射線腫瘍医は、放射線画分の数、線量、及び放射線治療の他のパラメータを処方する。放射線腫瘍医又は別の医者は、その後、放射線治療を行う選択、治療を達成する際の患者の役目、及び放射線治療から派生する問題について患者に知らせる。その後、患者は、本発明のいくつかの実施形態に従って放射線治療の統合された方法を実行するための治療を可能にされる。例えば、患者は、位置測定ユニット26及び/又は32を用いて追跡されるか又は少なくとも定期的に位置測定されるマーカを患者内に埋め込むか又はその他の方法で配置することによって治療可能にすることができる。また、これらのマーカは、電離放射線を用いて画像で識別することができる。通常、1つ又はそれよりも多くのマーカは、(a)ターゲットに対して患者内にマーカを埋め込むこと、(b)患者が歯の間に固定するバイトブロックにマーカを組み込むこと、又は(c)その他の方法で、患者の外から直接の視線によってマーカを視覚的に確認できないようにマーカを患者内に固定することにより患者内に位置決めされる。患者が治療可能にされた後、患者は、本発明のいくつかの方法に従った放射線治療の準備が整うことになる。
【0040】
図2は、本発明の実施形態に従った放射線治療の統合された方法100の流れ図である。統合された方法100は、施設中のいくつかのノード又はモジュールで通信されて使用することができる。一般的に、統合された方法100は、放射線処方をどのように実施するかを判断するための治療計画方法(ブロック102)から始まる。例えば、治療計画方法は、患者内のターゲットのモデルを作成する段階、及び/又は治療画分の放射線ビームパラメータを判断する段階を含む。より具体的には、治療計画手順は、CTスキャナ又は別の適切な撮像モダリティを用いて、ターゲットの構成及びターゲットと患者内に位置決めされたマーカとの間の相対位置を示す画像を取得する段階を含むことができる。CTスキャナの基準座標系に対するターゲットの座標及び各マーカの座標は、メモリ装置に記録されて記憶される。非電離エネルギを使用してマーカの位置を測定することができる時は、治療計画を作成して患者を治療するのに、ただ1つのCT走査のみを必要とするであろう。しかし、一般的に殆どの用途では、複数のCT走査が用いられる。治療計画の特定的な実施形態の付加的な詳細は、図3を参照して以下に説明する。
【0041】
図2を参照すると、統合された方法100は、治療計画を確認又は修正するために、ターゲットの物理パラメータをモニタすることによって治療を模擬するシミュレーション手順(ブロック104)を任意的に含むことができる。例えば、位置測定ユニット26は、治療計画に従って患者が位置決めされる模擬治療を受ける間に、患者内に位置決めされた1つ又はそれよりも多くのマーカを追跡してターゲットの回転及び軌道を判断することができる。シミュレーション手順は、更に、治療マージン及び他のパラメータをより良く制御する方法で患者が呼吸するか又はその他の方法で身体を制御することを習得するように、バイオフィードバック反応を使用して患者を訓練する段階を含む。図3を参照して以下でより詳細に説明するように、シミュレーション手順は、治療計画を作成するか又は修正するための追加情報をもたらすために、治療計画を作成する前、間、及び/又は後に行うことができる。
【0042】
図2を参照すると、統合された方法100は、更に、ターゲットが放射線送出装置30(図1)の機械アイソセンターに対して望ましい位置になるように、患者を放射線室に配置する段階を含む設定手順(ブロック110)を含む。設定手順は、各放射線セッションの初めに患者が放射線室の支持台上にいる時に行われる。位置測定ユニット32(図1)は、(a)定期的にマーカを追跡するか又はその他の方法で位置を測定し、(b)ターゲットの現在位置と放射線治療に望ましいターゲットの位置とのオフセットを計算する。手動で使用する場合には、技師は、計算されたオフセットに従って支持台を移動させ、位置測定ユニット32を用いてターゲットが望ましい位置にあることを確認する。自動で使用する場合には、位置測定ユニット32は、コンピュータ19(図1)に又は直接に放射線送出装置30に信号を送り、それによって放射線送出装置30は、計算されたオフセットに従って台を移動させ、ターゲットは、機械アイソセンターに対して望ましいターゲット位置に位置決めされる。どちらの利用でも、マーカが位置決めされる間、技師は、患者と共に部屋にいることができる。これは、患者を位置決めするために電離放射線を使用する従来のシステムでこれまで必要とされたような機械アイソセンターに対してターゲットの位置を判断するために技師が部屋を出る必要がないために、設定時間を大幅に低減すると期待される。設定手順のいくつかの特定的な実施形態は、図4を参照してより詳細に説明する。
【0043】
統合された方法100は、患者が放射線送出装置30から放射線ビームを照射される治療手順(ブロック120)に続く。治療手順は、通常、計画された全放射線量の一部分を送出する単一の治療画分である。多くの統合放射線治療手順は、ターゲットに望ましい線量を与えるために数回の治療画分が必要である。治療手順のいくつかの詳細もまた、図4を参照して更に詳しく説明する。
【0044】
統合放射線治療方法100は、更に、放射線画分の結果を定量化し、患者が治療計画に従って照射されたか否かを判断し、及び/又は場合によって計画を修正するための情報をもたらす治療管理及び検証手順(ブロック130)を含む。検証手順では、評価ユニット34(図1)が、放射線送出装置30又は放射線送出装置に関連する他の装置からハードウエアデータを受信する。また、評価ユニット34は、ネットワーク18(図1)を通して位置測定ユニット26及び32からターゲット及びマーカの位置情報のような客観的ターゲットデータも受信することができる。評価ユニット34は、いくつかの機能を行うことができる。例えば、評価ユニット34は、治療手順の一連の時間間隔を通して放射線送出装置30の状態を記録されたターゲットの位置と相関させることができる。機器の状態とターゲットの位置の間のこの相関関係は、ターゲットとターゲットに隣接する健常組織の個別の領域に割り当てる放射線量を判断するために使用することができる。また、検証手順は、ターゲットが変化したか否かを早期に示すために、ターゲットの構成及びターゲットの軌道のようなターゲットの他のパラメータを判断することができる。
【0045】
統合放射線治療方法100は、第1の判断(ブロック140)及び第2の判断(ブロック142)に続く。第1の判断(ブロック140)は、治療が完了したか否かを判断する。治療が放射線画分の全てを通して完了している場合、方法は終了(ブロック150)で終わる。しかし、治療が完了していない場合、方法は、ターゲット、ターゲットの個別の領域に送出される線量、又は治療の他の状況における変化を補正するように治療計画を適応させるか否かを判断する第2の判断(ブロック142)へ続く。現在の治療計画が適切である場合には、方法100は、患者に対する次の放射線治療セッションで(通常1日又は数日後)、設定手順(ブロック110)、治療手順(ブロック120)、及び検証手順(ブロック130)を繰り返すことにより継続される。しかし、検証手順が治療計画を変えるべきであると示す場合、統合された方法100は、治療計画手順(ブロック102)及び/又はシミュレーション手順(ブロック104)に戻り、次の放射線セッションの設定及び治療手順を進める前に、治療計画を再び定めるか又はその他の方法で適応させる。
【0046】
図2に例示した統合された方法100は、現行の放射線治療方法と比べていくつかの利点を示している。例えば、位置測定ユニット26及び32からの客観的ターゲットデータは、放射線送出装置30及び検証モジュール16によって通信されて利用される。従って、統合された方法100は、治療手順中に医者が腫瘍の状態をより正確に判断し、腫瘍を機械アイソセンターにより正確に位置決めすることができるように、計画/シミュレーションモジュール12、治療モジュール14、及び検証モジュール16からのデータを結合する。
【0047】
統合された方法100のシミュレーション手順(ブロック104)もまた、CT走査を使用する現行のシミュレーション手順と比べていくつかの利点を示している。例えば、CTスキャナを用いてターゲットの画像を取得する必要なしに、位置測定ユニット26からの客観的ターゲットデータを使用して、ターゲットの軌道、回転、形状、大きさ、及び他のパラメータを迅速に判断することができる。位置測定ユニット26からの客観的ターゲットデータは、画像の主観的解釈によらないターゲットパラメータの正確な表示をもたらすことが期待される。これは、シミュレーション手順の精度を改善することが期待される。更に、位置測定ユニット26は、定期的にマーカの位置を測定し、ターゲットの運動/構成を判断するために磁場又は他の種類の非電離エネルギを使用するので、シミュレーション手順は、高価なCTスキャナを使用する必要がなく、又は患者を付加的な放射線に露出する必要がない。従って、統合された方法100のシミュレーション手順は、従来のシミュレーション手順に著しい改善をもたらすものである。
【0048】
統合された方法100のいくつかの実施形態はまた、施設が高い患者処置効率を有することができるように、高価な撮像機器及び放射線送出装置を有効に使用する。位置測定ユニット26及び32の一態様では、位置測定ユニットは、計画、設定、及び治療手順の大部分の間、非電離放射線を使用して埋め込まれたマーカを継続して追跡することにより、ターゲットの状態を頻繁にモニタする。設定及び治療手順の通常の手法でマーカを追跡することにより、結果的にCTスキャナを使用して患者を再び走査することなくターゲットの状態をモニタすることができる。それによってCTスキャナ及び直線加速器は、計画及び患者の治療目的に限って使用されることが可能になり、ターゲット(例えば、大きさ/形状及び軌道)の変化を早期に示すことにもなる。更に、設定手順の間、技師は、患者と共に留まることができ、及び/又は設定手順を自動化することができるために設定手順が非常に短くなり、放射線室を通してより多くの患者を処置することが可能になる。従って、統合された方法は、放射線治療の効率を改善すると期待される。
【0049】
D.治療計画手順の特定的な実施形態
図3は、治療計画手順(図2、ブロック102)の特定的な実施形態の流れ図である。この実施形態では、治療計画手順は、CTスキャナ、超音波、MRI、又は他の撮像モダリティを用いて腫瘍及び埋め込まれたマーカの画像を取得する撮像段階210を含む。図1を参照して上述したように、画像は、CTスキャナの外部基準座標系におけるターゲット及びマーカの座標を判断するために分析される。このデータは、次に、治療計画手順、設定手順(図2、ブロック110)、治療手順(図2、ブロック120)、及び検証手順(図2、ブロック130)のいくつかの他の態様での使用のためにメモリに記憶される。CTスキャナの場合、CTスキャナの撮像モダリティは、画像を生成するために電離放射線を使用するので、撮像段階210は、更に、技師を保護すべきである。従って、撮像段階は、一般的に撮像エリア20(図1)のような別のエリアで行われる。一部の実施形態では、治療計画手順は、位置測定ユニット26を使用してマーカを追跡することなく、電離エネルギ又は非電離エネルギ(例えば、超音波)を使用して取得した画像に基づいて作成することができる。他の実施形態では、治療計画手順はまた、位置測定ユニット26によって生成された情報を使用する。
【0050】
位置測定ユニットからの情報が所望される場合には、治療計画手順は、位置測定ユニット26が患者内に位置決めされた少なくとも1つのマーカに関して、外部基準座標系に対して定期的にその位置を判断する第1の追跡段階220に続く。例えば、位置測定ユニット26は、ターゲットの運動を分析するために少なくとも1つのマーカをリアルタイムで継続的に追跡することができ、及び/又は位置測定ユニットは、ターゲットの大きさ/形状を特徴付けるためにリアルタイムで少なくとも2つのマーカを追跡することができる。位置測定ユニットは、位置測定モダリティを用い、いくつかの実施形態では、位置測定モダリティは、定期的にマーカの位置を測定するために非電離エネルギを使用する。上述のように、位置測定ユニット26は、施設の実質的にあらゆる観察エリアで使用することができる磁気位置測定システムであることが好ましい。例えば、観察エリアは、患者がシミュレーション手順を受けるか又は設定及び治療手順を待つ間、マーカを追跡することができるラウンジ又は小さい個室とすることができるであろう。追跡段階220は、放射線室でも同様に使用することができる追跡モダリティでマーカを追跡することにより、撮像データに加えて客観的ターゲットデータを取得する。
【0051】
治療計画手順は、位置測定ユニット26からの客観的ターゲットデータを使用してターゲットのパラメータを判断する段階を含むターゲット特徴付け/シミュレーション段階230を任意的に含むことができる。特徴付け/シミュレーション段階230はまた、撮像段階210からの画像を使用することができる。例えば、マーカを追跡することによりモニタすることができる1つのターゲットパラメータは、腫瘍の構成である。この例では、腫瘍に対して少なくとも2つのマーカを埋め込み、磁気位置測定システムを用いてマーカ間の相対距離を追跡することにより、腫瘍の大きさ/形状をモニタすることができる。マーカ間の最初の相対位置により定められるターゲットの構成は、その後の測定と比較するためにメモリにダウンロードして記憶される。ターゲットの大きさ及び/又は形状が変化する場合、マーカ間の相対位置の変化がターゲットの変化に対応する。マーカの構成の変化に基づいて、治療計画を修正するか又はその他の方法で適応させることができる。マーカを追跡することによりモニタすることができるターゲットの別のパラメータは、患者内のターゲットの軌道及び/又は回転である。多くの場合、ターゲットは、呼吸、膀胱充満、又は他の理由により患者内である一定の軌道に沿って移動する。患者内のターゲットの軌道は、位置測定ユニット26を用いて一連の時間間隔の間に少なくとも1つのマーカの位置を追跡することにより確認することができる。ターゲットの軌道に関する客観的ターゲットデータは、その後の方法での利用のためにメモリにダウンロードされて記憶することができる。
【0052】
ターゲットの特徴付け/シミュレーション段階230によってもたらされたデータは、治療モジュール14及び検証モジュール16で使用するために治療計画の中に統合することができる。例えば、位置測定ユニット26によって判断されたターゲットの軌道は、治療手順中のターゲットの内部の運動を予測するために使用することができ、これは、次に、ターゲットが放射線ビームの進路になる地点に位置するように、治療マージン及び/又はビームゲイティングを判断するために使用することができる。別の例では、ターゲットの特徴付け段階230によってもたらされたターゲットの構成をその後の比較で使用し、ターゲットの変化をモニタすることができる。ターゲットの大きさ及び/又は形状が変化する場合、対応する変化は、マーカ間の相対位置に起こり、それに応じて治療計画を修正することができる。
【0053】
治療計画手順は、一般的に、段階210、220、及び230からの情報を使用して治療計画を作成し、かつ改良する。撮像段階210は、ターゲットの最初の画像を提供し、第1の追跡段階220と特徴付け/シミュレーション段階230は、計画に入力することができる客観的ターゲットデータを提供する。例えば、撮像段階210から取得された画像、第1の追跡段階220から取得された客観的ターゲットデータ、及びターゲット特徴付け/シミュレーション段階230からのデータは、治療計画のビーム角、コリメータ構成、ビーム強度、パルス幅、台の位置、及びゲイティング構成を判断するために使用することができる。
【0054】
治療計画手順は、任意的に、バイオフィードバック訓練段階240を含むことができる。バイオフィードバック訓練段階240の一実施形態は、位置測定ユニット26を用いて基準座標系におけるマーカの位置を測定し、マーカの追跡される位置に基づいて患者に身体機能を制御するように指示する段階を含む。例えば、位置測定ユニット26がマーカを追跡する間、コンピュータがリアルタイムでターゲットの軌道の表示を制御し、画面表示する。患者は、ディスプレイを見て呼吸を整え、ターゲットの軌道を緩和することができる。その結果、患者は、放射線送出装置30(図1)の機械基準座標系においてターゲットを望ましい治療位置に維持するために身体機能を積極的に制御するように訓練することができる。
【0055】
E.設定及び治療手順の特定的な実施形態
図4は、治療計画手順(図2、ブロック110及び120)の特定的な実施形態の流れ図である。一実施形態では、設定手順は、患者を照射する前にターゲットパラメータが依然として設定計画の指定内にあることを確認するための状態検査を含む。例えば、患者が治療手順を受けるために治療施設に到着した時、患者を観察エリア24(図1)に配置することができ、位置測定ユニット26(図1)は、治療手順中に患者を照射する前にマーカの位置を追跡することができる。従って、ターゲットの軌道及びターゲットの構成は、マーカの位置から判断することができる。設定手順のこの態様は、患者を照射する前にターゲットパラメータが確実に治療計画に適応することをCT走査を行う必要なく確認することができるために、非常に有益であるとすることができる。
【0056】
設定及び治療手順は、位置測定ユニット32(図1)が放射線送出装置30(図1)の外部基準座標系においてマーカを追跡する第2の追跡機能310を含む。第2の追跡機能は、通常、患者を支持台の上で放射線送出装置30のガントリのすぐ下に配置した後に始まり、治療手順の終わりまで継続される。位置測定ユニット32は、非電離エネルギを使用して機械基準座標系においてマーカを追跡し、ターゲットの位置及びターゲットのパラメータに関する客観的ターゲット治療データを取得する磁気位置測定システムであることが好ましい。
【0057】
設定及び治療手順は、放射線送出装置30の機械アイソセンターに対してターゲットを位置決めする位置決め段階320を更に含む。位置決め段階320では、位置測定ユニット32は、機械基準座標系におけるマーカの位置を測定し、機械アイソセンターに対するターゲットの現在位置とターゲットの望ましい位置との間のオフセットを計算する。位置測定ユニット32は、次に、オフセットを技師又はコンピュータに表示し、計算されたオフセットにより台を移動させる。追跡機能310は、位置決め段階320を通して継続され、機械アイソセンターに対してターゲットの現在位置とターゲットの望ましい位置との間のオフセットを継続的に更新する。従って、技師又は自動システムは、ターゲットが機械アイソセンターに対して望ましい位置の許容範囲内に位置決めされるまで、計算されたオフセットに従って台を移動させ続ける。一実施形態では、ターゲットを望ましい位置に配置した後、ターゲットの現在位置が望ましいターゲット位置からそれると警報器を作動させることができる。
【0058】
位置決め段階320の間に位置測定ユニット32により取得された客観的ターゲット治療データを更に使用して、ターゲットの構成及びターゲットの軌道が、ターゲットを電離ビームで照射する直前に治療計画の指定内にあることを確認することができる。この確認段階は、上述の状態検査の代替か又はこれに追加されるものとすることができる。従来の方法では判断されなかったターゲットの急変を各治療セッションの前及び間にモニタすることができるために、確認段階は、非常に有益とすることができる。更に、患者は、緊張して正常な呼吸や他の機能を変化させる可能性があり、位置測定ユニット32は、これが起こる時を識別し、患者の原位置トレーニングのバイオフィードバックを提供することができる。一実施形態では、患者が支持台上でガントリの下にいる間にターゲットの異常な軌道が認められる場合があり、ターゲットの軌道が計画手順102からの計画された軌道内になるまで患者をモニタすることができる。これは、腫瘍及び他の種類のターゲットを照射する精度を非常に高めると期待される。
【0059】
追跡機能310及び位置決め段階320はまた、設定手順(図2、ブロック110)の効率を非常に改善すると期待される。例えば、技師は、設定手順中に患者と共に放射線室に留まることができるために、従来のシステムで必要とされる定位X線を印加するための放射線室と遮蔽区域の間を移動して時間を浪費することがない。更に、追跡機能310は、マーカのリアルタイムの客観的位置情報を提供し、この情報は、機械アイソセンターにターゲットを位置決めするように支持台を自動的に移動させる制御システムに送ることができる。追跡機能310は、一日当たりにより多くの患者を放射線室で治療することができるように、位置決め段階320を行うために使われる時間を大幅に低減することができる。
【0060】
設定及び治療手順は、照射段階330に続く。上述のように、追跡機能310は、一般的に、機械基準座標系におけるターゲットの位置が照射段階330の間に判断されることも可能になるように継続される。多くの用途では、この方法は、照射段階330と同時に作動してターゲットの現在位置と機械アイソセンターとの間のリアルタイムの相関関係を提供するモニタリング機能340を含む。例えば、モニタリング機能340は、治療手順の間の一連の時間間隔でのターゲットの客観的位置座標を放射線送出装置30の放射線ビームと相関させる。
【0061】
モニタリング機能340からのターゲット位置と機械アイソセンターの相関関係は、照射段階330中のリアルタイムの放射線ビームのパラメータ及び/又は患者の位置を調節する動的調節機能350を行うために使用することができる。例えば、放射線ビームは、ターゲットが望ましい範囲から出ると終了され、ターゲットが望ましい範囲に入ると作動することができる(すなわち、ゲート療法)。別の実施形態では、ターゲットを機械アイソセンターの所望範囲内に維持するために、患者を支持する台は、照射段階330の間に計算されたオフセットに従って自動的に動かすことができる。これらの実施形態の両方は、照射段階330中の呼吸又は他の機能により起こるターゲットの運動を補正するので肺癌及び前立腺癌に対して特に有利である。従って、位置測定ユニット32からの客観的ターゲットデータは、放射線送出装置30と統合され、患者を照射中のターゲットに隣接する健常組織への損傷を軽減するように放射線ビーム及び/又は患者の位置を動的に調節することができる。
【0062】
F.治療管理及び検証手順の特定的な実施形態
図5は、検証手順(図2、ブロック130)の特定的な実施形態を説明する流れ図である。検証手順は、ビームの状態(ブロック410)に関するハードウエアデータを検索する段階と、位置測定ユニットの1つからの客観的ターゲットデータを検索する段階とを含むことができる。例えば、検証手順は、(a)ハードウエアデータ、及び(b)ターゲットの現在位置と機械アイソセンターの相関関係に関する客観的ターゲットデータを検索する段階を含むことができる(ブロック412)。検証手順は、ターゲットの状態を判断する段階を更に含む(ブロック420)。一実施形態では、ターゲットの状態は、照射手順330の一連の時間間隔でハードウエアデータをターゲットの現在位置と相関させることにより判断される。ハードウエアデータは、一連の時間間隔におけるビーム強度、ビーム位置、コリメータ構成、台の位置、付属品の位置、及び/又は放射線室内の機器のあらゆる他の態様に関するデータを含むことができる。ターゲット状態は、統合された方法の1つ又はそれよりも多くの放射線画分にわたってターゲットの個別の領域に受ける累積放射線とすることができる。ターゲット状態はまた、設定手順及び治療手順を通したターゲット構成及び/又はターゲット軌道とすることもできる。検証手順16は、患者を照射中にオンラインで及び/又は放射線画分を完了した後にオフラインで行うことができる。
【0063】
検証手順は、ターゲットの状態が治療計画に合わせて進んでいるか否かを判断することにより継続される(ブロック430)。ターゲットの状態が計画通りであれば、手順は、次の計画された放射線画分で設定手順及び照射手順を繰り返すことにより継続される。しかし、ターゲットの状態が計画通りではない場合、統合された方法は、ターゲットの状態の変化に適応するように治療計画が修正される適応計画段階440に続く。適応計画段階440で治療計画を修正した後、方法は、修正された治療計画に従って次の放射線画分の設定手順及び治療手順に続く。
【0064】
図6は、現在のターゲットの位置とビームの状態の相関関係をメモリに記憶する段階(ブロック510)、及びターゲットの状態をメモリに記憶する段階(ブロック520)を含む、統合された方法の更に別の態様である。方法のこの態様は、特定の治療計画の結果をより良く推定するために医者によって容易に検索することができる多くの患者に関する結果のライブラリを作成する段階を含む。この実施形態の更に別の態様は、以前の患者に見られる特性及び/又はこの同じ患者の以前の放射線画分に基づいて治療計画を調節するためにライブラリを精査することである。
【0065】
一般的に、特許請求の範囲に使用する用語は、明細書に開示した特定的な実施形態に本発明を限定するように解釈すべきではなく、むしろ本発明は、特許請求の範囲及びそのあらゆる均等物に従って作動する全ての統合放射線治療方法及びシステムを含むように解釈されるべきである。従って、本発明は、特許請求の範囲による場合を除いて限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の実施形態に従った放射線治療の統合システムを示す概略図である。
【図2】本発明の実施形態に従った放射線治療の統合された方法100の流れ図である。
【図3】本発明の実施形態に従った放射線治療方法の一部として行われる計画/シミュレーション手順の流れ図である。
【図4】本発明の実施形態に従った放射線治療方法の設定及び治療手順の流れ図である。
【図5】本発明の実施形態に従った放射線治療方法のための記録/検証及び適応治療計画手順の流れ図である。
【図6】本発明の実施形態に従った放射線治療方法のための放射線画分の結果及び治療計画を分類整理する手順の流れ図である。
【符号の説明】
【0067】
10 放射線治療のための統合システム
12 計画/シミュレーションモジュール
14 治療モジュール
16 記録/検証モジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マーカがターゲットに対して患者内に位置決めされている患者内のターゲットを電離放射線ビームで治療する統合された方法であって、
マーカ位置測定モダリティを用いて患者の外部の基準座標系におけるマーカの位置を測定することにより第1のターゲットデータを取得する段階と、
前記患者が前記電離放射線ビームを発生する放射線送出装置にいる間に、前記マーカ位置測定モダリティを用いて前記マーカの位置を測定することにより第2のターゲットデータを取得する段階と、
前記マーカ位置測定モダリティを用いて前記第2のターゲットデータを取得する間に、前記電離放射線ビームで前記患者を照射する段階と、
前記放射線送出装置に関連するハードウエアデータを取得する段階と、
前記第1のターゲットデータ、前記第2のターゲットデータ、及び前記ハードウエアデータのうちの少なくとも1つを使用して前記患者に送出された前記放射線を見積もる段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第1のターゲットデータに基づいて治療計画の少なくとも一部分を作成する段階を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のターゲットデータを使用して治療を模擬する段階を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
治療計画を作成する段階、前記第1のターゲットデータを使用して該治療計画を模擬する段階、及び前記第2のターゲットデータ及び前記ハードウエアデータを使用して前記治療を評価する段階を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記放射線画分を評価するための記録/検証モジュールに前記第2のターゲットデータ及び前記ハードウエアデータを供給する段階を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のターゲットデータ、前記第2のターゲットデータ、及び前記ハードウエアデータを情報管理システムに供給する段階を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記位置測定モダリティは、非電離エネルギを使用して前記マーカの位置を判断する段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記マーカは、無線で伝送された励起エネルギに応答して位置信号を無線で送信する磁気トランスポンダを含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のターゲットデータ、前記第2のターゲットデータ、及び前記ハードウエアデータのうちの少なくとも1つに基づいて治療計画を適応させる段階を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
(a)前記ターゲット及び前記マーカの画像を取得する段階、及び(b)前記第1のターゲットデータを取得する前に前記患者の外部の基準座標系における該マーカ及び該ターゲットの座標を判断する段階を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
(a)前記第1のターゲットデータ及び前記第2のターゲットデータをメモリ装置から検索する段階、及び(b)該第1及び第2のターゲットデータに基づいて前記ターゲットの大きさ及び形状をモニタする段階を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
(a)前記第1のターゲットデータ及び前記第2のターゲットデータをメモリ装置から検索する段階、及び(b)該第1及び第2のターゲットデータに基づいて前記ターゲットの軌道をモニタする段階を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記照射手順の対応する時間間隔で前記放射線ビームに関連するハードウエアデータに前記第2のターゲットデータを相関させる段階を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
設定段階中に放射線室の放射線送出装置に対して、前記ターゲットが前記第2のターゲットデータを使用して該放射線送出装置の機械アイソセンターに対して望ましい位置に位置するように前記患者を位置決めする段階を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項15】
人間の技師が前記患者と共に前記放射線室にいる間に、該患者の外部の基準座標系における前記マーカの位置を測定する段階を更に含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記マーカは、磁気トランスポンダを有し、
前記放射線送出装置の基準座標系における前記マーカの位置を測定する段階は、
前記マーカに励起エネルギを無線で伝送する段階と、
前記マーカの前記磁気トランスポンダから前記患者の外部のセンサアレイに位置信号を無線で送信する段階と、
前記マーカからの前記位置信号を感知する段階と、
前記第2の位置信号に基づいて前記放射線送出装置の前記基準座標系における前記マーカの前記位置を定期的に計算する段階と、
を含む、
ことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
患者を治療するための電離放射線ビームを発生する放射線送出装置を収容する第2のエリアから離れた第1のエリアに位置する位置測定モダリティを用いて、該患者内に位置決めされたマーカの位置を定期的に測定することにより該患者内のターゲットのパラメータに関する第1の客観的ターゲットデータを取得する段階と、
前記第2のエリアで前記位置測定モダリティを用いて前記マーカの位置を定期的に測定することにより、前記ターゲットの前記パラメータに関する第2の客観的ターゲットデータを取得する段階と、
を含むことを特徴とする統合放射線治療方法。
【請求項18】
前記第1及び第2の両方の客観的ターゲットデータに対して前記マーカの位置を定期的に測定する前記位置測定モダリティは、非電離エネルギを使用することを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記マーカは、無線で伝送された励起エネルギに応答して位置信号を無線で送信する磁気トランスポンダを含むことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記ターゲットを電離放射線で治療するための放射線治療計画を作成する段階を更に含み、かつ
前記第2の客観的ターゲットデータが、前記放射線治療計画を変更することが有益であることになると示す時に、該第2の客観的ターゲットデータに基づいて該治療計画を適応させる段階を更に含む、
ことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項21】
(a)前記ターゲット及び前記マーカの画像を取得する段階、及び(b)前記第1のターゲットデータを取得する前に基準座標系における該マーカ及び該ターゲットの座標を判断する段階を更に含むことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記第2の客観的ターゲットデータを取得しながら前記ターゲットを照射する段階を更に含むことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項23】
(a)前記第1の客観的ターゲットデータ及び前記第2の客観的ターゲットデータをメモリ装置から検索する段階、及び(b)該第1及び第2のターゲットデータ間の差異を評価することによって前記ターゲットの大きさ及び形状をモニタする段階を更に含むことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項24】
(a)前記第1の客観的ターゲットデータ及び前記第2の客観的ターゲットデータをメモリ装置から検索する段階、及び(b)該第1の客観的ターゲットデータ及び該第2の客観的ターゲットデータを使用して前記ターゲットの軌道を比較する段階を更に含むことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項25】
(a)前記第2の客観的ターゲットデータを取得しながら前記ターゲットを照射する段階、及び(b)対応する時間間隔で放射線送出装置のパラメータに関するハードウエアデータに前記第2の客観的ターゲットデータを相関させる段階を更に含むことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項26】
設定段階中に放射線室の放射線送出装置に対して、前記ターゲットが前記第2の客観的ターゲットデータを使用して該放射線送出装置の機械アイソセンターに対して望ましい位置に位置するように前記患者を位置決めする段階を更に含むことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項27】
人間の技師が前記患者と共に前記放射線室にいる間に、前記放射線送出装置の基準座標系における前記マーカの位置を測定する段階を更に含むことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記マーカは、磁気トランスポンダを有し、
前記放射線送出装置の基準座標系における前記マーカの位置を測定する段階は、
前記磁気トランスポンダを活性化するために前記マーカに励起エネルギを無線で伝送する段階と、
前記マーカの前記磁気トランスポンダから前記患者の外部のセンサアレイに位置信号を無線で送信する段階と、
前記マーカの前記位置信号を感知する段階と、
前記第2の位置信号に基づいて前記放射線送出装置の前記基準座標系における前記マーカの前記位置を定期的に計算する段階と、
を含む、
ことを特徴とする請求項27に記載の方法。
【請求項29】
患者内のターゲットのパラメータに関連する第1の客観的ターゲットデータを、該患者内に位置決めされたマーカの位置を第1のエネルギタイプを使用して該マーカを識別する第1の位置測定モダリティを用いて定期的に測定することにより取得する段階と、
前記第1のエネルギタイプとは異なる第2のエネルギタイプを使用して前記マーカを識別する第2の位置測定モダリティを用いて該マーカの位置を定期的に測定することにより、前記ターゲットの前記パラメータに関連する第2の客観的ターゲットデータを取得する段階と、
を含むことを特徴とする統合放射線治療方法。
【請求項30】
前記第1のエネルギは、電離エネルギを含み、前記第2のエネルギは、非電離エネルギを含むことを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記ターゲットを電離放射線で治療するための放射線治療計画を作成する段階を更に含み、かつ
前記第2の客観的ターゲットデータが、前記放射線治療計画を変更することが有益であることになると示す時に、該第2の客観的ターゲットデータに基づいて該治療計画を適応させる段階を更に含む、
ことを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記第2の客観的ターゲットデータを取得しながら前記ターゲットを照射する段階を更に含むことを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項33】
(a)前記第2の客観的ターゲットデータを取得しながら前記ターゲットを照射する段階、及び(b)対応する時間間隔で放射線送出装置のパラメータに関するハードウエアデータに前記第2の客観的ターゲットデータを相関させる段階を更に含むことを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項34】
設定段階中に放射線室の放射線送出装置に対して、前記ターゲットが前記第2の客観的ターゲットデータを使用して該放射線送出装置の機械アイソセンターに対して望ましい位置に位置するように前記患者を位置決めする段階を更に含むことを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項35】
前記マーカは、磁気トランスポンダを有し、
前記放射線送出装置の基準座標系における前記マーカの位置を測定する段階は、
前記磁気トランスポンダを活性化するために前記マーカに励起エネルギを無線で伝送する段階と、
前記マーカの前記磁気トランスポンダから前記患者の外部のセンサアレイに位置信号を無線で送信する段階と、
前記マーカの前記位置信号を感知する段階と、
前記第2の位置信号に基づいて前記放射線送出装置の前記基準座標系における前記マーカの前記位置を定期的に計算する段階と、
を含む、
ことを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項36】
患者内のターゲットのパラメータに関連する客観的計画データを、位置測定モダリティを用いて該患者内に位置決めされたマーカの位置を定期的に測定する段階によって取得する段階と、
前記患者が、電離放射線ビームを発生する放射線送出装置にいる間に、前記位置測定モダリティを用いて前記マーカの位置を定期的に測定することにより、前記ターゲットの前記パラメータに関連する客観的原位置データを取得する段階と、
前記原位置データを用いて前記患者に送出された前記放射線のパラメータを判断する段階と、
を含むことを特徴とする、統合放射線治療の方法。
【請求項37】
前記計画及び原位置データの両方に対して前記マーカの位置を定期的に測定する前記位置測定モダリティは、非電離エネルギを使用することを特徴とする請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記ターゲットを電離放射線で治療するための放射線治療計画を作成する段階を更に含み、かつ
前記原位置データが、前記放射線治療計画を変更することが有益であることになると示す時に、該原位置データに基づいて該治療計画を適応させる段階を更に含む、
ことを特徴とする請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記原位置データを取得しながら前記ターゲットを照射する段階を更に含むことを特徴とする請求項36に記載の方法。
【請求項40】
(a)前記原位置データを取得しながら前記ターゲットを照射する段階、及び(b)対応する時間間隔で放射線送出装置のパラメータに関連するハードウエアデータに該原位置データを相関させる段階を更に含むことを特徴とする請求項36に記載の方法。
【請求項41】
(a)撮像モダリティを用いて、患者内のターゲットの画像及び該ターゲットに隣接して該患者内に位置決めされたマーカの画像を取得する段階と、(b)位置測定モダリティを用いて、該患者の外部の基準座標系に対して該マーカの位置を定期的に測定することにより第1のターゲットデータを取得する段階と、(c)該画像及び該第1のターゲットデータを使用して治療計画を作成する段階とにより治療計画手順を行う段階と、
(a)前記位置測定モダリティを用いて、放射線送出装置を収容する放射線室の該放射線送出装置の機械アイソセンターに対して前記マーカの位置を定期的に測定することを通して第2のターゲットデータを取得する段階と、(b)該第2のターゲットデータに基づいて該機械アイソセンターに対して前記ターゲットを整列させるように前記患者を移動する段階とにより設定手順を行う段階と、
前記位置測定モダリティを用いて前記第2のターゲットデータを取得しながら前記治療計画に従って前記患者を照射することにより放射線治療画分を行う段階と、
を含むことを特徴とする、統合放射線治療の方法。
【請求項42】
前記位置測定モダリティは、非電離エネルギを使用することを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記ターゲットを電離放射線で治療するための放射線治療計画を作成する段階を更に含み、かつ
前記第2の客観的ターゲットデータが、前記放射線治療計画を変更することが有益であることになると示す時に、該第2の客観的ターゲットデータに基づいて該治療計画を適応させる段階を更に含む、
ことを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項44】
前記第2の客観的ターゲットデータに基づいて前記ターゲットを照射しながら前記放射線送出装置を制御する段階を更に含むことを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項45】
(a)前記第2の客観的ターゲットデータを取得しながら前記ターゲットを照射する段階、及び(b)対応する時間間隔で放射線送出装置のパラメータに関連するハードウエアデータに前記第2の客観的ターゲットデータを相関させる段階を更に含むことを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項46】
放射線治療のためのシステムを確立する方法であって、
患者の外部の基準座標系に対して該患者内に位置決めされたマーカの位置を自律的に測定するように構成された第1の位置測定ユニットを施設の第1のエリアに配置した第1のノードを設ける段階と、
放射線送出装置の基準座標系に対して前記患者内に位置決めされた前記マーカの位置を自律的に測定するように構成された第2の位置測定ユニットを該放射線送出装置を収容する放射線室に配置した第2のノードを設ける段階と、
前記第1及び第2のノード間でターゲットデータを転送するネットワークによって該第1のノードを該第2のノードに作動的に連結する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項47】
前記第1及び第2の位置測定ユニットは、非電離エネルギを使用して前記マーカの位置を測定することを特徴とする請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記非電離エネルギは、磁気エネルギであることを特徴とする請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記第2のノードからのデータに少なくとも部分的に基づいて前記患者に送出された放射線をコンピュータに評価させる命令を収容したコンピュータ作動可能媒体を有する検証モジュールを含む、前記ネットワークに連結した第3のノードを設ける段階を更に含むことを特徴とする請求項46に記載の方法。
【請求項50】
前記第1及び第2のノードからのデータを管理するための前記ネットワークに連結した中央情報システムを設ける段階を更に含むことを特徴とする請求項46に記載の方法。
【請求項51】
患者内のターゲットのパラメータに関連する客観的計画データを、治療計画エリアで携帯型位置測定システムを使用して該患者内に位置決めされたマーカの位置を定期的に測定することにより取得する段階と、
前記治療計画エリアとは別の放射線送出装置を収容する放射線室へ前記携帯型位置測定システムを移動する段階と、
前記携帯型位置測定システムを使用して前記放射線室の前記マーカの位置を定期的に測定することにより、前記放射線送出装置の機械アイソセンターに対する該マーカの位置を判断する段階と、
を含むことを特徴とする、統合放射線治療の方法。
【請求項52】
前記携帯型位置測定システムは、前記マーカの位置を測定するために非電離エネルギを使用することを特徴とする請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記非電離エネルギは、磁気エネルギを含むことを特徴とする請求項52に記載の方法。
【請求項54】
放射線治療を用いて患者内のターゲットを治療する方法であって、
放射線のビームでターゲットを治療する放射線送出装置を制御するための治療計画を作成する段階と、
前記ターゲットを照射するために前記治療計画に従って前記放射線送出装置を作動させる段階と、
非電離エネルギを使用する位置測定システムを用いて前記患者内に位置決めされたマーカの位置を定期的に測定し、該患者の外部の基準座標系における該マーカの位置を判断する段階と、
前記基準座標系における前記マーカの前記位置に基づいて前記ターゲットのパラメータを判断する段階と、
前記ターゲットの前記判断したパラメータに少なくとも部分的に基づいて前記治療計画を適応させる及び/又は確認する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項55】
患者の外部の基準座標系に対して該患者内に位置決めされたマーカの位置を自律的に測定するように構成された第1の位置測定ユニットを施設の第1のエリアに配置した第1のノードと、
放射線送出装置の基準座標系に対して前記患者内に位置決めされた前記マーカの位置を自律的に測定するように構成された第2の位置測定ユニットを該放射線送出装置を収容する放射線室に配置した第2のノードと、
前記第1及び第2のノード間でターゲットデータを転送するために該第1のノードを該第2のノードに作動的に連結するネットワークと、
を含むことを特徴とする、放射線治療のためのシステム。
【請求項56】
前記第1及び第2の位置測定ユニットは、非電離エネルギを使用して前記マーカの位置を測定することを特徴とする請求項55に記載のシステム。
【請求項57】
前記非電離エネルギは、磁気エネルギであることを特徴とする請求項56に記載のシステム。
【請求項58】
前記第2のノードからのデータに少なくとも部分的に基づいて前記患者に送出された放射線をコンピュータに評価させる命令を収容したコンピュータ作動可能媒体を有する検証モジュールを含む、前記ネットワークに連結した第3のノードを更に含むことを特徴とする請求項56に記載のシステム。
【請求項59】
前記第1及び第2のノードからのデータを管理するための前記ネットワークに連結した中央情報システムを更に含むことを特徴とする請求項56に記載のシステム。
【請求項60】
放射線治療プログラムのための治療計画を作成する方法であって、
患者内のターゲットのパラメータに関連する客観的ターゲットデータを、非電離エネルギを使用する位置測定モダリティを用いて該患者内に位置決めされたマーカの位置を定期的に測定することにより取得する段階と、
前記客観的ターゲットデータを使用して治療計画を作成する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項61】
前記客観的ターゲットデータを取得する前に、該客観的ターゲットデータを取得するのに用いる前記位置測定モダリティとは異なる撮像モダリティを用いて前記ターゲットの画像及び前記マーカの画像を取得する段階を更に含むことを特徴とする請求項60に記載の方法。
【請求項62】
(a)前記ターゲットは、病変を含み、(b)複数のマーカが、該病変に対して埋め込まれ、(c)前記ターゲットの前記パラメータは、該病変の大きさ、形状、回転、及び運動のうちの少なくとも1つであり、
前記位置測定モダリティを用いて前記複数のマーカの位置を定期的に測定し、該マーカ間の相対距離の変化を判断することにより、前記病変の前記パラメータの変化を識別する段階、
を更に含むことを特徴とする請求項60に記載の方法。
【請求項63】
前記病変の前記パラメータの前記変化が所定の値を超える時に警告メッセージを送信する段階を更に含むことを特徴とする請求項62に記載の方法。
【請求項64】
(a)前記病変の前記パラメータの前記変化が所定の値を超える時に警告メッセージを送信する段階、及び(b)該病変の該パラメータの該変化に基づいて該病変を治療するための前記治療計画を適応させる段階を更に含むことを特徴とする請求項62に記載の方法。
【請求項65】
物理パラメータが、前記患者内の前記ターゲットの移動により生じる該ターゲットの軌道であり、
前記マーカの周期的な位置を用いて前記軌道を判断する段階、
を更に含むことを特徴とする請求項60に記載の方法。
【請求項66】
前記ターゲット軌道の前記変化が所定の値を超える時に警告メッセージを送信する段階を更に含むことを特徴とする請求項65に記載の方法。
【請求項67】
(a)前記ターゲット軌道の前記変化が所定の値を超える時に警告メッセージを送信する段階、及び(b)該ターゲット軌道の該変化に基づいて前記ターゲットを治療するための前記治療計画を適応させる段階を更に含むことを特徴とする請求項65に記載の方法。
【請求項68】
前記非電離エネルギは、磁場であることを特徴とする請求項60に記載の方法。
【請求項69】
前記位置測定モダリティを達成する追跡システムが、放射線送出装置を収容する放射線室とは別の評価エリアに位置していることを特徴とする請求項60に記載の方法。
【請求項70】
前記追跡システムは、放射線送出装置を収容する放射線治療室に位置していることを特徴とする請求項60に記載の方法。
【請求項71】
放射線療法のための治療計画を作成する方法であって、
患者の外部の基準座標系において、該患者内のターゲットに対してある一定の部位で該患者内に位置決めされたマーカの位置を非電離エネルギを使用する位置測定モダリティを用いて定期的に測定する段階と、
前記マーカの周期的な位置及び所定の治療計画を用いて治療を模擬する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項72】
(a)前記ターゲットは、病変を含み、(b)複数のマーカが、該病変に対して埋め込まれ、
(c)前記非電離エネルギを使用して前記マーカの位置を定期的に測定することにより前記ターゲットのパラメータに関連するターゲットデータを判断する段階、
を更に含むことを特徴とする請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記パラメータは、前記病変の大きさ、形状、回転、及び運動のうちの少なくとも1つであり、
前記マーカ間の相対距離の変化を判断することにより前記病変の前記パラメータの変化を識別する段階、
を更に含むことを特徴とする請求項72に記載の方法。
【請求項74】
前記病変の前記パラメータの前記変化が所定の値を超える時に警告メッセージを送信する段階を更に含むことを特徴とする請求項72に記載の方法。
【請求項75】
(a)前記病変の前記パラメータの前記変化が所定の値を超える時に警告メッセージを送信する段階、及び(b)該病変の該パラメータの該変化に基づいて該病変を治療するための前記治療計画を適応させる段階を更に含むことを特徴とする請求項72に記載の方法。
【請求項76】
前記非電離エネルギを使用して前記マーカの位置を定期的に測定することにより、前記ターゲットのパラメータに関連するターゲットデータを判断する段階を更に含み、
前記パラメータは、前記患者内の前記ターゲットの移動によって生じた該ターゲットの軌道である、
ことを特徴とする請求項72に記載の方法。
【請求項77】
前記ターゲット軌道の前記変化が所定の値を超える時に警告メッセージを送信する段階を更に含むことを特徴とする請求項76に記載の方法。
【請求項78】
(a)前記ターゲット軌道の前記変化が所定の値を超える時に警告メッセージを送信する段階、及び(b)該ターゲット軌道の該変化に基づいて前記ターゲットを治療するための前記治療計画を適応させる段階を更に含むことを特徴とする請求項76に記載の方法。
【請求項79】
放射線療法のための治療計画を作成する方法であって、
患者の外部の基準座標系において、該患者内のターゲットに対して該患者内に位置決めされた複数のマーカの位置を非電離エネルギを使用する位置測定モダリティを用いて定期的に測定する段階と、
前記マーカ間の相対位置を比較することによって前記ターゲットのパラメータを特徴付ける段階と、
電離放射線ビームで前記患者を照射するための治療計画に前記マーカの前記パラメータを入力する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項80】
(a)前記ターゲットは、病変を含み、(b)複数のマーカが、該病変に対して埋め込まれ、(c)前記ターゲットの前記パラメータは、該病変の大きさ、形状、回転、及び運動のうちの少なくとも1つであり、
前記位置測定モダリティを用いて前記複数のマーカの位置を定期的に測定し、該マーカ間の相対距離の変化を判断することにより、前記病変の前記パラメータの変化を識別する段階、
を更に含むことを特徴とする請求項79に記載の方法。
【請求項81】
前記病変の前記パラメータの前記変化が所定の値を超える時に警告メッセージを送信する段階を更に含むことを特徴とする請求項80に記載の方法。
【請求項82】
(a)前記病変の前記パラメータの前記変化が所定の値を超える時に警告メッセージを送信する段階、及び(b)該病変の該パラメータの該変化に基づいて該病変を治療するための前記治療計画を適応させる段階を更に含むことを特徴とする請求項80に記載の方法。
【請求項83】
放射線療法を用いて患者内のターゲットを治療するための治療計画を作成する方法であって、
非電離エネルギを使用する位置測定システムを用いて患者内に位置決めされたマーカの位置を定期的に測定し、該患者の外部の基準座標系における該マーカの位置を判断する段階と、
前記基準座標系における前記マーカの前記位置に基づいて前記患者内の前記ターゲットのパラメータを判断する段階と、
電離放射線ビームで前記患者を照射するための治療計画に前記ターゲットの前記パラメータを入力する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項84】
(a)前記ターゲットは、病変を含み、(b)複数のマーカが、該病変に対して埋め込まれ、(c)前記ターゲットの前記パラメータは、該病変の大きさ、形状、回転、及び運動のうちの少なくとも1つであり、
前記位置測定モダリティを用いて前記複数のマーカの位置を定期的に測定し、該マーカ間の相対距離の変化を判断することにより、前記病変の前記パラメータの変化を識別する段階、
を更に含むことを特徴とする請求項83に記載の方法。
【請求項85】
前記病変の前記パラメータの前記変化が所定の値を超える時に警告メッセージを送信する段階を更に含むことを特徴とする請求項84に記載の方法。
【請求項86】
(a)前記病変の前記パラメータの前記変化が所定の値を超える時に警告メッセージを送信する段階、及び(b)該病変の該パラメータの該変化に基づいて該病変を治療するための前記治療計画を適応させる段階を更に含むことを特徴とする請求項84に記載の方法。
【請求項87】
物理パラメータが、前記患者内の前記ターゲットの移動により生じる該ターゲットの軌道であり、
前記マーカの周期的な位置を用いて前記軌道を判断する段階、
を更に含むことを特徴とする請求項83に記載の方法。
【請求項88】
前記ターゲット軌道の前記変化が所定の値を超える時に警告メッセージを送信する段階を更に含むことを特徴とする請求項87に記載の方法。
【請求項89】
(a)前記ターゲット軌道の前記変化が所定の値を超える時に警告メッセージを送信する段階、及び(b)該ターゲット軌道の該変化に基づいて前記ターゲットを治療するための前記治療計画を適応させる段階を更に含むことを特徴とする請求項87に記載の方法。
【請求項90】
放射線療法のための治療計画を作成する方法であって、
撮像モダリティを用いて、患者内のターゲットの画像及び該患者内に位置決めされたマーカの画像を取得する段階と、
前記撮像モダリティとは異なる位置測定モダリティを用いて、前記患者の外部の基準座標系における前記マーカの位置を定期的に測定する段階と、
前記基準座標系における前記マーカの前記位置に基づいて前記ターゲットのパラメータを定める段階と、
放射線送出装置を制御するための計画に前記ターゲットの前記パラメータを入力する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項91】
前記撮像モダリティは、電離放射線を使用し、前記位置測定モダリティは、非電離放射線を使用することを特徴とする請求項90に記載の方法。
【請求項92】
前記位置測定モダリティは、磁場を含むことを特徴とする請求項90に記載の方法。
【請求項93】
放射線療法のための治療計画を作成する方法であって、
撮像モダリティを用いて、患者内のターゲットの画像及び該患者内に位置決めされたマーカの画像を取得する段階と、
前記撮像モダリティとは異なる位置測定モダリティを用いて、前記患者の外部の基準座標系における前記マーカの位置を定期的に測定する段階と、
前記マーカの前記位置に基づいて身体機能を制御するように前記患者に指示する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項94】
放射線療法のための治療計画を作成する方法であって、
患者内に位置決めされたマーカの位置を位置測定モダリティを用いて該患者の外部の基準座標系に対して定期的に測定する段階と、
前記基準座標系における前記マーカの周期的な位置に基づいて身体機能を制御するように前記患者を訓練する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項95】
放射線療法における計画及び設定手順を統合する方法であって、
(a)患者内に位置決めされたマーカの位置を位置測定モダリティを用いて該患者の外部の基準座標系に対して定期的に測定し、(b)該マーカ位置に基づいてターゲットデータを判断することにより、該患者内のターゲットを治療するための治療計画を作成する段階と、
続いて、前記位置測定モダリティを用いて、前記患者が照射される予定の日に前記マーカの位置を定期的に測定することにより、前記ターゲットが前記ターゲットデータに従っているか否かを判断する段階と、
放射線送出装置の外部基準座標系において前記マーカの位置を定期的に測定することにより、該放射線送出装置の該外部基準座標系に前記患者を位置決めする段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項96】
患者内のターゲットが放射線送出装置を収容する放射線室の機械アイソセンターに対して位置決めされる放射線療法における治療画分を評価する方法であって、
放射線送出装置からの放射線ビームで患者を照射する段階と、
放射線室で前記患者を照射しながら、位置測定モダリティを用いて前記放射線送出装置の外部基準座標系に対して該患者内に位置決めされたマーカの位置を定期的に測定することにより、前記ターゲットのパラメータに関してターゲットデータを判断する段階と、
前記ターゲットデータを用いて前記ターゲットが所定の治療計画に従って照射されたか否かを評価する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項97】
前記ターゲットデータを判断する段階は、前記患者を照射しながら、前記マーカの位置を測定する非電離エネルギを使用して該マーカの位置を定期的に測定する段階を含むことを特徴とする請求項96に記載の方法。
【請求項98】
前記マーカは、磁気トランスポンダを含み、前記非電離エネルギは、該マーカの共振周波数で交番する無線で伝送される磁場を含み、
前記マーカから対応する位置信号を無線で送信する段階、前記患者の外部のセンサアレイを用いて該マーカからの該位置信号を感知する段階、及び前記放射線送出装置の前記外部基準座標系における該マーカの3次元位置座標を計算する段階、
を更に含むことを特徴とする請求項97に記載の方法。
【請求項99】
前記評価する手順に基づいて前記所定の治療計画を修正する段階を更に含むことを特徴とする請求項96に記載の方法。
【請求項100】
前記ターゲットが前記所定の治療計画に従って照射されたか否かを評価する段階は、
複数の時間間隔で前記放射線室の外部基準座標系における前記ターゲットの位置の客観値を計算する段階、及び
前記時間間隔で前記ターゲットの前記位置に前記放射線ビームのパラメータを相関させることにより、該ターゲットの領域に送出される放射線量レベルを計算する段階、
を更に含む、
ことを特徴とする請求項96に記載の方法。
【請求項101】
前記計算された放射線量レベルと前記所定の治療計画における望ましい放射線量レベルとの間の差異を特定することにより適応治療計画を作成する段階を更に含むことを特徴とする請求項100に記載の方法。
【請求項102】
前記ターゲットが前記所定の治療計画に従って照射されたか否かを評価する段階は、
複数の時間間隔で前記放射線室の外部基準座標系における前記ターゲットの位置の客観値を計算する段階と、
前記時間間隔で前記ターゲットの前記位置の前記計算した客観値に前記放射線送出装置のパラメータを相関させる段階と、
を更に含む、
ことを特徴とする請求項96に記載の方法。
【請求項103】
前記相関させる処理は、前記放射線送出装置の前記パラメータと前記ターゲットの前記位置の前記計算した客観値との間の前記相関関係からの値を該ターゲットに対する計画された治療マージンと比較する段階を更に含むことを特徴とする請求項102に記載の方法。
【請求項104】
治療計画における値と、前記放射線送出装置の前記パラメータと前記ターゲットの前記位置の前記計算した客観値との間の前記相関関係からの対応する値との間の偏差を判断する段階を更に含むことを特徴とする請求項102に記載の方法。
【請求項105】
前記評価する手順から治療結果を供給し、前記患者に付随する患者記録に該治療結果を記憶する段階を更に含むことを特徴とする請求項96に記載の方法。
【請求項106】
前記評価する処理は、(a)前記患者を照射しながら前記放射線送出装置のパラメータに関連するハードウエアデータを取得する段階、及び(b)該ハードウエアデータに前記ターゲットデータを相関させる段階を含むことを特徴とする請求項96に記載の方法。
【請求項107】
前記ターゲットデータは、前記患者を照射する間の時間間隔での前記放射線送出装置の前記外部基準座標系における前記ターゲットの3次元座標を含み、
前記ターゲットが照射された範囲を判断する段階、
を更に含むことを特徴とする請求項106に記載の方法。
【請求項108】
前記ハードウエアデータに前記ターゲットデータを相関させる段階は、前記照射する手順の対応する時間にターゲットデータ及びハードウエアデータを評価する段階を含むことを特徴とする請求項106に記載の方法。
【請求項109】
患者内のターゲットが放射線送出装置を収容する放射線室の機械アイソセンターに対して位置決めされる放射線療法における治療画分を評価する方法であって、
放射線送出装置から放射線ビームで患者を照射する段階と、
放射線室で前記患者を照射しながら、位置測定モダリティを用いて外部基準座標系に対して該患者内に位置決めされたマーカの位置を定期的に測定することにより、前記ターゲットのパラメータに関連するターゲットデータを判断する段階と、
前記放射線室の装置に取り付けられたハードウエアマーカの位置を定期的に測定することによりハードウエアデータを判断する段階と、
前記ターゲットデータ及び前記ハードウエアデータを用いて、前記ターゲットが所定の治療計画に従って照射されたか否かを評価する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項110】
前記ターゲットデータを判断する段階は、前記患者を照射しながら前記マーカの位置を測定する非電離エネルギを使用して該マーカの位置を定期的に測定する段階を含むことを特徴とする請求項109に記載の方法。
【請求項111】
前記マーカは、磁気トランスポンダを含み、前記非電離エネルギは、該マーカの共振周波数で交番する無線で伝送される磁場を含み、
前記マーカから対応する位置信号を無線で送信する段階、前記患者の外部のセンサアレイを用いて該マーカからの該位置信号を感知する段階、及び前記放射線送出装置の前記外部基準座標系における該マーカの3次元位置座標を計算する段階、
を更に含むことを特徴とする請求項110に記載の方法。
【請求項112】
前記評価する手順に基づいて前記所定の治療計画を修正する段階を更に含むことを特徴とする請求項109に記載の方法。
【請求項113】
前記ターゲットが前記所定の治療計画に従って照射されたか否かを評価する段階は、
複数の時間間隔で前記放射線室の外部基準座標系における前記ターゲットの位置の客観値を計算する段階、及び
前記時間間隔で前記ターゲットの前記位置に前記放射線ビームのパラメータを相関させることにより、該ターゲットの領域に送出される放射線量レベルを計算する段階、
を更に含む、
ことを特徴とする請求項109に記載の方法。
【請求項114】
前記計算された放射線量レベルと前記所定の治療計画における望ましい放射線量レベルとの間の差異を特定することにより適応治療計画を作成する段階を更に含むことを特徴とする請求項113に記載の方法。
【請求項115】
前記ターゲットが前記所定の治療計画に従って照射されたか否かを評価する段階は、
複数の時間間隔で前記放射線室の外部基準座標系における前記ターゲットの位置の客観値を計算する段階と、
前記時間間隔で前記ターゲットの前記位置の前記計算した客観値に前記放射線送出装置のパラメータを相関させる段階と、
を更に含む、
ことを特徴とする請求項109に記載の方法。
【請求項116】
前記相関させる処理は、前記放射線送出装置の前記パラメータと前記ターゲットの前記位置の前記計算した客観値との間の前記相関関係からの値を該ターゲットに対する計画された治療マージンと比較する段階を更に含むことを特徴とする請求項115に記載の方法。
【請求項117】
治療計画における値と、前記放射線送出装置の前記パラメータと前記ターゲットの前記位置の前記計算した客観値との間の前記相関関係からの対応する値との間の偏差を判断する段階を更に含むことを特徴とする請求項115に記載の方法。
【請求項118】
前記評価する手順から治療結果を供給し、前記患者に付随する患者記録に該治療結果を記憶する段階を更に含むことを特徴とする請求項109に記載の方法。
【請求項119】
前記ターゲットが前記所定の治療計画に従って照射されたか否かを評価する段階は、(a)前記患者を照射しながら前記放射線送出装置のパラメータに関連するハードウエアデータを取得する段階、及び(b)該ハードウエアデータに前記ターゲットデータを相関させる段階を含むことを特徴とする請求項109に記載の方法。
【請求項120】
前記ターゲットデータは、前記患者を照射する間の時間間隔での前記放射線送出装置の前記外部基準座標系における前記ターゲットの3次元座標を含み、
前記ターゲットが照射された範囲を判断する段階、
を更に含むことを特徴とする請求項119に記載の方法。
【請求項121】
前記ハードウエアデータに前記ターゲットデータを相関させる段階は、前記照射する手順の対応する時間にターゲットデータ及びハードウエアデータを評価する段階を含むことを特徴とする請求項119に記載の方法。
【請求項122】
放射線療法における治療画分の効能を評価する方法であって、
放射線送出装置の基準座標系に対する患者内に位置決めされたマーカの位置を、該患者が該放射線送出装置にいる間の実質的に連続した期間にわたって該マーカをモニタし、かつ該マーカ位置に対する客観的ターゲットデータを出力する位置測定システムを用いて定期的に測定する段階と、
所定の治療計画に従って前記放射線送出装置により生成された放射線ビームを使用して前記患者を照射する段階と、
前記患者を照射しながら前記放射線送出装置のハードウエアデータを記録する段階と、
前記患者が前記所定の治療計画に従って照射されたか否かを評価するために、前記ハードウエアデータに前記ターゲットデータを相関させる段階と、
を含むことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−507367(P2008−507367A)
【公表日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−522847(P2007−522847)
【出願日】平成17年7月25日(2005.7.25)
【国際出願番号】PCT/US2005/026447
【国際公開番号】WO2006/012631
【国際公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【出願人】(504233731)カリプソー メディカル テクノロジーズ インコーポレイテッド (6)
【Fターム(参考)】