説明

悪臭制御成分を有する食器用洗剤組成物、及び食器類の洗浄方法

悪臭制御成分を含む食器用洗剤組成物、及び食器類の洗浄方法が提供される。一部の実施形態において本食器用洗剤組成物は、少なくとも1種の揮発性アルデヒド及び酸触媒を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、悪臭制御成分を有する食器用洗剤組成物、及び食器類の洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
食器類洗浄用の香料入り食器用洗剤製品は、公知となっている。食器用洗剤メーカーは一般的に、汚れた食器類に付随する悪臭を被覆し、かつ好ましい香りを供給する香料技術を開発している。
【0003】
しかしながら、魚の悪臭などのアミン系の悪臭、及びニンニクや玉ねぎなどのイオウ系の悪臭は絶ちづらいため、市販製品を使用したからといって必ずしも全ての臭気が事実上制御されるとは限らない。更に、製品が悪臭に顕著な効果を示すまでに時間がかかると、製品の悪臭に対する有効性について消費者が不信を抱くおそれもある。例えば、製品による悪臭緩和が顕著になり始めないうちに、消費者が皿洗いを済ませてその場から離れてしまうこともあり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
広範囲の悪臭の克服における難しさは、悪臭を中和、被覆又は収容するために、製品の多様な品揃えが生じていることである。食器類を洗浄し、アミン系及びイオウ系の悪臭を含めた多様な悪臭に効果を発揮する一方、過度な香料なしでも悪臭を制することのできる食器用洗剤組成物に対するニーズは尽きない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態においては、(a)組成物の総量の約0.1重量%〜約20重量%のキーラントと、(b)アニオン性、非イオン性、カチオン性、両性、双極性、半極性、非イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される、組成物の総量の約5重量%〜約80重量%の界面活性剤と、(c)悪臭制御成分であって、前記悪臭制御成分が、悪臭を中和するための2種以上の揮発性アルデヒドを有効量含有し、前記2種以上の揮発性アルデヒドが、2−エトキシベンジルアルデヒド、2−イソプロピル−5−メチル−2−ヘキセナール、5−メチルフルフラール、5−メチル−チオフェン−カルボキシアルデヒド、アドキサール、p−アニスアルデヒド、ベンジルアルデヒド、ブルゲナール、桂皮アルデヒド、サイマール、デシルアルデヒド、フローラルスーパー、フロルヒドラル、ヘリオナール、ラウリルアルデヒド、リグストラール、リラール、メロナール、o−アニスアルデヒド、ピノアセトアルデヒド、P.T.ブシナール、チオフェンカルボキシアルデヒド、トランス−4−デセナール、トランストランス2,4−ノナジエナール、ウンデシルアルデヒド及びこれらの混合物からなる群から選択される、悪臭制御成分と、を含む、食器用洗剤組成物が提供されている。
【0006】
別の実施形態では(a)キーラントと、(b)アニオン性、非イオン性、カチオン性、両性、双極性、半極性、非イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される界面活性剤と、(c)悪臭制御成分と、を含み、この悪臭制御成分が(i)少なくとも1種の揮発性アルデヒドと、(ii)25℃において蒸気圧が約0.01〜約13の酸触媒と、(b)前記組成物の約1重量%〜約5重量%の低分子量一価アルコールと、を含む、食器用洗剤組成物が提供される。
【0007】
別の実施形態では、請求項1に記載の組成物を前記食器類に塗布する工程と、前記食器類から前記組成物をすすぎ落とす工程と、を含む食器類の洗浄方法が提供されている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】チオフェンカルボキシアルデヒドを数種の酸触媒と化合させて得られるブタンチオールの還元量を示したグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、油脂洗浄力に優れ上品な輝きを与えると共に悪臭制御をも見事に実現した、食器用洗剤組成物に関する。
【0010】
「洗浄」とは、洗浄、及び/又は消毒のために表面に適用することを意味する。
【0011】
「食器類」は、セラミック、陶器、金属、ガラス、プラスチック(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなど)及び木で作製された食器、グラス、深鍋、鍋、焼き皿及び食卓食器などの表面を意味する。
【0012】
「液体食器用洗剤組成物」とは、手動(すなわち、手)食器洗いで使用される組成物を指す。このような組成物は一般的には、本来起泡性又は発泡性が高い。
【0013】
「油脂」とは、少なくとも一部(すなわち、油脂の少なくとも0.5重量%)に飽和及び不飽和の脂肪類及び油類、あるいは牛肉及び/又は鶏肉のような動物性原料に由来する油類及び脂肪類を含んでいる物質を意味する。
【0014】
「悪臭」は、排便に関する複合的な臭気などの、通常、ほとんどの人にとって嫌な又は不快な化合物を指す。
【0015】
「中和する」又は「中和」は、悪臭化合物を低減又は除去する化合物又は製品の能力を指す。臭気の中和は部分的であってもよく、所定の状況で複数種の悪臭化合物のいくつかのみに作用するか、又は、1種の悪臭化合物の一部のみに作用する。悪臭化合物は化学反応により中和されて、金属イオン封鎖により、キレート化により、会合により、又は、悪臭化合物の悪臭を低下させる若しくは悪臭が全くしないようにするいずれかの他の相互作用により、新たな化学物質を生じ得る。臭気の中和は、悪臭化合物の状態に対応する変化が全くない悪臭を認識する能力における変化とは対照的に、悪臭化合物における変化によるものであり、臭気被覆又は臭気ブロックから区別され得る。
【0016】
「起泡特性」とは、本発明の組成物の液体洗剤組成物の使用によりもたらされる、洗浄プロセスの全体を通じた泡立ちの量(多さ又は少なさ)及び泡立ちの一貫性(持続的な起泡性)を意味する。本明細書で使用するとき、「高起泡性」は、高起泡性(すなわち消費者に許容されると考えられる起泡レベル)であり、かつ起泡を維持する(すなわち食器洗い作業にわたって高レベルで起泡が維持される)という両方である、食器手洗い用液体洗剤組成物を指す。このことは、消費者が、高い起泡性を洗剤組成物の性能の目安として用いることから、食器洗い用液体洗剤組成物に関して特に重要である。更に、食器洗い用液体洗剤組成物の消費者は、洗浄液がまだ活性洗剤成分を含有している目安としても、起泡特性を使用する。消費者は、通常、起泡がなくなったときに洗浄液を新しくする。したがって、少ない起泡性の食器用液体洗剤組成物の製剤は、少ない起泡レベルのために、消費者によって、必要以上に頻繁に取り替えられる傾向がある。
【0017】
I.食器洗浄用洗剤組成物
食器用洗剤組成物は概して水性液体担体を30%〜95%、あるいは40%〜80%、あるいは50%〜75%含有し、その水性液体担体に他の必須及び任意の組成物成分が溶解、分散、又は懸濁されている。
【0018】
A.キレート剤
本発明の組成物は、キーラントを組成物の総量の0.1重量%〜20%重量%、あるいは0.2重量%〜5重量%、あるいは0.2重量%〜3重量%の濃度で含む。
【0019】
洗剤分野において通常理解されるように、キレート化は、本明細書において、二座配位子又は多座配位子の結合又は錯化を意味する。多くの場合有機化合物であるこれら配位子は、キーラント、キレート化剤、キレート剤、及び/又は金属イオン封鎖剤と呼ばれる。キレート剤は、単一金属イオンと多重結合を形成する。キレート剤は、特定の金属イオンと可溶性錯体分子を形成する化学物質であり、これらイオンが他の構成成分又はイオンと正常に反応して沈殿物又はスケールを生成することができないように、これらイオンを不活性化する。配位子は、基質とキレート錯体を形成する。この用語は、金属イオンがキーラントの2つ以上の原子と結合する錯体のためにある。本発明で使用されるキーラントは、結晶成長抑制特性を有するものであり、すなわち、小さなカルシウム及び炭酸マグネシウム粒子と相互作用して、それらが硬いスケール沈積に凝集するのを防止するものである。粒子は互いに反発し合い、水中に懸濁したままとなる、又は沈殿し得る緩い凝集塊を形成する。これら緩い凝集塊は容易に洗い流されて、堆積物を形成しない。
【0020】
好適なキレート剤は、アミノカルボキシレート、アミノホスホネート、多官能置換された芳香族キレート剤、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0021】
本明細書で用いるのに好適なキーラントとしては、アミノ酸系キーラント、あるいはグルタミン酸−N,N−二酢酸及び誘導体並びに/又はホスホネート系キーラント、あるいはジエチレントリアミンペンタメチルホスホン酸も挙げられる。
【0022】
アミノカルボキシレートとしては、エチレンジアミンテトラアセテート、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミントリアセテート、ニトリロ−トリ−アセテート、エチレンジアミンテトラプロプリオネート、トリエチレンテトラアミンヘキサアセテート、ジエチレントリアミンペンタアセテート、及びエタノールジグリシン、これらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、及び置換アンモニウム塩、並びにこれらの混合物が挙げられる。加えて、MGDA(メチル−グリシン−二酢酸)並びにその塩及び誘導体、並びに、GLDA(グルタミン酸−N,N−二酢酸)並びにその塩及び誘導体が挙げられる。一実施形態において本組成物は、GLDA(塩類及びその誘導体)を含む。別の実施形態において本組成物は、四ナトリウム塩を含む。
【0023】
他の好適なキレート剤には、アミノ酸ベースの化合物又はコハク酸塩ベースの化合物が挙げられる。用語「コハク酸塩ベースの化合物」及び「コハク酸ベースの化合物」は、本明細書において互換的に使用される。他の好適なキレート剤は、米国特許第6,426,229号で述べられている。特に好適なキレート剤としては、例えば、アスパラギン酸−N−一酢酸(ASMA)、アスパラギン酸−N,N−二酢酸(ASDA)、アスパラギン酸−N−モノプロピオン酸(ASMP)、イミノジコハク酸(IDS)、イミノジ酢酸(IDA)、N−(2−スルホメチル)アスパラギン酸(SMAS)、N−(2−スルホエチル)アスパラギン酸(SEAS)、N−(2−スルホメチル)グルタミン酸(SMGL)、N−(2−スルホエチル)グルタミン酸(SEGL)、N−メチルイミノ二酢酸(MIDA)、□−アラニン−N,N−二酢酸(□−ALDA)、セリン−N,N−二酢酸(SEDA)、イソセリン−N,N−二酢酸(ISDA)、フェニルアラニン−N,N−二酢酸(PHDA)、アントラニル酸−N,N−二酢酸(ANDA)、スルファニル酸−N,N−二酢酸(SLDA)、タウリン−N,N−二酢酸(TUDA)、及びスルホメチル−N,N−二酢酸(SMDA)、並びにアルカリ金属塩類又はそれらのアンモニウム塩類が挙げられる。同様に適しているのは、エチレンジアミンジコハク酸(「EDDS」)、特に米国特許第4,704,233号記載のような(S,S)−異性体である。更に、ヒドロキシエチレンイミノ二酢酸、イミノジコハク酸ヒドロキシ、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸もまた好適である。
【0024】
他のキレート剤には、ポリカルボン酸及びこれらの部分又は完全中和した塩のホモポリマー並びにコポリマー、モノマー性ポリカルボン酸及びヒドロキシカルボン酸並びにこれらの塩が挙げられる。上記化合物の好適な塩は、アンモニウム及び/又はアルカリ金属塩、すなわち、リチウム塩、ナトリウム塩及びカリウム塩である。
【0025】
好適なポリカルボン酸は、非環式、脂環式、複素環式及び芳香族カルボン酸であり、これらの場合において少なくとも2つのカルボキシル基が含まれ、これらはそれぞれ、互いに離れた場所に分離され、あるいはわずか炭素原子2つ分、互いに離れている。2つのカルボキシル基を含むポリカルボキシレートは、例えばマロン酸、(エチレンジオキシ)二酢酸、マレイン酸、ジグリコール酸、酒石酸、タルトロン酸、及びフマル酸の水溶性の塩を含む。3つのカルボキシル基を含有するポリカルボキシレートとしては、例えば水溶性クエン酸塩が挙げられる。それに相応するものとして、好適なヒドロキシカルボン酸は、例えばクエン酸である。他の好適なポリカルボン酸は、アクリル酸のホモポリマーである。一実施形態において本組成物は、スルホネートで末端封鎖されたポリカルボン酸塩を含有している。
【0026】
アミノホスホネートもまた、キレート剤として使用するのに好適であり、DEQUESTのようなエチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホネート)が挙げられる。一実施形態では、炭素原子が約6個を超えるアルキル基又はアルケニル基のないアミノホスホネートも、本組成物に包含される。
【0027】
米国特許第3,812,044号に記載のような、多官能置換された芳香族キレート剤もまた、本明細書の組成物に有用である。一実施形態においては、1,2―ジヒドロキシ―3,5―ジスルホベンゼンなどのジヒドロキシジスルホベンゼン誘導体も、本組成物に包含される。
【0028】
本明細書に用いるのに更に好適なポリカルボキシレートキーラントとしては、クエン酸、乳酸、酢酸、コハク酸、ギ酸が挙げられ、それらは全て別の態様として水溶性塩の形態を取る。他の好適なポリカルボキシレートは、オキソジスクシネート、カルボキシメチルオキシコハク酸、及び米国特許第4,663,071号に記載されているようなタータラートモノコハク酸とタータラート二コハク酸の混合物である。
【0029】
B.界面活性剤
本発明の組成物は、アニオン性、非イオン性、カチオン性、両性、双極性、半極性、非イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物から選択される界面活性剤を含んでもよい。組成物の界面活性剤は、10重量%超過、あるいは20重量%超過、あるいは30重量%超過、あるいは40重量%超過のアルキル鎖の平均分枝を有する。
【0030】
本発明の界面活性剤は、一般に、組成物の総量の5重量%〜80重量%、あるいは10重量%〜60重量%、あるいは12重量%〜45重量%の濃度で存在する。
【0031】
一実施形態において本発明の組成物は、非イオン性界面活性剤を更に含み、その時の総界面活性剤と非イオン性界面活性剤の重量比は2〜10、あるいは2〜7.5、あるいは2〜6である。
【0032】
以下に記載の界面活性剤は、直鎖バージョン及び/又は分枝バージョンで使用され得る。
【0033】
1.非イオン性界面活性剤
非イオン性界面活性剤あるいは分枝状非イオン性界面活性剤を添加すると、食器表面の結晶膜の形成を効果的に防止し、表面の湿潤を改善し、その結果上品な輝きを与えることが見出された。
【0034】
非イオン性界面活性剤の典型的な含有量は、液体洗剤組成物の2重量%〜40重量%あるいは3重量%〜30重量%であり、あるいは組成物の総量の3重量%〜20重量%である。好適な非イオン性界面活性剤としては、脂肪族アルコールと1〜25モルのエチレンオキシドとの縮合生成物が挙げられる。脂肪族アルコールのアルキル鎖は、直鎖又は分枝鎖状の、一級又は二級でよく、一般的に炭素数が8〜22である。一実施形態では、8〜18の炭素原子、あるいは9〜15の炭素原子を含有するアルキル基を有し、アルコール1モルにつき2〜18モル、あるいは2〜15モル、あるいは5〜12モルのエチレンオキシドを伴う、アルコールの縮合生成物も、本組成物に含まれる。
【0035】
式R2O(Cn2nO)t(グリコシル)x(式(III))を有するアルキルポリグリコシドも好適であり、式(III)中のR2は、アルキル、アルキルフェニル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルフェニル、及びこれらの混合物からなる群から選択され、アルキル基は、10〜18個、あるいは12〜14個の炭素原子を含有し、式(III)のnは、2又は3、あるいは2であり、式(III)のtは、0〜10、あるいは0であり、式(III)のxは、1.3〜10、あるいは1.3〜3であり、大抵は別の態様として1.3〜2.7である。グリコシルは別の態様ではグルコースから誘導される。同様に好適なものは、アルキルグリセロールエーテル及びソルビタンエステルである。
【0036】
式(IV)を有する脂肪酸アミド界面活性剤もまた好適である。
【0037】
【化1】

式中、式(IV)のR6は、7〜21個、あるいは9〜17個の炭素原子を含有するアルキル基であり、式(IV)のR7は、それぞれ水素、C1〜C4アルキル、C1〜C4ヒドロキシアルキル、及び−(C24O)xHからなる群から選択され、式(IV)のxは1から3まで変わる。好適なアミドは、C8〜C20アンモニアアミド、モノエタノールアミド、ジエタノールアミド、及びイソプロパノールアミドである。
【0038】
本発明で使用するのに好適な非イオン性界面活性剤は、脂肪族アルコールとエチレンオキシドとの縮合生成物であり、市販の平均8個のEOユニットで修飾されたNeodol 91−5又はNeodol 91−8のような、例えば、平均5個のエチレンオキシド(EO)ユニットで修飾されたノニル(C9)、デシル(C10)ウンデシル(C11)アルコールの混合物などである。更に好適なのは、例えば、5個のEOで修飾されたC12、C13(Neodol 23−5)などの、長アルキル鎖のエトキシ化非イオン性物質である。NeodolはShellの商標名である。更に好適なのは、7個のEOで修飾されたC12、C14アルキル鎖であり、商標名Novel 1412−7(Sasol)、又はLutensol A7N(BASF)で市販されている。
【0039】
好適な分枝状非イオン性物質は、5個のEOで修飾されたC10アルコールエトキシレートであり、例えば、市販のLutensol XLシリーズ(Xl50、XL70、...)のような、(EO及びPO=プロピレンオキシドで修飾された)Ethylan 1005、Lutensol XP50、及びGuerbet C10アルコールアルコキシル化非イオン性物質などである。他の分枝としてはまた、オキソ分枝状非イオン性界面活性剤、例えば、Lutensol ON 50(5個のEO)及びLutensol ON70(7個のEO)などが挙げられる。他の好適な分枝状非イオン性物質は、イソトリデシルアルコールから誘導されるもの、及びエチレンオキシドで修飾されるもの、例えば、BASFからのLutensol TO7(7EO)及びSasolからのMarlipal O 13/70(7EO)などである。更に好適なのは、Sasolのsafol(商標)アルコールから生成されるもののような、最大50%分枝(40%メチル(モノ又はバイ)、10%シクロヘキシル)を含むFisher & Troshp反応で生じるエトキシル化脂肪族アルコール;SasolのIsalchem(商標)アルコール又はLial(商標)アルコールから生成されるもののような、アルコールの少なくとも50重量%がC2異性体(メチル〜ペンチル)である、オキソ反応で生じるエトキシル化脂肪族アルコール;ShellのNeodol(商標)アルコールから生成されるもののような、アルコールの少なくとも15重量%がC2異性体(メチル〜ペンチル)である、改良オキソ反応で生じるエトキシル化脂肪族アルコールである。
【0040】
2.両性/双極性界面活性剤
両性及び双極性界面活性剤は、組成物の0.01重量%〜20%重量%、あるいは0.2重量%〜15重量%、あるいは0.5重量%〜10重量%の濃度で存在してもよい。本発明の組成物は、アミンオキシド及び/又はベタインを更に含んでもよい。
【0041】
一実施形態では、ココジメチルアミンオキシド又はココアミドプロピルジメチルアミンオキシドである、アミンオキシドも、本組成物に含まれる。アミンオキシドは、直鎖又は中程度分枝状アルキル部分を有し得る。典型的な直鎖アミンオキシドとしては、1つのR1 C8〜18アルキル部分と、C1〜3アルキル基及びC1〜3ヒドロキシアルキル基からなる群から選択される2つのR2及びR3部分と、を含有する水溶性アミンオキシドが挙げられる。別の態様ではアミンオキシドは、式R1−N(R2)(R3)→Оにより特徴付けられ、式中、R1はC8〜18アルキルであり、R2及びR3はメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル及び3−ヒドロキシプロピルからなる群から選択される。直鎖アミンオキシド界面活性剤としては、特に、直鎖C10〜C18アルキルジメチルアミンオキシド及び直鎖C8〜C12アルコキシエチルジヒドロキシエチルアミンオキシドが挙げられ得る。好適なアミンオキシドとしては、直鎖C10、直鎖C10〜C12、及び直鎖C12〜C14アルキルジメチルアミンオキシドが挙げられる。
【0042】
本明細書で使用するとき、「中程度分枝状(mid-branched)」とは、アミンオキシドが、n1の炭素原子を有する1つのアルキル部分を有し、アルキル部分の1つのアルキル分枝が、n2の炭素原子を有することを意味する。アルキル分枝は、アルキル部分の窒素からのα炭素に位置する。アミンオキシドのこの種類の分枝は、内在アミンオキシドとしても当該技術分野において知られている。n1とn2の合計の総量は、10〜24個、あるいは12〜20個、あるいは10〜16個の炭素原子である。1つのアルキル部分に対する炭素原子の数(n1)は、1つのアルキル分枝(n2)とおよそ同数の炭素原子であって、その1つのアルキル部分と1つのアルキル分枝とが対称となるようにされるべきである。本明細書で使用されている「対称」は、本明細書で用いられる中分枝状アミンオキシドの少なくとも50重量%、あるいは少なくとも75重量%〜100重量%で、|n1−n2|が5以下、あるいは4、あるいは0〜4の炭素原子であることを意味する。
【0043】
アミンオキシドは、C1〜3アルキル、C1〜3ヒドロキシアルキル基、又は平均で約1〜約3個のエチレンオキシド基を含有するポリエチレンオキシド基から独立に選択される2つの部分を更に含む。この2つの部分は別の態様ではC1〜3アルキルから選択され、あるいは両方がC1アルキルとして選択される。
【0044】
他の好適な界面活性剤としては、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アミドアゾリニウムベタイン、スルホベタイン(INCIスルタイン)並びにホスホベタインなどのベタインが挙げられ、あるいは次の式(I):R1−[CO−X(CH2nx−N+(R2)(R3)−(CH2m−[CH(OH)−CH2y−Y−(I)に合致する。
式中、
1は飽和又は不飽和C6〜22アルキル残基であり、あるいはC8〜18アルキル残基、特に飽和C10〜16アルキル残基であり、例えば飽和C12〜14アルキル残基であり、
XはNH、C1〜4アルキル残基R4を有するNR4、O、又はSであり、
nは1〜10の数、あるいは2〜5、特に3であり、
xは0又は1、あるいは1であり、
2、R3は独立して、ヒドロキシエチル、あるいはメチルなどのヒドロキシ置換される可能性のあるC1〜4アルキル残基であり、
mは1〜4の数であり、特に1、2又は3であり、
yは0又は1であり、
YはCOO、SO3、OPO(OR5)O又はP(O)(OR5)Oであり、R5は水素原子Hであるか又はC1〜4アルキル残基である。
【0045】
好適なベタインは式(Ia)のアルキルベタイン、式(Ib)のアルキルアミドベタイン、式(Ic)のスルホベタイン及び式(Id)のアミドスルホベタインであり、
1−N+(CH32−CH2COO- (Ia)
1−CO−NH(CH23−N+(CH32−CH2COO- (Ib)
1−N+(CH32−CH2CH(OH)CH2SO3− (Ic)
1−CO−NH−(CH23−N+(CH32−CH2CH(OH)CH2SO3−(Id)式中、R11は式(I)中のものと同様のものを意味する。好適なベタインはカルボベタインであり
[式中、Y-=COO-]、特に式(Ia)及び(Ib)のカルボベタイン、あるいは式(Ib)のアルキルアミドベタインである。]
【0046】
好適なベタイン及びスルホベタインの例は以下のものである[INCIに従って表記している]:アーモンドアミドプロピルベタイン、アプリコットアミドプロピルベタイン、アボカドアミドプロピルベタイン、ババスアミドプロピルベタイン、ベヘナミドプロピルベタイン、ベヘニルベタイン、ベタイン、キャノーラアミドプロピルベタイン、カプリル/カプラミドプロピルベタイン、カルニチン、セチルベタイン、コカミドエチルベタイン、コカミドプロピルベタイン、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン、ココベタイン、ココヒドロキシスルタイン、ココ/オレアミドプロピルベタイン、ココスルタイン、デシルベタイン、ジヒドロキシエチルオレイルグリシネート、ジヒドロキシエチル大豆グリシネート、ジヒドロキシエチルステアリルグリシネート、ジヒドロキシエチルタローグリシネート、PG−ベタインのプロピルジメチコーン、エルカミドプロピルヒドロキシスルタイン、水素添加タローベタイン、イソステアラミドプロピルベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン、ラウリルヒドロキシスルタイン、ラウリルスルタイン、ミルクアミドプロピルベタイン、ミンクアミドプロピルベタイン、ミリスタミドプロピルベタイン、ミリスチルベタイン、オレアミドプロピルベタイン、オレアミドプロピルヒドロキシスルタイン、オレイルベタイン、オリーブアミドプロピルベタイン、ヤシアミドプロピルベタイン、パルミタミドプロピルベタイン、パルミトイルカルニチン、ヤシ仁アミドプロピルベタイン、ポリテトラフルオロエチレンアセトキシプロピルベタイン、リシノール酸アミドプロピルベタイン、セサミドプロピルベタイン、ソイアミドプロピルベタイン、ステアラミドプロピルベタイン、ステアリルベタイン、タローアミドプロピルベタイン、タローアミドプロピルヒドロキシスルタイン、タローベタイン、タロージヒドロキシエチルベタイン、ウンデシレンアミドプロピルベタイン、及び小麦胚芽アミドプロピルベタイン。一実施形態では、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン(Cocoamidopropylbetain)も本組成物に包含される。
【0047】
3.アニオン性界面活性剤
本発明の組成物及び方法で使用するのに好適なアニオン性界面活性剤はサルフェート、スルホサクシネート、スルホアセテート及び/又はスルホネートであり、あるいはアルキルサルフェート及び/又はアルキルエトキシサルフェートであり、あるいは組み合わせたエトキシル化度が5未満、あるいは3未満、あるいは2未満である、アルキルサルフェート及び/又はアルキルエトキシサルフェートの組み合わせである。
【0048】
サルフェート又はスルホネート界面活性剤は、典型的には液体洗剤組成物の少なくとも5重量%、あるいは5重量%〜40重量%、あるいは15重量%〜30重量%、あるいは15重量%〜25重量%の濃度で存在する。
【0049】
本明細書の組成物で使用するのに好適なサルフェート又はスルホネート界面活性剤としては、C10〜C14アルキル若しくはヒドロキシアルキル、サルフェート又はスルホネートの水溶性塩又は酸が挙げられる。好適な対イオンには、水素、アルカリ金属カチオン、又はアンモニウム若しくは置換アンモニウムが挙げられるが、別の態様ではナトリウムである。ヒドロカルビル鎖は分岐状である場合、別の態様ではC1〜4のアルキル分岐単位を含む。スルフェート又はスルホネート界面活性剤の平均分岐率は、別の態様では全ヒドロカルビル鎖の30%超、あるいは35%〜80%、あるいは40%〜60%である。
【0050】
サルフェート又はスルホネート界面活性剤は、C11〜C18アルキルベンゼンスルホネート(LAS)、C8〜C20第一級分枝鎖及びランダムアルキルサルフェート(AS)、C10〜C18第二級(2,3)アルキルサルフェート、C10〜C18アルキルアルコキシサルフェート(AExS)であって、あるいはxが1〜30であるもの、あるいは1〜5個のエトキシ単位を含む、C10〜C18アルキルアルコキシカルボキシレート;米国特許第6,020,303号及び同第6,060,443号で考察される中鎖分枝状アルキルサルフェート、同第6,008,181号及び同第6,020,303号で考察される中鎖分枝状アルキルアルコキシサルフェート、国際特許公開第99/05243号、同第99/05242号、同第99/05244号、同第99/05082号、同第99/05084号、同第99/05241号、同第99/07656号、同第00/23549号、及び同第00/23548号で考察される変性アルキルベンゼンスルホネート(MLAS)、メチルエステルスルホネート(MES)、並びにα−オレフィンスルホネート(AOS)から選択されてよい。
【0051】
パラフィンスルホネートは、モノスルホネート又はジスルホネートであってもよく、普通はこれらの混合物であり、10〜20個の炭素原子のパラフィンのスルホネート化により得られる。好適なスルホネートは、C12〜18の炭素原子鎖有のものであり、あるいはC14〜17鎖のものである。パラフィン鎖に沿って分布されたスルホネート基を有するパラフィンスルホネートは、米国特許第2,503,280号;同第2,507,088号;同第3,260,744号;同第3,372 188号及び独国特許第735 096号に記載されている。
【0052】
更に好適なのは、WO06/014740に記載のアルキルグリセリルスルホネート界面活性剤及び/又はアルキルグリセリルサルフェート界面活性剤、すなわち、二量体、三量体、四量体、五量体、六量体、七量体、及びこれらの混合物から選択される、オリゴマーのアルキルグリセリルスルホネート及び/又はサルフェート界面活性剤混合物であり、モノマーの重量パーセントは、アルキルグリセリルスルホネート及び/又はサルフェート界面活性剤混合物の0重量%〜60重量%である。
【0053】
他の好適なアニオン性界面活性剤は、アルキル、あるいはジアルキルスルホサクシネート及び/又はスルホアセテートである。ジアルキルスルホサクシネートは、C6〜15直鎖又は分枝鎖ジアルキルスルホサクシネートであり得る。アルキル部分は、対称(すなわち同じアルキル部分)であっても非対称(すなわち異なるアルキル部分)であってもよい。別の態様では、アルキル部分は対称である。
【0054】
最も一般的な分枝状アニオン性アルキルエーテルサルフェートは、分枝状アルコール及びアルコールエトキシレートの混合物の硫酸化によって得られる。更に好適なのは、Sasolのsafol(商標)アルコールから生成されるもののような、最大50%分枝(40%メチル(モノ又はバイ)、10%シクロヘキシル)を含むFisher & Troshp反応で生じる硫酸化脂肪族アルコール;SasolのIsalchem(商標)アルコール又はLial(商標)アルコールから生成されるもののような、アルコールの少なくとも50重量%がC2異性体(メチル〜ペンチル)である、オキソ反応で生じる硫酸化脂肪族アルコール;ShellのNeodol(商標)アルコールから生成されるもののような、アルコールの少なくとも15重量%がC2異性体(メチル〜ペンチル)である、改良オキソ反応で生じる硫酸化脂肪族アルコールである。
【0055】
4.カチオン性界面活性剤
組成物に存在する場合、カチオン性界面活性剤は、有効量で、あるいは組成物の0.1重量%〜20重量%で存在する。好適なカチオン性界面活性剤は、第四級アンモニウム界面活性剤である。好適な第四級アンモニウム界面活性剤は、モノC6〜C16、あるいはC6〜C10 N−アルキル又はアルケニルアンモニウム界面活性剤からなる群から選択され、残りのN位はメチル、ヒドロキシエチル(hydroxyehthyl)、又はヒドロキシプロピル基によって置換される。別の好適なカチオン性界面活性剤は、第四級クロリンエステルのような、第四級アンモニウムアルコールのC6〜C18アルキル又はアルケニルエステルである。別の態様では、カチオン性界面活性剤は、式(V)を有する。
【0056】
【化2】

式中、式(V)のR1は、C8〜C18ヒドロカルビル及びこれらの混合物、あるいはC8〜14アルキル、あるいはC8、C10又はC12のアルキルであり、式(V)のXは、アニオン、あるいは塩化物又は臭化物である。
【0057】
C.洗浄ポリマー
本発明の組成物は、1種以上のアルコキシル化ポリエチレンイミンポリマーを更に含み得る。組成物は、国際公開特許第2007/135645号の2頁33行目〜5頁5行目に記載され、及び5〜7頁の実施例1〜4に例示のように、組成物の0.01重量%〜10重量%、あるいは0.01重量%〜2重量%、あるいは0.1重量%〜1.5重量%、あるいは0.2重量%〜1.5重量%のアルコキシル化ポリエチレンイミンポリマーを含み得る。
【0058】
本発明の組成物のアルコキシル化ポリエチレンイミンポリマーは、400〜10000の重量平均分子量、あるいは400〜7000の重量平均分子量、あるいは3000〜7000の重量平均分子量を有するポリエチレンイミン主鎖を有する。
【0059】
これらのポリアミンは、例えば、二酸化炭素、亜硫酸水素ナトリウム、硫酸、過酸化水素、塩酸、及び酢酸などのような触媒の存在下でエチレンイミンを重合することによって調製できる。
【0060】
ポリエチレンイミン主鎖のアルコキシル化としては、(1)ポリエチレンイミン主鎖中の内部窒素原子又は末端窒素原子にて修飾が生じるかどうかによって、窒素原子1個あたり1又は2個のアルコキシル化修飾であって、このアルコキシル化修飾が、修飾1個あたり平均約1〜約40個のアルコキシ部分を有するポリアルコキシレン鎖上の水素原子の置換からなり、アルコキシル化修飾の末端アルコキシ部分が水素、C1〜C4アルキル、又はこれらの混合物で末端封鎖されるアルコキシル化修飾、(2)窒素原子1個あたり1つのC1〜C4アルキル部分又はベンジル部分の置換及びポリエチレンイミン主鎖中の内部窒素原子又は末端窒素原子にて置換が生じるかどうかによって1つ又は2つのアルコキシル化修飾であって、このアルコキシル化修飾が、修飾1個あたり平均約1〜約40個のアルコキシ部分を有するポリアルコキシレン鎖による水素原子の置換からなり、末端アルコキシ部分が水素、C1〜C4アルキル、又はこれらの混合物で末端封鎖されている置換、あるいは(3)これらの組み合わせが挙げられる。
【0061】
組成物は更にグラフトベースとしての水溶性ポリアルキレンオキシド(A)、及びビニルエステル構成要素の重合により形成される側鎖(B)に基づく両親媒性グラフトポリマーを含むことができ、このようなポリマーは、BASFの特許出願、国際公開第2007/138053号の、2頁の14行目〜10頁の34行目の記載、及び15〜18頁の例示にあるように、アルキレンオキシド単位50個あたり平均≦1のグラフト部位と、3,000〜100,000の平均モル質量Mwとを有する。
【0062】
D.塩及び溶媒
塩及び溶媒は、一般に、溶解、濃度及び審美性に関して好ましい製品品質を確実にするため、及びより良好なプロセッシングを確実にするために使用される。塩類が含まれる場合、イオンは、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、及び/又はマグネシウムから、あるいはナトリウム及びマグネシウムから選択可能であり、水酸化塩、クロリド塩、酢酸塩、硫酸塩、ギ酸塩、酸化物塩又は硝酸塩として本明細書の組成物に添加される。塩類は一般に、液体洗剤組成物の0.01重量%〜5重量%、あるいは0.015重量%〜3重量%、あるいは0.025重量%〜2.0重量%の活性濃度で存在する。一実施形態では、追加のマグネシウムイオンを回避してもよい。
【0063】
好適な溶媒としては、式R−OHのC1〜C5アルコールが挙げられる。式中のRは炭素原子が1〜5個、あるいは2〜4個の直鎖飽和アルキル基である。好適なアルコールは、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、又はこれらの混合物である。他の好適なアルコールは、式R(A0n−ohのアルコキシル化C1〜8アルコールであり、式中のRは炭素原子が1〜8個、あるいは3〜6個の線状アルキル基であり、Aはアルコキシ基、あるいはプロポキシ基及び/又はエトキシ基であり、nは1〜5、あるいは1〜2の整数である。好適なアルコールは、ブトキシプロポキシプロパノール(n−BPP)、ブトキシプロパノール(n−BP)ブトキシエタノール、又はこれらの混合物である。本明細書で使用する好適なアルコキシル化芳香族アルコールは、式R(B)n−OHのものであり、式中のRは炭素原子が1〜20個、あるいは2〜15個、より好ましくは2〜10個のアルキル置換又はアルキル非置換アリール基であり、Bは、アルコキシ基、あるいはブトキシ基、プロポキシ基及び/又はエトキシ基であり、nは1〜5、あるいは1〜2の整数である。好適なアルコキシル化芳香族アルコールは、ベンゾイエタノール(benzoyethanol)及び/又はベンゾイプロパノール(benzoypropanol)である。本明細書で使用する好適な芳香族アルコールは、ベンジルアルコールである。他の好適な溶媒としては、ブチルジグリコールエーテル、ベンジルアルコール、プロポキシプロポキシプロパノール(欧州特許第0 859 044号)エーテル及びジエーテル、グリコール、アルコキシル化グリコール、C6〜C16グリコールエーテル、アルコキシル化芳香族アルコール、芳香族アルコール、脂肪族分枝状アルコール、アルコキシル化脂肪族分枝状アルコール、アルコキシル化線状C1〜C5アルコール、線状C1〜C5アルコール、アミン、C8〜C14アルキル及びシクロアルキル炭化水素及びハロ炭化水素、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0064】
液体洗剤組成物(存在する場合)は、本組成物の0.01重量%〜20重量%、あるいは0.5重量%〜20重量%、あるいは1重量%〜10重量%の溶媒を含有していてもよい。これらの溶媒は、水のような水性液体キャリアと組み合わせて使用されてもよく、又はいずれの水性液体キャリアも存在させることなしに使用されてもよい。
【0065】
E.ヒドロトロープ
本発明の食器用洗剤組成物は、液体洗剤組成物が水に適切に相溶するように、所望によりヒドロトロープを有効量で含んでもよい。本明細書で使用するのに好適なヒドロトロープとしては、アニオン型のヒドロトロープ、特にキシレンスルホン酸ナトリウム、キシレンスルホン酸カリウム、及びキシレンスルホン酸アンモニウム、トルエンスルホン酸ナトリウム、トルエンスルホン酸カリウム、及びトルエンスルホン酸アンモニウム、クメンスルホン酸ナトリウム、クメンスルホン酸カリウム、及びクメンスルホン酸アンモニウム、並びにこれらの混合物、並びに米国特許第3,915,903号に開示されている関連する化合物が挙げられる。
【0066】
本発明の組成物は、典型的には、ヒドロトロープ、又はその混合物を液体洗剤組成物の0重量%〜15重量%、あるいは1重量%〜10重量%、あるいはごく一般的には3重量%〜6重量%で含む。
【0067】
F.高分子泡安定剤
本発明の組成物は、高分子泡安定剤を任意に含有してもよい。これらの高分子泡安定剤は、液体洗剤組成物の起泡量及び起泡持続時間の増大をもたらす。これらの高分子泡安定剤は、(N,N−ジアルキルアミノ)アルキルエステル及び(N,N−ジアルキルアミノ)アルキルアクリレートエステルのホモポリマーから選択され得る。従来のゲル浸透クロマトグラフィーによって決定される高分子泡増進剤の重量平均分子量は、1,000〜2,000,000、あるいは5,000〜1,000,000、あるいは10,000〜750,000、あるいは20,000〜500,000であり、更に別の態様では35,000〜200,000である。高分子泡安定剤は所望により、無機又は有機の塩のいずれかの塩、例えば(N,N−ジメチルアミノ)アルキルアクリレートエステルのクエン酸塩、硫酸塩、又は硝酸塩の形態で存在できる。
【0068】
一実施形態では、(N、N―ジメチルアミノ)アルキルアクリレートエステル、すなわち式(VII)で表されるアクリレートエステルである、泡安定剤も、本組成物に含まれる。
【0069】
【化3】

【0070】
他の好適な起泡増進高分子は、式VIII及びIXにより表されるヒドロキシプロピルアクリレート/ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー(HPA/DMAMコポリマー)である。
【0071】
【化4】

【0072】
高分子起泡増進/安定化剤は組成物に存在する場合、組成物の0.01重量%〜15重量%、あるいは0.05重量%〜10重量%、あるいは0.1重量%〜5重量%で組成物に存在してもよい。
【0073】
他の好適な高分子起泡増進剤の部類は、45,000未満の、あるいは10,000〜40,000の、あるいは13,000〜25,000の数平均分子量(Mw)を有する疎水変性セルロース系ポリマーである。疎水変性セルロースベースのポリマーとしては、非イオン性及びカチオン性のセルロース誘導体などの水溶性セルロースエーテル誘導体が挙げられる。一実施形態では、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、又はこれらの混合物も、本組成物に包含される。
【0074】
G.ジアミン
本発明の組成物中の別の任意成分は、ジアミンである。液体洗剤組成物のユーザーの習慣及びやり方は著しいばらつきを示すので、本組成物は別の態様として組成物の0重量%〜15重量%、あるいは0.1重量%〜15重量%、あるいは0.2重量%〜10重量%、あるいは0.25重量%〜6重量%、あるいは0.5重量%〜1.5重量%の、少なくとも1種のジアミンを含有する。
【0075】
好適な有機ジアミン類は、pK1及びpK2が8.0〜11.5の範囲、あるいは8.4〜11の範囲にあり、更に別の態様では8.6〜10.75である。好適な物質には、1,3−ビス(メチルアミン)−シクロヘキサン(pKa=10〜10.5)、1,3−プロパンジアミン(pK1=10.5;pK2=8.8)、1,6−ヘキサンジアミン(pK1=11;pK2=10)、1,3−ペンタンジアミン(DYTEK EP(登録商標))(pK1=10.5;pK2=8.9)、2−メチル1,5−ペンタンジアミン(DYTEK A(登録商標))(pK1=11.2;pK2=10.0)が挙げられる。他の好適な物質には、C4〜C8の範囲のアルキレンスペーサを有する第一級/第一級ジアミンが挙げられる。一般的に、第一級ジアミンは第二級及び第三級ジアミンと比べて好ましいと考えられている。同様の様式で本明細書で用いられるpKaは、化学分野の当業者には一般的に既知であり、つまり、全水溶液25℃下においてイオン強度が0.1〜0.5Mの間である。本明細書に参照される値は「Critical Stability Constants:Volume 2,Amines」(Smith and Martel,Plenum Press,NY and London,1975)などの文献により得ることができる。
【0076】
H.カルボン酸
本発明による食器用洗剤組成物は、組成物のすすぎの感触を向上させるために、直鎖若しくは環式カルボン酸又はその塩を含んでもよい。アニオン性界面活性剤の存在は、特に組成物の15〜35重量%の範囲で多量に存在すると、使用者の手及び食器にぬるりとした感触を与える組成物になる。
【0077】
本明細書で有用なカルボン酸には、C1〜6直鎖又は少なくとも3個の炭素を含有する環式酸が挙げられる。カルボン酸又はその塩の直鎖若しくは環状炭素含有鎖は、ヒドロキシル、エステル、エーテル、1〜6個、あるいは1〜4個の炭素原子を有する脂肪族基、及びこれらの混合物からなる群から選択される置換基で置換されてもよい。
【0078】
好適なカルボン酸は、サリチル酸、マレイン酸、アセチルサリチル酸、3−メチルサリチル酸、4−ヒドロキシイソフタル酸、ジヒドロキシフマル酸、1,2,4ベンゼントリカルボン酸、ペンタン酸及びこれらの塩、クエン酸及びこれらの塩、並びにこれらの混合物からなる群から選択されるものである。カルボン酸が塩の形態で存在する場合、塩のカチオンは別の態様としてアルカリ金属、アルカリ土類金属、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、又はトリエタノールアミン、及びこれらの混合物から選択される。
【0079】
カルボン酸又はその塩(存在する場合)は、組成物の0.1重量%〜5重量%、あるいは0.2重量%〜1重量%、あるいは0.25重量%〜0.5重量%の濃度で存在する。
【0080】
I.悪臭制御成分
食器用洗剤組成物には悪臭制御成分が含まれている。悪臭制御成分は、少なくとも1種の揮発性アルデヒド及び酸触媒を含有していてもよい。悪臭制御成分は、純粋な悪臭中和を供給するように設計されており、臭気を単に隠す又は被覆することにより機能するものではない。純粋な悪臭中和は、感覚及び分析により測定可能(例えば、ガスクロマトグラフ)な悪臭の低減を供給する。したがって、悪臭制御成分が純粋な悪臭中和を供給する場合には、この組成物は気相及び/又は液相中の悪臭を低減する。
【0081】
1.揮発性アルデヒド
悪臭制御成分は、化学反応を介して気相及び/又は液相中の悪臭を中和する揮発性アルデヒドの混合物を含む。このような揮発性アルデヒドは、反応性アルデヒド(RA)とも呼ばれる。揮発性アルデヒドは、シッフ塩基形成経路に従ってアミン系臭気と反応し得る。揮発性アルデヒドは、イオウ系臭気とも反応し、気相及び/又は液相中にチオールアセタール、へミチオールアセタール及びチオールエステルを形成し得る。実質上、製品の所望の芳香特性に負の影響を全く有さないことが、これらの気相及び/又は液相揮発性アルデヒドにとって望ましいものであり得る。部分的に揮発性であるアルデヒドは、本明細書で使用される揮発性アルデヒドと考えられ得る。
【0082】
好適な揮発性アルデヒドは、25℃で測定したときに、約0.0001トール(0.013Pa)〜100トール(13,332.2Pa)、あるいは約0.0001トール(0.013Pa)〜約10トール(1,333.2Pa)、あるいは約0.001トール(0.133Pa)〜約50トール(6,666.1Pa)、あるいは約0.001トール(0.133Pa)〜約20トール(2,666.4Pa)、あるいは約0.001トール(0.133Pa)〜約0.100トール(13.3Pa)、あるいは約0.001トール(0.133Pa)〜0.06トール(8.00Pa)、あるいは約0.001トール(0.133Pa)〜0.03トール(4.00Pa)、あるいは約0.005トール(0.67Pa)〜約20トール(2,666.4Pa)、あるいは約0.01トール(133Pa)〜約20トール(2,666.4Pa)、あるいは約0.01トール(1.33Pa)〜約15トール(1,999.8Pa)、あるいは約0.01トール(1.33Pa)〜約10トール(1,333.2Pa)、あるいは約0.05トール(6.67Pa)〜約10トール(1,333.2Pa)の範囲の蒸気圧(VP)を有し得る。
【0083】
揮発性アルデヒドはまた、一定の沸点(B.P.)及びオクタノール/水分配係数(P)を有し得る。本明細書において言及される沸点は、101.3kPa(760mmHg)である通常の標準気圧の下で測定される。標準の101.3kPa(760mmHg)での多くの揮発性アルデヒドの沸点は、例えば、Steffen Arctander著、1969年発行の「Perfume and Flavor Chemicals(Aroma Chemicals)」に記されている。
【0084】
揮発性アルデヒドのオクタノール/水分配係数は、オクタノール中と水中とにおけるその平衡濃度の比である。悪臭制御成分で用いられる揮発性アルデヒドの分配係数は、基底10に対するそれらの対数logPの形態でより簡便に示されてもよい。多くの揮発性アルデヒドのlogP値は、報告されている。例えば、Daylight Chemical Information Systems,Inc.(Daylight CIS)(Irvine,California)から入手可能なPomona92データベースを参照されたい。しかしながら、logP値は、やはりDaylight CISから入手可能な「CLOGP」プログラムによって最も便宜よく計算される。このプログラムはまた、それらがPomona92データベースにおいて入手可能な場合には、実験的なlogPの値も一覧にしている。「logPの計算値」(ClogP)は、Hansch及びLeoのフラグメント手法(cf.,A.Leo,in Comprehensive Medicinal Chemistry,Vol.4,C.Hansch,P.G.Sammens,J.B.Taylor and C.A.Ramsden,Eds.,p.295,Pergamon Press,1990)により決定される。フラグメント法は、各揮発性アルデヒドの化学構造に基づいたものであり、原子の数と種類、原子の結合性及び化学結合を考慮したものである。ClogP値は、最も信頼でき、またこの物理化学的特性の評価に広く用いられており、別の態様では、悪臭制御成分のための揮発性アルデヒドの選択において実験的なlogP値の代わりに用いられる。
【0085】
ClogP値は、4つの群により定義することができ、揮発性アルデヒドはこれらの群のうちの1つ以上から選択され得る。第一群は、約250℃以下のB.P.と約3以下のClogPとを有する揮発性アルデヒドを含む。第二群は、250℃以下のB.P.と3.0以上のClogPとを有する揮発性アルデヒドを含む。第三群は、250℃以上のB.P.と3.0以下のClogPとを有する揮発性アルデヒドを含む。第四群は、250℃以上のB.P.と3.0以上のClogPとを有する揮発性アルデヒドを含む。悪臭制御成分は、1つ以上のClogP群からの揮発性アルデヒドのいずれかの組み合わせを含み得る。
【0086】
一部の実施形態では、本発明の悪臭制御成分は、悪臭制御成分の総量の約0重量%〜約30重量%あるいは約25重量%の第一群からの揮発性アルデヒド、及び/又は約0重量%〜約10重量%あるいは約10重量%の第二群からの揮発性アルデヒド、及び/又は約10重量%〜約30重量%あるいは約30重量%の第三群からの揮発性アルデヒド、及び/又は約35重量%〜約60重量%あるいは約35重量%の第四群からの揮発性アルデヒドを含み得る。
【0087】
悪臭制御成分に使用され得る例示的な揮発性アルデヒドとしては、アドキサール(2,6,10−トリメチル−9−ウンデセナール)、ブルゲオナール(4−t−ブチルベンゼンプロピオンアルデヒド)、リレストラリス33(2−メチル−4−t−ブチルフェニル)プロパナール)、桂皮アルデヒド、シンナムアルデヒド(フェニルプロペナール、3−フェニル−2−プロペナール)、シトラール、ゲラニアール、ネラール(ジメチルオクタジエナール、3,7−ジメチル−2,6−オクタジエン1−アール)、シクラールC(2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルバルデヒド)、フロルヒドラル(3−(3−イソプロピル−フェニル)−ブチルアルデヒド)、シトロネラール(3,7−ジメチル6−オクテナール)、サイマール、シクラメンアルデヒド、シクロサル、ライムアルデヒド(α−メチル−p−イソプロピルフェニルプロピルアルデヒド)、メチルノニルアセトアルデヒド、アルデヒドC12 MNA(2−メチル−1−ウンデカナール)、ヒドロキシシトロネラール、シトロネラール水和物(7−ヒドロキシ−3,7−ジメチルオクタン−1−アール)、ヘリオナール(α−メチル−3,4−(メチレンジオキシ)−ヒドロシンナムアルデヒド、ヒドロシンナムアルデヒド(3−フェニルプロパナール、3−フェニルプロピオンアルデヒド)、イントレレベンアルデヒド(ウンデカ−10−エン−1−アール)、リグストラール、トリバータル(2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド)、ジャスモレンジ、サチンアルデヒド(2−メチル−3−トリルプロピオンアルデヒド、4−ジメチルベンゼンプロパナール)、リラール(4−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド)、メロナール(2,6−ジメチル−5−ヘプテナール)、メトキシメロナール(6−メトキシ−2,6−ジメチルヘプタナール)、メトキシシンナムアルデヒド(トランス−4−メトキシシンナムアルデヒド)、ミラックアルデヒドイソヘキセニルシクロヘキセニル−カルボキシアルデヒド、トリファーナル(trifernal)((3−メチル−4−フェニルプロパナール、3−フェニルブタナール)、リリアール、P.T.ブシナール、リスメラール、ベンゼンプロパナール(4−tert−ブチル−α−メチル−ヒドロシンナムアルデヒド)、Dupical、トリシクロデシリデンブタナール(4−トリシクロ5210−2,6デシリデン−8ブタナール)、Melafleur(1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−8,8−ジメチル−2−ナフトアルデヒド)、メチルオクチルアセトアルデヒド、アルデヒドC−11 MOA(2−メチルデカ−1−アール)、Onicidal(2,6,10−トリメチル−5,9−ウンデカジエン−1−アール)、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、Muguetアルデヒド50(3,7−ジメチル−6−オクテニル)オキシアセトアルデヒド)、フェニルアセトアルデヒド、Mefranal(3−メチル−5−フェニルペンタナール)、Triplal、Vertocitralジメチルテトラヒドロベンゼンアルデヒド(2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド)、2−フェニルプロプリオンアルデヒド、ヒドロトロープアルデヒド、Canthoxal、アニシルプロパナール4−メトキシ−α−メチルベンゼンプロパナール(2−アニシリデンプロパナール)、Cylcemone A(1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−8,8−ジメチル−2−ナフトアルデヒド)及びPrecylcemone B(1−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0088】
更に他の例示的な揮発性アルデヒドとして、アセトアルデヒド(エタナール)、ペンタナール、バレルアルデヒド、アミルアルデヒド、センテナール(オクタヒドロ−5−メトキシ−4,7−メタノ−1H−インデン−2−カルボキサルデヒド)、プロピオンアルデヒド(プロパナール)、シクロシトラール、β−シクロシトラール、(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−アセトアルデヒド)、イソシクロシトラール(2,4,6−トリメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキサルデヒド)、イソブチルアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソバレルアルデヒド(3−メチルブチルアルデヒド)、メチルブチルアルデヒド(2−メチルブチルアルデヒド、2−メチルブタナール)、ジヒドロシトロネラール(3,7−ジメチルオクタン−1−アール)、2−エチルブチルアルデヒド、3−メチル−2−ブテナール、2−メチルペンタナール、2−メチルバレルアルデヒド、ヘキセナール(2−ヘキセナール、トランス−2−ヘキセナール)、ヘプタナール、オクタナール、ノナナール、デカナール、ラウリンアルデヒド、トリデカナール、2−ドデカナール、メチルチオブタナール、グルタルアルデヒド、ペンタンジアール、グルタルアルデヒド、ヘプテナール、シスヘプテナール又はトランスヘプテナール、ウンデセナール(2−,10−)、2,4−オクタジエナール、ノネナール(2−,6−)、デセナール(2−,4−)、2,4−ヘキサジエナール、2,4−デカジエナール、2,6−ノナジエナール、オクテナール、2,6−ジメチル5−ヘプテナール、2−イソプロピル−5−メチル−2−ヘキセナール、トリフェナール、βメチルベンゼンプロパナール、2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−アセトアルデヒド、フェニルブテナール(2−フェニル2−ブテナール)、2−メチル−3(p−イソプロピルフェニル)−プロピオンアルデヒド、3−(p−イソプロピルフェニル)−プロピオンアルデヒド、p−トリルアセトアルデヒド(4−メチルフェニルアセトアルデヒド)、アニスアルデヒド(p−メトキシベンゼンアルデヒド)、ベンズアルデヒド、バーンアルデヒド(1−メチル−4−(4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセンカルバルデヒド)、ピペロナール(ピペロナール)3,4−メチレンジオキシベンズアルデヒド、α−アミル桂皮アルデヒド、2−ペンチル−3−フェニルプロペンアルデヒド、バニリン(4−メトキシ3−ヒドロキシベンズアルデヒド)、エチルバニリン(3−エトキシ4−ヒドロキシベンズアルデヒド)、ヘキシル桂皮アルデヒド、Jasmonal H(α−N−ヘキシル−シンナムアルデヒド)、フロはラルゾーン、(パラ−エチル−α,α−ジメチルヒドロシンナムアルデヒド)、Acalea(p−メチル−α−ペンチルシンナムアルデヒド)、メチルシンナムアルデヒド、α−メチルシンナムアルデヒド(2−メチル3−phenyプロペナール)、α−ヘキシルシンナムアルデヒド(2−ヘキシル3−フェニルプロペナール)、サリチルアルデヒド(2−ヒドロキシベンズアルデヒド)、4−エチルベンズアルデヒド、クミンアルデヒド(4−イソプロピルベンズアルデヒド)、エトキシベンズアルデヒド、2,4−ジメチルベンズアルデヒド、ベラトルムアルデヒド(3,4−ジメトキシベンズアルデヒド)、シリングアルデヒド(3,5−ジメトキシ4−ヒドロキシベンズアルデヒド)、カテックアルデヒド(3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド)、サフラナール(2,6,6−トリメチル−1,3−ジエンメタナール)、ミルテナール(ピン−2−エン−1−カルバルデヒド)、ペリルアルデヒドL−4(1−メチルエテニル)−1−シクロヘキセン−1−カルボキサルデヒド)、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセンカルボキサルデヒド、2−メチル−2−ペンテナール、2―メチルペンテナール、ピルビンアルデヒド、ホルミルトリシクロデカン、マンダリンアルデヒド、サイクルマックス(Cyclemax)、ピーノアセトアルデヒド、コープアイリス(Corps Iris)、マシール(Maceal)及びCorps 4322が挙げられるが、これらに限定されない。
【0089】
一実施形態では、悪臭制御成分は、2−エトキシベンジルアルデヒド、2−イソプロピル−5−メチル−2−ヘキセナール、5−メチルフルフラール、5−メチル−チオフェン−カルボキシアルデヒド、アドキサール、p−アニスアルデヒド、ベンジルアルデヒド、ブルゲナール、桂皮アルデヒド、サイマール、デシルアルデヒド、フローラルスーパー、フロルヒドラル、ヘリオナール、ラウリルアルデヒド、リグストラール、リラール、メロナール、o−アニスアルデヒド、ピノアセトアルデヒド、P.T.ブシナール、チオフェンカルボキシアルデヒド、トランス−4−デセナール、トランストランス2,4−ノナジエナール、ウンデシルアルデヒド及びこれらの混合物からなる群から選択される2種以上の揮発性アルデヒドの混合物を含む。
【0090】
一部の実施形態では、悪臭制御成分は、即効揮発性アルデヒドを含む。「即効揮発性アルデヒド」は、(1)40秒未満で20%以上のアミン臭気を低減する、又は、(2)30分未満で20%以上のチオール臭気を低減する、揮発性アルデヒドを指す。
【0091】
一実施形態では、悪臭制御成分は、表1に列挙され、本明細書でアコードAと呼ぶ、揮発性アルデヒドの混合物を含む。
【0092】
【表1】

【0093】
別の実施形態では、悪臭制御成分は、表2に列挙され、本明細書でアコードBと呼ぶ、揮発性アルデヒドの混合物を含む。
【0094】
【表2】

【0095】
別の実施形態においては悪臭制御成分に、約71.2%の揮発性アルデヒド、並びにその残部が別のエステル及びアルコール芳香剤原材料である、残部が含まれている。この混合物が表3に列挙され、本明細書ではアコードCと呼ぶ。
【0096】
【表3】

【0097】
アコードA、B又はCは、例えば、悪臭制御成分の約10重量%の量で、他の芳香剤原材料と配合することができる。加えて、個々の揮発性アルデヒド又は複数の揮発性アルデヒドの様々な組み合わせを悪臭制御成分中に配合することができる。ある実施形態では、揮発性アルデヒドは、悪臭制御成分の最大100重量%、あるいは1重量%〜約100重量%、あるいは約2重量%〜約100重量%、あるいは約3重量%〜約100重量%、あるいは約50重量%〜約100重量%、あるいは約70重量%〜約100重量%、あるいは約80重量%〜約100重量%、あるいは約1重量%〜約20重量%、あるいは約1重量%〜約10重量%、あるいは約1重量%〜約5重量%、あるいは約1重量%〜約3重量%、あるいは約2重量%〜約20重量%、あるいは約3重量%〜約20重量%、あるいは約4重量%〜約20重量%、あるいは約5重量%〜約20重量%の量で存在し得る。
【0098】
揮発性が悪臭を中和するのに重要ではない一部の実施形態では、本発明は、例えば、ジ−、トリ−、テトラ−アルデヒドといったポリ−アルデヒドを含んでもよい。このような実施形態としては、リーブオン、洗浄中、リンスオフ型の用途のための洗濯洗剤、添加剤、及びこれらに類するものが挙げられる。
【0099】
2.酸触媒
本発明の悪臭制御成分は、イオウ系の悪臭を中和する有効量の酸触媒を含有してもよい。特定の弱酸は、液相及び気相中のチオールとのアルデヒド反応性に影響を有することが判明している。チオールとアルデヒドとの間の反応は、ヘミアセタール及びアセタール形成経路の機構に従う触媒反応であることが判明している。本悪臭制御成分が酸触媒を含有している場合は、イオウ系の悪臭に接触すると、揮発性アルデヒドがチオールと反応する。この反応は、チオールアセタール化合物を形成し、したがって、イオウ系臭気を中和し得る。酸触媒がないと、へミチオールのみが形成される。
【0100】
好適な酸触媒は、Scifinderにより報告されている通り、25℃において、約0.001トール(0.133Pa)〜約38トール(5,066.2Pa)、あるいは約0.001トール(0.133Pa)〜約14トール(1,866.5Pa)、あるいは0.001トール〜約1トール、あるいは約0.001トール〜約0.020トール、あるいは約0.005トール〜約0.020トール、あるいは約0.010トール〜約0.020トール(約0.133Pa〜約133.3Pa、あるいは約0.133Pa〜約2.67Pa、あるいは約0.67Pa〜約2.67Pa)の範囲のVPを有する。
【0101】
酸触媒は、弱酸であり得る。弱酸は酸解離定数Kaで特徴付けられ、この酸解離定数は弱酸の解離を示す平衡定数であり、pKaはKaの十進対数を引いた値に等しい。酸触媒は、約4.0〜約6.0、あるいは約4.3〜5.7、あるいは約4.5〜約5、あるいは約4.7〜約4.9のpKaを有し得る。好適な酸触媒としては、例えば表4に記載されている酸触媒が挙げられる。
【0102】
【表4】

【0103】
悪臭制御成分の所望の用途に依存して、酸触媒を選択する際に、香り特性又は悪臭制御成分の香りへの作用を考えてもよい。悪臭制御成分の一部の実施形態では、中立〜好ましい香りを供給する酸触媒を選択することが望ましいものであり得る。このような酸触媒は、25℃において測定したときに、約0.133Pa(0.001トール)〜約2.67Pa(0.020トール)、あるいは約0.67Pa(0.005トール)〜約2.67Pa(0.020トール)、あるいは約1.33Pa(0.010トール)〜約2.67Pa(0.020トール)のVPを有し得る。このような酸触媒の非限定例としては、カルボン酸不純物を有する5−メチルチオフェンカルボキシアルデヒド、コハク酸又は安息香酸が挙げられる。
【0104】
悪臭制御成分は、悪臭制御成分の約0.05重量%〜約5重量%、あるいは約0.1重量%〜約1.0重量%、あるいは約0.1重量%〜約0.5重量%、あるいは約0.1重量%〜約0.4重量%、あるいは約0.4重量%〜約1.5重量%、あるいは約0.4重量%の酸触媒を含み得る。
【0105】
酢酸系中に、本悪臭制御成分は、約0.4%の酢酸を含み得る(50:50のTC:DPM、0.4%の酢酸)。
【0106】
【表5】

【0107】
酸触媒が揮発性アルデヒド(又はRA)と共に存在する場合には、酸触媒は、揮発性アルデヒドのみの悪臭有効性と比較して、悪臭への揮発性アルデヒド有効性を増加し得る。例えば、1%の揮発性アルデヒドと1.5%の安息香酸は、5%の単独の揮発性アルデヒド以上の悪臭除去効果を提供する。
【0108】
悪臭制御成分は、約3〜約8、あるいは約4〜約7、あるいは約4〜約6のpHを有し得る。
【0109】
J.他の任意成分
本明細書の食器用洗剤組成物は、液状洗剤組成物に使用するのに適した他の数種の任意成分、例えば、ジプロピレングリコールメチルエーテル、3―メトキシ―3―メチル―1―ブタノールなどの希釈剤及びこれらの混合物;染料;パールエッセンス剤;乳白剤;酵素;防腐剤;消毒剤を更に含有することができ、pHバッファ手段とは、本明細書の液体洗剤組成物のpHが概して3〜14、あるいは6〜13、あるいは8〜11になることを意味する。組成物のpHは、当該技術分野で既知のpH調節成分を用いて調整することができる。
【0110】
悪臭制御成分は、マスキング剤、臭気ブロック剤及び/又は希釈剤を更に含有していてもよい。本組成物は、例えばキーラント、界面活性剤、及び悪臭制御成分を含有していてもうよく、悪臭制御成分は悪臭、香料イオノン及び希釈剤を中和するための揮発性アルデヒドの混合物を含む。あるいは、悪臭制御成分は100%揮発性アルデヒドを含有していてもよい。
【0111】
「臭気マスキング剤」は、悪臭化合物を被覆する又は隠す既知の化合物(例えば、芳香剤原材料)を指す。臭気マスキングは、悪臭化合物を感知する能力を制限するように投与される不快ではない又は好ましい匂いを有する化合物を含み得る。臭気マスキングは、予想された悪臭と一緒になって、臭気化合物の組み合わせによって提供される全体の匂いの知覚を変化させる化合物の選択を伴い得る。「臭気ブロック剤」は、ヒトの嗅覚を鈍らせる既知の化合物を指す。
【0112】
本組成物は、快楽効果を供給するだけの(すなわち、悪臭を中和しないが、快い香りは供給する)芳香剤原材料を更に含み得る。好適な芳香剤は、米国特許第6,248,135号に開示されており、これは参照によりその全体が組み込まれる。
【0113】
K.粘度
本発明の成分は、20s-1及び20℃において、50〜2000センチポアズ(50〜2000mPa.s)、あるいは100〜1500センチポアズ(100〜1500mPa.s)、あるいは500〜1300センチポアズ(500〜1300mPa.s)の粘度を有し得る。粘度は、従来の方法で測定できる。
【0114】
本発明による粘度は、直径40mm及び間隙サイズ500μmの平板の鋼製スピンドルを用いるTA instruments製のAR 550レオメーターを使用して測定される。20s-1での高剪断粘度、及び0.05s-1での低剪断粘度は、20℃において3分間の0.1s-1〜25s-1の対数剪断速度掃引から得ることができる。ここに述べる好ましいレオロジーは、内部に存在する洗剤成分による構造化を用いて又は外的レオロジー変性剤を用いることにより、得ることができる。それゆえ、本発明の一実施形態において、組成物はレオロジー変性剤を更に含む。
【0115】
II.食器類の洗浄/処理方法
本発明の方法は、洗浄剤及び悪臭制御成分を含んでなる、食器用洗剤組成物を用い、食器類を洗浄する工程を含む。食器洗いの作業は、前記組成物を典型的には希釈又は非希釈形態にて前記食器類に塗布する工程と、前記食器類又は表面から前記組成物をすすぐ工程、並びに食器類又は前記表面をすすがずに前記表面上の組成物を乾燥させる工程と、を含む。前記組成物を空気乾燥させて前記表面上に残す代わりに、キッチンタオルを用いてハンドドライすることもできる。食器洗浄操作時に、特に食器類に本組成物を塗布するとき及び/又は食器類から本組成物をすすぎ落とすときに、使用者の手及び皮膚は希釈又は非希釈形態の本組成物に曝露され得る。
【0116】
「非希釈形態」とは、本明細書において、塗布前(直前)にユーザーによって希釈されることなく、本組成物を処理されるべき表面に直接塗布することを意味する。このように直接、前記組成物を処理対象表面に塗布するには、前記組成物を食器手洗い用液体瓶から洗浄する表面に直接押し出す工程と、若しくは対象表面を前記洗浄物品で洗浄する前に、食器手洗い用液体瓶から前記組成物を予め濡らされた又は予め濡らされていない、例えばスポンジ、布、又はブラシだけに限定されない、洗浄物品上に押し出す工程によって、達成される。本明細書において「希釈形態」とは、前記組成物を使用者が適切な溶媒で(一般的には水で)希釈することを意味する。本明細書では「すすぐ」とは、本明細書の組成物を前記食器に適用する工程の後、本発明に従うプロセスで洗浄される食器と、かなりの量の適切な溶媒、典型的には水とを接触させることを意味する。「かなりの量」とは、普通は0.1〜20リットルを意味する。
【0117】
本発明の実施形態の1つでは、本明細書の組成物は、希釈形態にて適用することができる。汚れた食器を、有効量、典型的には(処理される食器25個あたり)0.5mL〜20mL、あるいは3mL〜10mLの、水で希釈された本発明の液体洗剤組成物と接触させる。使用される液体洗剤組成物の実際の量は、ユーザーの判断に基づき、典型的には、組成物中の活性成分の濃度を含む組成物の特定の製品配合、洗浄される汚れた食器の数、食器の汚れの程度などのような要因に左右されることになる。また、特定の製品配合は、意図される市場(すなわち、米国、ヨーロッパ、日本など)のような、組成物製品に関する多数の要因に左右されることになる。典型的な軽質洗剤組成物は実施例の節に記載される。
【0118】
一般に、0.01mL〜150mL、あるいは3mL〜40mL、あるいは3mL〜10mLの本発明の液体洗剤組成物が、2000mL〜20000mL、より典型的には5000mL〜15000mLの範囲の容積を有するシンクの中で、1000mL〜20000mL、より典型的には5000mL〜15000mLの水と組混合される。こうして得られる希釈組成物の入ったシンク内に汚れた食器を浸して、食器の汚れた表面を、布、スポンジ、又は類似の物品と接触させて食器を洗浄する。布、スポンジ、又は類似の物品は、食器表面と接触する前に洗剤組成物と水との混合物に浸漬されてもよく、典型的には、1〜10秒間の範囲の時間にわたって食器表面と接触するが、実際の時間は、各適用及びユーザーによって異なる。布、スポンジ、又は類似の物品を食器表面に接触させる工程には、別の態様では食器表面を同時洗浄する工程も付随する。
【0119】
本発明の別の方法は、食器洗い用液体洗剤なしで水浴中に汚れた食器を浸漬するか、又は流水下に保持することを含む。スポンジなどの、食器洗浄用液体洗剤を吸収させるための道具を、希釈された食器洗浄用液体洗剤の別個の量の濃縮プレミックスに典型的には1〜5秒の範囲の時間にわたって直接浸す。次に吸収道具、及び結果として希釈された食器洗い用液体組成物が、汚れた食器のそれぞれの表面に個々に接触して、汚れを除去する。吸収道具と、典型的には、1〜10秒間の範囲の時間にわたってそれぞれの食器表面と接触させるが、実際の適用時間は、食器の汚れの程度などの要因に左右されることになる。吸収道具を皿表面に接触させる工程には、別の態様では同時洗浄の工程も付随する。典型的には、食器洗浄用液体希釈洗剤の濃縮プレミックスは、1mL〜200mLの非希釈の食器洗浄用洗剤を、50mL〜1500mLの水、より典型的には200mL〜1000mLの水と組み合わせることにより形成される。
【0120】
III.パッケージ
本発明の洗剤組成物は、使用する液体洗剤組成物を送達するための何らかの好適なパッケージに詰めてもよい。別の態様では、前記パッケージは、ガラス製又はプラスチック製の透明なパッケージである。
【実施例】
【0121】
本明細書の実施例は、本発明の組成物を例示するためのものであるが、本発明の範囲を限定する又は別の方法で定義するために必ずしも使用されない。特に明記しない限り、下掲の例における全ての数値は、組成物の総重量を基準とする重量%である。
【0122】
【表6】

【0123】
【表7】

【0124】
【表8】

【0125】
【表9】

*)C10〜C14、あるいはC12〜C13のアルキル鎖、及びx=0〜4、あるいは0.5〜2
**)その他:染料、乳白剤、香料、防腐剤、ヒドロトロープ、加工助剤、塩、安定剤...
(1)グルタミン酸
(2)ジエチレントリアミンペンタメチルホスホン酸
(3)ジエチレントリアミン五酢酸
(4)メチルグリシン二酢酸
【0126】
分析試験−アミン系及びイオウ系悪臭における揮発性アルデヒドの効果
1mLのブチルアミン(アミン系悪臭)及びブタンチオール(イオウ系悪臭)を1.2リットルのガスサンプリングバッグの中にピペットで加えることにより、悪臭標準物質を調製する。次に、このバッグに窒素を容量まで充填し、少なくとも12時間にわたって静置して、平衡状態にする。
【0127】
表6に列挙した各揮発性アルデヒドと表1〜3に列挙した各アコード(A、B及びC)の1μL試料を個々の10mLシラン処理済みヘッドスペースバイアル瓶の中にピペットで加える。バイアル瓶を密封し、少なくとも12時間にわたって平衡化させる。各試料について4回繰り返す(ブチルアミン分析のために2回、ブタンチオール分析のために2回)。
【0128】
平衡化期間後、1.5mLの標的悪臭標準物質を各10mLバイアル瓶の中に注入する。チオール分析のために、試料と悪臭標準物質とを含有するバイアル瓶を30分にわたって室温で保持する。次に、1mLヘッドスペース注射器を使用して、各試料/悪臭物質250μLをGC/MSの、スプリット/スプリットレスインレットの中に注入する。アミン分析のために、1mLヘッドスペース注射器を使用して、各試料/悪臭物質500μLをGC/MSの、スプリット/スプリットレスインレットの中に直ちに注入する。アミン分析のためにGCピローを使用して、実行時間を短縮する。
【0129】
次に、静的ヘッドスペース機能を持つMPS−2オートサンプラー装置を用い、DB−5の20mで厚さ1μmのカラムによりGC/MSを使用して、試料を分析する。各イオン電流についてのイオン抽出によりデータを分析し(チオールについては56、アミンについては30)、面積を用いて、各試料について悪臭標準物質から低減パーセントを計算する。
【0130】
表6は、それぞれ40秒及び30分の時点のアミン系及びイオウ系悪臭の中和における特定の揮発性アルデヒドの効果を示す。
【0131】
【表10−1】

【0132】
【表10−2】

【0133】
表7は、それぞれアコードA、B及びCの、40秒及び30分の時点でのブチルアミン及びブタンチオールの低減パーセントを示す。
【0134】
【表11】

【0135】
分析試験−イオウ系悪臭における酸触媒の効果
イオウ系悪臭における酸触媒の効果を試験するために、上記分析試験を、酸触媒を含有する試料を用いて繰り返す。特に、以下の対照及び酸触媒試料の各々の1μLアリコートを、二通り用意した個々の10mLシラン処理済みヘッドスペースバイアル瓶にピペットを用いて加える:対照としてのチオフェンカルボキシアルデヒド;チオフェンカルボキシアルデヒドとDPM中0.04%、DPM中0.10%、DPM中0.43%、DPM中1.02%及びDPM中2.04%での以下の酸触媒各々との50/50混合物:フェノール、メシチレン酸、カプリル酸、コハク酸、ピバル酸、チグリン酸及び安息香酸。
【0136】
図1は、低蒸気圧酸触媒が、対照と比較して最大で3倍良好なイオウ系悪臭の除去を提供することを示す。
【0137】
分析試験−アミン系及びイオウ系悪臭における揮発性アルデヒド及び酸触媒の効果
表8及び9の概要の通りに揮発性アルデヒド(又はRA)と酸触媒とを含有する試料配合物を用いて、上記分析試験を繰り返す。
【0138】
表8及び9は、1.5%の酸触媒と共に最小1%の揮発性アルデヒドを有する芳香剤混合物が、5%の揮発性アルデヒドを有する同一の芳香剤混合物よりもブチルアミン及びブタンチオールを良好に低減することを示す。
【0139】
【表12】

【0140】
【表13】

【0141】
本明細書に開示した寸法及び値は、記述された正確な数値に厳しく限定されるものと理解すべきでない。むしろ、特に言及しない限り、そのようなそれぞれの寸法は、記述された値と、その値の周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0142】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は出願書類を含め、本明細書において引用される全ての文献は、明示的に除外ないしは制限されない限り、その全体を参考として本明細書に組み込まれる。いずれの文献の引用もこうした文献が本明細書中で開示又は権利請求される任意の発明に対する先行技術であることを容認するものではなく、また、こうした文献が、単独で、あるいは他のあらゆる参照文献との組み合わせにおいて、こうした発明のいずれかを参照、教示、示唆又は開示していることを容認するものでもない。いかなる文献の引用も、それが本明細書において開示され請求されるいずれかの発明に関する先行技術であること、又はそれが単独で若しくは他のいかなる参照とのいかなる組み合わせにおいても、このような発明を教示する、提案する、又は開示することを認めるものではない。
【0143】
本発明の特定の諸実施形態を図示し、記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが当業者には自明である。したがって、本発明の範囲内にある前記変更及び修正の全てを、添付の「特許請求の範囲」で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
食器用洗剤組成物であって、
(a)組成物の総量の約0.1重量%〜約20重量%のキーラントと、
(b)アニオン性、非イオン性、カチオン性、両性、双極性、半極性、非イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される、組成物の総量の約5重量%〜約80重量%の界面活性剤と、
(c)悪臭制御成分であって、前記悪臭制御成分が、悪臭を中和するための2種以上の揮発性アルデヒドを有効量含有し、前記2種以上の揮発性アルデヒドが、2−エトキシベンジルアルデヒド、2−イソプロピル−5−メチル−2−ヘキセナール、5−メチルフルフラール、5−メチル−チオフェン−カルボキシアルデヒド、アドキサール、p−アニスアルデヒド、ベンジルアルデヒド、ブルゲナール、桂皮アルデヒド、サイマール、デシルアルデヒド、フローラルスーパー、フロルヒドラル、ヘリオナール、ラウリルアルデヒド、リグストラール、リラール、メロナール、o−アニスアルデヒド、ピノアセトアルデヒド、P.T.ブシナール、チオフェンカルボキシアルデヒド、トランス−4−デセナール、トランストランス2,4−ノナジエナール、ウンデシルアルデヒド及びこれらの混合物からなる群から選択される、悪臭制御成分と、
を含む、食器用洗剤組成物。
【請求項2】
前記2種以上の揮発性アルデヒドが、2−エトキシベンジルアルデヒド、2−イソプロピル−5−メチル−2−ヘキセナール、5−メチルフルフラール、桂皮アルデヒド、フローラルスーパー、フロルヒドラル、o−アニスアルデヒド、ピノアセトアルデヒド、トランス−4−デセナール、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記2種以上の揮発性アルデヒドが、フロルスーパー及びo−アニスアルデヒドを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記2種以上の揮発性アルデヒドが、約0.001トール(0.133Pa)〜約0.100トール(13.3Pa)のVPを有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記2種以上の揮発性アルデヒドが、前記悪臭制御成分の約25重量%のカッドI揮発性アルデヒドを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記2種以上の揮発性アルデヒドの混合物が、前記悪臭制御成分の約10重量%のカッドII揮発性アルデヒドを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記2種以上の揮発性アルデヒドの混合物が、前記悪臭制御成分の約10重量%〜30重量%のカッドIII揮発性アルデヒドを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記2種以上の揮発性アルデヒドの混合物が、前記悪臭制御成分の約35重量%〜60重量%のカッドIV揮発性アルデヒドを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記2種以上の揮発性アルデヒドが、アコードA、アコードB、アコードC及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記2種以上の揮発性アルデヒドが、前記悪臭制御成分の約1重量%〜約10重量%のアコードAを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物のpHが約4〜約6.5である、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
前記2種以上の揮発性アルデヒドが、約0.001トール(0.133Pa)〜約0.100トール(13.3Pa)のVPを有する3種以上の揮発性アルデヒドを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
前記2種以上の揮発性アルデヒドが、前記食器用洗剤組成物の約0.015重量%〜約1重量%の量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
前記悪臭制御成分が、25℃において約0.01〜約13の蒸気圧を有する酸触媒を更に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
前記界面活性剤が、前記組成物の約10重量%〜約60重量%の量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
前記界面活性剤が、前記組成物の約12重量%〜約45重量%の量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
前記界面活性剤がアミンオキシド界面活性剤、ベタイン界面活性剤、及びその混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
前記界面活性剤がココジメチルアミンオキシドである、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
平均アルキル鎖分枝が界面活性剤の総量の少なくとも約40重量%である、請求項1に記載の組成物。
【請求項20】
前記平均アルキル鎖分枝が、ゲルベ(Guerbet)アルコールエトキシレート、ゲルベアルコールアルコキシル化EO/PO非イオン性物質(オキソ分枝状非イオン性界面活性剤、イソトリデシルアルコールの誘導体、及びエチレンオキシドで修飾されたもの)及びこれらの混合物からなる群から選択される、分枝状非イオン性界面活性剤によってもたらされる、請求項1に記載の組成物。
【請求項21】
前記組成物の約3重量%〜約20重量%の量で存在する非イオン性界面活性剤を更に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項22】
非イオン性界面活性剤に対する総界面活性剤の重量比が約2〜約6である、請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
前記キーラントが、前記組成物の約0.1重量%〜約20重量%の量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項24】
前記キーラントがグルタミン酸、ジエチレントリアミンペンタメチルホスホン酸、ジエチレントリアミン五酢酸、メチルグリシン二酢酸及びその混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項25】
前記組成物が非錯体化型シクロデキストリンを更に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項26】
前記組成物が、亜鉛塩、銅塩及びこれらの混合物からなる群から選択される水溶性金属塩を更に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項27】
食器用洗剤組成物であって、
(a)キーラントと、
(b)アニオン性、非イオン性、カチオン性、両性、双極性、半極性、非イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される界面活性剤と、
(c)悪臭制御成分と、を含み、
前記悪臭制御成分が(i)少なくとも1種の揮発性アルデヒドと、
(ii)25℃において蒸気圧が約0.01〜約13の酸触媒と、
(b)前記組成物の約1重量%〜約5重量%の低分子量一価アルコールと、を含む、食器用洗剤組成物。
【請求項28】
前記少なくとも1種の揮発性アルデヒドが、0.001トール〜約50トール(約0.133Pa〜約6,666.1Pa)のVPを有する、請求項27に記載の組成物。
【請求項29】
前記少なくとも1種の揮発性アルデヒドが、0.001トール〜約15トール(約0.133Pa〜約1,999.8Pa)のVPを有する、請求項27に記載の組成物。
【請求項30】
前記少なくとも1種の揮発性アルデヒドが、2−エトキシベンジルアルデヒド、2−イソプロピル−5−メチル−2−ヘキセナール、5−メチルフルフラール、5−メチル−チオフェン−カルボキシアルデヒド、アドキサール、p−アニスアルデヒド、ベンジルアルデヒド、ブルゲナール、桂皮アルデヒド、サイマール、デシルアルデヒド、フローラルスーパー、フロルヒドラル、ヘリオナール、ラウリルアルデヒド、リグストラール、リラール、メロナール、o−アニスアルデヒド、ピノアセトアルデヒド、P.T.ブシナール、チオフェンカルボキシアルデヒド、トランス−4−デセナール、トランストランス2,4−ノナジエナール、ウンデシルアルデヒド及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項27に記載の組成物。
【請求項31】
前記少なくとも1種の揮発性アルデヒドが、フロルスーパー、o−アニスアルデヒド、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項27に記載の組成物。
【請求項32】
前記少なくとも1種の揮発性アルデヒドが、前記悪臭制御成分の約1重量%〜約10重量%の量で存在する、請求項27に記載の組成物。
【請求項33】
前記少なくとも1種の揮発性アルデヒドが、前記食器用洗剤組成物の約0.015重量%〜約1重量%の量で存在する、請求項27に記載の組成物。
【請求項34】
前記少なくとも1種の揮発性アルデヒドが、アコードA、アコードB、アコードC、及びこれらの混合物からなる群から選択される揮発性アルデヒドの混合物を含有する、請求項27に記載の組成物。
【請求項35】
前記少なくとも1種の揮発性アルデヒドが、前記悪臭制御成分の約1重量%〜約5重量%の量で存在し、前記酸触媒が、前記悪臭制御成分の約0.4重量%〜約1.5重量%の量で存在する、請求項27に記載の組成物。
【請求項36】
前記酸触媒が、前記悪臭制御組成物の約0.1重量%〜約0.4重量%の量で存在する、請求項27に記載の組成物。
【請求項37】
前記酸触媒が25℃において0.01トール〜約2トール(約1.33Pa〜約266.6Pa)の蒸気圧を有する、請求項27に記載の組成物。
【請求項38】
前記酸触媒がカルボン酸である、請求項27に記載の組成物。
【請求項39】
前記酸触媒が5−メチルチオフェンカルボン酸である、請求項27に記載の組成物。
【請求項40】
食器類の洗浄方法であって、
(a)請求項1に記載の組成物を前記食器類に塗布する工程と、
(b)前記食器類から前記組成物をすすぎ落とす工程と、
を含む洗浄方法。

【図1】
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【公表番号】特表2013−513721(P2013−513721A)
【公表日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−544814(P2012−544814)
【出願日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際出願番号】PCT/US2010/060694
【国際公開番号】WO2011/084569
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】