説明

情動障害の診断および治療のための手段および方法

本発明は、情動障害を診断することを可能にする、5'UTR領域もしくは3'UTR領域における変異、エクソン3、5、6、8もしくは13またはイントロン1、3、4、5、6、7、9、11もしくは12における変異、またはエクソン13における欠失を含む、ATP感受性イオンチャンネルP2X7Rをコードする核酸分子、好ましくはゲノム配列に関する。本発明はさらに、前記核酸分子によってコードされるポリペプチド、前記核酸分子を含むベクターおよび宿主細胞、さらには前記核酸分子によってコードされるポリペプチドを生産するための方法にも関する。本発明はまた、前記核酸分子によってコードされるポリペプチドを特異的に対象とする抗体、および前記核酸分子と特異的に結合するアプタマーも提供する。さらに、前記核酸分子を選択的に増幅するためのプライマー、さらにはキット、組成物、特に前記核酸分子を含む薬学的組成物および診断用組成物、ベクター、ポリペプチド、アプタマー、抗体ならびに/またはプライマーも本発明において提供される。加えて、本発明は、非機能性P2X7Rタンパク質、P2X7Rタンパク質のATPゲート機構の変化、P2X7Rタンパク質の過剰発現もしくは低発現に伴う、または前述の核酸分子もしくはそれらによってコードされるポリペプチドのいずれかの存在に伴う情動障害を診断するための方法にも関する。加えて、本発明は、機能性または非機能性のATP感受性イオンチャンネルP2X7Rを用いて情動障害を治療するための用法および方法にも関する。本発明はまた、情動障害を治療するためのP2X7R活性のモジュレーターの用法にも関する。さらに、本発明はまた、本発明のポリペプチドと特異的に相互作用すること、またはその特性を変化させることが可能な化合物の同定および特徴付けのための方法、ならびに薬学的組成物の製造のための方法にも関する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下のものからなる群より選択される核酸配列を含む核酸分子:
(a)ATP感受性(ATP-gated)イオンチャンネルP2X7Rをコードし、かつSEQ ID NO:1に示された野生型ATP感受性イオンチャンネルP2X7Rのゲノム配列の位置362、532、1100、1122、1171または1702に対応する、5'UTR領域内の変異を含むゲノムヌクレオチド配列であって、該位置で該ヌクレオチドが別のヌクレオチドによって置換されているゲノムヌクレオチド配列;
(b)ATP感受性イオンチャンネルP2X7Rのアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする核酸配列であって、以下の表Aの「エクソン」欄に示されたエクソンにおいて、SEQ ID NO:3または4に示された野生型ATP感受性イオンチャンネルP2X7Rのアミノ酸配列の表Aの「野生型における位置」欄に示された位置に対応する表Aの「アミノ酸残基」欄に示されたアミノ酸残基が、別のアミノ酸残基によって置換されている核酸配列;
【表A】

(c)ATP感受性イオンチャンネルP2X7Rをコードし、かつSEQ ID NO:1に示された野生型ATP感受性イオンチャンネルP2X7Rのヌクレオチド配列の位置32548または位置37633に対応する、エクソン5または8内の変異を含むヌクレオチド配列であって、該位置で該ヌクレオチドが別のヌクレオチドによって置換されているヌクレオチド配列;
(d)ATP感受性イオンチャンネルP2X7Rのアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする核酸配列であって、SEQ ID NO:3または4に示された野生型ATP感受性イオンチャンネルP2X7Rの位置488〜494に対応するアミノ酸が欠失している核酸配列;
(e)ATP感受性イオンチャンネルP2X7Rをコードするゲノムヌクレオチド配列であって、以下の表Bの「イントロン」欄に示されたイントロンにおいて、SEQ ID NO:1に示された野生型ATP感受性イオンチャンネルP2X7Rのヌクレオチド配列の表Bの「野生型における位置」欄に示された位置に対応する表Bの「置換されるヌクレオチド」欄に示されたヌクレオチドが、別のヌクレオチドによって置換されているゲノムヌクレオチド配列;
【表B】

(f)ATP感受性イオンチャンネルP2X7Rをコードし、かつSEQ ID NO:1に示された野生型ATP感受性イオンチャンネルP2X7Rのヌクレオチド配列の位置54925、55169、55170、55171、または55917に対応する、3'UTR領域内の変異を含むゲノムヌクレオチド配列であって、該位置で該ヌクレオチドが別のヌクレオチドによって置換されているゲノムヌクレオチド配列;
(g)少なくとも20または21ヌクレオチドを含み、かつ(a)〜(f)のいずれか1つに定義された変異または欠失を含むヌクレオチド配列;
(h)SEQ ID NO:13〜51のいずれか1つに示されたヌクレオチド配列を含む核酸配列;
(i)SEQ ID NO:5〜12のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする核酸配列;
(j)(a)〜(g)のいずれか1つに定義されたヌクレオチド配列と、または(h)のヌクレオチド配列とハイブリダイズし、かつ(a)〜(f)のいずれか1つに定義された変異を有するヌクレオチド配列;および
(k)遺伝暗号の結果として(j)に定義された核酸配列と縮重性のある核酸配列。
【請求項2】
マウス、ラットまたはヒトに由来する、請求項1記載の核酸分子。
【請求項3】
DNA、RNA、PNAまたはホスホロチオエートである、請求項1または2記載の核酸分子。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項記載の核酸分子を含むベクター。
【請求項5】
発現ベクター、遺伝子ターゲティングベクターおよび/または遺伝子導入ベクターである、請求項4記載のベクター。
【請求項6】
請求項4もしくは5記載のベクターによる形質転換を受けた、または請求項1〜3のいずれか一項記載の核酸分子による形質転換を受けた、宿主。
【請求項7】
哺乳動物細胞、両生類細胞、魚類細胞、昆虫細胞、真菌細胞、植物細胞または細菌細胞である、請求項6記載の宿主。
【請求項8】
該哺乳動物細胞が、CHO細胞、HEK293細胞、COS-7細胞またはPC12細胞からなる群より選択される、請求項7記載の宿主。
【請求項9】
該両生類細胞が卵母細胞、好ましくはアフリカツメガエル卵母細胞である、請求項7記載の宿主。
【請求項10】
該卵母細胞がカエル卵母細胞である、請求項9記載の宿主。
【請求項11】
非ヒトトランスジェニック生物である、請求項6記載の宿主。
【請求項12】
該非ヒト生物が哺乳動物、両生類、魚類、昆虫、真菌または植物である、請求項11記載の宿主。
【請求項13】
請求項1(b)または1(d)記載の核酸分子によってコードされるポリペプチドを生産するための方法であって、請求項6〜11のいずれか一項記載の宿主を培養/飼育する段階、および生産されたポリペプチドを単離する段階を含む方法。
【請求項14】
請求項1(b)もしくは1(d)記載の核酸分子によってコードされる、または請求項13記載の方法によって生産される、ポリペプチド。
【請求項15】
請求項14記載のポリペプチドを特異的に対象とする抗体であって、以下のものからなる群より選択されるATP感受性イオンチャンネルP2X7Rにおける変異によって生じたおよび/または形成されたエピトープと特異的に反応する抗体:
(i)ATP感受性イオンチャンネルP2X7Rのアミノ酸配列を有するポリペプチドによって特異的に提示されるエピトープであって、SEQ ID NO:3または4に示された野生型ATP感受性イオンチャンネルP2X7Rの位置117、150、186, 191, 270、568または578に対応するR(Arg)、G(Gly)、E(Glu)、L(Leu)、R(Arg)、I(Ile)またはR(Arg)残基が別のアミノ酸残基によって置換されているエピトープ;および
(ii)ATP感受性イオンチャンネルP2X7Rのアミノ酸配列を有するポリペプチドによって特異的に提示されるエピトープであって、SEQ ID NO:3または4に示された野生型ATP感受性イオンチャンネルP2X7Rの位置488〜494に対応するアミノ酸が欠失しているエピトープ。
【請求項16】
モノクローナル抗体である、請求項15記載の抗体。
【請求項17】
請求項1〜3のいずれか一項記載の核酸分子と、または請求項14記載のポリペプチドと特異的に結合するアプタマー。
【請求項18】
請求項1〜3のいずれか一項に定義された核酸分子を特異的に増幅しうるプライマーまたはプライマー対。
【請求項19】
SEQ ID NO:52〜111からなる群より選択される、請求項18記載のプライマーまたはプライマー対。
【請求項20】
請求項1〜3のいずれか一項記載の核酸分子、請求項4もしくは5記載のベクター、請求項14記載のポリペプチド、請求項15もしくは16記載の抗体、請求項17記載のアプタマー、および/または請求項18もしくは19記載のプライマーもしくはプライマー対を含む、組成物。
【請求項21】
診断用組成物である、請求項20記載の組成物。
【請求項22】
任意に、検出のために適した手段をさらに含む、請求項21記載の診断用組成物。
【請求項23】
情動障害の検出のための診断用組成物の調製を目的とする、請求項1〜3のいずれか一項記載の核酸分子、請求項4もしくは5記載のベクター、請求項14記載のポリペプチド、請求項15もしくは16記載の抗体、請求項17記載のアプタマー、および/または請求項18もしくは19記載のプライマーもしくはプライマー対の使用法。
【請求項24】
情動障害または情動障害に対する感受性を診断する方法であって、個体から入手した試料において、該個体の細胞で発現されたP2XR7タンパク質が非機能性であるか否か、野生型P2XR7タンパク質と比較してATPゲート機構の変化を示すか否か、または非罹患個体のP2XR7タンパク質レベルと比較して過剰発現もしくは低発現されるか否かを判定する段階を含む方法。
【請求項25】
情動障害または情動障害に対する感受性を診断するための方法であって、個体から入手した試料において、P2X7R遺伝子配列またはそのコードされるタンパク質が、野生型P2X7R配列と比較して変異を含むか否かを判定する段階を含む方法。
【請求項26】
該変異が、請求項1に定義された変異である、ならびに/または、「P2X7Rの領域」欄に置換もしくは欠失が起こるP2X7Rゲノムヌクレオチド配列の領域を、表Cの「ヌクレオチド」欄に別のヌクレオチドによって置換されるヌクレオチドもしくは欠失しているヌクレオチドを、および表Cの「野生型における位置」欄にSEQ ID NO:1に示された野生型ATP感受性イオンチャンネルP2X7Rのヌクレオチド配列中の対応する位置を示している、以下の表Cより選択されるヌクレオチド置換もしくは欠失である、請求項25記載の方法。
【表C】



【請求項27】
ATP感受性イオンチャンネルP2X7R遺伝子における変異の存在がPCR法または免疫学的方法によって判定される、請求項26記載の方法。
【請求項28】
薬学的組成物である、請求項20記載の組成物。
【請求項29】
任意に、薬学的に許容される担体をさらに含む、請求項28記載の薬学的組成物。
【請求項30】
情動障害を治療する方法であって、請求項1〜3のいずれか一項に定義された核酸分子の治療的有効量、または請求項14記載のポリペプチドの治療的有効量を、該障害に罹患した対象に対して投与する段階を含む方法。
【請求項31】
情動障害の治療のための薬学的組成物の調製を目的とする、請求項1〜3のいずれか一項記載の核酸分子、請求項4もしくは5記載のベクター、請求項14記載のポリペプチド、請求項15もしくは16記載の抗体、および/または請求項17記載のアプタマーの使用法。
【請求項32】
機能性ATP感受性イオンチャンネルP2X7Rをコードする、
以下のものからなる群より選択されるヌクレオチド配列を含む核酸分子
を含む薬学的組成物:
(a)SEQ ID NO:3または4に示されたアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;
(b)SEQ ID NO:1または2に示されたヌクレオチド配列を含むヌクレオチド配列;
(c)(a)または(b)のヌクレオチド配列とハイブリダイズするヌクレオチド配列;および
(d)遺伝暗号の結果として(c)のヌクレオチド配列と縮重しているヌクレオチド配列。
【請求項33】
細胞に対するその投与が細胞におけるATP感受性イオンチャンネルP2X7Rをコードする核酸の発現の増大を引き起こすような化合物を含む、または細胞におけるその発現もしくは細胞に対するその投与が細胞におけるATP感受性イオンチャンネルP2X7Rをコードする核酸の発現の増大を引き起こすような核酸分子を含む、薬学的組成物。
【請求項34】
情動障害を治療する方法であって、請求項32もしくは33に定義された核酸分子の治療的有効量、またはそのコードされるポリペプチドの治療的有効量を、該障害に罹患した対象に対して投与する段階を含む方法。
【請求項35】
情動障害を治療するための薬学的組成物の調製を目的とする、請求項32または33に定義された核酸分子の使用法。
【請求項36】
情動障害を治療するための薬学的組成物の調製を目的とする、P2X7R活性の調節因子(modulator)の使用法。
【請求項37】
該調節因子が作動薬である、請求項36記載の使用法。
【請求項38】
該作動薬が、ATP、ATP-4およびBzATP(2'-3'-O-(4-ベンゾイルベンゾイル)アデノシン5'-三リン酸(C24H24N15O15P3))からなる群より選択される、請求項37記載の使用法。
【請求項39】
情動障害を治療するための薬学的組成物の調製を目的とする、テニダップ(tenidap)(C15H11CIN202S)またはその誘導体または3-置換-2-オキシインドール-1-カルボキサミドの使用法。
【請求項40】
該薬学的組成物が任意に、β-アドレナリン受容体調節因子をさらに含む、請求項35〜39のいずれか一項記載の使用、または請求項34記載の使用法。
【請求項41】
該β-アドレナリン受容体調節因子が、DL-プロプラノロール、D-プロプラノロールおよびラベタロール(labetolol)からなる群より選択されるβ-アドレナリン受容体拮抗薬である、請求項40記載の使用法または方法。
【請求項42】
該情動障害が、大うつ病、全般性不安障害および双極性障害からなる群より選択される、請求項23、30もしくは35〜41のいずれか一項記載の使用法、または請求項24〜27もしくは34のいずれか一項記載の方法。
【請求項43】
該大うつ病が、大うつ病、気分変調、非定型的うつ病、月経前不快気分障害および季節性情動障害からなる群より選択される、請求項42記載の使用法または方法。
【請求項44】
該全般性不安障害が、パニック障害、恐怖症、広場恐怖症、対人恐怖症、特定の恐怖症、強迫性障害、心的外傷後ストレス障害、分離不安障害、躁病、軽躁病および気分循環性障害からなる群より選択される、請求項42記載の使用法または方法。
【請求項45】
該双極性障害が双極性障害I型または双極性障害II型である、請求項42記載の使用法または方法。
【請求項46】
請求項1〜3のいずれか一項記載の核酸分子、請求項4もしくは5記載のベクター、請求項6〜11のいずれか一項記載の宿主、請求項14記載のポリペプチド、請求項15もしくは16記載の抗体、請求項17記載のアプタマー、および/または請求項18もしくは19記載のプライマーもしくはプライマー対を含む、キット。
【請求項47】
請求項14記載のポリペプチドと特異的に相互作用しうる化合物を同定するための方法であって、
(a)請求項14記載のポリペプチドを、検査しようとする化合物または化合物の候補混合物と接触させる段階;および
(b)該化合物または化合物の候補混合物が該ポリペプチドと特異的に相互作用しうるか否かを判定する段階、
を含む方法。
【請求項48】
請求項14記載のポリペプチドの特性を変化させうる化合物の特性決定のための方法であって、
(a)請求項14記載のポリペプチドを化合物または候補混合物と接触させる段階;および
(b)化合物または候補混合物が請求項14記載のポリペプチドの特性を変化させるか否かを判定する段階、
を含む方法。
【請求項49】
請求項14記載のポリペプチドと相互作用しうる化合物に関するスクリーニングの方法であって、
(a)請求項14記載のポリペプチドを化合物または化合物の候補混合物と接触させる段階;
(b)応答を測定および/または検出する段階;ならびに
(c)該応答を該候補分子の非存在下で測定した標準的な応答と比較する段階、
を含む方法。
【請求項50】
薬学的組成物の製造のための方法であって、請求項47〜49のいずれか一項記載の方法の諸段階を含む上に、該同定された、特性決定された、および/またはスクリーニングされた分子の誘導体を生成するさらなる段階をさらに含む方法。
【請求項51】
薬学的組成物の製造のための方法であって、請求項47〜50のいずれか一項記載の方法の諸段階を含む上に、同定された、特性決定された、スクリーニングされた、および/または誘導体化された分子を薬学的に許容される形態へと製剤化する段階を含む方法。
【請求項52】
製造しようとする薬学的組成物が、神経保護物質、向知性物質、ブリリアントブルー、ピペリジンまたはそのピペラジン誘導体、アダマンタン誘導体、置換型フェニル化合物、酸化ATP、2-O-(4-ベンゾイルベンゾイル)アデノシン-5-三リン酸、3-O-(4-ベンゾイルベンゾイル)アデノシン-5-三リン酸またはβ-アドレナリン受容体調節因子をさらに含む、請求項51記載の方法。
【請求項53】
該化合物または化合物の候補混合物が、変化したATP感受性イオンチャンネルP2X7Rに対する拮抗薬、部分的拮抗薬、部分的作動薬および/または作動薬を含む、請求項47〜52のいずれか一項記載の方法。
【請求項54】
個体の情動障害を診断するための方法であって、
(a)個体から入手した細胞からDNAを単離する段階;
(b)P2X7R遺伝子のヌクレオチド組成のすべてまたは部分を決定する段階;および
(c)P2X7Rの該ヌクレオチド組成を1つまたは複数の多型、変異または対立遺伝子多様性に関して分析する段階、
を含む方法。
【請求項55】
個体の情動障害を診断するための方法であって、
(a)個体から入手した細胞からRNAを単離する段階;
(b)該RNAをcDNAに変換する段階;
(c)P2X7R遺伝子のヌクレオチド組成のすべてまたは部分を決定する段階;および
(d)P2X7Rの該ヌクレオチド組成を1つまたは複数の多型、変異または対立遺伝子多様性に関して分析する段階、
を含む方法。
【請求項56】
個体の情動障害を診断するための方法であって、
(a)個体から入手した細胞からRNAまたはタンパク質を
単離する段階;
(b)P2X7R RNAまたはタンパク質のレベルを決定する段
階;および
(c)P2X7R RNAまたはタンパク質のレベルを、情動障害
に罹患していない正常個体による対応するレベルと比較する段階、
を含む方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情動障害を治療するための薬学的組成物の調製のための、P2X7R活性の調節因子の(modulator)使用法。
【請求項2】
調節因子が作動薬である、請求項1記載の使用法。
【請求項3】
作動薬が、ATP、ATP-4およびBzATP(2'-3'-O-(4-ベンゾイルベンゾイル)アデノシン5'-三リン酸(C24H24N5O15P3))からなる群より選択される、請求項2記載の使用法。
【請求項4】
情動障害を治療するための薬学的組成物の調製のための、テニダップ(tenidap)(C15H11CIN202S)またはその誘導体または3-置換-2-オキシインドール-1-カルボキサミドの使用法。
【請求項5】
薬学的組成物が任意に、β-アドレナリン受容体調節因子をさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項記載の使用法。
【請求項6】
β-アドレナリン受容体調節因子が、DL-プロプラノロール(propanolol)、D-プロプラノロールおよびラベタロール(labetolol)からなる群より選択されるβ-アドレナリン受容体拮抗薬である、請求項5記載の使用法。
【請求項7】
情動障害が、大うつ病、全般性不安障害および双極性障害からなる群より選択される、請求項1〜6のいずれか一項記載の使用法。
【請求項8】
大うつ病が、大うつ病、気分変調、非定型的うつ病、月経前不快気分障害および季節性情動障害からなる群より選択される、請求項7記載の使用法。
【請求項9】
全般性不安障害が、パニック障害、恐怖症、広場恐怖症、対人恐怖症、特定の恐怖症、強迫性障害、心的外傷後ストレス障害、分離不安障害、躁病、軽躁病および気分循環性障害からなる群より選択される、請求項7記載の使用法。
【請求項10】
双極性障害が双極性障害I型または双極性障害II型である、請求項7記載の使用法。
【請求項11】
情動性障害の検出のための診断用組成物の調製のための以下の使用方法:
(i)以下のものからなる群より選択される核酸配列を含む核酸分子:
(a)ATP感受性(ATP-gated)イオンチャンネルP2X7Rをコードし、かつSEQ ID NO:1に示された野生型ATP感受性イオンチャンネルP2X7Rのゲノム配列の位置362、532、1100、1122、1171または1702に対応する、5'UTR領域内の変異を含むゲノムヌクレオチド配列であって、該位置で該ヌクレオチドが別のヌクレオチドによって置換されているゲノムヌクレオチド配列;
(b)ATP感受性イオンチャンネルP2X7Rのアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする核酸配列であって、以下の表Aの「エクソン」欄に示されたエクソンにおいて、SEQ ID NO:3または4に示された野生型ATP感受性イオンチャンネルP2X7Rのアミノ酸配列の表Aの「野生型における位置」欄に示された位置に対応する表Aの「アミノ酸残基」欄に示されたアミノ酸残基が、別のアミノ酸残基によって置換されている核酸配列;
【表A】

(c)ATP感受性イオンチャンネルP2X7Rをコードし、かつSEQ ID NO:1に示された野生型ATP感受性イオンチャンネルP2X7Rのヌクレオチド配列の位置32548または位置37633に対応する、エクソン5または8内の変異を含むヌクレオチド配列であって、該位置で該ヌクレオチドが別のヌクレオチドによって置換されているヌクレオチド配列;
(d)ATP感受性イオンチャンネルP2X7Rのアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする核酸配列であって、SEQ ID NO:3または4に示された野生型ATP感受性イオンチャンネルP2X7Rの位置488〜494に対応するアミノ酸が欠失している核酸配列;
(e)ATP感受性イオンチャンネルP2X7Rをコードするゲノムヌクレオチド配列であって、以下の表Bの「イントロン」欄に示されたイントロンにおいて、SEQ ID NO:1に示された野生型ATP感受性イオンチャンネルP2X7Rのヌクレオチド配列の表Bの「野生型における位置」欄に示された位置に対応する表Bの「置換されるヌクレオチド」欄に示されたヌクレオチドが、別のヌクレオチドによって置換されているゲノムヌクレオチド配列;
【表B】

(f)ATP感受性イオンチャンネルP2X7Rをコードし、かつSEQ ID NO:1に示された野生型ATP感受性イオンチャンネルP2X7Rのヌクレオチド配列の位置54925、55169、55170、55171、または55917に対応する、3'UTR領域内の変異を含むゲノムヌクレオチド配列であって、該位置で該ヌクレオチドが別のヌクレオチドによって置換されているゲノムヌクレオチド配列;
(g)少なくとも20または21ヌクレオチドを含み、かつ(a)〜(f)のいずれか1つに定義された変異または欠失を含むヌクレオチド配列;
(h)SEQ ID NO:13〜51のいずれか1つに示されたヌクレオチド配列を含む核酸配列;
(j)SEQ ID NO:5〜12のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする核酸配列;
(k)(a)〜(g)のいずれか1つに定義されたヌクレオチド配列と、または(h)のヌクレオチド配列とハイブリダイズし、かつ(a)〜(f)のいずれか1つに定義された変異を有するヌクレオチド配列;および
(l)遺伝暗号の結果として(j)に定義された核酸配列と縮重性のある核酸配列。
(m)「P2X7Rの領域」欄に置換もしくは欠失が起こるP2X7Rゲノムヌクレオチド配列の領域を、表Cの「ヌクレオチド」欄に別のヌクレオチドによって置換されるヌクレオチドもしくは欠失しているヌクレオチドを、および表Cの「野生型における位置」欄にSEQ ID NO:1に示された野生型ATP感受性イオンチャンネルP2X7Rのヌクレオチド配列中の対応する位置を示している、以下の表Cより選択されるヌクレオチド置換もしくは欠失を有するゲノムヌクレオチド配列。
【表C】



(ii)(i)の核酸分子を含むベクター;
(iii)(i)(b)または(i)(d)の核酸配列によってコードされるポリペプチド;
(iv)(iii)のポリペプチドを特異的に対象とする抗体;
(v)(i)の核酸分子と特異的に結合するアプタマー;および/または
(vi)(i)の核酸分子を特異的に増幅しうるプライマーまたはプライマー対。
【請求項12】
核酸分子がマウス、ラットまたはヒトに由来する、請求項11記載の使用法。
【請求項13】
核酸分子がDNA、RNA、PNAまたはホスホロチオエートである、請求項11または12記載の使用法。
【請求項14】
抗体が、
(i)ATP感受性イオンチャンネルP2X7Rのアミノ酸配列を有するポリペプチドによって特異的に提示されるエピトープであって、SEQ ID NO:3または4に示された野生型ATP感受性イオンチャンネルP2X7Rの位置117、150、186、191、270、568または578に対応するR(Arg)、G(Gly)、E(Glu)、L(Leu)、R(Arg)、I(Ile)またはR(Arg)残基が別のアミノ酸残基によって置換されているエピトープ;および
(ii)ATP感受性イオンチャンネルP2X7Rのアミノ酸配列を有するポリペプチドによって特異的に提示されるエピトープであって、SEQ ID NO:3または4に示された野生型ATP感受性イオンチャンネルP2X7Rの位置488〜494に対応するアミノ酸が欠失しているエピトープ、
からなる群より選択されるATP感受性イオンチャンネルP2X7Rにおける変異によって生じたおよび/または形成されたエピトープと特異的に反応する、請求項11記載の使用法。
【請求項15】
抗体がモノクローナル抗体である、請求項11または14記載の使用法。
【請求項16】
プライマーまたはプライマー対が、SEQ ID NO:52〜111からなる群より選択される、請求項11記載の使用法。
【請求項17】
診断用組成物が任意に、検出のために適した手段をさらに含む、請求項11〜16のいずれか一項記載の使用法。
【請求項18】
情動障害または情動障害に対する感受性を診断する方法であって、個体から入手した試料において、該個体の細胞で発現されたP2XR7タンパク質が非機能性であるか否か、野生型P2XR7タンパク質と比較してATPゲート機構の変化を示すか否か、または非罹患個体のP2XR7タンパク質レベルと比較して過剰発現もしくは低発現されるか否かを判定する段階を含む方法。
【請求項19】
情動障害または情動障害に対する感受性を診断するための方法であって、個体から入手した試料において、P2X7R遺伝子配列またはそのコードされるタンパク質が、野生型P2X7R配列と比較して変異を含むか否かを判定する段階を含む方法。
【請求項20】
変異が、請求項11に定義された変異である、請求項19記載の方法。
【請求項21】
ATP感受性イオンチャンネルP2X7R遺伝子における変異の存在がPCR法または免疫学的方法によって判定される、請求項20記載の方法。
【請求項22】
情動障害が、大うつ病、全般性不安障害および双極性障害からなる群より選択される、請求項11〜17のいずれか一項記載の使用法、または請求項18〜21のいずれか一項記載の方法。
【請求項23】
大うつ病が、大うつ病、気分変調、非定型的うつ病、月経前不快気分障害および季節性情動障害からなる群より選択される、請求項22記載の使用法または方法。
【請求項24】
全般性不安障害が、パニック障害、恐怖症、広場恐怖症、対人恐怖症、特定の恐怖症、強迫性障害、心的外傷後ストレス障害、分離不安障害、躁病、軽躁病および気分循環性障害からなる群より選択される、請求項22記載の使用法または方法。
【請求項25】
双極性障害が双極性障害I型または双極性障害II型である、請求項22記載の使用法または方法。
【請求項26】
個体の情動障害を診断するための方法であって、
(a)個体から入手した細胞からDNAを単離する段階;
(b)P2X7R遺伝子のヌクレオチド組成のすべてまたは部分を決定する段階;および
(c)P2X7Rの該ヌクレオチド組成を1つまたは複数の多型、変異または対立遺伝子多様性に関して分析する段階、
を含む方法。
【請求項27】
個体の情動障害を診断するための方法であって、
(a)個体から入手した細胞からRNAを単離する段階;
(b)該RNAをcDNAに変換する段階;
(c)P2X7R遺伝子のヌクレオチド組成のすべてまたは部分を決定する段階;および
(d)P2X7Rの該ヌクレオチド組成を1つまたは複数の多型、変異または対立遺伝子多様性に関して分析する段階、
を含む方法。
【請求項28】
個体の情動障害を診断するための方法であって、
(a)個体から入手した細胞からRNAまたはタンパク質を
単離する段階;
(b)P2X7R RNAまたはタンパク質のレベルを決定する段
階;および
(c)P2X7R RNAまたはタンパク質のレベルを、情動障害
に罹患していない正常個体による対応するレベルと比較する段階、
を含む方法。
【請求項29】
情動障害の診断に用いるための診断用組成物であって、請求項11、12もしくは13に定義された核酸分子、請求項11に定義されたベクター、請求項11に定義されたポリペプチド、請求項11、14もしくは15に定義された抗体、請求項11に定義されたアプタマー、および/または請求項11もしくは16に定義されたプライマーもしくはプライマー対を含む、診断用組成物。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図16D】
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【図16E】
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【図17】
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【図18】
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【図19A】
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【図19B】
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【図19C】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公表番号】特表2006−523648(P2006−523648A)
【公表日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−505172(P2006−505172)
【出願日】平成16年4月16日(2004.4.16)
【国際出願番号】PCT/EP2004/004076
【国際公開番号】WO2004/092384
【国際公開日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
Macintosh
【出願人】(505386797)アフェクティス ファーマシューティカルズ アーゲー (4)
【Fターム(参考)】