説明

情報コードおよび情報コード読取装置

【課題】一般的な読取装置による読み取りを困難とし、その一方で、特定の読取装置を用いた読み取りを行う場合には確実に読み取り得る情報コードを提供する。
【解決手段】コード領域20内には、第2波長帯の光が照射されたときに、明色の反射特性を示す明色モジュールと暗色の反射特性を示す暗色モジュールとが複数配列されている。このコード領域20のうち上記所定領域上には、第2波長帯の光が照射されたときに当該コード領域20を構成する各モジュールからの反射光を透過させ、第1波長帯の光の透過を妨げる被覆部11が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報コードおよび情報コード読取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、バーコードやQRコード(登録商標)などの情報コードが様々な用途で使用されており、その使用目的も多様化しつつある。特に、近年では、情報コードのセキュリティ性向上のニーズが高まってきており、特定の条件を満たした場合にのみ情報コードを読み取ることができるような構成が求められている。なお、情報コードにセキュリティ機能を付加した技術に関するものとしては、例えば特許文献1のようなものが提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−115105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の技術では、QRコードの位置決めマーク(位置検出領域)のマージン部に枠部を付加することで、QRコードの領域の確定(切り出し)を不可能にしている。具体的には、枠部が、QRコードの印刷された基材から剥離可能な接着シールに印刷されており、このように枠部を構成する接着シールをマージン部に貼り付けることで、QRコードらしきものの存在を外部から視認可能でありながら、読み取り不可能な状態にする。そして、接着シールを剥離することで、QRコードを読み取り可能に変えることができる。
【0005】
しかしながら、この特許文献1の技術をセキュリティ機能を付加するための技術として採用する場合には、接着シールを情報コードから剥離すると、この情報コードは通常のものであり、この情報コードから容易に情報が読み取れてしまう。このため、特定の使用者にのみ情報を読み取らせることが難しいという問題がある。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、一般的な読取装置による読み取りを困難とし、その一方で、特定の読取装置を用いた読み取りを行う場合には確実に読み取り得る情報コードおよび情報コード読取装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、特許請求の範囲に記載の請求項1の情報コードは、第1波長帯の光と異なる第2波長帯の光が照射されたときに、明色の反射特性を示す明色モジュールと暗色の反射特性を示す暗色モジュールとがコード領域(20,20a)内に複数配列される情報コード(10,10a〜10h)であって、前記コード領域のうち遮光されることで当該情報コードが解読不能となる所定領域(21,22a〜22c,23a〜23d,24a,24b)上には、前記第2波長帯の光が照射されたときに当該コード領域を構成する前記各モジュールからの反射光を透過させ、前記第1波長帯の光の透過を妨げる被覆部(11〜18,18a,18b)が設けられることを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載の情報コードにおいて、前記コード領域(20a)は、複数の前記明色モジュールおよび前記暗色モジュールを配列してなるキャラクタが、読取方向に沿い複数配列されて構成され、前記被覆部は、前記所定領域として、前記各キャラクタのうち前記読取方向の先頭を示すシンボル(24a)と前記読取方向の末尾を示すシンボル(24b)との少なくともいずれか1つを被覆するように配置されることを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1に記載の情報コードにおいて、当該情報コードは、位置を特定するための位置検出領域(22a〜22c)が前記コード領域(20)に含まれる二次元コードであって、前記被覆部は、前記所定領域として、前記位置検出領域を被覆するように配置されることを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1に記載の情報コードにおいて、当該情報コードは、位置を特定するための位置検出領域(22a〜22c)と、当該情報コードを解読するためのフォーマット情報を取得するためのフォーマット情報領域(23a〜23d)と、が前記コード領域(20)に含まれる二次元コードであって、前記被覆部は、前記所定領域として、前記位置検出領域および前記フォーマット情報領域の少なくともいずれか1つを被覆するように配置されることを特徴とする。
【0011】
請求項5の発明は、請求項1に記載の情報コードにおいて、当該情報コードは、所定の位置に規定された形状をなす特徴パターン領域(22a〜22c)が前記コード領域に含まれる二次元コードであって、前記被覆部(17)は、前記所定領域として、前記特徴パターン領域の一部を被覆するように配置されることを特徴とする。
【0012】
請求項6の発明は、請求項1に記載の情報コードにおいて、当該情報コードは、所定の位置に規定された形状をなす特徴パターン領域(22a〜22c)が前記コード領域に含まれる二次元コードであって、前記被覆部(18,18a,18b)は、前記所定領域として、前記特徴パターン領域を除く領域を被覆するように配置されることを特徴とする。
【0013】
請求項7の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の情報コードにおいて、前記被覆部(12)は、形状、模様や色彩を変化させた任意の図形から構成されることを特徴とする。
【0014】
請求項8の発明は、請求項1に記載の情報コードにおいて、前記被覆部(13)は、前記コード領域を全て被覆するように配置されることを特徴とする。
【0015】
請求項9の発明は、請求項1または8に記載の情報コードにおいて、前記被覆部(14)は、前記第1波長帯の光が照射されたときに、明色の反射特性を示す明色モジュールと暗色の反射特性を示す暗色モジュールとが複数配列されて、前記コード領域から得られる情報と異なる情報を有する他の情報コードとして構成されることを特徴とする。
【0016】
請求項10の発明は、請求項1〜9のいずれか一項に記載の情報コードにおいて、前記所定領域上には、前記被覆部に加えて、常温よりも高い温度で透光性を有する第2被覆部(30)が配置されることを特徴とする。
【0017】
請求項11の発明は、請求項1〜10のいずれか一項に記載の情報コードにおいて、前記被覆部(15,16)は、前記所定領域に対して後から付加可能に別体として構成されることを特徴とする。
【0018】
請求項12の発明は、請求項11に記載の情報コードにおいて、前記被覆部(15)は、前記所定領域に対してシール部材を後から貼り付けることで付加されることを特徴とする。
【0019】
請求項13の発明は、請求項11に記載の情報コードにおいて、前記被覆部(16)は、前記所定領域に対してインクを後から塗布することで付加されることを特徴とする。
【0020】
請求項14の発明は、請求項1〜13のいずれか一項に記載の情報コードを光学的に読み取る情報コード読取装置であって、前記第1波長帯の光および前記第2波長帯の光のうち、少なくとも前記第2波長帯の光を照射可能な照明手段と、前記第1波長帯の光および前記第2波長帯の光のいずれかが照射された前記情報コードを撮像する撮像手段と、前記撮像手段によって撮像された前記情報コードの画像から抽出される前記コード領域を構成する前記各モジュールの配列に基づいて、当該コード領域を解読する解読手段と、を備えることを特徴とする。
【0021】
請求項15の発明は、前記特徴パターン領域が位置を特定するための位置検出領域である請求項6に記載の情報コードを光学的に読み取る情報コード読取装置であって、前記第1波長帯の光および前記第2波長帯の光のうち、少なくとも前記第2波長帯の光を照射可能な照明手段と、前記照明手段によって前記第1波長帯の光および前記第2波長帯の光のいずれかが照射された前記情報コードを撮像する撮像手段と、前記撮像手段によって撮像された前記情報コードの画像から抽出される前記位置検出領域に基づいて前記コード領域の位置を特定し、位置が特定されることで抽出されたコード領域を構成する前記各モジュールの配列に基づいて、当該コード領域を解読する解読手段と、を備え、前記照明手段は、前記第1波長帯の光が当たった状態で前記撮像手段により撮像された画像から前記解読手段により前記位置検出領域が抽出されて前記コード領域が抽出されない場合に、前記第2波長帯の光を照射し、前記解読手段は、前記照明手段により前記第2波長帯の光が照射される状態で前記撮像手段により撮像された画像に対して、前記第1波長帯の光が当たった状態で抽出された位置検出領域に基づいて前記コード領域の位置を特定し、このように位置が特定されることで抽出されたコード領域を構成する前記各モジュールの配列に基づいて、当該コード領域を解読することを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
請求項1の発明では、コード領域内には、第2波長帯の光が照射されたときに、明色の反射特性を示す明色モジュールと暗色の反射特性を示す暗色モジュールとが複数配列されている。このコード領域のうち上記所定領域上には、第2波長帯の光が照射されたときに当該コード領域を構成する各モジュールからの反射光を透過させ、第1波長帯の光の透過を妨げる被覆部が設けられている。
【0023】
上述のように構成される情報コードは、上記第2波長帯の光が照射されることで、上記被覆部が取り除かれたコード領域を撮像可能となるので、上記第2波長帯の光を照明できる特定の読取装置によりコード領域から特定の情報を読み取ることができる。一方、一般的な読取装置では、被覆部により妨げられてコード領域を完全に撮像できないことから、当該情報コードが解読不能または解読困難となる。このため、上記特定の読取装置を使用する特定の使用者のみが上記特定の情報を読み取ることができ、当該情報コードのセキュリティ性を高めることができる。
したがって、一般的な読取装置による当該情報コードの読み取りを困難とし、その一方で、上記第2波長帯の光を照明可能な特定の読取装置を用いて読み取りを行う場合には確実に読み取ることができる。
特に、コピー機や一般的なカメラ撮影などによって情報コード付近が複製されたとしても、被覆部のためにコード領域を解読可能な形で(即ち、明色モジュールと暗色モジュールとが分離された解読可能な形で)複製することができなくなる。したがって、情報コードの複製によるデータ漏洩、転用等を効果的に防止することができる。
【0024】
請求項2の発明では、コード領域は、例えばバーコードのように、複数の明色モジュールおよび暗色モジュールを配列してなるキャラクタが、読取方向に沿い複数配列されて構成される。このコード領域は、上記所定領域として読取方向の先頭を示すシンボルと読取方向の末尾を示すシンボルとの少なくともいずれか1つが被覆部により被覆される。
このため、上記第2波長帯の光を照明できる特定の読取装置を除き、上記両シンボルの少なくともいずれか1つを読み取ることができないので、一般的な読取装置による当該情報コードの読み取りをより困難にすることができる。
【0025】
請求項3の発明では、コード領域は、QRコードやデータマトリックスコード、マキシコード、Aztecコード等の二次元コードのように、位置検出領域を含むように構成され、この位置検出領域が被覆部により被覆される。
このため、上記第2波長帯の光を照明できる特定の読取装置を除き、上記位置検出領域を認識することができないので、一般的な読取装置による当該二次元コードの読み取りをより困難にすることができる。
【0026】
請求項4の発明では、コード領域は、QRコード等の二次元コードのように、位置検出領域およびフォーマット情報領域を含むように構成され、これら位置検出領域およびフォーマット情報領域の少なくともいずれか1つが被覆部により被覆される。
このため、上記第2波長帯の光を照明できる特定の読取装置を除き、位置検出領域およびフォーマット情報領域の少なくともいずれか1つを読み取ることができないので、一般的な読取装置による当該二次元コードの読み取りをより困難にすることができる。
【0027】
請求項5の発明では、コード領域は、QRコードやデータマトリックスコード、マキシコード、Aztecコード等の二次元コードに含まれる位置検出領域等のように、所定の位置に規定された形状をなす特徴パターン領域を含むように構成され、この特徴パターン領域の一部が被覆部により被覆される。
このようにしても、上記第2波長帯の光を照明できる特定の読取装置を除き、上記特徴パターン領域を認識することができないので、一般的な読取装置による当該二次元コードの読み取りをより困難にすることができる。
【0028】
一方、特徴パターン領域の残部は被覆部により被覆されないので、使用者に対して、当該特徴パターン領域の存在を視認させることができる。このため、使用者は、特徴パターン領域の位置を認識しているので、上記第2波長帯の光を照明できる特定の読取装置を使用する際に、二次元コードに対して読取装置を的確に向けることで、当該情報コードを確実に読み取ることができる。
【0029】
請求項6の発明では、コード領域は、QRコードやデータマトリックスコード、マキシコード、Aztecコード等の二次元コードに含まれる位置検出領域等のように、所定の位置に規定された形状をなす特徴パターン領域を含むように構成され、この特徴パターン領域を除く領域が被覆部により被覆される。
これにより、上記第2波長帯の光を照明できる特定の読取装置を除き、特徴パターン領域を除く領域を認識することができないので、一般的な読取装置による当該二次元コードの読み取りをより困難にすることができる。
【0030】
一方、特徴パターン領域は被覆部により被覆されないので、使用者に対して、当該特徴パターン領域の存在を視認させることができる。このため、使用者は、特徴パターン領域の位置を認識しているので、上記第2波長帯の光を照明できる特定の読取装置を使用する際に、二次元コードに対して読取装置を的確に向けることで、当該情報コードを確実に読み取ることができる。
【0031】
また、請求項6の発明に係る情報コードでは、少なくとも上記第2波長帯の光を照明できる特定の読取装置を使用することで、上記第1波長帯の光が当たった状態で撮像した画像からコード領域が抽出されず解読不能となる場合でも特徴パターン領域が抽出される。この抽出された特徴パターン領域が位置検出領域である場合、当該位置検出領域の抽出後にその撮像位置にて上記第2波長帯の光を照射した状態で撮像すると、コード領域の位置は、上述のように抽出された位置検出領域から特定することができる。これにより、位置検出領域の抽出が不要となるため、当該情報コードを読み取る読取処理の処理時間を短縮することができるだけでなく、読取処理における負荷を軽減することができる。
【0032】
請求項7の発明では、被覆部は、形状、模様や色彩を変化させた任意の図形から構成される。このように被覆部が任意の図形から構成されても、この被覆部が上記第2波長帯の光の照射に応じたコード領域からの反射光を透過させるので、セキュリティ性を高めるとともにデザイン性を向上させた情報コードを実現することができる。
【0033】
請求項8の発明では、被覆部は、コード領域を全て被覆するように配置されるため、使用者はそもそもコード領域を視認できないので、使用者が使用する一般的な読取装置による当該情報コードの読み取りを確実に困難にすることができる。
【0034】
請求項9の発明では、被覆部は、第1波長帯の光が照射されたときに、明色の反射特性を示す明色モジュールと暗色の反射特性を示す暗色モジュールとが複数配列される他の情報コードとして構成される。
このため、一般的な読取装置では当該被覆部を通常の情報コードとして読み取り、この被覆部により被覆されたコード領域を読み取ることもない。特に、第2波長帯の光を照射するとコード領域が撮像可能となり、第1波長帯の光を照射すると被覆部として構成される他の情報コードが撮像可能となるので、両波長帯の光を照射可能な読取装置を使用することで、1つの情報コードの表示スペースで2種類の情報を読み取ることができ、表示スペースの効率化を図ることができる。
【0035】
請求項10の発明では、所定領域上には、被覆部に加えて、常温よりも高い温度で透光性を有する第2被覆部が配置されるため、上記第2波長帯の光が照射されただけでは、コード領域を読み取り可能に撮像することができず、更に第2被覆部を高温にする必要がある。このため、上記第2波長帯の光を照明可能であって上記第2被覆部を加熱可能な特定の読取装置を使用する特定の使用者のみが上記特定の情報を読み取ることができるので、一般的な読取装置による当該情報コードの読み取りを確実に困難にすることができる。
【0036】
請求項11の発明では、被覆部は、上記所定領域に対して後から付加可能に別体として構成される。これにより、既存の情報コードに対しても、上述のように構成される被覆部により上記所定領域を被覆することで、一般的な読取装置による当該情報コードの読み取りを困難とし、その一方で、上記第2波長帯の光を照明可能な特定の読取装置を用いて読み取りを行う場合には確実に読み取ることができる。
【0037】
請求項12の発明では、被覆部は、上記所定領域に対してシール部材を後から貼り付けることで付加されるため、既存の情報コードの上記所定領域を当該被覆部により容易に被覆することができる。
【0038】
請求項13の発明では、被覆部は、上記所定領域に対してインクを後から塗布することで付加されるため、既存の情報コードの上記所定領域を当該被覆部により容易に被覆することができる。
【0039】
請求項14の発明では、第1波長帯の光および第2波長帯の光のいずれかが当たった状態で撮像手段により撮像された情報コードの画像から抽出されるコード領域を構成する各モジュールの配列に基づいて、解読手段により当該コード領域が解読される。
これにより、請求項1〜13のいずれか一項に記載の情報コードを読取対象とする場合には、その情報コードに対して第2波長帯の光を照射した状態で撮像することで、被覆部を除くようにそのコード領域が撮像されるので、被覆部の被覆状態にかかわらずコード領域を解読することができる。一方、請求項1〜13のいずれか一項に記載の情報コードに対して第1波長帯の光が当たった状態で撮像する場合には、被覆部がコード領域を解読不能とする所定領域を被覆するように撮像されるので、コード領域の解読が困難となる。
【0040】
また、第1波長帯の光が当たったときに明色の反射特性を示す明色モジュールと暗色の反射特性を示す暗色モジュールとがコード領域内に複数配列されてこのコード領域が被覆部により被覆されない情報コードを読取対象とする場合、例えば、上記第1波長帯の光が可視光であり通常の情報コードを読取対象とする場合には、その情報コードに対して第1波長帯の光が当たった状態で撮像することで、そのコード領域が撮像される。これにより、請求項1〜13のいずれか一項に記載の情報コードと異なり被覆部を有しない情報コードであっても、そのコード領域を解読することができる。
【0041】
請求項15の発明では、第1波長帯の光が当たった状態で撮像手段により撮像された画像から解読手段により特徴パターン領域として位置検出領域が抽出されてコード領域が抽出されない場合に、照明手段により第2波長帯の光が照射される。この照射状態で撮像手段により撮像された画像に対して、解読手段により、上記第1波長帯の光が当たった状態で抽出された位置検出領域に基づいてコード領域の位置が特定され、このように位置が特定されることで抽出されたコード領域を構成する各モジュールの配列に基づいて当該コード領域が解読される。
【0042】
請求項6に記載の情報コードを読取対象とする場合には、その情報コードに対して第1波長帯の光が当たった状態で撮像すると、コード領域の位置検出領域が抽出されても当該コード領域が抽出されず解読不能となる。この場合、上記位置検出領域の抽出後にその撮像位置にて上記第2波長帯の光を照射した状態で撮像すると、コード領域の位置は、上述のように抽出された位置検出領域から特定することができる。これにより、位置検出領域の抽出が不要となるため、当該情報コードを読み取る読取処理の処理時間を短縮することができるだけでなく、読取処理における負荷を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】第1実施形態に係る情報コードを読み取る情報コード読取装置の要部を概略的に例示するブロック図である。
【図2】図2(A)は、第1実施形態に係る情報コードの一例を説明する説明図であり、図2(B)は、図2(A)の情報コードから被覆部を取り除いた状態を示す説明図である。
【図3】第1実施形態の第1変形例に係る情報コードの一例を説明する説明図である。
【図4】図4(A),(B)は、第1実施形態の第2変形例に係る情報コードの一例を説明する説明図である。
【図5】第2実施形態に係る情報コードの一例を説明する説明図である。
【図6】図6(A)は、第3実施形態に係る情報コードの一例を説明する説明図であり、図6(B)は、図6(A)の情報コードから被覆部を取り除いた状態を示す説明図である。
【図7】図7(A)は、第4実施形態に係る情報コードの一例を説明する説明図であり、図7(B)は、図7(A)の情報コードから被覆部を取り除いた状態を示す説明図である。
【図8】第4実施形態の第1変形例に係る情報コードの一例を説明する説明図であり、図8(A)は、下地を塗布した状態を示し、図8(B)は、下地上にQRコードを印字した状態を示す。
【図9】図9(A)は、第5実施形態に係る情報コードの一例を説明する説明図であり、図9(B)は、図9(A)の情報コードから被覆部を取り除いた状態を示す説明図である。
【図10】第6実施形態に係る情報コードの一例を説明する説明図であり、図10(A)は、コード領域と被覆部とを分離した状態を示し、図10(B)は、コード領域の一部を被覆部により被覆した状態を示す。
【図11】第6実施形態の第1変形例に係る情報コードの一例を説明する説明図である。
【図12】第7実施形態に係る情報コードの一例を説明する説明図である。
【図13】第8実施形態に係る情報コードの一例を説明する説明図である。
【図14】図14(A)は、第8実施形態で用いられる情報コードの第1変形例を概略的に説明する説明図であり、図14(B)は、第8実施形態で用いられる情報コードの第2変形例を概略的に説明する説明図である。
【図15】第9実施形態に係る情報コード読取装置での読取処理を例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0044】
[第1実施形態]
以下、本発明の情報コードを具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る情報コード10を読み取る情報コード読取装置40の要部を概略的に例示するブロック図である。
図1に示す情報コード読取装置40は、読取対象Rに付された一次元コード(バーコード等)および二次元コード(QRコード、データマトリックスコード、マキシコード、Aztecコード等)等の一般的な情報コードや、本発明の特徴的構成を有する情報コード10を光学的に読み取り可能な構成となっている。以下では、これら情報コード10および情報コード読取装置40について詳述する。
【0045】
(情報コード読取装置)
図1に示す情報コード読取装置40は、読取対象Rに付された情報コードを撮像し、読み取る機能を有している。この情報コード読取装置40は、CPU等からなる制御部41、受光センサ(例えば、C−MOSエリアセンサ、CCDエリアセンサ等)を備えたカメラとして構成される撮像部42、第1波長帯の光を照射する第1照明光源43、第2波長帯の光を照射する第2照明光源44、ROM、RAM、不揮発性メモリなどの記憶手段からなる記憶部45などを備えている。また、情報コード読取装置40には、液晶表示器などからなる表示部46や、各種操作キーなどからなる操作部47なども設けられている。
【0046】
撮像部42は、一対の第1照明光源43a,43bの間に配置されており、読取対象Rやこの読取対象Rに付された情報コードからの反射光を受光センサ42aの受光面に結像させ、情報コードの画像データを生成するように機能している。受光センサ42aは、読取対象Rに照射されて反射した反射光を受光可能に構成されるもので、例えば、C−MOSやCCD等の固体撮像素子である受光素子を一次元に配列したラインセンサ、或いは2次元に配列したエリアセンサが、これに相当する。また、結像レンズ42cは、例えば、鏡筒とこの鏡筒内に収容される複数の集光レンズとによって構成されており、受光センサ42aの受光面に情報コードのコード画像を結像するように機能している。光学系の受光センサ42aから出力される画像信号は、例えば記憶部45の画像データ蓄積領域に蓄積されるようになっている。
【0047】
照明光源(照明光学系)を構成する第1照明光源43及び第2照明光源44は、例えば撮像部42(受光光学系)を挟んだ両側にそれぞれ設けられている。一対の第1照明光源43a,43bは、例えば波長380nm〜750nmの可視光(以下、第1波長帯の光とも称する)を照射するLEDによって構成されている。また、対をなして配置される第2照明光源44a,44bは、波長750nm以上の赤外光(以下、第2波長帯の光とも称する)を照射するLEDによって構成されている。なお、本実施形態では、第2照明光源44の光源数が第1照明光源43の光源数よりも多くなっている。
【0048】
記憶部45は、半導体メモリ装置であり、例えばRAM(DRAM、SRAM等)やROM(EPROM、EEPROM等)がこれに相当する。この記憶部45のうちのRAMには、前述した画像データ蓄積領域のほかに、制御部41が算術演算や論理演算等の各処理時に利用する作業領域や読取条件テーブルも確保可能に構成されている。またROMには、各種処理等を実行可能な所定プログラムやその他、照明光源、受光センサ42a等の各ハードウェアを制御可能なシステムプログラム等が予め格納されている。
【0049】
制御部41は、情報コード読取装置40全体を制御可能なマイコン等によって構成され、CPU、システムバス、入出力インタフェース等を備え、情報処理機能を有している。なお、本実施形態では、制御部41は、読取処理を実行することで、撮像部42によって撮像された情報コードのコード画像から当該情報コードが占めるコード領域を抽出し、その抽出結果に基づいて当該情報コードを解読するように機能する。
【0050】
(情報コード)
図2(A)は、第1実施形態に係る情報コード10の一例を説明する説明図であり、図2(B)は、図2(A)の情報コード10から被覆部11を取り除いた状態を示す説明図である。
図2(A)に示すように、情報コード10は、複数の明色モジュールおよび暗色モジュールからなるコード領域20と、このコード領域20のうちの一部を被覆する被覆部11とを備えている。
【0051】
図2(B)に示すように、コード領域20は、QRコードと同様に、正方形領域として構成される複数の明色モジュールおよび暗色モジュールがマトリックス状に配置されることで、当該コード領域20の全体が矩形領域として構成されている。
【0052】
具体的には、コード領域20は、QRコードと同様に、要求される必要な情報が含まれるように構成されるデータ領域21、3つの位置検出パターン22a〜22c、フォーマットコード23a〜23dなどから構成されている。各位置検出パターン22a〜22cは、撮像された画像データにおいて当該コード領域20の位置を特定するためのパターンであって、コード領域20の4つの頂点のうち、3つに配置されている。フォーマットコード23a〜23dは、位置検出パターン22a〜22cの近傍にそれぞれ配置されており、データ領域21についての存在領域、使用しているコード種類、モジュールサイズ、マスクパターン、誤り訂正率等の当該情報コード10を解読するためのフォーマット情報が特定可能に構成されている。このため、データ領域21の大部分が隠されるか、各位置検出パターン22a〜22cまたはフォーマットコード23a〜23dが隠されると、コード領域20が解読不能となる。
【0053】
このように構成されるコード領域20を構成する各モジュールのうち各明色モジュールは、可視光領域の第1波長帯の光またはこの第1波長帯と異なる第2波長帯の光が照射されたときに、明色の反射特性を示すように構成されている。また、各暗色モジュールは、第1波長帯の光または第2波長帯の光が照射されたときに、暗色の反射特性を示すように構成されている。具体的には、コード領域20を構成する各モジュールは、一般的に使用される通常のインクを塗布して構成されている。
【0054】
また、被覆部11は、コード領域20のうち遮光されることで当該コード領域20が解読不能となる所定領域として、データ領域21の大部分を被覆するように、配置されている。この被覆部11は、上記第2波長帯の光が照射されたときにコード領域20を構成する各モジュールからの反射光を透過させ、上記第1波長帯の光の透過を妨げるようなインク、例えば、赤外線透過インク等を塗布して構成されている。このため、可視光が支配的である通常状態では、図2(A)に示すように、データ領域21の大部分が被覆部11により隠されるように視認されることとなる。なお、被覆部11は、一般的に適用される誤り訂正処理がなされる場合でも解読できない程度に、例えば、データ領域21が占める領域の30%程度を被覆するように配置される。
【0055】
(読取作業の具体例)
次に、上述のように構成される情報コード10を情報コード読取装置40を用いて光学的に読み取る読取作業の具体例について説明する。
まず、情報コード読取装置40の操作部47が操作されて読取作業を開始するための情報が制御部41に入力されると、この制御部41により制御されて、第2照明光源44から第2波長帯の光が照射される。そして、上記第2波長帯の光を情報コード10に照射した状態で、この情報コード10を撮像部42により撮像すると、この第2波長帯の光は被覆部11を透過するため、被覆部11を除いたコード領域20が撮像されることとなる。
【0056】
このように被覆部11を除くように撮像されたコード領域20は、一般的なQRコードの構成と同じであるため、このコード領域20に対して公知のデコード処理を実施することで、当該コード領域20、すなわち、情報コード10を解読して特定の情報を取得することができる。
【0057】
一方、一般の読取装置を用いて情報コード10を撮像すると、上記所定領域が被覆部11により被覆されたコード領域20が撮像されることとなる。このため、コード領域20を解読することができず、一般的な読取装置による当該情報コード10の読み取りを困難にすることができる。
【0058】
以上説明したように、本実施形態に係る情報コード10では、コード領域20内には、第2波長帯の光が照射されたときに、明色の反射特性を示す明色モジュールと暗色の反射特性を示す暗色モジュールとが複数配列されている。このコード領域20のうち上記所定領域上には、第2波長帯の光が照射されたときに当該コード領域20を構成する各モジュールからの反射光を透過させ、第1波長帯の光の透過を妨げる被覆部11が設けられている。
【0059】
上述のように構成される情報コード10は、上記第2波長帯の光が照射されることで、上記被覆部11が取り除かれたコード領域20を撮像可能となるので、上記第2波長帯の光を照明できる情報コード読取装置40によりコード領域20から特定の情報を読み取ることができる。一方、一般的な読取装置では、被覆部11により妨げられてコード領域20を完全に撮像できないことから、当該情報コード10が解読不能または解読困難となる。このため、上記情報コード読取装置40を使用する特定の使用者のみが上記特定の情報を読み取ることができ、当該情報コード10のセキュリティ性を高めることができる。
したがって、一般的な読取装置による当該情報コード10の読み取りを困難とし、その一方で、上記第2波長帯の光を照明可能な情報コード読取装置40を用いて読み取りを行う場合には確実に読み取ることができる。
特に、コピー機や一般的なカメラ撮影などによって情報コード10付近が複製されたとしても、被覆部11のためにコード領域20を解読可能な形で(即ち、明色モジュールと暗色モジュールとが分離された解読可能な形で)複製することができなくなる。したがって、情報コード10の複製によるデータ漏洩、転用等を効果的に防止することができる。
【0060】
図3は、第1実施形態の第1変形例に係る情報コード10の一例を説明する説明図である。
第1実施形態の第1変形例として、図3に示すように、被覆部11は、コード領域20のうち遮光されることで当該コード領域20が解読不能となる所定領域として、位置検出パターン22cを被覆するように、配置されてもよい。このようにしても、情報コード読取装置40の使用時を除き、コード領域20が解読不能となるので、一般的な読取装置による当該情報コード10の読み取りをより困難にすることができる。
【0061】
また、被覆部11は、上記所定領域として、位置検出パターン22a〜22cの少なくとも1つを被覆するように配置するか、フォーマットコード23a〜23dの少なくとも1つを被覆するように配置しても、上記効果を奏する。なお、位置検出パターン22a〜22cは、特許請求の範囲に記載の「位置検出領域」の一例に相当し、フォーマットコード23a〜23dは、特許請求の範囲に記載の「フォーマット情報領域」の一例に相当し得る。
【0062】
また、コード領域20の各モジュールがデータマトリックスコード、マキシコード、Aztecコード等のように構成される場合、被覆部11は、当該コード領域20が解読不能となる所定領域として、データ領域の大部分か各コードの一部を構成する位置検出パターンの少なくとも一部を被覆するように配置されても、上記効果を奏する。
【0063】
図4(A),(B)は、第1実施形態の第2変形例に係る情報コード10の一例を説明する説明図である。
第1実施形態の第2変形例として、コード領域20aは、バーコードと同様に、複数の明色モジュールおよび暗色モジュールを配列してなるキャラクタが、読取方向に沿い複数配列されるように構成されてもよい。
【0064】
この場合、図4(A)に示すように、被覆部11は、コード領域20aのうち遮光されることで当該コード領域20aが解読不能となる所定領域を被覆するように配置される。このようにしても、情報コード読取装置40の使用時を除き、コード領域20aが解読不能となるので、一般的な読取装置による当該情報コード10の読み取りをより困難にすることができる。
【0065】
また、図4(B)に示すように、被覆部11は、上記所定領域として、各キャラクタのうち読取方向の先頭を示すシンボルであるスタートキャラクタ24aと読取方向の末尾を示すシンボルであるストップキャラクタ24bとの双方を被覆するように配置されても、上記効果を奏する。また、被覆部11がスタートキャラクタ24aおよびストップキャラクタ24bの少なくともいずれか1つを被覆するように配置しても、上記効果を奏する。
また、コード領域20aがバーコードと異なるコード種の一次元コードであっても、被覆部11は、当該コード領域20aが解読不能となる所定領域を被覆するように配置するか、各キャラクタのうち読取方向の先頭を示すシンボルと読取方向の末尾を示すシンボルとの少なくともいずれか1つを被覆するように配置することでも、上記効果を奏する。
【0066】
[第2実施形態]
次に、本発明の情報コードを具現化した第2実施形態について、図5を参照して説明する。図5は、第2実施形態に係る情報コード10aの一例を説明する説明図である。
本第2実施形態に係る情報コード10aでは、上述した被覆部11に代えて任意の図形から構成された被覆部12を採用する点が、上記第1実施形態に係る情報コードと異なる。
【0067】
図5に示すように、具体的には、被覆部12は、使用環境に応じたデザインが施された任意の図形として、例えば星形状に形成されている。このように被覆部12が任意の図形から構成されても、この被覆部12が上記第2波長帯の光の照射に応じたコード領域20からの反射光を透過させるので、セキュリティ性を高めるとともにデザイン性を向上させた情報コード10aを実現することができる。なお、星形状に形成される被覆部12の色は、一般的に、インク等の兼ね合いから黒色系が多くなるが、図5では、説明の便宜上、白色の星形状として図示している。
また、被覆部12は、星形状に形成されることに限らず、使用環境に応じてその形状、模様や色彩を変化させた任意のデザインが施された任意の図形として形成されることでも、上記効果を奏する。
【0068】
[第3実施形態]
次に、本発明の情報コードを具現化した第3実施形態について、図6を参照して説明する。図6(A)は、第3実施形態に係る情報コード10bの一例を説明する説明図であり、図6(B)は、図6(A)の情報コードから被覆部13を取り除いた状態を示す説明図である。
本第3実施形態に係る情報コード10bでは、上述した被覆部11に代えてコード領域20の全てを被覆する被覆部13を採用する点が、上記第1実施形態に係る情報コードと異なる。
【0069】
図6(A)に示すように、被覆部13は、コード領域20を全て被覆するように配置されるため、使用者はそもそもコード領域20を視認できないので、使用者が使用する一般的な読取装置では、情報コード10bの認識ができないので、当該情報コード10bの読み取りを確実に困難にすることができる。また、情報コード読取装置40を使用する場合には、上記第2波長帯の光を照射した状態で撮像することで、図6(B)に示すように、コード領域20が撮像されるので、当該情報コード10bを解読することができる。
【0070】
[第4実施形態]
次に、本発明の情報コードを具現化した第4実施形態について、図7を参照して説明する。図7(A)は、第4実施形態に係る情報コード10cの一例を説明する説明図であり、図7(B)は、図7(A)の情報コードから被覆部14を取り除いた状態を示す説明図である。
本第4実施形態に係る情報コード10cでは、上述した被覆部13に代えて被覆部14を採用する点が、上記第3実施形態に係る情報コードと異なる。
【0071】
図7(A)に示すように、被覆部14は、所定の情報を読み取り可能なQRコードとして構成されており、コード領域20の全てを被覆するように配置されている。すなわち、被覆部14は、第1波長帯の光が照射されたときに、明色の反射特性を示す明色モジュールと暗色の反射特性を示す暗色モジュールとが複数配列される他の情報コードとして構成される。
【0072】
これにより、一般的な読取装置では当該被覆部14が通常の情報コードとして読み取られるので、情報コード読取装置40の使用時を除き、この被覆部14により被覆されたコード領域20を読み取ることもない。特に、第2波長帯の光を照射すると被覆部14に被覆されたコード領域20が、図7(B)に示すように撮像可能となり、第1波長帯の光を照射すると被覆部14として構成される他の情報コードが、図7(A)に示すように撮像可能となる。このため、両波長帯の光を照射可能である情報コード読取装置40を使用することで、1つの情報コードの表示スペースで2種類の情報を読み取ることができ、表示スペースの効率化を図ることができる。
【0073】
また、被覆部14は、各モジュールの特徴を変化させるマスクパターンを用いて、被覆対象のコード領域20を構成する各モジュールの特徴を変化させたQRコードとして構成されてもよい。具体的には、所定のパターンに応じて複数の明色モジュールおよび暗色モジュールがマトリックス状に配置されるマスクパターンを用意する。そして、このマスクパターンをコード領域20に重ねたときに、各モジュールについて、同色のモジュールが重なる位置には暗色のモジュールが配置され、異色のモジュールが重なる位置には明色のモジュールが配置されるように、被覆部14を構成する。
【0074】
これにより、被覆部14は、マスクパターンに応じてコード領域20を構成する各モジュールの特徴を変化させるように構成されるため、一般的な読取装置では、被覆部14の撮像後にそのマスクパターンを解除する解除処理が必要になる一方で、情報コード読取装置40では、上記解除処理を実施することなくコード領域20を撮像して解読することができる。
【0075】
また、第4実施形態の第1変形例として、被覆部14は、異なる濃さの赤外線透過インクを塗布することで、所定の情報を読み取り可能なQRコードとして構成されてもよい。この具体例について、図8を用いて説明する。図8は、第4実施形態の第1変形例に係る情報コードの一例を説明する説明図であり、図8(A)は、下地14aを塗布した状態を示し、図8(B)は、下地14a上にQRコードを印字した状態を示す。
【0076】
図8(A)に示すように、被覆対象のコード領域20上に赤外線透過インクを薄く塗布することで、コード領域20が認識できないように下地14aを形成する。そして、図8(B)に示すように、濃い赤外線透過インクを塗布して暗色のモジュール領域14bを形成する。これにより、コード領域20を被覆する被覆部14が形成される。
【0077】
このようにしても、一般的な読取装置によるコード領域20の読み取りを困難にするとともに、両波長帯の光を照射可能である情報コード読取装置40を使用することで、1つの情報コードの表示スペースで2種類の情報を読み取ることができ、表示スペースの効率化を図ることができる。
【0078】
なお、被覆部14や暗色のモジュール領域14bは、被覆対象のコード領域20と同様のコード種(本実施形態ではQRコード)として構成されることに限らず、他のコード種別の情報コードであってもよい。また、被覆部14や下地14aは、コード領域20の全てを被覆するように配置されることに限らず、被覆部11と同様にコード領域20が解読不能となる所定領域を被覆するように配置されてもよい。
【0079】
[第5実施形態]
次に、本発明の情報コードを具現化した第5実施形態について、図9を参照して説明する。図9(A)は、第5実施形態に係る情報コード10dの一例を説明する説明図であり、図9(B)は、図9(A)の情報コード10dから被覆部11を取り除いた状態を示す説明図である。
本第5実施形態に係る情報コード10dでは、上述した被覆部11に加えて第2被覆部30を採用する点が、上記第1実施形態に係る情報コードと異なる。
【0080】
第2被覆部30は、常温よりも高い温度で透光性を有する部材により構成されており、図9(A),(B)からわかるように、コード領域20に対して被覆部11とほぼ同じ大きさであって同じ位置に配置されている。
【0081】
このように構成される情報コード10dでは、上記第2波長帯の光が照射された状態で撮像しても、図9(B)に示すように、第2被覆部30によりコード領域20が被覆された状態で撮像される。すなわち、上記第2波長帯の光が照射されただけでは、第2被覆部30のためにコード領域20を読み取り可能に撮像することができず、第2被覆部30を透光状態にするために、更に第2被覆部30を常温よりも高温にする必要がある。
【0082】
このため、上記第2波長帯の光を照明可能であって第2被覆部30を加熱可能な特定の読取装置を使用する特定の使用者のみが、コード領域20から上記特定の情報を読み取ることができるので、一般的な読取装置による当該情報コード10dの読み取りを確実に困難にすることができる。
【0083】
なお、第2被覆部30は、コード領域20に対して、被覆部11とほぼ同じ大きさであって同じ位置に配置されることに限らず、少なくとも上記所定領域を被覆することを前提に、異なる大きさまたは異なる位置で配置されてもよい。
【0084】
[第6実施形態]
次に、本発明の情報コードを具現化した第6実施形態について、図10を参照して説明する。図10は、第6実施形態に係る情報コード10eの一例を説明する説明図であり、図10(A)は、コード領域20と被覆部15とを分離した状態を示し、図10(B)は、コード領域20の一部を被覆部15により被覆した状態を示す。
本第6実施形態に係る情報コード10eでは、上述した被覆部11に代えてコード領域20と別体として構成される被覆部15を採用する点が、上記第1実施形態に係る情報コードと異なる。
【0085】
具体的には、被覆部15は、上記第2波長帯の光を透過させ上記第1波長帯の光の透過を妨げるような赤外線透過材料からなるシール部材により形成されて、上記所定領域に対して後から付加可能に別体として構成される。
【0086】
これにより、既存の情報コードに対しても、上述のように構成される被覆部15により上記所定領域を被覆することで、一般的な読取装置による当該情報コードの読み取りを困難とし、その一方で、上記第2波長帯の光を照明可能な情報コード読取装置40を用いて読み取りを行う場合には確実に読み取ることができる。
特に、被覆部15は、シール部材により形成されているので、既存の情報コードの上記所定領域を当該被覆部15により容易に被覆することができる。
【0087】
図11は、第6実施形態の変形例に係る情報コード10eの一例を説明する説明図である。
第6実施形態の変形例として、被覆部16は、上記所定領域に対して赤外線透過インクを後から塗布(印字)することで付加されることで構成されてもよい。このようにしても、既存の情報コードの上記所定領域を当該被覆部16により容易に被覆することができる。
【0088】
これにより、例えば、読取作業が完了した一般的なQRコードに対して、図11に示すように、赤外線透過インクを用いて被覆部16として「済」を塗布(印字)することで、一般の読取装置による当該QRコードの解読を不能または困難とすることができる。例えば、一度読み取ったコードを二度読みすることで管理上不具合が起きる場合(検品、倉庫での棚卸し作業など)、一般の読取装置では二度と読めなくすることで、当該QRコードの読取作業の完了が容易に視認され、かつ、情報コードの読み取りに関する重複作業を防止することができる。もちろん、被覆部15のようなシール部材でも、上述した被覆部16と同等の効果を奏する。
【0089】
一方、読取作業が完了し被覆部16として「済」がQRコードに塗布(印字)された後であっても、再度の読取作業が必要になった場合には、上記第2波長帯の光を照明可能な情報コード読取装置40を用いて読取作業を実施することで、当該QRコードを解読することができる。
【0090】
また、コード領域20と別体として構成される被覆部は、被覆部15,16のようにシール部材の付加やインクの塗布に応じて形成されることに限らず、上記第2波長帯の光を透過させ上記第1波長帯の光の透過を妨げるような赤外線透過材料からなる部材を、上記所定領域に対して後から、例えば、印刷方式やスタンプ方式にて付加可能に形成されてもよい。
【0091】
[第7実施形態]
次に、本発明の情報コードを具現化した第7実施形態について、図12を参照して説明する。図12は、第7実施形態に係る情報コード10fの一例を説明する説明図である。
図12に示すように、本第7実施形態に係る情報コード10fでは、コード領域20に対して、位置検出パターン22a〜22cの一部をそれぞれ被覆するように上述した被覆部17が配置される点が、上記第1実施形態に係る情報コードと異なる。
【0092】
このようにしても、情報コード読取装置40で情報コード10fを読取らせる時を除き、上記位置検出パターン22a〜22cを認識することができないので、一般的な読取装置による当該情報コード10fの読み取りをより困難にすることができる。
【0093】
一方、位置検出パターン22a〜22cの残部は被覆部17により被覆されないので、使用者に対して、当該位置検出パターン22a〜22cの存在を視認させることができる。このため、使用者は、位置検出パターン22a〜22cの位置を認識しているので、情報コード読取装置40を使用する際に、当該情報コード10fに対して情報コード読取装置40の読取口を的確に向けることで、当該情報コード10fを確実に読み取ることができる。
【0094】
なお、被覆部17は、位置検出パターン22a〜22cの一部をそれぞれ被覆するように配置されることに限らず、コード領域20に含まれる所定の位置に規定された形状をなす特徴パターン領域の一部を被覆するように配置されても、同様の作用効果を奏することができる。
【0095】
[第8実施形態]
次に、本発明の情報コードを具現化した第8実施形態について、図13を参照して説明する。図13は、第8実施形態に係る情報コード10gの一例を説明する説明図である。
図13に示すように、本第8実施形態に係る情報コード10gでは、コード領域20に対して、位置検出パターン22a〜22cを除く領域を被覆するように上述した被覆部18が配置される点が、上記第1実施形態に係る情報コードと異なる。
【0096】
このようにしても、情報コード読取装置40で情報コード10gを読取らせる時を除き、上記位置検出パターン22a〜22cを除く領域のうち被覆部18で覆われた領域を認識することができないので、一般的な読取装置による当該情報コード10gの読み取りをより困難にすることができる。
【0097】
一方、位置検出パターン22a〜22cは被覆部18により被覆されないので、使用者に対して、当該位置検出パターン22a〜22cの存在を確実に視認させることができる。このため、使用者は、位置検出パターン22a〜22cの位置を認識しているので、情報コード読取装置40を使用する際に、当該情報コード10gに対して情報コード読取装置40の読取口を的確に向けることで、当該情報コード10gを確実に読み取ることができる。
【0098】
図14(A)は、第8実施形態で用いられる情報コードの第1変形例を概略的に説明する説明図であり、図14(B)は、第8実施形態で用いられる情報コードの第2変形例を概略的に説明する説明図である。
上述した第8実施形態の第1変形例として、図14(A)に示す被覆部18aのように、当該被覆部18aを、コード領域20の左側縁部25aから下側縁部25bに至るまで連続して被覆するようにL字状に配置することで、位置検出パターン22a〜22cを除く領域を被覆してもよい。このようにしても、上記第8実施形態と同様の効果を奏する。
また、上述した第8実施形態の第2変形例として、図14(B)に示す被覆部18bのように、当該被覆部18bを、複数の図形(図14(B)の例では円環形状を例示)を連結して構成し、コード領域20の境界をなすいずれかの縁部から他の縁部に至るまで、連続して被覆するように配置してもよい。このようにしても、上記第8実施形態と同様の効果を奏する。
【0099】
[第9実施形態]
次に、本発明の情報コードを光学的に読み取る情報コード読取装置を具現化した第9実施形態について、図15を参照して説明する。図15は、第9実施形態に係る情報コード読取装置40での読取処理を例示するフローチャートである。
本第9実施形態に係る情報コード読取装置40では、上述した情報コード10g等のようにコード領域20に対して特徴パターン領域(位置検出パターン22a〜22c)を除く領域を被覆するように配置される被覆部を有する情報コードが読取対象であり、既に抽出された特徴パターン領域を利用する読取処理を実行する点が、上記第1実施形態にて述べた情報コード読取装置と異なる。
【0100】
以下、本実施形態に係る情報コード読取装置40にて実施される読取処理について、図15に示すフローチャートを用いて詳細に説明する。
読取対象である情報コードが情報コード読取装置40の読取口に対して所定の位置まで近付けられることで読取処理が開始され、まず、第1照明光源43(第1照明光照射手段)による第1照明光の照射を行う(S101)。そして、情報コードに対して第1照明光が照射され第2照明光が照射されていない状態で撮像部42により当該情報コードを撮像する(S103)。そして、この撮像された情報コードの画像において、公知の検出方法で特徴パターン領域を検出する(S105)。特徴パターン領域の検出方法は、一般的に、情報コードの種類毎に規格等で定められており、図13に例示するようなQRコードの場合には、QRコードの位置検出パターンを検出する公知方式で特徴パターン領域として位置検出パターンを検出する。その後、S105の処理において特徴パターンの検出が成功したか否かを判断する(S107)。特徴パターン領域の検出が成功している場合には、S107でYesに進み、読取対象となる情報コードの種類について定められた公知の方法でデコードを行う(S109)。S109にてデコードが成功した場合には、図13のような被覆部18が存在しないものと考えられ、この場合、S111にてYesに進み、外部へのデータ送信(S125)などを行って当該読取処理を終了する。
【0101】
一方、例えば、撮像された情報コードが図13に例示する情報コード10gである場合には、ステップS105にて各位置検出パターン22a〜22cが抽出されても、データ領域21が被覆部18により被覆されているためにデコードが失敗し、S111にてNoに進み、第2照明光源44による第2照明光の照射を行う(S113)。そして、情報コード10gに対し第2照明光を照射し、第1照明光源43による第1照明光の照射を停止した状態で撮像部42により情報コード10gを撮像する(S115)。そして、S105で特徴パターンの抽出が成功していることから、S117にてYesに進み、S105での特徴パターンの抽出結果を利用してデコードを行う(S119)。この場合、既に各位置検出パターン22a〜22c(特徴パターン領域)の位置が把握されているため、各位置検出パターン22a〜22cの位置を新たに検出する必要がなく、この処理を短縮ないし省略してデコードの迅速化を図ることができる。なお、ステップS113に示す第2照射処理では、各位置検出パターン22a〜22cが抽出されている場合には、各位置検出パターン22a〜22cから推測されるコード領域のみに第2照明光を照射してもよい。このようにすることで電力消費の低減を図ることができる。
【0102】
特徴パターンの抽出が成功していないことからS107にてNoに進み、第2照明光の照射およびその照射状態での情報コードの撮像がなされると、S117でNoに進み、S121にてデコード処理を行う。このS121のデコード処理では特徴パターン領域の検出処理を含めた内容で処理が行われる。S119又はS121の処理後には、これらデコード処理が成功したか否かを判断し(S123)、成功している場合にはS123にてYesに進み、外部へのデータ送信(S125)などを行って当該読取処理を終了する。一方、S123においてデコードが成功していないと判断される場合には、S123にてNoに進み、S101以降の処理を再度行う。
【0103】
なお、第2照明光源44は、特許請求の範囲に記載の「照明手段」の一例に相当し、撮像部42は、特許請求の範囲に記載の「撮像手段」の一例に相当し、制御部41は、特許請求の範囲に記載の「解読手段」の一例に相当し得る。
【0104】
以上説明したように、本実施形態に係る情報コード読取装置40では、第1波長帯の光が当たった状態で撮像された画像から特徴パターン領域として各位置検出パターン22a〜22cが抽出されてコード領域20が抽出されない場合に、第2波長帯の光が照射される。この照射状態で撮像された画像に対して、上記第1波長帯の光が当たった状態で抽出された各位置検出パターン22a〜22cに基づいてコード領域20の位置が特定され、このように位置が特定されることで抽出されたコード領域20を構成する各モジュールの配列に基づいて当該コード領域20が解読される。
【0105】
図13に例示する情報コード10gのように、コード領域20に対して特徴パターン領域を除く領域を被覆するように配置される被覆部を有する情報コードを読取対象とする場合には、その情報コードに対して第1波長帯の光が当たった状態で撮像すると、コード領域20の各位置検出パターン22a〜22cが抽出されても当該コード領域20が抽出されず解読不能となる。この場合、上記各位置検出パターン22a〜22cの抽出後にその撮像位置にて上記第2波長帯の光を照射した状態で撮像すると、コード領域20の位置は、上述のように抽出された各位置検出パターン22a〜22cから特定することができる。これにより、各位置検出パターン22a〜22cの抽出が不要となるため、当該情報コードを読み取る読取処理の処理時間を短縮することができるだけでなく、読取処理における負荷を軽減することができる。
【0106】
なお、情報コード読取装置40は、第1照明光源43により第1照明光を照射可能に構成されることに限らず、周囲の照明等を利用することで、第1照明光源43を廃止して構成されてもよい。
【0107】
なお、本発明は上記各実施形態およびその変形例に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよい。
(1)第2波長帯の光として波長750nm以上の波長帯の赤外光を採用することに限らず、例えば、第2波長帯の光として波長380nm以下の波長帯の紫外光を採用してもよい。この場合、各被覆部11〜19,19a〜19cは、上記紫外光が照射されたときにコード領域20を構成する各モジュールからの反射光を透過させるように構成することができる。
また、第1波長帯の光として波長380nm〜750nmの可視光を採用することに限らず、第2波長帯の光と異なる波長帯の光であって各被覆部11〜19,19a〜19cを透過不能な波長帯の光を採用してもよい。
【0108】
(2)コード領域20は、QRコードと同様に明色モジュールおよび暗色モジュールとが二次元的に複数配列されて構成されることに限らず、一次元コード(バーコード等)および二次元コード(データマトリックスコード、マキシコード等)などの他のコード種別と同様に構成されてもよい。
【符号の説明】
【0109】
10,10a〜10g…情報コード
11〜18,18a,18b…被覆部
20,20a…コード領域
21…データ領域
22a〜22c…位置検出パターン(位置検出領域)
23a〜23d…フォーマットコード(フォーマット情報領域)
24a…スタートキャラクタ(読取方向の先頭を示すシンボル)
24b…ストップキャラクタ(読取方向の末尾を示すシンボル)
30…第2被覆部
40…情報コード読取装置
41…制御部(解読手段)
42…撮像部(撮像手段)
43…第1照明光源
44…第2照明光源(照明手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1波長帯の光と異なる第2波長帯の光が照射されたときに、明色の反射特性を示す明色モジュールと暗色の反射特性を示す暗色モジュールとがコード領域内に複数配列される情報コードであって、
前記コード領域のうち遮光されることで当該情報コードが解読不能となる所定領域上には、前記第2波長帯の光が照射されたときに当該コード領域を構成する前記各モジュールからの反射光を透過させ、前記第1波長帯の光の透過を妨げる被覆部が設けられることを特徴とする情報コード。
【請求項2】
前記コード領域は、複数の前記明色モジュールおよび前記暗色モジュールを配列してなるキャラクタが、読取方向に沿い複数配列されて構成され、
前記被覆部は、前記所定領域として、前記各キャラクタのうち前記読取方向の先頭を示すシンボルと前記読取方向の末尾を示すシンボルとの少なくともいずれか1つを被覆するように配置されることを特徴とする請求項1に記載の情報コード。
【請求項3】
当該情報コードは、位置を特定するための位置検出領域が前記コード領域に含まれる二次元コードであって、
前記被覆部は、前記所定領域として、前記位置検出領域を被覆するように配置されることを特徴とする請求項1に記載の情報コード。
【請求項4】
当該情報コードは、位置を特定するための位置検出領域と、当該情報コードを解読するためのフォーマット情報を取得するためのフォーマット情報領域と、が前記コード領域に含まれる二次元コードであって、
前記被覆部は、前記所定領域として、前記位置検出領域および前記フォーマット情報領域の少なくともいずれか1つを被覆するように配置されることを特徴とする請求項1に記載の情報コード。
【請求項5】
当該情報コードは、所定の位置に規定された形状をなす特徴パターン領域が前記コード領域に含まれる二次元コードであって、
前記被覆部は、前記所定領域として、前記特徴パターン領域の一部を被覆するように配置されることを特徴とする請求項1に記載の情報コード。
【請求項6】
当該情報コードは、所定の位置に規定された形状をなす特徴パターン領域が前記コード領域に含まれる二次元コードであって、
前記被覆部は、前記所定領域として、前記特徴パターン領域を除く領域を被覆するように配置されることを特徴とする請求項1に記載の情報コード。
【請求項7】
前記被覆部は、形状、模様や色彩を変化させた任意の図形から構成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の情報コード。
【請求項8】
前記被覆部は、前記コード領域を全て被覆するように配置されることを特徴とする請求項1に記載の情報コード。
【請求項9】
前記被覆部は、前記第1波長帯の光が照射されたときに、明色の反射特性を示す明色モジュールと暗色の反射特性を示す暗色モジュールとが複数配列されて、前記コード領域から得られる情報と異なる情報を有する他の情報コードとして構成されることを特徴とする請求項1または8に記載の情報コード。
【請求項10】
前記所定領域上には、前記被覆部に加えて、常温よりも高い温度で透光性を有する第2被覆部が配置されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の情報コード。
【請求項11】
前記被覆部は、前記所定領域に対して後から付加可能に別体として構成されることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の情報コード。
【請求項12】
前記被覆部は、前記所定領域に対してシール部材を後から貼り付けることで付加されることを特徴とする請求項11に記載の情報コード。
【請求項13】
前記被覆部は、前記所定領域に対してインクを後から塗布することで付加されることを特徴とする請求項11に記載の情報コード。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか一項に記載の情報コードを光学的に読み取る情報コード読取装置であって、
前記第1波長帯の光および前記第2波長帯の光のうち、少なくとも前記第2波長帯の光を照射可能な照明手段と、
前記第1波長帯の光および前記第2波長帯の光のいずれかが照射された前記情報コードを撮像する撮像手段と、
前記撮像手段によって撮像された前記情報コードの画像から抽出される前記コード領域を構成する前記各モジュールの配列に基づいて、当該コード領域を解読する解読手段と、
を備えることを特徴とする情報コード読取装置。
【請求項15】
前記特徴パターン領域が位置を特定するための位置検出領域である請求項6に記載の情報コードを光学的に読み取る情報コード読取装置であって、
前記第1波長帯の光および前記第2波長帯の光のうち、少なくとも前記第2波長帯の光を照射可能な照明手段と、
前記照明手段によって前記第1波長帯の光および前記第2波長帯の光のいずれかが照射された前記情報コードを撮像する撮像手段と、
前記撮像手段によって撮像された前記情報コードの画像から抽出される前記位置検出領域に基づいて前記コード領域の位置を特定し、位置が特定されることで抽出されたコード領域を構成する前記各モジュールの配列に基づいて、当該コード領域を解読する解読手段と、を備え、
前記照明手段は、前記第1波長帯の光が当たった状態で前記撮像手段により撮像された画像から前記解読手段により前記位置検出領域が抽出されて前記コード領域が抽出されない場合に、前記第2波長帯の光を照射し、
前記解読手段は、前記照明手段により前記第2波長帯の光が照射される状態で前記撮像手段により撮像された画像に対して、前記第1波長帯の光が当たった状態で抽出された位置検出領域に基づいて前記コード領域の位置を特定し、このように位置が特定されることで抽出されたコード領域を構成する前記各モジュールの配列に基づいて、当該コード領域を解読することを特徴とする情報コード読取装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2013−33447(P2013−33447A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−120768(P2012−120768)
【出願日】平成24年5月28日(2012.5.28)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】