説明

情報コードを表示した紙袋

【課題】
小売店にて商品の包装に利用される紙袋に、個々の紙袋に対応する個別の情報を2次元コード等の情報コードとして付し、例えばこの情報コードのデータをくじとして利用する場合には商品の購入者が、例えば携帯電話機でコードを読み取ることによって懸賞結果を素早く知ることができるようにして、懸賞に参加する者の手間を低減し、かつ消費者の商品購入意欲を向上させるとともに、商品購入期間を延長できるようにする。
【解決手段】
紙袋1に表示する情報コード4を、個々の紙袋ごとに個別の情報コードを印刷し、情報コードそのものを個別の紙袋の情報管理に利用でき、情報コードを懸賞用に利用する場合には紙袋1毎に付された情報コード4そのものを懸賞の抽選番号として利用でき、商品の購入者が携帯電話機等を利用することによって素早く懸賞結果を知ることができるように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の情報をコードデータに変換して、同コードデータを示す2次元コード等の情報コードを表示した紙袋に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品やメーカ等の情報を2次元コードに変換して、同コードを商品の包装材に表示し、例えば小売店の店頭において購入商品の包装にこの包装材を利用し、商品の購入者に読み取り機能を有する携帯電話機等の読み取り装置で前記2次元コードを読み取ってもらい、商品やメーカ等の情報を消費者に宣伝することは良く知られている。
【0003】
しかしながら、前述の2次元コードを積極的に見て商品やメーカ等の情報を得ようとする者は決して多くはなく、このことから、2次元コードに懸賞情報を含ませて、消費者への宣伝効果とともに商品の購入意欲を向上させるようにすることがある。
【0004】
この2次元コードは、包装材の紙材にメーカ指定のイラストや文字等を印刷する際に一緒に紙材に印刷され、所望の包装用紙や紙袋等の包装材に形成している。
【0005】
そして前述するように、懸賞情報を含む2次元コードは、包装材にメーカ指定のイラストや文字等を印刷する際に一緒に印刷されるので、同コードのパターンを任意に変えながらイラストや文字等とともに包装材に印刷することは不可能に等しく、従来の懸賞を含む2次元コードは、同コードが直接くじになるのではなく、2次元コード内のメールアドレスやホームページアドレスにアクセスして、これらサイト内の指示にしたがって懸賞に参加させるようにしている。
【0006】
このため、商品を購入した者は2次元コード内のメールアドレスやホームページアドレスにアクセスしてからでないと懸賞に参加することができないので、懸賞に参加するには手間の掛かるものであった。
【0007】
また、懸賞に参加しても当選するとは限らないため、懸賞情報を含む2次元コードを表示した当初は消費者の購入意欲を向上させることはできるが、前述するように、懸賞に参加するには2次元コード内のメールアドレスやホームページアドレスにアクセスしなければならないので、時とともに次第に消費者の購入意欲が低下してしまう欠点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−298018号公報(第1〜8頁、図1〜5)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、包装材たる紙袋に対し、個別の2次元コード等の情報コードを表示させ、個々の紙袋に表示された情報コードそのものを各種のデータとして利用でき、例えば個々の紙袋に表示された情報コードが示すコードデータを懸賞等のくじ番号として機能させた場合には、購入者が読み取り装置、例えば携帯電話機等で同コードを読み取ることによって懸賞結果を素早く知ることができるようにして、懸賞に参加する者の手間を低減させ、かつ消費者の商品購入意欲を向上させるとともに商品購入期間を延長できる情報コードを表示した紙袋を提供できるようにした。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決するために、本発明に係る情報コードを表示した紙袋は、柔軟性を有する紙材よりなり、所定の情報から変換したコードデータを個別の情報コードとして表示した構成のものとしてある。
【0011】
また前記情報には少なくとも懸賞情報を含んでおり、商品の購入者が前記情報コードを読み取り装置で読み取ることによって素早く懸賞結果を知ることができるように構成したものとしてある。
【0012】
さらに前記情報コードに、2次元コードを用いたり、あるいは前記情報コードの表示をインクジェットプリンタによる印刷で施したりしたものとしてある。
【0013】
また前記紙袋を角底袋で構成し、前記情報コードを、外底部またはまち部に設けたものとしてある。
【発明の効果】
【0014】
本発明の紙袋によれば、個々の紙袋に個別の情報を情報コードとして表示させるので、個々の紙袋に関する情報、例えば懸賞情報やPOS情報との関連付けなど各種の情報管理に広範に利用することができる。
【0015】
また、懸賞情報を情報コードとして付した場合には、情報コードが示すコードデータそのものが直接くじ情報として機能するので、商品の購入者は、情報コードを店に設置している読み取り装置で読み取らせたり、また情報コードを2次元コードにした場合は、携帯している2次元コードの読み取り機能を有する携帯電話機等の機器で読み取ることによって懸賞結果を素早く知ることができる。
【0016】
これにより、懸賞に参加する者の手間は低減され、かつ購入者は商品を購入したその場で懸賞結果を知ることもできるので、その手軽さも相まって消費者の商品購入意欲を大に向上させることができるとともに、消費者の商品購入意欲も大に延長させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る情報コードを表示した手提げ袋の一例を示す斜視図。
【図2】情報コードをまち部分に表示した手提げ袋の一例を示す斜視図。
【図3】紙袋の製造過程における情報コードの印刷時期を示したブロック図。
【図4】紙袋の製造過程における情報コードの印刷時期を示したブロック図。
【図5】情報コードを示すとともに同情報コードを、リーダー機能を有する携帯電話機で読み取った状態を示した図。
【図6】携帯電話機で読み取った情報コードを文字に変換して表示した状態を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明に係る紙袋の説明に際し、小売店の店頭にて商品を包装するのに使用される紙袋であって、懸賞情報を含む所定の情報を情報コードたる2次元コードに変換して表示する紙袋を例に挙げて説明する。
【0019】
2次元コードは、表示領域をます目状のパターンで表すマトリックス式の例えばQRコード(登録商標)や、縮小した1次元コードを縦並にしたスタック式のものを用いている。
【0020】
なお2次元コードには種々の規格のものがあり、白黒表示に限らずカラー表示にする場合もある。
【0021】
以下、実施例中の図で示している2次元コードは、QRコードを例に説明している。
【実施例】
【0022】
以下、本発明の情報コードを表示した紙袋を添付図面に基づいて説明する。
図1に示すものは、柔軟性を有する紙材よりなる紙袋たる手提げ付き角底袋1外側の底部2に、懸賞情報を含む2次元コードたるQRコード4を表示している。
【0023】
また図2に示すものは、角底袋1外側のまち部3に懸賞情報を含むQRコード4を表示している。
【0024】
前述する角底袋1の底部2やまち部3は、商品の入った袋を持ち歩いた場合でも皺の生じ難い部分であり、また袋の外観デザインに影響を殆ど与えない部分でもあるため、これら部分がQRコード4の表示には好適である。
【0025】
しかしながら、収納する商品や紙袋の使用の態様によっては前述の底部2やまち部3以外の、例えば前後の胴部の下隅等の位置に表示する場合もある。
【0026】
そして、QRコード4は、製造ラインに単独で設置できる構成のインクジェットプリンタを用いて印刷するのが好適である。
【0027】
この製造ラインに単独で設置可能なインクジェットプリンタを用いることにより、図3に示すように、包装材たる紙材にイラスト/文字を印刷する印刷工程の次工程である製袋工程にてQRコード4を印刷でき、また、包装材の所望するほとんどの部位に、このQRコード4を印刷することができる。
【0028】
また図では示していないが、製袋工程におけるQRコード4の印刷は、例えば、製袋機にセットされたロール状原紙がローラによって繰り出されている平坦な状態で行う場合もあるし、製袋機においてヘラにより紙材を立ち上げて袋に形成して行く途中で、この立ち上げた部分に印刷を行う場合もある。
すなわち、製袋工程にてロール状の原紙を、例えば手提げ袋に形成して行く間にQRコード4が印刷される。
【0029】
しかしながら、QRコード4をまち部3に印刷する場合は、製袋によってまち部3が折り込まれる紙材の内側に入ってしまうため、図3に示した製袋工程内で行わないで、図4中の(a)図に示すように、製袋工程の前に設けた2次元コード印刷工程で行っている。
【0030】
また、前記まち部3のように、製袋によって紙材の内側に入る部分以外にQRコード4を表示する場合は、前述する製袋工程内で印刷するのではなく、図4中の(b)図に示すように、製袋工程の次に設けた2次元コード印刷工程で行うようにしてもよい。
【0031】
そして、懸賞情報における抽選番号や「あたり」/「はずれ」等の抽選情報を入力する際は、QRコード4を印刷するためのインクジェットプリンタに接続するパソコンを人が操作して手動入力したり、あるいはパソコンにより抽選情報を適宜変えて自動入力している。
【0032】
図5は、QRコード4を、読み取り機能を有した携帯電話機6のカメラ(図示は省略)で撮影して、同携帯電話機6のディスプレイ7に表示した状態を示していて、このQRコード4を同携帯電話機6の読み取り機能によりコード内容を読み取ることで、図6に示すように、携帯電話機6のディスプレイ7にメッセージ8(懸賞の当落等)を表示できるようにしている。
【0033】
また、QRコード4の読み取りは、同QRコード4を読み取る機能を有する機器であればよく、携帯電話機の他にも例えばデジタルカメラや、店舗に設置される専用の読取機を利用する場合もある。
【0034】
そして、本発明に係る情報コードを表示した紙袋は、所定の情報を2次元コードに変換して包装材に表示する際、包装材毎に個別の情報を表示するので、前述する懸賞の抽選くじ以外にも、POS情報などの購買情報と関連付けることによって消費者が購入する商品、好み、時間帯等といった商品管理に使用することも可能であり、アイデア次第で広範な用途に活用できる。
【0035】
また、情報をコード化する場合、同コード化する情報量が非常に少ない場合は情報をバーコード等の1次元コードに変換して表示する場合もあって、例えば、前述する懸賞の抽選等で「あたり」/「はずれ」だけの表示をする場合は1次元コードで表示して、この1次元コードを店内に設置している1次元コードの読み取り装置で読み取ってもらうようにする場合もある。
【0036】
なお、図1、2中の符号5は、角底袋1を手提げ袋として利用するための持ち手を示している。
【符号の説明】
【0037】
1 角底袋
2 底部
3 まち部
4 QRコード
5 持ち手
6 携帯電話機
7 ディスプレイ
8 メッセージ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
柔軟性を有する紙材よりなり、所定の情報から変換したコードデータを個別の情報コードとして表示してなる情報コードを表示した紙袋。
【請求項2】
前記情報には少なくとも懸賞情報を含んでおり、商品の購入者が前記情報コードを読み取り装置で読み取ることによって素早く懸賞結果を知ることができるように構成してなる請求項1に記載の情報コードを表示した紙袋。
【請求項3】
前記情報コードに、2次元コードを用いてなる請求項1に記載の情報コードを表示した紙袋。
【請求項4】
前記情報コードの表示を、インクジェットプリンタによる印刷で施してなる請求項1に記載の情報コードを表示した紙袋。
【請求項5】
前記紙袋を角底袋で構成し、前記情報コードを、外底部またはまち部に設けてなる請求項1に記載の情報コードを表示した紙袋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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