情報コード読取システム、情報コード読取装置、及び情報コード形成媒体
【課題】通常時において情報コードを視認困難とし、その一方で、特別な読取装置を用いて読み取りを行う場合には確実に読み取ることができるようにする。
【解決手段】情報コード読取システム1では、情報コード形成媒体10に付された情報コードCの明色モジュール領域が反転領域とされ、暗色モジュール領域が非反転領域とされている。一方、情報コード読取装置40には、情報コード形成媒体10に対して第2波長帯の照明光を照射可能な第2照明光源44が設けられており、情報コード形成媒体10に対して第2波長帯の照明光が照射された状態で当該情報コード形成媒体10を撮像している。そして、その撮像された情報コード形成媒体10の画像において反転領域と非反転領域とを区別して検出することで明色モジュール及び暗色モジュールの領域を抽出し、その抽出結果に基づいて情報コードCを解読している。
【解決手段】情報コード読取システム1では、情報コード形成媒体10に付された情報コードCの明色モジュール領域が反転領域とされ、暗色モジュール領域が非反転領域とされている。一方、情報コード読取装置40には、情報コード形成媒体10に対して第2波長帯の照明光を照射可能な第2照明光源44が設けられており、情報コード形成媒体10に対して第2波長帯の照明光が照射された状態で当該情報コード形成媒体10を撮像している。そして、その撮像された情報コード形成媒体10の画像において反転領域と非反転領域とを区別して検出することで明色モジュール及び暗色モジュールの領域を抽出し、その抽出結果に基づいて情報コードCを解読している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報コード読取システム、情報コード読取装置、及び情報コード形成媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、バーコードやQRコード(登録商標)などの情報コードが様々な用途で使用されており、その使用目的も多様化しつつある。特に、近年では、情報コードのセキュリティ性向上のニーズが高まってきており、特定の条件を満たした場合にのみ情報コードを読み取ることができるような構成が求められている。なお、情報コードにセキュリティ機能を付加した技術としては、例えば特許文献1のようなものが提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−146461公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の技術では、紫外線下でのみ視認可能な印刷液で鍵情報(3)を本データ(2)と重ねて印刷している。この技術では、通常の可視光条件下では鍵情報(3)を視認することができないため、一定条件下で暗号化された本データ(2)のセキュリティ性が担保されることになる。
【0005】
しかしながら、この特許文献1の技術は、鍵情報(3)を数値データとして付し、これを紫外線環境下で操作者に目視させようとするものであるため、操作者が鍵情報(3)を目視して確実に確認できるか否かが環境(印刷環境、読取環境等)や構成(情報コードの大きさや鍵情報の構成)に大きく左右されてしまうという問題がある。特に、情報コードの小型化を図ろうとした場合、読取装置によって当該情報コード自体は認識できたとしても、操作者が鍵情報(3)を視認できなくなるという事態が生じやすく、このような場合には、操作者が鍵情報を得られることができず、情報コードの解読が成り立たなくなってしまう。また、本データ(2)と鍵情報(3)を重ねたものを操作者に読み取らせる方法では、最終的な解読の成否を操作者の熟練度等に依存してしまうため、迅速かつ安定的な解読が難しいという問題もある。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、通常時において人による情報コードの視認を困難とするとともに一般的な読取装置による情報コードの認識を困難とし、その一方で、特定の読取装置を用いて読み取りを行う場合には確実に読み取ることが可能な構成を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明(請求項1)は、明色モジュール及び暗色モジュールを有してなる情報コードが形成された情報コード形成媒体と、照明光を照射する照明手段と、前記照明手段によって照明光が照射された前記情報コード形成媒体を撮像する撮像手段と、前記撮像手段によって撮像された前記情報コード形成媒体の画像から前記情報コードを抽出して解読する解読手段と、を備えた情報コード読取装置と、を有する情報コード読取システムに係るものである。
そして、前記情報コード形成媒体は、少なくとも可視光領域を含む第1波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の一方の反射特性を示し、前記第1波長帯とは波長の異なる第2波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の他方の反射特性を示す反転領域と、前記第1波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の前記一方の反射特性を示し、前記第2波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の前記一方の反射特性を示す非反転領域とが形成されてなり、前記情報コードの前記明色モジュール及び前記暗色モジュールの内、一方のモジュールの領域が前記反転領域又は前記非反転領域の一方の領域とされ、他方のモジュールの領域が前記反転領域又は前記非反転領域の他方の領域とされている。
更に、前記照明手段は、前記情報コード形成媒体に対して前記第2波長帯の照明光を照射可能な第2照明光照射手段を備え、前記撮像手段は、前記情報コード形成媒体に対して前記第2波長帯の照明光が照射された状態で当該情報コード形成媒体を撮像し、前記解読手段は、前記撮像手段によって撮像された前記情報コード形成媒体の画像において前記反転領域と前記非反転領域とを区別して検出することで前記明色モジュール及び前記暗色モジュールの領域を抽出し、その抽出結果に基づいて前記情報コードを解読している。
【0008】
第2の発明(請求項2)は、明色モジュール及び暗色モジュールを有してなる情報コードが形成された情報コード形成媒体と、照明光を照射する照明手段と、前記照明手段によって照明光が照射された前記情報コード形成媒体を撮像する撮像手段と、前記撮像手段によって撮像された前記情報コード形成媒体の画像から前記情報コードを抽出して解読する解読手段と、を備えが情報コード読取装置と、有する情報コード読取システムに係るものである。
そして、前記情報コード形成媒体は、少なくとも可視光領域の第1波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の一方の反射特性を示し、前記第1波長帯とは波長の異なる第2波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の他方の反射特性を示す反転領域と、前記第1波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の前記一方の反射特性を示し、前記第2波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の前記一方の反射特性を示す非反転領域とが形成されてなり、前記情報コードの前記明色モジュール及び前記暗色モジュールの内、一方のモジュールの領域が前記反転領域又は前記非反転領域の一方の領域とされ、他方のモジュールの領域が前記反転領域又は前記非反転領域の他方の領域とされている。
更に、前記照明手段は、前記情報コード形成媒体に対して前記第1波長帯の照明光を照射可能な第1照明光照射手段と、前記情報コード形成媒体に対して前記第2波長帯の照明光を照射可能な第2照明光照射手段と、を備え、前記撮像手段は、前記情報コード形成媒体に対して前記第1波長帯及び前記第2波長帯の照明光が照射された状態で当該情報コード形成媒体を撮像し、前記解読手段は、前記撮像手段によって撮像された前記情報コード形成媒体の画像において前記反転領域と前記非反転領域とを区別して検出することで前記明色モジュール及び前記暗色モジュールの領域を抽出し、その抽出結果に基づいて前記情報コードを解読している。
【0009】
第3の発明(請求項14)は、明色モジュール及び暗色モジュールを有してなる情報コードが形成された情報コード形成媒体に対して照明光を照射する照明手段と、前記照明手段によって照明光が照射された前記情報コード形成媒体を撮像する撮像手段と、前記撮像手段によって撮像された前記情報コード形成媒体の画像から前記情報コードを抽出して解読する解読手段と、を備えた情報コード読取装置に係るものである。
そして、前記情報コード形成媒体は、可視光領域の第1波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の一方の反射特性を示し、前記第1波長帯とは波長の異なる第2波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の他方の反射特性を示す反転領域と、前記第1波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の前記一方の反射特性を示し、前記第2波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の前記一方の反射特性を示す非反転領域とが形成されてなり、前記情報コードの前記明色モジュール及び前記暗色モジュールの内、一方のモジュールの領域が前記反転領域又は前記非反転領域の一方の領域とされ、他方のモジュールの領域が前記反転領域又は前記非反転領域の他方の領域とされている。
更に、前記照明手段は、前記情報コード形成媒体に対して前記第2波長帯の照明光を照射可能な第2照明光照射手段を備え、前記撮像手段は、前記情報コード形成媒体に対して前記第2波長帯の照明光が照射された状態で当該情報コード形成媒体を撮像し、前記解読手段は、前記撮像手段によって撮像された前記情報コード形成媒体の画像において前記反転領域と前記非反転領域とを区別して検出することで前記明色モジュール及び前記暗色モジュールの領域を抽出し、その抽出結果に基づいて前記情報コードを解読している。
【0010】
第4の発明(請求項15)は、明色モジュール及び暗色モジュールを有してなる情報コードが物体に形成された情報コード形成媒体に係るものである。そして、可視光領域の第1波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の一方の反射特性を示し、前記第1波長帯とは波長の異なる第2波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の他方の反射特性を示す反転領域と、前記第1波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の前記一方の反射特性を示し、前記第2波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の前記一方の反射特性を示す非反転領域とを備え、前記情報コードの前記明色モジュール及び前記暗色モジュールの内、一方のモジュールの領域が前記反転領域又は前記非反転領域の一方の領域とされ、他方のモジュールの領域が前記反転領域又は前記非反転領域の他方の領域とされていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明では、情報コード形成媒体において、反転領域と非反転領域とが形成されており、反転領域は、可視光領域の第1波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の一方の反射特性を示し、第1波長帯とは波長の異なる第2波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の他方の反射特性を示すように構成されている。また、非反転領域は、第1波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の一方の反射特性を示し、第2波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の一方の反射特性を示すように構成されている。
そして、情報コードの明色モジュール及び暗色モジュールの内、一方のモジュールの領域が反転領域又は非反転領域の一方の領域とされ、他方のモジュールの領域が反転領域又は非反転領域の他方の領域とされている。
この構成では、第1波長帯の光(即ち、可視光)が照射されている通常時には、情報コード形成媒体の情報コードの部分において、明色モジュール及び暗色モジュールがいずれも同種の反射特性を示すことになる。これにより、例えば、人が情報コード付近を見たときには情報コード部分が全体的に暗色領域又は明色領域として視認されることになる。また、一般的な読取装置によって情報コード部分を読み取ろうとしても、可視光を当てただけでは情報コード部分が全体的に暗色領域又は明色領域と認識されるため、読取不能となる。従って、通常時にはそもそも上記のような情報コードが存在していること自体が把握され難く、ユーザによる読み取り作業自体が行われ難くなる。また、仮に一般的な読取装置によって前記情報コードの読み取りが試みられたとしても、読み取ることができないため情報コードのセキュリティ性をより確実に高めることができる。
一方、情報コード読取装置は、情報コード形成媒体に対して第2波長帯の照明光が照射された状態で当該情報コード形成媒体を撮像しているため、撮像画像においては、反転領域が反転して撮像され、非反転領域が反転せずに撮像されることになる。つまり、撮像されるコード画像では、明色モジュール及び暗色モジュールの内、いずれか一方が反転した構成となり他方が反転しない構成となるため、明色モジュールの領域と暗色モジュールの領域とを明確に区別することができる。
そして、解読手段は、このような情報コード形成媒体の画像において反転領域と非反転領域とを区別して検出することで明色モジュール及び暗色モジュールの領域を抽出し、その抽出結果に基づいて情報コードを解読しており、この構成によれば、情報コードをより確実に解読することが可能となる。
【0012】
請求項2の発明では、情報コード形成媒体において、反転領域と非反転領域とが形成されており、反転領域は、可視光領域の第1波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の一方の反射特性を示し、第1波長帯とは波長の異なる第2波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の他方の反射特性を示すように構成されている。また、非反転領域は、第1波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の一方の反射特性を示し、第2波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の一方の反射特性を示すように構成されている。
そして、情報コードの明色モジュール及び暗色モジュールの内、一方のモジュールの領域が反転領域又は非反転領域の一方の領域とされ、他方のモジュールの領域が反転領域又は非反転領域の他方の領域とされている。
この構成では、第1波長帯の光(即ち、可視光)が照射されている通常時には、情報コード形成媒体の情報コードの部分において、明色モジュール及び暗色モジュールがいずれも同種の反射特性を示すことになる。即ち、情報コード部分が全体的に暗色領域又は明色領域として視認されることになるため、当該位置に情報コードが配置されていることを特定することが困難となる。従って、通常時には情報コードが読み取られ難くなり、情報コードのセキュリティ性を高めることができる。
一方、情報コード読取装置は、情報コード形成媒体に対して第2波長帯の照明光が照射された状態で当該情報コード形成媒体を撮像しているため、撮像画像においては、反転領域が反転して撮像され、非反転領域が反転せずに撮像されることになる。つまり、撮像されるコード画像では、明色モジュール及び暗色モジュールの内、いずれか一方が反転した構成となり他方が反転しない構成となるため、明色モジュールの領域と暗色モジュールの領域とを明確に区別することができる。更に、第2波長帯の照明光と併せて第1波長帯の照明光をも照射して撮像しているため、反転領域の反転画像と非反転領域の非反転画像がより明瞭に撮像されることになる。
そして、解読手段は、このような情報コード形成媒体の画像において反転領域と非反転領域とを区別して検出することで明色モジュール及び暗色モジュールの領域を抽出し、その抽出結果に基づいて情報コードを解読しており、この構成によれば、情報コードをより確実に解読することが可能となる。
【0013】
請求項3の発明では、第2照明光照射手段の光源数が第1照明光照射手段の光源数よりも多くなっている。この構成によれば、第2照明光の照射量を第1照明光よりも増やすことで、反転領域をより確実に反転させることができ、情報コードの読み取りの精度を一層高めることができる。
【0014】
請求項4の発明では、情報コード形成媒体において、反転領域と非反転領域とが組み合わされてなる特定領域に前記情報コードが配置され、特定領域とは異なる領域に前記情報コードとは異なる第2の情報コードが配置されている。そして、第2の情報コードの明モジュールは、第1波長帯の光が照射されたときに明色の反射特性を示し、第2の情報コードの暗モジュールは、第1波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示すものとなっている。
このようにすると、読み取りに際し第2波長帯の照射が必要となるコード(即ち、前記情報コード読取装置が必要となる前記情報コード)と、一般的な読取装置で読み取り可能なコード(第2の情報コード)とを同一の情報コード形成媒体で併用することができ、特徴の異なる2種類のコードを利用して情報コード形成媒体の利便性を高めることができる。例えば、一方の前記情報コードには重要度或いは秘匿性が高い情報を記録し、他方の第2の情報コードには重要度の低い情報を記録し、一方の前記情報コードの読み取りについては正規設備(前記情報コード読取装置を備えた設備)のみで行い得るようにし、正規設備以外では、第2の情報コードのみが扱えるようにするといった方法などを採用することができる。
一方、情報コード読取装置は、上記のような情報コード形成媒体を前提として、少なくとも所定の時期に、第1照明光照射手段による第1照明光の照射と、第2照明光照射手段による第2照明光の照射とが同時に行われ、撮像手段は、情報コード形成媒体に対して第1波長帯及び第2波長帯の照明光が同時に照射された状態で当該情報コード形成媒体を撮像するように構成されている。そして、解読手段は、その撮像された情報コード形成媒体の画像において前記情報コード及び第2の情報コードをいずれも抽出し、両種のコードを解読している。
この構成によれば、上述のように反射態様の異なる二種類のコードによって利便性が高められた構成において、更に、両コードの画像をいずれも解読可能な状態(即ち、明暗パターンが明瞭化された状態)で同時期に取得できるようになり、コードの読み取り時間を効果的に短縮化することができる。
【0015】
請求項5の発明では、情報コード形成媒体において、前記情報コードと第2の情報コードとが同一のインクによって形成されている。
この構成によれば、それぞれのコードを別々のインクで印刷する場合と比較してインク種を削減することができ、製造コストや製造工程の削減を図ることができる。
【0016】
請求項6の発明では、情報コード形成媒体において、反転領域は、第1波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示し、第2波長帯の光が照射されたときに明色の反射特性を示す領域とされ、非反転領域は、第1波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示し、第2波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示す領域とされている。そして、情報コード形成媒体に形成される情報コードは、暗色モジュールの領域が非反転領域とされ、明色モジュールが反転領域とされている。
この構成では、第1波長帯の光(即ち、可視光)が照射されている通常時には、情報コード形成媒体の情報コードの部分において、明色モジュール及び暗色モジュールがいずれも暗色の反射特性を示すことになる。即ち、情報コード部分が全体的に暗色領域として視認されることになるため、当該位置に情報コードが配置されていることを特定することが困難となる。
一方、撮像されたコード画像では、明色モジュールが反転した明色構成となり暗色モジュールが反転しない暗色構成となるため、暗色モジュールをより際立たせることができる。従って、読み取り時に情報コードの明瞭化を図りやすく、ひいては、より確実に読み取りを行うことができる。
また、この構成では、第1波長帯の光(即ち、可視光)が照射されている通常時には、情報コード形成媒体の情報コードの部分において、明色モジュール及び暗色モジュールがいずれも暗色の反射特性を示すことになるため、通常時には、仮にコピー機などによってコピーされてしまったとしても、情報コード部分全体が暗色となってしまい、情報コードの形で(即ち、明色モジュールと暗色モジュールとが分離された解読可能な形で)コピーすることができなくなる。従って、コピーによって漏洩、転用等がなされることを効果的に防止することができる。
【0017】
請求項7の構成では、情報コード形成媒体において、情報コードの形成領域の周囲に、当該形成領域と連続する構成で反転領域又は非反転領域からなる背景領域が形成されている。この構成では、第2波長帯の照明光が照射されていない通常時には、情報コードの形成領域と背景領域とが同種の反射特性を示すことになり、情報コードの形成領域と背景領域とが一体的なものとして区別なく視認されることになるため、情報コードの位置を特定することがより困難となる。従って、セキュリティ性をより高めることができる。
【0018】
請求項8の構成では、情報コード形成媒体において、情報コードの形成領域の周囲には、当該形成領域と連続する構成で反転領域又は非反転領域からなる背景領域が形成されており、背景領域が、情報コード形成媒体の一方面の略全面に亘って構成され、且つ背景領域が暗色領域として構成されている。
この構成によれば、情報コード形成媒体の一方面において情報コードを配置できる領域を多く確保し易く、情報コードの配置の自由度が高まる。
【0019】
請求項9の発明では、背景領域が、文字、図形、記号、模様、又はこれらの結合からなる所定形状のデザイン領域として構成されている。この構成では、第2波長帯の照明光が照射されていない通常時には、情報コードの形成領域がデザイン領域内において当該デザイン領域と同種の反射特性を示すことになり、情報コードの形成領域がデザイン領域の一部として区別なく視認されることになる。従って、情報コードの位置を特定することがより一層困難となり、セキュリティ性をより高めることができる。
【0020】
請求項10の発明では、情報コード形成媒体が、感熱紙として構成され、情報コードは、感熱紙において感熱により形成されている。一方、背景領域は、インク媒体によって形成されている。この構成では、情報コードが感熱によって構成されているため、情報コードの形成後、時間の経過により情報コードを不明瞭化或いは消去することができる。従って、時間が経過するにつれて情報コードの内容がより把握し難くなり、セキュリティ面でより有利となる。
【0021】
請求項11の発明は、情報コード形成媒体において、第1波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示し、第2波長帯の光が照射されたときに明色の反射特性を示す第1発色媒体と、第1波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示し、第2波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示す第2発色媒体と、が付されている。
更に、情報コードの暗色モジュールが第2発色媒体によって形成されており、第2発色媒体によって形成される暗色モジュールの全領域が、第1発色媒体の形成領域に囲まれる構成で当該第1発色媒体内に重ねて形成されている。
この構成では、情報コードの形成領域が全体的に第1発色媒体の形成領域内に埋没した状態となるため、情報コードの位置を把握することが一層困難となる。
【0022】
請求項12の構成では、情報コード形成媒体に形成される情報コードが、所定の暗号化キーに基づいて暗号化された暗号データが記録された非公開領域を少なくとも一部有する一部非公開コードとして構成されている。この構成では、通常状態において情報コードの位置を把握し難くすることでセキュリティ性を高め、更に、情報コードのデータ自体についても秘匿性を高めることができる。従って、情報コードからのデータ漏洩防止をさらに高めることができ、セキュリティ面をさらに高めることができる。
【0023】
請求項13の発明では、情報コード読取装置において、情報コード形成媒体を認識する認識手段が設けられており、照明手段は、認識手段が情報コード形成媒体を認識した場合に、少なくとも第2波長帯の照明光を照射するように構成されている。
この構成では、認識手段による情報コード形成媒体の認識をトリガとして第2波長帯の照明光を照射することができるため、第2波長帯の照明光を無闇に照射せずに効果的に省電力化を図ることができる。他方、上記構成では、第2波長帯の照明光を照射しなければ情報コードを解読できず、読み取りの迅速化を図る上で第2波長帯の照明光をいつ照射すべきかが問題となるが、請求項13では、情報コードが付された情報コード形成媒体を認識したタイミングに応じて第2波長帯の照明光を照射しており、これにより、その認識後に読取体制を予め整えておくことが可能となる。従って、第2波長帯の照明光が照射された情報コードの画像をより早期に取得することができ、当該情報コードをより迅速に読み取ることが可能となる。
【0024】
請求項14の発明によれば、第1実施形態と同様の効果を奏する情報コード読取装置を実現できる。
【0025】
請求項15の発明は、明色モジュール及び暗色モジュールを有してなる情報コードが物体に形成された情報コード形成媒体において、可視光領域の第1波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の一方の反射特性を示し、第1波長帯とは波長の異なる第2波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の他方の反射特性を示す反転領域と、第1波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の一方の反射特性を示し、第2波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の一方の反射特性を示す非反転領域とが設けられている。
そして、情報コードの明色モジュール及び暗色モジュールの内、一方のモジュールの領域が反転領域又は非反転領域の一方の領域とされ、他方のモジュールの領域が反転領域又は非反転領域の他方の領域とされている。
この構成では、第1波長帯の光(即ち、可視光)が照射されている通常時には、情報コード形成媒体の情報コードの部分において、明色モジュール及び暗色モジュールがいずれも同種の反射特性を示すことになる。即ち、情報コード部分が全体的に暗色領域又は明色領域として視認されることになるため、当該位置に情報コードが配置されていることを特定することが困難となる。従って、通常時には情報コードが読み取られ難くなり、セキュリティ面で有利となる。
また、この情報コード形成媒体では、第2反射光を照射可能な読取装置を用い、第2反射光を照射しながら撮像を行えば、明色モジュールと暗色モジュールとを良好に区別し得るコード画像が得られるため、特定の許可者のみに解読を良好に行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係る情報コード読取システムを概念的に説明する説明図である。
【図2】図2は、図1の情報コード読取システムで用いられる情報コード形成媒体の一例を概略的に説明する説明図である。
【図3】図3は、図1の情報コード読取システムで用いられる情報コード読取装置の要部を概略的に例示するブロック図である。
【図4】図4(A)は、図2の情報コード形成媒体を一般的な読取装置で撮像した撮像画像を説明する説明図であり、図4(B)は、図2の情報コード形成媒体を図3の読取装置で撮像した撮像画像を説明する説明図である。
【図5】図5は、図2の情報コード形成媒体を形成する形成装置の一例を概略的に例示するブロック図である。
【図6】図6は、図2の情報コード形成媒体の作成方法を概略的に説明する説明図である。
【図7】図7は、図2の情報コード形成媒体の情報コード形成領域及び背景領域を概念的に説明する説明図及び拡大図である。
【図8】図8は、図2の情報コード形成媒体の作成方法について図6とは異なる例を概略的に説明する説明図である。
【図9】図9は、図2の情報コード形成媒体の作成方法について図6、図8とは異なる例を概略的に説明する説明図である。
【図10】図10は、本発明の第1実施形態に係る情報コード読取システムを駐車場管理システムに適用した具体例を説明する説明図である。
【図11】図11は、図10の駐車場管理システムにおける精算処理の流れを例示するフローチャートである。
【図12】図12(A)は、第2実施形態の情報コード読取システムに用いる情報コード形成媒体の例を概略的に説明する説明図であり、図12(B)は、図12(A)の情報コード形成媒体を図3の読取装置で撮像した撮像画像を説明する説明図である。
【図13】図13は、第2実施形態の情報コード読取システムを駐車場管理システムに適用した具体例を説明する説明図である。
【図14】図14は、第2実施形態の情報コード読取システムの電気的構成を例示するブロック図である。
【図15】図15は、他の実施形態で用いられる情報コード形成媒体の例を概略的に説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
[第1実施形態]
以下、本発明に係る情報コード読取システム等を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
(情報コード読取システムの概要)
図1は、本発明の第1実施形態に係る情報コード読取システムを概念的に説明する説明図である。図1に示す情報コード読取システム1は、明色モジュール及び暗色モジュールを有してなる情報コードC(図2、図3参照)が形成された情報コード形成媒体10(以下、単に媒体10ともいう)と、この媒体10に形成された情報コードCを読取可能な情報コード読取装置40(以下、単に読取装置40ともいう)とによって構成されており、媒体10に形成された情報コードCを読取装置40が抽出、解読することで、情報コード内のデータを取得し出力し得るようになっている。以下では、これら媒体10及び読取装置40について詳述する。
【0028】
(情報コード形成媒体)
図2は、図1の情報コード読取システムで用いられる情報コード形成媒体の一例を概略的に説明する説明図である。
情報コード形成媒体10は、紙、樹脂部材、金属部材の物体に情報コードCが形成されてなるものである。情報コードCは、バーコードなどの一次元コードや二次元コード(QRコード、データマトリックスコード、マキシコード等)或いは後述する一部非公開コードなどによって構成されており、公知の方法でデコード可能な構成となっている。
【0029】
図2に示すように、情報コード形成媒体10は、情報コードCが形成された情報コード形成領域C1、C2と文字、図形、記号、模様などからなる背景領域A2とが重なって形成されており、可視光が支配的である通常状態では、情報コードCの領域C1、C2が背景領域A2と一体化しており、情報コードCのみを把握することが困難となっている。なお、図2では、情報コード形成領域C1、C2の位置を一点鎖線にて概念的に示している。
【0030】
この情報コード形成媒体10において、文字、図形、記号、模様等が付された領域B1〜B7は、反転領域と非反転領域とに分かれている。反転領域は、少なくとも可視光領域を含む第1波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示し、第1波長帯とは波長の異なる第2波長帯の光が照射されたときに明色の反射特性を示すように構成されている。また、非反転領域は、第1波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示し、第2波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示すように構成されている。
【0031】
情報コード形成媒体10に形成される情報コードCは、暗色モジュール(図4等に示す例では暗色セル)の領域A3が非反転領域とされており、明色モジュール(明色セル:図4)の領域A4が反転領域となっている。また、情報コード形成媒体10において、情報コードCの形成領域C1、C2の周囲には、当該形成領域C1、C2と連続する構成で反転領域からなる背景領域A2が形成されている。このように構成されているため、可視光を照明光として照射する一般的な読取装置では、図4(A)のように明色モジュールの領域A4、暗色モジュールの領域A3、背景領域A2が全て暗色で一体化された状態で撮像され、情報コードCが抽出困難となる。一方、後述の読取装置40のように、第2波長帯の照明光を照射しつつ撮像する場合には、図4(B)のように明色モジュールの領域A4及び背景領域A2を明色に反転し、暗色モジュールの領域A3は暗色のままで撮像することができるため、情報コードCを抽出することが可能となる。
【0032】
(情報コード読取装置)
図3は、図1の情報コード読取システムで用いられる情報コード読取装置の要部を概略的に例示するブロック図である。図4(A)は、図2の情報コード形成媒体を一般的な読取装置で撮像した撮像画像を説明する説明図であり、図4(B)は、図2の情報コード形成媒体を図3の読取装置で撮像した撮像画像を説明する説明図である。
【0033】
読取装置40は、「光学的情報読取装置」の一例に相当するものであり、QRコード(登録商標)等の情報コードを撮像し、読み取る機能を有している。この読取装置40は、CPU等からなる制御部41、受光センサ(例えば、C−MOSエリアセンサ、CCDエリアセンサ等)を備えたカメラとして構成される撮像部42、第1波長帯の照明光を照射する第1照明光源43、第2波長帯の照明光を照射する第2照明光源44、ROM、RAM、不揮発性メモリなどの記憶手段からなる記憶部45などを備えている。また、読取装置40には、液晶表示器などからなる表示部46や、各種操作キーなどからなる操作部47なども設けられている。
【0034】
撮像部42は、一対の第1照明光源43a,43bの間に配置されており、情報コード形成媒体10からの反射光を受光センサ42aの受光面に結像させ、情報コード形成媒体10の画像データを生成するように機能している。受光センサ42aは、媒体10に照射されて反射した反射光を受光可能に構成されるもので、例えば、C−MOSやCCD等の固体撮像素子である受光素子を一次元に配列したラインセンサ、或いは2次元に配列したエリアセンサが、これに相当する。また、結像レンズ42cは、例えば、鏡筒とこの鏡筒内に収容される複数の集光レンズとによって構成されており、受光センサ42aの受光面に情報コードCのコード画像を結像するように機能している。光学系の受光センサ42aから出力される画像信号は、例えば記憶部45の画像データ蓄積領域に蓄積されるようになっている。
【0035】
なお、本実施形態では、撮像部42が撮像手段の一例に相当し、照明手段によって照明光が照射された情報コード形成媒体10を撮像するように機能しており、より具体的には、情報コード形成媒体10に対して第1波長帯及び第2波長帯の照明光が照射された状態で当該情報コード形成媒体10を撮像するように機能している。
【0036】
図3に示すように、照明光源(照明光学系)を構成する第1照明光源43及び第2照明光源44は、例えば撮像部42(受光光学系)を挟んだ両側にそれぞれ設けられている。一対の第1照明光源43a,43bは、例えば波長380nm〜750nmの可視光を照射するLEDによって構成されている。また、対をなして配置される第2照明光源44a,44bは、波長750nm以上の赤外光を照射するLEDによって構成されている。なお、本実施形態では、第2照明光源44(第2照明光照射手段)の光源数が第1照明光源43(第1照明光照射手段)の光源数よりも多くなっている。
【0037】
なお、本実施形態では、第1照明光源43及び第2照明光源44が照明手段の一例に相当する。また、第1照明光源43は、第1照明光照射手段の一例に相当し、情報コード形成媒体10に対して第1波長帯の照明光を照射するように機能する。また、第2照明光源44は、第2照明光照射手段の一例に相当し、情報コード形成媒体10に対して第2波長帯の照明光を照射するように機能する。
【0038】
記憶部45は、半導体メモリ装置であり、例えばRAM(DRAM、SRAM等)やROM(EPROM、EEPROM等)がこれに相当する。この記憶部45のうちのRAMには、前述した画像データ蓄積領域のほかに、制御部41が算術演算や論理演算等の各処理時に利用する作業領域や読取条件テーブルも確保可能に構成されている。またROMには、各種処理等を実行可能な所定プログラムやその他、照明光源、受光センサ42a等の各ハードウェアを制御可能なシステムプログラム等が予め格納されている。
【0039】
制御部41は、読取装置40全体を制御可能なマイコン等によって構成され、CPU、システムバス、入出力インタフェース等を備え、情報処理機能を有している。なお、本実施形態では、制御部41が解読手段の一例に相当し、撮像部42によって撮像された情報コード形成媒体10の画像から情報コードCを抽出して解読するように機能する。具体的には、撮像部42によって撮像された情報コード形成媒体10の画像において反転領域と非反転領域とを区別して検出することで明色モジュール及び暗色モジュールの領域を抽出し、その抽出結果に基づいて情報コードCを解読するように機能している。
【0040】
(情報コード形成媒体の製造方法)
次に、情報コード形成媒体10の製造方法について説明する。
情報コード形成媒体10において反転領域及び非反転領域の具体的構成は様々に考えられるが、以下では、図7(B)のような構成を代表例とし、このような構成のものを製造する方法について説明する。図7(B)の例では、情報コード形成媒体10における、文字、図形、記号、模様等のデザインが、例えば、第1のインクと第2のインクとによって形成されている。そして、上記反転領域は、第1のインクD1によって形成された領域とされており、非反転領域は第2のインクD2によって形成された領域、又は第1のインクD1と第2のインクD2とが重なった領域として構成されている。
【0041】
このうち、第1のインクD1は、第1発色媒体の一例に相当し、第1波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示し、第2波長帯の光が照射されたときに明色の反射特性を示すように機能している。つまり、第2波長帯の光が照射されたときに暗色から明色に反転するようになっている。具体的には赤外線反応インクとして構成されており、波長750nm以上の赤外光が照射されたときに、ほぼ不可視状態又は明色状態となるように構成されている。なお、本実施形態では、明色(白色、黄色等)の形成対象物体(紙等)に対して第1のインク及び第2のインクによって文字、図形、記号、模様等が形成されている。
【0042】
また、第2のインクは、第2発色媒体の一例に相当し、第1波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示し、第2波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示すように機能している。具体的には、通常のインク(赤外線によって反転しないインク)として構成されており、波長380nm〜750nmの可視光が照射されたときでも、波長750nm以上の赤外光が照射されたときでも、暗色(例えば黒色、青色、藍色等)を示すようになっている。
【0043】
図7(B)の例では、情報コードCの暗色モジュール(暗色セル)が第2のインクD2(第2発色媒体)によって形成されており、このように第2のインクD2によって形成される暗色モジュールの全領域が、第1のインクD1(第1発色媒体)の形成領域に囲まれる構成で当該第1のインク形成領域内に重ねて形成されている。
【0044】
図7(B)の構成のものは、例えば図6のような流れで製造することができ、この方法では、ロール紙等の紙媒体Pを用意し、この紙媒体Pに対し、例えば、図6の中段のように、第1のインクD1によって形成される長手状の第1インク領域A1を形成している。そして、このような第1インク領域A1を形成した後、図1の領域C1,C2の位置において第1インク領域A1の上から、第2のインクD2によって暗色モジュール領域A3を形成している。なお、図6下段のように、第1インク領域A1の上に暗色モジュール領域を形成しても、暗色モジュール領域は第1インク領域A1に埋没した形態となる。
【0045】
この構成では、暗色モジュール(暗色セル)の領域A3は、第2のインクD2(第2発色媒体)と第1のインクD1が重ねられた構成となり、明色モジュール(明色セル)の領域A4は第1のインクD1のみによって形成されることになる。また、情報コードCの周囲の背景領域A1も第1のインクD1によって構成されている。また、この場合、情報B2〜B7は例えば第2のインクD2によって形成される。
【0046】
なお、図6のように図形を形成する場合、感熱紙として構成される紙媒体Pを用意し、この紙媒体Pに対して図6の中段のように、第1のインクD1によって形成される長手状の第1インク領域A1を形成する。そして、このような第1インク領域A1を形成した後、図2の領域C1,C2の位置において、感熱によって暗色モジュール領域A3を形成する。
【0047】
また、図6に代えて、図8のような流れで情報コード形成媒体10を製造してもよい。この方法では、ロール紙等の紙媒体Pを用意し、この紙媒体Pに対し、図8中段のように、第2のインクD2によって暗色モジュール領域A3を形成している。そして、この暗色モジュールを構成する第2のインクD2を全体的に覆うように、第1のインクD1によって長手状の第1インク領域を形成している。なお、暗色モジュール領域と第1インク領域とを重ねて形成することで、図8下段のように、暗色モジュール領域が第1インク領域に埋没した形態となる。
【0048】
また、図9のようにしてもよい。図9の例では、情報コードCが一部非公開コードとして構成されている。この一部非公開コードは、所定の暗号化キーに基づいて暗号化された暗号データが記録された非公開領域と、暗号化キーによって暗号化されていない公開データが記録された公開領域とを備えた構成となっており、読取装置40内に暗号化キーに対応する解読キーが存在する場合にのみ解読を行うことができるようになっている。この一部非公開コードの公開領域は、解読キーを有さない読取装置によっても読み取りが可能な領域として構成されており、例えば第三者に開示して差し支えのない様々な開示データを含ませることができる。
【0049】
一部領域を非公開領域(暗号化キーに対応する解読キーの取得を条件として読み取り可能な領域)とし、他の領域を公開領域(暗号化キーに対応する解読キーを用いずに読み取り可能な領域)とする一部非公開コードの生成方法や生成される一部非公開コードの具体的構成としては、例えば、特開2009−9547公報、特開2008−299422公報などに開示された技術を好適に用いることができる。この場合、公開領域に記録する「開示コード」は、各開示データをJISの基本仕様(JISX0510:2004)に従って符号化して構成することができる。また、「秘匿コード」は、各暗号データ(個人情報等の重要データを暗号化した各暗号データ)をJISの基本仕様(JISX0510:2004)に従って符号化したものである。
【0050】
なお、特開2009−9547公報、特開2008−299422公報に示す方法では、非公開領域に記録される秘匿コード内に復号キーや復号キーを特定しうる復号キー検査データが含まれているが、非公開領域内に復号キーや復号キー検査データを含ませないようにしてもよい。また、一部非公開コードの生成方法や生成される一部非公開コードの具体的構成はこの例に限られるものではなく、一部領域に暗号化データを記録し、他の領域に非暗号化データを記録した二次元コードを生成可能な方法であれば、これら公報に記載された方法以外の方法で生成されていてもよい。
【0051】
また、図9の例では、背景領域A2に埋没する情報コードC(一部非公開コード)とは別で、入庫時間等のデータが記録された第2の情報コードCaが形成されている。この構成では、例えば、情報コードC(一部非公開コード)が解読されることを第2の情報コードCaを使用する条件とすれば、第2の情報コードCaが不正にコピーされたとしても情報コードCを解読しない限り利用できなくなり、不正利用を効果的に防止できる
【0052】
(情報コード読取システムの具体例)
次に、上記情報コード読取システム1の具体例について説明する。
図10には、情報コード読取システム1を駐車場システム100に適用した例を示している。この例では、駐車場が入場ゲート103、発券機101、駐車スペース、通路、柵、退場ゲート104、精算機102などによって構成されている。
【0053】
発券機101には、図5のような構成をなし、図6〜図9のいずれかの方法によって情報コード形成媒体10を形成可能な形成装置30が設けられている。また、精算機102には、図1、図3のような構成をなす読取装置40が設けられている。この例では、駐車場使用者が入場ゲートの発券機101で駐車券を発行する際に、上述の情報コードCに駐車時間の情報を記録した構成で、上述の情報コード形成媒体10として構成される駐車券を発行する。
【0054】
使用者が駐車場を退出する際には、図11のような流れで精算処理を行う。この処理では、図示しない挿入口から駐車券が挿入されるまで待機処理を行い(S1)、挿入を感知したときに駐車券に記録された情報コードCの撮像を行う。ここでは、上述のように第1波長帯及び第2波長帯の照明光を照射した状態で駐車券(情報コード形成媒体10)を撮像する。そして、反転領域を反転させ、非反転領域として構成される暗色モジュールを浮かび上がらせた状態で情報コードCの解読を行う(S3)。情報コードCの解読が成功した場合にはS4にてYesに進み、失敗した場合には、S4にてNoに進む。
【0055】
なお、解読に失敗してS4にてNoに進む場合には、再び駐車券(情報コード形成媒体10)の撮像を行い(S5)、情報コードの解読を再び試みる(S6)。そして、S6で解読が成功した場合には、S7にてYesに進み、失敗した場合には、S7でNoに進む。このようなS5〜S7の処理は、解読失敗が規定回数に到達するまで繰り返され、解読失敗が規定回数に達した場合にはS8にてYesに進み、当該処理を終了する。
【0056】
一方、S4又はS7で解読に成功したと判断された場合には、入力データ(情報コードCから読み取ったデータ)を書き込み(S10)、料金の精算を行う。情報コードCには例えば入庫時間が記録されており、S11では、この入庫時間に応じた料金を計算し、S12ではその計算された料金を表示する。そして、S13では、表示料金に応じた金額が投入されたか否かを確認し、料金の精算が完了した場合には退場ゲートを開放する(S14)。
【0057】
(第1実施形態の主な効果)
本実施形態に係る情報コード読取システム1では、第1波長帯の光(即ち、可視光)が照射されている通常時には、情報コード形成媒体10の情報コードの部分において、明色モジュール及び暗色モジュールがいずれも同種の反射特性を示すことになる。これにより、例えば、人が情報コードCの付近を見たときには情報コード部分が全体的に暗色領域又は明色領域として視認されることになる。また、一般的な読取装置によって当該情報コード部分を読み取ろうとしても、可視光を当てただけでは情報コード部分が全体的に暗色領域又は明色領域と認識されるため、読取不能となる。従って、通常時にはそもそも上記のような情報コードCが存在していること自体が把握され難く、ユーザによる読み取り作業自体が行われ難くなる。また、仮に一般的な読取装置によって前記情報コードの読み取りが試みられたとしても、読み取ることができないため情報コードのセキュリティ性をより確実に高めることができる。
一方、情報コード読取装置40は、情報コード形成媒体10に対して第2波長帯の照明光が照射された状態で当該情報コード形成媒体10を撮像しているため、撮像画像においては、反転領域が反転して撮像され、非反転領域が反転せずに撮像されることになる。つまり、撮像されるコード画像では、明色モジュール及び暗色モジュールの内、いずれか一方が反転した構成となり他方が反転しない構成となるため、明色モジュールの領域と暗色モジュールの領域とを明確に区別することができる。更に、第2波長帯の照明光と併せて第1波長帯の照明光をも照射して撮像しているため、反転領域の反転画像と非反転領域の非反転画像がより明瞭に撮像されることになる。
そして、解読手段は、このような情報コード形成媒体10の画像において反転領域と非反転領域とを区別して検出することで明色モジュール及び暗色モジュールの領域を抽出し、その抽出結果に基づいて情報コードを解読しており、この構成によれば、情報コードをより確実に解読することが可能となる。
【0058】
また、第2照明光源44(第2照明光照射手段)の光源数が第1照明光源(第1照明光照射手段)の光源数よりも多くなっている。この構成によれば、反転領域をより確実に反転させることができ、情報コードCの読み取りの精度を一層高めることができる。
【0059】
また、情報コード形成媒体10において、反転領域は、第1波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示し、第2波長帯の光が照射されたときに明色の反射特性を示す領域とされ、非反転領域は、第1波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示し、第2波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示す領域とされている。そして、情報コード形成媒体10に形成される情報コードCは、暗色モジュールの領域が非反転領域とされ、明色モジュールが反転領域とされている。
この構成では、第1波長帯の光(即ち、可視光)が照射されている通常時には、情報コード形成媒体10の情報コードCの部分において、明色モジュール及び暗色モジュールがいずれも暗色の反射特性を示すことになる。即ち、情報コード部分が全体的に暗色領域として視認されることになるため、当該位置に情報コードが配置されていることを特定することが困難となる。
一方、撮像されたコード画像では、明色モジュールが反転した明色構成となり暗色モジュールが反転しない暗色構成となるため、暗色モジュールをより際立たせることができる。従って、読み取り時に情報コードの明瞭化を図りやすく、ひいては、より確実に読み取りを行うことができる。
【0060】
また、情報コード形成媒体10において、情報コードCの形成領域C1、C2の周囲に、当該形成領域C1、C2と連続する構成で反転領域又は非反転領域からなる背景領域A2が形成されている。この構成では、第2波長帯の照明光が照射されていない通常時には、情報コードの形成領域C1、C2と背景領域A2とが同種の反射特性を示すことになり、情報コードの形成領域と背景領域とが一体的なものとして区別なく視認されることになるため、情報コードCの位置を特定することがより困難となる。従って、セキュリティ性をより高めることができる。
【0061】
また、一部の例では、情報コード形成媒体10が、感熱紙として構成され、情報コードCが、感熱紙において感熱により形成されており、背景領域は、インク媒体によって形成されている。この構成では、情報コードCが感熱によって構成されているため、情報コードCの形成後、時間の経過により情報コードCを不明瞭化或いは消去することができる。従って、時間が経過するにつれて情報コードCの内容がより把握し難くなり、セキュリティ面でより有利となる。
【0062】
また、一部の例では、情報コード形成媒体10において、第1波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示し、第2波長帯の光が照射されたときに明色の反射特性を示す第1発色媒体と、第1波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示し、第2波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示す第2発色媒体と、が付されている。
更に、情報コードCの暗色モジュールが第2発色媒体によって形成されており、第2発色媒体によって形成される暗色モジュールの全領域が、第1発色媒体の形成領域に囲まれる構成で当該第1発色媒体内に重ねて形成されている。
この構成では、情報コードCの形成領域C1、C2が全体的に第1発色媒体の形成領域内に埋没した状態となるため、情報コードの位置を把握することが一層困難となる。
【0063】
また、一部の例では、情報コード形成媒体10に形成される情報コードCが、所定の暗号化キーに基づいて暗号化された暗号データが記録された非公開領域と、暗号化キーによって暗号化されていない公開データが記録された公開領域とを有する一部非公開コードとして構成されている。この構成では、通常状態において情報コードの位置を把握し難くすることでセキュリティ性を高め、更に、情報コードのデータ自体についても秘匿性を高めることができる。従って、情報コードからのデータ漏洩を確実に防止することができ、セキュリティ面で万全となる。
【0064】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。
図12(A)は、第2実施形態の情報コード読取システムに用いる情報コード形成媒体の例を概略的に説明する説明図であり、図12(B)は、図12(A)の情報コード形成媒体を図3の読取装置で撮像した撮像画像を説明する説明図である。図13は、第2実施形態の情報コード読取システムを駐車場管理システムに適用した具体例を説明する説明図である。図14は、第2実施形態の情報コード読取システムの電気的構成を例示するブロック図である。図15は、他の実施形態で用いられる情報コード形成媒体の例を概略的に説明する説明図である。
【0065】
第2実施形態の構成は、第1実施形態の特徴を全て含み、更に新たな構成を付加したものである。よって第1実施形態と同様の構成については、第1実施形態と同一の符号を付し詳細な説明は省略する。また、以下の説明では、第1実施形態と同様の部分については適宜図1〜図11を参照して説明することとする。なお、本実施形態で用いる情報コード形成媒体は、図9と同様のものとなっており、この情報コード形成媒体については図12にて詳しく示している。また、情報コード読取システムを駐車場管理システムに適用した具体例については、図11の構成に新たな構成(検出センサ201)を付加しており、この付加構成については図13、図14にて示している。
【0066】
図12(A)に示す情報コード形成媒体10は、第2の情報コードCa以外は図2と同様であり、図2と同様に、情報コードCが形成された情報コード形成領域C1、C2と文字、図形、記号、模様などからなる背景領域A2とが重なって形成されており、可視光が支配的である通常状態では、図12(A)のように情報コードCの領域C1、C2が背景領域A2と一体化した表示態様となり、情報コードCのみを把握することが困難となっている。なお、図1(A)2では、情報コード形成領域C1、C2の位置を一点鎖線にて概念的に示している。
【0067】
この情報コード形成媒体10でも、文字、図形、記号、模様等が付された領域B1〜B7は、反転領域と非反転領域とに分かれている。反転領域は、少なくとも可視光領域を含む第1波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示し、第1波長帯とは波長の異なる第2波長帯の光が照射されたときに明色の反射特性を示すように構成されている。また、非反転領域は、第1波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示し、第2波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示すように構成されている。
【0068】
情報コード形成媒体10に形成される情報コードCは、暗色モジュールの領域A3が非反転領域とされており、明色モジュールの領域A4が反転領域となっている。また、情報コード形成媒体10において、情報コードCの形成領域C1、C2の周囲には、当該形成領域C1、C2と連続する構成で反転領域からなる背景領域A2が形成されている。このように構成されているため、可視光を照明光として照射する一般的な読取装置では、図12(A)と同様に、明色モジュールの領域(図12(B)参照)、暗色モジュールの領域A3(図12(B)参照)、背景領域A2が全て暗色で一体化された状態で撮像され、情報コードCが抽出困難となる。一方、上述の読取装置40のように、第2波長帯の照明光を照射しつつ撮像する場合には、図12(B)のように明色モジュールの領域A4及び背景領域A2を明色に反転し、暗色モジュールの領域A3は暗色のままで撮像することができるため、情報コードCを抽出することが可能となる。
【0069】
一方、情報コードCと異なる領域に形成される第2の情報コードCaは、図12(B)のように明モジュールA5と暗モジュールA6とが組み合わされた構成をなしており、この第2の情報コードCaの明モジュールA5は、可視光等の第1波長帯の光が照射されたときに明色の反射特性を示し、暗モジュールA6は、この第1波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示すように構成されている。また、第2の情報コードCaの周囲の背景領域A7は、上記第1波長帯の光が照射されたときに明色の反射特性を示すようになっている。このように構成されているため、可視光が照射される通常の環境においてユーザが第2の情報コードCaの存在や位置を視認することが可能となり、読取装置40側では、可視光等の第1波長帯の光が照明光として照射されているとき(即ち、第1照明光源43から照明光が照射されているとき)に、明モジュールと暗モジュールとを明瞭に区別した状態で撮像し、解読することが可能となる。
なお、図12の情報コード形成媒体10において、領域B2〜B7は第1実施形態と同様の構成であるので詳細な説明は省略する。
【0070】
更に、本実施形態で用いられる情報コード読取装置40は、上記のような情報コード形成媒体10を前提として、少なくとも所定の時期に、第1照明光源43(第1照明光照射手段)による第1照明光の照射と、第2照明光源44(第2照明光照射手段)による第2照明光の照射とが同時に行われるようになっている。そして、このように情報コード形成媒体10に対して第1波長帯の照明光(可視光等)及び第2波長帯の照明光(赤外光等)が同時に照射されているときに、撮像部42(撮像手段)によって当該情報コード形成媒体19を撮像し、その撮像された情報コード形成媒体10の画像において情報コードC及び第2の情報コードCaをいずれも抽出し、両種のコードを解読している。以下では、このような撮像、解読処理について、図13のような駐車場システム100を例に挙げて説明する。
【0071】
図13に示す駐車場システム100は、第1実施形態の駐車場システム100の特徴を全て含んでおり、駐車場において入場ゲート103、発券機101、駐車スペース、通路、柵、退場ゲート104、精算機102などが設けられている。また、発券機101には、例えば図5のような構成をなし且つ図9の方法によって情報コード形成媒体10を形成可能な形成装置30が設けられている。また、精算機102には、図14のような構成をなす読取装置40が設けられている
【0072】
この例でも、駐車場使用者が入場ゲートの発券機101で駐車券を発行する際に、情報コードCに駐車時間等の情報を記録した構成で、上述の情報コード形成媒体10(図12)として構成される駐車券を発行する。一方、使用者が駐車場を退出する際には、図11と同様の流れで精算処理を行うようになっている。
【0073】
この駐車場システム100で行われる精算処理でも、図11のように、情報コード読取装置40にて駐車券(情報コード形成媒体10)が検出されるまで待機がなされ、情報コード形成媒体10が検出された後にS2以降の処理を行うようになっている。
【0074】
図13、図14に示す情報コード読取装置40は、第1実施形態の情報コード読取装置40(図1等)を更に具体化した構成となっており、駐車券(情報コード形成媒体10)を検出するための検出センサ201が設けられている。この検出センサ201は、例えば、ユーザが情報コード形成媒体10を情報コード読取装置40に読み取らせようとする状態、或いはユーザが情報コード読取装置40に接近した状態を検出可能なセンサとして構成されており、例えば、ユーザが情報コード形成媒体10を精算機に接近させた状態、或いは精算機に挿入した状態を検出する近接センサ等などを好適に用いることができる。この検出センサ201は、情報コード形成媒体10を検出したときに制御部41に対して検出信号を出力し、このとき、制御部41は、情報コード形成媒体10が情報コード読取装置40に近い位置(検出センサ201によって検出可能な位置)に存在することを認識する。
なお、本実施形態では、検出センサ201及び制御部41が「認識手段」の一例に相当し、情報コード形成媒体10を認識するように機能する。
【0075】
S1の処理で駐車券(情報コード形成媒体10)が認識された後には、S2の撮像処理を行う。本実施形態の撮像処理では、第1照明光源43及び第2照明光源44を同時期に動作させ、可視光(第1照明光)の照射と、赤外光(第2照明光)の照射をある程度の期間において同時に行う。そして、このように情報コード形成媒体10に対して第1波長帯の照明光(可視光等)及び第2波長帯の照明光(赤外光等)が同時に照射された状態で当該情報コード形成媒体10を撮像部42によって撮像する(S2)。
【0076】
その後、S3では、このように撮像された情報コード形成媒体10の画像において情報コードC及び第2の情報コードCaをいずれも抽出し、両種のコードを解読する。本実施形態では、情報コードCの暗色モジュールA3及び第2の情報コードCaの暗モジュールA6のいずれも、例えば赤外吸収する暗色(黒色)によって構成されており、赤外光を照射した場合であっても、可視光を照射した場合であっても透けた表示態様とならず、暗色(黒色等)として明瞭に撮像されるようになっている。また、情報コードCの明色モジュールA4及び情報コードCの周囲に隣接する背景領域A2は、いずれも赤外吸収しない暗色(黒色)によって構成されており、図12(B)のように赤外光を照射して撮像したときに透けた表示態様となって明色に反転して撮像されるようになっている。換言すると、情報コード形成媒体10では、情報コードC付近において暗色モジュールA3の領域のみが赤外吸収する暗色(黒色)となっており、この領域を覆い隠すように赤外吸収しない暗色(黒色)が重ねられているため、赤外光を照射して撮像するときには、赤外吸収しない暗色(黒色)の領域が透けることになり、赤外吸収する暗色(黒色)の領域(即ち、情報コードCの暗色モジュールA3)のみが浮かび上がるように撮像されることになる。なお、本実施形態では、第2の情報コードCaの明モジュールA5及びその背景領域A7は、例えば赤外吸収しない明色(白色等)によって構成されている。
【0077】
また、本実施形態では、情報コード形成媒体10において情報コードCの暗色モジュールA3と第2の情報コードCaの暗モジュールA6とが同一のインク(赤外吸収する暗色(黒色等)のインク)によって形成されているため、第1波長帯の照明光(可視光等)は勿論のこと、第2波長帯の照明光(ここでは赤外光)が照射されても、暗色モジュールA3の領域及び暗モジュールA6の領域が反転することなく明瞭な暗色(黒色等)として撮像されることとなる。
【0078】
(第2実施形態の主な効果)
第2実施形態の構成でも第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、第2実施形態の構成では、図12のように、読み取りに際し第2波長帯の照射光(赤外光)が必要となるコード(即ち、図1のような情報コード読取装置1によって読み取る必要がある情報コードC)と、一般的な読取装置で読み取り可能なコード(第2の情報コードC2)とを同一の情報コード形成媒体10で併用することができ、特徴の異なる2種類のコードを利用して情報コード形成媒体10の利便性を高めることができる。例えば、一方の情報コードCには重要度或いは秘匿性が高い情報を記録し、他方の第2の情報コードC2には重要度の低い情報を記録し、一方の情報コードCの読み取りについては正規設備(図1のような情報コード読取装置1を備えた設備)のみで行い得るようにし、正規設備以外では、第2の情報コードC2のみが扱えるようにするといった方法などを採用することができる。
【0079】
また、上述のように反射態様の異なる二種類のコードによって利便性が高められた構成において、更に、両コードの画像をいずれも解読可能な状態(即ち、明暗パターンが明瞭化された状態)で同時期に取得できるため、各コードの画像を時間差で取得するような構成と比較してコードの読み取り時間を効果的に短縮化することができる。
【0080】
また、本実施形態では、情報コード読取装置1において、情報コード形成媒体10を認識可能な認識手段が設けられており、この認識手段が情報コード形成媒体10を認識した場合に、少なくとも第2波長帯の照明光(赤外光)を照射するように構成されている。
この構成では、認識手段によって情報コード形成媒体10が認識されたことをトリガとして第2波長帯の照明光(赤外光)を照射することができるため、第2波長帯の照明光を無闇に照射せずに効果的に省電力化を図ることができる。
他方、上記構成では、第2波長帯の照明光(赤外光)を照射しなければ情報コードCを解読できず、読み取りの迅速化を図る上で第2波長帯の照明光(赤外光)をいつ照射すべきかが問題となるが、本実施形態では、情報コードCが付された情報コード形成媒体10を認識したタイミングに応じて第2波長帯の照明光(赤外光)を照射しており、これにより、その認識後に読取体制を予め整えておくことが可能となる。
【0081】
例えば、図12(A)のように背景(領域A2)が黒字で構成され、この背景に埋没する形で情報コードCが配置されている場合、一般的な可視光では読み取ることができず、第2波長帯の照明光(赤外光)を当てる必要がある。しかしながら、第2波長帯の照明光(赤外光)の照射する前の段階では、情報コードCが背景に埋没しているため、情報コードCの存在を認識するための特定パターン(図12のようなQRコード(登録商標)の場合にはファインダパターン)の位置が分からず、情報コードCが撮像範囲に入っているか否かを確認することができないという問題がある。これに対し、本実施形態では、情報コード形成媒体10の存在を認識して第2波長帯の照明光(赤外光)を照射しているため、情報コードCが撮像範囲に存在する可能性が高い時期を狙って第2波長帯の照明光(赤外光)を照射することができる。従って、省電力化を図りつつ、より早期に読み取りを完了させることが可能となり、情報コードCの検出漏れ(情報コードCが撮像範囲に存在するにもかかわらず解読が行われないような事態)も生じにくくなる。
【0082】
また、本実施形態では、情報コード形成媒体10において、情報コードCの暗色パターンと第2の情報コードC2の暗色パターンとが同一のインクによって形成されている。この構成によれば、それぞれのコードを別々のインクで印刷する場合と比較してインク種を削減することができ、製造コストや製造工程の削減を図ることができる。
【0083】
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0084】
上記実施形態では、情報コード形成媒体の例として駐車券を例示したが、このような例に限られない。例えば、住民票や印鑑証明などの各種証明書の台紙、商品券、地域振興券、入場券、各種チケットなどのセキュリティ性が要求されるものにおいて上記実施形態の構成を好適に適用することができる。
【0085】
上記実施形態では、背景領域のデザインの一例を示したが、背景領域は、文字、図形、記号、模様、又はこれらの結合等、様々な形状とすることができる。例えば、図15では、このような特徴を備えた情報コード形成媒体の一例を示しており、デザイン部De(図15では「D」の文字)の領域の内部に情報コードCが埋め込まれた構成をなしている。即ち、文字「D」の内部領域において第1、第2実施形態と同様の情報コードCが部分的に配置され、その他の領域(文字「D」の内部領域における情報コードC以外の領域)には、第1、第2実施形態の背景領域A2と同様の特徴を有する背景領域A2が設けられている。この構成でも、第1波長帯の光(可視光等)が照射されたときには図15(A)のように情報コードCが背景領域A2に埋没した状態で撮像され、第2波長帯の光(赤外光)が照射されたときには、図15(B)のように情報コードCの明色モジュールA4及び背景領域A2が反転するような透けた態様となり、情報コードCの暗色モジュールA3の領域が他の領域と明確に区別された状態で撮像されることになる。
このように背景領域に意匠性を持たせることで、第2波長帯の照明光(赤外光)が照射されていない通常時には、情報コードCの形成領域がデザイン領域内において当該デザイン領域と同種の反射特性を示すことになり、情報コードの形成領域がデザイン領域の一部として区別なく視認されることになる。従って、情報コードの位置を特定することがより一層困難となり、セキュリティ性をより高めることができる。また、デザイン領域とは別で情報コードCの領域を設ける必要が無いため、デザイン領域のスペースを大きく確保し易くなり、情報コードCがデザイン領域のデザイン性を阻害するといった問題も生じにくくなる。
【0086】
上記実施形態や他の実施形態では、第2波長帯の照明光として波長750nm以上の赤外光の波長帯を例示したが、第2波長帯の照明光として波長380nm以下の紫外光であってもよい。この場合、反転領域を紫外光が照射されたときに反転する領域として構成すればよい。この場合、例えば、上記赤外線反応インクに代えて紫外線反応インクを第1のインクとして用い、これによって反転領域を形成するようにすればよい。
【0087】
上記実施形態では、図2のように、情報コード形成媒体の大部分が明色(白色等)の領域で構成され、その一部に暗色の背景領域A2を設けた構成を例示したが、図2に示す背景領域A2が、情報コード形成媒体10の一方面の略全面に亘って構成されていてもよい。例えば、図2の構成において、暗色領域A2の領域を媒体10の略全体に広がるような構成(例えば、ブラックカード等としての構成)とすることができ、この場合、通常時に表示すべき情報B2〜B7を明色の文字や図形によって構成すればよい。この構成によれば、情報コード形成媒体10の一方面において情報コードCを配置できる領域を多く確保し易く、情報コードの配置の自由度が高まる。
また、このように情報コードCの周囲の背景領域を情報コード形成媒体の一方面の略全体に広がらせ且つ暗色領域として構成する場合、反転領域とせずに非反転領域としてもよい。この場合、情報コードCを明暗反転コードとして構成し、明色モジュールとして構成されるべき部分を非反転領域として構成し、暗色モジュールとして構成されるべき部分を反転領域とすればよい。これにより、第2照明光を照射して読み取る場合に、媒体全体に広がる暗色の背景の中から暗色モジュールとして構成されるべき部分(反転領域)が明暗反転の明色領域として浮き上がり、明色モジュールとして構成されるべき部分が明暗反転の暗色領域として浮き上がるため、読み取りを良好に行うことができる。
【0088】
上記実施形態では、情報コードCを一部非公開コードとして構成した例を示したが、情報コードCは、これ以外の公知の情報コードであってもよい。例えば、一次元のバーコードであってもよく、QRコード(登録商標)、データマトリックスコード、マキシコード等の二次元コードであってもよい。
【0089】
第1実施形態の図9や第2実施形態で用いられる第2の情報コードCaは、図9等で示した種類以外の公知の情報コードであってもよい。例えば、一次元のバーコードであってもよく、図9とは種類の異なるQRコード(登録商標)、データマトリックスコード、マキシコード等の二次元コードなどであってもよい。また、第2の情報コードCaを第1実施形態で用いた情報コードCと同様の一部非公開コードとしてもよい。いずれの場合でも、第2実施形態の構成や制御方法等を適用できる。
【0090】
第2実施形態では、情報コード形成媒体を認識する方法として、情報コード形成媒体10そのものを検出センサ201(図14)によって検出する方法を例示したが、情報コード形成媒体10が撮像可能となる可能性が高い事象を検出する方法を用いてもよい。例えば、図13のような駐車場システム100では、検出センサ102を「車両検出センサ」として構成すると共に、当該検出センサ102から一定の距離以内に車両が近づいたときにこの検出センサ102から検出信号が出力されるように構成し、このような検出時に第2波長帯の照明光(赤外光)が照射されるように構成してもよい。
このような駐車場システム100では、車に乗りながら精算することが想定され、精算機に車両が近づいたときには駐車券として構成される情報コード形成媒体が提示され撮像範囲に入ってくる可能性が高い。従って、このような車両の接近を検出して第2波長帯の照明光(赤外光)を照射する構成とすれば、省電力化を図りつつ、駐車券精算時には読み取りの準備を迅速に進めることができ、精算の流れを極力止めることなく迅速に精算処理を行うことができる。なお、読み取りの準備は、第2波長帯の照明光(赤外光)の発光だけでなく、他の装置を駆動(例えば、駐車券を挿入口から引き込むためのローラの駆動等)するようにしてもよい。
また、このような構成に限られることはなく、例えば検出センサ102を「人感センサ」として構成し、当該検出センサ102から一定範囲内に人が近づいたときに第2照明光を照射するといった構成としてもよい。
【0091】
第2実施形態では、図14のように情報コード読取装置1の内部に検出センサ201を設けた構成を例示したが、このように専用のセンサを用いずに、撮像部42による撮像画像によって情報コード形成媒体10の存在を認識してもよい。例えば、撮像部42によって所定の短時間毎に継続的に画像を撮像するように構成し、その撮像画像に所定の変化があった場合(例えば、画像全体の受光量の変動が一定値以上となった場合や、一部の画素の受光量が一定値以上低下した場合等)に情報コード形成媒体10が存在していると認識し、このときに第2波長帯の照明光(赤外光)を照射するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0092】
1…情報コード読取システム
10…情報コード形成媒体
40…情報コード読取装置
41…制御部(解読手段)
42…撮像部(撮像手段)
43…第1照明光源(照明手段、第1照明光照射手段)
44…第2照明光源(照明手段、第2照明光照射手段)
A2…背景領域(反転領域)
A3…暗色モジュールの領域(非反転領域)
A4…明色モジュールの領域(反転領域)
C…情報コード
Ca…第2の情報コード
D1…第1発色媒体
D2…第2発色媒体
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報コード読取システム、情報コード読取装置、及び情報コード形成媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、バーコードやQRコード(登録商標)などの情報コードが様々な用途で使用されており、その使用目的も多様化しつつある。特に、近年では、情報コードのセキュリティ性向上のニーズが高まってきており、特定の条件を満たした場合にのみ情報コードを読み取ることができるような構成が求められている。なお、情報コードにセキュリティ機能を付加した技術としては、例えば特許文献1のようなものが提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−146461公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の技術では、紫外線下でのみ視認可能な印刷液で鍵情報(3)を本データ(2)と重ねて印刷している。この技術では、通常の可視光条件下では鍵情報(3)を視認することができないため、一定条件下で暗号化された本データ(2)のセキュリティ性が担保されることになる。
【0005】
しかしながら、この特許文献1の技術は、鍵情報(3)を数値データとして付し、これを紫外線環境下で操作者に目視させようとするものであるため、操作者が鍵情報(3)を目視して確実に確認できるか否かが環境(印刷環境、読取環境等)や構成(情報コードの大きさや鍵情報の構成)に大きく左右されてしまうという問題がある。特に、情報コードの小型化を図ろうとした場合、読取装置によって当該情報コード自体は認識できたとしても、操作者が鍵情報(3)を視認できなくなるという事態が生じやすく、このような場合には、操作者が鍵情報を得られることができず、情報コードの解読が成り立たなくなってしまう。また、本データ(2)と鍵情報(3)を重ねたものを操作者に読み取らせる方法では、最終的な解読の成否を操作者の熟練度等に依存してしまうため、迅速かつ安定的な解読が難しいという問題もある。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、通常時において人による情報コードの視認を困難とするとともに一般的な読取装置による情報コードの認識を困難とし、その一方で、特定の読取装置を用いて読み取りを行う場合には確実に読み取ることが可能な構成を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明(請求項1)は、明色モジュール及び暗色モジュールを有してなる情報コードが形成された情報コード形成媒体と、照明光を照射する照明手段と、前記照明手段によって照明光が照射された前記情報コード形成媒体を撮像する撮像手段と、前記撮像手段によって撮像された前記情報コード形成媒体の画像から前記情報コードを抽出して解読する解読手段と、を備えた情報コード読取装置と、を有する情報コード読取システムに係るものである。
そして、前記情報コード形成媒体は、少なくとも可視光領域を含む第1波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の一方の反射特性を示し、前記第1波長帯とは波長の異なる第2波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の他方の反射特性を示す反転領域と、前記第1波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の前記一方の反射特性を示し、前記第2波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の前記一方の反射特性を示す非反転領域とが形成されてなり、前記情報コードの前記明色モジュール及び前記暗色モジュールの内、一方のモジュールの領域が前記反転領域又は前記非反転領域の一方の領域とされ、他方のモジュールの領域が前記反転領域又は前記非反転領域の他方の領域とされている。
更に、前記照明手段は、前記情報コード形成媒体に対して前記第2波長帯の照明光を照射可能な第2照明光照射手段を備え、前記撮像手段は、前記情報コード形成媒体に対して前記第2波長帯の照明光が照射された状態で当該情報コード形成媒体を撮像し、前記解読手段は、前記撮像手段によって撮像された前記情報コード形成媒体の画像において前記反転領域と前記非反転領域とを区別して検出することで前記明色モジュール及び前記暗色モジュールの領域を抽出し、その抽出結果に基づいて前記情報コードを解読している。
【0008】
第2の発明(請求項2)は、明色モジュール及び暗色モジュールを有してなる情報コードが形成された情報コード形成媒体と、照明光を照射する照明手段と、前記照明手段によって照明光が照射された前記情報コード形成媒体を撮像する撮像手段と、前記撮像手段によって撮像された前記情報コード形成媒体の画像から前記情報コードを抽出して解読する解読手段と、を備えが情報コード読取装置と、有する情報コード読取システムに係るものである。
そして、前記情報コード形成媒体は、少なくとも可視光領域の第1波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の一方の反射特性を示し、前記第1波長帯とは波長の異なる第2波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の他方の反射特性を示す反転領域と、前記第1波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の前記一方の反射特性を示し、前記第2波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の前記一方の反射特性を示す非反転領域とが形成されてなり、前記情報コードの前記明色モジュール及び前記暗色モジュールの内、一方のモジュールの領域が前記反転領域又は前記非反転領域の一方の領域とされ、他方のモジュールの領域が前記反転領域又は前記非反転領域の他方の領域とされている。
更に、前記照明手段は、前記情報コード形成媒体に対して前記第1波長帯の照明光を照射可能な第1照明光照射手段と、前記情報コード形成媒体に対して前記第2波長帯の照明光を照射可能な第2照明光照射手段と、を備え、前記撮像手段は、前記情報コード形成媒体に対して前記第1波長帯及び前記第2波長帯の照明光が照射された状態で当該情報コード形成媒体を撮像し、前記解読手段は、前記撮像手段によって撮像された前記情報コード形成媒体の画像において前記反転領域と前記非反転領域とを区別して検出することで前記明色モジュール及び前記暗色モジュールの領域を抽出し、その抽出結果に基づいて前記情報コードを解読している。
【0009】
第3の発明(請求項14)は、明色モジュール及び暗色モジュールを有してなる情報コードが形成された情報コード形成媒体に対して照明光を照射する照明手段と、前記照明手段によって照明光が照射された前記情報コード形成媒体を撮像する撮像手段と、前記撮像手段によって撮像された前記情報コード形成媒体の画像から前記情報コードを抽出して解読する解読手段と、を備えた情報コード読取装置に係るものである。
そして、前記情報コード形成媒体は、可視光領域の第1波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の一方の反射特性を示し、前記第1波長帯とは波長の異なる第2波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の他方の反射特性を示す反転領域と、前記第1波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の前記一方の反射特性を示し、前記第2波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の前記一方の反射特性を示す非反転領域とが形成されてなり、前記情報コードの前記明色モジュール及び前記暗色モジュールの内、一方のモジュールの領域が前記反転領域又は前記非反転領域の一方の領域とされ、他方のモジュールの領域が前記反転領域又は前記非反転領域の他方の領域とされている。
更に、前記照明手段は、前記情報コード形成媒体に対して前記第2波長帯の照明光を照射可能な第2照明光照射手段を備え、前記撮像手段は、前記情報コード形成媒体に対して前記第2波長帯の照明光が照射された状態で当該情報コード形成媒体を撮像し、前記解読手段は、前記撮像手段によって撮像された前記情報コード形成媒体の画像において前記反転領域と前記非反転領域とを区別して検出することで前記明色モジュール及び前記暗色モジュールの領域を抽出し、その抽出結果に基づいて前記情報コードを解読している。
【0010】
第4の発明(請求項15)は、明色モジュール及び暗色モジュールを有してなる情報コードが物体に形成された情報コード形成媒体に係るものである。そして、可視光領域の第1波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の一方の反射特性を示し、前記第1波長帯とは波長の異なる第2波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の他方の反射特性を示す反転領域と、前記第1波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の前記一方の反射特性を示し、前記第2波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の前記一方の反射特性を示す非反転領域とを備え、前記情報コードの前記明色モジュール及び前記暗色モジュールの内、一方のモジュールの領域が前記反転領域又は前記非反転領域の一方の領域とされ、他方のモジュールの領域が前記反転領域又は前記非反転領域の他方の領域とされていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明では、情報コード形成媒体において、反転領域と非反転領域とが形成されており、反転領域は、可視光領域の第1波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の一方の反射特性を示し、第1波長帯とは波長の異なる第2波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の他方の反射特性を示すように構成されている。また、非反転領域は、第1波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の一方の反射特性を示し、第2波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の一方の反射特性を示すように構成されている。
そして、情報コードの明色モジュール及び暗色モジュールの内、一方のモジュールの領域が反転領域又は非反転領域の一方の領域とされ、他方のモジュールの領域が反転領域又は非反転領域の他方の領域とされている。
この構成では、第1波長帯の光(即ち、可視光)が照射されている通常時には、情報コード形成媒体の情報コードの部分において、明色モジュール及び暗色モジュールがいずれも同種の反射特性を示すことになる。これにより、例えば、人が情報コード付近を見たときには情報コード部分が全体的に暗色領域又は明色領域として視認されることになる。また、一般的な読取装置によって情報コード部分を読み取ろうとしても、可視光を当てただけでは情報コード部分が全体的に暗色領域又は明色領域と認識されるため、読取不能となる。従って、通常時にはそもそも上記のような情報コードが存在していること自体が把握され難く、ユーザによる読み取り作業自体が行われ難くなる。また、仮に一般的な読取装置によって前記情報コードの読み取りが試みられたとしても、読み取ることができないため情報コードのセキュリティ性をより確実に高めることができる。
一方、情報コード読取装置は、情報コード形成媒体に対して第2波長帯の照明光が照射された状態で当該情報コード形成媒体を撮像しているため、撮像画像においては、反転領域が反転して撮像され、非反転領域が反転せずに撮像されることになる。つまり、撮像されるコード画像では、明色モジュール及び暗色モジュールの内、いずれか一方が反転した構成となり他方が反転しない構成となるため、明色モジュールの領域と暗色モジュールの領域とを明確に区別することができる。
そして、解読手段は、このような情報コード形成媒体の画像において反転領域と非反転領域とを区別して検出することで明色モジュール及び暗色モジュールの領域を抽出し、その抽出結果に基づいて情報コードを解読しており、この構成によれば、情報コードをより確実に解読することが可能となる。
【0012】
請求項2の発明では、情報コード形成媒体において、反転領域と非反転領域とが形成されており、反転領域は、可視光領域の第1波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の一方の反射特性を示し、第1波長帯とは波長の異なる第2波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の他方の反射特性を示すように構成されている。また、非反転領域は、第1波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の一方の反射特性を示し、第2波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の一方の反射特性を示すように構成されている。
そして、情報コードの明色モジュール及び暗色モジュールの内、一方のモジュールの領域が反転領域又は非反転領域の一方の領域とされ、他方のモジュールの領域が反転領域又は非反転領域の他方の領域とされている。
この構成では、第1波長帯の光(即ち、可視光)が照射されている通常時には、情報コード形成媒体の情報コードの部分において、明色モジュール及び暗色モジュールがいずれも同種の反射特性を示すことになる。即ち、情報コード部分が全体的に暗色領域又は明色領域として視認されることになるため、当該位置に情報コードが配置されていることを特定することが困難となる。従って、通常時には情報コードが読み取られ難くなり、情報コードのセキュリティ性を高めることができる。
一方、情報コード読取装置は、情報コード形成媒体に対して第2波長帯の照明光が照射された状態で当該情報コード形成媒体を撮像しているため、撮像画像においては、反転領域が反転して撮像され、非反転領域が反転せずに撮像されることになる。つまり、撮像されるコード画像では、明色モジュール及び暗色モジュールの内、いずれか一方が反転した構成となり他方が反転しない構成となるため、明色モジュールの領域と暗色モジュールの領域とを明確に区別することができる。更に、第2波長帯の照明光と併せて第1波長帯の照明光をも照射して撮像しているため、反転領域の反転画像と非反転領域の非反転画像がより明瞭に撮像されることになる。
そして、解読手段は、このような情報コード形成媒体の画像において反転領域と非反転領域とを区別して検出することで明色モジュール及び暗色モジュールの領域を抽出し、その抽出結果に基づいて情報コードを解読しており、この構成によれば、情報コードをより確実に解読することが可能となる。
【0013】
請求項3の発明では、第2照明光照射手段の光源数が第1照明光照射手段の光源数よりも多くなっている。この構成によれば、第2照明光の照射量を第1照明光よりも増やすことで、反転領域をより確実に反転させることができ、情報コードの読み取りの精度を一層高めることができる。
【0014】
請求項4の発明では、情報コード形成媒体において、反転領域と非反転領域とが組み合わされてなる特定領域に前記情報コードが配置され、特定領域とは異なる領域に前記情報コードとは異なる第2の情報コードが配置されている。そして、第2の情報コードの明モジュールは、第1波長帯の光が照射されたときに明色の反射特性を示し、第2の情報コードの暗モジュールは、第1波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示すものとなっている。
このようにすると、読み取りに際し第2波長帯の照射が必要となるコード(即ち、前記情報コード読取装置が必要となる前記情報コード)と、一般的な読取装置で読み取り可能なコード(第2の情報コード)とを同一の情報コード形成媒体で併用することができ、特徴の異なる2種類のコードを利用して情報コード形成媒体の利便性を高めることができる。例えば、一方の前記情報コードには重要度或いは秘匿性が高い情報を記録し、他方の第2の情報コードには重要度の低い情報を記録し、一方の前記情報コードの読み取りについては正規設備(前記情報コード読取装置を備えた設備)のみで行い得るようにし、正規設備以外では、第2の情報コードのみが扱えるようにするといった方法などを採用することができる。
一方、情報コード読取装置は、上記のような情報コード形成媒体を前提として、少なくとも所定の時期に、第1照明光照射手段による第1照明光の照射と、第2照明光照射手段による第2照明光の照射とが同時に行われ、撮像手段は、情報コード形成媒体に対して第1波長帯及び第2波長帯の照明光が同時に照射された状態で当該情報コード形成媒体を撮像するように構成されている。そして、解読手段は、その撮像された情報コード形成媒体の画像において前記情報コード及び第2の情報コードをいずれも抽出し、両種のコードを解読している。
この構成によれば、上述のように反射態様の異なる二種類のコードによって利便性が高められた構成において、更に、両コードの画像をいずれも解読可能な状態(即ち、明暗パターンが明瞭化された状態)で同時期に取得できるようになり、コードの読み取り時間を効果的に短縮化することができる。
【0015】
請求項5の発明では、情報コード形成媒体において、前記情報コードと第2の情報コードとが同一のインクによって形成されている。
この構成によれば、それぞれのコードを別々のインクで印刷する場合と比較してインク種を削減することができ、製造コストや製造工程の削減を図ることができる。
【0016】
請求項6の発明では、情報コード形成媒体において、反転領域は、第1波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示し、第2波長帯の光が照射されたときに明色の反射特性を示す領域とされ、非反転領域は、第1波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示し、第2波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示す領域とされている。そして、情報コード形成媒体に形成される情報コードは、暗色モジュールの領域が非反転領域とされ、明色モジュールが反転領域とされている。
この構成では、第1波長帯の光(即ち、可視光)が照射されている通常時には、情報コード形成媒体の情報コードの部分において、明色モジュール及び暗色モジュールがいずれも暗色の反射特性を示すことになる。即ち、情報コード部分が全体的に暗色領域として視認されることになるため、当該位置に情報コードが配置されていることを特定することが困難となる。
一方、撮像されたコード画像では、明色モジュールが反転した明色構成となり暗色モジュールが反転しない暗色構成となるため、暗色モジュールをより際立たせることができる。従って、読み取り時に情報コードの明瞭化を図りやすく、ひいては、より確実に読み取りを行うことができる。
また、この構成では、第1波長帯の光(即ち、可視光)が照射されている通常時には、情報コード形成媒体の情報コードの部分において、明色モジュール及び暗色モジュールがいずれも暗色の反射特性を示すことになるため、通常時には、仮にコピー機などによってコピーされてしまったとしても、情報コード部分全体が暗色となってしまい、情報コードの形で(即ち、明色モジュールと暗色モジュールとが分離された解読可能な形で)コピーすることができなくなる。従って、コピーによって漏洩、転用等がなされることを効果的に防止することができる。
【0017】
請求項7の構成では、情報コード形成媒体において、情報コードの形成領域の周囲に、当該形成領域と連続する構成で反転領域又は非反転領域からなる背景領域が形成されている。この構成では、第2波長帯の照明光が照射されていない通常時には、情報コードの形成領域と背景領域とが同種の反射特性を示すことになり、情報コードの形成領域と背景領域とが一体的なものとして区別なく視認されることになるため、情報コードの位置を特定することがより困難となる。従って、セキュリティ性をより高めることができる。
【0018】
請求項8の構成では、情報コード形成媒体において、情報コードの形成領域の周囲には、当該形成領域と連続する構成で反転領域又は非反転領域からなる背景領域が形成されており、背景領域が、情報コード形成媒体の一方面の略全面に亘って構成され、且つ背景領域が暗色領域として構成されている。
この構成によれば、情報コード形成媒体の一方面において情報コードを配置できる領域を多く確保し易く、情報コードの配置の自由度が高まる。
【0019】
請求項9の発明では、背景領域が、文字、図形、記号、模様、又はこれらの結合からなる所定形状のデザイン領域として構成されている。この構成では、第2波長帯の照明光が照射されていない通常時には、情報コードの形成領域がデザイン領域内において当該デザイン領域と同種の反射特性を示すことになり、情報コードの形成領域がデザイン領域の一部として区別なく視認されることになる。従って、情報コードの位置を特定することがより一層困難となり、セキュリティ性をより高めることができる。
【0020】
請求項10の発明では、情報コード形成媒体が、感熱紙として構成され、情報コードは、感熱紙において感熱により形成されている。一方、背景領域は、インク媒体によって形成されている。この構成では、情報コードが感熱によって構成されているため、情報コードの形成後、時間の経過により情報コードを不明瞭化或いは消去することができる。従って、時間が経過するにつれて情報コードの内容がより把握し難くなり、セキュリティ面でより有利となる。
【0021】
請求項11の発明は、情報コード形成媒体において、第1波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示し、第2波長帯の光が照射されたときに明色の反射特性を示す第1発色媒体と、第1波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示し、第2波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示す第2発色媒体と、が付されている。
更に、情報コードの暗色モジュールが第2発色媒体によって形成されており、第2発色媒体によって形成される暗色モジュールの全領域が、第1発色媒体の形成領域に囲まれる構成で当該第1発色媒体内に重ねて形成されている。
この構成では、情報コードの形成領域が全体的に第1発色媒体の形成領域内に埋没した状態となるため、情報コードの位置を把握することが一層困難となる。
【0022】
請求項12の構成では、情報コード形成媒体に形成される情報コードが、所定の暗号化キーに基づいて暗号化された暗号データが記録された非公開領域を少なくとも一部有する一部非公開コードとして構成されている。この構成では、通常状態において情報コードの位置を把握し難くすることでセキュリティ性を高め、更に、情報コードのデータ自体についても秘匿性を高めることができる。従って、情報コードからのデータ漏洩防止をさらに高めることができ、セキュリティ面をさらに高めることができる。
【0023】
請求項13の発明では、情報コード読取装置において、情報コード形成媒体を認識する認識手段が設けられており、照明手段は、認識手段が情報コード形成媒体を認識した場合に、少なくとも第2波長帯の照明光を照射するように構成されている。
この構成では、認識手段による情報コード形成媒体の認識をトリガとして第2波長帯の照明光を照射することができるため、第2波長帯の照明光を無闇に照射せずに効果的に省電力化を図ることができる。他方、上記構成では、第2波長帯の照明光を照射しなければ情報コードを解読できず、読み取りの迅速化を図る上で第2波長帯の照明光をいつ照射すべきかが問題となるが、請求項13では、情報コードが付された情報コード形成媒体を認識したタイミングに応じて第2波長帯の照明光を照射しており、これにより、その認識後に読取体制を予め整えておくことが可能となる。従って、第2波長帯の照明光が照射された情報コードの画像をより早期に取得することができ、当該情報コードをより迅速に読み取ることが可能となる。
【0024】
請求項14の発明によれば、第1実施形態と同様の効果を奏する情報コード読取装置を実現できる。
【0025】
請求項15の発明は、明色モジュール及び暗色モジュールを有してなる情報コードが物体に形成された情報コード形成媒体において、可視光領域の第1波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の一方の反射特性を示し、第1波長帯とは波長の異なる第2波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の他方の反射特性を示す反転領域と、第1波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の一方の反射特性を示し、第2波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の一方の反射特性を示す非反転領域とが設けられている。
そして、情報コードの明色モジュール及び暗色モジュールの内、一方のモジュールの領域が反転領域又は非反転領域の一方の領域とされ、他方のモジュールの領域が反転領域又は非反転領域の他方の領域とされている。
この構成では、第1波長帯の光(即ち、可視光)が照射されている通常時には、情報コード形成媒体の情報コードの部分において、明色モジュール及び暗色モジュールがいずれも同種の反射特性を示すことになる。即ち、情報コード部分が全体的に暗色領域又は明色領域として視認されることになるため、当該位置に情報コードが配置されていることを特定することが困難となる。従って、通常時には情報コードが読み取られ難くなり、セキュリティ面で有利となる。
また、この情報コード形成媒体では、第2反射光を照射可能な読取装置を用い、第2反射光を照射しながら撮像を行えば、明色モジュールと暗色モジュールとを良好に区別し得るコード画像が得られるため、特定の許可者のみに解読を良好に行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係る情報コード読取システムを概念的に説明する説明図である。
【図2】図2は、図1の情報コード読取システムで用いられる情報コード形成媒体の一例を概略的に説明する説明図である。
【図3】図3は、図1の情報コード読取システムで用いられる情報コード読取装置の要部を概略的に例示するブロック図である。
【図4】図4(A)は、図2の情報コード形成媒体を一般的な読取装置で撮像した撮像画像を説明する説明図であり、図4(B)は、図2の情報コード形成媒体を図3の読取装置で撮像した撮像画像を説明する説明図である。
【図5】図5は、図2の情報コード形成媒体を形成する形成装置の一例を概略的に例示するブロック図である。
【図6】図6は、図2の情報コード形成媒体の作成方法を概略的に説明する説明図である。
【図7】図7は、図2の情報コード形成媒体の情報コード形成領域及び背景領域を概念的に説明する説明図及び拡大図である。
【図8】図8は、図2の情報コード形成媒体の作成方法について図6とは異なる例を概略的に説明する説明図である。
【図9】図9は、図2の情報コード形成媒体の作成方法について図6、図8とは異なる例を概略的に説明する説明図である。
【図10】図10は、本発明の第1実施形態に係る情報コード読取システムを駐車場管理システムに適用した具体例を説明する説明図である。
【図11】図11は、図10の駐車場管理システムにおける精算処理の流れを例示するフローチャートである。
【図12】図12(A)は、第2実施形態の情報コード読取システムに用いる情報コード形成媒体の例を概略的に説明する説明図であり、図12(B)は、図12(A)の情報コード形成媒体を図3の読取装置で撮像した撮像画像を説明する説明図である。
【図13】図13は、第2実施形態の情報コード読取システムを駐車場管理システムに適用した具体例を説明する説明図である。
【図14】図14は、第2実施形態の情報コード読取システムの電気的構成を例示するブロック図である。
【図15】図15は、他の実施形態で用いられる情報コード形成媒体の例を概略的に説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
[第1実施形態]
以下、本発明に係る情報コード読取システム等を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
(情報コード読取システムの概要)
図1は、本発明の第1実施形態に係る情報コード読取システムを概念的に説明する説明図である。図1に示す情報コード読取システム1は、明色モジュール及び暗色モジュールを有してなる情報コードC(図2、図3参照)が形成された情報コード形成媒体10(以下、単に媒体10ともいう)と、この媒体10に形成された情報コードCを読取可能な情報コード読取装置40(以下、単に読取装置40ともいう)とによって構成されており、媒体10に形成された情報コードCを読取装置40が抽出、解読することで、情報コード内のデータを取得し出力し得るようになっている。以下では、これら媒体10及び読取装置40について詳述する。
【0028】
(情報コード形成媒体)
図2は、図1の情報コード読取システムで用いられる情報コード形成媒体の一例を概略的に説明する説明図である。
情報コード形成媒体10は、紙、樹脂部材、金属部材の物体に情報コードCが形成されてなるものである。情報コードCは、バーコードなどの一次元コードや二次元コード(QRコード、データマトリックスコード、マキシコード等)或いは後述する一部非公開コードなどによって構成されており、公知の方法でデコード可能な構成となっている。
【0029】
図2に示すように、情報コード形成媒体10は、情報コードCが形成された情報コード形成領域C1、C2と文字、図形、記号、模様などからなる背景領域A2とが重なって形成されており、可視光が支配的である通常状態では、情報コードCの領域C1、C2が背景領域A2と一体化しており、情報コードCのみを把握することが困難となっている。なお、図2では、情報コード形成領域C1、C2の位置を一点鎖線にて概念的に示している。
【0030】
この情報コード形成媒体10において、文字、図形、記号、模様等が付された領域B1〜B7は、反転領域と非反転領域とに分かれている。反転領域は、少なくとも可視光領域を含む第1波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示し、第1波長帯とは波長の異なる第2波長帯の光が照射されたときに明色の反射特性を示すように構成されている。また、非反転領域は、第1波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示し、第2波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示すように構成されている。
【0031】
情報コード形成媒体10に形成される情報コードCは、暗色モジュール(図4等に示す例では暗色セル)の領域A3が非反転領域とされており、明色モジュール(明色セル:図4)の領域A4が反転領域となっている。また、情報コード形成媒体10において、情報コードCの形成領域C1、C2の周囲には、当該形成領域C1、C2と連続する構成で反転領域からなる背景領域A2が形成されている。このように構成されているため、可視光を照明光として照射する一般的な読取装置では、図4(A)のように明色モジュールの領域A4、暗色モジュールの領域A3、背景領域A2が全て暗色で一体化された状態で撮像され、情報コードCが抽出困難となる。一方、後述の読取装置40のように、第2波長帯の照明光を照射しつつ撮像する場合には、図4(B)のように明色モジュールの領域A4及び背景領域A2を明色に反転し、暗色モジュールの領域A3は暗色のままで撮像することができるため、情報コードCを抽出することが可能となる。
【0032】
(情報コード読取装置)
図3は、図1の情報コード読取システムで用いられる情報コード読取装置の要部を概略的に例示するブロック図である。図4(A)は、図2の情報コード形成媒体を一般的な読取装置で撮像した撮像画像を説明する説明図であり、図4(B)は、図2の情報コード形成媒体を図3の読取装置で撮像した撮像画像を説明する説明図である。
【0033】
読取装置40は、「光学的情報読取装置」の一例に相当するものであり、QRコード(登録商標)等の情報コードを撮像し、読み取る機能を有している。この読取装置40は、CPU等からなる制御部41、受光センサ(例えば、C−MOSエリアセンサ、CCDエリアセンサ等)を備えたカメラとして構成される撮像部42、第1波長帯の照明光を照射する第1照明光源43、第2波長帯の照明光を照射する第2照明光源44、ROM、RAM、不揮発性メモリなどの記憶手段からなる記憶部45などを備えている。また、読取装置40には、液晶表示器などからなる表示部46や、各種操作キーなどからなる操作部47なども設けられている。
【0034】
撮像部42は、一対の第1照明光源43a,43bの間に配置されており、情報コード形成媒体10からの反射光を受光センサ42aの受光面に結像させ、情報コード形成媒体10の画像データを生成するように機能している。受光センサ42aは、媒体10に照射されて反射した反射光を受光可能に構成されるもので、例えば、C−MOSやCCD等の固体撮像素子である受光素子を一次元に配列したラインセンサ、或いは2次元に配列したエリアセンサが、これに相当する。また、結像レンズ42cは、例えば、鏡筒とこの鏡筒内に収容される複数の集光レンズとによって構成されており、受光センサ42aの受光面に情報コードCのコード画像を結像するように機能している。光学系の受光センサ42aから出力される画像信号は、例えば記憶部45の画像データ蓄積領域に蓄積されるようになっている。
【0035】
なお、本実施形態では、撮像部42が撮像手段の一例に相当し、照明手段によって照明光が照射された情報コード形成媒体10を撮像するように機能しており、より具体的には、情報コード形成媒体10に対して第1波長帯及び第2波長帯の照明光が照射された状態で当該情報コード形成媒体10を撮像するように機能している。
【0036】
図3に示すように、照明光源(照明光学系)を構成する第1照明光源43及び第2照明光源44は、例えば撮像部42(受光光学系)を挟んだ両側にそれぞれ設けられている。一対の第1照明光源43a,43bは、例えば波長380nm〜750nmの可視光を照射するLEDによって構成されている。また、対をなして配置される第2照明光源44a,44bは、波長750nm以上の赤外光を照射するLEDによって構成されている。なお、本実施形態では、第2照明光源44(第2照明光照射手段)の光源数が第1照明光源43(第1照明光照射手段)の光源数よりも多くなっている。
【0037】
なお、本実施形態では、第1照明光源43及び第2照明光源44が照明手段の一例に相当する。また、第1照明光源43は、第1照明光照射手段の一例に相当し、情報コード形成媒体10に対して第1波長帯の照明光を照射するように機能する。また、第2照明光源44は、第2照明光照射手段の一例に相当し、情報コード形成媒体10に対して第2波長帯の照明光を照射するように機能する。
【0038】
記憶部45は、半導体メモリ装置であり、例えばRAM(DRAM、SRAM等)やROM(EPROM、EEPROM等)がこれに相当する。この記憶部45のうちのRAMには、前述した画像データ蓄積領域のほかに、制御部41が算術演算や論理演算等の各処理時に利用する作業領域や読取条件テーブルも確保可能に構成されている。またROMには、各種処理等を実行可能な所定プログラムやその他、照明光源、受光センサ42a等の各ハードウェアを制御可能なシステムプログラム等が予め格納されている。
【0039】
制御部41は、読取装置40全体を制御可能なマイコン等によって構成され、CPU、システムバス、入出力インタフェース等を備え、情報処理機能を有している。なお、本実施形態では、制御部41が解読手段の一例に相当し、撮像部42によって撮像された情報コード形成媒体10の画像から情報コードCを抽出して解読するように機能する。具体的には、撮像部42によって撮像された情報コード形成媒体10の画像において反転領域と非反転領域とを区別して検出することで明色モジュール及び暗色モジュールの領域を抽出し、その抽出結果に基づいて情報コードCを解読するように機能している。
【0040】
(情報コード形成媒体の製造方法)
次に、情報コード形成媒体10の製造方法について説明する。
情報コード形成媒体10において反転領域及び非反転領域の具体的構成は様々に考えられるが、以下では、図7(B)のような構成を代表例とし、このような構成のものを製造する方法について説明する。図7(B)の例では、情報コード形成媒体10における、文字、図形、記号、模様等のデザインが、例えば、第1のインクと第2のインクとによって形成されている。そして、上記反転領域は、第1のインクD1によって形成された領域とされており、非反転領域は第2のインクD2によって形成された領域、又は第1のインクD1と第2のインクD2とが重なった領域として構成されている。
【0041】
このうち、第1のインクD1は、第1発色媒体の一例に相当し、第1波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示し、第2波長帯の光が照射されたときに明色の反射特性を示すように機能している。つまり、第2波長帯の光が照射されたときに暗色から明色に反転するようになっている。具体的には赤外線反応インクとして構成されており、波長750nm以上の赤外光が照射されたときに、ほぼ不可視状態又は明色状態となるように構成されている。なお、本実施形態では、明色(白色、黄色等)の形成対象物体(紙等)に対して第1のインク及び第2のインクによって文字、図形、記号、模様等が形成されている。
【0042】
また、第2のインクは、第2発色媒体の一例に相当し、第1波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示し、第2波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示すように機能している。具体的には、通常のインク(赤外線によって反転しないインク)として構成されており、波長380nm〜750nmの可視光が照射されたときでも、波長750nm以上の赤外光が照射されたときでも、暗色(例えば黒色、青色、藍色等)を示すようになっている。
【0043】
図7(B)の例では、情報コードCの暗色モジュール(暗色セル)が第2のインクD2(第2発色媒体)によって形成されており、このように第2のインクD2によって形成される暗色モジュールの全領域が、第1のインクD1(第1発色媒体)の形成領域に囲まれる構成で当該第1のインク形成領域内に重ねて形成されている。
【0044】
図7(B)の構成のものは、例えば図6のような流れで製造することができ、この方法では、ロール紙等の紙媒体Pを用意し、この紙媒体Pに対し、例えば、図6の中段のように、第1のインクD1によって形成される長手状の第1インク領域A1を形成している。そして、このような第1インク領域A1を形成した後、図1の領域C1,C2の位置において第1インク領域A1の上から、第2のインクD2によって暗色モジュール領域A3を形成している。なお、図6下段のように、第1インク領域A1の上に暗色モジュール領域を形成しても、暗色モジュール領域は第1インク領域A1に埋没した形態となる。
【0045】
この構成では、暗色モジュール(暗色セル)の領域A3は、第2のインクD2(第2発色媒体)と第1のインクD1が重ねられた構成となり、明色モジュール(明色セル)の領域A4は第1のインクD1のみによって形成されることになる。また、情報コードCの周囲の背景領域A1も第1のインクD1によって構成されている。また、この場合、情報B2〜B7は例えば第2のインクD2によって形成される。
【0046】
なお、図6のように図形を形成する場合、感熱紙として構成される紙媒体Pを用意し、この紙媒体Pに対して図6の中段のように、第1のインクD1によって形成される長手状の第1インク領域A1を形成する。そして、このような第1インク領域A1を形成した後、図2の領域C1,C2の位置において、感熱によって暗色モジュール領域A3を形成する。
【0047】
また、図6に代えて、図8のような流れで情報コード形成媒体10を製造してもよい。この方法では、ロール紙等の紙媒体Pを用意し、この紙媒体Pに対し、図8中段のように、第2のインクD2によって暗色モジュール領域A3を形成している。そして、この暗色モジュールを構成する第2のインクD2を全体的に覆うように、第1のインクD1によって長手状の第1インク領域を形成している。なお、暗色モジュール領域と第1インク領域とを重ねて形成することで、図8下段のように、暗色モジュール領域が第1インク領域に埋没した形態となる。
【0048】
また、図9のようにしてもよい。図9の例では、情報コードCが一部非公開コードとして構成されている。この一部非公開コードは、所定の暗号化キーに基づいて暗号化された暗号データが記録された非公開領域と、暗号化キーによって暗号化されていない公開データが記録された公開領域とを備えた構成となっており、読取装置40内に暗号化キーに対応する解読キーが存在する場合にのみ解読を行うことができるようになっている。この一部非公開コードの公開領域は、解読キーを有さない読取装置によっても読み取りが可能な領域として構成されており、例えば第三者に開示して差し支えのない様々な開示データを含ませることができる。
【0049】
一部領域を非公開領域(暗号化キーに対応する解読キーの取得を条件として読み取り可能な領域)とし、他の領域を公開領域(暗号化キーに対応する解読キーを用いずに読み取り可能な領域)とする一部非公開コードの生成方法や生成される一部非公開コードの具体的構成としては、例えば、特開2009−9547公報、特開2008−299422公報などに開示された技術を好適に用いることができる。この場合、公開領域に記録する「開示コード」は、各開示データをJISの基本仕様(JISX0510:2004)に従って符号化して構成することができる。また、「秘匿コード」は、各暗号データ(個人情報等の重要データを暗号化した各暗号データ)をJISの基本仕様(JISX0510:2004)に従って符号化したものである。
【0050】
なお、特開2009−9547公報、特開2008−299422公報に示す方法では、非公開領域に記録される秘匿コード内に復号キーや復号キーを特定しうる復号キー検査データが含まれているが、非公開領域内に復号キーや復号キー検査データを含ませないようにしてもよい。また、一部非公開コードの生成方法や生成される一部非公開コードの具体的構成はこの例に限られるものではなく、一部領域に暗号化データを記録し、他の領域に非暗号化データを記録した二次元コードを生成可能な方法であれば、これら公報に記載された方法以外の方法で生成されていてもよい。
【0051】
また、図9の例では、背景領域A2に埋没する情報コードC(一部非公開コード)とは別で、入庫時間等のデータが記録された第2の情報コードCaが形成されている。この構成では、例えば、情報コードC(一部非公開コード)が解読されることを第2の情報コードCaを使用する条件とすれば、第2の情報コードCaが不正にコピーされたとしても情報コードCを解読しない限り利用できなくなり、不正利用を効果的に防止できる
【0052】
(情報コード読取システムの具体例)
次に、上記情報コード読取システム1の具体例について説明する。
図10には、情報コード読取システム1を駐車場システム100に適用した例を示している。この例では、駐車場が入場ゲート103、発券機101、駐車スペース、通路、柵、退場ゲート104、精算機102などによって構成されている。
【0053】
発券機101には、図5のような構成をなし、図6〜図9のいずれかの方法によって情報コード形成媒体10を形成可能な形成装置30が設けられている。また、精算機102には、図1、図3のような構成をなす読取装置40が設けられている。この例では、駐車場使用者が入場ゲートの発券機101で駐車券を発行する際に、上述の情報コードCに駐車時間の情報を記録した構成で、上述の情報コード形成媒体10として構成される駐車券を発行する。
【0054】
使用者が駐車場を退出する際には、図11のような流れで精算処理を行う。この処理では、図示しない挿入口から駐車券が挿入されるまで待機処理を行い(S1)、挿入を感知したときに駐車券に記録された情報コードCの撮像を行う。ここでは、上述のように第1波長帯及び第2波長帯の照明光を照射した状態で駐車券(情報コード形成媒体10)を撮像する。そして、反転領域を反転させ、非反転領域として構成される暗色モジュールを浮かび上がらせた状態で情報コードCの解読を行う(S3)。情報コードCの解読が成功した場合にはS4にてYesに進み、失敗した場合には、S4にてNoに進む。
【0055】
なお、解読に失敗してS4にてNoに進む場合には、再び駐車券(情報コード形成媒体10)の撮像を行い(S5)、情報コードの解読を再び試みる(S6)。そして、S6で解読が成功した場合には、S7にてYesに進み、失敗した場合には、S7でNoに進む。このようなS5〜S7の処理は、解読失敗が規定回数に到達するまで繰り返され、解読失敗が規定回数に達した場合にはS8にてYesに進み、当該処理を終了する。
【0056】
一方、S4又はS7で解読に成功したと判断された場合には、入力データ(情報コードCから読み取ったデータ)を書き込み(S10)、料金の精算を行う。情報コードCには例えば入庫時間が記録されており、S11では、この入庫時間に応じた料金を計算し、S12ではその計算された料金を表示する。そして、S13では、表示料金に応じた金額が投入されたか否かを確認し、料金の精算が完了した場合には退場ゲートを開放する(S14)。
【0057】
(第1実施形態の主な効果)
本実施形態に係る情報コード読取システム1では、第1波長帯の光(即ち、可視光)が照射されている通常時には、情報コード形成媒体10の情報コードの部分において、明色モジュール及び暗色モジュールがいずれも同種の反射特性を示すことになる。これにより、例えば、人が情報コードCの付近を見たときには情報コード部分が全体的に暗色領域又は明色領域として視認されることになる。また、一般的な読取装置によって当該情報コード部分を読み取ろうとしても、可視光を当てただけでは情報コード部分が全体的に暗色領域又は明色領域と認識されるため、読取不能となる。従って、通常時にはそもそも上記のような情報コードCが存在していること自体が把握され難く、ユーザによる読み取り作業自体が行われ難くなる。また、仮に一般的な読取装置によって前記情報コードの読み取りが試みられたとしても、読み取ることができないため情報コードのセキュリティ性をより確実に高めることができる。
一方、情報コード読取装置40は、情報コード形成媒体10に対して第2波長帯の照明光が照射された状態で当該情報コード形成媒体10を撮像しているため、撮像画像においては、反転領域が反転して撮像され、非反転領域が反転せずに撮像されることになる。つまり、撮像されるコード画像では、明色モジュール及び暗色モジュールの内、いずれか一方が反転した構成となり他方が反転しない構成となるため、明色モジュールの領域と暗色モジュールの領域とを明確に区別することができる。更に、第2波長帯の照明光と併せて第1波長帯の照明光をも照射して撮像しているため、反転領域の反転画像と非反転領域の非反転画像がより明瞭に撮像されることになる。
そして、解読手段は、このような情報コード形成媒体10の画像において反転領域と非反転領域とを区別して検出することで明色モジュール及び暗色モジュールの領域を抽出し、その抽出結果に基づいて情報コードを解読しており、この構成によれば、情報コードをより確実に解読することが可能となる。
【0058】
また、第2照明光源44(第2照明光照射手段)の光源数が第1照明光源(第1照明光照射手段)の光源数よりも多くなっている。この構成によれば、反転領域をより確実に反転させることができ、情報コードCの読み取りの精度を一層高めることができる。
【0059】
また、情報コード形成媒体10において、反転領域は、第1波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示し、第2波長帯の光が照射されたときに明色の反射特性を示す領域とされ、非反転領域は、第1波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示し、第2波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示す領域とされている。そして、情報コード形成媒体10に形成される情報コードCは、暗色モジュールの領域が非反転領域とされ、明色モジュールが反転領域とされている。
この構成では、第1波長帯の光(即ち、可視光)が照射されている通常時には、情報コード形成媒体10の情報コードCの部分において、明色モジュール及び暗色モジュールがいずれも暗色の反射特性を示すことになる。即ち、情報コード部分が全体的に暗色領域として視認されることになるため、当該位置に情報コードが配置されていることを特定することが困難となる。
一方、撮像されたコード画像では、明色モジュールが反転した明色構成となり暗色モジュールが反転しない暗色構成となるため、暗色モジュールをより際立たせることができる。従って、読み取り時に情報コードの明瞭化を図りやすく、ひいては、より確実に読み取りを行うことができる。
【0060】
また、情報コード形成媒体10において、情報コードCの形成領域C1、C2の周囲に、当該形成領域C1、C2と連続する構成で反転領域又は非反転領域からなる背景領域A2が形成されている。この構成では、第2波長帯の照明光が照射されていない通常時には、情報コードの形成領域C1、C2と背景領域A2とが同種の反射特性を示すことになり、情報コードの形成領域と背景領域とが一体的なものとして区別なく視認されることになるため、情報コードCの位置を特定することがより困難となる。従って、セキュリティ性をより高めることができる。
【0061】
また、一部の例では、情報コード形成媒体10が、感熱紙として構成され、情報コードCが、感熱紙において感熱により形成されており、背景領域は、インク媒体によって形成されている。この構成では、情報コードCが感熱によって構成されているため、情報コードCの形成後、時間の経過により情報コードCを不明瞭化或いは消去することができる。従って、時間が経過するにつれて情報コードCの内容がより把握し難くなり、セキュリティ面でより有利となる。
【0062】
また、一部の例では、情報コード形成媒体10において、第1波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示し、第2波長帯の光が照射されたときに明色の反射特性を示す第1発色媒体と、第1波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示し、第2波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示す第2発色媒体と、が付されている。
更に、情報コードCの暗色モジュールが第2発色媒体によって形成されており、第2発色媒体によって形成される暗色モジュールの全領域が、第1発色媒体の形成領域に囲まれる構成で当該第1発色媒体内に重ねて形成されている。
この構成では、情報コードCの形成領域C1、C2が全体的に第1発色媒体の形成領域内に埋没した状態となるため、情報コードの位置を把握することが一層困難となる。
【0063】
また、一部の例では、情報コード形成媒体10に形成される情報コードCが、所定の暗号化キーに基づいて暗号化された暗号データが記録された非公開領域と、暗号化キーによって暗号化されていない公開データが記録された公開領域とを有する一部非公開コードとして構成されている。この構成では、通常状態において情報コードの位置を把握し難くすることでセキュリティ性を高め、更に、情報コードのデータ自体についても秘匿性を高めることができる。従って、情報コードからのデータ漏洩を確実に防止することができ、セキュリティ面で万全となる。
【0064】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。
図12(A)は、第2実施形態の情報コード読取システムに用いる情報コード形成媒体の例を概略的に説明する説明図であり、図12(B)は、図12(A)の情報コード形成媒体を図3の読取装置で撮像した撮像画像を説明する説明図である。図13は、第2実施形態の情報コード読取システムを駐車場管理システムに適用した具体例を説明する説明図である。図14は、第2実施形態の情報コード読取システムの電気的構成を例示するブロック図である。図15は、他の実施形態で用いられる情報コード形成媒体の例を概略的に説明する説明図である。
【0065】
第2実施形態の構成は、第1実施形態の特徴を全て含み、更に新たな構成を付加したものである。よって第1実施形態と同様の構成については、第1実施形態と同一の符号を付し詳細な説明は省略する。また、以下の説明では、第1実施形態と同様の部分については適宜図1〜図11を参照して説明することとする。なお、本実施形態で用いる情報コード形成媒体は、図9と同様のものとなっており、この情報コード形成媒体については図12にて詳しく示している。また、情報コード読取システムを駐車場管理システムに適用した具体例については、図11の構成に新たな構成(検出センサ201)を付加しており、この付加構成については図13、図14にて示している。
【0066】
図12(A)に示す情報コード形成媒体10は、第2の情報コードCa以外は図2と同様であり、図2と同様に、情報コードCが形成された情報コード形成領域C1、C2と文字、図形、記号、模様などからなる背景領域A2とが重なって形成されており、可視光が支配的である通常状態では、図12(A)のように情報コードCの領域C1、C2が背景領域A2と一体化した表示態様となり、情報コードCのみを把握することが困難となっている。なお、図1(A)2では、情報コード形成領域C1、C2の位置を一点鎖線にて概念的に示している。
【0067】
この情報コード形成媒体10でも、文字、図形、記号、模様等が付された領域B1〜B7は、反転領域と非反転領域とに分かれている。反転領域は、少なくとも可視光領域を含む第1波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示し、第1波長帯とは波長の異なる第2波長帯の光が照射されたときに明色の反射特性を示すように構成されている。また、非反転領域は、第1波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示し、第2波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示すように構成されている。
【0068】
情報コード形成媒体10に形成される情報コードCは、暗色モジュールの領域A3が非反転領域とされており、明色モジュールの領域A4が反転領域となっている。また、情報コード形成媒体10において、情報コードCの形成領域C1、C2の周囲には、当該形成領域C1、C2と連続する構成で反転領域からなる背景領域A2が形成されている。このように構成されているため、可視光を照明光として照射する一般的な読取装置では、図12(A)と同様に、明色モジュールの領域(図12(B)参照)、暗色モジュールの領域A3(図12(B)参照)、背景領域A2が全て暗色で一体化された状態で撮像され、情報コードCが抽出困難となる。一方、上述の読取装置40のように、第2波長帯の照明光を照射しつつ撮像する場合には、図12(B)のように明色モジュールの領域A4及び背景領域A2を明色に反転し、暗色モジュールの領域A3は暗色のままで撮像することができるため、情報コードCを抽出することが可能となる。
【0069】
一方、情報コードCと異なる領域に形成される第2の情報コードCaは、図12(B)のように明モジュールA5と暗モジュールA6とが組み合わされた構成をなしており、この第2の情報コードCaの明モジュールA5は、可視光等の第1波長帯の光が照射されたときに明色の反射特性を示し、暗モジュールA6は、この第1波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示すように構成されている。また、第2の情報コードCaの周囲の背景領域A7は、上記第1波長帯の光が照射されたときに明色の反射特性を示すようになっている。このように構成されているため、可視光が照射される通常の環境においてユーザが第2の情報コードCaの存在や位置を視認することが可能となり、読取装置40側では、可視光等の第1波長帯の光が照明光として照射されているとき(即ち、第1照明光源43から照明光が照射されているとき)に、明モジュールと暗モジュールとを明瞭に区別した状態で撮像し、解読することが可能となる。
なお、図12の情報コード形成媒体10において、領域B2〜B7は第1実施形態と同様の構成であるので詳細な説明は省略する。
【0070】
更に、本実施形態で用いられる情報コード読取装置40は、上記のような情報コード形成媒体10を前提として、少なくとも所定の時期に、第1照明光源43(第1照明光照射手段)による第1照明光の照射と、第2照明光源44(第2照明光照射手段)による第2照明光の照射とが同時に行われるようになっている。そして、このように情報コード形成媒体10に対して第1波長帯の照明光(可視光等)及び第2波長帯の照明光(赤外光等)が同時に照射されているときに、撮像部42(撮像手段)によって当該情報コード形成媒体19を撮像し、その撮像された情報コード形成媒体10の画像において情報コードC及び第2の情報コードCaをいずれも抽出し、両種のコードを解読している。以下では、このような撮像、解読処理について、図13のような駐車場システム100を例に挙げて説明する。
【0071】
図13に示す駐車場システム100は、第1実施形態の駐車場システム100の特徴を全て含んでおり、駐車場において入場ゲート103、発券機101、駐車スペース、通路、柵、退場ゲート104、精算機102などが設けられている。また、発券機101には、例えば図5のような構成をなし且つ図9の方法によって情報コード形成媒体10を形成可能な形成装置30が設けられている。また、精算機102には、図14のような構成をなす読取装置40が設けられている
【0072】
この例でも、駐車場使用者が入場ゲートの発券機101で駐車券を発行する際に、情報コードCに駐車時間等の情報を記録した構成で、上述の情報コード形成媒体10(図12)として構成される駐車券を発行する。一方、使用者が駐車場を退出する際には、図11と同様の流れで精算処理を行うようになっている。
【0073】
この駐車場システム100で行われる精算処理でも、図11のように、情報コード読取装置40にて駐車券(情報コード形成媒体10)が検出されるまで待機がなされ、情報コード形成媒体10が検出された後にS2以降の処理を行うようになっている。
【0074】
図13、図14に示す情報コード読取装置40は、第1実施形態の情報コード読取装置40(図1等)を更に具体化した構成となっており、駐車券(情報コード形成媒体10)を検出するための検出センサ201が設けられている。この検出センサ201は、例えば、ユーザが情報コード形成媒体10を情報コード読取装置40に読み取らせようとする状態、或いはユーザが情報コード読取装置40に接近した状態を検出可能なセンサとして構成されており、例えば、ユーザが情報コード形成媒体10を精算機に接近させた状態、或いは精算機に挿入した状態を検出する近接センサ等などを好適に用いることができる。この検出センサ201は、情報コード形成媒体10を検出したときに制御部41に対して検出信号を出力し、このとき、制御部41は、情報コード形成媒体10が情報コード読取装置40に近い位置(検出センサ201によって検出可能な位置)に存在することを認識する。
なお、本実施形態では、検出センサ201及び制御部41が「認識手段」の一例に相当し、情報コード形成媒体10を認識するように機能する。
【0075】
S1の処理で駐車券(情報コード形成媒体10)が認識された後には、S2の撮像処理を行う。本実施形態の撮像処理では、第1照明光源43及び第2照明光源44を同時期に動作させ、可視光(第1照明光)の照射と、赤外光(第2照明光)の照射をある程度の期間において同時に行う。そして、このように情報コード形成媒体10に対して第1波長帯の照明光(可視光等)及び第2波長帯の照明光(赤外光等)が同時に照射された状態で当該情報コード形成媒体10を撮像部42によって撮像する(S2)。
【0076】
その後、S3では、このように撮像された情報コード形成媒体10の画像において情報コードC及び第2の情報コードCaをいずれも抽出し、両種のコードを解読する。本実施形態では、情報コードCの暗色モジュールA3及び第2の情報コードCaの暗モジュールA6のいずれも、例えば赤外吸収する暗色(黒色)によって構成されており、赤外光を照射した場合であっても、可視光を照射した場合であっても透けた表示態様とならず、暗色(黒色等)として明瞭に撮像されるようになっている。また、情報コードCの明色モジュールA4及び情報コードCの周囲に隣接する背景領域A2は、いずれも赤外吸収しない暗色(黒色)によって構成されており、図12(B)のように赤外光を照射して撮像したときに透けた表示態様となって明色に反転して撮像されるようになっている。換言すると、情報コード形成媒体10では、情報コードC付近において暗色モジュールA3の領域のみが赤外吸収する暗色(黒色)となっており、この領域を覆い隠すように赤外吸収しない暗色(黒色)が重ねられているため、赤外光を照射して撮像するときには、赤外吸収しない暗色(黒色)の領域が透けることになり、赤外吸収する暗色(黒色)の領域(即ち、情報コードCの暗色モジュールA3)のみが浮かび上がるように撮像されることになる。なお、本実施形態では、第2の情報コードCaの明モジュールA5及びその背景領域A7は、例えば赤外吸収しない明色(白色等)によって構成されている。
【0077】
また、本実施形態では、情報コード形成媒体10において情報コードCの暗色モジュールA3と第2の情報コードCaの暗モジュールA6とが同一のインク(赤外吸収する暗色(黒色等)のインク)によって形成されているため、第1波長帯の照明光(可視光等)は勿論のこと、第2波長帯の照明光(ここでは赤外光)が照射されても、暗色モジュールA3の領域及び暗モジュールA6の領域が反転することなく明瞭な暗色(黒色等)として撮像されることとなる。
【0078】
(第2実施形態の主な効果)
第2実施形態の構成でも第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、第2実施形態の構成では、図12のように、読み取りに際し第2波長帯の照射光(赤外光)が必要となるコード(即ち、図1のような情報コード読取装置1によって読み取る必要がある情報コードC)と、一般的な読取装置で読み取り可能なコード(第2の情報コードC2)とを同一の情報コード形成媒体10で併用することができ、特徴の異なる2種類のコードを利用して情報コード形成媒体10の利便性を高めることができる。例えば、一方の情報コードCには重要度或いは秘匿性が高い情報を記録し、他方の第2の情報コードC2には重要度の低い情報を記録し、一方の情報コードCの読み取りについては正規設備(図1のような情報コード読取装置1を備えた設備)のみで行い得るようにし、正規設備以外では、第2の情報コードC2のみが扱えるようにするといった方法などを採用することができる。
【0079】
また、上述のように反射態様の異なる二種類のコードによって利便性が高められた構成において、更に、両コードの画像をいずれも解読可能な状態(即ち、明暗パターンが明瞭化された状態)で同時期に取得できるため、各コードの画像を時間差で取得するような構成と比較してコードの読み取り時間を効果的に短縮化することができる。
【0080】
また、本実施形態では、情報コード読取装置1において、情報コード形成媒体10を認識可能な認識手段が設けられており、この認識手段が情報コード形成媒体10を認識した場合に、少なくとも第2波長帯の照明光(赤外光)を照射するように構成されている。
この構成では、認識手段によって情報コード形成媒体10が認識されたことをトリガとして第2波長帯の照明光(赤外光)を照射することができるため、第2波長帯の照明光を無闇に照射せずに効果的に省電力化を図ることができる。
他方、上記構成では、第2波長帯の照明光(赤外光)を照射しなければ情報コードCを解読できず、読み取りの迅速化を図る上で第2波長帯の照明光(赤外光)をいつ照射すべきかが問題となるが、本実施形態では、情報コードCが付された情報コード形成媒体10を認識したタイミングに応じて第2波長帯の照明光(赤外光)を照射しており、これにより、その認識後に読取体制を予め整えておくことが可能となる。
【0081】
例えば、図12(A)のように背景(領域A2)が黒字で構成され、この背景に埋没する形で情報コードCが配置されている場合、一般的な可視光では読み取ることができず、第2波長帯の照明光(赤外光)を当てる必要がある。しかしながら、第2波長帯の照明光(赤外光)の照射する前の段階では、情報コードCが背景に埋没しているため、情報コードCの存在を認識するための特定パターン(図12のようなQRコード(登録商標)の場合にはファインダパターン)の位置が分からず、情報コードCが撮像範囲に入っているか否かを確認することができないという問題がある。これに対し、本実施形態では、情報コード形成媒体10の存在を認識して第2波長帯の照明光(赤外光)を照射しているため、情報コードCが撮像範囲に存在する可能性が高い時期を狙って第2波長帯の照明光(赤外光)を照射することができる。従って、省電力化を図りつつ、より早期に読み取りを完了させることが可能となり、情報コードCの検出漏れ(情報コードCが撮像範囲に存在するにもかかわらず解読が行われないような事態)も生じにくくなる。
【0082】
また、本実施形態では、情報コード形成媒体10において、情報コードCの暗色パターンと第2の情報コードC2の暗色パターンとが同一のインクによって形成されている。この構成によれば、それぞれのコードを別々のインクで印刷する場合と比較してインク種を削減することができ、製造コストや製造工程の削減を図ることができる。
【0083】
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0084】
上記実施形態では、情報コード形成媒体の例として駐車券を例示したが、このような例に限られない。例えば、住民票や印鑑証明などの各種証明書の台紙、商品券、地域振興券、入場券、各種チケットなどのセキュリティ性が要求されるものにおいて上記実施形態の構成を好適に適用することができる。
【0085】
上記実施形態では、背景領域のデザインの一例を示したが、背景領域は、文字、図形、記号、模様、又はこれらの結合等、様々な形状とすることができる。例えば、図15では、このような特徴を備えた情報コード形成媒体の一例を示しており、デザイン部De(図15では「D」の文字)の領域の内部に情報コードCが埋め込まれた構成をなしている。即ち、文字「D」の内部領域において第1、第2実施形態と同様の情報コードCが部分的に配置され、その他の領域(文字「D」の内部領域における情報コードC以外の領域)には、第1、第2実施形態の背景領域A2と同様の特徴を有する背景領域A2が設けられている。この構成でも、第1波長帯の光(可視光等)が照射されたときには図15(A)のように情報コードCが背景領域A2に埋没した状態で撮像され、第2波長帯の光(赤外光)が照射されたときには、図15(B)のように情報コードCの明色モジュールA4及び背景領域A2が反転するような透けた態様となり、情報コードCの暗色モジュールA3の領域が他の領域と明確に区別された状態で撮像されることになる。
このように背景領域に意匠性を持たせることで、第2波長帯の照明光(赤外光)が照射されていない通常時には、情報コードCの形成領域がデザイン領域内において当該デザイン領域と同種の反射特性を示すことになり、情報コードの形成領域がデザイン領域の一部として区別なく視認されることになる。従って、情報コードの位置を特定することがより一層困難となり、セキュリティ性をより高めることができる。また、デザイン領域とは別で情報コードCの領域を設ける必要が無いため、デザイン領域のスペースを大きく確保し易くなり、情報コードCがデザイン領域のデザイン性を阻害するといった問題も生じにくくなる。
【0086】
上記実施形態や他の実施形態では、第2波長帯の照明光として波長750nm以上の赤外光の波長帯を例示したが、第2波長帯の照明光として波長380nm以下の紫外光であってもよい。この場合、反転領域を紫外光が照射されたときに反転する領域として構成すればよい。この場合、例えば、上記赤外線反応インクに代えて紫外線反応インクを第1のインクとして用い、これによって反転領域を形成するようにすればよい。
【0087】
上記実施形態では、図2のように、情報コード形成媒体の大部分が明色(白色等)の領域で構成され、その一部に暗色の背景領域A2を設けた構成を例示したが、図2に示す背景領域A2が、情報コード形成媒体10の一方面の略全面に亘って構成されていてもよい。例えば、図2の構成において、暗色領域A2の領域を媒体10の略全体に広がるような構成(例えば、ブラックカード等としての構成)とすることができ、この場合、通常時に表示すべき情報B2〜B7を明色の文字や図形によって構成すればよい。この構成によれば、情報コード形成媒体10の一方面において情報コードCを配置できる領域を多く確保し易く、情報コードの配置の自由度が高まる。
また、このように情報コードCの周囲の背景領域を情報コード形成媒体の一方面の略全体に広がらせ且つ暗色領域として構成する場合、反転領域とせずに非反転領域としてもよい。この場合、情報コードCを明暗反転コードとして構成し、明色モジュールとして構成されるべき部分を非反転領域として構成し、暗色モジュールとして構成されるべき部分を反転領域とすればよい。これにより、第2照明光を照射して読み取る場合に、媒体全体に広がる暗色の背景の中から暗色モジュールとして構成されるべき部分(反転領域)が明暗反転の明色領域として浮き上がり、明色モジュールとして構成されるべき部分が明暗反転の暗色領域として浮き上がるため、読み取りを良好に行うことができる。
【0088】
上記実施形態では、情報コードCを一部非公開コードとして構成した例を示したが、情報コードCは、これ以外の公知の情報コードであってもよい。例えば、一次元のバーコードであってもよく、QRコード(登録商標)、データマトリックスコード、マキシコード等の二次元コードであってもよい。
【0089】
第1実施形態の図9や第2実施形態で用いられる第2の情報コードCaは、図9等で示した種類以外の公知の情報コードであってもよい。例えば、一次元のバーコードであってもよく、図9とは種類の異なるQRコード(登録商標)、データマトリックスコード、マキシコード等の二次元コードなどであってもよい。また、第2の情報コードCaを第1実施形態で用いた情報コードCと同様の一部非公開コードとしてもよい。いずれの場合でも、第2実施形態の構成や制御方法等を適用できる。
【0090】
第2実施形態では、情報コード形成媒体を認識する方法として、情報コード形成媒体10そのものを検出センサ201(図14)によって検出する方法を例示したが、情報コード形成媒体10が撮像可能となる可能性が高い事象を検出する方法を用いてもよい。例えば、図13のような駐車場システム100では、検出センサ102を「車両検出センサ」として構成すると共に、当該検出センサ102から一定の距離以内に車両が近づいたときにこの検出センサ102から検出信号が出力されるように構成し、このような検出時に第2波長帯の照明光(赤外光)が照射されるように構成してもよい。
このような駐車場システム100では、車に乗りながら精算することが想定され、精算機に車両が近づいたときには駐車券として構成される情報コード形成媒体が提示され撮像範囲に入ってくる可能性が高い。従って、このような車両の接近を検出して第2波長帯の照明光(赤外光)を照射する構成とすれば、省電力化を図りつつ、駐車券精算時には読み取りの準備を迅速に進めることができ、精算の流れを極力止めることなく迅速に精算処理を行うことができる。なお、読み取りの準備は、第2波長帯の照明光(赤外光)の発光だけでなく、他の装置を駆動(例えば、駐車券を挿入口から引き込むためのローラの駆動等)するようにしてもよい。
また、このような構成に限られることはなく、例えば検出センサ102を「人感センサ」として構成し、当該検出センサ102から一定範囲内に人が近づいたときに第2照明光を照射するといった構成としてもよい。
【0091】
第2実施形態では、図14のように情報コード読取装置1の内部に検出センサ201を設けた構成を例示したが、このように専用のセンサを用いずに、撮像部42による撮像画像によって情報コード形成媒体10の存在を認識してもよい。例えば、撮像部42によって所定の短時間毎に継続的に画像を撮像するように構成し、その撮像画像に所定の変化があった場合(例えば、画像全体の受光量の変動が一定値以上となった場合や、一部の画素の受光量が一定値以上低下した場合等)に情報コード形成媒体10が存在していると認識し、このときに第2波長帯の照明光(赤外光)を照射するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0092】
1…情報コード読取システム
10…情報コード形成媒体
40…情報コード読取装置
41…制御部(解読手段)
42…撮像部(撮像手段)
43…第1照明光源(照明手段、第1照明光照射手段)
44…第2照明光源(照明手段、第2照明光照射手段)
A2…背景領域(反転領域)
A3…暗色モジュールの領域(非反転領域)
A4…明色モジュールの領域(反転領域)
C…情報コード
Ca…第2の情報コード
D1…第1発色媒体
D2…第2発色媒体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
明色モジュール及び暗色モジュールを有してなる情報コードが形成された情報コード形成媒体と、
照明光を照射する照明手段と、前記照明手段によって照明光が照射された前記情報コード形成媒体を撮像する撮像手段と、前記撮像手段によって撮像された前記情報コード形成媒体の画像から前記情報コードを抽出して解読する解読手段と、を備えた情報コード読取装置と、
を有する情報コード読取システムであって、
前記情報コード形成媒体は、
少なくとも可視光領域を含む第1波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の一方の反射特性を示し、前記第1波長帯とは波長の異なる第2波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の他方の反射特性を示す反転領域と、前記第1波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の前記一方の反射特性を示し、前記第2波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の前記一方の反射特性を示す非反転領域とが形成されてなり、
前記情報コードの前記明色モジュール及び前記暗色モジュールの内、一方のモジュールの領域が前記反転領域又は前記非反転領域の一方の領域とされ、他方のモジュールの領域が前記反転領域又は前記非反転領域の他方の領域とされたものであり、
前記照明手段は、前記情報コード形成媒体に対して前記第2波長帯の照明光を照射可能な第2照明光照射手段を備え、
前記撮像手段は、前記情報コード形成媒体に対して前記第2波長帯の照明光が照射された状態で当該情報コード形成媒体を撮像し、
前記解読手段は、前記撮像手段によって撮像された前記情報コード形成媒体の画像において前記反転領域と前記非反転領域とを区別して検出することで前記明色モジュール及び前記暗色モジュールの領域を抽出し、その抽出結果に基づいて前記情報コードを解読することを特徴とする情報コード読取システム。
【請求項2】
明色モジュール及び暗色モジュールを有してなる情報コードが形成された情報コード形成媒体と、
照明光を照射する照明手段と、前記照明手段によって照明光が照射された前記情報コード形成媒体を撮像する撮像手段と、前記撮像手段によって撮像された前記情報コード形成媒体の画像から前記情報コードを抽出して解読する解読手段と、を備えが情報コード読取装置と、
を有する情報コード読取システムであって、
前記情報コード形成媒体は、
少なくとも可視光領域の第1波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の一方の反射特性を示し、前記第1波長帯とは波長の異なる第2波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の他方の反射特性を示す反転領域と、前記第1波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の前記一方の反射特性を示し、前記第2波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の前記一方の反射特性を示す非反転領域とが形成されてなり、
前記情報コードの前記明色モジュール及び前記暗色モジュールの内、一方のモジュールの領域が前記反転領域又は前記非反転領域の一方の領域とされ、他方のモジュールの領域が前記反転領域又は前記非反転領域の他方の領域とされたものであり、
前記照明手段は、
前記情報コード形成媒体に対して前記第1波長帯の照明光を照射可能な第1照明光照射手段と、
前記情報コード形成媒体に対して前記第2波長帯の照明光を照射可能な第2照明光照射手段と、を備え、
前記撮像手段は、前記情報コード形成媒体に対して前記第1波長帯及び前記第2波長帯の照明光が照射された状態で当該情報コード形成媒体を撮像し、
前記解読手段は、前記撮像手段によって撮像された前記情報コード形成媒体の画像において前記反転領域と前記非反転領域とを区別して検出することで前記明色モジュール及び前記暗色モジュールの領域を抽出し、その抽出結果に基づいて前記情報コードを解読することを特徴とする情報コード読取システム。
【請求項3】
前記第2照明光照射手段の光源数が前記第1照明光照射手段の光源数よりも多いことを特徴とする請求項2に記載の情報コード読取システム。
【請求項4】
前記情報コード形成媒体は、前記反転領域と前記非反転領域とが組み合わされてなる特定領域に前記情報コードが配置され、前記特定領域とは異なる領域に前記情報コードとは異なる第2の情報コードが配置されており、
前記第2の情報コードの明モジュールは、前記第1波長帯の光が照射されたときに明色の反射特性を示し、前記第2の情報コードの暗モジュールは、前記第1波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示すものであり、
少なくとも所定の時期に、前記第1照明光照射手段による前記第1照明光の照射と、前記第2照明光照射手段による前記第2照明光の照射とが同時に行われ、
前記撮像手段は、前記情報コード形成媒体に対して前記第1波長帯及び前記第2波長帯の照明光が同時に照射された状態で当該情報コード形成媒体を撮像し、
前記解読手段は、前記撮像手段によって撮像された前記情報コード形成媒体の画像において前記情報コード及び前記第2の情報コードをいずれも抽出し、両種のコードを解読することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の情報コード読取システム。
【請求項5】
前記情報コード形成媒体において、前記情報コードと前記第2の情報コードとが同一のインクによって形成されていることを特徴とする請求項4に記載の情報コード読取システム。
【請求項6】
前記情報コード形成媒体において、
前記反転領域は、前記第1波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示し、前記第2波長帯の光が照射されたときに明色の反射特性を示す領域とされ、
前記非反転領域は、前記第1波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示し、前記第2波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示す領域とされており、
前記情報コード形成媒体に形成される前記情報コードは、前記暗色モジュールの領域が前記非反転領域とされ、前記明色モジュールが前記反転領域とされていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の情報コード読取システム。
【請求項7】
前記情報コード形成媒体において、前記情報コードの形成領域の周囲には、当該形成領域と連続する構成で前記反転領域又は前記非反転領域からなる背景領域が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の情報コード読取システム。
【請求項8】
前記情報コード形成媒体において、前記情報コードの形成領域の周囲には、当該形成領域と連続する構成で前記反転領域又は前記非反転領域からなる背景領域が形成されており、
前記背景領域が、前記情報コード形成媒体の一方面の略全面に亘って構成され、且つ背景領域が暗色領域として構成されていることを特徴とする請求項6に記載の情報コード読取システム。
【請求項9】
前記背景領域は、文字、図形、記号、模様、又はこれらの結合からなる所定形状のデザイン領域として構成されていることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の情報コード読取システム。
【請求項10】
前記情報コード形成媒体は、感熱紙であり、
前記情報コードは、前記感熱紙において感熱により形成され、
前記背景領域は、インク媒体によって形成されていることを特徴とする請求項7から請求項9のいずれか一項に記載の情報コード読取システム。
【請求項11】
前記情報コード形成媒体は、
前記第1波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示し、前記第2波長帯の光が照射されたときに明色の反射特性を示す第1発色媒体と、
前記第1波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示し、前記第2波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示す第2発色媒体と、が付されており、
前記情報コードの前記暗色モジュールが前記第2発色媒体によって形成され、
前記第2発色媒体によって形成される前記暗色モジュールの全領域が、前記第1発色媒体の形成領域に囲まれる構成で当該第1発色媒体内に重ねて形成されていることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の情報コード読取システム。
【請求項12】
前記情報コード形成媒体に形成される前記情報コードは、所定の暗号化キーに基づいて暗号化された暗号データが記録された非公開領域を少なくとも一部含む一部非公開コードであることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の情報コード読取システム。
【請求項13】
前記情報コード読取装置は、
前記情報コード形成媒体を認識する認識手段を備え、
前記照明手段は、前記認識手段が前記情報コード形成媒体を認識した場合に、少なくとも前記第2波長帯の照明光を照射することを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の情報コード認識システム。
【請求項14】
明色モジュール及び暗色モジュールを有してなる情報コードが形成された情報コード形成媒体に対して照明光を照射する照明手段と、
前記照明手段によって照明光が照射された前記情報コード形成媒体を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段によって撮像された前記情報コード形成媒体の画像から前記情報コードを抽出して解読する解読手段と、
を備えた情報コード読取装置であって、
前記情報コード形成媒体は、
可視光領域の第1波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の一方の反射特性を示し、前記第1波長帯とは波長の異なる第2波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の他方の反射特性を示す反転領域と、前記第1波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の前記一方の反射特性を示し、前記第2波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の前記一方の反射特性を示す非反転領域とが形成されてなり、
前記情報コードの前記明色モジュール及び前記暗色モジュールの内、一方のモジュールの領域が前記反転領域又は前記非反転領域の一方の領域とされ、他方のモジュールの領域が前記反転領域又は前記非反転領域の他方の領域とされたものであり、
前記照明手段は、前記情報コード形成媒体に対して前記第2波長帯の照明光を照射可能な第2照明光照射手段を備え、
前記撮像手段は、前記情報コード形成媒体に対して前記第2波長帯の照明光が照射された状態で当該情報コード形成媒体を撮像し、
前記解読手段は、前記撮像手段によって撮像された前記情報コード形成媒体の画像において前記反転領域と前記非反転領域とを区別して検出することで前記明色モジュール及び前記暗色モジュールの領域を抽出し、その抽出結果に基づいて前記情報コードを解読することを特徴とする情報コード読取装置。
【請求項15】
明色モジュール及び暗色モジュールを有してなる情報コードが物体に形成された情報コード形成媒体であって、
可視光領域の第1波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の一方の反射特性を示し、前記第1波長帯とは波長の異なる第2波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の他方の反射特性を示す反転領域と、
前記第1波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の前記一方の反射特性を示し、前記第2波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の前記一方の反射特性を示す非反転領域とを備え、
前記情報コードの前記明色モジュール及び前記暗色モジュールの内、一方のモジュールの領域が前記反転領域又は前記非反転領域の一方の領域とされ、他方のモジュールの領域が前記反転領域又は前記非反転領域の他方の領域とされていることを特徴とする情報コード形成媒体。
【請求項1】
明色モジュール及び暗色モジュールを有してなる情報コードが形成された情報コード形成媒体と、
照明光を照射する照明手段と、前記照明手段によって照明光が照射された前記情報コード形成媒体を撮像する撮像手段と、前記撮像手段によって撮像された前記情報コード形成媒体の画像から前記情報コードを抽出して解読する解読手段と、を備えた情報コード読取装置と、
を有する情報コード読取システムであって、
前記情報コード形成媒体は、
少なくとも可視光領域を含む第1波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の一方の反射特性を示し、前記第1波長帯とは波長の異なる第2波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の他方の反射特性を示す反転領域と、前記第1波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の前記一方の反射特性を示し、前記第2波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の前記一方の反射特性を示す非反転領域とが形成されてなり、
前記情報コードの前記明色モジュール及び前記暗色モジュールの内、一方のモジュールの領域が前記反転領域又は前記非反転領域の一方の領域とされ、他方のモジュールの領域が前記反転領域又は前記非反転領域の他方の領域とされたものであり、
前記照明手段は、前記情報コード形成媒体に対して前記第2波長帯の照明光を照射可能な第2照明光照射手段を備え、
前記撮像手段は、前記情報コード形成媒体に対して前記第2波長帯の照明光が照射された状態で当該情報コード形成媒体を撮像し、
前記解読手段は、前記撮像手段によって撮像された前記情報コード形成媒体の画像において前記反転領域と前記非反転領域とを区別して検出することで前記明色モジュール及び前記暗色モジュールの領域を抽出し、その抽出結果に基づいて前記情報コードを解読することを特徴とする情報コード読取システム。
【請求項2】
明色モジュール及び暗色モジュールを有してなる情報コードが形成された情報コード形成媒体と、
照明光を照射する照明手段と、前記照明手段によって照明光が照射された前記情報コード形成媒体を撮像する撮像手段と、前記撮像手段によって撮像された前記情報コード形成媒体の画像から前記情報コードを抽出して解読する解読手段と、を備えが情報コード読取装置と、
を有する情報コード読取システムであって、
前記情報コード形成媒体は、
少なくとも可視光領域の第1波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の一方の反射特性を示し、前記第1波長帯とは波長の異なる第2波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の他方の反射特性を示す反転領域と、前記第1波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の前記一方の反射特性を示し、前記第2波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の前記一方の反射特性を示す非反転領域とが形成されてなり、
前記情報コードの前記明色モジュール及び前記暗色モジュールの内、一方のモジュールの領域が前記反転領域又は前記非反転領域の一方の領域とされ、他方のモジュールの領域が前記反転領域又は前記非反転領域の他方の領域とされたものであり、
前記照明手段は、
前記情報コード形成媒体に対して前記第1波長帯の照明光を照射可能な第1照明光照射手段と、
前記情報コード形成媒体に対して前記第2波長帯の照明光を照射可能な第2照明光照射手段と、を備え、
前記撮像手段は、前記情報コード形成媒体に対して前記第1波長帯及び前記第2波長帯の照明光が照射された状態で当該情報コード形成媒体を撮像し、
前記解読手段は、前記撮像手段によって撮像された前記情報コード形成媒体の画像において前記反転領域と前記非反転領域とを区別して検出することで前記明色モジュール及び前記暗色モジュールの領域を抽出し、その抽出結果に基づいて前記情報コードを解読することを特徴とする情報コード読取システム。
【請求項3】
前記第2照明光照射手段の光源数が前記第1照明光照射手段の光源数よりも多いことを特徴とする請求項2に記載の情報コード読取システム。
【請求項4】
前記情報コード形成媒体は、前記反転領域と前記非反転領域とが組み合わされてなる特定領域に前記情報コードが配置され、前記特定領域とは異なる領域に前記情報コードとは異なる第2の情報コードが配置されており、
前記第2の情報コードの明モジュールは、前記第1波長帯の光が照射されたときに明色の反射特性を示し、前記第2の情報コードの暗モジュールは、前記第1波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示すものであり、
少なくとも所定の時期に、前記第1照明光照射手段による前記第1照明光の照射と、前記第2照明光照射手段による前記第2照明光の照射とが同時に行われ、
前記撮像手段は、前記情報コード形成媒体に対して前記第1波長帯及び前記第2波長帯の照明光が同時に照射された状態で当該情報コード形成媒体を撮像し、
前記解読手段は、前記撮像手段によって撮像された前記情報コード形成媒体の画像において前記情報コード及び前記第2の情報コードをいずれも抽出し、両種のコードを解読することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の情報コード読取システム。
【請求項5】
前記情報コード形成媒体において、前記情報コードと前記第2の情報コードとが同一のインクによって形成されていることを特徴とする請求項4に記載の情報コード読取システム。
【請求項6】
前記情報コード形成媒体において、
前記反転領域は、前記第1波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示し、前記第2波長帯の光が照射されたときに明色の反射特性を示す領域とされ、
前記非反転領域は、前記第1波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示し、前記第2波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示す領域とされており、
前記情報コード形成媒体に形成される前記情報コードは、前記暗色モジュールの領域が前記非反転領域とされ、前記明色モジュールが前記反転領域とされていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の情報コード読取システム。
【請求項7】
前記情報コード形成媒体において、前記情報コードの形成領域の周囲には、当該形成領域と連続する構成で前記反転領域又は前記非反転領域からなる背景領域が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の情報コード読取システム。
【請求項8】
前記情報コード形成媒体において、前記情報コードの形成領域の周囲には、当該形成領域と連続する構成で前記反転領域又は前記非反転領域からなる背景領域が形成されており、
前記背景領域が、前記情報コード形成媒体の一方面の略全面に亘って構成され、且つ背景領域が暗色領域として構成されていることを特徴とする請求項6に記載の情報コード読取システム。
【請求項9】
前記背景領域は、文字、図形、記号、模様、又はこれらの結合からなる所定形状のデザイン領域として構成されていることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の情報コード読取システム。
【請求項10】
前記情報コード形成媒体は、感熱紙であり、
前記情報コードは、前記感熱紙において感熱により形成され、
前記背景領域は、インク媒体によって形成されていることを特徴とする請求項7から請求項9のいずれか一項に記載の情報コード読取システム。
【請求項11】
前記情報コード形成媒体は、
前記第1波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示し、前記第2波長帯の光が照射されたときに明色の反射特性を示す第1発色媒体と、
前記第1波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示し、前記第2波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示す第2発色媒体と、が付されており、
前記情報コードの前記暗色モジュールが前記第2発色媒体によって形成され、
前記第2発色媒体によって形成される前記暗色モジュールの全領域が、前記第1発色媒体の形成領域に囲まれる構成で当該第1発色媒体内に重ねて形成されていることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の情報コード読取システム。
【請求項12】
前記情報コード形成媒体に形成される前記情報コードは、所定の暗号化キーに基づいて暗号化された暗号データが記録された非公開領域を少なくとも一部含む一部非公開コードであることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の情報コード読取システム。
【請求項13】
前記情報コード読取装置は、
前記情報コード形成媒体を認識する認識手段を備え、
前記照明手段は、前記認識手段が前記情報コード形成媒体を認識した場合に、少なくとも前記第2波長帯の照明光を照射することを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の情報コード認識システム。
【請求項14】
明色モジュール及び暗色モジュールを有してなる情報コードが形成された情報コード形成媒体に対して照明光を照射する照明手段と、
前記照明手段によって照明光が照射された前記情報コード形成媒体を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段によって撮像された前記情報コード形成媒体の画像から前記情報コードを抽出して解読する解読手段と、
を備えた情報コード読取装置であって、
前記情報コード形成媒体は、
可視光領域の第1波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の一方の反射特性を示し、前記第1波長帯とは波長の異なる第2波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の他方の反射特性を示す反転領域と、前記第1波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の前記一方の反射特性を示し、前記第2波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の前記一方の反射特性を示す非反転領域とが形成されてなり、
前記情報コードの前記明色モジュール及び前記暗色モジュールの内、一方のモジュールの領域が前記反転領域又は前記非反転領域の一方の領域とされ、他方のモジュールの領域が前記反転領域又は前記非反転領域の他方の領域とされたものであり、
前記照明手段は、前記情報コード形成媒体に対して前記第2波長帯の照明光を照射可能な第2照明光照射手段を備え、
前記撮像手段は、前記情報コード形成媒体に対して前記第2波長帯の照明光が照射された状態で当該情報コード形成媒体を撮像し、
前記解読手段は、前記撮像手段によって撮像された前記情報コード形成媒体の画像において前記反転領域と前記非反転領域とを区別して検出することで前記明色モジュール及び前記暗色モジュールの領域を抽出し、その抽出結果に基づいて前記情報コードを解読することを特徴とする情報コード読取装置。
【請求項15】
明色モジュール及び暗色モジュールを有してなる情報コードが物体に形成された情報コード形成媒体であって、
可視光領域の第1波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の一方の反射特性を示し、前記第1波長帯とは波長の異なる第2波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の他方の反射特性を示す反転領域と、
前記第1波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の前記一方の反射特性を示し、前記第2波長帯の光が照射されたときに暗色又は明色の前記一方の反射特性を示す非反転領域とを備え、
前記情報コードの前記明色モジュール及び前記暗色モジュールの内、一方のモジュールの領域が前記反転領域又は前記非反転領域の一方の領域とされ、他方のモジュールの領域が前記反転領域又は前記非反転領域の他方の領域とされていることを特徴とする情報コード形成媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−133743(P2012−133743A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−72132(P2011−72132)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】
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