説明

情報コード読取システム

【課題】通常時の情報コードの視認及び一般的な読取装置による情報コードの認識を困難とし、特定の読取装置を用いた場合には確実に読み取ることが可能な構成を提供する。
【解決手段】情報コード読取システム1は、第1着色手段及び第2着色手段を備えており、第1着色手段は、記録紙P(記録媒体)の情報コード形成対象領域において明色モジュールとなるべき位置に第1着色領域を形成し、第2着色手段は、情報コード形成対象領域において明色モジュールとなるべき位置に第2着色領域を形成せず、暗色モジュールとなるべき位置に第2着色領域を形成している。第1着色領域は、可視光が照射される時に暗色の反射特性を示し且つ赤外光が照射される時に明色の反射特性を示す領域とされ、第2着色領域は、可視光が照射される時に暗色の反射特性を示し且つ赤外光が照射される時に暗色の反射特性を示す領域とされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報コード読取システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、バーコードやQRコード(登録商標)などの情報コードが様々な用途で使用されており、その使用目的も多様化しつつある。特に、近年では、情報コードのセキュリティ性向上のニーズが高まってきており、特定の条件を満たした場合にのみ情報コードを読み取ることができるような構成が求められている。なお、情報コードにセキュリティ機能を付加した技術としては、例えば特許文献1のようなものが提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−146461公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の技術では、紫外線下でのみ視認可能な印刷液で鍵情報(3)を本データ(2)と重ねて印刷している。この技術では、通常の可視光条件下では鍵情報(3)を視認することができないため、一定条件下で暗号化された本データ(2)のセキュリティ性が担保されることになる。
【0005】
しかしながら、この特許文献1の技術は、鍵情報(3)を数値データとして付し、これを紫外線環境下で操作者に目視させようとするものであるため、操作者が鍵情報(3)を目視して確実に確認できるか否かが環境(印刷環境、読取環境等)や構成(情報コードの大きさや鍵情報の構成)に大きく左右されてしまうという問題がある。特に、情報コードの小型化を図ろうとした場合、読取装置によって当該情報コード自体は認識できたとしても、操作者が鍵情報(3)を視認できなくなるという事態が生じやすく、このような場合には、操作者が鍵情報を得られることができず、情報コードの解読が成り立たなくなってしまう。また、本データ(2)と鍵情報(3)を重ねたものを操作者に読み取らせる方法では、最終的な解読の成否を操作者の熟練度等に依存してしまうため、迅速かつ安定的な解読が難しいという問題もある。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、通常時において人による情報コードの視認を困難とするとともに一般的な読取装置による情報コードの認識を困難とし、その一方で、特定の読取装置を用いて読み取りを行う場合には確実に読み取ることが可能な構成を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、明色モジュールと暗色モジュールとが配列された情報コードを記録媒体に形成してなる券を発行する発券手段と、
可視光の波長帯とは異なる所定の第2波長帯の照明光を照射可能な照明手段と、前記照明手段によって前記第2波長帯の照明光が照射された前記券を撮像可能な撮像手段と、前記撮像手段によって撮像された前記券の画像から前記情報コードを抽出して解読する解読手段と、を備えた情報コード読取装置と、
を有する情報コード読取システムであって、
前記発券手段は、
可視光が照射される時に暗色の反射特性を示し且つ前記第2波長帯の照明光が照射される時に明色の反射特性を示す第1着色領域を前記記録媒体に形成する第1着色手段と、
可視光が照射される時に暗色の反射特性を示し且つ前記第2波長帯の照明光が照射される時に暗色の反射特性を示す第2着色領域を前記記録媒体に形成する第2着色手段と、
を備え、
前記第1着色手段が、前記記録媒体の情報コード形成対象領域において前記明色モジュールとなるべき位置に前記第1着色領域を形成し、前記第2着色手段が、前記情報コード形成対象領域において前記明色モジュールとなるべき位置に前記第2着色領域を形成せず、前記暗色モジュールとなるべき位置に前記第2着色領域を形成することで前記記録媒体に前記情報コードを形成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明では、発券手段が、可視光が照射される時に暗色の反射特性を示し且つ第2波長帯の照明光が照射される時に明色の反射特性を示す第1着色領域を記録媒体に形成する第1着色手段と、可視光が照射される時に暗色の反射特性を示し且つ第2波長帯の照明光が照射される時に暗色の反射特性を示す第2着色領域を記録媒体に形成する第2着色手段とを備えている。
そして、第1着色手段は、記録媒体の情報コード形成対象領域において明色モジュールとなるべき位置に第1着色領域を形成し、第2着色手段は、情報コード形成対象領域において明色モジュールとなるべき位置に第2着色領域を形成せず、暗色モジュールとなるべき位置に第2着色領域を形成している。
この構成では、可視光が照射されている通常時には、記録媒体の情報コード形成対象領域において、明色モジュールとなる位置が暗色となり、暗色モジュールとなる位置も暗色となるため、明色モジュールと暗色モジュールとが区別できなくなる。従って、通常時には人による前記情報コードの視認を困難とすることができ、且つ一般的な読取装置による情報コードの認識を困難とすることができる。
一方、第2波長帯の照明光が照射される時には、記録媒体の情報コード形成対象領域において、明色モジュールとなる位置が明色となり、暗色モジュールとなる位置は暗色となるため、明色モジュールと暗色モジュールとが明確に区別された情報コードが表示されることになる。従って、第2波長帯の照明光を照射し得る特定の読取装置には情報コードの内容を読み取らせることができ、このような特定の読取装置以外に情報コードの内容を把握させ難い秘匿性の高いシステムを構築することができる。
【0009】
請求項2の発明では、第1着色手段は、可視光が照射される時に暗色の反射特性を示すと共に第2波長帯の照明光が照射される時に明色の反射特性又は透過特性を示す第1のインクを備えており、且つ記録媒体に第1のインクにて印刷を行い得る第1のインク式プリンタを備えている。
また、第2着色手段は、可視光が照射される時に暗色の反射特性を示すと共に第2波長帯の照明光が照射される時に暗色の反射特性を示す第2のインクを備えており、且つ記録媒体に第2のインクにて印刷を行い得る第2のインク式プリンタを備えている。
そして、第1のインク式プリンタは、記録媒体において情報コード形成対象領域と重なるように第1のインクによって第1着色領域を印刷し、第2のインク式プリンタは、第1着色領域と重なる領域において暗色モジュールとなるべき位置に第2着色領域を印刷し、更に、第1のインク式プリンタ及び第2のインク式プリンタの少なくともいずれかにより、記録媒体における第1着色領域以外の領域に文字情報を印刷するように構成されている。
この構成によれば、インクジェットプリンタのみで視認困難な情報コードと視認容易な文字情報とを形成することができる。従って、記録媒体として簡易な紙媒体などを用いることができるため媒体面で効果的にコストを削減でき、且つ装置構成の簡素化を図ることができる。
【0010】
請求項3の発明では、第1のインク式プリンタが、第2のインク式プリンタとして兼用されている。この構成によれば、一つのインク式プリンタにより二種類のインクの印刷を行うことができるため、コストをより一層抑制することができる。
【0011】
請求項4の発明では、記録媒体が感熱紙として構成され、第1着色手段は、記録媒体に印字ヘッドを対向させて感熱方式で印刷を行う感熱式プリンタを有してなるものであり、第2着色手段は、可視光が照射される時に暗色の反射特性を示すと共に第2波長帯の照明光が照射される時に暗色の反射特性を示すインクを備え、且つ記録媒体にインクにて印刷を行い得る第2のインク式プリンタを有している。
そして、感熱式プリンタは、記録媒体において情報コード形成対象領域と重なるように第1着色領域を印刷し、第2のインク式プリンタは、第1着色領域と重なる領域において暗色モジュールとなるべき位置に第2着色領域を印刷するように構成され、更に、感熱式プリンタ及び第2のインク式プリンタの少なくともいずれかにより、記録媒体における第1着色領域以外の領域に文字情報を印刷するように構成されている。
この構成によれば、第1着色領域の印刷を感熱方式で行うことができるため、インク等の消耗品を低減することができ、印刷コストを下げることができる。また、第1着色領域を形成するためにインクを準備しておく必要が無いため、そのための収容スペースを削減することができる。更に、インク補充のための労力を軽減できるためメンテナンスの容易化、省力化を図ることができる。
【0012】
請求項5の発明は、駐車場に設置されると共に、記録媒体を収容する収容部と、第2のインク式プリンタと、を備え、第2のインク式プリンタが収容部に収容される記録媒体に対して少なくとも入庫時間を記録した情報コードを印刷することで、情報コードが付された券を発券する駐車場発券機を備えている。
更に、施設内に設置され、第2のインク又はサーマル方式にて記録媒体に他の情報コードを形成する施設内情報コード形成手段が設けられている。
この構成によれば、駐車場で発券された券において第1着色領域以外に文字情報が形成されるため当該文字情報を店舗内で視認しやすくなる。また、その券に対して施設内で他の情報コードを付加することができるため、駐車券を他の情報コードと関連付けて使用できるようになり、利便性をより一層高めることができる。また、施設内では特殊な印刷装置等(特殊なインクを用いた印刷装置など)を備えておく必要が無いため、利便性の高いシステムを施設で導入し易くなる。
【0013】
請求項6の発明では、施設内情報コード形成手段は、情報コードの記録内容に対応する所定情報が記録された他の情報コードを記録媒体に形成するものとされている。そして、情報コード読取装置は、撮像手段によって撮像された券に形成された他の情報コードの記録内容と情報コードの記録内容とに基づいて当該券の真偽を判定する真偽判定手段を有している。
この構成によれば、駐車場発券機で発券された券に付された情報コードの内容と、施設内で当該券に形成された他の情報コードの内容とに基づいて当該券の真偽をより確実に判定することができる。特に、駐車場発券機で予め付される情報コードは一般的な読取装置では認識が難しく、視認することも難しいため、第三者が認証の基準となる情報コードを入手することや偽造することが困難となる。従って、不正認証を防止する対策を講じやすく、セキュリティ面を強化し易くなる。
【0014】
請求項7の発明では、文字情報は、駐車場の入庫時間を示す文字情報であり、施設内情報コード形成手段は、入庫時間情報を入力可能な入力手段と、入力手段によって入庫時間情報が入力されることに基づき、入庫時間情報が記録された他の情報コードを生成する情報コード生成手段と、券を保持すると共に当該券に対し情報コード生成手段によって生成された他の情報コードを第2のインクにて印刷する施設内インク式プリンタと、を備えている。そして、真偽判定手段は、他の情報コードに記録された入庫時間情報と情報コードに記録された入庫時間とに基づいて券の真偽を判定している。
この構成によれば、情報コードに記録されて精算に用いられる情報(入庫時間)を他の情報コードに記録される入庫時間情報と比較してより確実に真偽判定を行うことができる。特に、駐車券を用いた駐車システムでは、入庫時間に基づいて駐車料金が決定するため、券に記録された入庫時間が偽造されてしまうと管理者等が不利益を被る虞があるが、上記構成によればこのような不利益を防止し易くなる。
【0015】
請求項8の発明は、駐車場に設置されると共に、記録媒体を収容する収容部と、第2のインク式プリンタと、を備え、第2のインク式プリンタが収容部に収容される記録媒体に対して少なくとも入庫時間を記録した情報コードを印刷することで、情報コードが付された券を発券する駐車場発券機を備えている。
更に、施設内に設置されると共に、券に対して感熱方式で印刷を行うことで記録媒体に他の情報コードを形成する施設内サーマルプリンタを備えた施設内情報コード形成手段を有している。
この構成によれば、駐車場で発券された券において第1着色領域以外に文字情報が形成されるため当該文字情報を店舗内で視認しやすくなる。また、その券に対して店舗内で他の情報コードを付加することができるため、駐車券を他の情報コードと関連付けて使用できるようになり、利便性をより一層高めることができる。更に、店舗側での他の情報コードの印刷を感熱方式で行うことができるため、インク等の消耗品を低減できると共に印刷コストを下げることができ、インク収容スペースの削減やメンテナンスの容易化を図ることもできる。
【0016】
請求項9の発明では、情報コード読取装置は、照射手段によって第2波長帯の照明光が照射される時期とは異なる時期に可視光を照射可能な可視光照射手段を備えており、撮像手段は、券に対し可視光照射手段によって可視光が照射されたときの券の画像と、券に対し照明手段によって第2波長帯の照明光が照射されたときの券の画像とを撮像するように構成されている。
更に、可視光照射手段によって可視光が照射されたときの券の撮像画像と、照明手段によって第2波長帯の照明光が照射されたときの券の撮像画像とに基づいて当該券の真偽を判定する真偽判定手段が設けられている。
この構成によれば、可視光が照射されたときにのみ読取可能なコードの内容と、第2波長帯の照明光が照射されたときにのみ読取可能な情報コードの内容とに基づいてより確実に真偽判定を行うことができる。従って、第2波長帯の照明光が照射されない通常時に読み取られるべきコードなどの改竄等をより確実に防止することができ、セキュリティ面を一層強化することができる。
【0017】
請求項10の発明において、情報コード形成対象領域に形成される情報コードは、所定の暗号化キーに基づいて暗号化された暗号データが記録された非公開領域を少なくとも一部含む一部非公開コードとされている。
このように、真偽判定に用いる情報コードを上記のような一部非公開コードとすることで秘匿性をより一層高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係る情報コード読取システムを概念的に説明する説明図である。
【図2】図2は、図1の情報コード読取システムが適用される駐車場の構成を概念的に説明する説明図である。
【図3】図3は、図1の情報コード読取システムで用いられる発行券の一例を概略的に説明する説明図である。
【図4】図4(A)は、図3の発行券を一般的な読取装置で撮像した撮像画像を説明する説明図であり、図4(B)は、図3の発行券を図5の読取装置により赤外光を照射して撮像した撮像画像を説明する説明図である。
【図5】図5は、図1の情報コード読取システムの一部をなす情報コード読取装置を概略的に例示するブロック図である。
【図6】図6は、図5の情報コード読取装置の要部を概略的に例示するブロック図である。
【図7】図7(A)は、図1の情報コード読取システムにおける発券機の構成を概略的に例示するブロック図であり、図7(B)は、施設内装置の構成を概略的に例示するブロック図である。
【図8】図8は、図3の発行券の作成方法を概略的に説明する説明図である。
【図9】図9は、図1の情報コード読取システムにおいて発券機で行われる発券処理の流れを例示するフローチャートである。
【図10】図10(A)は、図3の発行券の情報コード形成領域及び背景領域等を概念的に説明する説明図であり、図10(B)はその拡大図である。
【図11】図11は、図1の情報コード読取システムで用いられる発行券について、施設内で第2の情報コードを形成した例を示す説明図である。
【図12】図12は、図1の情報コード読取システムにおいて精算機で行われる精算処理の流れを例示するフローチャートである。
【図13】図13は、第2実施形態に係る情報コード読取システムでの発行券の作成方法を概略的に説明する説明図である。
【図14】図14(A)は、第2実施形態に係る情報コード読取システムにおいて、施設内で第2の情報コードを形成した例を示す説明図であり、図14(B)は、図14(A)の発行券を図5の読取装置により赤外光を照射して撮像した撮像画像を説明する説明図である。
【図15】図15は、第3実施形態に係る情報コード読取システムでの発行券の作成方法を概略的に説明する説明図である。
【図16】図16は、第3実施形態に係る情報コード読取システムにおいて、施設内で第2の情報コードを形成した例を示す説明図である。
【図17】図17は、第3実施形態に係る情報コード読取システムの一部をなす情報コード読取装置を概略的に例示するブロック図である。
【図18】図18は、図17の情報コード読取装置の要部を概略的に例示するブロック図である。
【図19】図19(A)は、図16の発行券に対して可視光を照射して撮像した撮像画像を説明する説明図である。図19(B)は、図16の発行券に対して赤外光を照射して撮像した撮像画像を説明する説明図である。
【図20】図20は、第3実施形態に係る情報コード読取システムにおいて精算機で行われる精算処理の流れを例示するフローチャートである。
【図21】図21は、第4実施形態に係る情報コード読取システムで用いられる情報コード(一部非公開コード)の構成を概略的に説明する説明図である。
【図22】図22(A)は、図21の一部非公開コードのデータ構成を例示する説明図であり、図22(B)は、公開領域に記録する開示データを例示する説明図であり、図22(C)は、非公開領域に記録する暗号データを例示する説明図である。
【図23】図23は、第4実施形態に係る情報コード読取システムで行われる精算処理における情報コード(一部非公開コード)の解読処理の流れを例示するフローチャートである。
【図24】図24は、第5実施形態に係る情報コード読取システムにおいて精算機で行われる精算処理の流れを例示するフローチャートである。
【図25】図25は、他の実施形態で用いられる発行券の例を概略的に説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[第1実施形態]
以下、本発明に係る情報コード読取システム等を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
(情報コード読取システムの概要)
図1は、本発明の第1実施形態に係る情報コード読取システムを概念的に説明する説明図である。図2は、図1の情報コード読取システムが適用される駐車場の構成を概念的に説明する説明図である。本実施形態の情報コード読取システム1(以下、システム1ともいう)は、発券機101で発行された発行券10を媒介として料金を精算する料金精算システムとして構成されており、以下では、駐車場での駐車料金を精算する駐車場精算システムを代表例として説明する。
【0020】
図1に示す情報コード読取システム1は、主として、発券機(駐車場発券機)101と、精算機(駐車場精算機)102と、施設内装置103とによって構成されている。この内、発券機101及び精算機102は、図2のように駐車場内に設けられており、例えば車両が入場ゲート105に近接したとき或いは発券機101にて所定操作が行われたときなどに後述する発行券10が発行されるようになっている。例えば、竿などの遮断部材によって入場ゲートを開閉する方式(遮断部材による公知の開閉方式)の場合には、通常時には車両の通路に遮断部材が配されて入場ゲートが閉鎖され、車両が近接したときに発券機101に設けられた所定の発券口101c(図7)から発行券10(駐車券)の一部が露出するように送り出され、この発券口101c(排出口)から発行券10が抜き取られたときに、この抜き取りを検出して入場ゲートが開放するようになっている。一方、このように発行された発行券10が精算機102に設けられた所定の挿入口に挿入されたときに、この精算機102にて発行券10の記録内容に基づいて駐車料金が算出され、この駐車料金に応じた金額が投入されたときに退場ゲートが開放されて場外に退出できるようになっている。
【0021】
(発行券の構成)
次に、本実施形態の情報コード読取システムで用いられる発行券について詳述する。図3は、図1の情報コード読取システムで用いられる発行券の一例を概略的に説明する説明図である。図4(A)は、図3の発行券を一般的な読取装置で撮像した撮像画像を説明する説明図であり、図4(B)は、図3の発行券を図5の読取装置で撮像した撮像画像を説明する説明図である。
【0022】
発行券10は、紙、樹脂部材、金属部材等をシート状に構成した物体に情報コードCが形成されてなるものである。この発行券10に付される情報コードCは、例えばバーコードなどの一次元コードや二次元コード(QRコード、データマトリックスコード、マキシコード等)或いは後述する一部非公開コードなどによって構成されており、公知の方法でデコード可能な構成となっている。
【0023】
図3に示すように、発行券10は、情報コードCが形成された情報コード形成領域C1、C2と、文字、図形、記号、模様などからなる背景領域A2とが重なって形成されており、後述する赤外光よりも可視光の量が十分大きく可視光が支配的である通常状態では、情報コードCの領域C1、C2が背景領域A2に埋没する構成で一体化するように視認及び撮像されるようになっており、情報コードCの領域C1、C2付近を直接視認した場合でも、情報コードCの領域C1、C2付近を撮像した撮像画像においても情報コードCのみを把握することが困難となっている。なお、図3では、情報コード形成領域C1、C2の位置を一点鎖線にて概念的に示している。
【0024】
この発行券10において、文字、図形、記号、模様等が付された領域B1〜B7は、反転領域と非反転領域とに分かれている。そして、反転領域は、少なくとも可視光が照射されたときに暗色の反射特性を示し、可視光とは波長の異なる第2波長帯の光が照射されたときに明色の反射特性を示すように構成されている。また、非反転領域は、可視光が照射されたときに暗色の反射特性を示し、第2波長帯の光が照射されたときに暗色の反射特性を示すように構成されている。なお、以下では、第2波長帯の光が「赤外光」である場合を代表例として説明することとする。即ち、以下の構成では、反転領域は、可視光が照射されたときに暗色の反射特性を示し、赤外光が照射されたときに明色の反射特性を示すようになっており、具体的には例えば、可視光が照射されたときに黒色等として視認及び撮像されるように反射がなされ、赤外光が照射されたときには白色等として視認及び撮像されるように反射がなされるようになっている。また、非反転領域は、可視光が照射されたときには暗色の反射特性を示し、赤外光が照射されたときにも暗色の反射特性を示すようになっており、具体的には例えば、可視光が照射されたときに黒色等として視認及び撮像されるように反射がなされ、赤外光が照射されたときにも黒色等として視認及び撮像される反射がなされるようになっている。
【0025】
発行券10に形成される情報コードCは、暗色モジュール(図4等に示す例では暗色セル)の領域A3が非反転領域とされており、明色モジュール(明色セル:図4)の領域A4が反転領域となっている。また、発行券10において、情報コードCの形成領域C1、C2の周囲には、当該形成領域C1、C2と連続する構成で反転領域からなる背景領域A2が形成されている。このように構成されているため、可視光を照明光として照射する一般的な読取装置では、図4(A)のように明色モジュールの領域A4、暗色モジュールの領域A3、背景領域A2が全て暗色(例えば黒色)で一体化された状態で撮像され、情報コードCが抽出困難となる。一方、図6に示す読取装置40(後述)のように、第2波長帯の照明光(図6の例では赤外光)を照射しつつ撮像する場合には、図4(B)のように明色モジュールの領域A4及び背景領域A2が明色に反転され、暗色モジュールの領域A3が暗色のままとなった撮像画像を得ることができるため、当該撮像画像において情報コードCを抽出することが可能となる。
【0026】
(情報コード読取装置)
次に、本実施形態に係る情報コード読取システムの一部をなす情報コード読取装置について説明する。図5は、図1の情報コード読取システムの一部をなす情報コード読取装置を概略的に例示するブロック図である。図6は、図5の情報コード読取装置の要部を概略的に例示するブロック図である。
【0027】
図5、図6に示す情報コード読取装置40(以下、読取装置40ともいう)は、図1、図2に示す精算機102に内蔵されており、QRコード(登録商標)等の情報コードCを撮像し、読み取る機能を有している。この読取装置40は、CPU等からなる制御部41、受光センサ(例えば、C−MOSエリアセンサ、CCDエリアセンサ等)を備えたカメラとして構成される撮像部42、「第2波長帯の照明光」としての赤外光を照射する照明光源44、ROM、RAM、不揮発性メモリなどの記憶手段からなる記憶部45などを備えている。また、読取装置40には、液晶表示器などからなる表示部46や、各種操作キーなどからなる操作部47なども設けられている。
【0028】
図6に示すように、撮像部42は、例えば一対の照明光源44a,44bの間に配置されており、発行券10からの反射光を受光センサ42aの受光面に結像させ、発行券10の画像データを生成するように機能している。受光センサ42aは、発行券10で反射した反射光を受光可能に構成されるもので、例えば、C−MOSやCCD等の受光素子を2次元に配列したエリアセンサが、これに相当する。また、結像レンズ42cは、例えば、鏡筒とこの鏡筒内に収容される複数の集光レンズとによって構成されており、受光センサ42aの受光面に情報コードCのコード画像を結像するように機能している。光学系の受光センサ42aから出力される画像信号は、例えば記憶部45の画像データ蓄積領域に蓄積されるようになっている。
【0029】
照明光源44は、例えば撮像部42(受光光学系)を挟んだ両側にそれぞれ設けられている。これら一対の照明光源44a,44bは、例えば波長700nm〜1000nm(具体的には750nm以上)の赤外光を照射するLEDなどによって構成されている。なお、図6の例では、照明光源44a、44bのそれぞれにおいて、赤外光発光部が2つずつ設けられた例を示したが、それぞれに赤外光発光部が1つずつであってもよく、3つずつ設けられていてもよい。また、図6のように両側に照明光源が設けられていなくてもよく、いずれか片側のみに照明光源が設けられていてもよい。
【0030】
記憶部45は、半導体メモリ装置等の記憶媒体であり、例えばROM、RAM(DRAM、SRAM等)、その他の不揮発性メモリなどがこれに相当する。この記憶部45のうちのRAMには、例えば前述した画像データ蓄積領域のほかに、制御部41が算術演算や論理演算等の各処理時に利用する作業領域や読取条件テーブルも確保可能に構成されている。またROMには、例えば各種処理等を実行可能な所定プログラムや照明光源、受光センサ42a等の各ハードウェアを制御可能なシステムプログラム等が予め格納されている。また、制御部41は、読取装置40全体を制御可能なマイコン等によって構成され、CPU、システムバス、入出力インタフェース等を備え、情報処理機能を有している。
【0031】
なお、照明光源44は、「照明手段」の一例に相当し、可視光の波長帯とは異なる所定の第2波長帯の照明光(赤外光)を照射可能に構成されている。また、撮像部42は「撮像手段」の一例に相当し、第2照明光源44(照明手段)によって第2波長帯の照明光(赤外光)が照射された発行券10を撮像可能に構成されている。また、制御部41は「解読手段」の一例に相当し、撮像部42(撮像手段)によって撮像された発行券10の画像から情報コードCを抽出して解読するように機能する。具体的には、撮像部42によって撮像された発行券10の画像において反転領域と非反転領域とを区別して検出することで明色モジュール及び暗色モジュールの領域を抽出し、その抽出結果に基づいて情報コードCを解読するように機能している。
【0032】
(情報コード読取システムの運用)
次に、情報コード読取システム1の運用について説明し、特に、発行券10の作成方法(製造方法)及び使用方法について詳述する。
このシステム1では、駐車場への来場があったことを所定の方法で検出した場合に、まず、発券機101にて券(発行券10)が発行されるようになっている(図8の最下段参照)。なお、駐車場への来場を検出する方法としては様々な方法を用いることができ、例えば、入場ゲート105への車両の接近を図示しないセンサ等によって検出してもよい。この場合、当該センサが車両の接近を検出したときに、発券機101にて券(発行券10)が発行されることになる。或いは発券機101の入力部37に対して所定操作がなされたか否かを検出してもよく、この場合、入力部37にて所定操作がなされたときに発券機101にて券(発行券10)が発行されることになる。そして、利用者がこの発行券10(駐車券)を持参して店舗等の施設内を利用したときに、施設内に設けられた施設内装置103により当該発行券10に対して第2の情報コードCaを付すことができるようになっている(図11の下段参照)。更に、利用者が、このように第2の情報コードCaが付された発行券10を持って駐車場に戻り、当該発行券10を図1、図2に示す精算機102に挿入したときに、発行券10に記録された内容に基づいて駐車料金を精算する処理が行われるようになっている。以下では、これら発券機101、施設内装置103、精算機102での動作や処理について詳述する。
【0033】
<発券機の構成、動作>
まず、発券機101の具体的構成について説明する。
システム1では、駐車場(図2)に設置された発券機101が、例えば図7(A)のような構成をなしている。この発券機101は、CPU等を備えた情報処理装置として構成される制御部31、記録媒体としての記録紙Pを収容する収容部101a、収容部101aに収容された記録紙Pを送り出す送り出し装置101b、送り出し装置101bによって送り出された記録紙Pに各種印刷を行う印刷部32、印刷装置30によって印刷されてなる記録紙Pを排出する発券口101c、ROM、RAM、HDD等からなる記憶部35、液晶モニタ等として構成される表示部36、各種キーやタッチパネル等として構成される入力部37、図示しない通信部などを備えている。
なお、発券機101は、「発券手段」の一例に相当するものであり、明色モジュールと暗色モジュールとが配列された情報コードCを記録紙(記録媒体)に形成してなる券(発行券10)を発行するように機能している。
【0034】
収容部101aは、発行券10の材料となる記録紙Pを収容するものであり、複数枚の記録紙P若しくはロール紙を収容するように構成されている。また、送り出し装置101bは、収容部101aに収容された記録紙Pを送り出す装置であり、収容部101aに複数枚の記録紙Pが収容される場合には、この記録紙Pを公知の方法(公知のインクジェットプリンタと同様の方法、或いは、公知の駐車場発券装置と同様の方法)で記録紙Pを一枚ずつ送り出すように構成されている。また、記録紙Pがロール紙として収容されている場合には、このロール紙を所定長さずつ送り出すと共に所定長さずつ切断するように構成される。なお、ロール紙を所定長さずつ送り出し且つ所定長さずつカットする方法も、公知であるので詳細な説明は省略する。
【0035】
印刷部32は、このように送り出し装置101bによって送り出される記録紙Pに対して所定の情報を印刷するように構成されている。この印刷部32は、第1のインクによって印刷を行う第1印刷部33と、第2のインクによって印刷を行う第2印刷部34とを備えている。
【0036】
第1印刷部33は、「第1のインク式プリンタ」の一例に相当するものであり、インクジェットプリンタとして構成されている。第1印刷部33で用いられる第1のインクは、波長380nm〜750nmの可視光が照射される時に黒色等の暗色の反射特性を示すと共に波長750nm以上の赤外光(第2波長帯の照明光)が照射される時に非暗色の反射特性を示す赤外線反応式インクとして構成されている。
【0037】
なお、本明細書において「暗色の反射特性」とは、黒色等の暗色として視認及び撮像されるような反射特性であり、第1のインクは、波長380nm〜750nmの可視光が照射される時には暗色(黒色等)として視認及び撮像されるように反射がなされるようになっている。また、本明細書において「非暗色の反射特性」とは、黒色等の暗色として視認及び撮像されない反射特性であり、第1のインクは、例えば波長750nm以上の赤外光(第2波長帯の照明光)が照射される時に透明状態或いは透明性の高い状態で視認及び撮像されるように反射がなされるようになっている。そして、第1印刷部33は、記録紙P(記録媒体)に対しこのような第1のインクを用いてインクジェット方式で印刷を行うようになっている。なお、本実施形態では、明色(白色、黄色、或いはこれらに近似する色等の明系色)の記録紙P(紙等)に対して第1のインク及び第2のインクによって文字、図形、記号、模様等が形成されるようになっている。
【0038】
第2印刷部34は、「第2のインク式プリンタ」の一例に相当するものであり、インクジェットプリンタとして構成されている。第2印刷部34で用いられる第2のインクは、波長380nm〜750nmの可視光が照射される時に暗色の反射特性を示すと共に波長750nm以上の赤外光(第2波長帯の照明光)が照射される時にも暗色の反射特性を示すインク(例えば赤外線反応式ではない通常の黒色インク等)として構成されている。「暗色の反射特性」は、上述したように黒色等の暗色として視認及び撮像されるような反射特性であり、第2のインクは、波長380nm〜750nmの可視光が照射される時にも、波長750nm以上の赤外光(第2波長帯の照明光)が照射される時にも、暗色(黒色等)として視認及び撮像されるように反射がなされるようになっている。そして、第2印刷部34は、記録紙P(記録媒体)に対しこのような第2のインクを用いてインクジェット方式で印刷を行うようになっている。なお、本明細書における「暗色」は、黒色に限られるものではなく、藍色、青色、或いは黒、藍、青に近似する色などの暗系色であってもよい。
【0039】
本実施形態では、第1印刷部33が、「第1着色手段」の一例に相当し、可視光が照射される時に暗色の反射特性を示し且つ赤外光(第2波長帯の照明光)が照射される時に非暗色の反射特性を示す第1着色領域を記録紙P(記録媒体)に形成するように機能する。また、第2印刷部34は、「第2着色手段」の一例に相当し、可視光が照射される時に暗色の反射特性を示し且つ赤外光(第2波長帯の照明光)が照射される時に暗色の反射特性を示す第2着色領域を形成するように機能する。なお、本実施形態では、第1印刷部33が第1のインクによって印刷する部分が第1着色領域に相当し、第2印刷部34が第2のインクによって印刷する部分が第2着色領域に相当するが、第1着色領域と第2着色領域とが重なった部分については、第2着色領域の特性が表れ、可視光が照射される時に暗色の反射特性を示し且つ赤外光(第2波長帯の照明光)が照射される時に暗色の反射特性を示すようになっている。
【0040】
次に、発券機101での具体的動作について図8等を参照して説明する。
このように構成される発券機101では、収容部101aに収容された記録紙P(図8上段に示す記録媒体)を送り出し装置101bによって送り出し、第1のインク式プリンタに相当する第1印刷部33により、事前に(即ち、駐車場の来場が検出される時よりも前の時期に)、第1のインクによって第1インク領域A1(第1着色領域)を印刷しておく(図8中段)。このように、第1インク領域A1(第1着色領域)を事前に形成する際には、後に情報コードを形成するべき領域(情報コード形成対象領域:図8最下段の領域C1、C2)と重なるように第1インク領域A1(第1着色領域)を印刷しておく。そして、このように第1インク領域A1(第1着色領域)が印刷された記録紙P(即ち、第1インク領域A1が形成され、後述する情報コードCが形成されてない記録紙:図8中段参照)を、図示しない保持部において保持しておく。このように第1印刷部33によって事前に第1インク領域A1(第1着色領域)を印刷しておけば、図9に示す実際の発券の際(即ち、利用者が駐車場に来場したことを検出した後)にこのような第1インク領域A1(第1着色領域)の印刷を省略することができ、駐車場の来場を検出してから発券までの時間を短縮することができる。
【0041】
なお、図7(A)の例では、発券機101の内部に第1印刷部33を設け、このような第1印刷部33により、前もって第1インク領域A1(第1着色領域)が印刷された記録紙P(図8中段)を形成していたが、このような印刷部(第1印刷部33と同様の印刷部)を発券機101の外部において当該発券機101とは独立したプリンタとして設けておいてもよい。この場合、発券機101の外部に設けられた当該印刷部(第1印刷部33と同様の印刷部)により、図8中段のような記録紙P(第1インク領域A1(第1着色領域)が印刷された記録紙)を、複数枚分割された紙として、或いは連続したロール紙等として形成しておき、これを収容部101aに収容させておけばよい。このようにすると、第1印刷部33や第1のインクを発券機101に設けずに済むため、発券機101の簡素化、小型化を図ることができる。なお、この場合、発券機101と外部に設けられた上記印刷部(第1印刷部33と同様の印刷部)とが「発券手段」に相当することになる。
【0042】
次に、発券機101で行われる各発券時の動作について説明する。なお、図9は、発券機で行われる各発券時の処理の流れを例示するフローチャートである。
図7(A)のような第1印刷部33によって図8中段のような記録紙Pを形成しておく例でも、発券機101とは独立した印刷部(第1印刷部33と同様の印刷部)によって図8中段のような記録紙Pを形成しておく例でも、発券機101において駐車場への来場があったことが検出された場合には、当該発券機101で保持される上記記録紙P(図8中段)に対し図8下段のような情報を記録し、発行券10を発券する。
【0043】
図9の処理は、例えば図7(A)に示す制御部31によって行われ、この処理では、駐車場への来場の検出があるまでは、S1にてNoに進んで待機している。そして、駐車場への来場を検出した場合(例えば、上述したように入場ゲート105への車両の接近がセンサ等によって検知され、これが制御部31によって検出された場合、或いは発券機101の入力部37に対して所定操作があったことが制御部31によって検出された場合等)にはS1にてYesに進み、その検出時の時刻を入庫時間(入庫時刻)として記憶部35に記憶する(S2)。例えば図7(A)に示す発券機101において図示しない時計回路等の時計手段が設けられており、上述のように駐車場への来場を検出したときには、S2にて時計手段から時刻を読み出し、その読み出した時刻を入庫時間(入庫年月日及び入庫時刻を特定可能な情報)として記憶部35に記憶する。そして、このように記憶部35に記憶された入庫時間がデータとして記録されてなる情報コードの図形データを公知の方法で生成する(S3)。なお、S3で生成されて記録紙Pに付される情報コードCは、公知の一般的な二次元コード(QRコード(登録商標)、データマトリックスコード、マキシコード等)として構成されていてもよく、後述する変更例のような一部非公開コードとして構成されていてもよい。以下では、情報コードCが一般的なQRコードとして構成される場合を代表例とする。
【0044】
S3の後には、更に、情報コード以外の文字、図形データを生成する(S4)。S4で生成される文字、図形データには、例えばS2で記憶された入庫時間を示す文字情報(例えば、入庫年月日及び入庫時刻を特定可能な文字情報)、及びその他の情報が含まれるようになっている。その他の情報としては、発行券10の挿入方向を示す情報、当該発行券10を扱う駐車場名、この駐車場を管理する管理会社の会社名や連絡先の情報などが含まれるようになっている。なお、S3、S4の処理は、図9のような順序で行われてもよく、逆の順序で行われてもよい。或いは、これらの処理が同時期に行われてもよい。
【0045】
そして、S3、S4の後には、印刷部による印刷処理を行う(S5)。本実施形態のS5で行われる印刷処理では、第2のインク式プリンタに相当する第2印刷部34により、S3で生成された情報コードの図形データ、及びその他の文字、図形データを上述した第2のインクによって記録紙Pの所定位置に形成するように印刷を行う。具体的には、図8中段のように予め第1インク領域A1が形成された記録紙Pを発券機101内の所定の保持位置から送り出し、この記録紙Pにおける第1インク領域A1内の領域C1,C2の位置において、第1インク領域A1の上に重なるように第2のインクによって暗色モジュール領域A3(第2着色領域:図10参照)を形成する。なお、図9のS3で生成された図形データはこのような暗色モジュール領域A3の配置構成を特定する図形データとされている。また、S5の印刷処理では、第1インク領域A1以外の領域に、図9のS4で生成された文字、図形データ(例えば、図8下段に示す各種情報B2〜B7など)を第2のインクによって印刷する。そして、このように第2印刷部34によって印刷を行った後には、図8下段のように形成された発行券10を送り出して図7(A)に示す発券口101cから排出することになる。
【0046】
図10(A)では、このように形成される発行券10において、第1インク領域A1の範囲内に形成された第2着色領域を概念的に示しており、図10(B)では、その一部の拡大図を示している。このように、第1インク領域A1の範囲内には情報コードCを構成する暗色モジュール領域A3が第2着色領域として形成されることになるが、図8下段(図4(A)も参照)のように、可視光が照射される通常時にはこの暗色モジュール領域A3は第1インク領域A1に埋没した表示態様となる。
【0047】
また、図8下段の構成では、暗色モジュール(暗色セル)の領域A3は、暗色モジュール領域A3を構成する第2のインクと第1インク領域A1を構成する第1のインクとが重ねられた構成となり、情報コードCの内部領域において暗色モジュールが付されない領域(即ち、明色モジュール(明色セル)の領域A4)は第1のインクのみによって形成されることになる。また、情報コードCの周囲の背景領域A2も第1のインクのみによって構成されることになる。
【0048】
このように、本実施形態では、第1着色手段に相当する第1印刷部33が、記録紙P(記録媒体)の情報コード形成対象領域(即ち領域C1、C2)において明色モジュールとなるべき位置に第1のインクによって着色した第1着色領域(第1インク領域A1)を形成しており、他方、第2着色手段に相当する第2印刷部34は、情報コード形成対象領域(領域C1、C2)において明色モジュールとなるべき位置に第2のインクの着色領域(第2着色領域)を形成せず、暗色モジュールとなるべき位置に第2のインクの着色領域(第2着色領域)を形成することで記録紙Pに情報コードCを形成している。
【0049】
なお、上述した発券機101の例では、記録紙Pに第1インク領域A1(第1着色領域)を予め印刷しておき、駐車場の来場を検出した後(即ち、図9のS1でYesとなった後)には、第1インク領域A1を形成せずに第2印刷部34による印刷のみを行っていたが、第1インク領域A1の形成を駐車券発券時(即ち、S1でYesとなった後)に行うようにしてもよい。この場合、図8のように、第1印刷部33によって第1インク領域A1(第1着色領域)を印刷してから、第2印刷部34によって情報コードCや情報B2〜B7(第2着色領域)を印刷してもよく、この逆であってもよい。即ち、第2印刷部34によって情報コードCや情報B2〜B7を印刷した後に、第1印刷部33によって第1インク領域A1を印刷してもよい。いずれにしても、暗色モジュール領域A3と第1インク領域A1を重ねて形成することで、図8下段のように、暗色モジュール領域A3が第1インク領域A1に埋没した形態となる。
【0050】
また、上述した発券機101の例では、第2印刷部34(第2のインク式プリンタ)により、記録紙Pにおいて第1インク領域A1(第1着色領域)以外の領域に文字情報などの各種情報B2〜B7を印刷したが、このような情報B2〜B7を、第1印刷部33(第1のインク式プリンタ)によって印刷するようにしてもよい。
【0051】
<施設内装置の構成、動作>
次に、施設内装置103での情報コードの付加について説明する。
システム1は、店舗等の施設内に設けられる施設内装置103を備えており、この施設内装置103は、例えば、図7(B)のような構成をなしている。この施設内装置103は、図7(B)のように、CPU等からなる制御部51、各種キーやタッチパネル等として構成される入力部52、インクジェットプリンタとして構成される印刷部53、ROM、RAM、HDD等からなる記憶部55、液晶モニタ等として構成される表示部56、図示しない通信部などを備えている。なお、以下の例において入力部52、表示部56、通信部などは必須のものではなく、これらを省略して一層の簡素化を図ることもできる。
【0052】
施設内装置103に設けられた印刷部53は、第2のインクを使用可能なインクジェットプリンタとして構成されており、記録紙P(記録媒体)に対しこの第2のインクを用いてインクジェット方式で印刷を行うようになっている。なお、印刷部53で用いられる第2のインクは、可視光が照射される時に暗色の反射特性を示し、赤外光(第2波長帯の照明光)が照射される時に暗色の反射特性を示すインクであれば、発券機101の第2印刷部34で用いられるインクと同一であってもよく、やや異なるものであってもよい。
【0053】
この施設内装置103では、上述の発券機101で発行された発行券10(図11上段)を受け付け、図11下段のように第2の情報コードCa(他の情報コード)を付すように構成されている。この第2の情報コードCaには、例えば、一定割合を割り引くことを示す割引情報(例えば10%引きや駐車料金免除等を示す情報など)、一定料金を割り引くことを示す割引情報(例えば500円引き等の情報)、一定時間を割り引くことを示す割引情報(例えば1時間割引等の情報)などが記録される。このような情報コードCaを印刷するための印刷データとしては、例えば一定の割引情報をデータとして記録してなる1種類の情報コードの図形データ(定型の印刷データ)を用意しておけばよく、発行券10が施設内装置103の所定位置にセットされたときにこの定型の印刷データを印刷すればよい。このようにすると、施設内装置103で新たな情報コードを生成する手間や時間を省略することができる。また、第2の情報コードCaの種類としては、公知の一般的な二次元コード(QRコード(登録商標)、データマトリックスコード、マキシコード等)として構成されていてもよく、後述する変更例のような一部非公開コードとして構成されていてもよい。なお、以下では、情報コードCaが一般的なQRコードとして構成される場合を代表例としている。
【0054】
本実施形態では、施設内装置103が「施設内情報コード形成手段」の一例に相当し、施設内に設置され、第2のインクにて記録紙P(記録媒体)に第2の情報コードCa(他の情報コード)を形成するように機能している。
【0055】
<精算機の動作>
次に、精算機102の動作について説明する。
図1、図2に示す精算機102は、上述した読取装置40(図5、図6)を主要素として構成されており、この読取装置40の制御部41によって図12のような精算処理を行うように構成されている。図12に示す処理では、精算機102に設けられた図示しない挿入口から上述の発行券10(駐車券)が挿入されるまで待機処理を行い(S11)、発行券10(駐車券)の挿入を感知したときに、この発行券10(駐車券)に記録された情報コードC等の撮像を行う(S12)。なお、精算機102には、例えば発行券10(駐車券)を挿入するために設けられた挿入口(図示略)の付近において発行券10(駐車券)の挿入を検知するセンサ(例えば、近接センサ等)が設けられており、挿入口に発行券10(駐車券)が挿入されたときにこのセンサが制御部41に対して検知信号を出力するようになっている。制御部41は、このセンサからの検知信号を検出するまではS11の待機処理を行い、検知信号を検出したときにS12の撮像処理を行うようになっている。
【0056】
図5、図6に示す読取装置40では、S12の処理が行われるまでは照明光源44を消灯させており、S12の処理が行われたときにこの照明光源44が点灯し、例えば750nm以上の波長の赤外光を一定時間照射する。そして、このように照明光源44が点灯しているとき(即ち、赤外光が照射されているとき)に、撮像部42によって発行券10の撮像を行う(S13)。発行券10は、このように赤外光が照射されたときに、第1インク領域A1に付された第1のインクが透明状態或いは透明性の高い状態となるため、図4(B)のように、情報コードCの明色モジュールの領域A4及び背景領域A2が明色(例えば、白、黄等の明色を地の色とする記録紙Pの地の色に近い色)に反転され、暗色モジュールの領域A3が暗色のままとなった撮像画像を得ることができる。そして、S12で得られたこのような撮像画像に含まれる情報コードC及び第2の情報コードCaの解読を行う(S13)。
【0057】
S12で得られた撮像画像では、図4(B)のように情報コードCの領域において暗色モジュールの領域A3が明色モジュールの領域A4及び背景領域A2と区別されるように浮かび上がるため、当該撮像画像を解析する際には情報コードCにおいて各暗色モジュール及び各明色モジュールの位置を確実に特定できるようになる。従って、S13では、このように特定される各暗色モジュール及び各明色モジュールの位置に基づいて情報コードCを公知のデコード方法で解読することができる。
【0058】
また、第2の情報コードCaについては、図4(A)に示す通常時(即ち、赤外光が積極的に照射されていないとき)でも、図4(B)のように赤外光が積極的に照射されているときでも、明色モジュールが明色の反射特性を示し、暗色モジュールが暗色の反射特性を示すことになるため、S12で得られた撮像画像において各暗色モジュール及び各明色モジュールを区別して認識でき、当該撮像画像を解析する際には各暗色モジュール及び各明色モジュールの位置を確実に特定できるようになる。従って、S13では、このように特定される各暗色モジュール及び各明色モジュールの位置に基づいて第2の情報コードCaも公知のデコード方法で解読することができる。
【0059】
S13の後には、情報コードC及び第2の情報コードCaの解読が成功したか否かを判断する(S14)。そして、情報コードC、及び第2の情報コードCaの解読がいずれも成功した場合にはS14にてYesに進み、情報コードC及び第2の情報コードCaのいずれかの解読が失敗した場合には、S14にてNoに進む。
【0060】
なお、情報コードC及び第2の情報コードCaのいずれかの解読が失敗してS14にてNoに進む場合には、S13での解読の失敗が規定回数に到達したか否かを判断する(S15)。本実施形態では、予め規定回数が設定されると共に、S13での解読の失敗回数(即ち、S14でNoに進む回数)をカウントしており、S13での解読の失敗が規定回数に到達した場合(即ち、S14でNoに進む処理が規定回数行われた場合)には、S15にてYesに進み、駐車券を返却する処理(S16)を行った後、図12の処理を終了する。一方、S13での解読の失敗が規定回数に到達していない場合には、S15にてNoに進み、S12以降の処理を繰り返す。なお、S15でNoに進む場合には、その後に行われるS13において、再び情報コードC及び第2の情報コードCaの両方の解読を行うようにしてもよく、解読が成功していないコードの解読だけを行うようにしてもよい。
【0061】
一方、S14で情報コードC及び第2の情報コードCaの解読に成功したと判断された場合には、情報コードC及び第2の情報コードCaの解読結果を記録データ(入力データ)として記憶部45に書き込む(S17)。具体的には、情報コードCから読み取った入庫時間(入庫日時及び入庫時刻)の情報と第2の情報コードCaから読み取った割引情報を記憶部45に書き込む。そして、その書き込まれた情報を基に駐車料金の算出を行う(S18)。具体的には、例えば情報コードCから読み取った入庫時間から現在時刻(例えば、S18の処理が行われる時刻)までの経過時間を算出し、この経過時間に応じて定まる基本料金を算出する。
【0062】
基本料金の算出方法は公知の様々な方法を用いることができ、例えば、入庫時間からの経過時間に比例して基本料金が定められるような算出条件の場合には、上記経過時間(即ち、情報コードCから読み取った入庫時間からS18の処理が行われる現在時刻までの経過時間)と所定の比例式とに基づいて基本料金を算出する。或いは、所定時間毎に駐車料金が加算されるような算出条件の場合には、上記経過時間(情報コードCから読み取った入庫時間からS18の処理が行われる現在時刻までの経過時間)において前記所定時間が何回繰り返されたかかに基づいて基本料金を算出する。或いは、経過時間の各値と対応する基本料金の額とを対応付けたテーブルを設けておき、このテーブルと上記経過時間(情報コードCから読み取った入庫時間からS18の処理が行われる現在時刻までの経過時間)とに基づいて基本料金を算出するようにしてもよい。
【0063】
更に、このように算出される基本料金から、第2の情報コードCaから読み取った割引情報で特定される金額を割り引いた金額を求め、これを請求金額とする。例えば、第2の情報コードCaから読み取った割引情報が所定金額(例えば500円等)を割り引く情報の場合には、この所定金額を上述のように算出された基本料金から割り引いて最終的な請求金額とする。或いは、第2の情報コードCaから読み取った割引情報が所定割合(例えば10%等)を割り引く情報の場合には、この所定割合を上述のように算出された基本料金から割り引いて最終的な請求金額とする。
【0064】
そして、このようにS18で請求金額を算出した後に、この算出された請求金額を表示部46の画面に表示し、支払いを要求する(S19)。S19の後には、S19で表示された請求金額の支払いが確認できたか否かを判断する(S20)。S20の処理では、例えば、S19の処理にて請求金額が表示されてから所定時間以内に図示しない金銭投入部にて当該請求金額(即ち、S18で算出された請求金額)に相当する金銭が投入されたか否かを判断し、投入された場合にはS20にてYesに進み、退場ゲートを開放する制御を行って処理を終了する(S21)。S19での請求金額の表示から所定時間以内に当該請求金額に相当する金銭が投入されない場合にはS20にてNoに進み、発行券10(駐車券)を返却して処理を終了する(S16)。
【0065】
(第1実施形態の主な効果)
第1実施形態に係るシステム1では、発券手段において、可視光が照射される時に暗色の反射特性を示し且つ赤外光(第2波長帯の照明光)が照射される時に明色の反射特性を示す第1着色領域を記録紙P(記録媒体)に形成する第1着色手段と、可視光が照射される時に暗色の反射特性を示し且つ赤外光(第2波長帯の照明光)が照射される時に暗色の反射特性を示す第2着色領域を記録紙P(記録媒体)に形成する第2着色手段とが設けられている。
そして、第1着色手段は、記録紙P(記録媒体)の情報コード形成対象領域において明色モジュールとなるべき位置に第1着色領域を形成し、第2着色手段は、情報コード形成対象領域において明色モジュールとなるべき位置に第2着色領域を形成せず、暗色モジュールとなるべき位置に第2着色領域を形成している。
この構成では、太陽光などの通常の可視光によって照らされる状況下では、記録紙P(記録媒体)の情報コード形成対象領域において、明色モジュールとなる位置が暗色となり、暗色モジュールとなる位置も暗色となるため、明色モジュールと暗色モジュールとが区別できなくなる。従って、太陽光などの通常の可視光によって照らされる通常時には人による情報コードCの視認を困難とすることができ、且つ一般的な読取装置(赤外光が照射不能な読取装置)による情報コードCの認識を困難とすることができる。例えば、第1実施形態のように発行券10を駐車券として利用する場合、情報コードCの内部に駐車料金の算出に用いる入庫時間の情報を記録しておき、これを精算時に読み取るようにすれば、料金精算の根拠となる情報がどの位置に存在するのかを人による直接の視認、或いは一般的な読取装置(赤外光が照射不能な読取装置)によって把握し難くすることができ、このような入庫時間の情報を改竄されにくくすることができる。
一方、赤外光(第2波長帯の照明光)が照射される時には、記録紙P(記録媒体)の情報コード形成対象領域において、明色モジュールとなる位置が明色となり、暗色モジュールとなる位置が暗色となるため、明色モジュールと暗色モジュールとが明確に区別された状態で情報コードCが表示されることになる。従って、赤外光(第2波長帯の照明光)を照射し得る特定の読取装置(図5、図6のような読取装置40等)には情報コードCの内容を読み取らせることができ、このような特定の読取装置以外に情報コードCの内容を把握させ難い秘匿性の高いシステムを構築することができる。
【0066】
特に、本実施形態の構成では、可視光を照射する照明光源を設けなくても、赤外光を照射する照明光源からの照明光によって情報コードC及び第2の情報コードCaのいずれをも読み取ることができるため、装置構成の簡素化、小型化を図ることができ、導入に伴うコストを効果的に低減することができる。
【0067】
また、システム1において、第1着色手段は第1印刷部33(第1のインク式プリンタ)を有してなり、この第1印刷部33は、可視光が照射される時に暗色の反射特性を示すと共に第2波長帯の照明光が照射される時に明色の反射特性を示す第1のインクを備え、且つ記録紙P(記録媒体)に第1のインクにて印刷を行うように構成されている。
また、第2着色手段は第2印刷部34(第2のインク式プリンタ)を有してなり、この第2印刷部34は、可視光が照射される時に暗色の反射特性を示すと共に第2波長帯の照明光が照射される時に暗色の反射特性を示す第2のインクを備え、且つ記録紙P(記録媒体)に第2のインクにて印刷を行うように構成されている。
そして、第1印刷部33(第1のインク式プリンタ)は、記録紙P(記録媒体)において情報コード形成対象領域と重なるように第1のインクによって第1着色領域を印刷しており、第2印刷部34(第2のインク式プリンタ)は、第1着色領域と重なる領域において暗色モジュールとなるべき位置に第2着色領域を印刷している。更に、第2印刷部34(第2のインク式プリンタ)により、記録紙P(記録媒体)における第1着色領域以外の領域に、入庫時間等の文字情報を印刷するように構成されている。
この構成によれば、インクジェットプリンタのみで視認困難な情報コードCと視認容易な文字情報とを形成することができる。従って、記録媒体として簡易な紙媒体などを用いることができるため媒体面で効果的にコストを削減でき、且つ装置構成の簡素化を図ることができる。なお、第1実施形態では、第2印刷部34(第2のインク式プリンタ)によって文字情報を形成していたが、第1印刷部33(第1のインク式プリンタ)によって文字情報を印刷するようにしても同様の効果を奏することができる。
【0068】
また、第1実施形態に係るシステム1では、駐車場発券機として構成される発券機101が設けられており、この発券機101は、記録紙P(記録媒体)を収容する収容部101aと、第2印刷部34(第2のインク式プリンタ)とを備えている。そして、第2印刷部34(第2のインク式プリンタ)が収容部101aに収容される記録紙P(記録媒体)に対して少なくとも入庫時間を記録した情報コードCを印刷することで、情報コードCが付された券(発行券10)を発券している。更に、店舗等の施設内において施設内装置103(施設内情報コード形成手段)が設置されており、この施設内装置103は、第2のインクによって記録紙P(記録媒体)に他の情報コードCaを形成するように構成されている。
この構成によれば、駐車場で発券された券(発行券10)において第1着色領域以外に文字情報が形成されるため当該文字情報を店舗内で視認しやすくなる。また、その券に対して施設内で他の情報コードCaを付加することができるため、発行券10(駐車券)を他の情報コードCaと関連付けて使用できるようになり、利便性をより一層高めることができる。また、施設内では通常のインクによって他の情報コードCaを付加でき、特殊な印刷装置(赤外光反応インク等の特殊なインクを用いた印刷装置など)等を備えておく必要が無いため、利便性の高いシステムを施設で導入し易くなる。
【0069】
また、本実施形態の構成では、発券手段、施設内装置のいずれにおいても、インク式のプリンタによって印刷することができるため、特殊なプリンタが不要となるというメリットに加え、記録媒体も特殊な媒体(磁気テープが付された媒体や感熱紙など)にする必要がなくなる。このように媒体の機能を抑えて簡易化を図ることで、媒体に伴うコストを効果的に低減することができ。特に、媒体については極めて多くの数が使用されることになるため、コスト削減の効果が極めて大きくなる。
【0070】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。図13は、第2実施形態に係る情報コード読取システムでの発行券の作成方法を概略的に説明する説明図である。図14(A)は、第2実施形態に係る情報コード読取システムにおいて、施設内で第2の情報コードを形成した例を示す説明図であり、図14(B)は、図14(A)の発行券を図5の読取装置により赤外光を照射して撮像した撮像画像を説明する説明図である。
【0071】
第2実施形態は、記録媒体の具体的構成、第1印刷部33の具体的構成、及び発券機101の動作のみが第1実施形態と異なり、それ以外は第1実施形態と同様である。よって、第1実施形態と同様の部分については詳細な説明は省略することとし、適宜図1〜図12を参照することとする。
【0072】
第2実施形態のシステムでは、記録紙P(記録媒体)が感熱紙として構成されており、図7に示す発券機101に設けられた第1印刷部33が、公知の感熱式プリンタとして構成され、記録紙P(感熱紙)に印字ヘッドを対向させて感熱方式で印刷を行うように構成されている。この第1印刷部33は、「第1着色手段」の一例に相当し、可視光が照射される時に暗色の反射特性を示し且つ赤外光(第2波長帯の照明光)が照射される時に明色の反射特性を示す第1着色領域を記録紙P(記録媒体)に形成するように機能している。
【0073】
一方、図7に示す第2印刷部34は第1実施形態と同様の「第2のインク式プリンタ」として構成されており、可視光が照射される時に暗色の反射特性を示すと共に赤外光(第2波長帯の照明光)が照射される時に暗色の反射特性を示すインク(第1実施形態と同様の第2のインク)を備え、且つ記録紙P(記録媒体)に当該インクにて印刷を行うように構成されている。この第2印刷部34は、「第2着色手段」の一例に相当し、可視光が照射される時に暗色の反射特性を示し且つ赤外光(第2波長帯の照明光)が照射される時に暗色の反射特性を示す第2着色領域を記録紙P(記録媒体)に形成するように機能する。なお、本実施形態では、第1印刷部33がサーマル印刷によって印刷する部分が第1着色領域に相当し、第2印刷部34がインク(第1実施形態と同様の第2のインク)によって印刷する部分が第2着色領域に相当するが、第1着色領域と第2着色領域とが重なった部分については、第2着色領域の特性が表れ、可視光が照射される時に暗色の反射特性を示し且つ赤外光(第2波長帯の照明光)が照射される時に暗色の反射特性を示すようになっている。
【0074】
ここで、第2実施形態に係る情報コード読取システムでの発行券の作成方法について説明する。
本実施形態では、図7(A)に示すような第1実施形態と同様の発券機101が用いられており、この発券機101の収容部101aにおいて、図13上段のような記録紙P(第1印刷部33及び第2印刷部34による印刷がなされていない感熱紙)が複数枚積み重なった構成、或いはロール紙の構成で収容されている。そして、図9と同様の流れで発券処理が行われるようになっている。なお、本実施形態での発券処理の流れは、S4、S5の処理の具体的内容以外は図9と同様であるので以下では図9を参照して説明することとする。
【0075】
本実施形態でも、第1実施形態と同様の方法で駐車場への来場を検出しており、駐車場への来場を検出するまでは、S1にてNoに進んで待機している。そして、駐車場への来場を検出した場合(例えば、上述したように入場ゲート105への車両の接近がセンサ等によって検知され、これが制御部31によって検出された場合、或いは発券機101の入力部37に対して所定操作があったことが制御部31によって検出された場合等)には、S1にてYesに進んで第1実施形態と同様のS2の処理を行い、その検出時の時刻を入庫時間(入庫時刻)として記憶部35に記憶する(S2)。そして、このように記憶部35に記憶された入庫時間がデータとして記録されてなる情報コードの図形データを公知の方法で生成する(S3)。このS3の処理も第1実施形態と同様である。また、S3で生成されて記録紙Pに付される情報コードCは、公知の一般的な二次元コード(QRコード(登録商標)、データマトリックスコード、マキシコード等)として構成されていてもよく、後述する変更例のような一部非公開コードとして構成されていてもよい。以下では、情報コードCが一般的なQRコードとして構成される場合を代表例とする。
【0076】
S3の後には、情報コード以外の文字、図形データを生成する(S4)。S4で生成される文字、図形データには、例えばS2で記憶された入庫時間を示す文字情報(例えば、入庫年月日及び入庫時刻を特定可能な文字情報)に加え、第1着色領域に相当するサーマル印刷領域A5の図形情報、及びその他の情報が含まれるようになっている。なお、その他の情報としては、発行券10の挿入方向を示す情報、当該発行券10を扱う駐車場名、この駐車場を管理する管理会社の会社名や連絡先の情報などが含まれるようになっている。また、S4で生成される文字、図形データのうち、入庫時間を示す文字情報はS2で記憶された内容に基づいてS4で生成されるようになっている。また、サーマル印刷領域A5の図形情報(例えば、図13下段に示すような長方形状の塗りつぶし図形情報)及びその他の情報は、予め定型化された描画データとして記憶部35に用意されており、S4ではこの定型化データを読み出している。なお、S3、S4の処理は、図9のような順序で行われてもよく、逆の順序で行われてもよい。或いは、これらの処理が同時期に行われてもよい。
【0077】
そして、S3、S4の後には、S5において印刷処理を行う。本実施形態では、第1実施形態のS5の処理に変えて、S5において第2印刷部34による印刷処理と、第1印刷部33による印刷処理とが行われるようになっている。具体的には、まず、図13の中段のように、第2のインク式プリンタに相当する第2印刷部34により第2のインクを用いた印刷処理を行う。この第2印刷部34による印刷では、図13上段のような記録紙P(感熱紙)を発券機101内の収容部101aから送り出し、S3で生成された情報コードの図形データ(具体的には暗色モジュール領域A3(第2着色領域)の図形データ)を、第2のインクによって記録紙Pの所定位置(後にサーマル印刷領域A5が形成される位置)に形成するように印刷を行う。
【0078】
さらに、S5の印刷処理では、第1印刷部33によるサーマル印刷を行う。図13下段に示すように、このサーマル印刷では、第2印刷部34によって印刷された情報コードCの領域(具体的には、図13中段のように印刷された暗色モジュール領域A3)に重なるように暗色のサーマル印刷領域A5を所定形状で印刷する。また、サーマル印刷領域A5以外の領域に、図9のS4で生成された文字、図形データ(例えば、図13下段に示す各種情報B2〜B7など)をサーマル印刷によって形成する。そして、このように第1印刷部33によってサーマル印刷領域A5及び各種情報B2〜B7のサーマル印刷を行った後には、図13下段のように形成された発行券10を送り出して図7(A)に示す発券口101cから排出することになる(S6)。
【0079】
次に、施設内装置103で行われる第2の情報コードCaの付加について説明する。
本実施形態では、第1実施形態と同一の施設内装置103が用いられており、上述のように形成された発行券10に対し、この施設内装置103によって第1実施形態と同一の第2の情報コードCa(即ち、第1実施形態と同様の割引情報が記録された情報コード)を第1実施形態と同一の方法で形成している。これにより、情報コードC及び第2の情報コードCaが付された発行券10が得られることになる。
【0080】
本実施形態では、第1着色領域に相当するサーマル印刷領域A5の範囲内において情報コードCを構成する暗色モジュール領域A3が第2着色領域として形成されることになるが、図14(A)のように、可視光が照射される通常時には、サーマル印刷領域A5及び暗色モジュール領域A3がいずれも暗色(例えば黒色)で反射特性を示すため、暗色モジュール領域A3はサーマル印刷領域A5に埋没した表示態様となる。従って、第1実施形態と同様の効果を奏することとなり、太陽光などの通常の可視光によって照らされる通常時には人による情報コードCの視認を困難とすることができ、且つ一般的な読取装置(赤外光が照射不能な読取装置)による情報コードCの認識を困難とすることができる。
【0081】
次に、精算機102で行われる精算処理について説明する。
本実施形態では、第1実施形態と同一の構成をなす精算機102によって第1実施形態と同様の流れ(図12参照)で精算処理が行われるようになっている。従って、精算処理については図12を参照しつつ説明する。
【0082】
本実施形態で行われる精算処理でも、第1実施形態と同様のS11の処理を行った後、S12の処理において、図5、図6のような読取装置40によって発行券10(図14(A))の撮像(即ち赤外光を照射した状態での撮像)が行われ、図14(B)のような撮像画像が得られるようになっている。
【0083】
本実施形態で発行される発行券10では、暗色モジュール(暗色セル)の領域A3がサーマル印刷された領域(サーマル印刷領域A5)と重なった構成となっている。また、情報コードCの内部領域において、明色モジュール(明色セル)の領域A4は第2のインクが付されずにサーマル印刷された領域(サーマル印刷領域A5)のみによって構成されている。また、情報コードCの周囲の背景領域A2も第2のインクが付されずにサーマル印刷された領域(サーマル印刷領域A5)のみによって構成されている。更に、各種情報B2〜B7もサーマル印刷された領域として構成される。従って、図5、図6のような読取装置40によって赤外光を照射しつつ撮像した場合には、図14(B)に示す撮像画像のように、第2のインクが付されずにサーマル印刷のみによって構成された領域が消えた状態若しくは薄くなった状態となり、特に、情報コード形成対象領域(情報コードCが形成される領域)では、明色モジュールとなる位置が明色となり、暗色モジュールとなる位置が暗色となるため、暗色モジュールの領域A3が明色モジュールの領域A4及び背景領域A2と区別されるように浮かび上がることになる。従って、図14(B)に示す撮像画像では、情報コードCの部分において各暗色モジュール及び各明色モジュールの位置を特定することができ、図12のS13では、このように特定される各暗色モジュール及び各明色モジュールの位置に基づいて情報コードCを解読することができる。
【0084】
また、第2の情報コードCaについては、図14(A)に示す通常時でも、図14(B)のように赤外光が照射されているときでも、明色モジュールが明色の反射特性を示し、暗色モジュールが暗色の反射特性を示すことになるため、S12で得られた撮像画像において各暗色モジュール及び各明色モジュールを区別して認識でき、各暗色モジュール及び各明色モジュールの位置を特定することができる。従って、S13では、このように特定される各暗色モジュール及び各明色モジュールの位置に基づいて第2の情報コードCaも解読することができる。なお、図12に示す精算処理のうち、S14以降の処理については第1実施形態と同一であるので詳細な説明は省略する。
【0085】
(第2実施形態の主な効果)
本実施形態でも第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、本実施形態では、感熱式プリンタに相当する第1印刷部33が、感熱紙として構成される記録紙P(記録媒体)において情報コード形成対象領域(情報コードCが形成されるべき領域)と重なるように所定形状のサーマル印刷領域A5(第1着色領域)を印刷し、第2のインク式プリンタに相当する第2印刷部34は、このサーマル印刷領域A5(第1着色領域)と重なる領域において暗色モジュールとなるべき位置に第2着色領域を印刷している。また、第1印刷部33は、記録紙P(記録媒体)における第1着色領域以外の領域に文字情報(B5に示す入庫時間情報など)を印刷している。
この構成によれば、サーマル印刷領域A5などの第1着色領域の印刷を感熱方式で行うことができるため、インク等の消耗品を低減することができ、印刷コストを下げることができる。また、サーマル印刷領域A5などの第1着色領域を形成するためにインクを準備しておく必要が無いため、そのための収容スペースを削減することができ、特に発券機101などの小型化、簡素化、低コスト化を図ることができる。更に、第1印刷部33にインクを補充する必要が無くなるため、このようなインク補充のための労力を軽減することができ、メンテナンスの容易化、省力化を図ることができる。
【0086】
また、本実施形態の発券手段では、図13の中段に示すように情報コードCの部分を形成する際にはインク(第2のインク)を用いた印刷を行い、情報コードCの部分に重ねる領域(サーマル印刷領域A5)、及び情報B2〜B7(情報コードCの部分に重ねるべきサーマル印刷領域A5の外部に配置される文字情報や図形情報)についてはサーマル印刷を行っている。このようにすると、発券時に必要なインクの量を極力抑えることができるため、インクの消費量の低減を図り、ランニングコストを抑制することができる。
【0087】
なお、第2実施形態に係る上述の代表例では、施設内装置103を第1実施形態と同様に構成し、第1実施形態と同様の方法で第2の情報コードCaを付していたが、このようにせず、例えば施設内装置103の印刷部53をサーマルプリンタとして構成し、このようなサーマルプリンタによって第1実施形態と同様の第2の情報コードを形成するようにしてもよい。このようにすると、施設内装置103においてもインク等の消耗品を低減することができ、印刷コストを下げることができる。また、施設内装置103にインクを準備しておく必要が無いため、そのための収容スペースを削減することができ、施設内装置103の小型化、簡素化、低コスト化を図ることができる。また、施設内装置103にインクを補充する必要が無くなるため、このようなインク補充のための労力を軽減することができ、メンテナンスの容易化、省力化を図ることができる。
この場合、印刷部53は、「施設内サーマルプリンタ」の一例に相当し、発行券10を保持しつつ当該発行券10に対して感熱方式で印刷を行うことで記録紙P(記録媒体)に他の情報コードCaを形成するように機能する。
【0088】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明する。
図15は、第3実施形態に係る情報コード読取システムでの発行券の作成方法を概略的に説明する説明図である。図16は、第3実施形態に係る情報コード読取システムにおいて、施設内で第2の情報コードを形成した例を示す説明図である。図17は、第3実施形態に係る情報コード読取システムの一部をなす情報コード読取装置を概略的に例示するブロック図である。図18は、図17の情報コード読取装置の要部を概略的に例示するブロック図である。図19(A)は、図16の発行券に対して可視光を照射して撮像した撮像画像を説明する説明図である。図19(B)は、図16の発行券に対して赤外光を照射して撮像した撮像画像を説明する説明図である。図20は、第3実施形態に係る情報コード読取システムにおいて精算機で行われる精算処理の流れを例示するフローチャートである。
【0089】
第3実施形態は、記録紙Pへの記録方法、記録紙Pに記録する記録内容、精算処理の方法が第2実施形態と異なり、それ以外(ハードウェア構成等)は第2実施形態と同様である。よって、第2実施形態と同様の部分については第1、第2実施形態と同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。また、適宜図1〜図12を参照することとする。
【0090】
第3実施形態のシステムでも、記録紙P(記録媒体)が感熱紙として構成されており、図7に示す発券機101に設けられた第1印刷部33が、感熱式プリンタとして構成され、記録紙P(感熱紙)に印字ヘッドを対向させて感熱方式で印刷を行うように構成されている。この第1印刷部33は、「第1着色手段」の一例に相当し、可視光が照射される時に暗色の反射特性を示し且つ赤外光(第2波長帯の照明光)が照射される時に明色の反射特性を示す第1着色領域(サーマル印刷領域A5等)を記録紙P(記録媒体)に形成するように機能している。
【0091】
一方、図7に示す第2印刷部34は第1実施形態と同様の「第2のインク式プリンタ」として構成されており、可視光が照射される時に暗色の反射特性を示すと共に赤外光(第2波長帯の照明光)が照射される時に暗色の反射特性を示すインク(第1実施形態と同様の第2のインク)を備え、且つ記録紙P(記録媒体)に当該インクにて印刷を行うように構成されている。この第2印刷部34は、「第2着色手段」の一例に相当し、可視光が照射される時に暗色の反射特性を示し且つ赤外光(第2波長帯の照明光)が照射される時に暗色の反射特性を示す第2着色領域を記録紙P(記録媒体)に形成するように機能する。
本実施形態でも、第1印刷部33がサーマル印刷によって印刷する部分が第1着色領域に相当し、第2印刷部34がインク(第1実施形態と同様の第2のインク)によって印刷する部分が第2着色領域に相当するが、第1着色領域と第2着色領域とが重なった部分については、第2着色領域の特性が表れ、可視光が照射される時に暗色の反射特性を示し且つ赤外光(第2波長帯の照明光)が照射される時に暗色の反射特性を示すようになっている。
【0092】
ここで、第3実施形態に係る情報コード読取システムでの発行券の作成方法について説明する。
本実施形態では、図7(A)に示すような第1実施形態と同様の発券機101が用いられており、この発券機101の収容部101aにおいて、図15上段のような記録紙P(第1印刷部33及び第2印刷部34による印刷がなされていない感熱紙)が複数枚積み重なった構成、或いはロール紙の構成で収容されている。そして、図9と同様の流れで発券処理が行われるようになっている。なお、本実施形態での発券処理の流れは、S3〜S5の処理の具体的内容以外は図9と同様であるので以下では図9を参照して説明することとする。
【0093】
本実施形態でも、第1実施形態と同様の方法で駐車場への来場を検出しており、駐車場への来場を検出するまでは、図9のS1にてNoに進んで待機している。そして、駐車場への来場を検出した場合(例えば、上述したように入場ゲート105への車両の接近がセンサ等によって検知され、これが制御部31によって検出された場合、或いは発券機101の入力部37に対して所定操作があったことが制御部31によって検出された場合等)には、S1にてYesに進んで第1実施形態と同様のS2の処理を行い、その検出時の時刻を入庫時間(入庫時刻)として記憶部35に記憶する(S2)。
【0094】
図9におけるS2の処理の後には、情報コードを生成する処理を行う(S3)。本実施形態のS3では、所定条件で生成された秘匿情報をデータとして記録してなる情報コードCの図形データを公知の方法で生成する。更に、S2で記憶部35に記憶された入庫時間がデータとして記録されてなる情報コードCbの図形データを公知の方法で生成する。情報コードCに記録する秘匿情報は、例えば、これとは別の情報コードCbに記録されたデータと紐付けられた情報とすることができる。以下では、情報コードCbに記録される「入庫時間」と同一のデータが「秘匿情報」として情報コードCに記録された例を代表例として説明する。この代表例では、正規に付された情報コードC、Cbのそれぞれから共通の情報(入庫時間のデータ)を読み出すことができる。
【0095】
なお、S3で生成されて記録紙Pに付される情報コードC、Cb(図15)は、公知の一般的な二次元コード(QRコード(登録商標)、データマトリックスコード、マキシコード等)として構成されていてもよく、後述する変更例のような一部非公開コードとして構成されていてもよい。以下では、これら情報コードC、Cbが一般的なQRコードとして構成される場合を代表例とする。
【0096】
図9のS3の後には、更に、情報コード以外の文字、図形データを生成する(S4)。S4で生成される文字、図形データには、例えばS2で記憶された入庫時間を示す文字情報(例えば、入庫年月日及び入庫時刻を特定可能な文字情報)、第1着色領域に相当するサーマル印刷領域A5の図形情報、及びその他の情報が含まれるようになっている。なお、その他の情報としては、発行券10の挿入方向を示す情報、当該発行券10を扱う駐車場名、この駐車場を管理する管理会社の会社名や連絡先の情報などが含まれるようになっている。S4で生成される文字、図形データのうち、入庫時間を示す文字情報はS2で記憶された内容に基づいてS4で生成されるようになっている。また、サーマル印刷領域A5の図形情報及びその他の情報は、予め定型化された描画データとして記憶部35に用意されており、S4ではこの定型化データを読み出している。なお、S3、S4の処理は、図9のような順序で行われてもよく、逆の順序で行われてもよい。或いは、これらの処理が同時期に行われてもよい。
【0097】
そして、S3、S4の後には、S5において印刷処理を行う。この印刷処理では、第1実施形態のS5の処理に変えて、第2のインク式プリンタに相当する第2印刷部34(図7(A))による印刷処理と、感熱式プリンタに相当する第1印刷部33(図7(A))による印刷処理とが行われるようになっている。このS5の処理では、まず、図15上段のような記録紙P(感熱紙)を発券機101内の収容部101aから送り出し、図15中段のように第2印刷部34により第2のインクを用いて情報コードCを印刷処理を行う。具体的には、S3で生成された秘匿情報(ここでは情報コードCbと共通に記録される入庫時間)を記録した情報コードCの図形データ(具体的には暗色モジュール領域A3(第2着色領域)の図形データ)を、第2のインクによって記録紙Pの所定位置(後述するサーマル印刷領域A5と重なる位置)に形成するように印刷を行う。
【0098】
さらに、S5の印刷処理では、第1印刷部33によるサーマル印刷を行う。図15下段に示すように、このサーマル印刷では、第2印刷部34によって図15中段のように形成された情報コードCの図形(即ち暗色モジュール領域A3)に重なるように暗色のサーマル印刷領域A5を所定形状で形成する。図15下段では、長方形状の塗りつぶし領域として構成されるサーマル印刷領域A5を情報コードCの領域全体と重なるように印刷している。また、長方形状のサーマル印刷領域A5以外の領域には、S3で生成されたもう一つの情報コードCb(即ち、S2で得られた入庫時間が記録された情報コード)の図形や、図9のS4で生成された文字、図形データ(例えば、図15下段に示す各種情報B2〜B7など)をサーマル印刷によって形成する。そして、このように第1印刷部33によってサーマル印刷を行った後には、図15下段のように形成された発行券10を送り出して図7(A)に示す発券口101cから排出することになる。
【0099】
次に、施設内装置103で行われる第2の情報コードCaの付加について説明する。
本実施形態では、第1実施形態と同様の施設内装置103が用いられているため、以下では、図7(B)を参照して説明する。本実施形態で用いられる施設内装置103は、印刷部53がサーマルプリンタとして構成されている点が第1実施形態と異なっている。
本実施形態でも、図15下段のように発行された発行券10に対して、第1実施形態と同様の方法で、第1実施形態と同様の内容、形状の第2の情報コードCa(割引情報を記録した情報コード)を付している。具体的には、利用者によって図15下段のような発行券10が持参されて施設内装置103の所定位置にセットされたときに、サーマルプリンタとして構成される印刷部53により、第1実施形態と同様の割引情報を記録してなる情報コードCaを図16のように発行券10の所定位置に印刷している。
この場合、印刷部53は、「施設内サーマルプリンタ」の一例に相当し、発行券10を保持しつつ当該発行券10に対して感熱方式で印刷を行うことで当該発行券10を構成する記録紙P(記録媒体)に他の情報コードCaを形成するように機能する。
【0100】
次に、精算機102で行われる精算処理について説明する。
本実施形態で用いられる精算機102は、読取装置40の構成が図17、図18のような構成となっている。このような読取装置40を主要素とする精算機102によって図20のような流れで精算処理を行っている。この図20の精算処理において、S31の処理は、第1実施形態の精算処理のS11(図12)と同様であり、発行券10(駐車券)の挿入を検知するセンサ(例えば、近接センサ等)からの検知信号を検出するまではS31の処理を行い、検知信号を検出したときにS32の処理を行っている。
【0101】
S31の後のS32〜S35の処理では、発行券10の撮像及び情報コードの解読処理を行っている。ここで、図17、図18に示す読取装置40を説明すると、この読取装置40は、第1実施形態の読取装置40(図5、図6)に、第1照明光源43を付加した構成となっている。また、第2照明光源44は、第1実施形態の照明光源44(図5、図6)と同一の構成となっている。このように構成される読取装置40では、S31の処理が終わるまでは第1照明光源43及び第2照明光源44をいずれも消灯しており、S31の処理が終わった後に、第1照明光源43を点灯し、第2照明光源44を消灯した状態(即ち、可視光を積極的に照射し、赤外光を積極的に照射しない状態)で発行券10を撮像する処理を行う(S32)。このように可視光を積極的に照射し、赤外光を積極的に照射しない状態で発行券10を撮像した場合には、上述の第2のインク(第2印刷部34で用いられる暗色インク)で印刷された領域、及びサーマル印刷で印刷された領域のいずれもが暗色を示すようになり、図19(A)のような撮像画像が得られる。そして、この撮像画像内に現れる情報コードCb、Caを公知のデコード方法で解読する(S33)。図19(A)の例では、サーマル印刷領域A5の外部に設けられた情報コードCb、Caが解読されることになる。サーマル印刷領域A5の内部領域に存在する情報コードC(図15中段参照)は、サーマル印刷領域A5に埋没した構成となるため、解読がなされない。
【0102】
S33の後には、第1照明光源43を消灯し、第2照明光源44を点灯した状態(即ち、可視光を積極的に照射せず、赤外光を積極的に照射した状態)で発行券10を撮像する処理を行う(S34)。このように可視光を積極的に照射せず、赤外光を積極的に照射した状態で発行券10を撮像した場合には、サーマル印刷によって形成された着色領域が透明状態或いは透明性の高い状態となり、図19(B)のようにサーマル印刷のみによって形成された領域が消えた状態或いは薄くなった状態の撮像画像が得られる。そして、この撮像画像内に含まれる情報コードCを公知のデコード方法で解読する(S35)。図19(B)の例では、サーマル印刷領域A5の内部に設けられた情報コードC、Cが現れ、これらが解読されることになる。一方、サーマル印刷領域A5の外部に設けられた情報コードCb、Caは、サーマル印刷によって形成された暗色モジュールの部分が透明状態或いは透明性の高い状態となり、コード全体が消えた状態或いは薄くなった状態となるため、解読がなされない。
【0103】
そして、S35の解読処理の後には、S33、S35のいずれの解読処理も成功しているか否かを判断し、いずれかが失敗している場合には、S36にてNoに進む。本実施形態では、解読の失敗回数(S36でNoと判断される回数)をカウントしており、S36にてNoに進む場合には、解読の失敗回数(即ち、S36でNoと判断される回数)が予め設定された規定回数に達したか否かを判断し、達していない場合にはS37でNoに進む。S37でNoに進む場合には、S32以降の処理を繰り返す。一方、S37において解読の失敗回数が規定回数に達していると判断される場合には、S37にてYesに進み、駐車券を返却して当該処理を終了する(S38)。
【0104】
S33、S35での解読処理がいずれも成功していると判断される場合には、S36にてYesに進み、それらの解読結果に基づいて認証処理を行う(S39)。このS39での認証処理では、例えば、S33で得られた情報コードの個数、及びS35で得られた情報コードの個数がそれぞれ正常な個数であるか否かを判断することで認証の可否を判断している。本実施形態では、図19(A)のように可視光が照射された時に認識されるべき情報コード(即ち、サーマル印刷領域A5の外側に配置される情報コード)の個数が「2」となっている。従って、S39では、まずS33で解読された情報コードの個数がこの正常個数である「2」と一致するか否かを判断する。また、本実施形態では、図19(B)のように赤外光が照射された時に認識されるべき情報コード(即ち、第2のインクによって印刷された情報コード)の個数が「2」となっている。従って、S39では、S35で解読された情報コードの個数が正常個数である「2」と一致するか否かを判断する。そして、S33、S35で得られた情報コードの個数がいずれも正常個数と一致している場合には、認証成功とする。逆にS33で解読された情報コードの個数がS33で得られるべき正常個数(ここでは「2」)と一致していない場合、又は、S35で解読された情報コードの個数がS35で得られるべき規定個数(ここでは「2」)と一致していない場合には認証失敗とする。S40ではこのような認証の成否を判断しており、上記のように認証が失敗した場合にはNoに進み、認証が成功した場合にはYesに進むことになる。
【0105】
このような認証方法を用いているため、例えば、入庫時間を記録した情報コードCbが通常のインク(赤外光反応式ではないインク)で印刷された情報コードに貼り替えられた場合には、S35で解読される情報コードの個数が「3」となり、正常個数である「2」と一致しなくなる。即ち、通常のインクは赤外光が照射されたときに反転しないため、上記のように情報コードCbが通常のインクで印刷された情報コードに貼り替えられた場合、S34での赤外光の照射時にサーマル印刷領域A5の内部に設けられた2個の情報コードCが読取可能な状態になるのに加え、張り替えられた情報コードCbが反転せずに読取可能な状態でそのまま残ることになり、S35で解読される情報コードの個数は「3」となる。従って、S35で解読される情報コードの個数と正常個数である「2」とが一致しなくなり、このような改竄をより確実に発見して、不正利用を効果的に防ぐことができる。
【0106】
また、S39の認証処理では、上記のようにS33、S35のそれぞれで得られた情報コードの個数がそれぞれで得られるべき正規個数と一致するか否かを判断する処理を行った上で、更に、S33で得られた情報コードCbの解読内容が、S35で得られた情報コードの解読内容に対応しているか否かを判断する処理を行うようにしてもよい。上述したように、サーマル印刷領域A5に隠される情報コードCには、サーマル印刷領域A5の外部に配置される情報コードCbと同一の入庫時間が記録されているため、S39の認証処理では、S33の処理で情報コードCbから得られる「入庫時間」のデータと、S35の処理で情報コードCから得られる「入庫時間」のデータとが一致しているか否かを判断すればよい。この場合、S39の認証処理では、S33で得られた情報コードの個数がS33で得られるべき正常個数(ここでは「2」)と一致していない場合、S35で得られた情報コードの個数がS35で得られるべき規定個数(ここでは「2」)と一致していない場合、及びS33の処理で情報コードCbから得られる「入庫時間」のデータとS35の処理で情報コードCから得られる「入庫時間」のデータとが一致していない場合、のいずれかの場合には認証失敗となり、S40にてNoに進むことになる。そうでない場合には認証成功となり、S40にてYesに進むことになる。
【0107】
S40で認証の成否を判断した後、認証が成功したと判断された場合には、S41以降の処理を行うことになる。S41〜S45の処理は、第1実施形態のS17〜S21(図12)と同様である。なお、第1実施形態では、S18で料金の算出に用いる「入庫時間」として、情報コードCに記録された情報を用いていたが、本実施形態では、情報コードCbに記録された情報を用いてS42の算出処理(図12のS18と同様の算出処理)を行えばよい。
【0108】
なお、本実施形態では、S39、S40の処理を行う制御部41が「真偽判定手段」の一例に相当し、第1照明光源43(可視光照射手段)によって可視光が照射されたときの発行券10の撮像画像と、第2照明光源44(照明手段)によって赤外光(第2波長帯の照明光)が照射されたときの発行券10の撮像画像とに基づいて当該発行券10の真偽を判定するように機能する。
上記「真偽判定手段」は、具体的には、第1照明光源43(可視光照射手段)によって可視光が照射されたときに発行券10の撮像画像から得られる情報コードの個数が正規個数と一致しているか否か、及び第2照明光源44(照明手段)によって赤外光(第2波長帯の照明光)が照射されたときの発行券10の撮像画像から得られる情報コードの個数が正規個数と一致しているか否かに基づいて当該発行券10の真偽を判定するように機能している。
また、上記「真偽判定手段」は、具体的には、第1照明光源43(可視光照射手段)によって可視光が照射されたときに発行券10の撮像画像から得られる情報コード(情報コードCb)に記録されたデータ(例えば、入庫時間のデータ)と、第2照明光源44(照明手段)によって赤外光(第2波長帯の照明光)が照射されたときの発行券10の撮像画像から得られる情報コード(情報コードC)に記録されたデータとが一致しているか否かに基づいて当該発行券10の真偽を判定するように機能している。
【0109】
なお、上述した例では、情報コードCの記録内容の一例及び認証方法の一例を示したが、情報コードC、Cbの記録内容やS39での認証方法を変更してもよい。例えば、図15中段で示す情報コードC、及び図15下段に示す情報コードCbにおいて入庫時間とは異なる共通の暗証番号を記録しておくようにしてもよい。そして、S39の認証処理では、S33,S35で得られた情報コードの個数がそれぞれ正常個数であるか否かを判断するのに加え、情報コードCに記録された暗証番号と情報コードCbに記録された暗証番号とが一致するか否かを判断するようにしてもよい。そして、少なくとも情報コードCに記録された暗証番号と情報コードCbに記録された暗証番号とが一致しない場合に認証失敗と判断するようにしてもよい。
【0110】
また、情報コードCに記録される秘匿情報として、精算機102に予め登録された暗証番号を記録するようにしてもよい。この場合、S39の認証処理では、S33,S35で得られた情報コードの個数がそれぞれ正常個数であるか否かを判断するのに加え、情報コードCに記録された暗証番号が精算機102に登録された暗証番号と一致するか否かを判断するようにしてもよい。そして、少なくとも情報コードCに記録された暗証番号が精算機102に登録された暗証番号と一致しない場合に認証失敗と判断するようにしてもよい。
【0111】
(第3実施形態の主な効果)
本実施形態でも、第1、第2実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、本実施形態に係るシステムでは、情報コード読取装置40において、第2照明光源44(照明手段)によって赤外光(第2波長帯の照明光)が照射される時期とは異なる時期に可視光を照射可能な第1照明光源43(可視光照射手段)が設けられており、撮像部42(撮像手段)は、発行券10に対し第1照明光源43(可視光照射手段)によって可視光が照射されたときの発行券10の画像と、発行券10に対し第2照明光源44(照明手段)によって第2波長帯の照明光が照射されたときの発行券10の画像とを撮像するように構成されている。
更に、第1照明光源43(可視光照射手段)によって可視光が照射されたときの発行券10の撮像画像と、第2照明光源44(照明手段)によって赤外光(第2波長帯の照明光)が照射されたときの発行券10の撮像画像とに基づいて当該発行券の真偽を判定する真偽判定手段が設けられている。
この構成によれば、可視光が照射されたときにのみ読取可能なコードの内容と、赤外光(第2波長帯の照明光)が照射されたときにのみ読取可能な情報コードの内容とに基づいてより確実に真偽判定を行うことができる。従って、例えば赤外光の照射時には読取不能となり通常時に視認、読取可能となるようなコード(情報コード)の改竄を防止することができ、セキュリティ面を一層強化することができる。例えば、第三者が、発行券10に付されたコードが特殊コード(赤外光の照射時には読取不能となり通常時に視認、読取可能となるようなコード)であることを知らずに当該コードを通常のインクで印刷したコードに不正に貼り替えたとしても、このような不正をより確実に発見できるようになる。
【0112】
なお、第3実施形態の上記代表例では、秘匿情報を記録した情報コードCをS5の処理にて印刷していたが、情報コードCに記録する秘匿情報を上述の暗証番号として構成する場合には、このような情報コードCを第1印刷部33により、事前に(即ち、駐車場の来場が検出される時よりも前の時期に)、所定位置に形成しておくようにしてもよい。このようにすると、発券時の処理時間(情報コードCを生成、印刷する時間)を短縮することができる。
【0113】
また、図7(A)の例では、発券機101の内部に第1印刷部33が設けられていたが、情報コードCに記録する秘匿情報を上述の暗証番号として構成する場合には、このような印刷部(第1印刷部33と同様の印刷部)を発券機101の外部において当該発券機101とは独立したプリンタとして設けておいてもよい。この場合、発券機101の外部に設けられた当該印刷部(第1印刷部33と同様の印刷部)により、図15中段のような情報コードCが印刷された記録紙)を、複数枚分割された紙として、或いは連続したロール紙等として形成しておき、これを収容部101aに収容させておいてもよい。このようにすると、第1印刷部33や第1のインクを発券機101に設けずに済むため、発券機101の簡素化、小型化を図ることができる。なお、この場合、発券機101と外部に設けられた上記印刷部(第1印刷部33と同様の印刷部)とが「発券手段」に相当することになる。
【0114】
また、第3実施形態の上記代表例では、第1印刷部33をサーマルプリンタとして構成していたが、第1印刷部33を第1実施形態と同様の第1印刷部(第1のインクによって印刷を行う印刷部)として構成してもよい。また、施設内装置103に設けられた印刷部53を、第1実施形態の第1印刷部と同様の印刷部(第1のインクによって印刷を行う印刷部)として構成し、これにより情報コードCaを印刷するようにしてもよい。
【0115】
[第4実施形態]
次に、第4実施形態について説明する。
図21は、第4実施形態に係る情報コード読取システムで用いられる情報コード(一部非公開コード)の構成を概略的に説明する説明図である。図22(A)は、図21の一部非公開コードのデータ構成を例示する説明図であり、図22(B)は、公開領域に記録する開示データを例示する説明図であり、図22(C)は、非公開領域に記録する暗号データを例示する説明図である。図23は、第4実施形態に係る情報コード読取システムで行われる精算処理における情報コード(一部非公開コード)の解読処理の流れを例示するフローチャートである。
【0116】
第4実施形態では、図15中段のように記録される情報コードCとして、暗号化されたデータが一部領域に記録されてなるコード(一部非公開コード)が用いられている点、及びS39(図20)での認証処理の具体的方法のみが第3実施形態と異なっている。よって、以下では、情報コードCの具体的構成、及び認証処理について詳述することとし、第3実施形態と同様の点については、第3実施形態と同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。また、第3実施形態と同様の構成等については、適宜図1〜図12、図15〜図20を参照することとする。
【0117】
第4実施形態で用いられる情報コードC(一部非公開コード)は、図21のように、所定の暗号化キーに基づいて暗号化された暗号データが記録された非公開領域Cyと、暗号化キーによって暗号化されていない公開データが記録された公開領域Cxとを備えた構成となっており、このコードを読み取ろうとする読取装置内に暗号化キーに対応する解読キーが存在する場合にのみ非公開領域Cyの解読を行うことができるようになっている。また、一部非公開コードCの公開領域Cxは、解読キーを有さない読取装置によっても読み取りが可能な領域として構成されている。なお、図21の図示はあくまで概念的に示すものであり、公開領域、非公開領域、誤り訂正領域(誤り訂正用のデータが記録される領域)の配置は様々とすることができる。また、公開領域、非公開領域、誤り訂正領域は、具体的には明色セル及び暗色セルが配列されており、一部非公開コードC全体としては、見た目には例えば一般的なQRコード(登録商標)と同様の図形として見えるようになっている。
【0118】
本実施形態の代表例では、第3実施形態の代表例と同様に、情報コードCに記録される「秘匿情報」として、情報コードCb(図15下段)に記録された入庫時間と同一の入庫時間が記録された例を説明することとし、このような「入庫時間」の情報が上述の非公開領域Cyにおいて暗号化された状態で記録されるようになっている。なお、非公開データの暗号化については、例えば公知の共通鍵暗号方式を用いており、本実施形態では、この非公開領域Cyのデータを暗号化するときの暗号化キーと同一の解読キーが読取装置40に記憶されている。また、非公開領域Cyのデータを暗号化するときの暗号化アルゴリズムに対応する解読アルゴリズムが読取装置40に記憶されており、非公開領域Cyの暗号化データについては上記解読キー及び上記解読アルゴリズムを用いて読取装置40で解読できるようになっている。なお、公開領域Cxに記録するデータは特に限定されるものではない。
【0119】
一部領域を非公開領域(暗号化キーに対応する解読キーの取得を条件として読み取り可能な領域)とし、他の領域を公開領域(暗号化キーに対応する解読キーを用いずに読み取り可能な領域)とする一部非公開コードの生成方法や生成される一部非公開コードの具体的構成としては、例えば、特開2009−9547公報、特開2008−299422公報などに開示された技術を好適に用いることができる。図22(A)には、これら公報の技術を用いた場合の一部非公開コードのデータ構成を例示しており、このうち、「開示コード」は、図22(B)のような各開示データ(各公開データ)をJISの基本仕様(JISX0510:2004)に従って符号化したものである。また、「秘匿コード」は、図22(C)のような各暗号データ(上述の秘匿情報(代表例では情報コードCbの記録内容と同一の入庫時間)等の各非公開データを暗号化した各暗号データ)をJISの基本仕様(JISX0510:2004)に従って符号化したものである。
【0120】
なお、特開2009−9547公報、特開2008−299422公報に示す方法では、非公開領域に記録される秘匿コード内に復号キーや復号キーを特定しうる復号キー検査データを含ませた例も示しているが、図22(B)の例では、非公開領域内に復号キーや復号キー検査データを含ませないようにしている。また、一部非公開コードの生成方法や生成される一部非公開コードの具体的構成はこの例に限られるものではなく、一部領域に暗号化データを記録し、他の領域に非暗号化データを記録した二次元コードを生成可能な方法であれば、これら公報に記載された方法以外の方法で生成されていてもよい。
【0121】
そして、第4実施形態でも、第3実施形態と同一の発券機101(図7(A))により、第3実施形態と同様の流れ(図9)で発行券10が生成されるようになっている。この第4実施形態では、情報コードCの具体的内部構造のみが第3実施形態と異なるだけで、発行券10が生成方法は第3実施形態と同様である。従って、S3の処理において、上述のような情報コードC(一部非公開コード)を生成した後に、S5の処理において、第2印刷部34により、このような情報コードCの図形データを、第2のインクによって記録紙Pの所定位置(サーマル印刷領域A5と重なる位置)に形成するように印刷を行う。さらに、S5の印刷処理では、第3実施形態と同様に、第1印刷部33によるサーマル印刷を行う。図15下段に示すように、このサーマル印刷では、第2印刷部34によって図15中段のように形成された情報コードCの図形(即ち暗色モジュール領域A3)に重なるように暗色のサーマル印刷領域A5を所定形状で形成する。また、長方形状のサーマル印刷領域A5以外の領域には、S3で生成されたもう一つの情報コードCb(即ち、非公開領域Cyに記録された入庫時間と同一の入庫時間(S2で得られた入庫時間)が記録された情報コード)の図形や、図9のS4で生成された文字、図形データ(例えば、図15下段に示す各種情報B2〜B7など)をサーマル印刷によって形成することになる。
【0122】
次に、本実施形態で行われる精算処理について説明する。
本実施形態で用いられる精算機102は、第3実施形態と同一の構成(図17、図18)となっており、第3実施形態と同様、図20の流れで精算処理が行われるようになっている。但し、図20の精算処理において、S35での情報コードCの具体的解読方法、及びS39での具体的認証処理のみが第3実施形態と異なっており、以下ではこの点を詳述する。なお、S35、S39以外の処理については、第3実施形態と同一である。
【0123】
本実施形態では、S35において情報コードCの解読を行う際に、図23のような流れで解読処理が行われる。この解読処理の基本的な流れは、特開2009−9547公報、特開2008−299422公報などに開示された方法と同様であり、まず、S51に示すように、公開領域のデコードを行う。公開領域については例えば一般的なQRコードと同様のデータ構成となっており、暗号化されていないデータが記録されているため、S51ではこのようなデータを公知の方法でデコードする。図22(A)に示すように、公開領域のデータはコード領域内において決められた順序で配列されるようになっており、公開領域のデータの終わりには予め定められた終端子が付されるようになっている。従って、S51では、コード領域内に記録された公開領域のデータを先頭のデータから順に解読し、終端子を検出するまで解読する。
【0124】
図23のS51の処理の後には、公開領域のデコードが成功したか否かを判断する。公開領域のデコードが失敗した場合には、S52にてNoに進み、デコード失敗と判定する(S57)。一方、公開領域のデコードが成功し、終端子のデータを検出した場合には、S52にてYesに進み、S53において、秘匿識別子が存在するか否かを判断する。本実施形態の一部非公開コードでは、図22(A)のようなデータ順序において終端子の直後に秘匿識別子が配されるようになっており、S53ではこのような秘匿識別子が存在するか否かを判断する。例えば一般的なQRコードでは、終端子の後にはデータが存在せず、このような秘匿識別子が存在しないため、読取対象となる情報コードがこのような一般的な情報コードの場合にはS53にてNoに進み、当該処理を終了することになる。なお、この場合、公開領域のデコードは成功しているため、デコードは成功と判定されることになるが、非公開領域のデータは得られないことになる。
【0125】
図23のS53において秘匿識別子が存在すると判断された場合には、S53にてYesに進み、読取装置40において予め記憶された暗号化キー(解読キー)を読み出す(S54)。上述したように、読取装置40には、発券機101において非公開領域Cyのデータの暗号化に用いた暗号化キーと同一の暗号化キー(解読キー)が記憶されており、S54ではこのような暗号化キー(解読キー)を読み出すことになる。そして、S54で読み出した暗号化キーと、予め記憶された解読アルゴリズム(発券機101において非公開領域Cyのデータの暗号化に用いた暗号化アルゴリズムに対応するものであり、非公開領域Cyの暗号化データを解読するためのアルゴリズム)とを用い、非公開領域Cyのデータをデコードする(S55)。そして、非公開領域Cyのデコードが成功したか否かを判断し、デコードが成功した場合には、S55にてYesに進み、非公開領域Cyのデコード結果(即ち、秘匿情報のデータ)を記憶部45に記憶しておく(S56)。一方、非公開領域Cyのデコードが失敗した場合にはS55にてNoに進む。
【0126】
図20の精算処理では、このようにして情報コードCの解読処理(S35)を行った後、S36で解読が成功したと判断された場合に、S39の認証処理を行う。S39では、第3実施形態と同様の方法により、S33、S35のそれぞれで得られた情報コードの個数がそれぞれで得られるべき正規個数と一致するか否かを判断する処理を行う。更に、S33で得られた情報コードCbの解読内容が、S35で得られた情報コードCの解読内容に対応しているか否かを判断する。具体的には、情報コードCの非公開領域Cyから得られたS56(図23)のデータにおいて、S33の処理で情報コードCbから得られた「入庫時間」と一致するデータが含まれているか否を判断する。この場合、S39の認証処理では、S33で得られた情報コードの個数がS33で得られるべき正常個数(ここでは「2」)と一致していない場合、S35で得られた情報コードの個数がS35で得られるべき正常個数(ここでは「2」)と一致していない場合、及びS33の処理で情報コードCbから得られる「入庫時間」のデータとS56(図23)の処理で情報コードCから得られる「入庫時間」のデータとが一致していない場合、のいずれかの場合には認証失敗となり、S40にてNoに進むことになる。そうでない場合には認証成功となり、S40にてYesに進むことになる。なお、認証成功と判断した場合のS41以降の処理は第3実施形態と同一である。
【0127】
なお、上記代表例では、情報コードCに記録する「秘匿情報」として情報コードCbに記録された入庫時間と同一の入庫時間を用いていたが、第3実施形態で示した変更例のように、情報コードCbに暗証番号を記録しておくと共に情報コードCの内部(本実施形態では非公開領域Cy)にこの暗証番号と同一の暗証番号を記録しておき、S39の認証処理においてこれら暗証番号が一致することを条件として認証成功と判断し、一致しない場合に認証失敗と判断するようにしてもよい。また、第3実施形態で示した変更例のように、情報コードCbに暗証番号を記録しておくと共に読取装置40にもこの暗証番号と同一の暗証番号を記録しておき、S39の認証処理においてこれら暗証番号が一致することを条件として認証成功と判断し、一致しない場合に認証失敗と判断するようにしてもよい。
【0128】
(第4実施形態の主な効果)
第4実施形態の構成を用いても、第3実施形態と同一の効果を奏することができる。
更に本実施形態のように、情報コードCを一部非公開コードとして構成することで、セキュリティ性を一層高めることができる。特に、情報コードCにどのような情報が記録されているかを第三者が把握できなくなるため、不正な改竄を行うための何らかのきっかけすら与えにくくすることができる。例えば、情報コードCに重要なデータが記録されていることを第三者が把握しにくくなるため、情報コードCと情報コードCbを共に改竄するようなことを考えにくくすることができ、仮に改竄を試みようとしても、情報コードCについては暗号化キーを知らない限りに正規のコードをを作成することができないため、このような不正をより確実に防ぐことができる。
【0129】
[第5実施形態]
次に、第5実施形態について説明する。図24は、第5実施形態に係る情報コード読取システムにおいて精算機で行われる精算処理の流れを例示するフローチャートである。
第5実施形態の構成は、第1実施形態の構成に機能を付加している点が第1実施形態と異なっている。具体的には、施設内装置103で生成される第2の情報コードCaにおいて、割引情報に加え、入庫時間の情報を併せて記録している点、及び図12のような精算処理を図24のような精算処理に変更した点が第1実施形態と異なっており、それ以外は第1実施形態と同様である。よって第1実施形態と同様の構成等については第1実施形態と同一の符号を付し、詳細な説明は省略することとし、適宜図1〜図14を参照することとする。
【0130】
第5実施形態に係るシステムでは、図7(B)に示す施設内装置103(第1実施形態と同様の構成の装置)で生成する第2の情報コードCaにおいて、第1実施形態と同様の割引情報に加え、入庫時間の情報を記録している。
【0131】
本実施形態でも第1実施形態と同一の発券機101により第1実施形態と同一の方法で発行券10が発行されるようになっており、この発行券10には、図8下段に示すように、情報コードCに記録される入庫時間の情報と同一の入庫時間の情報が文字情報B5として印刷されるようになっている。そして、本実施形態では、このように発行された発行券10を利用者が持参して施設内装置103を管理するオペレータに渡したときに、このオペレータが、発行券10に記録される文字情報B5を確認した上で、この文字情報B5が示している入庫時間のデータを施設内装置103に設けられた入力部52にて入力する。更に、オペレータは、この発行券10を施設内装置103の所定位置(印刷初期位置)にセットし、発行券10に対して印刷部53による印刷が行える準備状態にする。そして、上記のようにオペレータによって入庫時間のデータが入力されたときには、施設内装置103の制御部51では、上述の割引情報(第1実施形態で情報コードCaに記録するとされた割引情報)と、入力部52にて入力された入庫時間のデータとを記録してなる第2の情報コードCaの図形データを公知のコード生成方法で生成する。そして、このように第2の情報コードCaの図形データを生成した後には、図11下段のように、印刷部53(第1実施形態と同様の印刷部)により発行券10の所定位置に当該第2の情報コードCa(割引情報と、入庫時間が記録された情報コード)を印刷する。
【0132】
本実施形態では、施設内装置103が「施設内情報コード形成手段」の一例に相当し、情報コードCの記録内容に対応する所定情報(例えば入庫情報)が記録された他の情報コードCaを記録紙P(記録媒体)に形成するように機能する。具体的には、情報コードCに記録された入庫時間のデータと同一の入庫時間のデータが記録された他の情報コードCaを記録紙P(記録媒体)に形成するように機能する。
【0133】
また、入力部52は、入庫時間情報を入力可能な「入力手段」の一例に相当する。また、制御部51は、「情報コード生成手段」の一例に相当し、入力部52(入力手段)によって入庫時間情報(例えば情報コードCに記録された入庫時間と同一の入庫時間のデータ)が入力されることに基づき、この入庫時間情報が記録された第2の情報コードCa(他の情報コード)を生成するように機能する。また、印刷部53は、施設内インク式プリンタの一例に相当し、発行券10を保持しつつ情報コード生成手段によって生成された情報コードCa(他の情報コード)を第2のインクにて印刷するように機能する。
【0134】
次に、本実施形態で行われる精算処理について説明する。
本実施形態では、第1実施形態と同様の構成の精算機102(図1、図2、図5、図6)が用いられ、図24のS67、S68が付加されている点が、第1実施形態の精算処理(図12)と異なっている。なお、図24の精算処理において、S61〜S66は、図12のS11〜S16とそれぞれ同一の処理であるので詳細な説明は省略する。
【0135】
図24の精算処理では、S64において情報コードの解読が成功したと判断された場合に、S64にてYesに進み、認証処理を行っている(S67)。このS67の認証処理では、S63で解読された、情報コードC、Caの内容を比較し、情報コードCに記録された入庫時間のデータ(発券機101で記録されたデータ)と第2の情報コードCaニ記録された入庫時間データ(施設内装置103で記録されたデータ)とを照合し、これらが一致するか否かを判断する。これら一致していない場合には、認証失敗と判定し、S68にてNoに進み、駐車券を返却することになる(S66)。これらが一致している場合には、S68にてYesに進み、S69以降の処理を行う。なお、S69〜S73の処理は、第1実施形態のS17〜S21(図12)の処理と同様であるので詳細な説明は省略する。なお、この例では、S70での料金算出に用いる「入庫時間」のデータとして、第1実施形態と同様に情報コードCのデータを用いてもよく、第2の情報コードCaのデータを用いてもよい。
【0136】
本実施形態では、制御部41が「真偽判定手段」の一例に相当し、撮像部42(撮像手段)によって撮像された発行券10に形成された他の情報コードCaの記録内容と情報コードCの記録内容とに基づいて発行券10の真偽を判定するように機能しており、具体的には、他の情報コードCaに記録された入庫時間情報と情報コードCに記録された入庫時間とに基づいて発行券10の真偽を判定するように機能している。
【0137】
(第5実施形態の主な効果)
本実施形態の構成によれば、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、本実施形態では、施設内装置103(施設内情報コード形成手段)は、情報コードCの記録内容に対応する所定情報が記録された他の情報コードCaを記録紙P(記録媒体)に形成するものとされている。そして、情報コード読取装置40は、撮像部42(撮像手段)によって撮像された発行券10に形成された他の情報コードCaの記録内容と情報コードCの記録内容とに基づいて当該発行券10の真偽を判定する真偽判定手段を有している。
この構成によれば、駐車場発券機101で発券された発行券19に付された情報コードCの内容と、施設内で当該発行券10に形成された他の情報コードCaの内容とに基づいて当該発行券10の真偽をより確実に判定することができる。特に、駐車場発券機101で予め付される情報コードCは一般的な読取装置40では認識が難しく、視認することも難しいため、第三者が認証の基準となる情報コードCを入手することや偽造することが困難となる。従って、不正認証を防止する対策を講じやすく、セキュリティ面を強化し易くなる。
【0138】
また、文字情報として、駐車場の入庫時間を示す文字情報B5が用いられており、施設内装置103(施設内情報コード形成手段)は、入庫時間情報を入力可能な入力部52(入力手段)と、この入力部52によって入庫時間情報が入力されることに基づき、入庫時間情報が記録された他の情報コードCaを生成する情報コード生成手段と、この情報コード生成手段によって生成された他の情報コードCaを第2のインクにて印刷する印刷部53(施設内インク式プリンタ)とを備えている。そして、真偽判定手段は、他の情報コードCaに記録された入庫時間情報と情報コードCに記録された入庫時間とに基づいて券(発行券10)の真偽を判定している。
この構成によれば、情報コードCに記録されて精算に用いられる情報(入庫時間)を他の情報コードCaに記録される入庫時間情報と比較してより確実に真偽判定を行うことができる。特に、駐車券を用いた駐車システムでは、入庫時間に基づいて駐車料金が決定するため、発行券10に記録された入庫時間が偽造されてしまうと管理者等が不利益を被る虞があるが、上記構成によればこのような不利益を防止し易くなる。例えば、第2の情報コードCaを改ざんすることによる割引情報や入庫時間のごまかし(例えば入庫時間が10時なのに、14時の情報の入った情報コードCaを貼付する等のごまかしなど)などによる駐車料金の不正を防ぐことができるように確実に真偽判定を行うことができる。
【0139】
なお、第5実施形態の代表例では、第1実施形態に機能を付加した構成を例示したが、このように第1実施形態に対して付加した機能を第2実施形態に同様に付加した変更例としてもよい。即ち、第2実施形態の施設内装置103で生成される第2の情報コードCaを第5実施形態と同様とし、割引情報に加え、入庫時間の情報を併せて記録するようにしてもよい。そして、第2実施形態の精算処理を図24のような精算処理に変更し、第5実施形態と同様の流れで行うようにしてもよい。
【0140】
[第6実施形態]
次に、第6実施形態について説明する。
第6実施形態の構成は、第1実施形態で用いた情報コードCを第4実施形態の代表例で用いたような一部非公開コードとしている点、及び読取装置40を、このような一部非公開コードを解読し得る読取装置とした点が第1実施形態と異なっている。従って、以下では第1実施形態と異なる部分について詳述し、第1実施形態と同様の部分については詳細な説明を省略する。なお、図1〜図12については第1実施形態と同様であるので適宜参照することとする。
【0141】
本実施形態では、第1実施形態で用いが情報コードCを第4実施形態で用いたような一部非公開コード(図21、図22)として構成しており、非公開領域Cyに第1実施形態と同様の入庫時間の情報を所定の暗号化キーで暗号化した状態で記録している。
【0142】
本実施形態で行われる精算処理は、基本的な流れは図12と同様であり、S13の解読処理が具体的に図23のように行われる点のみが第1実施形態の精算処理と異なっている。図23の処理は、基本的には第4実施形態と同様であり、まず、S51において公開データを公知の方法でデコードする。そして、51の処理の後には、公開領域のデコードが成功したか否かを判断し、公開領域のデコードが失敗した場合には、S52にてNoに進み、デコード失敗と判定する(S57)。一方、公開領域のデコードが成功し、終端子のデータを検出した場合には、S52にてYesに進み、S53において、秘匿識別子が存在するか否かを判断する。そして、秘匿識別子が存在しない場合にはS53にてNoに進み、当該処理を終了することになる。なお、この場合、公開領域のデコードは成功しているため、デコードは成功と判定されることになるが、非公開領域のデータは得られないことになる。一方、53において秘匿識別子が存在すると判断された場合には、S53にてYesに進み、読取装置40において予め記憶された暗号化キー(解読キー)を読み出す(S54)。本実施形態の読取装置40は、基本的に第1実施形態と同様の構成であるが(図5、図6参照)、更に、発券機101において非公開領域Cyのデータの暗号化に用いた暗号化キーと同一の暗号化キー(解読キー)、及び解読アルゴリズム(発券機101において非公開領域Cyのデータの暗号化に用いた暗号化アルゴリズムに対応するものであり、非公開領域Cyの暗号化データを解読するためのアルゴリズム)が記憶されており、S54ではこのような暗号化キー(解読キー)を読み出すことになる。そして、S54で読み出した暗号化キーと、予め記憶された解読アルゴリズムとを用い、非公開領域Cyのデータをデコードする(S55)。そして、非公開領域Cyのデコードが成功したか否かを判断し、デコードが成功した場合には、S55にてYesに進み、非公開領域Cyのデコード結果(即ち、秘匿情報のデータ)を記憶部45に記憶しておく(S56)。一方、非公開領域Cyのデコードが失敗した場合にはS55にてNoに進む。
【0143】
このようにすることで、情報コードCに一層のセキュリティ性を付加することができる。即ち、情報コードC自体を把握できないようにするという効果は勿論のこと、万が一情報コードCの偽造が試みられたとしても、正規の暗号化キーを有していない限り偽造が困難であるため、料金算出の根拠となる重要な情報(例えば入庫時間)の不正な変更をより確実に防ぐことができる。
【0144】
なお、第6実施形態の上記代表例では第1実施形態で用いた情報コードCを一部非公開コードとした例を示したが、第2実施形態で用いた情報コードCを第4実施形態の代表例で用いたような一部非公開コードとし、読取装置40の構成及び精算処理の方法を上記代表例と同様にしてもよい。また、第5実施形態の代表例、或いは第5実施形態の変更例で用いた情報コードCを第4実施形態の代表例で用いたような一部非公開コードとしてもよい。
【0145】
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0146】
上記実施形態では、情報コード形成媒体の例として駐車券を例示したが、このような例に限られない。例えば、住民票や印鑑証明などの各種証明書の台紙、商品券、地域振興券、入場券、各種チケットなどのセキュリティ性が要求されるものにおいて上記実施形態の構成を好適に適用することができる。
【0147】
上記実施形態では、背景領域(第1インク領域A1やサーマル印刷領域A5などによって構成される、情報コードCの背景となる部分)のデザインの一例を示したが、背景領域は、文字、図形、記号、模様、又はこれらの結合等、様々な形状とすることができる。例えば、図25では、このような特徴を備えた情報コード形成媒体の一例を示しており、デザイン部De(図25では「D」の文字)の領域の内部に情報コードCが埋め込まれた構成をなしている。即ち、文字「D」の内部領域において上記実施形態と同様の情報コードCが部分的に配置され、その他の領域(文字「D」の内部領域における情報コードC以外の領域)には、上記実施形態の背景領域A2と同様の特徴を有する背景領域A2が設けられている。この構成でも、第1波長帯の光(可視光等)が照射されたときには図25(A)のように情報コードCが背景領域A2に埋没した状態で撮像され、第2波長帯の光(赤外光)が照射されたときには、図25(B)のように情報コードCの明色モジュールの領域A4及び背景領域A2が反転するような透けた態様となり、情報コードCの暗色モジュールの領域A3が他の領域と明確に区別された状態で撮像されることになる。
このように背景領域に意匠性を持たせることで、第2波長帯の照明光(赤外光)が照射されていない通常時には、情報コードCの形成領域がデザイン領域内において当該デザイン領域と同種の反射特性を示すことになり、情報コードの形成領域がデザイン領域の一部として区別なく視認されることになる。従って、情報コードの位置を特定することがより一層困難となり、セキュリティ性をより高めることができる。また、デザイン領域とは別で情報コードCの領域を設ける必要が無いため、デザイン領域のスペースを大きく確保し易くなり、情報コードCがデザイン領域のデザイン性を阻害するといった問題も生じにくくなる。
【0148】
第1実施形態や第5実施形態では、第2波長帯の照明光として波長750nm以上の赤外光の波長帯を例示したが、第2波長帯の照明光として波長380nm以下の紫外光であってもよい。この場合、反転領域を紫外光が照射されたときに反転する領域として構成すればよい。この場合、例えば、上記赤外線反応インクに代えて紫外線反応インクを第1のインクとして用い、これによって反転領域を形成するようにすればよい。
【0149】
上記実施形態では、図3のように情報コード形成媒体の大部分が明色(白色等)の領域で構成され、その一部に暗色の背景領域A2(第1インク領域A1やサーマル印刷領域A5などによって構成される、情報コードCの背景となる部分)を設けた構成を例示したが、図3に示す背景領域A2が、発行券10の一方面の略全面に亘って構成されていてもよい。例えば、図3の構成において、背景領域(暗色領域)A2の領域を発行券10の略全体に広がるような構成(例えば、第1インク領域A1やサーマル印刷領域A5が発行券10の略全体に広がるようなブラックカード等としての構成)とすることができ、この場合、通常時に表示すべき情報B2〜B7を当該背景領域内において明色の文字や図形によって構成すればよい。この構成によれば、発行券10の一方面において情報コードCを配置できる領域を多く確保し易く、情報コードの配置の自由度が高まる。
また、このように情報コードCの周囲の背景領域を情報コード形成媒体の一方面の略全体に広がらせ且つ暗色領域として構成する場合、反転領域とせずに非反転領域としてもよい。この場合、情報コードCを明暗反転コードとして構成し、明色モジュールとして構成されるべき部分を非反転領域として構成し、暗色モジュールとして構成されるべき部分を反転領域とすればよい。これにより、第2照明光を照射して読み取る場合に、媒体全体に広がる暗色の背景の中から暗色モジュールとして構成されるべき部分(反転領域)が明暗反転の明色領域として浮き上がり、明色モジュールとして構成されるべき部分が明暗反転の暗色領域として浮き上がるため、読み取りを良好に行うことができる。
【0150】
上記実施形態で用いられる第2の情報コードCaは、図3等で示した種類以外の公知の情報コードであってもよい。例えば、一次元のバーコードであってもよく、図3とは種類の異なるQRコード(登録商標)、データマトリックスコード、マキシコード等の二次元コードなどであってもよい。また、第2の情報コードCaを第4実施形態等で用いた情報コードCと同様の一部非公開コードとしてもよい。
【0151】
上記実施形態で示した駐車場の構成はあくまで一例であり、他の構成であってもよい。開閉式の退場ゲートの代わりに、各車両スペース毎に車止め装置を配置し、各車両スペースに車を駐車した後、所定時間後に車止め装置が車止めを行うような構成であってもよい。
【0152】
第1実施形態、第5実施形態では、第1のインク式プリンタに相当する第1印刷部33と第2のインク式プリンタに相当する第2印刷部34とが別々に設けられた例を示したが、いずれの実施形態でも、第2印刷部34の機構自体を省略し、第1印刷部33(第1のインク式プリンタ)を、第2のインク式プリンタとして兼用するようにしてもよい。この構成によれば、一つのインク式プリンタにより二種類のインクの印刷を行うことができるため、コストをより一層抑制することができる。
具体的には、第1印刷部33が、上述の第1のインクと第2のインクとを使い分けて印刷できるようにすればよく、第1印刷部33が第1着色領域を形成する場合には第1のインクを用いて印刷を行うようにし、第2着色領域を形成する場合には第2のインクを用いて印刷を行うようにすればよい。このように単一のインクジェットプリンタが複数のインクを使い分ける方法自体は公知の方法を用いることができる。
【0153】
上記実施形態では、施設内装置103により第2の情報コードCaを印刷によって付す方法を例示したが、施設において発行券10に第2の情報コードCaを付す方法はこのような方法に限られるものではなく、発行券10に情報コードを形成可能な他の方法であってもよい。例えば、所定内容(例えば割引を示す内容)が記録された情報コードを形成可能なスタンプなどを用いてもよい。この場合、第2のインクを用いたスタンプによって第2の情報コードCaを形成すれば、上記実施形態と同様、精算機102にて第2の情報コードCaを読み取ることができるようになる。
【符号の説明】
【0154】
1…情報コード読取システム
10…発行券(券)
32…印刷部
33…第1印刷部(第1着色手段)
34…第2印刷部(第2着色手段)
40…情報コード読取装置
41…制御部(解読手段、真偽判定手段)
42…撮像部(撮像手段)
43…第1照明光源(可視光照射手段)
44…照明光源(照明手段)
51…制御部(情報コード生成手段)
53…印刷部(施設内インク式プリンタ)
A1…第1インク領域
A2…背景領域
A3…暗色モジュールの領域
A4…明色モジュールの領域
A5…サーマル印刷領域
B2〜B7…情報
101…発券機(発券手段、駐車場発券機)
102…精算機
103…施設内装置(施設内情報コード形成手段)
C…情報コード
Ca…第2の情報コード(他の情報コード)
P…記録紙(記録媒体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
明色モジュールと暗色モジュールとが配列された情報コードを記録媒体に形成してなる券を発行する発券手段と、
可視光の波長帯とは異なる所定の第2波長帯の照明光を照射可能な照明手段と、前記照明手段によって前記第2波長帯の照明光が照射された前記券を撮像可能な撮像手段と、前記撮像手段によって撮像された前記券の画像から前記情報コードを抽出して解読する解読手段と、を備えた情報コード読取装置と、
を有する情報コード読取システムであって、
前記発券手段は、
可視光が照射される時に暗色の反射特性を示し且つ前記第2波長帯の照明光が照射される時に明色の反射特性を示す第1着色領域を前記記録媒体に形成する第1着色手段と、
可視光が照射される時に暗色の反射特性を示し且つ前記第2波長帯の照明光が照射される時に暗色の反射特性を示す第2着色領域を前記記録媒体に形成する第2着色手段と、
を備え、
前記第1着色手段が、前記記録媒体の情報コード形成対象領域において前記明色モジュールとなるべき位置に前記第1着色領域を形成し、前記第2着色手段が、前記情報コード形成対象領域において前記明色モジュールとなるべき位置に前記第2着色領域を形成せず、前記暗色モジュールとなるべき位置に前記第2着色領域を形成することで前記記録媒体に前記情報コードを形成することを特徴とする情報コード読取システム。
【請求項2】
前記第1着色手段は、可視光が照射される時に暗色の反射特性を示すと共に前記第2波長帯の照明光が照射される時に非暗色の反射特性を示す第1のインクを備え、且つ前記記録媒体に前記第1のインクにて印刷を行い得る第1のインク式プリンタを備え、
前記第2着色手段は、可視光が照射される時に暗色の反射特性を示すと共に前記第2波長帯の照明光が照射される時に暗色の反射特性を示す第2のインクを備え、且つ前記記録媒体に前記第2のインクにて印刷を行い得る第2のインク式プリンタを備え、
前記第1のインク式プリンタは、前記記録媒体において前記情報コード形成対象領域と重なるように前記第1のインクによって前記第1着色領域を印刷し、
前記第2のインク式プリンタは、前記第1着色領域と重なる領域において前記暗色モジュールとなるべき位置に前記第2着色領域を印刷し、
更に、前記第1のインク式プリンタ及び前記第2のインク式プリンタの少なくともいずれかにより、前記記録媒体における前記第1着色領域以外の領域に文字情報を印刷することを特徴とする請求項1に記載の情報コード読取システム。
【請求項3】
前記第1のインク式プリンタが、前記第2のインク式プリンタとして兼用されていることを特徴とする請求項2に記載の情報コード読取システム。
【請求項4】
前記記録媒体は、感熱紙として構成されるものであり、
前記第1着色手段は、前記記録媒体に印字ヘッドを対向させて感熱方式で印刷を行う感熱式プリンタを有してなり、
前記第2着色手段は、可視光が照射される時に暗色の反射特性を示すと共に前記第2波長帯の照明光が照射される時に暗色の反射特性を示すインクを備え、且つ前記記録媒体に前記インクにて印刷を行い得る第2のインク式プリンタを有してなり、
前記感熱式プリンタは、前記記録媒体において前記情報コード形成対象領域と重なるように前記第1着色領域を印刷し、
前記第2のインク式プリンタは、前記第1着色領域と重なる領域において前記暗色モジュールとなるべき位置に前記第2着色領域を印刷し、
更に、前記感熱式プリンタ及び前記第2のインク式プリンタの少なくともいずれかにより、前記記録媒体における前記第1着色領域以外の領域に文字情報を印刷することを特徴とする請求項1に記載の情報コード読取システム。
【請求項5】
駐車場に設置されると共に、前記記録媒体を収容する収容部と、前記第2のインク式プリンタと、を備え、前記第2のインク式プリンタが前記収容部に収容される前記記録媒体に対して少なくとも入庫時間を記録した前記情報コードを印刷することで、前記情報コードが付された前記券を発券する駐車場発券機と、
施設内に設置され、前記第2のインク又はサーマル方式にて前記記録媒体に他の情報コードを形成する施設内情報コード形成手段と、
を有することを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の情報コード読取システム。
【請求項6】
前記施設内情報コード形成手段は、前記情報コードの記録内容に対応する所定情報が記録された前記他の情報コードを前記記録媒体に形成するものであり、
前記情報コード読取装置は、前記撮像手段によって撮像された前記券に形成された前記他の情報コードの記録内容と前記情報コードの記録内容とに基づいて当該券の真偽を判定する真偽判定手段を有することを特徴とする請求項5に記載の情報コード読取システム。
【請求項7】
前記文字情報は、駐車場の入庫時間を示す文字情報であり、
前記施設内情報コード形成手段は、
入庫時間情報を入力可能な入力手段と、
前記入力手段によって前記入庫時間情報が入力されることに基づき、前記入庫時間情報が記録された前記他の情報コードを生成する情報コード生成手段と、
前記券を保持すると共に当該券に対し前記情報コード生成手段によって生成された前記他の情報コードを前記第2のインクにて印刷する施設内インク式プリンタと、
を備え、
前記真偽判定手段は、前記他の情報コードに記録された入庫時間情報と前記情報コードに記録された入庫時間とに基づいて前記券の真偽を判定することを特徴とする請求項6に記載の情報コード読取システム。
【請求項8】
駐車場に設置されると共に、前記記録媒体を収容する収容部と、前記第2のインク式プリンタと、を備え、前記第2のインク式プリンタが前記収容部に収容される前記記録媒体に対して少なくとも入庫時間を記録した前記情報コードを印刷することで、前記情報コードが付された前記券を発券する駐車場発券機と、
施設内に設置されると共に、前記券に対して感熱方式で印刷を行うことで前記記録媒体に他の情報コードを形成する施設内サーマルプリンタを備えた施設内情報コード形成手段と、
を有することを特徴とする請求項4に記載の情報コード読取システム。
【請求項9】
前記情報コード読取装置は、前記照射手段によって前記第2波長帯の照明光が照射される時期とは異なる時期に可視光を照射可能な可視光照射手段を備え、
前記撮像手段は、前記券に対し前記可視光照射手段によって可視光が照射されたときの前記券の画像と、前記券に対し前記照明手段によって前記第2波長帯の照明光が照射されたときの前記券の画像とを撮像するように構成され、
更に、前記可視光照射手段によって可視光が照射されたときの前記券の撮像画像と、前記照明手段によって前記第2波長帯の照明光が照射されたときの前記券の撮像画像とに基づいて当該券の真偽を判定する真偽判定手段が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の情報コード読取システム。
【請求項10】
前記情報コード形成対象領域に形成される前記情報コードは、所定の暗号化キーに基づいて暗号化された暗号データが記録された非公開領域を少なくとも一部含む一部非公開コードであることを特徴とする請求項6、7、9のいずれか一項に記載の情報コード読取システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2013−3791(P2013−3791A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−133532(P2011−133532)
【出願日】平成23年6月15日(2011.6.15)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】