説明

情報サービス度数延長システム

【目的】 有効度数、有効期間が残り少なくなっても、その度数や期間を延長することによって一旦記憶した固有ナンバーの長期使用が可能になり、また新固有ナンバーの取得も可能な情報サービス度数延長システムを提供する。
【構成】 第一種通信事業者の通信回線における情報料回収代行サービスを介して情報サービス利用者から通信された情報サービスカードの固有ナンバーを受信する受信手段bと、情報料回収代行サービスの利用時間を計測する計測手段cと、計測された時間から延長度数、延長期間を積算する積算手段dと、積算手段dで求められた延長度数、延長期間を、受信手段bで受信した固有ナンバーに該当する記憶手段aで記憶された情報サービスカードの有効度数、有効期間に加え、新たな度数、期間を新たな有効度数、有効期間として記憶手段aに送り、有効度数、有効期間の記憶を置換する置換手段eとを具備した情報サービス度数延長システム。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、料金前払い式の情報サービスカードにより、各種の情報サービスが電話等の通信回線を通じて行われる情報サービスシステムにかかり、詳しくはこれに併設されて前記情報サービスカードの有効度数や有効期間を延長し得、さらに新固有ナンバーの取得も可能な情報サービス度数延長システムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電話はもちろんファクシミリやパーソナルコンピュータ、ファミリーコンピュターなどが普及し、これらの通信手段を利用して各種の情報サービスが行えるようになってきている。例えば、ダイヤルQ2(登録商標)による情報サービスや、パーソナルコンピュータによる通信での情報サービスがすでに一般化されている。
【0003】ところが、近時情報サービスの重要性がますます高まるとともに、コンピュータ等の普及により多くの人が比較的容易にコンピュータを扱えるようになってきていることから、ダイヤルQ2やパーソナルコンピュータによる通信での情報サービスだけでなく、もっと生活に密着した、例えばこれから行くゴルフ場の空もようを1時間毎に知りたいとか、出先での約束時間の変更等の伝言蓄積等を行いたいといったサービスについての要望が多く聞かれるようになってきている。
【0004】このような要望に答えるものとして、予めカードに固有ナンバーが記載され、さらに使用回数および使用期間が決められた情報利用カードが市販されている。このカードは、伝言の録音あるいは再生が行えるもの、ゴルフ場の天気予報が行えるものなどである。そして、これを購入した利用者は、伝言の録音あるいは再生、天気予報の確認などを行いたい場合に、カードの市販元と提携したコンピュータセンターに電話し、その固有ナンバーを電話から入力することにより、センター側がこれを認識してそのカードの種類に対応したこと、すなわち伝言の録音や天気予報を聞くことができるのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述した伝言の録音あるいは再生用、ゴルフ場の天気予報用などのカードでは、その情報サービス利用の代金を購入時に先払いする形態となっており、その代金に応じた使用度数(以下、有効度数と称する)および使用期間(以下、有効期間と称する)が予め決められているため、その有効度数あるいは有効期間が終了した後は当然使用不能となってしまう。したがって、その後同様の情報サービスを利用するためには、新たに情報サービスカードを購入し、該カードに記載された固有ナンバーを入力しなくてはならない。
【0006】しかし、利用者にとっては、先の情報サービスカードの利用を通じてその固有ナンバーに馴染み、該固有ナンバーを記憶しその入力が容易になった頃に有効度数あるいは有効期間が終了してしまい、新たなカードを購入した後は新ためてその固有ナンバーを入力しなくてはならないといった不満がある。また、情報サービスカードが例えば伝言カードの場合、伝言を伝える相手が変わったとき新しい固有ナンバーを用いて伝言の録音あるいは再生を行いたいといった要望もある。
【0007】本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、有効度数、有効期間が残り少なくなっても、その度数や期間を延長することによって一旦記憶した固有ナンバーの長期使用が可能になり、また新固有ナンバーの取得も可能な情報サービス度数延長システムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明における請求項1記載の情報サービス度数延長システムでは、利用者端末機Bからの通信を受け、さらに有効度数または有効期間が予め設定された情報サービスカードの固有ナンバーの入力を受信した後、通信回線を通じて情報サービスを行う情報サービスセンターCと、該情報サービスセンターCに接続されて前記情報サービスカードの有効度数または有効期間を記憶する記憶手段aを具備してなる情報サービスシステムに、併設される情報サービス度数延長システムにおいて、第一種通信事業者の通信回線における情報料回収代行サービスを介して情報サービス利用者から通信された前記固有ナンバーを受信する受信手段bと、前記情報料回収代行サービスの利用時間を計測する計測手段cと、該計測手段cで計測された時間から延長度数または延長期間を積算する積算手段dと、前記積算手段dで求められた延長度数または延長期間を、前記受信手段bで受信した固有ナンバーに該当する前記記憶手段aで記憶された情報サービスカードの有効度数または有効期間に加え、得られた新たな度数または期間を新たな有効度数または有効期間として前記記憶手段aに送り、該記憶手段aでの有効度数または有効期間の記憶を置換する置換手段eとを具備したことを前記課題の解決手段とした。また、請求項2記載の情報サービス度数延長システムでは、第一種通信事業者の通信回線における情報料回収代行サービスを介して情報サービス利用者から通信された新固有ナンバー取得の意志を確認する確認手段fと、該確認手段で新固有ナンバー取得の意志を確認した後、情報サービス利用者から通信された新固有ナンバーを記録する記録手段gと、前記積算手段dで求められた延長度数または延長期間を前記確認手段fで確認された新固有ナンバーとともに記憶し、これを前記記憶手段に送って新登録を行う新登録手段hとを具備したことを前記課題の解決手段とした。
【0009】
【作用】本発明における請求項1記載の情報サービス度数延長システムによれば、情報サービス利用者がその情報サービスカードの有効度数、有効期間の残りが少なくなり、これを延長するため利用者端末機BからダイヤルQ2等の第一種通信事業者の通信回線における情報料回収代行サービスを介して情報サービス度数延長システムを備えた延長用センターに通信すると、前記情報料回収代行サービスの利用時間から延長度数または延長期間が積算手段dにより積算され、さらに得られた延長度数または延長期間が、置換手段eにより、受信手段bで受信した固有ナンバーに該当する前記記憶手段aで記憶された情報サービスカードの有効度数または有効期間に加えられ、さらに得られた新たな度数または期間が新たな有効度数または有効期間として前記記憶手段aに送られ、該記憶手段aでの有効度数または有効期間の記憶が置換されることによって、有効度数、有効期間の残りが少なくなった情報サービスカードの有効度数、有効期間が自動的に延長される。請求項2記載の情報サービス度数延長システムによれば、伝言カードの固有ナンバーを新しくしたい場合、利用者端末機BからダイヤルQ2等の第一種通信事業者の通信回線における情報料回収代行サービスを介して情報サービス度数延長システムを備えた延長用センターに通信し、新固有ナンバー取得の意志を入力するとともに、希望する新固有ナンバーを入力する。すると、新固有ナンバーが記録手段gで記録され、一方前記情報料回収代行サービスの利用時間から延長度数または延長期間が積算手段dにより積算され、これら新固有ナンバーとその度数および期間が新登録手段hによって前記記憶手段aに送られ、情報サービスセンターに登録される。
【0010】なお、前記「課題を解決するための手段」および「作用」の項において、図1に示す符号により本発明を説明したが、本発明が図1に示す構成に限定される趣旨でないことはもちろんである。
【0011】
【実施例】以下、本発明を詳しく説明する。本発明における請求項1記載の情報サービス度数延長システムは、伝言の録音あるいは再生、天気予報の確認など各種情報サービスが利用できる市販の情報サービスカードの、有効度数、有効期間の延長を自動的に行うためのシステムである。ここで使用される情報サービスカードは、予めカードに固有ナンバーが記載されたものであり、情報サービスセンターにこの固有ナンバーが登録され、さらにその有効度数および有効期間が登録されることによって使用回数および使用期間が管理されるものである。
【0012】このシステムの概略を図3に示す。図3において符号1はコンピュータセンターにおけるホストコンピュータであり、このホストコンピュータ1には回線等を通じてパーソナルコンピュータ2等が複数結ばれている。そして、パーソナルコンピュータ2には、電話回線などの公衆回線により情報サービス利用者Bの端末機C(この例では電話機)が接続されるのである。ホストコンピュータ1には、CPU等からなる記憶手段a、確認手段、減算手段、警告度数認識手段等が備えられている。
【0013】ここで、記憶手段aは、前記情報サービスカードの固有ナンバーと有効度数および有効期間とを記憶するものである。また、確認手段は、情報サービス利用者からの情報サービス利用の意志の確認を、該情報サービス利用者の利用者端末機からの情報サービスカードの固有ナンバーの入力を受けることによって行うものである。減算手段は、前記情報サービス利用者からの情報サービス利用の要求に対応した際、その都度情報サービス利用の度合いに応じた度数を予め前記カードに設定された度数より減算するものである。警告度数認識手段は、前記カードに設定された度数が予め設定された警告度数に達した際これを認識するものである。
【0014】また、パーソナルコンピュータ2には音声応答システムが組み込まれており、さらにサービス提供手段、警告を発する手段が備えられている。サービス提供手段は、利用意志確認後の情報サービス利用者からの情報サービス利用の信号を受けた際、情報サービス利用要求に対応し、情報サービスを行うものであり、また警告を発する手段は、前記警告度数認識手段を受けて前記情報サービス利用者に警告を発するものである。
【0015】また、ホストコンピュータ1には、延長用センター内の度数延長用パーソナルコンピュター3が回線により接続されている。この度数延長用パーソナルコンピュター3には、音声応答システムが組み込まれており、さらに受信手段b、計測手段c、積算手段d、置換手段eが備えられている。そして、ホストコンピュター1と度数延長用パーソナルコンピュター3とから本発明の情報サービス度数延長システムが構成されている。
【0016】このようなシステムにより情報サービスカードの有効度数および有効期間の延長を行うためには、情報サービス利用者がその利用者端末機BからダイヤルQ2等の第一種通信事業者の通信回線における情報料回収代行サービスを介して度数延長用パーソナルコンピュター3に通信する。すると、コンピュター3は着信した後、音声応答システムによって情報サービスカードの固有ナンバーを入力するよう指示する。この指示を受けて利用者は、自己の有する情報サービスカードの固有ナンバーを入力する。固有ナンバーが入力されると、コンピュータ3は、その受信手段bにより固有ナンバーを受信する。
【0017】固有ナンバーを受信するとコンピュータ3は、ホストコンピュータ1の記憶手段aに記憶されている固有ナンバーと照合し、受信した固有ナンバーに一致する固有ナンバーの情報サービスカードの有効度数および有効期間を認識する。そして、認識した有効度数および有効期間を音声応答システムによって利用者に告げるとともに、例えば「12秒毎に有効度数を1回、24秒毎に有効期間を1日延長致します。」といった、通話時間に応じた延長度数および延長期間の案内をする。
【0018】また、これとは別に、利用者からの通信を着信すると、コンピュータ3の計測手段cによってその通話時間(利用時間)が計測される。そして、利用者は所望する度数および期間を延長した後、通信を終える。するとコンピュータ3は、計測手段cによって計測された通話時間を積算手段dによって積算し、延長度数および延長期間を算出する。
【0019】このようにして得られた延長度数および延長期間は、置換手段eにより、予め入力された固有ナンバーから、記憶手段aに記憶された該固有ナンバーと同一のナンバーを有する情報サービスカードの有効度数および有効期間に加えられ、得られた新たな度数および期間が新たな有効度数および有効期間として前記記憶手段aに記憶される。そして、このように情報サービスカードの有効度数、有効期間が新たに記憶されることにより、カードはその有効度数、有効期間が自動的に延長されるのである。
【0020】このような情報サービス度数延長システムによれば、カード利用者はその有効度数や有効期間が残り少なくなった際、ダイヤルQ2等の情報料回収代行サービスを通じて延長用センターのコンピュータ3に通信することにより容易に延長することができる。また、この延長システムでは、第一種通信事業者の情報料回収代行サービスを利用することにより、延長希望者からの延長料金を第一種通信事業者に代行させることができ、延長料金を徴収する手間が省け、一方、情報サービスカード利用者にとっても通常の電話料金の請求に含まれた形で延長料金が徴収されることから、延長料金をその都度支払うといった煩わしさがなくなる。
【0021】本発明における請求項2記載の情報サービス度数延長システムは、図2に示すように先のシステムに、確認手段f、記録手段g、新登録手段hを付加したものであり、固有ナンバーを新しくしたいといった要望にも対応し得るものである。また、このシステムも図3に示した構成と同様の構成を有するものであり、前記度数延長用パーソナルコンピュター3に、受信手段b、計測手段c、積算手段d、置換手段eとともに確認手段f、記録手段g、新登録手段hを備えたものである。
【0022】このようなシステムを通じて情報サービスカードの固有ナンバーを新しくするには、先の例と同様に、情報サービス利用者がその利用者端末機BからダイヤルQ2等の第一種通信事業者の通信回線における情報料回収代行サービスを介して度数延長用パーソナルコンピュター3に通信する。すると、コンピュター3は着信した後、音声応答システムによって新固有ナンバーの取得の意志を尋ねる。これに対し、例えば利用者端末機Bから特定のナンバーを入力するなどによって新固有ナンバー取得の意志を入力するとともに、希望する新固有ナンバーを入力する。すると、新固有ナンバー取得の意志を受けてこれが確認手段fで確認され、さらに入力された新固有ナンバーが記録手段gで記録される。
【0023】一方、前記情報料回収代行サービスの利用時間から延長度数または延長期間が積算手段dにより積算される。そして、これら新固有ナンバーとその度数および期間が新登録手段hによって記憶され、さらにこれらが前記記憶手段aに送られることにより、情報サービスセンターに新たな固有ナンバーとその度数および期間が登録されるのである。このような情報サービス度数延長システムによれば、カード利用者は例えば伝言カードの相手が変わり、固有ナンバーも変えたいといった場合、ダイヤルQ2等の情報料回収代行サービスを通じて延長用センターのコンピュータ3に通信することにより容易に新固有ナンバーを取得することができる。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように本発明における請求項1記載の情報サービス度数延長システムは、情報サービスカードの有効度数や有効期間が残り少なくなった際、ダイヤルQ2等の情報料回収代行サービスを通じて延長用センターのコンピュータに通信することにより有効度数や有効期間を容易に延長できるようにしたものであるから、一旦使い慣れた固有ナンバーを長く使うことができ、したがって利用の際固有ナンバーの入力にとまどうことなく円滑に情報サービスの利用を受けることができる。また、請求項2記載の情報サービス度数延長システムは、カード利用者が例えば伝言カードの相手が変わり、固有ナンバーも変えたいといった場合、ダイヤルQ2等の情報料回収代行サービスを通じて延長用センターのコンピュータに通信することにより容易に新固有ナンバーを取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における請求項1記載のシステムの概要を示すブロック図である。
【図2】本発明における請求項2記載のシステムの概要を示すブロック図である。
【図3】本発明のシステムの概略構成図である。
【符号の説明】
A 情報サービス利用者
B 端末機
C 情報サービスセンター
a 記憶手段
b 受信手段
c 計測手段
d 積算手段
e 置換手段
f 確認手段
g 記録手段
h 新登録手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】 利用者端末機からの通信を受け、さらに有効度数または有効期間が予め設定された情報サービスカードの固有ナンバーの入力を受信した後、通信回線を通じて情報サービスを行う情報サービスセンターと、該情報サービスセンターに接続されて前記情報サービスカードの有効度数または有効期間を記憶する記憶手段を具備してなる情報サービスシステムに、併設される情報サービス度数延長システムであって、第一種通信事業者の通信回線における情報料回収代行サービスを介して情報サービス利用者から通信された前記固有ナンバーを受信する受信手段と、前記情報料回収代行サービスの利用時間を計測する計測手段と、該計測手段で計測された時間から延長度数または延長期間を積算する積算手段と、前記積算手段で求められた延長度数または延長期間を、前記受信手段で受信した固有ナンバーに該当する前記記憶手段で記憶された情報サービスカードの有効度数または有効期間に加え、得られた新たな度数または期間を新たな有効度数または有効期間として前記記憶手段に送り、該記憶手段での有効度数または有効期間の記憶を置換する置換手段とを具備してなる情報サービス度数延長システム。
【請求項2】 請求項1記載の情報サービス度数延長システムにおいて、第一種通信事業者の通信回線における情報料回収代行サービスを介して情報サービス利用者から通信された新固有ナンバー取得の意志を確認する確認手段と、該確認手段で新固有ナンバー取得の意志を確認した後、情報サービス利用者から通信された新固有ナンバーを記録する記録手段と、前記積算手段で求められた延長度数または延長期間を前記確認手段で確認された新固有ナンバーとともに記憶し、これを前記記憶手段に送って新登録を行う新登録手段とを具備してなる情報サービス度数延長システム。

【図3】
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【図1】
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【図2】
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