情報システム
【課題】車両運転者に対して道路上リスクを考慮に入れた適切な走行ルート提案を行うことができる情報システムを提供する。
【解決手段】本発明の情報システムは、車両を運転する運転者の運転適正診断項目に係るデータを記憶する運転適正診断項目データ記憶手段と、運転者が運転する車両の位置情報を収集する車両位置情報収集手段と、前記車両位置情報収集手段で収集された位置情報と、前記運転適正診断項目データ記憶手段で記憶されている運転適正診断項目に係るデータとを対応づけたリスクマップデータを作成するリスクマップデータ作成手段と、前記リスクマップデータ作成手段で作成されたリスクマップデータを車両に配信する運転適正診断項目データ配信手段と、前記運転適正診断項目データ配信手段によって配信されたリスクマップデータに基づいて車両の走行予定ルートを提案するルート提案手段(ステップS703、704)と、を有することを特徴とする
【解決手段】本発明の情報システムは、車両を運転する運転者の運転適正診断項目に係るデータを記憶する運転適正診断項目データ記憶手段と、運転者が運転する車両の位置情報を収集する車両位置情報収集手段と、前記車両位置情報収集手段で収集された位置情報と、前記運転適正診断項目データ記憶手段で記憶されている運転適正診断項目に係るデータとを対応づけたリスクマップデータを作成するリスクマップデータ作成手段と、前記リスクマップデータ作成手段で作成されたリスクマップデータを車両に配信する運転適正診断項目データ配信手段と、前記運転適正診断項目データ配信手段によって配信されたリスクマップデータに基づいて車両の走行予定ルートを提案するルート提案手段(ステップS703、704)と、を有することを特徴とする
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路上の流動的に変化するリスク情報をマッピングしたダイナミックリスクマップを提供したり、活用したりする情報システムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車、ハイブリッドカーやトラックなどの車両は、移動手段として、そして物流の要として欠かすことのできないものであり、現在の我々の日常生活に利便性を与えてくれるものである一方、事故などのリスク要因を内包しているものである。そこで、車両に関連して、未然に事故を防止するための技術が種々提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1(特開2007−240433号公報)には、子供などの要保護者を事故から守る目的とした地図情報データベースに収められている危険情報データベースと、要保護者データベースの情報を照合し安全経路を誘導することによって、事故などのリスクを回避する技術が開示されている。
【0004】
また、特許文献2(特開2005−289357号公報)には、住宅密集地域等の歩行者が多い地域を安全運転地域データベースとして安全運転が行われるように運転支援することによって、リスク回避を図る技術が開示されている。
【特許文献1】特開2007−240433号公報
【特許文献2】特開2005−289357号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、車両が通行する道路上のリスクは、通行する様々な車両に依存して、時々刻々変化していくものである。しかしながら、特許文献1、特許文献2のいずれに記載の発明も、地図情報、或いは地域データなどといったそれぞれの場所に特有であり静的で時間変動のない情報に基づいて、危険度や安全度などを決定するものであった。このため、従来の技術では、車両運転者に対して、時間変化に伴い変動する状況に基づいた道路上リスクを適切に報知することができないこととなり、結局、車両運転者に対して適切な走行ルート提案などを行うことができない、という問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題点を解決するために、請求項1に係る発明は、運転者の運転適正診断項目に係るデータを記憶する運転適正診断項目データ記憶手段と、車両の位置情報を収集する車両位置情報収集手段と、前記車両位置情報収集手段で収集された位置情報と、前記運転適正診断項目データ記憶手段で記憶されている運転適正診断項目に係るデータとを対応づけたリスクマップデータを作成するリスクマップデータ作成手段と、道路データを記憶する道路データ記憶手段と、前記前記運転適正診断項目と、前記位置情報と前記道路データおよびリスクマップデータに基づいて車両の走行予定ルートを提案するルート提案手段と、を有することを特徴とする情報システムである。
【0007】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の情報システムにおいて、前記ルート提案手段は、取得した目的地と、前記位置情報および前記道路データに基づいて抽出した目的地への走行予定ルートに対して前記リスクマップデータを作成し、該リスクマップデータと当該車両の前記運転適正診断項目に係るデータから当該車両の運転者の前記走行予定ルートとの相性を比較して前記走行予定ルートを決定することを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に係る発明は、請求項2に記載の情報システムにおいて、前記ルート提案手段は、当該車両の運転者の前記走行予定ルートとの相性が良いと判断したときには、前記前記走行予定ルートに基づく走行予定ルートを提案し、当該車両の運転者の前記走行予定ルートとの相性が悪いと判断したときには、取得した目的地と、前記位置情報および前記道路データに基づいて抽出した目的地への前記走行予定ルートと異なる迂回ルートに対して前記リスクマップデータを作成し、該リスクマップデータと当該車両の前記運転適正診断項目に係るデータから当該車両の運転者の前記迂回ルートとの相性を比較し、該迂回ルートと前記走行予定ルートのうち相性が良いルートを提案することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の情報システムによれば、車両運転者に対して、時間変化に伴う状況に基づいた道路上リスクを適切に報知することができるようになると共に、車両運転者に対して道路上リスクを考慮に入れた適切な走行ルート提案などを行うことができるようになる。
【0010】
また、特に請求項2、請求項3に係る情報システムによれば、車両運転者に対して相性のよい走行予定ルートを提案することができ、車両運転者はよりリスクの少ないドライビングを行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施形態に係る情報システムの概念を説明する図である。図1において、1は通信回線網、10、10’、10’’、10’’’は車両、20はライフログデータ収集装置、20aはテレビ、20bはテレビ用リモコン、20cはパーソナルコンピュータ、20dは携帯端末、30はダイナミックリスクマップ管理システム、31はメインシステム、32はライフログデータベース、33は点数推定用データベース、34は運転適正診断項目点数データベース、35は地図情報(道路データ)データベースをそれぞれ示している。
【0012】
通信回線網1はインターネット通信網、携帯電話通信網、公衆回線網、WANやLANなどの通信網全般であり、各装置を周知の通信プロトコルによって接続して、それぞれの装置間を通信可能とするインフラストラクチャーである。
【0013】
本実施形態に係る情報システムにおいては、車両10、10’、10’’、10’’’の運転者に対して、道路上のリスクマップを提示することを一つの目的としている。本発明に係る情報システムにおいては、このようなリスクマップは時々刻々変化するものであるので、特にダイナミックリスクマップと称することもある。
【0014】
本発明に係る情報システムにおける「リスク」は、各々の車両を運転する運転者の運転適正に基づいている。例えば、運転適正が優れている運転者が運転する車両が走行する道路は、リスクの低い道路、ということとなり、運転適正が劣っている運転者が運転する車両が走行する道路は、リスクの高い道路、ということとなる。
【0015】
上記のような運転適正を数値化するときにおいて、本発明では「運転適正診断項目」という概念を用いることとする。本実施形態においては運転適正診断項目の項目として「運動能力」、「性格」、「社会性」、「運転マナー」の4項目に細分類する例について説明しているが、このような項目については任意の自然数に設定することができる。また、本実施形態に係る情報システムでは、「運動能力」、「性格」、「社会性」、「運転マナー」の4つの運転適正診断項目について、各々の運転者に対して点数付けを行うことによって、各々の運転者の運転適正の物差しとするようになっている。なお、項目数が増えれば、より詳細なリスク情報を運転者に提供することができるようになるものの、運転中に参照するには煩雑となるため、本実施形態では運転適正診断項目を4つに項目分けしている
。
【0016】
ダイナミックリスクマップ管理システム30は、車両10、10’、10’’、10’’’・・・を運転する運転者の運転適正診断項目の点数データを収集しておき、各車両の位置情報を取得した上で、この位置情報と点数データとを関連づけたダイナミックリスクマップデータを作成して、当該データを各車両10、10’、10’’、10’’’・・・に配信する機能を概略有している。
【0017】
車両10、10’、10’’、10’’’・・・は、上記のようにダイナミックリスクマップデータの配信を受ける一方で、自らの位置データと、車両の操作履歴などに係るライフログデータとをダイナミックリスクマップ管理システム30側に送信する。
【0018】
また、ライフログデータは、運転者が車両運転外で用いる装置である、テレビ20aやそのテレビ用のリモコン20b、パーソナルコンピュータ20cや携帯端末20dなどの各装置からも取得される。本実施形態においては、テレビ20a、テレビ用リモコン20b、パーソナルコンピュータ20c、携帯端末20dなど、ライフログデータを取得可能な装置を総称してライフログデータ収集装置20と呼ぶこととする。
【0019】
少なくとも車両10、10’、10’’、10’’’及びライフログデータ収集装置20は、通信回線網1を介してダイナミックリスクマップ管理システム30とデータ通信可能に構成されている。通信回線網1としては従来周知のものを適宜用いることができる。
【0020】
ダイナミックリスクマップ管理システム30はサーバーなどの汎用の情報処理システムに所定のプログラムを組み込むことにより実現することが可能であり、少なくともCPUなどを有するメインシステム31と、このメインシステム31によって処理される諸情報が記憶・蓄積されるライフログデータベース32、点数推定用データベース33、運転適正診断項目点数データベース34、地図情報(道路データ)データベース35の各データベースから構成されている。
【0021】
ライフログデータベース32は、運転者毎のライフログデータを記憶するデータベースであり、ダイナミックリスクマップ管理システム30が、各運転者による車両の操作履歴や、各々のライフログデータ収集装置20から随時情報を収集して、更新されるように構成されている。具体的なライフログデータ例について図2を参照しつつ説明する。図2は本発明の実施の形態に係る情報システムにおけるライフログデータ収集例を説明する図である。図2(A)は車両10から取得可能なライフログデータ例を示しており、図2(B)はテレビ20a、テレビ用リモコン20bから取得可能なライフログデータ例を示している。
【0022】
図2(A)に示すように、例えば車両10からは、「アクセル操作量履歴」、「ブレーキ操作量履歴」、「ハンドル操作量履歴」、「シフトレバー操作履歴」、「走行経路履歴」、「ABS作動履歴」などのライフログデータを取得する。このような車両操作等に関連するライフログデータは、運転適正診断項目の「運動能力」、「性格」、「社会性」、「運転マナー」の各項目を推定するために非常に有効なデータとなる。また、図2(B)に示すように、テレビ20aからは「視聴番組履歴」、「視聴コマーシャル履歴」、テレビ用リモコン20bからは「操作ボタン種別履歴」、「単位時間当たり操作量履歴」などのライフログデータを取得する。テレビ20aの「視聴番組履歴」、「視聴コマーシャル履歴」などからは例えば、チャンネル切り替えの頻度などがわかり、これに基づいて、運転適正診断項目の各項目を推定することができる。また、テレビ用リモコン20bの「操作ボタン種別履歴」、「単位時間当たり操作量履歴」などからも、チャンネルの切り替え態様などを分析することができ、これから運転適正診断項目の各項目を推定する。
【0023】
点数推定用データベース33は、ライフログデータベース32に保存されている各運転者のライフログデータから、運転適正診断項目の「運動能力」、「性格」、「社会性」、「運転マナー」の各項目の点数の推定を行うために用いられるデータが記憶されるデータベースである。図3は本発明の実施の形態に係る情報システムにおける点数推定用データベースによる点数推定イメージを示す図である。本実施形態では、図3に示すように「運動能力」、「性格」、「社会性」、「運転マナー」の各項目について、5点満点方式で各運転者の評点するように構成されるが、この評点のためにライフログデータベース32に保存されている各運転者のライフログデータが用いられる。
【0024】
運転適正診断項目点数データベース34は、運転者毎の運転適正診断項目の点数データを記憶するデータベースであり、より具体的には、個々の運転者毎に「運動能力」、「性格」、「社会性」、「運転マナー」の4項目について評点されたものが記憶されている。なお、運転適正診断項目の点数データは、ライフログデータベース32に保存されている各運転者のライフログデータから、推定するようにしてもよいし、予め、運転適正診断項目の評価用テストを運転者に受けてもらい、このテスト結果を点数データとして保存するようにしてもよい。
【0025】
地図情報(道路データ)データベース35は、道路情報が記憶されているデータベースであるこのような地図情報(道路データ)データベース35には、道路データの他に、施設情報などの他のデータを含むものであっても構わない。なお、道路データとしては、交差点(ノード)から交差点(ノード)までの区間を一つの道路区間として記憶する形態のデータが好ましい。
【0026】
次に、各車両10、10’、10’’、10’’’・・・に搭載されるシステムの概要について説明する。図4は本発明の実施の形態に係る情報システムで用いる車両のブロック構成の一例を示す図である。図4において、100はECU、200は車両情報取得部、210はアクセル操作量センサ、220はブレーキ操作量センサ、230はハンドル操作量センサ、240はシフトレバー操作センサ、250はアンチロックブレーキングシステム、300は運転者情報取得部、310は運転者撮像装置、320は登録運転者データベース、600はインターフェイス部、610はディスプレイ、620はタッチパネル、630はスピーカ、800はナビゲーションシステム部、810はナビゲーションシステム、820は地図データベース、830は走行経路履歴データベースをそれぞれ示している。
【0027】
ECU100はエレクトロニックコントロールユニットの略であり、CPUとCPU上で動作するプログラムを保持するROMとCPUのワークエリアであるRAMなどからなる汎用の情報処理機構である。ECU100は、図示されているECU100と接続される各構成と協働・動作する。また、ECU100は、本発明の情報システムにおける種々の車両側制御処理は、ECU100内のROMなどの記憶手段に記憶保持されるプログラムやデータに基づいて実行されるものである。
【0028】
車両情報取得部200は、車両10に関連する情報などを取得する構成であり、少なくとも
アクセルの開度を取得するアクセル操作量センサ210、ブレーキの踏み込み量を検出するブレーキ操作量センサ220、ハンドルの操作量をセンシングするハンドル操作量センサ230、シフトレバー操作を検出するシフトレバー操作センサ240、アンチロックブレーキングシステムの動作状況を取得するアンチロックブレーキングシステム250が設けられている。なお、車両情報取得部200としては、その他の運転者による操作(例えば、ヘッドライトの操作など)を検出する構成を設けるようにしてもよい。
【0029】
運転者情報取得部300は、車両10の運転者情報を取得するための構成であり、運転者撮像装置310及び登録運転者データベース320とからなっている。運転者情報取得部300では、運転者撮像装置310が車両運転席に座する者の顔画像を取得し、これを画像解析し登録運転者データベース320に対して照会し運転者を特定する。
【0030】
インターフェイス部600は、車両10の運転席部に設けられ、運転者に対し車両10に係る情報などを提供したり、或いは運転者に対して所定のワーニングを行ったりするための構成である。
【0031】
インターフェイス部600におけるディスプレイ610は液晶などの表示装置であり、このディスプレイ610に文字・図形情報等を表示することによって、運転者に対して視覚的に所定の情報を報知することを可能とする。タッチパネル620は、ディスプレイ610を覆うようにして設けられており、運転者の操作によりシステムに対して入力を可能とする入力デバイスとして機能する。また、インターフェイス部600は、スピーカ630も含んでおり、必要に応じて運転者に対して、音声による案内や警告を行い得るようになっている。
【0032】
ナビゲーションシステム部800は、ナビゲーションシステム810やこのナビゲーションシステム810が参照する地図情報などのナビゲーションシステム用の地図データベース820と、さらに走行経路履歴データベース830とからなっている。ナビゲーションシステム810は、GPS衛星からのGPS信号を受信して自らの位置を計算するGPS測位部を用いることによって、車両の現在位置情報を取得することができる。本発明の情報システムにおいては、位置情報を取得することができれば、このようなGPS測位法によらずとも、その他の測位法を用いることができるものである。
【0033】
本発明の情報システムの地図データベース820には、道路情報、施設情報などが記憶されており、例えば、ナビゲーションシステム810が、運転者に対して、目的地となる施設の案内を行ったり、運転者が指定入力した目的地までの距離、ルートなどを求めたり、目的地に到着する時刻を求めたりするのに利用される。また、運転者はナビゲーションシステム810によって提案されたルートを設定することでナビゲーションシステム810から適宜ルートに係るアドバイスを受けることができるようになっている。このようなナビゲーションシステム810に関連する地図データベース820の処理動作についてはいずれも従来周知の技術を用いることができる。また、走行経路履歴データベース830は、車両10が走行したルートのログを記憶するデータベースである。
【0034】
以上のように説明した車両10、10’、10’’、10’’’に搭載されるシステム、及びダイナミックリスクマップ管理システム30及びライフログデータ収集装置20の3者の構成によって、本実施形態に係る情報システムを実現することができる。
【0035】
次に、以上のように構成される本実施形態に係る情報システムの制御・処理について説明する。まず、車両側の種々のデータ取得処理について説明する。図5は本発明の実施形態に係る情報システムの車両側処理のフローチャートを示す図である。図5において、ステップS100で、車両側情報収集処理を開始すると、次にステップS101に進み、運転者情報取得部300によって車両の運転者を特定する。ダイナミックリスクマップ管理システム30では、このステップで特定された運転者に基づいて、運転適正診断項目点数データベース34が参照されたり、ライフログデータベース32が更新されたりする。
【0036】
次にステップS102に進み、ナビゲーションシステム部800によって、車両位置データの取得が行われ、さらに続くステップS103では、ライフログデータの収集が行わ
れる。このステップでも、ライフログデータとは、車両情報取得部200におけるアクセル操作量センサ210で取得されるアクセル操作量データであり、ブレーキ操作量センサ220で取得されるブレーキ操作量データであり、ハンドル操作量センサ230で取得されるハンドル操作量データであり、シフトレバー操作センサ240で取得されるシフトレバー操作データであり、アンチロックブレーキングシステム250で取得される動作状況データである。
【0037】
続くステップS104では、ステップS101乃至ステップS103で取得されたデータを、通信回線網1を介してダイナミックリスクマップ管理システム30に送信する。ステップS105では、車両のエンジン(不図示)などが停止されたか否かが判定される。このステップでの判定結果がYESであるときにはステップS106に進み車両側情報収集処理を終了し、NOであるときにはステップS101に戻りループする。
【0038】
次に、ダイナミックリスクマップ管理システム30側での制御・処理について説明する。図6は本発明の実施形態に係る情報システムのダイナミックリスクマップ管理システムにおける処理のフローチャートを示す図である。ステップS200で、ダイナミックリスクマップ管理システム処理が開始されると、続いてステップS201に進み、運転者位置情報収集処理のサブルーチンが実行される。このサブルーチンでは、どの運転者がどこを走行しているのかに係る情報を収集する。
【0039】
ステップS202では、それぞれの運転者の運転適正診断項目(「運動能力」、「性格」、「社会性」、「運転マナー」の各項目)の点数データの収集処理のサブルーチンが実行される。そして、ステップS203で、ダイナミックリスクマップデータの作成処理サブルーチンが実行され、ステップS204で、作成されたダイナミックリスクマップデータの配信処理サブルーチンが実行される。ダイナミックリスクマップ管理システム30では、基本的には、以上のステップS201乃至ステップ204の各サブルーチン処理が繰り返し実行されるようになっている。
【0040】
次に、ダイナミックリスクマップ管理システム30で実行される各サブルーチン処理についてより詳しく説明する。図7は本発明の実施形態に係る情報システムにおける運転者位置情報収集処理サブルーチンのフローチャートを示す図である。図7において、ステップS300で運転者位置情報収集処理のサブルーチンが開始すると、続いてステップS302に進む。ステップS302乃至ステップS203では、全ての運転者の位置情報を収集するループが実行される。このループにおいて、ステップS302では、ダイナミックリスクマップ管理システム30が各車両から送信されてきたデータに基づいて各車両の位置を特定する。ステップS303で、全運転者の位置情報収集ループが終了すると、次にステップS304に進み、メインルーチンにリターンする。
【0041】
次に、運転適正診断項目収集処理サブルーチンについて説明する。図8は本発明の実施形態に係る情報システムにおける運転適正診断項目点数データ収集処理サブルーチンのフローチャートを示す図である。図8において、ステップS400で、運転適正診断項目の各項目の点数データを収集するサブルーチン処理が開始されると、続いてステップS401に進む。ステップS401乃至ステップS409では、道路上の全ての運転者の情報を収集するループが実行される。
【0042】
このループの間には、ステップS402で、特定された運転者のライフログデータが存在するか否かが判定される。ステップS402の判定結果がYESであるときにはステップS403に進み、NOであるときにはステップS406に進む。
【0043】
ステップS403では、該当運転者のライフログデータをライフログデータベース32
から取得し、ステップS404では、点数推定用データベース33を用いて、運転適正診断の「運動能力」、「性格」、「社会性」、「運転マナー」の4項目の点数データをライフログデータから推定・取得する。続く、ステップS405では、推定された各項目点数データによって、運転適正診断項目点数データベース34を更新する。
【0044】
ステップS402の判定結果がNOであるときに進むステップS406では、運転適正診断項目の評価用テストのテスト結果が存在する否かが判定される。ステップS406の判定結果がYESであるときには、ステップS407に進み、評価用テスト結果に基づく、運転適正診断の「運動能力」、「性格」、「社会性」、「運転マナー」の4項目の点数データを取得する。また、ステップS406の判定結果がNOであるときには、ステップS408で、当該運転者のデータを無効データとする。
【0045】
ステップSS409で、全運転者の情報収集ループが終了すると、次にステップS410に進み、メインルーチンにリターンする。
【0046】
次に、ダイナミックリスクマップデータ作成処理サブルーチンについて説明する。図9は本発明の実施形態に係る情報システムにおけるダイナミックリスクマップデータ作成処理サブルーチンのフローチャートを示す図である。図9において、ステップS500で、ダイナミックリスクマップデータを作成するサブルーチン処理が開始されると、ステップS501に進み、ステップS501で、地図情報(道路データ)データベース35から道路データを取得し、ステップS502では、道路データ上に各車両の位置を対応付ける。このようなステップS502によって、各道路区間(交差点間)に存在する車両を特定することが可能となる。
【0047】
ステップS503乃至ステップS505は、全ての道路区間の平均点を算出するループが実行される。本実施形態に係る情報システムにおいては、ダイナミックリスクマップを作成する際上で、道路区間毎の時間変動リスクをマッピングするようにしている。ここで、本実施形態では、例えば交差点(ノード)から交差点(ノード)までの区間を一つの道路区間として定義する場合について説明するが、本発明は必ずしもこのような定義に限定されるものではない。
【0048】
ステップS503乃至ステップS505のループ中のステップS504では、各道路区間(交差点間)に存在するN台の車両(n=1,2,…,N)に対して、「運動能力」の点数データP1の平均点数データP1avg、「性格」の点数データP2の平均点数データP2avg、「社会性」の点数データP3の平均点数データP3avg、「運転マナー」の点数データ
P4の平均点数データの4項目の点数データP4avgを算出する。図10は所定道路区間に
おけるN台の車両からの平均点数データの算出を説明する図である。ステップS504では、図11に示すような所定道路区間に位置するものと特定されたN台の車両の運転適正診断項目の平均点数データを算出している。このための算出は、以下のような式によって求めることができる。
P1avg=(P11+P12+・・P1n)/N
P2avg=(P21+P22+・・P2n)/N
P3avg=(P31+P32+・・P3n)/N
P4avg=(P41+P42+・・P4n)/N
ステップS503乃至ステップS505のループを抜けて、ステップS506に進むと、道路区間毎の全ての平均点数データ(P1avg,P2avg,P3avg,P4avg)と、全ての道路区間データとを対応付けたデータ(ダイナミックリスクマップデータ)を作成する。ステップS507に進み、メインルーチンにリターンする。
【0049】
次に、ダイナミックリスクマップデータ配信処理サブルーチンについて説明する。図1
0は本発明の実施形態に係る情報システムにおけるダイナミックリスクマップデータ配信処理サブルーチンのフローチャートを示す図である。図10において、ステップS600でダイナミックリスクマップデータ配信処理のサブルーチンが開始すると、続いてステップS602に進む。ステップS602乃至ステップS603では、全ての車両へのダイナミックリスクマップデータを配信するループが実行される。このループにおいて、ステップS602では、それぞれの車両に対して、当該車両が存在する周辺の道路のダイナミックリスクマップデータを配信する。ステップS603で、全車両へのデータ配信ループが終了すると、次にステップS604に進み、メインルーチンにリターンする。
【0050】
次に、ダイナミックリスクマップ管理システム30から配信されたダイナミックリスクマップデータを車両側が受信したときの処理について説明する。図12は本発明の実施形態に係る情報システムの車両側情報提示処理のフローチャートを示す図である。
【0051】
図12において、ステップS700で、車両側情報提示処理が開始されると、続いてステップS701に進み、ダイナミックリスクマップ管理システム30から車両周辺の道路のダイナミックリスクマップデータを受信する。そして、ステップS702では、ディスプレイ610にダイナミックリスクマップデータを表示する処理を実行する。なお、本実施形態ではダイナミックリスクマップデータを表示するとしているが、必ずしも表示する必要はなく、運転者の意思に基づいて表示、非表示をするようにしても良い。このような処理に伴うディスプレイ表示例の一つについて図13を参照して説明する。
【0052】
図13は本発明の実施形態に係る情報システムにおける車両側システムのディスプレイ表示画面例を示す図である。先に説明したように、ダイナミックリスクマップデータは、道路区間毎の平均点数データと、道路区間データとが対応付けられたデータであり、平均点数データ(P1avg,P2avg,P3avg,P4avg)と、交差点(ノード)から交差点(ノード)までの道路区間データとが、ペアになった形式のデータである。このようなデータをディスプレイ610に表示する方法については種々考えられるが、本実施形態においては図13に示すように、道路区間毎の平均点数データ(P1avg,P2avg,P3avg,P4avg)を棒グラフ化して、ビジュアライズするようにしている。すなわち、図13に示すように、道路区間毎に「運動能力」、「性格」、「社会性」、「運転マナー」の4項目に係る平気点数データがグラフ表示され、それぞれの道路区間を走行する車両運転者の運転適正診断項目の概略(平均)を把握することができるようになっている。
【0053】
これにより、ダイナミックリスクマップデータの配信を受けてディスプレイ610表示した車両運転者は、ある道路区間Aでは、社会性の点数データが高い区間(すなわち、社会性の点数データが高い車両運転者が多い区間)であるためリスクが少ないであろうということが推測できたり、また、別の道路区間Bでは、運転マナーの点数データが低い区間
(すなわち、運転マナーの点数データが低い車両運転者が多い区間)であるためリスクが少ないであろうということが推測できたりすることができるようになる。このように本実施形態に係る情報システムによれば、車両運転者に対して、時間変化に伴う状況に基づいた道路上リスクを適切に報知することができるようになる。また、本実施形態に係る情報システムによれば、道路上リスクを適切に報知することができるようになるために、車両運転者は適切なリスク回避措置などをとることができるようになる。
【0054】
ステップS702に続くステップS703では、上記のようなダイナミックリスクマップデータを受けて、これまでにナビゲーションシステム部800で設定されていた既定ルートが好ましいものであるかを再検討するリルート処理のサブルーチンを実行する。このサブルーチンでは、車両運転者に提示するために、時間変化に応じて変動する道路上のリスクを考慮した上で、既定となっているルートに代えて、新たなリスクの低い最適ルートを抽出する。このサブルーチンの詳細については後述する。
【0055】
ステップS704では、リルート処理サブルーチンなどによって求められた最適ルートをディスプレイ610に表示する。すでに既定されているルートが最適ルートである場合については、無用な混乱を避けるために、特に画面表示は変えないようにすることが好ましい。
【0056】
ステップS705では、車両のエンジン(不図示)などが停止されたか否かが判定される。このステップでの判定結果がYESであるときにはステップS706に進み車両側情報提示処理を終了し、NOであるときにはステップS701に戻りループする。
【0057】
次に、配信されたダイナミックリスクマップデータを利用したリルート処理についてより詳細に説明する。図14は本発明の実施形態に係る情報システムにおけるリルート処理サブルーチンのフローチャートを示す図である。なお、以下のリルート処理サブルーチンのアルゴリズムでは、現在のダイナミックリスクマップデータと運転者の運転適正診断項目とを比較して、最適ルートを求めるようにしているが、将来のダイナミックリスクマップデータを予測して、これと運転者の運転適正診断項目とを比較して、最適ルートを求めるようにしてもよい。将来のダイナミックリスクマップデータを予測する方法としては、それぞれの車両で設定されている既定ルートをダイナミックリスクマップ管理システム30が収集しこれを利用したりする方法などが考えられる。また、以下のリルート処理サブルーチンのアルゴリズムでは、最適ルートを求める際の迂回ルート候補については一つのルートのみを選択するようにしているが、迂回ルートの候補を複数選択して、その中から最適ルートを選択するようにしてもよい。
【0058】
ステップS800でリルート処理のサブルーチンが開始されると、続いてステップS801に進み、ナビゲーションシステム部800などにおいてこれまでに設定されている既定ナビルートが取得される。次に、ステップS802では、取得された既定ナビルートにおける、運転者の運転適正診断項目とダイナミックリスクマップデータとの相性ポイントの算出を実行する。本実施形態では、このような相性ポイントに基づいて、車両運転者に対して相性のよい走行予定ルートを提案するので、車両運転者はよりリスクの少ないドライビングを行うことが可能となる。
【0059】
ここで、本実施形態における上記のような相性ポイントの算出について図15乃至図16を参照しつつ説明する。図15は相性ポイント算出を説明する前提となる所定道路区間の平均点数データと車両運転者の点数データとを示す図であり、図16は相性ポイントを算出する際に用いられる相性係数を説明する図であり、図17は相性ポイント算出をするための算出式を示す図であり、図18は相性ポイント算出式で用いられる項の成り立ちを説明する図である。
【0060】
図15(A)は所定道路区間の平均点数データ(P1avg,P2avg,P3avg,P4avg)を示しており、図15(B)は相性ポイント算出対象の車両運転者の点数データ(Q1,Q2,Q3,Q4)を示している。相性ポイント算出においては、図15(A)の各値と、図15(B)の各値とから一つの相性ポイント値を求めるようにする。その際に用いられる係数が、図16においてa乃至fとして示されている6つの係数であり、これら係数はどのような道路区間との相性ポイントを算出する上でも用いられる。図16における各係数の使い方について、係数aを例に説明すると、係数aは運動能力に関する(平均)点数データと、社会性に関する(平均)点数データとの積にさらに乗じられるようにして用いられる。他の係数についても図16に示すような相関関係の中で用いられる。
【0061】
図17は相性ポイントの算出式を示す図である。これは12の項の和の形となっているが、算出式の第1行目は車両運転者の「運動能力」の点数データQ1と、道路区間の「運
動能力」を除く平均点数データとの積に相性係数が乗じられたものからなり、第2行目は車両運転者の「性格」の点数データQ2と、道路区間の「性格」を除く平均点数データと
の積に相性係数が乗じられたものからなり、第3行目は車両運転者の「社会性」の点数データQ3と、道路区間の「社会性」を除く平均点数データとの積に相性係数が乗じられた
ものからなり、第4行目は車両運転者の「運転マナー」の点数データQ4と、道路区間の
「運転マナー」を除く平均点数データとの積に相性係数が乗じられたものからなっている。
【0062】
図18は相性ポイントの算出式の第1行目の算出を説明する図である。図18では、第1行目を算出するために、車両運転者の「運動能力」の点数データQ1と、「性格」の道
路区間の平均点数データP2avgとの積に相性係数dが乗じられ、車両運転者の「運動能力」の点数データQ1と、「社会性」の道路区間の平均点数データP3avgとの積に相性係数
aが乗じられ、車両運転者の「運動能力」の点数データQ1と、「運転マナー」の道路区
間の平均点数データP4avgとの積に相性係数eが乗じられることを示している。本実施形態においては、以上のようにして求められる相性ポイントが、運転者の運転適正診断項目とダイナミックリスクマップデータとの相性を図るためのパラメーターとして用いられるようになっている。
【0063】
図14のリルート処理サブルーチンのフローチャートに戻り説明を続ける。ステップS803では、相性ポイントが規定値以下であるか否かが判定される。ここで、ステップS803の判定結果がNOであるとき、すなわち、相性ポイントが規定値より大きく、既定ルートとの相性がよい場合には、ステップS814に進み、既定ナビルートを最適ルートとし、ステップS815でメインルーチンにリターンする。
【0064】
ステップS803における判定結果がYESであるときには、ステップS804で、ナビゲーションシステム部800で既定ルートを迂回するための候補となるいくつかの迂回ルートを探索する。なお、このようなルート検索技術については従来周知の技術を種々用いることができる。
【0065】
ステップS805では、選択されたそれぞれの迂回ルートによる迂回時間ロスを算出し、ステップS806では、迂回時間が最も短いルートを迂回ルートの最終候補とする。
【0066】
ステップS807では、迂回ルート候補の迂回時間がユーザー設定値より長いか否かを判定する。このようなユーザー設定値は、相性ポイント値の高いルートを走行する引き替えとして、どの程度までの時間ロスを許容するかを予めユーザーが設定する値である。
【0067】
ステップS807における判定がYESであるときには、ステップS808に進み、既定ナビルートとの相性ポイントが規定値以下でも、既定ナビルートを最適ルートとし、そしてステップS815に進みメインルーチンにリターンする。
【0068】
ステップS807における判定がNOであるときには、ステップS809に進み、迂回ルート候補における運転者の性格とダイナミックリスクマップデータとの相性ポイントの算出を実行する。このときの相性ポイント算出方法は先に説明したものと同様のものを用いる。
【0069】
続く、ステップS810では、既定ルートの相性ポイントと迂回ルート候補の相性ポイントとを比較する。そして、ステップS811において、迂回ルート候補のポイントが高いか否かを判定する。ステップS811の判定がYESであるときには、ステップS812に進み、迂回ルート候補を最適ルートとし、判定がNOであるときには、ステップS813に進み、既定ナビルートを最適ルートとする。ステップS815では、メインルーチ
ンにリターンする。
【0070】
以上のようなリルート処理によれば、ダイナミックリスクマップデータ(運転適正診断の各項目の点数データ)の観点からみて、既定ルートとの相性がよくないときには、車両運転者は既定ルートに代えて、適切な迂回ルートの提案を受けることができるようになる。
【0071】
すなわち、本実施形態に係る情報システムによれば、車両運転者に対して、時間変化に伴う状況に基づいた道路上リスクを適切に報知することができるようになると共に、車両運転者に対して道路上リスクを考慮に入れた適切な走行ルート提案などを行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の実施形態に係る情報システムの概念を説明する図である。
【図2】本発明の実施形態に係る情報システムにおけるライフログデータ収集例を説明する図である。
【図3】本発明の実施形態に係る情報システムにおける点数推定用データベースによる点数推定イメージを示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る情報システムで用いる車両のブロック構成の一例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る情報システムの車両側処理のフローチャートを示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係る情報システムのダイナミックリスクマップ管理システムにおける処理のフローチャートを示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係る情報システムにおける運転者位置情報収集処理サブルーチンのフローチャートを示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係る情報システムにおける運転適正診断項目点数データ収集処理サブルーチンのフローチャートを示す図である。
【図9】本発明の実施形態に係る情報システムにおけるダイナミックリスクマップデータ作成処理サブルーチンのフローチャートを示す図である。
【図10】本発明の実施形態に係る情報システムにおけるダイナミックリスクマップデータ配信処理サブルーチンのフローチャートを示す図である。
【図11】所定道路区間におけるN台の車両からの平均点数データの算出を説明する図である。
【図12】本発明の実施形態に係る情報システムの車両側情報提示処理のフローチャートを示す図である。
【図13】本発明の実施形態に係る情報システムにおける車両側システムのディスプレイ表示画面例を示す図である。
【図14】本発明の実施形態に係る情報システムにおけるリルート処理サブルーチンのフローチャートを示す図である。
【図15】相性ポイント算出を説明する前提となる所定道路区間の平均点数データと車両運転者の点数データとを示す図である。
【図16】相性ポイントを算出する際に用いられる相性係数を説明する図である。
【図17】相性ポイント算出をするための算出式を示す図である。
【図18】相性ポイント算出式で用いられる項の成り立ちを説明する図である。
【符号の説明】
【0073】
1・・・通信回線網、10、10’、10’’、10’’’・・・車両、20・・・ライフログデータ収集装置、20a・・・テレビ、20b・・・テレビ用リモコン、20c・・・パーソナルコンピュータ、20d・・・携帯端末、30・・・ダイナミックリスクマ
ップ管理システム、31・・・メインシステム、32・・・ライフログデータベース、33・・・点数推定用データベース、34・・・運転適正診断項目点数データベース、35・・・地図情報(道路データ)データベース、
100・・・ECU、200・・・車両情報取得部、210・・・アクセル操作量センサ、220・・・ブレーキ操作量センサ、230・・・ハンドル操作量センサ、240・・・シフトレバー操作センサ、250・・・アンチロックブレーキングシステム、300・・・運転者情報取得部、310・・・運転者撮像装置、320・・・登録運転者データベース、600・・・インターフェイス部、610・・・ディスプレイ、620・・・タッチパネル、630・・・スピーカ、800・・・ナビゲーションシステム部、810・・・ナビゲーションシステム、820・・・地図データベース、830・・・走行経路履歴データベース
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路上の流動的に変化するリスク情報をマッピングしたダイナミックリスクマップを提供したり、活用したりする情報システムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車、ハイブリッドカーやトラックなどの車両は、移動手段として、そして物流の要として欠かすことのできないものであり、現在の我々の日常生活に利便性を与えてくれるものである一方、事故などのリスク要因を内包しているものである。そこで、車両に関連して、未然に事故を防止するための技術が種々提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1(特開2007−240433号公報)には、子供などの要保護者を事故から守る目的とした地図情報データベースに収められている危険情報データベースと、要保護者データベースの情報を照合し安全経路を誘導することによって、事故などのリスクを回避する技術が開示されている。
【0004】
また、特許文献2(特開2005−289357号公報)には、住宅密集地域等の歩行者が多い地域を安全運転地域データベースとして安全運転が行われるように運転支援することによって、リスク回避を図る技術が開示されている。
【特許文献1】特開2007−240433号公報
【特許文献2】特開2005−289357号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、車両が通行する道路上のリスクは、通行する様々な車両に依存して、時々刻々変化していくものである。しかしながら、特許文献1、特許文献2のいずれに記載の発明も、地図情報、或いは地域データなどといったそれぞれの場所に特有であり静的で時間変動のない情報に基づいて、危険度や安全度などを決定するものであった。このため、従来の技術では、車両運転者に対して、時間変化に伴い変動する状況に基づいた道路上リスクを適切に報知することができないこととなり、結局、車両運転者に対して適切な走行ルート提案などを行うことができない、という問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題点を解決するために、請求項1に係る発明は、運転者の運転適正診断項目に係るデータを記憶する運転適正診断項目データ記憶手段と、車両の位置情報を収集する車両位置情報収集手段と、前記車両位置情報収集手段で収集された位置情報と、前記運転適正診断項目データ記憶手段で記憶されている運転適正診断項目に係るデータとを対応づけたリスクマップデータを作成するリスクマップデータ作成手段と、道路データを記憶する道路データ記憶手段と、前記前記運転適正診断項目と、前記位置情報と前記道路データおよびリスクマップデータに基づいて車両の走行予定ルートを提案するルート提案手段と、を有することを特徴とする情報システムである。
【0007】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の情報システムにおいて、前記ルート提案手段は、取得した目的地と、前記位置情報および前記道路データに基づいて抽出した目的地への走行予定ルートに対して前記リスクマップデータを作成し、該リスクマップデータと当該車両の前記運転適正診断項目に係るデータから当該車両の運転者の前記走行予定ルートとの相性を比較して前記走行予定ルートを決定することを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に係る発明は、請求項2に記載の情報システムにおいて、前記ルート提案手段は、当該車両の運転者の前記走行予定ルートとの相性が良いと判断したときには、前記前記走行予定ルートに基づく走行予定ルートを提案し、当該車両の運転者の前記走行予定ルートとの相性が悪いと判断したときには、取得した目的地と、前記位置情報および前記道路データに基づいて抽出した目的地への前記走行予定ルートと異なる迂回ルートに対して前記リスクマップデータを作成し、該リスクマップデータと当該車両の前記運転適正診断項目に係るデータから当該車両の運転者の前記迂回ルートとの相性を比較し、該迂回ルートと前記走行予定ルートのうち相性が良いルートを提案することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の情報システムによれば、車両運転者に対して、時間変化に伴う状況に基づいた道路上リスクを適切に報知することができるようになると共に、車両運転者に対して道路上リスクを考慮に入れた適切な走行ルート提案などを行うことができるようになる。
【0010】
また、特に請求項2、請求項3に係る情報システムによれば、車両運転者に対して相性のよい走行予定ルートを提案することができ、車両運転者はよりリスクの少ないドライビングを行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施形態に係る情報システムの概念を説明する図である。図1において、1は通信回線網、10、10’、10’’、10’’’は車両、20はライフログデータ収集装置、20aはテレビ、20bはテレビ用リモコン、20cはパーソナルコンピュータ、20dは携帯端末、30はダイナミックリスクマップ管理システム、31はメインシステム、32はライフログデータベース、33は点数推定用データベース、34は運転適正診断項目点数データベース、35は地図情報(道路データ)データベースをそれぞれ示している。
【0012】
通信回線網1はインターネット通信網、携帯電話通信網、公衆回線網、WANやLANなどの通信網全般であり、各装置を周知の通信プロトコルによって接続して、それぞれの装置間を通信可能とするインフラストラクチャーである。
【0013】
本実施形態に係る情報システムにおいては、車両10、10’、10’’、10’’’の運転者に対して、道路上のリスクマップを提示することを一つの目的としている。本発明に係る情報システムにおいては、このようなリスクマップは時々刻々変化するものであるので、特にダイナミックリスクマップと称することもある。
【0014】
本発明に係る情報システムにおける「リスク」は、各々の車両を運転する運転者の運転適正に基づいている。例えば、運転適正が優れている運転者が運転する車両が走行する道路は、リスクの低い道路、ということとなり、運転適正が劣っている運転者が運転する車両が走行する道路は、リスクの高い道路、ということとなる。
【0015】
上記のような運転適正を数値化するときにおいて、本発明では「運転適正診断項目」という概念を用いることとする。本実施形態においては運転適正診断項目の項目として「運動能力」、「性格」、「社会性」、「運転マナー」の4項目に細分類する例について説明しているが、このような項目については任意の自然数に設定することができる。また、本実施形態に係る情報システムでは、「運動能力」、「性格」、「社会性」、「運転マナー」の4つの運転適正診断項目について、各々の運転者に対して点数付けを行うことによって、各々の運転者の運転適正の物差しとするようになっている。なお、項目数が増えれば、より詳細なリスク情報を運転者に提供することができるようになるものの、運転中に参照するには煩雑となるため、本実施形態では運転適正診断項目を4つに項目分けしている
。
【0016】
ダイナミックリスクマップ管理システム30は、車両10、10’、10’’、10’’’・・・を運転する運転者の運転適正診断項目の点数データを収集しておき、各車両の位置情報を取得した上で、この位置情報と点数データとを関連づけたダイナミックリスクマップデータを作成して、当該データを各車両10、10’、10’’、10’’’・・・に配信する機能を概略有している。
【0017】
車両10、10’、10’’、10’’’・・・は、上記のようにダイナミックリスクマップデータの配信を受ける一方で、自らの位置データと、車両の操作履歴などに係るライフログデータとをダイナミックリスクマップ管理システム30側に送信する。
【0018】
また、ライフログデータは、運転者が車両運転外で用いる装置である、テレビ20aやそのテレビ用のリモコン20b、パーソナルコンピュータ20cや携帯端末20dなどの各装置からも取得される。本実施形態においては、テレビ20a、テレビ用リモコン20b、パーソナルコンピュータ20c、携帯端末20dなど、ライフログデータを取得可能な装置を総称してライフログデータ収集装置20と呼ぶこととする。
【0019】
少なくとも車両10、10’、10’’、10’’’及びライフログデータ収集装置20は、通信回線網1を介してダイナミックリスクマップ管理システム30とデータ通信可能に構成されている。通信回線網1としては従来周知のものを適宜用いることができる。
【0020】
ダイナミックリスクマップ管理システム30はサーバーなどの汎用の情報処理システムに所定のプログラムを組み込むことにより実現することが可能であり、少なくともCPUなどを有するメインシステム31と、このメインシステム31によって処理される諸情報が記憶・蓄積されるライフログデータベース32、点数推定用データベース33、運転適正診断項目点数データベース34、地図情報(道路データ)データベース35の各データベースから構成されている。
【0021】
ライフログデータベース32は、運転者毎のライフログデータを記憶するデータベースであり、ダイナミックリスクマップ管理システム30が、各運転者による車両の操作履歴や、各々のライフログデータ収集装置20から随時情報を収集して、更新されるように構成されている。具体的なライフログデータ例について図2を参照しつつ説明する。図2は本発明の実施の形態に係る情報システムにおけるライフログデータ収集例を説明する図である。図2(A)は車両10から取得可能なライフログデータ例を示しており、図2(B)はテレビ20a、テレビ用リモコン20bから取得可能なライフログデータ例を示している。
【0022】
図2(A)に示すように、例えば車両10からは、「アクセル操作量履歴」、「ブレーキ操作量履歴」、「ハンドル操作量履歴」、「シフトレバー操作履歴」、「走行経路履歴」、「ABS作動履歴」などのライフログデータを取得する。このような車両操作等に関連するライフログデータは、運転適正診断項目の「運動能力」、「性格」、「社会性」、「運転マナー」の各項目を推定するために非常に有効なデータとなる。また、図2(B)に示すように、テレビ20aからは「視聴番組履歴」、「視聴コマーシャル履歴」、テレビ用リモコン20bからは「操作ボタン種別履歴」、「単位時間当たり操作量履歴」などのライフログデータを取得する。テレビ20aの「視聴番組履歴」、「視聴コマーシャル履歴」などからは例えば、チャンネル切り替えの頻度などがわかり、これに基づいて、運転適正診断項目の各項目を推定することができる。また、テレビ用リモコン20bの「操作ボタン種別履歴」、「単位時間当たり操作量履歴」などからも、チャンネルの切り替え態様などを分析することができ、これから運転適正診断項目の各項目を推定する。
【0023】
点数推定用データベース33は、ライフログデータベース32に保存されている各運転者のライフログデータから、運転適正診断項目の「運動能力」、「性格」、「社会性」、「運転マナー」の各項目の点数の推定を行うために用いられるデータが記憶されるデータベースである。図3は本発明の実施の形態に係る情報システムにおける点数推定用データベースによる点数推定イメージを示す図である。本実施形態では、図3に示すように「運動能力」、「性格」、「社会性」、「運転マナー」の各項目について、5点満点方式で各運転者の評点するように構成されるが、この評点のためにライフログデータベース32に保存されている各運転者のライフログデータが用いられる。
【0024】
運転適正診断項目点数データベース34は、運転者毎の運転適正診断項目の点数データを記憶するデータベースであり、より具体的には、個々の運転者毎に「運動能力」、「性格」、「社会性」、「運転マナー」の4項目について評点されたものが記憶されている。なお、運転適正診断項目の点数データは、ライフログデータベース32に保存されている各運転者のライフログデータから、推定するようにしてもよいし、予め、運転適正診断項目の評価用テストを運転者に受けてもらい、このテスト結果を点数データとして保存するようにしてもよい。
【0025】
地図情報(道路データ)データベース35は、道路情報が記憶されているデータベースであるこのような地図情報(道路データ)データベース35には、道路データの他に、施設情報などの他のデータを含むものであっても構わない。なお、道路データとしては、交差点(ノード)から交差点(ノード)までの区間を一つの道路区間として記憶する形態のデータが好ましい。
【0026】
次に、各車両10、10’、10’’、10’’’・・・に搭載されるシステムの概要について説明する。図4は本発明の実施の形態に係る情報システムで用いる車両のブロック構成の一例を示す図である。図4において、100はECU、200は車両情報取得部、210はアクセル操作量センサ、220はブレーキ操作量センサ、230はハンドル操作量センサ、240はシフトレバー操作センサ、250はアンチロックブレーキングシステム、300は運転者情報取得部、310は運転者撮像装置、320は登録運転者データベース、600はインターフェイス部、610はディスプレイ、620はタッチパネル、630はスピーカ、800はナビゲーションシステム部、810はナビゲーションシステム、820は地図データベース、830は走行経路履歴データベースをそれぞれ示している。
【0027】
ECU100はエレクトロニックコントロールユニットの略であり、CPUとCPU上で動作するプログラムを保持するROMとCPUのワークエリアであるRAMなどからなる汎用の情報処理機構である。ECU100は、図示されているECU100と接続される各構成と協働・動作する。また、ECU100は、本発明の情報システムにおける種々の車両側制御処理は、ECU100内のROMなどの記憶手段に記憶保持されるプログラムやデータに基づいて実行されるものである。
【0028】
車両情報取得部200は、車両10に関連する情報などを取得する構成であり、少なくとも
アクセルの開度を取得するアクセル操作量センサ210、ブレーキの踏み込み量を検出するブレーキ操作量センサ220、ハンドルの操作量をセンシングするハンドル操作量センサ230、シフトレバー操作を検出するシフトレバー操作センサ240、アンチロックブレーキングシステムの動作状況を取得するアンチロックブレーキングシステム250が設けられている。なお、車両情報取得部200としては、その他の運転者による操作(例えば、ヘッドライトの操作など)を検出する構成を設けるようにしてもよい。
【0029】
運転者情報取得部300は、車両10の運転者情報を取得するための構成であり、運転者撮像装置310及び登録運転者データベース320とからなっている。運転者情報取得部300では、運転者撮像装置310が車両運転席に座する者の顔画像を取得し、これを画像解析し登録運転者データベース320に対して照会し運転者を特定する。
【0030】
インターフェイス部600は、車両10の運転席部に設けられ、運転者に対し車両10に係る情報などを提供したり、或いは運転者に対して所定のワーニングを行ったりするための構成である。
【0031】
インターフェイス部600におけるディスプレイ610は液晶などの表示装置であり、このディスプレイ610に文字・図形情報等を表示することによって、運転者に対して視覚的に所定の情報を報知することを可能とする。タッチパネル620は、ディスプレイ610を覆うようにして設けられており、運転者の操作によりシステムに対して入力を可能とする入力デバイスとして機能する。また、インターフェイス部600は、スピーカ630も含んでおり、必要に応じて運転者に対して、音声による案内や警告を行い得るようになっている。
【0032】
ナビゲーションシステム部800は、ナビゲーションシステム810やこのナビゲーションシステム810が参照する地図情報などのナビゲーションシステム用の地図データベース820と、さらに走行経路履歴データベース830とからなっている。ナビゲーションシステム810は、GPS衛星からのGPS信号を受信して自らの位置を計算するGPS測位部を用いることによって、車両の現在位置情報を取得することができる。本発明の情報システムにおいては、位置情報を取得することができれば、このようなGPS測位法によらずとも、その他の測位法を用いることができるものである。
【0033】
本発明の情報システムの地図データベース820には、道路情報、施設情報などが記憶されており、例えば、ナビゲーションシステム810が、運転者に対して、目的地となる施設の案内を行ったり、運転者が指定入力した目的地までの距離、ルートなどを求めたり、目的地に到着する時刻を求めたりするのに利用される。また、運転者はナビゲーションシステム810によって提案されたルートを設定することでナビゲーションシステム810から適宜ルートに係るアドバイスを受けることができるようになっている。このようなナビゲーションシステム810に関連する地図データベース820の処理動作についてはいずれも従来周知の技術を用いることができる。また、走行経路履歴データベース830は、車両10が走行したルートのログを記憶するデータベースである。
【0034】
以上のように説明した車両10、10’、10’’、10’’’に搭載されるシステム、及びダイナミックリスクマップ管理システム30及びライフログデータ収集装置20の3者の構成によって、本実施形態に係る情報システムを実現することができる。
【0035】
次に、以上のように構成される本実施形態に係る情報システムの制御・処理について説明する。まず、車両側の種々のデータ取得処理について説明する。図5は本発明の実施形態に係る情報システムの車両側処理のフローチャートを示す図である。図5において、ステップS100で、車両側情報収集処理を開始すると、次にステップS101に進み、運転者情報取得部300によって車両の運転者を特定する。ダイナミックリスクマップ管理システム30では、このステップで特定された運転者に基づいて、運転適正診断項目点数データベース34が参照されたり、ライフログデータベース32が更新されたりする。
【0036】
次にステップS102に進み、ナビゲーションシステム部800によって、車両位置データの取得が行われ、さらに続くステップS103では、ライフログデータの収集が行わ
れる。このステップでも、ライフログデータとは、車両情報取得部200におけるアクセル操作量センサ210で取得されるアクセル操作量データであり、ブレーキ操作量センサ220で取得されるブレーキ操作量データであり、ハンドル操作量センサ230で取得されるハンドル操作量データであり、シフトレバー操作センサ240で取得されるシフトレバー操作データであり、アンチロックブレーキングシステム250で取得される動作状況データである。
【0037】
続くステップS104では、ステップS101乃至ステップS103で取得されたデータを、通信回線網1を介してダイナミックリスクマップ管理システム30に送信する。ステップS105では、車両のエンジン(不図示)などが停止されたか否かが判定される。このステップでの判定結果がYESであるときにはステップS106に進み車両側情報収集処理を終了し、NOであるときにはステップS101に戻りループする。
【0038】
次に、ダイナミックリスクマップ管理システム30側での制御・処理について説明する。図6は本発明の実施形態に係る情報システムのダイナミックリスクマップ管理システムにおける処理のフローチャートを示す図である。ステップS200で、ダイナミックリスクマップ管理システム処理が開始されると、続いてステップS201に進み、運転者位置情報収集処理のサブルーチンが実行される。このサブルーチンでは、どの運転者がどこを走行しているのかに係る情報を収集する。
【0039】
ステップS202では、それぞれの運転者の運転適正診断項目(「運動能力」、「性格」、「社会性」、「運転マナー」の各項目)の点数データの収集処理のサブルーチンが実行される。そして、ステップS203で、ダイナミックリスクマップデータの作成処理サブルーチンが実行され、ステップS204で、作成されたダイナミックリスクマップデータの配信処理サブルーチンが実行される。ダイナミックリスクマップ管理システム30では、基本的には、以上のステップS201乃至ステップ204の各サブルーチン処理が繰り返し実行されるようになっている。
【0040】
次に、ダイナミックリスクマップ管理システム30で実行される各サブルーチン処理についてより詳しく説明する。図7は本発明の実施形態に係る情報システムにおける運転者位置情報収集処理サブルーチンのフローチャートを示す図である。図7において、ステップS300で運転者位置情報収集処理のサブルーチンが開始すると、続いてステップS302に進む。ステップS302乃至ステップS203では、全ての運転者の位置情報を収集するループが実行される。このループにおいて、ステップS302では、ダイナミックリスクマップ管理システム30が各車両から送信されてきたデータに基づいて各車両の位置を特定する。ステップS303で、全運転者の位置情報収集ループが終了すると、次にステップS304に進み、メインルーチンにリターンする。
【0041】
次に、運転適正診断項目収集処理サブルーチンについて説明する。図8は本発明の実施形態に係る情報システムにおける運転適正診断項目点数データ収集処理サブルーチンのフローチャートを示す図である。図8において、ステップS400で、運転適正診断項目の各項目の点数データを収集するサブルーチン処理が開始されると、続いてステップS401に進む。ステップS401乃至ステップS409では、道路上の全ての運転者の情報を収集するループが実行される。
【0042】
このループの間には、ステップS402で、特定された運転者のライフログデータが存在するか否かが判定される。ステップS402の判定結果がYESであるときにはステップS403に進み、NOであるときにはステップS406に進む。
【0043】
ステップS403では、該当運転者のライフログデータをライフログデータベース32
から取得し、ステップS404では、点数推定用データベース33を用いて、運転適正診断の「運動能力」、「性格」、「社会性」、「運転マナー」の4項目の点数データをライフログデータから推定・取得する。続く、ステップS405では、推定された各項目点数データによって、運転適正診断項目点数データベース34を更新する。
【0044】
ステップS402の判定結果がNOであるときに進むステップS406では、運転適正診断項目の評価用テストのテスト結果が存在する否かが判定される。ステップS406の判定結果がYESであるときには、ステップS407に進み、評価用テスト結果に基づく、運転適正診断の「運動能力」、「性格」、「社会性」、「運転マナー」の4項目の点数データを取得する。また、ステップS406の判定結果がNOであるときには、ステップS408で、当該運転者のデータを無効データとする。
【0045】
ステップSS409で、全運転者の情報収集ループが終了すると、次にステップS410に進み、メインルーチンにリターンする。
【0046】
次に、ダイナミックリスクマップデータ作成処理サブルーチンについて説明する。図9は本発明の実施形態に係る情報システムにおけるダイナミックリスクマップデータ作成処理サブルーチンのフローチャートを示す図である。図9において、ステップS500で、ダイナミックリスクマップデータを作成するサブルーチン処理が開始されると、ステップS501に進み、ステップS501で、地図情報(道路データ)データベース35から道路データを取得し、ステップS502では、道路データ上に各車両の位置を対応付ける。このようなステップS502によって、各道路区間(交差点間)に存在する車両を特定することが可能となる。
【0047】
ステップS503乃至ステップS505は、全ての道路区間の平均点を算出するループが実行される。本実施形態に係る情報システムにおいては、ダイナミックリスクマップを作成する際上で、道路区間毎の時間変動リスクをマッピングするようにしている。ここで、本実施形態では、例えば交差点(ノード)から交差点(ノード)までの区間を一つの道路区間として定義する場合について説明するが、本発明は必ずしもこのような定義に限定されるものではない。
【0048】
ステップS503乃至ステップS505のループ中のステップS504では、各道路区間(交差点間)に存在するN台の車両(n=1,2,…,N)に対して、「運動能力」の点数データP1の平均点数データP1avg、「性格」の点数データP2の平均点数データP2avg、「社会性」の点数データP3の平均点数データP3avg、「運転マナー」の点数データ
P4の平均点数データの4項目の点数データP4avgを算出する。図10は所定道路区間に
おけるN台の車両からの平均点数データの算出を説明する図である。ステップS504では、図11に示すような所定道路区間に位置するものと特定されたN台の車両の運転適正診断項目の平均点数データを算出している。このための算出は、以下のような式によって求めることができる。
P1avg=(P11+P12+・・P1n)/N
P2avg=(P21+P22+・・P2n)/N
P3avg=(P31+P32+・・P3n)/N
P4avg=(P41+P42+・・P4n)/N
ステップS503乃至ステップS505のループを抜けて、ステップS506に進むと、道路区間毎の全ての平均点数データ(P1avg,P2avg,P3avg,P4avg)と、全ての道路区間データとを対応付けたデータ(ダイナミックリスクマップデータ)を作成する。ステップS507に進み、メインルーチンにリターンする。
【0049】
次に、ダイナミックリスクマップデータ配信処理サブルーチンについて説明する。図1
0は本発明の実施形態に係る情報システムにおけるダイナミックリスクマップデータ配信処理サブルーチンのフローチャートを示す図である。図10において、ステップS600でダイナミックリスクマップデータ配信処理のサブルーチンが開始すると、続いてステップS602に進む。ステップS602乃至ステップS603では、全ての車両へのダイナミックリスクマップデータを配信するループが実行される。このループにおいて、ステップS602では、それぞれの車両に対して、当該車両が存在する周辺の道路のダイナミックリスクマップデータを配信する。ステップS603で、全車両へのデータ配信ループが終了すると、次にステップS604に進み、メインルーチンにリターンする。
【0050】
次に、ダイナミックリスクマップ管理システム30から配信されたダイナミックリスクマップデータを車両側が受信したときの処理について説明する。図12は本発明の実施形態に係る情報システムの車両側情報提示処理のフローチャートを示す図である。
【0051】
図12において、ステップS700で、車両側情報提示処理が開始されると、続いてステップS701に進み、ダイナミックリスクマップ管理システム30から車両周辺の道路のダイナミックリスクマップデータを受信する。そして、ステップS702では、ディスプレイ610にダイナミックリスクマップデータを表示する処理を実行する。なお、本実施形態ではダイナミックリスクマップデータを表示するとしているが、必ずしも表示する必要はなく、運転者の意思に基づいて表示、非表示をするようにしても良い。このような処理に伴うディスプレイ表示例の一つについて図13を参照して説明する。
【0052】
図13は本発明の実施形態に係る情報システムにおける車両側システムのディスプレイ表示画面例を示す図である。先に説明したように、ダイナミックリスクマップデータは、道路区間毎の平均点数データと、道路区間データとが対応付けられたデータであり、平均点数データ(P1avg,P2avg,P3avg,P4avg)と、交差点(ノード)から交差点(ノード)までの道路区間データとが、ペアになった形式のデータである。このようなデータをディスプレイ610に表示する方法については種々考えられるが、本実施形態においては図13に示すように、道路区間毎の平均点数データ(P1avg,P2avg,P3avg,P4avg)を棒グラフ化して、ビジュアライズするようにしている。すなわち、図13に示すように、道路区間毎に「運動能力」、「性格」、「社会性」、「運転マナー」の4項目に係る平気点数データがグラフ表示され、それぞれの道路区間を走行する車両運転者の運転適正診断項目の概略(平均)を把握することができるようになっている。
【0053】
これにより、ダイナミックリスクマップデータの配信を受けてディスプレイ610表示した車両運転者は、ある道路区間Aでは、社会性の点数データが高い区間(すなわち、社会性の点数データが高い車両運転者が多い区間)であるためリスクが少ないであろうということが推測できたり、また、別の道路区間Bでは、運転マナーの点数データが低い区間
(すなわち、運転マナーの点数データが低い車両運転者が多い区間)であるためリスクが少ないであろうということが推測できたりすることができるようになる。このように本実施形態に係る情報システムによれば、車両運転者に対して、時間変化に伴う状況に基づいた道路上リスクを適切に報知することができるようになる。また、本実施形態に係る情報システムによれば、道路上リスクを適切に報知することができるようになるために、車両運転者は適切なリスク回避措置などをとることができるようになる。
【0054】
ステップS702に続くステップS703では、上記のようなダイナミックリスクマップデータを受けて、これまでにナビゲーションシステム部800で設定されていた既定ルートが好ましいものであるかを再検討するリルート処理のサブルーチンを実行する。このサブルーチンでは、車両運転者に提示するために、時間変化に応じて変動する道路上のリスクを考慮した上で、既定となっているルートに代えて、新たなリスクの低い最適ルートを抽出する。このサブルーチンの詳細については後述する。
【0055】
ステップS704では、リルート処理サブルーチンなどによって求められた最適ルートをディスプレイ610に表示する。すでに既定されているルートが最適ルートである場合については、無用な混乱を避けるために、特に画面表示は変えないようにすることが好ましい。
【0056】
ステップS705では、車両のエンジン(不図示)などが停止されたか否かが判定される。このステップでの判定結果がYESであるときにはステップS706に進み車両側情報提示処理を終了し、NOであるときにはステップS701に戻りループする。
【0057】
次に、配信されたダイナミックリスクマップデータを利用したリルート処理についてより詳細に説明する。図14は本発明の実施形態に係る情報システムにおけるリルート処理サブルーチンのフローチャートを示す図である。なお、以下のリルート処理サブルーチンのアルゴリズムでは、現在のダイナミックリスクマップデータと運転者の運転適正診断項目とを比較して、最適ルートを求めるようにしているが、将来のダイナミックリスクマップデータを予測して、これと運転者の運転適正診断項目とを比較して、最適ルートを求めるようにしてもよい。将来のダイナミックリスクマップデータを予測する方法としては、それぞれの車両で設定されている既定ルートをダイナミックリスクマップ管理システム30が収集しこれを利用したりする方法などが考えられる。また、以下のリルート処理サブルーチンのアルゴリズムでは、最適ルートを求める際の迂回ルート候補については一つのルートのみを選択するようにしているが、迂回ルートの候補を複数選択して、その中から最適ルートを選択するようにしてもよい。
【0058】
ステップS800でリルート処理のサブルーチンが開始されると、続いてステップS801に進み、ナビゲーションシステム部800などにおいてこれまでに設定されている既定ナビルートが取得される。次に、ステップS802では、取得された既定ナビルートにおける、運転者の運転適正診断項目とダイナミックリスクマップデータとの相性ポイントの算出を実行する。本実施形態では、このような相性ポイントに基づいて、車両運転者に対して相性のよい走行予定ルートを提案するので、車両運転者はよりリスクの少ないドライビングを行うことが可能となる。
【0059】
ここで、本実施形態における上記のような相性ポイントの算出について図15乃至図16を参照しつつ説明する。図15は相性ポイント算出を説明する前提となる所定道路区間の平均点数データと車両運転者の点数データとを示す図であり、図16は相性ポイントを算出する際に用いられる相性係数を説明する図であり、図17は相性ポイント算出をするための算出式を示す図であり、図18は相性ポイント算出式で用いられる項の成り立ちを説明する図である。
【0060】
図15(A)は所定道路区間の平均点数データ(P1avg,P2avg,P3avg,P4avg)を示しており、図15(B)は相性ポイント算出対象の車両運転者の点数データ(Q1,Q2,Q3,Q4)を示している。相性ポイント算出においては、図15(A)の各値と、図15(B)の各値とから一つの相性ポイント値を求めるようにする。その際に用いられる係数が、図16においてa乃至fとして示されている6つの係数であり、これら係数はどのような道路区間との相性ポイントを算出する上でも用いられる。図16における各係数の使い方について、係数aを例に説明すると、係数aは運動能力に関する(平均)点数データと、社会性に関する(平均)点数データとの積にさらに乗じられるようにして用いられる。他の係数についても図16に示すような相関関係の中で用いられる。
【0061】
図17は相性ポイントの算出式を示す図である。これは12の項の和の形となっているが、算出式の第1行目は車両運転者の「運動能力」の点数データQ1と、道路区間の「運
動能力」を除く平均点数データとの積に相性係数が乗じられたものからなり、第2行目は車両運転者の「性格」の点数データQ2と、道路区間の「性格」を除く平均点数データと
の積に相性係数が乗じられたものからなり、第3行目は車両運転者の「社会性」の点数データQ3と、道路区間の「社会性」を除く平均点数データとの積に相性係数が乗じられた
ものからなり、第4行目は車両運転者の「運転マナー」の点数データQ4と、道路区間の
「運転マナー」を除く平均点数データとの積に相性係数が乗じられたものからなっている。
【0062】
図18は相性ポイントの算出式の第1行目の算出を説明する図である。図18では、第1行目を算出するために、車両運転者の「運動能力」の点数データQ1と、「性格」の道
路区間の平均点数データP2avgとの積に相性係数dが乗じられ、車両運転者の「運動能力」の点数データQ1と、「社会性」の道路区間の平均点数データP3avgとの積に相性係数
aが乗じられ、車両運転者の「運動能力」の点数データQ1と、「運転マナー」の道路区
間の平均点数データP4avgとの積に相性係数eが乗じられることを示している。本実施形態においては、以上のようにして求められる相性ポイントが、運転者の運転適正診断項目とダイナミックリスクマップデータとの相性を図るためのパラメーターとして用いられるようになっている。
【0063】
図14のリルート処理サブルーチンのフローチャートに戻り説明を続ける。ステップS803では、相性ポイントが規定値以下であるか否かが判定される。ここで、ステップS803の判定結果がNOであるとき、すなわち、相性ポイントが規定値より大きく、既定ルートとの相性がよい場合には、ステップS814に進み、既定ナビルートを最適ルートとし、ステップS815でメインルーチンにリターンする。
【0064】
ステップS803における判定結果がYESであるときには、ステップS804で、ナビゲーションシステム部800で既定ルートを迂回するための候補となるいくつかの迂回ルートを探索する。なお、このようなルート検索技術については従来周知の技術を種々用いることができる。
【0065】
ステップS805では、選択されたそれぞれの迂回ルートによる迂回時間ロスを算出し、ステップS806では、迂回時間が最も短いルートを迂回ルートの最終候補とする。
【0066】
ステップS807では、迂回ルート候補の迂回時間がユーザー設定値より長いか否かを判定する。このようなユーザー設定値は、相性ポイント値の高いルートを走行する引き替えとして、どの程度までの時間ロスを許容するかを予めユーザーが設定する値である。
【0067】
ステップS807における判定がYESであるときには、ステップS808に進み、既定ナビルートとの相性ポイントが規定値以下でも、既定ナビルートを最適ルートとし、そしてステップS815に進みメインルーチンにリターンする。
【0068】
ステップS807における判定がNOであるときには、ステップS809に進み、迂回ルート候補における運転者の性格とダイナミックリスクマップデータとの相性ポイントの算出を実行する。このときの相性ポイント算出方法は先に説明したものと同様のものを用いる。
【0069】
続く、ステップS810では、既定ルートの相性ポイントと迂回ルート候補の相性ポイントとを比較する。そして、ステップS811において、迂回ルート候補のポイントが高いか否かを判定する。ステップS811の判定がYESであるときには、ステップS812に進み、迂回ルート候補を最適ルートとし、判定がNOであるときには、ステップS813に進み、既定ナビルートを最適ルートとする。ステップS815では、メインルーチ
ンにリターンする。
【0070】
以上のようなリルート処理によれば、ダイナミックリスクマップデータ(運転適正診断の各項目の点数データ)の観点からみて、既定ルートとの相性がよくないときには、車両運転者は既定ルートに代えて、適切な迂回ルートの提案を受けることができるようになる。
【0071】
すなわち、本実施形態に係る情報システムによれば、車両運転者に対して、時間変化に伴う状況に基づいた道路上リスクを適切に報知することができるようになると共に、車両運転者に対して道路上リスクを考慮に入れた適切な走行ルート提案などを行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の実施形態に係る情報システムの概念を説明する図である。
【図2】本発明の実施形態に係る情報システムにおけるライフログデータ収集例を説明する図である。
【図3】本発明の実施形態に係る情報システムにおける点数推定用データベースによる点数推定イメージを示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る情報システムで用いる車両のブロック構成の一例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る情報システムの車両側処理のフローチャートを示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係る情報システムのダイナミックリスクマップ管理システムにおける処理のフローチャートを示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係る情報システムにおける運転者位置情報収集処理サブルーチンのフローチャートを示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係る情報システムにおける運転適正診断項目点数データ収集処理サブルーチンのフローチャートを示す図である。
【図9】本発明の実施形態に係る情報システムにおけるダイナミックリスクマップデータ作成処理サブルーチンのフローチャートを示す図である。
【図10】本発明の実施形態に係る情報システムにおけるダイナミックリスクマップデータ配信処理サブルーチンのフローチャートを示す図である。
【図11】所定道路区間におけるN台の車両からの平均点数データの算出を説明する図である。
【図12】本発明の実施形態に係る情報システムの車両側情報提示処理のフローチャートを示す図である。
【図13】本発明の実施形態に係る情報システムにおける車両側システムのディスプレイ表示画面例を示す図である。
【図14】本発明の実施形態に係る情報システムにおけるリルート処理サブルーチンのフローチャートを示す図である。
【図15】相性ポイント算出を説明する前提となる所定道路区間の平均点数データと車両運転者の点数データとを示す図である。
【図16】相性ポイントを算出する際に用いられる相性係数を説明する図である。
【図17】相性ポイント算出をするための算出式を示す図である。
【図18】相性ポイント算出式で用いられる項の成り立ちを説明する図である。
【符号の説明】
【0073】
1・・・通信回線網、10、10’、10’’、10’’’・・・車両、20・・・ライフログデータ収集装置、20a・・・テレビ、20b・・・テレビ用リモコン、20c・・・パーソナルコンピュータ、20d・・・携帯端末、30・・・ダイナミックリスクマ
ップ管理システム、31・・・メインシステム、32・・・ライフログデータベース、33・・・点数推定用データベース、34・・・運転適正診断項目点数データベース、35・・・地図情報(道路データ)データベース、
100・・・ECU、200・・・車両情報取得部、210・・・アクセル操作量センサ、220・・・ブレーキ操作量センサ、230・・・ハンドル操作量センサ、240・・・シフトレバー操作センサ、250・・・アンチロックブレーキングシステム、300・・・運転者情報取得部、310・・・運転者撮像装置、320・・・登録運転者データベース、600・・・インターフェイス部、610・・・ディスプレイ、620・・・タッチパネル、630・・・スピーカ、800・・・ナビゲーションシステム部、810・・・ナビゲーションシステム、820・・・地図データベース、830・・・走行経路履歴データベース
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転者の運転適正診断項目に係るデータを記憶する運転適正診断項目データ記憶手段と、車両の位置情報を収集する車両位置情報収集手段と、
前記車両位置情報収集手段で収集された位置情報と、前記運転適正診断項目データ記憶手段で記憶されている運転適正診断項目に係るデータとを対応づけたリスクマップデータを作成するリスクマップデータ作成手段と、
道路データを記憶する道路データ記憶手段と、
前記前記運転適正診断項目と、前記位置情報と前記道路データおよびリスクマップデータに基づいて車両の走行予定ルートを提案するルート提案手段と、を有することを特徴とする情報システム。
【請求項2】
前記ルート提案手段は、取得した目的地と、前記位置情報および前記道路データに基づいて抽出した目的地への走行予定ルートに対して前記リスクマップデータを作成し、該リスクマップデータと当該車両の前記運転適正診断項目に係るデータから当該車両の運転者の前記走行予定ルートとの相性を比較して前記走行予定ルートを決定することを特徴とする請求項1に記載の情報システム。
【請求項3】
前記ルート提案手段は、当該車両の運転者の前記走行予定ルートとの相性が良いと判断したときには、前記前記走行予定ルートに基づく走行予定ルートを提案し、
当該車両の運転者の前記走行予定ルートとの相性が悪いと判断したときには、取得した目的地と、前記位置情報および前記道路データに基づいて抽出した目的地への前記走行予定ルートと異なる迂回ルートに対して前記リスクマップデータを作成し、該リスクマップデータと当該車両の前記運転適正診断項目に係るデータから当該車両の運転者の前記迂回ルートとの相性を比較し、該迂回ルートと前記走行予定ルートのうち相性が良いルートを提案することを特徴とする請求項2に記載の情報システム。
【請求項1】
運転者の運転適正診断項目に係るデータを記憶する運転適正診断項目データ記憶手段と、車両の位置情報を収集する車両位置情報収集手段と、
前記車両位置情報収集手段で収集された位置情報と、前記運転適正診断項目データ記憶手段で記憶されている運転適正診断項目に係るデータとを対応づけたリスクマップデータを作成するリスクマップデータ作成手段と、
道路データを記憶する道路データ記憶手段と、
前記前記運転適正診断項目と、前記位置情報と前記道路データおよびリスクマップデータに基づいて車両の走行予定ルートを提案するルート提案手段と、を有することを特徴とする情報システム。
【請求項2】
前記ルート提案手段は、取得した目的地と、前記位置情報および前記道路データに基づいて抽出した目的地への走行予定ルートに対して前記リスクマップデータを作成し、該リスクマップデータと当該車両の前記運転適正診断項目に係るデータから当該車両の運転者の前記走行予定ルートとの相性を比較して前記走行予定ルートを決定することを特徴とする請求項1に記載の情報システム。
【請求項3】
前記ルート提案手段は、当該車両の運転者の前記走行予定ルートとの相性が良いと判断したときには、前記前記走行予定ルートに基づく走行予定ルートを提案し、
当該車両の運転者の前記走行予定ルートとの相性が悪いと判断したときには、取得した目的地と、前記位置情報および前記道路データに基づいて抽出した目的地への前記走行予定ルートと異なる迂回ルートに対して前記リスクマップデータを作成し、該リスクマップデータと当該車両の前記運転適正診断項目に係るデータから当該車両の運転者の前記迂回ルートとの相性を比較し、該迂回ルートと前記走行予定ルートのうち相性が良いルートを提案することを特徴とする請求項2に記載の情報システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2010−151593(P2010−151593A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−329629(P2008−329629)
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(591261509)株式会社エクォス・リサーチ (1,360)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(591261509)株式会社エクォス・リサーチ (1,360)
【Fターム(参考)】
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